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神々の山嶺 上
神々の山嶺 上
夢枕獏/KADOKAWA
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総合評価

22件)
3.9
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9
4
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    世界最高峰・エベレスト。 その山に取り憑かれた男、羽生譲二が前人未到の「南西壁・冬季無酸素単独登頂」に挑む物語。 上巻では、主に羽生の生き様が描かれます。 社会や他人との関係よりも登山そのものに人生を見出し、仕事も忠告も振り切って、ただ山を目指す。そんな狂気と情熱の人間ドラマが中心です。 エベレストに挑むためには莫大な資金やコネが必要であり、すべてを擲ってもなお挑戦すら許されない現実。 資格を得る為、羽生は名声を求めて、より危険で過酷な登山へと自らを追い込んでいく。その姿には、共感はできなくとも目を離せない魅力がありました。 ただし、本作の上巻はあくまで羽生という人物の背景と心情を掘り下げる導入編。 エベレストへの挑戦そのものは下巻で展開されるため、上巻だけではやや物足りなさが残ります。

    0
    投稿日: 2025.11.13
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    Amazonオーディブルで聴いた。 なんか〜レビューが結構絶賛だよねー。 「私と同じものを読んでいるのか…?」という例の(例の?)気持ち。 「男のロマン」的なものに白けてしまう人間にはダメな部類の作品だったかも…と聴き始めてから気がついた。 もっと山に登るのかと思ったら、上巻ではほとんど山に登ってない。 主人公がいつまでもフラれた女に未練たらたらでキモい(ひどい)。 羽生というキャラにも魅力を感じない(魅力を感じないどころか、超嫌いなタイプでムカついてる)。 上巻を聴き終えても、この物語の進む方向がよく分からない。 メインは山なの?女なの? こういう作品に添え物的に出てくる女の魅力のなさ…。 一応下巻も聴く程度には興味は続いてるけど、下巻はもっと山に登ってくれるのか?  下巻を聴き始めて相変わらず主人公が女(前とは別の女)のことばかり考えてた。キモい(ひどい)。

    2
    投稿日: 2025.08.10
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    心情描写が時系列順で進んだり主人公の自問自答があったりで、エンタメ小説よりも純文学よりの小説だと思った 登山のことに詳しくない身でも、情景を思い浮かべられるほど臨場感溢れる描写で最高だった この小説はそれとして1個のジャンルを確立してるようにも思えた

    0
    投稿日: 2025.01.03
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    1,000ページを超える長編でしたが、ページをめくる手が止まりませんでした。 カトマンドゥの雰囲気や過酷な登山の描写が素晴らしく、一緒に登山をしているようでした。 サスペンス要素も面白かったです。

    0
    投稿日: 2024.07.27
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    男による男のための、実に男くさい小説。 エヴェレスト南西壁、極限に挑んだ羽生や山男達の物語のようで、実はカメラマン深町がただひたすら、もんもんとする、実に青臭い男の物語でもある。 「なぜ登るのか」は「なぜ生きるのか」に通じる問いかけ。 登場する男たちは、山頂に到達した時の達成感、高揚感、清々しさとは無縁で、その高嶺にある幻影を求め、悩み、うめき、歯を食いしばり、這うように歩き、まるで胃袋のものを吐き出すように言葉を絞り出していく。 深町も言っているけど、あの場所、あの濃い時間を一度体験してしまったら、もう日常と言う、ぬるま湯の世界では生きられないんだな。取りつかれた者たちの物語。

    0
    投稿日: 2024.01.19
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    ※上下巻共通のレビューです 実写とアニメの映画を鑑賞した後に読みました。上下巻通してかなり引き込まれました。物語の骨組みがしっかりしているし、細かい所もかなり考えられています。 上巻は下巻のために舞台設定をした感じですが、ミステリー小説のように楽しめました。これからどうなる?と言う期待感を持ちながら、また情景を感じつつ読みました。 万を期した下巻は、精神的哲学的な要素が強く、一言一言に考えさせられました。上巻は登録フレーズ0でしたが、下巻は11登録しました。「薄い時間」と「濃い時間」の考え方、そして「何故、山にゆくのか。何故、山に登るのか。それには答えがない。それは、何故、人は生きるのかという問いと同じであるからだ。」とか、「登れるのがはっきりわかっているルートなんか、地面を歩くのと同じじゃないか。それだったら、岩なんかやらずに、通常の登山道を歩いてればいい」とか身に沁みます。 ラストも最高の締めくくりでした。

    0
    投稿日: 2022.11.27
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    漫画から入ったので、大まかなストーリーは知っていた でも、やはり文章にするとその重みが違うなと感じた 一人の男の、孤独で意地で、夢が詰まっていた

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    投稿日: 2021.12.07
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    田部井淳子さんをモデルにした小説「淳子のてっぺん」からエベレストづいた流れで読むことに アクの強すぎる伝説の男が、登山家としては既に峠を越した年齢でありながら、前人未到の「エベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂」に挑む(わかりやすく言うと、南西壁はエベレストの超難関登山ルート、かつ冬に酸素ボンベを持たず、さらにはシェルパなしの単独での登頂…あり得ない…) ひとことで言うとこんなストーリだ 主人公のカメラマン 40歳、独身、カメラで食っていけるのか…という生活 恋人との不幸な別れをし、エベレストへカメラマンとして挑戦するも、仲間の死という不運に見舞われる 何もかも捨ててしまいたいほどの脱力状態であった そんな時に世間から忘れかけられていた登山家、羽生と出会う 羽生は天才クライマーと言われるほどの実力を持ちながら、危険と分かっても前にしか進めない不器用で面倒くさい男である 家族もおらず、定職にもつかず(つけず)、生活は荒んでおり、無口だが、自己主張は強く、協調性に欠けるため人付き合いもまともにできないような男 そう、この男にはただただ「山」しかないのだ そんな不器用だが、情熱の暗い炎が消えない羽生の人生を追い求めることで、なんとか生きていく時間を埋めようとしているカメラマン 羽生は本当に人に好かれにくい男だ 近くにこんな奴がいたら関わりたくないと思う 自分の山へのキャリア更新のためなら手段を問わないくらい、イノシシのように突進するのみの姿勢 振り返ったり、回り道をするなんていう選択肢があることすら知らないのではないだろうか… まともな社会生活も送れず、人に対する思いやりにも欠ける だが山に対する情熱は凄まじい 恐らくすべてを捨ててでも山に賭けることができる男だ 何をするのか、目が離せなくなる カメラマンが追いかけたらやめられなくなるのもわからないでもない 自分の夢の代弁者のような気がするのかもしれない そして無口な羽生の心の葛藤や、後悔の念、心の叫びが見え隠れし始める エベレストの拠点、ネパール、首都カトマンドゥ 猥雑な喧騒と埃っぽさ、湿度や動物な香辛料などのあらゆる匂いを含んだ空気、人込みと騒音、素朴と混沌が渦巻く ヒンドゥー教の宗教儀式(ダイサンというお祭り 動物を供物とする儀式)や、人びとの生活をうかがい知ることができる 正直、行きたいとは思わないが、この地域の描写はなかなか興味深い 狡猾に、ある意味懸命に生きる人々の熱量を剥き出しの大地に感じる ここを舞台にミステリー要素も加わり、男たちのロマンや野心が広く展開していく 登山小説ではあるが、生きるというのはどういうことなのかを問うような、男のロマン小説という方が良いのかもしれない そしてとうとう、二人はエベレストへ… どこまでも男臭く、暑苦しく、暗い希望を持って後半へ続くのだ

    28
    投稿日: 2020.09.04
  • 山に人生をかけた男

    山に人生をかけた男が描かれている。とにかく熱い。加えて、登山シーンが圧巻である。夢枕獏さんも登山をやっておられるらしく、嘘がない。エベレスト登山史の謎を追うミステリーが並行して進み、ページをめくる手が止まらなくなった。他の人生を経験するという読書の醍醐味を感じた。

    15
    投稿日: 2016.11.23
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    深町がカトマンドゥで見つけた古いカメラ。 フィルムが見つかれば山岳史上大変な発見となるかもしれず、それを追う深町と、行方知れずの日本人クライマー羽生の実人生が重なるまでが上巻。 ちょっと長い…。 エンタメ小説だし高峰登山の描写や羽生の半生は少し削っても良かったように思います。 実在の、しかも突出した才能をモデルにする加減の難しさは痛く感じました。 羽生がK2を下山したエピソードや羽生についてクライマー達が寄せた(どこかで読んだ)コメントの部分もちょっとやりすぎな印象でした。 実在の登山家をモデルにするのはそこそこにして、思い切りエンタメ方向に舵を切れば良かったのじゃないかな。

    0
    投稿日: 2016.11.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すごい。こんなにストイックになれるほど、山は魅力なんだ。富士山すら登ったことないけど、行ってみたくなる。 ネパール・カドマンドゥーの描写もすごい。行ったこともないのに目の前に情景が浮かぶ。 下巻も楽しみ。

    0
    投稿日: 2016.05.27
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    映画を見てから読んでるけど、面白いやん! う~ん、映画も忠実だったとは思うんだけど、薄い、軽い、重みがないなんだよなあ・・・ 原作ファンの人は映画は見ない方がいいと思います。映画見てても、小説は早く後編読みたい!

    0
    投稿日: 2016.04.02
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    10年程前、同僚に薦められ一度読みました。映画化で話題に上っていますが、大分忘れているのでもう一度読んでいます。

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    投稿日: 2016.01.25
  • 血わき肉おどる山岳ミステリー

    ※ハード版のレビュー再掲です 「そこに山があるからさ」 登山に縁のない人でも知っている、有名なこのセリフ。イギリスの登山家ジョージ・マロリーは、エベレストの頂上を目指して出発したきり、帰らぬ人になりました。 果たして彼はエベレストに登る途中で死んだのか、それとも一度は頂上に辿りつき、下山途中で事故にあったのか? エベレスト登山史上最大の謎を解く鍵を、日本人のカメラマン深町誠は見つけますが、せっかく手に入れたものの盗まれてしまい・・・ 一度は日本に帰国したものの、諦めきれない彼は再びネパールの地を踏むことになるのです。 謎を追いかけるうち、いつの間にかエベレストの魅力に引き込まれる上巻。ドキドキハラハラしながら下巻に続きます。

    17
    投稿日: 2015.10.01
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    登山の知識が全くないので最初は話についていけるかが心配でしたが、後半に進むにつれて話の中に引き込まれていきました。羽生さんのことなどまだわからないこともあるので下巻を読むのがとても楽しみです。

    0
    投稿日: 2015.09.08
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    第11回平成10年度柴田錬三郎賞受賞。 登山家である羽生丈二が、前人未到のエベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂に挑む姿を描く。読み終わって漫画を読み始めたが、これは漫画が原作よりいいかも。 佐瀬稔さんの「狼は帰らず アルピニスト・森田勝の生と死」を読み終えてびっくり、ネットで盗作、パクリとか書かれてましたが、かなりかぶる元ネタですね。

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    投稿日: 2015.08.27
  • 何度読んでも本当に面白い!山岳ミステリー最高傑作

    読むのはもう3度目くらいか。前回から10年くらい空いていたのでディテールは覚えていなかった。相変わらず大変面白い。複数回読んでいても上下巻を2日間で読破してしまう引き込まれ感は微塵も変わらない。山岳小説だが、それだけではない上質なミステリー。多重のプロットと複雑な人間関係をそう感じさせず分かりやすく読ませる筆力。こんなに沢山の魅力的な要素が、通して読んでいるだけでシンプルに伝わり、ドキドキさせてくれる小説はあまりないと思います。エヴェレスト単独登山のディテールも詳しく、山に興味ある人が読んでも満足でしょう。前にTVで見た三浦雄一郎のエヴェレスト登山風景との対比が頭に浮かんできました。ミステリーとしては「ダンブラウン」みたい(ちょっと大げさですが)。山岳小説としては「岳(コミック)」みたい。人間の描写は新田次郎のよう。5つ星文句なしでしょう。

    17
    投稿日: 2015.07.13
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    1924年6月8日、世界初のエヴェレスト登頂目前で姿を消した登山家、ジョージ・マロリー。彼の登頂の可否は、登山史上最大の謎となった。鍵を握る古いコダック-マロリーのカメラをカトマンドゥの裏町で手に入れた写真家の深町は、カメラに誘われるようにその男に会う。孤高の登山家、羽生丈二。数々の難所に挑み伝説となった男は、挫折を経て失踪していた。羽生の命を賭けた最後の挑戦とは?山岳小説の最高峰!

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    投稿日: 2015.06.16
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    山岳小説とジャンル分けしてしまうのは勿体無い。滅多にないくらいの力のある作品。 登場人物はもちろん、カドマンドゥーなどの町の描写も息遣いが聞こえてきそうなほどリアル。 吸い込まれるような感覚で読み進めました。

    0
    投稿日: 2015.04.08
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    山が好きで手にとった本だったけれど、単なる山岳小説ではなく、主人公の生き方に引き込まれ一気に読んでしまった。

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    投稿日: 2015.01.10
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    久しぶりに上下2巻、1000ページを超える大長編を読みました。 山岳小説の白眉と言われる作品です。 中高生時代は山に登っていて、新田次郎さんの山岳小説にも嵌りました。単独行の加藤文太郎を描いた『孤高の人』、両足の大半の指を凍傷で失いながらもマッターホルン北壁の日本人初登攀を果たした吉野満彦を描いた『栄光の岸壁』。これらは実在の超人的な山のヒーローを主人公にした物語です。 そしてもう一つ『白きたおやかな峰』。北杜夫が自らドクターとして参加したカラコルムの未踏峰ディラン遠征隊の体験をもとに描かれた、一流であっても超人とは言えない人たちの、どこか哀切な物語。 この作品は新田次郎に近い作風です。超人的な体力・技術と偏執と言えるほどの執念を持った実在の人物をモデルにしていますが、あくまで下敷き、新田さんの作品のように伝記的では無いようです。 もう一つの違いはジョージ・マロニーのカメラというミステリー要素を持ち込んだことです。というか、あとがきにはこの閃きがこの作品を書かせたといった趣旨が書いてあります。 しかしどうでしょうね。新田作品でも主人公たちの日常生活は描かれます。ただ、それはどちらかと言えば添え物です。しかしこの作品では主題が2つになって逆に分散してしまったように思えます。 もう一つ、書き込みが長い。これでもかこれでもかと主人公たちの心情が言葉で語られる。しかも繰り返しも結構あります。それらが冗長感につながっているように思えます。 実は上巻の終わりぐらいで「何でこんなに有名なんだ?」と思いました。しかし下巻のエベレストのシーンは見事で、確かに傑作と呼ばれても良い作品だと納得しました。 すでに漫画化され、さらに今度は映画化もされるそうです(2016年)

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    投稿日: 2014.08.07
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    【選んだ理由】 雑誌で山に登りたくなる本と書いてあったから 【読んだ感想】 本当に山に登りたくなった。生き方を考えさせられる本。

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    投稿日: 2014.07.21