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スピノザの診察室
スピノザの診察室
夏川草介/水鈴社
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総合評価

898件)
4.4
445
321
76
12
3
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    本屋大賞作品の中で最も気になった作品。 すごく新鮮な世界を見せてもらいました。 医療の世界が明るいものでありますように。

    12
    投稿日: 2024.02.10
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    良かった。京都が舞台の本を読むと京都に行きたくなるな〜。途中でバーに出かけたシーンで、歴史的な建造物は客人のためのいわば骨董品。京都が博物館でないのはそこで人が生きているから。というセリフがあって、だから京都は面白いんだって思った。東京もだいぶ混沌としててカオスだけど京都も同じくだな。次はあえて京都っぽくないところを攻めてみたい。 あと、度々でてくる甘味の数々。。最近甘い物好きなので矢来餅、阿闍梨餅、長五郎餅を制覇したい。 さて本題、医者は科学者と哲学者を行き来するというのは新たな視点だった。その中でも科学も哲学も特異なものを持っている雄町哲郎が主人公。タイトルのスピノザも哲学者で、ちょくちょく哲学の話もでてきて、難しいんだけどまた哲学に関する本を読んでみたいなという気持ちにさせられた。 生死観についてはエンドオブライフ、ライオンのおやつとはまた違った視点での学びが得られた。医者として終末期の患者は、治すことがゴールではなく、ある意味看取ることがゴールで、そこに葛藤を抱えていることがわかった。その中でも哲郎が投げかける言葉は視座が一段上というか、余裕があるからこそのユーモアみたいなものもあってハッとさせられると共に、スッと入ってくるものだった。 もう一つ、花垣とのバディ要素も好きだった。お互いに認め合って、立場は違えど屈託なく議論し合える素敵な関係だった。 ----- 野心はなくても矜持はある 病気が治ることが幸福だという考え方では、どうしても行き詰まることがある。つまり病気が治らない人はみんな不幸なままなのか。治らない病気の人や、余命の限られている人が幸せに日々を過ごすことはできないのか。 理屈の複雑さは、思想の脆弱さの裏返しでしかない。突き詰めれば「生きる」とは、試作することではなく行動することなのである。

    40
    投稿日: 2024.02.10
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    ブク友の皆様の評価がとても良く、絶対新品単行本で買ってやろうと思い、一月末フレックスで少し早めに帰れた日に書店に寄るも、売り切れです!と言われてしまった(-。-; え!?本って売り切れるの!? それとも売り切れるくらいの良書なの!? その翌週、旦那が靴下を購入したいとスポーツ店へ。その一階が書店で、私は欲しい本があるからと書店へ直行! 見つけました!ありましたよ!!! ってなことで、やっとこ手に入れた一冊だったので思い入れも半端なく。 たくさん本を購入したが、一番に読み始めた。 夏川先生の描くキャラ、本当に素敵!!どんどんキャラクターにのめり込んでしまう。 神様のカルテも然り。 この本のマチ先生も強烈に魅力的。 そして京都の街。 私は京都は大好きだ。 何度かガッツリ歩いているのだが、行っても行っても次なる発見がある。 確かに京都は深いのだ! 行ったことのある場所、歩いたところ、次々と映像が頭に思い浮かぶ。 そんな大好きな京都を舞台に、美味しそうなお菓子が好みの甘党のマチ先生。 この本はシリーズ化されそうだな(笑) 永遠に読んでいられそうo(^▽^)o いつも素敵な作品に巡り合わせて下さるブク友の皆様に感謝です!!

    181
    投稿日: 2024.02.09
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    終末期医療の是非を問いかける本。 治らない病で延命を続けることの是非を問いかける作品。 主人公はMDPhDらしく哲学的に、幸せとは、生とはを問いかける。 人は無力な存在だから手を取り合っても世界を変えられるわけでは無いけど、真っ暗な闇の中につかの間小さな明かりが灯る。その明かりは暗闇で震えている誰かを勇気付けてくれる。そんなふうにして生み出されたささやかな勇気と安心を『幸せ』とよぶ。 なんて、素晴らしく勇気付けられる言葉だろうか。

    8
    投稿日: 2024.02.09
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    スピノザの言葉が、良いアクセントになっている。 主人公の悠然としたキャラクターもあり、ゆったりとストーリーが展開して、心地よい余韻を生み出している。是非続編を出してもらいたい。

    21
    投稿日: 2024.02.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本屋大賞ノミネートも納得 既読の夏川作品の中でも一番良かった 79歳まで医師として勤め、82歳で去年急逝した父 大学で哲学を学びたいと受験勉強頑張っている娘 医学(科学)も哲学も元は同じ…と改めて思った 成績が良いからとか、親が医者だから…という理由ではなく、志を持って医師を目指す人が増えて欲しいなぁ〜 「すべてが、決まっているのなら、努力なんて意味がないはずなのに、彼は言うんだ。〝だからこそ〟努力が必要だと」スピノザも一度ちゃんと読んでみようかな

    7
    投稿日: 2024.02.08
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    この作品を手に取ったのは、主人公の働く地域病院が、私の住むいなか町のように、主な患者が高齢者で、認知機能も低下していたり、入院せず、訪問医療を受けている人が多いという設定だからでした。 またこの度久しぶりに著者の作品が、本屋大賞候補作になったことも大きいです。 今回の作品も、患者ありきの医師が主人公であり、医師として凄腕ながら、地域に根ざした治療をおこなっていることに、フィクションながら私のようなシニアにはとても心強い医療だと思いました。 そして実践と研究を兼ね備えた医師に惚れ込まれて、繋がりが絶えない点も現実社会の医療では大変大切なことだと改めて感じます。 著者の人間性と、物語のテーマがうまくマッチした作品です。 昨今の医療小説と一線を画し、今後もこういう作品が読みたいと思います。

    12
    投稿日: 2024.02.08
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    読み終わった今、往来を眺めながら呆然としている。 2時間半ほどでサクッと読めるのに、なんと深い。 よくある医療系小説のような、人の死に向き合って涙するような作品とは全く違う。 むしろ本作では、「誰々は数時間後に、そして誰々は2週間後に亡くなった」など淡々と述べられる。 哲学者「スピノザ」を冠しただけあって、医療者でありながら哲学者でありたい、という著者の祈りが切々と伝わってくる。 主人公とは対照的な人物「花垣」も、医療者・科学者に近いがベクトルは主人公と同じであり、ホッとするし気持ちがよい。 個人的には『神様のカルテ』よりもっと深い感動を覚えた作品だった。

    14
    投稿日: 2024.02.06
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    レンズ磨きは、歯磨きや爪磨きみたいなモンか。いずれ曇る、朽ちると決まっていても、努力してれば澄み渡る。自然の摂理には抗えないけど、自然のままでは生きられない。努力して自分磨きに苦しんで死を迎えたい。

    49
    投稿日: 2024.02.05
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    あまり急ぐのももったいない。お疲れさまでした。 死をそんなふうに感じたことはことはなかった。 よかった。

    6
    投稿日: 2024.02.05
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    「半夏生」 甥との暮らしのために。 将来有望だったからこそ手放したくなかったのだろうが、本人が望んだ事ならば戻ってくる日を待つぐらい出来なかったのか。 「五山」 何もしないのではない。 治療している患者が違えば処置も変わってくるだろうが、方針が全く違うと本当に診ているのか気になって仕方ないだろうな。 「境界線」 生活にかけるプライド。 生きていくためには必要なことかもしれないが、当人から諭されてしまったら誰も言い返せないだろうし納得せざる得ないな。 「秋」 穏やかな死を迎えれた。 無理矢理でも生かすために動くのであれば方法はいくらでもあるだろうが、意思を尊重し向き合い治療するのは難しいだろう。

    4
    投稿日: 2024.02.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    地域病院では最期との向き合い方が主になっていき、大学病院では生の方向に目を向けて治療や技術を広めていく。どちらも大事でどちらにも行くことのできるマチ先生はとても存在自体が大きい。助手で手術に加わって空気を変えた場面、急がなくてもよいと凪のように諭した場面どちらも、その存在の大きさが描かれていた。周りの医師たちとの関係性も楽しい。続編が出たら読みたい。

    8
    投稿日: 2024.02.04
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    夏川草介さん2冊目である ひぶ〜の人生を変えた『神様のカルテ』を読もう読もうと思っていたところでしたが、なにやら評判の良い新作の方を先に読んじゃいました テヘペロ♪ 先ず気になるのはどうしたってスピノザですよね! 17世紀オランダの哲学者ということなんですが、ちらっと調べてみた結果、ちょっとここで簡単にまとめることはできなさそうなくらい深かったw なので本文から 「(スピノザは人間の行動は意思によって決まるわけではないと説きました)こんな希望のない宿命論みたいなものを提示しながら、スピノザの面白いところは、人間の努力というものを肯定した点にある。すべてが決まっているのなら、努力なんて意味がないはずなのに、彼は言うんだ。”だからこそ”努力が必要だと」 これを「医療」に当てはめたのが本作っちゅうことになるかな それにしても大河のような物語だったな〜 なんか不思議なんだよね 医療というとても繊細な現場を描写しているのに雄大で穏やかなんだよね それでいて緊張感は失っていない 緩やかな流れの中にあっても急流や深淵を内包した大河のような物語 そしてとっ〜ても魅力的な登場人物が たくさん出てきて、これはシリーズ化の予感! 早く『神様のカルテ』も読まなきゃ!

    92
    投稿日: 2024.02.04
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    新作が出るたびに、「神様のカルテ」に続くシリーズものになることを期待しているのですが、なかなか叶わず。今回も、良いキャラクターがたくさんで、今後が気になるので、ぜひ続いて欲しいなと思います。 2024/1/3読了 2024年の1冊目

    12
    投稿日: 2024.02.02
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    5 大学病院の最先端医療と地域病院の終末期を支えるホスピス。前者はともすれば病巣のみしか見れなくなり、後者は患者一人一人の顔を見なければ、希望に沿うことはできない。相反するように見えるけど、どちらに重きをおくかであって、どちらも持っていなければならない。お医者様は大変だな。

    3
    投稿日: 2024.02.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「頑張りましょう」 「死なないで」 「生きていてほしい」 ではなく 「あまり急ぐのも、もったいないと思います」 なんて言葉をかけられる人は、どれだけいるのだろう 最期というものはいつか平等に訪れる スピノザに倣えば、これも意思でどうにかなるものではない だからこそ、意思でどうにかできる部分を 自分の「生」を、全うしなければ、と思う 医師の仕事は患者を病気や怪我から救うこと だけど、患者が最期を迎えるときにどんな言葉で、どんな表情で、どんな気持ちで、送り出してあげられるのかもまた、大切なのだろうと思う 現役の医師でもある著者だからこそ書けたであろう、医師としての心の揺らぎや葛藤の描写が胸を打った 花垣先生とマチ先生の多くは語らないけど120%信頼し合っている関係、素敵でした

    14
    投稿日: 2024.02.01
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    京都の美しい背景描写と丁寧な文章。これは本書のテーマである、無慈悲で冷酷な世界で読者の心に光を灯すための作者の心意気ではないだろうか。 医療の力は微々たるもので、人々はいずれ死んでいく運命。安楽死が認められない日本では生きることが苦しみそのものである人たちもたくさんいる。 その人たちの心に寄り添う勇気をもった主人公のマチ先生は、人の幸せに向き合っている。殺伐とした世の中でも周りの人の心に少しの安心を与えること。これが生きることの意味であり人々の本当の幸せに繋がる。長生きすることだけが幸せということではないとこの本は教えてくれている。

    34
    投稿日: 2024.01.31
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    病気を診ても顔は見ないような大きな病院と地域密着型の往診までする病院。どちらが良いということではなくどちらも必要なのだな…と、しみじみ思う。 余命がいくらもない人を励ますのでもなく上手い言葉で気力を上らせる。そんな優しい医療をしてくれる医師に出会えたらそれだけでも不幸中の幸いかもしれない。 延命治療を施して患者が望まないのに繋ぎ止めておく治療が正しいことなのか?ずっと問われ続けている気がする。 結論は出ないことだらけだけどせめて本の中の先生達だけは人の命に慣れないで欲しい。 …最後は泣けました。

    25
    投稿日: 2024.01.28
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    スピノザを知らずに読みましたが、哲学者の名前だったんですね。 哲学的な話があったり手術の緊張感があったりと、勝手にほのぼのした話をイメージしていたのですが面白かったです。 もちろんほのぼのしたシーンもあるし、病院が舞台だとたまにあるドロドロした人間関係があまり出てなかったのも好印象でした。 兎に角マチ先生がカッコ良すぎます! 他にも魅力的な登場人物が多くて楽しめました。 続編が読みたくなりました。

    45
    投稿日: 2024.01.28
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    医局のエースから妹の死をきっかけに町医者に転じ、患者さん一人一人の顔を見据え、人の生や死の尊厳を医師として受け入れ見守る。彼の根底に流れる人生観や医師として様々な経験の中で導き出した人との関わり方は暖かく謙虚でありながら的確。 時にほんの少しだけ人間らしい欲を見せてくれるところや、大の甘党な所も聖人過ぎずいい感じ。 ここのところ己の感情のみに忠実な本を立て続けに読んできたので殊更、人との交流の温かさが身に沁みた。P276〜P277は何度も読み返してしまうほど印象的。 周りを取り囲む人たちも個性的で魅力的。 あぁ、久々に読み終えるのが惜しい1冊に出会えました。パート2お待ちしています。

    7
    投稿日: 2024.01.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    現役医師の夏川草介さん著。 日本のどこでも起こっている小さな病院の日常と、決して聞くことのできない医師の心の声を聴くことができる、大切な一冊。 どう手を尽くしたって寿命はきてしまう、医師には及ばない力だったり、患者への思いだったりが全体から沁みでている。 ーー タイトルの「スピノザ」は17世紀オランダの哲学者。 『人間は無力の存在、”だからこそ”努力が必要』と説いた人物。 その観念を抱きつつ日々診療にあたる医師 雄町哲郎。 抜きん出た技術があったのに、親を亡くした甥の子育てのために街の病院に勤務している。 哲郎は医師であるのに「病気が治ることが幸せ」とは思わない。なぜなら「治らない病気の人は不幸のままなのか?」と思うからだ。 病気であっても幸せの中にいられる人もいるし、逆に生きていても苦しんでいる人もいる……体が健康であっても虐待や性暴力、長年の介護に疲弊など、救いの手が届かないで絶望している人は……。 患者に向きあい、死について考える。 若くして逝った妹の経験が彼の根底を変えた。 医師といっても様々だ。 最新医療に取り組む者、小さな病院で終末期の患者を診る者、これから一人前になろうとする若者、各々に信念がある。 作品に出てくる医師がとても個性的で魅力的だ。クセはあっても悪者はでてこない。 医療の専門用語や診断も医師たちの会話がリアルで(素人には分からないけども)、緊迫した状況でも冷静な態度に正座して読み進めたくなる! そして外せないのが、京和菓子の数々!! これはお取り寄せ案件ですぞ!餅が食べたい、餅! 病院の舞台となる京都の街並みもよいアクセントになっている……が、それより和菓子屋巡りがしたい〜。 患者さんも何人も出てきたが、忘れられない、飲み過ぎのおじいちゃんの辻さん。 良い先生に診てもらえて良かったね…… 自分で線引きできるのも幸せなことではないかな? 自分や身内が病気になったとき、すこし距離をおいて見つめたいときにまた読み返したくなる。 ーー ◼︎印象に残った文章 医師は心の中にニ種類の人格を抱えている(中略)科学者と哲学者という二種類だ。 どんな医者でもこの二つの領域を行ったり来たりしながら働いている。 …… 医療がどれほど進歩しても、人間が強くなるわけじゃない。技術には、人の哀しみを克服する力は無い。勇気や安心を、薬局で処方できるようになるわけでもない。 暗闇で凍える隣人に、外套をかけてあげることなんだよ。 …… 共感と言うのは、心にとってはなかなかの重労働でしてね。とくに悲しみや苦しみに共感するときには、十分に注意が必要です。度が過ぎると、心の容器にヒビが入ることがあります。ヒビだけなら涙がこぼれるのみですが、割れてしまえば簡単には元に戻りません。それを、精神科の世界では発病と定義づけりのです。

    19
    投稿日: 2024.01.25
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    こちらでたくさんの方が勧めておられる 図書館予約はすごい数 Amazonぽちっとな よかったアアああ やはり夏川草介さん どの作品もググっとくる 今回は京都 お餅と観光都市と地域の暮らしと トップレベルの内視鏡手術 往診と看取り 患者に寄り添う姿勢にいつもながら涙する 現実には叶わない願いだけれど 延命だけが医療じゃないとつくづく思う 哲郎先生ガンバ! ≪ 最期には 想いと医療 スピノザへ ≫

    50
    投稿日: 2024.01.25
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    夏川草介さんの「神様のカルテ」シリーズを先に読むか?「スピノザの診察室」を読むか?少し迷いましたが、最近皆さんの評価が高いスピノザに手を伸ばしてしまいました。 まず、ストーリーの背景として描かれている京都の情景が懐かしい。私が良く知っているのはちょうど京都の市電(路面電車)がなくなる頃のこと(何年前のこっちゃ)。 今や全く異なる風景になっているのだと思いますが、作品に出てくる「通り」の名前を見ていると、当時の町並み、色、匂い等が頭の中で再現されるようです。 「神様のカルテ」を読んだときにも思いましたが、夏川さんの作品は嫌な気分になる悪人が出てこない。登場人物は皆さんいい人ばかりなのです。なのでイライラすることがない。 人の死にどうやって向き合うのか?作品では医師としての立場で書いておられるけれど、「一人の人間として」深く考えさせられます。 終末期医療を受けて苦しんでいる人に、「がんばらなくても良いのです。ただ、あまり急いでもいけません」という言葉を告げる主人公。何だかこの言葉がグサリと刺さってしまいました。 もう一つ刺さったのが「たとえ病が治らなくても、仮に残された時間が短くても、人は幸せに過ごすことができる。できるはずだ、・・・・そのために自分ができることは何か、・・・」 作品の中では多くの方々がお亡くなりになるのだけれど、決して落ち込むだけではなく、何となく安心できるというか、自然な気持ちで受け入れることができるというか?不思議な感覚でした。 自分の終末期も主人公のような先生に診てもらいたいものだと考えてしまう。 この作品の登場人物達の輪郭もはっきりとしてきたので、近いうちに続編が出るものと期待しています。 後は、どうでも良い?十年前の思い出話など。 一年弱に渡り「阪急京都線」の「大宮」駅を降り、北に向かって二条城の横を通りすぎ、ちょうど「堀川丸太町」に移転したばかりの予備校に通っていました。街の風景は今や大きく変わっていることでしょう。当時も修学旅行の生徒達が集団で屯していたものでした。しかし、様々な国々から来た観光客を含めて混雑を極めている今の京都にあえて行きたいとは思いません。 この一年弱で徒歩、自転車、バス、市電に乗り、京都の様々なところを訪れることができました。一体何のために京都に通っていたのか?馬鹿だったのですね。予備校に通っている間に市電は完全に廃止されたのを覚えています。その後、大学を出て社会人になり、久しぶりに大文字焼きを観に行った時、地下鉄が走っていることを知って驚いたものです。 当時は、平日の午前中に嵐山や嵯峨野方面へ行くと、観光客などほぼいない状況で、ゆっくりと歩くことができました。流石に渡月橋の辺りにはチラホラと人はいましたが。 しかし、作品に出てくる「甘いモノ」については、何とか「阿闍梨餅」が理解できたのみ。後の美味しそうな甘いモノは存じ上げませんでした。(阿闍梨餅もほんの数年前にその存在を知ったモノです。当時から「生八橋」もあったと思いますが焼菓子の「八つ橋」が京都土産の代表格だったように記憶しています。) そういえば、「京阪三条駅」から「浜大津」までの路線は今でも路面電車なのでしょうか?ひたすら懐かしいです。

    52
    投稿日: 2024.01.24
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    情景も物語もすごく丁寧に描かれていて、目を閉じると気温や自然の音、街の人々の声や感情が伝わってくるようなそんな本でした。続きが読みたくなります。

    20
    投稿日: 2024.01.24
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    僕の語彙力では思ってることを表せないですが 蝉の声しか聞こえない夏の日のような 雪が深々と降ってる冬の日のような 静かで温かい、人と命と向き合ってる 小説だなと思いました。

    8
    投稿日: 2024.01.24
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    何となく気になっていた本。 本屋で1ページ読んだだけで「面白そう」と思い購入。 購入して大正解! とっても温かな医療小説。 マチ先生の技術や観察力も凄いけど、それよりも患者さんに掛ける言葉が素敵。 帯にもある通り「人生の最期にこんなお医者さんに巡り会いたい」って思う。 きっと最期は幸せに旅立てるような気がする。

    26
    投稿日: 2024.01.23
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    雄町哲郎は京都の町中の地域病院で働く内科医である。三十代の後半に差し掛かろうとした頃、最愛の妹が若くしてこの世を去り、一人残された甥の龍之介と暮らすためにその職を得たが、かつては大学病院で数々の難手術を成功させ、将来を嘱望された凄腕医師だった。(e-honより)

    2
    投稿日: 2024.01.23
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    ブク友さん方の間でとても評判の良い本なので手に取りました。 東京の病院から京都市内にある原田病院に転院してきた内視鏡医師の雄町哲郎38歳が主人公です。 マチ先生は三年前に亡くなったシングルマザーの妹の息子の中学一年生の龍之介を一人で引き取って育てています。 マチ先生の愛読書はスピノザの『エチカ』。凄く難しい哲学書です。 マチ先生は本から学んだことを龍之介に教えます。 「人間にできることはほとんどない。それでも努力をしなさい」。 原田病院には個性的な医師が何人かいて、主に終末医療中心の病院のようでした。 そこへ消化器内科五年目の南茉莉(まつり)29歳が入ってきます。 腕利きの内視鏡医師という存在は、先日私も胃カメラ、大腸内視鏡を続けて受けたばかりなので大変気になるキャラクターでした。 私も考えてみると平均寿命まであと二十数年しかないのです。二十数年なんてあっという間に過ぎてしまいそうです。 この本の帯にある宮崎美子さんの 「願わくば人生の最期にはこんなお医者さんに巡り合いたい」という言葉に激しく共感しました。 この話は他人事ではなかったです。 自分の最期をどんなお医者さんに診ていただくかは大問題です。 私の内視鏡をしてくださった先生は、かかりつけ医の紹介の初めての病院での診察でしたがとても好感の持てる方でした。 でも、難をいうと年齢が私と同世代なので最期を診て頂けるのかは微妙な問題でした。 本のストーリーと離れたレビューになってしまいましたが、検査を受けたばかりだったので非常に臨場感を感じました。

    169
    投稿日: 2024.01.22
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    良い。なんと良い医者なのだ。看取ってほしい。 でもやはり栗原一止にはかなわない。 あと、中学1年はそんなにひとりぼっち大丈夫じゃないと思う。

    8
    投稿日: 2024.01.21
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    医療ものといえば夏川草介っていう安定感。 京都が舞台。高齢者中心の地域医療の原田病院の勤務医。でも以前は大学病院のバリバリな内視鏡医という過去もあって設定だけで期待値⤴ 甘党な主人公。京都の3大餅菓子に目がない。この本を読んでいる途中でたまたま阿闍梨餅を頂いて食べた。一見餅?だったが確かにもっちりとした外皮で上品な餡が絶妙においしかった。他の2つも食べたい。

    19
    投稿日: 2024.01.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ブクログでの高評価で気になり手にした一冊 いい!! なにがいいって 登場人物がいい!! まずは主人公のマチ先生 一見やる気がなさそうに見えて 実はやり手。 だったら冷静な先生なのかと言ったら 甘いものに目がない、なんともチャーミングな一面もあって もうすぐに好きになってしまいます また周りを固めているキャラクターもいいんです 豪快で懐の深い院長の鍋島に、 鋭い指摘が俊逸の中将先生、 秋鹿先生の優しい空気感も好きだし、 花垣先生とのやりとりは ニヤニヤしながら読んでしまいました(^^) 人を描くのが上手いんですかね、 ちょろっと出てくる看護師や 後輩の医者までまで好きになってしまいます。 仕事ができる人の話って 読んでいて楽しいです! 龍之介くんや南先生のその後も気になるし すでに続編を読みたくなっています(^^) 先生たちに会いたいです!! また医療について、 いや生きることについて考えさせられました マチ先生がそのことについて ずっと考えていたからでしょう 医療には正解がなく 一緒にじっくり考える時間をもらいました。 医療は進歩し続けている でも『病気が治ることが幸福だという考え方では、 どうしても行き詰まることがある。 つまり病気が治らない人は みんな不幸なままなのかとね。』 『たとえ病が治らなくても、 仮に残された時間が短くても、 人は幸せに過ごすことができる』 『医療がどれほど進歩しても、 人間が強くなるわけじゃない。 技術には、人の哀しみを克服する力はない。 勇気や安心を、 薬局で処方できるようになるわけでもない。 そんなものを夢見ている間に、 手元にあったはずの幸せは あっというまに世界に呑まれて 消えていってしまう。 私たちにできることは、 もっと別のことなんだ。 うまくは言えないけれど、 きっとそれは・・・・・・』 『暗隔で凍える隣人に、 外套をかけてあげることなんだよ』 医療に携わっている作家さんだからこそ 現場を見て、いろいろ感じるんだろうと思いました 実際できることはわずかで。 でもだからといって諦める訳じゃなくて できることをやる それを教えてくれる一冊でした あーマチ先生、近くにいないかな 秋鹿先生の言葉を借りると 話をしていると心が落ち着く先生。 読んでいても安心して読めました マチ先生に見てもらっていれば 大丈夫という気になります さらっと出てくる言葉も絶妙で 末期癌の患者へ向けた 「がんばらなくても良いのです ただ、あまり急いでもいけません」 というセリフはとてもよかったです 私も病気をしたらマチ先生に診てもらいたいな

    121
    投稿日: 2024.01.18
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    読書備忘録795号。 ★★★★★。 超大満足! この方の作品はあまり読んだことが無いので偉そうなことを言えませんが、普段は信州を舞台にした医療小説という印象があります。 この作品は珍しく?京都が舞台! 場所的には大学病院とか銀閣とか出てくるので洛東あたりという印象です。 主人公は地域医療を支える原田病院の内科医雄町哲郎。38歳。まだまだ若い! この病院。胃癌ステージⅣの患者を診る。この夏は越えられないだろう・・・。 アルコールで肝臓がぼろぼろのじいさんが食道静脈瘤破裂で担ぎ込まれる。ただ、お金は無いから最低限の治療にしてくれと懇願する・・・。 入院している患者は高齢者や認知症患者が多い。医療を施すことで病が治ることはなく、元気になって退院する!という訳ではない・・・。 なぜ雄町のような若いバリバリの医者がこのような地域医療を担う病院に? 実は雄町。原田病院に来る前は洛都大学附属病院(モデルは京大附属と思われる)で勤務する凄腕の内視鏡使いだった。 雄町最愛のシングルマザーで頑張っていた妹が病に倒れ他界。残された息子の龍之介くんを引き取る。激務の勤務医では龍之介くんの世話が出来ない。紆余曲折の結果、原田病院にお世話になることになった経歴である。 しかし、雄町はこの病院に移って来て医療に対する考え方が180度変わった。 洛都大学では向き合っていたのは病。病巣。患者の顔を見たことがなかった。身体的な激務が日常だった。 原田病院に来て向き合っているのは患者。人。末期癌患者。高齢者。患者に寄り添い、何がベストなのかを常に考える。精神的な激務が日常となった。 乱暴に言えば医療で人は救えない。寿命は来る。病は寿命という考えもある。 医療のゴールとは? 結果は変えられない中での努力することの尊さ。これがスピノザの哲学なんだそうです。知らんけど。笑 そしてこの作品の重要なパーツ。 そう!雄町は凄腕の内視鏡医であること。このパーツを活かさず何が物語かっ! ということで事件エピソード。 大学時代の雄町のカリスマ上司花垣が渡米中に起きた、超高難度な内視鏡施術。花垣はもしもの時は俺の立場とかそんなことは一切遠慮せずサポートしてくれと伝言して米国に旅立っていた。 かつて雄町の同僚たちが固唾を飲む中、後輩の施術をサポートして見事難局を乗り越えるくだり。サブイボです。雄町がカッコ良すぎる!惚れる! さらに原田病院の同僚たち、大学時代の同僚たちがめちゃくちゃいい味。 さらにさらに、雄町を甘党に設定することで出てくる数々の京都老舗の甘味に興味津々! 神様のカルテすら未読ですが、これもシリーズ化して欲しいと思いましたとさ。

    56
    投稿日: 2024.01.17
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    町医者なのにスーパーDrとまあ良くある話ですが、題の通り哲学が混ざっているので、割と楽しく読みました。

    8
    投稿日: 2024.01.16
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    評判高いので読んでみたけど、ちょっと自分には合わなかった。マチ先生の高い理念はわかるのだが、在宅医療、内視鏡治療、甥っ子のこと、大学時代のこと、全てが浅く書かれてて、淡々と進む内容に入り込めず途中挫折。最後まで読めば書かれていたのかもしれないけど。。。

    4
    投稿日: 2024.01.16
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    人間の生と死について 生きること 仕事のこと 自分はこう考える、こんな考え方があるのか と思いながら読んでいた スピノザの哲学については難しく、少しわかるようなわからないような… 神様のカルテの時もそうだったが、厳しさと優しさで溢れた内容でした( ´∀`)

    10
    投稿日: 2024.01.16
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    人間味があって技術力も高い、こんな町医者がいたら安心だなと思いました。久しぶりに涙しました。会社で読まなくてよかった。

    18
    投稿日: 2024.01.14
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    夏川草介さんの本を初めて読んだのは 2010年「神様のカルテ」でした。 2012年に「神様のカルテ2」 2015年に「神様のカルテ0」を そして、9年ぶりに『スピノザの診察室』を読了。 『スピノザの診察室』を読もうと思ったのは プレスリリースの <医療が題材ですが「奇蹟」は起きません。 腹黒い教授たちの権力闘争もないし、 医者が「帰ってこい!」と絶叫しながら心臓マッサージをすることもない。 しかし、奇跡や陰謀や絶叫よりもはるかに大切なことを、 書ける限り書き記しました> に、思いっきり惹きつけられたから。 夏川さんの作品は『神様のカルテ』しか読んだことがないけれど 激しい医療ドラマの展開ではなく 心に沁み込んでくる優しい作品だろうと 何となく思ってはいましたが <奇跡や陰謀や絶叫よりも大切なもの>のことばを目にしたら それはもう、心の扉を全開にしてこの作品に向き合いたくなるでしょう。 夏川さん自身、インタビューで 「これまでの医療ものの小説では、 治療すること、 それが無理だった時には看取りをすること、 この2つのことにフォーカスを当てて書いてきたんですね。 でも、この2つを見ている限りでは、 辿り着けないものがある。 それは、人は病を得て、あるいは死を目前にして、 「どうやって幸せに生きていくか?」です。 その非常に難しくて怪しい響きのある問いと、 真正面から向き合っていくような小説を書きたかったんです。 この作品は4編の連作短編集で 「幸せとは?」がテーマになっていますが 病を得ても「幸せ」でいることとは…? 私自身、年を重ねるごとに 病との向き合い方に少しずつ変化が起こっているように感じています。 歳とともに病を得るのは自然なこと。 だけど、ただ病と向き合う事に全力を注ぐこと 時間と体力と気力のすべてを病に向けること そのことが自分自身にとってどうなのだろう… そんな時の幸せとは何だろう? そして、幸せだと感じることができるためには 何が必要なんだろう? この本の中に 「今の医療は、分化が進みすぎて、バラバラになりすぎとる」 「外来にいても、入院になっても同じ医者が診れれば、患者も安心やろう。 そしてできれば往診になっても看取りになっても、 ずっと診てきた医者が患者のもとに足を運ぶ医療や」 というフレーズがあります。 本当にそうだわ… 病を得ても幸せだと感じられるように 自分自身で病との向き合い方を選択できるように その時に、一緒に悩み、一緒に歩んでくれる医師がいたら それだけでどんなに心強いだろう。。。 タイトルになっている「スピノザ」って??? 17世紀オランダの哲学者であるスピノザですが 私は全く知らなかった… 主人公であるマチ先生の愛読書がスピノザの著作。 なぜ「スピノザ」なのかについて インタビューの中で夏川さんが語っています。 うまくいかないことばかりの中でも努力をする。 なおかつ、努力とは別に常に希望を持つ。 この2本の柱をきっちりと哲学的に記したのがスピノザである、と私は感じているんです。 要は、「人の幸せはどこから来るのか?」ということですよね。 厭世観であるとか諦観の中に、 なんとかして希望を書き込みたいと考えた時に、 スピノザの遺した言葉が自然と意識の俎上にのぼってくる感覚があったんです。 (引用:Real Sound 夏川草介『スピノザの診察室』インタビュー https://realsound.jp/book/2023/11/post-1487706.html) 『スピノザの診察室』は 夏川さんが現役医師だから書ける世界で さらに、夏川さんが医師になって20年 「神様のカルテ」から15年という時を経たからこそ 生まれた作品なのでは、と思いました。 たくさんのことを感じて これからの自分の”歩き方”について考えるきっかけにもなりました。

    33
    投稿日: 2024.01.12
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    最先端の医療の研究も大事だし、終末期の患者に寄り添う医療も大事。マチ先生は仏様かと思う。人間は儚い生き物。どうにもならない事もある。でもその中でも何かできることをするのだ。そんな考え方は私も好きです。 日々、命と向き合う仕事って改めて尊敬だなと。スピノザの哲学思想がまだよくわからなくて、仏教やら神道と似てるように感じる。多分違うんだろうけど!

    36
    投稿日: 2024.01.11
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    ブク友さんの中でも良い評価が多かったので拝読。 何とも心地よい。読後感が爽やかな作品でした。 よくある医療ものではありますが、かなり哲学的。様々な方面からの学びのお話でした。 話題になった『神様のカルテ』未読で、こちらの著者今回初見だったのですが大変読みやすかったです。全体的に優しくふわっとしていて、私の心をも落ち着かせてくれました。 ただ、私『白い巨塔』で大学病院のあれこれを学んだので、准えながら読み進めてしまい、こんなに良い関係性・関連性はちょっと出来過ぎかなぁと。でも、とても良い作品です。あと、京都行きたくなりますね。

    144
    投稿日: 2024.01.10
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    知っている通りの名前が出てきて京都の街の風景が思い浮かんだ。あと出町ふたばなど有名なお店の名前も出てきた。町医者のマチ先生、患者に寄り添う医師。

    7
    投稿日: 2024.01.07
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    新年1冊目の本でマチ先生に出会えて良かった。冷静で、落ち着いてはいるけれども心の中に熱い物を持っている人には惹きつけられる。 最後に書かれている「人は無力な存在だから〜」は、考えさせられた。この境地に達するのも、自分が辛い思いをしたからこそ。また、他者から賞賛、尊敬されるほどの力があっても救えない事がある事をマチ先生もわかっていて無力を味わったことで表現される言葉なんだと思った。 多くを語らなくても、人に影響を与えられる人になりたい。

    34
    投稿日: 2024.01.07
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    心にグッときた作品でした。 主人公のマチ先生、私もこんな先生に看取られたいと思いました。 ても、マチ先生だけじゃなく周りにいる人たちだって…よき理解者であり、各々の職務を全う出来てるステキな人たちばかりでした。 生活保護に頼ろうとしない患者さんの話は、とくによかったです。 『哲学』とは答えのない難しくてついつい避けてしまいそうだけど、この小説を通して学びたくなりました。 読んで良かった一冊です。

    8
    投稿日: 2024.01.07
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    #読書記録 2024.1 #スピノザの診察室 #夏川草介 2024年1作目から年間ランクインさせたくなる傑作に出会えた。 主人公のマチ先生はある事情で、大学病院の最先端医療の現場から、地域病院の終末期医療の現場へ。医師の仕事でも両者は大きく方向が異なる。マチ先生の生き方は、治療とは、看取りとはという医療の問いの枠組みを超えて、人の幸せの定義に答えを出そうとしている。 最後の患者からのメッセージが、マチ先生におぼろげながらも答えを示してくれた気がした。 登場人物は誰も魅力的なキャラクター揃いで、まだまだ彼らを見ていたい。続編は確定だと思うよ。 余談だけど、マチ先生・龍之介・南・花垣が、銀英伝のヤン・ユリアン・フレデリカ・キャゼルヌに重なって仕方ない。 #ダ・ヴィンチ #プラチナ本 #読書好きな人と繋がりたい #読了

    14
    投稿日: 2024.01.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    素敵な作品に出会えました☆ 著者は現役医師でもあり、小説家の夏川草介さん 夏川さんの人柄が本書を通して滲み出ていて、じわじわと温かく優しい気持ちになっていきます 医療に携わって来た二十年以上の経験をもとに、 京都の小さな地域病院を舞台とし、町の人と生きる本質に誠実に向き合う物語です かつては大学病院で凄腕医師だった主人公のマチ先生 眩しく華やかに見えた世界から遠のき、余命の限られた患者のそばに黙々と足を運んでいる今の在り方に、隔世の感があります しかし自分の腕に決して驕ることなく、今自分の目の前の人とその治らない病気にどうやって付き合って行くかを大事に考えている姿に、心を打たれました またマチ先生の掴みどころがなく、大きく深い人柄、そして甘党という微笑ましい設定に癒されました もうやめてくれ〜と言いたくなる程出て来る和菓子達(阿闍梨餅、長五郎、矢来餅、濃茶金平糖等) 何度あの味を口の中で想像した事か 笑 今も食べたい。。。 スピノザという哲学者は、この世界において人間は無力の存在であるとしつつ、だからこそ努力が必要だと説いた人物です 『病気が治らなくても、残された時間が短くても、人は幸せに過ごす事が出来る』という言葉が出てきます それを知っている著者だからこそ、優しいまなざしで患者と向き合える話を描く事が出来るのでしょうね   読んで良かったと思えた作品です 続編がある事に期待しています 最後に一言 休日に関係なく毎日医療に携わってくださっている方々、感謝の念に堪えません また一日の能登半島地震で亡くなられた方、心よりご冥福を祈ります 怪我された方、避難されている方、心よりお見舞い申し上げます

    127
    投稿日: 2024.01.02
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    泣くやろうなと思ってだけどやっぱり泣いた。 神さまのカルテよりも患者さん一人一人のことを考える感じじゃなかったけど、これまた感動させられる話やった。

    12
    投稿日: 2024.01.02
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    京都の美しい風景と、美味しいお菓子を織り込みながら、医療の本質についても考えさせられる素晴らしい内容でした。

    13
    投稿日: 2023.12.25
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    医学と哲学、対極にあると思える領域を対比させながら融合させる、流石と感じる一冊。 科学からアプローチする先輩の大学准教授と人間からアプローチする中小病院に勤める主人公が、時に協力しながら、誰も踏み込んでいない未知の領域をそれぞれが切り開いていく姿の描き方も見事です。 余談ですが、京都が舞台のこの作品、街の描写もさる事ながら、甘党としては3大餅にも大いに惹かれました。

    12
    投稿日: 2023.12.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み始めはどうしても神カルの栗原先生と重ねてしまって、あれ?そんな年?なんて戸惑いもあったのだけど。 少しずつ丁寧に丁寧に読んでいくうちにマチ先生ワールドにどっぷりと浸っていく。 大学病院で将来を期待されていた医者が、なぜか町の病院の終末医療に携わっている。 医学の進歩に貢献するのも、自宅で家族に看取られながら逝く人を看取るのも、どちらも医者にとっては大切なこと。どちらがどうとは言えない。それぞれにそれぞれの使命感がある。どちらの先にもあるのは人の命。 人の死が人の生活から切り離されて久しい。目の前で消える人の命をほとんどの人は知らない。病院にまかせていくのも悪いことではない、そこにはそれぞれの考えと事情と思いがある。 そんな中でただ自分の家で最期を迎えたいと、迎えさせたい、と願う人もいる。生半可なことではない。人の命を預かる責任と苦しみもある。それでもなお、と願う人によりそうのがマチ先生だ。 京都の街を舞台に、甥っ子と暮らす超甘党のドクター。腕がいいだけじゃない、優しいだけじゃない。大切な人を遺して逝く人の気持ちを知っているからこその、医療。 京都の風景とおいしいお菓子、そして人を想う人の心の温かさ。 ギスギスした攻撃的な毎日に疲れた心にさらりと流れ込む優しい時間。続編早く読みたい。

    7
    投稿日: 2023.12.24
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    良かった! 大学病院から街病院に移り、最先端医療から人を見送る医療へと。 その事に僻まず、前向きに捉え、患者一人一人と向き合う。 医療は凍える隣人に外套をかけてあげること、と医療の捉え方を考えさせられる。 医者仲間や甥との関係も良かった。 続編を期待!

    13
    投稿日: 2023.12.23
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    幸せとは何かを考えさせられる小説 スピノザってなに?と思いながら読みましたが、読んでいくうちになるほどとなりました。 哲学的な内容でもあり、本格的な医療現場の緊張感が味わえるのがとても良かった。 しかし、医療関係の本なのでもっと知識があれば何倍にも楽しく読めると思います。 また、自分で変えられることに努力する必要性を感じさせられました。 確かに、自分でコントロールできないことに努力しても意味がないですからね。

    20
    投稿日: 2023.12.23
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     スピノザ??初めて聞きました!スピノザはオランダの哲学者らしいです。で、スピノザの著書を愛読しているのが、この作品の主人公雄町哲郎ことマチ先生…マチ先生は内科医、大学病院でその将来を有望視されていましたが、甥を引き取ることになったため、大学病院を辞め原町病院に勤務しています。  マチ先生は、その人柄と技術でどこでも頼りされます。特に、原町病院では高齢者や認知症、寝たきり、末期がん…など、治癒を目指しての治療が難しいケースは、患者さんに寄り添うアドバイザー的な立ち位置で接しています。もう頑張れないと訴える高齢の末期患者には、「…頑張らなくてもいい、ただ、急がなくてもいいと…」と、そして生活保護を拒否し自分の手持ちの金額で賄える医療を、と望む高齢患者の願いにも応えるマチ先生…もう、ラストがねぇ…泣かせてくれます!!  そしてその技術を学ぼうと大学病院から週1回、南先生が原町病院を訪れます。私は、マチ先生と、南先生がこのあと、ちょっといい関係になりそうなぁ~そんな続編、期待しちゃいます!

    79
    投稿日: 2023.12.20
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    人間も捨てたもんじゃない。あたたかな気持ちに包まれた。勇気と誇りと優しさを胸に、希望を持てばどんな困難にも立ち向かえる。「たとえ病が治らなくても、仮に残された時間が短くても人は幸せに過ごすことができる」「願ってもどうにもならないことが世界には溢れている。意志や祈りや願いでは世界は変えられない。その事は絶望なのではなく希望なのである」「人間は無力な存在だから、互いに手を取り合わないと、たちまち無慈悲な世界に飲み込まれてしまう。私たちにできることは暗闇で凍える隣人に、外套をかけてあげること」哲郎さんのように生きたいものです。阿闍梨餅は食べたが、矢来餅と長五郎餅まだ。食べたい。

    17
    投稿日: 2023.12.18
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    スピノサは初めて知りました。 こんな哲学を支持する医師が一人でも多く、現実にいることを願いたいものです。 さて、今回は舞台が京都。 本来の物語からは逸れますが、なんといっても、和菓子がいろいろ出てきて刺激的です。お初に知るものもあり、今すぐにでも食べたい!朝生菓子なので宅配は適さない。 少しは人も少ないであろう冬に訪れて、和菓子梯子をする予定。

    21
    投稿日: 2023.12.18
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    私はいま、病院で働いています。 医療従事者になりたいと思ったきっかけは、子どもの頃に読んだ夏川先生の「神様のカルテ」でした。 そんな私が、深く関わりを持った患者さんの死を初めて経験した夜、本屋で出会ったのがこの作品です。 この世には自分の意志では決められないことが沢山ある。けれどもそれは絶望ではない。世界は無慈悲だけれど、その中で手を取り合い、そこに小さな光を宿していく。それが医療なんだ、というマチ先生の言葉に涙が溢れました。 私にできることなんてほんのちっぽけですが、それでも患者さんが「ありがとう」と言ってくれる瞬間が沢山あります。そんな温かさに私は支えられてるし、私も患者さんの心をほんの少し温めることができていたなら、それで十分だと、私はそういう人になりたくてこの仕事に就いたのだと、改めて感じました。 いつだって大切なことに気づかせてくれる、夏川草介先生の作品が大好きです。

    14
    投稿日: 2023.12.18
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    主人公の持つ空気感が、大好き。医療を受ける側としては、作品内にある「外来も入院も往診も看取りも、ずっと同じ医師がみれば『安心』を提供できる」って、理想。実現している/できる/しようとする病院、どれだけあるのだろう。

    8
    投稿日: 2023.12.17
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    ブクログでの評判に刺激され、文庫化を待たずに購入し、さっそく読了。評判に違わぬ傑作。 同著者の『神様のカルテ』が信州松本が舞台なのに対し、本書は京都の町中の小さな地域病院。 この病院も、本庄病院のようにユニークな医者たちで構成されている。 主人公は30代後半で独身ながら、若くして亡くなった妹の忘れ形見甥っ子の龍之介と暮らしている雄町哲朗。 彼の口調がときに栗原一止に少し似てしまうのは、同じ作者のせいか(笑)。 内視鏡を操る腕前は超一流で大学病院では将来を嘱望されていた凄腕の医師だが、龍之介の面倒をみるため、市井の病院に転職。 その辺の経緯を、哲朗は龍之介に語る。 「地位も名誉も金銭も、それが単独で人間を幸福にしてくれるわけじゃない。人間はね、ひとりで幸福になれる生き物ではないんだよ。」と。 哲朗が外来と往診を受け持って接する患者との出会いと別れを描く4編からなっている。 その哲朗の元へ、内視鏡の指導を受けたいと大学から女医の南茉莉が訪れる。 なかなか内視鏡技術が見られない茉莉に、哲朗が語る、「ここの仕事は、難しい病気を治すことじゃなくて、治らない病気にどうやって付き合っていくかってことだから。もともとわかりにくいことをやっているのさ」と。 さらに、胸の内を明かす。 「病気が治ることが幸福だという考え方では、どうしても行き詰まることがある。つまり病気が治らない人はみんな不幸のままなのかとね。治らない病気の人や、余命が限られている人が、幸せに日々を過ごすことは出来ないのか」と。 そんな哲朗を茉莉は「とても大きな人なのだ」と、次第に傾倒する。 この二人、この先どのような関係になってゆくのか、楽しみなところだ。 栗原一止が漱石を愛読するのに対し、これまでの言葉や題名からも判るように哲朗が愛読するのはスピノザ。先輩の花垣准教授に「一流の科学者でありながら、哲学者としても凡庸でない」と評される哲朗。 当時のキリスト教社会から迫害され不遇な人生を送っているスピノザについて、「彼の作品には、辛い人生を歩んだ人特有の、悲壮感や絶望感というものがほとんど無くてね。ずいぶん理不尽な目にあっているのに、ダンテのような愚痴も、ニーチェのような諧謔も見えなくて、理知的で静謐な空気が漂っている」と、龍之介に語る。 そして「こんな希望のない宿命論みたいなものを提示しながら、スピノザの面白いところは、人間の努力という者を肯定した点にある。全てが決まっているのなら、努力なんて意味がないはずなのに、彼は言うんだ。”だからこそ”努力が必要だと」 スピノザと哲朗の境遇とに相似性を重ねる意図が著者にあるのだろう。 大学病院での後輩の難解な内視鏡措置を手伝った哲朗は、大学への復帰も断り、理事長の理念でもある「『安心』ちゅう一番大事なものを提供できる」今の病院でこれまで通り働くことを決める。 医者にできることは、「暗闇で凍える隣人に、外套をかけてあげることなんだよ」と、哲朗が語るこの小説、最終頁の様相からしても、『神様のカルテ』のように、シリーズ化されるのだろう。

    29
    投稿日: 2023.12.16
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    凄腕内視鏡医の哲朗が、妹の死をきっかけに京都の地域病院で働くことに。 高齢の末期癌や認知症などの患者さんがほとんどで、同じ病院と言っても全く違う世界のよう。 治る見込みのない人が不幸なのか、何が何でも治療することがいいのか、様々な問いを投げかけられた。 「世界はどうにもならないことが山のようにあふれているけど、それでもできることはある。」 哲朗の医療との向き合い方から、「幸せ」について考えさせられた。

    49
    投稿日: 2023.12.14
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    地域病院の内科に勤務する雄町哲郎は 大学病院で将来を嘱望された凄腕医師だった。 いまは、小規模病院で患者と向き合い 最良の治療方法を探る毎日。 思想家・スピノザの言葉 「人間にできることはほとんどない。それでも努力をしなさい」 雄町は慢心することなく 「無力な存在」だということを忘れず 日々の診療にあたっているのだろう。 インタビューによると 「1作ではなく、ある程度の長さで書くつもり」 そう話されているので、楽しみに待ちたい。

    12
    投稿日: 2023.12.13
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    本業が医師である夏川さんならではの小説。舞台は地方の病院。名門の大学病院に勤務していたオチ先生が、個人的な理由で地方病院勤務となり、研究職から現場へと活動の場を移す。そして予期せぬ困難な事例を鮮やかに解決していく。 しかし、医師が本業だけあって、専門用語や施術にかかわる表現がリアルすぎる。そして、人間味あふれる医師が地方病院に勤めているが、まれにみる凄腕医師であることは、『神様のカルテ』に通じる気がする。 ミステリー好きには、ひねりがなく物足りなさを感じるかもしれないが、主人公の医師が難しい案件を成功させていくのは、安心感を持って読み進めることができる。読む人の好みによるかもしれない。 京都が病院の舞台となっているので、京都に土地勘があれば、具体的な場所が想定できる。また甘いもの好きという設定から、京都の銘菓が紹介され、それも一つの楽しみだ。

    14
    投稿日: 2023.12.12
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    ド鉄板の夏川さんの医療モノ。 京都の街中の地域病院、〈原田病院〉で働く内科医の“マチ先生”こと雄町哲郎。 かつては大学病院で将来を嘱望された、凄腕の医師でしたが、彼の妹が若くして亡くなってしまい、 1人残された甥と暮らすために大学病院を去り、町医者として働く決意をしたという経緯の持ち主です。 そんなマチ先生の元に、大学准教授の花垣先生の弟子の女性医師が研修と称してやってきますが・・。 『神様のカルテ』シリーズが大好きなので、帯に“『神様のカルテ』を凌駕する傑作”とある為、かなりハードルを上げて読みました。 個人的には“凌駕”とまではいかないものの、心の中に温かいものがじんわり染み渡ってくるような読後感の一冊でございました。 技術重視の大学病院時代と違って、外来だけでなく往診など患者一人一人と真摯に向き合うことになる町病院の医師として、マチ先生の飄々としながらも誠実な姿勢がとても素敵なんです。 高齢患者がほとんどなので、“死”に直面することが多く、テーマは重いのですが視点が温かいので考えさせられつつも優しい気持ちになれるのですね。 何といってもマチ先生のキャラが良くて、人柄は勿論ですが、凄腕の手術テクニックの持ち主なので、話の後半で難しいオペをすることになった後輩医師をサポートする為、こそっと大学病院に入り込み、ささっと凄腕テクでサポートして去っていく場面があるのですが、このさり気なさがカッコいいのですよ。 さらにマチ先生は無類の“甘味好き”という設定なので、京都の美味しそうなスイーツが登場するのもお楽しみ。 私も阿闍梨餅は大好きです!(長五郎餅、矢来餅は食べたことないので、今度京都行った時に食べてみたいな~。) 夏川さんは風景描写もお上手なのですが、本書でも京都の趣きある風情が伝わってきて物語の雰囲気とマッチしているのも良かったです。 主体の視点がちょいちょい変わるのが少し気になりましたが、原田病院の先生方のお話をもっと読みたいので、シリーズ化を希望します~。

    39
    投稿日: 2023.12.12
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     とても良かった。医療現場で起きている患者とその家族、医師の看取りへの向き合い方が自然に、かつ優しく語られている。登場人物もそれぞれが魅力的で、是非続編も出して欲しい。

    10
    投稿日: 2023.12.10
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    まず雄町哲郎という人間にとても魅力がある。 小説を読んでいて、主人公の人柄でその世界に入り込めるかどうかがだいぶ違ってくるのだけれど、コレはまさにソレだった。 神様のカルテもそうだったけれど主人公の優しさや強さや奥深さがとても魅力的で好きだった。 死を意識することで人は大きく成長するのかもしれないけれど、それが良いことなのかどうか?それほどの出来事が無いに越したことはないのだけれど。 自分の意思とは違った形で死んでしまうこと、また生きてしまうこと…。正解は無いかもしれないけれど、自分の思いを最後に分かってくれる人がいたら幸せだろうなと思えた。しかしそれを受け入れるのは医師としてとても複雑であること。 とても考えさせられた。 そしてこの作品の素晴らしさはもう一つ。甘味! お餅が出てくるたびに検索しちゃって。。。わぁ美味しそう¨̮♡へー美味しそうってなっちゃって。。。 もう甘党としては京都に行くしか無いでしょ! 近いうちに訪れることになること間違い無い¨̮♡ そしてとにかく読後感が素晴らしい!!!

    21
    投稿日: 2023.12.08
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    確かな満足。 考えるとこを止められない。 得難い経験。 生活保護を受けて、治療を受けて、まだ生きれただろうに。 でも辻さんにとってそれが正解やったんやろうね。 実績がある先生だからこそ出来たことですよね。 恐らく最初から気付きながら最後まで気付かぬ振りをしていた旦先生もかっこい。

    17
    投稿日: 2023.12.05
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    自分が病に侵された時に、 もし治らない病だった時に、 マチ先生に診てもらいたい。 なんだろう… 心温まる…良い本だった。 気持ちがいい本。

    12
    投稿日: 2023.12.04
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    これはいい作品です。いわゆる「医療モノ」の エッセンスが凝縮されています。 ブラックジャックのヒューマニズム、ドクター X(エックス)の爽快感、白い巨塔の腹黒感、 そしてそこに神様のカルテの清涼感が加えられ ている、という感じです。 大学病院では一目置かれる存在でありながら、 家庭の事情で町の病院に勤務する主人公のお話 です。 その主人公を巡るドラマは、舞台である古都、 京都と相まって、人が忘れてはいけない大事な 事を気づかせてくれます。 題名にもある哲学者、スピノザも読んでみたく なる一冊です。

    7
    投稿日: 2023.12.03
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    理想の医師像。 患者として、このような先生に出会いたい。 その分、医師側からしたら苦悩も多いだろう。 治して生かすだけでなく、どのように看取るか。どこまで治療するか。患者の意思、家族の意思、医療費、看護の負担、そして倫理観。考えれば考えるほどきりがないだろう。 そして、現在の医療の細分化についても、医療の進歩にとっては必要なことかもしれないが、患者の立場としてはどんな病気でも、外来でも入院でも同じ先生に診てもらえたらどんなに安心だろうと思う。

    17
    投稿日: 2023.12.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    また、夏川作品に素晴らしい先生が登場しました! でも、最後は大学病院に戻るのかと思ってました…龍之介君が成長したら戻るのかな?…そういう問題ではないのか… 私は、力ある医師は最前線で活躍してほしい、とも思います。助けられる命があるのだから。 いずれにしても、マチ先生のような方に最期を支えてもらったら、安らかな最期となりますね。

    10
    投稿日: 2023.12.02
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    出来ることは限られている。 生きていると、そんな感想に、どんな人も立ち会うのではないか?、と思わされる。 特に、医師という職業であればこそ、私のような普通の仕事をしている職種より、出来ることの少なさに、日々悩まされている気がする。 死ぬことに向き合う。 最近、自分でも手術を経験したこともあり、何とはなくだけど、一瞬、「生きている感覚」、に対して、心が騒がしくソワソワした体験はあった。 マチ先生。 生きるコトと死ぬコトに真剣に向き合う姿が描かれていた。 正解はない。 だからこそ、小説だと分かりつつも、心を打つ機微が随所に散りばめられてあった。 2話と4話。 読んでる場所がスタバなのに、周囲も気にせずに泣いてしまいました。 涙を我慢なんてムリ。笑 また、いつの日か、マチ先生に会いたい。 あ、花垣先生の物語も、いつの日か。

    12
    投稿日: 2023.12.02
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     京都の町・人を背景に、静かな感動に満たされ、心が浄化されるような素晴らしい物語でした。  医療とは何か、幸せとは何かという根源的な問いの先にあるものを、温かな目線で描いています。  主人公は、訳があって最先端医療現場を離れ、京都の地域病院に勤務しながら、甥(亡き妹の子)と二人で暮らす医師の雄町哲郎38歳。  老成かつ達観したような哲郎の言動や姿勢が、周囲の人間に安心感と希望を与えていきます。  哲郎の医師としての矜持・生き方は、生と死への誠実な向き合い方を教えてくれているようです。  京都の町中の古から続く佇まいと哲郎の人柄がマッチしていて、魅力的な和菓子とそれに目がない哲郎のギャップも愉快です。  加えて、哲郎に憧れる若き医師・南の存在も、未来を明るく照らしてくれている気がします。  現役医師として地域医療に携わる著者だからこその、生・死・命と対峙する経験に裏打ちされた物語でした。奇跡が起きないからこそリアルで、深く温かく胸に刺さりました。

    102
    投稿日: 2023.12.02
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    いい本読んだなぁ。 人はこんなに「いい人」ではいられないけど、マチ先生のようにありたいなと思うし、マチ先生のような人が身近な病院にいたら心強いだろうなぁ。

    24
    投稿日: 2023.12.01
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    「人は無力な存在だから、互いに手を取り合わないと、たちまち無慈悲な世界に飲み込まれてしまう。手を取り合っても、世界を変えられるわけではないけど、少しだけ景色は変わる。真っ暗な闇の中につかの間、小さな明かりがともるんだ。その明かりは、きっと同じように暗闇で震えている誰かを勇気づけてくれる。そんな風にして生み出されたささやかな勇気と安心のことを、人は、『幸せ』と呼ぶんじゃないだろうか」 力を頂ける言葉に会えました。

    17
    投稿日: 2023.11.30
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    夏川氏の著書は何冊も読んでいる。内容の幅が更に広がって来た感がある。コリン作動性クリーぜには驚いた更にアトロピン投与で改善かあ!凄い!第2話は胸にじんときた。医師には科学者と哲学者とあると、そしてどちらも兼ね備えている者が医師なのかもしれない。

    14
    投稿日: 2023.11.26
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     身近な人の死によって、生活だけでなく、考え方や生き方までも大きく変わる時がある。命を救うのが医師であるのだが、人の死にはどうにもならない、治療が届かない、無力感に陥る時もあるだろう。それが身近な人であればなおのこと。  最後まで生き抜くことは、本当に大変で、死は皆に平等に訪れるけど、死に様はいろいろ。そして、それにそっと手を添えてくれる医師が、この物語の主人公です。ほかの登場人物も魅力的で、主人公の語る、哲学的な言葉の数々に涙しながら読みました。

    12
    投稿日: 2023.11.25
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    雄町先生はとても良い先生です。 考えにも共感できるし、よく分かります。 でもやっぱり、私は栗原先生に会いたい!

    7
    投稿日: 2023.11.25
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    「野心は無くても矜持はある」主人公哲郎が、医療とは幸せとは何か、白いものの交じった髪を掻き回しながら日々考えて、目の前の病気と患者に向き合っていく姿勢と言葉選びに感銘を受けます。 日々急変する命のやり取りがある医療現場と、大の甘党である哲郎の好物銘菓達の食欲唆る描写の緩急に心持っていかれながら、馴染みある京都の景色も鮮明に浮かぶ心地良い作品でした。 この物語の冒頭から末尾と同じく、哲郎の言う通り、世界は簡単に変わらないが、思考し行動し続けることで、少し景色は変えられると私も最近思います。 訳がわからないということがわかるだけでも大切とのことなので、衝動買いしたスピノザの本も読んでみようと思います。

    16
    投稿日: 2023.11.24
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    夏川草介さんの本は、言葉が美しく、読んでいるうちに澄み切った空気の自然の中を歩いている様な気にさせられます。医師の世界は自分の環境とは大きくかけ離れたものですが、生きるという事、幸せとは何かと考えさせられる事は、常日頃自分にもあり、共感できる作品でした。

    8
    投稿日: 2023.11.23
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    京都、洛北大学病院のエリート医師だった雄町は、妹が死に甥を育てるため原田病院に転職する。内視鏡の抜群の技術を買われ、大学に戻って来いと先輩から言われるが断る。老人相手の医療の日々。 すごく面白かった。「神様のカルテ」シリーズも物凄く良かったのだけれど、雄町医師にはハゲシク「 こういう人になりたい」 と思わせるものがある。抜群の知識と技量。それを誇らない人格、鷹揚と、泰然自若とした感じ。

    8
    投稿日: 2023.11.23
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    マチ先生が考える「幸せ」とは…これから生きていく上で私の支えになりそうです。ぜひとも、続編が読みたいです。

    7
    投稿日: 2023.11.18
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    理屈なしに夏川草介の本が大好きです。是非2、3、4とつなげて下さい。 一止先生ハルさんはお元気ですか?こちらも期待しております!

    10
    投稿日: 2023.11.16
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    やっぱり私は夏川さんの作品がとても好きだと改めて実感。 毎回、読み進めれば進むほど、気づけば、夏川さんの世界観にどっぷりとハマっていく。 人とは何か 幸せとは何か 死とは何か 夏川草介さんによる京都を舞台にした医療小説 夏川さんと京都というのがまず新鮮でした。 一身上の都合で大学の医局を退職し、町にある総合病院で終末期医療に携わるようになったマチ先生。 読み始めたときは、つかみどころがなく少し戸惑っていた。 先輩医師からの大学の若い研修医の研修を引き受け、ともに仕事をしていくうちに、だんだんとマチ先生の人柄が伝わってくる。 医療の知識や技術はしっかり持っている。 自分のおかれた立場や環境で、学ぶことはたくさんあり、終末期医療を通じで自分は何ができるのかを、どうすることが患者にとって、患者の家族にとって幸せなのかを考えていく。 大学病院のほうが偉いとかそんなことは気にしていない。 『神様のカルテ』の一止先生とは、また違った個性豊かな興味深い人物でした。 一止とマチ先生。アプローチの仕方は違うかもしれないが、考えていることの根本は同じなのではないだろうか。 この作品がシリーズ化されたらとてもうれしい。 そして、出てくる京都の和菓子がとてもおいしそうでした。

    12
    投稿日: 2023.11.15
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    雄町哲郎、38歳、通称マチ先生。 シングルマザーだった妹が亡くなり、1人残された甥の龍之介と暮らす為、大学病院を辞めて京都の原田病院で勤務する事を決意する。 なんと言っても、このマチ先生が魅力的。 若白髪が目立つ髪、甘いものには目がなくて、それでいて医師としては申し分ない力量。 一番惹かれるのは患者に対しての穏やかな声掛けと誠実さ。 最近はダメ医師の話をよく耳にするが、マチ先生は患者の心にきちんと向き合ってくれる。 第四話で、とある患者さんがマチ先生に残した六文字の言葉に胸が一杯になった。 心に染み入る温かな医療小説。

    10
    投稿日: 2023.11.15
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    『神様のカルテ』が信州が舞台だったが、本書は舞台を京都に移し、パートナーがカメラマンの奥さんから、甥の中学生になり、大病院から週末医療が多い大きくない病院に。舞台や主人公が変わっても相変わらずの筆で読ませてくれる。こんなお医者さんにお世話になりたい。

    7
    投稿日: 2023.11.14
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    良い!とても良い!! ほっこりする医療ものの小説というのも良いが、舞台が京都で、地名や名産品が多数出てくるのも良い! 夏川さんの作品はこれで2冊目。 もっと他の作品も読みたいと思える一冊であった。

    10
    投稿日: 2023.11.12
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    医療小説なのに相変わらず色々な植物を散りばめた情景描写やその言葉のチョイスが綺麗な上に京都の銘菓でほっと癒される。読後が清々しい 「神様のカルテ」シリーズで栗原先生をずっと追っかけていたのでこの「スピノザの診察室」で新たな、そして栗原先生に引けを取らない魅力的なマチ先生に出逢えて幸せです。 それにしても「おおきに 先生」にはぐっと胸の奥を掴まれました マチ先生、是非またお会いしたいです!!

    10
    投稿日: 2023.11.10
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    人の死に方は人の生き方。死に方1つで幸せだ不幸だと人生全部を決めつけられる中で、患者の尊厳も医療の発展も考える医者の生き方の苦労は如何程か。私が考えたとてお医者さんの手伝いになりはしない。それは間違いだけど、今はただ私の生き方を考えよう。

    8
    投稿日: 2023.11.10
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    Amazonの紹介より 雄町哲郎は京都の町中の地域病院で働く内科医である。三十代の後半に差し掛かった時、最愛の妹が若くしてこの世を去り、 一人残された甥の龍之介と暮らすためにその職を得たが、かつては大学病院で数々の難手術を成功させ、将来を嘱望された凄腕医師だった。 哲郎の医師としての力量に惚れ込んでいた大学准教授の花垣は、愛弟子の南茉莉を研修と称して哲郎のもとに送り込むが……。 現役の医師ならではの医療や患者に対する考え方や葛藤が、多くの医者のキャラを通じて、散りばめられていました。ズブの素人にとってみれば、どうすることもできませんが、自分にとって何がベストな生き方なのか考えさせられました。 静かな佇まいだけれども芯のある主人公を含め、色々な医者達が描かれていましたが、医学や命の向き合い方が心に響きました。携わっている医者の方々に感謝しないといけないなと思いました。 基本的には、病院を舞台にしていますが、そんなに切迫した雰囲気はなく、24時間稼働していながらも、のほほんと穏やかな時間が流れている雰囲気がありました。 といっても、患者が高齢な人ばかりなので、天に召されるといった辛いシーンは多く登場するのですが、患者さんにとっては良い時間を過ごしたのではと思うくらい、読者としてはそんなに辛い気持ちはなく、淡々と読めました。 後半では、緊迫の手術シーンもあり、前半とは違った空気感があって、世界観にのめり込んでいました。 救える命、救えない命。医者として最大限に発揮しても、思うようにいかない葛藤が、医者達には多く存在します。葛藤がありながらも、目の前の「命」を救おうとする姿に感謝するばかりでした。 ちなみに題名の「スピノザ」ですが、哲学者の名前です。その思想を理解することはなかなか難しいのですが、哲学を好む主人公が、色んな哲学者を通じて、どう医療と向き合っていくのか。 熱血というよりは穏やかだけれども、的確に行動している主人公を見て、人として見習う点は数多くあったなと思いました。そりゃ誰からも愛されていた敏腕医師だなと思うばかりでした。 医師は決して「神」ではありませんが、患者と寄り添う医者達を見ていると、安心感があって、とても頼りになるなと思いました。

    17
    投稿日: 2023.11.08
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    今回もやはり最高だった。 #始まりの木 の古屋指導教官にしても、 #神様のカルテ の栗原先生にしても、 今回の哲郎先生にしても私好みのユーモアがあって最高。 京都の市中にある地域病院を舞台に、 登場人物とのことのやり取りがほほえましい。 今回の哲郎先生は大の甘党ということで、京都のお菓子がいくつも出てくる。 「世の中には死ぬまでに絶対食べておくべきうまいものが三つあるんだ」というぐらい。 食べたくなる~ またなんと40近くの独身の哲郎先生が、 研修に来ている南先生に淡い恋心を持ち始めているような・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・ 逝くと言っても、気軽にはいけませんよ~~~ 旅立った者に送る言葉「お疲れ様でした」 あの辻さんからの「おおきに 先生」は涙が出た。 哲学的なことも哲郎先生が言うと、わかりやすい。

    10
    投稿日: 2023.11.08
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    実は現在叔母が末期がんで入院中。叔父が付き添って看病している。それだけにこの話は泣ける。終末期医療にとって、治らない病気にどう向き合うかという医師の気持ちが患者からしたらありがたい。 人生短くても幸せって感じる時間があればいい。これは妹さんから学んだのだろう。私達の日常にある当たり前の生活を精一杯努力して楽しんでみようと思う。

    10
    投稿日: 2023.11.07
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    地位も名誉も金銭も、それが単独で人間を幸福にしてくれるわけじゃない。人間はね、一人で幸福になれる生き物ではないんだよ。 人間葉どうしようもなく儚い生き物でら世界はどこまでも無慈悲で冷酷だ。だからといってら無力感にとらわれてもいけない。世界にはどうにもならないことが山のようにあふれているけれどらそれでもできることはあるんだってね。人は無力な存在だから、互いに手を取り合わないと、たちまち無慈悲な世界に飲み込まれてしまう。手を取り合っても、世界を変えられるわけではないけれど、少しだけ景色は変わる。真っ暗な闇の中につかの間、小さな明かりがともるんだ。その明かりは、きっと同じように暗闇で震えている誰かを勇気づけてくれるりそんな風にして生み出されたささやかな勇気と安心のことを、人は幸せと呼ぶんじゃないだろうか。 暗闇で凍える隣人に、外套をかけてあげることなんだよ。 面白かった!やっぱ夏川さんの本とか言葉とか考え方とか、考えさせられるところがあるなー。 辻さんとか、鳥居さんみたいな患者のキャラが良いわ。辻さんの最後と思想、かっこええというか、信念があるな。おおきに、先生。ええ言葉や。 あと、秋鹿とのバーのシーンめっちゃ良かった!こういう野戦病院的と言うかそういうバー欲しいな。これはバーテンダーさんがカッコ良すぎるが。そして京都は広いと言うより深い、とても深いってのはいい得て妙やな。 幸せというか、自分にとっても今後どう生きるか、どこで何をして、何を大事にするのか、ほんま考えなあかんな。

    7
    投稿日: 2023.11.05
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    夏川さんの作品は神様のカルテもそうですが、 街の描写が心地よくて、すごく好きです。 内容は爽やかに全てが良い方向に行くので、ストレスなく心地よく、気持ちよく、読めます。 出世やしがらみから離れた、仕事をしたいですね。 サラリーマンの憧れです。

    13
    投稿日: 2023.11.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    医療は人間中心である。『病気を診るのではない。人間を診るのだ』医学部教育で繰り返し提示されるスローガン。これは当然でありながら、医学の進歩は人間中心とは逆の道を切り開いてきた。数字やグラフ、ウイルスやがん細胞と死にものぐるいで向き合う。そうやって切り開いた結果こそが現代の医学である。 主人公の雄町哲朗は大学病院の腕利き外科医であった。妹の死と一人残された甥っ子を引き取るのをきっかけに医局を離れて街の診療所に身を振った。末期がん患者や自暴自棄気味の患者の言葉に軽妙に言葉を繋いで緊張を解くのが雄町の診察の特徴だ。 雄町の元上司の花垣准教授は雄町を次のように語る。 「医者は心の中に2種類の人格を宿している。それは科学者と哲学者だ。大体の医者はその両方を行ったり来たりしている。科学に振り切った俺はアメリカに行って内視鏡を振り回していた。哲学者に振り切った医者は現場で役に立たない。お祈りするか、ひっそりと小説でも書いてる。雄町は科学としても哲学者としても非凡だ。だから誰もがアイツを必要とする。」 人間の意志は何も変えられない。だけど、人間が出来る事をやれば不条理な世界に明かりを灯す位は出来る。それが人間としての優しさであり、幸せなのだと思う。

    7
    投稿日: 2023.11.04
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    大学病院で数々の難手術を成功させ将来を嘱望されながら、訳あって京都の町中の地域病院で働く内科医が主人公の物語。 医療現場を舞台にした小説は数あれど、スーパードクターが華麗な活躍を見せるのでも、院内政治のあれこれを見せられるのでも、ましてや不審死の謎を解明するミステリでもない。 雄町哲郎という消化器内科専門の医師が、医師という仕事の本質に向き合い、人の幸せとは何かと問い続け、自らの道を進んでいく、強く、静かな足取り。人の幸せとはどこにあるのかを考えて考え続ける哲学者のような佇まいの医師の姿に心が癒される。 ーー「お疲れ様でした」 それが、旅立った者に送る唯一の言葉であるーー 過日大切な存在を喪い、あれで良かったのかと後悔ばかりだった私の心に、この言葉は本当に沁みました。美しい装丁と相まって、お気に入りの作品になりました。 雄町先生、またお会いしたいです。

    6
    投稿日: 2023.11.04
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    作者が実際に医者だからこそ書ける、イメージが膨らむ書き方に惹かれました。 あらすじは省略しますが、とにかくマチ先生の独自の哲学の深さと、医者の仕事が単に病の完治だけではないことに起因する苦しみや葛藤が手にとるように感じられます。 私は医療に造詣があるわけではないですが、医者を見る目がいい意味で変わった、とてもおすすめできる作品です。

    7
    投稿日: 2023.11.01
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    私の中では、本屋大賞ノミネート確実だなと思うくらい、圧巻の1冊です!星5以外はあり得ない出来です。本当に勇気とか明日への活力をもらえる作品だなぁと。 物語は地域病院で働く内科医、雄町哲郎。かつては大学医局で将来を期待された医師だった哲郎が、妹の死をきっかけに地域病院で働くことになる。身近な人との死別を経験した哲郎が、地域病院で求める医療とは何なのか…というストーリー。 良いところはいっぱいあるのですが、まず言及すべきはタイトルですね。私もこの作品を読むまでは、「スピノザ」って何?という感覚だったのですが、物語を全部読むと、ストーリーが凝縮されたタイトルなのが分かって、すごく胸が熱くなりました。 2つ目はやっぱり、キャラクターですかね。飄々として掴みどころのない感じの主人公ではありますが、医療に対する熱い思いがあるのが本当に魅力的で良い!また主人公と、対比するようにかつての同僚の花垣先生も、性格は違うけれど、医療に対して熱いのも良い!それと、脇を固めるキャラも、個性あふれるキャラばかりでとても魅力的で、良いキャラしかいません。笑 本作の帯に『「神様のカルテ」を凌駕する傑作の誕生!』という宣伝文句があり、半ば半信半疑で読み進めた感じはありますが、私的にはまさにその通りだったのかなと思います。「神様のカルテ」と比べると、恋愛要素は少なめですが、医療に対しての考え方や死生観なんかがリアルな医師の立場から描かれていて、すごく響きまし、感動しました! この本は読むと絶対、人にオススメしたくなる1冊なので、機会があればより多くの人に手に取って欲しいです!

    115
    投稿日: 2023.10.31
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    奇跡的ストーリーよりもっと身近で親身に 私たちの人生に寄り添い 希望の光で包み込むように 命の在り方を優しく伝えてくれる。 「人の幸せ」を 押し付けるような教えではなく 愛ある気づきを与えてくれる。 やわらかな心で 生にも死にも真摯に向き合える。 過去の痛みにも未来の不安にも 絶望することなく 凛とした強かさで希望を持てる。 生きていくために大切なものを この物語が教えてくれる。 人生に芯が通るような読後でした。 これからを生きていく そしていつかは死を迎える者として 今、出合ってほしい、 多くの命へ届けたい本です。

    16
    投稿日: 2023.10.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    スーパードクターが奇跡を起こして難病や難しい手術を乗り越える話もいいけれど、今作のように静かにやさしく人の命に向き合う姿が美しい物語が好きだ。医師も患者もひとりひとりがちゃんと人間として描かれていて、それぞれの医師という仕事と患者としての病気の向き合い方に共感が持てる。 また、京都という土地が物語に色を添えていて、京都人らしいなあと思わせる振る舞いや、おなじみの名所、おいしそうな和菓子が続々出てくるのも見逃せない。 せわしなさの増す苦しい時代だからこそ、この物語を通してじっくりと命に向き合うひとときを持っていただけたらと思う。

    10
    投稿日: 2023.10.29
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    これほどまでに医学の事をくわしく書いた小説はないと思う。さすが現役医師である夏川さんであるとつくづくと感じました。医療の現場がこれほどまでに大変で困難であるのかと思いました。作中で印象に残ったセリフは「借金は友とし、空腹は敵とせよ。」と「ここの仕事は、難しい病気を治すことじゃなくて、治らない病気にどうやって付き合っていくかってことだから。」納得です。マチ先生の好物の三代もちは甘党としてとの私も食べて見たいです。ラスト近くの内視鏡の手術のシーンはハラハラドキドキの緊迫感あふれるシーンでした。あなたもぜひ読んで楽しんで下さい。感動して下さい。

    23
    投稿日: 2023.10.10
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    【「本物の医師は、科学者でも哲学者でもあるーー」】今は京都で町医者として働く、かつて将来を嘱望された雄町哲郎。誇りと希望を忘れず奮闘する医師が「幸せ」の正体に挑む感動の物語。

    0
    投稿日: 2023.09.26