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バリ山行
バリ山行
松永K三蔵/講談社
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総合評価

486件)
3.8
86
206
141
19
3
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    不安ではなく不安感に踊らされるのは自分にも覚えがあってヒヤリとしてしまった そういうシーンが多々ある 資格、キャリア形成、人生プラン…全部社会的枠組みが作り出したもので選ばされているし、走らされているし、頑張らされている けど、だからリアルだけを見ろとかそういう二項対立ではない だから、メガとハタが近づいたうえで、相容れず、その上でお互いのその後に影響を及ぼす このことはどちらかに傾倒せず、往復しながら自分生の実感を失わずに生きていくための手段なのかもしれない そういうメッセージが(自分は)受け取れる、すごく世相を反省した文学だと思った 見慣れない単語ばかりなのにどんどん読めて純文学としてはハードルが低めでありがたい

    0
    投稿日: 2025.08.13
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    私も実際に単独登山をするので、そこでの気持ちを文字化してくれてる感じがしました。詩的な表現が純文学的で好きです

    0
    投稿日: 2025.08.10
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    バリルートの緊張感。 何度か私は死にかけました…… 普段の生活の中での緊張感。 社会でのやり過ごし方。 自分にも通ずるトコロあるなと思いつつ一気読み! 分からないことを不安に思ったり。 他人と歩調合わせた振りして様子を伺ったり。 自分も道なき道を進むつもりで、無でいられる時間作れたらなあと思いました。 バリルートは歩きませんが、1人ゆっくり山歩きしたくなりました。

    28
    投稿日: 2025.08.10
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    主人公への共感は少なかったが、六甲山には行きたくなる。バリはやらないけれども。 終わり方は芥川賞らしくて良かった。

    0
    投稿日: 2025.08.10
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    まず題名の「バリ山行」の言葉自体を知りませんでした。ドキドキした気持ちで読み始めて、でもすぐに登山の話ということは分かりました。そして、山からいろいろ考えることができました。 予測不能な現代社会。 それでも安心安定を求めるのか、 ヒリつく冒険に出るのか、流れに身を任せるのか‥ 正解はないのが「生きる」ということ。 そんな世界で上手く生きるのか、自分のやりたいように生きるのか、選択するのも自分ですよね‥ ちなみに、 登山経験ゼロですが、登山やってみたいなぁって思えました。バリは遠慮しますが‥

    38
    投稿日: 2025.08.08
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    オーディブルで拝聴 バリ山行とまでいかないが、たまに登山道から外れたバリルートも歩くので、読んでいて楽しかった。メガさんの仕事に対する姿勢も共感できる

    0
    投稿日: 2025.08.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この小説は2024年上半期の芥川賞受賞作。近年話題となった芥川賞受賞作は、つい『人間が壊れているのではないか』と思ってしまうような作品が多い。その点、この小説はそんな作品と違って『ごく普通の人間』、つまり愚かで気の弱い、それ故会社内での付き合いや営業成績に一喜一憂している普通の会社員が主人公。そんな主人公が心引かれた人間はバリ山行をしている先輩「妻鹿」。バリ山行とは一般的な登山道ではなく、地図にないような場所を、ナビゲーションやロープワークなどの技術を駆使して登る登山スタイル、いわゆるルール違反的な登山スタイルだそうだ。当然 遭難のリスクも高い。 主人公はその先輩に頼んで初心者でも出来そうなバリ山行をしてみるが、無理をして怪我を負ってしまう。その時、会社が倒産するかもしれない、リストラされるかもしれないのに平然とバリ山行していて「こんな風にバリしていると死ぬかもしれない、怪我するかもしれないと言う本当の危険を感じることが出来る」と言う先輩に、主人公が頭に来て言った言葉。 「危険は山にあるのじゃない。危険は街にあるんだ。」この言葉は 私のような一般的平凡な人間には理解出来る。会社が倒産する、会社からリストラされるは、自分が社会から弾き出されるかもしれないと言う恐怖があり、家族に対しての申し訳のなさ、家族からも見離されるかもしれないと言う危険もある。まさしく街と言うか、世間、身の回りこそ予測出来ない危険があるように思える。 にも拘らず何故、主人公の会社は倒産を免れ、主人公自身もリストラされなかったのに、主人公はバリ山行を再開したのか。 作者の意図、考え方は分からないが、先輩「妻鹿」が社長と言い争い、会社を辞めたことがきっかけだろうと思う。ルールから外れた行為をする。それは社会にも、会社にも、家族にも迷惑をかける行為となるかもしれない。しかし、それさえ覚悟していれば、ある意味「恐い物はない」のかもしれない。勿論、常識としてそんなルール違反をしてはいけないことは分かっているし、実際出来もしないけど。 まぁ何はともあれこの小説は、人間関係は微妙にえげつない感じだが、自然描写は綺麗で、描かれている景色を観てみたいと思わせてくれる小説だと思う。

    1
    投稿日: 2025.08.05
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    オーディブルで聞いた。 なんだか不思議な気持ちにさせられた。 語彙力のない私にとって感想にするのがとても難しいと感じた。 自分(主人公の波多)の仕事のスタイルと妻鹿(めが)さんの仕事のスタイル、 そして趣味の山登りのスタイルも仕事と何か重なるところがある気がする。 なにかに縛られているような気がする自分と、なぜか自由な気がする妻鹿さん。 だけど、それは自分も妻鹿さんも本当の姿なのか。 仕事でも人生でも、普通の登山みたいにスタートとゴールが見えているわけではない。 バリ山行みたいに自分で道を探していくものなのかもしれないなと この感想を書きながら、本を思い出しながら、思った。 バリ山行が気になる方は、ぜひ読んでみてほしいな。

    1
    投稿日: 2025.08.04
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    仕事が忙しい人、生活に余裕がない人に読んで欲しい本ですね。プライベートの充実は重要です。山が人気の理由がよくわかります。 バリ山行はしちゃ行けないですが、自然の魅力に取り憑かれるんでしょうね。正当に山歩きしている人からは批判を浴びるような内容ですが、山に癒されている人はいっぱいいますから。 完全に自己責任で『遭難しても探さないで下さい』にしないといけないですね。倫理的に難しい問題ですが…

    11
    投稿日: 2025.08.03
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    また今日も暑さが戻ってきましたー でも朝方は曇ってて、いつもよりずっと涼しかったので、やりたかった庭の雑草取り。 1時間黙々とやり続けて、それでも庭の3分の1程度。でも今日はここまで! もう無理だわー(´・Д・) 市場にお肉と卵を買いに出て、市場のラーメン屋で朝から私は、煮干しトンコツラーメンを旦那はつけ麺を啜る。汗ダクよ( ˊᵕˋ ;) 午後は この小説の残りを読むことに。 バリ山行 バリ山行とは:登山道ではなく、自分で開拓する危険かつ未知のルート(“バリエーションルート”) だとか。全未知の世界! 山のこともよく知らないけど、バリって何何? と読み始めた。 山のお話だけど、半分以上仕事の話。 会社での自分の生き方に悩み、苦しむ。 同僚の妻鹿の生き方をバリ山行を通して、まざまざと見せつけられる主人公の波田。 社会への葛藤と自己選択を登山描写を通して鮮明に描かれていて感動したぁ(´・∀・`) 藪の中の景色は、まるでそこに見ているような錯覚を起こすほど、惹き込まれて臨場感溢れる表現だったと思う。 純文学だけど、すごく読みやすくて、入り込める。山のことが分からない私にも読めたので、お勧めです。

    34
    投稿日: 2025.08.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    芥川賞。思ったより読みやすく一気読み。タイトルは、登山道を外れ道なき道を切り開いて進むバリエーションルート登山のこと。私も職場の先輩に連れられて本格的に白馬岳に登ったことがある。1人では行けるはずもなく,本当に良い経験をさせてもらったと思っている。波多も、いろいろ悩む中で達人の妻鹿に刺激を受け、自らバリ山行をするようになっていく。おもしろい本だった。

    1
    投稿日: 2025.07.31
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    転職先の経営状況悪化は自分の経験とも重なり、不安とともに社内も家庭も人間関係ぐらついていく描写に共感できた。ストレスをかけることは快感につながると別の本から学んだことがあるが、バリ山行での危険や道なき地面を踏み分けて目的地まで自力で到達する行動がやみつきになってしまうのも同じ感覚なのかもしれない。他人の目が気にならないほどに自分が集中できるものを見つけることが結局は幸せということか。

    1
    投稿日: 2025.07.27
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    山登りにおける「バリ」とは、バリエーションルートの略で、整備された一般的な登山道ではなく、藪を漕いだり、岩場を登ったり、滝を巻いたりするなど、より自然に分け入る登山スタイルのこと──。 本作の主人公である波多(30代会社員)をはじめ、現代に生きる誰しもが抱えてている 仕事、職場の人間関係、家庭、将来への不安。 「バリ山行」を通じて、彼が辿り着いた境地とは。 不思議な読後感を味わいました。

    0
    投稿日: 2025.07.25
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    バリというから選んでみた本だけど「バリ」違いでした。オーディオブックの小説は久々だったけどまぁまぁ面白かったです。一家の大黒柱はひとりになりたい時間もあるのね。山のこと知らないことだらけだったけど、まるで自分も一緒にバリしている現場にいる感覚になれたことは面白かったです。

    0
    投稿日: 2025.07.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

     そこに山があるから。  何故人は山に登るのか。何故命の保障がない危険な行為を繰り返すのか。生活の不安から逃れるため?達成感を得るため?生きている実感を得るため?様々な理由があり得るだろう。しかし、案外シンプルな理由なのかもしれない。誰からの讃美もなく、称賛も必要とせず、ただ山に登る。呪いともいえる執着に動かされ、山に登る。理由はなく、目的なき行為の結果がバリ山行なのかもしれない。

    2
    投稿日: 2025.07.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    芥川賞の受賞作品がなかったことをきっかけに、どの年でもいいから受賞作読んでおきたいなと思っていたら彼の家にあった。登山が趣味の彼に連れられて、装備を揃えて初心者向けのコースを登ったこともあり読みながら情景を思い浮かべやすかった。 前職でリストラにあい、自分がそのリストラ対象となった原因が付き合いの悪さであると思っている主人公は社内の山登りサークル?を通して自分の居場所を見つけたような気持ちになっていた。そのサークル活動の中で社内1防水に詳しいながらも仕事のスタイルから煙たがられてもいる妻鹿さんとも一緒に山を登ることになり、妻鹿さんが決められた登山ルートではなく自分で道を切り拓くバリで登山をしていることを知り興味を抱く。危険行為や自然を壊すことだとバリには非難的な声も多い。主人公はなぜ妻鹿さんがバリで登山をするのか、またその仕事のスタイルも理解ができず、変わりいく会社の経営方針により不安を抱きながら、妻鹿さんに対して憧れと反感の気持ちを持ちバリに引き込まれていく。

    0
    投稿日: 2025.07.21
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    職場の仲間とのハイキング的な登山と、道なき道を探り探り進むバリ山行の描写の対比が面白い。 サラリーマンの生き方の描き方として、漫画の釣りバカ日誌の浜ちゃんを思い出した。そういえば釣りも自然相手。

    1
    投稿日: 2025.07.19
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    六甲山系の低山バリエーションルートが題材になっているが、サラリーマンの仕事や人間関係の苦しさを描いた小説。地理的に馴染みが深く引き込まれる。ストーリーはシンプルで展開もわかりやすく、一気に読んで楽しめる。

    1
    投稿日: 2025.07.19
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    山に疎い自分には、「バリ山行」という言葉そのものが新鮮で、どこを切り取っても聞き慣れない語感にまず心を奪われた。 最初は、バリ島の山を歩く話かと思った。 だがそれは、山の道なき道を分け入っていく話だった。 山の話でありながら、いつしか自分の人生に思いを巡らせていた。 これまでの半生、人が踏み固めた道ばかりを歩いてきた。 道なき人生の山に、分け入ってみたい。いまそんな誘惑に駆られている。

    1
    投稿日: 2025.07.19
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    ぐいぐいと山に分け入っていく光景が目に浮かぶ圧倒的な描写に息を呑んだ 「ルートが合ってるかじゃないんだよ、いけるところがルートなんだよ」 登山は人生と重なる部分が多い 藪を漕いできた人ほどバリにハマるんじゃないか 現状に満足せず常に新たなルートを模索し続けたいものだ

    3
    投稿日: 2025.07.17
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    バリ島に登山をしに行くorめっちゃハードな登山をする小説だと思っていた(笑)。 このタイトルの“バリ”とは(ネタバレかな?)、登山用語でバリエーションルートのことらしい。いわゆる登山道から外れ、獣道や藪漕ぎをして道なき道を辿る。滝登りや崖もある。後者の理解が近かった。 主人公の波多は、転職先の会社でハイキングに誘われ、孤立したくないために参加する。やがて登山部に発展した活動に、1人の異分子が参加し……。 小さな会社で働く苦労と、アウトロー的な登山が対比して描かれていく。 第171回芥川賞受賞作。

    4
    投稿日: 2025.07.12
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    登山をするが、バリエーションルートを歩くことを「バリ」と略す人はまずいないし、登山系雑誌にもその略し方をした表記はない。これを機に定着するのか?一つの実験のやうな気持ちにもなっている。名だたる冒険家の極限のルポや名著を読んでいるせいか、自然の描写とそこに対峙する緊張感はさほどのものでもなかった。バリエーションに対する世間一般論が典型的すぎて鼻につく。もしかしたら作者も、現実世界の一般論にくさくさしてるのかもしれない。「迷惑」ってなんでしょうね。だいたいの登山者が一時的な山岳保険に入ってるし、ココヘリというサービスを利用したりしてる。遭難したり怪我したらそれはその本人が痛い目に遭ってるだけで、他人には全く関係ない。警察や警察の所轄の山岳救助隊に至っては、仕事の一環であるし、ある程度期間が過ぎれば捜索打ち切るし、遭難者がいようといまいと、彼らの給料は税金て支払われてる。 海外には、遭難したら迷惑という考えはない。 特に救助がビシネスモデル化している欧米では助けられる状況か否か。それだけでしかない。+迷惑という余計な感情は付加されない。だって、そもそもアウトドアには危険が付き物だから。 そもそも山域の所有がはっきりしているので、立ち入り禁止に立ち入れば処罰されるだけだし、国立公園ならそこの法律に則るだけ。日本のように、小屋の親父に、テント場にくるのが遅いだの歩き方がなってねえだの、ラーメン屋のように偏屈ないちゃもんをつけらることもない。ほんと、窮屈でうるさいですよ日本は。なので、私もたまにやるバリエーションルート、好きです。

    1
    投稿日: 2025.07.12
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    登山をしているので、ワードや状況もすっと入ってくるから、短い時間で読めてしまう。 普通の登山道の楽しそうなゆとりのある雰囲気、それに対して道なき道を行く、体力的に厳しいバリエーションルート。その違いをよく観察して言葉に表わせていると思う。 最初は戸惑いながらバリに連れられて行った主人公が、去っていった〈バリを教えてくれた人〉を追い求めていくようになる。同時に登山を自分自身の生き方の指針していくように心境が変化していく様子が見られる。仕事中心のマインドから、自分自身のやりたい事に集中するように大きく視点が切り替わっていく。 いつか2人は山中か街で出会うのかと思わせる予感で終了する。人と人との出会いは一瞬で、交差したり離れたり。しかしそれがその後をガラッと変えたりするから面白い。

    1
    投稿日: 2025.07.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    オーディブル。 主人公のヒステリックな感じだけ(それほどまでに他者に執着的に怒りをぶつけるだろうか…)が少し馴染めなかったが、山岳の写実はヒリヒリと浮かんで、楽しい(恐ろしい)時間を過ごせた。 滑落のシーンには息を呑んだ。 ラストで都合よく鹿妻さんと出会えなかったことが潔くて良かった。

    0
    投稿日: 2025.07.09
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    バリ山行。登山道を行くのではなく、道なき道を行く。バリエーション登山のこと。初めて知りました。 場所は六甲山。 実家のあった場所です。芦屋川から登って、ロックガーデン、風吹岩から金鳥山、保久良山。子供の頃よく登った。学校の耐寒訓練もここだった。 登山の様子が記憶の中の山とリンクして、とても懐かしく楽しく読んだ。 物語は、結局どうなったのか? 会えそうで会えない。バリに魅せられた者同士。

    2
    投稿日: 2025.07.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    波多にバリの面白さを教えるだけで、いなくなった妻鹿がどうなったのかとても気になった。バリのどこかで波多に妻鹿と会わせたいと思った。 生活上のいろんなことに苦悩することがあるけど、バリに比べたらそんなものは本物の危機ではないと、心を落ち着かせてくれる作品だった。

    0
    投稿日: 2025.07.06
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    バリ山行とは、バリエーションルートでソロ登山をすること。妻鹿さんのキャラが立っていてよかった。主人公の波多の仕事と登山、家庭との交錯を描く。特に登山の描写がリアルでよかった。本当に登山をしているかのような感覚になれたし、山の怖さも感じ取れる。人物の内実を描くことの多い純文学としては、想像しやすい描写と読みやすい文体だったと思います。 あと、女鹿さんのHNがMEGADETH、波多さんは「ハタゴニア」、多聞さんは「タモンベル」というのが地味におもしろかった。

    50
    投稿日: 2025.07.04
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    会社員が山に登る話。最初は手軽に登ることが出来る六甲山へ。会社の登山サークルに参加して登る。 そんななかバリをしているという妻鹿に出会う。 私は何度か六甲山に登ったことがあるがバリという登り方があるのか。 妻鹿は仕事のやり方も山の登り方も独創的。一緒にバリをやって心も体も大きく衝撃を受ける。 仕事も家族もなんだか上手く回ってない感じ。 なんともいえない日常をやり過ごすために1人でバリに挑む。その心境がものすごくよく分かる気になる。

    1
    投稿日: 2025.07.02
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    2回オーディブルで聞いた 全然解釈違うかもしれないけどトロッコを読んだ後みたいな気持ちになった めがさんはめがさんだ。 他の人のレビュー読むの楽しみ。

    7
    投稿日: 2025.06.25
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    これを読んでから、低山登山に行きたくなり、実際に行きました。登山をするこで、漠然とした不安を目の前にある危機が凌駕する、生きている実感がわく、というセリフがあります。心に残りました。不安が強くなってきたら、ハイキング、登山がすごくいいんだなと実感しました。

    6
    投稿日: 2025.06.24
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    六甲山に親しんでいる読書好きの皆さんはオススメ。 バリとはバリエーション登山。登山道以外の道を探って自分で進むこと。 臨場感溢れるヒリヒリ感。職場(現世)とバリ山(現実)との交錯。山を1人で歩いていると恍惚とする。今そこにある危機を自分で回避する快感。 馴染みのある地名や風景が描かれ、妻鹿メガさんとの会話が切ない。 心のあり方で見えるものも感じ方も変わる。

    14
    投稿日: 2025.06.24
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    オーディブルにて。 バリでの話かと思ってたら違うかったです(^^;) 山登りやけど道なき道を登るバリエーション山行の事でした。 舞台が神戸で六甲山や摩耶山、芦屋ロックガーデンとかで。地元だったので懐かしい気持ちにもなりました。 小学校から高校まで山の麓の学校だったので死ぬほど山を登らせられた記憶が、、、。 今は懐かしい思い出。 小説の内容も面白くてサクサク聞けました。

    2
    投稿日: 2025.06.22
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    藪の中で感覚が奪われ外殻が剥がされ、溢れ出てくる不安。それは人が持つ防御の殻。一旦冷静になって更なる殻を打ち破れば、視界は良好になり、小さな音も聞こえ、心は解放される。人が強くなるためには時に荒行が必要なのかもしれない。主人公の生々しい感情とバリ山行の刺々しい描写に圧倒され息苦しくなった。妻鹿さんの生き様はある意味達観していたが、それは生死の縁で自問自答を繰り返して得たものでだろう。あれだけ心身を破壊した山に再び向かう主人公の気持ちが強く伝わってきた。人生は一つのレールなのかもしれない。そのレールが確かなものなのかはレールのないところから眺めないとわからないのかも。人から勧められて読んだが、とても刺さった。大好き度❤️❤️❤️❤️❤️

    20
    投稿日: 2025.06.18
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     大手リフォーム会社でリストラ候補に上がり転職した波多だったが、転職先の経営も悪化する。仕事と登山を絡めて波多の心の揺れを書いた純文学。  特に滝に着くまでのバリ山行の描写がとてもいい。ドキドキした!私は安全に山を楽しみたいタイプなので、妻鹿さんのバリ山行(登山道を外れて道なき道をいく)に憧れはしない。本物の危機を実感したいとは思わない。妻鹿さんの背負っているものと私の背負っているものも違うし。…でも気持ちは少しわかる(つもり)。  「社員同士で集まって騒いでさ、ジタバタすることじゃないよ」本当にその通りだと思う。  波多くんの無理のない一人バリ山行が良かった。

    1
    投稿日: 2025.06.17
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    バリに連れて行ってもらった時の話は、まるで自分も山の中にいるかのような臨場感 返った後の処理とかも含めてリアルすぎる 山に行きたいけどリスクは取りたくない人におすすめ

    2
    投稿日: 2025.06.10
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    通常の登山とは異なるスタイルをとるバリ山行の奥深さ、哲学さえも感じる世界に引き込まれていきました。お仕事としての建築業界のリアルさや山の描写も細かく書かれており、そこに人間の心理描写が加わり読みやすくも色々と考えさせられる純文学作品でした。

    3
    投稿日: 2025.06.09
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    んーなんだろなぁー「不安なんて自分で作り出してるまぼろしだから今出来ることをやるだけ」って言っちゃうメガさんめっちゃいい人なんだけどねー優しいし 主人公の波多がなんだかなぁ バリは現実逃避なのか 会社の状況が良ければバリを快楽に感じていたり 会社の状況が変わるとバリ中も不安は全く消えず寧ろ歩けば歩くほど不安が湧いてくるとか言うている んー暗いわーめっちゃ暗いわ波多 感情のコントロールも甘いし 後半部分読めば読むほど主人公が嫌いになる笑 また読み直そう

    18
    投稿日: 2025.06.08
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    山に登るのは逃避?快楽? たまたま上司から誘われた登山にハマった主人公 社内でも変わり者と言われている人が好むバリ山行に興味を持つ 「スミス我が友」もそうなんだけど、自分には馴染みのないテーマなのにそれに熱中する主人公の悩みや苦しみに共感してしまうのがすごい でも主人公はちょっと我儘よ 連れてってもらって逆恨みすんな

    1
    投稿日: 2025.06.08
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    第171回芥川賞受賞作。 『サンショウウオの四十九日』は少し前に読了しているので、もう1つの受賞作ということで松永K三蔵作品を初読み。 転職して2年。会社の付き合いを極力避けてきた主人公波多であったが、思うところがあり同僚に誘われるまま六甲山登山に参加する。その後、社内登山部として親睦を図る目的の気楽な活動をするようになっていたが、職人気質で職場で孤立している妻鹿(メガ)があえて登山路を外れる『バリ山行』をしていることを知る… 自分は登山について全くの素人で、高尾山などの低山を家族や友人と登ったことがある程度。バリエーションルートというものがあることや、なんなら山行という言葉も知らなかった。 低山であっても登山道から一歩外れると、そこには別世界があって、整備されていない自然が広がっている。自然に正面から向き合い、時には命の危険を感じながらも自分の身ひとつで乗り越え、その先に感じる一種の快感。それがバリの醍醐味なのか。 自然と対峙した経験に比べれば、日常のあれやこれやの面倒なことは、きっとどうでもいい些細なことに感じるようになるのだろう。 いきなりバリとは言わないけれど、久しぶりに普通の登山がしたくなった。

    93
    投稿日: 2025.06.08
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    とても読みやすいのに難解。 主人公目線で描いているのに、決して主人公と同化できない、させてくれない、そんな感覚です。 読み終わり、迷いを抜けて拓かれた場所に出られたような気もするし、更に藪の中に迷い込んでいくような気もする。私にとってはなんだか恐ろしさを感じる本でした。

    3
    投稿日: 2025.06.07
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    6月7日 読了 金鳥山 中山連山‐宝塚 勝尾寺南山‐箕面 水晶谷 せん谷川 蛇谷北 立ガ畑ダム 大月地獄谷 荒神山 過森台 鷲林寺 飯森山 海老江 五助谷

    0
    投稿日: 2025.06.07
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    ざ・芥川賞ということでしょうかね。 分かると言えば分かるし、個とは何ぞや、社会とは何ぞやっていう問いは、人類の永遠のテーマではあると思うけれど、一冊の本を読むのも、私の個としての時間を投資している訳で、その価値はあまり感じなかったです。

    1
    投稿日: 2025.06.06
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    登山描写が多く読んでいる最中はあまり気乗りしない小説だったが、読了後は蟠るような悶々とした感覚が残り不思議と引きずられる小説だった。 バリ山を極めると酔っ払い状態になるのが面白い。凄く簡単に言えばゾーンに嵌り込む感じなんだろうか。同時にそれほど心身を投じるような趣味があってもなお、日常生活に横たわる心配ごとや不安が消えてくれることはないのかと、少し絶望した。それはそれとして、職場の煩わしい人間関係やしょうもない人付き合いがどうでもよくなる描写はよかった。 あと心身を投じるように何かにはまってみたいなと思った。

    6
    投稿日: 2025.06.05
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    山からの景色の癒されかと思いきや そういう山登りでしたか やけに暗い装丁は無尽のバリ山行ログ といったところ ひとりで山行もいいなとは思わないが 山登りは景色だけじゃないと知った

    1
    投稿日: 2025.06.02
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    芥川賞作品。 最初バリが何かわからなかったが、バリエーションルートね。 登山してもやったことはない(道を外れてしまい途中で引き返したことはあったけど)が、孤独と不安と倍以上に消耗する山行の中で静寂と快楽があるだろうことは想像できた。 本当の危機なのは会社か山か。 クマさえいなければやってみたいなぁ。 波多の心情、妻鹿の生き方、山の景色と不安定な会社状況、様々なことがリアルで久しぶりに読み応えのあった作品。 95冊目読了。

    6
    投稿日: 2025.06.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    バリ山行 地図にないルートを地図を読みながら進んでいく。 バリエーション山行。 フロンティア精神。孤独。いや独立独歩。 都会の喧騒を離れ、とっぷりと自分自身と向き合う時間をもつ。自然の中に溶け込むように棲息し、生き延びる。命を失うかもしれない危機感とも背中合わせ。そこで飲むミルからひく珈琲の贅沢。 それを行っているのは、会社の中でも変わり者と思われている妻鹿。社の方針と営業スタイルが違っても自分のスタイルを貫く。 一方、リストラの不安に怯え、会社に迎合スタイルで生きる波多。 対照的な二人のバリ山行は、波乱に満ちる。危機一髪で妻鹿に助けられた波多は、自分の中のもやもやを爆発させ、妻鹿とぶつかっていく。 街の本物と山の本物。仕事と遊び。どちらを選ぶか。いやそんな単純な構図ではない。 どちらにいようと、不安は消えないのだ。一人で山行すればその不安だって大きくなる。だからそれを打ち消す価値観で生きようとする。生の実感と切り拓く快感と充実感を求めて。 二つの価値観の中で揺れながら波多は妻鹿のバリ山行に惹かれていく。 山好きの私にはたまらない小説だった。 でもでもシンプルに思う。 波多さん、妻と子をもっと大切にせよ!

    98
    投稿日: 2025.05.29
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    バリって凄いとかめっちゃって意味で、これは めっちゃ山行くって話かと思ってた。 バリとはバリエーション登山の意味で、 整備された登山道から外れ道無き道を進むこと。 山行も登山の違う言い方で登山に全く興味が無いためか知らなかったことばかり。 知らないから登山道離れたらダメなんじゃ、、と最初思ったし、とても大変そうでそんな真似出来ないけど、妻鹿さんの生き方には惹かれた。 バリ山行の際の臨場感たっぷりの自然描写も圧巻。 山に行きたくなるし、妻鹿さんのこともっと知りたくなる。 主人公の苦悶はわからないでもないけど、 まずは妻と向き合え~とちょっと思った、かな? 自業自得とはいえ初バリ山行の後の年末年始の主人公はちょっとかわいそうでした… 結局自分で切り拓いて行かねばならない自分の人生。この後主人公はどうなったのか、 余韻を残す終わり方も文学的で良かった。 続編あったらいいな 今度は妻鹿さんの場合、、みたいな話。

    10
    投稿日: 2025.05.27
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    昔々、若かりし頃、初めて南アルプス縦走に挑んだ時のこと。もちろん正規のルートのガイドブックにも載っている道。けれど、広大な山々の中で体力も消耗し寒さや暑さに疲弊し精神的にもめげそうになった時、戻るのにも進むのにも自分の足で歩かなければならないのだと、当たり前のことを強く痛感した記憶がある。楽しさよりも苦痛の方が多かったような記憶なのに、そののち、何故か山に対する切望は強くなった。なんなんでしょうね? 主人公が初めて経験したバリ山行。 いやいやいや、怖い。私には無理。怖い怖い。読んでるだけで怖い。 でもその先には惹きつけてやまない、凄いものがあるのでしょうね〜。怖い怖い(笑)

    28
    投稿日: 2025.05.27
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    なかなか面白い山岳?小説。 大昔に六甲で登山道を外れて往生した事を思い出した。これを読んで実際にバリをする人が増えるかな~、とは思うが。 単行本は貸出希望が一杯だったので、初出の「群像」2024年3月号で読む。文芸雑誌は殆ど読んだ事がないのだが、他にも面白い評論や連載があって楽しめる。

    2
    投稿日: 2025.05.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小説の感想として不適切と言われるだろうが、 こういう作品が高い評価を受ける社会であるうちは、出生率は増えないだろうなと思う。

    2
    投稿日: 2025.05.24
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    登山を趣味の一つにしている身としてはなんて危ない小説なんだ、と思ったけど危険性を見せつつも丁寧に山や登山の描写が連ねられていてそれでもすぐそこにある狂気がチラ見えしててよかった 自分が(安全な)登山を通して感じていることが丁寧な文体で表されているのはやっぱり嬉しい 山登る人はやっぱりみんな山に人生やその他諸々を重ねてみるのだろうか…

    2
    投稿日: 2025.05.23
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    純文学というものは、主人公あるいはそれに準じる登場人物の内実に及ぶ物語であるため、どうしてもよそ見が多く、場合によっては読みにくいことが多々あるものですが、この本は違いました。 読みやすい文体に加え、情景がとても分かりやすく、一見すれば大衆文学なのではと思えるほどですが、心情描写が細かく、「あ、純文だ」と分かりやすくなります。 特に、六甲山でのバリエーション山行に挑んだ場面での、主人公を襲うハプニングと、バディの「妻鹿さん」との温度差で、主人公がモヤモヤする所なんかは『これぞ純文』と言える内容でした。 オモロイ純文学です。

    88
    投稿日: 2025.05.23
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    芥川賞受賞作にも関わらず、すんなりと最後まで読みやすく読めました。それだけでも、純文学の意義のわからない難解さに不満を持つ身としては星4つつけても問題ないです。 趣味の山登りに人が関わり、他者から見れば全くどうでもいいレベルのところでも、当事者同士での食い違いはやたらと激しく反発し、という状況は趣味でサークルなどに入っている人なら思い当たるフシはあるよなあ、というかモロにそれだよ、なんて思いながら読みました。

    7
    投稿日: 2025.05.22
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    めちゃくちゃ良いなぁ!めちゃくちゃ良い!山に行きたくなる! 山の中の光や水、空気の流れの表現が細やかで、情景がありありと浮かんでくる。繊細な描写の中で泥まみれで汗臭い男がぽつんといる感じもとてもいい。ロマンを感じてしまう。

    5
    投稿日: 2025.05.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なにか受賞かノミネートされてないとなかなか手に取らない何なのかよく分からないタイトル!いまだに読み方が分からない! すごい知らない熟語、漢字も出てきた、本文で。 でもなんとなくで読み進める、山をかき分けるように、 そしたら読み終わったら読んでよかった、ってなる。 イメージはいつもブックカバーに影響されるけれど、 今回も、この緑の深い山奥を彷徨う感じの、 そんなイメージがずっとあって、 それが妻鹿産のイメージとも重なって、 語りの主人公(波多)もどんどんそんなふうになってきて、 泥まみれで汗まみれな感じ!? でも、思ったより書かれていることの多くは山登りではなくて、 波多さんの勤務している職場のこと。 リストラとか、会社の低迷とか、そういうこと。 そんな状況にも私は疎い挙句に、 建設関係の業務や事業がやや専門的に描かれていて、ちょっと分からないんだけど、っていう部分もまあまああったけれど、 それも含めてなんだか深緑に迷い込んだ感じで、 でも私を救ったのは、 よく知っている地元の地名がたくさん出てきていること。 最寄駅とか出てきて、わーいと思った。 著者の現在の在住地が私の出身地だったり、出身校も同じだったり、 いろいろと知だけはかなり親近感覚えて。 遊びに命かけるものじゃない、というのは、もっともだと思うし、 ほんと危ない山道なんかとくに一人では行かないでほしい、と思いながら読んでたけれど、 たしかに自分もそんなことをしてしまうことはあって、 あーやっぱりそこまで危険は侵さないようにしよう、とあらためて思いつつも、 一方で命の危険のないものに対して、つまり虚構をベースに心身を追い詰められたりしてるのも、よくない!と、妻鹿さんの表現するところも分かる気もする。 …

    3
    投稿日: 2025.05.17
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    「本当の恐怖・怖さ」とは何なのか。序盤は平凡な山登りの話だったが、謎めいた人物メガさんの登場で物語が一気に面白くなった。メガさんは危険な「バリルート」を一人で登る人物で、会社が危機に晒されても落ち着いている態度に主人公は苛立ちつつもその落ち着きに疑問を持つ。主人公もバリに挑戦し、死の恐怖を体験するが、メガさんの気持ちに理解は示せず、むしろさらに苛立つ。だが、1人でバリをする中でメガさんの本当の想いや孤独に気づいていく。結末では、メガさんの真意に気づいた主人公が再び彼に会いたいと思う姿が印象的だった。難解な部分もあったが、芥川賞らしい深みのある作品だったと思う。

    7
    投稿日: 2025.05.16
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    芥川賞受賞作。可もなく、不可もなく、いや、不可。特別面白い内容でもなく、単に山登りと主人公の会社の問題を被せた、何も残らない話。あ、文章は読みやすかったですよ、あっちゅーまですわ。 バリとはバリエーションルートの略で、通常の登山道とは外れたルートとの事で、地元の文殊山を尿意と虫におびえながら家族と山登り(お散歩レベル)をする私にとっては基地外ルートとなります。ま、スキーでいうとバックカントリーみたいなもんでしょか。あぶねーって。 建築修繕会社が舞台ですが、まあ、これも何といいますか設定が稚拙で、社長が従来の元受けをやめて、安定した大手の下請けになると判断した事で社内がざわつくわけで、結果その大手が・・・って、いやいや、そこは新規の元受け部門を残しつつ、大手の下請け部門を作るのが普通じゃねーかと、じゃ、安定なら大手の子会社になれよと、選択と集中なら普通利幅のある元受けを強化するやろと突っ込みどころ満載でしたが、まあ、色々と事情があるんでしょうね、ま、とりあえず山でも登ろうか。 『サンショウウオの四九日』もそうでしたけど、テーマが斬新なものが賞を取るんでしょうか、両著ともなんだかなー 山頂で食べるカップラーメンが何故おいしいって、それはBBQが美味しく感じる理由と同じでしょうね。つまり”脳のブレーキが外れるから~”とチコちゃんに叱れるでゆーてましたよ

    9
    投稿日: 2025.05.15
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    オーディブルで聴きました。 バリエーション山行。整備された登山道ではなく、より険しい道なき道を求める山歩きってことらしい。 最近、ニッチな趣味、趣向の世界を描いた作品が多い気がする。 今日のニュースで、富士山の山開き前に登って遭難したら、救助にかかる費用は自己負担にしたいと市長が言っていた。ごもっとも。 バリ山行のプロになれば、勝手にバリ山行して帰っていくのかもしれないけれど、そこに至るためには、どれだけ人に迷惑をかけることやら。。バリに手を出す人、気をつけてください。 バリ山行中、マインドフルネスというか、トランス状態みたいになって、気持ちよくなって、そこにはまるっぽいけれど、私はいいや。山登りするなら、普通に登山道を歩いて、綺麗な景色眺めて、温泉に寄って帰る、王道の山登りをしたい。 波多さん、妻鹿さんと会えて、関係を修復できたかな。2人ともいい転職先を見つけてほしい。

    2
    投稿日: 2025.05.15
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    サラリーマンであれば、誰しも主人公の気持ちに共感できる部分があるのではないかという内容。 これを読めば、みなバリ山行に行きたくなるかも…。

    0
    投稿日: 2025.05.13
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    Audibleにて。 いきなり「山ですか」から始まるお話、何気なく聞き始めたけど、すぐに面白そうと前のめりになった。 更にちょっと変わってるメガさんが、前の職場にいた技術職の男性と被って更に惹き込まれた。しかも名前まで似てる。。 子供の頃は父親に連れられて毎週の様に山に行っていたけど、今は全くだし、決められた山道ではない所を行くなんて以ての外って感じだけど、メガさんの言うように、道なき道を行って、本当の危機は今この瞬間って経験をしたら確かに何かしら考え方も変わる気がする。 ラストの匂わせも良い。 想像の何倍も好きな感じだった。

    18
    投稿日: 2025.05.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    バリ山行は、最初バリケードやバリ取りかなと思ったけど、バリエーションルートでの山行の意味だけどイメージは前者に近い。バリ山行ばかりする同僚妻鹿とリストラにおびえる登山初心者との交流の物語。山行小説と修繕事業会社でのお仕事小説が絶妙に組み合わさってとても面白い。この読みやすさでの芥川賞はすごいが、著者自身の趣味や経験から、それぞれ深掘り内容がミックスした深さがよい。メガさんの行く末が気になるが、ラストの風情がすごく印象があって、小説として完成してる。

    3
    投稿日: 2025.05.13
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    熊本、阿蘇で登った高岳を思い出す。最初、バリさながらの藪漕ぎで、ルートを外れることが数回あった。途中から岩肌に変わってゆき、ぴたりと身体を沿わせるように登り続けた。周囲は霧で何も見えない。精神的に死にゆく環境だった。ようやく他の登山客の姿を見た時に、生の実感を得た。 街で生きる自分はシステムによって生かされているのだと、気づく。

    1
    投稿日: 2025.05.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    芥川賞らしからぬ、と言っては何だが、爽やかな読後感と映像的な物語の進行はどちらかというと『大衆』寄りの感がある。 会話の端々に出て来る方言、具体的な土地名、そして具体的に迫り来る会社の、主人公の“危機”。これら全てはリアリティに、いっそ単調なまでに描かれる。そんな中で、山と、妻鹿さんという存在だけが、分かりやすく異物である。妻鹿さんは会社が傾こうと自分が爪弾きにされようと、道無き道を登り続ける。妻鹿さんとバリに行く場面は真に迫る映像的な描写が多く、“命の危機”は五感を伴って読者に訴えかける。淡々とした日常と、危険と向き合うバリ。それは対極の位置に存在し、相容れないもの同士であるように見えて、実際はごく近い位置にある。 バリから帰ってきた主人公が肺炎にかかり、仕事にも出られず孤独のまま部屋に篭もるうち、仕事も生活もどうでも良いように思われるという描写は、日常の中に在る孤独に対して象徴的だ。主人公は思い悩むが、実際に出社してみると、拍子抜けするくらい事態は好転している──いや、やっぱり好転していない。それでも当たり前に生活は続く。妻鹿さんという異物だけを残して。 結末はややご都合主義的に思えるかもしれない。しかし、端的で地に足着いた世界観が構築されていたからこそ、この“ご都合主義”が輝くのである。

    0
    投稿日: 2025.05.11
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    オーディオで読んだ。 バリとは何か知らなかったので、なるほどと思った。会社生活と低山登山の両方で物語が進んでいく。それをどの様に結びつけるのか今ひとつ分からなかった。

    0
    投稿日: 2025.05.11
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    決められた安全な山道を登り、日常生活から離れて自然の中で楽しみ、心の癒しを求める「低山登山」。一方で、自ら危険を伴う道を選び、進んでいく「バリエーションルートの山行」。この二つは対立するものではなく、人生や日常生活においては混じり合う。 人生や会社員としての仕事、生き方にリアリティを感じた。 みんな、ただ決められた山道を歩いているわけじゃない。時には、自分ではどうにもならないバリエーションルートを通ることもあるし、迷ったり、選んだり、振り回されたりしながら、それでも前に進んでいるんだな、と思った。

    1
    投稿日: 2025.05.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    六甲登山がでてくる。 六甲山の描写が良い。 書評より 「第171回芥川賞受賞作。古くなった建外装修繕を専門とする新田テック建装に、内装リフォーム会社から転職して2年。会社の付き合いを極力避けてきた波多は同僚に誘われるまま六甲山登山に参加する。その後、社内登山グループは正式な登山部となり、波多も親睦を図る目的の気楽な活動をするようになっていたが、職人気質で職場で変人扱いされ孤立しているベテラン社員妻鹿があえて登山路を外れる難易度の高い登山「バリ山行」をしていることを知ると……。 「山は遊びですよ。遊びで死んだら意味ないじゃないですか! 本物の危機は山じゃないですよ。街ですよ! 生活ですよ。妻鹿さんはそれから逃げてるだけじゃないですか!」(本文より抜粋) 会社も人生も山あり谷あり、バリの達人と危険な道行き。圧倒的生の実感を求め、山と人生を重ねて瞑走する純文山岳小説。」

    1
    投稿日: 2025.05.09
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    誰かの顔色を伺いつつ何とか自分の小さな社会に居場所を見つけようとする主人公の姿に自身を重ねる人も多いだろう。ひとり道なき道を切り拓くことは危険と自由の紙一重であり、そこにどこまで生活を載せるかもまた選択。 建設業の重層下請の描写は前職を思い出した、、

    2
    投稿日: 2025.05.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    タイトル&作者の方の雰囲気が気になって買ってみたのですが、良い意味で裏切られました。 普通の会社、普通の家庭の、普通の考え方をする主人公。 一方で、人と少し違う社内でも浮いた感じの妻鹿さん。 仕事や人生の焦燥感、山の高揚感をしっかり描き切った後の、その両方にあまり意味がない様子にはドキッとさせられました。 あんなに思い詰めていた仕事もハマっていた登山も、すべてどうでも良くなった後、たったひとりでバリ山行に出て、いなくなった妻鹿さんを探す。 最後に残ったどうでも良くないこと、突き動かされるような、どうしてもやってしまうこと。それを見つけるために、ずっと足掻いてるのかも知れない。私にとっての妻鹿さんとバリ山行はなんだろう?としばし考えてみました。 面白かったです。

    1
    投稿日: 2025.04.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    登山?山行?の描写が詳細且つ想像しやすかった(自分に漢字力がもっとあったらよかったのに、と少し残念だった)。 作者も山を歩くと書いてあったため、ここまで詳しく緻密に描けたんだなと感心。 現代社会の「現実」に「向き合う」ことの難しさ、もどかしさが主人公の波多の心情からしみじみ伝わってきた。

    1
    投稿日: 2025.04.30
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    Amazonの紹介より 古くなった建外装修繕を専門とする新田テック建装に、内装リフォーム会社から転職して2年。会社の付き合いを極力避けてきた波多は同僚に誘われるまま六甲山登山に参加する。その後、社内登山グループは正式な登山部となり、波多も親睦を図る目的の気楽な活動をするようになっていたが、職人気質で職場で変人扱いされ孤立しているベテラン社員妻鹿があえて登山路を外れる難易度の高い登山「バリ山行」をしていることを知ると……。 会社も人生も山あり谷あり、バリの達人と危険な道行き。圧倒的生の実感を求め、山と人生を重ねて瞑走する純文山岳小説。 第171回芥川賞受賞作。 まず読了後に思ったのが、芥川賞としては読みやすかったことです。特徴的な文章や表現が印象的な芥川賞でしたので、最初は読みやすさが印象深く残りました。 そして、じわじわ思いつくのが、山登りの魅力や奥深さと共に現実での社会における厳しさや理不尽さが垣間見えて、しっとりと心に響きました。 題名の「バリ山行」のバリとは「バリエーション」の意味でということで、通常の道とは違い、わざと外れた道を通ることを楽しむ上級者向けの人のことを指しています。 そういった上級者と出会うことで垣間見る上級者ならではの楽しみ方や余裕が、会社とリンクしていて、その組み合わせ方が面白いなと思いました。 たしかに会社でもベテランならではの対処や処理の仕方は、心の余裕があって、輝かしく見えて、かっこよくも映ります。この作品での山登りでも、かっこよく視えました。 ただし、初心者の方と一緒だと、より安全性が疑われます。 初心者と合わせて行動しなければいけないので、上級者のやり方に合わせると、大変な事になります。 やり方に批判された時は、正直イラっと思いましたが、よくよく考えると、安全性を重視しているのは相手を思ってのことやトラブル回避という点もあって、納得感もありました。 バリ山行という上級者的な「遊び」。読んでいるとスリルがあって面白そうだと思う一方で、慎重に行動しないといけないなと思いました。 郷に入っては郷に従え。それぞれの現場に対応するのも大切ですが、バリを選ぶ勇気も必要なのかなとも思いました。 結局、大胆さと慎重さのバランスが浮き沈むばかりですが、やはりそこにはベテランの存在があってのことだと思いました。知識が豊富な人がいるからこそ、行動を起こせる一つの起爆剤にもなりますし、その人のお世話になることで、色々学ぶことは多いかと思います。 会社と山登り。良い息抜きになるのか?それとも遊びとして、会社から逃げているのか?色んな解釈があるかと思いますが、会社に支障をきたさなければよいと思います。 そんな中で、主人公が妻鹿と出会うことで、垣間見る今後の不安。会社が傾いていく中で、妻鹿はどう向き合っていくのか?心の余裕がないからこそ、不安がなっていく一方。そんな中でのバリ山行は読みごたえがありました。 難所を乗り越えての達成感がある一方で、危険と隣り合わせでの緊迫感、そして危険に陥った時の憤りなど、色んな感情を垣間見えました。 特に下山の表現がリアルで哀愁を感じました。暴言を吐いてしまった主人公と妻鹿との距離感が切なかったのですが、その後の行動にも切なさがありました。 果たして、妻鹿はどうなったのか?直接的な表現はなかったのですが、情景描写を描きつつ、間接な表現で、妻鹿の存在を示していた演出は良かったです。 安定を選ぶか?あえて挑戦を選ぶのか? なかなか難しい判断ですが、バリ山行を通じて、判断材料として、自分の気持ちもちょっと成長したように感じました。

    2
    投稿日: 2025.04.29
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    心身共に疲れ果て、怪我や病気をしてまでも惹かれるバリとはなんなのだろう。 会社や街という小さな世界でのみ生きている人にとって、大自然に挑むというのは大きく価値観の変わる出来事だ。 どちらが良いと言う訳では無いが、人間関係が煩わしい現代ではメガさんのように自然の中で自分軸で生きることが出来るのは心地よいのかもしれない。

    1
    投稿日: 2025.04.29
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    水を甘いとおもったのはいつぶりだろうかな バリの山へ行った記録なのかな?と思ったがバリエーションという登山方法だったのだった。笑 心模様の移ろいが地味に早く来れる秋の夜のようでよろしい。

    0
    投稿日: 2025.04.28
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    1672 「バリ」とは「バリエーションルート」の略で、整備・舗装された登山道から外れ、やぶの中に分け入り、時に垂直の岩場や滝を進む登山のこと。 昨年の芥川賞どストライクだった。これが出版されたのが、私が今80人所属してるハイキングサークルを創設して1周年ぐらいだからタイミングも含めて。歩くという事(全ての人に開かれた運動)の効能とか、都市化されて自然と切り離された人間達に対する危機感とか、ネット社会になったことによる生身の人間とのコミュニケーション不足とか沢山の事に疑問を持ったから始めたことだけど、それがこの物語に詰まってた。

    0
    投稿日: 2025.04.28
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    山登りに安全な通常ルートではなく、道なき道をゆく「バリ山行」という世界があるのを知った。 通常の山登りは「頂上をめざす」目的があるが、 バリ山行は危険なルートをただ彷徨うだけ。 遭難と隣り合わせのスリルは 頭で考える漠然とした不安など入り込む余地もなく 生きている実感を呼び起こす。 会社では完全に浮いた存在なのに 山では果敢に攻めまくる妻我さんの生き方は 主人公の波多に影響を与えていく。 妻我さんは人間味が少なく、 何を感じて何を思うのか全く読めない人物だ。 波多は単独バリ山行を行うことで一種のトランス状態を体験したり、ぶり返しのように襲う人生への不安を感じたりと、妻我さんの内面を追うかのようにバリ山行にのめり込んでいく。 その先に何があるのかわからないだけに 家庭も顧みず囚われるその姿に狂気を感じた。 会社で軽んじられている変わり者の独身中年男性に 心酔させられる主人公、という構図は 「路傍のフジイ」にも通じる。 こういった作品が最近流行っているのかな? いつまでも上を見ていたら苦しくなる。 冷やかし程度に下を見てみたら、 そこには上でも下でもない世界があった。 この社会は独自のルートを辿る者にとって 険しくなるのが常だ。 羨望と不穏が入り混じる読後感だった。

    20
    投稿日: 2025.04.27
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    懐かしい藪漕ぎ。奥多摩での訓練、汗まみれで大変な思い出しかない。バリ山行やトレラン。自然保護派としては迷惑、危険だけど、「ホントは山に道なんかない。ある意味バリエーションっていうのが一番本来の山登りに近いのかも。登山っていうのは、ちゃんと整備された道を、ある意味で僕らは歩かされている」という反発も共感できる。管理社会から逃れ一人自然に包まれ道無き道を行く醍醐味。どちらとも言えない優柔不断さ。最近は自分も単独行多くなったなあ。妻我さん、どうなったか気になる。

    2
    投稿日: 2025.04.27
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    オーディブルで! 山についても工事関係の仕事についても詳しくないので、描写にピンとこないところもあったけど、それでも読ませられる文章だった。

    2
    投稿日: 2025.04.27
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    『バリ山行』って言葉初めて知った。 自分はチャリ乗ってるんで、地図でルート探して初めての峠を一人で走ってる感覚に近いのかも。 何のために走るのって聞かれたら、普段の生活、仕事から逃げてるってのもあるかもだけど、自分も自然の一部だな〜ってなるから、、ありきたりだけど今を生きてる感を味わえるからかな。 ってことでMEGAさんに共感しまくっての⭐︎5です。

    12
    投稿日: 2025.04.26
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    波多 多聞 事務 山ガール 松浦 嘱託 谷口 山ガール 栗城 槇 藤木常務 難波 経理 妻鹿 営業主任

    0
    投稿日: 2025.04.25
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    山登りがもっと多い話かと思ったら、主人公の仕事がほとんどで思ったのと少し違った。 現代で会社のイベントに参加するなんて人がどれくらいいるんだろう…会社にもよるし、雇用形態によっても違うよね。 慰安旅行は行ったことあるけど、リクリエーションには参加したことないな。 想像してたルートを外れる山登りは後半から始まる。 面白いと思うところもあるけどそんなにか?と思うくらいです。 主人公にイライラしちゃった。 赤ちゃんの世話を奥さんに投げっぱなし、メガさんにおんぶに抱っこの癖に文句はいっちょ前。 こんなやつに優しくしなくていいっすよメガさんって言いたくなる。 終わり方がめっちゃかっこいいから後味だけはいいです。

    52
    投稿日: 2025.04.25
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    一番感じたことは、この本でバリ山行が増えなければ良いなと思った。 山好きなので、山小説にも興味があり、読んでみる。が、これで芥川賞?と思うような凡庸な展開、目覚め、成長、挫折、再生。AIに書かせたのじゃないか?と思ってしまうほど。でも、最後は爽やかな感想は持てた。 バリ山行は自己責任で、やるなとは言わないが、リスクは上がるし、この本を読んで真似する人がでないといいなと思った。

    6
    投稿日: 2025.04.25
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    芥川賞受賞作ということで、難しいかな、と不安でしたが、情景も心情もわかりやすく楽しく読めました。 六甲山が主な舞台です。バリとは、登山地図に書かれていないバリエーションルートを歩くということ。 会社の中では少し浮いた存在の妻鹿(メガ)さんは、週末に1人でバリを楽しむ。バリを「本物」だという。 妻鹿さんのいう「本物」を、私も感じてみたいところだがとても危険を犯して「本物」を味わうほどの度胸がないな...。でも、妻鹿さんのいう「本物」すごく羨ましいな。知らない世界を感じることができて楽しかった。登山といえば、今まで標高の高いところを目指す楽しみと思っていたが、標高が低くても山をそのまま感じ、道なき道をいく、そんな楽しみ方があったなんて。 バリは命に関わる、山と対峙して突き進むことで、人としての「本物」も問われるのだろう。波多くんは、妻鹿さんの「本物」を見せてもらって、今まで自分の価値観に無いものを得られたのだろう。

    100
    投稿日: 2025.04.25
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    第171回芥川賞受賞作 面白かった。とても良かった。 読みやすくて冒頭から物語に引き込まれます。 山登りの楽しさを味わえるのかと思いきや、達成感、満足感、、、それ以上のものでした。 山登り、会社、家庭と並行しての話も良かった。 道なき道を行くバリ山行のシーンは描写がリアルで、緊張感たっぷり、読む方も必死です。 最後のシーンがとても良く、終わり数ページを読み返しました。この終わり方は良かった。 登場人物の妻鹿さん、実在の人物のような気がするほど印象に残りました。

    31
    投稿日: 2025.04.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    バリ山行とは、バリエーション山行の略で、正規な登山道以外のルートで山を登ることらしい。 主人公のハタくんが、会社のつきあいで登山を始めるのだが、バリ山行に興味を持つようになり、孤高で風変わりなメガさんにバリ山行に連れていってもらうことに…というお話。 あくまで登山を社会の枠組みのなかでの遊びとして楽しむものと考えるハタくんと、どこまでも生きているリアルを感じたくてバリ山行に夢中なメガさんとでは、登山に対する思いや考えが根本的に異なる。 バリ山行で危うく命を落としかけたハタくんは、会社の状況が悪化するなか、バリ山行に夢中なメガさんを、現実から逃げているだけだと一喝するが、はたして本当にそうなのか。 メガさんは最初から一貫して何も変わらないんだよね。もともと登山が好きで、バリ山行の魅力に夢中だったわけで。変わったのは、ハタくんや会社の状況。現実社会から逃げたかったのは、ハタくんの方だったんじゃないかなとも。変わらないメガさんへの見方が変化していく様子はおもしろかった。 バリ山行の善悪の話は置いておいて。登山の他にも命懸けの趣味はたくさんあると思う。遊びだと思って油断すると痛い目を見てしまう。何事においても、本気で取り組むから見える景色があるんだね。

    62
    投稿日: 2025.04.24
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    六甲山の感じがありのままに描かれている。 さすがにバリはやらないけど、久しぶりに一人で山登りしてみようかと思った。

    10
    投稿日: 2025.04.23
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    装幀から難しい本なのかなと想像していたけど、すごく読みやすかった! 仕事に疲れている人や悩んでいる人にオススメしたい本。 バリはやりたいと思わないけど、久しぶりに登山したくなった! 山でカップ麺とコーヒー飲んでみたーい! 生きるか死ぬかを経験したり、とても大変な大きなことを経験すると、それまで悩んだり不安に思ってたことが、どうでもいい事に思えるの共感しかなかった。

    2
    投稿日: 2025.04.23
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    テーマといい、表現の強度といい、めっちゃ文学だ 「でもそれは予測だし、イメージって言うか、不安感の、感でさ、それは本物じゃないんだよ。まぼろしだよ。だからね、だからやるしかないんだよ、実際に」(p.115)

    2
    投稿日: 2025.04.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ほとんどのことは頭の中で起きていて、悩みはほぼ幻想だという事はよく分かる。普通に面白いけど、期待し過ぎたらがっかりする。

    2
    投稿日: 2025.04.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これ、芥川賞なんですね。今登録する時、本の帯を見て知りました。 前情報は何も知らず、山の本なのかなと楽しみに読み出したら、山も出てくるけどもっと広く社会について、世の中についてといった感じだった。 芥川賞て読みにくいイメージですが、その中では読みやすかったかな。 これだけで終わってもいいんだけど、、著者は知らない人だけど、同年代で同じような大学出てる人。ガッツリ氷河期。著者紹介に「日々六甲山麓を歩いてる」とある。 この本は自伝的だったりするんだろうか。 ここからはネタバレかな。 仕事と子どものことに追われてる日々を過ごす者としては、「向き合うのは生活」の方が納得感が強かった。 昔の自分なら、でも山の方がいいってか!知らんがな、ぐらいで終わってたと思う。 でもそれは山に登らない、バリエーションルートを楽しむことを経験してないからなのかなと考えてみるようになった。 自分の経験や感情や広く言うと“範疇”の外にも知らないことがたくさんあって、そういうこともあるのかもと思うこと、自分だけが正しいわけではないと考えてみるようになったことだけは氷河期時代以降の自分の成長と言えそう。

    3
    投稿日: 2025.04.21
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    図書館からの予約本納入の通知が忘れた頃にやってきた。 読み終え、著者が物語で表現する、不安という感情の解像度の高さに驚いた。 会社生活での生き残りの不安、家族に対する責任から生じる不安、そしてバリの最中に感じた圧倒的な死に対する不安。 物語の中で妻鹿さんが、主人公から漠然とした不安をどう受け止めているかと問われた時、「自分の出来ることをやるだけ」と応えた。非常にシンプルで適切な心構えだと思う一方、主人公のように反発を感じ不安を上手く消化できない方が人間的だとも感じた。 物語の最後で、妻鹿さんに対する罪悪感から山に入る主人公がマスキングテープを見つけ、今後はどういうふうに山と向き合うのか、読む人に寄って解釈がかわるのかなとふと思った。

    3
    投稿日: 2025.04.20
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    「バリ」とは「バリエーションルート」の略語で、整備された登山道ではない、いわば“道なき道”を意味します。本作は、建設会社に勤める主人公が、次第に登山、とりわけバリエーションルートの魅力にのめり込んでいく姿を描いた物語です。 ◆心に残ったポイント まず印象的だったのは、「町と山、どちらが危険か?」という問い。仕事や家族、人間関係の中で生きる難しさと、自然の中にある明快な危険。その対比が物語全体に深みを与えています。 また、主人公を山の世界に導く先輩・妻鹿(めが)の存在も強烈。どこか不気味で謎めいた人物で、彼の私生活や過去にも興味が湧きました。 そして、登山から帰宅した際の描写が非常にリアル。汗のにおいや山の空気がページ越しに伝わってくるようで、筆者の観察力と表現力に感心しました。 主人公が山にのめり込んでいく姿を通じて、「なぜ人は危険を冒してまで山に登るのか?」という問いが自然と浮かび上がってきます。まさに令和版の『孤高の人』と呼びたくなる作品です。 ◆気になった点 一方で、主人公の登山活動が家族の支えの上に成り立っているという点には、もう少し掘り下げが欲しかったようにも感じました。特に、働きながら子育てをし、夫の登山も受け入れる妻の姿は、非常に寛容に描かれている反面、やや主人公に都合のよい設定にも思えます。 ◆まとめ 物語はそれほど長くないため、一気に読み進めることができます。登山が好きな方はもちろん、家族や身近に登山好きがいる方にもおすすめです。山の魅力と、そこに引き寄せられる人間の本質が静かに、しかし確かに描かれた一冊です。

    13
    投稿日: 2025.04.20
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    関西出身。地元の六甲山が出てくる。関西弁。最初時々読みづらい漢字をねじ込んでくる。わざわざふりがな振るなら、平仮名でも良い?主人公の妻鹿めが。赩い顔、赤い顔でえーやん。妻鹿さんの屋根上での仕事ぶりがカッコいい!バリに同行するが、道なく道を道具を活用しながら、確実に楽しんで進む。山好きには、たまらないのかも。 短い話なのだが、やっと読了。難しい漢字も、慣れてきて、読み飛ばし、妻鹿さんも最初はどうなのかな?と思っていたけど、まあいいんじゃない。人と違ってもいいんじゃない。主人公もだんだん妻鹿さんのバリ山行に大きく影響を受ける。最後まで読まないと分からないものだ。

    8
    投稿日: 2025.04.19
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    第171回芥川賞 実際にバリ山行を体験する場面に圧倒的なボリュームが割かれていたのが満足ポイント。 未知のバリ山行の世界を覗けるのは楽しかった。 私自身は山登りやマラソンのような苦しいスポーツを楽しいと思えないので、同じ体験をしても妻鹿(メガ)さんと同じ感覚になる事はきっとない。 それなのに、筆者の文章力ゆえか、妻鹿さんが語るバリ山行の魅力はとても納得ができた。 確かな現実として自然の脅威と向き合い、自分の力で進んでいくこと。 整備された山道も絶景もない、ありのままの山に1人でいる贅沢を感じること。 仕事のことをあれこれ心配するのは自分がつくり出した不安だけど、山で向き合う恐怖は本物、という考え方に確かに!と思った。 一方、波多はそれを現実逃避だと非難するのだけど、果たしてそれってずるいの?? 目の前の恐怖を本物と捉えても、現実的に向き合わなくてはいけない仕事を本物と捉えても、どっちでもいいよね、と思う。 価値観は自分が決めればいいし、仕事がその人にとっての本物を楽しむための手段でもいいし、「ズルくないですか?」という波多の怒りに任せた言葉にはイラッとした。 バリ山行の藪を分け入るところは地味に辛そうだけど、山の何もないところで無になってコーヒーを飲むのはちょっと羨ましい。 高尾山登る予定あるから、山コーヒーだけやってみようと思う。(もちろん登山道、中腹まではリフトというバリ山行の真逆コースで)

    41
    投稿日: 2025.04.19
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    前知識もなく読んだので、表紙を見た時は熱帯雨林?インドネシアのバリの旅行記かなと勝手に思っていたのですが登山の話!バリはバリエーションルートの略で、整備されていない道を登っていく登山のことで、危険もかなり含んでいる。山や登山が好きな人はものすごく楽しめる内容なのかもしれない。主人公の波多がちょっと好きになれなかった。

    10
    投稿日: 2025.04.18
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    修繕工事会社で働く波多は、職場の同僚の誘いで登山へ行くことになる。一度限りのはずだった登山イベントは次第に定着し、登山部として活動することになる。登山部に入った波多は、アプリで登山記録をつけたり、ブランド物の登山用品を揃えるまでに、同僚との登山へとはまっていく。 休日登山も板についた頃、会社との意見の不一致から退職することになった藤木常務の送別会を兼ねた登山が企画された。そこには、これまで会社の登山に参加することのなかった妻鹿さんの姿があった。 「迷彩柄のブッシュハットこそありふれたものだったが、上はサウナスーツのようなプルオーバーのウインドブレーカー。下はライトグレーのカーゴパンツ。足首に脚半を巻き、上履きのような薄い靴を履いている。背中のザックの他に、胸にも小さなバッグをつけている。肩のストラップからグローブを提げ、手にはピッケルを持っていた。その格好は六甲山に集まるハイカーとは明らかに異なっていた。」(p21) 会社の仕事でも、一人、古い顧客の補償修繕を続け、浮いていた妻鹿さんは、登山姿でも浮いていた。そして、この日、一緒に登った波多は、妻鹿さんが休日に一人で「バリ」をやっていることを知る。 「バリエーションルート」と呼ばれるその登山は、地図に載っている登山道ではない山間を行く登山である。職場で一緒に仕事をしたことをきっかけに、興味を持った波多は、思い切って妻鹿さんとともに「バリ山行」へ行くことになった。 サラリーマン小説、山岳小説、純文学……、色々な読み方があると思うが、ぼくは、これは師弟の物語だと思った。 「直訴したんですよ。妻鹿さん、社長に。小口の顧客を残せって。ちゃんと自分が営業するからって、なんかボロボロのノート持ってましたよ。」(p143) 職場で浮いていた妻鹿さんの一番の理解者だったのは、退職してしまった藤木常務だった。社長に直訴して、会社を辞めたとき、妻鹿さんが手に持っていた「ボロボロのノート」は、その藤木常務が残した営業先のリストだった。 会社の方針が変わってからも続けた妻鹿さんの仕事は、藤木常務から教わって引き継いだものだったのだろう。妻鹿さんは、最大の理解者であり、仕事を教わった常務の意志を引き継いで貫こうとした。結果的に、会社から去ることになるのである。 物語のラスト、語り手の波多もまた、山で妻鹿さんのやってきたことを追いかけようとする。しかし、藤木常務のノートがあった妻鹿さんとは違い、波多には、妻鹿さんの山行記録はなかった。妻鹿さんが「本当の危機」と呼んだ、引き継ぐべき「バリ」の精神も、分からなかったのである。 波多は、あらゆるヒントを失って、妻鹿さんの山行記録と一度だけ一緒に行った「バリ山行」の記憶だけを頼り、妻鹿さんを追いかける。そして、ついに見つけるのである。 「峪を囲うミツバツツジの赤紫が目を惑わせるほど眩しい。ふと見るとその中の一本が、枝先にひとつ青い花をつけている。不思議に思って近づいて見ると、それはまだ新しい、あの青いタータンチェックのマスキングテープだった。」(p161) 「青いタータンチェックのマスキングテープ」は、妻鹿さんの通った痕跡であり、自分が追いかけていた道が、妻鹿さんと同じだったことを示すものである。自分の辿ろうとしていた道が、間違っていなかったことを思い、波多は、妻鹿さんを追いかけ続ける。 著者自信が「オモロイ純文運動」を標榜して活動しているだけに、とても読みやすい。純文学に触れる一冊として、すごく楽しくて読める一冊だった。

    0
    投稿日: 2025.04.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    山は遊びですよ。遊びで死んだら意味ないじゃないですか! 本物の危機は山じゃないですよ。街ですよ! 生活ですよ。妻鹿さんはそれから逃げてるだけじゃないですか! ズルくないですか? 不安から眼を逸らして、山は、バリは刺激的ですけど、いや“本物” って、刺激的なもんじゃなく、もっと当たり前の日常にあるもんじゃないですか。(抜粋) バリっていうのは、登山用語でバリエーションルートのことらしい。よくある登山道ではなく、自らルートを開拓し道なき道を進む。 防水工事のプロ、妻我さんの仕事の場面が痺れました。雨漏れって本当に直すの難しいんだよね…

    0
    投稿日: 2025.04.17
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    山から落ちて死ぬかもしれない恐怖と、人からの噂の恐怖。 バリの山登りに連れられて恐怖を味わうことより、社会の中を失う恐怖.でも体調崩すことでその恐怖をいつしか乗り越えていく。

    0
    投稿日: 2025.04.16
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    大事件が発生したり怪異が出たりするような小説ではない。主人公は中小企業に勤めるサラリーマンで大口に集中させるため得意先を断るが大口からの発注見込みが立たず業績が怪しくなる中、バリをやっている変わり者の同僚と登山に行く話。 登山をしていると感じる爽快感、思った以上に汚れてしまう装備、滑ったり、足をくじいた時の恐怖、ヤブや汗の不快感の描写がとても上手く退屈しません。 登場人物もほぼ二人なので人間関係のいざこざなどが過剰に入り込むことなく、山とそれに対する2人のサラリーマンの反応が楽しめる小説です。

    0
    投稿日: 2025.04.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

     人生はよく山とか谷とかに例えられることがあるけれど、私たちが歩いている道は、たいていが先人によって舗装された安全性の高い道に過ぎない。  妻鹿さんがやっているバリ山行は、舗装はもちろん、命の保証すらされない場所を歩くものだ。一心不乱に、取り憑かれたように。目的なんてないのに、ただ進み続ける。  そのスリルこそがリアルだと思う妻鹿さんと、街や会社こそがリアルだと言う主人公。異なる価値観の2人が山に登るから見えてくるものがあるのだ。  山に登りたくなった。

    0
    投稿日: 2025.04.13
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    山登りが趣味なので、興味を持って読みました 現実とは乖離したバリの中で、不確実性の高い活動に生きるを見出すことは、一部共感します 主人公の心の移り変わりがもう少し描写されているといいなと思いました 短時間で読めますし、お勧めいたします

    0
    投稿日: 2025.04.13
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    予約して半年経ってたから何故予約したのか、どんな内容なのか全然思い出せないまま読み進めた。 建外装修繕の会社にしばらく前に転職した波多。その会社では登山部が発足し波多も誘われるままに参加する。そこで一緒になった妻鹿は、道なき道を行くバリエーション山行の達人。 登山部の活動は順調でも、会社の経営の方が段々と傾いていき、全体的に不穏な雰囲気に。 そんな中で波多は妻鹿にバリ山行に連れて行って欲しいとお願いする。 妻鹿の「会社がどうなるかとかさ、そういう恐怖とか不安感ってさ、自分で作り出してるもんだよ。…でもそれは予測だし、イメージって言うか、不安感の、感でさ、それは本物じゃないんだよ。まぼろしだよ。だからね、だからやるしかないんだよ、実際に」という台詞が印象的だった。 仕事と山、何を最重要視するのか。色々モヤることろはあるけど、自然をダイレクトに感じられる登山っていいなと思った。

    34
    投稿日: 2025.04.09