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すべて真夜中の恋人たち
すべて真夜中の恋人たち
川上未映子/講談社
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総合評価

734件)
3.5
120
205
234
71
18
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    三束さんと冬子さんの恋愛は静かで大人で、まだ私には早かったみたい。また30代半になったら読み返してみよう。主人公の生きづらさと女同士の複雑な関係には少し共感できた。聖が冬子さんの恋愛観に対してずばずば言う場面は本当に心が締め付けられたよ〜そんなに言わないで、、 この本で初めて知ったことば 瀟洒

    3
    投稿日: 2025.02.21
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    手のひらでノートの背中をささえ、最初の白いページをひらいたそこに、すべて真夜中の恋人たち、と書いた。 夢はいつもおなじだった。 まるで恋人のように冗談を言って笑いあったり気持ちをたしかめあったりして楽しいときを過ごしていた。 肌と肌がふれることがこんな感触のするものなのか・・・。 体温を、指さきでなくお腹や背中といったひろさで受けとめることが・・・。                                                     何度でも思わずにはいられないほどの快感にうっとりとゆれ・・・。 すきな人の目をこんなに近くでみつめることがこんなにも鮮やかでやさしく、体のいちばん奥のあたりからうまれかわるような思いをするものなのか・・・。(本文より) 真夜中に光が見える。 それは、きれいな涙だろうか? それとも、それが恋なのだろうか?   『すべて真夜中の恋人たち』  ーー川上未映子が描く繊細で美しい世界がある。

    1
    投稿日: 2025.02.16
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    女性の恋愛と言ってしまえば一言で終わってしまうが、人間を描いてる作品 男の自分でも共感できる人間臭さもあれば、全然知らなかった女という部分も全てに惹きこまれた 年の差も絶妙だったし… 個人的にハマった作品でした

    6
    投稿日: 2025.02.16
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    校閲という仕事を初めて知った。色々な生き方があるんだなと思ったし、価値観の相違もたくさんあるなと思った。

    1
    投稿日: 2025.02.16
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    2025/02/13 主人公の入江冬子は34歳で、フリーの校閲者という仕事をしている。 唯一心を許せる仲の仕事の同僚の石川聖が、校閲者仲間で私的な付き合いもあるが、それ以外はほとんど人付き合いがなく、むしろ苦手としているタイプの人間。 けれどもある日カルチャーセンターで58歳の男性、三束さんと出会ったことがきっかけで、人付き合いが苦手な冬子が三束さんと色々と関わるようになり、お互いに近づいたり離れてみたりという関係性が繰り広げられる。 大人のゆっくりと進む恋の様子がすごく丁寧に描かれている作品だと思います。

    1
    投稿日: 2025.02.14
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    みんなそれぞれ生き方があり、どれも間違いはない。感情移入とかではなく、日々の何気ない日常がリアルすぎて感動。

    10
    投稿日: 2025.02.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    はじめはお酒を飲んで人に会いに行く冬子の行動に少し引いた目で読んでいましたが、読み進めるうちに彼女の臆病さを理解すると、彼女なりの勇気の出し方なのかなと思いながら読み進めることができました。 周囲の人達が感情を揺れ動かしたり、見た目や環境がかわったりしている中で、冬子だけが何も変わらないまま、変えないまま34年間生きてきた。そして冬子なりにお酒を飲んでみたり、講義を受けてみようとしたり、なにかを変えてみなくちゃいけないという焦りのようなものを感じているのは、私もふと感じることがあるので少し共感しました。 34歳と58歳、25も離れた2人の穏やかな時間は恋の駆け引きとか、恋人になりたいとか、そういった刺激やゴールを求めるものじゃなくて、ただ同じ時間を過ごすだけの心地よい空間で、冬子が動かなければずっと続く時間だったと思います。でも冬子が恋を知り、初めてのおしゃれをし、いつもと違う場所で誕生日を祝い、告白をした。恋を自覚し伝えたことで、始まることなく終わってしまった儚い関係だったけれど、今まで自分で選択することなく、ただ日々を過ごしていた冬子にとってこの出来事は人生に小さな光を与えてくれた気がします。三束さんも冬子に好意はあったとしても、いざ恋愛の関係性になってしまうと自分のついていた嘘や年齢などを考えて、まだ若い冬子から静かに身を引くという選択をしたのも納得のいく結末でした。

    4
    投稿日: 2025.01.31
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    うーーんなるほど 少し痛くて苦しくて、少し光が見えたと思ったらすぐに閉ざされて、そのまま薄闇の中で物語りが終わる感じ 嫌ではないけれど、個人的には好みではないかな 私は物語の中だけでも、せめて、どうかハッピーエンドで終わってほしいといつも思ってしまう。 途中にでてきた、入江くんはなんだったのだろう とても気になって検索してみたけれど、よく分からなかった でもみんなが言ってるように、言葉はすごく美しかった。どうしたらこんなふうに連ねることができるのだろうか。 自分のキャパが狭い今、読み過ごしてしまった言葉や情景が、沢山ある気がする

    4
    投稿日: 2025.01.24
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    一年前の冬1周目読んで、主人公のことがあまり好きになれなくて売ったけど、今年の冬になってなぜか不意にこの本が読みたくなって再購入。もう一度ぱらぱら読んだら世界観に引き込まれて泣きそうになった。

    3
    投稿日: 2025.01.22
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    メモ 読んでいて苦しかったことが多かったと思うのに、すごく内容をよく覚えている小説 情景をとても想像しやすく、読んでいて物語に溶け込んでいくようだった。

    2
    投稿日: 2025.01.21
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    正直、物語としてはよくわからなかった 言葉が美しくて、やさしくて、繊細で。 日本語の美しさを感じる本ではあるが、終わり方が予想外すぎて。 これ、どういう気持ちになればいいんだ?という感じ

    1
    投稿日: 2025.01.20
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    社会的な意味で、光に身を置く側と影に身を置く側女性2人の生き方、恋愛の価値観をむき出しに描いている。

    1
    投稿日: 2025.01.20
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    感情的になるわけでもなく、揺さぶられるストーリーでもない、ただ、終わりは静かで私はこれが良い結末になったと思ってしまう。

    3
    投稿日: 2025.01.18
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    34歳、校正者・入江冬子の、恋になりそうだった物語。 最近読んだ朝井リョウ『生殖記』の主人公が34歳だったので、なんとなく読み比べたくて再読。校正に関する本もいくつか読んでいたので自分にホット、今また読みたいタイミングがきた。もう14年前の小説なのか。 こんなに心苦しい物語だったっけ。グロテスクです。 次の瞬間にとんでもなく悪いことが起こってしまいそうな、細い糸だけでどうにか繋がっているようなヒリヒリした感情が続いていく読書だった。 なんといってもキャラの違う同じ年の友人・聖とのやりとり、後半の集大成までの積み上げだ。 ①三束さんの誕生日祝いのデート。引きこもりからようやく起きだして髪を整えにいった美容院で、これからデートということの応援の意味でメイクを施された。そんな好意を受けられたのも聖のお下がりを着ていたのがとてもおしゃれだったからだ。普段は手を入れていない分、年齢のわりにナチュラルに綺麗な肌や髪を褒められており、大変身して素敵なシンデレラになれた様子にうつる。よかったね、と気持ちが明るくなる。がんばれ、冬子。風は吹いているで。 ②聖の通った洗練されたレストランに予約をしておりコース料理を食べる。ワインを頼まないことなんてありえなく、普段こないような人であることが丸わかりだ。だけど洗練されたレストランなので客の冬子に恥ずかしい思いをさせることなく、洗練されたギャルソンが、冬子と三束さんに嫌な思いひとつさせなかった。いいお店でよかったね、このあともがんばれ、冬子。いい調子やで。 ③三束さんに思いを伝えた有頂天の帰り道、冬子の家の前に聖がいる。全身の服装と行った店まで聖のお下がりだ。全然違う服みたい、と言われる。皮肉や悪意を気づかれてもよい、もしくは気づかれはしない、とどちらにせよ相手を値踏みした軽口だ。ああ冬子は着こなしがおかしかったのだ。アイシャドウに青色は時代遅れだ、と言われる。ああメイクしてくれたあの美容院ってダサいんだ。冬子だから選んでしまった美容院、聖ならあの美容院は選ばない。おまけにアイメイクは全体的に落ちており、みっともない状態。ああ冬子は化粧を直すことを知らなかったのだ。今思えばあのレストランも分不相応で、やっぱり冬子みたいな人がいくところではなかったのだ、でも冬子はそういうところにいかないからそれがわからなかったのだ。 ①→②→③にかけて読者視点ではシンデレラが解けていくイメージ展開が不穏だ。状態が徐々にそうでなくなっていくのではなく、「じつは初めからそうじゃなかった」のが徐々に分かっていくという、(映像や絵でなく)文章ならではの世にも恐ろしいトリックだ。 このあと、聖から強い発言が繰り返される、とうとう起こってほしくないことが起きる怒涛のシーン、ジェンガが大きく崩れていく。直後の改行なしの冬子の吐露は圧巻だ。しかし絶望なのでない、むしろ思いもよらない希望的な裏切りが建てられていくのがこの小説だ。個人的には大いにハッピーエンドだと思っている。 当時は分からなかったが、今になって思えばフェミニズムの作家だったのだな。冬子のおかれる立場はずっと「ありそう」なことであり、ぼーっと生きて受身でありYes/Noすら怠ってきたから、その代償であり仕方ないのだ、と彼女が自ら引き受けてきたような無意識的な抑圧が描かれるし、引き受けているものの部分として到底看過しておいてはいけない理不尽も含まれる。そしてそれは残念なことにリベラル思想な友人・聖が救ってくれるストーリーなのでもない。むしろアルコール中毒一直線のふるまいにすら気がついてももらえていない、友人ではなくサンドバッグとして搾取されているだけなのかもしれないため、読者としては不安でいっぱいだ。おとなしい冬子が朝から日本酒キメているのはリアルよりリアリティな設定だし。(余談だが、ノンアルコールのマンゴーカクテル→日本酒→コーヒーという飲料の様々さは綺麗だ) 聖も聖で先進的な女性として必要以上に強くあろうとしているが、同じように社会進出している「バリバリ働く女性」から疎ましい目を向けられる。*この辺の「女の敵は女」的な空気感はこの小説の2010年前後的であり、今はちょっと変化しているような気もしている。 そして三束さんがあのクリスマスイブの日に来なくて、手紙で明かされた嘘を知ったとき、三束さんという(多分)誠実な男性が、またジェンダーに苦しめられていたというところを描ききったストーリーにしたところで決定的に、川上未映子さんは信頼のおけるフェミニズムの文学者だと感じた。これよりあとの著作は読んでいなかったが、あらためて大きな作家だと再認識したので、これに次いで発表されていった小説も順に読んでいこう。面白いの確定してる小説読むなんてなんて幸せな予定なんだ...

    2
    投稿日: 2025.01.18
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    この本はなにを伝えたいのかいまいち読み取れなかった。きっと私の知識が不足しているせいだと思うけど。 青は波長が短く散乱して吸収されないから見える。 夕方はもっと薄くなって赤が見えるようになる。 他の色は吸収されている。

    0
    投稿日: 2025.01.16
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    三束…みつつか 入江冬子 石川聖 恭子 早川典子 水野 由井 古賀 たかだかスプーン一杯か二杯ぐらいの量の液体を

    1
    投稿日: 2025.01.14
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    悲しい、やりきれない感もあるけどなんだか彼ららしい現実的な終わり方。こういう真夜中を1人で歩くような生き方をしてる人、たくさんいそう。

    2
    投稿日: 2025.01.14
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    「わたしたちは途切れがちな会話のつなぎめに足でしるしをつけるように、一歩一歩をすすんでいった。」 なぜか、この一文がすごく美しいと思ったので、メモしておきました。

    1
    投稿日: 2025.01.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う。」っていう始まりから惹きつけられ、本当に最後まできれいな文章だった。全体的に、他の女性作家さんとも共通するような、「女性作家さんらしさ」が詰め込まれた作品なんだけど、その中でも川上未映子さんならではの「夏物語」や「黄色い家」にも通じる女同士の友情や絆の描かれ方がある。そして、今回は、聖や冬子が、どうしてあのような、真逆なんだけど、2人とも社会的に少し浮いてしまう性格になったのかが分からないのも、逆に良かった。家庭環境に関係があるのか、生まれつきの性格なのか。変に「問題のある家庭環境のせいで」とかそういう題材を扱わないのがとても良かった。 でもかと言って「恋愛小説」として捉える必要もないのかなと思う。最後は私の中ではハッピーエンド。だって冬子も聖も、かけがえのない友達を見つけられたから。切なさは残るけど、冬子が初めて真剣に好きな人ができたことによって、ぐんと成長する物語だと思う。そして本当の友達を得る物語。

    1
    投稿日: 2025.01.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    川上さんの文章を読んでいると主人公と一緒になったような感覚になって、冬子の孤独や生きづらさ、恋心を体験した。わたしも物理が好きなので、三束さん素敵だなあと思っていたので、結末は悲しかった。三束さんが生きてきたこれまでにも、冬子のような孤独や生きづらさがあったのかもしれない、それを乗り越えるのにもう少し時間がかかるということなのか。また冬子と三束さんが再会してくれたらなと想像する。

    2
    投稿日: 2025.01.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    後半のほんと最後の方聖と冬子がお互いの腕をさするシーンで涙が出てきた。 主人公に共感できるところとできないところあったがとても面白かったです。 冬子がお酒を飲まないと人と話せないシーンこのまま主人公はどうなるんだろう、、と不安になった どの物語読んでも私は聖みたいな女性を好きになってしまうので今回も聖みたいな人好きだなって思った。 正直三束さんが嘘をついていたのはびっくりだったし冬子の誕生日に会わなかったのも三束さんにとってのけじめなのかわからないけど三束さんが冬子さんをどう思っていたのか気になる。 また読みたいと思える作品でした!

    1
    投稿日: 2025.01.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久しぶりに読書が楽しかった。 今自分が恋愛したらたぶんこうなってしまう 少し分厚い恋愛小説が読めるかと思ったけど、読んだらするすると読めた。それは注釈だらけの草枕を読んだ後だからかも知れないし、でも多分色々と引っ込み思案な主人公に共感できたからだった。最後はどうか幸せになってほしかった。三束さんとのデートからの落差がすごかった。昔の無理矢理されたセックスの話とか本線に関係ないところもなぜかすんなり読めた。それで主人公の今の恋愛に奥行きが増していると思った。悪口を言い合う出版社の人達のプレゼントが同じ所とか。 三束さんも傷つきやすい人だからこんな結末になってしまったのかなあ。 「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。 わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。誰もいない部屋で校正の仕事をする、そんな日々のなかで三束さんにであった――。 カルチャーセンターで、初老の三束さんに出会った。主人公は飲めない酒を飲まないと人に会えなかった。不器用ながら段々会う機会が増え、好きだと確信し、愛してますと伝えた。でも三束さんは嘘をついていた。高校教師じゃなくて食品会社を辞めていた。もう会わないと手紙が来た。

    1
    投稿日: 2025.01.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ここまでではないけど自分も傷付きたくない、失敗したくない、だから最初から何もしないって考えちゃう方だから冬子の気持ちに少しだけ共感できるところがあった、 いつもお酒を飲んで会いに来て、ちょっとダサくて、急に来なくなったり、急に来たり、大泣きしたり、そんな冬子のことを三束さんはどう思っていたんだろう 読み終わってちょっとしんどい気持ちになってしまった、

    3
    投稿日: 2025.01.05
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    すすんで嫌われる必要もないけど、無理に好かれる必要もないじゃない。もちろん好かれるに越したことないんでしょうけど、でも、好かれるために生きてるわけじゃないじゃない

    0
    投稿日: 2024.12.29
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    最後まで読み終わった後、冒頭を読むとグッとくるものがあった。 人生の苦しさがぎゅっと詰まったような、時にぐさぐさ心を刺してくる本でした。 真夜中に散歩がしたくなる。光をたくさん眺めて、歩きたくなるなあ。

    2
    投稿日: 2024.12.28
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    三束さんが本当に冬子のことを大切に思っていることが、文の端々から溢れてた。口をひらけば光の話ばかりなのに、三束さんの言葉や気持ちには質量がある感じがする。あまりにもナイーブで脆い冬子が心配になりつつも、どこか共感してしまう自分もいた。

    1
    投稿日: 2024.12.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人間関係のもやもや欲張りセット! な本。 ・同級生を「家に自分で上がったから」と襲う男子学生 ・男性上司との飲み会の席で口論になり、引き下がらない女。それだけでなく、何も言わないその場の女性たちを卑下する女 ・↑この女性の知人に「あなたは利用されているだけ。あの人は男性をとっかえひっかえしている性悪女」と吹き込む会社の元同僚 ・独身の同級生(女性)に家庭の愚痴を山ほどこぼした後、「あなたも子供を生むべき」と言い、最後には「この話ができたのは、あなたが自分の人生の登場人物ではなくなったから」と話す既婚女性 ……そんな生活の中で、主人公・冬子は三束という男性と出会う。 恋愛中心かと思いきや、周囲がクズだらけな世の中で冬子に見えた一筋の光が三束さんだったのかもしれないな、と思いました。 しかし、その光はあっけなく手の内をすりぬけてしまうという、なんとも悲しい終わり方。 (現実的には、「あんな顔して泣くなんて引くわ……」とか裏で思われてそうだなと思ったり。この本、ほんと人間不信になるにはぴったりだなと思います) 恋愛小説というよりは、その後の失恋にスポットをあてている物語という感触。そんなジャンルは聞いたことないけど、失恋小説。 「どろどろした中に一粒光るものがあれば、それで人は生きられます」ということなんでしょうか? ぜんぜん「恋人たち」が出てこないのはタイトルで選んだ人からしたら、これじゃない感満点かもしれないな……。 とはいいつつも、表現とか展開が好きだったので星満点にしてみました。

    18
    投稿日: 2024.12.11
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    素敵なタイトルと装丁に惹かれ購入しました。 川上未映子さんの作品を読むのはこちらが初めてで、どんな物語かと、とてもワクワクしながら読みはじめたのを覚えています。 読み終わったのは随分と前なのですが、ずっとこちら以上に出だしから「あ、好きだ」となった本はありません。

    2
    投稿日: 2024.12.11
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    私も自己主張が強くない方なので、主人公に共感した。だからこそ、こういう性格をもどかしく感じる人がいることも、利用されやすいこともよくわかる。思ったよりも残酷だと感じる部分が多かった。 ただ人間はみんな違った弱さをもっていて、それぞれの考えで選んだものがある。 私はその人の背景に思いを馳せたり、言葉をじっくりと待ったりできるような、三束さんのような人であることを選びたいと思った。 最後まで人物の背景が見えきらなかったところも、三束さんの弱さが見えたこともよかった。 同じ感性と弱さを持つ2人が出会えてよかった。

    4
    投稿日: 2024.12.10
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    冬の本を読みたいと思って手に取った本。 女性が書いたんだろうなとすぐに分かる文章。 自分が三束さんに恋しているんじゃないかって錯覚されるような緻密な心情が素敵だった。 女性同士の、価値観の違い、今までの過去を生き抜いてきた証、どちらが正しくてどちらか常識なのかとかそういう事ではなくて、ただ友達としてのそういうぶつかり合いが書かれている所が1番心を打たれた。 男性とは違う女性ならではの思考で、感情的にはなってしまうけどそれでも賢くて、そういう女性の素敵なところが書かれていた。 でも、タイトルの意味が最後までピンと来なかった。 「真夜中」は作中の所々に感じ取れたけど「恋人たち」がよく分からない。恋愛の話と言うより、結局は主人公の人生の変化の話な気がする。

    1
    投稿日: 2024.12.07
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    ・家族も家も、親も、学校も、この町もさ、何ひとつ僕が選んだものじゃないんだよ。そんなものばっかりが狭いところに窮屈にせめぎあっていて、何もかもがぞっとするような退屈さの延長にあって、ゆるみきってて、みんなそろいのお面でもつけてるみたいにぼうっとした顔してさ。ぞっとするんだよ。退屈と停滞を、平和とか安心なんかと取り違えてるんだよ。この街の奴らはみんな牛みたいなものさ。ぼおぼお鳴いて、ぞろぞろとかたまって動いて草食って眠って、子どもをつくって、それの繰り返しなんだ。何にも考えないでそうやって生きていくんだよ。そういうのがぞっとするんだよ。 ・彼女は自分が恵まれているってことに気がついていないせいなのよ。みんな自分と同じ条件でスタートしてるってそう思ってんの。彼女は自分の努力や向上心だけでうまくやれてるってそう思ってるのよ。 冬子にとって、ありまのままでいられる人に出会えたこと。突然の別れが来てもそれを乗り越えたこと。少し自分のことを好きになって強く生きている冬子を思うと、こみあげてくるものがある。どんな人と出会うかで人生に与える影響は大きいなと改めて思った。トラウマになることも、糧になることも。

    0
    投稿日: 2024.12.05
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    人が人に興味を持つ瞬間、興味のなかったものに溺れる瞬間、恋に落ちる瞬間、それってそれぞれだし、人にどうこうって言われることではないと思う。 三束さんは結局嘘をつきながらどんな気分で会ってたんだろうって思ってしまったのと、聖のあの感じも、冬子のよくわからないちゃんみたいな感じも、それぞれのキャラが最後にやっとわかったような。。。 わたしには少し難しかったけど、これは読まないとわからないこと。読んで良かった。

    0
    投稿日: 2024.12.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いつもは読み終わったらすぐに売るんだけど、 久しぶりに死ぬまで手元に取っておきたいと思う本に出会いました。読後ずっと放心状態! 一生忘れない本かもしれない。 以下ネタバレあり 〆 読めば読むほど聖が私にそっくりだったので、 心から血を噴き出しながら読みました。 入江さんと三束さんの恋もイイ。 入江さんはやべー女!大嫌いな人種!イライラする! だけど、三束さんは、超トキメキ男子。 こんな人絶対に現実にはいないと分かりつつ、 紳士的で知性的でどうも近づけない三束さんに、 入江さんと同時に恋する気持ちで読んでいました。 ラスト、 誕生日のデートに三束さんはこなかった。 のちに「実は高校教師というのは嘘だった。もう会えない」という手紙が届くのですが、 それに対して入江さんがどう思ったのか一切書いてないのが芸術だなと思った。 「それでもいいから付き合いたかった」のか、 「嘘をついてたことに幻滅した」のか、 もし書いてあったら賛否の分かれる本になっていたと思う。 書かないことで解釈を読み手次第にさせたのが、 川上未映子マジですげーと思った。 入江さんの嘘が本当なのか検証しようもない、 実は他に理由があるのだろうなと思ってしまうもどかしさ、悲しさ、寂しさ…切ないラストだった。 また、本質的には恋愛小説ではなく、 女の人間関係を秀逸に描いた作品だと思った。 出てくる女はいわゆる「社会的強者」ばかり。 バリキャリで金もあって気が強く、男を狩りまくっているアグレッシブな聖。 恭子さんもバリキャリで、 聖を嫌いながらも、プレゼントが同じだったことから、実は似たもの同士、同族嫌悪な関係性なのが伺える。 典子さんは田舎で子育てをする専業主婦で、 仕事もなく社会から置いてかれている気持ちで卑屈になっているけど、実は裏では恋をしているという。 きっと性的魅力がある人なんだろうし、子供も2人いるから、周りから見たら「持ってる人」なんだよね… 3人とも受動的な入江さんを内心は下に見て(?)、 無意識のうちにサンドバッグとして使っている。 リアルだな〜…と思いました。

    0
    投稿日: 2024.11.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    世界との接し方が分からない酒弱34歳がアル中になって、引き続き自分の得られないものに普通に憧れて辛くなる話。どうしようもなくてどうしようもなく辛い。 かくいう私はこれを読み終えながら明日仕事があるのに身体の酔いに身を委ねている。 「あなたになぜ頑張ったって言ってもらわなきゃいけないの」って、その通りだよな。それも言い訳なのかな。

    2
    投稿日: 2024.11.19
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    言葉が綺麗なのは確かだったが、主人公の性格、ストーリーの進み方など、理解できない部分が多く感情移入しにくかった。 主人公が不器用というか、あまりにも恋愛下手すぎて、もどかしかったし、歯切れ悪いなと思ってた

    1
    投稿日: 2024.11.12
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    たまには恋愛小説も、と思い、以前からタイトルだけ頭に残っていて世界的にも評価されてる作品のようだったので、読んでみたけれど、 意中の相手が出てくるのも中盤に差し掛かってからだし、一人一人のセリフも長いし‥ストーリーはすすまないし‥で、結果何も起こらないという 自分のせっかちさを測れただけの心が動かされない1冊でした。こんなに本を読んで何も思わない事はないので逆に印象に残ったと同時に 世界的には評価が高いという事で自分の感性に自信を失いました。ただ、作者の川上さんが美しすぎて ファンになったので他の作品もまた読んでみたい。

    1
    投稿日: 2024.11.10
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    冬子、聖、三束さん。 ありきたりだけれど、人それぞれ生き方や人との関わり方に悩んで葛藤して生きているんだなと改めて思わせてくれた作品でした。 作中の雑談に出てくる光や音の話。光や音に対しての私自身の捉え方も変わり、そこも面白いポイントでした。

    2
    投稿日: 2024.11.09
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    まだ携帯が二つ折りなことに、懐かしさを感じた。 鬱々した日々とか、冬子の暗さとか、弱さとか苦しかったけど少しでもそのままの冬子を見せられる他人に出会えたことは救いなのかな?その人が、結局そばにいなくても、救いといえるのかな?と思った。久しぶりの小説よかった、冬の光をみる散歩、私も今年したい!

    4
    投稿日: 2024.11.08
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    女性らしい言い回しが妙に生々しい表現だった。冬子への感情移入が止まらない。雨の中現れた三束さんの場面では、思わず私も涙した。

    2
    投稿日: 2024.11.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    男だけど入江さんにどっぷりと感情移入しながら読んだ。 最後の冬子と聖の言い合いのシーン、聖の言ってることが全部正論だと思って自分に響きすぎてしまうし、でも少しだけ苛立ちもあって言い返すけど抽象的なことしか言えなくて自己嫌悪になりそうなところ、聖も泣き崩れたところでハッとした。 つい自分だけが不器用で生きにくいとか思っちゃうけど、誰しもが悩んでいてそれでも強く生きて行動に移す聖を尊敬する。 遅くなった帰り道思わず最寄り駅からバスに乗らずにイヤホンでショパンの子守歌を聴きながら真夜中を歩いちゃったよね。

    1
    投稿日: 2024.11.07
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    冒頭の文にとても惹かれて久しぶりに読んだ小説。 小説(映画なども)は登場人物に感情移入しすぎて疲れてしまうので、もうずっと避けていたけれど、どうしようもなくやるせなくて、自分でいることが辛いときに逃げるように読んだ。 全体的に明るいわけではなく、救われないような、最後もハッピーエンドとは言い難い結末だが、その一種の憂鬱さを含んだ空気感が、今の私には心地よかった。変に明るくもなく、無理に前を向かなくてよかったから。 冬子や聖に自分を重ねながら、呼吸を思い出すように読み進めた。どうしようもない自分を許してくれるような、繊細で優しい表現を何度も何度も読み返した。一瞬を美しく、そして優しく捉えた表現がずっと心に残っている。

    2
    投稿日: 2024.11.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ことある事にお酒を飲んでいる描写、私がまだお酒をバンバン飲む年齢では無いからお酒のもたらす効果をなかなか理解できず、お酒に走る主人公の行動が理解できなかった、、、、。 でも一つ一つの言葉が暖かく、王道恋愛小説の結末になるのかな?と思っていたがそうでもなく、、、そうきたかあ。。と。 三束さんの視点でもみてみたいなあと^^

    3
    投稿日: 2024.10.18
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    後半、一本の恋愛映画のクライマックス見てるような重たい感じあった。途中あんなに三束さん沼、、と思ってたのになあ この小説読んでみて、沢山本読んで知識ついて歳重ねた自分がもし迷走してたら校閲者になろうかなと思ったり

    0
    投稿日: 2024.10.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大人の恋 高校生の私は全く想像のできない恋のお話でした。 詳しく書いてあって読みやすかったです。 一人一人の考えの違いや世の中で生きてくことの大変さをかんじました。 冬子の恋は実らなかったとしても大きな経験になっていて三束さんの嘘は自分を傷つけていたとしても冬子にとっての幸せに貢献していて凄く考えさせられました。

    2
    投稿日: 2024.10.15
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    〖未熟な大人が、愛のかけらをつまんでいく話。表現も綺麗だけれど……〗 なんとなく生に無気力な主人公。そのあまりにもは歯切れが悪く「陰キャ」な行動にイライラする読者もいるかもしれない。実際私も読んでてため息を着きたくなる場面もあった。その中でも印象に残っているのは、主人公が過去の友達と再開するシーン。それ以外は何だか曖昧で、あんまり記憶にない。お話をなんとか美しい表現でカバーしてる感じ。

    0
    投稿日: 2024.10.09
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    30代陰キャの恋。 すごく純粋で、少しずつ進む展開がよかったが、普段ハキハキしてる人にはもどかしく感じるかもしれない。 女性同士のやり取りがリアルで、周りにこういう人いるわ〜という気持ちで読んだ。

    0
    投稿日: 2024.10.09
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    時間をかけて大切に大切に読ませていただきました。 校閲の仕事をする主人公の冬子と同僚の女性、聖。それから冬子の気になっている異性。登場人物は少なめ。淡々とした生活が連綿と続く。けれども、その中に生きる人々の感情の機微が非常に丁寧に描かれているのを感じました。 明日からも前を向いて生きていけそうな、糧になってくれるような本でした。今年読んだ本の中で、個人的ベスト3位には絶対入りそうです。 もっと川上未映子さんの小説を読みたいです。

    0
    投稿日: 2024.10.05
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    川上さんはかなり前に「乳と卵」を読んだことがあるのみだったので、詩情豊かで吸引力のある文章に驚かされた。問答無用で好きな文章だ。 駅で、冬子が振り返って三束さんを呼び止めるシーンが好き。静かなんだけど、胸の疼きが聴こえてきそうで。 冬子の想いが痛いほど共感できてしまって、苦しかった。自分も口下手だし、年上の男性に片思いをしているから、余計に胸が詰まった。

    0
    投稿日: 2024.09.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    文章がとても綺麗だった。 起承転結がよくわからず、ずっと同じペースで話が進んでいき、心地よかった。 最終的に三束さんと離れること、冬子の気持ちを想うとかなり辛かった。 早川さんに「あなたはもうわたしの人生の登場人物じゃない」と言われたのが心に残った 冬子はまだ貰ったセーターを持っていたのに

    1
    投稿日: 2024.09.28
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    登場人物にあまり共感できなかったのもあって読むのに時間がかかってしまった 主人公にじれったいと思ったかな

    1
    投稿日: 2024.09.24
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    言葉をなぞって目に浮かぶ情景が美しく儚い、ずっと誰かの夢を見てるみたいな小説。いちばん共感したのは聖で、常に強くないといけないのに弱くて、弱さゆえに傷つけたくない人ほど傷つける。

    5
    投稿日: 2024.09.21
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    34歳のフリー校閲者、冬子の物語。 最初の方はなかなかすぐにお酒を飲む冬子に共感できなくて、ページを捲る手が進まなかった。けれど、最後、冬子の友人の聖が、冬子に放った言葉が、いまも刺さって、抜けない。 「安全なところからは出ないでおいて相手に気持ちを汲んでもらって」「それで小学生みたいなセンチメンタルにどっぷりひたって自分の欲望を美化して気持ちよくなってる」 私の中にも、確かに冬子がいた。自分自身の甘えについて、考える。

    1
    投稿日: 2024.09.19
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    川上未映子さんのヘヴンがあまりにも好きだったので次にこれを読んだ。 書かれている細かいことがとてもリアルに想像できる、まるで自分が体験したように。人に伝えるのが難しい感覚を言葉で表現する天才だと思ってしまった。真夜中の散歩のあの感覚、誰かを思い出す時の頭の中、いや〜すごい表現力。 後半のクライマックス部分、胸が締め付けられた。 主人公と自分は全然違うタイプだけど、まるで本人になったかのような気持ちで思いっきり戸惑ったり悩んだり腹立ったり喜んだりと擬似体験させてもらった。

    1
    投稿日: 2024.09.14
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    文章が美しい。言葉選びが繊細で、ハッとするような表現がたくさんある。主人公が苦手で共感できず、他の登場人物に好感も持てなかったが、文章がとにかく美しくて読み切ってしまった。

    1
    投稿日: 2024.09.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私は冬子みたいなタイプじゃないから冬子の気持ちや迷いは正直共感はできなかった でもそういう冬子と三束さんだからこそできる恋愛、ほんっとにちょびっとずつ進んでいく関係がなんだか良かった 恋の結末は少し寂しいけれど2人らしいというか、まあそれもありかなと思った。 恋愛の話以外にも、ああそうかぁと思えるところがあったので またいつか読みたい

    0
    投稿日: 2024.09.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    出会ったところを読みました。 にやけてしまうほどいいです。 完璧じゃない感じが良いです。 途中まで読んだので追記 過去の記憶の話。 主人公の変わっているところが良いです。 作者の変わった視点が良いです。 奇妙さがあります。 追記 恋を扱った本はほとんど読んだことがなかったので、偏見がありました。でも敷居は高くないです。 完璧な恋愛なんてなく、喜びながら、苦しみながら向き合っていく、そんなことを考えるきっかけをくれた本です。 どんな人でも、恋と向き合っていいんじゃないかと思います。そこに敷居はないと思いました。 一方で自分の気持ちと反対に、周りの人から聞く恋愛の理想とは呼べない現実にぶつかっていたりして深刻になります。そして比喩がきれいでした。 私は恋の感性があまりなく、苦しんでいる人を理解するのが難しいです。でも、すごく衝撃的に読ませてくれる本でした。

    1
    投稿日: 2024.09.12
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    川上さんの本は初めて読みました。文章はとても綺麗で情景が浮かんでくるようでしたが、主人公の冬子の考えや行動が自分と違いすぎて、なかなか感情移入できず。冬子の仕事が校閲者なので、その部分は興味深く読みました。

    24
    投稿日: 2024.09.08
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    なんとなく生きてきた冬子が聖と三束さんと交じわる中で変わっていく姿が自分と重なった。 人は人と濃密に関わって初めて自己を(そして他者を)肯定できるようになり、成長できる。

    0
    投稿日: 2024.09.07
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    タイトルと表紙に惹かれて、たまには恋愛小説も読んで見ようと思って手に取ったけど、、、 暗い!重たい!!よくわかんない!! もう少し歳を重ねて読んだら、理解出来るところもあるのかな、、( > < ) 読後感もあんまりよくなかった

    1
    投稿日: 2024.09.03
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    読み終わりに帯を見て、恋愛小説だったことに気づいた。そうは思わなかったな。 精一杯生きている冬子の、ある一年の話。 主人公が校閲者だから、「わたし」「すべて」「みえる」のように曖昧な言葉は徹底してひらがな。その中で「目に映る」とあえて漢字が使われていると、伝えたい表現が文字としてが際立っていた。

    1
    投稿日: 2024.09.01
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    文体がとにかく美しい。 鬱々しくてだらだら読み進めたけど残り20ページくらいから面白くなるの逆にしんどい。 三束さんと冬子の泣くシーン一緒になって泣いてしまった…なのに… 冬子は自分とは違う性格だと思っていたけど後半の聖に突かれた言葉たちが自分に刺さりすぎて自分は冬子と同じだった。

    1
    投稿日: 2024.08.27
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    美しい導入に惹かれて購入しました。 情景描写が綺麗で読みやすかったですが、心情について理解きれないところが多くあり少し私にはあまり合わなかったです。 タイトルの意味がハッと分かるようなラストを勝手に期待してしまっていたので、最後まで繋がらなかったのが残念です。私の理解不足もあると思うので皆様の感想や考察を読んで理解を深められたらいいなと思います。

    1
    投稿日: 2024.08.16
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    好き嫌いが別れる話だと思った。 私は好きだ。⭐︎は4.8といった感じ。 人と向き合うのにアルコールの力を借りないとできない冬子と、自分の意見を臆せず言える聖、物静かで知的な三束さん。 静かな静かな話だった。 アルコールを飲んで、酔っ払った状態ではないと三束さんに会えない。アルコールを飲んでいることに気づいていた三束さん。人には色々事情がありますから…という言葉。高校教師ではなかった三束さん。 静かで、でも澱のような毒を感じる話だった。

    15
    投稿日: 2024.08.12
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    何でもない日常、心が満たされ、世界がきらきら輝いて見える時、好きな人でいっぱいになって苦しくて切なくて涙する時、誰もが経験したことのあるような人生の瞬間を、とても詩的な表現で描いていてその美しさに魅了されました。 改めてその文章に触れたいと探してもすぐには見つからず、チェックしておかなかったことを後悔… 何となく流されて生きてきた冬子が、初めて自分の意思で選んで進んだ先にあった恋は、どんな形であれ、冬子の人生の糧になるだろうと感じました。 登場人物それぞれの気持ちに迫るには、一度読んだだけでは足りないと思ったので、いつかまた再読してみたい1冊でした。

    2
    投稿日: 2024.08.05
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    淡々とした主人公の日常に引き込まれる、いつの間にか重たいなにかにまとわりつかれるような、主人公の気持ちが淡々と綴られて進んでいく読んでいて苦しいお話だった。 救いがあるわけでもなく、最後に、そうか。とストンと落ちたような、不思議な感覚だった。 でも読むのにパワーのいる、弱ってる時には読めないお話だったと思う。 独特な世界観に引きずり込まれて、読後はなんというかフランス映画を観た後の感覚に似てるなぁと思いました。

    1
    投稿日: 2024.08.05
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    一言で言うと綺麗なお話だなと言う感想。 人と言葉を交わしたりすることにさえ自信の持てないフリーランスの校正の仕事をする冬子と物理を教える高校教師の三束さん(読後でも結局三束さんの本心や、感情はいまいち読み取れなかった。冬子の誕生日にバックれた後日の手紙の記述で後ろめたい気持ちを抱き続けていたと言うのが唯一作品内で読み取れた感情だった気がする。常に作中は冬子目線で進んでいたからもあるだろうけど。負い目を感じる描写で伏線を感じさせることもなかったよなぁ。) 誕生日の日に真夜中を散歩する習慣を持つ冬子がみつつかさんとの恋愛の過程で自ら三束さんを誕生日の日の真夜中に誘うと言うシーンがとても印象に残った。作品で語られた中では唯一の冬子の自主性だったからかなと。 回想シーンで高校時代の男友達の水野くんという同じクラスの同級生との思い出にふれていた。校門前での出来事をきっかけに仲良くなった水野くんの家に訪れた日の出来事で頭に残っている言葉がある。水野くんが冬子を半ば無理やり犯した後、冬子に放つ一言だ。「君は自分の意思で僕の家まで来たんだし、それにこういうのは二人のことなんだから。君を見てるとね、本当にイライラするんだよ。自分の考えも、自分の言葉も持たないでぼんやり生きてる。学校でも電話でも、何を考えてるかわからない。まぁ、何も考えていないんだろうね。ただぼうっとしてるんだ。僕は君を見てると、本当にイライラするんだよ。」。(p190)。終盤でも同じように聖と冬子との会話の中でも全く同じセリフが出てくる。「あなたを見てるとイライラするのよ」(p338)。全く同じ言葉を受け取る場面だが、冬子の同じ性格態度に対して言われたわけではないと私は思う。間違いなく二つのシーンの間には成長??(成長ではないか、)は有ると思う。高校時代に言われたことから自身で選ぶことで傷つくことを避け、自信を守るため物事を捉えるようになった。聖のセリフで「粗末な欲望でぐちゃぐちゃなくせに、自分がそれをできないからって誤魔化して都合のいい物語をくっつけてうっとりしてるのを見るとムカつくってだけの話よ。私が寝る寝ないの話をした時、私のことを馬鹿なこと言う女だって」いうような顔で見たけど何あれ。なんの優越感か知らないけどあなたどうせ今日、、」。(p338)。 ここから読み取れることで冬子は自身は周りとちがうと思いこむことで周りの人物に対して傷つかないようにしていると感じた。 作品としては主に自主性、主体性、自己主張まぁなんでもいいけどそれらの成長をテーマにしていると思う。 真夜中の散歩に三束さんを誘う勇気を出した一歩が最後、誕生日の夜だけではなく他のなんでもない夜でも昼でも朝でも散歩をするようになると言うシーンに出ている気がする。自身で決め、傷ついた経験を1日1日を繰り返す中で、一歩一歩忘れるという作業を反芻している姿は愛おしかった。絞り出した冬子の勇気がトラウマや、後悔に終わらなかったのは良かったと安心する一方、作品としては綺麗すぎるかなと。フィクションだからと言うことで自己完結します(厄介オタク風) 物語のメインは恋愛を経験した冬子の最長の物語だが、今回冬子とは対照的に書かれている石川聖に私はとてつもなく惹かれた、(惹かれたって言う表現はなんか違う気がする。共感というか見守りたくなるというか尊敬というか。いやまぁ) 容姿端麗で弁が立ち黒白を受けるハッキリとした物言いで、年上の上司に対しても物怖じしない姿勢は見ていて爽快だった。p160から始まる自信の気持ちを語るシーンは印象に残った。自分のセリフも表情も何もかも他人のものを引用しているような気がするというセリフはどことなく共感するものがあった。 自信の行動、言動には主体性を見せる聖が唯一自信の感情に対してはどこか他人事で俯瞰した立ち位置で客観視している姿は私も少し重なる部分があるのかなと感じた。

    1
    投稿日: 2024.07.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この本を読んでいる間だけは、私が孤独なことを許してくれている、そんな時間だった。 本ってすごい。 今の私の言葉にできない感情、悲しみ、苦しみを言葉で表現し、私の代わりにないてくれ、私の代わりに怒ってくれ、私の代わりにその感情さえも愛おしくしてくれる。 三束さんと寝れなくとも、三束さんに包まれながら、涙を流し、それを受け止めてくれただけで、生きられるんじゃないかとさえ思った。 入江さんは、三束さんと出会う前の生活に戻ったかもしれないが、心の中にあるやるせなさ、自分の心の中でも整理できていない哀しみ、苦しみは少し軽くなったんじゃないかと思う。

    0
    投稿日: 2024.07.15
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    イマイチ起承転結も謎で、三束さんと幸せになれるわけでもなく、、、一体この話、 何だったんだろう。と、感想にならない感想が、数日グルグルしてました。 そして私の中で、結論が出ました。 冬子の原点は、学生時代のレイプにあったのかな、と。 自らの意思で来たんだから、同意があったんだと、解放されない呪いを掛けられて、ずっと生きるしかなかったんだと。 三束さんについては、ほとんど記述が無いため、多くの事は伏せられたままだけど、冬子の視線を通して、私たちは想像する。 二人の会話はほとんど無く、それが快でも不快でもなく、ただただ、2人は言葉を持たずたたずむ。その時間の流れを、文字から感じ取る。 この物語は、こう言った静の部分が多いせいか、聖の動とも言える存在がよりコントラストを強くする。 実際の人生は、この物語のように、モヤっと継続してる。思い通りにならない事も多い。でも生きてく。 そんな所を突かれているので、モヤモヤするのかな、って思いました。私は、三束さんには是非、再度冬子と再会して、もっともっと会話を重ねて欲しいと思いました。人は幾つになってもやり直せる。何度だってやり直せる。また、二人が出会って欲しい、と思いました。

    1
    投稿日: 2024.07.03
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    登場人物の誰にも共感はしにくかったが、自分にも彼らのように不器用な面や生きづらさがある。感情の機微を綺麗な比喩で表された文章のとりこになり一気に読んだ。 主人公の冬子は全てがハッピーエンドというわけではなかったが、冬子の成長と人生の光の思い出になっていることを願いたいと思った。

    0
    投稿日: 2024.06.26
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    黄色い家が出たのと同時期にこどもの新聞に紹介されていて、両方を読み始めたけどこちらの方が読みやすくて早く読めました。こどもの新聞に紹介されてた割には、なかなかこども向けっぽくないキャラクターが際立っていて、酒飲まないと人と会えないとか、できる仕事が限られているとか苦手さがある人の心の動きがリアルでいい。

    5
    投稿日: 2024.06.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    図書館の本㉘ タイトルと紹介文に惹かれて借りた本。 タイトル的にすごく情熱的な恋愛の話なのかと想像していたけれど、読んでみたらとても静かで純度の高い「好き」という気持ちが感じられる美しい文章だった。 自分も意見をあまり主張できない主人公の言動には、共感できないし、「いらいらする」と周りから言われていることにも納得できてしまうような性格だったので、「うんうん」と感情移入はできなかった。でも、冬子(主人公)の行動が予想できないからこそ、物語の展開がどうなっていくのか気になって読む手が止まらなかった。 冬子の行動はこちらから見れば奇行とも言えるけれど、意中の相手に抱く気持ちを表す描写が綺麗で、そこがとても気にいった。対称的な存在の聖も魅力的なキャラクターだった。

    1
    投稿日: 2024.06.13
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    するすると読めた。 生きていくには人との関わりが大事だし 人生は常に選択の連続で。 後悔しないように生きたい。

    1
    投稿日: 2024.06.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    わたしは何も選んでこなかったし、何もしてこなかった... 自分のことだと胸が締め付けられる思いで読みました。 読んだあとも余韻というか、主人公や、登場人物達と自分を重ねたり比べたりと考えさせられる1冊でした。 自分にはまだ理解できないところもあったりして、もう少し歳を重ねてから読んでみたいと思います。

    0
    投稿日: 2024.06.11
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    登場人物の心の淵が見えるたび、こちらまで重い気持ちになってしまう一冊でした。 言葉の美しさと、内容の暗さがかけ合わさった、他にはないような小説だと思います。

    2
    投稿日: 2024.06.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    P.291 わたしはこれまで、何かを、選んだことがあっただろうか。 失敗するのがこわくて、傷つくのがこわくて、わたしは何も選んでこなかったし、何もしてこなかったのだ。 この部分で冬子と自分を重ね合わせ、つらくなった。 自分も冬子と同じように、これまでの人生で何も選んでこなかったことに薄々気づいていたけれど、冬子の言葉を通してそれを痛いほどに実感した。 最後聖が出てきた時はゾッとして嫌な終わり方をするのかと不安に思ったが、そうではなく、温かい友情を冬子が築くことができてよかったなと胸を撫で下ろした。聖も不器用な人なんだなと思う。 人と関わるのは面倒だし、傷つくのが怖くなることもあるけれど、自分にとって良い人と巡り会うことができれば、それは自分の人生を優しい光で照らしてくれる。だから怖がらずに人と関わっていこうよ、というようなメッセージを受け取った。 冬子のように「自分には何もない」と自己否定に陥ったりした時にまた読みたい。 最後の方はまさに川上さんの作品、という感じで、文の区切りや段落の区切りがあまりなく、畳み掛けてくるような表現には痺れた。読者の心を作品の中に埋め込ませて読ませるのが上手な作家さんだと思う。

    1
    投稿日: 2024.06.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2度目の読了。冬子にとって三束さんは、光だったのだと思う。そもそも三束さんは本当にいるのか?妄想ではないのか?なんて考えてみたり。 自分の疑問に対して、詳しく答えてくれる三束さんみたいな人がいたら好きになると思う 冬子が自分ととても似ている気がして、定期的に読み返したくなる

    0
    投稿日: 2024.06.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    全く批判してるわけではなく、自分にとってはすごくすごく理解が難しい小説だった。 内容も何も複雑なことなんかなくて、登場人物も少ない方だとも思うし関係性もいたってシンプル。なんだけど、読み終わってからは益々人との関わり方の正解(もちろん正解なんてないんだろうけど)が分からなくなった。 勇気を出して正直に向き合ったところで相手が自分の想い通りにならないことだってあって、それ対して正解も不正解もなくて。ただ生きてる中で、この考え方は最適解なのか?この選択で間違ってないか?みたいに考えてしまうことって絶対あると思うけど、主人公もパートナーである聖も、性格は真逆って言っていいほど違うのに、この熟考する過程が小説の中でもあまりないような気がして、それが個人的に腑に落ちないのかもしれないなって思った。 私の理解力が乏しい、もしくはそこは想像にお任せしますスタンスなのかもしれないけど、入江くん呼びだったり三束さんが嘘をついていた理由だったりが不明瞭で、読んでいて所々立ち止まってしまうこともあった。けど読み物としてはちょうどいい長さだし、自分があまり読まない傾向の小説だったから読めてよかった。

    1
    投稿日: 2024.06.01
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    ひらがなの使い方と選ぶ言葉がとっても好きだった そして冬子の光の感じ方とそこに対する疑問、三束さんが話す光の話がとても素敵だった 冬子に対して共感しきれない部分もあったけど、こんな素敵な感性を持った人だからきっとこれから先もっと素敵な恋愛もできると思う 最後冬子と聖もほんとうに繋がった感じがして良かったな、三束さんも幸せだといいな

    2
    投稿日: 2024.06.01
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    めっっっっっっっちゃよい。 主人公、わたしだったな…………….。。辛すぎ………………………..。。。 人と関わるのは怖い。怖いよだって。 でも、ひとりじゃ辛いし、誰かと生きたいし、そもそも誰かと関わらないと生きていけないし、はあああ〜、辛い!! でもあの終わり方よかったな。あれから主人公の人生は続くだろうし、もちろん大恋愛だったけど、あれで確実に強くなった彼女の今も見てみたい。

    2
    投稿日: 2024.05.25
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    内容に一貫性がなく伝えたいことがよく分からなかった。初めの校閲の仕事の話のときは楽しく読んでいたが、三束さんが出てきたあたりから、ん?これいる?みたいな場面がちょくちょくあった気がした。信じて最後に期待したが別に超えなかった。人間それぞれの生き方があり、物語の登場人物の気持ちや行動に共感を求めるつもりはないが、ほとんど全員苛立つ部分があった。終始もどかしい空間が流れていた。しかし、文体は美しく描写も見事であったので、彼女の作品を他にも読んでみたいと思った。今回は合わなかった。

    1
    投稿日: 2024.05.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後に近づくにつれ、どう終わるの?とこっちがハラハラというか、何かあるのか、と。 聖との関係が戻ったこと 三束さんの嘘、予想していなかった終わり方

    1
    投稿日: 2024.05.25
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    言葉や行動は正反対の意味を含むことがあると日々思っている。私はインプットよりもアウトプットの方が得意であり、アウトプットよりもインプットの方が得意だったりする。こうなると、どちらも得意ではない、つまり何もないことになるのだ。 このことから、主人公の自分は何も判断してきてない〜などの描写は、この感覚に近いように思った。だから共感できた。 人との出会い、別れ、再会が感情を含まずナチュラルに描かれていた。だから、その中に存在する生の想いを伝えたり、ぶつけたりするシーンの熱が際立っていた。

    0
    投稿日: 2024.05.22
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    切ない。人を好くということの描写が丁寧で美しい。 忘れていくことの描写も良い。切ない。 私自身相対的に人のことを好きになる頻度が低めだと思っているので、より、好きっていうことは切なくて尊いなと思った。

    5
    投稿日: 2024.05.13
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    私は、「すべて真夜中の恋人たち」というタイトルを「すべての真夜中の恋人たち」と勘違いしていた。 なんというか、ちょっとドロドロしてるけど、最終的には結ばれて終わる恋愛映画のタイトルみたいだなと思ったが、何か惹かれるものがあり購入。 初めて川上未映子先生の作品を読んだが、文章が読みやすく、比喩表現や心情も細かく、美しく描かれていた。 結局タイトルと本文の結びつきがよくわからなかったが、最後の主人公と似たような気持ちなのかもしれない。

    1
    投稿日: 2024.04.24
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    表現がとても繊細で綺麗だった。 鬱々とした恋の話。 主人公には全く共感できなかったけど、いつか主人公に感情移入できるようになるのかな。 儚くて苦しくて、でもかけがえのない気持ちになった。

    0
    投稿日: 2024.04.19
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    人生はあくまでも孤独だけれど、誰かとつながりたいという思いや、誰かと触れ合う一瞬の美しさが描かれてます。 また、女性が日本社会で生きる中で感じる抑圧や、女性同士の間でも価値観の違いがあり上手く連帯出来ない場面など、フェミニズムの視点からも読めるんだろうと思いました。 川上未映子さんの小説は乳と卵ぶりだったけど、もう少し尖った文章を書かれる印象でした。今回この作品を読んでみて、表現の美しさを残しながらも詩的になりすぎない、物語がすっと入ってくる書き方がとても読みやすいと思いました。 テーマ性や文章表現など、とても興味深く、面白く読めました。

    2
    投稿日: 2024.04.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    緊張を紛らわすために、アルコールに頼る主人公が危うくて、ハラハラした。 鬱々とした描写が続くので読んでいて少し疲労感。 流れるような文章はとても綺麗で読みやすい。比喩表現も素敵で印象に残った。

    3
    投稿日: 2024.04.12
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    結婚する幸せ、子供を産んで母親になる幸せ、自分のしたい仕事を思う存分出来ることの幸せ、好きな人と好きなことを共有する幸せ、幸せのカタチは人それぞれで、それは押し付けるものでもなんでもないなぁと改めて感じた。 自分はSNS等で押し付けないようにしたいな...

    6
    投稿日: 2024.04.08
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    川上未映子の小説を図書館で見つけて初めて読んだ。言葉がすごくきれいで奥深くそれでいて少し不思議さも感じる深い文章を感じる。良いなと思った文章は思わず2度読みして、意味をイメージしてもう一度感じてみるの繰り返しが多かった。 話は中高年男性に恋をしてしまう30代女性の話。 自分の弱さや苦しさなどの心情表現が深い。 今まで何も自分に自信が持てなかった女性が恋をきっかけに少し強くなり、ちょっとだけ自分の意志で何かができるようになって物語が終わる。 川上未映子の作風の雰囲気が味わえた作品だった。他の作品も機会を見て読んでみたい。

    1
    投稿日: 2024.03.31
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    なんとも切ない。ハシゴを最後の最後で外されたような。冒頭で結末は語られていたといえばそれまでだが。確かに明らかに教師のタイムテーブルではなかった。 聖の台詞はいちいちカリスマ的だった。ハッキリモノを言う美点(?)と他人の「なんでわからないのかがわからない」欠点(?)がないまぜになって、作品の中でも華のある人物だと思う。 「家に帰ってから恭子さんからもらった包みを取りだして開けてみると、それは聖からもらったのとまったくおなじ香水だった。」 これをどう解釈するか。とても難しい。 主人公の三束さん以外の人物に対しての印象はあまり直接的には描かれていない。事実としてそうだった。だから何なのか。主人公自身もよく解っていないのかもしれない。

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    投稿日: 2024.03.31
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    真夜中という限られていて、作り込まれただけの空間で、一生懸命、作られただけの”光”を探している。でもその光のことさえ知らないんだよね。社会に出るのは自傷行為ともいえるのでは?と思ったほど、丁寧ながらに鋭い描写だった。失恋したくなければ恋愛はしなければいい。ただ、恋愛という概念が存在する世界で、好きになることや、失恋した時の感情すら知らないと、なんだか損かもしれない。いくら校閲したところでそこに完璧な恋愛はないけれど。私は、誰なのか思い出せないクラスの一人にすらなれないなと思うと、描写されたあの子は幸せだ。

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    投稿日: 2024.03.25
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    主人公に共感できず、入り込めず、終始イライラした。 最後も納得いかない。 これこそ解決つけてほしい。

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    投稿日: 2024.03.24
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    高校生のとき何気なく読んで衝撃をうけて川上未映子という作家の存在を知ったきっかけの本 なんかわからんけどもこれ読んではじめて自分の人生は始まった気がしてる まだ10代の自分には強烈な読書体験だった 冬子さんがほんとに生きてたらいいなって、今もどっかで聖さんと仲良くしてるといいなーとか考えてた 自分にとっては宝物みたいな本

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    投稿日: 2024.03.21
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    校正のお仕事についてのエッセイ『文にあたる』で紹介されていたこの小説。 校正のお仕事の女性が主人公。 校正のお仕事の様子に触れたくて読み始めたのですが、川上さんの美しい文章、繊細な主人公の心の描写、聞こえてくるような心の動き、そんな全てに引き込まれました。 静かでぐっとくる恋愛小説。 想像しなかった終わりの余韻が心に響いています。

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    投稿日: 2024.03.18
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    もう7〜8年も前に読んだ本なので具体的な感想がパッとでてこないけれど当時大学生だった私には文体や情景や心理描写がいたく刺さって、沁みて、短い期間に何度も読んで、あるキッカケで地域の広報誌の「わたしのオススメの1冊」のようなコーナーに私が寄稿することになったとき、この本を迷わず選んだのを記憶している。時間が経ったいまの私で、もう一度読んでみたい。 元も子もない、もはや感想とも呼べないことばなのかもしれないけれど、『すべて真夜中の恋人たち』というタイトルがもうグッときて仕方なかったのでした。

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    投稿日: 2024.03.16
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    彼女は他者と関係を構築することが非常に苦手な人物で、それどころか自分の感情に対しても鈍感で、自分の意思を発することができない。    自分自身との関係を作ることができないし、自己対話もなく完全に内に閉ざされている。小説のなかで彼女は、「自分」のない存在として描かれている

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    投稿日: 2024.03.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大人向けの、秒速5センチメートルって感じ。しっかりしなさいよぉ!!ってなんかいおもったか。学生たちが迷う姿は美しいのに、なぜ大人になると急に見るに堪えなくなるのか。 水筒にお酒はだめよ笑

    1
    投稿日: 2024.03.13
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    川上未映子さんの作品は「ヘヴン」に続き2作目。 タイトルと表紙の装丁に惹かれて購入しましたが、主人公はじめ、登場人物の心情がひとつも理解できないままでした。 主人公の、三束さんへの執着とも言える恋慕も、魔法瓶に日本酒を入れて常に酔っていないと会話さえできないのも(酔った状態での会話も覚束ないものでしたが)、すべて理解不能。 前作で感じたキラキラした詩的表現も今回はなく、作者さんの伝えたいこと、書きたいことが分からないまま終わってしまった感じでした。

    23
    投稿日: 2024.03.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    恋のお話というと、キラキラやキュンキュンという擬音が付くイメージのお話が多いですが、こちらのお話は冴えない日常を送っていた主人公に訪れた、灯火のような静かな物語だなと感じました。 光について度々お話の中にも出てきますが、ただただ普通に今までの日常を送っていたら現れた光、そしてその光が目の前から消えてからも人生は淡々と続いていくんだということを感じました。 登場人物に共感はできませんでしたが(笑)、作者が紡ぎ出す文章(特に主人公の内面を表す場面)は「繊細」という言葉がぴったりなほど似合う美しさを感じました。 人の内面の動きを表すことを、こんなに芸術的な文章にできるんだなと、感動したお話です。

    0
    投稿日: 2024.03.08
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    きらきらした恋のお話し❤️とは違っていた。恋に溺れる、お酒に溺れる、仕事に溺れるなど『溺れる』をテーマに感じた。人の裏側?内側がリアルに描かれていた。川上未映子さんの作品は登場人物のセリフが鋭く読後感が重い。

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    投稿日: 2024.03.05