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powered by ブクログ図書館に無し。 過去から現在に至るまで、日本人の中国への親近感は下がり続けているらしい。 何となく、感覚でわかる。 中国との付き合い方は、損して得とれ、 中国のためになることをやって、恩を売り接近する。
0投稿日: 2025.11.19
powered by ブクログ歴史的には深いつながりある隣国のこと、すこし学ばなければ、と思って読みました。わが国の社会科学は無意識のうちに西洋仕様になっている(P4)。たしかに、資本主義を排して社会主義をつくる文化大革命も、日中関係の基底にある「歴史理解」も、これまで不勉強なことばかりでした。満州事変も日中戦争も・・・はずかしながら毛沢東さん、周恩来さん、鄧小平さん、、、名前しか。
0投稿日: 2025.05.04
powered by ブクログ現代中国において、「指導部が正しい」という前提以上に踏み込むことがアウトのライン。中国社会は他の官僚制に比べて、「幇」や「単位」や「档案」の徹底によってはるかに社会の末端まで支配の根をおろしている。
0投稿日: 2024.12.23
powered by ブクログ中国社会の構造と毛沢東のカリスマ性の秘密が面白い。 「三国志演義」の思想から毛沢東のリーダーシップを読み解いていく。 「三国志演義」では、皇帝は武力の強い者ではない。 漢の皇祖劉邦は、武の天才項羽を、破るほどの武の達人だが、皇帝になると文民に徹し、文民皇帝として漢帝国400年の礎を作る。 それは武の皇帝となった秦の始皇帝の帝国が15年で滅びたことを反面教師としているのだ。 武で中華を征服したにも関わらず、武の痕跡を消し去って文を表に出すこと。 それこそが「三国志演義」思想の指し示す皇帝の奥義なのだ。 毛沢東が大躍進政策で失敗し、4000万人の餓死者を出した時、人民解放軍のトップで軍のエリートの彭徳懐は、毛沢東排除のクーデタを画策するが、誰も支援しなかった。 人民解放軍は毛沢東を支持したのだ。 何故なのか? 彭徳懐は武を代表する始皇帝であり、魏の曹操に比肩されるからだ。 一方の毛沢東は、文を代表する漢の劉邦であり、蜀の劉備に比肩されるからだ。 中国の皇帝は、優秀な官僚を擁し、皇帝+官僚の政策が過たない限り、正当化される。 その政策が失敗した時、農民は皇帝と時の政権を転覆させることが出来る。 それが易姓革命だ。 中国社会は儒教に裏打ちされた「幇」と言うインフォーマルな組織によって規定されている。 幇はダブルスタンダードを持ち、内には徹底的な利他、外には無法を旨とする。 モデルは蜀の劉備、関羽、張飛の「桃園の義盟」だ。 後にそこに諸葛孔明が加わる。 毛沢東幇に所属していた林彪は、出世するが、毛沢東に忌避され幇を放逐されると身の危険を感じて逃亡を企てる。 しかし、逃亡計画がバレて、燃料不足のままトライデント機で慌てて飛び立ち、途中で墜落して死亡する。 その逃亡計画を毛沢東に告げたのが、林彪の娘だった。 この娘の行動は、毛沢東のカリスマ性を示すとともに、法家の思想(親に対する情よりも、法令を遵守する)の名残を示している。 秦は法家の思想を採用して、法令違反を厳しく罰した。 これは体外的な戦争を、内部に抱え込むことでもある。 つまり、国家の内部が常に戦争状態であったのが秦だったのだ。 その秦が15年の短命で滅びるに至り、漢を樹立した高祖劉邦は、主たる思想として儒教を採用した。 しかし、一方では法家の思想を底流に残した 儒教を主として全面に出し、法家を従として、伏流させたのだ。 儒教+法家のハイブリッド思想によって漢は400年の政治的安定を維持することに成功した。
0投稿日: 2024.04.20
powered by ブクログめちゃくちゃ面白かった。最近、YouTubeで宮台先生の動画を見て、ファンになって図書館でたまたま見つけて読んだのがきっかけだ。中国の歴史や思想を踏まえた対談はすごく考えさせられた。これからの日本の立ち位置や日本人としてどう中国を捉えればいいか理解しやすかった。
0投稿日: 2024.02.20
powered by ブクログ3人の社会学者による中国の長い歴史、そして日本との関係を社会学の理論なども参照しつつ、現実の観察をしっかりと踏まえて、議論を進めていく。 「おどろきの中国」というタイトルで、なんとなく「やっぱ中国って変な国だよね」的な内容をイメージたのだが、純粋に本当に「おどろいた」。 これ1冊で、よくわからなかった中国のすがたがモヤの中から立ち上がってくる感じがあった。
0投稿日: 2023.03.08
powered by ブクログ中国についての入門書。橋爪大三郎先生は何でも知っているのではないかと思った。中国の社会的がどういう仕組みなのか、歴史的な背景から説明される。そして、日本と中国の近代について比較、日中の歴史問題、最後に日本の未来について大変わかりやすく書かれています。
1投稿日: 2022.10.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
中国は西洋より早くに国として成立したので、西洋的国家概念には当てはまらない。 古代から一貫して支配層は文官。 毛沢東は史上もっともラディカルで、利己主義を徹底した(伝統的な儒教すら破壊しようとした)。 そんな毛沢東を中国人が否定しないのは、伝統的な皇帝システム(天と天子というシステム)の形式が無意識的に残っているから。 日本人は日中戦争が「何であるのか」を意味づけられていないので、いくら誤っても中国側は納得できない。 さらに、日本は戦争当事者世代と現在の世代のあいだの連続性を設定できていないので、過去について謝れない。 日本は米中関係の付属物にすぎず、情勢を正しく分析して最善の選択をし続けなければならない。 中国のリーダーは価値基準や人生の目標、仕事の責任、世界観などを自覚的、意識的に構成している。 日本人は大事なことは集団で決め、組織として行動するから、自分の考えや行動を相手に説明できないし、自分でも納得できない。これでは負けてしまう。 台湾の民主化の裏にはCIAが関与していた。 三人目の宮台真司は専門用語が多くて難解。
0投稿日: 2022.04.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
かなり長い間積読状態だったが、やっと読破。 購入してから読むまでの間にかなりの時間を要したが、その分、自分なりの中国理解が進んだこともあり、非常に読み応えがあった。その間は、この本の内容を理解するために必要な時間だったような気もする。また今後色々と学んでから読み返してみたい一冊でした。 実は宮台氏のことを知ったのは最近なんだが、中国関係の書物で彼の名前を見るとは思わなかった。 全体を通して中国の考え方の成り立ちから、国際的地位や日本との関係等々、様々な角度から中国の専門家である橋爪氏にたいして大澤真幸氏、宮台真司氏が疑問を提起し、対談形式で進んでいく。 中国を欧米的な物差しで測れないことなど、言われてみればまさにその通りとしか言いようのないエッセンスが溢れている。ただ文化大革命による過去の文化や慣習の破壊という部分に関しては、それ以前の中国について欧米人が書いた書物等から判断するに、はたしてどうなのだろうか?というのもある。また外交関係において日本が中国やアメリカ双方にとって付き合うと全体的に得をする関係を築くべきというのは大いに賛成であるものの、中国に恩を売ることで自国にもプラスに働くだろうというのは少し期待しすぎのように思える。中国の歴史の中で恩を仇で返してきたような歴史的事象がものすごく多いのではないか。 タイトルにある通り、いろいろと現代的常識では測ることが難しく、また中国人自身が説明をしないこと(その理由も含めて)等についてはまさにそのとおりだと思う。ただ儒教という統一フォーマットでEUに見立てた中国のそれぞれ違う言語をしゃべる上層知識人をまとめたとあるが、なぜ今の中国人は国際ルールをあまり気にしないのだろうか。そのあたりも不思議だ。 P.20 ヨーロッパのものさしで、中国のことが測れるか、という疑問なわけです。 で、そのものさしの中身を見てみると、国家はまず、世俗のものである。教会じゃない。国家は宗教でなくて、政治だけを行う。これはキリスト教文明の伝統のなかで、だんだんそうなってきたんですけど、このものさしは中国を測るのに適当でないんです。(中略)今から二千二百年前、ひょっとすると三千年かもっと前に、中国の骨格が出来あがった。ヨーロポパのものさしでは、理解しにくいものなんです。 P.36 中国の場合は順序が逆で、コムギ文明がうまれるとすぐ、複数の政治的まとまりの対立・抗争が起こった。ちょうどその時期に、諸子百家が生まれている。これは、いろいろな政策的オプションを提供するものだった。統一政権をつくるのなら、この政策的オプションを採用してはどうですか、という提案だった。 秦の始皇帝は、李氏の法家を採って、儒家を斥けた。この政権が短命で失敗したあと、漢は儒家を隠し味にした。唐は、儒教を相対化するため、仏教と道教もとり入れた。宋は、儒教を純化した。このように、ときどきの統一政権は、統治のイデオロギーや政策オプションをどうするか選択できる。(中略)だからこそ、儒教を捨てて三民主義を採用したり、三民主義を捨ててマルクス主義を採用したり、マルクス主義を捨てて改革開放政策を採ったりできる。政治的統一が根本で、政策オプションは選択の対象、という順序は変わっていないでしょ?ここに中国の本質がある。 P.39 ある中国人の留学生がこんなことを教えてくれました。「中国には交通ルールはない。強いて言うと、事故を起こさないというのが交通ルールである」と。これは究極の帰結主義です。 帰結主義とは「終わりよければ、すべてよし」という考え方です。(別名は行為功利主義)帰結主義の反対は規範主義で、これは「帰結はどうあれダメなものはダメ」という立場です。ちなみに規則功利主義と呼ばれる立場もあって、「規範があるのは、そのようにするともっとも良い社会的帰結が得られるからだ」とするものです。中国を旅行して感じるのは、この社会にはどうもダメなものはダメという規範主義的な様相がすごく希薄だということでした。 P.46 法家の「法」は、ぼくらが今日理解しているような意味での「法」や「法律」とはちょっとちがいます。簡単に言うと、法家のやり方の基本は、平等で厳格な信賞必罰の原理です。(中略)これに対して、儒家は、家族や親族の秩序に基づくイデオロギーです。法家は、家族の関係だからといって、これを重視したり、優遇したりしないので、ここに儒家と法家の大きなちがいがある、というのがぼくの理解です。儒家で大事だとされることは、君主への忠誠であり、家族・親族における年長者への服従、とりわけ父への服従ですね。前者が「忠」で、後者が「孝」。両者のうち、より大事なのは孝の方で、もし忠と孝とが矛盾する場合には、孝を優先させるべき、というのが儒家です。法家は、家族・親族をむしろ解体するように作用するのに対して、儒家は、これらをベースにし、強化するように作用する。 P.50 中国の民衆は、矛盾した感情をもっている。いっぽうで、政府は協力であってほしい。協力な政府は多くの税金と、労働の提供を要求する。それは負担だ。でも、税金や労務の提供を惜しんだらどうなるかというと、弱い政府になり、侵略者がやって来て、とんでもない結末を迎える。それよりは現政権のほうがマシではないか。このアンビバレントな心情を、いつも揺れ動いているのが、中国の民衆だと思います。 P.55 「幇」というのは、典型的には三国志の劉備と関羽と張飛に見られるような関係性です。 仲間のためなら、自分のすべてを犠牲にしてもかまわないという猛烈な友情によって結ばれたグループで、互いに兄弟以上の兄弟になり、そこで究極の利他性が発揮される。小室さんによれば、これが中国の社会関係の核になっていて、幇の内と外ですべてが変わってしまう。幇の中では、約束や規範は、もちろん絶対的です。しかし、逆に、幇の外は究極に言えば無法違いになる。 P.76 中国にはこういう意味での神(God)はいない。そのかわり「天」がある。天も永遠不滅なんです。でもなぜ中国は、一神教みたいに時間を超越した普遍思考にならなくて、過去志向になるのか? 天が何をするかというと、政府に統治権を授与する。それだけなのです。そして統治権を授与する手続きが、決まっていない。具体的には混乱期に、戦争に勝ち残ったというわけなんですが、それは結果論だから、その政府が正当かどうか、疑問の予知がある。まぐれじゃないか。そうすると、新しい皇帝の子どもが政権を第第継承していくとして、人民はなぜそれに従わないといならないのか、答えなければならない。(中略) そうすると、天の意思を問題にしなければならない。『孟子』などの考えを要約すると、その実態は農民の総意である。政治がうまくいっていて、農民の支持が調達されている限り、この政権は正当だと証明されたことになる。でも裏返せば、農民が不満をつのらせれば、革命が起こりうる。この繰り返しなんです。 P.87 中国がEUみたいなものだったという点が大事です。春秋戦国時代の、越とか楚とか秦とかは、お互いに異なる民族だと考えたほうがいい。まあフランス、ドイツ、イタリアみたいなものです。 外国人みたいに言葉が通じない人びとばかりのとき、表音文字を使うと、各言語を表記できる。でも音がわかったところで、意味はわからない。中国はこういう戦略をとらずに、絵みたいな文字をつくった。絵は、概念をかたどったものだから、具体的なものなら、言葉がちがっても意味はわかる。抽象的なものだと困るんだけど、具体的なものの組み合わせでなんとか洗わず。そしてこの文字を、それぞれの言語の読み方で読むことにした。(中略) さて漢字というのは絵文字だから、人為的なもの、絵は、活用できないでしょう?だから、中国の動詞は活用があない。時制もない。人称も数もない。完了のようなことを表したければ、漢字を一字つけ加える。・・・ということは、中国語は、漢字を順番に音読していくだけ。 P.117(イスラムのコーランと比べて) 中国は、ここまで強力なテキストをもっていない。まず、経典は漢字で書かれているんだけども、これを読める人と読めない人がいる。そして経典は朗誦されるものではない。たくさんの方言があるので、中国をオーラル言語で統一することができない。 じゃあ、テキストが人びとをどういうふうにとらえるか。経典の意味内容を理解できる知識人と、理解できない庶民がいる。ここで、儀式が大きな役割を演じる。樹ky校の言い方だと「礼」なんですけど、パフォーマンスなんです。(中略)服装とか食事とか言葉づかいとか、年長者を敬ったり、皇帝を敬ったり、その部下である役人を敬ったり、秩序を表現し再生産する儀礼が、中国各地で同じフォーマットで、実行される。これなら文字がわからない人びとでも、わかる。こうやってみんなを、礼の秩序に巻き込むのです。 中国の社会構造の、上は政治秩序、下は家族秩序。政治秩序に巻き込まれない人も、家族秩序に巻き込まれる。 P.129(中国人の同朋意識がなかなか芽生えなかったことについて) 根本から言うと、儒教は民族的ではない。もともと多文化多民族な集団を、共通のフォーマットに従わせるための普遍的な原理原則だった。その下には、言葉も通じないローカルな農民の地域社会がばらばら広がっていてもいい。でも、せめて知識人だけは共通ルールに従いましょう。(中略)第二に、その儒教が想定するものは、天である。(中略)天も、民族的でない。天使である皇帝も、実は、民族的でない。ゆえに、皇帝の臣下である行政官僚は、民族主義的な行動ができない。(中略)第三に、民衆のあいだの連携が弱い。人びとは儒教道徳に従って、自分を大きな血族集団(血縁にもとづくローカル・コミュニティ)のいち員と考えており、そこに属する人びとの福祉を最大の目的に生きている。その集団の外の人びとには、よそ者だとして、冷淡な態度をとる。広い範囲の民衆がまとまろうとしても、砂を炭団にするようで、まとまらない。(中略)その傾向はいまでも根強いですよね。一九九四年に、新宿歌舞伎町で福建幇の男が北京幇の男を殺害した青竜刀殺害事件というのがありました。歌舞伎町では、中国人マフィアが、上海幇、福建幇、北京幇、東北幇と出身地別にわかれて、互いに抗争していたんです。ぼくは当時、そこで売春取材をしていたんだけど、異国の地で警察やヤクザに挟撃されながらも、決して共闘したりしない中国マフィアに、日本のヤクザたちが呆れていたのを覚えています。 P.164 社会の論理というのは、内容面と形式面とをもっていて、内容を抜きにして形式だけが働くということが結構あります。(中略)人口の大半が別に自分はクリスチャンじゃないですよと思っていても、つまり、意識の上では信仰を捨ててるつもりでも、行動様式としてはキリスト教的であるということはしばしば起こります。 中国の皇帝のシステムに関しても、それと同じようなことが言えるように感じます。 P.172 中国の有力者は誰もが、ライバルに打ち勝ってのし上がってきたので、自分がこのポストにあることは正当だと考えなければならない。すると、その正当性を保証してくれる上部の正当性が必要になって、その頂点の正当性は、自分自身が正当性の厳選なっている。その場所では、どんなに無能なリーダーでお有能であることに生る。有能だから正当だ、みたいな。 P.178 元財務官僚の高橋洋一さんがこんなことを行っていました。 「みなさんには盲点がある。現在の財務省には、財政再建路線というものはそんざいしていない。存在するのは、天下り先ポスト増大をもたらす増税路線だけであり、それは財務省の中では完全な常識だ。逆に、なまじっか財政再建を成功させてしまえば、増税がいらなくなって、自分の検疫が拡大しないので、実は財務債権をいろんな手練手管で妨害している。そのことは財務官僚であれば誰もが知っている「と。(中略)「いや、一人ひとりにたずねれば、実はみんなわかっている」。明らかに集合的に不合理だとわかっているし、だから、自分に自身がある連中は早い段階でスピンアウトして別の仕事に行くんだけど、残っている連中はそこにしか居場所がないと思い定めた人たちなので、もはやそれがどんな全体的な不合理をきたすものであっても、仕方ないと腹をくくってるというんですね。 P.204 紅衛兵も、儒教の廟や仏教の寺院や道観を襲撃して、像を壊している。そして、毛沢東の命令で、父親を批判した。父親を批判するのは、儒教の根本原則に反することなので、伝統中国のどんな皇帝も命じたことがない。儒教では、長幼の序が絶対で、親に対する服従(孝)は、政治的リーダーに対する服従(忠)に優先する。ところが、毛沢東はそれを命じた。中国は、伝統的に、官僚機構と家族秩序の二元的な社会だったものが、政治的一元的社会に変化させられてしまった。文化大革命の名にふさわしい、革命的な変化です。 P.223 日本の大陸進出について、ひとつの「大義」は亜細亜主義によって与えられました。ようは、アジア対西洋という対立軸の中で、日本がアジアを守る。(中略)しかし、二十一ヵ条要求(一九一五年)以降になると、亜細亜主義者の多くは、対中政策が自分たちの考えている大義とは違う方向に進んでいるという意識を抱きはじめます。(中略)彼らの長きにわたる内心忸怩たる思いは、日米開戦においてようやく晴らされたんです。日米開戦当時の朝日新聞の第一面に、中野正剛がこんなことを書いています。日本の大陸進出はやっぱり日本の国家エゴのごときものではなかった。まさに渦中の栗を拾うことによって亜細亜を守るという大義に基づくものであることが証明された。 P.240(日清戦争の開始:清国が宗主国として朝鮮の内政干渉していたことに関して) 日本が使った「朝鮮の独立を保全するために軍隊を進める」という論理は、ヨーロッパで生まれた近代的な主権概念にもとづくものですよね。でも考えてみると、東アジアの国際関係は、長らく中国を中心とした「朝貢」という独特のシステムでやってきました。朝貢関係というのは、近代的な主権概念では定義できないものです。 清にしてみると、李氏朝鮮は朝貢国のひとつだったわけです。だkらあ、近代的な主権概念の基準では、朝鮮の主権が侵されていると見える状態も、朝貢の論理では、別にかまわない。 P.267 せっかくの考え抜かれた思想も、継承の段階になると、歴史的自意識の系譜につながらず、〈承認厨〉や〈溜飲厨〉の現在的ツールになりさがってしまいます。(注:威勢のいいことを吠えて承認されたい/溜飲を下げたいといった現在的自意識) P.272 日本陸軍をはじめ、フランス軍をまねしたんです。でもドイツがフランスをやっつけたというので、ドイツ軍を手本にすることにした。 さてドイツのプロイセン軍はナポレオン軍のいいところを大部分とり入れたんだけど、補給について、クラウゼヴィッツの『戦争論』を読むと、こう書いてある。 一、現地で調達してもいいが、代金を支払え。 二、現地で調達する場合、兵士が直接農家を訪れてはならない。その土地の市長と相談して、視聴に必要な物資を集めさせろ。 こういうふうに注意が書いてあるんです。『戦争論』は森鴎外らが訳して(署名は『大戦學理』)、陸軍大学校も教材にして教えていたのに、ここはみんな読まなかったらしい。 P.293 資本主義陣営というか旧西陣営でのもっともラディカルな議論は、一種の資本主義の社会主義家である。これに対して、残っている社会主義国で起きていることは、社会主義という名のもとでの資本主義化である。現在の世界では、そういうねじれ現象が起きているような感じがぼくはしているんです。 P.300 南巡講話より前に、中国に行って中国人学者と交流する機会があったのですが、「市場経済」という言葉を公然と口にできなかった。もし口にすれば、相手に迷惑がかかる。市場経済をテーマとする論文も存在しない。それくらい、神経質な問題だったのです。 南巡講話のあとは、自由に議論ができるようになった。鄧小平が一夜にして、市場経済を国是としてしまった。この瞬間に、資本主義は公認されたんです。 P.302 市場経済になってからは、(中略)いろんな腐敗・汚職が大規模になり、さらに巨大になった。(中略)こんな状態なのに、なぜみんなが文句を言わないかというと、誰の所得もみるみる上昇している。将来の希望がある。しかも、政府に意義を唱える反対派になっても、一円の得にもならない。本人の良心を貫くことは価値ある行為だけれど、そんなことしても、現実に中国社会に受け入れられる可能性はゼロに近い。しかも、当人とその家族ばかりか、親戚や友人もみんな迷惑する。 P.312(小室直樹氏:中国原論から) 「中国は資本主義に適合的なエートスを持っていない。資本主義的な行動様式は一朝一夕には育たない」と言っています。なかでも小室さんが一番重視していたのは、契約概念が中国にはないということでした。契約というものは、西洋の場合には、神との関係が原点にあって、出てきている。つまり、神との契約が人間同士の契約のモデルになっているわけです。しかし、そういう一神教的な観念がそもそも中国にはない。このため、中国では、「契約」という概念が定着しない、というのが小室さんの論の骨子ですね。 P.366〈中国の個々人が日本の個々人より強そうであることに関して) 本人は意識しないかもしれないが、儒教の行動原理。儒教は、個人プレーの集まりなんです。それに対して、日本人の場合はそういう習慣がない。大事なことは集団で決め、組織として行動するから、自分の考えや行動を相手にも説明できないし、自分でも納得できない。これでは、負けてしまう。
0投稿日: 2020.12.11
powered by ブクログ序盤は中国社会、中盤は日本との関係、終盤は将来についてが書かれている。 序盤では、宗教観についてが印象に残った。 儒教が伝統的に強いというのは知っていたが、それが権力者が統治するのに都合が良く、科挙を突破できるようなエリート向けなのに対して、イマイチどういったものか掴めなかった道教が、科挙を突破できなかったような敗者を救うもので、「裏儒教」といっていたのは今後、道教を理解するきっかけになるものと感じた。 中盤の日本との関係では、第二次世界大戦付近の話が中心だった。 例え話も含めて分かりやすかったが、耳が痛い話が多かったので、読むのが辛かった。 納得する話ではあった。
0投稿日: 2020.10.21
powered by ブクログとても面白かった。 ・日本は、アメリカと中国の両方の言い分がわかる国、にならないと生きていけない。 ・文化大革命が中国の儒教の伝統を破壊したことで、後の経済成長を可能にした。 ・毛沢東は天からの信託を受けた皇帝という位置づけを利用した。 といったところが、学ぶべきところか。 そして、橋爪代三郎はすごい。 著作を読んでみることにしよう。
0投稿日: 2020.04.03
powered by ブクログ(「BOOK」データベースより) そもそも「国家」なのか?なぜ日本人の「常識」は彼らに通じないのか?日本を代表する三人の社会学者が対症療法ではない視座を求めて白熱の大討論。
1投稿日: 2019.06.15
powered by ブクログ縺薙?譛ャ縺ッ隱ュ繧薙〒濶ッ縺九▲縺溘?ゆス吶j縺ォ遏・繧峨↑縺?クュ蝗ス縲√∪縺?縺セ縺?逅?ァ」縺ァ縺阪↑縺?′縲√→縺」縺九°繧翫↓縺ェ縺」縺溘→諤昴≧縲よ悽縺ッ蟇セ隲??縺九◆縺。縺ァ縲√?御クュ蝗ス縺ィ縺ッ縺昴b縺昴b菴輔°縲阪?瑚ソ台サ」荳ュ蝗ス縺ィ豈帶イ「譚ア縺ョ隰弱?阪?梧律荳ュ縺ョ豁エ蜿イ蝠城。後r縺ゥ縺???∴繧九°縲阪?御クュ蝗ス縺ョ縺?∪繝サ譌・譛ャ縺ョ縺薙l縺九i縲阪?4驛ィ讒区?縲ゆクュ蝗ス逧?↑繧ゅ?縺ョ蜴溽炊縲∬ソ台サ」蛹悶?驕守ィ九〒菴輔′襍キ縺阪◆縺区律譛ャ縺ィ縺ョ驕輔>縺ッ菴輔°縲∵ュエ蜿イ蝠城。後?菴輔′蝠城。後°縲∽サ雁セ後←縺ョ繧医≧縺ェ髢「菫ゅr豌励▼縺?※縺?¢縺ー繧医>縺九?√′閠?ッ溘&繧後※縺?k縲
0投稿日: 2018.12.11
powered by ブクログp.6 文化大革命の真実 ミネルヴァから出る 県立 市立222ワ p.29 中国は2000年以上前に統一したが、EUは交通の困難があるため、ようやく。 p.37 中国の本質:政治的統一が根本で、政策オプションは選択の対象 p.48 キリスト教がヨーロッパを作り上げたように、儒家が中国をつくった。儒家は政治の安定が何より大事。 p.54 中国原論 小室直樹(県立)、隣りのチャイナ 橋爪大三郎(県立 8F社会科学302.2ハ) p.56 中国では安全保障の優先順位が極めて高い p.73 中国 官僚天国 王輝 9F p.136 中国は多民族・多文化の社会なので、民族の観念に訴えることができず、まず、政治的統一を作り出し、つぎに民族を作り出す。 p.157 権力の予期理論 宮台真司 大学361.43Mi71 p.212 文革のおかげで、短期間の資本主義化がうまくいったと考えられる p.233 鄭成功(母親は日本人) 国性爺合戦で描かれているが、台湾を拠点に清と戦った。 p.241 王輝 世界史のなかの中国 県立 チベット問題は、ヨーロッパ側と中国側の認知地図のちがい。 p.245 日清戦争と日露戦争は、おおむね列強の同意のもと p.249 日中戦争は奇妙。陸軍の仮想敵国はソ連で、中国の好意的中立を確保するのが目的であったはず。 p.282 中国戦線に行くことは市民の義務であって、恥ずべきことではないが、中国国土での犯罪は避難されてもしかたがない。 p.284 天皇の戦争責任 加藤ほか 県立 p.323 マグレガー 中国共産党 8F社会科学315.2マ p.338 アメリカを筆頭とするキリスト教文明圏側にくっついて行くというのが、あるべき日本の基本戦略となる p.340 日本の選択いかんで、日米関係や日中関係がどうこうできると思わないほうがいい。アメリカと中国の関係できまる p.364 こんなに困った北朝鮮 p.366 儒教の行動原理は他者に対する説明責任もあり、リーダー同士では日本人は中国人にまける。中国人は個人で決めるが、日本人は集団で決める。中国という文明の伝統を知ってリスペクトすべき p.370 中国は東京裁判を日中関係の基本としている。A級戦犯が靖国神社に合祀されているからこだわらざるを得ない。 p.371 日本が中国が困っていることを代弁したり、アイデアを出すのもいい。 p.376 中国研究所をつくることも日本からのいいサインとなる。アカデミックなものは中国的文脈からはポリティカル。
0投稿日: 2018.11.14
powered by ブクログ非常に興味深く読んだ.今年読んだ新書では一番面白かったかな.とても冷静な議論で中国を論じている.「そもそも国家なのか?」という問いの立て方は秀逸.自分なりの考えを持って読むことを薦める.
0投稿日: 2018.10.09
powered by ブクログ思想が都合よく政治利用されてデタラメ化していくというアジア主義の挫折をどう考えるか?実証主義的歴史学者の問題は、細かな事実確認のみにこだわり、歴史を理論化・概念化できない点なのだが、そこを補えるのは社会学者なのか?「知恵の系譜」構築に向けて、歴史学の社会科学化の必要性を痛感した。
0投稿日: 2018.08.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2013年刊。著者橋爪は東京工業大学教授、同大澤は元京都大学教授、同宮台は首都大学東京教授(何れも社会学)。 タイトルどおり、中国(特に現代中国の政治・社会)について、史的・宗教的側面を踏まえつつ解読しようとする対談集。 ただし橋爪ゼミに、一過言持つ些か喧しい2人の生徒が闖入した印象もある。 何より橋爪氏につき、中国史と多様な事実を踏まえた中国の政治・文化・社会構造に関する博学に驚嘆する(思わず著者の中国関連の単著を読みたい本登録するほど)。 気になる点。 ➀ 漢字は、EU的統合体に過ぎない中国の非オーラル共通語。 ➁ 君主世襲制は政治的安定を保つ装置、官僚の科挙選抜方式は能力優先による政治の能率化というハイブリッド。 ➂ 天命が皇帝の正当性の淵源で、農民の完全な離反が天命消失を意味する無意識・無名の規範に従属。中共もその例に漏れない高い蓋然性。経済成長が止まる等により農民離反が進むと…。 ➃ 確定序列の上位者による正当性チェック機構。 ➄ オーラル言語では非統一の中国の根本経典は儀式(儒教の「礼」)。 ➅ 皇帝という枠組みを解放した辛亥革命と孫文の三民主義、また資本主義導入の障害であった様々な社会規範を解放した文化大革命という画期。 等々、他にも多数存在する。 その上で若干の疑問点を備忘録として。 ➀ 「侵略」等に顕著だが、具体的な政治・経済・社会の事象に関する事実を多数集積することで、物事を解明しようとする姿勢は強くない。 ➁ 現代を除き経済に関する議論が殆どない点と、経済関連事実が占める意味が社会システムと文化よりも軽視されている(ただし橋爪氏だけは、中国の史的な意味での経済関連事実の造詣の深さを窺わせる部分はある)。権力とその機構だけを論じ、その具体的現れたる租税システムの言及が殆どない点に如実に露呈している。 ➂ 叙述だけからの印象。 という意味で、宮台氏の関心領域と中国の内実分析が噛み合っているのかに大きな疑問を感じてしまった。 実際、橋爪氏への質問の大半を大澤氏が担い、宮台氏は社会哲学・政治哲学に関する西欧での議論を紹介しつつ、橋爪氏の議論を補足する役割が相当程度を占めている。 このように、本書の宮台氏の発言内容から見るに、彼の関心が日本、あるいは現代日本において最も関係性の深いアメリカにあり、中国への関心はそれらへの反射的・間接的関心に止まるように見える。 逆に言うと大澤氏の関心の広範さ、事前準備の豊饒さの表れかもしれないが。 ともあれ、自らの認識と理解のレベルの低さを存分に味わうことができた。 換言すれば、まさに知的刺激を受けるというのは、こういう書を読破した時に感じ取れるものであって、有益であった。 あと、南京事件に関して、虐殺云々も勿論だが、その背後に隠れている強盗・強姦・放火・殺人未遂や傷害といった多数の被害全体を象徴したものであり、そういう中国人の認識を軽視することの愚を説いている。この点は、先に読破した「軍法務官の日記」や秦郁彦著「従軍慰安婦と戦場の性」からみるに、強姦や強盗事件他が殺人とは別に数多発生していることを考慮すれば、十分納得できる指摘である。
0投稿日: 2018.04.21
powered by ブクログあの愚策である、文化大革命の良い面として、中国の長い歴史に根付いた伝統を無化した功績が大きいとある。それにより、伝統の拘束力が低下してこの後につづく改革開放がいっきに進んだ。今日の中国の資本主義化がスムーズに移行できたのも納得がいくわけである。
0投稿日: 2018.02.11
powered by ブクログこのシリーズはなかなか面白い。 橋爪先生をちょっとよいしょしすぎなような感じはするが。 中国に住んでいたものとしては、納得できるところが多くあったような気がした。 毛沢東に散々な目に合わされても、打倒するわけではないというのは今の北朝鮮に近いものがあるのかなというところ。 しかし、毛沢東はブチギレてる人物だよな。
0投稿日: 2018.01.14
powered by ブクログ中国観が大きく変わったきっかけとなる1冊。もっと勉強せねばと強く思う。 3人の鼎談というスタイルがよかったのか、複雑な課題に対して、複眼でとらえることができる点が本書の良いところ。何か妙な主張ばかりする、すぐパクる、という良いイメージがない国だったが、少し改めて、歴史観とともに共生を目指したい。自国(の首脳部)が結局何も考えられていない、という点が何とも切ない。相当の議論を重ねているのは間違いないが、結果がなぜか、えっという場合が多いのが残念。本書でこれも中国との関連で捉えている点が面白い。
0投稿日: 2017.04.24
powered by ブクログ日中戦争とは奇妙な戦争である。仮想敵国はロシアで、仮想友好国の中国。が、いつのまにか友好国を攻めて、いつのまにか泥沼。誰もその意思決定をしていない。 すると、戦後、何に責任を取ればいいのかわからない。何に謝罪すればいいのかが、誰もわからない。だから終わらない。
0投稿日: 2017.03.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
■読んだきっかけ ・中国出張するにあたり、行く土地の歴史・地理・文化・国民性を知っておきたかったから。 ・ニュースや人の話で聞く、中国の悪いイメージ(自己中心的・反日)は、あくまで日本側の視点なので、中国側の視点も知りたかった。 ■本の内容 ・社会学者3人による、「中国」についての鼎談であり、どちらかと言うと親中で中国に詳しい橋爪氏が、他二人の疑問点(以下のようなこと)に答えていくかたち。 ・中国のような大きな帝国が、二千二百年も前(秦の時代)にできたのは、どうしてなのか。いかにして、帝国としての統一性を実現し、維持することができたのか。 ・中国人=アグレッシブで自己中心的なため、統一国家に不向きでは? ■印象に残った主張 中国の車の運転の激しさについての以下の意見は、中国に行って深く納得できた。 「中国には交通ルールはない。強いて言うと、事故を起こさないというのが交通ルール」 ルールがないと見える一方で、彼ら相互の、行動の予測可能性はきわめて高い(究極の帰結主義による秩序)。 ■感じたこと (1)疑問設定の重要性 ・中国に関する、社会学者たちの鋭い疑問の数々を読み、何となく納得してしまいそうなことでも、良く考えたら不思議なことは深く追求する、ということが大事なんだと感じた。 (2)知識の不足を知る ・近代中国についての章を読み、自分が毛沢東の時代についてあまり知らないことに気付かされた。今の中国を知るためにも、他の本を読んで知識を補強したい。
1投稿日: 2016.10.01
powered by ブクログ3人の社会学者が、中国とは何か、近代中国と毛沢東、日中歴史問題、中国と日本のこれからの4テーマを語り合う。興味深い切り口をテーマとしているので、中国の入門書としてよい。 古代に鉄が登場すると、農業の生産力が向上し、農民が武装して対抗できるようになったため、貴族が没落して春秋戦国時代になった(マクニール「戦争の世界史」)。春秋戦国時代には、諸子百家が生まれて様々な政策的選択肢を提供した。秦は法家を採って儒家を退けたが短命で終わった。漢は儒家を採って法家を隠し味にした。唐は儒教を相対化するために仏教と道教も採り入れた。宋は儒教に純化した。法家には、税金を払わなければ罰するという論理しかない。儒家は、税金を払うことが道徳的で人間らしいことだという哲学や道徳を備えている。儒家は、ローカルな血縁集団から政府の官僚機構によじ登るパイプを用意しており、能力のある者は政府に加わることができる。儒教のテキストである四書五経(十三経)は、昔の政治家である聖人の記録。中国には統治権を授与する天があるだけで、過去の正統な政権に類似していることを示す必要があるため、過去志向になる。 イスラムにはコーラン、インドにはヴェーダ聖典、中国には経典(四書五経)があり、思想や行動規範が書かれているため、近代化に時間がかかる。日本にはそのようなテキストがないため、西欧の制度を受け入れるのに抵抗が少なかった。 満州事変の際、アメリカの中国に対する政策は門戸開放だった。満州の鉄道事業を共同で行おうという鉄道王ハリマンの提案を、日本の陸軍が反対したことが門戸開放政策に対する拒否回答と受け取られ、日米戦争の遠因になった。日華事変は偶発的に起こったものだったが、日本政府は中国からの満州国への抗日分子の侵入を防ぐための華北分離工作として位置づけた。その直前の国共合作によって構築されていた抗日戦線は、上海に駐屯する日本海軍を攻撃したため、日本は大軍を送って上海を占領した。日本軍は、敗走する中国軍を追って首都南京をはじめとした各都市を制圧し、侵攻は中国全土に及んだため、内外への申し開きのために近衛内閣が持ち出したのが「東亜新秩序の建設」だった。
0投稿日: 2016.01.26隣国を理解することは自分達の理解を深めることでもある
そもそも中国とは何か?から始まり、 日中のリーダー感の違い、毛沢東は皇帝か、 日中の歴史問題など、3人の社会学者が 中国について様々な切り口で鼎談する というスタイルである。 中国人の目線で日本はどのように見えるか という切り口は新鮮で興味深い。 日本の常識は中国では通用しない。 隣国への理解を深めるだけではなく、 相手の考え方や立場を知るという 相互理解の基本を改めて認識させられる。
0投稿日: 2015.09.06
powered by ブクログ著名な社会学者達の対談だけあって視点が多岐に渡っていて面白い。 人類史の中で、他の文明とか他の文化の真似や影響なしで独自に文字をつくったところは4つしかない。メソポタミア、エジプト、マヤ、中国。 頭の中が漢字でフォーマットされた中国人が日本を理解することは難しいという指摘は興味深い。 また一方で、日本には行動規範となるテキストが存在しない。イスラムのコーラン、インドのヴェーダ聖典、中国の経典。特に戦後の日本は何をよりどころにしてきたかといえば米国であろう。パックス・アメリカーナの中で平和を享受してきたわけだ。 経済の視点では、西側陣営で起きている資本主義の社会主義化と中国に代表される社会主義という名のもとでの資本主義化が議論されている。 中国の社会主義市場経済は、長期ビジョンに基づく発明であるとも言えるが、中国への富の集中を米英が簡単に許すとも思えないため、政治問題へ発展していくことは十分に考えられる。 何れにしても、小国日本が主導権を握ることはできない状況にある。米中関係のなかで日本がどの様な役割を演じるかに過ぎない。
1投稿日: 2015.07.29
powered by ブクログ題名につられ軽い気持ちで読み始めたが、しっかりした議論がされた本格的な内容で、読み応えがあった。時には、自分の理解に余るところもあったが、三章、四章の話は、今の日本の政治にも、また、一般市民にも欠けているところを分かりやすく指摘しており勉強になった。 とくに、日中戦争に関するくだりや、靖国問題については明快であり、解決するための方策はそんなに難しくな話い気もする。今の政府のやり方は、メンツにこだわっているだけの、幼稚な対応に終始しているだけであるのが、よく分かった。 なかなか骨太な内容なので、再読し理解を深めたい。
1投稿日: 2015.06.02
powered by ブクログ3人の社会学者が、中国について話し合うという本。前半は中国、中国人に関する基本的な謎について。なぜ中国人は、日本人から見ると自己主張の強い人たちに見えるのか、中国人にとっての宗教とは何か、そもそもなぜ広大な地域が国としてまとまっているのか、といった問題や、共産党と毛沢東についての話。後半は中国の歴史問題に関する認識の捉え方と日中関係のあり方を論じている。 今回の3人のうちの2人が参加している『ふしぎなキリスト教』がとても面白かったという記憶があって、中国についてはまともに知らないけど、読んでみた。とても面白いけど、難しかった。まず中国の歴史、特に戦時の日中関係や日本の行動について、おれはあんまり分かっていないというのが大きな問題だった。というか、こういう無知については、著者らも問題にしているところだ。さらに、著者らはやっぱり学者なので、「AにおいてはBということがあるけれども、中国の場合はどうなのか」といった話の展開をすることが多いが、おれとしては「AにおけるB」の部分がよく分からないので、余計に難しい。 それでも特に前半は、面白いと思ったことがたくさんあった。まずヨーロッパのように、宗教があって政治があるということではなく、政治的統合があって、諸子百家のような「政策的オプション」がある(pp.36-7)という点。そして「文官優位の根本」(p.80)について。軍事力を排除するために、科挙のような物差しを使ってとにかく序列をつけて、その序列にはみんな従うということで合意しているということ。トップが間違っていても、みんなで従っておけば争い合わずに済むという知恵のようなものがある、というのは、おおよそ日本人には発想できないところではないだろうか。また、「漢字によって言語がつくられた」(p.88)というパラダイム転換は、もう少し考えてみたい。漢字があって、その読み方を色々な集団がそれぞれに付けていった、ということらしい。次に、「ネタがベタになる」(p.124)という表現。手段がいつの間にか目的になるという、日本の近代史でよく見られる現象、ということらしいが、歴史の勉強をするときには何がネタで何がベタなのかということを押さえていないといけないと言うことが分かった。最後に、中国の「社会組織の原則」(p.162)について。「1自分は正しくて立派」、「2他者も自己主張している」、「3自己と他者が共存するために枠組みが必要」ということで、「順番システム」を作り上げるというのが、面白かった。(15/05/24)
0投稿日: 2015.05.24
powered by ブクログ中国はすぐ隣にあり、歴史的にも深いつながりがあるのに、実の姿をほとんど知らないし、謎に思う側面が多い。でもこの本を読んで、おぼろげながらも全体が見えた気になった。 そもそも中国とは国家なのか。二千年以上前に統一され、トップが変わってもあれだけ広い土地と国民が、漢字の表記は一緒でも発音は様々というのに、長く国家という認識をもっているのは外からは不思議なことに見える。だがこれが中国の人々には不思議ではないことを理解しないと、中国がわからない。政治的統一を第一に考えること、中華思想や幇、儒教の考え方を知らなければいけない。 そうして少しずつ歴史と考え方を紐解くと、なぜ歴史問題でこれだけすれ違いが生じてきたのかが薄っすら見えてくる。 中国と日本との間にあった文脈、日本が伝統的にどう見られていたのか、日本が大東亜戦争と言いながら矛盾した態度をとっていたことがどう見られていたのか、暗黙の了解的なものにより、本来戦争や靖国神社、尖閣諸島をどうすり合わせしていたのかが分断されてしまい、現在のようになってしまったのではないか。 色々な困難も感じるが、中国の人びとの考え方などへのスケールの大きさも感動する。とても面白い国だ。尊敬する。こんなに合理的な選択をする人たちには日本はそうそう勝てない。共産党一党独裁は続くのか、というセコイ話では、きっと理解が及ばないのだろう。 日本は中国を嫌うムードになってしまっているが、それよりもまずは中国をもっと知ることが必要ではないかと思った。
0投稿日: 2015.05.03
powered by ブクログ社会学者3人による中国理解のための鼎談書。 タイトルからは、想像できない、骨のある議論がなされている。これが全てとは言えず、まだまだ知らないことが沢山あるのだろう。 東京裁判と靖国問題については、解りやすい説明であると感じられたし、外交政策上の数々の問題には変革を期待したいと思った。
0投稿日: 2015.02.08
powered by ブクログ腑に落ちたところも、「?」のところもあったけれど、総じて面白かった。 第一部は、中国が何をアイデンティティにして成り立つ国家なのかという話。 儒教や漢字が大きく作用していて、それは軽く民族や王朝といった枠組みを越えてしまうとのことだった。 第二部は毛沢東の「権力」とはどのようなものだったかの話。 フーコーなどの社会理論が当てはまる部分、当てはまらない部分が列挙されていた。 こういうところが「反知性」の立場の人からは、知的遊戯というか、まだるっこしく見えるんだろうなあ、と思う。 ただ、私は理論を使いこなすというのは、こういうことなのかなあ、とむしろ好意的に読んだ。 第三部は歴史問題をどう考えるべきかについて。 責任の所在への認識があいまいなところが原因となって、謝罪の仕方もただ謝るだけになってしまっているとのこと。 それはそうなんだろうけれど、宮台さんがいうように、東京裁判の虚構を踏襲するということが、今の日本人にとって実際にできるのかどうか。 第四部は日中関係のこれから。 日本は米中関係の付属物になる、という認識は私もよく理解できる。 だからこそ、戦略的に立ち回らなくては、ということも。 中国の問題を合わせ鏡に、日本の様々な問題が照射されていた点が面白い。
0投稿日: 2014.11.03中国は2000年前にできたEUだった
3人の社会学者が中国について語っています。 時事的な中国問題を取り扱っているわけではなく、中国の本質、つまり中国とはそもそも何かを論じています。 例えば、中国の皇帝とは?とか、漢字がどの様な役割を果たしてきたのかとか、儒教とは?とかです。 ちょっと難しめですが、その分内容が濃いです。 時事刻々と中国の動きを追うことも大切ですが、中国や中国人の奥底が分れば、中国がなぜ不可解で横暴な行動をするのか理解できると思います。
6投稿日: 2014.10.13
powered by ブクログ本当におどろきの連続だった。隣の国であり、しかも歴史的にも関わりの深い国であるのに、私自身ほとんど知識がない、そのこともおどろきだった。もちろん私の勉強不足はあるが、教育の問題も大きいと思う。その点の議論がなされていなかったことだけ少し不満は残る。日本人が中国をリスペクトできない理由もそのあたりにあると思うのだが。中国の歴史については全くもって知識がない。そのために、第2部・第3部あたりは読み進むのに苦労した。それでも、全体としては本当におどろきの連続。特に終盤で、尖閣諸島の問題や拉致事件などについて、日本の政治家の失策のため、中国や北朝鮮とも関係を悪化させている、という部分には憤りを感じた。橋爪先生が声を荒げて怒っていらっしゃるのがよく伝わってきた。それにしても宮台さんはどこまで政治に関わっているのか知らないが、よくいろいろな内情を知っているものだ。その点でもおどろきが多かった。大澤さんと宮台さんが学生時代からとても仲良しで、しかも目立っていたというのもおかしい。キリスト教の本に続いて、あまりにも売れていそうだったので、読もうかどうしようか迷ったけれど、これも読んで正解でした。
0投稿日: 2014.10.01そもそも「国家」とは何か?
そもそも「国家」なのか―挑発的な帯だ。当然、考えなければならない、「国家」とはどのようなものを指すのかを。 普通、我々が「国家」いう言葉で指すのは近代国民国家(nation state)のことである。 だが、中国はnation stateなのか? そう捉えてしまうことで、我々は何かを取り違えてしまっていないか? この意味がわからなくても大丈夫。 これこそが本書の一番のテーマであるから、第一章でnation stateの定義について語り、 その後の章では具体的に「中国はnation stateとは違う原理で動いているのではないか」という話が続く。 鼎談であるし、橋爪氏は中国人の奥さんを持つ社会学者であるので、体験的なエピソードもたくさんあり、面白い。 ただ、難を言えば三人とも社会学者であるので、歴史的な部分の実証性はやや怪しい部分もある。 社会学というもの全体に言えるかもしれないが、歴史というのはそんなに理路整然とまとめられるものではない、と思うのだ。 まあ、そこはそれ。 ここに中国史学者が入ったりしたら、一気に重苦しいものになるだろうから、これでいいのだろう(笑)
3投稿日: 2014.09.23
powered by ブクログ橋爪大三郎、大澤真幸、宮台真司の3人が、中国をテーマに語り合った本。 中国という国のあり方は、ヨーロッパの近代国家を基準にして作られた西洋の社会学の枠組みでは説明しきれないところがあるにも関わらず、文化左翼的な立場からの中国論者たちはポストコロニアル批評などの西洋の現代思想を当てはめることで中国を理解しようとしてきました。本書はそうした一方的な中国への共感を戒め、理論社会学についても独自の思想を展開し、中国の実情にも詳しい橋爪を中心にして、理論と現状分析の双面にわたって中国を分析しています。 日中の歴史問題や、今後の日中関係についての議論も、たいへん興味深く読みました。ただ、座談会形式ということもあって、それぞれの論点の背後にある問題領域が見通しがたく、社会学についても中国についても詳しい知識を持たない読者としては、少し読みづらく感じてしまいました。
0投稿日: 2014.09.13
powered by ブクログいろいろと「おどろき」ました。 中国は3回旅行しましたが、その時に感じた疑問のいくつかが解決しました。 2013年2月に出版されていますが、台湾問題なんかは、橋爪先生の予言通りに推移してますね。 本書で触れられる日中関係等の近代史の解釈は納得できない人もいるでしょうが、 それ以外の中国についての話は誰しも一読の価値ありです。 巷に溢れる中国評は、現在の利害だけを強調し、危機を煽るようなものばかりで辟易します。 中国は反日教育をしてる、と言う。 なら日本の教育はどうか。日本史を選択したら、世界史は選択しない…というのは常識ですしね。 そのような論法に欠けているのは、現在を歴史の流れの中で捉える視点と、相手の立場に立って物事を捉える視点です。 目先の利害に思考が居着いてしまっては、国益などは考え及ばなくなってしまうでしょう。
2投稿日: 2014.05.16
powered by ブクログ経済面でみても、日本と中国は米国よりも強い関係がある。しかし、なまじ片言(漢字)が分かるだけに、隣国の性格までわかろうとしていなかったのではないか。そう思って読もうとした。図書館の順番を待つこと一年、やっと読むことが出来た。この本が人気を獲ったのは肯ける。古代から現代にかけて、中国がなぜ五代文明の中で唯一現代まで続いているのか、そもそも何を考えているのか、現代中国はそもそもどういう国で、何を望んでいるのか、そういう「そもそも論」をわかりやすく、古代から現代まで語った本はあまり見当たらなかったためだろう。隣国は外国だ。性格が違うのは当たり前だろう。 対談という仕組みがそれを可能にした。専門の違う社会学者の2人が1人の専門家と議論する形で、本来もっと精査されなければならない課題を100も200もエイヤッと切った。お陰で、全体像がくっきりと浮かんだのだろう。 しかし、それは諸刃の剣である。この本を読んで、いかにも分かった気になるのは極めて危険である。ここで断定的に述べられていることは、全て問題設定だと見た方がいい。また、橋爪大三郎はさすが専門家だけあって大きく的外れなことは言っていないが、大澤某の見識の低さには、終始いらいらした。 問題設定なので、刺激的な部分は多々あるが、自分の問題意識に照らしてメモしておくのが1番有効な読み方だろう。私の興味はあくまでも「日本とは何か」である。合わせ鏡としての中国を語った部分をメモする。 ●トップリーダーは有能でなければならない。しかし、秩序(安全保障)が優先されるから、世襲も認める。それを補助するために、ブレーンが有能であるために儒教を採用した。 ●科挙でどうのように能力を測るか。古ければ古いほど、基準が変わらない。多民族国家では、漢字が共通言語になる。日本は同質性が高いので、この苦労はない。結局能力試験は発達しなかった。 ●皇室の血統はカリスマ性の証明。よって宦官が出現。日本は天皇の血縁カリスマなんて誰も信じていない(源氏物語)。さらには、律令制の官職が世襲になった(藤原氏)。 ●日本はその時代に最も実力があるもの(貴族、武士、役人)が権力を握った。しかし、中国ではなぜか行政官僚が常に権力を持っていた。つまり中国は大きすぎるので、政権交代時の戦争はあるが、終わると直ぐに非軍事的な方法で序列化される。 ●政権の持続性や継承性の根拠として「天」という神でもないものを持って来たために、かえって政権を断絶させたり、変換させたりすることがときに必要になった。一方、日本には天皇が天皇であるための根拠というものが何もない。根拠がないから、逆に絶対つぶれることもなく、実権があったかどうかは別として、万世一系でいられた。その代わり日本人は「リーダーは有能でなくてよい」。いやむしろ、「リーダーは有能でない方がいい」と思っている。「リーダーは有能でない」のに、この社会は維持出来るのか。大丈夫。日本人は「自分が頑張るからいい」と思っている。でも、安全保障はそんなに甘いものじゃない。自分が努力したってダメなものはダメなんだけど、日本人の場合、なぜかそう思っている。平時と戦時、どちらに焦点をあわせるか、だ。これは農民の論理、ムラの論理だ。ムラはセキュリティに責任を持たないから、セキュリティに責任を持つ武士を必要とした。武士は自力救済で、刀を差していて、ムラを守り、いざとなれば相手を殺し、いざとなれば自分が死ぬ。中国人はこんなことをしない。政治で解決しようとする。戦前、武士は軍隊になり、戦後アメリカになった。これは、伝統日本としては異様な在り方だ。(宮台)でも、主観的にはアメリカを 日本的なものの枠内に「武士」として包摂しているので、客観的に異様な在り方であることに気がつかない。(大澤)アメリカが有能ならばいい。 ●なぜ中国はすぐに近代化できなかったのか。根本教典のようなテキストがあったから。翻って日本には規範となるテキストがない。そこで運命を分けた。 ●天皇は神々の子孫であり、日本人も神々の子孫。よって日本人は天皇をシンボルにすれば、自分たちを日本民族だと意識出来る。このロジックを江戸時代の儒学や国学は苦労の末に編み出した。しかし、中国の皇帝は、天と血縁関係がない。そもそも天には神話がない。ゆえに人民と運命的なつながりを持たない。これでは民族主義になり様がない。民衆の間の連帯も弱い。人びとは儒教道徳に従って、自分を大きな血族集団の一員と考えており、そこに属する人びとの福祉を最大の目的に生きている。その集団の外の人びとには、よそ者だとして、冷淡な態度をとる。広範な範囲の民衆がまとまろうとしても、砂を炭団にするようで、まとまらない。 ●台湾問題は、台湾の統合を中国&アメリカで合意したときに、日本が蚊帳の外になる可能性がある。この本を出版して一年間でそれはさらに大きくなった。 2014年3月11日読了
3投稿日: 2014.03.24
powered by ブクログ隣国でもあり分かっているつもりでいるので、積極的に理解しようとしない。実際には知らないことばかり。我々にとって中国とはそんな国なのではないでしょうか。 三国志は読んだことあるけど、文化大革命についてはよく知らない・・・私もそんな状態でした。 中華という思想、儒教と文化大革命、国家というよりも共産党の支配、「帮」という集団意識、中台関係、日中関係の歴史などなど 学者三名の討論を通して多くの事柄が紹介されていきます。 少し難解なところもありますが、中国関連のニュースに触れた時にこの本の関係箇所を読み返してみたいと思います。
0投稿日: 2014.03.01
powered by ブクログこれは面白い!中国庶民の日常感覚を知っている人だから語れる、中国近代史の本当の意味。変に西洋基準で見ると不思議な中国だが、儒教国家として見れば納得できなくはない。確かに日本人の感覚の方が、より変かも知れない。世界の双頭であるアメリカと中国に対して、より良い関係を築いていくためには、お互の歴史と庶民感情を理解する事が重要ですね。
0投稿日: 2014.02.24
powered by ブクログ話題になった本で、ぼくも人に勧められたが、第一部の途中で挫折してしまった。これはこの「中国とはそもそもなにか」というテーマ自体がそう簡単に答えをだせないようなものだからである。それで今度は第三部の「日中の歴史問題をどう考えるか」から読み始め、ついで第二章の「近代中国と毛沢東の謎」、そして最終章の「中国のいま・日本のこれから」と読んだら、すんなり読み終えられた。(あるいは、3、4、2、1と読むのもいい)この本は錚々たる社会学者3人による座談で、ときに社会学に関する用語や引用があると止まってしまうが、全体に問答形式で読みやすい。ぼくにとっていつもすっきりしないのは、日本がなぜ中国を侵略したのかという点である。「悪意の侵略者か善意の解放者か。」本書はそれにも答えている。日本人自身もあいまいで、中途半端なまま、好き勝手にふるまい大きな損害を与えたと。こう言われれば、大方の日本人は納得がいくのではないだろうか。アジアの開放というスローガンが百パーセント嘘だとは思わない。プラスの面もなかったわけではない。しかし、結果的には、今に至るも恨まれるような罪悪を重ねてしまい、日本人にも多大な損害をもたらした。そもそも、当時の日本の動きは列強とのバランスで考えなければいけない。別の言い方をすれば、列強の掌の中で動いているあいだは問題は起こらなかった。問題が起きるのは日本がそこを超えたからである。東亜新秩序が出てくるのは、頼りない朝鮮や中国のために日本がアジアの盟主となるということだったと思う。このスローガンは一概に否定できない。そもそも、日本人は中国革命に同情的であったし、多くの革命人士を助けている。満州にしても当時はまだ所属があいまいな地域だった。ロシアもねらっていた。日露戦争でその地を確保したものの、今度はそこを独り占めしようとした。アメリカが共同開発しようとしたときもことわっている。それがのちのアメリカとの戦争を引き起こした。本書はこんなふうに素朴な、それでいて根源的な疑問から出発し、日中の将来像にも思いをはせている。熟読玩味したい本である。
0投稿日: 2014.02.19
powered by ブクログ昨今とかく脅威論としてのみ語られがちな中国についての、3人の著名社会学者による対談。帯文にもある「そもそも『国家』なのか?」=「西洋由来の『国民国家』という枠組は果たして中国に適用できるのか?」という視点は、現代中国を語る上での出発点としては重要と感じる。また、日本が今後米中の狭間でどのように立ち回っていくべきかについて語られる最終章が非常に興味深かった。
0投稿日: 2014.02.03座談会ではなく、鼎談です。
あの「ふしぎなキリスト教」のお二人に加え、今回は宮台真司氏が加わった鼎談。 ポイントは、大澤氏、宮台氏が、それぞれ1958年、1959年生まれ。橋爪氏が1948年生まれという年齢構成と、橋爪氏の奥さんが中国人であること。そして、鼎談に先立ち、このメンバーで中国を旅行したという点。おそらく普通の観光客が行かない場所や行けない場所も訪ねたのでしょう。 ま、それはともかく、内容の構成上は、大澤氏と宮台氏が問題提起をして質問をまとめ、橋爪氏がそれに答えるといったパターンで進みますが、質問する二人も学者さんですから、当然、アホみたいな質問はしないわけで、結構読み進めるのに骨が折れます。難しい語句もバンバンでてきます。だいたい私は、「鼎談」だって思わず意味を調べましたもの。 そして、肝は、アマゾンのレビュー等でも問題となっている最後の「中国のいま・日本のこれから」という最後の項目についてです。 この本を批判する人は、あまりに中国寄りだと思うようですが、そう思うより中国の人は、そもそもこう思っている人が多いと考えた方が良いでしょう。 なぜ日本人の「常識」が彼らに通じないのか?という点については、きっとそうなんだろうなぁと思わせる点が多々述べられていて、私にはとても面白く感じました。 それよりひっかかかったのは、宮台氏の日本についての発言、日本は「まかせて文句をたれる作法」であって、「引き受けて考える作法」ではない。という点です。これは的を射ていると思います。昨今の諸々の情勢など、まさしくコレそのものではないですか?
3投稿日: 2013.12.19
powered by ブクログ内容の濃い鼎談.中国の特性を細かく分析している.中国との関係を欧米風の国際関係の観点から見る危険性を指摘している.朝貢体制が存在していたと述べている.また、日本の侵略に関して明確な意図がなかったとも指摘している.日中関係はやはり難しいことが再認識できた.
0投稿日: 2013.12.15
powered by ブクログ「ふしぎなキリスト教」に続き、橋爪、大澤コンビに加え、宮台真司まで加わった、ハイレベルの鼎談。ハイレベルといえども決して難解ではなくわかりやすく「中国」を読み解く。帯にあった通り、そもそも中国というものが「国家」なのか、というあたりから議論は始まる。文字通り、その二千年以上の歴史を知らずして、昨今の日中問題など語ることなどできないことがよくわかる。必読の一冊。
0投稿日: 2013.10.27
powered by ブクログ経済的にも文化的にも大きな関わりを避けられない隣の大国のことを、自分があまりにも知らないので、読みやすそうな本書を買いました。 政治体制が変わっても中国社会の根底にある人間関係の規範のことが何となくわかったような気がします。
0投稿日: 2013.10.19
powered by ブクログ13年前に中国に1年ほど留学したときの感想は、 「なんなんだ、この国は!」 本書でも紹介されている小室直樹先生の『中国原論』でその“特異さ”はある程度予習したつもりだったが、実際見て体験した国はまさに驚きの連続だった。 本書は3人の社会学者の鼎談で、中国なるものの原理、日中の近代化の近代社会学的な考察、日中の歴史問題、そして今後日本が取るべき針路などについて語っている。 国家や国民と行った欧米のフレームにはおさまらない国、カリスマ毛沢東は現代の皇帝、「改革開放こそ文革の最終的な仕上げ」などなど、「おどろき」の理由がだいぶ明らかになった。 歴史問題も含め、「日本は米中関係の付随物にすぎない(p339)」ことを認識し(ちょっと残念だが)、覇権をうかがう中国をしっかり理解することが今の日本人の務めだと思った。
0投稿日: 2013.10.16
powered by ブクログ中国人のおどろくべき行動様式が分かります。 しかし本当に驚くべきなのは、中国の方が世界標準に近いのであって、 日本の方が特殊であるということです。 グローバルな時代を生きて行く若い人には参考になる本です。 鹿児島女子短期大学: 教員 武田輝章
0投稿日: 2013.10.07
powered by ブクログなかなか。 三人の中国通対談集。 中国は本当に国家なのか。毛沢東の間違い。鄧小平について。 参考になった。 少々、読み応えが有り過ぎる。
0投稿日: 2013.09.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
中国は帮(ホウ)の世界だ、三国志の劉備の関羽・張飛の関係だ。 その中に入れば親密で親しいがその外では完全な敵となる
1投稿日: 2013.09.27
powered by ブクログかつて日本に大きな文化的政治的影響を与えた中国。近代化の過程を経て現代にいたるまでに両国の関係は冷えきったものになった。近年の経済成長によって世界の主役になり始めた中国。地理的にも政治経済的にも必然的に対していかなくてはならない日本。お互いに意味のある関係を築いていくためには、お互いにもっと相手を知らなければいけない。相手の考えや行動の根拠をよくわかった上で、接していくことが大人な国の対応だ。成熟した日本にふさわしい成熟した日本人になるための本です。面白い。
0投稿日: 2013.09.26
powered by ブクログ「中国」については、「親中」「嫌中」などさまざまな立場があるが、本書を読んで、「そうか中国は、こう捉えるのか」と驚きをもって読み終えた。 「中国は国家なのか」による「これほどに大きな帝国が2200年も前にできたのはどうしてなのか。いかにして、帝国としての統一性を実現し、維持することができたのか」という考察は、「そうか社会学とはこういうものなのか」という新鮮な思いを持った。 地形や気候による社会への影響を、国民文化や社会制度と関連させて捉える考察は、論争で掘り下げるほど、実に興味深い。 「なぜ近代化が遅れたのか」や「日中の歴史問題」などの考察も、一般に語られるレベルを超えて内容は深いが、知れば知るほど、この問題の解決が困難な理由もわかるように思えた。 本書は、鼎談のように語られているから、わかりやすい点も評価できるし、現在の日中間の問題の背景を知るための最良の書として高く評価したい。
0投稿日: 2013.09.10
powered by ブクログなんだかよくわからない価値観で動いている人々、近いけど遠い中国について、とっかかりをつかめるかもしれない本。 仕事で関わるとなかなかフェアに仕事ができない彼らを知りたくて読む。 けれど、この本を読んでいる最中に、「逃tao」という本に出会い、少しこの本は中国寄りに書かれすぎている気がした。 嫌中に傾く日本社会を意識してそうされたのかしら。。。
0投稿日: 2013.08.26
powered by ブクログ「そもそも国家なのか」という台詞を耳にした時、編集者は「これは売れる」と確信したのではないか。 「国家」という概念は、漢字で表記するもののヨーロッパで生まれた概念で400年程度の歴史しかない。 しかし中国は始皇帝から数えても2000年以上の歴史があるわけでヨーロッパの概念で理解しようにもそもそも捉えきれないのではないか?というのが冒頭に提示される問題提起。「近代中国と毛沢東の謎」「日中の歴史問題」「中国のいま・日本のこれから」と4章に渡って中国の歴史・成立ちを理解しようという充実した鼎談。 アカデミックなテーマからポリティカルなテーマへ。内容のバランスがとても良くできている。 もちろん、立場を異にする人が読めば「前提からおかしい」とか言われそうだが、理解し難い隣国の事情について、理解の目処が見える一冊
1投稿日: 2013.08.10
powered by ブクログ前半は納得できるとこも多く、好著と思えた。が、後半は金と時間を返せと破り捨てたくなるほど。実際のところは、中国のことがよく分かってないヒトたちなのだということが良く分かった。こういう媚中派が日中間の正常な交流を妨げてきたのだなと確信。
0投稿日: 2013.07.23
powered by ブクログ日本を代表する社会学者3人による、中国という国家の本質、毛沢東の謎、歴史認識問題を含めた今後の日中関係についての鼎談をまとめた一冊。 全体を通じて、中国という国家を決して不思議な隣人で終わらせずに、その歴史的成り立ちや、社会学理論の援用により、内実に潜む(が、日本人には見えていない)システムの姿が描かれている。一見不合理なように見える点も、実は我々が合理的だと思いこんでいる日本のシステムより、よっぽど洗練されている点もあるのだということが理解できる。 社会学者の議論なので、多分に理論が優先したものになっている気がしないでもないけど、冷静な議論がなかなかなされない現状においては、対極に位置するものとして価値はあるように思う。
0投稿日: 2013.07.21
powered by ブクログ中国は面積も人口も歴史もスケールの大きい国ですから、 おどろくことはたくさんあるんですが、 もっとも驚いたのは自分があまりに無知なことでした。
0投稿日: 2013.07.15
powered by ブクログ中国の社会組織の原則 自分は正しくて立派、他者も自己主張、事故と他者が共存するために枠組みが必要、順番。 南京大虐殺は日中戦争全体を隠喩的に圧縮している。全体の象徴、中国側から見れば? 改革開放こそ、文革の最終的な仕上げ、 余華 社会主義市場経済、の矛盾、意味、 伝統社会からは汚職を、資本主義からは拝金主義を、社会主義からは名前をとってきて総合した。
1投稿日: 2013.06.29
powered by ブクログ歴史の教科書をただ読んでいるだけでは見えてこない、中国の特殊性についてたっぷり論じられている。秦の始皇帝から、現代の諸問題まで、実に多岐にわたっている。 私が最も印象に残ったのは、日中戦争における日本の責任に関する論点である。中国について論じた本であるが、中国と対比して日本のことについても手厳しく論じていた。 日本は亜細亜主義という名の侵略のこじつけを作り上げ、張作霖爆殺事件、柳条湖事件、南京大虐殺など、国際的に批判を浴びる行動を繰り返してきた。A級戦犯たちですら、明確な動機を持たぬまま戦争へと突入してしまった。過去への構え=罪、未来への構え=責任と分けて考える必要があり、戦後に生まれた私たちも、「関係ない」とは言い張ってられない。どうして戦争になってしまったのかをしっかり理解し、後継世代として主体的にコミットしていくことが求められる。この論点は非常に印象に残っていて、高校時代まで受験のために世界史を勉強していた自分には、全く欠けていた視点であった。相手(=中国)を知ること、過去(=歴史)を知ることで、未来の行動を変える。 中国人の行動や態度は、世界的にあまり理解されないことが多いが、それは3氏が論じていたように、近代の社会科学が西洋風のものの見方で枠付けされてしまっているから、ということが一因であろう。2000年前に広大な国土を国家として統一できたこと、それでいて近代化が遅れたこと、社会主義と市場経済を混合させたこと、どれも他の国家には見られない特殊性であるが、中国の特性を意識すれば読み解けなくもない。「理解不能」と扉を閉めてしまうのではなく、理解する努力も必要なのだろう。
0投稿日: 2013.06.28
powered by ブクログ社会学者3人が座談会形式で現在の中国の成り立ちや国民性について闊達に意見を述べるという形式。前作の「ふしぎなキリスト教」が雑学本として割りと面白かったので購入。歴史的背景や基礎知識なんかは感心することも多かった。 儒教や他者に対する基本的な考え方なんかはへーと思う箇所が多かった。特に青幇のような身内という考えがスケール別に存在して、全く温度の違う対外道徳と対内道徳が同心円状に広がっているから契約という観念が薄いというのはなるほどって感じがする。 後半、時代が現実に近づいていくにつれて大分主観的な発言が多くなっていくのは気になった。文革が後の改革開放に繋がり、逆説的に近代化を進めることとなったと言っているのは分かるけど、それなら古代の儒教道徳に基づいた考えは薄まっているはずなのに、今後の対中関係を考える上でもっと歴史から類推して行動原理を考え、彼らがこうして欲しいと思う役割を果たしながら米中関係のインターフェイスになるべきであるというのは辻褄が合わないのでは? そういう歴史観に基づいた行動ではなく、より近代的な、というか背景が薄い、自分が属する幇の利益と血の規約しか守らないような欲が濃くなった近代中国に対しての構え方を論じて欲しかった。こーいう考え方は若干ネトウヨ的なバイアスがかかっているのかもしれないけど、かなり疑問。著者の橋爪氏は中国にかなり縁のある人だから内側から見るとこうなるのだろうか。 なんだかんだで全体としては面白かったので、まぁ良し。社会学者だからなのか芸風だからか知らないけど、もうちょっと主観じゃなく具体的なデータも交えた話があれば尚面白かった。でも宮台真司はやっぱいらないわw奇をてらったような発言が多すぎてノイズになることが多すぎるw
0投稿日: 2013.06.27
powered by ブクログ図書館で、予約してた、この本を借りた。 人気の本らしく、数十人待ちでした。 読んでる最中に、2013年6月24日、上海総合株価指数が急落し、中国の金融リスクが高まってる。短期金融市場では一部銀行の資金繰りが逼迫しているが、中国人民銀行(中央銀行)は経済構造改革を優先。 影の銀行(シャドーバンキング)への対応を急ぐ構え。 6月26日も中国の「7月バブル崩壊説」をきっかけにした上海株式市場の下落が止まらない。 全体の値動きを示す上海総合株価指数は26日、6日連続で今年の最安値を更新。終値は前日比0.41%安の1951.49で、年初からの下落率は約15%にのぼった。
0投稿日: 2013.06.26
powered by ブクログ思想的な用語や政治学的な記述も多くて、なんだか学者が3人で難しい話をしてんなぁ、という所も多いのですが、非常に面白かった。国の成り立ちが全然違うのに、近かったり顔も似てるから、同じような感覚で考えているのだろうなぁとお互い思ってるのかな。ぜんぜん違う。 天が定めるという統治のあり方(確かに三国志は天子をめぐって激しくやってたな)や役人のあり方、エリート層と非エリート層の差など、ホント違う。確かにこれまでの世界の長い歴史で中国が文明の先を行っていた時代がほとんどで後進国なのはほんの100年くらいだよね。なので、中華1番、朝鮮2番、だいぶ遅れて3番日本という考え方なのも仕方ない。イギリスに支配されていても仕方ないが格下の日本に支配されてたなんて我慢ならん、というのもよく分かる。しかし、仲良くなれそうにない。 ここでも出てくるのは日中戦争の総括をしていないので、ごめんね、という日本は「どういう意図で何をやったからごめんね」ってことを誰も言えてないってことなんだよね。フムフム。
0投稿日: 2013.06.21
powered by ブクログ僕が憧れてた時代の社会学者3羽ガラスが 中国に関しての鼎談をしているということで つい手が伸びてしまった。 まぁ、この手の対話形式的なものはどうしても 深く突っ込んだ話にはなりにくいのだけれど、 時には宮台君が強めの推論を出したりして読み物としても十分楽しめた。 さて、この本はいかにして、巨大なお隣さんと付き合うか という点を中心に話がめぐっている。 そのため、全体的な日本外交のイメージ図として必要な フレームを提供しており、説得的だと思う。 ただ、それ以前に近代中国史に関する無知を知らせてくれたと思うのだが、 その分野に関してはまた別の一冊が必要だろう。 っていうか、「おどろきの」ならこっちを中心だろう。 なんという釣りタイトル。
0投稿日: 2013.06.08
powered by ブクログ中国人があんなにアグレッシブルなのに、国内が秩序立ってるのが謎だったけど、モヤモヤが晴れた。 困っている人を助けることはいいことデスヨ。
0投稿日: 2013.06.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
三人の社会学者の鼎談をまとめた本。中国について知らなかった考え方がたくさんあった。 中国では儒家の思想が基本にあって宗教的なものでないため西欧の基準で考えるとうまく理解できない。日本と違ってリーダーが一番有能でなければならない。それでも支配者は血縁主義でこれは矛盾しているようでうまいシステムだったりする。 近代中国と毛沢東の章は予備知識が足りず理解度がイマイチになってしまった。新書にしては要求するハードルが高いと思うのだが。とにかく日本や西欧の基準では中国の本質は理解できない、ということが重要。 日本人はもっと中国を知らなければならない。それは政府、官僚もだし、国民レベルでも。特に日中戦争は大きな課題。「よく分からない」の前に理解する枠組みがないのが問題。日中戦争を日本に置き換えて考えたら確かに許せないと思って少しだけ中国の人の感情が分かった。 鼎談の三者はいずれも社会学者である程度同じ方向からの見方に偏っているような印象を受けた。政治、経済だけで日中の優劣は語れないし、中国の方が日本より優れているとは一概には思えないが、それなりに根拠はある。三人とも日本の将来に比較的悲観的。そういう考え方もあることは押さえておくべきか。
0投稿日: 2013.06.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「おどろきの中国」は講談社現代新書「ふしぎなキリスト教」の著者である橋爪大三郎と大澤真幸に宮台真司が加わった二匹目のドジョウを狙った本ですが、1作目がやたら面白かったので、敢えてその講談社の商法に乗っかりこの本を読みました。 サブタイトルの「そもそも国家なのか?」にも魅かれた面もあります。 中国とは何ぞやという本題もさることながら、特に私の中では過去から、燻ぶっていたのが、 ・日本は何故日中戦争のようなあんな馬鹿げた戦争をやったのか? ・上記に対する日本の謝罪の問題 ですが、この解とも言える箇所が幾つかあり、胸のつかえが取れた感じがしました。 特に宮台氏の以下の発言が印象に残っています。 「東京裁判という虚構図式式の踏襲が合理的だと考えています。日本が謝罪するというあいまいさを避け、『A級戦犯が指揮した作戦行為や戦闘行為は悪かったし、それらの行為が悪かったことを政府や国民は理解しているし、A級戦犯を自力で取り除けなかった事を悔やんでいる』と言えばいい。現にそれが『日本国民は悪くなかった』と語った周恩来首相が望んでいたことでしょう。・・・略・・・ふつうは橋本さんがおっしゃるような心からの謝罪が重要だとは思うけれど、戦争世代から遠く離れた世代が心からの謝罪の気持ちを継続出来ないことが自明である以上、後続世代は東京裁判図式がもつ意味をよく理解し、かつ未来志向的な信頼醸成が最終的には得になることをわきまえ・・・」 東京裁判については、現在では勝利者の敗者に対する一方的な裁判という意見が多いなかで、この解釈は、まさに目から鱗の解釈と映りました。 また、今回改めて1972年の「日中共同声明」を読んでみました。先人は後世の為に色々と苦労しているのだなという印象を強く感じた次第です。 この問題は非常にデリケートな政治問題なので、人それぞれの考え方があり、この考えに同調してくれなんて事は言えませんが、私の中では非常に有意義な本でした。
1投稿日: 2013.05.29
powered by ブクログ隣国の事をあまりに知らなさ過ぎた事に反省、同時に日本人の劣化ぶりに慨嘆(いや、もともとか?)。 朝鮮半島、米国を含めた東アジア情勢を過去を振り返った上で俯瞰でき、大変な学びを得た。 行き詰まりをヒシヒシと感じ、転換点にいる日本に焦りを感じるコト頻りなのにも関わらず、よくもこれまで、よくわからないまま刹那の感情に任せた言動をしていたものだ、と。このままでは何の解決もみない。自分から意識改革をしていかねばと思った。
0投稿日: 2013.05.18
powered by ブクログ中国の立場から日本を語りつつ中国について検証している。視点、立場が違えばこういうことかと分かることも多い。中国人がこの本を読んで何と感じるかを知りたいです。
0投稿日: 2013.05.09
powered by ブクログ超分厚いけど面白いからすぐ読めた。 <印象に残ったとこだけまとめ> 統一がデフォルトで、皇帝や思想はオプション。 自分が一番すごいけど、相手も同じように思っている。だからケンカをしないためのランキングをつける。 毛沢東は皇帝のような存在であると同時に、庶民にまで届いていた。 チベットー中国の関係はヨーロッパの「主権国家」とは相容れないからこじれる。 日中戦争は「目的手段関係の優先順位がデタラメ」になった結果。本当の敵はロシアだったのに、非武装地帯を作るための侵略が戦争になってしまった。 アメリカと中国は仲良くしたがっている。今は漁夫の利だけど、仲良くなったら死刑宣告。日本と関係を結ぶと得だと思わせなければならない。
0投稿日: 2013.05.08
powered by ブクログ決して鵜呑みにしてはならない本だが、読みやすく、そして参考になる。 記述の信頼性に関しては、前著の「ふしぎなキリスト教」の訂正wikiページを参照するとよいと思う。個人的には、訂正wikiの立場というのもあまり信頼はしていないのだけれど。
0投稿日: 2013.05.06
powered by ブクログ対談方式は嫌いなので星4つにしようと思ったが、やはり内容は面白い。 中国が良いとか悪いとかではなく、かの国を理解するにはどうしたら良いのかを考えさせてくれる。 うっすらとそうじゃないかと思っていたことを、なるほどと頷かせる。 それにしても感じるのは、日本の政治家が無能で、官僚が傲慢だと言うこと。 日本のパンピーを舐めて甘え過ぎだ。
1投稿日: 2013.05.02
powered by ブクログ中国のこと。日中関係、日清戦争、尖閣諸島、北朝鮮問題、東京裁判、靖国問題、儒教、近代化、科挙、資本主義、台湾等について、理性的且つ根本的、歴史的に3人の社会学者が質疑応答、議論していく内容。 隣国であるにも関わらず、日本人は中国を知らなさすぎる。そんな前提で3人が中国に関する知識を補完し合い進めていく会話は非常に面白い。一般レベルで知られていない事が詰まっている。普段、ネガティブに論じられやすい中国ではあるが、ここでは非常にポジティブな未来志向でこの国の持つ原理から日中関係まで分析されている。380ページと新書にしては厚いけど、全然飽きずに読めました。
0投稿日: 2013.05.01
powered by ブクログ『ふしぎなキリスト教』のお二人にもうひと方加えた鼎談。 学者さんが話してると、語彙の違いを実感する…。 大学の時、著者のお一人の講義を取ってたけど、日本語のはずなのにさっぱりワカランカッタもんなあ。 前作?のテーマが「キリスト教」で、本作が「中国」なのは、現在の世界の構図が「(アメリカを覇権国とした)キリスト教文明圏 対 中国」で、その中を渡っていくためには両者の知識が必須だから、ということですねよく分かりました。 文系の学者さんの役割のひとつは、「物事を明確に的確に言葉にする」ことだと思ってますが、「イイ仕事してますねー!」ッて感じ。 特に、 ・中国古代思想(諸子百家)は、政治統一のためのオプション(p36) ・それぞれの国の人たちがどういうふうに世界を見ているか:「コグニティヴ・マップ」認識地図(p233) ・歴史は過去との連帯責任の感覚(p278) とかとかね。 秀逸です。 こっちにも余談ですが、お三方が中国を旅行された際、交通事情に触れて、その「とにかく自分の欲求を通そうとして決して譲らない」ところは、「社会契約論の課題になっている」らしいですが。 あのう、私4年近く中国に住んでこの交通事情に日々接してますが、そこから社会契約論を連想したことが一度もナイのですが。 学者さんッて…!
0投稿日: 2013.04.27
powered by ブクログ謎の多い隣の大国中国について、「中国」をわれわれが普段使っている意味での「国家」という枠組みで理解できるのかどうか、あんなに広大なのに(もちろん個々人に国民意識はないにせよ)二千年も前に統一できたのか、政権が変わるたびに国の名前が変わるのはなぜ?とか、そういう成り立ちの基本的な部分から、現代の高度経済成長状態までをどのような思想やシステムのもとに成り立っているのかを議論して解き明かしていく良書。 読む前から不思議で、読んで自分の中で説明がついたなと思ってもやっぱり毛沢東の時代って不思議です。 天が正しく天命を受けたたった一人が正しく、その人が何をなしたかどのような能力があるかではなく天命を受けているその一点のみが根拠になるっていうのはすごいなあ。 で、天は丸投げだから西洋の「契約」という概念がなかなか通用しないという。 端折ってる部分をもっともっと知りたいんだけど新書ということを考えればとてもバランスの良い構成だと思います。
0投稿日: 2013.04.26
powered by ブクログ昨年、尖閣諸島の問題や反日運動など中国の動きで気になる所が多くあった。さらに、それを受けた国内の反応も過激だった。中には戦争も辞さないというような論調のものもあった。国内でそういう気分が高まっている事を恐ろしく思った。しかし、私たちは中国という国を理解していないのでないだろうか?にもかかわらず、反日運動に脊髄反射的に嫌悪感を示し、拒絶してしまうのはおかしいと思う。 そのようになんとなく怖さを感じていたなかで本書と出会った。これを読むことで、なにかしら中国を理解するヒントが得られるのではないだろうか。 本書は3人の社会学者が、中国について語った本だ。 はじめに、中国という国を西欧由来の社会学的に考える事に批判的になって、新たな理解の仕方を探った。そもそも、国家という考え方が生まれるまえに統一王朝ができていた中国。それゆえに、西欧とは全く異なる考え方で社会を捉えていた。中国はEUに近いという考えが、非常に納得がいった。儒教と天子という統治システム。 次に、古代の中国と毛沢東。毛沢東が成し得た事は何だったのか。中国の近代化が遅れた理由と、毛沢東が近代化を進める事ができた理由。 中国の歴史問題では、日本の問題とも結びついた。事実を捉えるうえで前提になる認知地図の違い。 これからの日中関係。アメリカと中国に挟まれた日本は、それぞれの考えを理解しようとする努力が足りない。それは私たち自身も努力すべき点だろう。 本書を読んで、中国の近代の歴史を学びなおしたいと思った。
1投稿日: 2013.04.24
powered by ブクログ日本の戦争責任に随所で触れているため、ひょっとして脊髄反射的な嫌悪感剥き出しのレビューが並ぶんじゃないか・・・と思いきや、流石はブクログ、冷静な感想が多いので一安心。この本のmain subjectはそこじゃないですからね。 「他者から自己を浮かび上がらせる」のが橋爪大三郎氏の著作の真髄だとするならば、現代において中国は格好の「他者」。扱いづらくて喧しくて、出来れば無視したいけれど、でも絶対に無視するわけにはいかない堅強な「他者」として屹立する中国に、きちんと視線を合わせて対峙しようとするための重要なtipsが各所に散りばめられている。 但し、今後の日本にとってこの本で述べられているほど道は平坦ではないようだ。「過去への構え」を不変とする意思の提示はもとより、米中間のインターフェースとしての役割も言うは易し、だ。事実、本書で日本のプレゼンス増大の好機とされている北朝鮮問題でも、やはり従前同様米の立ち回りの後ろに隠れてしまっている。 しかし、それでも中国を直視することを避けてはいけないと思う。自分自身を知るためには、他人を理解しなければならない―自己の内実だけにいくら目を凝らしたところで「自分が何者であるか」は決して分からないと思うからだ。この本を傍らに中国=他者と向き合うことで、後景に未だに自分でもよく分からない日本=自分というものを鮮やかに浮かび上がらせることができるのだと確信させられる。
1投稿日: 2013.04.22
powered by ブクログ中国とはどういう国か、どう付き合って行くべきか。中国のみならず周辺国との付き合いかたは、外交とはいかにあるべきかということが学べる。さて、この本を通して安部政権の外交のあり方を注視していきたい。
0投稿日: 2013.04.17
powered by ブクログ中国と日本は長い付き合いでありながら、なぜかその本質がよく分からない。本書はそんな中国を理解するための補助線である。 第1部:古代から続く中国のアイデンティティ 第2部:近代〜毛沢東の時代 第3部:日中の歴史問題 第4部:中国の今と日本のこれから という内容。 第1部,第2部では「中国人」の考え方、社会のありようがなぜああなのか、が腑に落ちる内容。 第3部、第4部になると、なるほどと思う箇所も多いが、全体としてはかなり日本への非難が多くなる。 中国寄りの橋爪氏、日本社会を蔑む宮台氏、比較的中立な大澤氏、という印象だった。 もちろん日中戦争に関しては日本が大きな過ちを犯したことは確かだろうし、それを検証し、反省する動きがないのは事実である。しかし当時の中国にも、他の列強国にもそれぞれの思惑や誤ちがあった筈であり、日本だけが愚かであったとするのはちょっと引っかかる。仮にそう思うのならば、彼ら自身がどのように責任をとるのかを示すべきではないだろうか。 彼らが言う「愚かで無責任な日本人」には自分たちは含まれていないかのような物言いにはいい気持ちはしない。
0投稿日: 2013.04.17
powered by ブクログ座談会形式だから、議論が荒っぽいところもあるかもしれないが、中国的思考の中心みたいなものがなんとなく、つかめたような。
1投稿日: 2013.04.14
powered by ブクログ私自身は中国の地域研究のスタディ経験がない、ので高校の世界史で勉強したところぐらいの知識しかない。社会学はわりとよく読んでいて、結構好き、という前提です。書いてあることが間違っているのはわかりませんが、大変よくわかりました。納得できる説明でした。儒教の考え方が中国という現象を説明するのに、どのように機能しているのかとか、中国の人の世界観とか。エズラヴォーゲルの本も読みたくなりました。
0投稿日: 2013.04.08
powered by ブクログ橋爪大三郎・大澤真幸・宮台真司という小室直樹門下の社会学者3人が、中国の社会・文化・政治について、社会学的観点から鼎談した本。やや印象論的ではあるものの、興味深い議論が満載。とりわけ興味を惹かれたのは、文革についての記述。 よく文革は中国の発展を10年遅らせたなどと言われるが、本書によると、文革があったからこそ、中国はスムーズに市場経済へ移行できたのだという。すなわち、文革によって、市場経済に適さない中国の伝統や習慣、行動様式が一掃されたため、改革開放がうまくいったのだという。ここから「文革こそが最大の走資派だった」「改革開放こそ、文革の最終的な仕上げだった」というユニークな解釈が導き出される。 他にも、本書にはさまざまな解釈が論じられているが、実際に中国の人が本書を読んだら(直感的に)どのような感想を抱くのだろう?
0投稿日: 2013.04.07
powered by ブクログこの本で学んだことがいくつかある。中国は施政者に順番をつけ、それが絶対であること。文化革命は、旧来の中国の旧弊のようなものを打破し、結果としてその後の改革革新をやりやすくしたこと、尖閣諸島を巡る民主党の対応はそれまでの日中間の外交の暗黙のルールに反していたこと等。勉強になった。
0投稿日: 2013.04.06
powered by ブクログ店頭での山積みに、本能的には気が進まなかったのですが、佐藤優さん曰くの「両論のバランスをとるのは大事」との理性で押し切って、手に取ってみた一冊。その佐藤さんが『読書の技法』で定義されていた速読でさらっと。お三方の対談集といった感じでとても読みやすかったのですが、、鵺のようないびつさが後味に残りました。 なんというか、無意識のうちに「中国(大陸)」を礼賛している人々の思考様式を垣間見たような。いや、意識もしているのかもしれませんが、カエサル曰くの「人は見たいモノしか見ない」のいい実例だなぁ、、と。 例えば、先の大戦への日本の参戦を、人権だの道義の観点で徹底的に断罪していながらも、文化大革命での大虐殺や、現在進行形のチベットやウイグルでの民族浄化を、単なる悲劇の一言ですませる不気味さ。 例えば、「中国」の歴史は2000年以上連綿と続いていてひたすら偉大だと言い続けながらも、「元」はモンゴル政権のため今の中国との連続性はなく、日本を侵略しようとしたことは過去に一度もないと言い切る支離滅裂さ。 極めつけは、北朝鮮の拉致なんて大した問題ではないと言い切っていることでしょうか、、うーん。その上で「中国大陸」は複数の民族を融和させた理想郷でマルクス主義の結実でもあり、それは「EU」と同質なのだとまでも、、うーん、悪い意味でのファンタジー? なにはともあれ、「中国」に取り込まれた人の思考を見てとれるとの意味で、目を通した価値はあったかなと。もしくは「事実との対話を忘れて」歴史をカタル人の典型的な思考パターンを把握できたとも言えましょうか。それにしても「民主主義」「自由」「人権」「法治」「市場経済」といった普遍的価値観そのものを否定する論調って本当にあるんだなぁ、、とあらためて。 ん、彼らに問いかけてみたいところです、チベットやウイグルで今この瞬間も起こっている「民族浄化」をどう評価する気なのでしょうか、と。同じことが自分や家族の身に降りかかっても、「悲劇」の一言で済ますことができるのでしょうか、と。
4投稿日: 2013.04.03
powered by ブクログ近年、日中関係が冷え込んでいるが、それは我々日本人が、中国との付き合い方を忘れてしまったからなのかもしれない。日本と中国は、隣国である以上、お互いに信頼関係を築き、共存していかなくてはならない。日本は、その第一歩として、もう一度中国を理解し直す必要があるだろう。
0投稿日: 2013.04.02
powered by ブクログ第1部中国とはそもそも何か 第2部近代中国と毛沢東の謎 第3部日中の歴史問題をどう考えるか 第4部中国の今・日本のこれから の4部からなります。 中国と言うのは外から見てもよくわからない国で、歴史を誇りにするくせに何で前時代の文化を根こそぎ破壊するような大規模な革命を起こしたがるのか?なぜ毛沢東はあんな人気なのか?国体は何回も断絶していながら、なんで未だに中華思想が健在なのか?チベットや台湾の事を中国人はどう思っているのか?そもそも本当に台湾を支配下に置きたいのか?何で儒教文化なのにマナーが悪いのか?国民に共産党に対する不満はないのか?などと、僕にとっては疑問の多い国です。 この本の第1部、2部では中国人のメンタリティをよく解説していて今の中国人が何を考えているか参考になりました。 ざっくりですが、 中国人は血縁関係を非常に大事にして、それが担保されれば、支配するものがだれであってもそれ程、関心がないということ。 交通ルールが無いに等しいのに事故を起こさないように、個人が利己的に行動し、皆がそうであることを信頼して、予測することで結果的に秩序が保たれていること。(相手に気を遣うと逆に事故になる。) 中華思想から、西洋的な近代化にいまいち納得していないこと。 などです。 3部では、歴史問題に言及するのですが、ここはまぁ、十分でないというか、すんなり納得できない部分もありました。読むに当たっては疑問に思う部分は立ち止まって、よく考えた方がいいと思います。 4部は、アジアの領土問題のデリケートな部分に触れています。台湾や沖縄が、日、米、中間の均衡に非常に重要な役割をもっていることが再確認できます。 この本は対談形式なので、明確な結論みたいなものは無いです。 また、3人とも、昔の中国びいきなのかなぁという印象があります。 それはいいのですが、「今の日中関係あるいは日韓関係はが上手くいってないのは、かつての日本人のように、中国に対する強い畏敬の念をもって何かを学ぶ姿勢がないからだ。」といった記述があります。(韓国もまた、中国文化をを伝える役割をしていたことから、尊重されていた。) ここで言う「かっての」とは儒学が盛んだった明以前の時代ですが、さすがにそんなあまりにも昔のことと今とを同じように論じるのは無理があると思います。 それを言うなら今の中国に尊敬できる部分がないと難しい。 しかし、この本によると中国人の考えとしては無くは無いようです。
1投稿日: 2013.03.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
中国は本当に興味深い。私の知っている中国国籍の人々は皆物腰が柔らかく、心からいい人たちなので、あの強硬なイメージの中国と比べると全く異なる。また、世界のお金持ちの国にのし上がったにも関わらず、貧しい人々やゴーストタウンの話も絶えず聞こえてくる。そもそもやっていることは資本主義なのに社会主義と名乗っているのも不可思議。光と影の中国、どんなに知っても知り尽くすことのできないであろうこの国について、面白そうな本が出たので手にとってみた。 中国があんなに威張っているのはなぜか。それは東夷として見下していた国ニッポンが、この数十年中国を押しのいて成長してきたからだという。そもそも日本は漢字を取り入れたり、中国をお手本としている国だった。なのに眠れる獅子をやっつけたあたりから日本は中国に侵入して国をめちゃくちゃにしてくれた。なので、日本のことを絶対に許してくれないのだ。 尖閣事件の際に民主党政権が中国政府に行なったことが今までの慣習とは異なっていたから中国が怒っていることも、この本で初めて知った。 今まで、なんだよ中国と思っていたが、実はなんだよニッポンなのかも。日本が大好きなあまり、どうしても外側からの目をなくしてしまい勝ちだが、色々な方向から日本を、そして世界を見なければならないと改めて思い知らされた一冊。
0投稿日: 2013.03.25
powered by ブクログなるほど、と納得するところも多かったし、 自分が勉強不足だな、と感じるところも多かったのは確か。 他方で、特に第3部ですが、事実の検証なしに(例えば南京大虐殺、例えば財務省の思惑)議論を進めていたり、簡単になるほど!と言えないところも多かったです。そして、そのことを指摘せず、その依拠するデータが真実であるかのように議論を進めていくことに少し違和感を覚える点もありました。本当にそうなのか?と疑いたくなる。 どちらかと言えば中国の立場に立った歴史や現状について学ぶことができます。だけど、この本から学んだこともふまえつつ、ちょっと立ち止まって考えなくちゃいけないんじゃないかな、と思いました。なんとなく、鵜呑みにしてはいけない気がします。 あくまで、自分の思考を深めるための一助とすべきではないか。 さらさら読めてしまうけど、だからこそ丸々信じるべきではない。 前回読んだ「ふしぎなキリスト教」は、自分と違う世界すぎてあまりそのようには思いませんでしたが、今回は少し、なんだかなぁと考え込んでしまいました。中立的に議論しているように見えてしまう、というのは自分の未熟さがなせる技なのかもしれませんが。
3投稿日: 2013.03.20
powered by ブクログ中国人の奥さんがいる橋爪大三郎氏、大澤真幸氏、宮台真司氏、御三方による中国を読み解く鼎談本。 目から鱗が落ちるとは、まさにこのことだな。中国人の我の強さは、こういうことだったのか。常に自分と相手を比べてどっちが上か下かを探り合っている。 中国人から見たら、やはり日本人は辺境の民なんだな。 たまたま戦後復興を果たして、経済成長できた日本が先進国の仲間入りを果たしたと思い込んでるだけで、日本は先進国としての振る舞いをしていないなと思った。 中国四千年の歴史は、深いなぁ。中国の方が、世界を相手にした時に、交渉もできるし、渡り合えるが、日本は、空気を読んで右往左往するだけ。空気なんてあるように見えて、見えてない。全然読めてないよ。
0投稿日: 2013.03.19
powered by ブクログ大澤と宮台が気づいたことを言い、橋本が解説していくという形式で書かれた本である。中国のことだけを話せばいいのに、大澤と宮台が横道にそれて何とか自分の専門に持ってこようとしているところが東大話法の実例として面白い。せっかく中国に行ったのであるから、それぞれ3人が観察したことを自分の言葉で説明して欲しかった。
0投稿日: 2013.03.17
powered by ブクログ内容が多岐に渡り、対談形式なのではっきりした結論がわからない部分もあるので感想が難しい。疑問も結構あるが、それでも面白い。特に天の理論。西洋的な神がいない中国が、皇帝の支配を正当化する為の理論だが、何も言わないし正邪もない。ただ勝ち残ったものに天命が下り、支配がうまく行かなくなって反乱が起こり倒されると天命が去る。毛沢東が皇帝か、というのも面白い。中国共産党がイデオロギーのない、つまり政党ではなく皇帝の意を実現する統治機構、いわゆる官僚組織というのもそう。だから毛沢東が失敗しても、マルクス主義じゃなくても、その権威は揺るがない。皇帝と官僚だから。日本と中国の戦後の関係の理解も面白い。周恩来や鄧小平などの理性的で反日感情を越えた政治判断できる人は今の中国にいるのかな?江沢民からかなり偏向した気がする。日本はもっとひどい。だいたい第二次世界大戦についての日本の共通理解が国民にない。教育の問題とか戦後に幅を効かせたマルクス主義史観の問題とか冷戦の影響とかあるだろうが、少なくとも宮沢喜一くらいまでは、日中関係がどうあるべきか、歴史観も含めてしっかりしていたと思う。今は本当にダメだと痛感。
1投稿日: 2013.03.08
powered by ブクログ本書を通じて、中国がおどろくほどプラグマティックであることを知らしめされた。 広大な地域の政治的統一という至上命題のために、歴代支配者はさまざまな思想を動員した。歴代王朝は儒教と法家思想を巧妙に使い分け人民を支配し、毛沢東は(意識的かはさておき)伝統儒教的な支配概念である天子概念の代用物としてマルクス主義を唱え、鄧小平は資本主義を受け入れ改革解放を断行し高度経済成長に導いた。 政治的統一の重要性を知っている中国国民は、大方の予想を裏切り、政治的統一を維持するために、しばらくは中国共産党による独裁を容認するであろうとの橋爪氏の意見は非常に説得的であった。 また、自分が起こした戦争の目的についてすらも認知することができない、中国的プラグマティズムとは対極にある日本社会の枠組(空気が支配する社会の枠組)において、中国社会が理解され得ないのは至極当然のことであると納得させられた。
0投稿日: 2013.02.21
