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総合評価

656件)
3.8
173
193
187
41
8
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    序盤は美しい表現の数々に溺れてしまい、読み進めるのに時間がかかった。 それに慣れてきた頃には、先の展開が気になり読む手が止まらず。 いったいこの人たちは何に囚われてるのか、何を恐れているのか、なぜ踏み出さないのか。 本から手を離している瞬間でさえも、頭の中では無窮堂の灯りを探していた。読み始めてからずっと、この世界から抜け出せずにいる。 続きを捲るために早足で帰宅し、早々に寝る準備を済ませる。それほど心奪われていた。 読後、私はまだ黒い木々に覆われた旧家の灯りを門前から眺めている。 またすぐに読み返す。

    0
    投稿日: 2026.02.08
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    三浦しをんさんのデビュー作、「格闘する君に〇」に続く二作目の「月魚」を読んだ。 この作品が若いからというわけでもないだろうし、決めつけるのも失礼だ。こみいったストーリーでもなく楽しんで読める。 感情描写も、風景描写の瑞々しさも新鮮でとても美しい、何度読み返してもいいような気がする。後味もいい。 これも持ち味の一つかもしれない。 一度読んで好きになっていたので。「2021カドフェス」で再読。 「無窮堂」の若い店主、本田真志喜24歳、祖父から受け継いだ店を守っているが、本来の本好きで不満もない。少し色素の薄い(白皙の)美青年。 祖父の本田翁は古書の業界で力があり尊敬もされている。 店を持たず、仕入れた古書をセリに出して利ザヤを稼ぐ「せどりや」でやくざまがいの父親を持つ瀬名垣太一25歳。上背もあり多少荒い気性もある偉丈夫。見立ても天才的な古書屋。 やくざだが父親は目端がきいて才能があるのを翁は見抜いて可愛がり、太一も子供の頃から真志喜の遊び相手で一緒に育つ。 だが瀬名垣は二人で遊んでいるとき「無窮堂」の捨てようとした本の中から、日本に一冊しか残っていないという稀覯本を見つける。 これで父は「せどり」から抜けられる。 だが父は恩ある「無窮堂」の物だと頑として受けとらなかった。その目を持ったことを喜べと言った。 振り向くと真志喜の父の姿がなかった。 その時から真志喜の父親を追い出したという瀬名垣の罪の意識が重く背中にとりついた。 真志喜は屈託がなく瀬名垣が来るのを待っていた。そして瀬名垣と真志喜は古書好きというほかは全く違っていたが、それがなぜか微妙な禁忌の雰囲気を纏って大人になった。 山奥の素封家の主人が無くなり残った書籍を処分したいという。瀬名垣は真志喜とともに出かけて行った。土蔵の二階は専門書の書棚があったが、先妻の子供は売らずに図書館に寄付するのを望んでいた。だが若い後妻は頑として譲らず、瀬名垣たちは整理にかかった。そこにもめ事の折衷案として町からもう一軒の古書店を呼んだ。それは行方不明だった真志喜の父親だった。やはり「黄塵庵」という古書店を開いていた。 しかし出会った二人はもうすっかり他人だとお互いに実感した。 長い道のりをポンコツのトラックはあえぎあえぎ帰ってきた。 買い付けの旅から1か月後 瀬名垣が来た。 店を持つという、「開店祝いにあのトラックをやる」「いらん」 稀覯本「獄記」を見つけ出した時から世間に出ることを拒んできた瀬名垣は、店をもって人と交わろうと思った。 あの夏の日から真志喜は瀬名垣の傍にずっといたのだから。 甘い甘い、が、めでたい快い締めだ。うっすらと官能的。古書の流通の様もうっすらと。

    3
    投稿日: 2026.02.06
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    描写が繊細でとても好きな文章でした。三浦しをんさんの本を読んだのは初めてだったので、他の作品も興味があります。内容としては、正直なところそこまで刺さらなかったです。裏表紙の「夏に起きた事件によって2人の関係は大きく変わっていく」というのに惹かれて読みましたが、正直期待したほとではなかったです。

    0
    投稿日: 2026.01.25
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    いつも飄々としている、どこか掴みどころのない人間の本音というのは心が沸き立ちますね。 文庫書き下ろし「名前のないもの」には喰らわされました。登場人物の解像度が一層高まりニヤニヤして読み終えました。

    0
    投稿日: 2026.01.09
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    古書を中心に人間関係が組み込まれている。 新しい感覚だった。才能の有無、伝統、罪…… 繊細な文章で丁寧に描かれている。 ブロマンスになるのか? 古書という乾燥したイメージものに比例して 水のテーマもあり面白い。 個人的には、短編「水に沈んだ私の町」の煌めきがより好きかもしれない。

    0
    投稿日: 2026.01.09
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    古書業界に身を置く二人の男性の物語。 情景描写が美しく、特に「水底の魚」のラストの場面が心に残った。

    0
    投稿日: 2026.01.08
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    過去の出来事を瀬名垣と真志喜の双方が触れない 触れてしまったら今の関係性が壊れるんじゃないかという恐怖をもっている。その恐怖は誰もがもちえるんじゃないかと思った。 真志喜の父親、自分の居場所のなさ、やり場のない感情も共感できた。真志喜の迎えに来て欲しかったという言葉は普段の態度とは異なり、子供っぽく印象に残った。

    0
    投稿日: 2026.01.07
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    文章、表現がとても綺麗。繊細な日本語の単語、表現を使いこなしていてすごい。 ストーリーは現代っぽくないところだが、引き込まれる。

    2
    投稿日: 2026.01.04
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    派手なストーリーは無いが日常を語る二人の青年の話。表現の端々が幻想的で、古書を題材とした世界を楽しめる1冊です。

    0
    投稿日: 2025.12.28
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    最初の数ページほどで別世界に誘われるような細かで美しい描写にため息。 私はこれから特別な物語に出会うのだと予感した。 彼らを繋げるものは罪悪感ではなく、きっと... 2人が纏う空気感で物語るというか曖昧に描いているからこそこちらの想像が掻き立てられる。だからこそ、この関係を言葉で表すのはなんだか勿体ない。 夏の匂いを感じる学生時代の話も良い... 感想書けるかなぁ〜と思ってたけど、するする言葉がでてきた。ブロマンスという言葉すら知らなかった私ですが、2人の関係性にとても惹かれた。

    18
    投稿日: 2025.11.25
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    特に後半の2人が学生の頃の話が好きだった。絶対経験してないのになぜか懐かしくなるような夏を描いてる小説大好きすぎる。

    1
    投稿日: 2025.11.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    少しほの暗く不穏な世界観の中で、繊細な心理描写がありとても自分好みな作品だった。情景が浮かぶような綺麗な描写も印象的。 瀬名垣と真志喜の両片思いのような微妙な距離感にドキドキした。「罪」を言い訳に傍にいる共犯のような関係性がもどかしくて... 私の中では古本といえば、ブックオフのようなチェーン店だったので、高額な書籍や資料を目利きすることが新鮮で、古本業界に興味が湧いた。 真志喜と父は、決して分かり合えないところが辛かった。残酷だと思ったのは、瀬名垣が真志喜の父に対して「逃げ出さず負けを認めてもっと勉強する」という選択肢を挙げていたこと。すでに真志喜の父は認められたくて死ぬほど勉強していたが、才能のある者にはその努力に気付かない。それが真志喜家の確執だと思った。それでも真志喜はただ家庭菜園を楽しむような普通の父親を求めていたのが切ない。どちら側の気持ちにも共感できてしまう。

    12
    投稿日: 2025.11.08
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     三浦しをんさんのデビュー第2作(2001年)です。『まほろ駅前』シリーズ(2006〜)以前の初期作品を読むのは初めてでした。古書店が舞台の古書をめぐる若い男2人の物語です。  こ、これはBL? オブラートで包む感じで印象をぼかしてますが…、なんかそんな匂いのする関係性ですよね? BL前夜? 失礼ながら今は立派な「貴腐人」も、デビュー時から「腐女子」の片鱗を見せていた? いや、だとしても本作は無粋なBL作品ではありません。  古書店『無窮堂』3代目店主・本田真志喜(24歳)と、安く仕入れた古本を卸専門で販売し利益を得る「せどり屋」の息子・瀬名垣太一(25歳)。  2人は幼い頃から兄弟のように過ごしてきましたが、本の目利きに関わる一件で関係性が変化してしまいます。タメ口をきく様子は普通の友人のようですが、しをんさんの上手さに引き込まれます。  まずは、なぜこうした状況になっているのか、物語の中で追想のように小出しに描かれ、先が読めない展開で興味深いのが一つ。そして2人の微妙な関係性の描写は、時に淡白さにイライラ、時に妖しい甘美さにゾクっとさせる筆致が魅力的です。さらに、古書の取り扱いを生業とする者の姿勢や矜持も描かれ、本好きにはたまりません。  夜のイメージで、揺れる感情を硬質なタッチで描き、あのエッセイなどで爆笑させてくれるしをんさんと、同一作家とは思えないくらいです。  過去を引きずる2人のわだかまりが、月の光の影のごとく寂しさを醸し出し、情景描写も含めてきれいな文章です。読後静かに心地よさが押し寄せ余韻を残しました。  互いに「放って置けない」感ダダ漏れの絶妙表現は、想像と妄想を喚起する秀作でした。

    93
    投稿日: 2025.11.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    BL、ブロマンス寄りの作品だと聞いて購入。 確かに導入から「細い真志喜の首筋がうっすらと桜色に染まった」などおや?と思わせる描写がいくつか。 古書を愛する2人の物語。2人は過去のある事件から共依存のような関係性になってしまった。過去に囚われる2人が長い年月をかけ、古書を通じて問題に向き合う。 直接的な表現はないがずっと匂わせてくる感じが好き。真志喜の思いが強いのかと思ったら瀬名垣も「所有欲も愛着も、本当はものすごくあることを自覚している。いつまでだって撫でくりまわしてじっくり味わいたいし、だれにも渡すもんかと、いつもいつも思っているんだ」と。 なにより解説のあさのあつこの「月魚によせて」がこの作品の全てをまとめてくれていると思う。これは最後まで読むべき。 「月魚という本に大きな感動や驚きはないがこの作品を読んだ後に思い浮かべる情景は月の夜だろう。 私たちの知らない世界にこんな世界があるのだとそっと教えてくれる。今日もきっと、 無窮堂の灯りが灯っているだろう。」

    1
    投稿日: 2025.11.01
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    共依存関係のBLやブロマンスが好きな方なら刺さると思います。 古書に愛され古書を愛する二人の男の話です。 ある事件をきっかけに、少年時代に罪悪感という糸にがんじがらめにされたまま成長して共依存関係のようになってしまった二人が過去を精算する物語。 この二人の関係は明言されません。二人とも名前を知るのを怖がっている、なのに互いの存在を求め続けている。 そういう感じで進んでいきます。 しかしそういう名前のつけられない関係って素敵だなと思うのです。 ものすごくBL!という感じではありませんが、ずっと匂わせてくるので、絶妙なニュアンスが好きな私にはかなり刺さりました。

    4
    投稿日: 2025.10.18
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    古本屋の主人とその幼なじみのような友人を取り巻く人達の話だった。 古本屋?と思ってこれは読もうと思った一冊。 クールな主人公とどちらかといえば熱くなる友人のやり取りが面白い。 展開は淡々として読み終わったあと少しだけ拍子抜けた感じがした。

    0
    投稿日: 2025.09.13
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    美しい心理描写のおかげで頭の中で映像化しやすい。ただ内容としては、そこまで惹き込まれるものではなかったかな〜

    3
    投稿日: 2025.09.12
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    【作品紹介】 夢を見ることも、野心もすべてあの夏の日に生まれた。 『無窮堂』は古書業界では名の知れた老舗。その三代目に当たる真志喜と「せどり屋」と呼ばれるやくざ者の父を持つ太一は幼い頃から兄弟のように育つ。ある夏の午後に起きた事件が二人の関係を変えてしまう…。

    0
    投稿日: 2025.08.17
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    月魚/三浦しをん 読了 2025.08.06 友達と好きな小説の話をしているとき、月魚を勧められた。三浦しをんは好きだが本作は未読だった。読み始めて早々に、これは好きだ!!と思った。 古書店という生業ではまだ若い二人の根幹には、呪いのような過去がある。離れることは望んでいないが、きっと願っても切り離すことはできないのだ。傷と絆創膏みたいだと思う。完治しているかもしれないが、剥がしたせいで瘡蓋が取れると厄介だ。そのままにしておきつつ、いずれ先に待つ回復へ向かっていくことを祈っている。 二人の関係性、古書への向き合い方、美しい情景描写。夜の空気と月の光。私の大好きな三浦しをんの文。 仄暗さはありつつも、腐っていない。無理やりな明るさはないが、月明かりほどの輝きはある。心地良い質感だった。 この本を読んでいる間に、古書を買った。大切にされていた前の持ち主から譲ってもらった本に触れるたびに、きっとこの月魚を思い出す。月の明かりに照らされて光る、朱と銀の鱗が脳裏に浮かぶ。

    1
    投稿日: 2025.08.06
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    過去の傷が原因で、気持ちをぶつけられない不器用な2人の話。 ブロマンスではなく完全にBL。愛してるくせに目を逸らし、うわべの理由をつけて側にいる/いさせる口実を探す彼ら。 肉体関係を匂わせる描写があるのだけど、「そこまでしてるなら口に出さんかーーーー!!!」とはたきたくなった。 過去の傷ってのもあまりピンとこないというか… 主人公が小さい頃、相方の父親の面目を潰してしまって父親が蒸発。それ以来、相方への贖罪を抱える…という因果。 相方の家系が由緒ある古本屋で、相方の父親は後継だった。相方の父親が処分していいと言った古本の中から幼き主人公が幻の本を見つけてしまい、相方の父親は古本屋としての才能が無いことに絶望して消えた。 父親には、子供置いて何やってんだお前ェ!としか思えず、父親蒸発の業を主人公が背負うのもこじつけを感じてしまって入り込めなかった… だいぶ初期の作品だからかな、まほろや風が強く〜に比べて設定がちょっと無理やりだったかなぁ、、、、、

    1
    投稿日: 2025.08.02
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    著者、三浦 しをんさん(1976~)の作品、ブクログ登録は3冊目。 本作の内容は、BOOKデータベースによると、次のとおり。 ---引用開始 古書店『無窮堂』の若き当主、真志喜とその友人で同じ業界に身を置く瀬名垣。二人は幼い頃から、密かな罪の意識をずっと共有してきたー。瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、幼い二人は兄弟のように育ったのだ。しかし、ある夏の午後起きた事件によって、二人の関係は大きく変っていき…。透明な硝子の文体に包まれた濃密な感情。月光の中で一瞬魅せる、魚の跳躍のようなきらめきを映し出した物語。 ---引用終了

    72
    投稿日: 2025.07.15
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    古書店無窮堂の本田真志喜と瀬名垣太一は幼馴染。真志喜の父の失踪で二人の心に微妙な蟠りが残る(罪悪感)。旧家の蔵書に関する因縁対決が興味深い。

    12
    投稿日: 2025.06.17
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    真志喜と瀬名垣の独特な関係がこの物語を一層輝かせているなと思った。 相手を愛する気持ちと相手を縛る気持ちと、自分自身も同じように相手に思われて引き合っている。 その絶妙な二人の世界が苦しくって気持ちいい。 そんな気持ちがした。

    6
    投稿日: 2025.06.12
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    古書店業界に身を置く仲の良い幼馴染の若者2人だけど過去に因縁があり…みたいな話で、どことなくまほろ駅前シリーズの多田と行天を彷彿とさせる

    0
    投稿日: 2025.06.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    良質なブロマンス読んでみたいな、と話して勧めてもらった本。読んでみて思ったのは、これブロマンス…?普通にBLでは?だったけれど、あまりに美しい文章で描かれていて、成程たしかにこれはロマンス、これがブロマンスか…と。 古書店というあまり馴染みのない世界を舞台が、繊細な情景描写と美しい表現で描かれているので、どこか非日常を感じさせる。けれどその実、物語の根底に人間の複雑な心情となんとも言えない感情が何層にも折り重なっていて、面白かった。 あさのあつこさんによる後書きがまた美しくて、是非とも最後まで読んでほしい本だった。

    3
    投稿日: 2025.05.30
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    『無窮堂』は古書業界では名の知れた老舗。その三代目に当たる真志喜と「せどり屋」と呼ばれるやくざ者の父を持つ太一は幼い頃から兄弟のように育つ。ある夏の午後に起きた事件が二人...

    2
    投稿日: 2025.04.27
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    初めての三浦しをん作品。こんな美しい文体を書く作家さんだったんだ...主人公2人の関係は"罪悪感"によって引き寄せられ、同時に引き離されてもいる。互いがそれぞれの想いを個人で背負って生きていて、それが相手への執着や、防衛本能にもなっている。その罪と2人で向き合えることができたそのあとの、彼らを覗いてみたい気持ちになった。

    1
    投稿日: 2025.03.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    細かい情景描写、現実とリンクするようなファンタジー要素が散りばめられており、全体的に美しい作品だった。 瀬名垣と真志喜の歪な関係、ある日の事件。人間関係や好きなものに対する執着心、自尊心、嫉妬などほとんどの人間が持ち合わせている暗い感情を上手く表現している作品だと感じた。 才能を持った者が凡人の夢を壊す。小さく強大なプライドが人を呪縛する。全ての物事を時が解決するとは限らないということをまざまざと見せつけられた。 ただそれは、決してネガティブな面だけではなく、業を受け入れて前を向き続ける逞しさも教えてくれた気がする。 以下、個人的に気になってしまった点。 瀬名垣と真志喜の関係性が、できるだけ生々しくならないように綺麗に表現されてるとは感じたが、自分自身が男であることや、著者が女性であることも起因し、著者の性癖のようなものが垣間見えてしまい、少し気味が悪かった。

    1
    投稿日: 2025.03.27
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    (2022年10月読了) 昔住んでいた国の日本人会館からもらってきた本を、多分7年?越しに読了。今まで読もうとしては途中でやめていたのが不思議だったくらいスルスル物語を読めた。よかった。 こういう静かな話を読むと、その分深く味わうことができる。 三浦しをんという作家は、好きという言葉を使わずに相手を大切に思う気持ちがいたいほどに伝わる文章を書くのが上手い作家だと個人的に思っていたんだけど、やっぱり間違っていなかったな。

    1
    投稿日: 2025.03.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    古書店や古書の仲買を商いとする人たちのお話。 小説ばかり読んでいるので、専門書や風俗の書籍に触れない僕には分からないのですが、価値ある本がこの世にはたくさんあって古書を扱う人たちにはある意味で使命感があり本を守ってくれているんだなと感じました。

    2
    投稿日: 2025.03.22
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    本への愛情溢れる、迸る、そんな素敵な文学作品でした。ずっとこの作品の世界に浸り続けていたい。三浦しをんさんの作品、きっと全部大好きになるんだろな。

    2
    投稿日: 2025.03.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これは愛の話なのか罪の話なのか。 友情とはまた違う主人公2人の、子どもの頃に起きた大きな問題を軸に、しかし涙したりハラハラするような劇的な描かれ方はされておらず、美しい描写でその情景が思い浮かぶような淡々と進む物語に惹き込まれていった。 これは2人が互いを思いやる愛の話のような、それぞれが自分と向き合う罪の話のような。 親子の葛藤に見せかけた、自分との闘いのような。 水の底の話を読んで、もしかしてこれまで読んでいたものは、先生が書いた2人の未来なのでは?と思ったり(笑) いやきっと先生はもっと暗い話を書くかな。 とにかく余韻がすごい。

    2
    投稿日: 2025.01.23
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    これはBL小説? 他に読んだことがないので比較出来ないけどとにかく描写が美しい。情景が目に浮かぶ。 古書店のことBLのこと、全く知らない世界だけど余韻が残る本だった。

    9
    投稿日: 2025.01.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    瀬名垣と真志喜の2人の関係性がもどかしい。過去に囚われ罪の意識で前に進めず、お互いがんじがらめになっている2人の絶妙な距離感が堪らない。古書店の様子も普段馴染みが無いので読んでいて面白かった。 水に沈んだ私の村で皆が学校の屋上で花火を見ている場面が好きだった。

    1
    投稿日: 2025.01.04
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    情景が浮かぶ文章の美しさに虜です。 何度読んでも心の臓を掴まれるような、ぐっと惹き込まれるような。初見のごとく新鮮な読書体験ができる。 古書を扱う職種(せどり)にスポットライトを当てるコアさも素敵。

    2
    投稿日: 2024.12.08
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    頭の中で映像を浮かべながら読みました。 タイトルには月がついてるけど、個人的には小雨の夜みたいなイメージ。 瀬名垣と真志喜の物理的な距離の近さに反して気持ちは近づいたり離れたり、という感じのもどかしさが読んでて面白かったです。 この先も2人はお互いの傷を舐め合いながらひっそり生きて行くのかな、もう少しだけ続きが読みたくなるような作品でした。

    2
    投稿日: 2024.11.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「腐」作品として読んだ感想ですので、苦手な方はご遠慮下さい。 授業中に読んだのですが良すぎて発狂するかと思いました笑笑 気持ち的には、心の叫びが大学の屋根を突破して大気圏まで突き抜けそうでした。 1.2年ぶりに再読したのですがその時より解像度が上がってて己の成長を感じました。 そもそも三浦しをんさんの文体がとても好きなのですが、この小説もその文才を遺憾なく発揮させており、素晴らしい情景描写や人物描写が至る所に散りばめられておりました。 お互い想い合っているのに過去の確執のせいでがんじがらめになって、どうにも身動きが取れない二人の関係性がたまらないです。もどかしい感情と関係性が後半の出来事をきっかけに少しずつほころびていきます。 この作品は、もちろん単なる幼馴染の物語としても読むことができますが、幼馴染を超えた禁断の愛憎の物語として読むと、本当に、妄想が捗ります笑笑 再読すると、改めてこの本の持つ魅力にどっぷり浸かる事ができるので、是非何度も読み返したいと思います。

    3
    投稿日: 2024.10.31
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    2人の関係が妖しくて惹き込まれる。罪悪感と執着が混ぜこぜになったものは愛たりえるのだろうか。設定は重さもあるのにそうとは思えない読み心地。この物語自体が古本のような不思議な感覚だ。 あさのあつこさんのよせがきも素敵でした。

    2
    投稿日: 2024.10.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本を通じて兄弟のように育った二人だったが、ある出来事をきっかけにそれまでの環境や関係性が一変してしまう。その後再びきっかけとなった出来事に向き合うというストーリー。因縁の相手との競り買いのシーンはとても見応えがあり、依頼主の本との思い出も感動した。2話目は時代が遡り学生時代の話だったが、1話目ではあまり掘り下げられなかった幼馴染達との関係が描かれており、後から1話目のストーリーを補完していたのが良かった。

    1
    投稿日: 2024.10.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「匂う」小説として有名な作品だったので手に取りました。 「匂う」とかではなく、直接的な表現を避けた文学的なそちら側の小説という印象を受けました。 まず二人の設定で察しました。 今までそちら側の漫画・小説をいくつか読んできましたが、目を奪われる出会い、お互いへの罪の意識、付かず離れずの関係、これらは確実にそちら側の作品に多用される関係性だと思いますし、確実に我々を誘っています(笑)。 他にも、昔ながらの日本家屋、みすず達理解ある幼馴染、成人男性二人には狭いであろう軽トラ、美しい少年に心奪われる教師、などなど、好きなものが詰め込まれていましたよ、ええ。 あえて言えば、直接的な表現を避けたせいなのか、感情面の描写が少なく、作品が進むにつれた二人の感情の変化などが、読解力が乏しい私にはいまいち伝わってきませんでした。 文庫版を読んだのですが、あさのあつこさんの熱いあとがきが完全にこちら側の意見。素晴らしい語彙力の賞賛の中に答え合わせのような文があって、ほくそ笑みながら読みました。 同作者の『ののはな通信』を以前読んだときにも感じた、「同性同士の微妙な距離感を表現したくて作られた、受け手にとっても登場人物にとってももどかしい気持ちになる作品だな」という印象をこの作品からも受けました。

    3
    投稿日: 2024.10.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    腐女子です。以下は腐女子の戯言です。 なんとも奥ゆかしい純愛小説でした。 あまりリアリティは感じず、キャラクターにしても瀬名垣と真志喜以外はぼんやりとした印象が残るのみです。その分主役ふたりの心情の描写が大変切なく美しい…!透明感のあるどこか幻想的な彼らの世界観。三浦さんは20代半ばくらいでこの物語を書かれたのでしょうから、もう天才としか言いようがありません。バランスが良いし短いのに内容が濃い… 惹かれ合うふたりが抱く激しさであったり、やり取りの軽やかさであったり、ふとした時に垣間見える妖しい関係性。どれもが素敵でした。重要な部分はある程度読者から見えないように書かれているのかなと感じましたが、それが却って想像を掻き立てる要素となり非常に興奮しました。いや、私はもう彼らはそういう関係だと思って(思い込んで)読んでおりましたけれども… 凄く良い…と思ったのは瀬名垣と真志喜、それぞれから相手がどれだけ魅力的に見えているか、という描写の上手さです。くどすぎず良い塩梅でさらりとしているけど、きっちりとポイントが抑えられているので、読み手の私もふ〜んそういうところが好きなんだ…と美点を素直に受け止められるわけですね。 真志喜は瀬名垣の声が好きなのかなと思い、あれこれ妄想して悦に浸っていました。あとは名前で…のくだり、こんなにも良いものを見せていただいて感謝の極みの境地に到達しました。真志喜は色が薄い分赤くなると目立つのでしょうね。 禁断の果実、というエピソードももうねぇ…腐女子やってたら刺さっちゃいます。 何気なく渡そうとしちゃう真志喜の無垢な魔性が眩し過ぎる。その時から瀬名垣は盲目で、しかし真志喜も…ということを過去も絡めつつ現在地点まで書き切って下さってるので、満足感と充実感で今夜は良い夢見れそうです。障子が閉められたところで物語が終わるのもやはり妄想を掻き立てられます。覗き見したい、そんな下劣な欲求しかありませんが、己の浅ましさに少々恥を感じるのはやはり本書が持つ奥ゆかしさの影響でしょうか。 どこか田舎に旅行に行くことがあれば、山々の見える静かな場所で、ゆっくりと時間をかけて再読したいです。とってもよかった〜。

    5
    投稿日: 2024.09.19
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    透き通った話。月が少し雲に隠れるくらいの天気の夜に読みたい話。 好みは分かれそうな話だけど、私は好き。 この好きをうまく言葉に表せないのが残念だけど、気になった人にはぜひ読んでもらいたい。

    0
    投稿日: 2024.09.15
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    静かな夜の中で淡々と進んでいく感じ。決して起承転結がハッキリした物語でも、なにかひどく心を揺さぶるものがある訳でもないけれど惹き付けられる。 最後の「水に沈んだ私の村」!よかった! 高校生のときの彼ら、特に本田にもああいう一面があることを知れて、なんかちょっと見てはいけないものを見たような気持ち なんかこういう話読むと自分の人生までもが一瞬そういったちょっと特別なもののような雰囲気をまとったりする。短いけど密度が高くて、読了後は映画館出たあとの気持ちになれます

    2
    投稿日: 2024.09.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    うわーん苦しい苦しい お互いをお互いの過去で束縛し合ってるというか永遠に解けない罪悪感で雁字搦めにされてるしそれを甘んじて受け入れてる2人が切なすぎ〜泣この先の妄想が捗ってしょうがない。 三浦しをんさんが書くちょっと悪い男の子たちが大好きです。夏祭りのシーンとか最高に良い。本当にこの尊さを表現する語彙力がなくて悔しい。

    1
    投稿日: 2024.07.25
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    展開に劇的な波はないが、描写の一つ一つはまさに三浦しをんの才能全てが存分に発揮されている。 淡く、切なく、時に激情的に、然しその多くを作中の登場人物に直接語らせることなく、読者の心に強く直接訴え掛けるこの感覚、やっぱりこの作家さんは凄い

    1
    投稿日: 2024.07.14
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    罪悪感や離れられない理由から愛に変わることだってあると思いました。本に囲まれている話なのもあってすこしくすんだ、でも透明感のある関係性や世界観が綺麗でした。

    0
    投稿日: 2024.06.17
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    現代なの??けっこう昔??って思うような、独特な舞台設定。 着物を着たふたりが思い浮かぶ。色気漂う本だった。

    0
    投稿日: 2024.05.27
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    本を愛する者は独占欲が強いらしい それが本当なら自分もそういう所があるかもしれない 綺麗な本だと思った ナナオが勧めたから読んだ いい本だった

    2
    投稿日: 2024.04.25
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    『きみはポラリス』で三浦しをんを知り、2冊目に手に取った作品がこちらです。私は男性同士の友人以上の関係性に萌えを感じるいわゆる腐女子なのですが、この作品の瀬名垣と真志喜のつかず離れずな焦ったい関係性にも例に漏れず興奮しながら読んでおりました。特に大きな出来事が起こるわけではないですが、2人の主人公がそれぞれ相手と古本とそして過去の罪と向き合っていく過程が、美しく繊細で、どこか官能的な文章で綴られた物語。大きく2部構成になっていて、後半は主人公2人を側から傍観している第三者の視点で書かれています。物語の山場は前半にあるのですが、この後半がいいんです!瀬名垣の「妬心」とか、真志喜の「熱情(第三者からはそう見えるんだとびっくりした)」とか、直接的ではないものの、相手に対して明らかに友人以上の感情を抱いていることが感じ取れる表現があり、好きな人は好きだと思う。あさのあつこの解説も良いので最後まで読んでほしい!

    2
    投稿日: 2024.04.19
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    BLの匂わせくらいな話が読みたくて探していたらことごとく名前が上がっていて読んだ本。薄いからさらっと読めて、でも確かにその通りで満足感があった。途中の青春が詰まりまくった彼らの過去の話も良かったなあ。 古書店という設定が静かで綺麗で、一層ふたりだけの世界に閉じこめられているかんじがしたし、確かに共依存ではあったけど、あの2人にはずっとこのままお互いを離してやれないままでいて欲しい。 でももっと彼らの話を読みたいなあと思った。

    1
    投稿日: 2024.03.31
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    本をこよなく愛する、本に魅了された、本を取り巻く男たちの物語なのか、美しい青年らの美しいプラトニックなBLなのか…どっちもなんだけど、どちらに神経を研ぎ澄ませは良いのかと言うところでどちらもじれったく結果ぼんやりと終わってしまった。 そんなわけで同時進行ではちょっと勿体無いかなと思いました。 勉強不足で申し訳ないのですが、瀬名垣(せながき)と真志喜(ましき)の物語はこれで終わり? 2人で古本にまつわる謎解きシリーズなどあれば読んでみたいと思う。そんなお話し。 ちなみに月魚…げつぎょと読むそうで、言葉としての意味はないようです。 月と魚は決して同じ場所に共存することはできない…池に映る月くらい危うい関係という比喩的な意味合いであると受け止めました。 今年の7冊目

    12
    投稿日: 2024.03.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2024再読本 . #三浦しをん / #月魚 . . . 【古書の魔力】にとり憑かれた本田家と瀬名垣家の男たちは、家族の絆をも古書で失ってしまう。それでもその世界から永遠に離れられない真志喜と瀬名垣。 そんなふたりの人生の葛藤と、本への愛情を丁寧な描写で描いた作品。 これは古書に真摯に向き合うふたりのお仕事小説でもあり、秘めた情愛を互いに認め合っていく純愛小説でもある。 でもおそらくわたしを含め、多くの読者の印象に強く残るのは【純愛小説】としてだろう。 では、青年同士の純愛、つまりは巷で人気な【the BL小説】という感じかと言われれば…… 確実にそれらとは一線を画しているのが、作者の技量でありバランス力! 父を失う事になった為に瀬名垣が自分と居る事を選び、その事で古書屋としての可能性も狭めていると思っている真志喜は、【古書屋としては罪悪感にかられている。】 方や、【恋慕する相手としては、そんな罪悪感にすら甘く暗い充足感を感じている。】 この【二面性】を絶妙なバランスで描くことで、同人的要素を含みながらも、一部ではやる腐女子文学とは一線を画している。 純文学のような美しい文体で描かれた、切なくも優しい世界観を味わってください

    1
    投稿日: 2024.02.26
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    二人の唯一無二の関係性が尊すぎて、美しすぎて…読了後、ずっとこの世界にいたい、二人を見ていたい、と思わずにはいられなかった。(2023.7.)

    0
    投稿日: 2024.02.11
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    文学的な作品と思う。 まほろ駅前や、舟を編む、木暮荘物語と三浦しをんの作品を読んできたけど、この作品は、描写がとても繊細で、読み手の捉え方で作品への思い入れや、感じ方に、大差が付く。賛否両論と言う言い方が合ってるかは怪しいが、現実的なストーリを好む人は否、微妙な表現や人の心の動きを読み取りたい人は賛と感じるかなと。 自分はどちらかと言うと、否かな。でも、不思議な世界観、不思議な感情を湧き起こしてくれた読み味なところは、とても良かった。

    0
    投稿日: 2024.02.10
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    三浦しをんの『月魚』は、古書業界を舞台にした物語です。 古書店『無窮堂』の若き当主、本田真志喜と、同じ業界に身を置く瀬名垣太一。二人は幼い頃から、密かな罪の意識をずっと共有してきた。瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、幼い二人は兄弟のように育ったのだ。しかし、ある夏の午後起きた事件によって、二人の関係は大きく変っていく…。 この本の主要なテーマは、本と人との絆です。本は、人の心に触れるだけでなく、人と人をつなぐ力があります。真志喜と瀬名垣は、本を通して互いに惹かれ合いましたが、本をめぐる事件によって離ればなれになりました。しかし、本は、彼らの間に残された唯一の繋がりでもありました。本に対する愛情と執着は、彼らの人生に大きな影響を与えました。本書のおすすめポイントは、作者の透明感のある文体と、幻想的な描写です。作者は、古書の魅力や、真志喜と瀬名垣の感情を、繊細で美しい言葉で表現しています。 総評として、この本は、古書業界の裏側や、本に対する様々な思いを描いた作品です。登場人物の感情や背景には、深い謎や秘密が隠されています。読者は、真志喜と瀬名垣の関係の変化や、事件の真相に引き込まれるでしょう。この本は、本に対する情熱や、人との絆を感じたい人におすすめです。

    1
    投稿日: 2024.01.22
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    瀬名垣が真志喜の髪を優しく愛しむように撫でる描写が堪らなく好き。 負い目を感じながらも、瀬名垣を離したくない。 本と同じように瀬名垣にも執着してしまう真志喜も、堪らなく好き。 夏の風景とそれぞれの呼吸を感じる、「生」を感じる物語でした。

    2
    投稿日: 2024.01.20
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    新年初読書は三浦しをんと決めていた。 すごく盛り上がる話ってわけではないのだけど、耽美で揺蕩うようなふたりの関係に夢中になります。すべてを語らずとも匂わせる秘密の関係。 年の差のある夫をなくし、蔵書を売りに出そうとしている妻の一言がぐっときた。愛でした。 たった150Pしかない本編なのに引き込まれました。

    4
    投稿日: 2024.01.05
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    古書をめぐる話であるが、ところどころ真志喜と瀬名垣の不思議な関係性が見えてくる。BL!と後々気付くがそう思って読むと、また違う風に感じるのだろう、

    0
    投稿日: 2023.12.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    何年経っても不動の一位というくらい大好きなお話。この本がなければ今の私はいないと言っても過言ではないほどに影響を受けています。 二人の関係が苦くて、それでいてとびきり甘くて大好きです。よく読むと身体の関係を匂わせる描写があって読み返すたびニヤニヤしてしまいます。 淡々とした文がすっきりとしていて心地よく、それでいて情景が目に浮かぶようです。父親の描写が少し弱いかもしれませんが、全体として甘美で耽美で、それでも後味がどこかすっきりとしている美しい作品です。

    2
    投稿日: 2023.11.13
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    BL好きの中2娘からのオススメで読んでみた。三浦しおんさんの作品、初めて読みだったけれど、なんとも綺麗で情景の浮かぶ文章、心地よく読めた。 BLといえばそうだけれども、真志喜と瀬名垣の惹かれ合う様子が人としてとても微笑ましかった。 古書の世界のことも垣間見ることができて興味深く面白かった。

    2
    投稿日: 2023.11.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人間が人間へ抱く感情や関係性が複雑に丁寧に綺麗に描写されていると感じた。また、登場人物の欠点ともいえるような部分をどこか抱きしめたくなるようなわずかな暖かさをもって表現されており、そうして表現される人間臭さによって、彼らが実際に存在する人間であるかのように感じられる。葛藤や罪悪感、後ろめたさを抱えながらも相手へ抱く、捨てられない愛しさが行動や表情、会話、その全てにあらわれていて登場人物の一挙一動に目が離せなかった。近づきたいのに肝心な部分を曝せず、それでも離れられないぎこちない関係の中にちりばめられる確かな情を感じられる。 葛藤の部分については作品の中である答えが出されているが、関係性についてはこれからどうなっていくのだろうと想像を掻き立てられる幕引きであった。幕引きの描写も静かで耽美でいて綺麗な描写がされていて、読み終わった爽快感と余韻を充分に感じられる作品。

    2
    投稿日: 2023.10.20
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    友達と、最近読んだ本を交換しようと言い合って受け取った2冊目。 主人公たちのぎこちない関係が瑞々しく描かれる。 古書という独特な世界についても垣間見ることができておもしろかった。

    0
    投稿日: 2023.09.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    モヤっとして終わった。真志喜と瀬奈垣の関係性、無窮堂のその後、真志喜と父親。この本は白黒ハッキリつけたい人には向かないと思った。だが、真志喜と瀬奈垣は文字としてお互いがどう思っているかは書かれていなかったが、書かれなかったからこそ伝わる2人の関係の危うさ、言葉にすると崩壊してしまうかもしれない脆弱性があると思った。激しい同性愛の話ではなかったが、ぼんやりとしてなおかつ温かみのある話だった。

    2
    投稿日: 2023.09.16
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    本編と付録2編が入った内容。 古本屋の「無窮堂」の店主、真志喜とその友人の瀬名垣、及び友人夫婦の物語。本編でも付録でもBLの雰囲気が濃厚に出ていてギリギリの表現が更にドキドキ感を増す。何かの事件があって、罪悪感や後悔の元になっているのが、後半に明かされる。真志喜の父親の失踪が意外なところで顕在化する。こちらの古書買取勝負もドキドキしてくる。 値段の勝負は結局どうだったのだろうか? 本に掛ける二人の情熱が凄い。 付録の中では男性教師や友人女性にも好かれる真志喜が描かれる。脅されながらも従う教師が可哀想になる。

    57
    投稿日: 2023.09.01
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    アメリカで働いていたとき図書館の一角に自分の本を自由に交換出来るコーナーがあり、そこでカバーのないこの文庫本を偶然見つけました。日本語の活字に飢えていた私は内容も知らないままワクワクで持ち帰ってすぐに読んでみたんですけど...そしたらまぁ!とても爽やかなBL作品でワオとなった記憶。

    3
    投稿日: 2023.08.29
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    夏読45冊目。 『無窮堂』という老舗古書店を営む真志喜と、古書の卸の仕事をしている瀬名垣には複雑な過去が… 古書店の仕事の奥深さが面白い。 「水に沈んだ私の村」も、先生の気持ちの変化がよかった。

    3
    投稿日: 2023.08.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中学生の頃に出会った本 もう10年も前のことなのに、今も心にずっと残ってる本 いちばんに題名が出てくる本 読み直す前に覚えてたのは、「トマト」と「水滴」の表現が綺麗だったこと、それと、少しえっちな雰囲気があったこと。 読み直してみて、全然ちがったなって思った。 確かにトマトと水滴はきれいだったけど、全然えっちじゃなくて、ただ綺麗だった。 大人になったほうが、綺麗にみえるものもあるんだなって嬉しくなった。 また時間が経ったら読み返したいと思う。

    1
    投稿日: 2023.08.11
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    ある界隈で有名だということで読まないといけなくなったので手に取った。確かにそうだなと思われる。内容はそれほど…

    0
    投稿日: 2023.08.02
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    艶っぽい しっとりした 物語。 絵画を想像させるような描写で 時折出てくる「色鮮やかな描写」がとても素敵だった。 めもっておけばよかったな 古本に魅せられる人たちの想いに触れて、 本に宿る"何か"の力を感じてしまった気がした。 古本、いいよね〜

    0
    投稿日: 2023.07.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    月が浮かぶ夜のように、物語は静かに流れていった。 古書の世界も、古書店「無窮堂」の当主・真志喜と父親の再会も、私にとってはとても興味深かった。 しかしこの作品の一番の魅力は、真志喜と瀬名垣の距離感だと思う。 真志喜と瀬名垣は、互いに罪の意識を背負っていた。 真志喜の父親が出て行ってしまったあの日から、二人の間には負い目と罪悪感が横たわり、確かな思いを告げることができなくなってしまっていた。 しかし彼らの間には、何か特別な甘い空気を感じることもあった。 瀬名垣が真志喜の髪や瞼、唇に触れるとき、真志喜はひどく無防備になる。 心は一定の距離を保っているのに、体に触れることは許している。 その距離感がもどかしく、同時に艶かしくもあり、とても好きだった。 読むのにとても時間がかかってしまったが、じっくりと時間をかけて読めて良かったと思う。

    1
    投稿日: 2023.05.07
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    三浦しをんさんに期待しているものはまさにコレなんです…。と言わんばかりに久々に三浦しをんの著書を拝読し興奮しました。短〜中編小説でしたが、背景の奥行きの深さからシリーズものの一部を読んでいるような感覚に陥りました。

    0
    投稿日: 2023.04.22
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    古書店系の話に興味があったので読んでみました。 話の流れは良いのですが、あえてBL要素を入れなくても成り立つのでは?と思ってしまいました。

    1
    投稿日: 2023.03.20
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    2023/02/18 三浦しをんブーム継続中。ずっと題名が読めない。しんしんとすぎる古書店の日々。ふたりの距離が近いなと思ったらブロマンス小説で紹介されてた。なるほど。後半騒がしいところで読んだから静かなところで読みたい。

    1
    投稿日: 2023.02.18
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    しをんさんの初期の作品なんですね。BL要素があるって事だけど、BL作品を読んだことがないので比較はできないわ。でも、露骨な表現はなく、月明かりの元にぼんやり佇む「無窮堂」、暗闇の中でも存在感のある庭の池、そこに住むであろう主…それらが真志喜と瀬名垣の関係を包み込み、とても引き込まれた。ほんとに表現が素敵な作家さんだ。心に沁み、余韻を楽しめる作品でした。

    0
    投稿日: 2023.02.04
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    直接的な表現はないけれど、おそらく主人公2人は友人関係を超えた関係にあると思う。 それがちょっと思わせぶりに、そして美しく描かれていて、少し幻想的なイメージも持った。 こういうのが苦手な人もいるかもしれないけど、私はすごく好きな作品だった。

    9
    投稿日: 2023.01.29
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    ブロマンス作品と聞いて気になっていた本。 過去の"とある出来事"から距離を測りあぐねる2人の関係性がもどかしくも、垣間見える友人関係を越えた距離感に思わず途中で本を閉じて合掌してしまった。尊い… 「水底の魚」のラスト、月光に照らされた庭の池で跳ねる主の姿を2人で初めて目にするシーンはぜひ映像作品で見たいくらい美しい情景と静寂が詰まっている。 古書業界や古書を巡る人々の話もとても興味深く、 「図書館に入ってしまったら、本は死んでしまう。流通の経路に乗って欲しい人の間を渡り歩ける本を生きている本と呼ぶんだ」という言葉が印象に残った。 個人的には古書店で光る本もあれば図書館で光る本もあると思うので、その通り!とは思わなかったが、『無窮堂』当主、真志喜の仕事に対する矜恃を感じた好きな台詞だ。

    2
    投稿日: 2022.12.20
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    読書が嫌いになる1冊 BL表現があるなら最初から書いておくべきです やたら男にしては美しい美しいと書かれる男キャラが終盤では相方にハグされるシーンがあって鳥肌が立ちました BL小説読みたい気分では無かったので吐きそうでした 男キャラ同士のモノローグも文学少女が妄想したような低い質です まるで不登校が書いた青春小説のようなものです 汚いものを美しいものですと手渡された、詐欺のような小説でした

    0
    投稿日: 2022.10.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み始めてすぐから2人の関係が大好きで、最後進展はあるかなぁと思いつつ、美しい匂わせな終わり方が余韻があって大変良かったです。

    0
    投稿日: 2022.09.03
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    それでも願うことが大切なのだ ——— しかるべき人へと渡るまで本を預かる、 というのはなんかいいですね。 前の持ち主はどんな人だったんだろう? とかときどき考えたりします。 かくありたいと願っても何かに囚われ、 身動き取れなくなっても願う。 願いが叶う叶わないは結果でしかなく、 ただ水底の魚が跳ぶのを見る。 ——— 少しも後悔していないのだから 〝ちょうどいい距離感〟 て少し寂しいですね。

    2
    投稿日: 2022.08.31
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    心の中に、赦されないものがある人間は、実はかなり多いんじゃないか、と読んでいて思った。生活するのに困ることはないが、時折うずき出す古傷のような、そんなものを抱えている人間。どこかで、それを赦されるときがくるのを、ずっと待ち望んでいるんじゃないか。そのために生きているんじゃないか、なんて事も思った。そんな事を、月が照らす明かりぐらいほのかに思わせてくれる作品。

    0
    投稿日: 2022.08.13
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    水の底には秘密がひそむ。秘密を抱え、彼は彼に 会いに行く。あの雑木林の向こう、古書店 「無窮堂」まで。

    0
    投稿日: 2022.08.02
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    作者の作品を何度か読んでみたけれど今回は読み始めてあれっ?と思う作風?でした。 今までに無い小憎たらしい登場人物になんだか艶めかしい場面もあったりと全く別の作者の話しのようでした。個人的には登場人物の高校時代の話が本当にイラッとするムカついてしまいました。 本を読んでいて登場人物をこんなふうに思うのは初めてかもしれないです。

    13
    投稿日: 2022.07.22
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    単純に古書の世界への興味と、2人の関係性のふたつについてのめり込める要素があって個人的にとても好きな1冊だった。 「水に沈んだ私の村」における先生のモブ感のおかげでより瀬名垣と真志喜くんの解像度が高まってよかった。

    0
    投稿日: 2022.07.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・2023年12月25日~27日再読。 ・再読!再読なんだけど、なんか前読んだ時よりヤバく(?)なってて、読んでないうちに勝手に増えてた!?になった。そんなわけないだろ。 ・前読んだ時も、瀬名垣と真志喜の関係、ただならぬものすぎる…… 三浦しをんって結構しっかりめに肉体関係を匂わせる描写するんだな…… って思ってたんだけど、匂わせるとかじゃないじゃんもう。ガッッツリ書いてんじゃん。事の描写がないだけで。すごいな。解説のあさのあつこもサラッと言ってたし。 ・そういう、物理的な距離というか、パーソナルスペースが融解してるにもかかわらず、二人が抱える因縁とか罪悪をなあなあにしながら、「瀬名垣は/真志喜はあの出来事に囚われてる」ってお互い思い続けてるのってさ……… ・今思ったらこれ、原因となる出来事が大きすぎるせいで一緒くたになってるけど、シンプルに幼馴染の両片思いに振り回される人たち(読者含む)の話じゃんか。真志喜パートの「過去に囚われている瀬名垣を開放してやりたい、でもそうしたら自分のもとからは離れていってしまうのではないか」って逡巡してるとこなんか、ふつうに……ラブやん。 ・三浦しをん、好き放題やりすぎだろ。と思いました。 ・私はこういうのが大好きなので、三浦しをんには好き放題したやつもっと書いてほしいと思います。やったね! 初めて読んだときは「ボーイズラブやんうっほいほい」と思っていましたが、なんか、そういう…… コンテンツとしてのラブというより瀬名垣と真志喜っていうふたりの関係の転機の瞬間を見たようだったな。過去を清算してようやく本来の意味で心が通じ合ったように思う。 ・いつかは帰ってきてくれるかも、とずっと待っていた父と偶然に再会して、深く傷つきながらもきちんと対話してる真志喜、よかったな。真志喜が大切にしていた菜園へのつめたい言葉を決定的なものとして、自分自身も瀬名垣も過去から解き放った真志喜の笑み。良き。 ・みすずちゃんと秀朗っていう、高校生時代に知り合いそのまま結婚して幸せに暮らしてる王道の幸せを獲得してる人たちがいることで、瀬名垣と真志喜のいびつな関係が際立っててまたよかった。 ・「水底に沈んだ私の村」もかなりよかったです。ここ最近、親しい仲にあるふたりの人間の関係を第三者が観測するのとか察してしまうっていうシチュエーションにドハマりしてしまったため、宇佐美先生のポジションは非常に……良かったですね。この人には何者にも代えがたいほどの相手がいるんだなと態度で示されるの、たまんらんな。 ・文庫かきおろしもよかったな。夏祭りでイチャイチャしてたね。二次創作みたい(?) ・三浦しをんってやべえなと、思いました。とある機会でエッセイをたくさんいただいたので、年始は三浦しをんのエッセイ、読みます! ↓初読の感想 2021/09/10 読了。 老舗の古書店の若き当主である真志喜くんと、その友人であり同じ古書業界に身を置く瀬名垣くん。瀬名垣くんの父親は「せどり屋」と呼ばれる古書界の嫌われ者だったのだが、真志喜くんのおじいちゃんが才能を見抜き、瀬名垣くんは真志喜くんと小さい頃から仲良くしていたのだった。しかしある夏の日に起きた事件から二人の関係が大きく変わっていった(文庫裏あらすじの概略)…… という内容。 ・真志喜くん、白くて線の細い、私の好きな美青年…… 瀬名垣くんは対称的にカラっとしており豪快でさっぱりした可愛らしい男の子。その二人のデッカイデッカイ感情の話です。こんなんな、私に読ませないでほしいよ(?)  ・感想なのですが、み、三浦しをん!!!?!?って感じです。 ・三浦しをんってこんながっつり男性同士のラブ書くんだ!?ってなった。いや、直接的にそういう描写があるわけではないのですが、行間にガッツリ仕込んでる。 真志喜は着物の袖からのぞく、肉つきの薄い自分の腕を見る。その腕をつかみ、低い声で「ましき」と呼ぶ瀬名垣の声が耳によみがえった。真志喜は一人で赤面し、持っていた本を乱暴に棚に突っ込む。 ・・・ 「昨夜はよくお休みになれました? 部屋が寒かったかしらと気になっていたんです」 「いえ、熱い・・ぐらいでしたよ」 瀬名垣は湯気を顎に当てつつ、澄まして答えた。炬燵の中で、真志喜の強烈な蹴りがスネに入った。声も上げずに突っ伏した瀬名垣に、女は慌てる。…… ・か、""関係""じゃん…… ってなった。真志喜くんと瀬名垣くんは、ある日の出来事からお互いにお互いしかいないと思っており、お互いに罪悪感を持ちつつ、仄暗い執着心を抱いていた。そのままズルズルと引きずり続けていくうちになんだかよくわからない関係になっていたんだろうな…… ・『風が強く吹いている』のときもボーイズの巨大感情に大喜びしたんですが、こっちとはまたベクトルの違うボーイズだったな…… 完全に関係があるな?というのもあるんですが、感情の起伏の差というのかな。題材が題材なだけあって『風が強く吹いている』は疾走感のあるひたすらにまっすぐな感情なんだけど、『月魚』は幼い頃の強烈な出来事がそれぞれの裡で罪悪感や恍惚のようなものとなってこびりつき、それをどうにかしなくてはと思いつつもその甘い束縛に流されてしまう、じっとりとした感情…… って感じ。 ・そんななので、読んでいる私自身も感動して泣くとかはなかったんですが、男同士の甘く官能的な物語を摂取できてとてもうるおいました。 ・正直、長野まゆみよりボーイズラブ的ではあったかもしれない。めちゃくちゃ行間読ませてくるからそう感じちゃってるだけかもしれないけど…… 行間を読むのが大好きなオタクなので、喜んで読みましたとも。 ・長野まゆみはもっと耽美なんだよな、長野まゆみも直接的な描写はしないし匂わせてくるやつだけど、『月魚』のほうがかなりガッツリしてる気がした。 ・でもまあ『ののはな通信』でも性描写あったし三浦しをんはわりとそういうの書くな!? ちょっとわかってきたかもしれないぞ、三浦しをんのことが……

    0
    投稿日: 2022.06.19
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    舟を編むに次いで手に取った三浦しのんさんの作品。辞書の次は古書店の話で興味深く、また派手さはないけど情緒ある素敵な物語でした。

    1
    投稿日: 2022.05.30
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    なんと情景描写の綺麗な物語なのだろう。 何年も前に出会っていたら苦手だと感じたかもしれない。つくづく、好きになる本との出会いもタイミングなのだと思い知らされる。 物語の内容は淡々と静かに進んでいく。 持つもの。持たざるもの。過去の罪。匂わせの関係。17歳の頃の彼等。所有欲と愛着。

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    投稿日: 2022.04.05
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    読む人が読んだら、わかる。といった感じ。 空気感と文章がとても好きでした。 古本の世界で生きる、ふたりの物語。

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    投稿日: 2022.03.31
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    SL 2022.1.19-2022.1.23 三浦しをんさんにしては、ちょっと変わった雰囲気。嫌いじゃないけど、BLより友情のほうが感動できたように思う。

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    投稿日: 2022.02.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    友人にオススメされて初めて読んだ三浦さんの世界観。 冒頭の情景から垣間見える二人を取り巻く深い闇。 罪悪感で繋ぎ止めることを心苦しく思いつつも、それでもそれがあるから共にいられる。そんな二人のすれ違いの葛藤や、胸に根付く傷が、情景描写や所作で丁寧に描かれていて、その描写力に度肝を抜かれた。 お互い完璧に吹っ切れることはできなくとも、二人の関係が大きく変わらずとも、 月に向かって飛躍する魚のように、一歩外に出ることは出来たのかなと思った。 真志喜と瀬名垣の物語を出来ることならもっと見届けたい…。

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    投稿日: 2022.01.22
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    二人の不安定なように見えるけど、心と心が繋がってる、そんな友情に胸が熱くなりました 私もこういう相棒がほしいな

    1
    投稿日: 2022.01.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人には得て不得手があり、努力で覆せない。興味があって、努力し続けられる分野で頑張るしかないと思った。三浦しをんの本は言葉の選び方が秀逸だと思ってたけど、あんまり印象に残っていない。

    0
    投稿日: 2022.01.13
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    若干BL要素のある純文学って感じ。 物語の背景が掴みにくいため読みにくく感じ、なかなか読み終われなかった。 彼らが高校生時代の時の先生がめちゃ不憫だった。

    0
    投稿日: 2022.01.13
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    三浦しおんさんの本には、友情を越えたような絆で結ばれた男の人が描かれたものをよく見る気がする。風が強く吹いているを読み、箱根駅伝を見ながら月魚を読み切り…今年は三浦しおんさんの本で年末から年始まで楽しめた。 駅伝も好き、古書店モノも好きでどちらも良かった。

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    投稿日: 2022.01.03
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    私のなかで三浦しをんさんといえばこれなんですよね… BLということばよりやおいという言葉がまだ主流だった頃、一般小説(世間様の前で堂々と読める)匂わせ小説を探してたどり着いた不純な私の動機とはうらはらに澄んだ湧き水のような透明感のある小説。

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    投稿日: 2021.12.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すぐには全ては変わりはしない、それでも。 抜けない棘、消えない罪。 抜こうとしない棘、消せない罪。 表裏一体。 文章は、読みやすいところと、難しいところ、囁くように静かに、でも抜け出せない力を持った問題提起をしてくる、考えることがたくさんある。 古書店の佇まいに似ている。 二人の男の気持ちが、苦しい、痛い。 離れられないのに、突き放したり、傷つけようとしたり(自分も相手も)でも、それは友情であり、愛情だとわかる。 闇の中で手を握りあうような関係性みたいで、不安だけど、一人じゃない少しの安心感もある。

    1
    投稿日: 2021.12.26
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    美しい文章。どこかひんやりする、透き通った感触。もうちょっと2人の才能やみすずと秀郎の才能とか見てみたい感じがした。

    1
    投稿日: 2021.12.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    二人を繋ぎ止めるのは、愛情か、はたまた罪の意識か。 思っていたよりも執着のようなものが色濃く、初めは驚いた。しかし、読んでいく中で2人の間には互いを想い合う確かな愛情を感じた。仰々しかったり劇的だったりする表現がないにも関わらず、しっとり、ずっしりと重く冷たい世界がのしかかってくる。仄暗い空気はあるものの、終始穏やかな読み心地だった。白く透き通った月光に照らされ、跳ねた魚の鱗が反射する情景に、この物語の雰囲気が全て伝わってくるような感じがした。 個人的に、この二人を先生目線で描いた後日談?のようなものが良かった。

    0
    投稿日: 2021.11.07
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    ふたりの関係と双方を行き来する静かな激情を、徹底的に抑制された表現と文体で丁寧に描き切っている。 ニアとの評判で軽率に手を出したが、むしろこういうのが読みたかったので読後の満足度が尋常じゃない。 貪欲な読者なので、ここまで徹底的に直接描写を避けられると、むしろ深読みに深読みを重ねて一層の官能を感じ取ってしまう…物語とのこういう絶妙な距離感を楽しめるのも、文字で綴られる小説と言う媒体ならでは。

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    投稿日: 2021.10.08
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    2021.9.16読了。 情景描写が美しく、読書欲が満たされた。 古書店の青年2人が主役で、幼い頃の事件のためにお互いにやりきれない思いを抱えながら過ごしている。心情も繊細な表現で描かれていて、耽美な世界観にそわそわした。 最初はやや退屈か?と思いながら読み出したけど、最後にはこの世界観の終わりを寂しくおもった。

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    投稿日: 2021.09.17
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    上手く表現できないが、読み終わると優しく滑らかな文章だったと感じる。 心に響いた人は、この作家さんが私のNo.1!ってなるくらい心を持っていかれるのかも。

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    投稿日: 2021.09.15