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ロスト・ケア
ロスト・ケア
葉真中 顕/光文社
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総合評価

336件)
4.2
132
136
47
7
0
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    このレビューはネタバレを含みます。

    社会派な内容とどんでん返しのバランスが中山七里みたいだと思った。後者は邪魔者のようにも思えるが、ミステリー好きへのサービスでしょうね。 1番の衝撃は「相模原障害者施設殺傷事件」よりも前に発表された作品だということだ。現実の事件をモチーフにしたのだと思っていたが、フィクションが現実を先取りするなんて…  私は性善説を信仰する大友検事があまり好きになれなかったのだが、そこすらも著者の狙いだったのだろう。 「殺すことは間違っている!救いも尊厳も、生きていてこそのものだ。死を望んだんじゃなく命を諦めたんだ!」  だが、介護の世界は決して理想論では片付けられない。家が裕福でVIP待遇の老人ホームに父親を入居させた大友が言ってもただの綺麗事にしか映らない。 「あなたがそう言えるのは、絶対穴に落ちない安全地帯にいると思っているからですよ」  ストンと腑に落ちた。まさにこれが日本がいつまで経っても変わらない原因の一つなのだろう。 この作品を読んで平然としていられるのも、どこか自分とは違う世界だと逃避しているのかもしれない。だが、いつか親を介護する日はやってくる。子の顔を忘れ、糞尿を撒き散らし、暴言を吐く親を私は献身的に介護できるだろうか?少子高齢化が加速するこの国で、介護の現場は崩壊を起こさないのだろうか?本書を読んで、将来に対するあらゆる懸念が浮かび上がったが、明るい見通しは立たないまま、ただ絶望の淵に沈んで物語は終了した。

    0
    投稿日: 2025.11.05
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    介護問題を題材に、殺人と死による救済というところまで踏み込んだ小説。 ここ最近で最も衝撃を受けた作品の一つ、新人賞の作品とは思えない。 在宅介護で本人も家族も地獄のように苦しんでいる時、本人が死を望んでいて、その結果家族も救われたと感じたとき、それが本当に悪なのか考えさせられる。 おそらくこの話の先には安楽死の議論があると思う。正解が無い議題なので難しいが、避けては通れない問題なのが余計難しい。 介護という現実でも深刻な問題と、生死に関わるセンシティブな話題なので、万人におすすめできる小説ではないがもし興味があるなら絶対に損はしない。

    0
    投稿日: 2025.10.28
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    介護殺人をテーマにした社会派ミステリー。 生活保護をテーマにした護られなかった者たちへを彷彿とさせるテーマ。重い。 でも現代人は特に、本作の主人公や登場人物のような境遇は他人事ではなく、真剣に考えなければならないテーマなのだと思う。 「殺人はいけないこと」と、境遇も知らないような人が白と黒だけで決着をつけるべきでは無い。 殺したのではなく、救ったと主人公は口にしていて、実際にそれで救われた人がいるのも事実。 倫理と人情は一致しないから難しい。

    0
    投稿日: 2025.10.17
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    生きるってなんだろう、死ぬってなんだろう。 どう生きて、どう死んでいくのか、 周囲はどうケアして、どう受け止めていくのか。 正義って、なんだろう。正しさは、正義? 綺麗事じゃ語れない、介護の現場。 すごく深くて、難しかったけど、 この答えは今出すべきじゃなくって、 生きていく中で探していくんだろうなと思った。 「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。 門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。 だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる。 あなたがたのだれが、パンを欲しがる自分の子供に、石を与えるだろうか。 魚を欲しがるのに、蛇を与えるだろうか。 このように、あなたがたは悪い者でありながらも、自分の子供には良い物を与えることを知っている。 まして、あなたがたの天の父は、求める者に良い物をくださるにちがいない。 だから、人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。 これこそ律法と預言者である。」 p356

    0
    投稿日: 2025.10.07
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    介護の闇を照らし、現代社会の問題に切り込む作品。人として正しい在り方とは何なのか。誰もが抱える可能性のあるテーマにどう向き合っていくとよいのか考えさせられる。

    0
    投稿日: 2025.10.06
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    プロローグ 世の中は、加速度的な進歩を遂げている あくまでもテクノロジーの分野ではだ! 富山行きのE7系新幹線かがやきに乗り込む 至ってスムーズに加速し静寂性を保ちつつ 最高速に達する 本書は、超高齢化社会に対するひとつの アンチテーゼだ この分野は、何故いつまで経っても進化度合いは 超低速なのか!? 流れ行くビル群を尻目に、青天の空を車窓から 仰ぎ見る 偏光ガラス越しに射し込む陽射しに 思わず目を細めた!!! 本章『ロスト・ケア』★4.5 葉真中顕氏の記念すべきデビュー作  日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作品 42名の尊い命を奪った“彼”は、完全悪なのか!? これは、本書を通して全読者に難題を問いている この殺人の是非を、、、 “彼”の云う、安全地帯にいるものとそうでないもの! “彼”は、本当に聖書の黄金律を実践したのか!!! 「自分にして欲しいことを、相手にもする」 検察官との最後の面会で言われた、あの“黄金律”に よって果たして“彼”は本当に救われたのだろうか!? それによって“彼”の流した涙は、 肯定の証だったのかもしれない 葉真中氏の後の作品群を鑑みれば、その片鱗が 垣間見れる素晴らしい本作であった エピローグ 富山の地へ足を踏み入れた 眼前には神通川 頭を上げれば、パノラマ画のように迫力のある 立山連峰が望める素晴らしい立地だ そして、神通川には“世界一美しいスタバ”が あるようだ 明日、訪れてみよう あっ、今日は仕事であった 早速レトロな街並みが特徴的な岩瀬に向かおう! その後、岩瀬の街並みのあまりの素晴らしさに “絶叫”してしまったことは、云うまでもない そして、次は同氏の『絶叫』だ!!!                      完

    55
    投稿日: 2025.10.02
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    高齢化が進み、介護の人手不足や老老介護などが問題視される中、数年後には他人事のように考えていたことが自分の問題になるかもしれない。介護する側、介護される側にとって最良の選択はなんなのか。自分1人では生活できず、介護に苦しむ身内を見上げながら延命されることが当人にとって本当の幸せと呼べるのか。

    1
    投稿日: 2025.09.24
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    長澤まさみさんと松山ケンイチさん主演で映画化された作品。 介護の仕事をしているので、身近に感じた。 介護業界の闇みたいなのをリアルに感じました。 老老介護、ヤングケアラー、様々な問題点がある日本は、 これからどうやって介護業界を変えていくんだろうか… 是非読んでもらいたい。

    2
    投稿日: 2025.08.24
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    社会問題をテーマにした傑作。 犯人と検事のやり取りが圧巻。 検事の言ってることは正論だが、それが空虚に思え、犯人の言い分のほうが正論に思える。現実はそんな恐ろしい社会であることがわかる。

    14
    投稿日: 2025.08.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この話に何度も何度も出てくる、「罪悪感」という言葉についてとても考えさせられる話だった。 介護なんて、どれだけしんどくて辛いかは実際やった人じゃないと分からないと思う。大友が何もしてないくせに綺麗事言い過ぎて斯波や佐久間に共感してしまった。羽田の気持ちもすごくわかる。 そしてそう思うことについて「罪悪感」を抱いてしまった。 救われたのは最後の羽田の「きっとこの世に誰にも迷惑をかけないで生きる人なんて一人もいない」という台詞。

    1
    投稿日: 2025.08.09
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    何とも言えない気分で読了。介護の現実とはこうなんであろう。殺人であるが、悪とは言い切れない。自分の周りにも起こりうる内容が心苦しかった。

    1
    投稿日: 2025.07.20
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    2025.07.19 ブックオフで見つけ、あれ?読んだことあったよね?ブクログ内を検索してあ、やっぱ、読んだことなかったと買った本。たまたまその後が美容室だったので読み始めたら止まらずその日のうちに読了。 今介護関係の仕事をしているのでテーマに深く頷きながら読みました。 要介護で自力で何もできず、ただ職員に食べさせられ、移動させられ寝かせられ…。果ては90歳を超えているのに胃瘻まで作り、生かされる…。特養に入っているお年寄りを見てると、命とは?とすごく考えさせられます。延命や自分が最後までどう生きたいか、日本人はもっと深く考えるべきだし、家族と想いを共有すべきです。 自分は自分でなんでも決断できるうちに死にたいので、ある程度の年齢(70代後半から80代)になって癌などの命に関わる病気が見つかっても手術や先進医療などの積極的な治療はせず、痛みや苦しみを緩和するだけのホスピスか、在宅で訪問看護を使いながら余生を過ごしたいと思う。

    1
    投稿日: 2025.07.20
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    介護の正解ってなんなんだろうとか思いながら読んでた 読み終わった後多分正解はないし、何を選んでもいいだけど、勝手にそれを人が決めて最後にするのは良くないと私も大友さんと同じように偽善的考えに至った。

    1
    投稿日: 2025.07.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    介護業界が抱える闇を抉り出す社会派ミステリー。正義とは、救いとは、罪とは何かを否応なしに考えさせられる。 安全地帯にいる者ほど、介護をビジネスにするなんてと上っ面の綺麗事に囚われてしまう。主人公である大友自身が、安全地帯から空疎な正義を語る存在であるという点が皮肉である。 人の善性を信じて疑わない大友に読者が息苦しさを感じてしまうことこそが、この作品が投げかけている問いなのだと思う。

    0
    投稿日: 2025.07.13
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    非常に興味深かった。 こちらの作者はこれで初めて出会ったのだけれど、面白くてこの後同作者の本をいくつか購入。 読後間は苦しかったけれども一瞬たりとも飽きることなく読める。 私は浅はかなため、後半にはおそらく作者の思惑通りびっくりしてしまった。 この後、映画もNetflixで観たが、本には及ばないと思い、本を再読した。

    0
    投稿日: 2025.07.13
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    少子高齢化が進み、高齢者の介護にかかるコストやリソースがどんどん大きくなっている。だが、介護事業の賃金は上がらず、それどころか最低賃金ギリギリの賃金のみが与えられている。 この国の介護はもはや限界を迎えており、真の意味で「死が救済」となる未来はそう遠くないのかもしれない。

    0
    投稿日: 2025.06.27
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    「絶叫」「ブルー」に続いて葉真中氏のデビュー作「ロスト・ケア」を読んだ。社会問題である介護の地獄とミステリーを合わせて非常に読み応えがあった。

    9
    投稿日: 2025.06.17
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    介護の現場と家族の悲惨な現状を読んでいくにつれて気持ちが沈んでいく作品。 2000年に導入された介護保険制度、それ以来約3年に一度の間隔で介護保険法が改正されているのを果たして国民の何割が知っているのか。この作品が書かれた時点から数度の法改正を経た現在、本作で描かれているような問題点が解決されたかといえば残念ながら未だに問題は山積だ。 訪問介護サービスの報酬減や物価高騰により介護事業者の経営環境は悪化しており、2024年には過去最高の事業者倒産件数が記録された。現場の過酷な労働条件にも関わらず介護職員の平均収入は相変わらず他業態に比べて高くない。介護保険法によって介護報酬の上限額は決まっており、これを引き上げないことには介護職の給料は上がらない。しかし介護報酬の上限を上げるには私たちが払う介護保険料の増額や利用者の自己負担額の増加などが必要で、これまたハードルが高い。 それにも関わらず要介護対象者は2020年時点で2000年の3倍になっており今後更に増えるのは明らかで、今年は団塊の世代が75歳以上となる2025年問題がある。 介護の問題は多くの人がいずれ自分に降りかかってくる大問題だ。自分が介護を受ける年齢になった時にこの国がどうなっているか考えると背筋が寒くなる。

    25
    投稿日: 2025.06.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前代未聞の大量殺人 幸い自分はまだ経験していませんが、現場は生き地獄なんだなぁ 殺人によって救われるなんて本当はあってはならないけど 今の状況だと免れないのでしょうね 改善されることはないのでしょうか 読んだ後に映画も見ました。 ちょっと違うけど映画は映画でお父さんに手をかけるところが壮絶でした

    3
    投稿日: 2025.05.29
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    殺人鬼、斯波。恐ろしいけれど全く理解できなくはない。今、少子化対策がいろいろと話題になっているが、介護の問題はどうするのか?家族では無理だと思う。専門家に委ねたい。そのための政策はどうするのか、私の行く先に自分ではどうしようもない切ない未来が待っているような気がする。

    0
    投稿日: 2025.05.24
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    高齢化社会に生きる私達には、避けて通れない「介護」がテーマであり、自分がこの状況になったら…と考えながら読み進めた。 登場人物、佐久間のようにズルができる所ではズルして当たり前という考え方もどうかと思うが、大友のように杓子定規に正義を追求していく姿にも怖さを感じた。 以前、著者の「灼熱」を読んで面白かったので、こちらも読んでみた。他の作品も読んでみたいと思った。

    2
    投稿日: 2025.05.17
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    介護、考えさせられる する側の年齢になり、される側の年齢にも 近づいている 迷惑はかけたく無いし、正直言ってかけられたくもない。迷惑と思ってしまう事もあるだろう 国のシステムか誰のせいか?格差はどの年齢にもあって、親も家も学校も生まれてから死ぬまで格差の中で生きている 最後は自分の意思で決めたい

    7
    投稿日: 2025.05.13
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    2025/2/28読了 映画を観てとても衝撃を受けたので原作を読了。 真面目で献身的な介護職員の斯波が実は40人以上の介護老人を殺していた。でも、彼はその行為を「殺人ではなく救い」と主張する。 一方、自分の親は高級有料老人ホームに預け学生時代から模範的に生きている、正義の人、大友検事には家庭で介護をせざるを得ない人々の苦しみをリアルには想像できない。 綺麗事ではすまされない、家族介護の現実をまざまざと見せつけられ、読みながらなぜか大友検事の正義よりも、斯波に共感してしまった。 高齢者社会の介護の今後についてさらに考えないとな。

    1
    投稿日: 2025.05.02
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    第16回日本ミステリー文学大賞新人賞 高齢化社会の闇がテーマの社会派ミステリー。 他人事ではない重たさがあるからこそ話に没入してしまう。 初読みの作家さんでしたが、読者をミスリードしたり、気になる言葉の言い回しで引きつけるのがうまくとても面白かった。 今年の年始にあった有料老人ホームでの不正請求のニュースにはただ憤りを感じていたけど、この小説を読んでそうせざるを得ない社会のしくみにこそ問題があるのだと思い知った。 介護の大変さはその介護度、家庭環境、経済状況によりピンキリで、私は身近にまぁまぁ大変な状況があるのでこの小説に出てくる介護家庭の悲惨さは想像だけはできる。 だから正直気わかってしまう。 被害者家族が救われたと感じてしまうことが。 認知症になれば人格が変わり、理性で抑えてきた本人が知られたくないであろうあれこれが家族に晒され、尊厳を失って生きている姿を私は見ている。だから、もし私が殺される高齢者の立場だったとしても、安楽死させてもらえて良かったと思う。 その方がお互いにとって幸せだと正直思う。 高齢者社会でこれから状況はどんどん深刻になるのに、どうしたらいいんだろう。 介護職に従事してくださる人たちには本当に感謝しかないし、もっともっと優遇されていくべき。 小説では介護に苦しむ家庭を助けたつもりでいる犯人に対して、検察の大友が真面目で常に正しいことを主張するキリスト教徒なのがうまいなと思う。しかも大友の父親は限られた富裕層しか入れない老人ホームで暮らし、大友自信はギリギリの状態で介護をしている家の悲惨さを理解してないのだからモヤモヤする。 佐久間が嫌う気持ちわかる。 でも実際正しいのは大友なんだよな。 正しいことが正しいばかりではないのかもしれないけど、、、。 すごく面白かったけど、最後真相がわかったあとでもうひと盛り上がり欲しかったので星4.5

    38
    投稿日: 2025.04.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「絶叫」に続いて葉真中顕さん作、2冊目。 今まさに自分が抱えている問題でもあるので 読みながら共感する部分が多かった。 共感…かな? ちょっと違うか。 複雑な気持ちが渦巻き、苦しい読書だった。 主人公の男は検察官でクリスチャン。 対する犯人は介護の仕事に携わる者。 そしてその介護を受けている人たちの家族が描かれる。 読んでいるうちに、正しいと思えていたことが ほんとに正しいことなのか疑問に感じ始める。 主人公にもその思いが芽生え、苦しむ。 犯人の犯した罪はもちろん許されるべきことではないとわかりつつも、その気持ちが揺らぐ自分がいた。 介護する者、される者、 介護ビジネスと呼ばれる世界や これからの高齢化社会への不安など、 いろいろなことを深く考えさせられる一冊。 検事の相棒的な存在の、数学得意な椎名くんが 重たいテーマのこの作品の中で、 唯一飄々とした存在でとても良かった。

    27
    投稿日: 2025.04.21
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    面白い。 介護がテーマのミステリー小説。 読みやすく、サクサク読める。 介護という社会問題をミステリー小説にするのも面白いし、しかもしっかりエンターテイメントにしている。 テーマは重いが、小説としては非常に面白い。 星は4.5くらいか。 次の作品も読む事にする。

    1
    投稿日: 2025.04.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    斯波宗徳は、なぜ、父親の介護をして看取ってから、介護の職に就いたのだろうか? 疑問だった。 私も、介護をしていたけれど、介護職に就きたいという思いは今もない。 ※介護に携わっているみなさんには、今もたくさん助けられています。 私は、そのかたたちのおかげで、生きていられると思っています。 介護をした経験があるから、介護の職がいいのでは?と思うのかもしれないけれど、ヘルパーの資格をとって仕事にしたいとは思わない。 だから、斯波が介護職に就いたのがとても不思議だった。 犯人が斯波だったということにも驚いたが、彼は、使命をもって、介護が必要な高齢者と、その家族を救うために正しいことをしたと主張した。 そこで合点がいった。 斯波は、それを使命としていたから、介護職に就くことができたのだと。 この小説が発表されてから10年ほど経つが、介護という問題に対して、この社会は変わったのだろうか。 むしろ、悪くなったのではないか。 医療費の予算は削られ、介護サービスは低下するばかりである。 所得格差、地域格差は益々広がりをみせ、介護サービスを受けられる人と受けられない人の差が、如実に現れてくるのではないか。 この物語は、他人事ではない。 私達の隣に、すでに座っている。

    1
    投稿日: 2025.04.07
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    42人を殺した殺人、の文言から壮絶なドラマを想像しましたが、介護に関する社会的問題をしっかり考えさせられ、殺人を処置と呼び、介護であると主張する犯人の言葉にどう反応すれば良いのか?いろいろとささる作品です。

    1
    投稿日: 2025.03.25
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    友人に読んでみて欲しいと言われ全く予備知識も無く読んだのだが、軽い気持ちで引き受けた事を後悔する程に苦しい読書体験となった。 タイトルから分かる方もおられるかと思うが、介護問題を徹底的に突き付けてくる。 「やまゆり園事件」を想起させる内容だが、真っ先に浮かんだのは「利根川心中」と名付けられた、両親と共に川に飛び込み、結果的に両親を殺害してしまった事件の方だった。 母親の介護で貯金も底を尽き、父親に一緒に死のうと言われ実行してしまった悲しい事件だ。 本作に登場する斯波宗典という介護士の語る厳しい現実は、年々深刻になっている。 我々が中年になる頃には想像もしたくない事態に陥っているのではないだろうか。 格差社会は介護の問題にも影響を及ぼす。まざまざとそれを突き付けられた。 老後の為に働いて得た金を無駄遣いせず貯めるだけの生活など、どこまで耐えられるのだろうか。 もしかすると、そう遠くない未来で第2、第3の植松が現れるかも知れない。 それは非常に悲しい事だ。 本書を国会議事堂に必読書として何冊か置いておきたいと、幼稚な事まで考えてしまう程に危機感を覚えた。

    17
    投稿日: 2025.03.25
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    安全地帯から社会問題を眺めていた自分の解像度の低さが恥ずかしくなる作品だった。当事者の苦しみがリアルに迫り、想像力を欠いたまま正義を語ることの浅はかさを痛感する。ミステリーとしても驚く展開が続く。社会派テーマとサスペンスが見事に絡み合った一冊。

    1
    投稿日: 2025.03.11
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    湊かなえさんの新刊を読む前に読みたいな、と読みたいリストから手に取った。 戦後最多の大量殺人事件を起こした犯人に死刑判決が下された。事件の被害者にはある共通点があった。犯人の真の目的とはー…? 物語の構成に序盤から引き込まれた。 誰しもが逃れられない、他人事ではいられない、「介護」。 認知症患者の介護の過酷さ、悲惨さ、介護業界に携わる人たちの苦悩…分かっているようで、分かっていなかった。 自分が当事者にならない限りは、本当の意味で分かることはできないのだろう。 10年以上前に執筆された作品だが、今の日本に重なる部分がたくさんあって興味深かったし、怖くも感じた。 超高齢化社会どころか、超超超!高齢化社会になっていく日本。 実際、私が住んでいる地域は周りが高齢者ばっかりで、私たち世代の人も少ないし、子どもが本当にいない…! 既にこういう状況なのに、私が高齢者になる頃には日本の人口の40%以上が高齢者という計算になる。 その頃の日本は一体どうなっているのだろう? 犯人の言葉の一つ一つがすごく胸に響いた。 「人殺しは決してしてはいけない」という自分の中の概念が揺らいでしまいそうになった。 「やるべきことをやる」、「分かっていたはずだった」という言葉が胸に重たくのしかかってくるようだった。 「分かっていたはずだった」と、将来絶望することにならないように、私たちが「やるべきこと」とは? 問いかけてくるような作品だった。 ✎︎____________ 人々が事実を受け入れ前進するために、裁きは必要だ。善悪のレッテルではなく、裁かれることそのものに意味がある。(p.14) 最近、格差なんて言葉をやたらと聞くが、この世で一番えげつない格差は老人の格差だ。(p.56) 介護の世界に身を置けば、誰でも実感する。この世には死が救いになるということは間違いなくある。(p.81) 今後、老人は更に増え続け、それを支える現役世代は減り続けるという。 必要になった人が誰でも手厚い介護を受けられ、かつ、介護をする側に十分な報酬が支払われる──そんな未来は、どんな制度を作ろうとも、たぶんやってこない。(p.117) メディアが垂れ流す想像力を欠いた良識は、彼女たちのような人々をもっと追い詰める。(p.171) これは呪いだ。 死して尚、私を縛る母の呪い。 けれど、この呪いに縛られないなら、人ではないのかもしれない。コインの裏と表を剥がせぬように、人は否応なしにこの呪いに縛られるのかもしれない。(p.330) いつか私も呪いで息子を縛るのだろうか?(p.330) 父が倒れ、介護という一押しが、僕ら親子を穴に落としました。 気づいたときにはもう遅いんです。一度落ちてしまえば、この穴からは容易に抜け出せない。(p.337) 絆は、呪いだ。 それでも。 それでも、人はどこかで誰かと絆を結ばなければ生きていけない。(p.371)

    44
    投稿日: 2025.02.07
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    神奈川の事件を彷彿とさせる一冊。 「悪は存在しない」をテーマにしており、ひどく心にこびりついた。ほんの少しだけ、叙述トリックがあるが、それはもはや本題ではなく、スパイスにもならない。本書が執筆されてから社会は衰退する一方である。正義や悪は存在しない。それこそが正解であり、ただただ苦痛に苛まされる一冊である。

    3
    投稿日: 2025.02.07
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    感想 十分に整備されていない介護業界。国は現役世代から税金をむしり取り、介護は民間に丸投げ。そこで苦しむ家族がいる。介護される当事者も十分なサービスを受けていない場合もある。 超高齢化社会に一石を投じる作品。 介護保険制度の改悪、使いにくさ、介護が十分に受けられない家族、介護で崩壊する家庭。明るい未来はないのか? これが筆者の1作目とは驚きの完成度だ。 あらすじ 42人を殺した犯人に死刑判決が下された。だが、被害者家族は、犯人を憎むことはなく、むしろ良かったとさえ思っていた家族もいる。犯人はどのような背景で殺人を犯したのか?そして、彼が社会に投げかけた問題とは? 洋子は、子連れの出戻りで実家に戻ったが、母親の介護が待っていた。同時に母親のボケも始まり、限界に達しようとしていた。そこへ彼が現れ、母親を始末する。洋子は悲しいが救われた気持ちになっていた。 その後、彼は1か月に一人のペースで要介護老人を殺したが、地検の大友が手に入れた老人ホームのデータから介護老人の不自然な死と勤務表から彼が誰かを割り出す。 彼こと斯波は、介護で苦しむ家族を介護者の死を持って救うロスト・ケアと名付けて殺しを行っていたのだ。彼のもう一つの目的は、このことを広く知らしめ、介護保険制度に一石を投じることだった。

    15
    投稿日: 2025.01.05
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    介護問題をテーマにした社会派サスペンス小説。 考えさせられる一冊だった。 「彼」の正体に驚きを隠せない。

    14
    投稿日: 2024.12.09
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    映画見て良かったから原作読んでみたらもっと良かった。映画で終わらず原作まで読んで本当に良かった 介護について考えさせられる作品。自分は親の介護できるだろうか… どう考えても介護は目を背けたくなるくらい大変で辛いやろうけど、そんな世の中にこの作品を投じてくれたことは救いだなと思う 分厚かったけどめくる手止まらんかった すいすい読み進んだ

    1
    投稿日: 2024.11.18
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    老人介護の現実の話。文章も構成も良かったが身近な内容なのでより感情移入もできた。 社会に一石を投じる感じも良し。安全地帯から、豪華客船から〜と言うのは響いた。そういう人たちが制度を考えて作ってる限り、世の中は変わらないのか、と思わされた。

    1
    投稿日: 2024.11.13
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    映画化したからか話題になってたから買った一冊。 介護にまつわる話。 介護に苦しむ人を救うために行う殺人 ロストケア なんとなくこの殺人にすがりたくなる気持ちはわかる。 認知症になったらそれは治らず進む一方 懸命に介護しても報われない 金があるなら施設へ ないなら自宅介護 介護のシステムはまだ不十分 高齢化が進み介護が必要な人は増えるのに介護する人は少なく人手不足。 問題ばかりだね 殺人を犯したが人は救った そんな感じがした小説でした。

    14
    投稿日: 2024.11.05
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    介護の問題に一石を投じる作品。 洋子の救われたというのが当事者の真理なんだろう。 事の良し悪しは置いといて、何が本当に良かったのか、安全側にいる身としては答えがない。

    18
    投稿日: 2024.10.08
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    2012年第16回日本ミステリー文学大賞新人賞 2023年 映画化 観てないですが 「ロスト・ケア」が 喪失の介護とは 高齢者に関係した現代社会の問題を 幾つもの方向から 何人かの視点から 描く 最終的には 介護制度の様態、 終末医療の精査、 といった広い視野で攻めてきました 介護がテーマの作品となると 読む側もどこまで自分自身で経験しているか というところで感じ方は違ってくると思う 安全地帯での介護であるか この〈彼〉のように 人生の穴に落ちた介護であったか 〈彼〉の最終目標としての 日本の介護現状の周知 は、なかなか成功しないんですよね ネットのニュースで これは介護殺人だなと思う事件は、その後 全く報道されなくなる だからこそ 犯れるところまでやり続ける必要があったのだとも 日本の現状は、殺人の中で尊属殺人が一番多い そんな状況だからか、自宅で亡くなると どーしても警察が入り さんざん介護した上で 妙な取り調べを受ける 介護制度の難点にも触れていたけれど それでも介護ビジネスは、本当にありがたい 介護に携わってくださる方が きちんと評価されてほしい

    105
    投稿日: 2024.09.30
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    誰しも考えないわけにはいかない介護というテーマで描かれるミステリー、のめり込んで読了。 なんとも考えさせられる内容だった。

    6
    投稿日: 2024.09.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    日本の介護制度について深く考えさせられる一冊。途中まで団が犯人だと思っていたが、まさかの斯波。その斯波の供述が今の日本社会の歪みの全てを表しているようで、胸が痛んだ。

    2
    投稿日: 2024.09.10
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    先に映画を見て、良かったので本も読んでみた。 映画と本は全然ストーリーが違う。 犯人が最初からわかっていることもあって、本はあんまりだった。

    1
    投稿日: 2024.08.31
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    本じゃないけど、アマプラで解約手続きしてたら見つけたので映画鑑賞。介護のジレンマは普通にあるけど、ありそうで、なかなかなさそうな社会派の話。長澤まさみ推しです。

    9
    投稿日: 2024.08.28
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    重いテーマでした…。 普段目を背けている問題を正面から突きつけられるような迫り来るものを感じました。 この犯人は100パーセント悪なのか。 救われた人も中にはいるんだろうと思うと、 何が善なのか考えさせられる。 終盤に向けて徐々に「彼」の正体がわかるようになり、何度か序章を読み返して…。 この人ではないよなぁと思っていた人がまさに「彼」とわかった時は! 驚愕と共に哀しさを感じました。 ミステリーの面白さと、社会のテーマに迫る 一冊でした。 しばらく余韻に浸っています。

    4
    投稿日: 2024.08.15
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    ◾️サマリー ・高齢化社会に潜む介護を背景としたミステリー。 ・犯人の43人殺しは、善か悪なのか。 ・いつかの自分ごととして読むことに価値がある。 ◾️気付き ・10代、20代で読んでいても心に響かなかった  内容。 ・40代を目の前に迎えたいま、もし自分が介護  問題の当事者になったら、どのような行動が  正解に近いのかを考えるきっかけができた。 ◾️感想 43人の要介護の老人を毒殺した斬波宗典について、私は最後まで憎めなかった。 性善説をとなえる検事 大友秀樹は、僅かな手掛かりから斬波を追い詰めていくものの、斬波の狙いは、この殺人の背景を世に広く知ってもらうこと。 介護される者、する者の幸せを考えた場合、斬波が行った犯罪は、法には背いていても、人の幸せを考えた場合、間違っているとは言い難い。 身体が不自由になり、認知症になって自分が誰なのか分からなくなってしまったら、私はそれでも生きたいと思うか?家族の重荷ではないのか?と考えて読んだが、いま時点では答えは見えず。 ヨボヨボになるまでには、納得がいく答えらしきものを掴みたい。 2024夏休みの1冊として、読了。 ◾️心に響いた箇所 ・P.371-372から抜粋 絆は、呪いだ。 それでも。 それでも、人はどこかで誰かと絆を結ばなければ生きていけない。 それでも、つなぐ。 たとえ行く先が地獄と分かっていても、人はつながることから逃れられない。 ならば、つなごう、せめて愛する人と。 絆でなく絆し(ほだし)なのだとしても。 呪いなのだとしても。 貸

    19
    投稿日: 2024.08.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    介護の問題。 知りたくないような知りたいような。 皆知っているけど、現実は想像のもっともっと上をいくものだと思う。 今、自分は介護するくらいの世代にいますが、いずれ介護される側になるかもしれない。そして、その時が来て、周りに迷惑をかけるのなら死にたいと願っても到底思うようにはならないのだと常に思う。 お年寄りの持つお金を狙う犯罪、お金のないお年寄りが軽犯罪に手を染めるスパイラルみたいなもの、在宅介護や老人ホーム、マスコミの煽り、たくさんの社会問題とか介護の世界というのかがところどころに散りばめられていた。介護保険法の改正が、関係者にとって必ずしも良いようにのみ改正されているのではないということも記載されていた。高齢者の医療費については書かれてなかったかな? あまり心が晴れるものではありませんでしたが、読んでよかったです。

    4
    投稿日: 2024.08.10
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    日本社会の闇に迫っている。 認知症が進んだ親や義理の親を介護せざるを得ない人たちが、人間の尊厳すら保つことができす、苦しみながら生きなければならない現実をつきつけられた。 私は姑に結婚以来10年以上いびられ、実家の家族までも蔑まれている。湧き上がる憎悪に蓋をして、自分を騙し騙し生きている。この上、認知症になり、介護が必要になり、私が面倒を見ることになったとき、持ち堪える自信がない。こうなるとロストケアが本当に罪なのか、わからなくなる。ロストケアなど不必要な社会をつくらねばならない。 政治家は、介護を必要とする人と介護する人を仲介するとき中抜きする事実を洗い出し、まずこの悪事を正すべき。そして、我々もこの社会の闇に関心をもつべき。

    1
    投稿日: 2024.08.07
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    作品の犯人を援護したいわけではない。が、気持ち感情はよくわかる。 私はまだ親が元気で当事者ではないから何も言う資格はないけれど 倫理的に正しいのか 感情的、道徳的に正しいのか。 高齢化社会になっている日本の避けては通れない現状。 人間は長生きしすぎなのだろうか…とも考えてしまう。 スイスなどで行われている安楽死 私は賛成してしまう…

    2
    投稿日: 2024.08.05
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    映画にて これは賛否両論ある作品だと思う 安楽死が認められていないこの国だからこそ 認められないことがある 要は 医療の発達により人の寿命が伸びることで人は老いる その結果がこの国の介護問題に直面しているのだと思う この作品の犯人を擁護するわけではないが気持ちはわかる気はする 救われた遺族の気持ちも。

    2
    投稿日: 2024.08.03
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    社会派ミステリー。 自分自身でも『分かっているはずなのに』目を背けてしまう問題。 自分自身が身内の介護を強いられた時、『救われた』を完全否定できる自信はない。 安全地帯よりも穴の底側に近い自分。 分かっているのに・・・

    1
    投稿日: 2024.07.28
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    読んでる中でこの登場人物は誰が演じたんだろう?という興味で検索したら、うっかり自らネタバレ…。笑おかげでワクワク感は薄れてしまい、「私のバカー」と嘆きながら読んだ。 高齢化社会の現代、映画化されるべき、介護の辛さを未だ知らない私のような人間が読むべき本だと思う。 母が介護士で、私も昔は介護士を志していた。でも当時「介護は本当に大変な仕事だし、常に人不足で新卒でなくても絶対になれるから、他の職にした方がいい」と母から助言され、普通の民間企業で働いている。あの時もし介護士になっていたら、私は続けられていたんだろうか。何十年とこの仕事をしている母を、心から尊敬する。 でも休みの日に涼しい部屋で寝っ転がって本を読んでいる私は、この犯人の辛さは絶対わかりっこないんだろう。やらなきゃ分からない。だからこそ、やってないやつがどうこうと正義を振りかざすのは全くのお門違い。 誰にとっても他人事ではない話。今は関係なくても、いつか絶対自分事になる日が来る。 犯人が検察官に放った言葉が心に残った。 「もしも僕が本当は父を殺したくなんかなかったとしたら、殺したほうがましだという状況を作ったのは、この世界だ」 映画版は佐久間が出てこないのかな…?でもサブスク公開されたら絶対見る!

    2
    投稿日: 2024.07.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最悪。。 めっちゃ楽しみにしててやっとの思いで読み進めてたのに、映画のあらすじ見ちゃって完全にネタバレしてしまった。。読みながらの怒涛の展開がクセになる作者の本を面白半減にしてしまって後悔してます。 ただ、やはり安定の葉真中さん。これはフィクションだけど、フィクションではないんです。誰かの話と思いきや、自分の話かもしれない。そんな小説です。

    1
    投稿日: 2024.07.13
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    評判通り高評価に値する作品でした。自分の母も現在認知症、幸い、介護施設に預ける事が出来てます。しかし、施設に預けるまでは身内との議論、葛藤の日々でした。自宅介護すべきの意見も出ました。父は既に他界しており、実家1人暮らしの母をどう面倒を見ていくべきか、現実的に可能なのかどうか。日に日に症状が進行していく中で最終的には、お金の問題はあるにせよ、施設に頼る形を取りました。特養に関しては入居待ちの数があまりにも多く半年とか待たないと入れません。地域にもよると思いますが。非常に問題だと感じています。 要するに、小説としてのフィクションのみの作品ということではなく、現実的背景が本作ではベースになっていることが怖いと感じるわけです。また、必ず人はこの作中のいずれかの立ち位置になるわけで、簡単に言ってしまえば、明日は我が身。介護する側からされる側にもなります。殺人者になるということはないですが。この作品は、現在日本が抱える介護保険制度、介護職、高齢化社会の問題に向けて一石を投じているわけですが、このような大量殺人までをもしなければ、国の制度改善は見込めないのか、皆に知ってもらえないのか、問題提起出来ないのか、と思うと切なく悲しい気持ちになります。 現実さらに高齢者の数はこの先増えていくわけで、今のままでは多分色々な事が立ち行かなくなりそうで、不安ではありますが、改善につき自分に何が出来るわけでも無いので、選挙に行くことくらいですかね。。。 映画版もそのうち見てみたいと思います。

    42
    投稿日: 2024.07.11
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    「ロストケア」 なるほど。 犯罪なのは確かだけれど この介護の現実を知るにつけ なんともいいがたいなぁ。 実際自分の身に降りかかったら どう思うだろう。

    3
    投稿日: 2024.07.02
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    今の介護の問題、介護者が言葉にできないことをしっかりと表現している。家族介護は、私もやっているので非常に現実的な印象を受けた。現代の社会問題をキッチリと批判している。

    3
    投稿日: 2024.07.02
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    介護の問題というとよくも悪くも小説もいっぱい出ていて、更には現実でも介護疲れで親と無理心中なんて話が出てきてて、既に現実が小説の世界を超えていきつつあるんだろうと。 その状況でどうやって盛り上げて読者の歓心を買うかってのはなかなかに難問というか。そもそもがかなりセンシティブな問題だしね。 とまぁそんなわけで盛り上げ方はなかなか良かったわけですよ。コンパクトにまとまってるしね。 検事が言いくるめられていくところは実に分かる、というこの上から目線。部外者でいるうちはこんなもんか。でも自分も介護が近づいているからな。。 まぁなんにせよノンフィクションと言われてもおかしくないような時代感がね、恐ろしくもあり、で。

    3
    投稿日: 2024.06.30
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    介護の問題について複雑な心境になる ミスリードもうまくて小説としておもしろい この人の作品はメッセージ性があってけっこう好き

    27
    投稿日: 2024.06.22
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    想像つく展開ではあったが、綺麗事ではない介護の現状は読み応えがあった。ただ大友よりも佐久間の方が人間味があると言うか感情移入できたなー。そもそもこの本を読める読者は安全地帯にいるという作者からのアンチテーゼとも読めなくはない。

    4
    投稿日: 2024.06.20
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    「こうなることはわかっていた」少子高齢化社会。 犯人の行動は綺麗事を並べる世間への問いかけか?「絆は呪い」つらい言葉です。

    5
    投稿日: 2024.06.15
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    貧困層の介護問題に焦点を当てた社会派ミステリー。高齢化社会の日本において、目を背けたくなるような現実がある中、正義とは、善悪とは、生きるとはを考えさせられる一冊。ミステリーとしても一級品。

    3
    投稿日: 2024.06.11
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    介護と介護社会の構造をテーマにした社会派ミステリー 犯人が分かった時の驚きはありました ただ、犯人が誰であるかが重要ではないところが、この作品のテーマの重さ そして犯行の動機を「ロストケア」と呼ぶこの犯人を、私は悪だと思えなかったです 肯定される殺人はない、それならば死刑はどうなのか? 弱者が「穴」に落ちた時、救いの手を差し伸べる社会で現状あるのか? 愛する人の介護をすることで、その愛を見失っていく恐れが高い今の制度と、介護を人に委ねることへの後ろめたさを芽生えさせる社会 蓋をしてはいけないこの事実を提起してくれた1冊でした

    7
    投稿日: 2024.06.10
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    「この社会には穴がある。」介護と介護業界の構造的な問題点をテーマに、愛情と負担の狭間で苦しむ人々を描く社会派ミステリー。本作は介護がテーマであくまでフィクションだが、時代時代に潜む課題の中で「穴」に落ちてしまう不幸な人々は必ずいて、そこを如何に社会問題として捉える。認識できるかが、今日の日本に置いて重要であると感じた

    4
    投稿日: 2024.06.08
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    今の社会に問題を投げかける最高の作品です。実際の数値やデータが入っていて説得力もありです!犯人も誰だ?誰だ?と最後まで分かりませんでした!

    8
    投稿日: 2024.05.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久しぶりに本読めておもしろかった!読みやすくスラスラ進んだ。 私自身が身内に認知症の人がいて、身近で壊れていく様子を見ていたから介護の大変さ、かかるお金等をなんとなく知っているからこそ、斯波の気持ちはよくわかるし、私は昔から安楽死賛成派。 こんなに現実の厳しさを見せた内容だったのに最後は結局希望を見出してキレイめに終わるのが少し残念だった。そこはフィクションでいいから安楽死選択オッケーの日本を描いてほしかったな。

    2
    投稿日: 2024.05.19
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    介護ケアに関する問題作。こんな解決策もありかもしれない。この社会には穴がある。介護ケアで救われる家族と救われない家族がある。安全地帯にいる人だけが救われる。

    3
    投稿日: 2024.05.19
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     衝撃作。佐久間の愚かさはもちろん断罪されるべきものだが、逆恨みや嫉妬に近い大友への酷評は必ずしも的外れではなかったと最後には思わせられてしまう。安全圏で声高に善性を説いても、物事の一面しか見ていない者の言い分に過ぎない。正義も悪もない。検事の職責として範囲はここまでと区分せざるを得ないとしても、検事としての振る舞い方を模索し続けていってほしいと願う。  喫緊の最重要課題であるこの国の介護問題。正直私は長生きするより、誰かの手を借りなければ生きていけなくなった段階で死にたい。嘱託殺人のニュースを見るたびに、そんなに悪いことをこの人はしただろうか、とつい考えてしまう。この思いも現実に直面していない、安全地帯にいる者の声に過ぎないのだろうか。

    3
    投稿日: 2024.05.07
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    誰しもいつかは向き合わなければならない介護。 わかっているのに目を背けてしまう世界。 そんな世界の実態がリアルに描写されており、 犯人の動悸に心揺さぶられた。 『殺人は悪』だなんて簡単な言葉で 片付けて良いのだろうかと。 ページを捲る手を何度も止めそうになったけど、 目を背けてはいけないと思いながら読み切った。 ミステリーとしての 犯人がわかるシチュエーションも 予想だにしない展開で面白かった。 読後に、巻頭での判決を聞く部分を読み返して ぞわっとした。 工夫の施された展開に圧巻です。

    1
    投稿日: 2024.05.04
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    介護という地味な業界を舞台にミステリというエンタメで社会問題に切り込んだ作品。 介護業界……。 噂で耳にすることがありますが、マイナスな内容ばかりなんですよね。それがそのまんま、小説に盛り込まれていました……。 介護に希望ってあるんですかね。 下記の文面を読んだとき、ゾッとしました。 介護職員にここまで対応させるのがノーマルなのかと……。 ”介護は対人サービスだ。単に物理的に相手の身体の面倒をみれば良いというわけではない。「まごころ」などと表現される、感情面でのサービスも仕事の中に含まれている。”(抜粋) この本は2015年に発行されているようですが、そこから9年(約10年)経ちましたね。社会問題化としてニュースでよく目にしますが、改善されている感じはしない。むしろ、利用者・介護職員、共に条件が悪くなているのでは?という気が……。 介護……。 数年内に考えざるを得ない状況になるのは確か。(自分の両親、夫の両親ともに介護を考えていい時期にきました)もはや他人事ではない!介護利用者(羽田洋子)を自分に置き換えて読んでました。 この小説読んでたら、余裕のある時に情報収集して方向性をある程度決めておくことも必要かと思いました。実際に介護が始まったら、情報収集もままならない気がします。せめて、全く無知な介護制度だけでも知っておこうと思いました。 また、今現在は人並みに生活できていますが、そこに介護がプラスされた時、人並みの生活がキープできるかどうかは分かりません。ぶっちゃけ、自分たちだけで介護まで対応できる気がしないです。 下記は犯人の言葉ですが、分かるんですよねぇ。 私自身、穴ギリギリのところで生きているからかもしれません。 ”検事さん、あなたがそう言えるのは、絶対穴に落ちない安全地帯にいると思っているからですよ。あの穴での絶望は、落ちてみないと分からない”(抜粋) 穴ギリギリで生活していたかどうかは、穴に落ちた後わかると思うのです。しかも、一旦穴に落ちると安全地帯に戻ることが非常に難しい。特に歳をとればとるほど、それは難しくなると思うのです。 問題山済みの介護業界、何か解決策が思いつくかと言うと全くないのですが、一人一人が考えることは重要なのかもしれません。 無視するっていうのが一番いけない気がしました。 映像版も見てみたいです。 予告しか見てないのに、松山ケンイチさんの演技に涙が……。

    31
    投稿日: 2024.05.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    社会派ミステリはあまり読む事がなくて、太田愛さんの作品以来。こちらは介護をテーマにしていて、自分自身の親もそういう年齢に差し掛かっているので現実を突きつけられるかのようで怖かった。 作品は犯人は「彼」と表現され、検事、介護施設大手フォレストの社員、被害者家族の視点でストーリーが進んでいく。犯人の目的は予想がついてはいたが、タイトルになっている「ロスト・ケア」を行う為に犯行を繰り返していてサイコでも残虐な殺人鬼でもない犯人像は他の作品とは違う。 佐久間はフォレストを退職する時に得た介護利用者名簿を使って詐欺を始めた。名簿自体を横流して金を得ていたがそこに施設情報や職員の勤怠情報まで一緒に渡してるのは結構違和感があった。足がつかないように最小限な情報しか普通は渡さないのでは? 検事の大友の補佐をしている椎名が数学や統計学に強いという設定は出来過ぎ。終盤にある事件の現場に残されていた佐久間のデータを分析して色んな可能性が分かるのだが、水を得た魚のようにストーリーが進んで犯人に辿り着いた。犯人が実は?…ってのもそこでヒネリいるかな?笑。 序盤からたくさん伏線を敷いてストーリーをまとめているが、テーマがリアルだけに出来過ぎな設定でリアル感が薄れてしまっていると思った。でも、ドラマや映画だとそれも盛り上がる演出としてちょうど良さそう笑。 本の帯に映画の松山ケンイチと長澤まさみが載っていたのでかなり意識して読んでいました。松山ケンイチが犯人とバレバレだと思うので小説とは違うストーリー展開?映画も観てみたいと思いました。

    52
    投稿日: 2024.04.14
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    介護業界の闇を知り、まさに”社会の穴”を痛感した。 介護する側もされる側も、貧富の差を問わず全員が救われる世の中になってほしい。 大友と佐久間の善人っぷりとクズっぷりが対照的なのも、話の展開に良いスパイスとなっていた。

    10
    投稿日: 2024.04.07
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    観てはいないが、映画の方は、小説のその後みたいなんだろうか。意外ととは失礼かもしれないが、キチンとしたミステリー。

    3
    投稿日: 2024.03.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ずっと読みたいと思いつつも怖くて読めなかった。年月が流れ、今やっと読めた。 あなた達なら出来ると全ての人達から言われ、最初は使命感で誠心誠意お世話をしていたが、年月が経つに連れ、この生活はいつまで続くのか神経は擦り減っていった。介護に終わりを望むことはいけないと分かっていても望んでしまう。開放された今も、思い出すと罪を感じる。もっと尽くすべきだっただろうと。自分が死ぬまでこの気持ちは消えない。

    1
    投稿日: 2024.03.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私をはじめ、多くの人が斯波の人生が導き出した答えに共感をしてしまうと思う。身近に介護が必要な老人はなく、私自身も介護は未経験だけど、未曾有の高齢化社会に直面し、そしておそらくしばらくは老人を支える側になるであろう世代の1人として、深く考えさせられる作品だった。この作品を読んで『安楽死を合法化せよ』と直ぐに答えを出すのは短絡的であるとしても、作品の中に散りばめられた、家族の絆は呪いになること、介護される側する側双方の尊厳、安全地帯にいる人間とそれ以外の場所にいる人間それぞれの行く末…そういった要素と安楽死の危険性を天秤にかけながら丁寧に考えて行くべきテーマであると思う。 小説としては、犯人をミスリードさせるような構成で、続きが気になりぐんぐんと読めた。 松山ケンイチも好きなので、次は映画で同作を見てみよう。

    1
    投稿日: 2024.02.28
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    正義なのか悪魔なのか・・現代社会の闇に深く切り込んだ物語。 読後も何が正しいのか自問自答を繰り返してしまう。ここまでひきずる小説も珍しい。きっと素晴らしい作品だということなのだろう。

    6
    投稿日: 2024.02.03
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    そう遠くない未来に来るであろう介護する側、できれば来てほしくない介護される側。 考えさせられました。なるべく負担をかけないで済むようにいろいろ準備しておかなきゃなぁ。と。 最後の方、え?え?どうゆう事??ってなって巻き戻って何回か読み返した。

    8
    投稿日: 2024.01.31
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    一瞬の展開に「えっ?何?何?…何が起こった?」 頭の中が大混乱! ストーリーもさることながら、 社会問題に切り込んだ題材が、深く心に刺さりました。 最終章は涙と動悸(年のせいでしょうか?) で心ここに在らず状態になってしまった。

    11
    投稿日: 2024.01.25
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    これはズシンときました! 介護をテーマにした社会派ミステリー 日本の介護問題、介護保険制度に一石を投じている作品だと思う。 中山七里さんの「護られなかった者たちへ」に通じるものを感じた。 序盤からかなりの地獄描写でウッときた。 でも、作中で描かれているのは大袈裟でもなく、珍しくもない介護の現実。 作品では自宅介護をする女性、介護施設責任者とその職員、検察官と視点を変えながらの展開。 見える景色は置かれている立場や環境で違っていて、それぞれの問題点も浮き上がって見えました。 何者なのか分からない「彼」が漂わせている不穏な空気にゾワゾワ。それに、登場人物誰もが歪んで見えたのでちょっと怖かったです。 個人的に事務官の活躍シーンが印象的。 全く興味のなかった分野の意外な面白さに触れた気分でした。 「安楽死」「尊厳死」などにも触れられています。 「介護」という身近なテーマで頁をめくる手が止まりませんでしたが、登場人物にはあまり共感できず。 面白かったけど、後味はあまり良くない。 表題の意味を知って何とも言えない気持ちになりました。 作中で特に刺さったのは、「社会の穴」と「一枚のコイン」の話。 こんなやりきれない思いをする人のない社会がやって来て欲しいと切に思う。 介護保険制度について、改めてしっかり学ばなければと強く思いました。 この作品、映画で見る方が衝撃がすごそう。

    15
    投稿日: 2024.01.20
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    家族介護の影を題材とした作品。 --- 大友と佐久間。 大友と斯波。 洋子。 綺麗で正しく恵まれた世界に住む大友。 向上心が強く負けず嫌いで、 手段よりも結果を重視する佐久間。 20代の働き盛りに 父の介護をきっかけに 生活の歯車が狂ってしまった斯波。 介護をしていた母の死をきっかけに 生活が好転していく洋子。 --- 対比して描かれた世界観が、 自分自身もいつどちらに転んでもおかしくないと 思わされる作品でした。 --- 大友と佐久間の学生時代の バスケの試合終了間際でのロングパスの描かれ方が、 「同じ事象でも見る人によって捉え方が全く異なる」という事象を綺麗に表現されていて、 生々しかったです。 --- 佐久間が投げやりに投げたボールが綺麗に大友に繋がり決勝点となり、大友にとってはその後一生忘れられない奇跡の良い思い出となっていたシーン。 「佐久間が投げやりに投げた」とすら微塵も思っていない大友の純粋さが、「綺麗な世界で生きてきたんだろうな」と、読者ですら思わされるような描写でした。 --- この作品を読んで、 要介護高齢者とその家族の 綺麗事ではない在宅介護の現状を 多くの方が知るきっかけになれば良いなと思いました。

    6
    投稿日: 2024.01.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画を見たいと思っていたのですが、近くでは上映されておらず;ちょうど平積みになっていたので購入しました。 近年、介護が卑近の問題として浮上しています。この小説はフィクションながらも、「家族愛」という眼鏡を通して語られがちな介護問題にメスを入れてくれる存在となるやもしれません。 ____  結末、総白髪の犯人がまだ若く、実父の介護疲れから老け込んでしまったのだということに衝撃を受けた。この犯人然り、現実にも起こっている献身的な介護の末の殺人にも、私は心の底でそれは愛していたからなのだという思いを抱く。  今後の日本は、少子高齢化がの歯止めの効かぬ進行により、現行の医療制度が崩壊してしまうことが危惧されている。公助にどの程度頼れるかはわからない。ロストケアのような事例が多発するかもしれない。  そもそも自助しきれぬ歳まで生きることは人間らしい幸せの形なのか。話がそれた。しかし私たちは決して老いから逃げることはできない。老いることは悪でなくとも、幾分か問題が生じることは確かだ。当事者である私たちは何をするべきか。  私にはまだいづれ訪れる未来に思いを馳せることしかできないが、考え始めたというだけで一歩前進としよう。この本との出会いに感謝。

    3
    投稿日: 2024.01.09
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    介護をテーマにした社会派ミステリー。安全地帯にいる救われる側は良しとして、救われない側にとっての救いとは。

    5
    投稿日: 2024.01.08
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    ロストケアとは。ケアという単語の意味とはおよそ逆の意味で使われている。 第三者が関わるのでなければ、これに近いことは実際に起きていて、事件にもなっている。ただし第三者が関与するかどうかで問題は根本的に変わってくる。 意図的な殺人であることが発覚するきっかけが想定外。殺害された遺族が理不尽を感じることも怒りを抱くこともないところが、彼がロストケアを続けた理由であり、善悪ではかりきれないところだ。 無断で他人の家に入って住人の命を奪うことが犯罪であることは揺るぎないけれども。

    2
    投稿日: 2023.12.30
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    読んでいて心が痛くなりました。遅かれ早かれいつか来る親の介護、自分自身も若いからといってまだまだ健康でいられるとは限らず、誰かの手を借りなければ生活が出来なくなる日が来るかもしれない。 私が介護される側だったら、正直迷惑をかけてまで生きたいとは思えず、ロストケアの必要性を感じてしまいました。悲しい選択であることも理解できますが…。 人は誰にも迷惑をかけずに生きることは出来ず、誰かと助け合って支え合って生きていくものだけど、できることなら精神的に経済的に負担になるほどの迷惑はかけたくないと思ってしまう。 読んでいて映画の「PLAN75」を思い出しました。自分が何者であるか理解できるうちに、今後どうしていくかの選択ができたらいいなと、私はどうしても思わずにはいられませんでした。 “彼”がわかったときは思わずページを遡って読み返してしまいました。 終わり方は個人的にはあまり好みではありませんでしたが、手元に置いておきたい一冊になりました。 映画の方も観てみたいと思います。

    4
    投稿日: 2023.12.23
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    今年ベスト3に入るほどインパクトのある本だった。 青森県弘前市内のTSUTAYAで購入。 定価で買ったから大切に読みたいと思いページをめくり始めたが、期待は裏切られなかった。 ロストケア=要介護状態になり、生きたい希望を無くした人たち(死亡願望のある人)を死なせてあげる。 を実行し、のべ42人もの人々を殺害した男の話。そのうちの1名は犯人の実父。 と、文面だけを先に読めば卑劣な殺人鬼だと思ってしまうが、物語を読めば安直にそうとは思えないようになるのがこの本の魅力。その為には必要だった380ページ。 死にたいと言う人を死なせると罪になる。 一般的には犯罪だが、主人公の男は 「罪悪感に蓋をしてでも人を殺すべきときがある。」 と主観的で強固な根拠を持っている。そこに微塵の罪悪感もない。 そして彼の目的は人を殺すことではなく、逮捕され刑務所に入ったあとの裁判の場で、自らの殺人の理由を他者に広く告白することだった。 この話の特徴は、登場人物たちが立場や年齢、環境は違えどみな介護に接点を持っているといこと。 そして、主人公のような極端な価値観ほどでなくても、彼と似たような考え方を有している者が出てくるというところ。 在宅介護で気が狂いそうになり息子に手を上げてしまった羽田がその代表例だ。 しかし彼女は主人公と違い、自らの行動を猛省する。無闇に肯定しないことでリアリティが生まれる。 そしてそれは刑事として犯人を追う大友にも通じる。親を老人ホームに入れたことへの罪悪感や自らの過去。 各々が自らの過去を思い、介護を通して他者と向き合う。 高齢者を騙して金を騙し取ろうとした佐久間のような明らかな悪者が出てくることも、ストーリーを盛り上げる重要な材料になっているし、最後のどんでん返しも見事だった。 まさかあの人が犯人(彼)だったとは! とにかく介護に携わる人間としては共感点の多い小説だった。

    8
    投稿日: 2023.12.23
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    痛い。心が痛い。今年の春、認知症のははを亡くしました。母は、静かに息を引き取りましたが、私だって この本の中の一人になっていたかもしれない。たくさんの方に読んでほしい。

    4
    投稿日: 2023.12.16
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    「そうです。殺すことで彼らと彼らの家族を救いました。僕がやっていたことは介護です。喪失の介護、『ロスト・ケア』です」 寝たきりの介護老人を40人以上殺した犯人。でも、これは介護だと… 殺すことで、介護か… でも、実際に介護していた家族は、精神的、経済的に追い込まれて苦しんでる。 それ考えるとなぁ。 検事さんらも、色々言ってても、お金あって、親は、ええ施設に入れて苦労してないし… 多分、自分達家族が中心になって、介護して追い込まれている人の気持ちは分からんのやろうな… 人殺しを肯定するつもりは、全くないけど、そういう状況に陥ってる事を理解した上で、制度を整備して欲しい。 今も、介護業界って、安い給料で働いて、介護従事者の介護に対する想いのみで、進んでいるように見える。 確かに、少子化対策も必要やけど、こっちの対策も早急に! それも異次元で! ちなみに、国のトップが思ってる異次元やないですよ!よく分からんから。 凄く多めの予算取って、介護従事者の給料上げる。介護者の負担を下げるなどの策を具体的に! 異次元だけで、何してるか分からんようなのは、ナシ!

    97
    投稿日: 2023.11.22
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    ◆家族が認知症に…を真剣に考えてみませんか◆ 認知症になった老人の介護は容易でなく、家族がそれを担う場合、家族という絆がストレスをより大きくすることがあります。疲れ果て、仕事と介護が両立できず生活が破綻する家族も少なくありません。その老人と家族を救うため、信念をもって殺害を繰り返してきた犯人の、殺害を正当化する語りや普段の仕事ぶりに考えさせられることが多くあります。超高齢化社会による介護問題は深刻ですが、そんな介護問題に一石を投じる作品です。

    2
    投稿日: 2023.11.20
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    もしかしたら本当にある話かもしれない きれいごとでは済まされない介護の行く末 こんな辛いことが起こらないような世の中の仕組みができるといいな

    3
    投稿日: 2023.11.20
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    テーマがテーマだけに、暗い。鬱。 でもって犯人がわかった過程がちよっと強引じゃねと思った。 暗いのでおすすめはしない。

    2
    投稿日: 2023.11.15
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    2013年に世に出た物語だけど、10年経っても介護の周辺事情はあまり変わっていないのではないだろうか。お隣から時々聞こえる、自分を失ってしまった叫び声。それをなだめる家族の声は疲れている。何か助けになるような公的サービスはあるのか、相談できているのだろうかと思っても、親しく行き来する関係ではないので、思うだけで終わってしまう。いつ終わるともしれない介護は身体も心も懐も疲弊することは想像に難くない。 「彼」のしたことは救いだろうか。救いにしてはならない、という物語だと思う。でも、救いではないと言い切れる世の中には、10年経ってもなっていない気がする。 「彼」が誰なのかを思わぬ方向から探る展開、因果は巡る糸車。

    2
    投稿日: 2023.11.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    現代の日本が抱えている介護•福祉の問題を突きつけられる作品。 ずっしりと重くのしかかってきた。 「安全地帯」にいる人には絶対にわからない。 身をもって介護の辛さを経験している人にしかわからない。 正しいこと、理想論を唱えるだけでは解決できないことがあり、犯人が辿り着いたのは「ロストケア」だった。

    0
    投稿日: 2023.10.28
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    頑張って生きてきて、最後ぐちゃぐちゃになってしまって、家族を辛い目に合わせるくらいなら、本人も尊厳死したいよね。家族の絆があったからこそ、縛られて。事件の酷さより、それでもまだ悪くなっていく未来しかないのが恐怖。

    3
    投稿日: 2023.10.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ストーリー自体はよくある推理小説、という所感。 序章と序盤で『彼』=真犯人がすぐに分かってしまって、答え合わせ的に読み進めていく形になった 貧困、病気に苦しむ高齢者の惨状と、その家族の地獄のような生活は、この国の歪みを強く露見させている。介護保険制度も、扶養控除廃止も…社会制度の改悪しかしない政府と官僚。 ※特に介護保険制度の施行後の制度改正は酷すぎる、本作で初めて企業の介護報酬引き下げなど、詳しく知って驚いた (あえて偏見、差別的に書く) ボケ老人を無駄に長生きさせる医療制度、そして若者や子どもが交通事故で犠牲になる… 本作の題材ではないが、障害児を生み出す極端な不妊治療、医療制度、出産前後に、一生苦しむ親子を生み出さない術がないものか…そして育児うつ、シングルマザー、家庭内殺人や他害児童、引きこもり、犯罪者が発生していく。 自助、自己責任で彼らは突き放され、救いがない。 命の選別、安楽死の合法化を議論してほしい。 ______ 大きな事件があって(犯人が起こして)初めて動く政府。 元首相暗殺→宗教二世、統一教会問題 池袋事故→高齢ドライバー(事故、犠牲者は依然増え続けている) 川崎殺傷、京アニ、相模原… 平和で安全なはずの国、日本の闇 自分と大切な人たちを守りたい。犠牲になるのはいつも一般市民、政治家や富裕層は交通機関を使わないからその恐ろしさが分からない。 何故加害者の人権保護、権利ばかりが守られるのか?被害者、遺族が受ける苦しみを更に増幅させている…それが司法…

    0
    投稿日: 2023.10.17
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    面白かった、けどそれだけじゃない。 介護の過酷さに震えた。 自分の近い将来を見るようで、怖かった。 義父母が介護になったら。 一人で支えられるだろうか。

    11
    投稿日: 2023.10.17
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    介護に限界がきて、その疲労した家族の救いになるかならないかと言われれば、自身の手で命を終わらせるわけでなく、知らないまま亡くなりほっとする、というのは正直あるのかなと思いました。 老老介護の末、手をかけたのもありますし。 しかし、ざらつく感じの文章なのかわかりませんが、想像したのとは違いました。 うーん、、、

    1
    投稿日: 2023.10.14
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    社会問題として介護について様々な人の視点から描かれることでその闇の深さが浮き彫りになる様な話だった そのなかで要介護者を殺すというのは悪ではあるものの、犯人が死が救いとする考えが発生する制度等には考えさせられるものがあった。 ミステリーとしては犯人が想像していた人と違ったのには驚いたが、読了感としては納得感は薄い。 たしかに犯人判明前から読み取ろうと思えば取れる部分はあったんだろうけど、唐突感が否めなかった

    7
    投稿日: 2023.10.11
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    現代版の「高瀬舟」といってもいいほど秀逸な作品。両親と介護のことなど話せるうちに話しておこうと思わせてくれた作品。どんどん少子化が進む中でできる限り健康に生きたい。

    13
    投稿日: 2023.10.05
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    Audible読了 社会派ミステリーと言うのか、介護ミステリーとでも言うべきか。疾走感のあるクライムノベルで心地よく楽しめた。 ── 介護保険制度はお世辞にも使いやすい制度とは言えなかった。 今ではすっかりお馴染みで、利用したり雇用された経験者ならば全力で頷く話だと思う。どうにかしなければならないことも。 そんな制度がまだかけ出しのころ、ビジネスチャンスに飛びついた者の凋落が描かれており郷愁をそそる。反面、キリスト教や裁判、ドラッグも登場するため伏線アイテムが多く、ストーリーの膨らみが大きい印象。 介護DV、ストレスによる弱者への虐待。 刑務所に入るため犯罪に走る老人。 ひとり歩き(徘徊)老人の事故死。 親の自殺幇助。 殺人。 作者はどこに線を引くのだろうかと楽しみながら読み進めると、あっと驚くどんでん返しが待っていた。 私の好きなマンガに『ヘルプマン』というハッピーエンドな介護作品がある。救いの少ない世界に光をくれるという意味では、こうした作品が増えて欲しいと願う。 成田祐輔さんの言葉を借りれば、老人の死を願うことは、自分の未来への想像力の欠如に他ならないからだ。

    14
    投稿日: 2023.10.01
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    「耳で感じる介護の真実」 Audibleでこの作品を耳で楽しんだのですが、非常に感じるところが多かったです。介護の厳しい現実をミステリの形で伝えており、人の命の価値や生きる意味、何が正しいのかということを深く考えさせられました。このようなテーマは私たちもいつか直面するかもしれないと感じるほど、身近なものでした。内容は重たい部分もありますが、ミステリとしての要素が強調されているため、とても聞きやすかったです。映像作品も楽しめるのではないでしょうか。ナレーションも非常に素晴らしく、全体的におすすめの作品でした。

    7
    投稿日: 2023.09.18
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    老人介護の陰を題材にしたミステリー。要介護の老人を殺すことは救いなのか。 他人事ではない介護の問題、考えさせられる。

    3
    投稿日: 2023.09.17
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    安全地帯にいる勘違い正義漢には理解できない「ロスト・ケア」。 この本が出版されて時間が経てば経つほど、求められ、必要になっていくであろう究極の介護。 制度の穴、必要な不正、人の「堕」ち方。 何も考えられないように整えられた人間には耐えられない現実が丁寧に提示されている。 これでも、ずいぶんと初心者向けだと思う。 物語の進め方や、事件の追い上げ方とスピードも見事で、だれてしまうことなく楽しめた。 裏社会と社会の裏側が一冊にまとまっている。 私たちが裏社会に繋がることは実は用意だし、社会の裏側なんて実は表立っている。 この本はぼんやりと生きている私たちに、そう警笛を鳴らしてくれている。

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    投稿日: 2023.09.08