
総合評価
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powered by ブクログ面白かった!2024年上半期暫定1位!まだ1月中旬だけど!最初、時代とか家系図とか想像しながら読んでいて、私の苦手なタイプかなと思ったけど、一人一人の登場人物のキャラ立てがしっかりされていたから想像しながら読むことができた。私にとって方言は聞き馴染みがなく、読みにくい言葉だったので読み終わるまでに時間がかかってしまい、日を変えることがあったが、途中で気持ちが本から離れることがなく読み終えられて良かったと思う。最後まで読めたからこう思える。序盤で語られている絵の背景やその少年が誰なのか、誰が描いたのかといった謎が解けるまでに、だったらこうだよね、それならこっちはどうだったの?と派生して話が広がっていく。戦争からコロナまで、周りの情景から時代を伝えるのが上手いと思った。「輝き」をお店で見つけられた道生の喜び、これは相手を信じることにも通じている。私にそこまで信じられる何かがあるのかな。久しく絵を描いていない。絵の具すら触る機会がない。絵は心を写すと言うが、いまの私はどんな絵を描くんだろうと気になった。
12投稿日: 2024.01.17
powered by ブクログなんとか直木賞発表までに間に合った。他作品を読んでいないから、比較はできないけれど、ものすごい力作であることは確か。一体この作品を書き上げるためにどれだけの取材と勉強をしたのか計り知れない。 初めの方は、過去の事件を紐解いていくスタイルや、絵画の謎、報道の仕事などが『存在のすべてを』と重なって見えて、比較読みできるかなと思いながらのんびり読んでいたけれど、そこに戦争というワードが絡んできたあたりからゾクゾクした。 登場人物が過去から現在にわたっているので、年表と家系図を作りながら読んでいった。読書ノートも何ページも使って。それだけのスケールがある作品だった。 これは余談だが、明日は直木賞発表前のインスタライブをやるとかやらないとか。文学賞は一般の人たちにはあまり興味を持たれにくいけれど、アイドルという立場を利用して読書や文学の面白さも伝えている作者を尊敬するし、これからも応援したいと思う。
36投稿日: 2024.01.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
無名の画家が描いた1枚の絵で展覧会をしたい。 ある家族の物語。ある記者の物語。ある画家の物語。 ある女の物語。ある男の物語。 同僚、家族、友人、恋人。 人は一人では生きていけない。 画家がいなければその絵が生まれなかったように その画家は周囲の人がいなければ画家として絵を残すこともなかった。 ある評論文で 「現在の著作権法は、著作者を守るためでなく、販売元の利益を守るためにある。本当に著作者を守るのであれば、例えば作家であれば作者の頭の中、構想に著作権を置くべきだ」とあった。 また、別の書である作家は 「わたしは、私が生み出した作品が人々の手に渡れば、世の中の人の手によってどこまでも羽ばたいていけると信じて手放す」 と語っていた。 この本の中では様々の人の視点、心情が時代を超えて描かれるが 道夫視点のシーンはない。 彼が何を思っていたのか。それは障がいを持つことを除いたとしても私たちには難しいだろう。 立場や角度を変えれば見える世界が違ってくる絵画のように 道夫という画家もまたさまざまに見えていいのだとおもった。
12投稿日: 2024.01.16
powered by ブクログ2024-004 いやぁ面白かった。一枚の絵からこんなに話が広がるとは。守谷と吾妻のキャラもしっかり確立されてる。正直、芸能人の書いた本だって甘く見てました。
9投稿日: 2024.01.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
数日かけて読み終え、達成感があった。過去の出来事と現在が順番になっていて、少しずつ繋がっていく過程にわくわくした。1枚でも個展が開けると思えるような絵とはどんなものなんだろうと思った。私自身、芸術や美術はよく分からないが、感情に刺さる、見ると元気になれる絵に出会ってみたいと思った。
7投稿日: 2024.01.15
powered by ブクログ初めて加藤シゲアキさんの本を読みました。 今までアイドルの人が書いた本ということだけで読む気がしなかったので‥‥ ごめんなさい! とっても良かったです。 感動しました。
13投稿日: 2024.01.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初めに言いたいのは自分はNEWSのファンでも、シゲアキ先生のファンでもなんでもない。 だから推しの作品だから花丸100点! と言う感情は一切なくて、ただの一人の本好きとしてめっちゃ面白かった。 無名の画家が描いた一枚の絵。 その絵の展覧会を開催したいと言う所から、この作者が誰なのかを調べるため舞台は秋田へ…… 調べていくと徐々に明らかになる戦前、戦中、戦後の忌まわしい過去。 現代と過去を行き来する話はどうしても読みづらい物が多いけど、この本はそんなことは無く上手い感じに過去の回想が入り、徐々に明らかになる真実が気になって後半は一気読みだった。 芸能人が本を出すと一発屋の事が多いけど、シゲアキ先生はずっと書き続けてるだけあってアイドル業をしながらこれだけの作品を書ききった事が本当に凄いと思った。 毛嫌いせず読んでみて欲しい一冊。
12投稿日: 2024.01.15
powered by ブクログ✼••┈┈┈••✼••┈┈┈••✼••┈┈┈••✼••┈┈┈••✼ 一枚の不思議な「絵」の謎を追い、令和から昭和、大正へ。日本最後の空襲といわれる秋田·土崎空襲。戦争が引き起こした家族の亀裂は、現代を生きる人びとにも影を落としていた。ある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動することになったテレビ局員·守谷京斗(もりやきょうと)は、異動先で出会った吾妻李久美(あづまりくみ)から、祖母に譲り受けた作者不明の不思議な絵を使って「たった一枚の展覧会」を企画したいと相談を受ける。しかし、絵の裏には「ISAMU INOMATA」と署名があるだけで画家の素性は一切わからない。二人が謎の画家の正体を探り始めると、秋田のある一族が、暗い水の中に沈めた業に繋がっていた。1945年8月15日未明の秋田・土崎空襲。芸術が招いた、意図しない悲劇。暴走した正義と、取り返しのつかない後悔。長年秘められてきた真実は、一枚の「絵」のミステリから始まっていた。戦争、家族、仕事、芸術……すべてを詰め込んだ作家·加藤シゲアキ「第二章」のスタートを彩る集大成的作品。「死んだら、なにかの熱になれる。すべての生き物のなれのはてだ」 ✼••┈┈┈••✼••┈┈┈••✼••┈┈┈••✼••┈┈┈••✼ 母の故郷の秋田について調べたことから、日本最後の空襲があったことを知り、それとパブリックドメインを関連づけてここまで書けるとは。 そして直木賞候補に。 本気出しちゃいましたね。 他の候補作は読んでいないので分かりませんが、取れたら嬉しい。 もうアイドルが・・・って言うのは忘れてもらいたい。
10投稿日: 2024.01.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
もう素晴らしい!の言葉しか出てこない読了感です。 いや〜凄いものを読んでしまいました。 登場人物の相関図が複雑で、途中で確認するのに何度かページを戻ったり、メモしたりと読み進めるのに手間とった場面もありましたが そうした事を差し引いても文体、時代背景、物語全体の構成など‥相当勉強し、努力してこの物語を仕上げた事が行間からひしひし伝わって来る物語でした。 又、今このタイミングでそれを書いちゃうの‥? 批判する人や、やいのやいの言う人も出てくるだろうに‥とこちらが心配になってしまうくらいド直球で、真っ直ぐで‥真摯なメッセージに胸が熱くなりました。 アイドルという立場からメディアに警鐘を鳴らす、彼の並々ならぬ信念と覚悟と気迫を感じ、 戦争、社会の抱える闇、芸術、出生の秘密、家族のあり方、生き様 多方面に渡る物語の壮大さにただただ感服し、 もうとにかく心震える、凄みのある 素晴らしい一冊でした。
21投稿日: 2024.01.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
気になっている子がnewsが好きで何か話題作りになればという邪な気持ちで読み始めたが、アイドルと舐めてはいけないと痛感させられました。インタビューでも3年ほどの構想期間を経た作品ということでかなりの長編でしたが、文体も読みやすく過去一夢中になって読んだ本かも知れません。 巻末の参考文献を見れば分かるように凄まじい下調べに裏打ちされた物語でした。油田が一因である土崎空襲や戦時中の自閉症の方への風当たりなどこの本を読んでいなければ気づきもしなかったことが沢山ありました。登場人物が多く有志の方が作った相関図をみながら読み進めました。 展覧会の題名に及位道生の名前を使ったからこそ最後に輝と再会させることができました。いい終わり方だと思いましたし、コロナで音楽ライブをはじめとしたエンタメの必要性が問われましたが、こういった人とひとを繋ぐような役割を果たすこともあるのだと思い知らされました。 「正しさは振りかざすだけの矛ではない。他者を守るための盾でもある。」
8投稿日: 2024.01.14
powered by ブクログ6時間かけて読破しました。 「なれのはて」と言うタイトルのように人間の醜い部分と美しい部分が織り混ざったお話でした。 イサム・イノマタが描いた一枚の絵をめぐって、時代を遡ってその一族の謎に迫るのが面白く、ページを巡る手が止まりませんでした。 戦争へのやるせなさ、人間の弱さと強さ、たくさんの人々の想いが混ざり合ってドロドロとまとわりつくような後味でした。
9投稿日: 2024.01.14
powered by ブクログ加藤シゲアキさん初読みでした。 構成も描写も素晴らしいの一言! こんなにたくさんの点がどうやって繋がるのだろうとワクワクして読みました♪見事に繋がった時は溜め息が出ました。 『なれのはて』の意味には切なくなったけど、終盤は曇り空が晴れたような気持ちに。 かなり勉強されて書かれたんだろうなと。 直木賞ノミネートも納得の作品でした!
27投稿日: 2024.01.14
powered by ブクログ【2024年読了ー4冊目】 天は二物を与えず…というが、加藤シゲアキさんはしっかり頂いちゃってますね! まったく、『人生何周目ですか?』って聞きたくなっちゃう… 「最後の空襲」といわれた当時最大の産油量をほこる秋田県の土崎地区の空襲をめぐる猪俣家の壮絶な物語の過去パート Isam InMmataのサインのある一枚の絵の展覧会を開催したい報道マンたちの現在パート この二つのパートの絡み合い方がとにかく絶妙 そうして明かされていく真実にも胸が熱くなる ラストの「なれのはて」には涙が溢れた… 緻密につくり込まれた社会派ミステリーでもあり、重厚な人間ドラマでもある これだけの歴史的背景や当時の社会情勢等、調べ上げた加藤シゲアキさんに脱帽!
8投稿日: 2024.01.13
powered by ブクログ間に図書館で借りた本を数冊はさみましたが、読了までに2ヶ月かかってしまいました。でも、最後の1/4くらいはいっきに読みました。それまでの疑問がどんどん回収されていくと読み進めずにはいられなかった。読み終わって本を閉じてから涙が溢れてきました。自分はNEWSファンで、時々逆バイアスがかかりますが笑、この本にのめり込んだのは事実。読めない漢字が多くもう少しルビをふってくれる数を増やしてくれるとありがたい。
7投稿日: 2024.01.13
powered by ブクログ加藤シゲアキさんの書籍全てを拝読しているが過去最高傑作だと感じた。 現代と過去のそれぞれの登場人物の葛藤を丁寧に描いておりページをめくる手が止まらなかった。 土崎空襲の描写、勇の涙、八重、、、など悲惨なシーンが多く決して明るい話ではないが最後のシーンはここまで読み切った人だけが味わえるご褒美だと感じた。 戦争や原爆の話を通して人生に絶望し切っていた主人公の守屋が生きる意味を見出せたのは感慨深かった。
9投稿日: 2024.01.12
powered by ブクログ秋田の土崎空襲が背景にある小説と聞き、 読み始めた。 テレビ局の報道部からイベント部に異動になった守谷。 一枚の絵から、思いがけず、太平洋戦争・最後の空襲地となった 秋田・土崎をめぐる、地元名士一族の愛憎を知ることになる。 おもしろい、おもしろいんだけれど、 なんか、みんながいい人で、きれいにまとまった感じ。 普段、いい人ばかりの小説はむしろ歓迎なのだけれど、これだけドロドロの感じで進みながら、肩すかしを食らったよう。 表紙画の意味するところが、読了してよくわかる。 良い感じ。 けれどタイトルの「なれのはて」も、え、そのこと?と 驚く。 それは象徴としてとらえることにするw ただ、テーマであろう、人と人のつながりや哀しみは よく描かれている。 良い編集者や協力者に恵まれたことは当然にしても、 最後は作者の力量。 アイドルの小説と読まずにいたら勿体ない。
10投稿日: 2024.01.12
powered by ブクログ前作『オルタネート』から3年ぶり。満を持して上梓された勝負作を読んでみた。 著者の熱量のようなものが読んでいてひしひしと感じられ、相当気合が入った作品だということはよく分かった。書いてあることはちゃんと伝わるし、一枚の絵からある一族の過去を追っていくという設定も面白い。 特筆すべきは過去パートのリアルさで、登場人物はみな魅力的で、ぶつかり合いや息遣いが聞こえてくるようで大いに楽しめた。 一方で現代パートについては、悪いわけではないんだけど気になるところもいくつか。 まず主人公はそれなりの屈託をかかえているものの、普段は低体温の人物として描かれているため、感情の起伏があまり感じられず、いち読者として感情移入しにくかったように思う。 また、たぶんすべての読者に誤読が無いようにとの配慮だと思うけど、非常に細かい部分まで描写されているのも特徴的。なんだけど個人的にはちょっとToo Muchで、情景や心情を想像する余地が狭まっているようにも感じられた。自分が担当編集者だったら色々赤を入れて直したくなりそう。過去パートではそんなに気にならなかったんだけどな。 それ以外にも報道局内で起きた事件の安易さや、かつての戦争についての解釈など、物足りないと感じる部分はいくつかあったんだけど、やっぱりこのボリュームと熱量は率直に評価したいと思った。
12投稿日: 2024.01.11
powered by ブクログ秋田が舞台。土崎空襲の悲劇的な時代を背景に人間関係が絡まってもつれて現代まで繋がります。重厚で読み応えがありました。秋田弁もいいです。想像しながら読めます。ラストがぐっときました。
11投稿日: 2024.01.11
powered by ブクログ加藤さんの本は「オルタネート」と「なれのはて」の2作しか読んでいませんが。前回作品も今回の作品も直木賞候補に選ばれています。オルタネートは6年前になりますが高校生限定のマッチングアプリを軸に描かれた青春群像劇だったのに対して、今回は1枚の絵にまつわる戦争渦におけるある一族の光と陰を書ききった重厚な物語でした。同じ作者かと思うほど、内容も読みやすさも格段に進化しているし土崎空襲に関しても良く研究していて、ただただ感服いたしました。2024年度最初の読書本として申し分ない作品でした。直木賞、十分狙える作品だと思いました。
15投稿日: 2024.01.10
powered by ブクログ歴史的な背景がしっかりしていて物語に厚みを出している。一枚の絵を軸に物語は進み、最後の方で、物語のタイトルなれのはての意味が明らかになる。久しぶりにひきこまれる小説で、ぜひ他の人に読んでほしいと思った。
6投稿日: 2024.01.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
戦争、家族、正しさとは何かを終始問われていた気がします。 死の原因である石油、でも生きるために石油を求めたり。 後半だったこともあり印象に残ったのは「作品に罪はない。全てが罪になってしまうなら、そちらの方が歪んでいる」 本当に、その通りだと思います。言葉にしてくれたことが嬉しい。 それと、恐らく膨大だっただろう資料から、本業アイドルの合間にこの作品を書くのにどれほどの労力を費やしたのだろうかと。人物関係の複雑さと情報量の多さはかなりのものでしたが、上手くまとめられているものだなと、読んでいて純粋に「すごい」という言葉が口をついて出ました。
6投稿日: 2024.01.09
powered by ブクログ全443ページ。 かなりのボリュームのミステリー 秋田のある資産家一族の壮絶な歴史が謎解きされていく。 これだけの内容をまとめあげた作者の力量に感心するが 私には内容が多岐にわたりすぎて 少々食傷気味。 人間関係も複雑で要相関図。 家族とは?が問われる作品でもある。 最後まで読ませる内容であることは間違いありません。 おもしろかったです。
9投稿日: 2024.01.08
powered by ブクログ1枚の絵画からここまで話が広がっていくとは。 人は地球に還る。 登場人物の関係性が少しややこしかったけれど、複数の視点から語られるパートがあるので段々と理解できた。装丁の石油感も素晴らしい。 直木賞取るんじゃないかな??
7投稿日: 2024.01.07
powered by ブクログ正直あまり期待せずに読み始めたけれど、どんどん面白くなった。ストーリーを全く知らずに読んだので想定外の内容で面白かった。
10投稿日: 2024.01.07
powered by ブクログいやー面白かった。本屋さんで紹介されていてなんとなく手にした本。 一枚の絵から始まるストーリー、一家にまつわる隠された秘密と時代を遡り解き明かされていく真実。そっか、これが「なれのはて」かと、、、 話しのテンポも良く、ぐいぐい引き込まれてます。読後脱力、オススメです。
21投稿日: 2024.01.06
powered by ブクログこれは凄い。著者がアイドルなのにというバイアスがかかったにしても相当凄い。ちょっと読了後の興奮が止まない! 創作にあたって、良い作品を作ろうと試みるのは当たり前なんだけれど、執筆に相当な時間がかかったんじゃ無いかな?読ませる為の努力、飽きさせない努力がビンビン伝わってきた。文体・構成によって、こんなにも強い作品を書き上げることができるんだなと、本作で著者を見る目が180度変わりました。 読み進めている途中からとんでもない小説を書いたなぁと感心してましたが、内容も複雑に入り組んでいてまた良い。これは複雑だからこそ良い。 本棚保管させて頂いて、またじっくり時間をかけて読ませて貰います。迷いなく⭐︎5です。
137投稿日: 2024.01.06
powered by ブクログタレントさんのでしょ?と、甘く見ていました。 私好みの、バッチリ癖に合う作品で、 最初から最後まで、面白く早く続きが読みたいと夢に見るほど。 文章も難しくなく、少し冗長とは思うものの、 すんなりと読めました。 1枚の絵画をめぐる物語、 こんな画家さんがいたら見てみたいなぁ。 出会ってみたいなぁ。
9投稿日: 2024.01.04
powered by ブクログ好みかそうでないかと問われれば好みではないのだけどこれだけの壮大な物語。欲を言えば相関図みたいなのを巻頭につけて欲しかった…それくらい迷子になってしまうので読み進めるのに時間かかった
15投稿日: 2024.01.03
powered by ブクログ・戦時中の病院内の様子や、土崎空襲の様子が鮮明に描かれていて、すごく細かく取材をしたんだろうなと感じた ・物語の構成が、現代の守屋と吾妻の行動起点と、過去の猪俣周辺の人物の描写が交互かつ、それが必ず時系列ではない順番で描かれていて、最後にかけてようやく1つの線として繋がった感覚を読んでいて持った。とても良い構成だと思った、 ・1枚の絵から始まる、絵画の作者やその周りに怒った壮絶なドラマが明らかになる展開に、大満足の内容だった ・なぜ、このレベルの小説が書けるのに直木賞候補になって、それに対して批判する人がいるのかが理解できない
4投稿日: 2024.01.03
powered by ブクログ1枚の絵画から重厚な人間ドラマが絡み合っていく。終戦前夜、秋田県の土崎空襲は「日本で最後の空襲」と呼ばれていた。もしそれが起こっていなければ… 人間はいずれ熱意、執着、嫉妬などの化け物を内包しながらなれのはての姿になる。ある一族のなれのはては壮絶だった。 人間の信念と底力を見せつけられる作品だった。
10投稿日: 2024.01.03
powered by ブクログたった一枚の絵から多くの人々の未来が切り開かれてゆく… あまりに壮大な社会派ミステリ #なれのはて ■あらすじ テレビ局の報道からイベント部へ左遷された主人公は、同僚から一枚の絵にフォーカスしたイベントの相談に乗っていた。事業化や著作権の観点から開催が難しいと上司から却下されるも、実現に向けて絵画の作者について調査を始める。ところが既に作者と思われる人物は行方不明で、作者の兄も焼死体として発見されていたのだった… ■きっと読みたくなるレビュー たった一枚の絵から、戦後の日本社会、秋田の産業を紐解きながら、家族や人間の絆、そしてを報道と芸術を使命を描いた社会派ミステリーです。 シンプルに凄い!よくぞここまで調べた上、エンタメとして書き切りました。そのまま映画になってもおかしくない出来具合、濃厚な一冊でした。 まず物語の壮大さに感服ですよ。現代に残された一枚の絵から、ここまでのストーリーに広がっていくなんて思いもよらなかった。もともとは作者を探していただけなのに、その家族、戦争と産業など、様々な歴史や背景を知ることになる。 そこには人間ドラマがまるっと描かれており、当時の人々の鬼気迫る想いと情熱が伝わってくるのです。特に「なれのはて」に対する様々な価値観と向き合い方には、自分も現代社会を生きる者として考えされました。そしていつのまにか主人公に感情移入をしてしまい、夢中になって読み進めてしまうのです。 しかし、いつの世も人が必死で生きているにも関わらず、戦争はすべてを不幸にしてしまいますね。終わってしまったことは誰にも覆すことはできませんが、なんとも切ない思いに胸を痛めました。 また現代でも度々問題になる、報道の在り方についても警鐘を鳴らしてくる。資本主義とジャーナリズムの狭間で苦悩する者、胡坐を組む者。常に自分事として考えながら、どこに向かって生きていくのかが重要なんでしょう。 ■ぜっさん推しポイント 本作の一番の推しどころは、たった一枚の絵との出会いからすべてが始まるところです。忙しく人生を走り続けていると、つい見落としてしまうこともいっぱいあるのですが、本作の主人公たちが熱意をもってことに当たったことが、多くの人たちの未来を切り開いていきました。 一枚の絵も、「なれのはて」も、いまを生きる我々も、100年先の未来のために何ができるかを考えていきたいですね。
102投稿日: 2024.01.02
powered by ブクログ面白かった。 最初はミステリかと思い、謎解きとしては少し冗長だなと感じていたけど、読み進めていくうちにそうではないとわかった。 イサム イノマタのサインがある一枚の絵について調べていくうちに明るみになっていく過去の悲劇と、その中で育まれた絆の物語に感動した。 ラストシーン、きっとそうなるだろうと思っていたのに、目頭が熱くなった。 良い読書体験だった。シゲくんはすごい。
9投稿日: 2024.01.01
powered by ブクログ分厚めだけどおもしろくて一気に読めた。 戦後から現代まで一枚の絵にまつわるお話。 主要な登場人物に共通していることは、何かを突き詰める熱心さ。大人になると周りの環境に流されがちだけど、自分の信念は大切にしたいと思いました。
8投稿日: 2024.01.01
powered by ブクログ1枚の絵から時代を超えて根の深い事件を追っていく様は面白かった。サイン名のせいで事態が混乱していたり、いろいろと複雑で思わぬ形で繋がったりでなかなか読み応えがあった。また、それで翻弄された2人が最終的に再会したのは感動だった
8投稿日: 2024.01.01
powered by ブクログ元々、アイドルとしての彼のファンであり、全作品読んでいます。前回の直木賞候補となった「オルタネート」は私の中ではイマイチ刺さらなかったのですが、今回は驚くくらい1ページ目から引き込まれた作品でした。 一枚の絵の著作権を調べるところからストーリーが始まりますが、戦争、東北の油田、自閉症、資産家家族など沢山のことが絡み合ってくる。全てにおいて細かい描写がされているので、かなりの下調べやインタビューなどしたのだろうと思うと感服しました。
10投稿日: 2024.01.01
powered by ブクログ食わず嫌いでいてごめんなさい とても骨太で好きなタイプのお話でした 若干 上手く行き過ぎじゃない?なトコもあったけれど そこまで気にならない 過去作も また機会があれば...
9投稿日: 2024.01.01
powered by ブクログオルタネートは軽快でライトな感じで面白かったのですが、この作品は壮大で想像力が駆り立てられる面白さがありました。 今年の最初の一冊がこの作品でよかったーー!っていうくらいの清々しいラストでした。 アイドルとの二刀流でしょ的な感じで読んでない方、ぜひ読んでほしいです!直木賞ノミネートも納得な一冊です。
16投稿日: 2024.01.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2023最後の読了本はこの本になりそうです。 小説現代の一挙掲載でも読んでいたものの、直木賞候補になったので、早々の再読。 読み終えると、ぐっと肩の力が入っていたことがわかる。それくらい後半は一気読みでした。 広義のミステリーでもあり、お仕事小説でもあり、戦争を語るものでもある。 面白かったです。 ネタバレ回避のため、このへんで。
5投稿日: 2023.12.31
powered by ブクログ最初は調べ物をする動機が薄過ぎるな、と思って読んでいたら終盤から怒涛の力強さで、グッと胸にきた。そして最後のページで涙が出た。443ページと長い小説だけど、最後まで読んでほしい。読んでください。
4投稿日: 2023.12.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
シゲアキ先生の本は毎回読んでるけど、毎回レベルが上がっていっている気がする。NEWSも20周年イヤーでちゃんと活動していたのにこのクオリティ、2足のわらじを履いてるとは思えない…… 本作が全体的に重たく感じられていたのと、たまたま「家族」のことを考えているタイミングと重なったのとでたいへんなスローペースで読むことになってしまった。じゃないとしんどくて堪らなかった。 自閉症児が身内にいるので、みちおの特性が描かれはじめたところでサスペンス面以外の凡そを察したけど、それでも「真相」が気になって最後の方はバーーーッと貪るように読んだ。 まさか私が勉強していたアール・ブリュットの分野(記述はなかったけど描写的にこの領域を表現したかったのではと思う)がテーマのひとつになっていたとは全く思わず……びっくりしたけどそこに着目してくれていたのはなんだか嬉しかった。大ネタバレになっちゃうから大きな声で言えないのが悲しいけど、、、
8投稿日: 2023.12.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
NEWSの加藤シゲアキが書いたから&秋田が舞台になっているからというミーハー全開で買ったけれど、そんなこと一切関係なく壮大なとんでもない作品。一気読みしちゃったよ。 そもそも1枚の絵を小説の題材にすることの難しさ。絵の魅力を活字で表すのがどれだけ困難か。そして大正〜戦後の時代背景、石油に関する知識、秋田の風土や言葉…これだけでもどれほどの取材を尽くしたのかが窺い知れる。それをコロナ禍含む現代とうまく繋ぎ合わせる技量。面白いけれど、登場人物の誰に共感するでもないし、ユーモアや分かりやすい感動があるわけでもないし、理解しやすい簡単な話なわけでもない。文体としては、読みやすいとか引き込むというより、引っかかるところがないから止まらずに読める、という気がする。だけど怒涛の後半は感嘆の連続で、何度か「すごい…」と思わず読む手を止めたほど。 先生がいつ、どのくらいの期間で執筆していたのかは分からないけれど、「君が池に落とした石がどのように波紋を広げるか」…この言葉が今はとても重い。これは先生の伝えたい本質ではないと思うけれど。 いくつかご都合主義とか気になったところはあるけれど(吾妻はそんなに思い入れのある絵なのに何で絵を見せるほど親しい谷口に今まで調べてもらうことをしなかったのか?が疑問)、秋田弁もだべの使い方が若干怪しいけれど、そんなの小さい小さい。 あと登場人物の関係性としては、守谷が吾妻と変な関係にならず、愛弓と別れることなかった(何なら同棲するくらい)のがとても良かった!ここに変な恋愛パート入れてきたら一気に興醒めするから。 美しいラストとは裏腹に、「なれのはて」の重さよ。どの代から、誰から運命が狂っていったのか。勇と君衣の束の間の恋がとても素敵だった。 とにかくすごい作品。すごいしか言えない。
7投稿日: 2023.12.29
powered by ブクログジャニタレに興味はないけれど、二刀流の著者はちょっと気になっていて、本作が初読み。終戦前夜の土崎空襲をモチーフにするなど、なかなか渋い設定。思いのほか濃密な人間ドラマになっていた。ただ、シンプルな過去パートに比べ、現代パートはややご都合主義的な展開。所々の蘊蓄が邪魔で、冗長に感じられたのも残念。いずれにしても作家・加藤シゲアキにはこれからも注目していきたい、とは思えた。
20投稿日: 2023.12.28
powered by ブクログ『オルタネート』の名前くらいは知っていましたが、この作者をまったく知らずに、手に取りました。 (知ってたら読みません…すみません) 1枚の絵をきっかけに、読者を大正〜現代まで、壮大なファミリーヒストリーの旅へと連れ出してくれます。 そこに絡む太平洋戦争や東北地域については、恐らく徹底した取材をもとに書かれたのかと…ものすごい説得力がありました。 そして長い距離と時間を旅してたどり着いた物語の終焉には、ただただ感動しかありませんでした。 惜しむらくは、長すぎて一気に読む時間が取れなかった事ですが、それでも最後まで読ませる面白さと表現力に脱帽です。
23投稿日: 2023.12.28
powered by ブクログオルタネートが全くささらず、自分には合わない著者なのかなぁと思っていましたが、これは違いました。 本当に同じ人が書いたのかと疑うくらい、さまざまなテーマが散りばめられており、しっかりとまとまっています。人が生きる上で、正面から向き合っていかなければならないテーマばかりです。 差別、偏見、戦争等、人の弱く醜い部分を巧みに描ききっていると感じますし、「報道の在り方」には強いメッセージ性も感じました。 心から、読んでよかった。
9投稿日: 2023.12.27
powered by ブクログ一枚の絵に隠された謎がどんどんものすごいストーリーに発展して、ページを捲る手が止められなかった。 すごい複雑に絡みついた謎が最後は一本になる。 後半すべての謎が明らかになったときの衝撃がすごかった。 両親が秋田出身なので秋田弁は懐かしい気持ちで読めました。 著者の作品は初めて読んだけど、ほかの作品も読んでみたくなりました。
13投稿日: 2023.12.22
powered by ブクログ直木賞候補ノミネートおめでとうございます! 有名人だから売れている、と思っていたけど全然違いました!! 考えさせられる内容で、発想力で文章力で読んでいて久しぶりに『すごい!』と思う本でした。 さすが!!と思える作家さんです。
14投稿日: 2023.12.22
powered by ブクログ一枚の絵から始まる 運命のミステリー 以前、有川浩さんが加藤シゲアキさんの作品をベタ褒めしていた事を思い出し、機会があったら読んでみたい作家さんでした。 直木賞候補作になった事もあり、手に取り読み始めたところ・・・ 納得の傑作でした。 戦中 戦後の時代背景、秋田県が石油を産出していたために空襲を受けた事、精神疾患、自閉症の事、お酒にまつわる事etc.素晴らしい知見が随所に見られ、作品に深みと幅を持たせているて感じました。 又、意図して、秋田弁を取り入れているところにも好感を持ちました。 「死んだら何かの熱になれる。すべての生き物のなれのはてだ」帯文より このセリフが出てくるまで、この本のタイトルを忘れる程、夢中になって読んでしまいました。 おすすめです。
33投稿日: 2023.12.21
powered by ブクログ一枚の絵と一族の歴史。戦争と現代を行き来し、炙り出した到達点。自分の読みたいものを書けばいいと開き直れた人は強いよね。素晴らしいです。
8投稿日: 2023.12.21
powered by ブクログ親と子、家族、血脈、そしてそれを越えた絆の物語。 複雑な人間関係のなかで起きた悲劇は、実に衝撃的で、苦しくなるほどでした。 人物の心理描写は大変繊細に描かれており、加藤シゲアキ、という作家の力を感じました。
8投稿日: 2023.12.20
powered by ブクログ全員が全員の違う思いがあって、最後には繋がっている。ラストスパートは鳥肌だった。 執筆の才能を心底感じる。
9投稿日: 2023.12.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読後の満足感が凄い。 序盤は猪俣の人間をどうも好きになれなかったのだが最後は輝の人生に思いを馳せどうか幸せで長生きしてくれと願ってしまった。
8投稿日: 2023.12.18
powered by ブクログ全編掲載の「小説現代」で興味を持ち、内容もさほど立ち読みしないまま購入。続きが気になり、どんどん引き込まれていった。絵に纏わる秘密だけでなく、それを追う守谷と吾妻も色々な思いを抱えているところが描かれていて深い話だった。雑誌にはロングインタビューも掲載されていたので、加藤シゲアキがどうやって構想、執筆したのか垣間見れたのも個人的にはおいしかった。
9投稿日: 2023.12.17
powered by ブクログ直木賞候補入ったので読んだ。殺人疑惑のある画家の真相に迫るミステリ小説。 実際に事件のあった大正〜明治時代と、主人公たちのいる現代をいったりきたりしながら真相が徐々に見えてきて面白かった! 著作権法の事や、戦時中の空襲のことなど実際にあった出来事を緻密に物語の中に記されていて著者の博識さと膨大な下調べには恐れ入る……シンプルに勉強になった。 作品でも触れていたテレビ局の闇に対して発売時期がジャ●ーズのあれとかぶってることもあって誤解されてしまうかもしれないとおっしゃってたけど、守谷は守谷で一人の人として見ていたので著者がどう〜とは特に思わなかった。最後は晴れ晴れするラストで良かったです。
8投稿日: 2023.12.17
powered by ブクログ一枚の絵画から始まって時間軸と人間関係が複雑に絡み合う作品。それでもどんどん読み進める事が出来ました。直木賞候補ノミネートおめでとうございます。
8投稿日: 2023.12.17
powered by ブクログすごいなあ、いや、すごいものを読んだ。 メディア、政治、戦争、戦後、障がい、親子関係、令和の日本が抱えてる歪み全部盛りにしちゃって、でもミステリーやバトルや友情や、ジャンプ要素モリモリで。 はーすごい。すごいわシゲアキ先生。 賞取ってほしいなあ、しかもご本人主催のインライ待ち会までしてくれるって! 祝杯を満たすクラフトジンを早速探します!
12投稿日: 2023.12.16
powered by ブクログ1枚の絵を通し謎が解き明かされ、時代を超えて人々が繋がっていく様など、間違いなく素晴らしい作品でした。ラストは感動で、数日間余韻が冷めない状態でした。久しぶりに満足感のある本に出会えたと思っています。
13投稿日: 2023.12.15
powered by ブクログ絵画を軸に繰り広げられるミステリー。 複雑な人間関係が徐々に解き明かされる過程が面白い。 絵画を取り巻く人間模様といえば、ほぼ同時期に刊行された塩田武士さんの「存在のすべてを」がありますが、展開や話の深さは存在のすべてをには敵わないものの、なれのはてはテンポよく読めました。
16投稿日: 2023.12.14
powered by ブクログ主人公の守谷が、一枚の絵画について真相を調べていくうちに、ある一族につながり、誰が描き、その絵にはどんな意味があったのか明らかになっていくという内容。 読み終えたあと圧倒されました。 終戦前後のお話が物語の重要なポイントになっているだけあって、登場人物の心情描写が素晴らしい。現代と終戦前後を行き来しますが、ストーリーが綿密に練られていて、無理矢理感もなく、最後まで楽しむことができました。 加藤さんの本気が見える作品。オススメです!
23投稿日: 2023.12.14
powered by ブクログ時は2019年。テレビ局の報道局に所属していたが、ある事件をきっかけにイベント事業部に異動となった主人公守谷。 イベント事業部で同僚となった吾妻と、吾妻が所持する一枚の魅力的な絵で展覧会を開催する事を計画。 展覧会の開催には作者の許可が必要。 しかし、作者は1960年大晦日に行方不明となり、作者の兄も1960年の大晦日に焼死体として発見される。 展覧会の開催の為に守谷と吾妻が、行方不明と死の真相解明に乗り出す。 が物語のあらすじです。 443ページと重厚感がありますが、読み易く、徐々に物語の真相に迫っていく流れに引き込まれました。 戦争、障害、家族といったテーマを一つ一つ丁寧に描かれており、一冊の本なのに何冊も読んだかの様な満足感がありました。
49投稿日: 2023.12.12
powered by ブクログ本当に素晴らしかった。加藤シゲアキさんの作品は全て読了しているが、この作品は加藤シゲアキさんの力作だと思う。今回も芸能人だからこそ詳しく書くことができる報道についても重要なストーリーの1つである。ミステリーでありながらも戦争の悲惨さも痛感するものだった。中盤から終盤にかけてのストーリーには涙を流してしまうこともあった。土崎空襲のことは全く知らなかったのでとても勉強になった。一枚の絵からここまで壮大なストーリーになるのがすごい。登場人物、そして重要人物が多い作品。タイトルのなれのはてと表紙絵に込められている加藤シゲアキさんの思いは読まないと分からないだろう。物語のキーワードである水芭蕉も花言葉を調べて納得。 読後感も非常に良いので沢山の人に是非読んでもらいたい作品。特に若い世代には読んでもらいたい。そして、メディア化も絶対にして欲しい。
16投稿日: 2023.12.11
powered by ブクログhttps://www.nikkei.com/article/DGKKZO76535160Q3A131C2BE0P00/
3投稿日: 2023.12.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本当に素晴らしかった!! オタクの贔屓目と思われてもしかたないけど、ここにきてこれぞ加藤シゲアキの新骨頂だと思った。 1枚の絵から目まぐるしく展開していって、辛い戦争の描写や戦争によって狂っていった兄弟、恋人等胸を痛める場面も多いが、救いのある結末で暖かい読後感…… 読んでよかった!と思える小説だった。 戦争=してはいけないもの それだけではなくて、色々な局面から戦争によって人生を狂わされた人々がいたことを思い知らされた。 シゲのどこにこんな大作を書く時間があるの!? 本当に謎 どこまでも尊敬しています泣
9投稿日: 2023.12.08
powered by ブクログすごい。NEWSの加藤さんが特に好きな訳ではなく、読み始めた彼の本。今までの作品全部読んだけど、加藤シゲアキって何人いるの?って言うくらい、全然違う物語。そして、作品ごとにうまくなっていく(ただの読者の感想です。上からでごめんなさい)。前作も好きだけど、これは重たくて別の意味で好き。都合良すぎる所もあるかもしれないけど、不幸だけの話より私は好き。だって実話じゃないんだからそれで良い。「なれのはて」では、さらに何か大きな賞をとって欲しい!
15投稿日: 2023.12.05
powered by ブクログ一枚の絵の著作権を確認するために絵の作者を調べていくうちに、だんだんとわからなかったことがわかっていき、色々な伏線が繋がっていくところが面白かった。 加藤シゲアキ氏の作品は、「オルタネート」だけ読んだことがあり、今回が2作品目だが、「オルタネート」より複雑で読み応えがあり、よくこんなお話が考えつくなと思った。 アイドルなのに(と言ったら失礼だけど)、文章力もすごい。他の作品も読みたいと思った。 秋田や新潟に油田があることや、終戦前日の土崎空襲のことなどは、この本を読んで初めて知ることができた。
15投稿日: 2023.12.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
Kindleで読んだ。 テレビ局員・守谷京斗は、同僚の吾妻李久美から祖母の遺品である絵を使って「たった一枚の展覧会」を企画したいと相談され、絵を描いた謎の画家の正体を探り始める。すると、秋田のある一族が暗い水の中に沈めた業に繫がり…。 気づけば夢中で読んでいた。 「手に水芭蕉を持った少年の絵」。 誰しもが胸を衝かれる作品、裏には“ISAMU INOMATA”のサインが。 “どんな人物なのか、どんな人生を歩んできたのか、なぜ絵を描くに至ったか──。” 秋田の土崎空襲のことを恥ずかしながら初めて知った。 秋田に油田があることも。 石油会社の創業一族と空襲。 あと一日早く戦争が終われば、全然違う未来があったのに。 読みながら答え合わせをしていくのがとても面白かった。
10投稿日: 2023.12.02
powered by ブクログ「死んだら、なにかの熱になれる。 すべての生き物のなれのはてだ。」 一瞬で吸い込まれるほどの美しさと、歪みが共存したような不思議な一枚の絵。 ISAMU INOMATA のサイン。 無名の画家の『たった一枚の展覧会』の企画から やがて秋田の石油産業と資産家一族にたどり着く。そこには戦争と、殺人事件の謎も隠されていた。 終戦前日に秋田には最後の空襲があったという。 その土崎空襲で人生を狂わされた家族、兄弟の それぞれの思いとその場面は本当に悲惨。 方言と共にリアルに泥臭く描いてくれた。 「┈┈生ぎてがねばなんねべ!ほじなしになりでが!」 人ならざるものになってしまった狂気。 人間の業と無垢な心。 全てを描ききったシゲ凄いよ!!呼び捨てごめんなさい。 やがて一枚の絵は何処に繋がるでしょう。 ラスト美しかったです。 ゆっくりと、私もその場に立ち会えたような感動をありがとう! 重厚感のあるヒューマンミステリーを、しっかりエンタメとして読ませる文章の巧さに驚きます⟡.·*. 全身全霊が伝わる直木賞本命ではないでしょうか!
23投稿日: 2023.12.01
powered by ブクログいやー、参った。 昭和感漂う大作をアイドルを肩書きとする彼が書いてしまうとは…。 恐れ入りました。 前作が高校生直木賞などで話題となったけど、イマイチ刺さらなかったが、今回はあらすじを読んでこれはと思い手に取ったら大正解だった。 登場人物が多く、人間関係が複雑だから、頭の中で相関図を描きながら読み進めた。 参考文献がとても多く、しっかり調べ上げて書いたことがよくわかり、彼の並々ならぬ努力、思い入れがが伝わった。
49投稿日: 2023.12.01
powered by ブクログ昔描かれた一枚の絵の事から話が始まり、作者の過去の戦争の話など壮大なスケールで書かれている、今までに無い作者の本である。ミステリー要素も含まれており、ハマる人にははまる本であった。
7投稿日: 2023.12.01
powered by ブクログ加藤君の作品を読むのは4作目だが、「ピンクとグレー」や「傘をもたない蟻たちは」は私の評価は低くもういいやと思ってたが、「オルタネート」で見直し、そしてこの作品ではたまげた。いや、素晴らしく重厚なミステリー。戦争や秋田の油田に関してもすごく書き込まれ、また主人公のテレビ局の仕事に関しても、しっかり書き込まれ、薄っぺらいところが全くない。素晴らしい!
9投稿日: 2023.11.30
powered by ブクログもともと、NEWSのファンで読んでいるのも理由だけど、読書好きとしても毎回楽しみなシゲの新作。 1枚の絵を通して明かされている真実。絵に関わる人々の人生。世の中の情勢。時代の変化。そんな内容がうま組み込まれているなと思った小説でした。
12投稿日: 2023.11.30
powered by ブクログ重厚感のある作品。 NEWSの加藤シゲアキというイメージで手に取ったから余計に驚きが大きかった!! 1枚の絵の謎を追うミステリー風の現代パートと、戦争や戦後日本の影を描く社会派風の過去パートが、終盤には絡み合い重いテーマながら読みやすさもある作品でした!
11投稿日: 2023.11.26
powered by ブクログ正直、自分の感覚として「芸術」や「報道」に少し読みづらさを感じていた部分もあって、読むかどうか迷った作品ではございましたが、そうしたことを感じさせないくらいミステリー要素の強い作品で凄く惹き込まれました。 物語は主人公がテレビ局のイベント企画部に異動することから始まります。物語の序盤から、主人公が抱えるトラウマが仄めかされ消極的な行動をとる主人公。しかし、新たな部署で出会った仲間に無理やり絵の展示会企画に巻き込まれることになるというストーリー。 読み進めていくと、怪しげな資産家一族が登場したり、事件が起こったりと多くのミステリー要素が登場するとともに、絵の裏側に秘められた壮大なヒューマンドラマに思わず唸ってしまう作品でした。 評価が少し落ちた原因としては、少し人物の相関図が複雑すぎる+こまめに読んでたこともあって、人物の出生や年齢などを把握するのに少し手間取ったことがあります。この資産家一族の相関図は物語のキーポイントでもあるので、今後読まれる方は是非相関図をメモしながら読まれることをオススメします。
77投稿日: 2023.11.25
powered by ブクログ物語の前半は、少し読みづらく感じました。 文字も専門的な用語が多く、登場人物の関係性も理解するのに少し時間がかかりました。 しかし、後半は読むスピードが止まらないほど面白かったです。
11投稿日: 2023.11.25
powered by ブクログ長かったけど展開が程よく変わり飽きずに読み終えられました。戦争、世襲制、家族、報道メディアの腐敗…など色々なテーマが組み込まれていて筆者の熱量を感じました。
9投稿日: 2023.11.20
powered by ブクログ長い長い時間の流れ、一つの絵がきっかけで作者は一体誰なのか?長い人生にはいろいろドラマがある様に絵にも隠されたドラマがある。読み進めて間もなく」「ああこの二人会えるといいな」と思いつつ読み終えてしまった。素晴らしい作品にしばらくしたらもう一度読み返すことにしよう!
13投稿日: 2023.11.20
powered by ブクログ作者の名前にひかれて、どのような本を書かれてるか気になり読みましたが、とても面白く読みごたえあり、あっという間に読み終えました。
9投稿日: 2023.11.19
powered by ブクログ戦争の悲惨さは伝わってましたが痛々しすぎず、辛くなることなく読めました。決して明るい内容の話ではないはずなのに物語が進むにつれて物語も熱くなり、そして私も熱くなり、とてもパワーがもらえる作品でした。
13投稿日: 2023.11.17
powered by ブクログいい作品でした。 一枚の絵からわかってくる秋田県のある一族の壮絶な過去、少しづつわかってくる真実に引き込まれ読むことをやめられなかった。
10投稿日: 2023.11.14
powered by ブクログ勤務先のテレビ局報道局にはびこる不正を正そうとするが、権力に屈し同社イベント事業部に異動することになった守谷と、そこで出会った吾妻。彼女は祖母から譲り受け心酔する作者不明の不思議な古い絵を使って「たった一枚の展覧会」を実施しようと試みるが、許可を得ようにも作者も権利継承者もわからない。手がかりは絵の裏に書かれた「イサム・イノマタ」の署名だけ。 守谷は元記者としての知見を活かし、謎の画家の正体を探り始めるが、秋田のある一族が闇に葬ろうとした秘密に繋がっていることがわかる。 時は1945年終戦直前、秋田・土崎空襲により、愛する人が犠牲になることに心を傷めた若者がいた。 それが引き金となり、物語は意図しない方向に展開し悲劇は続く。 暴走した正義と、取り返しのつかない後悔。長年秘められてきた真実は、一枚の「絵」のミステリから始まっていた。 戦争は、こうも家族や仕事を狂わせるのかと考えさせる重いテーマで、単純に理解すべきではないと思いながら読み進めた。 最後は予想通りだとは言え、感動するシーンだった。 死んだら、なにかの熱になれる。すべての生き物の成れの果てだ
11投稿日: 2023.11.12
powered by ブクログ読みやすいし、のめり込まさせる?文章が素晴らしいと思います。戦争の話も少し出てきますが、メインではないのでサラっと書かれている感じでした
7投稿日: 2023.11.12
powered by ブクログ「なれのはて」のタイトルのように、すべてのなれのはてを垣間見たような壮絶な作品。ミステリであり、壮大な人々の人生であり、一枚の絵から様々な物語が出来上がりとても面白かった。
37投稿日: 2023.11.09
powered by ブクログ重たいテーマの小説だが、不思議とすんなり読めてしまう。確固たる文章力に裏打ちされた流れるような描写は、時間の経つのも忘れさせてしまうほど。 1枚の絵だけで展覧会を企画することから、著作権問題に繋がり、ひいては秋田の石油会社にまつわる悲劇へと話は紡がれていく。 この作者の小説は初めて読んだが、他の作品も読んでみたいと感じた。
11投稿日: 2023.11.08
powered by ブクログAmazonの紹介より ある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動することになったテレビ局員・守谷京斗(もりや・きょうと)は、異動先で出会った吾妻李久美(あづま・りくみ)から、祖母に譲り受けた作者不明の不思議な絵を使って「たった一枚の展覧会」を企画したいと相談を受ける。しかし、絵の裏には「ISAMU INOMATA」と署名があるだけで画家の素性は一切わからない。二人が謎の画家の正体を探り始めると、秋田のある一族が、暗い水の中に沈めた業に繋がっていた。 1945年8月15日未明の秋田・土崎空襲。 芸術が招いた、意図しない悲劇。 暴走した正義と、取り返しのつかない後悔。 長年秘められてきた真実は、一枚の「絵」のミステリから始まっていた。 戦争、家族、仕事、芸術……すべてを詰め込んだ作家・加藤シゲアキ「第二章」のスタートを彩る集大成的作品。 渾身の作品だなと思えるようなクオリティでした。 加藤さんの作品というと、青春を感じさせるような爽快感の印象があります。ダークな雰囲気の小説もありましたが、基本的に若者を中心としたどこか爽やかさの漂う雰囲気をもつ印象でした。 今回は、それまでの空気感とは違い、戦争や様々な「闇」に切り込んでいて、どんよりと雰囲気に何回も読むたびに「加藤シゲアキ」が書いた小説ということを忘れてしまうくらいでした。それだけ骨太で、心身共に向き合っている印象でした。 軸となるのは、吾妻の祖母が残していた一枚の絵を巡るミステリーです。そして、調べていくうちに垣間見えてくる戦争によって引き裂かれたある家族が浮き彫りになっていきます。また、実際に起きた出来事といった時代背景が上手く絡んでいて、作品として面白かったです。 まさか、戦争の話題へと繋がるとは思いもしませんでした。また、知らなかったことも実際あって勉強にもなりました。 終戦前夜の出来事を全然知らなかったので、まさか秋田に爆弾が落ちていたとは驚きでした。 嘘かなと思ったのですが、実際ネットで調べると、本当に起きていました。 秋田での家族物語はフィクション科と思いますが、実際にあったんじゃないかと思うくらいのリアリティやそれに至るまでの取材量が半端なかったのでは!?と思うくらい丁寧に描かれていました。 現在と過去、調べる側と調べられる側、何が起きていたのか?交互に展開していくことで、徐々に真相がわかっていきます。途中途中、意外な真相が垣間見えていくので、次どうなるんだろうといった飽きさせない工夫も面白かったです。 戦争における家族の物語だけでなく、なぜ守谷がイベント事業部に飛ばされたのか?も描かれています。その理由も、「家族」に関係しており、最終的に大きくつながっているので、どれも読み応えがありました。 守谷の今までの苦悩と吾妻の苦悩。やりたいけど色々な「壁」があり、それらを一つ一つ乗り越えようとする姿は、「メディア」としての責任感もあって、勇ましかったです。 そして、乗り越えた先に見える展開は、予想はついていたのですが、やはり感動ものでした。 男と女、親と子、それぞれの愛情における歪みや嫉妬など色んな感情が絡み合っている心理描写は、色んな「家族」像があるんだなと改めて感じました。 長々と書いてしまいましたが、とにかく加藤さんの新たな一面を開拓したように感じた作品でした。
10投稿日: 2023.11.03
powered by ブクログ面白かった。 通勤電車の中で読んでいたけれど、なんだか勿体無いと感じて喫茶店や静かな場所で読むようになりました。終盤を読みながら喉が渇いたなと手元のお茶に目をやって、でも早く終わりまで追いかけたいと手をつけず読み切ったのが印象に残っています。 戦争と聞くとヒロシマ・ナガサキが挙げられますが、終戦前日、最後の襲撃を受けた秋田のことを初めて知りました。1日終戦が早かったら......と思いながら、登場人物である勇と君衣の話が進みます。主人公は守谷や輝、イサムイノマタな気がするけれど、「報道」というものは秋田や勇のことを広く伝える目的があってもよいのではと思えます。 ラストは、戦争や重い描写が多い中から想像できないような爽やかな風が吹き、自分とすれ違う人それぞれに自身の正義や人生があることを改めて感じるような本でした。
15投稿日: 2023.11.01
powered by ブクログ無名の画家、一枚の絵の正体を辿る壮大な物語。次々明かされる壮絶な真相と、その「なれのはて」に心が震える。作家・加藤シゲアキによるこの大作を色眼鏡で見ることなく正面から受け止めて欲しい。
11投稿日: 2023.10.29
powered by ブクログこれは戦争の記憶の話です。そして戦争は、「普通の人たち」が助長してしまうものです。降り注ぐ石油、業火、夜雨。「人ならざるもの」を強制的に引き出す場面として描くシーンの、(さすがの加藤シゲアキの)描写の鮮明さに畏怖を覚えました。正気を失っていながら正気でいるような、人間の激情に震えました。戦争の惨状を誠実に描くために、それを起こさせる“人ならざるもの”への変貌を必死に描いた様子が窺えます。それはどこでも生まれ、連鎖しうるもの。私たちは選択するのか選択させられているのか、時代の必然に呑まれる人間が有機的に描かれていました。 彼らの関係性は、やるせない時代を象徴している。その力でねじ伏せられ、蹂躙される。 たった1日が大勢の人間の命運を分けた。その運命に飲み込まれた人々に、どうにもならない怒りや憎しみや思惑の果てにそれは姿を顕す。人の道を外れていようと自らの道理が彼らを突き進ませる。それを「人ならざるもの」と言うならば、一体どうしたらそれを止められるのでしょう。 処女作の時から加藤さんは「美しく死ぬ」ということがひとつの人生のテーマとして常に頭のどこかにあるように思います。劇的に熱を込めて、鮮やかすぎる程に人間を書こうとして、こうして創作を通して人生を見つめ直すという営みを何度も繰り返しながら生き、“美しく生きる”という実験をされているようにも感じます。 だからこそ、この物語のきっかけとなる「絵」の説得力に本気で頷くことができるのです。 思い返して考えてみれば、この作品が伝えようとしているのは悲劇ではない。「それでも生きる」という人間のそのものであり、人間の力であり、その熱を伝えようとするエンターテインメントそのものの力の証明に取り掛かっている。芸術(物語)だからこそ社会の中で、人と人との間で、決して二極化できない問いについて心に届けられるはずだと。 人が人生を投じたものは、時空を超えてでも必ず誰かの(あるいは自らにも)支えとなる。まだこの世界を生きる価値がなくてはならない、誰かの生きる意味がなくてはならない。 きっと、エンターテインメントの最前線・最高峰を担う者として、その身をもって「心に届ける」その力と方法を知っているからこそ、溢れるようにこの結末に向かわずにはいられなかったのだと思うのです。
14投稿日: 2023.10.26
powered by ブクログ文芸誌『小説現代』10月号(9/22発売)にて読了。単行本の発刊より早いのと、本作の全編公開の他、加藤シゲアキさんのロングインタビュー、小説の舞台である秋田・土崎空襲現地取材レポートにも興味がありました。 加藤シゲアキさん著作は『オルタネート』のみ読了済でしたが、全く印象の違う壮大な物語でした。 TV局勤務の守谷京斗は、同僚の吾妻李久美が祖母から譲り受けたという、不思議な存在感を放つ作者不明の絵と出合います。この謎の作者を探っていくと、秋田・土崎地区のある一族の隠された歴史と土崎空襲がもたらした悲劇にぶつかるのでした。 1945年8月6・9日の広島・長崎の原爆投下がトドメではなく、秋田市の土崎空襲は、14日夜から15日(終戦の日)未明にかけて、日本石油秋田製油所を目標にされ、多大な被害を受けた最後の空襲の一つとのこと‥。勉強になりました。 一枚の絵の謎を追うミステリーを主軸に、戦争、芸術と著作権、報道と正義、家族‥、全てを詰め込んだ加藤シゲアキさんの本気度と覚悟を感じるとともに、大きく強力な物語の熱量の渦に巻き込まれてしまいました。 たった一枚の絵から始まった物語は、想像を遥かに超えて深く、重かったです。 加藤シゲアキさんが物語に詰め込んだ諸々のこと、これらの行き着く先はどこになるのか? いろいろな意味・対象をもつ「なれのはて」は、ただの没落なのでしょうか? 終着点から起点・経過を振り返ると、結果の有り様や行き着いた状況には、無念さや悲しさ、寂寥の念が強いのですが、個人的には暗いマイナスイメージだけでない、心を強く揺さぶられるほどの重さ・深さがありました。
86投稿日: 2023.10.22
powered by ブクログオルタネートしか読んだことなくて ちょっとよくわかんないな って感想だったから そんなに期待してなかった 非常に疲れたけど わりとよかった なかなか奥深いミステリー でもほんとにすごく疲れたな 重かったし(物理… こんな絵に出会ったことはないし 人生とか価値観を変えられるような そんな何かに出会ったことがないので いいなぁ…と思うし 出会えるといいなぁ…と思う よかったけど 消耗が激しいので 星は3つ
12投稿日: 2023.10.04
