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すべて真夜中の恋人たち
すべて真夜中の恋人たち
川上未映子/講談社
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総合評価

736件)
3.5
120
206
234
71
18
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    いつもミステリーばかり読んでるので、冬子の恋愛にドキドキした。胸にドスンときました。 あまりに暗い冬子の人生に輝く光が生まれる。幸福に転じると思いきや。。 終盤の冬子と聖のやりとりは緊張感が半端なかった。お互いの領域に入り込む様は刃物を突き付けあってるような緊張があった。 最後は希望が持ってる終わり方で、本のタイトルが絡んでくるのも印象深いものだった。

    0
    投稿日: 2016.09.23
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    冬子と同じように三束さんに恋をして、冬子と同じように胸が締めつけられて泣きました。 小説を読んでこんなに涙が出たことはなかったかも知れない。 美しい物語を読みました。 また冬子と三束さんに会うために、私はこの本を読むだろうと思いました。

    1
    投稿日: 2016.09.16
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    一緒に食事をすることって、実は一番官能的なことなんじゃないか。 作者の川上未映子さんが、以前自身のトークショーでこの作品についてこんなふうに語っていらっしゃいました。 たしかに、この作品で主人公は心が惹きつけられている相手と食事以上のことはしません。 それでも、ふたりの関係にはどこか色気があり、読む人をどきどきさせます。 手の中をすり抜けていってしまうような、ふたりは幻なんじゃないか、夢なんじゃないか、と思わせるような、そんな瞬間もあります。 この作品を読んでからかなり時間が経ちましたが、ふたりをまとう独特の空気感は、今になっても余韻として残っています。とくに、作中の光の描写は、作品全体を、読む人の心とからだを、優しく包み込んで、作品の世界に連れて行ってくれるでしょう。

    0
    投稿日: 2016.09.11
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    きれい。きれいな本。 紡がれている描写もだし、描かれている主人公の恋心も。 結局のところ、すごくストーリーはシンプルな話だと思う。 自分で選ばず、自分らしささえも作り出してこなかった不器用すぎる主人公。恋をして、初めて自分が見つけたほしいものに手を必死になってのばす話。 ただ、その恋心の描写が、とても綺麗で。特に後半は引き込まれました。わたしと誕生日を過ごしてほしいと「お願い」を主人公がしたシーンは、思わず心が一瞬でぎゅっとした。 人との距離感をとるということは、割と簡単な行為。これ以上はダメだと頭の中で警報が鳴れば静かに去ればいいだけなので。 でも、恋愛になると途端にそれが難しくなる。かき乱される。まさしく、「触れたくなる」。 この不器用すぎる主人公に、少なからず共感をしてしまいました。 最後は三束さんと幸せにしてあげたかったよ。 あぁ、あと、わたしと寝たいと思いますかと思わず聞いたシーンも、女性らしさがあってよかった。

    1
    投稿日: 2016.09.11
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    面白かった。前半部分は少しだけつらいところもあったが、中盤以降、特に最後の怒涛の展開はとても面白かった。 主人公の三束さんへの仄かな想いはピュアで、何かドキドキさせるものがあった。最後感動したと思ったら、どんでん返しを食らって、さらにどんでん返しを食らって、最後はもう何が何だかわからない気持ちになった。 奇しくも、主人公の三束さんへの想いが綺麗すぎて、途中からどこかで夢オチでも何でも良いからどんでん返しが欲しいなあと思っていた私の希望は全て叶った形になった。

    0
    投稿日: 2016.08.06
  • すべて真夜中の恋人たち

    発刊時にテレビで紹介されてから気になっていた作品で、ものすごく期待していたのですが・・・。登場人物の一人も好きになれず、すっきりしないまま読了。先入観を持って読んでしまっていたのが余計に良くなかったのかも。 川上未映子さんの作品は初めてでしたが、私にはまだ理解できる心の深さが足りないのかもしれません。

    0
    投稿日: 2016.07.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    垢抜けていない、言葉を選ばないとダサい、イケていない女性の恋心の話。 正直なところ、奥手な中学生ならまだしも、30代なかばでこんな方がいるのか…、という気持ちで読み進めました。 ただ、読み終えてみると、この全体としてしんみりとした雰囲気は大人の女性だからこそうまれたのかとは思います。 二人の会話も面白みはなく、初対面の男女の探りあいな雰囲気が最後まで続きます。 聖という友人も、なぜ主人公とは親しくできるのか、軋轢が生まれないだけなんだろうな、などあまりよい理由が思い当たりません。 文章が綺麗ながら、個人的には面白みはなかった。

    0
    投稿日: 2016.06.30
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    http://tacbook.hatenablog.com/entry/2016/04/24/212839

    0
    投稿日: 2016.06.15
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    筆者の作品は初読。文章に独特のリズムと変化がある。構成やあらすじはありふれたもので、それを表現に仕立てていく感性が素晴らしいのだと思う。 主人公は30代の設定。仕事に忠実で経済的にも自立。なのに自我は思春期の少女のようだ。純粋な恋物語。もどかしさや揺れる心に、遠い昔を思い出した。

    0
    投稿日: 2016.06.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    冴えない主人公と言ってしまえば一言で済むのだけれど… 空気みたいに、たまに気づかれながら流れ流され生きてきた主人公。 初めて恋をしてしまって、少しだけ翻弄された短期間と、傷を放っておくみたいに時間をかけて、また日常に戻っていく様子が描かれている。 人生においてほんの些細なイベントだったのだけれど、本当に些細なことまで気づいたり、思ったり、感じたりする主人公だからこそ大切な思い出になっていく感じが優しかった。

    1
    投稿日: 2016.06.04
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    指先しか触れていないような恋愛。 生々しいくらいの女性のヒエラルキーが所々に滲み出る環境の中で、人との深い関係を避けてぼんやりと生きてきた主人公は、幻想みたいに穏やかな男性に出会う。 随分とのんびりと進む物語だな、と思いつつ、恋愛の進展は駆け足で綴られていく。恋に落ちるのは、瞬間だということなのだろうか。 最後まで読み終えてから、冒頭の1ページを改めて読むと、切なさが込み上げてくる。 究極の恋愛って、本当は触れられないものなのかもしれない。会ってない間、ベッドの中、相手の好きなものに触れている瞬間、ひとりで自分の中だけで間接的に育まれていくものなのだろう。

    0
    投稿日: 2016.05.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読むのが苦しかった。 装丁とひかりの描写がとてもきれいで手に取ったけれど、主人公の生き方があまりに不器用すぎて、感情移入しちゃうとほんとに苦しい。 ゆっくり恋に落ちていく様子と、 その感情の持っていきかたと、 ひかりの描写と。 きれいで切なくて、苦しい。 雨の中で三束さんが現れたところなんて、思わず泣いてしまった。 なんでかな、まったく、魅力的ではないのに、すてきだった。 最後、これでよかったのかなあ、、幸せにしてあげてほしかったよ、、

    0
    投稿日: 2016.05.23
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    川上未映子さんの「きみは赤ちゃん」を読んでからこの本を読了して思ったのは、川上さんは、いまこの時にしかない一瞬一瞬のかけがえなさや切なさをいつも思ってるんだろうなということ。確かにそのときを体験したはずなのに、次から次へと手のひらからこぼれおちていくように一瞬が積み重なっていく。川上さんも光が好きなんだと思った。 自分の欠けてる部分を認め、受容してはじめて、他人のことを受容できる。そんな姿もえがかれてた。気持ちを確かめ合うことで自分のなかのなにかを補完するように寄り添う恋人たちは、結局世の中の人間そのものなんだと、そう思えばもっと楽に生きられるんじゃないかと思った。

    0
    投稿日: 2016.05.23
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    なんだかいまいちよくわからなかった。江國さんのような不思議さはあれど、世界観がもしかしたら私と波長が合わない。

    0
    投稿日: 2016.05.22
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    川上さんの文章は句読点がなくてダラダラと続くので全てがひとりごとのよう それがかえってどんどん読みたくなる動機になる

    0
    投稿日: 2016.05.16
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    不器用でぼんやりした、意思の薄そうな34歳女性が主人公。彼女の生き下手くそさにイライラする。 孤独から迷走しているところは、もう駄目かと思った。 それが、友人と思える人に出会い、初めての恋心に気がついてから変化していく彼女の姿に感動した。変化というものはゆっくり、本人の力で起こすもので、イライラしても周りが口出すことじゃないんだと、よくわかる。若くもなく、中年でもなく、という34歳の半端さも思い出す。自分の時も、意外に小娘っぽさが残ってるものだった。

    0
    投稿日: 2016.05.04
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    現実だと、スポットが当たらないだろう主人公を、ここまで広げることができるのは感心。 本に吸い込まれて読んでいると、暖かいような不思議な感覚になるけど、よくよく客観的に見るとちょっとこの人大丈夫?となってしまいそう。笑

    0
    投稿日: 2016.05.03
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    【2016.4.30】 34才、仕事での評価は高いけれど、自分の思いを言葉に置き換えることがとても難しい。小さい頃からずっと人付き合いには苦手意識がある。そんな女性が主人公。 身につまされる部分もあるけれど、読んでいくうちにどんどんつらくなってしまった。飲めなかったお酒に溺れるようにしないと築けない人間関係。人に伝えるだけでなく、自分に言葉を伝えることも避けるようにしてひっそりと日々を送る。 関わりの少ない人からは疎まれ、親しくなる人からは最後には「見ているといらいらする」と言われる。そしてどうやら彼らだけではないらしい。私もものすごくイライラする。主人公の彼女は同じパターンを物語の中でも外でも繰り返している。 言葉を出さないからこそより強烈に感情を相手に投げ込むような対人関係。彼女の代わりに彼女のすべてに怒りを感じつつ物語が進んでいく。 そんな中、仕事の相手だった聖と恋愛感情を持った相手の三束さんに対して、最後は自分の言葉で相手を理解し、自分で選んだ人間関係を築いていく。なんだできるんじゃん、と少し肩の荷を下ろせるような感覚で本を閉じる。タイトルの言葉は彼女か初めて自分の内側から取り出した言葉みたいだ。 ものすごく生々しい感情を呼び起こされるような小説だった。読むの疲れた~!

    0
    投稿日: 2016.05.02
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    主人公の、悲しい不器用な生き方と恋よりも、 彼女をののしる、イヤな女に、 私はシンクロした。。。 あちゃ。。

    1
    投稿日: 2016.04.28
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    「わたし」にどうしても共感できない。共感できる本が良いと思っているわけじゃないけど、この本はなんかだめだった。いらいらしてしまったし、始終もやもやふわふわしてて、話の内容もよくみえなくて。 手に取れない、目に見えない、そんな漠然としたこと?気持ち?をさらさらとした言葉で描写してる場面が多くて、それを感じ取ること、イメージすることが難しかった。 雰囲気が好きな本ってのはあるけど、今回は浸りきることもできず。 辛口評価だけど、ただただ自分には合わなかったなあという印象。

    1
    投稿日: 2016.04.25
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    限られた世界で展開される、30歳を超えた女性の感情を掘り下げた感じでしょうか。作品としては素晴らしいと思うのですが、不惑を迎えるおっさんが読むには、不向きだったかも

    0
    投稿日: 2016.04.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    仕事が校閲の地味で消極的な女性が、大局的な友人と同じような男性に恋をするお話。女性の気持ちやお酒の使い方、光や夢などの情景の描写が印象的だったが、全般的に暗い。

    0
    投稿日: 2016.04.22
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    川上未映子さんの作品は「ヘヴン」に続いて2作目。 文体は角のとれた丸みのある印象なのに、作品内容や表現にヒリヒリするところのある不思議な作家さん(私観)。 これは恋愛小説じゃなくて青春小説だ、と思った。 自分の生を受け身で生きてきた主人公がひとを好きになり、失って、誰か別の人を生きようとしたけれどそれもやめて、自分で紡ぎだした言葉を紙に記す。 校閲という仕事を通じてしかアウトプットできなかった言葉を、自分の中から生まれてきた言葉へ。これが象徴的。 三束さんの光の話が印象的だった。見えているものは残り物の色。「太陽から届く光の色んな部分のなかで、青いところだけが散乱しやすいんですね。だからそれがどんどん広がって、空全体がおおきくみえるんです。こんなふうに」 (2016.4.16)

    0
    投稿日: 2016.04.17
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    やわらかくて、綺麗な文章。あからさまなまでに女性的なのだけれど、それが全然気にならないというか。一文が異常に長かったりもするのに、逆にテンポをよくしていたり。ただただ、読んでて心地がいい、浸る読書。 もちろんストーリーもちゃんとあって、起承転結の「転」からは、クライマックスにかけて一直線。彼女の「気づき」は自分にも刺さって痛いことこの上ないのだけれど、そこで血を流していたからこそ、ラストには清々しさが残る。

    0
    投稿日: 2016.04.02
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    読んで、途中でやめて、また読んで、一気に読みきれるものじゃないけど、好み! 好きな人を思うことに関する表現がうまいなあ…普通の人が言葉にできないものを言葉に出来てて、しかも共感もできる。 心が浄化された一冊。

    0
    投稿日: 2016.03.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    途中、飽きて別の本を手に取ったりしつつ、でもまた読む。 後半がとてもよかった。 一気に読み終わろうとしたところで、でも残りは明日に取っておこうと思い、少しづつわけて読んだ。 三束さんに、がっかりするわけでもなく、でもやっぱり切ないような、気持ちになる。 明るい時間には本を開かず、寝る前の布団の中で読んだ。

    0
    投稿日: 2016.03.13
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    二回目。謂わば自分とは正反対の女性が主人公なんだけど、彼女の孤独には何故だか共感できる。 じぶんのつまらなさを他人にわかってもらう必要はないけど、他人にわからせられる、みたいな瞬間が生きていたら多々あって、その瞬間の強さ、みたいなものが彼女とは正反対の自分にも何故だかささる。そして、彼女はきっとルックスにあまり恵まれていないのだろう、けれど、私は初めて読んだ時も今回も、とても清潔で美しい容姿を彼女に当てはめながら読んだ。正しさや善悪ではどうにもならない大体の問題の、最も繊細な部分を、不器用な恋愛を通して描いた作品。

    2
    投稿日: 2016.03.10
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    とても静かな語り口。 でも、読みながら、キラキラした光の映像が鮮やかに、頭の中に浮かんだ。 読了後は、とても切なくなってしまった。でも、この余韻は嫌いではない。

    0
    投稿日: 2016.03.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『わたくし率〜』に続き、川上作品二作目。校閲者・入江冬子を主人公に、石川聖=○○の小説の主人公女版wと、高校教師?の三束さんの三名が主な登場人物。雰囲気がどこか村上春樹っぽい感じで私は好きだなぁ^^ 三束さんとの恋愛?はあんな終わり方をするとはねぇ…。また、時間を於いて読みたい作家。次作は『ヘヴン』かな。

    0
    投稿日: 2016.03.01
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    言葉が繊細で美しい。 明るい内容ではないのに、読んだ後爽やかな感じがするのは言葉の1つ1つがキラキラとしているからだと思う。光をあらわしている曲と言っていたショパンの子守唄を聴いてみたくなった。

    0
    投稿日: 2016.03.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ところで、水筒に日本酒を入れて飲みながらカルチャーセンターとか喫茶店とかに(人に会いに)行くのすごいとおもう、という雑な感想

    0
    投稿日: 2016.02.23
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    途中断念。 出てくる登場人物が皆、自分の事ばかり話している。人と人との交流が、会話が、愛がない。途中で嫌気がさしやめましまた。そういう人々が苦手なので。

    0
    投稿日: 2016.02.04
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    冒頭の1ページから心を掴まれた。 その期待に裏切られることなく、最後まで素晴らしい作品でした。 三束さんに自分の思いを告げてからの展開の切なさに涙がポロポロと。 終盤の、自分の気持ちをうまく言葉にできない冬子と思ったことを言いすぎてしまう聖のかけあいも良い。 「すべての報われない気持ちに、光を。」

    0
    投稿日: 2016.01.28
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    恋愛は夜に輝く光のように人生の彩りになる。 人を愛するということがかくも美しく、儚いものであることか。 時が止まるような恋愛をして、加速する時の中で過去の恋愛を忘れていく。いつか消える光のように。

    0
    投稿日: 2016.01.27
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    不思議な本。わかった、と思うとその推測はやぶられ、まちがっている。 読了後、どうして?と疑問符がたくさん浮かぶのでゆっくり考えたくなる。 きっと、嘘なんだろうけれど、とわかるんだけれども、その嘘を無視しあう登場人物たち。

    0
    投稿日: 2016.01.10
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    美しい文章、美しい言葉が紡がれている。 私はきっと自分から気持ちを伝えられない冬子だろう。 だから冬子と対極的な聖の言葉は胸に刺さる。 恋をする切なさや痛みが伝わる、 でもどこか温かみがある、そんな一冊だと思う。

    0
    投稿日: 2015.12.30
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    初めて読んだ川上未映子さんの小説。 表現が圧倒的に美しく、何度も読みたくなる本だと思った。 「目のまえの文字がばらばらと好き勝手に動き出して逃れるようにしてこぼれてゆき、わたしはそれをひとつひとつつまんで紙のうえにもどして整列させた」(p.60) など、女性ならではの繊細なメタファーがいたるところに散りばめられており、それらを読むたびあまりの美しさに悶えた。 ストーリーが意味しているものは、私には一度読んだだけでは完全には理解できなかった。でも、なにか大切なことを訴えかけているような気がした。圧倒的な自信のなさ、だったり、主体性、だったり、そこに差し込む光、だったり。 読み終えたあとにはなんとなく、宙に浮いたような気持ちになるのだった。 村上春樹の小説は、病むから、という理由で久しく読んでないけれど、それと似たような深さのある(病まないけれど)小説だと感じた。 星5つにしたいけど、慎重を期して4。

    0
    投稿日: 2015.12.26
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    内向的でなかやか言葉にできない、表現できない主人公だが、本一冊なるくらいに語ってるって普通のヒト以上に言葉持ってますな

    1
    投稿日: 2015.12.26
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    校正者になりたいと思ってるので仕事の内容なんかを垣間見れたのがよかったです。 さらさらと流れるような文章。主人公の心情描写がおさえられていたためか、行動にイライラすることも多々ありましたが、物語が進んでいくにつれて少しずつ彼女の変化も感じられました。 最後は少し切ないなあ。

    0
    投稿日: 2015.12.20
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    自分の究極も、この主人公と重なるのではないかと、時々ひっかかった。 女性目線の話が多く、現実が嫌になる事もあるが、学ぶべき、実行すべきこともあり。 ゆるやかな流れで読むような内容。

    0
    投稿日: 2015.12.20
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    情緒不安定のアル中なのかな?というくらい、主人公に対して不安になった。 妙な比喩とか言い回しとか、最初は慣れなかったけど、 途中から主人公がお酒に酔いながらふらふら漂っている感じとあいまってだんだん心地よくなってきた。 三束さんへの想いの描写は そのまんまあの頃の自分だった。 あの頃から時間をかけた今、読めて良かった。 あの頃の自分も思い出も考えたことも 報われなかったけど大切な事実だと思えた。 泣きそうだ。

    0
    投稿日: 2015.12.10
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    ※性描写の含まれる作品です。 【印象】 夢を見てください。34歳女性。 【類別】 小説。 ロマンス、あるいはそうでないもの。 【構成等】 特筆すべき点はありません。 【表現】 地の文は一人称視点であり、文体は平易。

    0
    投稿日: 2015.12.03
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    全体的に一文が長く、だらだらとした描写が続くので、好き嫌い分かれるだろうなと思うけど、私は好きだ。単にだらだらしているというよりは、綺麗で、流れるような、凸凹していない。さらさらとしている文章って言ってもいまいち伝わらないかもしれないけど、これを読んだ時にあぁこれはさらっとしている、そう感じた。 ストーリーも淡々と進んでいく。登場人物も少ない。 でも、こうやって読み終えてから振り返ると何だか非常に奥行きのあった物語だったような気がしてきて、思わずもう一回ページをめくりたくなる。 多分、ストーリーを追っていくのではなくて、ひとつひとつの文章、ひとつひとつの言葉遣いを丁寧に、ゆっくりと拾い上げて行く方がたくさんのものを感じられるんじゃないか、そう思う。

    0
    投稿日: 2015.11.29
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    だらだらした会話が長すぎて 途中からだいぶいい加減に読んだ。 そして、最後の最後まで 主人公を好きになれずに 読み終わってしまった… 聖の服を着て髪も切って化粧もして うきうきしている彼女は 可愛かったんやけど、 それ以外は特に何も残らず。 なんかこう、 もっとのめり込んで読める本なのか と思ってだいぶ期待したのに、 …ハズレでした。私には。

    0
    投稿日: 2015.11.27
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    非常にスタティックな小説。タイトルから想像される通り、著者ならではのオーソドックスな恋愛小説を書こうとしたようには思えるが、この作品をそう思える人は少ないように思える。むしろ、内省的な生活を送る主人公の女性を巡る生活や唯一の女友達との友情を描いた小説として自分には読めた。 川上未映子なりの筆力というか勢いを多少期待していただけに、少し残念な感覚が残る。それと、設定があまりに川上弘美の「センセイの鞄」に似ているのでは。このあたりはそうした点を是正しなかった編集者の力量を少し疑ってしまう。

    0
    投稿日: 2015.11.22
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    恋愛ものだと思って読んだらそれだけじゃなくもっと深い話だった。自己肯定感がものすごく低そうな主人公の周りにはやっぱり彼女を大事には扱わない人たちがたくさん集まってくる。 自分の人生に満たされない人が集まってきて、みんな彼女に不満をぶちまけたり、八つ当たりのようなことをしていくのは悲しかったり腹が立ったり。 昔の自分とかぶるところがすごくあったから、強く思い入れながら読んでしまってこの高得点。 自分のごみごみとした感情についての長々とした描写、すごく好きだった。 夜や光についてのこれまた長々とした描写も。 地味な冬子が服をもらって着て、嬉しそうなところがよかった。 服の描写も感情も。 やはり女性はめかすと元気になるよね。

    2
    投稿日: 2015.11.13
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    真夜中はなぜこんなにもきれいなんだろうと思う、それはきっと真夜中には世界が半分になるからですよといつか三束さんが言ったことをわたしはこの真夜中を歩きながら思い出している。

    1
    投稿日: 2015.11.09
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    20151027 言葉のひとつひとつがとてもきれいで、優しくて、なんでもないことを表現するために思いもよらなかった言葉を選んできて、読んでいると手の中の文章、文字たちがとても儚いような、壊したらいけない大切なもののように思えてきました。漢字とひらがなを使い分けているのもすごく良かった。ところどころひらがな続きで読みにくいところはあっても(音訓で使い分けてるのかな?)ひらがなで書いた方がより伝わることってある気がします。 聖が自分とは違う生き方の女たちについて意見を述べている時は何度も肯きながら読んでいたけれど、恭子さんの聖の評価を聞いた時、自分が一つの方向からしか物事を捉えられていなかったということに気づいて、聖も恭子さんも冬子に同じ香水をプレゼントしたことで、あぁわたしたちは所詮女なんだなぁと感じました。 冬子にも三束さんにも恋愛という面で幸せになって欲しかったけど、そうやって終わって欲しかったけど、そういう人生が待っていなくてもちゃんと生きていってる冬子の強さがみられて良かったです。勧めてくれた友達とこの一冊について話すのが楽しみですね!

    0
    投稿日: 2015.10.28
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    おすすめされたけどちょーーと読みにくかったかな。 自分と相性が微妙というか、、 恋愛の描写はすごくてこっちまでどきどきしたけど!文章はすごく綺麗

    0
    投稿日: 2015.10.20
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    主人公の女性があまりにもあんまりで、心が痛くなる。色々な形で心の弱い女性をまとめて具現化したらこんな感じになるんじゃないかと思った。ただ、彼女にしろ聖にしろ恭子さんにしろ、あるある、いるいる、と生々しく実際にいる女性があてはまるからすごい。傍観者で弱い自分が嫌いで酒に逃げて、でも結局好きな人ができたことで汚くても惨めでも変わっていこうと思えた彼女の心の変化に希望を見た。

    0
    投稿日: 2015.10.19
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    【久しぶりに、読み終えた勢いでの印象】 感情がひどく抑制されている主人公の入江冬子さんの生活は覗いていてあまりに哀しくて何度も涙が出そうになってしまいました。 川上未映子さんの作品はこれまで乳と卵しか読んだことがありませんでしたが、乳と卵は今まで読んだどの作家さんの作品とも全く違っていて(当然といえば当然ですが、でも本当に違う、と思ったのです)唯一無二とはこの感じだな、と思ったものです。本作は全体を包む空気こそ全く違うものでしたが、やはり川上さんの独特の色合いは出ていて、読んでいて、「これだ、これだ」とわくわくしていました。特にツボなのが、登場人物の言葉が「」の枠をはみ出て、ポツリポツリと崩れていく感じです。生きている言葉だ、と感じられて大好きです。 川上さんは女性の感情の変化の微妙さのようなものをよく理解されていて、それを表に出す方法が非常にお上手な方です。冬子さんの心の中も、声も、聖さんの言葉も、他に登場にした女性たちの言葉も、間違いなく今の女性の生の声です。どの声も、その人にとっては正しくあるべきで、その人の中にある限り誰も否定する権利はないようなものばかりです。それなのに、他者に届いた途端、何だか間違った感じになってしまう、ガタンと、何だか光が吸収されてしまう様みたいです。物語の文脈で表れる光のイメージとは少し異なりますが。最後の冬子さんと聖さんのやり取りなんて典型的です。意見が食い違って、それぞれに傷ついて、結局お互いに「ごめん」と言い合って、ああ、女性同士の深い付き合いってなんてめんどくさいんだろう、ってなんだか辛くなってしまいました。 そういえば考えてみると、私も聖さんが最後に冬子さんのことを語ったように、自己完結型の人間のような節はあって、聖さんの言葉は結構鋭い棘のようにグサッと来ました。私の場合下手したら聖さん以上にめんどくさいのが、自己完結型なところがある、という自己分析は出来ている上で、だけど、だけど、の堂々巡りをしているところなのですが。それと、自己完結こそしていても、そこに私の家族という要素が少なくとも必ず存在しているので、決して孤独ではないのです。だけど、冬子さんはただひたすらに孤独な自己完結型の生活を送っています。物語途中で冬子さんは孤独の出口を見つけるのかと思いきや、最後は結局孤独に戻るわけですから、私は悲しいという類の感情を通り越して何だかゾッとしました。それでも、三束さんが一瞬でも冬子さんと交流して、与えたもののお蔭で、冬子さんの物語は豊かになって、ずっと抱きしめていられるものが出来たのかな、と思ったら、それでいいのかな、と勝手に今ちょうど腑に落ちました。 ぷかぷか頭の中には色んなものが浮かんでいますが、ひとまずこんなところで。

    9
    投稿日: 2015.10.02
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    物語の中の言葉一つひとつが、柔らかな雪のように降りかかり、体の中に染み込んで行く。そうした感覚を味わい楽しめる、なんとも愛おしく切ないお話でした。比較的短い物語ですが、主人公をはじめ登場人物のキャラや考え方も(あるある的に)よく練られていて単純な恋愛もの、というより作者の「人間観」を感じる事ができる興味深い内容となっています。少し時間を空けて再読し、是非、物語上の結果だけでなくそれを惹き起こしている因果のようなものを感じて行ければと思っています。

    0
    投稿日: 2015.09.27
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    初川上作品。タイトルから単語自体がきらきら輝くような文章で綴られるロマンチックな恋愛小説かと思っていたので、お酒をタンブラーに入れて持ち歩く主人公にもリアリティ溢れる人生観をひたすら喋る主人公以外の女性陣にも驚かされた(笑)。 多くを語らず淡々としていて冷たく無機質のような印象の文章で描かれる冬子越しに見る他の登場人物はたくさんの言葉で感情を表現するため人間味があり暖かさも感じられ、だからこそ冬子に向けられた否定の一言の冷たさが際立ち、凍傷を負ったかのようなチリチリとした鋭い痛みを感じた。 読み進めるごとにその痛みが積み重なっていき、息苦しくて、終盤は心の解放を求める思いでページをめくった。 女性同士の人間関係の描写に特に共感をおぼえたため恋愛面はそこまでピンとこなかったのだけど、三束さんを表現する文章や発言は他の女性陣と違った暖かみがあり、それはとても優しく穏やかで、少し儚げなところもまさに冬子にとっての特別な光だった。

    0
    投稿日: 2015.09.19
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    川上未映子ってもっとヒリヒリした文章を書くイメージだった。 話し言葉や言い回しに村上春樹っぽい…とおもったり、三束さんとのやり取りにセンセイの鞄っぽい、とおもったり。笑 主人公を最後まで好きになれなかったのがいけない。彼女にも、聖にも、三束さんにも、水野くんにも、わたしは「いらいらして」しまった。

    0
    投稿日: 2015.09.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    アル中の話なのかなこれは…と戸惑いつつ序盤は自分とあまりにも違う女性のような主人公であったので読むのが大変だった。 けど後半からの展開、追い上げ、一つ一つの表現にどんどん引き込まれた。最後にはまた読み返したいと思えた一冊。

    0
    投稿日: 2015.09.10
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    今ひとつ感情移入できないまま、サエない女と冴え過ぎている女の恋とか対人関係とかをなぞって終わってしまった。とはいえ、恋をしているときの、あの湧き上がる想いや、胸の物理的な痛み、好きな人の断片なんかには切なく苦しくなってしまうし、よく表現できるなぁと感心してしまった。

    0
    投稿日: 2015.09.07
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    なぜ三束さんは去ってしまったのか、この物語は結局何が言いたかったのか、わからないまま読み終えてしまった。しかし、本を読んでこんなにも痛みを感じたのはすごく久しぶりだった。本の中の、静かで悲しい世界に浸っていると、ページをめくる手が止まらなかった。人間って、悲しくて、愛おしい。

    0
    投稿日: 2015.08.29
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    閉じた世界を描いているところは好きだったけど、古着と一緒に下着をあげるところとか、ずけずけした物言いとか、友達の聖が嫌。最終的にうーん・・・なんていうか最後まで読んだけど何もなかったって感じ。

    0
    投稿日: 2015.08.29
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    主人公の女性に全く魅力を感じず、割と不快だった。「あなた見てるとイライラするのよ」って言われてたし。でも最後は変わったのかな。

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    投稿日: 2015.08.24
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    今、目の前にいる人が自分にとってのその人の全てで、自分がその人に対して感じた印象でその人の存在を捉える。その人と付き合う際のプラスやマイナスも、自分の認識に従って自分で引き受ける。 本来なら人付き合いなんてそれで十分なはずなのだ。 それなのに、第三者やその人のバックグラウンドから余計な情報を仕入れてしまったせいで目の前にいる人の姿がそれまでと違って見えてしまったり、疑うようになったりする。 人と人との関係とは誠に面倒なものよ、と思うと同時に、だからこそ目の前の人の輪郭に自分の力だけで触れることができた瞬間のうれしさは何にも代えがたい。訳の分からない人や情報で溢れかえっている世の中だけれども生まれて死ぬまで完全に一人というわけでもなさそうだ。そう感じることができるのはたぶん一瞬だけれども、繰り返してしまう価値はある。 恋人たちの物語と言っていいものかどうかは悩む…

    0
    投稿日: 2015.08.10
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    主人公の冬子には全く共感できず、は?って思う所が多々あった。校正の仕事をして家にいることが好き、仕事をくれる聖はちょっと破天荒な性格。描写は美しいし三束さんとのやりとりもぎこちないのからゆるやかなものに行く感じはいいけど、またお酒?とかちょっとイラっとするところも(笑) 最後もよくわかんない終わり方だった。 川上さんの作品は他の作家との短編集で読んだことがあり好きだったが、これは私にはイマイチ。でも他の作品にも興味はある。

    0
    投稿日: 2015.08.04
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    自分の弱い部分を隠すため、嘘や虚勢で塗り固めて。強い人間、弱い人間を計る物差しは相対的でデタラメだけど、どんな人間にも弱い部分はあるのだなぁと感じた。冬子にも聖にも三束さんにも。幸せ、正しさが偉くて尊くてそれを追求すべきだという世間の目の鋭さ。何が幸せで何が正しいか自分で判断してはいけないのと考えさせられる。誰しもが何かに臆病で、触れられたくない部分があって、偽ってでも隠したいものがあるのかもしれない。それをさらけ出すことが正しいとは思わない。

    0
    投稿日: 2015.08.04
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    冬子と三束さんの関係好きだった。 いらいらするけど。。 登場人物みんな問題あり。 人間だものね。 恋したくなった。 けど終わり方がなんだかフンワリ。

    0
    投稿日: 2015.08.02
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    素敵な言葉、素敵な表現が心に染み入る本。 自然に恋に入り込む気持ち、人を好きになると一人の時間が相手の何気ないしぐさ、におい、服装すべてを思い出しながら、温かく、苦しくなる矛盾した気持ちに押しつぶされる時間になる、そんな恋愛の表現に感動。 本の帯に書かれていた究極の恋愛。まさに、それに尽きる!

    0
    投稿日: 2015.07.25
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    惹かれ合い、お互いを思いながらもいつのまにか自分を着飾り、本当の自分をさらけ出すことはできなかった冬子と三束さん。結末が切なかった。

    0
    投稿日: 2015.07.24
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    全体として、静かで心にしんしんとゆっくりと、それでもあたりを少しずつ白に変えてゆく、雪のように積もっていく本。 宇多田ヒカルの『光』という歌を思い出す。人生にはそのときどきに、光、と呼べるような人がいたことを思い出す作品。 でも、光に向かいすぎれば目が眩み自分を見失う。 それでも向かわずにはいられない。向かった先に光が散った、としても、その通った道はひとつ、静謐な檻のように、その人のなかに残り続ける。 人を愛することの息苦しさと、楽しさをまた味わわせてくれる作品。 愛する人と一緒にいれても、孤独はやってくるんだね。

    1
    投稿日: 2015.07.20
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    女の会話の内容とか、各々考えてる事がなんだか理解できてしまって。言葉の選び方もいいし、ちょっと自分の人生とリンクするところもあって、軽くてなんだこちょうどいい

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    投稿日: 2015.07.15
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    冬子さんには本当にいらいらさせられるわ。でもこういうところ、自分にはあるし、わからなくもない。なんかな、もうひとつ欲しいな

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    投稿日: 2015.07.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    文体がすごく好き。 ささやかに生きてる女の人がなにかにはまりこんでいくっていうのは、読んでいてやっぱり惹かれる。そういう人って勢いがすごい上に、基本的に自己に埋没して処理するが故に余計エスカレートしていってしまう、そんな様を見るのはスカッとするような、ハラハラするような、奇妙な気持ちで読む。 結末は納得できるようなできないような感じですが、一つの結末として受け取れました。

    0
    投稿日: 2015.07.09
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    ーーーみつけるまでは存在しないけれど、みつけたときには存在するーーー 生活のなかで起こる細かい、ささやかな感覚を文字に起こしている小説だと感じた。 眠る前、目を瞑るとあらわれる掴みどころのない染みのような模様のこととか、タクシーで何度か失敗して窓を下げる描写とか、その窓からのぞく手の先をきゅっと握られる感触とか、生活のなかで見逃してしまう「あ」と思う感情を呼び起こされた。 これは恋愛小説で、主人公はまともな恋愛をしたことがない。 そのひとの前でペットボトルの水に口をつけて飲めないとか、借りた本を読みながら意識が文章からはがれるように離れていき、出会った日のことを細かく細かく思い出していく描写には、心あたりを感じた。 これは恋愛小説であり、初恋小説であり、ほんとうにほんとうにちいさな成長物語である。 わたしは主人公と対照的な性格の聖という人物と、主人公が本心をぶつけあうシーンが好きだった。 この小説のなかで好感をもてる人物はいないのだけど、まぎれもなくみんな人間だなという部分に好感がもてた。

    0
    投稿日: 2015.07.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    150703読了。 ある日本屋で文庫本を見かけ、私は小説は専ら文庫本で読むたちなので、川上未映子さんの新しい本を見つけたと勇んで会計し、すぐに読み始めた。 彼女の小説を読むのは『乳と卵』『ヘブン』に続いて3作目だ。今回の主人公は30代半ばのフリーで校正をやる独身女性だ。彼女の友人・聖との関係や仕事のことがゆったり描かれていたが、途中で主人公がお酒に目覚める頃からの、あの読者を翻弄させるはらはら感がすごいスピードでやってきて面白い。 お酒に酔って気が大きくなって危なっかしく行動する主人公・冬子はカルチャーセンターで初老の三束さんという男性に出会う。 三束さんとの交流は、懐かしい切ない、何とも初々しい風景が広がって、読んでいてくすぐったい。 それが、だんだんとこじれてきて… 最後は、恋の終わりまで。 恋は、こんなにも無邪気に、しかし素直でなく、全く静かで、しかし言いようもない衝撃があるものだと、一人の感情がこうも大きく波打つものだと、無限の不器用さが完成すると美しくなってしまうものだと、読み終えて、少し涙がにじんだりため息が出たりした。 こんなに感動してしまったのは、もう自分がこんな体験をすることがないだろう、と思ったからかもしれない。

    0
    投稿日: 2015.07.03
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    登場人物は主に冬子を中心に三束さんと聖だけ。三者三様それぞれが心に何かあって冬子と三束さん、冬子と聖が絡み合う物語。 冬子みたいに自分に自信がなくて三束さんになかなか思いも伝えられない人って結構いるんじゃないのかなー。一人葛藤してるところとか切なかった。 聖と冬子のやりとりは聖が押し気味なんだけど、最後はきっと二人で子育てしてくんだろうなー、そういうのも楽しいかもって思えるいい関係に落ち着いて面白かった。 でも、どうして冬子がアル中のようにお酒を飲んでたのかなー、お酒に逃げる人にはなってほしくなかったような… あ、校閲という仕事がどんなに大変なのか改めて感心しました。

    0
    投稿日: 2015.06.27
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    とても文章は綺麗なのだけど、淡々とした日々と主人公のなんだかわからない心情に後半読み進めるのが辛かった。

    0
    投稿日: 2015.06.27
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    描写がとても綺麗 ずっと心の中にとどめておきたい文章がいくつもあった 主人公の冬子は自分でなにも選択してこなかった人。自分とは違いすぎて共感はできなかった

    0
    投稿日: 2015.06.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・そうだ、これから新宿にでも行って、色んな店をのぞいてみたり、あてもなく街をぶらぶらと歩いてみるのってどうだろう。天気もこんなにいいんだし。  しばらくはそんな明るい気持ちで電車にゆられていたのだけれど、初夏の鮮やかな日射しがあふれる車内でそのほとんどか笑顔で楽しそうにしている人々にまぎれてじっと座っていると、知らないうちに目線が下へ下へとさがりはじめて、さっき出版社をでたときにはたしかにあったあの感覚は、ぱたんぱたんと音をたててみるみるうちに規則正しく折りたたまれてゆくのだった。それはすぐに画用紙ほどのおおきさになり、やがて手のひらにのるくらいの小ささになり、待って、と思ったときにはもう、それがなんであったのかもわからないぐらいの切れはしになってしまっていて、やがてどんなに目を凝らしてみてもどこにもみえなくなるのだった。 新宿の街はものすごい数の人々であふれかえっていた。 たくさんの紙袋を手にさげた若い女性たち。携帯電話で誰かとおしゃべりしながら大きな声で笑っている人、目のまわりを黒く縁どった人形みたいなかっこうをした女の子たち。ベビーカーに乗せられた赤ん坊と日傘を差してそれを押す母親と父親。そんな明るい喧噪のなかでぼうっと突っ立っていると、ぶらぶら歩くというものはそもそもどうやって始めればいいものなのかぼんやりとわからなくなってくるのだった。わたしはそのまま立ちつくし、15分ほど人の流れを眺めたあとで、家に帰ることにした。

    0
    投稿日: 2015.06.10
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    女性ならではの筆致と言うべきか。石田衣良さんの作品をこよなく愛するわたしにとって、この作品もまた水がじんわりと沁み渡るかのようにするすると自分の中に入ってくる文章だった。敢えてのかな表記や言い回しには合う合わないがあるだろうが、個人的にはとても美しいと感じた。 主人公の冬子はわたしからしてみれば十近くも歳上の女性であるが、その極端なまでの不器用さに庇護欲を掻き立てられた。同時に、わたしほどの小娘でさえも持ち合わせている世の中の「アタリマエ」に頑なに溶け込もうとしない彼女に苛立ちも覚えた。しかしその苛立ちの根っこの部分は、わたしと彼女が何処か似ていることにあるのかもしれない。 わたしはこの作品にハッピーエンドを望んでいた。愚直なまでに不器用な彼女のはじめての恋。小説の中でくらい成就させてあげてもいいじゃない、そんなふうに思っていた。いい歳をした大人ふたりが、今時少女漫画でも描かれないようなプラトニックな恋をして、今迄の人生はこの恋愛のための布石だったのでは、なんて思えるほどのしあわせを冬子が手にすると思っていた。わたしの考えが些か単細胞すぎるのかもしれないが、この結末を望んだ読者はあまりいないのではなかろうか。

    0
    投稿日: 2015.06.08
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    恋をしている。恋をしているときの不安や、喜びや、ほのかな期待、見えない何かをとても感じた小説。著者の文体の独特さは控えめで、誰でも読みやすい仕上がり。

    0
    投稿日: 2015.06.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    --- 「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。私は、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信が持てない、誰もいない部屋で校正の仕事をする、そんな日々の中で三束さんにであった--。芥川賞作家が描く究極の恋愛は、心迷うすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。渾身の長編小説。

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    投稿日: 2015.06.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ストーリー自体はテンポよく会話の流れも楽しめて読みやすいものだったけれど、オチというか、全体的にぼんやり終わってしまったのが残念。 高校時代の同級生との出来事がきっかけなのか、それから34歳になるまで男性と関係を持ったことがない主人公の冬子。カルチャーセンターでひとまわり以上年上の男性、三束と知り合いあるきっかけから毎週、喫茶店でお茶をするようになる。なんでもない会話を繰り返すうちに彼女の中で、三束の存在が大きくなり、それが恋愛感情なのだと気付く。 でもこの三束との関係が、なんとも納得いかない終わり方をする。。想像して、というメッセージなのだとは思うけれど、急展開すぎて頭がついていかないうちにページが終わってしまっていた。 仕事を通じて出会った性格も真反対な聖との関係も、聖が強引な性格なので、冬子を自分のペースに巻き込んでいて、「こういう関係性もあるかな」と思いつつ読んでいたけれど、なんか、自分が好きな展開と違った。 もう少し、冬子がひとつの恋愛を通して30代の女性らしい生き方が出来るようになる様なんかをフォーカスした感じが良かったかな。

    0
    投稿日: 2015.06.01
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    恋の要素がいらない。自分と真反対の感情を抱く主人公の心情がとても面白かった。 ありえないほどの年の差が考えられないのでうーん

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    投稿日: 2015.05.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    川上さんの流れるような文章のリズム感が心地好く、すっと読める作品でした。 クライマックスで聖と語り合うシーンがとても良かった。 タイトルに「恋人たち」とあるけれど、恋愛模様についてはあまり印象に残らず、三束さんとの別れも、聖のシングルマザーとしての選択も突然すぎてついていくことができなかった。 今もってなぜ三束さんが約束の日に来なかったのか、よくわからない。結婚してるのに、独身だとうそをついたのならわかるんやけど、別れの手紙の内容も少ししかふれられていないし、え??え???と戸惑っているうちに物語が終わってしまった。 冬子・聖・三束さんの孤独さ、不器用さは痛いくらいにひしひしと伝わってくるのに、恋愛に対する切実さみたいなものはあんまり感じることができなかったのが残念。

    0
    投稿日: 2015.05.17
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    ★3.5かな、『ヘヴン』の印象よりはずっと良い。ただ妙に平仮名が多いような気がする、微妙な違和感を感じるんですけど、まぁ個人の好みの範囲かもしれない。 さて内容ですが、聖というキャラクターが絶妙、このキャラクターに対峙・反復・相似する形で色んな登場人物がうまく構築されているかと。当然冬子が主人公なんだろうけど、実はこのキャラこそが軸な気もする。 結末の形は冬子の成長の証なんだろうか?読者に判断を委ねる形は好感持てますけど、少なくとも当方にとっては。

    0
    投稿日: 2015.05.12
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    なんとなくセンセイの鞄っぽい。 たんなる川上つながりでの連想かもしれないけれど、10年後にリライトしたらこんな感じになるのだろうか。 そんな想像をしてしまうと寂しさもひとしおで、本当に寂しい人はセックスひとつできない世の中がやってきたのだ。 ブンガク作品のなかですら繋がれないなんてなんてこったい。 だってセックス大好きでしょ、ブンガクって。 衣食住が満ち足りてたら、他に生理的欲求の次元で求めざるを得ない欲求ってないもの。 この日本で衣食住が足りないという設定に現実感はないし、その点、セックスを求めることには現実感も切実感も共有できる。 世界の隅々まで繋がれて、24時間365日休むことなく電気的信号が飛び交う世界で、逆に肉体的なつながりが希薄化している現実を反映しているような、現実に向き合ってないような。 センセイの鞄から連想してしまっている時点で読み違えているのかもしれないし、なんとなく雰囲気が足りない気もするし。

    0
    投稿日: 2015.05.03
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    彼氏と別れた直後、凹んでる時に読んだ本。 冬子と聖の内面描写か面白かったし、人間完璧じゃないよね、って気持ちが楽になった。 冬子についてはシンデレラストーリー的な部分もあり、それもまた心地よかった。

    0
    投稿日: 2015.04.30
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    後半の決壊した想いの瞬間が、共感して、危うく飛び出しそうになった。人を好きになることがこんなに不器用で愛おしいものか、どうして意味もなく、名前を呼んでしまうのか。物理的距離が精神的距離と比例するのは有名なお話。ヌレセパ。

    0
    投稿日: 2015.04.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初・川上未映子作品。ふわふわとしたつかみどころのないような、繊細で儚くて、トンと肩を押したらポキッと折れてしまいそうな、そんな文体でした。それは作者独特のものなのか主人公の雰囲気のせいなのかわからないけど。とても澄んだきれいな文章を書く人なんだ。 波を打つように、穏やかな生活に時々感情が高ぶるような出来事があり、また穏やかになり、毎日が過ぎてゆく。気づけば年を取っている。 エンディングは切ないものだったけど、私だけは冬子の気持ちを理解してあげたいと思った。面白いというよりは心に残る作品、と言った方が合ってる気がする。ミステリーを好んで読む私にとって、結構斬新でした。

    1
    投稿日: 2015.04.23
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    クライマックスが良かっただけに終わり方はちょっと残念だったけど、すごく美しくて純粋で真っ直ぐで、人を好きになるって、本当はこういうことを言うんじゃないだろうか、って思えた。

    0
    投稿日: 2015.04.22
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    恋愛の話よりも聖の人生観の方が印象的だったし、私の考え方と似ていて将来こんなふうになるかもしれないと思うと怖くなった

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    投稿日: 2015.04.21
  • すべて真夜中

    読み終えるまでずっと、タイトルを『すべての真夜中の恋人たち』だと思い込んでいた。読み終えてみて、タイトルの意味が分かった気がした。 スマホであとどのくらいで終わりか分からず読んでいたこともあって(あとどのくらいか分かる機能があることは知っていたけど)、最後はえっ、これで終わりなのと正直思ったけど、大切なのはストーリーじゃなくて、文章から滲み出てくる心の襞だから。そういう意味では、やっぱり川上未映子は好きだなと再認識した作品。

    3
    投稿日: 2015.04.20
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    冬子と三束さんが出会い、心を交換し合えたこと。 みじかくとも、その奇跡みたいな美しさをうらやましく思う。

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    投稿日: 2015.04.04
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    突き刺さる言葉、まだ痛みを感じることができるなら。 自分を映す鏡になってくれるのは、自分のなかにいる もう一人の知らない自分。 とてもゆっくりと、でも確かに忘れていく大切なこと。 いまを見る、明日を見る、過去を見続ける。 信じる気持ちがあれば。

    0
    投稿日: 2015.03.27
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    たまには、 と思ったんだけど、向いてないかな。 とにかく読み切るのに時間がかかった。 作中のどの人物にも肩入れできなかったし、 ラストも今ひとつ好みじゃない。 俺には向かなかった。

    0
    投稿日: 2015.03.25
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    表紙とタイトルに惹かれて読んだのですが、静かな恋の話でもあり、人生の話でもある。おかざき真里「&」といい、どうしてこういうラストなんだろう。切ない。

    0
    投稿日: 2015.03.24
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    不器用な人たちの恋物語。 決してハッピーエンドじゃないけど、すっと腑に落ちるような最後だった。 ショパンの子守唄や光の光景が浮かんできた。

    0
    投稿日: 2015.03.20
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    なんと書いたらいいものか。 読み始めと途中からの印象の変わることといったら。ちょっとすごい。感想を述べにくい、でも引き込まれてしまう作品。後半は一気に読んでしまった。好きではないけど、面白かったので四つ星。20150318読了

    0
    投稿日: 2015.03.18
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    読後爽快な本、では決してなく、暗さや孤独ややり切れなさが詰まっているけど 聖の印象が、途中人からの噂で読み手の気持ちをガラリと変えてしまうところとか、考えさせられるところも。

    0
    投稿日: 2015.03.11
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    「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。誰もいない部屋で校正の仕事をする、そんな日々のなかで三束さんにであったーー。芥川賞作家が描く究極の恋愛は、心迷うすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。渾身の長編小説。

    0
    投稿日: 2015.03.09
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    きれいな文章の上に表現出来ない感情が載っているという感じだろうか。「真夜中の恋人たち」と言いながら、一度も恋人の下りは出てこない。というより、無理矢理恋愛要素を入れ込んだ感をどうしても感じずにはいられなかった。 主人公の冬子さん(冬が好きで誕生日がクリスマスだから?)は、30代半ばのフリーの校正者。はじめは好感が持てるのに、次第に支離滅裂となる行動に若干うざったくもなる。 酔っ払わないと喋れないと、タンブラーに日本酒を入れて持ち歩く。この辺りは面白いけど、三束さんとの無理な出逢いを作る必要あるのか?と。 突発的に始まるし、若干意味がわからない。 主人公とは正反対の性格をした、活発な女性である聖がもう一人の主人公でもあるのかな? 恋愛云々ではなく、この二人の立場から「女ってさー」みたいなざっくばらんな意見のやり取りがメインになってる。 生きずらいんだよ!って言うのを遠巻きに伝えてる感じだろうか?両極端のよう見える女性を表裏に例えて、どんな生き方をしたってその人にしかわからない苦悩があるんだ、と暗に言っているような… タイトルを付けてから内容を作った感じがする。中途半端に出来上がった世界、というのがしっくり来るかな。

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    投稿日: 2015.03.01
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    ぐらぐらして、どうしようもなくて。似たような体験をした/しているところなので、息をするのがつらくなった。とくべつな光

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    投稿日: 2015.02.28
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    文章は繊細ですごく流麗なんだけどやっぱり 平仮名と漢字の使い方がどうにも読みづらい んだよなぁこの作家さん。 私がこの話で興味を持ったのは校閲の仕事。 私きっとできると思うし面白そう…。その 仕事がうんざり鬱々とした主人公のキャラに 妙にマッチしていて程よく甘ったるい雰囲気 醸してました。

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    投稿日: 2015.02.21