
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
結局、白雪は宇宙人だったのか、はたまた精神病棟の患者だったのかという可能性を残しつつ、答えは曖昧なまま終わる。スライムとか倒してるから、きっと彼女は宇宙人だったんだろうと思う。 大人になりたくないカナは、義父を矢で射ってしまい、宇宙人から逃げ回る冒険。 彼女の正体はなんなのか気になって、結局読む手が止まらなかった。 電脳戦士も宇宙人だったようだ。 でも、ここでいう宇宙人って、もしかしたら誰の心にもいるフレンズ的なものなのかしらね。 理不尽なことも、誰かを失うことも、家族との関係性も、みんなそれぞれ色々あるけどそれを乗り越えて大人になっているんだと、、、
0投稿日: 2025.10.29
powered by ブクログのっけは引き込まれる 推定少女、ではなく、推定、少女、ということか? 強いて言うならカラフルっぽいかも、でもだいぶとっ散らかってる
0投稿日: 2025.04.02
powered by ブクログ図書館で借りてみました。 だいぶ他の作品とは話が違う雰囲気。 巣籠カナがとある理由で逃走し、ダストシュートの中で銃を持っている白雪に出会う。そこから家出少女(巣籠カナ)と白雪が東京に向かって家出をする…みたいな感じなのですがだいぶファンタジー要素が詰められている。途中から乱射戦状態だし、評論家も義父もなんやかんやよく分からなかった。 この物語にはエンディングが分岐して3つあるのですが、しっくり来たのはI、このファンタジー要素さがあるのはIIIなのかなあって感じです。あとがきが良かったのは確かです。
2投稿日: 2025.02.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
巣篭カナ 十五歳の女の子。過失致死もしくは過失致死未遂でパトカーに追われている。逃走中にの白雪」を拾う。 白雪 カナがダストシュートに逃げ込んだ時にいた先客。雪のように真っ白な体。白雪という名前はカナの命名した。 カナの母 カナの義父 カナのゲーセン仲間のお兄ちゃん 水前寺千晴 カナと白雪が東京で出会った銃器マニアの中学生。一人っ子で、都内の有名な私立中学校の三年生。 綾小路麗々子 誘拐された女の子。
1投稿日: 2025.01.31
powered by ブクログ独特な設定なのに引き込まれる文章でどんどん読み進められた。子どもの真剣な悩みを思春期や反抗期、厨二病といった言葉で片付けてしまうことの残酷さを、同じ子どもながら忘れていたなと思った。
0投稿日: 2025.01.12
powered by ブクログとある事情から逃亡者になってしまった女の子の友情の物語(?)、まるで摩訶不思議アドベンチャー(?)、ゲームのお話(?)、夢オチ(?)妄想(?)、まったく理解出来ないお話だった、きっとこれは青春時代に読むのが間違いがないお話だったんだと思う笑
0投稿日: 2024.12.30
powered by ブクログ桜庭一樹が…つまっている…。 女の子に見える髪が長くて痩せた男の子とか、弱くて社会的ネットワークとの繋がりが希薄だけど、不安定な中学生女子に優しいハグをあげられるゲーマーお兄ちゃんとか、私が好きなものを好きな作家の文章で読めるの嬉しい。
0投稿日: 2024.12.25
powered by ブクログ日々はもちろん不安だった。ぼくは十六歳、十七歳と歳を取っても、相変わらず同じ生き物だったのだ。弱くて、傷つきやすくて、プライドだけ高くて、そのくせ人の気持ちには絶望的に鈍感な、そんなだめな生き物だ。突破口はみつからなかった。相変わらず自分が嫌いだった。そういうものなのかもしれない。(本文より) 読んだ当時は学生時代で、精神的にいまよりも未熟な部分が多く、瑞々しい言葉たちがすごく刺さったのを覚えている。二十代後半になった今でもまだ、大人ってなんだろう、とよく考える。
0投稿日: 2024.08.29
powered by ブクログ実際のところは思春期に読んでないから評価できない……。でも自分はこんな思春期のもやもやを経験しなかった気がするので、読む時期が変わっても特に感想は変わらないのかもしれない。終始そうなんだ〜という感じではあった。 物語としてはエンディングが分岐するのが作者の脳内をよりしっかり見れた気がして面白かったし、自分と異なる考え方や感受性をもつ人の世界を垣間見るという点で面白かった。裸の美少女がいかつい銃を振り回す感じがフェチズムを感じてよかった。
0投稿日: 2024.01.06
powered by ブクログEnding I は個人的にはありえない。千晴の存在って何だったの? って感じ。アンハッピーエンドはどんなだったのかな? ちょっと気になる。
0投稿日: 2023.12.24
powered by ブクログこの本を初めて読んだのは中学3年生の頃でした。当時は主人公の巣籠カナと同じ学年だと思いながら、カナが言っていることや思っていることに共感したり、そういう考え方もわかる、といった雑駁な印象を抱いていました。 けれど世間知らずな私は、カナが見ている繁華街や東京の景色がイメージできず、漠然とした読み味だったのを覚えています。 大人になってから久しぶりに読み直してみましたが、むしろ大人になってからのほうがグサグサに刺さる小説だったことを思い知らされました。 かつて中学3年生だった私がどんなことに毎日悩み、苛々したり、将来に迷って苦しんでいたか、私はすっかり忘れてしまっていました。 白雪が渡してくれたドールと「いまの巣籠カナを大事にしてよね」というセリフは、まるでそれを初めて読んだ私より、その先の未来にいる私に向けて言っているかのような気がして、とても印象に残りました。 当時の自分を忘れないように、この本を大事にしたいと思います。
2投稿日: 2023.08.02
powered by ブクログとらえどころのない話だなあと思って読み進めた。 男なのか女なのか、宇宙人なのか、異常者なのか、主要登場人物たちのキャラクターをつかめないまま話が進んでいく。 挙げ句、結末すら曖昧というか読者に解釈を任せるような感じだ。 と思ったが、なるほど、このとらえどころのなさは、登場人物たちの思春期の不安定さ、危うさ、自我のゆらぎ、そういったモヤモヤそのものなのだと捉えると、少しスッキリした。 あっと驚くどんでん返しを期待したり、伏線回収を期待したり、大団円を期待したり、そういう小説の読み方は「大人」なのであって、そういうカッチリした流れのストーリーを期待してしまう読者はこの小説に登場する大人そのものなのだ。 思春期の雑多な妄想を思い出させるようなお話でした。
1投稿日: 2022.11.01
powered by ブクログ描写力、表現力はさすが桜庭一樹。 ただ七竈や私の男を想像して読む作品ではない。 設定がぶっ飛んでいる……。 幻覚オチか〜!ってなる。 オチも含めて、YAの頃に読みたかったな。 私も荒れていたので……。 カナの「自分に絶望している。ぼくはつまらない大人にしかなれない」という感覚は私もずっと抱いていたので、余計に。 YAの頃に、と思うのは私も全くなりたくなかった、つまらない大人になった証なのだな。
0投稿日: 2022.07.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
若い頃特有の(私がこの言葉を使っていいのか?)疑心暗鬼で単純な子供たちが抵抗するんだけど、結局夢オチだったっていう話。 何も分かってない!と思うことが子供である証拠、みたいなシーンがあったが、大人は本当に分かってるの?!と思った。 でも、“分かっている”ならあんなこと言わないよねぇ、とどうしても思ってしまう。私は子供。 もうちょっと歳をとってからまた読みたい本。きっと感じ方がかなり変わるから。
0投稿日: 2022.06.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
桜庭一樹はどうしてこんなに子供がうまいのか。 私たちに確かにあったはずのあのころ、学校や家庭という枠に守られながら、それから飛び出す日のことを見つめ続けること。 エンディングがいくつかあるのも面白い構成。 変わらない、たしかにそれがあったという証がそれを「思い出」にしてくれる。
0投稿日: 2021.12.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
桜庭一樹作品はいくつも読んだことがあったけれど、知らないタイトルだったので手に取りました。 今回は、私の中で消化不良の作品でした。 どうも、お義父さんの行動をどう捉えればよかったのかわからなかったです、どのエンディングでも、何もなかったように振る舞っていたのが。。 作中の白雪、巣籠カナ、千晴のやりとりはいきいきしていて、会話中心でストーリーが進み、読みやすくはありました。 3種のエンディングは、やはり桜庭さんが最初に書いたIがしっくりきました。
0投稿日: 2021.12.01
powered by ブクログ読んだ感想は、解説で高野和明さんが語り尽くしてしまっている。ただただその通りだと感じた。 桜庭一樹さんの小説の登場人物は、やはり好きにしかならない。 そのくらい良いので、是非読んでください。
0投稿日: 2021.09.22
powered by ブクログ物語の最後に分岐があるのが珍しいなと思います。ゲームみたいで好き。 少しどろっとしててでも描写は軽快でふわっとしてて。白雪は宇宙人なのか誘拐された娘なのか…でもきっと巣籠カナにとってはどちらでもいい気もする。 「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」や「少女には向かない職業」と似た文体な気がしました。
0投稿日: 2021.05.09
powered by ブクログ「大人との共通言語が無い」という部分に大きく共感した。 親の愛や、血の繋がらない大人からの愛護心など、バイアスのようなもののせいで、大人には言葉が伝わらない時がある。 大人は子どもを経験しているのに、なぜ伝わらないのかが分からなくて、童心は忘れるものやと思う。
0投稿日: 2021.01.09
powered by ブクログこんなにファンタジーの世界観溢れるものは はじめて読んだ。 やはり桜庭さん素晴らしい。 子ども目線をスラスラ書けている。 子どもにとって大人は理不尽で、 大人にとって子どもって理不尽で、 だけど大人も子どもも宇宙人も みんな生きるために必死で、 つまり生物はみんな我儘なのかな。
0投稿日: 2020.02.20
powered by ブクログ『推定少女』桜庭一樹さん 10代向けのSF小説かと思いきや、 多感な時期の少年少女の心の葛藤が リアルに描かれていて、 アラフォーの心をも鷲掴みにした作品でした。 共通言語を持たない、ゾンビが蔓延る世界。 大人はいつの日を境に、ゾンビになってしまうのかな。 ”ドン・キホーテの偽物みたいな店“とか、 雑居ビルの階段に置かれているあの小道具たちの名前、 主人公が嫌悪を示す義父のあの匂い。 こういう鋭い背景描写に、グッときました。 SFっぽいけどリアルな世界感があって SFが苦手でもすんなりと入ってくるので 楽しかったです。
0投稿日: 2019.11.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
再読。「ここから物語は分岐し、三種類のエンディングがあります。」と書かれたときには驚きと少しの落胆があった。あとがきによると編集部の要望で書きかえたものも含めて全部収録したという事情らしい。こういうゲーム的なエンディングはあまり好きではないが、作家が自由に書けないこともあるのだろう。自分を「ぼく」と呼ぶ少女は脅えながら戦っている。ただ生き延びるために戦っている。そんな時代が自分にもあったことを思い出させてくれる。
0投稿日: 2019.05.04
powered by ブクログひょんなことから父親を弓矢で射ってしまい、逃亡生活を始める女の子のSFストーリー? 個人的には急にはじまったSF的(ファンタジー?)な流れが受け入れられなかった。 話の終わりもマルチエンディングになっており、なんだか作り話感を強く感じてしまって、自分に合わない感じでした。
0投稿日: 2019.04.18
powered by ブクログなんだか夢を見ていたようなお話でした。 大人になった私はいまの私とは全く違う生きものに 全身取って代わっていると思う。まるで宇宙人に連れ去られて戻ってきたみたいに。 ずっといまの空間の中で生きていたいという気持ち、とてもわかります。 自分じゃいられないここから逃げ出したい、でもそれは ずっと追いかけてくる、逃げられない 大人になることはいつか私に追いついてしまう 電脳戦士のようにどこか別の世界に行ってしまいたい とモヤモヤ、いつまでも考えています いつか私がオトナになったとしたら、 あの頃は悩みなんてなくてよかったよね〜と話すような輩にはなりたくありません。
0投稿日: 2018.10.26
powered by ブクログ前半はとても良いと思う/ 女子中学生のギャーギャーした感じを描く文章もいい/ なのに、後半に宇宙人とデザートイーグルで闘う辺りから一気に荒唐無稽になる/ 評論家が宇宙人なのも辻褄が合っていないし、電脳戦士がゲームに消えるのも辻褄が合っていない/ 思春期の少女の見る幻想だというなら意味も解るが、じゃあ千春はなんなのだということになる/
0投稿日: 2018.10.08
powered by ブクログ生徒からのおススメで読んでみました。 「自分が何者であるか」がしっかりと言語化できない中学生が、自分の今後(自分が嫌っているようなただのつまらない大人になるのでは)への不安から逃げようと奮闘し、また、葛藤するという作品です。 大人になってから読むと、主人公のある種「純粋」というか、「周りの見えなさ」が目についてしまい、あまり感情移入できませんでした。 もしかすると、中学生や高校生には響くかもしれません。 ただ、自分の中学生時代を思い返してみても、主人公のように葛藤した記憶はなく、人それぞれなのかな、とも思います。 ともあれ、ビブリオバトルで発表するようですので、高校生がどのようにこの作品を読んだのか、聞くのが楽しみではあります。
0投稿日: 2018.08.12
powered by ブクログとある事件を起こした中学三年生の巣籠カナは,逃走中,ダストシュートの中で全裸の美少女・白雪を発見する. 白雪は記憶喪失だと言い,なぜか拳銃を所持していた. 白雪と行動することになったカナは,追手から逃れながら悪の町東京へと放浪する. SF小説のような,幻想小説のような,ミステリィのような青春小説.
0投稿日: 2017.10.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
これを読んで、アラサー主婦はきんぴらごぼうを作るためにしぶしぶ千切りを始めるのであった。 家出少女の奇想天外で不思議な体験を描いたハイスピードでポップでちょぴりダークな雰囲気が漂った小説。今の生き方に失望している少年少女たちの逃亡劇。ファンタジー展開に振り回されながら着地するエンディングは3種類。 思春期の溢れんばかりのキモチが表現されていて、懐かしく思う反面、もっとやりようがあったと思うのは完全に大人側の視点によるものですね。 エンディング2,3のような現実的な収まりはハッピーエンドであることは間違いないのだけど、エンディング1のように少女たちが子どものままでいるエンドが小説として美しく心に留めていたいと思った。
0投稿日: 2017.10.15
powered by ブクログ謎の少女と出会っての逃亡劇。彼女は精神異常者なのか、宇宙人なのか、ロボットなのか・・・? わけのわからないまま逃亡する思春期の少女を通した歪んだ世界。結局主人公は元通りの生活に戻るも、一連の奇妙な出来事は彼女に何をもたらしたのでしょうか?
0投稿日: 2017.09.25
powered by ブクログ――いっつも悩んでいました。わたしはこれからどうなっちゃうんだろう?大人になって、なんか職業に就いたりあと恋愛とかしたり、うわピンとこない、それもうわたしじゃくて別の生き物、こわっ・・・・とか、ぐるぐる考えていました―― 至って正常に成長した少女の物語
0投稿日: 2017.07.23
powered by ブクログ《大人》からの逃避行。それは自分が大人になってしまうことから逃げることでもある。渡される進路希望調査票、未来を選ばない「ぼく」。不思議な少女と二人、行く宛のない旅をする。 ぐるぐる目が回るような展開、どこまでがブラックアウトでどこまでが現実なのか……曖昧だけど確かな少女の手触りが残る読後。駆け抜けるような物語に着彩する描写が何よりも少女のキラキラポップチューン。最高だ。 ラノベというかノベルゲーム的文体で最後にエンディングが分岐するという構造にもびっくりした。元々は単一エンドだということだけど、この結末が複数存在して、それがそれぞれ独立したものではなく互いに重なり合ったものになっている(!)というところにノベルゲームを超えた何かを感じた。 複数のエンドが存在するノベルゲームにしばしば言及される問題として、「結局トゥルーエンドが唯一の真エンドで、他のエンドはキャラクターの描写や情報の補完に充てられる副エンドでしかない」といったものがあるが、『推定少女』はどれが真エンドか選び取れない気がする。僕たちはしかし選び取らなければいけないのか、可能性を?
0投稿日: 2017.05.08
powered by ブクログとある事情から逃亡者となった“ぼく”こと巣篭カナは、逃げ込んだダストシュートの中で全裸の美少女・白雪を発見する。黒く大きな銃を持ち、記憶喪失を自称する白雪と、疑いつつも彼女に惹かれるカナ。2人は街を抜け出し、東京・秋葉原を目指すが…直木賞作家のブレイク前夜に書かれた、清冽でファニーな成長小説。幻の未公開エンディング2本を同時収録。
0投稿日: 2016.09.08
powered by ブクログ読み終わった当初、その時の状況にも依存していたのかもしれないけど鬱蒼とした気分になった。 こういった絶望系の小説に慣れていないせいなのかもしれない。 人によっては絶望系ではないと言うかもしれないが、雰囲気が始終暗いというのはあると思う。 終わり方が三種類あって、ゲームのマルチEDのようだが、 あくまでも自分はどの終わりかたも納得できなかった。
0投稿日: 2016.03.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
学校の裏山にFUOが落ちたとされた夜。 中学3年、15歳。 義理の父親の殺害容疑で逃げる少女、巣籠カナ。 逃げる途中のダストシュートの中で出会った凍った記憶喪失の少女、仮名を白雪。 二人で逃げた先は東京。 秋葉原で出会った少年、千晴。 白雪は出会った時は全裸。髪は赤く目は青味がかっている。 何故かデザート・イーグルを所持。 カナと白雪を追ってくる黒服の男達。 カナが警察に捕まるが、自称評論家によって逃げる事に成功。 だが、実際は人ではないナニカ。 そこから助けてくれたのは白雪と千晴。 黒服の男達は白雪の銃によって撃ち抜かれる。 流すのは緑色の血と、スライムのような破片を撒き散らす。 追ってから逃げて、逃げて、逃げて。 ついに追いつかれて、白雪は忽然と消え。 カナは落ち込み、千晴は唖然とする。 エンディング1 再度、カナの隣に現れた白雪。 本名を綾小路麗々子(りりこ)は、カナと一緒に犯罪者になろうと、愉快犯になろうと。 やろう、やろうと軽く返すカナ。 エンディング2 千晴と別れて、列車に乗りった。 途中で現れた白雪は、捕まり自信が宇宙人だと明かす。 白雪とそれきり。 家に帰るカナ。姿を消す電脳戦士のお兄ちゃん。 エンディング3 千晴と一緒にいるところに再度現れる白雪。 千晴に促され、家に電話して。白雪と家を目指す。 家に戻ると白雪は消え、電脳戦士のお兄ちゃんも消えた。 高校3年の春まで女子空手部のマネジャーを務める。 短大進学のために東京へ。 千晴と電話したり、メールしたり、会ったり。 幻の未公開endingを掲載。 なので、エピローグが3本。 未公開が1と3。 エンディング3は1と2をミックスして、泡立てた感じ。 同じなのは 父親を射掛けてない事 と、電脳戦士のお兄ちゃんが 入れ替わりでいなくなった事 。 どこからどこまでが本当で、幻で。 大人になりたくない15歳の葛藤を描いているのかしら? 私個人の意見で言えば。 もっとグチャグチャな内容でいいような。 これだけやって『夢オチ』的な事は避けて欲しかったけど。 緑色の血って設定で半分醒めちゃったかかな? 先が読めちゃったから。 ま、大人なんで仕方ないかな? でも。 実際、自分が15歳だったとしてもちょいと物足りないかも。
0投稿日: 2016.02.09
powered by ブクログ2回ほど積ん読になってしまったけど、後半をいっき読みしたら、なんだかよかった。あのころの私が、いるなあ、と思った。いつか大人になったら、「あの頃はなんにも考えてなかったわ」とか言っちゃうんだろうか、っていう不安。大人に対する羨望のような軽蔑。家出。大人の女性に対する嫌悪感。そういうもの全部、自分に対する絶望だってこと。わかってくれている本があってよかった。
0投稿日: 2016.01.11
powered by ブクログ誰にも定義されないで。 桜庭一樹らしい小説。マルチエンディングなのも面白い。ラノベ寄りだなぁ、と思っていたら、最初はファミ通文庫だったそうです。なるほど。 巣籠カナは義父を「撃ってしまい」逃走を図る。そこで出会った記憶喪失の美少女、もしかして宇宙人かもしれない「白雪」と秋葉原を目指して逃げ続ける。「電脳戦士」のお兄ちゃんと別れ、アキバの『ブラック・パイレーツ』で出会った「火器戦士」千晴に助けられながら、補導員や警察、評論家からも逃げて、カナはどこへ行くのか。 説明できないいろいろなこと。大人から言わせれば、悩むにも値しないくだらないこと。荒唐無稽、夢のような、非現実的な話。でも、中学三年生には重要なのだ。あの頃を思い出すと、全然違う自分が「ぐるぐるして、馬鹿みたいで、ホント何考えてたんだろう」と冷静に言ってきます。わたしも宇宙人にさらわれて別人になったのかもしれない。白雪が誰かなんて、もはやどうでもいい、そんな大人に。 エンディングはボニー&クライド的な「Ending I 放浪」が一番しっくりきますが、「Ending III 安全装置」が、角川文庫としては落ち着きの良いところなのかと。
0投稿日: 2015.12.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『砂糖菓子~』を連想させるような、独特な内容でした。終わりも三種類あり、読み終えて、とても不思議な感じがしました。
0投稿日: 2015.12.13
powered by ブクログ桜庭一樹の極初期の長編。奇想天外な展開ながら、面白く、ワクワクしながら読みました。 子供の成長物語としても面白かったです。
0投稿日: 2015.12.11
powered by ブクログSF的とはいってもハードSFの類ではない。『砂糖菓子』と同様、大人になるまでの中途半端な位置にいる少女の苦悩が如実に描かれている。子供を馬鹿にして物事を自分たちに都合よく判断しようとしかしない大人や、反対に子供の自分を捨てきれずにぐずる大人、子供の気分をわかったつもりでいる大人への目線がリアル。こちらはミステリアスな雰囲気が強く、より物語にのめり込めた。百合好きな人は絶対に読むべき。
0投稿日: 2015.10.31青さが胸にしみる逃避行小説
中3女子がヘンテコ美少女と出会い、2人で東京へと逃げる青春逃避行小説。「『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』と対をなす傑作」とありますが、『砂糖菓子~』だけでなく、『少女には向かない職業』にもちょっと似てるかな。著者の描く10代の女の子同士の関係は独特で、個人的にとても好みです。 久しぶりに再読して思ったのは、始めから終わりまで、とにかく「青い」物語だということ。自分を「ぼく」と呼ぶ主人公・カナも、電波系(?)美少女・白雪も、ミリタリー少年・千晴も、言うことなすこと青臭くて「うわー、中学生だー!」と叫びたくなります。でも、その青さが不思議と心地よく感じられるんですよね。自分も中学生のころ、似たようなことを考えてたなあ、と思ったり……。エンディングはファミ通文庫版でボツになったのも含めて3種類用意されているのですが、私は3番目のがいちばん好きです。 青春まっただ中の人にはもちろん、すでに大人になってしまった人にもオススメ。大人の読者には、本書に出てくるヒドい大人が反面教師になると思います。
3投稿日: 2015.09.16思春期の仕業?
まぁファンタジーですね。思春期特有の”こじらせ”がなせる業か,現実と幻覚の境がわからず話が展開されていきます。少女,少年達の成長がテーマです。 オリジナルのエンディングに加えて,2つのエンディングが用意されている点もちょっと面白い。 エンディングによって,良し悪しは変わるんですね。
1投稿日: 2015.08.23
powered by ブクログ逃げなきゃいけない事情を抱えた二人の少女。 二人でなら逃げられるよ、なんて。 どこまでも追いかけてくるナニカ。 ともに逃げる綺麗で正体不明な少女。 逃げている。 分からないまま、逃げる。 どこへ。いつまで。 大人になることからは逃げられない。 分からない。 分からない。
0投稿日: 2015.04.27
powered by ブクログ少女は読者に 問いかけているように思える。 大人とは何なのか、と。 主人公のカナはきっと、 「つまらない大人」というものに 辟易しながらも、その心の中では 自分もいずれそうなるのだという 悲観(不安?)があったのだ、と思う。 20歳、法律的には大人になって、 この本を読んでみたけれど、 読了後に残ったのは 強く、そしてどこか悲しい余韻。 自分は、少女達の言う 「大人」になりたいのか、 「子供」でいたいのか、 どっちなのだろう。
0投稿日: 2014.12.22
powered by ブクログ家出少女の「ぼく」と、ダストシュートの中から出てきた「白雪」の話。 途中から、女の子みたいにきれいな少年「千晴」も加わり、 身勝手な大人たちと宇宙人に翻弄されるお話。 大人になるっていうのは、どうも気持ち悪いものだ。
0投稿日: 2014.11.16
powered by ブクログ読み終わって思うのは、不思議なお話だったというのとSFだったのかという思いでした。 不思議なお話だったんですけど、中学生の頃に感じるなんともいえない感情を思い出す物語でした。
0投稿日: 2014.10.13
powered by ブクログ私も中学生くらいの時には「つまらない大人になんかなりたくない」と考えていただろうか?多分考えていただろうね。 今は「面白い大人」になっているだろうか?平凡かもしれないが、家族や同僚、友人を大切に楽しく暮らせていると思うし、仕事もやりがいを感じ、少なくなってきたが趣味の時間も取れている。 彼女達から見れば「つまらない大人」なのだろうか?(現代社会では平凡に暮らすのも難しくなっていると感じるが) 逆に「つまらなくない大人」とはどのような人物だろうか? 本書を読み始め、「親は金を運んでくるだけの存在だの、家出だの、受験だの、子供はこうだと決めつける大人達への反発だの」中学生、SF系で「あこりゃ、私には合わないな」と思うが、電車の中でこれしか持っておらず、しょうがなく読み進める。 男の子みたいな出で立ちの家出少女と、銃を持った不思議少女が謎の追っ手から逃げる話。 面白くは無かったが、中学生ってこんなだったかな、と考えさせられた作品。 まあ要するに「日々はとても辛くて、はやく大人になりたくて、でもぜったいになりたくなくて。ほとんどの大人のことが嫌いで。」的小説。
0投稿日: 2014.09.09
powered by ブクログ大人になりたくな家出少女と、自分の事を語ろうとしない不思議な女の子の逃走劇。エンディングが三種類用意されていて選択可能。でも最後までよくわからない話でした。
0投稿日: 2014.08.31
powered by ブクログ桜庭一樹の小説は 闘う者たちのバイブルだ。 ページをめくるたびに聞こえてくる 反逆のメロディー。 理不尽な大人たちからの制圧に 反旗を翻す 少女たちの咆哮。 新しい何かを始める時、 諦めの鎖を断ち切りたい時、 自分を奮い立たせたい時、 僕は桜庭さんの小説を欲し 弱虫な心に楔を入れるかのように言葉を刻みつけ、 『抗う意志』と 『ドン・キホーテの精神』(到底適わない相手であっても、一矢を報いようとする気概)を手に入れる。 危険な街のことを 『ほんとの夜を持った街』と表現したり、 行間から立ち上っては香る 『夜の匂い』だったり、 10代の頃のあのどうしようもない焦燥感だったり、 色白で儚げな美少女と黒光りする無骨な銃の 絶妙なコントラストだったり、 桜庭さんが紡ぎ出す切ない物語や血まみれの世界観は どれも僕の琴線に触れて いつまでも心を揺さぶり続ける。 思春期特有の未来への不安。 人生という戦場から流れ込んでくる 見えない硝煙の匂いに 恐怖し押し潰されそうになる 15才の少女、巣籠カナ(すごもり・かな)。 恋もまだ知らず ユニセックスで少年のような体型のカナだけど ガラス細工でできた少女人形のように 本当は繊細で壊れやすい心を持っている。 物語はひょんなことから 義父に怪我を負わしてしまい 警察に追われる身となったカナが 銃を持ち記憶を無くした 全裸の美少女・白雪(しらゆき)と出会い、 夜の街、東京を舞台にした逃避行劇が描かれていく。 行きたい場所などなく、 ただただ此処ではない何処かへ 逃げるためだけの絶望的な逃避行。 だけどこの作品のスゴいところは カナたち少女の絶望的状況を 生き生きとしたキャラ設定のおかげで あくまでも軽やかに ユーモラスに描いていること。 ゲーマーで電脳戦士のオタクなお兄ちゃんや ガンマニアの火器戦士・千晴との 友情や絆を絡ませながら 旅を続ける中で苦悩し成長していく少女たちが本当に眩しいし、 ハードボイルド小説としても見事であり 良質な青春小説とも呼べる作品となっている。 それにしても何故大人は かつて自分が子供だったということを、 いとも簡単に忘れてしまうのだろう。 どんなにあがき一矢を報いたいと願っても まごうことなく15才の現実は 圧倒的に無力であり、 ほろ苦い結末をもって激しく胸に迫ってくる。 初期の桜庭作品に顕著なラノベ的世界観は 読む人を選ぶだろうけど、 大人たちに心を殺され 無力感に夜空を見上げたことのあるすべての子供に、 またはそんな子供だった大人には 強烈な余韻と共に 間違いなく心を射抜く稀有な作品だと思う。 なお、この作品は 桜庭さんが当初構想していたがボツになったバッドエンド版と、 ファミ通文庫で実際に発表されたハッピーエンド版と、 ハッピーエンド版をさらに改良したファイナルカット版と、 ゲームさながら 異なった三つのエンディングが収録されていて、 より深くその世界観を味わえます。
16投稿日: 2014.08.27
powered by ブクログなんだかよく分からない不思議な話。 このなんだかよく分からないところも含めて思春期の子供の心情をテーマにしてるんだろうか? でも、不思議なことに嫌いじゃないし、すっと読めた。
0投稿日: 2014.08.14
powered by ブクログ現実と虚構の狭間で織り成される二人の少女達の物語。 読んでいて、あのころの感情が蘇ってきた。 何であんなにどんよりとした気持ちで全身を覆っていたんだろう?
0投稿日: 2014.07.24
powered by ブクログ思春期の少女の、大人と子供の間で揺れる気持ち。 何も思い通りにならないことへの焦りとか葛藤とかに苦しんで押しつぶされそうになること。 そんなときもあったなぁ、とほろ苦く感じながら読みました。 SFのようなストーリーも、とても楽しく読めました。 巣籠カナちゃんが、ステキな女性に成長していくといいなー。
0投稿日: 2014.06.21
powered by ブクログ自称記憶喪失電波少女「白雪」と、家出少女「巣籠カナ」のお話。SFだとは思わずに読み始めたので、後半のSFアクションには驚きました。 大人になりたくない、なれない少女たちの成長小説。ただ現実と非現実が入り乱れており、結末もはっきりとはしていません。 ノベルゲームのような三つの結末が用意されており、ハッピーエンド(?)とバッドエンドのどちらも楽しめます。
0投稿日: 2014.05.21
powered by ブクログ読んでる途中から どうしてこんな話を大人が書けるんだろう、という素朴すぎる疑問が生まれてしまった。 ってくらい、この話は完全に子ども目線。子どもの見てる世界、考えてる頭の中。 頭の固ーいおじさんがこの話を読んだら、子どもは何を言ってるんだ!くだらん!なんて言い放つんじゃないかなーレベル。笑 今の悩みに埋れていると、昔悩んでたことなんてちっぽけに思えてくる。その時だって、それなりに全力で悩んでたはずなのにね。 子どもの世界は狭い。でも、狭いなりに自分の目で見てる世界にどうにかこうにかして、自分の生きている証を見つけようとしていたんだと思う。大人の言ってることだけを信じてすくすく育ってきましたー!なんて子は絶対いないはず。 みんなどこかで抵抗感を持って生きてきた、大人に。 この本を読んで、子ども時代の生きている証って大人への抵抗な気がしてきた。なんとなくね
0投稿日: 2014.05.16
powered by ブクログ2004年に出版された桜庭一樹のライトノベルです。現実と虚構が入り混じった世界で描かれる少女たちの物語で、とても桜庭一樹らしい作品の一つです。同時期に書かれた"砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない"が甘い感じなのに対し、こちらはビターな感じがします。地方都市に住む中学生巣篭カナと謎の少女白雪の数日間の放浪の旅が語られます。話も面白いし、登場キャラも非常に魅力的でした。バッドエンドだったものに出版社からの注文でハッピーエンドにしたため、ラストに3つのエンディングが用意されてしまったというマルチエンディング形式です。
0投稿日: 2014.03.10
powered by ブクログ大人と子供の考え方の相違。 子供は何も考えなくて楽でいいよね…とか、よく言う人いるけれど、子供も子供の世界で悩んで考えて生きてる。 そんなことを思い出させるSF風家出話。 世の中には子供のまま大きくなった大人と、大人より大人しっかりした子供もいるわけで… 子供より大人の方が何も考えてない社畜なんじゃないかってこの頃思う。
0投稿日: 2014.03.08
powered by ブクログ忘れていた、忘れようとしていたことを思い出した。そんな、良いきっかけになった作品でした。(14/1/27)
0投稿日: 2014.01.27
powered by ブクログ人間的な暗さを書くのが上手い作家さんだと思っていたので、幻想的な非現実的な感じに少しがっかりしたけれど、ちゃんと人間らしい葛藤がありました。 途中、感動でも悲しみでもない、胸がえぐられるような感覚で涙が出た。それは、思春期だった自分の言葉を代弁しているようで、苦しくなった。この人は何故ここまでリアルに、子供の感情を描けるのだろうと思った。 私は、思春期というのは終わったんじゃないかなという年なので、まだ葛藤もあり、過去の葛藤も鮮明に思い出すので、感心した。 終わりは少しモヤっとした気もしたけれど、この本はあの頃の私の”証”になるんじゃないかと思った。きっとまた、あーこう思っていたんだって思い出すんだろうと。
0投稿日: 2013.12.15
powered by ブクログ捉えられない。 この話を読んだ印象は、それだった。 つかめない。 でも、気づいた。 そう、これは中学生の話。 中二病の時代の話。 彼らだからこと起こりうる話。 彼らにだけ、起こりうる話。 掴めなくても、構わない。 それが、その時代なのだから。 あの年齢だけが、許される。 その年齢だから、許される。 彼らの世界。
0投稿日: 2013.12.09
powered by ブクログライトノベル作家時代の桜庭一樹の作品。近年の作品に比べるとやはり稚拙ではあるけれど、この頃から“少女”の描写はピカイチ。思春期にこの作品に出会っていればもっと心を揺さぶられたに違いない。3パターンのエンディングが用意されている異色の作品。エンディングが複数存在することでより深く想像力を掻き立てられる。2012/099
0投稿日: 2013.11.13
powered by ブクログあの違和感と反発。 社会に有益な人間になれという無言の圧力への。 欲望の視線に曝される女という生物への。 そんな思春期の心の揺れをキッチュにポップに描いた作品です。 幻想小説のような感覚があります。 エンディングはⅡとⅢのほうが好きですね。 不安を抱えながらも現実を受け入れ、大人になっていく…快いエンディングでした。 Ⅰのエンディングは逃避行の続行で成長を否定していますよね。 大人になってみれば、大人ってたいしたもんじゃないし、それほど悪いものでもないと分かるので、子供のままがいいというのは抵抗があるな〜。
0投稿日: 2013.10.12
powered by ブクログラストが分かりずらかったんですが面白かったです。 主人公の心理描写がとても良かったと思います。ただ、白雪がどうしても砂糖菓子の藻屑に見えました。
0投稿日: 2013.08.08
powered by ブクログSF風の内容になっていて子供っぽいと思う人がいるかもしれませんが、こういった夢のある話は私が好きな本の1冊になりそうです。 常に謎をかかえているキャラクターが謎のまま謎の行動をとる。 ゲームの世界だな思う場面もいくつもあるが、それがコミカルな感じでまた読み進めてしまう。読み進めることで娯楽を感じることができる楽しい1冊です。
0投稿日: 2013.08.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
誰もが絶対に経験する「子供」 決して自由ではなかった。だけど、あのお姉さんの言葉は沢山使う。 巣籠カナと同じ15歳だけど思い出してみると 自由はなくて大変で苦しくて戦ってた事だってある。 今もそう。あの言葉はもう使いたくないな。自由って難しいなあって。 この話は凄い死っていうのを考えた。 読み終わって怖くなって今すぐにでも家飛び出して 何処かへ行きたくなった。 でも、でも、お兄ちゃんも、千晴も、白雪もいないのだ。 だから私はひっそりと死に対する怖いを感じながら死ぬまで戦うんだ。 私としては、「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」を先に読むとパンチの三倍のキックを10回くらう気分になるのでおすすめです。 とても考えるんだ。
0投稿日: 2013.07.23
powered by ブクログ思春期が終わったって戦場は終わりはしないのだ。 戦って戦って戦って死ねって大人たちは怒鳴るけど、生きてるだけでせいいっぱいなのに、ひとかどの人物になったり誰かを愛したり子供を産んだり社会の役に立つなんてそんなの無理無理、頑張れない。 みんな、忘れちゃってるのかなあ……
1投稿日: 2013.07.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
衝撃的な小説だった。 大人と子供って何だろう。 すっかり忘れていたあの頃のことを思い出した。 私にも確かに十五歳のころがあった。 何が辛いのか何が嫌なのか全然分からなかったけど、 いつだって漠然と不安で辛くてしんどくて死にたくて苦しかった。 大人になんかなりたくないし、そもそも大人になれるような立派な人間じゃないし、 だからと言って努力はしたくないし、 だけど戦死したくはなかった。 どうしたらいいか分からなかったし、何がしたいか、何になりたいかも分からなかった。 世の中のほとんどのことは嫌いで、 お菓子だけ美味しくて、 バンドの追っかけだけが楽しかった。 「いまこんなに苦しいこと、あとほんの何年かして大人になったら、忘れちゃうのかな? それで、いいわねぇあれぐらいの年の子、悩みなんてなくて、なんて平気で言えるようになっちゃうのかなぁ?」(p132) 私はまだまだ子供のままだと毎日思っていたけど よく考えれば十五歳のころからもう十年弱も経っていた。 私はなんとなくうまくやってきて、うまくいろんなことをやりすごして生き抜いて、 年齢だけは大人になった。 そして果たせもしない責任ばかりを押し付けられて、はっきりとした現実のいろいろな事に苦しめられている。 仕事がどうとか、生活がどうとか、お金がどうとか。 何が嫌なのか、自分が何をするべきなのか、はっきり分かってる。 だけど自分の力不足とか気力不足とかその他色々な理由で問題に打ち克つことができなくて、毎日しんどいしんどいと溜息をついている。 ため息をつきながら、毎朝バスで見かける中高生に対して、 ああ、学生は気楽でいいわね、なんて思ってしまっていた、のだ。 私の思春期は知らないうちに終わっていて、私は知らないうちに大人になってしまっていたみたいだ。 でも、十五歳のわたしは確かにあのときあの場所にいた。 私は証、をどこか遠くに置き忘れてきたかもしれないし、 最初からそんなもの私にはなかったかもしれないし、 そもそもわたしは冒険なんてしなかったかもしれないけれど、 十五歳のわたしのことを、久しぶりに思い出してあげることができた。 何度でも言うけど、桜庭一樹?ラノベ作家でしょ?なんて言っててごめんなさい。
3投稿日: 2013.06.30
powered by ブクログ「巣籠カナは、傷つくのがうまい」 「だけど戦うのはヘタ。とてもヘタ。 自己主張するのも、反論するのも、 怒ってみせるのもヘタ。 ただ傷つくのだけ、すごくうまい。」
0投稿日: 2013.06.23
powered by ブクログ前から気になってたんだけど、ようやく購入。 一気読みじゃないとちょっともったいない気がする。 入り込んで止まらなくなります…。
0投稿日: 2013.06.01
powered by ブクログ中学生のころ感じてたことを色々思い出した。あの頃のよくわからない大人になることへの焦燥感や自分の存在価値を失っていた頃に考えたこととか少しタイムスリッブ出来た気がする。
0投稿日: 2013.05.16
powered by ブクログ桜庭一樹さんて女性だったんですね。 最初は苦手な文体で身構えたけれど、慣れるうちにクセになった。中学生の巣籠カナは訳あって逃げることになって、その途中で出会った宇宙人の白雪や千晴と一緒にがんがん逃げる。カナがだんだん喋り方が板についてくるところとかぎこちなくて好き。 くだけた文章だけれどその分会話文になると違和感なくなる。会話らしい会話というか、完璧な会話じゃないというか。何度も回想が入ったり同じシーンが繰り返されたりするけれどそのたびに少しずつこちらの感じ方が変わっていくのがおもしろい。 二個目のエンディングが一番好き。 「無事に大人になったら、オレたちの勝ちなんだよ。戦争はずっと続くけど」
0投稿日: 2013.04.30
powered by ブクログ桜庭一樹さんの初期作品。 エンディングが3つ用意されているという不思議な終わり方に「?!」となったけれども、それ以前にいろいろぶっ飛んだ展開に笑ったり、大人の理不尽さに憤ってみたり。桜庭さんの作品ってかつて自分が少女だったということを思い出させてくれるような、そんな小説だと思う。だからこそ、女性ならちょっと読んでほしいなぁ…と思う。これもそんな作品。
0投稿日: 2013.03.28
powered by ブクログ現実と非現実の境目がわからなくなる。 エンディングが3パターンあるけど、 ハッピーエンドである必要はないかな。
0投稿日: 2013.03.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ちょ・・・ 重い・・・ この人の小説は、いつも想い・・・もとい・・・重いんですよね 読み終わる度に考えさせられます 大人になるのは難しい・・・・・・
0投稿日: 2013.03.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
桜庭さんの描く「少女」が好きだ。 その子が抱える"痛み"のカタチも。 内容は宇宙人満載のファンタジーストーリーではあるが、そこに読者が確かな「リアリティ」を感じるのは、各登場人物の描写が的確で、特に思春期を迎えた少年・少女の葛藤やら疎外感の描き方が抜群にウマイから。あのふわふわした多感な時期なら、まだ宇宙人に逢ったっておかしくない。そんな気にさせてくれる。 ところどころ『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』のシーンがフラッシュバックした。扱っているテーマもほとんど同じだから、よけいに。 あと、桜庭さんの話に出てくる人物はホント魅力的。愛着や思い入れが強くなってしまって、物語を終えるのが惜しい・・・。 総評としては、『砂糖菓子~』のインパクトに比べるとどうしてもそれよりは落ちるけど、ファンタジー冒険活劇物として、楽しく読めました。
0投稿日: 2013.02.17
powered by ブクログ登場人物がとにかく魅力的。 ラノベならではの良さがある。 桜庭一樹好きにはたまらない定番のような作品。
0投稿日: 2013.02.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
少女の無力感と意志の書き方にはいつも楽しく読んでます。「伏」と少し内容が近いように感じた。でも私は結末が3つ用意されているこの形式はあんまり合わなかった。ノベルゲーっぽく他のエンディングによって構造がわかるわけでもないし、このやりかたは私には読者への丸投げで、筆者との対話という感じを得られなかった。 でもやっぱりキャラクターは好くて。 SFを絡める必要性は?!と勝手に思ってしまったけれど、、、。 砂糖菓子の弾丸では打ち抜けないで持てなかった実際の銃火器を手にし、戦うというのは魅力的だったが、彼女は何を倒せて、他の白雪たちに何を与えられたのだろう。 せっかくの戦いが最後に一晩の思い出、見たく回収され、制服に身を包んで何事もなかったかのように過ごす彼女にはなんだか違和感と志望を持った。 桜庭一樹好きですけどね。
0投稿日: 2013.02.16
powered by ブクログ桜庭一樹さんの作品に登場する中高生はとってもいい。 ティーンのモヤモヤしたところ、大人との確執。もっと早くに出会いたかった!
0投稿日: 2013.02.02
powered by ブクログ大人の閉塞感だけでなく、子供の閉塞感も書かれていて、よかった。 カナと白雪が逃げるシーンがしっとりして、好きなシーン。 エンディングが分かれているのも、よかった。 桜庭一樹の少女は、やっぱり好きだ。 もうカナには白雪が現れないかもしれないけど、白雪と過ごした日々はカナにとって大切なものだと思った。
0投稿日: 2013.01.10
powered by ブクログどこまでが現実でどこからが幻なのか。家出少女の巣篭カナと白雪の逃避行。「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」を読んでも思ったけど、大人でもなく、子どもでもない、微妙な年頃の世界観をうまく表現していると思う。
0投稿日: 2012.12.10
powered by ブクログうーむ、ハマる!! 一回読み始めたら止まんないって感じ。 カナの幻はどこからだったんだろう…ってずっと考えてしまう。 白雪も宇宙に帰ったのかなあとか、本当はいなかったんじゃないのかなあ、とか。 読み終わった後からも心に残る作品だと思います!!
1投稿日: 2012.11.23
powered by ブクログ砂糖菓子に続き、心のもやもやした、自分でも手付かずの部分に触れてくるなこの人の作品。どうしても「自分はどうだっただろう」と振り返って感傷的になってしまうので気力がいる。中・高で読んでいたら、確実に今とはまた違う揺さぶられ方(共感や憧れ)で影響受けまくりだったと思う。 お話自体はSFやら幻やら先が見えずにダレかけたけど、最後は勢いで引っ張られて面白く読めました。分岐エンドは全部でひとつな印象だけども、[放浪]がインパクトあるしなんか好きだな。そのまま逃げ続ける、怖いけど羨ましい。
1投稿日: 2012.11.16
powered by ブクログ主人公の家庭が自分の家庭とよく似ていたので、 よく気持ちが理解できました。 話がわかりやすく、スリルもあり、どんどん読み進めることができました。 違うパターンのエンディングも用意されていておもしろかったです!
1投稿日: 2012.11.09
powered by ブクログファンタジーだ。ファンタジーだ。 いい物語は、終ってしまうのが悲しい。登場人物と、他人とは思えなくなって、もう会えなくなるのがつらくなる。小説の力ってすごい、改めて思い知らされる。
0投稿日: 2012.11.01
powered by ブクログアキバ系ティーン向けSF作品。ティーンの戸惑い。桜庭一樹さんってこんな作品も掛けるんだと感心。ゲームシナリオとかも手掛けているみたいだし多才。筆者の本名が「真理子」であることを知り、ちょっと意外だった。寺山修司さんの「人間は不完全な死体として生まれ、数十年かかって完全な死体となる」って迷言、私も同意。
0投稿日: 2012.10.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最初の頃はどんな展開なのか気になって読み進めたけど、、途中からよくわかんなくなってきました。 エンディングも3パターンあるけど、どれもイマイチ納得感がないというか。。 思春期に読んでいたら、何か感じていたのかも?!
0投稿日: 2012.10.23
powered by ブクログ大人じゃなく女じゃなく、幼い女の子「少女」を書くのがこの人はじょうずだなと思います。でも後半の展開に驚きを隠せなかったです・・・。
1投稿日: 2012.10.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「砂糖菓子」から「推定少女」へ。 面白かった。 中坊たちの冒険譚その2。後書きにあるように「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」と対となっている作品と言えるかも。 あちらが内向きで世界が閉じていたのに対して、こちらは実弾を撃ちっ放して大人の世界と関わっていく。いや、彼女たちにしてみれば撃っているのは砂糖菓子の弾丸のつもりだけれど。 若さ故の思い込みが引き起こす事件が連鎖反応のように状況を大きく変えてしまい、そんなつもりではなかったけれど、否応無く行動しなければならなくなる。本来なら小さな事件で終わる筈なのに、話がずんずん広がってしまう。 不思議少女白雪はカナと共に世界に立ち向かい、闘う同志。 と、こう考えていくと、この作品の面白さは、巻き込まれ型逃亡アドベンチャーという面白く無い筈の無いパターンにあるのかも知れない。 白黒がはっきりした決断者白雪に導かれ、内向きだったカナが見る新しい世界の数々。夢のような架空の世界であっても、それはカナにとってはリアル世界以外の何物でもない。 そういう意味で女の子のままで終わる結末「放浪」ではなく、あちらとこちら、2つの現実の間で生きていく決意を感じる「戦場」は未来があってよかった。 ちなみにこの作品で初めて作者が女性だという事実を知りました。なんとなくそんな感じがしてたんだよな。 意図せずに女流を選んでしまう私。性なのか?
0投稿日: 2012.10.02
powered by ブクログダストボックスで出会った少女が、拳銃を持っていたこと、宇宙人?誘拐された少女?と正体不明なだけでもわくわく。 ゲームの世界のようなスピード感がたまらなく、どうなるの?早く続きが続きがとページをめくると、エンディングが一つのストーリーなのになのに3パターン。 作者の想像力にたまげちゃいました。
1投稿日: 2012.09.19
powered by ブクログ大人になりたくない、少女たちのお話 一人称が「ぼく」。好き。 10代のうちに読んでおいてよかったかも。
0投稿日: 2012.09.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
逃亡するカナ、裸でゴミ箱にいた美少女・白雪の逃亡劇。三つのエンディングが用意されているが、前の自分ならどれ選ぶかな?とふと思うけど、分からない(タイムマシンほしいな)。逃亡中はもう何がなんやら。でも、あぁうん、そうそう、と。思春期時代の気持ち。この小説読んだら、少し思い出した。もうすっかり忘れている。あれから5年経つのか…。かつての自分を忘れない装置がカナにとって、あの白雪が作ったドールであるように私にはこの本がそれなんだ。だからまたいつか読み返すと思う。でも、あのカップルの女性みたいに忘れるんだろうな。大人って何なんだろうね。いつ大人になるの?適当な歳とったら大人か?「愛してる」と言えるようになれば大人か。あっ…‼今すごく大人になりたくない!って気分。あの頃を忘れて大人になりたくない。忘れちゃいけない。 この本読んだら、次の本読む前に時間を少しあけてほしい。きっと何かあると思う。 ちょっと衝撃的。
1投稿日: 2012.09.17
powered by ブクログ痛々厨二小説の路線、「砂糖菓子~」は越えられない。ファンタジーなのか幻覚なのかわからない描写が消化不良
0投稿日: 2012.09.10
powered by ブクログ少女の甘さと、恐怖がよくかかれていると思う。誰もが通過したことがあるんじゃないかな。文体の読みやすさからも、中高生にぜひ読んで欲しい。endingは3つあるけど、ばちっとしたBAD ENDも読みたいと思ってしまった。
0投稿日: 2012.09.06
powered by ブクログ白雪、 しらゆき、 本を閉じたあと、そう名前を呼びたくなる。 わたしもおとなになっちゃたかな。
0投稿日: 2012.07.31
powered by ブクログ現代の大人の薄汚れた裏側を知り、大人になんかなりたくない!!…とひそやかに奮闘する中学生の女の子。ダストシュートで偶然出会った女の子との友情。その少女は何者か…。途中に起こる出来事や正体をあえてぼやかしておいて、ストーリーの内容を読者に考えさせ、最後にあきらかにするといった展開が、好奇心をくすぐる。ただ、おれにとっては、なかなかストーリーの世界観に移入するのが難しい作品であった(ノ_・,)。
1投稿日: 2012.07.18
powered by ブクログなりたくない大人にはならないでおこうって思いました。だけど、大人になったら今の感情を忘れちゃって、なりたくない嫌な大人になってしまうのかな。と思うと怖い。だって、嫌な大人にだって子供の時代があったんだから。
0投稿日: 2012.06.27
powered by ブクログ大人から見る子どもって、本人達が望まないカタチで世間に歪められていて。 本当の子どもの姿なんて、最初から理解する気が無いんじゃないかとすら思う。 でもどんなに窮屈で息苦しくても、我慢して大人になっていくしかない。 諦めて受け入れていくことで子どもを止める、痛みと儚い絶望を感じるお話。 放浪エンドがいちばん好きな私は、ただ現実逃避したいだけなのか。
1投稿日: 2012.06.15
powered by ブクログ大人になりたくない。 桜庭さんの書く、日常の中の戦争、それがひしひしと伝わってきた気がする。 自分もまだまだ甘いから、カナや千晴、それと白雪の苦しみにものすごく共感した。 また大人になったとき、これを読んだらどんな気持ちになるのだろう。
0投稿日: 2012.05.19
powered by ブクログ大人になりたくない。大人になんかなりたくない。 主人公の少女と同じように、つい5年くらい前までは私もそんな風に思っていたなぁと思い出した。世の中に絶望していたというか、痛々しい思いを持っていたというか。脆く崩れやすい自分を守るために、周囲に壁を作っていたり、牙をむいていたり。日々の仕事に追われて久しく忘れていた気持ちを懐かしく思った。 10代で読むのと大人になってから読むのとでは、感じ方が変わる本だろうな。
0投稿日: 2012.04.07
powered by ブクログ大人になんてなりたくない。 そう思っていた時期が むかぁ~し あったこと思い出しました。 普通の大人になってしまった今、 15歳の頃の自分を慈しんであげたい。 15歳の頃の自分に謝りたい。
0投稿日: 2012.04.03
powered by ブクログ物語は中学三年生の少女と謎の美少女が出会った事から始まる。 読んだタイミングが良かった。とても今の自分とリンクしていて、涙がこぼれそうになった。桜庭一樹は本当に少女の複雑な、でも子供らしさの残る気持ちを表現するのが上手い。物語を読んでいてファンタジーかなと思わせて、大人になりたくない少女の物語。砂糖菓子の弾丸は~と同じく、ヤられた。 ending 3の、主人公の悲痛な叫び。ねえ、大人になりたくない理由を聞いてよ。ただの子どものわがままだと言う。わかってる。でも聞いてほしい。私が大人になりたくない理由を。 10代のうちに読めて良かった。そう思いました。
0投稿日: 2012.03.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
角川版なのでエンディングが3種あるのだけど、どれがハッピーエンドなのかは悩む所。ファミ通文庫的には日常復帰エンドはハッピーエンドだという扱いみたいなのだけど。個人的には放浪エンドが好きですね。
0投稿日: 2012.02.23
