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刀伊入寇 藤原隆家の闘い
刀伊入寇 藤原隆家の闘い
葉室麟/実業之日本社
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総合評価

36件)
3.8
8
7
14
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    読み始めて最初、これは私の苦手なガッツリ歴史小説かも…と少し気持ちが折れかけた。笑 この時代、朝廷とか貴族は親戚だらけで誰々の兄弟だとか叔父だとか訳が分からなくなっちゃう。おまけに名前も同じ漢字がついてて余計に混乱。 でもこの本は最初のほうだけであとはそんなに混乱せずに楽しみながら読了。 主人公の藤原道隆は全然知らなかった。 そして刀伊という異国の賊が日本を襲ってきたということも知らなかった。 だから読んでて普通に歴史の勉強になった。 道隆は好戦的で血気盛んな人だったらしく、危ない状況の時でもかっかっと笑ってしまえる器の大きい男。 こういう人物すごく好き。 豪快で気持ちの良い男。 何年か前に源氏物語を読んでたおかげで、この本の時代背景や文化習慣も理解できて良かった。 やっぱり読書してると勉強になるし、他のところで理解が深まるのか分かってすごく楽しいし嬉しい。 まだまだ勉強になることはたくさんあるんだなー。

    4
    投稿日: 2025.05.10
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    私は日本という国が好きです。日本ほど素晴らしい国はないと思っています。日本という国は神話と共に成立し、以来およそ二千年、万世一系の天皇を中心に一つの国として続いているとされています。しかし現在までに日本は数々の国難に見舞われています。その一つがこの、刀伊の入寇です。元寇以前に日本は他国から侵攻されつつありました。刀伊による侵攻を防いだのは幕府でも朝廷でも無く、藤原隆家率いる九州の武士団です。藤原隆家は文中で、武勇とはひとを守り助けるものであると述べています。彼らの、愛する人や家族を守りたいという思いが日本を侵略しようとする外敵を退け日本という国を存続に導いたと言っても良いと思います。 彼らが護った日本という国がこれからも豊かに続いていくには私たち一人一人が武勇の心を忘れずに持つべきだと感じました。日本人であれば知っておくべき、日本の国難に立ち向かった人々のおはなし。必読の葉室麟作品でした。

    0
    投稿日: 2025.04.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今年の大河ドラマ『光る君』で、刀伊入寇が描かれると知って読んだ。 前半は花山院との因縁や、中関白家の様子が描かれていた。「なぜ花山院は藤原家に恨みを抱いているのか」「あれほど栄華を極めていた中関白家はなぜ衰退したのか」の原因をふまえながら話が展開したので、分かりやすいと同時に読んでて面白かった。 それを踏まえた上での刀伊との戦いは、外敵からの侵略を防ぐ戦いであるのと同時に、隆家が背負った因果に決着をつけるものであったので、伏線が次々と回収されていく展開に「おおっ」と感嘆した。

    0
    投稿日: 2024.12.01
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    元寇よりもずっと前、平安時代にあった外敵襲来。 藤原隆家は、別な作家で別な人を主人公にしていた物語だと、単なる乱暴者のイメージしか無かったけど、視点が違うと変わるものですね。

    0
    投稿日: 2024.10.23
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    叔父藤原道長との政争を経て太宰府に赴いた隆家。 そこに異民族刀伊が襲来する。 戦いは最後だけで、生い立ちから詳しく。 道長花山院、一条天皇から紫式部、清少納言等平安オールスター登場。 「神々もご覧あれ、われこの国の雅を守るために戦わん」

    0
    投稿日: 2023.10.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この雅な平安文学サロンの時代を舞台にして、戦の物語が書けるとはやはり葉室麟さんは素晴らしい作家ですね。 中宮定子から始まったともいえる煌びやかな王朝文化。彼女の弟であった伊周と隆家はそれに奢り、没落へ。 そして道長が政の頂点に立ったと思われたのだが、密かに日本は契丹国の民に狙われていた。 ひたすら己の地位を考えて動く道長と、安倍晴明にあなたが動かなくては国が亡ぶと言われ生きてきた隆家。 日本は島国で海外からの侵略は第二次世界大戦の時だけ。ですが、この前の白村江の戦いや元寇との戦いも経験しています。 侵略されなかったのは運がよかっただけ、そう考えると、狭い国の中の事だけを考えるのはなんて愚かなんだろうと思わせてくれる一冊でした。 特にグローバルな現代では自国民もそうですが、難民や移民ということも考えなくてはならない。だって子供生まれない国だから。 その辺りを政治家にこの本を読ませて、ちっぽけな権力よりも大きな国益を考えてほしいと思ったことは秘密です(笑)

    15
    投稿日: 2023.08.07
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    平安時代に海を渡って戦いを挑んで来た刀伊(とい)に、藤原隆家(道長の親戚)が太宰府で待ち受け、激しい闘いがあったなんて知らなかった〜。 実際にあった話を、小説だから隆家の性格とか戦い好きの貴族として面白く描いています。 終盤に起こる事件の刀伊入寇までが長くて、若い頃の隆家、伊周、道長、花山院の因縁など説明的だけどわかりやすい。 平安時代の、清少納言、紫式部、安倍晴明などオールスターキャストがちょっと盛り上げてくれる。 船での戦いとかちょっと好き。

    11
    投稿日: 2022.06.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    かなり戦シーンの激しい作だが、一方で主人公の一途な想い、何のために戦うのか、が作中に溢れていて、好きな人は好きだろうなぁと思わせる作品。 楽しめました。 自分の子と、刃を交えるってのは、男のロマンなんだろうか?

    0
    投稿日: 2021.11.28
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    歴史小説苦手なのに、高校生の時、作者の名前の美しさに惹かれて、たまたまこれとって読んだらめちゃ面白かった。もっと葉室麟作品読みたいんだけど、これしかまだ読んでない。何せ日本の歴史小説苦手なんで

    0
    投稿日: 2021.01.28
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    ちょっといまいち 平安時代の刀伊入寇を下敷きにした物語 刀伊入寇という史実は恥ずかしながら初めて聞きました。 元寇よりもずいぶん前にそんな事件があったんですね 大陸の異民族である悪役「刀伊」に対して、主人公「藤原隆家」がどんな戦いを繰り広げるか? 「村上海賊の娘」のような物語かと思いきや、その辺のくだりは後半の最後のほうだけ、それもわりとあっけなく終わってしまいます。 前半は伝奇ふくめた平安の政権争い。 といったところで、ちょっと想定と違いました。 清少納言や紫式部、安倍晴明なども出てきますが、正直とってつけた感じ(笑) とはいうものの、ページ数が少ないながらも、刀伊の悪役っぷりに対して、隆家達の戦いはメインのストーリ。 さらに、刀伊の首領が隆家の息子という設定も面白い。 本書を通して感じたことは、国防 現代にあてはめてみると、どうなの?って思います。 さらに刀伊が村人たちをさらっていったといった件については、現在の北朝鮮の拉致問題を連想してしまいました。 国防って大事! ということで、平安時代における貴族の戦いのエンターテイメントストーリでした

    9
    投稿日: 2020.10.24
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    http://denki.txt-nifty.com/mitamond/2014/09/post-c540.html

    0
    投稿日: 2020.03.24
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    刀伊入寇です 葉室鱗です(蜩ノ記) 面白いことうけあう こういう主人公を描く作者は力がある 運命的な描き方…伝奇小説・半村良か?

    0
    投稿日: 2019.11.15
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    エンターテインメントだから、と言って進めてくれた人がいました。たしかにそんな風なところもあり、史実にも基づいている平安時代の物語は、よくできていておもしろかったです。 主人公藤原隆家という貴族のことは知りませんでしたが、藤原道長と叔父甥の関係とわかれば、なるほどと思います。平安中期、あの『枕草子』の清少納言や『源氏物語』の紫式部なども登場するのが、なお親しみがわくというものです。 藤原氏というのは権力争いを身内一族でやっていたのですね。その世界は『源氏物語』から『平家物語』までおなじみですね。 しかし、この物語はそれだけではなく異民族の日本襲来という、今日的な課題がもされている点が珍しくも面白くもあり、普遍性を醸し出していますね。そして主人公は藤原隆家という貴族らしからぬ、むしろ武士台頭の前兆のような人物像です。 ただ勇ましい人物や闘争のみでなく。葉室麟らしい情緒もたっぷり、空想も自由自在。わたしはこの一冊が葉室麟さんの作品では一番好きになりました。

    0
    投稿日: 2019.03.07
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    時は平安中期。枕草子・源氏物語等、王朝文化華やかな時代に存在した“暴れん坊貴公子”・藤原隆家の物語です。 あの有名な「元寇」よりもっと前に、刀伊(女真族)と呼ばれる異国の民が、九州に襲来していたのですね。それを迎え撃つことになる隆家ですが、物語の前半は京での権力争い(隆家は権力に執着はないので、単に権力者に盾突く感じ)に明け暮れていたのですが、後半太宰府に来た後は「美しいものを守りたい」という心意気がとても清々しく、カッコイイのです。 枕草子に描かれているエピソード(くらげの骨・香炉峰の雪など)が自然に挿入されているのも、趣きがあって雅な気持ちになりました。

    0
    投稿日: 2019.01.17
  • 葉室小説のイメージが覆った

    葉室小説と言うと、権謀術数やら心理描写が中心と感じていました。 この小説は圧倒的に冒険小説。主人公が少年ジャンプなイメージです。権謀術数的・心理描写なところももちろんありますが。 そもそも、平安時代のお公家様の世界であれば、陰謀とかそういうのが中心なイメージですが、海外若しくは「宮廷外」を描写することで圧倒的な冒険活劇です。また、主人公のキャラが立っているので、当時のイメージをぶった切って突き進んでくれます。 面白かった。映像化しないのでしょうか・・・・・

    0
    投稿日: 2016.12.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大陸の人が日本に攻め込んだという話では元寇が有名。が、それより200年ほど前の平安時代に壱岐・対馬・博多湾に攻め込んだ刀伊という集団がいる。大陸北方にいる女真族がルーツといわれる。その集団を撃退したのが貴族の藤原隆家。名門貴族の出ながら相当暴れ者だったようだ。刀伊というのは昔うっすら聞いたことがあったが、こういう事件だったのかとあらましがわかる。

    0
    投稿日: 2016.11.26
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    以前読んだ沖方さんの"はなとゆめ"がフィックスし、第一部からのめり込む。葉室節炸裂、、ファンタジーかつ武勇伝かつ浪漫譚。面白過ぎる一作♪。

    0
    投稿日: 2016.03.19
  • 晴明も、清少納言も紫式部も登場!

     平安貴族の生活と言えば、飽くなき権力争いと、我々からしてみれば、色ボケとしか思えない様な恋愛ごっこに終始明け暮れていたという印象しかありません。他にやることがないんかい!と突っ込みを入れたくなりますね。世界最古の長編小説と言われる「源氏物語」も面白いんだけど、生活臭というものがなく、何もしなくても食べていける人々はこうなのかなぁと思わなくもありません。  で、もし本当にそんな生活だったとしたら、それに反発する反骨精神旺盛な御仁が、貴族の中にいても、おかしくはないさね、と著者が思ったかどうかは知りませんけれど、限られた資料から、こんな作品を紡ぎ出すとは、作家の創造力とはスゴイもんです。  最初は、どこか夢枕獏の「陰陽師」っぽいなぁと思って読み進めていると、安倍晴明が登場するし、その後も、清少納言、紫式部、そして当然、栄華を極めた藤原道長も登場します。とは言っても、優雅な平安絵巻とは一線を画すアクション絵巻でありました。  でもその中で、ふと目が留まるのが、「この国には敗者を美しく称える雅の心がある。だからこそ、この国を守りたいと思う。この国が滅びれば、雅もまた滅びる。」という一文。権力の争いは醜いが、誰もが美しきモノを求めてやまない心を持っているからこそ、争いは繰り返される、と説きます。な~るほど、それが言いたかったことなんだ。  武士の世界を描く作品が多い葉室麟氏でありますが、平安時代も普通に描くことはしませんね。

    7
    投稿日: 2016.01.20
  • マイナーだけど血統は一流な物語

    藤原隆家といえば、伊周の弟で、没落した摂関家一門のイメージで、しょうもない事件起こした伊周の印象がつきまとう。そういえば、こんなことにも関わっていたんだなと購入しました。当時の権力争いをメインに話が進みます。さらりと読めますし、オススメです。

    1
    投稿日: 2015.12.13
  • 平安オールスター! 代打!安倍晴明、ピッチャー、清少納言。なんのこっちゃ^^;

     平安藤原家全盛期、藤原道長、清少納言、紫式部に安倍晴明まで平安オールスターが登場。しかし主人公はちょっとアウトローな藤原隆家。権力になびかず、外敵(=刀伊)に立ち向かう漢気ヒーローです。  しかしオールスター色がありすぎて、少々中途半端な印象を受けました。400ページ程度で話が完結し、スカッとも読めますが、敵も味方ももっと書き込めば、深みのある大河小説になったのではないかと思います。  イメージ的に夢枕様とか北方様が得意なフィールドに果敢に立ち向かった作者:葉室様が隆家とちょっと被ったかな・・・(言いすぎ?)

    13
    投稿日: 2015.11.05
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    葉室先生がすごいってことを再認識した作品。 正直、刀伊入寇も藤原隆家も、本書で説明を読むまではほとんど記憶になかった。 隆家については「くらげの骨」の下りで「ああ、この人か!」とつながったが、殿上人である彼が外敵を退けることができるなんて、普通は考え付かないのではないだろうか。 だが、葉室先生は、そこを見事な視点で結びつけている。 冒頭で隆家の呟いた「どこかに、強い敵はおらんものかな」という言霊が、彼と共に百鬼夜行を見た乙黒法師が、至る所にちりばめられた伏線が、「刀伊入寇」に収束していく。 謎でしかなった藤原隆家が奮闘した理由、「雅の解し方」も、頷かずにはいられないものだった。 本当に、葉室先生、すごい。

    0
    投稿日: 2015.10.14
  • 現代にも通じる国難とそれに対処した人々のお話です。

    平安時代隆盛を極めた藤原道長という人については、学生時代、日本史の時間に学んだ記憶がありますが、その甥、藤原隆家という人については全く聞いたことがありませんでした。国難の時、この国を救ったのは実は 国の政治のトップにいた藤原道長、頼道親子ではなく、確執のあった甥の 隆家だったのです。女真族である刀伊との合戦の様子の臨場感は素晴らしい描写で迫力があり、葉室麟さんの筆力と懐の深さを感じます。最初から最後まで堪能しました。

    3
    投稿日: 2015.06.30
  • いい意味で常識を覆された一冊でした。

    日本の歴史小説のテーマといったら戦国、幕末物が圧倒的な出版数だと思います。私も迷ったら戦国物か幕末物を手にとって読みます。ところがこちらは平安物。平安時代といたらイメージするのが貴族達が和歌を吟じながら酒を飲んで毎日酒宴に興じているというイメージでした。ところがコレを読むとそんなイメージも覆されます。華やかな裏に展開される陰謀や権力闘争。外敵が迫る脅威。いい意味で平安時代のイメージを覆されました。歴史を掘り起こしていくとこの国の歴史の中には戦国、幕末だけでなくもっと面白い物語が隠されているのではないか?と。こういう歴史物がどんどん発表されるといいですね。

    3
    投稿日: 2015.05.21
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    藤原隆家といえば枕草子の海月の骨くらいしか記憶になかったのだけど。その隆家の雅な京での暮らしと大宰府での刀伊との死闘のギャップが埋まった。 前半、枕草子で読んでいろんなエピソードが一つにつながってもう一度読んでみたくなる。 刀伊入寇にこんな物語があったと思えば隆家の戦いぶりもいっそう華やかに。

    0
    投稿日: 2015.03.19
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    一条天皇の周りの出来事を、藤原隆家というレアな人物の目線から書いていて、斬新。渤海族などもからみ、平安時代の政治と外交が見ることができた。清少納言視点から見たこの時期の作品はあるけれども、その多くが定子が亡くなると同時に終わってしまう。なので、それ以降の平安時代の流れがわかっておもしろかった。

    0
    投稿日: 2015.02.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    出版時の帯が「戦う光源氏」だったんだとか。ヒドい煽り文句だなぁと、これは余談。 安部晴明が出てきて、正体不明の武器を使う集団が出てきて、「俺はもっと強い敵と戦いたい」という主人公が出てきたら・・・夢枕獏の小説と勘違いしてしまうやん。まぁ濡れ場は昭和のジュブナイルなみにサラっとしてるけど。 実は俺、平安貴族文化、特に道長・頼通時代の円熟したあたりが肌に合わない。藤原道長、紫式部が狂言回しってのも嬉しいなぁ。「この世をばわが世とぞ思ふ望月の・・・」って歌が大嫌いで、源氏物語もなんだかピロートークの寄せ集めみたいで好きになれない俺には、この2つをネタにしてくれたものオモロかった。 前半は葉室麟の伝奇小説、後半は葉室麟の水軍合戦小説。どっちも異色で魅力的だけど、2部に分けてしまったことで少々ボリューム不足で食い足りなさを覚えたのも事実。それぞれで1冊ずつでも良かったんじゃないかなぁ。

    0
    投稿日: 2015.02.02
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    貴族が躍る平安な時代の外敵入寇。いったいどんな出来事で、当時の人々は何を想い、どう動いたんだろう。昔から謎だった事件を描いてはくれてるけど、やっぱりわからん平安時代。

    0
    投稿日: 2014.12.06
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    刀伊の入寇と言う割と地味な題材を選んだな、と思ったら話のメインは道長、伊周、隆家、花山院の宮廷劇だった。翁麻呂は出ないけど、枕草子嫌いじゃない人には、登場人物に入りやすいと思う。刀伊が花山院に仕えている設定は少し苦しいと思う。

    0
    投稿日: 2014.08.08
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    ピックアップされることはたぶん珍しい、藤原隆家が、道長との政権争いを繰り広げながら、最終的には外敵襲来に立ち向かう……というテーマは面白いのですが。なんか文章が読みにくい……そして中弛む……(汗) 清少納言と紫式部の対比とかは面白かったのですが、むむぅ。

    0
    投稿日: 2014.08.07
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    雅という一言に尽きる。 平安中期、叔父である藤原道長と政争し九州大宰守として外敵と戦った藤原隆家を描いている。登場人物は安倍晴明、清少納言、紫式部などもおり、前半は朝廷の政争が、後半は外敵との戦いが展開される。 平安時代なのに戦記?と思って読んでみたが、予想以上に雅だった。

    0
    投稿日: 2014.06.12
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    藤原道長と伊周・隆家兄弟の確執、花山院の出家後の展開。清少納言や紫式部もでてきて、高校の教科書に載っているような内容もうまくとりこみつつ進んでいく。 これまで隆家のことは扇の話しか知らなかったので、そのキャラクターや国外から進入してくる女真族との戦いから、想像力がふくらんで非常に面白かった! どこまでが真実でどの要素がファンタジーなんだろう。いつも気になる。 もっと歴史的事実に詳しければさらに面白かったかも。

    0
    投稿日: 2014.06.08
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    藤原氏全盛の時代、小型版元寇とも言える刀伊の入寇とそれを阻止した藤原隆家を描いた歴史小説。 こんな事件があったことを知りませんでした。さほど有名で無く、これまで物語の舞台されることの少ない史実を中心に据えた一方、多くの著名人、例えば「この世をば 我が世とぞ思う 望月の 欠けたる事の なしと思えば」の藤原道長が政敵として、安倍晴明、清少納言、紫式部などが顔を出します。その辺りの設定は面白いと思います。また2部構成になっていて、第一部が伝奇小説風で、それが第二部の史実ベースの歴史小説に変わって行く構成も面白いと思います。 エンタテインメントとして面白い。しかし、読みながらこの小説はどんな評価を受けているのか気になっていました。解説の縄田さんの評価は高く、Amazonの評価も良いのです。でも、私にはそれほど良いとは思えませんでした。 何か粗さの様なものを感じるのです。人物造形がやや薄いせいかもしれません。ストーリ的な小さな綻びもあります。何か書き急いでいる気がします。十分に練っているという感じがしないのです。 葉室さんにはジックリと書き込んで欲しいと思うのです。

    0
    投稿日: 2014.05.28
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    今まで、またっく意識していなかった歴史上の人物を主人公として登場してるのが、新鮮だった。権力を掌握しても、不安にさいなまれる、権力の座に到達しなかった者の視点などの切り口で物語は構成されているが、いざ戦となると、普段軍事訓練もしていない農民がかり出されているところも注目したい。

    0
    投稿日: 2014.05.25
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    謎めいた平安朝の闇を背景に、艶めいた“ファンタジー”のように展開し、後年への因縁が説き起こされる「伝奇」という趣の前半に対し、後半はこれまでの“時代モノ”で余り描かれたことがない平安時代の戦い、国内の作法が通じない、或いは無用な敵との遭遇が描かれる、何か「男っぽい」物語である…一騎当千の武者達を鼓舞し、彼らの上に立ちながら、先頭に出て自ら弓や太刀を手に戦う場面も在る藤原隆家が凛々しいのだが、或る意味で「卓越した指導者?」を問うような風も在る… 「学校の授業」で漫然と名前を聞いているような人達が、喜怒哀楽の表情を持つ「時代モノの劇中人物」として、「伝奇」的な劇中世界で活き活きと動き回っていることに新鮮さを感じながら、遥かな昔に藤原隆家や九州の武士達が「護ろうとしたもの」を考えさせられる後半に入っていく…非常に愉しい!!

    0
    投稿日: 2014.05.11
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    「藤原隆家の闘い」「戦う光源氏」とはちょっと違ったという印象。一つの時代を生き抜いた、“普通”とはちょっと違う男の芯のある生き方を見せてもらった感じ。

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    投稿日: 2014.04.29
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    全1巻。 元寇の前、平安時代にあった外国からの襲撃と、それに立ち向かった藤原隆家の話。 この事件自体知らなかったし、 脇を固める登場人物が、藤原道長、清少納言、紫式部、安倍晴明とてんこ盛りということでワクワクしながら読んでみる。 が。 大物たくさん使った話にありがちの、 みんなちょい役じゃん!な感じでがっかり。 話自体も大物達を無理矢理絡めようとしたためか とりとめのない印象で、 最後までさらーと通り過ぎていった感じ。 前半の伝奇っぽい物語を後半史実にまとめていく構成は 著者の新しい可能性を見せてもらって楽しみだけど、 それだけ。 この設定はもっと面白くできそうだったのに残念。

    0
    投稿日: 2014.04.09