
総合評価
(486件)| 86 | ||
| 206 | ||
| 141 | ||
| 19 | ||
| 3 |
powered by ブクログ山岳小説でもあり、サラリーマン小説でもある。 山(自然)は自分を写す鏡であり、山が何かを変えてくれることはない。自分が変わるしかない。
0投稿日: 2024.12.23
powered by ブクログ社会生活と人間生活のバランスの大切さを考えました。 問題や葛藤、不安で先行き不透明に陥った時の精神状態の時、慌てず騒がず…そんな人になりたいと思います。 何が正しいとか、何かがあるからそうなる結末とか、そんなことではなく、刻々と流れていってしまう自分の時間に集中すること、没頭しきることの大切さを言われているように感じました。 登山もしていたので、山に入るあの感覚…とても共感できました。
5投稿日: 2024.12.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
久々に本を読んだ。 最初と最後で登山・会社に対する向き合い方や雰囲気がガラッと変わって面白かった。 メガさんはまだバリを続けてるのか、最後は曖昧な感じになってたけど私はもうやってないかなと思った…現実世界で失業し、バリ以上の生きるか死ぬかになってるのではと思うから。 その点はたくんはメガさんからバリを移されたなと思った。この先会社どうなるんだろう。
1投稿日: 2024.12.22
powered by ブクログバリとはバリエーションルートの略。 バリ登山をきっかけに生き方を自問自答する。 バリ登山、怖いけど憧れるな。 近年のキャンプブームだって同じ。 あんなのごっこだもん、おしゃれなアウトドアブランドに身を包み、高性能のギアを買い揃えてね。妻鹿さんみたいに、本物の楽しさを知ってみたい、怖いけど。死んでもいい覚悟でやる趣味なんて、趣味なのかね、いやぁ、生きる意味を考えさせられる。 枝に衝かれ棘に衝かれ、ザックもウェアも傷だらけになるような、蔦だらけの道を行く山行。 藪、蔦、棘。撥ねた枝が目を狙って鼻先を掠める。そんな冒険を経て飲む、淹れたてのコーヒー。想像しただけで溜息が出る。 こんな登山してたら感覚麻痺しちゃう。麻薬のようなものだと感じた。
13投稿日: 2024.12.22
powered by ブクログ松永K三蔵『バリ山行』読了。主人公が防水・外壁塗装工事の会社に勤めている点、大人になってから登山を始めている点など、何だか親しみを覚える設定で一気に読んでしまった。元同僚にも鉈ひとつ携えて低山に入るやつがいた。バリ山行ちょっと憧れてしまう。
1投稿日: 2024.12.22
powered by ブクログそこに死があって生きてる実感を持つからリアル。仕事は遊ぶための手段。人の根拠のないあれこれに振り回されるおもしろくない人生よりも、山で無になれる方がいいな。ま、私はYAMAP見ながら登山道を歩くけどさ。
2投稿日: 2024.12.18
powered by ブクログ面白く読了しましたが、 個人的には、芥川賞受賞作品より直木賞受賞作品の方がエンタメ性があって楽しく読めます。 どこの会社も一緒だなと薄い感想を持ちました。
10投稿日: 2024.12.12
powered by ブクログかなり好き。 一人称「わたし」の視点で描かれる日常生活と登山。 文体は感情の起伏が少なく、淡々と語っているように見える。 でも、目の前で起きている事はかなりドラマチック。 さぞかし主人公は内心ドキドキでしょう。 職場ではリストラの恐怖に怯え、精神的不安定に悩まされる。 休日の登山は同僚とハイキングしている段階では「楽しいねぇ」と心穏やかな感じだったのが、一転、同僚の妻鹿さんに同行して「バリ」を経験してしまったら、一寸先は闇の恐怖に取りつかれてしまいハイキングには戻れなくなってしまう。 主人公や妻鹿さんが取りつかれている「バリ」の魅力とは一体何なのか? ”感じるんだよ。崖とか斜面を攀じ登った後ってさ、全身が熱くなって昇ってね。堕ちたら死ぬような危ないところだと特に。で、そういう後で、誰にも会わずに淡々と、ずっとこんな径を歩くとさ、聞こえてくるのは山の音だけで、あとは自分の呼吸と足音。それが混ざって、なんか気が遠くなって、ボーッとしちゃって。そしたら感じるんだよ。もう自分も山も関係なくなって、境目もなくて、みんな溶け合うような感覚。もう自分は何ものでもなくて、満たされる感じになるんだよ” ズバリ、妻鹿さんが放ったこのセリフが全てだと思うのです。 恐怖を越えた先にあるもの。 それを経験するための手段が彼らにとっては「バリ」なんですよね。 ボーッとしちゃう。 溶け合う。 何ものでもない。 これってトランスに入っている状態だと思うのです。 人生でこれが見つけられるって、かなり幸せな状態だと思うのです。 幸せな状態であるのにも関わらず、命がけ。 精神的には平穏なのに肉体的には恐怖。 相反するものが混在している不思議な状態なんですよね。 この小説は他にも対比がありますね。 精神的恐怖(リストラ)と肉体的恐怖(バリ)。 同じ恐怖でも全く意味合いが違います。 そして、私たちは日常生活でこの小説ほど極端でなくてもこの二つの恐怖に挟まれることは結構あると思うのです。 そんな時に思い出したいのが、妻鹿さんのこの言葉。 ”でも俺は自分のことをやるだけだよ” 生きているとイロイロあるけれど、周りに流されずコレが出来ている人が結局生き残れる気がします。 難しいんですけどね(^-^;
47投稿日: 2024.12.11
powered by ブクログ毎日六甲山系をぼんやりと眺めながら通勤している。 妻鹿さんと波多、どちらにもなれてしまいそうだなぁ。 令和の山岳小説はロングトレイルかと思いきや、低山でバリ山行か。そうくるかー。
3投稿日: 2024.12.10
powered by ブクログなんとも悪魔的なバリ山行。当然色んな批判もあるだろうが、その魅力もわかる気がする。そこに山があるのだから
5投稿日: 2024.12.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
芥川賞受賞作を読むと小難しく読んでいても難解な言い回しでよく解らない作品が多いように思うが、芥川龍之介の代表作などは、あっているかどうかはわからないが主人公が何を想い行動しているのかとか、周りの人たちの胸中などを想像できるものが多いように思う。この作品はどちらかと言うとそれに近しいもののように感じられました。素人が何を偉そうにと思われるかもしれませんが率直な感想です。非常に読みやすくリアリティがあり、そして主人公然り、妻鹿さん然りいろいろと想像し考えさせられるものでした。本の装丁のデザインはバリルート?
6投稿日: 2024.12.05
powered by ブクログ自分と対峙し、突き詰める。こういう生き方が合う人って実はもっと居るのではないかな。人間"社会"では生きづらくて埋もれがちなだけで。埋もれなければ、カッコよく見える部分も確かにある。 山好きなので読んでみた。こんな本気のバリはやろうとは思わないけど、ハマる人がいるのはわかる気がするなー。 六甲山や播磨アルプス登っておいてよかった。 そしてこれがブクログ登録記念の(?)877冊目。 ※877=筑波山の標高です
1投稿日: 2024.12.03
powered by ブクログ勧められて。 主人公がバリと出会う前は、閉塞感のある展開に正直うんざり。でも波多が妻鹿とバリに入ってからは自然描写があまりにスリリングで、臨場感にぐっと引き込まれた。波多の心情と読み手の高揚感がリンクしていく感覚があって面白かった。 私も単独行を好むので、ひとり山で焦る感覚はわかる。たしかに下界では出会うことはないかも。バリはやりません。
1投稿日: 2024.11.30
powered by ブクログ確実にこの小説を筋立たせているのは、妻鹿。妻鹿のように謎があって1人を好む人って、異常なほど魅力的に見えるし追いたくなるし、何かを持っているように思えるけど、意外に何も考えていないのかもしれない。いい意味で目の前のことだけを見ているのかも。静かだからと言って何かを心のうちに抱えていると思うことすら傲慢なのかもしれない
2投稿日: 2024.11.25
powered by ブクログ「藪漕ぎ」中のMEGADETHさんの変態っぷりが最高 後半に主人公ハタゴニアの単独行中に陥いる恍惚感 の描写がいい。 これまで数多くの山岳小説をむさぼり読んできたが 芥川賞を受賞した山岳モノは初めてだそう。 まるで日曜劇場で描かれそうな会社内の人事的内情が始めは退屈だったが、これもなくてはならない 材料の一つになっている。 やはり これまで読んだ山岳小説とはだいぶ 毛色が異なり、面白かった。
2投稿日: 2024.11.22
powered by ブクログ芥川賞って言うからもっと小難しいのかと思った。 山やがガンガン登るのを想像していたが、全く違った。 読みやすく、山中の描写がキラキラしていて、行ってみたくなってしまう小説。
0投稿日: 2024.11.20
powered by ブクログ図書館で予約しており待っていたが、なかなか回ってこず堪らず買っちゃった(図書館あるある) 妻鹿さんも主人公のように現実に悩んでバリを始めたのかもしれない。だけど今は純粋にバリの楽しみを教えたかった。 主人公はバリを名目に、現実逃避したかった。 目的が違えば体験も感想も異なるわけで、分かりあうことが出来ないのであれば、やはりバリは1人でなくちゃいけないんだと思う。 山行する描写が細かくて、一緒に登っている気分になれた。命を脅かす事を自ら味わいにいくって出来ないよね。 映像化されそうな気がしたけど、これを見てバリ山行する人が増えるのは怖いな!という(笑)それくらい影響力が高い、帯通りの作品だった。
5投稿日: 2024.11.19
powered by ブクログバリ描写がリアルで楽しかった 私は正規のルートで登ることがほとんどだが こんな楽しみ方もあるんだと初めて知った
4投稿日: 2024.11.17
powered by ブクログ友人から勧められ読了しました。 ストーリーはシンプルで情景描写がとてもわかりやすい。きっと映像化されるんだろうなあと思います。ライトで読みやすい。 私自身は自分で想像したいなので、説明文を読んでいるようで、少し物足りませんでした。 恐れは人がつくりだす幻で、自身は自然や大地と本来は一体化していて現実に基づいて対応することが生きることだ、みたいな核のテーマが、バリ山行を題材に書かれているストーリーそのものは、楽しかったです。
2投稿日: 2024.11.17
powered by ブクログ六甲山を舞台にした話がどんなものかわくわくして読み始め、あっという間に読了。 山を歩くときのさまざまな気持ち、それが細かく描かれていて共感しまくり。妻鹿さんとの山行が始まるとこちらまで高まってくる。思わず笑ってしまう場面も。緊迫感も。 仕事や家庭との関わりもリアル。 妻鹿さんの「やるしかない」が響いた。 なぜ山に行くのかについて改めて考えた。 あのルートか!とかそんな道があるのか、とか。地図と照らし合わせたりするのも楽しかった。読み終えた後に見る、本の装丁も秀逸!
1投稿日: 2024.11.16
powered by ブクログあくまで個人的な印象ではあるけれども、芥川賞受賞作品を読むと、何故かちょっと変わった人というか、もしかしたらこの人は・・・みたいな方が大抵登場するんだよねと感じているのは、私だけであろうか? 本書に関しては、始まりのページに書かれた『レッツのぼりニケーション』といった、如何にもな緩さを感じさせる社内イベントの誘いから、次のページでは早速それが始まってと、その皆でわいわい楽しむスピーディーな展開に、山登りの魅力だけを伝える話なのかと思わせといて、次第に現実社会の厳しさへとシフトチェンジしていく流れに上手さを感じつつ、こうした展開はもしやと思ったら、やはり本書でも登場しましたね。 でも、「妻鹿(めが)」さんみたいな人っているよなと私は思い、客観的に見て今遭遇しているものよりも厳しい、というよりは、そもそも次元が異なるような厳しさと比較することによって、現実の厳しさなんか何てことないんだよと、自らを納得させて乗り越えようとする人。 ただ、その厳しさって自分から望んで探しに行っているようなものだから、仕事に於ける、できれば出会いたくなかったのに嫌でも乗り越えなければならないんだよな、といった厳しさとは全く意味合いが異なってくるのではないかなとも思い、その辺の矛盾に気付いていないのかもと思わせといて実は・・・みたいなところに、人間の複雑で奥深い点を感じさせるというか、やっぱり色々と関わってみないと人って分からないよねみたいなことも、本書は教えてくれたような気がして、そんな彼を追い掛けていく「波多」の姿には、初めて仕事の柵から解き放たれたような、どこか生き生きとしたものを感じられた、その代わりに、今度は自分本位という形で他の者に別の厳しさが移ることにはなるのだが。 「バリ」とは『バリエーションルート』の略だそうで、「山行」は普段あまり使わない言葉ではあるものの、意味としては登山やハイキングといった『山岳地へ行くこと』であり、要するに『バリ山行』とは、誰かが決めて整備された安全第一の登山道ではないルートで登山をすることであり、それはまるで人生にも擬えられそうな、『生きる道は自らの手で切り開いていくものだ』といった素晴らしさを暗示しているようでありながら、実はそうとも限らないということを最も伝えたかったのではないかと思われた、それはまさに今の社会は、果たして昔と比べて恵まれているのかどうかということを、思いの外に痛感させられた物語からも感じられて、これだけ残業もしながら毎日切羽詰まったように仕事をしている日本人の現状を、当たり前のように感じそうになりながらも、いやどこかおかしいのではないかと感じずにはいられない、そんな心のやりどころを失くしそうな、どこか空虚な感覚をもたらしたのは、まさに今の社会ならではの芥川賞受賞作品だからなのかもしれない。
67投稿日: 2024.11.15
powered by ブクログ芥川賞の作品は読んで面白いと感じたことがあまりなかったけど、偶然町の図書室にあったものを手に取りました。何がどう、と問われると答えられないけど、面白くて一気に読んでしまいました。
0投稿日: 2024.11.15
powered by ブクログ主人公まじで家のことやらなくて、おーいと思ったけど、職場での人付き合いの虚無感とかリアル。 何より、メガさんかっこいい。きっとその生き方も正しい、とかではなく正規ルートは、外れている。でもバリみたいな人生だってありだよね。
0投稿日: 2024.11.12
powered by ブクログ中味はスカスカ、160ページ。バリ登山に対する熱い内容のみ。熱い想いは伝わったけどやりたいとは思わなかった。人物描写は上手く主人公の心情も読み取れたが、男性向きの内容かな?
0投稿日: 2024.11.11
powered by ブクログ仕事終わりの飲み会や、食事会などの付き合いは苦手な波多だが、誘われて軽い気持ちで参加した山歩きに新鮮さを感じ、休みごとの山歩きを楽しむようになる。 仕事を忘れ、自然の中に身を置くという解放感を味わうも、会社に問題が持ち上がったりすると自然、そういう話が山でも出たり、会社から切り離せなくなってくる。 そんな中、社内に単独で山を歩く人を知る。 しかもバリ専門だという。 バリとは、バリエーションルートを歩くことで、一般の登山道を外れて、藪を分け入ったり、谷を歩いたり、道なき道を歩くことである。 そういう行為は自然破壊につながるとか批判を浴びながらも、毎週歩くその先輩、妻鹿にいつしかあこがれ、同行を願い出る。 山歩きで日常を忘れ自分を解き放つ・・・ しかし、当初の感動はいつしか、会社のこと、仕事のこと、自分の身の振り方、に心は奪われて薄らいでいく。 芥川賞受賞作ですが読みやすい、するする読めます。 舞台が六甲山という身近な山なので、思い浮かべられたのも楽しかった。 第171回 芥川賞受賞
3投稿日: 2024.11.11
powered by ブクログ家にいるのにまるで山登りしてるかのような臨場感で読めた。 バリルートの人生も悪くない。 道を切り開け! 奥さんに小さい子任せて、休みの日に1人で山登りする主人公は、ちょっとうーんって感じ。 女性より男性のほうが刺さる本だと思う。 くるりの『ナイトライダー』聴きたくなった。道なき道をいくー。
2投稿日: 2024.11.10
powered by ブクログ生活に支障をきたすレベルで面白いというツイートを見かけて購入。生活に支障は出ないレベルにおもしろくてよかったね〜と思っていたけど、読了後からじわじわ、いや……かなり、面白かったんじゃないのか?という感情になっていくスルメ本だった。 出不精の引きこもりでも登山してる気になれるのでお得。
0投稿日: 2024.11.09
powered by ブクログくせが強い作品が多い最近の芥川賞にあって、くせのない良い意味で普通の小説 とても読みやすく、それでいて現代的な作品で現実的なテーマ、とても共感できました
13投稿日: 2024.11.08
powered by ブクログ芥川賞本は苦手感が否めないのに久々面白く読めた。 バリ山行の意味も知らず読み始めたものの、バリ山行と人生は似てるんだなと思う。 自分が何を楽しむのか、人に理解されなくとも、様々な困難に出くわす臨場感、そこをのりこえたときに得られる代え難い爽快感や達成感、コーヒーも一緒に飲んだような気分になった。 妻鹿さんの「ひとりがいいんや」を波多さんは理解しきれず非難し、すれ違ったままで終わったのも、最後に青いマスキングテープを見つけた終わり方も好き。 まだ知らない未来があると思えるから。
1投稿日: 2024.11.07
powered by ブクログ配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01434430
0投稿日: 2024.11.07
powered by ブクログ仕事とバリ山行が趣味の妻鹿の影響で登山に魅せられていく波多。バリってバリエーションという意味らしく、舗装されていない未開拓のルートを開拓することとの事。物語に派手さは無いが、それが良い!登山素人波多を通して、山の恐さが伝わりましたね。山舐めたらいかん、東京都の低山で登りやすい高尾山ですら軽装備や怪我で動けなくなる方々いるくらいだからね、テレビで特集してました。捻挫一つで高尾山でも山は恐くなる。。。
0投稿日: 2024.11.07
powered by ブクログ芥川賞を受賞してなかったから、この作品を知らなかったと思うと悔しい…! 中小企業勤め&たまに登山する勢としては他人事だとは思えない内容だった。 何事も憶測だけじゃなくて、身をもって何が危険なのかを判断することが大事なんだと
0投稿日: 2024.11.06
powered by ブクログ山関係の本だと孤高の人とか神々の頂とかが思い浮くが、低い山でもヒリヒリとしたスリルがあって面白かった。 むしろ日本で普通に働いている彼らが、休日を利用して登っているところは親近感が持てて良かった。 バリはともかく、久々に身近な山や森に入ってみたいと思った。
3投稿日: 2024.11.06
powered by ブクログp.115〜116 「「会社がどうなるかとかさ、そういう恐怖とか不安感ってさ、自分で作り出してるもんだよ。それが増殖して伝染するんだよ。でもそれは予測だし、イメージって言うか、不安感の、感でさ、それは本物じゃないんだよ。まぼろしだよ。だからね、だからやるしかないんだよ、実際に」 「バリをやってるといろんなことを考えちゃうんだよ。で、それでも確かなもの、間違いないものってさ、目の前の崖の手掛かりとか足掛かり、もうそれだけ。それにどう対処するか。これは本物。どう自分の身を守るか、どう切り抜けるか。こんな低山でも、判断ひとつ間違えばホントに死ぬからね。もう意味とか感じとか、そんなモヤモヤしたものじゃなくてさ。だからとにかく実体と組み合ってさ、やっぱりやるしかないんだよ。」 仕事という現実との闘い。 山という自然の中での向き合い方。 自分の責任で自分の納得のいく考え方で 本気で取り組む。 チームワークは必要だけれど、 根本の考え方の違う人とはチームを組めない。 読み終えて、、、 まだ私は現実を直視するだけの勇気はなく。 ただ、ひとりの時間を過ごす中で 山を歩く主人公と同様に 神社にお参りする時だけが 無となり感覚が研ぎ澄まされるのは 似た表現があり共感できた。 p.153 不意に身体が浮くように感じた。落葉を踏む音と呼気、そこに自分の心音が混じる。歩きながらそれを聞く。 それらは勝手に同調し、反発し、跳ね、熱を帯びた身体の中で騒ぎ、酔いに似た感覚があった。酔いに任せ、私は眠るように歩き続けた。ふと断崖に行き当たって気づいて、自分はいつからそうして歩いていたのだろうと戸惑った。歩いていた間の意識がすっかり抜け落ちている。それは奇妙な感覚だった。 深く考えていたような、あるいは何も考えていなかったような。思考と呼べるほど確かなものでなく、感覚に近い、もっと渡とした何か。その中に深く潜っていたような感じ。
5投稿日: 2024.11.04
powered by ブクログディープな登山の描写が多め。 分かりにくい場面もあるけど、 この登山みたいに電話やLINEがつながらない時間が普段からあっていいと思う。
6投稿日: 2024.11.03
powered by ブクログひとり、道なき山を苦労しながら歩くことには、何かしらの良い精神作用があるのだろうな、とは思いました。でも、もっと手軽でないと、腰の重い自分には出来ないだろうな、とも。山の麓にでも住まなければ、自分には出来ない。
71投稿日: 2024.11.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「本物」は街にあるのか、山にあるのか。 久しぶりに芥川賞でちゃんとした本を読んだ。 ちゃんとしたというのは、具体的で読んでも意味の分かる本という意味。 (決して他の作品を批判している訳ではない。私は純文学オタクである。) ここ最近の芥川賞の中で一番読みやすくて良かったかな。 やっぱり私は「本物」は山にあると思っている。でも街を捨てられなくて山に行けない。 引用 「「ジロくんおる?」我が物顔で事務所の奥まで入ってきて目についた社員に声を掛ける。「・・・ジロくん?」と前の月から派遣で来ていた渡邉さんが戸惑っていると、すぐに難波さんが、「あ、こちらどうぞ」と応接室に通そうとするが、それを手で遮って社長室に向かう。」 元秘書だから、ここリアルすぎて気味悪かった。よくいるこういう人。なんなんだろう。遊びに来てんのか仕事に来てんのか分からない社外の偉い人。 「全く奇妙なことに、不穏な社内で社長だけはひとり快活だった。」 これもあるあるすぎる。 「妻鹿さんは手帳を捲った。月曜から土曜までびっしりと細かい文字で予定が埋められている。しかし日曜の欄だけはくっきりと空白が守られていて、ただ一文字、「山」とだけ書かれてあった。」 「私も有給休暇をもらって山に来たのだった。そう思うと私は急に胸苦しさを感じた。妻鹿さんは振休で私は有休。つまりそれは会社の制度の中で、その枠の外ではない。会社は危機で、人員削減が検討され、その為の個人面談もはじまっている。自分がその対象にならないとも限らない。それを、そんなことを妻鹿さんは本当に忘れられているのだろうか。」 「どうなるかって、先のこと。みんな集まって騒いでさ、果てしのない議論したところで、実際どうなるかわからないでしょ。」 この文太字にしたい。 「会社がどうなるかとかさ、そういう恐怖とか不安感ってさ、自分で作り出してるもんだよ。それが増殖して伝染するんだよ。それは本物じゃないんだよ。まぼろしだよ。だからね、だからやるしかないんだよ、実際に」 「服部部長の、工事課の集まりにも参加していたが、今はそんなことがひどくバカバカしく、またそんな彼らに追従していた自分が滑稽に思えた」 「妻鹿さんは自らクビを切ったのだ。笑うようにカラビナを鳴らし、山の中をひとり歩いていく妻鹿さんの後ろ姿が不意に思い浮かんだ。私はまた以前と変わらず仕事をはじめた。大波にのまれ、また押し戻されて、呆れるくらいあっさりと、元いた場所に戻っている」 終わり方が良すぎた。妻鹿さんに会えますように。
13投稿日: 2024.10.30
powered by ブクログ整備された登山道ではなく、自分で等高線を調べるなどして山を登るバリ山行。波多(はだ)は六甲山など近場で登山を楽しむ。会社の状況が危なくなってから、バリ山行を楽しんでいる同僚の妻鹿(めが)と登山する。藪を掻き分け前進する妻鹿、足跡をトレースしながら初めてのバリ山行をする波多。登山道が用意された人生(歩まされる道)であるなら、バリ山行は自分が切り開く人生である。厳しい道のりだが、そこには高揚と快楽がある。自分自身があるとも言えよう。波多は妻鹿の道をトレースした。波多にとって妻鹿は人生の師匠にあたるのだろう。ても、最終的には自分の道は自分で見つけなければならない。師匠の気配を感じてもそこに師匠はいない。
10投稿日: 2024.10.30
powered by ブクログ小説としては、大変面白かったが、登山を趣味とする私にとって、登山道ではない、バリエーションルートを行く山登りは、行きたくない。
5投稿日: 2024.10.28
powered by ブクログ人生の哲学が垣間見える山岳小説。 兵庫県の山と言えば、「六甲山」を舞台にした山岳小説だったので、 親近感がある中で読めました。 知っている地域などあると嬉しくなりますね。 今回は「バリ」を通しての深いテーマで話が進んでいきます。 山を登ることでの死の危機感を味わう意味。 死を意識することが大切であり、人生で起こる不幸や災難は微々たるものと感じることが大切なのではないかと考えさせられました。 死より怖いものはこの世にはないと思うと色々な出来事を楽しむことが大切かも知れませんね
24投稿日: 2024.10.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
タイトルの意味も分からず読み始めたが、読みやすく一人で山登りに行きたくなった。メガさんはその後どうしてるんだろ。
0投稿日: 2024.10.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
良い。 芥川賞に相応しい。難解な語句は無く読みやすいけど、純文学になるんだろう。 本当の怖さ。よく山登りする人なら分かるんじゃないかと思う。まさに今必死に登る事だけ考える瞬間がある。 確かに、よく言われる怖さとは、想像しているだけで実際は起こらないことが多い。リスク管理は大切だけど、心配しなくてもいいんじゃないかと思った。
1投稿日: 2024.10.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かった!登山と人生を重ねる…と言ってしまえば簡単だけど、それが緻密に表現されていて圧倒される。主人公やメガさんの複雑な人間模様もリアルで引き込まれた。ただ途中から、家事育児のほとんどを妻に任せて自分はひたすら山を登る主人公にイラついてしまい、心から楽しめなくなった。笑 男性(というか家事育児の主たる担い手ではない)読者は、そこに引っかからず最後まで読めるのかしら。
1投稿日: 2024.10.25
powered by ブクログ今年に入って読んだものの中ではかなり好み。派手な展開はないけれど、変わり者であろう妻鹿さんの魅力に傾きつつ、後半は主人公の心の揺れに目が離せず徐々に晴れやかな気持ちになりながら夢中で読んだ。
4投稿日: 2024.10.24
powered by ブクログある同僚が打ちこむバリ登山に惹かれていく主人公。単独でのバリ登山では、深く眠るような、快楽に近い感覚を得るとともに、自分の中にある胸苦しい様々な不安が吹き出してくる。 私は数年前、仕事での人間関係に疲れていた時、登山と出会った。自然の中に一人ポツンといる孤独な感覚と、逆に自然と溶け合い、その一部だと感じる感覚がmixされてなんとなく心地よく感じて、今も続けている。主人公の気持ちに共感できる点ではあるが、登山によって、不安は無くならないが悩んでいたことが少しどうでも良くなった。 自分を見失い悩んでいる方、登山が好きな方、自然を愛する方、などなどいろんな人に読んで欲しい一冊です。そして、この本を読んで、心から他の人に登山もすすめたいと思いました笑。
5投稿日: 2024.10.22
powered by ブクログ読んでいて息が苦しくなるほど山行の描写が迫力ある。 山が好きな人にお薦めしたい。 ただ、こんな人が夫だったら許さん!
2投稿日: 2024.10.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
やっと!!読めた!! 話題すぎて手に入らなくて、手に入ってからは忙しくて中々読み進められなかったんだけどやっと読み終わった!! 「ブロマンスが最高!!」という口コミを読んでいたので血走った目で読みました 口コミ通り!!! ブロマンスが!!!最高~~~!!!!! 躍り狂っちゃう 主人公の妻鹿さんへの気持ちの上がり下がりがめちゃくちゃリアルじゃなかった?? なんとなく気になってて、近寄れる機会探って、チャンスを逃さず山に誘って、でも思ってたのと違ったから妻鹿さんのこと傷付けてそのくせ一人おセンチになって、いざ妻鹿さんがいなくなったらそれが執着になる!!!!! あーーーーーーーーー!!!!!!やっほーーーーーーーーーーー!!!!!!!心は山頂ですよこんなの!!!!! 楽しかった~ なんか山登りしてるみたいな小説だった 鬱蒼としてて 表紙が好き
2投稿日: 2024.10.20
powered by ブクログとても読みやすかった。 芥川賞ってハードルが高いイメージがあったけれど。 作者ご本人が「オモロイ純文学運動」を目指すとおっしゃってます。 オモロイこと、読みやすいこと、大歓迎! 主人公は、修繕工事会社で働く波多。 変人と疎まれる妻鹿(めが)が、バリ登山の達人と知ります。 バリとは、バリエーションルートの略なのだとか。 正規の登山道を辿らない登山。 これは、危ないです。 でも、波多は妻鹿に同行することに。 山での妻鹿の言葉は魅力敵。 「合っているかじゃないんだ。 行けるかどうかだよ。 行けるところがルートなんだ」 そして、会社倒産への不安を漏らす波多にかけた言葉。 「自分の仕事をやるだけだよ。 恐怖とか不安ってさ、自分で作り出してるもんだよ」 体を動かすって、精神的な活動でもあるのかも。 頭でばかり考えないで、動いてみるって大事かな。 会社での日常とバリ登山の非日常。 組織での葛藤と自然の中での自由。 対比が、分かりやすい文章で気負うことなく描かれています。 山好きの人にはたまらない話。 描写がリアルなのです。 一緒に藪をかき分けている気分。 そして、最後に用意されていたもの。 それは何とも素晴らしい景色! 必死で藪を抜けた先…。 ゾワッとしました。
46投稿日: 2024.10.19
powered by ブクログバリ山行のバリは、 もちろんバリエーションルート ルート通りの山行をするか、 バリエーションルートに外れるか 人生も同じ 地の果てに行くような、 壮大なバリエーションではなく、 近所の山で出来そうな、 低山バリエーションってとこが、 とても沼
1投稿日: 2024.10.19
powered by ブクログ芥川賞受賞作と言うことで勝手にクセのある作品なのかなと思っていたが、なかなか読みやすかった。 登場人物もリアルに描き分けられていたし、なにより私は六甲山には軽いトレッキングで登ったことがあるので、情景を浮かべながら読み進めることができた。 「登山、妻鹿さん、仕事」を軸に主人公の気持ちが丁寧に描かれている。社会人ならだれもが主人公に共感できるだろう。 そして妻鹿さんのような人もいる。変人とラベリングされた人に対して周りが不幸だろうと決めつけるのもよくあるし、それを自覚していないであろうことにイライラしたりもする。しかし返せばそんな人を心のどこかで羨ましいとも思っているのかも知れない。
1投稿日: 2024.10.18
powered by ブクログ藪の向こう側で飲むコーヒーが美味しそうだった。 本物の不安は山と街、どちらにあるのだろう。読み終わった時は波多の言う通り、街に、人間社会のなかにあると思ったけれど。しばらくしたら妻鹿さんが山にあると思っているなら妻鹿さんにとってはそれが真実なのではないかと思えてきた。 山と街の対比のように、バリ山行と登山部も対比されているが、そのどちらを良しとするかもその人によるのだろう。自分がどちらなのか分かっていたほうが人生が満たされそうだと思った。 登山部から離れバリをするようになっていく波多は、この先も本物の不安は街にあると思い続けられるのだろうか。
1投稿日: 2024.10.18
powered by ブクログ文章技術もストーリー展開も素晴らしいのだけれど、どうしてここでこうなる!?という主人公の感情の移り変わりだけは、私には理解不能でした。
1投稿日: 2024.10.17
powered by ブクログ仕事のグチ等なんか身近だけど、へーそれで?みたいな何だろなーって感じで進んでいた話が、妻鹿さんと主人公がバリ山行をやる場面で、もの凄く苦しくなった。苦しいと言うか、描写に引き込まれ、読むのをやめられなくなった。それが苦しい。カンカンカンカンとゆっくり登っていたジェットコースターが、頂上から一気に滑り降りるようにギューんと物語に放り込まれたような。バリ山行なんてやったことないのに、描写する言葉の意味も分からないものが多いのに、主人公のモタつきをよそにどんどん先へと進んでいく妻鹿さんに着いて行くように、私もバリ山行の場面に必死で着いていった。
1投稿日: 2024.10.17
powered by ブクログ純文山岳小説、芥川賞受賞。山岳小説が好きで山動画も大好き。なのですごく楽しみに読んだ。街(会社)パートと山パートがあり私としてはもっと山の部分を読みたかった。とはいえ、山に全く登らない私が読むより、山行やってる人が読むとより理解し感じるものも多いだろう、と思う。ただ、バリエーションルートで人生を歩んでいると自覚しているので、そこは感じるものがある、というか気を引き締めた。
5投稿日: 2024.10.15
powered by ブクログ通読1回目。 今の段階では自分に落とし込むことができず、ピンと来ないところもあったが、肉体的な生存と社会的な生存の比較に関しては今後心の奥にこのモヤモヤを置いておこうと思った。 私自身マラソンをやっていて、肉体的な限界に到達する感覚は分かる。バリとはまた全然違う世界だがバリの感覚を理解できないわけではなかった。 また何年後かに通読したいと思える作品に出会えて良かった。
1投稿日: 2024.10.15
powered by ブクログなんだかピンとこなかった。 バリエーション山行の描写は本人の体験によるものだろうか、とても詳しく書かれている。しかしその動機づけや意味づけは違和感が始めから終わりまであった。自分も藪漕ぎこそやらないが、時には命の危険に晒される山行もやる。だからバリエーション山行、広義にはなぜ山に登るのかということについては人それぞれだということをよく知っているし、もちろん一過言ある。故になぜ「バリ山行」をやるのかというところは相容れないまま終わってしまったのだろう。 以下は自分が感じた違和感の分析。 バリエーション山行に潜む危険、それを感じることが「本物」で、日常のことは些細なこととは思わない。日常の雑多は雑多に違いないが、どう捉えても消えてなくならない。主人公が言うように山行から戻ればまだそこにあるのだ。日常から自分を一時的に切り離しているに過ぎないのだ。気の置けない仲間との楽しい山行や、ランニング、キャンプだって自分を日常から切り離してくれる。一人になるために誰もいないところに行く必要もない。一人で縦走している時、走っている時、焚火を見つめている時、没頭していると視覚、聴覚を通して認知されていた周辺の人々は環境と一体化していき、自分一人になれる。 純文学小説を持ち込んでこんなことを言うのも野暮だと思うが、本書を読んで「自分もソロでバリ山行やろう」と安直な行動を起こす人が増えないことを願う。身近な題材だっただけに俗な思考から抜けられない。
2投稿日: 2024.10.15
powered by ブクログサンショウウオと比較して「地に足が付いてる」印象を持った。小説は虚構とは言ってもある程度リアリティがあった方がイメージしやすく、登山の話、建築業の会社の話、妻と幼い子供の家庭の話、丁寧に描写されて現実味があってそれがうまくストーリーと絡み合ってる。物事には正解のルートはないと自然の山とどっしりと構える妻鹿さんが教えてくれる流れかと思いきやそれは生活から現実逃避してるだけだと気付き波多が怒りを覚える展開も、会社も家庭も噛み合わなくなってく最後の腑に落ちるような落ちないような終わり方もそれはそれでアリだと思う。
1投稿日: 2024.10.15
powered by ブクログ人生は登山に喩えられることがよくあるが、この小説を読むとやはり両者に共通するものが多分にあると思った。 バリ山行という言葉は初めて知った。山岳小説であまり扱われていないであろう住宅地近くの低山でのサバイバルを題材にして、山行も、仕事や生活の厳しさもどちらもリアルに臨場感をもって描かれており、引き込まれて読んだ。
1投稿日: 2024.10.14
powered by ブクログ年に1〜2回の登山をするが山登りの専門用語をネットで調べながら読んだ。登山道から外れたバリ山行と自身のサラリーマン人生を重ねて考えるようになった主人公波多。 サラリーマンなら誰でもはっと自分に置き換えて考えてします小説だと思った。 登山をしたことがある私はより楽しめる作品だった。
1投稿日: 2024.10.14
powered by ブクログ主人公の波多が会社にしがみつこうと踠いている姿は、資本主義に搾取された悲しい人物に感じた。妻鹿さんのように自分のできることをやって、自分の力ではどうにもならないことは潔く諦めてる方が健全な生き方な気がする。
0投稿日: 2024.10.08
powered by ブクログ妻鹿さんは魅力的だったが、主人公が自分の気持ちに疎く少し序盤は小説の遅さを感じた。 山の描写は良かったが、本当に小説でしかできないことがこの小説にあるとは思えなかった。
1投稿日: 2024.10.07
powered by ブクログ登山ルートから外れた道を行く「バリ」 初めて知った。 会社での立場や振る舞いと掛け合わせた匠さ。 でもやっぱり、バリ山行は危険だし、おすすめはしないかな。 人に迷惑をかけず、でも我が道をいく、難しい。
0投稿日: 2024.10.07
powered by ブクログメガさんっっ!!と熱い想いになるほど、心を奪われていたようだ。言葉でなく、存在で人の人生に影響を与える人もいるのだ。
10投稿日: 2024.10.07
powered by ブクログ整えられた道をいく山登りとバリ山行、流れに身を委ねる働き方と、我が道をいく仕事。後者の魅力のようなものに触れ、理解しようと試みるも、噛み合わず(その生き方の怖さに怯える結果となり)、むしろ距離を置く展開。 時間をおいて現実に向き合えば、状況が様変わりしていることに戸惑う。しかも、何故か束の間の前進ムードにある。 そんな不安な状況に、共に行動した経験と、妻鹿さんの行動に触発され、自らの生き方を見直すきっかけをつかむ。 よく練られたストーリーと思う。そして、山への強い想いが文章に滲み出ている。
13投稿日: 2024.10.06
powered by ブクログ後半からグッと面白くなりました。 メガさんが何を思ってバリを、仕事を、していたのか。 想像すると少し辛い気持ちになります。
1投稿日: 2024.10.05
powered by ブクログ登山道を外れるバリエーションルートを登るバリ山行にはまっていくサラリーマンの話 自分が登山を始めたので気になって読んでみた 私は登山道を外れることの怖さしか感じたことはない 登山はつらさもあるけれど、日常と切り離される感じがすることはわかる だから、日常が辛くて技術があれば未開のルートを行くバリ山行に取り憑かれていくのもわからなくもない バリ山行の描写が体験したことはないけど、リアルに感じて六甲山に行ってみたくなった 残念だけど話は私にはちょっと物足りない感じがした、本に求めているものが違ったって感じかも
4投稿日: 2024.10.05
powered by ブクログ何か起きるのを待っていたら読み切ってしまった。あまりに並列な気もするが、山中の描写は実際的で中身が詰まったものだった。社内のゴタゴタと山の清潔さを対比し人生に例えることもシンプルすぎて自分にはあまり驚きがなかった。
4投稿日: 2024.10.05
powered by ブクログ作家名、タイトルからして奇をてらった作品かもねー、と思って読んだけど、独特の仕事感を、わざとルートを外して山登りに興じることに例えられた世界観が絶妙。作者の山への愛、畏怖がひしひしと伝わる。でもこれを読んで山登りしよう!とは1ミリも思えなかったのは、山が聖域であることを上手く表現できているからだと思う。
4投稿日: 2024.10.04
powered by ブクログ前説 芥川賞受賞作品ともなると、どの書店でも入り口付近に平積みされ、否が応でも視界に飛び込んでくる。 この第171回芥川賞受賞作の『バリ山行』もしかり。まずもって、何と読むのか?バリって、バリ島を指すのか?等の疑問が湧く。著者・編集者から見ればつかみはオッケー!してやったりでしょう。 この謎のタイトル、早速ネットで検索。読み方は『バリさんこう』。舞台は関西、登る山は六甲山。著者は関学文学部(私1982年に受験し落ちました)出身。 で、肝心なるバリとは?登山用語で『バリエーションルート』のバリのこと。意味は登山道以外の道なき道、薮を掻き分けてルートを開拓しながらの登山のことを言う。 ついでに六甲山について。神戸市・芦屋市・西宮市・宝塚市にまたがる東西約30キロ・南北約10キロの山系。六甲最高峰は931m。神戸・阪神間の在住者は『低山』の印象を抱くが、1,000m級の山が都市部に隣接している事例は珍しく、山麓が都市部にあり、どこからも登れ、下山後も公共交通機関と近く、日帰り登山を楽しめるコースが無数にあるのも特徴。 六甲登山は2010年の初夏に最高峰まで登り、有馬へ下った。途中何度も足が攣り、青色吐息になり、恐るべし六甲山、侮るな六甲山の印象を持っている。その数年後、高校の友人らと『おっ山トレッキング部』を結成。須磨アルプス・再度山・菊水山・鍋蓋山・金鳥山・東おたふく山・甲山等をゆるゆる登山。はたして、六甲山をバリエーションルートで登る小説って、そら何を差し置いても読まなければ…読みさし本を脇に追いやりページを開く。 あらすじ 主人公はリフォーム会社からエクステリア会社に転職して2年。社内の付き合いを避けてきたが、同僚に誘われ登山経験が無いにもかかわらず六甲山ハイキングに参加。以来、何度も参加し、すっかり山登りの楽しさに魅了され、道なき道の薮を掻き分け歩くバリ山行にまで興味を抱き、折しも同じ職場の高い防水技術を持つベテラン社員が休日にひとりでバリ山行していると聞き、連れて行ってもらうことに。初のバリ山行はひたすら薮の斜面を登る過酷そのもので、主人公は斜面から転げ落ちる… 感想 帯には〈純文山岳小説〉とある。これも聞き慣れない言葉。シャレではないが、〈バリバリ〉の山岳小説かと思いきや、経営危機を迎えた会社のお仕事小説の要素も絡み『下界』ではゴタゴタ、上界ではランナーズハイよろしくの山登りの陶酔・忘我の対比が書き分けられる。 そう、この小説にはそれ以外にも幾つかの対比が描かれる。ハイキングコースとしての穏やかな六甲山の顔とバリ山行を愉しめる峻険な六甲山の貌、登山部の活動を快く支援する会社の顔とリスクを伴う営業戦略で経営危機を迎えリストラを断行する会社の貌、バリ山行を教えてくれた孤高のベテラン社員の穏やかな顔と激情さを露わにする貌。 それらが絡み合い重低音のように読み手に押し寄せ、なんとも言えない不気味さに包まれた。物事の様相・人間・組織…の『オモテの顔』と腹の内に潜む『ウラの貌』を、じわじわと炙り出していく作家の業がなせる筆力に圧倒された。 あらためて『文学は実学』であります。文字だけで綴られた小説の持つ奥深さに感じ入った一冊。
6投稿日: 2024.10.03
powered by ブクログ芥川賞受賞ときいて、難しいんだろうなと思ったら、そうでもなかった。 バリの話かと勘違いしていたら、登山道以外の道を行くバリエーションルートのことで更にびっくり。 あまり好みではなかったけど読みやすかったかな。
13投稿日: 2024.10.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
バリ山行 著者:松永K三蔵 文藝春秋2024年9月号 初出:群像三月号(2024年) 第171回(2024年上期)芥川賞受賞作品 もう一つの芥川賞受賞作品(サンショウウオの四十九日)とは対照的な小説だった。設定はあるごく普通。ある中小企業(零細企業に近い)に転職したサラリーマン、誘われて登山部に入り山好きに、家庭には保険会社で働く妻と幼稚園に通う娘。文体もオーソドックス、奇をてらった表現もなし。芥川賞受賞作にしては、やや長めの中編ということもあり、後半のクライマックスである2人でのバリ山行の長い場面は、少し退屈に感じられた。しかし、選考委員の選評を読むと、そのあたりが評価の対象になっているようである。 島田雅彦氏は、 登山の細部を丹念になぞったオーソドックスな「自然主義文学」をベタに書いて来たところが評価された。 山田詠美氏は、 登場人物二人の六甲山バリエーション登山に、必死で付いていくような気持ちで一気読みした。岩の苔を覆う水からあおい匂いが漂って来るような描写。奇をてらったりしない正攻法の書き方にしびれた。 奥泉光氏は、 かたりを含め小説的企みには乏しく、しかしかたり手の男の心情と山の情景描写を、それこそバリ山行のごとく、愚直なまでに真っ直ぐ丹念に重ねて物語を進めていく姿勢には好感を抱いた。 川上未映子氏は、 ある環境と状況を粘りづよく書き、読ませる筆致は頼もしく、業界の詳細は冴えて物語を支える。 その他の委員も、著者の文体に対する評価が非常に高い。とくに吉田修一氏はベタ褒め。しかし、僕は少々退屈だった。 「バリ山行(さんこう)」のバリとは、バリエーションルートの略らしい。通常の登山道ではない道を行く。破線ルートと呼ばれる熟練者向きの難易度の高いルートや廃道などを行くのが、バリ山行ということになる。もちろん、ちゃんとした登山道を行くときよりも、危険度は増す。 主人公の羽多は、学校を出て地元の工務店に入り、大手リフォーム会社に転職して約10年したところで、昼飯を居酒屋で食べながらやんわりとした言い方で転職を勧められた、リストラだった。それなりにやってきたつもりだったが・・・その時、妻は妊娠9ヶ月だった。 社員数50人足らずだが、地元を拠点に53年、無借金経営、建物の改修を事業とする会社に採用された。給料は下がったが、社宅にも住めた。会社相手で土日休みだったが、マンション管理会社からの改修を受けるようになり、土曜日の理事会出席やプレゼンなどで平日に振替休日を取ることも増えてきた。 羽多は社員に誘われて山登りに出かけた。先着10人。リーダーは山登りのベテラン松浦。常務も参加していた。最初は好きな者同士の集まりだったが、段々と人気が出て、ついには会社からのお金も出る登山部となった。そこに、会社では孤高の存在だった営業二課の妻鹿(めが)が参加し始めた。彼は大学時代に登山部で、いつも一人でバリ山行をしていた。松浦は危険な登山だと批判的だった。 会社が営業方針を大きく転換させて、これまでしてきた小口の仕事をやめることになった。すべてある会社の下請けで安定的に仕事を受けることにしたのだった。小口の仕事は利益がうすいから、というのが社長の見解。常務も実質的に切られた。しかし、仕事を出すと言っていた会社からの仕事がなかなか来ない。段々と経営がまずくなってきたという噂が社内に立ち・・・リストラの心配も。羽多は3年前の苦い体験を思い出す。 そんな中、羽多は妻鹿と二人でバリ山行へ行く。小説の舞台は阪神間であり、山は六甲山が中心。バリ山行も低い六甲山系で行う。低い山でのバリエーションを重視した冒険的な登山。そこに中小企業の仕事が重なってくる。下請け一本に絞ることの疑問。バリエーションが必要なのではないか・・・ 羽多はそのバリ山行で大けがをするところだったが、妻鹿に助けられて無事だった。しかし、足を痛め、おまけに肺炎になった。会社を1週間休み、正月休みと重なって19日ぶりの出社となった。年末の忙しい時期に休み、自分はリストラ対象になっているだろうなと思いながら出社した。すると、忙しくなるぞと上司から発破をかけられた。延期になっていた仕事が発注され、かつ、営業部員が2人も辞めてしまっていた。下請け仕事1本にすることに反対していた2人だった。 さらには、妻鹿まで辞めていた。それまでやっていた仕事を復活させたいと社長に直談判したが認められず、喧嘩になって辞めたのだった。 バリ山行のとき、羽多は妻鹿に批判の言葉を浴びせた。会社がやばそうだが、どうする?ときくと、今を一生懸命にやるしかない、というような答えしか返ってこなかったので、羽多が怒ったのだった。 もう一度会って、その時の話をしたいと思っていたが、辞めてしまい、連絡先もわからない。自分の言葉に傷ついて辞めた面もあったのではないか・・・気に病む羽多。そして、妻鹿の生き様、考え方に影響されている自分に気づく。 羽多は最後、一人でバリ山行へと行く。そこに、妻鹿ではないか?と思えるような音が。しかし、見当たらない。ところが、最後に見たのが妻鹿がいつも使っている目印の養生テープだった。
1投稿日: 2024.09.30
powered by ブクログ読んでみた感想は、芥川賞ってこんなに読みやすかったっけ?とビックリするほどサクサク読めた。バリ山行の描写も臨場感があってワクワクした。 いつも先に読んでいる父が面白かったと言っていた。父は、毎回かかさず芥川賞を読んでいるが、面白いと感想がきたのは初めてだった。 でも私はフルタイムの奥さんの気持ちが痛い程よくわかるというか、山に行くのによく何も言わずに許せたなぁというか。私なら波多が肺炎になってなくても、既に実家に帰ってしまっているだろう。 会社がどんどん変わって皆がバタバタする描写は少しコミカルで、迷いや恐怖を纏った山行との対比がとても面白かった。
15投稿日: 2024.09.30
powered by ブクログ読書備忘録860号。 ★★★☆。 第171回芥川賞受賞作! サンショウウオの片割れ。 芥川賞っぽく、文学のかほりがする。 そして作者。小難しい漢字を多用する。芥川賞っぽさに拘っているのか? 面白くない訳では無かったですが、登場人物への感情移入できるかどうかで★の数が決まるみたいです。わたくし。 主人公、波多。 神戸の建装業者、新田テック建装の営業。 人づきあいが苦手。 春の社内イベントで六甲山に登ろう!となり参加した。 実は波多、前の会社をリストラされた転職組。 前の会社のリストラ理由は社内の様々な係わりを極力避けてきたことだと信じていた。なので、今の会社ではちゃんと人付き合いしていこうと、山イベントに参加した訳だ。 山は楽しかった。会社でもサークル活動に格上げされて、定期的な活動になった。 一方、会社は岐路に立たされていた。 これまで直接顧客から仕事を貰う元請け主義だった。顧客との関係を大切に、小さな修繕の仕事も嫌がらずにやってきた。 社長はそれを嫌った。元請け業態から撤退して大手からの下請けに絞る方針とした。 元請け主義だった古株の藤木常務は引退。送別会を兼ねた山イベントが開かれた。 六甲の裏側に降りて有馬で宴会という訳だ。イイね! 社内で変人扱いされている妻鹿(めが)さんが参加することになった。妻鹿は藤木常務と懇意だった。 そして妻鹿はサークルメンバーをバリエーションルートに引き込んだ・・・。 後日、波多は登山アプリで妻鹿さんのアカウントを見つけ、出鱈目なログに驚愕する。しかしそのルートに興味を持つ自分がいた。 そして、波多は妻鹿にバリエーション登山に連れて行ってもらうことになった。 初めての真のバリエーションルート体験。そこは想像をはるかに超える危険な世界だった。初心者の波多を連れているにも関わらず、危険なルートを選ぶ妻鹿。滑落して脚を痛める波多。 こいつ狂ってる!罵詈雑言の限りをつくして非難する自分! そして、バリにのめり込んだ。いつの間にか妻鹿の背を追う自分がいた。 というなんともはや、のストーリー。 芥川賞はエンタメストーリーではないんですよね。やっぱり。文学賞なんですよね。 そしてこの作品にはメッセージが込められてると見た! 登山におけるバリエーションルート。踏破できれば、それはルート! 家庭、仕事でも正しい道なんてない。結局人生全てバリエーションルートだよね。ということかな。 知らんけど。 しかし表紙のデザイン。毛細血管のような赤い線。これ全部バリエーションルートを表しているんですね。きっしょ~!
40投稿日: 2024.09.29ここ数年の芥川賞受賞作の中で、一番心にフィットした作品でした
あ~こういうことあるよねぇ。そうそう、こういう人いるよねぇ。と思う部分が多数ありました。会社等の組織に身を置いたことのある人ならば、きっとそう思うでしょう。その組織内での人間模様の描写もさることながら、バリ山行(このような単語は初めて知りました)の描写もなかなかなものです。自分が登っている気になります。 私には、本格的登山の趣味はありませんが、山地防災事業に携わっていたことがあります。堰堤や作業道、林道を作るための最初の測量は、当然のことながら道なんぞ無い場所の藪を切り払い、鉈で雑木を伐開しながら進まざるを得ません。まさにあれは、バリ山行だったんだなぁ、と懐かしく思い出しました。 道なき道を登るバリ山行は、人生そのものなのかもしれませんね。先に何があるか判ったものではありませんからね。でもそれは、決められた正規ルートを計画通りに歩いていたって、同じなのかもしれません。 一方、人知れず会社を辞めてしまった妻鹿さんと六甲の藪の中で再び会えることを、私も主人公ともども期待して読み進めましたけど、いやいや、なかなか粋な描写で締めくくっていただき、誠に満足な作品でありました。
0投稿日: 2024.09.29
powered by ブクログ言葉が難しくて、個人的にはなかなか情景が想像できなかった。 物語としては、途中から段々と面白くなった。メガさんはどういう思いがあったのか知りたいけど知れない。それも現実的。
0投稿日: 2024.09.28
powered by ブクログ#読書記録 2024.9 仕事でも私生活でも、自分は妻鹿のようには生きられないから、憧れすら持てないけれど、波多がバリを経験したことで、彼の中に太い芯のようなものが生まれたことは、自分のことのようにリアルに感じられる。 短いけれど、心に刻まれる物語。 #読書好きな人と繋がりたい #読了 #芥川賞
6投稿日: 2024.09.28
powered by ブクログ芥川賞受賞作品。160ページの薄い本なのに読み始めてあっという間に夢中になった。バリの由来にも目から鱗。インドネシアのお話じゃなかった(笑)山岳小説の醍醐味というか臨場感が半端ないだけではなく、社会人としての苦悩ややるせなさまでも丁寧に掘り下げていて脱帽。 マニアックなテーマなだけに専門用語が多いのと、難解な漢字が多くて立ち止まって調べながらの読書は膨大な時間がかかった。曖昧なままでは読み進めるのが惜しくなってしまう、丁寧に読み進めたいと強く思えるお話だった。
12投稿日: 2024.09.28
powered by ブクログむちゃくちゃおもしろい!! 臨場感はんぱない。 メガデスが最高すぎる。 主人公の苦悩もわかりみが深い。 建築業界もリアリティあって、すべての記述に嘘がないように感じる、ところがすごい。
6投稿日: 2024.09.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
山岳小説ってなんでこんなに面白いんだろうね。 「バリ」ってなに?「バリ山行」って何て読む。から始まった芥川賞受賞作読書。 会社でのあれこれはきっと頷きながら読む人多そう。そしてそこからの登山からのバリエーション登山。そうかバリってバリエーションのことか。 正規のルートから外れ、道なき道を行く、って山では危険すぎるでしょ! でもそういう山登りの仕方があるんだな、寡聞にして未知。 妻鹿さん、いいよね。なんか不思議な魅力をもってるよね。そしてラストよ、ラスト!!これサイコーのラストじゃない?
3投稿日: 2024.09.27
powered by ブクログ第171回芥川賞受賞作。本作を読んで初めて知ったがバリ(バリエーション)とは登山用語で、通常の登山ルートに従わずに独自ルートを切り開く方法。建築関係の小さな会社に勤める会社員が会社の登山サークルから徐々に登山に興味を持ち、社内や家族との関係、会社の経営の浮き沈みに悩み、翻弄されながらもがいて生きていく様子が、バリルートでの激しい登山とオーバーラップしながら描かれていく。著者自身が建築関係の会社に勤務しており、山登りも趣味にしているということもあり風景も葛藤などの心情も描写が真に迫っている。山岳小説と紹介されることが多いようですが、本質は日々の生活における大人の等身大の悩みです。純文学でありつつ読みにくさがないので多くの人が楽しめる小説だと感じます。著者の他の作品もぜひ読んでみたいと思います。
1投稿日: 2024.09.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
純文あるあるだけど、救いも答えも与えてくれず、読者を彷徨わせる。山と人生を重ねていた。山登りの描写を書き切れるのは素直にすごい。読み終わってから装丁を見直すと、行き止まりじゃないのかもしれないけど、行き止まりとしか思えない感じがして、ぴったりかもって思った。 ・会社がどうなるかとかさ、そういう恐怖とか不安感ってさ、自分で作り出してるもんだよ。それが増殖して伝染するんだよ。今、会社でもみんなちょっとおかしくなってるでしょ。でもそれは予測だし、イメージって言うか、不安感の、感でさ、それは本物じゃないんだよ。まぼろしだよ。だからね、だからやるしかないんだよ、実際に。
2投稿日: 2024.09.25
powered by ブクログ担当美容師で本好きのしょこたんの、これまた本好きのダンナに貸してもらった本。 自分からは絶対手を出さないジャンルなので有難し。 バリに行って山に登る話かと思ってたら違ったwww こんな山の登り方があるのねー。 近頃は完全インドア派の私だけど、山には何度か登ったことがある。 登山は、頂上に着けば気持ちが良いものだけど、そこに着くまでが苦しいし、しかもせっかく登ったのに、また降りなくちゃ家に帰れないのよ? 苦行の連続やん!! 道中の折々の楽しさ、頂上での達成感、爽快感は素晴らしいものだけど、そのために苦難を乗り越えてるのは…(^◇^;) それでも、ちょっとだけ、また山の上からの景色を望んでみたいなぁと思わされちゃうヤバい小説でしたw 妻鹿さん、変わり者だけど、こういう人って悪くないよねw
5投稿日: 2024.09.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
おもしろい ふだん、登山をするので、六甲山、バリエーションルート、岩のヒリヒリする感じを思い出した。 メガさんが理解できないこと、自分の会社での立ち位置、 でも、山に入ってメガさんと同じようにバリをして、メガさんの考えに行きついたりして。 会社が、人が理解できない憤りや焦りや腹立たしさ。 登山もなんでやってるんだろと思いながらも、やってる自分と。 代弁してくれてる小説。また読みたい。
2投稿日: 2024.09.25
powered by ブクログ何に人生の重きを置くべきか。仕事、趣味、家族。正解は無いと思うが、何かに自分の時間の大部分を割くがあまりに悩みを抱えて病んでしまうことがある。「死ぬこと以外かすり傷」という使い古された言葉があるけど、より大きな絶望と比較すると心理的に楽なのかも。 中小建築会社で働く無趣味な男・波多。コミュニケーションを活性化する目的に上司の誘いをきっかけに参加した登山にどハマりする。会社の中における自分の立場。同僚とのクビレース。妻との関係性。横目でチラチラ様子を伺い続ける生活。 同僚の妻鹿は、波多とは対照的な存在。クビレースを独走しているにも関わらず本人はどこ吹く風。波多が登山する山の山行ルートから離れてひとりバリを行う日々。しかし低い山と言っても危険が伴う。事故や怪我をしても助けは来ない。命が脅かされる場面だってある。 ショック療法のような気もするが、大いなる自然に挑んでいるうちに、山の中で直接肌で感じる根源的な恐怖に比べたら、日々の悩みは些細なものになる。そんな主人公の心の変化。に加えて登山、工務店に関する解像度の高い文章力にめちゃくちゃ惹き込まれる。今年トップクラスの作品。
0投稿日: 2024.09.23
powered by ブクログバリ山行、したくなりました。 妻鹿さんのアテンドで、バリ山行…スリリングです。危険を伴う緊張感、手に汗握るゾクゾクした感じが、文章から伝わってきました。 実家の友人が、ここ何年か山登りをしていると話していました。早朝に出て、1人で登山して帰ってくると。 会社の危機と身体的な危機とが、せめぎ合う緊張感、先の見えない不安…。
3投稿日: 2024.09.23
powered by ブクログ感想 タイトルから勝手にインドネシアのバリで登山する内容だと思っていたが、全然違ったw 死と向かい合わせの危機を感じるためにバリ山行をやるという。山屋を理解するのは難しい。 しかし、波多がハマるような何かがあるのだろうか。 あらすじ 波多は社員50名の小さな塗装会社に中途入社した。社内で馴染めなかったが、社内の登山の催しが楽しく、続けて参加することに。 六甲山を中心に登山が催される。ある日、社内で孤立気味の妻鹿さんも登山に参加することになった。 彼は、六甲山を独自のバリエーションルートで登る、通称バリ山行を趣味にしていた。 会社の方針転換があり、売り上げが苦しくなる中、波多は防水工事のクレームで妻鹿に助けられる。仲良くなった勢いでバリ山行に連れて行ってもらえるようにお願いする。 妻鹿に連れて行ってもらったバリ山行は最初は楽しかったが、険しいルートになり、波多は死にかける。登山の疲れと会社の行先の不安を妻鹿にぶつけて、家に帰るも肺炎にかかる。 休み明けに会社に行くと妻鹿は会社を辞めており、波多は妻鹿を追うようにしてバリ山行を行うのだった。
16投稿日: 2024.09.22
powered by ブクログ芥川賞の作品にしてはとても読みやすく一気に読了。本格的な登山はした事ないので、単純に知らない事を知れて楽しく読めた。
0投稿日: 2024.09.21
powered by ブクログ自然に挑む登山小説でありながら、男くさいサラリーマン小説の面も持ち合わせる、「自然・山」と「人間・職場」が濃密に対比されながら描かれている作品。 濃密ながら、大袈裟なスケールの話ではない。自然は日常の延長線上にある範囲のものであり、出てくる山は低山。人間の悩みも小さな職場に収まる範囲のものである。それでも、一気に読めてしまう没入感があるのが面白い。 以下、雑記。 <自然の描写> ハイキング程度の登山の経験しかないため、どこまで今回の登山の描写が緻密或いは正確であるかは分からない。しかし、岩肌・山の鬱蒼としたイメージが浮かぶほどに描写が細かい。 登山をスポーツと捉える派、自然への挑戦と捉える派、それぞれの立場の人物が出てくるが、善し悪しの判断を見せないのは現代らしい。 <職場の描写> コロナ禍による業績不安の折を自身の職場を思い出させるほどに、嫌な職場、そして悪い方向に転んでいく職場の描写がリアルだった。愚痴・解決策の出ない飲み会・突然やめる同僚…著者は実際に経験があるのだろうか。 <主人公・波多について> 性根は悪くないのだが、芯が弱く、器が小さく、逃げてばかりいる、リアルなダメさがあった。社内コミュニケーションのための飲み会には行かないが、我を通せるほどの実績は上げられない。自分が危機に陥る(と想像しただけでも)他人に当たる。家族とのコミュニケーションも真正面からは取れない。 「逃避」が1つのテーマなのではないかと思うほどに、波多は全てから逃げているように感じた(自然、あるいはそれがもたらす「本物」の危険に立ち向かう妻鹿さんとの対比という作劇場の都合もあるのだろうが…)。
0投稿日: 2024.09.21
powered by ブクログ山登りが好きな人は、もっと違った捉え方があるのかもしれません。山に臨む魅力って何なんでしょう…昔からそこに山があるからなんていいますが、この小説に出てくる妻鹿さんはそうでもなさそうです。街でも山でも人と違う道を一人で進みたかったんでしょうか。主人公は、最後に妻鹿さんと同じ境地になったんでしょうか。面白い作品でした。
12投稿日: 2024.09.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
芥川賞の作品は読みにくいものが多いけれど,非常に読みやすかった. 会社での付き合いの苦手な主人公が,ふと参加した登山から少しずつ登山の楽しみに目覚める前半と,一人でバリ山行をする妻鹿さんとの出会いで興味を持ちバリの魅力に目覚めるまでを描く後半.特に後半は会社の経営危機に伴う閉塞感もあって緊迫した描写が続いて面白かった.
1投稿日: 2024.09.19
powered by ブクログ「バリ」という言葉も知らないのに、近々山に行くからという理由で読み始めた。 結論から言うと読むにつれて展開が気になり、一気読みしてしまった。 終盤では危険な目に遭ったのに波田も自らバリにいくのが良かった。妻鹿の言葉・生き方に感化されたのだろうか。 私も、妻鹿のような目のまえのものに取り組む、今できることをやると言う姿勢がとてもいいなと思えた。 帯に書いてあった「生活に支障が出るほど面白かった」と言う言葉も良すぎる。
4投稿日: 2024.09.18
powered by ブクログひとこと|挑戦するか後退するか! 感想|この本を読んで新しいことへの挑戦への挑戦意欲を掻き立てられた!現状を良しとする、あるいは他人に言われるがままにするといった行為は非難はされないが、自分の人生にとっての幸福も同時になくなると感じさせる内容だった。これからは、自分唯一できること、つまりは選択と決定を自分の価値を指標として下していきたいと感じた。
1投稿日: 2024.09.18
powered by ブクログ面白かった! 一気読みした。 表紙も良い。 山、良いですね。 行ってみたくなった。バリではなく登山道でね。
1投稿日: 2024.09.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
文体もしっかりしていて、ベテランのような安定感も漂う。”妻鹿さん”を勝手に定年近いおじさんと思っていたので、実年齢を知ってちょっと驚いた。まだ結構若いではないか。”ハタゴニア”と”タモンベル”で笑う。後半になって、なになにどうしたい?と新人らしい迷走を感じるところもあったが、ラストはいいと思った。
5投稿日: 2024.09.16
powered by ブクログ藪の中を切り刻まれながら掻き分けて進むのは、「クレイジージャーニー」のアドベンチャーレースで見たあの感じね、なとど想像しながら読んだ。 世界に出なくても、近くの低山でこんなアドベンチャーレースが体験できるのか、とそこに驚く。 きっと作者は体験もしているのだろうが、臨場感あって、その筆力に感心した。さすが芥川賞受賞作。 朝比奈秋さんの作品の方が好みではあるが、現実世界のしんどさをバリ山行で描くという手法は、好きだ。どれだけ自分をいじめても、なお、現実の忌々しさの方が上なのだよね。
22投稿日: 2024.09.16
powered by ブクログめちゃくちゃ面白かった。夢中になって2度読みした。カバーと装丁にもうなってしまった。 生きづらさ生きにくさの描き方が「バリ」と言う無鉄砲な泥臭さもありながら、そこはなんとなくやはり六甲山と言う空気感が俯瞰した丁寧さのように全体を包んでいる。 何より、文章にリズムがありジャージな音楽のような響と言葉があり、あるときはテンポよく読ませながら、あるときはルートにぶち当たったかのように熟語体現で止まる。これが本当に凄いと思った。
2投稿日: 2024.09.16
powered by ブクログ物語後半から一気に面白くなって惹きつけられた。主人公の迷いながら藻掻く感じ、幼いような行動も共感まではいかなかったが、切実さが感じられて良かった。主人公の揺れ動く様と妻鹿さんのブレない安定感が妙にリアルで読んでいて、うん、そうだよな、というところが多く納得できた。憧れるけど成りきれない辛さってあるよな。
8投稿日: 2024.09.16
powered by ブクログ文章自体は、細かな情景が伝わって 面白く読まさせていただきました。 でも、終わり方がなー。 昭和文学っぽい、なんかよーわからん 終わり方。 スッキリしない読後感。
0投稿日: 2024.09.16
powered by ブクログ山の描写は素敵だった ただ知っている街すぎて記憶と照合する感じになってしまった 主人公と同じ感覚になる日が自分もいつかくるのかなという感じ
0投稿日: 2024.09.16
powered by ブクログ芥川賞にしては読みやすいし、現実的なお話だった。 ただ、現子持共稼ぎの妻という立場からみると、この奥様が素晴らしすぎて主人公何やねんっという感じ。 会社の先行き不安だからと無意味に飲み会に行ったり、バリを頼んで妻鹿さんに迷惑かけたり(暴言はいたり)、勝手に肺炎になったり。そんな時間と体力があるなら家事、育児、資格の勉強したり転職活動したり色々やる事が有るだろうと。やるべき事を淡々とやっている妻鹿さんと奥様がよっぽど偉いなーと。もう少し自分に余裕がある時(独身の時とか)に読むと仕事を山登りに投影していて、純文学!と純粋に思えたかもしれないが、同じ立場の現実を生きるものとしては少し物足りなかった。 妻鹿さんみたいな人、たまーに会うけど本当に凄いなーと思う。
1投稿日: 2024.09.15
