
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
せつなと薫子のやり取りが好きでした。2人の関係が羨ましくもあり、大好き。 言葉を日頃から伝え合う大切さ、食事の大切さ、人に頼ることの難しさ、大切さを改めて感じました。 料理のやる気が上がったので、今度ポップコーン作って映画見ようと思いました。笑 最後のタイトル回収で、せつなが薫子の髪に指を絡めるのは疑問でした…せつながそんな行動をするかな〜とキャラブレのようなものを感じました。 春彦の死因も謎の死のまま…敢えて書かなかったのだと思いますが個人的にはスッキリしなかった。
0投稿日: 2024.08.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
野宮薫子は不妊治療を長い期間していたが授からず自暴自棄になっていた所、突然離婚を言い渡される。そして、薫子の弟・春彦が突然亡くなり、遺言書に恋人の小野寺せつなにも遺産を渡して欲しいと書かれていた。せつなはそれを拒否する。 春彦を通じて出会った薫子とせつな。杓子定規で融通が効かない薫子と、クールなせつな。ウマが全く合わない二人が、家事代行サービスのボランティアを通じて徐々にパートナーとなっていく… 最初の印象は最悪だったけれど、一緒に仕事をしていくうちに色々な人々と出会い、薫子の頑なだった考えも徐々に軟化していく過程が良かったです。 離婚の原因、春彦の知られざる姿など多方面に渡って切なかったです。 養子縁組までしようとするのは驚きでしたが、せつなとは人生の良きパートナーとして暮らしていけそうですね。
6投稿日: 2024.08.05
powered by ブクログ●なぜ気になったか ストーリに興味はわきつつも、「食べることを通じて」とあり、食にこだわりがないからなのか食に関する描写は読み続けられない僕なので出版段階ではスルー。その後アマゾン評価星5つが70%に近いのを知り読んでみたくなった ●読了感想 読むのに苦手な描写が二つある、食に関する描写とここに記すのは避けるがもう一つ。本作にはその二つが含まれていたのに、苦手意識を刺激されることなく読み続けることができ驚いた。どっぷり入り込まされ一気読み、小説の楽しみを堪能できた #カフネ #阿部暁子 24/5/22出版 https://amzn.to/3ygYVhF
15投稿日: 2024.08.05
powered by ブクログ誰もがきっかけさえあれば陥ってしまうセルフネグレクトと向き合いながら前を向く姉の姿にグッときたし、つっけんどんな亡き弟の婚約者の過去を知っていくうちにヒリヒリしていたかった。 最後はほろり。
0投稿日: 2024.08.03
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インスタでよく見かけて気になった。 28 きっと人間を最後に立たせるのは、勇気でも希望でも夢でもなく、見栄だ。 35 公隆はやさしいが、甘くはないのだ。 69 これは、私を私に戻してくれる、完璧な食べ物だ。 75 すごい、と思った。 人間は、こんなに打ちのめされている時でさえ、おいしいと感じてしまうのだ。 98 今、私はあの人を助けたのでなくて、助けてもらったのだ。 108 あとね、おにぎりを作れるようになると、人生の戦闘力が上がるよ 111 あなたは、あなたとお母さんのプリンを、自分の力でいつだって作れる 137 いつもどこか寒い心に、誰かが自分のために料理してくれることが、たまらなくしみる 186 笑顔しか思い出せないことが、今はさびしかった。 247 この子にとって何かを作って食べさせてあげることは、「好きだよ」って伝えることなんだなって 266 ご飯を作りに来てくれるたびに冷蔵庫をのぞいて、大丈夫って確認してくれてたわよね。そうよ、私もう大丈夫なのよ。あなたのおかげよ 267 かすかな息遣いに耳を澄ましていると、愛しさを痛みに近づくまで煮詰めたような、何かがこの子を害するならきっと自分は牙を剥いて戦うだろうと思うような、激しく切ないものが子宮の底から突き上げてきた。 274 ごはんを作り、食べてもらい、好きだよと伝えたいひとを失ったはずのあなたは、それでも作ることをやめなかった。 279 かなしかった。他人に戻ってやっと本当の話ができる自分たちが、とても、かなしかった。 281 けれどあの子は生まれなかったし、誰かに自分を救ってもらうことなど、できないのだ。
0投稿日: 2024.08.01
powered by ブクログフォローしてる方の推しで読んだが、良かった。ある部分から涙が止まらなくなったほど。 命と向き合う事の非常さが、ネグレクトの子供らや老々介護の夫婦、シングルの親達を描きながら胸を突いてくる。子供が小さい頃に頭を撫でながら添寝した髪の匂いさえ思い出して、カフネ、と言う題名にも涙した。
17投稿日: 2024.07.31
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突然死んでしまった弟春彦,姉の薫子は遺言の件で弟の元恋人せつなと待ち合わせる.この冒頭の場面から物語は回想シーンも含めながら薫子とせつなは反発しながらもほっとけない存在となっていく.不妊治療や離婚,親の身勝手な期待,家事サービスのボランティアなどの問題などたくさんの生きづらさを語りながら,食べることは生きることという揺るがない信念で料理場面をまたその食べる場面を楽しく描いている.登場人物もまた魅力的で,薫子の別れた夫公隆が素敵だ.
1投稿日: 2024.07.28
powered by ブクログ主人公の野宮薫子の弟の急死により、弟の元恋人・小野寺せつなと出会い、家事代行サービス「カフネ」を通して色んな人と出会い、食べることを通じてこの二人の心の距離が縮まる。 二人が心の壁が薄くなっていき、心がほっとするやさしい小説でした。
5投稿日: 2024.07.28
powered by ブクログ食べることは生きること。 温かい料理を目の前に幸せを感じない人は そうそういないよね。 溺愛する弟を亡くした薫子と弟の恋人せつな。 食を通じてぶつかり合う二人の関係は変化していく。 何気ない日々の一食を大切に思えるか。 おにぎり握って人生の戦闘力を上げたい。 明日も頑張って生きていくために。 そう思える大好きな一冊に出会いました。
21投稿日: 2024.07.25
powered by ブクログ法務局に勤める野宮薫子(41)は、弟の春彦を急死で失う。弟は恋人だった小野寺せつな(29)に遺産を渡したい旨の遺言書を遺していた。薫子がその旨を伝えるも、受け取りを拒否するせつな。ふてぶてしく振る舞うせつなに対して憤りを感じる薫子は、意識を失い倒れてしまう。薫子を自宅まで送り届けたせつながふるまったのは、やさしい味が沁みて涙が出る程美味しい料理であった。やがてせつなが勤める家事代行サービス会社「カフネ」を手伝うこととなった薫子。自分に価値を感じられず自暴自棄な生活を送っていたが、誰かの役に立つことで自分自身を取り戻していく… 「金環日蝕」及び「カラフル」が面白かった阿部暁子氏の最新作。本作もまた胸アツな人間ドラマで感動的に面白かった。「カラフル」はどちらかと言うと若年層向けだが、本書は比較的大人向けで特に女性には刺さるストーリーだろう。「カラフル」か本書のどちらかは、来年の本屋大賞にノミネートされると予想。やばい。この方のファンになってしまいそうだ。 まず素晴らしいのは巧みな比喩表現。例えば… •皮をむいた白桃のようになめらかな頬 •討ち入りするようにパンプスの踵を鳴らし •狼がうなるように低い声 なんて言い得て妙な例えだこと!映像が目に浮かぶ表現だ。 四角四面できちんとし過ぎている薫子と、人の思惑に左右されず自分の意思を貫くせつな。当初は火花バチバチだった二人が、家事代行業で人助けを進めるうちに距離を詰めていくプロットは心地良く、時にグッとくる。歯に衣着せぬテンポの良い二人の会話のやりとりはユーモラスだ。 美味しい手料理は、悲しみ苦しみに打ちひしがれている人の心のよすがとなり、立ち上がるキッカケとなる。青森の郷土料理という“卵味噌”食べてみたいな。 本書はジャンルで言うと人間ドラマだと思うが、“春彦がなぜ遺言書を残したのか?”というミステリ要素も内包。ネタバレになるので詳細は伏せるが、夫婦や兄弟といった家族ですら、“人間は自分以外の事は何一つわからない”ということを痛感させられる。 さて、私も愛しの我が子の髪に指を絡めつつ、寝ることにしよう。おやすみなさい。 本屋大賞 受賞 キノベス! 30位 未来屋小説大賞 受賞(2024年)
58投稿日: 2024.07.25
powered by ブクログなんて素敵な作品なんだろう。食べ物系の作品でNo. 1かもしれない。ご飯がおいしいのはもちろんだけれど、物語が心にしみた……。 突然死んでしまった弟。人生のどん底にある姉の薫子に、ぶっきらぼうで人を寄せ付けない弟の元恋人・せつなは料理を作る。 弟の死の真相に、せつなの過去、なんだろう?どうしたのだろう?と考えながらも物語は進む。 読みながら、何度もひっくり返され、新しい世界が見えてくる。 家族や友人が自分に見せている姿、どれだけ「わかっている」と思っても、すべてを知ることはできない。相手のことを尊重しつつも、自分の心を開いて相手に向かっていくことが必要なことがあると思ったし、言葉を尽くして気持ちや考えを伝えなくては、相手には伝わらないのだということに気づかされもした。 そして、自分の命は自分にしか使えない、だから自分の行きたいように生きろ!という力強いメッセージ。心を通い合わせることはとても難しいことなのだけれど、自分の心に従ってまっすぐに信じた道をいく主人公たちにものすごくパワーをもらえた。 人を愛するってこういうことだよなぁと、しみじみ感じる作品だった。
74投稿日: 2024.07.24
powered by ブクログ子どもの頃から努力を信条として生きてきた薫子は、不妊治療で努力ではどうにもならない現実を突きつけられた。その後の夫からの突然の離婚、そして最愛の弟の死。薫子が喪失感からアル中になりそうだったときに手を差し伸べたのは弟の元恋人の小野寺せつなだった。どこにでもゴツイブーツとつなぎでやってくるぶっきらぼうなせつなが働いている家事代行サービス「カフネ」でボランティアをするうちに薫子は本来の生気を取り戻していく。幼稚園の時、苦手なピーマンを克服するため毎日生でかじり続け、小学生の時に毎晩洗面器に顔をつけて水への恐怖を克服し、中学生の時には足が遅いのが悔しくて毎朝走り込みをしたら陸上部にスカウトされるまでになった等、薫子のエピソードが愉快だ。面倒くさいという人も多そうだがその真っ直ぐさが魅力。私は友達になりたいと思った。最初、分かり合えなそうだった薫子とせつなだが、だんだん心が通じ合っていくところが良かった。
2投稿日: 2024.07.24
powered by ブクログ41歳の薫子は不妊治療もうまくいかず、夫と離婚した後、12歳下の溺愛していた弟の急死でアルコールに溺れていた。 弟が遺した遺言書から元恋人の小野寺せつなに会うことに…。 待ち合わせに遅れてくるせつなの態度や口調に怒りが爆発するのと同時に眩暈で倒れかけ、そのままマンションへ。 荒れた部屋の様子を見ても何も言うわけでもなく、豆乳と素麺で手際よく料理を作るせつな。 そこからせつなが勤める家事代行サービス「カフネ」の活動を薫子も手伝うことになり…。 薫子とせつなが訪問する家庭は、さまざまな事情を抱えていて、そこから見えてくることでせつなの態度や言動から彼女の過去を知ることになる薫子。 そして、弟の隠していた事実も知ることとなる。 最後には、最初に出会った薫子とせつなの距離感を思うと驚きだが、最良の選択ではないだろうかと思った。 『カフネ』は、ポルトガル語で「愛する人の髪にそっと指を通す仕草」を表すらしい。 ロマンチックすぎると思ったが、最後の1行で気取りのない自然な仕草だと感じた。 なんとも言えない切なさや愛おしさ、優しさが溢れる物語だった。
100投稿日: 2024.07.23
powered by ブクログそういえば、100点じゃないからって殴られたな。勉強しないからって、ある朝起きたらファミコン全部捨てられてたな。結局私は幸せな家庭を築けなかったけど、関係あるのかな。ムスメは幸せな家庭を築けるのかな。
5投稿日: 2024.07.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
年の離れた弟が急に亡くなった薫子が主人公。 弟の遺言に従って遺産を渡すために、以前弟が実家に連れてきたせつなと再会するところから物語は始まる。 まだ若い弟が、なぜ遺言を残していたのかという謎が 物語を引っ張ってくれるとともに、 おいしそうな食べ物描写に心が温まったり、感情を揺すぶられたり。 物語がそれぞれピースがハマるように「そうだったのか」と思える所が好き。 社会問題もかなり盛り込んでいるけれど、 重くなりすぎず、だからといってとりあえず入れました感もなく心地よく読めた。 ☆ ここからは少しネタバレ ☆ 個人的には、薫子の元夫・公隆の本音にかなり共感した。 あと虐待やネグレクトのようないわゆる毒親だったわけではないけれど、 両親に対する複雑な感情を持っていて それでも断ち切れない薫子の想いもそうだよな〜と。 ラストは私の好みとは少し違ったけれど、全体としてとても良い本に出会えた!
2投稿日: 2024.07.20
powered by ブクログブク友さんたちの間で本屋大賞と囁かれている作品なので、とても楽しみに読みました。 野宮薫子40歳は12歳年下の弟の春彦が突然死して、遺言書を作っていたことを知ります。 その遺言書には春彦の別れた恋人の小野寺せつなも相続人となっており、一度だけ紹介されて会ったことのある、せつなと再会します。 せつなは「カフネ」という家事代行サービスの会社で働いていました。 薫子は不妊治療がうまくいかず、夫の公隆と別れたばかりでした。 薫子はせつなの前で倒れてしまい、せつなに料理を作ってもらい、せつなが天才的な料理の腕をもっていることを知ります。 ただ、なぜ、別れた恋人であるせつなにまで春彦は相続させようとしていたのか…? そもそも、まだ若い春彦がなぜ遺言書を作っていたのか…? また、薫子の41歳の誕生日に、春彦からの高価なプレゼントが届いた謎など、春彦には謎が多く…? そして、薫子もまた、掃除の腕を生かしてせつなとペアを組んで「カフネ」で反目し合いながらも働き始めます。 これだけ人と人との繋がりを上手く描ければやっぱり本屋大賞ですね! 春彦の死の謎。 公隆の離婚原因。 せつなの身の上など、全部が解明されると、そうだったのか、と思いました。 せつなの作る料理も美味しそうです。 極めつけは、私はポップコーンとピザかな?と思いました。
190投稿日: 2024.07.20
powered by ブクログ人に頼る大切さと甘えることの重要性を教えてくれた小説。 家事代行サービスの本当の重要性を知ることができます。 裕福な人が使うイメージがありますけど、本当は生活に困窮している人や助けを求めている人は本来使用するべきサービスでした。 家事代行サービスは利用することは、恥ずかしいことではなく自分のためだと考える人が増えたら嬉しいです。 家事力がいかに生活を豊かにするのか。そのきっかけになる気がします。 また、人は相手の状況を本当に理解できない。 これも深く刺さる部分ではないのでしょうか。 誰もが読んでもらいたい小説です。 人に頼ることも大切な選択肢だと思います。
21投稿日: 2024.07.19
powered by ブクログ阿部暁子さんの小説は、3冊目です❗ すっかり、ファンになっちゃいました。読みやすいし、読む手が止まらない感じです。 カフネ、読み終わるとまだ読んでいたかったな~みたいなさびしい感じと温かい気持ち両方味わえました。 薫子とせつなの本音を言い合っているような会話も良かったし、とにかく せつなが作る料理が美味しそうで…卵味噌、気になったので調べてみた‼️ せつなの鋭い言葉が、響くと言うか気持ちを楽にさせてくれた。あと 弟くん、せつなと薫子が合うと思ったの凄い。 ラストの展開に少し違和感。 ーーー印象に残った所ーーー •いつかちゃんと全部終わるから。裕福な人も、貧しい人も、うまくいってる人も、何もうまくいかない人も、死ぬことだけは全員同じだから。p108 •おにぎりを作れるようになると、人生の戦闘力上がるよp108 夏休みは子どもにおにぎりを握って貰おう( 笑) •夫さんは、敵ではありません。生活という戦場を一緒に闘い抜く仲間です。p123
25投稿日: 2024.07.17
powered by ブクログ性格に難アリの2人の女性を丁寧に描いてて物語に入り込みやすかった。ラストはあまり共感できなかったが、2人の掛け合いは面白く、中だるみのないストーリーで最後までスイスイ読めた。
1投稿日: 2024.07.17
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ある日突然心不全で亡くなった弟が、亡くなったその日に遺言書を法務局に預けていたことが判明した。 遺言書で自身の遺産を分ける一人として、弟が別れた恋人の名前が挙げられたため、遺言書の執行人として指名された主人公は彼女とコンタクトを取るが、断固拒否される。 遺産をめぐるやりとりの中、弟の恋人が働いている家事代行サービスのボランティアとして関わるようになり…。 段々いいコンビになる主人公薫子と、弟の恋人のせつなを微笑ましく感じる。 弟が実は子供の頃から味覚障害だったことに、せつなが今まで作ってきた料理の思惑薫子が気付くシーンが好き。 伏線を回収していくような展開がいくつもあって読み応えがあった。 でも薫子がせつなを大切にしたいあまり養子縁組やパートナーシップを提案する展開は共感できなかった、というかこれが彼女の「重さ」「真面目さ」なのかなと感じた。 そしてこの手の話では毎度のことながら、毒といえるであろう両親を切り離しきれないところは腑に落ちない。
0投稿日: 2024.07.16
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最後の展開がいささか飛躍しすぎな印象。 共感もできないし、その考えに行き着く薫子に疑問が残る。 しかし、心温まる物語でした。
0投稿日: 2024.07.16
powered by ブクログめちゃくちゃいい本でした。 薫子の心情の変化もとても面白かったです。 子どもを産むことについて、自分の思っていたことを言語化してくれたようで心に衝撃を受けました。
0投稿日: 2024.07.16
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それぞれの人にとって一番良い料理をつくって、食べる。 主人公に共感しづらいか?と思いながら読み進めると、主人公含めたそれぞれの人物に影があることが分かってくる。それらについて、話を聞き、ご飯を食べる。これだけで少なくともその人は一歩前に進むこともできる。 助けたつもりが逆に助けてもらっていたことに気づく。そんな循環があるということ自体が希望になっている気がする。 料理の描写自体にも魅了されまくる。 卵味噌はおいしそうだったので、読後つくってしまった。白ご飯とめちゃくちゃ合う。美味い。 書名の「カフネ」はポルトガル語で、「愛する人の髪にそっと指をとおすしぐさ」というらしい。綺麗な言葉。『翻訳できない 世界のことば』にも載っていたので、このタイミングでちゃんと覚えることができた。 おそらく次回の本屋大賞にノミネートされるのだろうな。 ================== 「お腹がすいていることと、寝起きする場所でくつろげないことは、だめです。子供も大人も関係なく、どんな人にとっても」(p.84) けれど今、誰かの役に立つことができた。たったの二時間、それもたいしたことではない。 それでも今、ありがとうと言ってもらえた。 今、私はあの人を助けたのではなくて、助けてもらったのだ。(p.98) きつね色のフライドチキンがあまりにも美しかったので、ノリタケのシェールブランのスクエアプレートを引っぱり出し、ちぎったレタスとミニトマトを添えて盛りつけた。テーブルについた薫子は「いただきます」と声に出して手を合わせ、手づかみで熱々のフライドチキンにかぶりついた。ザクッとした衣、あふれ出してくる肉汁。鶏肉は旨みの塊を噛むようで、スパイスの鮮烈な香りが鼻に抜けていき、たったひとつの言葉しか浮かばない。 「おいしい」 誰もいないテーブルのあちら側に向けて声を発した瞬間、胸が焦げつくほど思った。(p.219) ==================
0投稿日: 2024.07.15
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依頼を受けて料理や掃除をしに行くカフネ。 育児や介護に追われたり、ネグレクトのような状況だったりと、立派な家だなと思いつつ覗いてみれば、それぞれに自分自身のケアをする余裕がないほど疲弊している。そこに手を差し出すカフネ。 そして亡くなった弟の真相も判明してくる。 主人公・薫子は細かいこともきっちりしたがる生真面目な性格で、他者からすれば面倒臭い性格だが、弟は弟で他人の気持ちを汲み取る繊細な性格ゆえ誰からも好かれる反面、自分自身で抱え込みすぎて疲れるというある意味で面倒臭い性格であった。 カフネに仕事をしてもらって救われた表情をする描写の度にぐっと込み上げるものがあった。 世の中みんな、生きるのに苦労するよな、と改めて思った。金持ちでもないのに家事代行を頼むなんて、という気持ちもわかる。私も頼んだことがないので、いつか頼んでみたい。 弟に何か事情があったのは勿論だが、まさか男と付き合っていたなんて…しかもその男がこんな性格の奴かよ…とびっくりである。 後述、弟は強い願いや欲求がないから、それを持っている人間に憧れるらしい。 味覚障害を家族にも隠していた。小学生の頃から自覚し始め、1人で検査に行ったがはっきりとしたことは分からなかったという。次は親と来てくれといわれてそのままだったとか。幼い頃から周りが喜ぶから美味しいと言っていた。誰からも好かれる人間が遺言書まで残して自ら自殺するとは。家族の愛の束縛。良い思い出もあるし、嫌な思い出もある。人間って難しい。 ラストはパートナーシップ制度を持ち出す辺り、今どきだなと思った。 煮麺の話を読んでから、そういえばレシピ冊子が付属していたな、と開いてみれば、そのものの料理写真が載っていておおっ!となった。 その次のパフェは文章で想像したより小さかったので、自分でやってみたくなった。 「未来は暗いかもしれないけど、卵と牛乳と砂糖は、よっぽどのことがない限り世界から消えることはない。あなたは、あなたとお母さんのプリンを、自分の力でいつだって作れる」p111
36投稿日: 2024.07.12
powered by ブクログカフネって優しい響きだなと、思いつつ読み始めた。カフェの様子や、薫子がカフェの席に着くまでの描写が、私好みと思っていたら、突然彼女の怒りに満ちあふれた様子が伝わってきた。悲しみと辛さからの怒り、それでも生来の性格で、外ではきちんとして、自分のことを蔑ろにしてしまう。そんな彼女を変えていったきっかけが、小野寺せつな。彼女も固い殻の中に本当の自分を閉じ込めるほど、抱えているものがあった。 薫子とせつなの関係は、弟の春彦つながりで、なぜ彼がという思いで繋がっていたように思った。誰にでもいつも優しい笑顔でいる春彦が抱えていたものは、こうならなければ誰にも伝わらなかったのかもしれないと思うと、たまらなく切なくなった。でも、いつも姉の薫子のことを心配してくれていた、かわいい弟への思いを分かち合える人がいることは、幸せなことだと思った。私は、優しい人は人のつらさまで背負っているかもしれない、ということを覚えておきたいと思った。 その後、せつなと共に働くボランティアで、様々な家庭の事情を知り、作ってくれる料理でも彼女の持つ優しさを感じたりした。そして、薫子は徐々に本来の自分を取り戻していった。やはり悲しいときは、じっとこもるだけではなく、何か行動することも大切だ。 せつなが外ではいつも戦闘モードなこと、時間に遅れる理由は、物語が進むにつれてわかってくる。誰かと一緒に行動し、話をして始めてその人のことでわかることがたくさんある。 時の流れと共に、薫子の両親との距離の取り方、夫との関係、春彦への思い、せつなへの思い、すべてをこれからの薫子が薫子らしく生きていくために、一区切りつけられたように思う。最後は、ここまで考えたの?と少し驚いた。でも、ここまで言うことで、隙のない服装、言動で自分を守っていたせつなが、薫子にも本当に心を許せる日は、近そうな気がした。それと共に、薫子とせつなが、お互いに影響されて来た感じがあった。生きていると思わぬことがあるけれど、生きているからこそ、わかっていくこともある。落ち込んでもまた立ち上がれる元気を、さりげなく与えられる人になれたら最高だなと思った。 読後、カフネの意味が、ふんわりとしたやさしい感じで伝わったような気がした。斗季子の思いはもちろん、春彦の優しさと持とうとした強さが、そんな気持ちにさせたような感じがした。 カフネ ポルトガル語 愛する人の髪にそっと指を通す仕草
50投稿日: 2024.07.12
powered by ブクログ少し面倒くて世話焼きで少しうざったく感じるお姉さんのそんな所に救われてた。 読みながらこの人面倒くさい、周りにいたら深く関わりたくないかも...と思う反面 こんな人が側にいたら孤独・将来への不安など 不安要素を軽くしてくれる。 この人が近くにいるから自分の人生は大丈夫だと 思わせてくれる やっぱり出会って良かったと思えるんだろうな。
1投稿日: 2024.07.12
powered by ブクログ亡くなった弟と交際していたという女性と、キャリアウーマンの主人公の心の距離が女性の勤務する家事代行サービスでの活動を通して少しずつ縮まっていく。読後はすっきり。
0投稿日: 2024.07.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
物語に厚み、深みがあった。 初めは出てくる人が尖りまくってて引いてしまうくらいだったが、それもその人の側面でしか見てないのだと気づかされた。 バックボーンを知ると…。 弟くんは優しすぎたのだろうな…。
1投稿日: 2024.07.11
powered by ブクログ法務局勤務の薫子、41歳。 努力を惜しまず真っ直ぐに生きてきたつもりだ。 でも、弟の急死、不妊治療を共に頑張った夫も去っていってしまう。 P97 「自分に価値を感じられずに生きてきた」 亡くなった弟は元恋人、小野寺せつなに遺言書を残していた。 薫子は彼女に連絡を取り、会って話をする。 せつなは家事代行サービスで料理を担当しているという。 薫子より12歳も下のせつなは口数も少なく無愛想。 でも料理に対しては真摯だ。 薫子とせつなのやりとりが新鮮で物語を面白くさせている。 P137 〈いつもどこか寒い心に、誰かが自分のために 料理をしてくれることが、たまらなくしみる〉 阿部暁子さんのメッセージとも取れる。 未来を信じろなど軽々しいことは言えないが 随所に食事をとることの大切さが書かれている。 弟の死、離れていった夫の本当の気持ち。 家事代行の無料チケットを利用する家族の話しも ストーリー展開はスムーズで読みやすかった。 SNSで話題になるのも納得。
0投稿日: 2024.07.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
やさしくてせつない物語。 家事代行サービス会社の「カフネ」でせつなが作る料理がとても美味しそうだった。 薫子の弟、春彦は色んな人に愛されて、欲しがられてそれがずっと続いて、笑っていても本当はすごく疲れていた。 みんな何かしら悩みをかかえていきている。
16投稿日: 2024.07.10
powered by ブクログ内容が濃い。色んな要素がギュッと詰まっていて、でも最後はきっちり収めてくれて、読んで満足感がすごい。
2投稿日: 2024.07.10
powered by ブクログあらすじからは読み取れない、深い深い人間の泥臭さを五感で伝えてくれる物語。 巷で話題になりやすい題材に辟易することもあるが、しっかりと衝撃を受ける展開で完成度が高い作品でした。 正直、映像化したものをすごく見たいので、誰か、有名な脚本家さん、手に取ってください。お願いします……。
0投稿日: 2024.07.09
powered by ブクログ星3.5 表紙がとても好みだが、そんな丁寧な暮らしっぽい素敵な話ではない。出てくる人、出てくる人みんなが何かを抱えていて、もがいている。でも、みんな弱い者に手を差し伸べようとしている。 薫子とせつなは不器用で強い性格で、ぶつかり合ってばかりだが、お互いのことを思いあっている。正直、せつなのような人がいたら、私なら距離を置くかもしれないが。 が、こういう終わり方だったとは。 食べ物がどれもおいしそうだった。
4投稿日: 2024.07.09
powered by ブクログネタバレしないでかきます。話題の本ということで、その他何も情報入れずに読んだ感想です! 読む前のカフネのイメージ…喫茶店のスタッフとお客様の物語かな…と思っていました。 ⇒ちがいますね。笑 人には言えない悩みがあったり、苦悩があったり…登場人物みなさんがみんな誰かのことを思いやっているあたたかさと優しさがありました。 人のことを思いやれる、相手が苦悩から解放できるようにお手伝いやサポートできる行動力って素敵です。お節介にならないようする側も考えちゃうと思います。私も小さなことですが、大変そうな方に電車で席を譲る等、相手への思いやりを行動にしたいと改めて思いました。 ごはんも沢山おいしそうなものも出てきます。この時点で食堂の物語かな?て思ったあなた。読んでみてください♡(笑) たかがごはん、されどごはん。私も食べることは好きなので、実生活においておいしい食べものや好きな食べ物を通して身内や友人と笑顔で過ごしたいなと思えました(*˘︶˘*).。*♡
22投稿日: 2024.07.09
powered by ブクログ初めの展開からは想像できないくらい、パズルがハマっていくように薫子さんとせつなちゃんのやりとりが心地良かったです。街行く人は皆幸せそうに楽しそうに見えるけど、何かしら抱えて踏ん張って生きているんだな。おにぎりの作り方を知っておくと人生の戦闘力が上がるっていい言葉だなぁ。
30投稿日: 2024.07.08
powered by ブクログカフネ 愛しい人の髪をとく仕草 涙が止まらなきお話しだった。孤独と優しさ、やるせなさ。静かに胸に沈殿するお話しだった。大好き。 春彦くんの天使さとそれが故の逃れ難さ。でも、やりたい事をしようとしていた矢先の喪失、それによる周りの人達への喪失。
0投稿日: 2024.07.08
powered by ブクログ生きていれば辛いこともあるし、楽しいこともあるとよく聞くが、これほどまでに辛い出来事が続くと流石にへこたれるだろう。 そんなときに出会い、救われた相手は一生大事な人となるだろうと私は思う。 主人公はどん底状態のときに弟の元彼女にやり方は相当ぶっきらぼうだったが、確かに救われている。その後、憎まれ口を叩き合いながらも2人は仲を深めていく。なんて素敵な関係性だろう。ベタベタしたところのない、打算的でもない関係。 『食を通して人の温かさを知る』だけの話ではない。生きていくには食べないといけないことを教えてくれる話でもあった。 自分より優先したい人がいると、人はここまで頑張れる。しかも、その人がいることが自分の生きる意味になったりもする。自分のためだけに生きているという強者もいるかもしれないが、誰かを生かすための食事って、想像以上に力を持っている。
4投稿日: 2024.07.08
powered by ブクログ話題になっていたので手に取ってみた。話題になっている本に手を出す時はいつも迷う。読んで失敗したな、と思うことも少なくはないし、反響が大きくなったのは理解できても、好みかと言われればそうでなかったりする。 こんなグダグダした迷いを、ほんの数ページでもうすっかり無くしていた。抜群に面白いし好きだ。本屋大賞は間違いないと思う!(言い切ってしまった) カフネという言葉。なんか耳障り良くて気取った感じするなぁ…とか、まだ斜に構えて読み進めていたけれど、ちゃんとした素敵な意味があった。あまりに素敵なお話だったので、内容にはほとんど触れないでいたいけれど、カフネの意味だけ書きたい。ポルトガル語で「愛しい人の髪に指を絡める仕草」をあらわす言葉で、日本語に訳すのが難しいニュアンスの言葉。だそう。雰囲気だけの言葉なんじゃ?なんて思った自分を嫌悪する。意味を知った今は、『カフネ』という喫茶店なんかあろうものなら、もうメニューも見ずに入ってしまうに違いない。 どうせ今だけ話題の本でしょ?とか思わずに、ぜひ読んでみてください。早く先を読みたいけれど、読み終わりたくない一冊でした。全てのモヤモヤがきちんと晴れて、小気味良い読後でした。ただ、最後から2文目は、個人的にはちょっと書きすぎかなぁ、ない方がいいなぁ、と感じました。この作者さんの他の本も読みたいです。 ◯この子にとって何かを作って食べさせてあげることは、『好きだよ』って伝えることなんだ ……明日から、子供にご飯作るという面倒な一家事が、もう少し意味のこもった、誰からもお礼を言われなくとも、意味のある、違った色合いを持ったものになりそうです。
62投稿日: 2024.07.08
powered by ブクログハートウォーミングな物語なのかな…… もちろん心暖まる箇所も随所に出てくる。 でも根っこのところで登場人物がみんなもがいていて 法の制度や社会のあり方に問題提起されていて 考えさせられる。 薫子は思い込みが強すぎて ちょっと怖い。
0投稿日: 2024.07.07
powered by ブクログ素敵な表現が多く、発見する度に噛み締めるように何回も何度も読み返したりしたけれど、あっという間に読了。
5投稿日: 2024.07.06
powered by ブクログとても温かい本だった。終章の主人公の行動には驚いた。2人に少しでも明るい未来がありますように、も祈らずには居られない。
0投稿日: 2024.07.06
powered by ブクログ溺愛していた弟が急死したことで悲嘆していた薫子。 弟の恋人のせつなに会い、家事代行サービス会社『カフネ』の活動に関わるようになることで自分自身を見つめ直していく。 これでもかと思うほど突きつけられる、登場人物たちが抱えている事情に、心ヒリヒリさせられるが、未来は明るいほうを向いていると思う。 『カフネ』の意味と、作中に出てくるおいしそうなご飯がそっと寄り添ってくれる一冊。 装丁も好みでした。 『カフネ』の社長、トキさんがとても素敵
3投稿日: 2024.07.05
powered by ブクログ登場人物が一様に優しく、心が暖まりました。 何故あの子がこんなことに?その遺志を果たす中での出会い、また足跡を辿っていくこととなる物語。 ご飯の描写も素晴らしく、飯テロのような一面もありました。
0投稿日: 2024.07.04
powered by ブクログ「カラフル」や「金環日蝕」が、YA世代向けかなと思うが、こちらは大人の女性向け。というか、30代後半以降の全女性に読んでほしい一冊。 30代半ばで結婚し、不妊治療がうまく行かず、意思疎通もできぬまま夫から離婚を切り出され、12歳年下の弟は突然死。奈落の底まで突き落とされた薫子が、弟の元恋人という女性せつなと知り合い、ひょんなことから、彼女の勤める家事代行会社でボランティアを始める。 亡くなった弟、春彦の死因も気になるが、気の強い完璧主義者の薫子と無愛想で何を考えてるのかわからないせつなが、良いコンビになっていく様がいい。 鎧を纏った完璧な女性ほど、脆く壊れやすい。 未婚者は既婚者を羨ましがり、既婚者は未婚者を自由でいいと思い、子宝に恵まれない人は妊娠できる体というだけで妬む。 人間って我儘な生き物だから、隣の芝は青く見えてしまう。現実を受け止め前向きに生きなきゃいけないのだよな。 私の2024年上半期のベスト5に入るほど心に残る作品だった。
62投稿日: 2024.07.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人間らしい人間と人間らしい人間の あるがちなこと、起こっては欲しくないけど起こり得るネガティブな出来事を経験した人たちの生き方 絵かがれている内容は暗いことばかりかなと思った。 救われる話だけどちょっと不幸な人たちの集まりに感じた。カフネの行いはすばらしいと思った。 不妊治療って今まで努力で解決、達成していた人にとっては努力だけでどうにもならないつらすぎることなのだとより沁みた。 卵味噌食べてみたくなった。読みやすく人間的な部分に、自分が違うタイプだとしても感情移入しやすく、優しいお話だなと思った。
0投稿日: 2024.07.02
powered by ブクログ5ページ目で「あ、この本好みかも」と思った。弟の死の真相がめっちゃ気になったし、せつなみたいな人好きなので、グングン読んだ。192ページである人物の名前が出たときは、どんな展開になるのかと思ったけど、なるほど〜 春彦や公隆みたいに人当たりいい人っていて、周りはありがたいけど、家族にくらいは本音でぶつからないと、ホント自分が壊れちゃうよね。と言いつつ、自分はどうだろう 「グレーな人も受け入れた方がいい」という考え方、大切にしたい(実は私も薫子と同じように考えるところあるので、、)。読んでよかった
4投稿日: 2024.06.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読書記録51. #カフネ #阿部曉子 作 親と子、愛情という名の期待 本当の自分として生きる決心と準備 喪失感、遺言、他者との関わり 命と食 どこをとっても、今らしいテーマ 主人公はあまり仲良くしたくないタイプの人 物知り顔で上から目線、姉というポジションで育った長女的物言い(←この辺りは自分と似てるかも⁈) 自分が知らない事があると悔しくてたまらず、すぐに訳知り顔で話を薄める でも真面目で努力家、正しい物言い 正しさを振り翳して傷つく人の事に考えが及ばない人 どんな努力を持ってしても手に出来なかったある一つの事に対するコンプレックスと絶望、人を羨み自分を卑下するそんな主人公の心のゆらぎ 「あなたの人生も、あなたの命も、あなただけのものであなただけが使い道を決められる」 「自分の欲しいものがよくわからなくなるほど、誰かの欲しいものに合わせて生きてきたのかもしれない」 「人の目にふれる時、自分の生々しさを隠し、そうあるべき姿、人が自分に望む姿を見せようとする」 「何かを作って食べさせてあげることは『好きだよ』って伝えること」 「食べるということを信じている」 「死ぬまでは生きなきゃいけないし、健康じゃないと生きるのはますます苦しくなる」 「親を信じすぎないで」 「すべての子供は親の欲望から生まれて、生まれたあとも親に虐げられる子供がたくさんいる。保護しても支えても、追いつかないくらいたくさん。僕にはどうしても、子供を持つということは、またひとり不幸な思いをする人間をこの世に生み出すことに思えてしまう」 ・・・ キーワードや伏線的背景になんとなくストーリーが見えてしまうところは否めないけれど、登場人物達が語る作者の思いが詰まった言葉に心をつかまれ、涙があふれた 最後の彼女の提案にはちょっと驚いたけれど、主人公らしいオチ⁈のつけ方なのかな #本好き #読了 #부엌독서실
4投稿日: 2024.06.30
powered by ブクログ弟を亡くした薫子とその弟の元恋人せつながぶつかり合いながらも絆を深めていく。料理人であるせつなの作る豆乳素麺は是非挑戦してみたい。自分らしく生きるってなんなのか。人を信じること頼ることの難しさ。胸が詰まる部分が幾度もあった。優しくてあったかいお話。
1投稿日: 2024.06.29
powered by ブクログとても切なくて、とても暖かくて良い本でした。 人は一人では生きていけないと分かっていても、誰にも頼れずに頑張ったり流されたりしてしまう。 そうしてそんな犠牲になっているのは子供達なのかもしれない。 核家族化や離婚や引っ越しなど家庭の事情で振り回されるのも。 安心出来る場所や、安心出来る誰か。 大切にしたいことに気付き大切にする。 そんな単純なことがちゃんと出来る人でいたい。
3投稿日: 2024.06.28
powered by ブクログ読み終わって、とても不思議な気持ちになりました。これは誰に対する愛情なのか、思いやりなのか。あるいは自分自身の決意表明なのか。 細かな登場人物の感情表現のおかげで、どんどん読み進められました。
0投稿日: 2024.06.28
powered by ブクログたくさんのブクログフォロワーさんのおススメ つい、ポチっとな うん、正解 一気読み 医院の狭い待合室も長時間も苦にならならず、入り込んでいた 〈 弟を亡くした薫子と弟の元恋人せつな。食べることを通じて、二人の距離は次第に縮まっていく。〉 見事なまでの料理の腕前 それを 家庭のキッチンでササさっと 見事なまでの片づけ上手 ゴミ屋敷も ササっと 亡くなった人も自分の中に取り込んで 前に進めるね みなさまご紹介ありがとうございました ≪ おいしいね 一緒に生きる また生きる ≫
38投稿日: 2024.06.27
powered by ブクログ優しさとは、人のために生きるとはどういうことなのだろうか。と、考えさせれる。 正解なんてわからないし、無いのだろう。 ならせめて、考え続けて自分なりのベストを尽くしていきたいと思えた。 そして、それを基に周りにいてくれる手の届く範囲の人たちだけでも、心から大切にしたい。 いつまでもそばにいるわけじゃないから。 そんな、大切な気づきを与えてくれる素敵な一冊。
2投稿日: 2024.06.25
powered by ブクログ弟を亡くした女と、弟と付き合っていたぶっきらぼうな女。家政婦のボランティアを一緒にやるようになり、過去が明らかになっていく。 家事小説的な部分とラストに近づくにつれて明らかになる隠された真実、弟の死。ミステリー要素もある面白人間ドラマだった。好み
0投稿日: 2024.06.25
powered by ブクログ#読書記録 2024.6 #カフネ #阿部暁子 一気読みだった。 重いテーマを扱いつつ、押し付けがましくない優しさに包まれて、物語は淡々とテンポよく進む。中盤から秘密が明らかになりドラマチックに転換するが、伏線回収と少しのサプライズで鮮やかに収束していくラストは、爽やかな感動をくれる。 『#サマーウォーズ』の栄おばあちゃんの「一番いけないのは、おなかが空いていることと、1人でいることだから」という言葉を思い出した。近い将来きっと映像化されそうな作品。 今年のベストワンを更新。 #読書好きな人と繋がりたい #読了
10投稿日: 2024.06.24
powered by ブクログせつなのように一見ぶっきらぼうで冷たく見えるけど実は深い思いやりがある、みたいなキャラに弱いなぁと改めて思った。 思ったよりもスピード感があって、実際は自分の体感よりも時間経過が短かったことに気付いた時に、その期間だったにしては最後の薫子からせつなへの提案はちょっと急すぎない?と思ってしまったけど… そこを含めてもとても良いお話で、心がふんわり温かくなるような読後感。小説でウルッと来たのは久しぶり。
2投稿日: 2024.06.23
powered by ブクログブクトモの皆様の本棚で頻繁にお見かけして気になっていた。 週末になったら購入するぞぉ!書店でちゃんとブックカバーつけてもらおう!と思っていたのでポチらず週末まで我慢した(^_^*) ふわぁ、買って良かった! 最初っから全力で面白い!o(^▽^)o 読みやすくて、序盤の薫子がせつなに出会う場面から物語に引き込まれてしまう。 一旦引き込まれると、続きが気になり脱出不可能になる(笑) この本は皆さん読んだ方がいいので、というか、きっと皆さん読まれるだろうからネタバレしちゃダメですね(^^;; 読んで損無いですo(^▽^)o 新品の単行本買っても、損したーって思いません!! 友人みんなに回してあげたいなと思う、そんな本でしたo(^▽^)o いつもはAmazonでポチポチ本を買っているのだが、困るのが栞。 栞が入っていない本が意外と多いのだ。 私は紙の栞が大好きだ。TSUTAYAで無料で入れてくれるような、何でも無い紙の栞が大好き(^^)とても使い心地が良い。 毎回、書店に行ったタイミングで無料で置かれている宣伝用?の栞を数枚頂いてくる(^^) 一度Amazonで紙の栞を購入したのだが、厚みが厚すぎて使い勝手が悪かった(-。-; 今回は宣伝用の栞が数種類、たくさんの枚数置かれていたので、それぞれの種類を頂いてきた。 これでまたAmazonでポチポチ本を購入できるぞぉ。。。
189投稿日: 2024.06.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
強固な固体は、変形することが無いのと同じように薫子は生きてきたんだろう。しかしこれは、大き過ぎる外からの衝撃に対しては、力を受け流したり吸収することができずに亀裂が入ったり、最悪の場合粉々に粉砕してしまう。 そんな時に手を差し伸ばしてくれる存在がとても有難いものと感じる物語だった。粉々になっても、薫子の修復する能力は誰よりも長けていると感じた。きっとそれは深く自分を見つめ直し、何が悪かったかを考えることが出来る彼女だからだろう。幼少の頃から彼女の特性として備わっているそれは、執念とか意地とも言えるようなとてつもない努力に結びついていた。このように直角にしかコーナーを曲がることが出来ない人は確かに面白い。公隆やせつな、時子は彼女のその部分に強く惹かれたんだろうなぁ。実際僕もそのような人に強く興味をもつ。 自分の体験する経験に基づく考えはなかなか他人に対して当てはまらないことがこの物語には多く書かれていた。だが、薫子が人に対して抱くほんの一瞬の疑問がその人のバックグラウンドに深く関わっていた。疑問に対して目を伏せず大きく掘り下げて行くことが少しでも理解に繋がるが、他人対してそこまで出来るかは確かに難しい。その人に興味がないならする必要もないが、好きならとことん掘り下げてゆけと薫子は実践する。公隆との関係の決裂、去った春彦の本心を知ると余計に大切だと考えさせられた。だが、公隆と薫子が夫婦を解消した後に本心から話が出来るようになることは、僕たちでもよくあることだろうな。薫子にも公隆の本心を聞いてそれを理解出来たことは、本来彼女はそうすることが出来たが渦中の間は出来ない。心を配ることは、しないこともし過ぎることも良い結果を生まなくて難しいんだな。僕たちは楽に考えて脳を出来るだけ休ませたいように、出来てる。緊張している間をのぞいてとにかくだ。ちゃんと考え続けてあげることが何よりもたいせつ、いつかは皆んな失うことは決まっているからそれが居てくれる間はやめないようにしよう。
1投稿日: 2024.06.23
powered by ブクログ「救い」のお話だと思います。おもしろかった。ただ、阿部さんは今の時代を悲観し過ぎている感じがしました。
2投稿日: 2024.06.23
powered by ブクログSL 2024.6.19-2024.6.21 弟を亡くした薫子と弟の元恋人のせつながぶつかりながらも気持ちを通わせていく。感動するポイントはいっぱいあるんだけど。少し詰め込みすぎで焦点がぼやけたような。
10投稿日: 2024.06.21
powered by ブクログ阿部暁子さん、3冊目。「面白い、読みやすい、読後感よし」の三拍子揃った秀作でした! 家事代行サービスを主軸に、困窮する生活の苦悩や人とのつながりを、温かくもメッセージ性をもちながら丹念に描いています。 つかみ、展開が上手く、すぐに物語に引き込まれました。主人公は、法務局勤務の薫子(41歳)。弟・春彦の突然死と自分の離婚が重なり、荒んだ生活をしており‥。そんな時に、弟の元恋人で、家事代行サービスで料理担当のせつな(29歳)と相続の件で再会し、ここから物語が本格的に動き出します。 死んだ弟の姉と元恋人、2人の関係性がゆっくり接近・変化していきますが、最初は全くかみ合わず、互いに憎まれ口をたたく心理描写が見事です。 弟の隠された真意や死の真相、家事代行に頼る困窮家庭の実情が、糸がほぐれるように少しずつ改善されることで、薫子も前向きになっていきます。 心に傷を抱え、希望も気力も失くし、自力でどうしようもない時に、さり気なく差し出される支援ー食・空間・休憩ーの大切さが、じんわりと胸に迫ってくるようです。生活の基盤・根幹が整えば、人は明日に進める一歩を踏み出せるでしょうね。 薫子はよい意味で、昔も今もめんどくさい女でした。けれども「いいから黙って顔貸しな」と、戦闘モードになれてよかったなぁ‥。 薫子とせつな。2人の持ちつ持たれつの関係が、未来を明るく照らしてくれるようです。
136投稿日: 2024.06.21
powered by ブクログ野宮薫子は弟の春彦が急死して自暴自棄になっていたときに、春彦の元恋人のせつなに会うことに。せつなの勤務する家事代行サービスを薫子が手伝い始め、お互いが春彦の知らなかった面を知っていく。今まで知っていたと思っていた人の意外な一面や、ショッキングなことを聞かされた時にどうするか。その人のことがわからなくなった時にどうするか。本人がいないなかでどう折り合いをつけていくのか。薫子とせつなの性格が全く違う二人は助け合えるのか。家事代行を通して人といること、食の重要さを知っていく薫子の変化やせつなの本音が徐々に見えてくる終盤は感情を揺さぶられるものがあった。
5投稿日: 2024.06.19
powered by ブクログ阿部暁子さん『カフネ』です もう一度言いますね 阿部暁子さん『カフネ』です え?まだ読んでいらっしゃらない? 本当に?本当にまだ読んでいらっしゃらない? 嘘でしょ はい、阿部暁子さん『カフネ』です(3回目) またもやこの星に名作が誕生してしまいましたよ! これもう間違いなく本屋大賞にノミネートされるわ まだ半年残ってるので大賞まではまだなんとも言えないけどノミネートは間違いないわ まず装丁がいいわ〜(まずそこ?) そして題名がすこぶるいいわ〜(順番は守られてる気がするはする) 『カフネ』とはポルトガル語で「愛する人の髪にそっと指を通す仕草」だそうです そしてこの物語は「愛する人の髪にそっと指を通す」ことが出来なかった薫子という主人公が、弟の突然の死をきっかけに様々な人たちと出会い、また自分自身を見つめ直すことで、「愛する人の髪にそっと指を通す」ことが出来るようになる物語なんですよ! よし!取り敢えずもう読もう! 阿部暁子さんの『カフネ』を読んで、 みんなでカフネしようぜ!(流行るなこれ)
120投稿日: 2024.06.19
powered by ブクロググルメ系ののほほん小説かなと思って手に取った。 最後までのめり込むように読んでいる自分に気がついた。 読み途中で何度か泣きそうになるぐらい、切なくて暖かい1冊。 疲れているこの世の中の、全ての人に読んで欲しい。
4投稿日: 2024.06.19
powered by ブクログ阿部暁子さんの作品、「金環日蝕」「カラフル」ともに私好みだったので、この「カフネ」も読むのを楽しみにしてました!この作品は一言でいえば、どこまでも優しいお話でした。 物語の主人公は、41歳の野宮薫子。最近弟を亡くし、また夫からも離婚を切り出され失意のどん底にいた…そんな薫子を、徐々に立ち直らせたのは弟の元カノで29歳の小野寺せつなだった…。せつなが勤務する家事代行サービス「カフネ」を手伝うことがきっかけとなり、ふたりの距離が縮まりったこともあって弟の死の真相や、せつなの抱える問題を知った薫子は…。 心が弱ったとき、そばにいてくれる人がいるっていいことだな…って、当たり前のことなんだけれどそう感じました。『「カフネ」はポルトガル語で「愛する人の髪にそっと指を通す仕草」』、「カフネ」を社名とする家事代行サービス会社…こういうサービスが、日本中に普及したらいいなって思います。
108投稿日: 2024.06.18
powered by ブクログ泣いた 久々に通勤電車で溢れる涙を堪えることが出来なかったです。色々な家庭があり、色々な人がいて、色々なものを抱えたり棚に上げたり、仕舞い込んだり投げつけたり、見つめ合ったり分かち合ったり、人の生の部分が感じられました。料理も小説に上手く馴染んでいて良かったです。
0投稿日: 2024.06.15
powered by ブクログ料理っていいな。 美味しい料理は、家族や大切な人とのすばらしい時間をつくり出すだけではなく、いつまでも心に残り続ける。わたしが子供の頃、外食をほとんどしなかった家庭だったので毎日、母の手料理だった。母が仕事でいないときは父が料理をしてくれた。母のカレーと父のチャーハン、いまでもその味を思い出すことができる。 私は料理はまったくできないが、この作品を読み終えた後、今度は私が両親や家族のために料理を作ってみたいと思った。
6投稿日: 2024.06.15
powered by ブクログ様々な感情が刺激されたがとてもやさしい作品だった。 溺愛していた弟が急死し悲嘆にくれていた野宮薫子と、弟の元恋人・小野寺せつな。 二人の女性を中心に物語は展開していく。 ひょんな事から、せつなが勤める家事代行サービス会社「カフネ」でボランティアをする事になった薫子。 不協和音を奏でていた二人が事情のある家庭を共に巡り、食を通し少しずつ分かり合えていく過程がいい。 料理小説の顔を見せながらミステリ要素も加わり、更に社会問題や多様性など内容は多岐に渡るが猥雑さはない。 血の繋がりを超えた彼女達の絆に読後は胸が一杯になる。
11投稿日: 2024.06.15
powered by ブクログ‣ 私の人生、私の命の使い道は、私だけが決められる。望みがあるなら、ぐずぐずしていてはいけない。人間はいつどうなるかわからないのだから ‣ 努力が通用しないという初めての事態に狼狽し、混乱し、もがき、あがき、それでもどうにもならず打ちのめされるうちに自分を見失って、傷つけてはならぬものを傷つけていることにも気づかなかった ‣ 一度だけでも、一緒にいるために、だめなところを直す機会をもらいたい。努力させてもらえないのは、つらいわね ‣ まじめでがんばり屋の人ほど、誰かの力を借りることが苦手です。倒れる寸前か、倒れてからじゃないと、助けてもらうのは怠惰みたいに感じてしまう。自分がどのくらいまいってるのか、自覚できない人も多いです ‣ お腹がすいていることと、寝起きをする場所でくつろげないことは、だめです。子供も大人も関係なく、どんな人にとっても ‣ 健康じゃないと生きるのはますます苦しくなる。なるべく快適に生きるためにも栄養は必要。あとね、おにぎりを作れるようになると、人生の戦闘力が上がるよ ‣ 善意百パーセントじゃないところが好きです。善意って油みたいなもので、使い方と量を間違えると、相手を逆に滅入らせてしまうから ‣ 失望と諦めが、愛情を根こそぎ消し去ってくれたなら、いっそどんなに楽なのか。けれど、愛しさはしぶとい雑草のように胸に根付いて、毟られても、毟られても、ほんのわずかな雨さえ降れば、こうして息を吹き返す ‣ 誰かに自分を救ってもらうことなど、できないのだ。自分で過去の自分を救いながら、なんとか生きていくしかないのだ ‣ 大丈夫。やり抜いてみせる。私は努力によって人生を切り開いてきた女、薫子だから ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ 人は何のために生きるのか。 誰かを大切に思うことは愛なのか、傲慢なのか。 誰かを助けたいと思ったら、信じてもらわないといけない。 そのためには、まずは自分を信じないといけない。 深い悲しみを変えつつも、自分が必要とされる場所を探しながら、 前へ進もうとする主人公・薫子の姿に、胸を打たれました。 〝カフネ〟という言葉、素敵ですね☺️ 優しさも、せつなさも、すべて受け入れて生きていこう、と思える一冊です✨
6投稿日: 2024.06.14
powered by ブクログあぁ、もう最高でした。 「やさしくも、せつない」 帯にあったとおり。 読みはじめてから終わりまで、いったいどれ程泣いたか…。 とにかく読んでみて!!と言いたい。 亡くなった春彦の“姉と元恋人”という関係の薫子とせつな。 薫子は弟亡きあと、せつなに会い家事代行サービスの活動を手伝うようになる。 美味しいごはんが「心」もその人の「人生」をも救う。 ヒリヒリするのにたまらなく優しくて、温もりがありがたくて嬉しくて涙が溢れる。 どれだけの日々を孤独に耐え、必死に頑張ってきたんだろう。 あれもこれも言葉が刺さる刺さる…。 優しく寄り添ってくれる言葉に心が震えたし、心に染み渡っていくのを感じた。 二人が築いていく関係も、描かれている景色も最初と最後では世界が全く違ってみえる。 最高に素敵な読書体験に、しばらく余韻にひたりました。 薫子さん、せつなさん、二人とも最高!! 二人のスパイスの効いた会話も好きでした。 それと、忘れてはならないのが作中でせつなが作った絶品料理の数々。 飯テロと言っていいくらいに食欲刺激されまくります。 私にとって特別な1冊になりました。 間違いなく今年のマイベスト本です! 『お腹がすいていることと、寝起きする場所でくつろげないことは、だめです。子供も大人も関係なく、どんな人にとっても』 『大人だって、親だって、ビビるしへこむし敵前逃亡を働くこともあります。みんなそうです。(中略)今すごく不安だと思いますけど、その不安すべてにあなたひとりだけで立ち向かう必要はないですから』 『おまえはそこにいてもいいのだと、誰かに認めてもらえなければ、自分が生きることを肯定できない』
22投稿日: 2024.06.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
SNSで話題だったので購入した。めったに新本は買わないが、ほんとうに買ってよかった。 私の中での読後感は『流浪の月』『52ヘルツのくじらたち』に近しいものだった。帯の通り、心に寄り添ってくれる小説だった。こどもが寝たあと、ずっと読んでました。 カフネ、ポルトガル語で「愛しい人の髪を梳く」というような意味。 作中には、孤独の中にあるひとに寄り添うエッセンスが盛り込まれている。純粋な男女の友情、同性の恋愛、恋愛感情はないが肉親よりも大切な関係性など、ひとが名付けた関係性の枠組みを超えた心のつながりを築いた登場人物たちが描かれている。 手料理が人の心のきずをなめらかにし、ゆっくりと溝をもうめてゆく。一生懸命、真摯に向き合ってくれた時間と手間が、相手をほぐしてゆく。 物語のトーンは決して陽ではないが、希望がある。生きるって、面倒でも誰かと関わり合い、信じることなんだと、そうすることも割と悪くないかもしれないと思わせてくれた小説でした。 レシピも作ってみたいです。 少しボリュームがありますが、友達にもおすすめしたいです。
18投稿日: 2024.06.14
powered by ブクログAmazonの紹介より 一緒に生きよう。あなたがいると、きっとおいしい。 やさしくも、せつない。この物語は、心にそっと寄り添ってくれる。 法務局に勤める野宮薫子は、溺愛していた弟が急死して悲嘆にくれていた。弟が遺した遺言書から弟の元恋人・小野寺せつなに会い、やがて彼女が勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝うことに。弟を亡くした薫子と弟の元恋人せつな。食べることを通じて、二人の距離は次第に縮まっていく。 弟の死や離婚で精神的にボロボロな薫子。そんな時、弟の遺言書が見つかり、そこで弟の元恋人に会うことになるのですが、その元恋人・せつなのキャラクター性が印象深かったです。仕事は家事代行の主に料理をしているということで、頭に浮かんだのは、テレビ番組に出てくる家政婦の志麻さんでした。 といっても、志麻さんの雰囲気とはまったく違く、ぶっきらぼうで冷たい存在を放っています。ただ、料理はピカイチであり、料理も紹介しているのですが、どれもそんなに難しいそうではないのに、美味しそうで食べたくなりました。 初版には一部レシピも紹介されていて、作ってみたくもなりました。 家事代行サービスということで、イメージとしてお金に余裕のある方が頼んでいる印象でしたが、申請すれば色んな方にも安価で提供できるとは知りませんでした。 少しでも負担が緩和できるということで、色んな方に利用していただきたいです。 さて、弟に着目すると、心不全ということでどこかミステリアスなのかなと思ったのですが、それよりも弟の背景を深掘りしています。姉から見た弟の印象と元恋人から見た弟の印象はどこか違っていて、弟の足跡が注目点かなと思いました。 深掘りしていくうちに、弟に隠された真実やせつなの過去、弟との接点が段々と明らかになっていき、驚きの連続でした。 薫子は薫子で、これまでの人生を紐解いていくたびに心苦しかったです。普通に人と厳しいながらも対応していく一方で、心の内は疲れている様子に悲しさや切なさを滲ませていました。 姉弟だけでなく、周囲の人たちも心の悩みを抱えています。その描写が繊細で心を打たれました。 阿部さんというと、車椅子といった障碍者を中心にした作品が印象的で、その人自身の悩みや周囲の反応といった描写が丁寧に描かれています。 この作品でも、その延長線上として、心の悩みが丁寧に描かれていました。 誰しも人には言いたくない悩みがあって、なかなか周囲とどう打ち解けていくのか難しいところです。 周りから見ても、相手を理解することがいかに大変か、いつまでも難しいなと思ってしまいました。 そんな心を薫子の優しいながらも芯のある言葉がちらほら登場するのですが、ジーンと感動してしまいました。 内容としては、シリアスさのある空気感があったのですが、料理によって、温かい空気感も漂っていて、程よい空気感がありました。 ラストでは、「なるほどこんな展開なんだ」とちょっと驚きはあったのですが、ドロッとした感覚はなく、ナーバスなテーマながらも、サラッと扱っていたので、良いバランスが取れていたなと思いました。 料理は人を幸せにする。伺う先々で悩んでいる人達を2人のコンビで支え合ってサポートしている姿に安心感も相まって、これからも頑張ってほしいなと思いました。
22投稿日: 2024.06.08
powered by ブクログhttps://www.nikkei.com/article/DGKKZO81146640U4A600C2BE0P00/
0投稿日: 2024.06.08
powered by ブクログすごい論理的じゃない感覚的な話になってしまうけど、率直な感想。主人公が前向きになるラストまでが、自然な流れではなく誘導された作為的なものに感じた。著者の考える感動シーンのための舞台装置として、色んな人の不幸話を延々と聞かされたような感覚に陥ってしまった。 似たような話で感動する作品は過去いくつもあったので、何故この作品だけそう感じてしまったのかは正直分からない。文体だったり雰囲気や構成が原因かもしれない。不思議な感覚だった。
54投稿日: 2024.06.08
powered by ブクログ文句なしで面白かったですし、とても感動しました。来年の本屋大賞にノミネートされそうな予感がするくらい、濃密な設定と優しい世界観にドハマリしました。 以下あらすじです。 法務局に務める野宮薫子は、溺愛していた弟が急死して悲嘆にくれていた。弟が残した遺言書から弟の元恋人・小野寺せつなに会い、やがて彼女が勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝うことに。弟を亡くした薫子と弟の元恋人せつな。食べることを通じて、二人の距離は次第に縮まっていく。 本作で1番魅力を感じたのは、主人公2人のキャラクターです。薫子の真面目で優等生なキャラクターは、少し烏滸がましいですが、自分と似ているところもあって、感情移入しやすかったです。また、せつなのミステリアスだけど、時折翳りを見せるキャラクターも薫子と対照的で分かりやすくて良いうえ、せつなさんに何があったのか、元恋人とどんな関係だったのかと、読んでてせつなへの興味が止まらなくなりました。 あんまりネタバレはしたくないのですが、「おにぎり」と「卵味噌」のシーンあたりは、個人的に1番のお気に入りで、思わず涙してしまいました。
123投稿日: 2024.06.08
powered by ブクログ溺愛していた弟が急死して悲嘆にくれていた薫子が、弟の元恋人・小野寺せつなに出会い、彼女が勤める家事代行サービス会社『カフネ』の活動を手伝うことで自分の人生を取り戻していく物語。 主人公の薫子や家事代行サービスを利用する家族が、せつなの作る美味しい料理で癒されていく姿に私自身も癒されました。 登場人物の人間関係について、わかり合っていると思っていても、実は分かり合えていないことが多くあるということも、うまく描かれていました。 『自分の人生も、自分の命も、自分が思うようにしていい』という言葉に励まされ、前向きに人生を歩んでいきたいと思えた作品でした。
36投稿日: 2024.06.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
阿部暁子さん、カラフルに続き2作目です 爽やか〜な一冊だったカラフルですが こちらはまた違った雰囲気で、 ずっしりとくる作品でした こちらもよかったです(^^) 結構ネタバレの感想になってしまったので 未読の方はご注意を!! 薫子とせつなが待ち合わせをするところから物語は始まります 初っ端から、 薫子の弟が亡くなっていて、 その元恋人と待ち合わせで 遅刻してきてるのに連絡もない。 近くの席の子どもに対する恐ろしい想像 弟の残した遺言書 元恋人に宛てた遺産 それを受取拒否する元恋人 とたった10ページの間に 不穏な空気のオンパレードで そのまま読む手が止まりませんでした この野宮薫子は弟の急死以外にも いろんな辛い出来事が起き ホントに読むのが苦しくなります… というよりこの作品の人たちは かなり辛い経験をしてる人ばかりで 苦しくなりながら読んでいました その苦しさの分 人の優しさを感じられる作品でもありました なにより 薫子の作る料理が、素晴らしい!! なんでも作ってしまうんです 映像で見たい! うちにも来て欲しい!! あれもこれも食べたい!! 暗い話が続く中、 食べ物のところで作中の人たちと共に 元気をもらえました 最近美味しいものが出てくる本に巡り合うな お腹空いた_(:3 」∠)_ 今食べちゃダメだわ… 作中何度も驚かされました 胸が苦しくなりました あまりにも辛い展開が続きますが 薫子の踏み出す一歩が 変わっていく姿がかっこよくて 胸が熱くなりました 【余談】 カフネの意味を聞いて 子どもの髪を撫でたくなって 眠っている息子の頭を撫でたら 坊主頭はチクチクで こういうことじゃないだろうな笑 でもこういうことかなって思いました 読んでもらったらわかると思いますー╰(*´︶`*)╯
134投稿日: 2024.06.07
powered by ブクログ本文に出てくる「でも栄養が意味ないっていうのはいただけない。死ぬまでは生きなきゃいけないし、健康じゃないと生きるのはますます苦しくなる。なるべく快適に生きるためにも栄養は必要。あとね、おにぎりを作れるようになると、人生の戦闘力が上がるよ」で、完全に射抜かれた。生きる事は食べる事。 そして本の中にも出てきたけど生きていることは、こんなにも痛いと言う言葉。 生きていると色んな事があって、どうにも出来なくなってしまう事もある。 そんな時に、きっとおにぎり1つ握れて戦闘力が上がってる事で乗り切れる事もあるんだろうし、苦しんでる誰か救える事もあるんだと思えた。 あと主人公の薫子バツイチ、不屈の努力の女と無愛想の癖にめちゃくちゃ料理の上手くて実は繊細な優しさの持ち主のせつなのコンビが最高に良くて一気読みしてしまった。
12投稿日: 2024.06.05
powered by ブクログ私には刺さった作品でした 涙が溢れた 多分 主人公や登場人物それぞれに引っかかる所があったから カフネという言葉の意味や余韻も良かった
11投稿日: 2024.06.02
powered by ブクログ『善意って油みたいなもので、使い方と量を間違えると、相手を逆に滅入らせてしまうから』 体調が悪く、食欲がない時に読んでいたけれど、話に出てくる料理の描写がどれも美味しそうで、涎が出そうになってしまった。 食事をすることはもちもん栄養を摂取するためである。でも、それ以上に一緒に食べた人と美味しさを分かち合ったり、普段できない話が食事の力でできたり、お母さんの作ってくれた料理が恋しくなったり、そういった栄養みたいに数値で測れない想いや気持ちが1番大事なんじゃないかなと思った。
23投稿日: 2024.05.30
powered by ブクログ表紙に一目惚れして購入。 読み始めてすぐに、買ってよかったと思った。 何か大きな事件が起こる訳では無いけれど、 やさしく、ゆっくりと紡がれていく物語。 ひとと いのちと いきかたと 色んな種類があっていい。 あたたかく、せなかを支えてくれる、 そんな1冊だった。
14投稿日: 2024.05.29
powered by ブクログ初読み作家さん 薫子とせつなのやりとりがクスッと笑えて、読みすすめるうちに2人のやりとりを待ってる自分がいました。 毎日、家族に料理をしている身として忘れていた気持ちをおもいだしたり、伏線回収であぁ。こっちなのかと考えたり、知らない間に涙がこぼれたり、他人にまっすぐな薫子が羨ましいとおもったり、感情があっちらこちらに飛ばされたので、疲れるかと思いきや一気読み必至の小説でした。 続編読みたいです!!
18投稿日: 2024.05.29
powered by ブクログ初めましての作家さん。 とても素敵な物語でした。 色んな人が出てきました。 幼い頃、親の愛情を兄弟に奪われて、いつも親に愛されたい、可愛がられたい、振り向いて欲しいと願いながら大人になった人。 親や周りの人の愛と言うものに縛られて「自分」を押込めて演じてきた人。 次々と大切な人を失ってきた人。 読んでいて、これも「愛」の話だなと思いました。 温かいもの。悲しいもの。辛いもの。優しいもの。そして、都合のよいものもありました。 読んでいて辛くて、切なくて涙が出ることもありました。 子供に対しての「愛」は、私自身は大丈夫だろうか、押し付けになってないだろうかと心のなかで問いかけていました。 静かで、優しくて、切なくて。でも力強さも感じられる素晴らしい作品でした。
69投稿日: 2024.05.28
powered by ブクログとても良かった…! 物語が進むにつれて謎がどんどん紐解かれていき、読む手が止まらなかった。 普通に生活できるということが、当たり前ではないんだということを気づかされました。 薫子とせつなが幸せになりますように!!!
23投稿日: 2024.05.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
幼い子どもの、色素の薄い、腰のない柔らかな髪にそっと手を入れて梳く心地よさを知っている。その時に胸にしみる愛おしさも。子どもに限らず、愛おしい人へのそんな仕草を表す言葉「カフネ」。 その言葉の意味が少しずつ少しずつ胸を満たしていく。 何度も涙をぬぐい、何度も嗚咽を漏らし、その度にページにしおりを挟み、今自分の中でせりあがっている思いを丁寧に折りたたんでまた、続きを読む。 親に愛されることを望まない子どもはいない。優しく抱きしめられたい、愛おしそうに見つめられたい、ただただ愛されたい、それだけを望み続ける。そのために本当の自分を偽り、思いを殺し親の望む自分であり続ける。 不妊治療と考えの違いから離婚を切り出し去っていった夫。親に溺愛される年の離れた弟の突然の死。自暴自棄の自分を救い出してくれた弟の元恋人。ひょんなことから始めた家事手伝いのボランティア。そこで出会う他人の助けを必要とする人々。 誰かを助けることは、誰かに助けてもらってもいいんだということを自分自身が受け入れることでもある。 助けて欲しいという声を聞き、伸ばされた手をつかんで離さないための力。それがいつか自分自身が救われることにつながっていく。 自分ひとりがいなくなっても世界はなにも変わらない。だったら自分はなぜ生きているのか、何のために今ここにいるのか。そもそもここにいていいのか、自分の居場所はどこなんだろうか。 生きていることに意味なんてなくてもいい。ただ、ここにいて生きているだけでいい。そう言って欲しくて、今日もどこかで声なき声をあげている人がいる。自分のままの自分を受け入れてくれる人を探して手を伸ばしている人がいる。 自分が育った家庭が幸せじゃなかったら、自分が幸せな家庭を築ける気がしないだろう。親に愛されてきたという満たされた思いが無かったら、子どもを愛する自信も持てないだろう。 それでも、それでも求めてしまう。もしかすると、と望んでしまう。 それでいいんだと思う。それでもいいんだと思う。 子どもを産めず、夫に去られ、弟も喪った薫子が、不愛想でかわいげのない12歳年下のせつなとの出会いで戦闘能力を取り戻していく過程を読みながら、自分自身が全肯定されている気がしてくる。 突然死した弟が遺言状を遺していたことから始まる死の真相。その謎解きに沿いつつ、人が生きていくうえで必要なこと、その本当に大切なもののありかを阿部暁子は厳しく優しく描き出している。 誰からも好かれる天然記念物的笑顔を持った弟。その笑顔の向こうにあったもの、そして弟を理解し愛していると自負していた自分の傲慢さを突きつけられた姉の心の傷。弟の元恋人のぶっきらぼうな優しさ。 これは、自分らしく生きたい、なんていいながら何も動こうとしない。言い訳を並べながら時間を浪費している。コスパタイパを振りかざしていろんなものを切り捨てていく。そんな毎日に生きる私たちへの警告であり、赦しの書でもある
11投稿日: 2024.05.22
powered by ブクログ感想 家事から見える家庭。掃除が苦手、好き嫌いが多い。意外と根っこは深い。すぐに解決はしない。だから時間をかけてゆっくりと。ゆったりと。
5投稿日: 2024.05.21
powered by ブクログ「一緒に生きよう」 これほど力強く、優しい言葉は他にない。 「人はひとりでは生きられない」とか、「人に頼ることも大事だ」とか、よく言われるけれど、真面目な人や頑張っている人ほど、この言葉は響かない。 この本は、そんな意地っ張りなほど「ひとりで生きていこう」と覚悟を決めた二人の女性のお話。 ひょんなことから、家事代行ボランティアを二人で一緒にやっていくことになるのだが、冷たすぎるくらい他人行儀なせつなと、暑苦しいほどお節介な薫子のコンビが良い。 「一緒に生きよう」 そう言ってくれる人がいること、そう伝えたいと想える相手がいること。 この二つが揃えば、人は最強になれるのではと思う。 生きる元気がじんわり滲み出るお話でした。
22投稿日: 2024.05.13
powered by ブクログ読み終わり感動の連続でした。カフネ家事代行サービス掃除と料理の代行、美味しそうな料理デザートレシピを見ていると作って見たいほど美味しそうでした。カラフルな甘いポップコーンが印象的でした。家族、結婚、生きる力、そして思いもしなかった驚愕の真実に戸惑うばかりでした。老若男女全ての人に読んで欲しい大傑作の感動作をあなたもぜひぜひ!
24投稿日: 2024.05.09
powered by ブクログ突然亡くなった弟・春彦は遺言書を遺していた。姉の薫子は、相続人に指定されていた弟の元婚約者であるせつなに会うが、受け取りを拒否される。激しくやりあううちに薫子は瞬時意識を失い倒れてしまう。心配したせつなに自宅まで送ってもらうがそこは……。 タイトルのカフネは、せつなが勤める家事代行サービスの会社だ。この後、何故か週一だけボランティアで掃除をすることになった薫子は、料理担当のせつなと共に依頼者宅を訪問することになる。 よくありがちな1話完結の連作で、いろんなパターンの家庭像を描くのかと思いきや、軸はぶれない。そして連作形式でもなかった。読み進むにつれ、すごいものを読んでいるなという実感が湧いてきたが、この作家はさらに上を行く。些細なことだが感じた違和感は伏線で、きっちり回収される。偶然はない。お見事! 強いて難点を挙げるなら、登場人物たちが揃いも揃って問題を抱えていることか。しかもこれ以上ないほどに辛いのだ。でも、だからこそ、誰かの優しさが染みるのだ。生きる力となるのだ。 ぼくの中で本年度ベスト10入りは確実な良作だった。 刊行日2024/5/20、NetGalleyにて読了。
16投稿日: 2024.04.16
