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スピノザの診察室
スピノザの診察室
夏川草介/水鈴社
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総合評価

898件)
4.4
445
321
76
12
3
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    医師✕小説家 の方々の小説は惹き込まれる。 しかも、夏川さんは哲学的な思想をわかりやすく書いてくださるので、とても読みやすい。 医療従事者として大学病院で働いていた頃、そして今の職場である福祉現場を思いながら、こんなにも「人間」を診ている医師は私の身近にいただろうか…と考えてしまった。 花垣が言うように、医師は科学者と哲学者の二種類がいたとして、哲学者である医師はほとんどいない。科学者であるからこそ、「人間」が見えなくなってしまう医師はたくさんいると思う。 そして、やはり私が知る素晴らしいと思う医師達は科学者でありながら哲学者でもある。 どちらかだけでなく、両方を兼ね備える人はなかなかいない。 「意思の力では何も変えられない だからこそ、努力が必要だ  なんでもできるって万能感を抱えながら、  無限に走らされる方がずっと過酷さ。」 スピノザの希望に溢れた論理展開だと哲郎は言う 科学者にも哲学者にもなりきれない中途半端な医療従事者な私。 それでも、目の前の患者さん達のために ほんの少しでも努力し続けられそうな気がする。 哲学に明るくないので、スピノザという哲学者の存在すらよくわからずだったけれど、いつか著者を読んでみたくなった。

    35
    投稿日: 2025.01.24
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    凄く良かった。同じ医療現場で働く者として、哲郎の言葉や患者との接し方は考えさせられるものがあった。「がんばらなくても良いのです。ただ、あまり急いでもいけません。」という言葉が特に印象に残ってる。最後のシーンも良かった、涙出るね。 矢来餅と阿閣梨餅と長五郎餅が好きな先生が可愛らしかった。出町ふたばの豆大福、緑寿庵の金平糖、先斗町、、、京都らしい光景も目に浮かんで楽しめた。久しぶりに京都行きたいな。

    1
    投稿日: 2025.01.24
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    最後涙が止まらなかった。大切な人にすすめたいと思う。 神様のカルテの方だったんだ。知らずに読んだ。 マチ先生 地位も名誉も金銭も、それが単独で人間を幸福にしてくれるわけじゃない。人間はね、一人で幸福になれる生き物ではないんだよ。 訳がわからないということがわかるだけでも大切だ。「わかった」と思う読書の方が、はるかに危険だからね だから表層を歩いているだけではなかなかこの町の本当の姿には出会いません。あちこち隠れている入り口を見つけて、深層に分け入って行かなければいけない 私はむしろもっと死について知りたいと思っているのかもしれません 患者さんを看取るたびに思うんです。彼らが何を見ていたのか、もっと知りたいと。もっと死について見えてくれば、最期の時間が近づいた患者に、自信をもって声をかけ、安心させてやれるのではないか。「怖がらなくてもいいんだ」と。 (花垣)哲学の方向に振りきれた医者は、現場じゃ使い物にならない。せいぜい教会でお祈りをするか、現場から遠くはなれた書斎で小説でも書いてるだろうさ。マチが尋常じゃないのは、一流の科学者でありながら、哲学者としても凡庸でない点だ。そういう医者を俺は見たことがない。 人間は無力な生き物で、大きなこの世界の流れは最初から決まっていて、人間の意思では何も変えられないと言った思想家もいたんだ 我々にできることは、せいぜい襲い掛かる津波から走って逃げることや、どこまで効くかもわからない抗がん剤を点滴することだけれど、それさえうまくいかないのが現実ぁろう。そうやって突き詰めていけば、人間が自分の意思でできることなんて、ほとんどないことに気が突く。つまり人間は、世界という決められた枠組みの中で、ただ流木のように流されていく無力な存在というわけだ。 彼(スピノザ)は言うんだ。「だからこそ」努力が必要だと。 私は希望に溢れた論理展開だと感じるんだよ。何でもできるって万能感を抱えながら、無限に走らされる方がずっと過酷さ。 (浜福巡査)こういう孤独に死ぬ人たちってのは、だいたい世の中に恨みや怒りや、とにかく嫌な感情を持っているもんです。亡くなったあとでもその顔をみりゃすぐわかるし、部屋の中には怨念みたいな得体の知れんものが漂っているんですわ。若い部下の中には、そんな感情にのまれて鬱になっちまうのもいるくらいで。財布の中にそんなあったかい言葉を抱えたまま、死んでいけるってのは、結構幸せなことなんじゃないかと思います。 医者がこんなことを言ってはいけないのかもしれないが、医療の力なんて、本当にわずかなものだと思っている。だからと言って無力感にとらわれてはいけない。世界にはどうにもならないことが山のようにあふれているけど、それでもできることはあるんだってね。 間違えてはいけないよ、先生。医療がどれほど進歩しても、人間が強くなるわけじゃない。技術には、人の哀しみを克服する力はない。勇気や安心を、薬局で処方できるようになるわけでもない。私たちにできることは、もっと別のことなんだ。うまくは言えないけれど、きっとそれは...暗闇で凍える隣人に、外套をかけてあげることなんだよ。

    15
    投稿日: 2025.01.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大学病院から地域の病院に移り勤務するマチ先生。 医者としてのキャリアや、腕も十分にありながら地域の病院で終末期医療を担いながら医療の在り方や、考え方が綴られているのが印象的だった。 その中でも、マチ先生にかかっていた辻との関係で、当初辻は治療費がないことから生活保護をすすめられるも、社会のお世話になることから嫌がり、病院としては治療にあたまを悩ます存在だったが、結局状態が急変し、吐血し亡くなってしまうシーンがあった。 マチ先生と患者辻との関係は、「先生のとこやったら、俺は安心して逝ける」と辻は前から述べており、最後の免許証の裏面に残した「おおきに 先生」という6文字の言葉からもマチ先生が患者にとって寄り添っており、安心できる存在だったのだと読み取れる。 完治が難しい終末期医療、人生の終わり方や閉じ方に寄り添う地域医療を主人公であるマチ先生の視点から感じ取れた。また、個人的にはマチ先生の元で研修を行う南先生との関係の続きも気になるところである。 テーマ、、終末期医療・人生・生き方

    0
    投稿日: 2025.01.19
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    患者さんの終末期、医師の働き方について深く考える作品でした。さすが医師の著者だからこそ、生と死について悩むところをしっかりと書かれているなと、、、 確かに、大学病院はもちろん治療一択ですが、地域病院ではそれぞれの家庭の事情によってどこまで治療をするのかは難しい問題ですよね。 頑張らなくていい、でも急ぎすぎるのもよくない。 とても印象的な言葉でした。 個人的には辻さんのエピソードが好きでした。 自分が思う最期を迎えられるのも丁寧に向き合ってくれる医師がいてこそ自由な選択ができるのかなと思いました。

    0
    投稿日: 2025.01.19
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    それぞれの登場人物のキャラが丁寧に描かれていて無駄が無かった。全般的には悲しい話なのだが、どこかホッコリするところもあり、バランスが良かった。京都を舞台にする作品に外れは少ない?

    0
    投稿日: 2025.01.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    出てくる人が優しくて、街の時の流れも何だか穏やかで、こんな街に住みたいなと思わされた。 と言ってもストーリーは病院で、主人公は医師なので毎日が穏やかなわけではなく、様々な患者さんがやってきたりと慌ただしい。それでも、なんだか穏やかな気持ちになるのは主人公である医者、雄町、通称マチ先生がどんな時も慌てずに落ち着いているからなのかもしれない。腕も確かで、暖かく、でも押し付けがましくなく患者を見守っている。将来はこんな先生がいる病院に通院したいなぁと思ってしまった。 そんな完璧そうなマチ先生だけど、とにかく甘党で甘いものには目がないというところが可愛い。長五郎餅、食べたことがないので食べてみたい。

    9
    投稿日: 2025.01.14
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    人間にできることはほとんどない。 それでも努力をしなさい。 生きるとは、思索することではなく行動することなのである。

    1
    投稿日: 2025.01.10
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    完治する病気ばかりじゃない、治らない病気とどう向き合うのか、重いテーマのはずなのに優しく温かい物語だった。 人生の幸せについて考え続けるマチ先生の人柄がとても魅力的だった。 度々出たくる京都のお菓子がとても美味しそうだった。特に長五郎餅が気になった。ぜひ食べてみたい!

    0
    投稿日: 2025.01.09
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    一気に読み終わった。 マチ先生、好き。 こんないい子がいるのか、龍之介くん! 京都のじめっとした暑さではない、さわやかなお話だった。しばらくしたらじっくり再読したい。

    1
    投稿日: 2025.01.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    神様のカルテ好きな人は、間違いなくハマる医療もの。この物語もを読むと心が洗われる、そんな気がする。私は医療に携わってはいないが、医療の大変さと素晴らしさを伝えてくれており、このマチ先生とともに医療界に携わりたかったと思った。 マチ先生の素敵な人柄に心動かされる。「病気が治ること=幸せ」と考えてしまうと、病気が治らない人はみんな不幸になってしまう。治らない病気や余命が限られていても幸せに過ごすことはできる。 また、マチ先生と花垣先生の相棒感、マチ先生と南先生の気になる今後など、登場人物もはっきりとキャラクターができていて、この物語の一員になりたいと思うくらいだった。 神様のカルテ同様、とても読みやすい語り口調、読後の心温まる感じ、これは、作者の夏川草介さん自身がちゃんと患者と、病気と、同僚の医者達と向き合っていることに他ならないと改めて感じた。神様のカルテと並ぶ、最高の医療シリーズがまた誕生したと感じた。続編に期待したい。

    1
    投稿日: 2025.01.06
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    いいとか悪いとか、悔いがあるとかないとか、 かんたんに片付けられないことばかり。 その部分をグレーのまま、そっくり受け止めて、 抱えて生きるのもいいんじゃないかと思えた。

    1
    投稿日: 2025.01.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白くて一気に読んでしまった… 小さな地域の病院で働くマチ先生は、3年前に妹を亡くしその遺児を引き取り、それを機に大学医局を辞めた消化器内科医。最先端医療とは違う、治らない病気とどう付き合うっていくかという話なのに、ほっこりとあたたかい物語だった。 マチ先生だけでなく他の先生も魅力的だったけど、患者の辻さんが強烈に印象に残ってる。 続編出ないかな?読んでみたい…

    0
    投稿日: 2025.01.03
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    大学病院を辞めて京都の小さな病院で働くマチ先生。死を迎える人たちとその近くにいる人たちと京都の空気。死ぬ瞬間まで人生なんだな。その時までどう自分らしく生きるか。そして、おつかれさまでした。

    0
    投稿日: 2025.01.02
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    2025年の1冊目。 相変わらず、筆者の文章は読みやすくそれでいて深い。 日常の延長線上に死が存在しているが、重苦しさは無く、心温まる内容。 スピノザという哲学者のことを知ることができたいい作品。

    26
    投稿日: 2025.01.02
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    ほっこりしつつも、深い。先進医療と終末医療。こんな先生が主治医なら安心だなぁ。 京都の描写も細かく、知ってるお店もたくさん出てきて作品に息吹を与えています。ちなみに文中に出てくる緑寿庵の金平糖、夏のぶどうもとても美味しいです。

    0
    投稿日: 2025.01.02
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    2024年、最後に読み終わりました。 大きな何かが起こるわけではないけれど、マチ先生の大きな考え方が暖かいと思った一冊。 大学病院で出世できる技術と知識がありながら、甥っ子のために一線を退いた。それでも内視鏡技術は衰えず、的確な判断ができる。そして人との向き合い方が哲学者のように深い。

    8
    投稿日: 2025.01.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    医局を離れて京都の町医者に勤務するマチ先生の話。独身の38歳だが、妹を病気で亡くしており、中学生になる甥っ子と暮らしている。妹の死をきっかけに大学病院から離れ、日々治らない患者をみているが内視鏡の技術に優れている。 医者は技術者と哲学者に分かれてしまうがマチ先生はどちらにも突出している不思議な人という花垣が評しているように、一人一人の患者にむきあいながら何が最善かと向き合う様子には頭があがらない医者の姿だと思った。 医療現場にこんな先生はなかなかいないもんだと思ったが、読んでいるうちに餅好きなこと京都の街並みなど雰囲気が想像できる話であった。

    0
    投稿日: 2025.01.01
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    よかった。 こういう価値観、素敵だなと思う。 そして何より、スピノザの考え方。もう少し知りたくなった。「意志の力で変えられないものがある宿命論の中にこそ努力がいる。」次に図書館行ったら調べてみよう。 それにしても、 夏川草介さんのお医者さんは、いつも素敵だな‥

    28
    投稿日: 2024.12.30
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    「臨床の砦」や「命の砦」のようなハラハラ感はないものの現代の医療を上手に描かれていて、感情があまり大きく揺さぶられることなく落ち着いた気持ちで読むことができました。

    0
    投稿日: 2024.12.30
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    初めての著者だった マチ先生の周りに流れている空気がのんびりしている 矢来餅と長五郎餅は食べたことないので次京都行ったら食べたいなあ

    1
    投稿日: 2024.12.27
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    図書館の本76 本屋大賞2024ノミネート本ということで手に取った本。 町の小さめな病院で働くにはもったいないと思う程の腕前を持つ、医師の日常が描かれている。 大学病院とは働き方や意識を向けるポイントが違っていて、「どちらが凄い」ということではなく、町の病院は一人ひとりの患者に向き合う時間が長く取れるところは良い点だと感じた。 マチ先生が皆に尊敬されている様子がよく伝わってきた。

    8
    投稿日: 2024.12.24
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    人の死や医療に対する価値観を考えさせられた。この価値観は自分の生活や仕事にも落とし込める部分も多いと感じた。 読み進めていくとタイトルに込められた意味の解像度が高くなり、どんどん読み進めたくなる没入感を感じさせられる一冊だった。

    2
    投稿日: 2024.12.22
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    医療の物語だけど病気の事だけじゃなく、京都の美味しそうな和菓子が出てきたりして、暗くならずに読む事ができました。 哲郎の患者さんへの向き合い方が、素晴らしくてこんな先生に出会いたいと思いました。

    46
    投稿日: 2024.12.22
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    紅葉の京都旅行直後に読み始めたので、地名やお菓子の名前を見て情景が目に浮かび、引き込まれて読み進めました。読んで良かったと思えるやさしい物語でした。 続編を読みたくなります。

    0
    投稿日: 2024.12.21
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    ちょっと早いけれど、2024年最後に読んだ本になりそう。最後にとても素敵な本に出会えてよかった…! かつて大学病院の凄腕だったマチ先生が、看取りが中心の小さくて温かな病院に勤める話。 何人もの生死が描かれるのだけれども、逝く人にも残される人にも優しく温かで、自分も誰かを看取る時には、看取られる時には、こんな先生にそばにいてほしい。 どうにもならないことばかりだけども、だからこそできることを考えること、努力すること。言葉は違うけれど、スピノザやマチ先生の考え方にとても救われる思いがした。がんばろう!

    19
    投稿日: 2024.12.20
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    科学者と哲学者の二面性 華やかで大きなことを求めること 一見地味だけど目の前の人に寄り添うこと どっちがいいとかではなくて、どっちも必要で、どっちも難しい 度合いは違えど、医者以外の仕事でも感じたことのあるもどかしさに共感した

    0
    投稿日: 2024.12.17
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    とても心がほっこりとするいい作品でした。マチ先生といると安心する、というのは読者も同じみたいです。 どうしようもない病で亡くなる人は沢山いますが、そのような人にどう接するべきなのか考えさせられます。何も病気を治すだけが医療ではなく、安心させてあげたり一緒に寄り添ったりすることも大事なのかなと思います。スピノザの哲学に従って仕事をするマチ先生から大切なことを学びました。

    7
    投稿日: 2024.12.17
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    いい意味で想像を裏切られた感があります。 読むまでは、めちゃくちゃ哲学的な話が出てきて、頭でっかちな小説かと思っていたのです。 でも文章として哲学的な事はあまり出てこないですし、主人公の在り方自体が哲学的な気がしました。 主人公が受け持っている患者さんは皆高齢の方々で、どちらかというといつ死がきてもおかしくない人たちです。 患者さんがいて、その方々を支える人(医者だけではなく、奥さんや息子)がいて。 患者さん本人は勿論のこと、日常的にお世話をしている人たちもいつか来る「死」を静かに感じながら生きているんですよね。 ”生から死への移行は、どうしても苦痛の谷を越えなければいけない。例外はあるが、多くはそうである。” まさに、コレだと思うのです。 苦痛は患者さん本人だけではなく、看取ったほうにも訪れる。 「死」を覚悟しているとは言え、実際にそれが訪れると残された者は全く違った世界で生きていくことになるんですよね。 苦痛を乗り越えた先の世界と言ってもいいかもしれません。 この小説を読んで思ったのは、自分の大切な人が死を迎えた時、残された人はその人との思い出がブワッと脳内を駆け巡ると思うんです。 辛い事もあった、嫌になることもあった、憤りを感じることもあった、それでも、大切な人が死を迎えた瞬間は、いい思い出だけが出てくると思うんです。 それって幸せな事なんじゃないかな、とじんわり感じました。 「死」については、漠然としか考えられなかったのですが、ちょっとだけ具体的に想像できるようになった気がします。 「死」って日常生活の中で静かに訪れるんだな、と。

    58
    投稿日: 2024.12.16
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    問題のある患者さんを抱えた、京都のとある病院で勤めるマチ先生。 これといってハラハラドキドキすることもなく淡々としているですが、人間にとって幸せとは、豊かさとは、生きる意味とは、意志とは。 医者としてのマチ先生の悩みが綴られていました。 「お金がないのに治療を優先するべきか、 お金がないから患者の意志を尊重するべきか」 そんな問いが出てきて、とても考え深い内容でした。 マチ先生に対する友人の花垣先生は、「世の中の医者には、科学者と哲学者の二種類の人格を抱えている」と語っていました。花垣先生は科学寄りだが、マチ先生は哲学寄り。その対局の中でも二人は揉めることなく、お互いを尊重し合い、医師として勤めていく姿を見ると、読者にどっち派?と、問いかけながら哲学寄りになっている気がします。 個人的にわたしも父母が80代後半なので、看取りの話しはちょっと敏感になりますね。 人間は無力。どんなに科学が発展しても人間はいつかは死ぬ。無力だからといって諦めるのではなく、残された時間が短くても、人は幸せに過ごすことができる。 一見矛盾した想いがスピノザ的なのかなぁと思いました。 わたしも「おおきに、先生」と言い続けたいですね。

    12
    投稿日: 2024.12.16
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    京都の街並みを季節の移り変わりとともに、鮮やかに描いていて、素敵な作品である。医療の最先端を走る大学病院とは正反対な病院に勤務する雄町、主人公の雄町先生は日々悩みながらも、患者にかける言葉には温かみがある。そして哲学的な考え方も面白い。

    40
    投稿日: 2024.12.13
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    初めての夏川草介さん。SNSで紹介されていました。 患者がほぼ高齢者の診察をしている京都の小さな病院で働く雄町先生、そして雄町先生の周りにいる人たちが、命限りのある患者に対してどう日々向き合っているのか、模索をしながら対応しているお仕事小説。 この物語に出てくる患者は高齢者だが、それぞれの病を抱えていて 中には終末期を迎えている患者もいる。 雄町先生は凄腕の医師。凄腕の医師だからこそではなく その彼らに最新の医療で治療しQOLの向上を図ること以外に 本質的として患者が思う「最期のあり方」とはなにかと模索し、医者と患者との二人三脚で生きていくことに、雄町先生の洞察に深く考えさせられ、 患者に感謝される箇所が読んでいる、彼のおおらかさも伝わってきました。 ところどころ出てくる雄町先生の大好きな和菓子、知らなかったお菓子がいっぱいでてきて旅行に行ったときは絶対に買おう(笑)

    17
    投稿日: 2024.12.13
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    医療従事者としての憤りや葛藤のような感情がすごく理解できる。 元通りの健康こそが一番だが、全てが元通りにならないことは多い。 患者さんが本当に望むことを、現実の医療現場で悩み続ける医師の姿に感動しました。

    0
    投稿日: 2024.12.12
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    さすが現役の医師なだけあり、病気のことだけではなく医師を取り巻く環境などとてもリアリティがある。 前半は何か特別なことが起こるわけではなく(患者が亡くなったりはするが劇的な感じではない)、医師の人となりや、それを取り巻く環境などが淡々と描写される。 後半は花垣先生との信頼感に胸が熱くなり、手術室に忍び込むあたりで盛り上がりは最高潮に。前半と後半のギャップで一気に持っていかれた。 登場人物たちも魅力的で、シリーズ化が楽しみだ。

    0
    投稿日: 2024.12.10
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    天才な町医者の日常って感じ。 何か特別に大きなストーリーがあるわけではなく、淡々と日常が進む感じでしたが楽しめました。 文章がすごく綺麗で、京都らしさ満載でよかった! お医者さんは本当にすごいなと改めて感じさせられました。 終末期医療には考えさせられるものがありました。

    3
    投稿日: 2024.12.09
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    甘いものが大好きな医師の雄町哲郎。妹が病死したたので、子供の龍之介と暮らしている。そのため、大学病院の医局長だったが、少し小さな病院に勤務して龍之介の面倒をみることになった。物語としては、命について考えさせられるものだ。人は必ず死ぬ。医師は看取る現場に立ち会う機会が最も多い職業だ。医師を通じて死ぬことを考える。死には人それぞれのエピソードがある。登場人物のキャラが立っているので、ドラマ化すると良いのではないか。

    7
    投稿日: 2024.12.08
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    文体が柔らかくて優しく読みやすかった。 医療ものだけど、人の気持ちとかに焦点を当ててる感じがして好き。 医者の主人公と周りの関係性も良かった。 それぞれの人生とか思いがあって、周りからどうして?と思うことも本人にとってはそれが一番良いカタチなんだなと感じる瞬間が随所にあって読了後も何だか清々しい気持ちになった。

    0
    投稿日: 2024.12.07
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    良かった! 医療物って難しいイメージあるけど、情景が浮かびやすく読んでいて気持ちがあったかくなる。 続編が楽しみで仕方ない!

    3
    投稿日: 2024.12.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    凄く良かった。 仕事柄ストーリーを身近に感じました。 共感しっぱなしでした。 「たとえ病が治らなくても、仮に残された時間が短くても、人は幸せに過ごすことができる。できるはずだ、というのが私なりの哲学でね。そのために自分ができることは何かと、私はずっと考え続けているんだ」自分も同じような考えを持っていたので、いちばん心に残ったセリフでした。 辻さんの免許の裏に書いてあった文字を見た時が嬉しさと悲しさが入り交じって…。泣 原田病院はいい病院だな〜。良い先生がたくさんいる。マチ先生と南先生のその後も気になるー! 夏川先生の本は初めて読みましたが、他の本も読んでみたいと思いました。

    1
    投稿日: 2024.12.05
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    マチ先生、いいねー。哲学的で、ちょっとクサい台詞も、とても深い。 神様のカルテも好きだけど、こちらもすごく良かった。 大学病院とかで難しい病気をズバッと治しちゃうような派手な医療小説ではなく、人の幸せとか、生と死とか、医療の在り方を問うヒューマンドラマ。 京都が舞台になっていて、神社や名所、そしてこの小説のキーアイテムになっている数々の和菓子が紹介されているのも魅力的だと感じた。 マチ先生みたいに寄り添ってくれる医師は理想的だね。病気との向き合い方は人それぞれ。何がその人にとっての幸せなのか。 人間はちっぽけな存在で、病気に対して、どうあがいても残酷な現実を突きつけられるだけだけど、それでもできることはある。苦しい時には、互いに手を取り合うことで、勇気と安心と言う名の幸せがうまれる…。マチ先生の語り、心に染みた。 続編がありそうな終わり方だなーと思ったら、来年には出るらしい。楽しみ!映画化も決まってるらしいけど誰がやるんだろう?アイドルとかじゃありませんように!

    18
    投稿日: 2024.12.04
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    オーディブルで聴きました。 雄町先生は、性格良し、医師としての腕も超優秀、甘いものが好きでもデブでなく、虫歯も無さそう。絶対モテそうだが、本人に自覚なし。ものすごくブサイクというわけじゃなさそう。そんな医者いるのか。。? ドラマ化、映画化ありきで書かれたようと思っていたら、やはり映画化されるとのこと。 コトー先生と同じ人だったらガッカリするなー。みなみ先生は吉岡里帆ちゃんとか高畑充希ちゃんあたりで、恋模様もプラスされるのだろうか。。いや、元アイドルで女優路線を目指す子か。。 最後の7文字のところはグッと来たけれど、それ以外は、こんな人いるのぉー?いたらいいけど、という気持ちでした。 いい話ではあります。

    1
    投稿日: 2024.12.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    雄町哲郎は京都の町中の 地域病院で働く内科医である。 三十代の後半に差し掛かった時、 最愛の妹が若くしてこの世を去り、 一人残された甥の龍之介と 暮らすためにその職を得たが、 かつては大学病院で 数々の難手術を成功させ、 将来を嘱望された凄腕医師だった。 哲郎の医師としての力量に 惚れ込んでいた大学准教授の花垣は、 愛弟子の南茉莉を研修と称して 哲郎のもとに送り込むが……。 -----------------------------完璧の星5 これはもう、素晴らしいの一言。読めてよかった。ありがとうと言いたい。 マチ先生に診てもらいたい、最期を看取ってもらいたい。と私も思う。 医者とはどうあるべきか。考えさせられる本でした。 技術も超一流でありながら、人間としても、優しいいやただ優しいだけではないマチ先生。 それは哲学者「スピノザ」の影響なのか。 マチ先生と「哲学」というのは切っても切れないつながりがあるのだろうか。 柔軟で穏やかな時間が、京都という舞台を粛々と流れていく。厳しいが優しい時間に身を委ねる感覚。 舞台となるのが、京都というのが心憎い。 そして、大の甘党で、あんこの入ったお餅が大好き。 その主人公(マチ先生)が主張する、この世で味わうべき三つの食べ物というのが… 矢来餅(やきもち)、阿闍梨餅(あじゃりもち)、長五郎餅(ちょうごろうもち)。  どれも京都の和菓子です。くうっ…これがたまらん! 食べたことないけど、絶対美味しいやつに決まってる。 お菓子好きにも、たまらない描写が多いです。 そして、そんな甘党の先生がお茶目でたまりません。 普段は、ひょうひょうとした先生であるのだが 一度、診察となると、超一流。 元在籍していた大学病院にこっそりと侵入し 難しい手術のサポートをしたときなどの描写は ぞくぞくします。何度も読み返しました。 これって映画になりそうな話だなーと思って調べたら 「映画化」決定だそうで。w そして、これ絶対シリーズ化して欲しい! 南先生とはどうなるの?甥の龍之介の今後は? って思ったら、2025年にシリーズ第2作刊行予定とのこと。 あらあら、もう願ったりかなったりじゃない!! 来年楽しみすぎます! 雑感 作者は(お医者様)夏川草介氏 この方が、またすごく素敵!BSテレ東の「あの本読みました」に よく出演されていて、この先生自分のこと書いてるのかしら?と 思うくらい、マチ先生っぽかった・・・ 私は、夏川さんの風貌をイメージしながら、読みました。

    29
    投稿日: 2024.12.04
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    とっても優しい物語。 大好きな京都が舞台ということで購入。登場人物が皆優しく、物語り自体もとても心地よく進んでいく。医師が主人公なので死と向き合う場面ももちろんあるが、医療小説というよりも人間に重きが置かれていて、スッと心に入ってくる空気感が好ましい。続編も刊行予定とのことで待ち遠しい。

    0
    投稿日: 2024.12.03
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    作者の夏川草介さんは医師だとか、なるほど専門用語に無理がない。優れた内視鏡医の哲郎は哲学者である。彼は医療の力を過信していない。「暗闇で凍える隣人に外套をかけてあげること」。彼の言葉を聞く南…なかなか良い感じで終わる。ちょうど終末期を迎えている先輩を思い浮かべながら読み終える。

    0
    投稿日: 2024.12.03
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    大病院と地域病院、またその地域に住む人々の病院との関わり、マチ先生を通して生きる事の意味、じんわり心に響く物語でした。

    0
    投稿日: 2024.12.03
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    「たとえ病が治らなくても、仮に残された時間が短くても、人は幸せに過ごすことができるはず」 マチ先生の哲学が、すばらしい。 医者としての腕はもちろん、患者とその家族を精神的に支える姿には感動する。 辻さんの6文字の走り書きには号泣してしまった。自分で納得した人生とはいってもやはり寂しすぎる。マチ先生に出会えて良かった。 京都の情景描写と甘いお菓子が、ほっと緊張感をゆるめてくれる。阿闍梨餅はお土産でもらったことがあり、とても美味しかったと記憶している。 病院の緊迫感とは対照的に、マチ先生の周辺は終始穏やかな空気に包まれている。 涙腺が緩みっぱなしになる愛にあふれた作品だった。

    115
    投稿日: 2024.12.02
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    凄腕医師でありながら、大学病院から地域病院に移った主人公。技術だけでなく、誰もが信頼する人柄も持ち合わせている。そんな彼が甥からの問いに、『あまり大人を軽んじるものではないよ』と迷いなく返した言葉が印象的。

    2
    投稿日: 2024.12.02
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    「神様のカルテ」の著者さん 最先端大学病院から老人医療中心の京都地方病院に移った哲学者天才医師。スピノザの言葉を借りて無力感の中でも努力することで心に灯りを灯せること…などを伝えてくれる 甘いもの好きな雄町医師。作中に出てくる京都銘菓をメモしてみたw * 出町ふたば 豆餅 下鴨神社近辺 * 矢来餅やきもち 下鴨神社 ゑびす屋加兵衛本店 * 阿闍梨餅 あじゃりもち * 長五郎餅 北野天満宮? * 金平糖専門 緑寿庵 百万遍 * 焼き栗の金平糖(季節限定) 緑寿庵清水  * 小丸松露(しょうろ) 亀屋友永 * 西賀茂チーズ パティスリー菓欒(からん) * マドレーヌ 村上開新堂 池波正太郎御用達

    7
    投稿日: 2024.12.02
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    1日で一気読み。 キャラクターとか風景とかが目に浮かぶようで、物語に入り込みやすかった。 患者さん、同僚との日々が描かれていた。 いわゆる病院の権力争いとかがなくて、人間関係も素敵で読みやすかった。 来年続きが出るということで楽しみ

    0
    投稿日: 2024.12.01
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    主人公の雄町哲郎がとにかく素敵でした。 医者としても、人としても、こんな人がそばにいてくれたら、生きていくのが怖くないように思います。 他の登場人物も、それぞれのスピンオフが書けるのでは、と思えるほど、魅力的に書かれていました。 少し出来すぎなストーリー展開も、哲郎先生ならと、納得してしまいます。 忘れられない1冊になりそうです。

    104
    投稿日: 2024.11.30
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    図書館でどれくらい予約の順番に並んだかな。 やっと手にしたこの作品。 待った甲斐がありました。 素晴らしいです。 人の幸せと死について、真正面から向き合う作品。 けれど、決して深刻になり過ぎない。 むしろ、優しい風が心地よい。 京都のはんなりした風情と、マチ先生の温かさがすべてを包み込む感じ。 「病が治らなくても、仮に残された時間が短くても、人は幸せに過ごすことができるのです」 主人公のマチ先生のセリフです。 どうにもならない事やうまくいかない事。 それを受け容れつつ、できる努力は続ける。 そして、希望を捨てない。 スピノザの哲学って、こんな感じ? アル中患者の辻さんとマチ先生の関係がとても素敵でした。 辻さんの免許証の裏側に書かれていた文字…。 これは、ダメでしょ。 我慢していた涙が一気に溢れました。 時には病気を治そうとする努力が、患者を苦しめることもあると思います。 そういう家族の介護と看取りをした経験があります。 治らない病気にどうやって付き合い、付き添って行くか。 その答えをこの作品に見つけた気がします。 あれで良かったのだと、心が救われました。

    55
    投稿日: 2024.11.28
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    昔読んだ神様のカルテも素晴らしかったが こちらも大変感動した。 人間×地域医療 医療現場の話のため、生死が描かれているが、それを感じさせないくらい穏やかに丁寧に書かれている。やはり、マチ先生の人柄が大きいのであろう。その周りの登場人物も、面白い人たちばかりで読みやすかった。 映画化と2作目が決まっているとのことで、大変楽しみだ。

    1
    投稿日: 2024.11.27
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    マチ先生、格好良すぎる こんな考え方や、声掛けができるようになりたい 「頑張らなくても良いが、焦らなくても良い」という内容が心に残った 阿闍梨餅食べたくなった

    2
    投稿日: 2024.11.25
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    初めての作家さん。どことなく古風で静謐な佇まいを感じつつ読み進めると、主人公が「スピノザ」を説明するくだりが正にこの作品の空気感そのものだったので、意図的だったのか、それともこの作者の元々の作風なのか、他の作品も読んでみたくなってしまった。 作者は医師とのこと。医療の詳細部分で時々リズムが変わるように感じたのは、そういう背景かと納得。恐らく日々感じ、時には葛藤しているだろうことを、ただ静かに物語に込めている真摯さが、穏やかに心に届く。まっすぐさの加減が心地よく感じ、決して明るい題材ではないが、読後感は爽やかだ。 それにしても、全く関係ないにも関わらず、主人公が勝手に吉岡秀隆さんの姿に重なってしまうのには困ったが。醸し出す雰囲気が似ているのだろうか。

    3
    投稿日: 2024.11.23
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    医療の最先端にいる消化器内科医が、ある事情で町中の小さな病院に移る。 その病院に来る患者は、最先端の医療技術で病気を治すことよりも、穏やかに生き、生を受け入れることの大事さを優先させる。 舞台は京都の町中。 穏やかな主人公は、スーパードクターであり、かつ、人を診るドクター。 医療とは何か、医療従事者とはどうあるべきか。 一つの答えを押し付けるのではなく、穏やかに語る。 自ら医者であり、かつ、神様のカルテの作者、夏川草介氏の物語は、とても優しく、そして心に染み入る。 2025年に映画化されることが決まっているそうだ。 面白かった。

    5
    投稿日: 2024.11.22
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    地位も名誉も金銭も、それが単独で人間を幸福にしてくれるわけじゃない。人間はね、一人で幸福になれる生き物ではないんだよ。 くたびれたと思ったときには、適当に携帯の電源を切ることも大事ですよ。 焦らず、急がず、遠くを見つめて目的地までかかる時間をいとわない。 かもしれない、では困るね。確認する必要がある。 努力も技術も経験も、あるに越したことはないが、それがすべてではない。相手は人間なのである。 突き詰めれば「生きる」とは、思索することではなく行動することなのである。 人間はとても無力な生き物で、大きなこの世界の流れは最初から決まっていて、人間の意志では何も変えられないと言った思想家もいた。こんな希望のない宿命論みたいなものを提示しながら、スピノザの面白いところは、人間の努力というものを肯定した点にある。すべてが決まっているのなら、努力なんて意味がないはずなのに、彼は言うんだ。〝だからこそ〝努力が必要だと。 人間にできることはほとんどない。それでも努力しなさいってね。 何でもできるって万能感を抱えながら、無限に走らされる方がずっと過酷。 願ってもどうにもならないことが、世界には溢れている。意志や祈りや願いでは、世界は変えられない。そのことは、絶望なのではなく、希望なのである。 時には立ち止まることも肝要だ。闇雲に進んで片が付く処置ではない。 もう少しがんばってみる価値があるとは思わないか? あとはただ、前に向かって進めばよい。 『安心』ちゅう一番大事なものは提供できる。 世界にはどうにもならないことが山のようにあふれているけれど、それでもできることはあるんだ。 人は無力な存在だから、互いに手を取り合わないと、たちまち無慈悲な世界に飲み込まれてしまう。手を取り合っても、世界を変えられるわけではないけれど、少しだけ景色は変わる。真っ暗な闇の中につかの間、小さな明かりがともるんだ。その明かりは、きっと同じように暗闇で震えている誰かを勇気づけてくれる。そんな風にして生み出されたささやかな勇気と安心のことを、人は『幸せ』と呼ぶんじゃないだろうか。 私たちにできることは、暗闇で凍える隣人に、外套をかけてあげること。 互いに必要があれば手を差し伸べ、足を運ぶ。

    1
    投稿日: 2024.11.18
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    小さな病院で地域医療に尽力する医師の雄町先生(通称マチ先生)のお話。 治らない病気に向き合う難しい現場に身を置きながらも、患者の思いを尊重した医療で、患者に向ける言葉はどれも温かい。 こんなに優しい先生が、患者の死をいつも深く受け止め、正解がない医療行為に最善を模索する様子は時に苦しくも感じる。 重いテーマの本でありながら、個性豊かな登場人物や、働く人達の人柄から穏やかな空気感の原田病院。 京都の情景や、美味しい甘味など、土地の魅力も端々に出てくる。 多くの意味での医師の過酷さ、倫理観を問われる医療の難しさなど考えさせられる部分は多いながらも、読み終えた時、とても温かな気持ちになるれる1冊だった。

    0
    投稿日: 2024.11.17
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    縁側で日向ぼっこしているかのような温かい雰囲気のお話。終末期医療では何が正解なのか難しい。延命治療は受けたくない人もいるし、でもそれが家族の事となるとそれでいいのかと悩みます。 大学病院の凄腕医師だったマチ先生。家族を亡くした甥を育てる為に原田病院で働き始め、余命僅かな患者の為に往診しています。マチ先生が深くて広い心で患者さんに対応するする姿がとても良かったです。先生と出会えた患者さんとその家族は幸せだなぁ。その人がいるとなんか安心する、ほっとする、なんかわかる気がします。あと甘党の先生が美味しそうにお菓子を食べるシーンもほっこりしました。たまには和菓子もいいな〜

    19
    投稿日: 2024.11.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大学病院の一流消化器内科医マチ先生は亡くなった妹の息子を育てるため忙しい大学病院を出て地さな地域病院で働くことになった。マチ先生の人間味ある診療はすべての人を温かくする!病気を診るのではなく人を診るという理念!マチ先生のいた大学病院から研修に来た女医の南先生はマチ先生の凄さを数々の診察を経て知っていく!生真面目な南先生はマチ先生のもとで学び、目の前の事だけではなくもっと遠くを診るようになったと南先生の成長を口にする。南先生の目線からも楽しく読み進めることができました!医療関係者の尽力に感謝が深まりました。

    0
    投稿日: 2024.11.10
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    哲学者スピノザを冠するだけあって 神や自然 人間を一体化する様な 哲学的な部分がありますが それがとても読みやすく入ってくるのが 上手いと思います また主人公マチ先生が 甘いもの好きなため 京都の名だたる銘菓が 作中に出てくるがとても楽しい 長五郎餅やら 矢来餅やら 買いに走りたくなりました でもちゃんと終末期の患者と 向き合う姿も書かれて 緊迫した場面もあり 緩急が素晴らしい小説です

    45
    投稿日: 2024.11.07
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    スピノザという哲学者は知らなかった。わたしも原田病院の医者に診てもらいたい。散りばめられた京菓子も魅力的だった。

    7
    投稿日: 2024.11.07
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    父の葬儀の翌日に読み始めた。 作品は父の死を観測させそうで、父の入院中は読めなかった。 京都の美味しいお菓子がたくさん出てくる、お腹の減る小説だ。 夏川先生なので、てっきり長野の物語と思ったら、私がかつて数年住んだ京都が舞台であった。頭に洛中のあちこちを描きながら読み進めることができるしあわせ。 この先生なら大丈夫と思わせてくれる技術を持つマチ先生。人のできることなんてたかが知れている世界で、患者さんや家族に大丈夫だと、安心だと思わせたいと願う先生の真心に、感謝が湧く。 花垣先生、原田病院の先生方と看護師長、患者さん。登場人物も魅力的。 父の死から数日で読むにはなかなか胸の痛むテーマだったけれど、続編を願わずにはいられない、良著だった。 noteを読んだら続編があるとわかり、とても喜んでます! 『夏川草介『スピノザの診察室』刊行記念インタビュー|「相手を思いやる」という当たり前のことが、少しでも広がっていくようなものをこれからも書いていきたい。』水鈴社公式note https://note.com/suirinsha/n/n5319387e789c

    13
    投稿日: 2024.11.06
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    人の人生が感じられる作品でした。 医療従事者を目指している人に是非読んで欲しいと思います。 自分の最期はマチ先生の様な方に看取って欲しいと…。

    23
    投稿日: 2024.11.05
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    物静かでいて情熱的。科学者でいて哲学者でもある。理想的なマチ先生に最期巡り会えたならば、患者としてなんと幸せな事だろう。人の幸せの在り方とは一葉ではない。マチ先生より筆者である夏川先生の診察を受けたい読者は多いだろう。とても柔かな印象。 個人的な体験と持病が絡むが、精神的に病んで発狂して死ぬ事を前提においた生活をし過ぎたなと反省中。肉体的に衰え老いやつれてゆく自身の姿を想定していなかった点に猛烈な傲慢さを覚え恥じ入るばかり。次なる着目点と生活の改善に気付かされた一冊。いつまでも健康な訳じゃない。

    2
    投稿日: 2024.11.04
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    あーまだ読み終わりたくないな、もっと読んでいたいな、と思う心地の良い本。文章が難しいわけでもないけれど惹きつける。自分が有りたいなと思う姿が書かれているからだろうか

    2
    投稿日: 2024.11.02
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    京都を舞台にした、主に終末期医療に携わる人たちの物語。 スピノザとは哲学者のお名前でした。 亡くなる患者さんを診るから暗く重い感じかと思ったら、明るく前向きに全てを包み込むように描かれているのでホッとします。 作者は現役医師ということで、何十年と患者さんとご家族さんに真摯に寄り添われてきたからこんなに優しく広く深いお話が紡ぎ出せるんだなと思いました。 京都を彩る風景・故人が現世に還る8月・京都の甘味(矢来餅、阿闍梨餅、長五郎餅など)も合わさって素敵な世界観で描かれています。 京都五山の送り火。お盆の精霊を送る伝統行事ですが、今ではすっかり観光化されているように感じます。でも「土地の人々は、送り火そのものを見なくても、狭い街路や民家の縁側から茜に染まった夜空を見上げて、静かに手を合わせるのである。」とありました。そういう心根がこの本の隅々で感じられました。 誰かのために、希望の灯りをともしていける人生でありたい。

    88
    投稿日: 2024.11.01
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    京都を舞台に、主に終末医療に関わる病院、そしてそこで働く医師を主人公にした医療小説。 医療小説というと、大病院を舞台に難病やハードな手術に関わる医師たちを描くといったイメージがあるが、ここに描かれるのは、人間らしく日常の中で死を迎えられるようにするには、といったことを描いている。 著者は今も医師として仕事をしていると聞いている。著者自身の「医者とは?」「医療とは?」という考え方が作品の中で登場人物たちに語らせていると感じた。 京都という古都を舞台にしており、柔らかな日常、ゆったりとした時間の流れを感じることができ、作品にぴったりの土地だと思った。

    2
    投稿日: 2024.10.30
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    大好きな夏川先生読み心地がとても良い。もはや何も起きなくても楽しい。 新しく京都を舞台にした作品。いいですね。素敵すぎます。 命をテーマにしてさらっと問題定義をしていただける。

    1
    投稿日: 2024.10.30
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    老人病院・終末期医療について考えた カンファレンスの緊迫した様子・医師の責任ある対応に引き込まれた 地位も名誉も金銭も病気になってしまってば役にたたない 勇気と優しさを持つ事そしてどんな時にも希望を忘れないことを心掛けたいと思う

    1
    投稿日: 2024.10.27
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    星5では足りない。もっと星を付けたい! 最初のページから好きなタイプの小説だなと思ったけど、読み進めるうちにもっともっと好きになっていって最後には星を無限につけたくなった。 マチ先生がすごく魅力的で大好きになったけど、周りの登場人物たちも皆良い! 続き出ないかな〜!!

    1
    投稿日: 2024.10.24
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    第21回本屋大賞第4位 医療ものはずるい。ドラマでもよくあるように命が関わる緊迫した場面にドキドキして、名医が活躍する場面はただただかっこよくて、高確率でおもしろいと思う。 だからもう絶対おもしろいんだろうと高いハードルを掲げながら読み始めたら、冒頭から先生たちのやりとりがコミカルで一気に掴まれてしまった。 そして癖のある医師たちに囲まれながら飄々とやり過ごすマチ先生がとってもいいのです。  この本で特徴的なのは、終末医療を舞台としていて、スピノザの哲学が取り入れられていること。 マチ先生は人の力ではどうにも出来ない状況であっても、努力が必要なこと、幸せに過ごすことができることを信じています。 そんな彼が終末期の患者さんにかける言葉が温かくユーモラスで胸に染みました。

    45
    投稿日: 2024.10.24
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    登場人物がどれも魅力的。主人公は京都の町中の地域病院で働く内科医。独身。一人残された甥と暮らしている。しかしかっては大学病院で数々の難手術を成功させ、将来を嘱望された凄腕医師だった。 京都町中の色々な名所,通り、又京の銘菓が次々と。ちょっとした京都観光も味わえる。 最新の技術と終末期医療。 まったく相反する問題をはらみ、最後はハラハラドキドキ。涙,涙,涙。 これは映画化あり、続編ありかな。

    3
    投稿日: 2024.10.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    まず表紙のイラストがとっても魅力的で、手に取りました。それとおなじくらい、物語のなかの風景、色、味の描写が素敵で、やわらかい雰囲気に包まれたまま読了しました。 マチ先生、わたしも会ってみたいなぁ。 人は必ず生まれたら死んでいくもので、その自然の摂理をいかに捉えるかは考え方によって変わってくるな、と感じさせられました。悲しみに向かっているとも捉えられるし、幸せを積み上げているとも考えられる。わたしはできれば後者の考え方でありたいな。 マチ先生みたいに送り出してくれる人がいたら、たとえ早くお迎えが来るようなことがあっても、自分の人生を肯定できそうな気がして、心があたたかくなりました。

    3
    投稿日: 2024.10.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すごく良い話だし、言葉の紡ぎ方も綺麗。でも年齢が若手か中堅かの違いでやりたい医療は神様のカルテの栗原一止とほぼ同じなような気がして二番煎じな感じも否めなかった。神様のカルテを読んだことがなければ星5つけていたと思う。

    3
    投稿日: 2024.10.19
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    甘ったる過ぎず淡々と情熱的に。 かっこよすぎる医者たちに身震いしそうな。 映画化したら登場人物たちが濃すぎて倒れてしまいそうな笑

    2
    投稿日: 2024.10.19
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    主人公の雄町哲郎がとても魅力的だった。他の登場人物も個性的で魅力に溢れていた。医療現場の決して明るくはない物語ではあるが、京都の風景や和菓子も一役かっているおかげもあって温かい読後感だった。

    1
    投稿日: 2024.10.18
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    夏川草介の医療や患者に対する目線はとても正直で好き。ガツガツ行かず、見放さず。でもこの視点はガツガツを経験しないと出来ない境地。 雄町先生の境遇は守るものがあるという点や大学から離れて民間病院にいるという意味でとても身に染みる。雄町先生のスーパー内視鏡技術からは程遠く、大学からそれほど必要とされていない所は違うけど。 神様のカルテは青臭く頑張る若手医師だけど、こういう中堅が程よく頑張る小説もいい。こういう良さが分かるのは僕が歳とったからかもしれんけど。

    6
    投稿日: 2024.10.18
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    うーん… 私には合わなかった。 深すぎたのかな?もう一度読むべきかな? なんだろう、特に何も感じなかったんだよなぁ。

    1
    投稿日: 2024.10.17
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    ドクターの視線を持って書かれた世界なのでリアリティーがある。そしてまた哲学にも触れられる奥行きのある一冊だった。 長い間待っただけの値打ちがある。

    1
    投稿日: 2024.10.17
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    マチ先生がカッコよすぎだけど、出てくる先生みんな素敵 マチ先生がいてくれるなら死ぬのも怖くない、と出てくる患者さんたちが思うのも分かる それなのに実は内視鏡のエキスパートで大学病院医局メンバーからの信頼も篤いヒーローで甘い物の賄賂に弱い みんな好きになっちゃうよね 続編に期待

    2
    投稿日: 2024.10.16
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    マチ先生みたいな人はいないけれど、私も入院するならこんな病院がいいなぁ。 京都銘菓もとても美味しそうでたまらん‼️

    1
    投稿日: 2024.10.16
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    夏川草介らしい、緊迫した状況下でも、常に安心感のあるゆったりとした時間の流れる主人公の世界。 医療系小説だけど、ドキドキせず読める。 最後はおきまりの感動。 マチ先生シリーズ続くのかな?

    1
    投稿日: 2024.10.16
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    全編にわたってやさしい風が吹いているような小説です 自分もいつかは死ぬのだけど、最期はこの小説の患者さんの様な最期がいいな 最初はマチ先生の患者さんとの接し方が描かれ、途中から准教授の花垣が、茉莉を送り込んでくる。そして茉莉の視点を通した見方も考えさせられる 最後はマチ先生のカッコよさがスピーディーに展開される、本当に面白い本でした

    226
    投稿日: 2024.10.15
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    何となく手に取った本だけど、百年の孤独の後で対照的な静謐さに心が洗われる。 何回も涙出ちゃう。 夏川さんが以前に読んだコロナ禍のお話「臨床の砦」の作者だと後から気づいた。そう、あのときも医療現場の壮絶さに思いを馳せて大変なお仕事本当にありがとうと心から思ったことを思い出した。 主人公のマチ先生、こんな先生が町医者さんには沢山いると信じたい。医療と哲学の融合が私にはちょっと新鮮だったんだけど、人が生きるということ、幸せの話の下り(不治の病の人は不幸なのか的)など読むと、医師という職業は哲学という学問も平行して深く学ぶというのは大事なことなのかもしれないと思っちゃいました。恐かったのは、大学病院の主君制度的記載。昔読んだ白い巨塔はマジモンで、今でもそういう世界なのかと思うと心底恐ろしいとこだと思った大学の医局コエー。ヒエラルキーコエー。 本を読むと、主要人物が何人かいて、大事な人ほどその人のバックグラウンドが気になること多い。何で書いてくれないのだ!と欲求不満になる本も中にはある。でもこの本ではどの人物も人となりの背景はアッサリしたもんだったけど、それが私に余韻の深さを残して心地よい読了感になった。みんないい味出してる。 読後私が勝手に思ったのは、夏川さんが思い描く理想的医療現場がこの物語の中に投影されてるのかなってところ。大学病院(最先端の医療を押し進める)と町の病院(看取りを含む)のそれぞれベクトルの向きが違うんだけど、どちらもとても大事なところというのか。 スピノザは映画化も決定なんですかね? 夏川さんは神様のカルテが有名なんですね、読んだ事ないですがきっと素敵な本なんだろうな。

    22
    投稿日: 2024.10.13
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    スピノザという哲学者の存在を、この小説で初めて知った。スピノザの考え方の影響を受けるマチ先生の言葉は、分かるような分からないような、でもなんとなく安心感があって好きになった。

    1
    投稿日: 2024.10.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2024.10.9 主人公は雄町哲郎という内科医。 大学病院では期待されていた存在だったが、シングルマザーだった味が病死し、1人残された甥と暮らすために原田病院で働くことになった。 雄町先生、花垣先生は性格は全く違うけど、向いている方向が同じ。だからこそ強い信頼関係で結ばれていて、医師としての冷静な判断の仕方がかっこよかった。自分の立場を顧みることなく患者の命を救うという強い意志や希望がみえて、医療関係者はみんなこの気持ちでいてくれたら素敵だなと思う。 花垣先生がボストンの学会に行っていて、不在時に9歳の少年の容態が悪化し、雄町先生にサポートを頼んだ。手術を見守っていた雄町先生ががピンチの時にスッと入り完璧な助手としてサポートしたことで手術は成功。大学病院での立場もあるため、何事もなかったようにスッと退室した。自分に利益は何もないのにかっこよすぎる。威張らない天才医師。アンメットを思い出した。 お盆で主人に早く迎えに来てもらいたいと言う患者に、 “妙な言い方になりますが、がんばらなくても良いのです。 ただ、あまり急いでもいけません。 あっちの世界への道は基本的に一方通行です。年に数日帰って来られるとはいえ、いつても往来ができるわけてはない。となると、この端正な庭もあの美しい東山も、好きなときに眺めることができません。せっかくこちらにいるのですから、あまり急ぐのも、もったいないと思います” “人は無力な存在だから、互いに手を取り合わないと、たちまち無慈悲な世界に飲み込まれてしまう。手を取り合っても、世界を変えられるわけではないけれど、少しだけ景色は変わる。真っ暗な間の中につかの間、小さな明かりがともるんだ。その明かりは、きっと同じように暗間で震えている誰かを気づけてくれる。 そんな風にして生み出されたささやかな勇気と安心のことを、人は「幸せ」と呼ぶんじゃないだろうか。” ”医療がどれほど進歩しても、人間が強くなるわけじゃない。技術には、人の哀しみを克服する力はない。勇気や安心を、薬局で処方できるようになるわけでもない。そんなものを夢見ている間に、手元にあったはずの幸せはあっというまに世界に呑まれて消えていってしまう。私たちにできることは、もっと別のことなんだ。うまくは言えないけれど、きっとそれは…暗間で凍える隣人に、外套をかけてあげることなんだよ”

    1
    投稿日: 2024.10.09
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    グッときました! 色んな考え方があるけれども、素敵な考えだなァと思いました。達観した考えをお持ちだけどマチ先生にも悩みがあり、そこも描写されているところがただ素敵な考えを持っている聖人ではなく地に足着いてる人間なんだなと読んでる途中でふと思わされました。 辻さんのラストコメントはほんとに感動して涙ポロリです 文章も読みやすくてすっと情景が思い浮かんでくる 長五郎餅と金平糖が食べたくなりました

    1
    投稿日: 2024.10.08
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    生と死という重いテーマが根底にあるのに、落ち着いていて優しさに溢れている。 哲学的な話も多かったので、主人公(作者)の考える死生観や幸福論になるほどと感心したり、いまいち理解が難しかったりもした。 不思議な空気感のある作品だなぁと思った。

    13
    投稿日: 2024.10.07
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    映像化しないで欲しい。でも映像化される未来が浮かぶ。映像化されるならマチ先生はアイドルではなく演技派の俳優にして欲しい。 読みながら度々考えてしまった。 大学病院を辞めて町の病院で勤務するマチ先生。 治すための大学病院での医療と、治らない病気と向き合う町の病院での医療。その対比を描いている。…だけではなかった。それだけでも十分なのに、京都という街を描き、甘味についても。 京都の糺の森は私が大好きな場所だ。2年だけ京都に住んだが、幾度となく足を運んだ。あのなんとも言えない神聖な異空間について色々な作家が色々な小説の中で描いているのに出くわすとすごく嬉しくなるが、スピノザでもさらりと、端的に描かれていた。 死について暗くなりすぎず、でも真摯に真正面から描かれていた。 安楽死の認められない日本では死にゆくのも楽ではない。すり減らしながら向き合う医師の存在に感謝した。 マチ先生の、「頑張らなくてもいい、でも急がないで欲しい」という終末期の患者に向けた言葉、「お疲れ様でした」という看取った患者に向けた言葉が心に残った。

    15
    投稿日: 2024.10.05
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    幸福、幸せについて考えさせられた。同じく患者さんと関わる者として、哲朗のように冷静で穏やかで患者にも患者家族にも信頼される人になりたい。

    1
    投稿日: 2024.10.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み始めた時は、どうも目が進まない。 文体が合わないのか?主人公のキャラが冴えないからか?出てくる人が終末期の病人で、人生の終わりを読まされるという基本的に暗い話だからか? と思いながらも、たまに出てくるお菓子(特に長五郎餅。お取り寄せしたい!)に惹かれて、ちょっとずつ読み進めた。 最後に、難しい手術を手助けして成功させる哲郎の姿にスカッとし、南先生とのロマンスの予感にほっこりし、「おおきに、先生」に泣かされ、あー読んでよかった。と思った。 スピノザという哲学者についても初めて知れて、勉強になった。 秋鹿先生は自分と同世代みたいで、ゲームやお酒の趣味が合いそう。 途中でダレかけた時にお酒を飲みつつ読んでいたら、ちょうど飲んでいたズブロッカが本の中に登場してびっくり。あまり周りにこのお酒を飲む人がいないので、嬉しくなった!

    3
    投稿日: 2024.10.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んだだけで大きな気持ちになれる。遠くを見れるようになる。 シリーズ化してほしい!マチ先生と南さんのその後も気になる…スピノザの本を読みたくなった

    2
    投稿日: 2024.10.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「神様のカルテ」で一止先生が大学に帰ってしまったので継続困難となったようで場所も長野から京都に変えて主人公雄町哲郎は町医原田病院に勤める消化器内科医、今消化器内科医は病院のホープだ、何しろメスを使わず腹腔鏡下手術で直してしまう凄腕医師と来た、おまけに亡き妹の忘れ形見龍之介と暮らすアラフォー。このシリーズで予想される物語の伏線が盛り込まれている、おまけに南先生とのロマンスも予想される、このまま3,4作はこのシリーズで続くのだろう、この間見た「あの本読みました」で登場人物の名が銘酒から取っているの分かりました?

    3
    投稿日: 2024.10.01
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    いまさらだけど個人的本屋さん対象。 ・病気を治すという答えのあるゲームと如何に患者と向き合うかという答えのないゲームに対する二項対立 ・いずれがすぐれてるではなく、両者ともに人を助けることであり、自分のフィロソフィーを持ってる人たちが登場人物だから当然もの語りにも温かみがでる。

    1
    投稿日: 2024.10.01
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    神様のカルテの著者の作品 Drコトーにつながるシチュエーションだが 現代の医療状況をうまく伝えている ほんとに長生きすることが幸福なのか 人生100年時代 長生きリスクが気になっている 続編に期待

    1
    投稿日: 2024.09.30
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    医者とは、病気をみるのではなく人間を見る。科学者と哲学者の資質を持つ、という箇所に納得させられる主人公のストーリー。尊い職業だと改めて感じました。

    1
    投稿日: 2024.09.30
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    心温まるお話しでした。 大学病院から原田病院に移ってきた、消化器内科の雄町哲郎先生。 妹が亡くなった為、甥を引き取って一緒に暮らしています。 マチ先生は凄い腕の持ち主で人間的にも素晴らし人でした。 先輩医師・花垣先生とのやり取り、後輩医師への対応、患者さんとのやり取り、どれもほっこりでき、優しい気持ちになれました。 誰でもいつかは、訪れる死。 急がずその日が来るまで自分らしくいられたら、いいなと思いました。

    3
    投稿日: 2024.09.30
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    京都を舞台として、その地の甘味を大の好物とする医師の物語。 登場人物の輪郭がハッキリしていて魅力的。 哲郎が古巣である大学医局に潜入し、かつての後輩医師の窮地を救う描写は熱かった。その前にかつての先輩医師、花垣との信頼に満ちたやり取りもまた熱かった。 京都に住んでたこともあり、豊かな情景が目に浮かぶ様だった。そんな情景の中にも、想像だにしない命のやり取りがあることにハッとした。

    2
    投稿日: 2024.09.29
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    人間という存在が成立するギリギリの外枠に漂う宇宙 ↑このフレーズ好き 人間は無力だし、有限の中で生きることしかできない。 じゃあ何やっても意味ないじゃん、頑張ったって無駄じゃんって時には嘆く時もあるし、放り投げ出したくなる時もある。でも、無力ってわかっているからこそ、人は努力して一生懸命に生きた時間が、財産になるんだと思わせてくれました。 スピノザの人間観と絡めて物語が進んでいくところが、人間の存在とは?をより深く考えさせてくれて面白かったです! 主人公が町の小さな病院で、病気を治すというよりかは、死を待つ、どのように人生を終わらすのか…と考える患者と向き合い、生命という支配下に置かれ、いわば無力とも取れる中で、たしかに患者に寄り添い存在する主人公に心動きました。

    1
    投稿日: 2024.09.28
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    2024年 本屋大賞候補作品 なんとなく「神様のカルテ」に雰囲気が似てるようなと思ったら、同じ著者の作品だった。 マチ先生のようなお医者さんに看取りしてもらえたら、本当に幸せだろうなぁ。 京都で生活しないとわからないような ちょっとした習慣や食べ物や情景が素敵。 続編もあるといいなー。

    25
    投稿日: 2024.09.28