
総合評価
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powered by ブクログ加藤シゲアキ作品初読み。 結論良かったですね、非常に重厚感のあるストーリー。これだけの深みのある作品に仕上げるためには、膨大な時間と労力がかかったのだろうと容易に想像できた。一アイドル作家として見るのは失礼にあたるなと。 "ISAMU INOMATA"と書かれた一枚の絵、その真相にたどり着くまでには壮絶な物語があるわけだが、とてもこの書評の中では語りきれない濃密さ。450ページ近くのなかなかの量のある小説でしたが、久々に集中的に一気に読みたくなってしまう作品でした。 現代と昔の描写が交互に描かれている点も、最後まで飽きずに楽しむことができたポイントかも知れませんね。これはぜひ読んでほしい一冊。 そして、ほぼ間違いなく近いうちに映画化されるなと思いました。映画化されたらぜひ見てみたいなと。今後の作品にも期待したいです。
25投稿日: 2024.06.01
powered by ブクログ著者渾身の1冊。今までの作品、小説は全部読んだと思うが、はっきり言って一番いい。直木賞の候補になっていたが、受賞していたとしてもアイドルという下駄なしでも通用したと思う。いくつかの物語が進行しているが展開に破綻はなく読ませる。面白かった。
3投稿日: 2024.05.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
とにかく壮大なストーリーだった。 これを書くために、どれだけ取材し資料を読み込んだのだろうと驚嘆する。 読み終わって表紙を見ると、この文字の書体や色、墨で描かれたようなデザインはこの世界観を表しているんだなと思った。 ある一枚の絵を展覧会に、という強い思いからどんどん話は広がっていく。 魅了される絵なのだろうがそうまでして?と思わなくはなかったけど、そこからは引き込まれた。 人の業を感じて胸が痛くなるところも多々あった中、輝と道生の関係がそういうところから離れた純度の高いものを感じていいなと思った。 コロナ禍まで引き込まなくてもと思うくらい、いろんなテーマ盛りだくさんだったかな。でも読みやすく、また加藤さんのこの物語への思いを強く感じた。
8投稿日: 2024.05.26
powered by ブクログ今年は少し気合を入れて読書に取り組んできたが、おかげさまですばらしい本に出会えた。「存在のすべてを」と本作「なれのはて」がそれである。偶然だが両作とも絵をめぐる物語であるところが面白い。自分が心動かされたことをあれこれ語りたいとも思うがこれから読む人の邪魔はやめておこう。 塩田武士さん、加藤シゲアキさん、楽しい時間をありがとう。ほんと本っていいなあ。
10投稿日: 2024.05.21
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素晴らしい。 犬神家の一族を彷彿とさせる複雑な人間関係、裕福な家の過去。 なれのはてが石油のことは。
3投稿日: 2024.05.18
powered by ブクログ猪俣家の人達が、それぞれ心に狂ったものを持っていて、感情移入するというより客観的に分析してしまった。 唯一、勇さんの話は戦争の悲惨さを物語っていて心を痛めた。 ただ視点が多くて主軸を見失いそうになることが多々あった。猪俣家に関して紆余曲折な事が多く少しうんざりしてしまうところがあったのかもしれません。 今回は作品を客観的に淡々と読んでしまったため感傷に浸る事が出来ず、満足することが出来なかった。 戦争、著作権、石油を題材にしたのはとても面白い。
3投稿日: 2024.05.17
powered by ブクログ一気に読み終えました。面白かった。読みやすかったです。 厚みあるし、寝付けないから眠れるかなと思って手に取り あっという間でした。 上手くいろいろと接点があいすぎ なんて途中思いながらも、良かったです。
3投稿日: 2024.05.14
powered by ブクログアイドルの書くものと思って舐めてました。本当に面白かった!ご本人、ファンの方々ごめんなさい笑 一枚の絵を巡る謎、疑惑。 少しずつヴェールが剥がれていく。 作者が作者だけに映像化されるのでしょうか。してほしくないなぁ。がっかりしたくない。 それにしても、文章が書けるって羨ましい。 アイドルとしての肩書きが作家としてはどう影響するのだろうかと考えた。 私はなかなか手に取る気になれなかった。でも、ファンだったら、普段本を読まない人も手に取るかもしれない。長めのこの本を読書しないファンは読んだのかな?などと考えた。 また良い作品を書いて欲しい。
10投稿日: 2024.05.13
powered by ブクログ良かったです。流石ですね。長いですが、きちんと物語を追えます。しかし、私の頭が馬鹿なので、登場人物の関係性が途中ゴチャゴチャになりました。最後、2人が会えてよかったです
3投稿日: 2024.05.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
加藤シゲアキ作品は短編も入れると3冊目。 第170回 直木賞候補作 テレビ局で報道にいた守谷は、ある事件を追いかけ 圧力にあい異動になる。 行った先はイベント事業部。 同じ事業部の吾妻が祖母から譲り受けた絵 人を魅了するその1枚の絵で展覧会企画にしょうと動きだす。 作者も権利先もわからない、手がかりはサインの「イサム・イノマタ」のみ 謎の画家の正体追及は、隠したかった事件へとつながっていく。 うん NEWSの加藤君は 正真正銘の作家さんだね。 時代考証、それに合わせた事件、人々の暮らし 本当によく調べて 取材して 文脈に生かしていると思う。 文章もわかりやすくて 共感も得やすい人物背景を作っていて 直木賞候補 2度目は納得 なのだけど・・・・ いかんせん 人物の登場が多い、そして 思い入れがあり過ぎるのか 各人物の人物背景や現状説明が多すぎて 主軸の話しが?????となってしまって、何度も前に戻ってしまった。 これは 読み手が迷子になりやすいかも でも ミステリー苦手な私でも 面白く読めたのは 1945年8月15日土崎空襲 戦場の話し、石油の発展 様々に気になるコンテンツが織り込められていた アイドル作家さん敬遠してる方 これはけっこう おすすめですよ。
3投稿日: 2024.05.08
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もっともっと、たくさんの本を読みなさい。そうすれば自分と似た境遇の人がたくさんいることがわかるでしょう。辛いのは自分だけではないとわかるでしょう。
3投稿日: 2024.05.07
powered by ブクログ“正しさは振りかざすだけの矛ではない。他者を守るための盾でもある” 作者の熱量を感じながら読み進めた。 わたしは誰かの、何かの熱になれるのか。 この人生のなれのはては…。 深いため息が洩れると同時に鳥肌がたった。
4投稿日: 2024.05.06
powered by ブクログ400p超ある長編でしたが、どんどん読み進めることができました。 戦時中から戦後の復興の歴史を描くだけでなく、自閉症である道生と輝の深い繋がりが中心にあって、道生の描く絵の中にいつも輝がいるのが感動的でした。
3投稿日: 2024.05.01
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前半おもしろくて,直木賞惜しかったんじゃない?と思いながら読み進めたけど,最後まで読むと期待ほどじゃなくて,なるほど,と思った。面白くなくはなかったので,今後に期待。
2投稿日: 2024.05.01
powered by ブクログ着地点が全く見えなくて序盤全然進まなかったけど、終わってみれば全部必要な話だったな、と。 何人分もの人生を読んだ。 話題になってるみたいだし映画化するんじゃないかな、と思うけど、その場合大幅に削るだろうな。 輝が好きだった。 目的も執着も一貫している。 秋田って全然馴染みがないからどこまでが設定でどこまでが史実に基づいてるのか判断できなかった。 自分の知識の偏りの所為で勿体無いな。
2投稿日: 2024.04.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
生きていた‼︎そして、生きるという事。 パブドメ。 秋田弁、秋田の油田、そして、土崎空襲。 クラフトジンとジュニパーベリー。 序盤は、文章の荒さに目がいきましたが。 後半からの、大河感というのか。 秋田の大正期からの時系列。スケール‼︎ 出産、学生、仕事、猪俣家の人々と、道生。 東京のメディア組。 画を探す、画家を探す⁉︎ミステリーと。 ラスト、すっきり感を味あえる、そして時に浸る。 〜画家と鑑賞者の言葉なき対話〜 正しさをふりかざさない。と、アタシも思い続け。 他者を守れるのだろうかと、自問し続ける。
2投稿日: 2024.04.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
感想 現代と戦時を行ったり来たりしながら物語が展開する。戦時などよく書かれていて、これまで読み物として軽かった印象が変わった。一方で話もどっしりしている分、サクサク読めるような作品ではない。 終盤に向かって、丁寧に伏線回収をしていき、現代に戻って最後まできっちりと読者が知りたいところまで書いてもらって、絶妙なところで終わった。こんなにスッキリする終わり方の本は久しぶり。 あらすじ TV局の報道で働いていた守谷は問題を起こして、イベント事業部に異動する。そこでであった若手女子の吾妻は、祖母の遺品から見つけたイサム・イノマタという画家の絵に惚れ、イベントを打ちたいと考え、守谷に助けを求める。 権利関係のことを明らかにするため、画家のことを調べるうちに秋田で、猪俣傑という石油会社の社長が殺害され、その弟の猪俣勇が同時期に行方不明になっていることを知る。二人は勇の足跡を追うため秋田に行く。 猪俣家にまつわる歴史や謎を追い、守谷と吾妻は秋田と東京を往復する。やがて絵に関する謎についても明らかになっていく。それは石油がもたらした富と不幸に関する悲しい話だった。
15投稿日: 2024.04.26
powered by ブクログ読み応えがあった。読み始める前は厚さに尻込みしていたけど、読み始めたらあっという間だった。 一枚の絵から始まり、後半猪俣家の闇がどんどん暴かれていくところは圧巻。暗いシーンが多かったけど、最後はこれからの希望が見えてよかった。
3投稿日: 2024.04.22
powered by ブクログアイドルグループNEWSの加藤シゲアキ最新作の本作。話題になっていたので気にはなっていたけど、正直どうかな?と思ってました。 ゴメンナサイ。とっても読み応えがあり、先が気になる展開で、ホントに面白かったです。一枚の絵から始まった旅が、想像を遥かに超えて長く深く、広かった。 紆余曲折あったけど、考え得るハッピーエンドだったのも好きな感じ。
41投稿日: 2024.04.21
powered by ブクログなれのはて、の指すものとは。 一枚の絵から広がる世界に浸りました。 秋田の空襲のことや油田のことには詳しくなかったので学びになった。 各々の思いを読み進めるうちに 戦争の罪深さと、資源、資産があるからといって幸せになれるわけではなく、むしろそれらにより人間の欲がむき出しになる哀れさを感じた。 アクリル絵の具でつながる2人の想い、が印象的です。
3投稿日: 2024.04.19
powered by ブクログ秋田の方言に苦戦したが、物語の奥深さと時代背景、登場人物の過去が1枚の絵をきっかけに紐解かれてゆく。 情景の描写や表現が美しく、頭の中で映像が再生されるかのようだった。 重厚感のある映画を見終えたときのような、そんな感覚。 加藤シゲアキさんの作品を初めて読んだが、正直想像を超えてきた。
3投稿日: 2024.04.18
powered by ブクログページ数もさることながら、内容も読み応えがありました。 序盤、なかなか登場人物と時代背景をインプットできず進まなかったけど、中盤あたりから一気に物語が動いていき……いやぁ面白かった。 そして、読んでいくうちに著者が”アイドル”加藤シゲアキってことを忘れている。 ”作家”加藤シゲアキですよ。 知識と教養、どちらも豊富だし、かなり取材されての作品ですね。 秋田の空襲、油田、そういった歴史を初めて知りました。 伏線回収も流石でした。 直木賞惜しかったなあ。
12投稿日: 2024.04.17
powered by ブクログこれは参りました。う〜ん…とにかくすごい。年若きタレント作家で、少なからずみくびっておりましたこと、まことに恥ずかしい限りです。だって、この筆力たるや老練たる専業作家のものとしか思えませんでしょう。でもって、マスコミに石油に絵画に酒に金融に発達障害に、いったいどれだけの知識を詰め込んでるの。しかも、遡って一世紀の世代を見事に繋ぎ、東京と地方をも結びながら魅せる展開にはまりました。猪俣家の複雑な相関も、読み進める中で整理できていく。結末は読み手の希望どおり過ぎないかって?いやいや、捻らずともこれで結構です。
10投稿日: 2024.04.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
続きが気になって一日で読んでしまいましたが 読み終わってしまったことが勿体ないと感じてしまうくらいその世界に浸ってしまいました。 また再会を果たした2人がその後どうなったのかが少し気になります。もう一度改めて読みたい本です。
2投稿日: 2024.04.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
秋田を舞台にした戦争前後のミステリー。 現代のジャーナリスト視点がメインで、当時の人物の話が合間に挿入され事実補完がされる構成で、骨太の作品に仕上がっていました。 そのスケールや、背景の詳細さは本格派ミステリー作家でも脱帽なくらいの下調べがあるのではないでしょうか。 人間の業の深さによる悲劇に身震いし、ラストのハッピー的エンディングに落涙しました。 ただ、竹二のその後の消息は知りたかったです。
2投稿日: 2024.04.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み応えがありました。普段アイドル活動をしているのは存じているので、同時にこれだけの内容を取材して考えてまとめ上げたのはすごいの一言です。おもしろい内容でした。オルタネートも面白かったので期待してよかったです。
2投稿日: 2024.04.16
powered by ブクログカトシゲさん自身は否定されるでしょうが、かなり直木賞を意識して書かれている感があり、それが変な気負いとなって、力んでるなぁ…という印象を受けました。 又、クライマックスの部分の盛り上げが一手間余計なのが、前回の候補作「オルタネート」と同じな所が星一つマイナスです
2投稿日: 2024.04.16
powered by ブクログ大正期から現代へと続く物語。 そこには純愛、悲哀、怒り、情念、友情、約束、人間の喜怒哀楽と一長一短がつまっていた。そして、誰しもが宿している「人ならざるもの」。 読み終わったあとふとまわりをみて、私たちは「なれのはて」に囲まれて生きてるんだなと思った。
2投稿日: 2024.04.13
powered by ブクログ守谷は報道からイベント事業部へ異動 同僚の吾妻の イサム·イノマタ たった1枚の展覧会を企画 守谷と我妻は企画をとおすために 猪俣勇の事を調べると 兄の傑が焼死 勇も行方不明になっていることを知る 次々と分かってくる事実 戦争、東日本大震災、コロナ、自閉症 苦しい時代を生きる登場人物達 闇の中にも守ろうとする大切な存在 プライベートがバタバタするなかで なかなか読めない時間もあったが 最後まで読めて良かった
14投稿日: 2024.04.12
powered by ブクログテレビ局に勤める守谷は、とある事情で報道局からイベント事業部に左遷された。腐る守谷の指導役に立候補した吾妻は、祖母の遺品だという1枚の絵を見せる。まったく無名の画家の、たった1枚の絵の展覧会を開くため、2人は調査を開始するが……。 つかみはオッケー、マハさんばりの美術絡みのミステリーかと期待して読み進めるが、どうも様子が違う。本筋とは別に挿入される関係者のエピソードにリズムを乱される。本筋もあちこち飛び火するけど尻切れトンボでメインのストーリーがぼやけてしまう。 力作だけれど、ちょっと残念な出来だった。
11投稿日: 2024.04.12
powered by ブクログ読み応えあり過ぎて時間が掛かってしまった。現代の主人公たちが一枚の絵の作者を辿り過去を調べるたびに どんどん登場人物が増えていき、クライマックスの描写は迫力があった。過去は凄惨で読んでて辛かったけど、最後には救いがあり気持ちが楽になって読み終えた。
2投稿日: 2024.04.11
powered by ブクログ中盤までは話の時系列も飛びまくるし登場人物も分かりづらいしで、なかなか理解しながら読むのに苦労したが、バラバラだったストーリが繋がり始めると一気に面白くなった。 最後は感動させてもらって途中で投げ出さず読み切って良かった。
14投稿日: 2024.04.09
powered by ブクログ面白かった。淡々としながらも、熱いミステリ。 メイン舞台は秋田、八橋油田。 秋田弁での会話も多く、戦中戦後、石油、色々とキーワードも多い。 ミステリなので内容は書けないが、いい感じで色々とフラグあって回収して、絡まって、とかなり太いつくりで、読みやすくガーっと読んでしまった。やっぱりとうほぐはアトモスフィアがよろしいな。 主人公というか視点人物の守谷さんが新潟、燕三条の酒蔵の長男、酒蔵は次男が継いでいるという設定。燕か三条かどっちかはわからんが最寄り駅が燕三条で、山で農作業をしているというシークエンスがあるので、三条市かと思われる。ともかく、まあ複雑なオトナの事情で報道からイベント企画にトバされた守谷が”酒の陣”的なイベントを企画していたり、 ヘビー級Themeではあるがごっついハッピーエンドなので、読了感がさわやか。 覗き込むと黒い液体がぬらぬらと光を反射している。 「なれのはてです」 八橋油田が物語の舞台だが、 新潟にも、くそうず、 臭い水(石油)が産出される場所が多く、 現ガタ市内にも有名な油田があり、今でも見学施設がたくさんあり、 なんども訪れているので、つい脳内イメージが新潟に引っ張られがちになった。 八橋は現在も稼働している油田なので、 機会があれば、訪れてみたいと思った。
33投稿日: 2024.04.09
powered by ブクログ正直言って、なめてました。 直木賞ノミネートも、しょせん話題づくりなじゃないの?と。 実際に読んでみると、とてもとても、アイドルが片手間に書けるような代物ではなかった。 かなりの取材・リサーチをしたのだろうとうかがわせます。 東野圭吾や塩野武士の愛読者の鑑賞に堪えうるミステリーでした。
3投稿日: 2024.04.05
powered by ブクログうわあ、これは大作だ。 ここまでの深いレベルの知識を巧みに扱い、ミステリーに落とし込み、最終的に全てが回収されるストーリー。 もうアイドルとは言わせない、1人の作家と言わざるを得ない。 加藤シゲアキさんの作品は初めてでしたが、直木賞の候補ということで手に取り、 じっくりと時間をかけながら世界を楽しみました。 アートとミステリを掛け合わせた内容で、同僚の所有する無名の画家が描いた1枚の絵画で展覧会をするところから話は始まる。 絵にサインされている「イサム・イノマタ」という名前を頼りに展覧会の許可を取りに秋田へ行くことに。 しかし驚いたことに当人は行方不明である。しかも殺人の容疑をかけられて。 「イサム・イノマタ」は何者なのか? 猪俣家に起こった悲劇とは何か? 細い糸を手繰り寄せて、主人公の2人が徐々に真相を紐解いていく。 どこかでアイドルだから、と読まず嫌いをするのはもったいない。 ミステリで読みやすさもありながら、読み応え抜群。感情も揺さぶられました。 ぜひ読んでみてください。
5投稿日: 2024.03.27
powered by ブクログ最近は忙しく、隙間時間を使っても進まず、一気読みすることができない。 なかなかのスローペースで4日ぐらいかかった。 ハラハラドキドキのミステリーでは無く、淡々と読めて、結局はすごく良かった。
20投稿日: 2024.03.25
powered by ブクログなれのはて、、、とは、何だろう⁈と思いながら読み進め、ラスト涙。アイドルが書いたとは思えないほど、深いストーリー。
10投稿日: 2024.03.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
170回直木賞候補作 一枚の絵を通じてたどり着く「いつか還る場所」 ISAMU INOMATAのサインのある絵 猪俣石油化学株式会社 猪俣傑と勇、そして猪俣輝 及位道生 ノゾキミチオ JBC報道局の守谷とイベント事業部の吾妻 結局、今のJBCの話?猪俣家の昔の話?ん?何の話?なのだが、筆力があり引き込まれる。構成もよく、次のページを読みたくなる。アイドルが片手間にやるレベルではない。 最後はうるっとくる感じ。
2投稿日: 2024.03.20
powered by ブクログ報道局からイベント部へ左遷された守谷と後輩の吾妻が一枚の絵画で展覧会をしようと企画することから物語が始まる。その絵画を追ううちに秋田の猪俣家を取り巻く事件について調べるようになり真相を究明していく。初めて加藤シゲアキの本を読んだけど期待以上に面白かった。アイドルだから大したことないと思ってたけど時代背景とか人間関係とかしっかり描かれていて読み応えあった。タイトルのなれのはてがこの物語のキーとなる石油から取られているんだろうけど生物が行き着く先が石油でそれに振り回されるように猪俣家の人間も変化していく様が面白かった。
11投稿日: 2024.03.18
powered by ブクログ448ページを3日かけて読了。読み応えと達成感! アイドル活動の様子があまりわからないのですが、こんな大作を仕上げるには相当の時間がかかったはず。いったい、いつどんな風に執筆しているのか。。。 この品質の著作が出てくるともはやアイドルより作家の肩書きの方がしっくりくる。 そのうち直木賞もとってしまうのではなかろうか。
6投稿日: 2024.03.15
powered by ブクログ加藤シゲアキ頑張った! と上から目線なのは申し訳ないのだが、一気読みする面白さ。 それと同時に、前半と最後の帰結の素晴らしさに比して、途中から粗筋を追っているような書き方が残念。直木賞を逃したのはここらへんなんだろうなと思いながら読んだ。これを高村薫なんぞが書いたら、400ページ上下二巻で描き尽くしちゃったのでは?小川哲でもやっちゃうかな。 テーマのあまりの壮大さに筆が走ってしまったというか。そもそも400ページにまとめ切れるテーマではないのだと思う。どうしてそんなことをしたのか?という一人一人の理由が今ひとつ見えてこないのが残念。いつかわかる、と思って読んでたら終わってしまったという感じ。 選考委員がまたチャレンジしてほしいと言ったのもよくわかる。 いや、それでも十分楽しめました!
39投稿日: 2024.03.14
powered by ブクログ「なれのはて」というタイトルがすごくいいです。この世に確かに存在したはずの生き物が死んだ後は何になるんだろうと思ってしまいました。 登場人物が多くてごちゃごちゃしがちなので相関図が欲しいとは思いました。(アップしてくれている人もいるのでそちらを見たりしました) 恥ずかしながら秋田の空襲や油田のことは初めて知りました。秋田弁が多いですが、津軽弁より分かりやすいです。(旦那が青森出身ですが帰省するたび全然何言ってるか分からないので…) 男同士のドロッドロの愛憎劇と言ってしまうと陳腐なのですが、一つ一つのエピソードが濃厚でかなり読み応えあります。 加藤シゲアキ作品初めて読みましたが、本当にすごいですわ。面白すぎる。
25投稿日: 2024.03.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
名画、展覧会、無名の画家。その画家には半世紀前のとある変死事件との関係が。 謎解きミステリーではあるが、戦前戦中の日本、秋田の石油産業の興りから、日本最後の空襲だった土崎空襲という史実を踏まえ、土地の一族の秘密を軸に、遺族、テレビ局員、刑事らそれぞれが、家族、戦争、芸術、報道といった側面から、自分の役割を見つめ直す壮大な物語。 日本経済新聞で、作品というより著者のことが取り上げあれていて興味を持って図書館に予約を入れてたもの(秋頃だったと記憶するから、ずいぶん時間がかかった)。 著者加藤シゲアキは元ジャニーズの「NEWS」というアイドルグループの一員なんだね。全然、知らなかった。作家としての経歴も10年を超える。そして、本作で、2度目の直木賞ノミネート。なかなか、地道に二足の草鞋を全うされているようで、素晴らしい。 作品のほうも読みごたえあり。 秋田の地元の方言がリアリティあるなと思ったら、母方のご実家だそうで(その新聞記事にあった)、作品の重要なモチーフである土崎空襲についても 「10歳だった祖母が妹をおぶって外に出た」という話を今作の取材を通じて祖母から聞いたとのこと。 無名の画家の絵に惹かれたテレビ局イベント事業部の守谷と吾妻が、展覧会を開くべく画家の背景を調べ始めることから物語はスタートする。 現代のメディアの人間や、家族が、過去の人物、親・祖父祖母世代の真実に迫る構造は、もはや手垢のついた展開ではあるが、謎の画家に迫るまで、上手に関係者を配し、その証言をヒアリング形式やモノローグにせず、第三者目線の物語として、視点を一定にしてあり、読みやすかった。 また、地方の大富豪の家にまつわるおどろおどろしい秘密という建付けも、横溝正史的ではあるのだけど、深入りすることなく、都度、現代に戻ってくる設えにしてあり、画家の生死を確認し、著作権のありかを明らかにし、展覧会を開催するという物語のゴールがブレずにあることで、時代が行き来するわりには、迷うことなく読み進むことができた。なかなか、巧い。 大きな物語としては、画家イサム・イノマタの半生と、猪俣家の戦中戦後史だが、それを辿るテレビ局員守谷の、報道局からイベント事業部への異動のオトシマエ、ジャーナリストとしての矜持の行きつく先、そして「守谷はとにかく、自分がどこに行くかを把握しておきたい性分」という小さなネタまで、きちんと回収されていて気持ちよい。 タイトルも、なるほど、なと。種明かしをなかなか終盤までひっぱったものだと感心した。 秋田の空襲の話と、著作権問題についても学べたのは良かった。
6投稿日: 2024.03.13
powered by ブクログ恐れ、畏れ、哀しさ、愛おしさ…。もの凄くたくさんの感情が揺さぶられて、ほんと、疲れました。くたくたです。しかも、伏線も回収してほしいくせに、回収されるにつれてつらさが増して苦しくなって、でも読むのをやめるという選択肢は絶対にない。「彼ら」には幸せになってほしい、幸せになる権利があるのだから……。すごい作家さん、すごい作品に出会ってしまいました。 ストーリーに入り込むまでは、登場人物が多すぎて、相関図が必要でした(ネタバレに配慮した相関図をネットに上げてくださっている方もいます)。加えて、この秋田弁の濃さ。読解に疲弊したという理由でリタイアする方がいたら、なんか申し訳ないです(地元民です)。読み始めた方は、めげずに完読を! 価値ある一冊ですから。
4投稿日: 2024.03.12
powered by ブクログ読書備忘録809号。 ★★★★★。 ブクログレビュアーさん皆様のひとことめ。 「イヤー、参った!」 まさにこれです。 加藤シゲアキさん。 アイドル業も作家業も本業と自信を持って発言されるだけあります。フジ系列の「タイプライターズ」終わってしまった・・・。寂しい! 最終回の辻村深月さんの会に直木賞発表の日のドキュメントをやっていましたが、この作品が直木賞になっていたとしても全く違和感がない。 オルタネートは「ふ~ん」でしたが、今回はそれほどの大作でした。 主人公守谷京斗。TVキー局JBCの社員。 報道畑だったが、訳あってイベント事業部へ異動となった。報道命だった本人からしたら、終わった、という異動。ただ、異動した事業部には、熱き社員吾妻李久美がいた! 吾妻は自ら企画したイベントを実現したい想いがあり、報道で活躍した守谷にアドバイスをもらう。ひとつのイベント構想が目についた。1枚の絵画の展示会。それは吾妻の祖母が所持していた1枚の絵画。絵に心を奪われた吾妻はこの絵画の展示会を実現したいと思った。 絵画のサインは、イサム・イノマタ。 誰?この人。 展示会の開催に、著作権という大きなハードルが立ちはだかる。 作者に承諾をえる。または、著作権は一定の期間で消滅するので、本人が存命かどうか。もう亡くなっているならいつ亡くなったのか・・・。 そして、守谷と吾妻のイサム・イノマタ探しが始まる! 守谷は報道の同僚にイサム・イノマタという画家の調査を依頼する。浮かび上がってきた情報。 秋田県で1961年1月4日に、猪俣傑が焼死した。その弟、勇が1960年の大みそかに行方不明になっていた。猪俣勇がイサム・イノマタなのか? 守谷と吾妻は秋田に飛ぶ。守谷は報道時代の伝手で秋田県警の長谷川を伴って猪俣家へ。 そして、秋田の石油に翻弄された猪俣一族の数奇な歴史が明らかになっていく! 猪俣家の黒歴史のプロットが凄まじいです。加藤さん!凄い! 最近多いですが、備忘録とは言えこの作品の根幹なので絶対に書けない! なので、登場人物からのちょっとしたサワリを。 傑と勇の父、兼通。油に魂を持っていかれた悲しい男。 傑。兼通が興した猪俣家の品格を保つために暴走・・・。 勇。太平洋戦争終戦前日に最愛の人、及位(のぞき)君衣を失った。油のせいで。そして愛する人の忘れ形見を引き取る。絵を描くことがすべて。 輝。悲しい出生。しかし猪俣家の為にすべてを捧げた男。 及位道生。勇に引き取られる君衣の弟。発達障害。加えて、絵を描くことに対するサヴァン症候群。 忘れてはならないのは主人公のバックグラウンドの物語。これもこの作品に厚みを持たせている重要な要素。 守谷は実家の造り酒屋を継いでほしいという親の気持ちを踏みにじって報道の道に。実家との関係を勝手にギクシャクさせていた。 そして吾妻。母は干渉が半端ない毒親。干渉から抜け出すためにメディアの世界へ。 猪俣家の調査を通して、自らのルーツである実家との係わりに変化が出てくる。 そして肝心のイベント。怒涛のエンディング!長い長い前半、中盤を乗り越えたエンディング。一気に★5つの要素となりました。最終ページ443P。読者の全員が望んでいたエンディング。目からジュースが! ホントに良かったぁ。 しかし、作品タイトル。なれのはて。 読了後に思うのは、悪い意味でのなれのはて。加えて、最終形態として良い意味でのなれのはて。 守谷のなれのはて。吾妻のなれのはて。エンディング2人(ネタバレなので言えない)のなれのはて! とにかく登場人物が多い!メモしながら読まないとヤバい!登場人物というページが欲しい作品でした! 加藤さん!次の作品をお待ちします!
45投稿日: 2024.03.09
powered by ブクログ読み終わったー!!! えーめっちゃおもしろかった!! 最後伏線が回収されたとき、はっとしたすごかった、そうやって繋がるんだって 他の作品も読みたい読む
3投稿日: 2024.03.06
powered by ブクログある絵から思い起こされる壮絶な過去と結末が非常に感動的で、心に強く残りました。 それぞれの登場人物の愛する人への思いも感じられた。
2投稿日: 2024.03.06
powered by ブクログまずは謝ります。 読まず嫌いをしてました ごめんなさい…!!! NEWSの加藤シゲアキの作品ということで、 なんとなく遠ざけていました。 金八の頃から知ってるアイドルの顔が どうしても浮かんでしまいそうだし おもしろいの??と思ってました でも二度目の直木賞候補になったことと ブクログでも高評価なこととで 手に取ることにしたんです そしたら濃厚で読み応えのある作品でした かなり取材され、 練り上げられた物語なのだろうと感じました。 一枚の絵から始まり 物語はどんどん広がっていきます 戦争や、家族、障害への理解、 報道のあり方など いろんなことが詰め込まれた力作です 暗く重たいテーマではあったものの すっきりとした読了感でした ただ登場人物が多く、 時系列も前後するので混乱し 何度も読み返して整理しながら 読み進めたため、 ちょっとスピード感がダウンしてしまったことと 登場人物に感情移入はしきれず 星は3つにしました でも読んでみる価値あると思いますー!! オルタネートもなかなか手が伸びずにいたけど 読んでみようかな。。
117投稿日: 2024.03.04
powered by ブクログめちゃくちゃ面白かった。 特にわたくしは秋田市の土崎に住んでいて物語の舞台背景がリアルに浮かび秋田弁も聞き慣れてるので入りやすかった。 読む前はアイドルと言うことで少し油断してたが、骨太な作品に驚愕した。加藤シゲアキはホンモノの作家でありました。
53投稿日: 2024.03.02
powered by ブクログ加藤シゲアキ作品の中で一番おもしろかった!(全作既読) オルタネートとは全く違う重厚な作品。 デビュー作から動きのあるシーンの描写が伝わりづらいと思っていたけれど今作は傑が殺されるシーンは迫真の描写でした。 時代や血筋に振り回されて、悲しみや悔しさに囚われた人物たちの人生にグッと引き込まれました。 次作楽しみです。
8投稿日: 2024.03.01
powered by ブクログいやぁ、驚いた!これをまさか現役アイドルが書いたとは。 正直、期待していなかったんですよね。『ニュース』の加藤シゲアキが何冊か小説を書いていたのはもちろん知っていたんですが、絶対に面白くないだろうと。 でも、この『なれのはて』はみなさんの評価も高く、なんとなく手にしてみましたが、いやぁ、驚いた!これをまさか現役アイドルが書いたとは!となるわけです。 報道を外された守谷の異動先となったイベント事業部。正直気が入らない仕事だが、ある絵をきっかけに時代を超えて絵に関わる人たちが動き出す。 吾妻の祖母が所有する『ISAMU INOMATA』のサインがある一枚の絵。この絵の展覧会を開こうと奮起する守谷と吾妻。その著作権を調べていくうちに絵にまつわる壮大な物語が展開されていく。 いやぁ、面白かった!一枚の絵からこんな展開に発展していくとは。もし、私と同じようにアイドルの小説かぁと思っている人がいたら、その色眼鏡を外して読んでみてください。読み終えた時にはその偏見はすっかり消えて無くなっていますから。
48投稿日: 2024.02.29
powered by ブクログ加藤シゲアキ、こういう話も書けるのか……と驚いた。めちゃくちゃ骨太なミステリだった。ところどころにあまり聞かない熟語などが使われていて、でも使い方に無理がなく、彼の中から自然と出ている語彙にそういった単語があるんだろうな、と感じられた。すごい。 一枚の絵を起点として過去の謎に迫っていくのが面白かったし読みごたえもあった。勇や輝、八重などの過去の登場人物の章も、それぞれ迫力があり、彼らの感情の機微がつぶさに感じられた。 ちょっとした登場人物から話が繋がっていく過程も無理なく読めた。様々な人間の人生が交錯しているが、しかしわかりにくいわけでもなく、するっと読めたのがよかった。
6投稿日: 2024.02.27
powered by ブクログめちゃくちゃ面白かった!!!星5以上の評価をつけます。 全ての伏線が綺麗に回収されていき最後はとてもすっきり。表紙の意味もタイトルもよくわかった。 このような展開を繰り広げられるのも加藤シゲアキ先生しかいない。 この人本当にアイドルか?と思わせられるほどの才能かと思います。 この作品で作家さんとしてまた一段と好きになりました!間違いなく私が一番好きな作家さんです。今回も素晴らしい作品でした。
18投稿日: 2024.02.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
1枚の絵にこんなにもたくさんの物語が詰まっているなんて…… 最初は本の分厚さに気圧されて中々手をつけるまで時間がかかったけど、読み始めるともうとまらない!! 色んなことが詰まりすぎてる1冊。 イサム.イノマタと書かれた吾妻の祖母が持っていた絵は実は道生が書いたものだったのね。そして祖母は道生と会ってたんやなあ!実は全部繋がってた。 なんてすごい本に出逢えたんだろう〜〜〜
5投稿日: 2024.02.26
powered by ブクログ全ての謎が解き明かされ、結末に辿り着いたとき、 思わず泣いてしまった。 たった一枚の無名画家の絵から織り成される物語。 そこから広がる時代背景、人間模様、生きていく意味。 どんどん謎が解けていき、終盤はもう涙を堪えられなかった。 何が悪いのか 戦争なのか 変わっていく人なのか “なれのはて”という題名も何もかも、加藤シゲアキは天才だ。 また、“テレビ局の報道部”を持って表しているここ最近の暴露騒動にも異議を唱えているであろうと思えるところがあり、考えさせられた。 この作品を読めてよかった。 本当に心から思える本だった。
16投稿日: 2024.02.25
powered by ブクログミステリー書評 読書レベル 中級 ボリューム 443頁 ストーリー ★★★★★ 読みやすさ ★★★★ トリック ★★★ 伏線・展開 ★★★★ 知識・教養 ★★★★★ 読後の余韻 ★★★★★ 一言感想: 【第170回直木賞候補作】 社会派ミステリーが好きな方、秋田県出身の方にオススメの一冊です。 とにかく読後感が最高でした。そして読み応えが抜群の作品です。さすが直木賞候補作とだけありエンタメに留まらず、大正から昭和(戦争期から終戦後)の時代を背景に繰り広げられるストーリーの中に、戦争、差別、暴力などを訴えつつ、ミステリー要素を盛り込んだしっかりと構成されたストーリーに圧巻でした。おまけとして、秋田県の方言がふんだんに使われていて、秋田県民には堪らないかもです(笑。 ただ、純粋なミステリー作品として読もうとすると少し物足りなく感じるかもしれません。
49投稿日: 2024.02.25
powered by ブクログ※ この本を読んで、作家・加藤シゲアキさんに 抱いていた印象がガラリと変わりました。 『オルタネート』では眩くまぶしい瑞々しさを、 『ピンクとグレー』や『チュベローズで待ってる』 では時間と共に移り変わる人の変化を感じつつ、 根底に若々しさを感じていました。 『なれのはて』では、親子や親族の繋がりを はじめ、戦争や産業の変遷も含めた過去から 現代に至るまでの変化に富み時代に翻弄された 歴史の中で、人を大切に思うが故に幾重にも 塗り固められ、隠されてきた真偽と人の業の 複雑さに深く揺さぶられました。 また季節や気候の表現の中でも、特に雨に 関する複数の言葉から実年齢以上の老齢さ というか成熟した感じを受けました。 (時代を感じさせるために意図的に使われた 言葉かもしれませんが) 次にどんなジャンルのお話を書かれるのか とても楽しみです。
23投稿日: 2024.02.24
powered by ブクログストーリーにも登場人物にも厚みがあって、とても読み応えのある作品でした。切なくてズンとなってしまう瞬間も何度かありましたが、読後は純粋に良い作品に出会えたという穏やかに余韻に包まれまれています。
9投稿日: 2024.02.22
powered by ブクログ破壊、再生、絆、人生、過去…この小説を一言で言い表すとすればどんな言葉があるだろう。ああそうだ。なれのはて。生き物のなれのはて。題名が物語を真実を語っている。
27投稿日: 2024.02.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初加藤シゲアキ おもしろかったーー 名前からちょっと遠巻きにしてましたが反省 一枚の絵を巡ってとある家族の話を深掘りしていくんだが、 そこにその土地の歴史、 調べる側の家族の話、諸々入ってくる。 思った以上に情報たっぷりで、報道のジレンマだとか 家族間の愛情問題とか、罪を犯した人間だから全てを否定していいのか、とか、なんか結構最近モヤモヤする問題が 色々入っててイマ、な作品だなあっと。 骨を砕く話しで、外から見ると暴力的でもそれはどこまでも愛だった、ってので焼死もそーゆーことなのかと想像したけどそこはただの殺人で、傑の剣幕にちょっと引いた そもそも暴力的なのが嫌いなので それはどういうことなのか、と思った時点で疑問に答える用に過去が語られるので、話が先に進むごとに 一つ一ついろんなことが分かってきて、読みやすかった。 輝と道生の心の繋がり、がどうしてあそこまで深くなるのか、 そこが、ちょっと突然のようでもあったけど、 短くても自分にとってとても大切な、しあわせな時間を 共有するっていうことは、しかも思春期に 結構ズー〜ーッと残るもんかも。 道生さんの生き方はあれ、それ山下清状態じゃん、とか 思ってしまうが、 まあ、それで最後に2人が再会できるならよし、とする。
7投稿日: 2024.02.22
powered by ブクログまずは 加藤シゲアキやるやん! という率直な上から目線の感想。 柔らかく落ち着いた文章が心地よくて すっと世界観に入って行けた テンポも良くて 小説だなっていうご都合主義や奇跡の連続に ファンタジー感はあるけど リアリティもそれなりで。 登場人物が多くて関係性が複雑で 情報処理大変な部分もあったけど。 しっかり小説やったなと。 ただ直木賞を逃したのは… まだまだ人間の心の機微の描写、思考回路のリアリティが必要なのかなと。 物語としてのキメの細かさ 『それらしさ』『それなり』の域を出なかったのかなと。 それこそ絵と同じで どこの色合い、どこの部分を取って見ても 丁寧さや、きめの細かさ、表現力や その底に潜んで主張はしない構想や骨組み、思い それを包みこんでバランスよくまとめる技術 そういうのが芸術としての重みや深み、 余韻を生むのかなと。 この小説を読んで構成や発想は面白いのに感じた 物足りなさを考えると、そうなのかなと。 とはいえ面白くて結局、1日で読了!
12投稿日: 2024.02.21
powered by ブクログ加藤シゲアキさんの作品は初めて読んだ! アイドル、芸能人の作品というバイアスを抜きにして素晴らしい、そして重厚な作品。 書き上げるまでに、著者が秋田の歴史、油田、自閉症、女中等を読み上げている。参考文献欄を見て脱帽した。 JBCの社員である守谷京斗が、報道からイベント事業に左遷異動させられ、異動先で出会った吾妻李久美と、彼女の祖母の遺品イサムイノマタの1枚の絵を通じて、2人で彼の半生を追っていく。また最後に辿り着く真実。 ぜひ読んでみて欲しい。 また、ぜひ映画化して欲しいと切に願う。 改めて読書の奥深さと著者のタレント性を発見出来た。自作にも自然と期待してしまう。
10投稿日: 2024.02.20
powered by ブクログ読み応えと読みやすさのバランス、伏線が回収されていくカタルシスが素晴らしい。東北訛りを文章に落とし込むのが上手い。東北出身の身から見て、文章と頭の中で流れる音声に違和感がない。
8投稿日: 2024.02.20
powered by ブクログひゃー、凄い!! まことさん、私の背中を押してくださりありがとうございます。 本当に良かったです! うちの娘は、以前ジャニーズのNEWSのファンだったことがある。中高生くらいの頃だったと思うが、車で送ってあげる時、NEWSの CDを流して欲しいと言われ、よく聴いていた。 そのNEWSのシゲですよ。 そのシゲがこんな凄い物語を書いてしまうの!? シゲの本は娘がファンだった頃読んだことがあり、これがまた純文学のようなテイストで。 えー?シゲってこんな凄い文章書くの!?と驚きだった。 その話は芸能界のお話で、自分にはちょっと合わなかったのだが、今回はマスコミのお話。 文章が綺麗で素晴らしいだけじゃなく、物語にもとても引き込まれる。 最後の場面は、そうあってくれたらいいな、、、という願望が叶い、もう私の中で最高潮に(*^▽^*) 普段の芸能活動だけでも、相当お忙しいであろうに、こんな凄い本を書いてしまうのか!! もーびっくりが止まりません。 これ、直木賞取ってもよくないですかね? そのくらい良かったです!!
151投稿日: 2024.02.19
powered by ブクログ謎の解明・伏線回収が上手く、読み飽きずに時代毎の主観にしっかり入り込んで行かせてくれる必読の一冊と感じます。
9投稿日: 2024.02.17
powered by ブクログアイドルが書いた小説なんて絶対言っちゃいけない、重厚な繊細に書き込まれた物語だった。1つの無名の画家の絵から、その家族の歴史や複雑な人間関係、そして守谷の「報道とは」と改めて生き直す姿。ラストが良い、読んで良かったと思える作品。
19投稿日: 2024.02.16
powered by ブクログ新しい芽吹きを感じました♪ 今までとは全く異なる作風に、戸惑いながら読み進めましたが、進むうちに、どんどん引き込まれていきます。 一枚の「絵」からストーリーは始まります。 正義とは…報道とは…何か… 誰が描いたのかも分からない。細い線を辿り始め、掴んだその先は、秋田…ある一族に繋がっていく、終戦間際の空襲、日本にあった油田開発、深まる謎は、先の見えない沼のように、真っ暗に…
6投稿日: 2024.02.16
powered by ブクログ社内の不正を暴こうとして報道局からイベント事業部に飛ばされた主人公は、移動先の後輩が祖母から受け継いだ絵の来歴を探るうちに、秋田の石油化学会社創業者一族の壮絶な歴史に突き当たる。 一族の歴史は横溝正史並に呪われているが、副旋律である絵に対する純粋な情熱やアクリル絵の具を巡る絆に中和され、怨念じみてはいない。 とはいえ、後半に置かれた輝の生い立ちや傑たちの最期な至る物語は暗く、長い。 もちろんそれが大団円につながるのだが。 2作続けて直木賞候補となった作者。 多忙な中で質の高い執筆活動を続けていることに感心する。 読了して改めて表紙を見れば、アクリル絵の具で太い線が描かれていた。
8投稿日: 2024.02.13
powered by ブクログある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動となったテレビ局員の守谷京斗。 彼の指導役となったのは吾妻で、早速彼女がやりたいイベント企画があるので手伝ってほしいと持ちかけたのは、祖母の遺品である作者不明の絵だった。 裏には『イサム・イノマタ』の筆記体で書かれたローマ字。 調べても出てこない無名の画家。 画家の正体を探るべく、向かった先は秋田県。 油田を掘り当てた一族に何らかの繋がりがあるのでは…と。 なれのはて…それは苦しく激しく深い業のように思えてくる。 見えない闇とすら感じてくる。 ただその関わりのなかで一筋のひかりとなって現れたのが絵であったということだろうか。 ラストも言葉にならなかった。
78投稿日: 2024.02.13
powered by ブクログ読んでて新しい知識がわかりやすく得られる本っていいよね ISAMU INOMATAの絵、見てみたいなー
6投稿日: 2024.02.09
powered by ブクログ近年の加藤シゲアキ氏の著作の、圧倒的知識量で揺さぶられるこの感じ、読んでてぞくぞくするんだよな〜! アイドルとしてではなく一人の作家として向き合いたいのはもちろんなんだけど、それでもこれだけの内容を「アイドル業をやりながら」書き上げたのは本当に信じられない。小説を書くことそのものだけでなく、下調べにもすさまじい時間を要したはずだ。そうした情報収集に一切妥協しない姿勢が作品から感じられた。 アイドルという職業にありながらこうしたテーマ(具体的な内容を挙げるとネタバレになりそうだからぼかすね)を扱うのは勇気がいっただろうと思う。それでも書いた理由は、きっとものすごく書きたかったからなんじゃないかな。わかんないけど。 複雑に絡み合った過去が徐々に紐解かれていく過程はもちろんのこと、終盤の怒涛の畳みかけはもう、読みながら「すご〜!!」って叫び出しそうなくらいだった。濃密というのとも違う、もっと濁ってどろどろしたもの、強烈な臭気を放って全身にねっとりまとわりついて、洗っても全然落ちない感じ。きれいなものをきれいに描くよりよっぽど難しいと思う。そのどろどろが喉から入ってきて、胸の底にずしっと居座るような作品だった。 【読んだ目的・理由】加藤シゲアキ氏の著書は読むしかない! 【入手経路】買った 【詳細評価】☆4.3 【一番好きな表現】「全部自分でやると、失敗しても誰かのせいにしないでしょう。それがいいんだよ。自分で責任を取るというのは、実はすごく楽なことなんだ」(本文から引用)
10投稿日: 2024.02.07
powered by ブクログ読書記録75. #なれのはて #加藤シゲアキ 著 2023年読み納めの一冊 一枚の絵から始まる物語 家族、戦争 復興と経済成長の時代 資源と利益性 原爆と空襲そして終戦 組織に属する物としての 忖度と正義 絵から始まる展開が広くて深い 著者の生まれた場所やご家族に関わりのあるという地方がこの作品への大きな原動力となっていると聞き納得 あと一日違えば… 伏線が後半繋がり、現代パートにも活きてくる 鉱山、石油、暗闇の採掘場や資源そこで生きる男と女に関わる作品をいくつか読んだのも2023年の傾向だったのかな? 2023年の読了本は75冊 じっくり深く時間をかけて読む事が多いのでたくさんは読めませんが 読了後、暫く心を持って行かれる作品が多く、関連する本を探して読む事も楽しみとなっています 2024年も自分のアンテナをしっかりと張り、心の雛を深く柔らかく、そして何よりも楽しめる読書時間を大切にしたいと思います
9投稿日: 2024.02.07
powered by ブクログオルタネートに続き、加藤シゲアキさん2冊目。 何とも力強い、ふたつの「なれのはて」の物語。 たった1枚の絵から始まる、重厚な、時代をまたいで繰り広げられる、一族の夢と遺根と愛の物語。 ひとつひとつ謎が明らかになって、明らかになったことでまた新たな謎が生まれて。全く展開の予想がつかなかった、最高の社会派ミステリ。 戦前から戦後の地方の様を、ここまで巧みに描き出せるものかと感嘆しました。登場人物達の息吹が、これでもかと言うほどに伝わってくるほど、緻密な文筆です。登場人物ひとりひとりの、守谷の、吾妻の、小笠原の、長谷川の、八重の、君依の、兼通の、傑の、勇の、道生の、輝の、生き様がありありと感じられます。 最初は芸術的な感じだなァとしか思えていなかった表紙が、読み終えた後に改めて見ると意味が変わる。さすがすぎる。
32投稿日: 2024.02.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
発売前から話題になっていて気になったので読みました。加藤シゲアキ先生の著書は初めて読んだのですが、めちゃくちゃおもしろかったです…!社会派ミステリーということで、謎が謎を呼び続きが気になってグイグイ読み進めてしまいました。 ミステリとしての部分はもちろんおもしろく、戦後の地方の嫌な空気もちゃんと伝わってきて、最後のシーンでは思わず涙が出ました。長い時間をかけたからこそ生まれた感動だなあと…つらいシーンも悔しいシーンもたくさんありますが、未来への希望や大切な人にしあわせに生きていてほしいというような祈りがたくさん込められていて、読んだこちらもしあわせな気持ちになりました。ミチオに対する出会った人たちのやさしい祈りが愛おしくてすてきでした。 読み終わってから表紙を見るとちゃんと意味があって感嘆。レインボー箔がピッタリ、というか絶対この本にレインボー箔押ししたいですよね。原油の黒、その上からアクリル絵の具の白。すごくいい表紙です。 あと、本編には直接関係ないのですが、鉱石や動物の骨などから絵の具を作ろうとしていることにはすぐ気づいてしまいましたね、本好きの下剋上を履修していたので…!
8投稿日: 2024.02.04
powered by ブクログよく出来た良い物語だと思う でも、主人公がのっけから女子アナと付き合ってて、うらやまけしからんので減点w
9投稿日: 2024.02.04
powered by ブクログそう、そう終わって欲しかった! そうなると信じていた! という、結末に胸がいっぱいになりました。 加藤シゲアキ先生の作品の終わり方がとても好きで、 今回も例に漏れず期待する結末に胸が高鳴り、読む手の止まらない感覚がとても興奮し、楽しい時間だった。 序盤は、私の脳のディスクが足りないこともあり、 登場人物が多く、幾度か読み戻ったが、 後半になると登場人物の個性がそれぞれ際立ち、知らざる一面も出てくる面白さもあり、登場人物の多さが短所ではなく長所となったように感じた。 そして、この作品の主人公は誰なのだろうか。 もちろん、守谷ではあるが、 私には輝のようにも、いや、はたまた道生だったのか..それほどまでにひとりひとりに焦点があたり、感情移入をする、充実感のある作品だった。 勇と君衣の物語は涙無しでは読めない。 ぼんやりと月が出る夜空の下、決して綺麗なだけでは無い、幸せだけでない、どこか心の片隅に消せない不安がある、そんな逢瀬が、私にとってはどこまでも綺麗だった。 私のなれのはてはどこなのだろうか。何なのだろうか。 そして、それは幸せなのだろうか。 私はこの物語の登場人物たちのように、何かに固執することはできるのだろうか。それは良いことなのだろうか。 悲しくも美しく、綺麗なだけでは無い、この現代と、過去の戦争という無慈悲な現実、全てが詰まった作品でした。 そして、作中何度も登場する、一度も見たことがない絵を、 まるで実際に見たことがあるかのように、頭の中で思い浮かべることができ、心で鑑賞し、感動しました。
9投稿日: 2024.02.02
powered by ブクログ作品の背景も人間関係もとても興味深く読みました。表現もはっと思うものが多かったです。元々絵画を見るのは好きですが「画家と鑑賞者の言葉なき対話」に頷きました。これまでは「NEWSのシゲ」の作品という気持ちが根底にありながら読んでいた気がしますが、この作品はそんなこと考える隙もなく引き込まれました。「加藤シゲアキ」さんという作家さん。この人の著作を今後も読みたいと思いました。
9投稿日: 2024.02.02
powered by ブクログ土崎を旅したことがきっかけでたまたま知った作品。 続きが気になってあっという間に読み終えてしまった。 聖地巡礼も兼ねてまたいつか土崎を訪れてみたくなった。 登場人物の相関図と出来事の時系列が付録としてあればなおよかったかも。
7投稿日: 2024.01.30
powered by ブクログ#読書記録 2024.1 #なれのはて #加藤シゲアキ TV局のイベント事業部に左遷された元報道記者が、同僚が持っていた1枚の謎の絵とその画家を調べるうちに、秋田の石油化学企業一族の三代に渡る秘密を追うことに。戦争、家族、石油、絵画、報道の世界が絡んだとても重厚な物語だったので、謎解きパートのスピードが凄くて、ちょっと駆け足すぎた印象。 #読書好きな人と繋がりたい #読了
6投稿日: 2024.01.30
powered by ブクログうわ〜〜すごい...めちゃくちゃおもしろかった...なんだこれ... 本当におもしろかった、以外の表現が出ないし、加藤シゲアキさんの著作は今作含め4冊しか読んだことないけど、物語としての厚みとこちらを引き込む勢いみたいなものはこれが1番だったなと思った 最後まで読んだ後に、もう1回最初の零を読んだら鳥肌が止まらなくなった
7投稿日: 2024.01.29
powered by ブクログあらすじ テレビ局の報道部から訳あってイベント事業部に異動した主人公の守谷は、新しく一緒に仕事をすることになった同僚の吾妻と行動を共にする。 ある日、吾妻は祖母が持っている1枚の絵の展覧会を開催するという企画を提案する。しかし企画を実現する為には著作権者の合意といった厄介な問題を解決し、保守的で頑固な部長からの承認を得る必要がある。2人は著作権者からの合意を得る為に、絵に書いてある唯一の手がかりである「ISAMU INOMATA」のサインから調査を始める。しかし調査を進めていく内に2人の身に思わぬアクシデントが起きたり、絵に関する驚愕の真実が明らかになって行く… 今回、加藤シゲアキさんの著書を初めて読ませて頂きました。 帯メッセージで面白そうだと思い手に取ったのですが、思ったよりも大ボリュームで始めは読み切れるか不安でした。 秋田弁が登場するシーンでは読むのに少し時間がかかることもありましたが、物語進行のテンポの良さや、謎が少しずつ明らかになっていく展開に、ページをめくる手が終始スムーズに動きました。 ページ数がとても多い為、これから読む人はドラマの様に8回(全8章だから)に分けて1日1回読むという楽しみ方も良いと思います。
15投稿日: 2024.01.29
powered by ブクログ無名の画家が描いた1枚の絵から始まる物語。 戦争、芸術、家族、石油産業など、様々なテーマが、現代と戦前〜戦後の日本を行き来しながら繰り広げられていく。 それぞれのテーマにおける「なれのはて」の意味がわかるとき、物語の壮大さに心が打たれる。
6投稿日: 2024.01.29
powered by ブクログなんとなくリアリティーというか説得力のようなものが足りず、いまひとつ世界にはまることができなかった。 『傘を持たない蟻たちは』『オルタネート』に続き加藤シゲアキさんの本を読むのは三作目。これまでのような現代的な作品の方が好みです。
18投稿日: 2024.01.28
powered by ブクログ加藤シゲアキさん初読みです。 直木賞の候補作ではこの作品が一番気になりました。 JBCという会社のディレクターだった守谷はイベント事業部に異勤になり同僚の吾妻季久美の所有していた絵にサインされていたイサム・イノマタという無名の画家の絵で展覧会を開く企画を立てます。イサム・イノマタの絵には吾妻が惚れ込んでいたのです。 そしてイサム・イノマタの名をみつけた秋田県へと二人はとび、秋田県警の長谷川に昔、起きたある一族の事件を調べてもらいます。 調べていくと猪俣一族が起こした石油会社の社長である猪俣輝が重要な鍵を握っていることがわかります。 守谷が輝にイサム・イノマタの絵の話をすると、輝は一億円でその絵を譲ってくれるようにと言い、守谷が断ると東京の吾妻の家に空き巣が入りイサム・イノマタの絵が盗まれます。 イサム・イノマタとは何者か…? 猪俣輝はなぜ、絵を集めているのか…? 果たしてその絵は本当にイサム・イノマタが描いたものなのかという謎もみえてきます。 輝の出生の謎。有能な、猪俣家の家政婦だった八重。 本の帯には芸術家が招いた悲劇。暴走した正義。取り返しのつかない後悔。とあります。 この作品は、一族の歴史を巡る、純愛と友情の物語だと思いました。 話は戦前まで遡ります。 そしてその謎がすべて解けたとき…。 一枚の絵に込められていたすべての真実が解き明かされます。
140投稿日: 2024.01.28
powered by ブクログ前半は眠くなりながら読んだけど後半は泣きどころがたくさんあった。 ハッピーエンドなのに読後感が切なくて好き。 芸能人が書いた本と思ってなめてたけどすごかった。 しばらく本棚で保管
7投稿日: 2024.01.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ジャニーズの書いた本だと思って避けていたが、面白かった。絵を描いたの誰かずっと気になり、一気に読めた。
4投稿日: 2024.01.27
powered by ブクログ素晴らしい! 夢中になって読んだ。 自分も一緒に謎を解いている気持ちになった。 1枚の絵からここまで話が広がるとは。
18投稿日: 2024.01.26
powered by ブクログある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動することになったテレビ局員の守谷は、同僚の吾妻から祖母から譲り受けた一枚の絵で展覧会を開きたいと相談を持ちかけられる。 曰く付きのその絵の画家の正体を探るうちに、秋田で起きた過去の焼死事件が浮かび上がる。そして調べるつれて、秋田のある一族の黒い水にまつわる過去へと繋がっていく。 加藤シゲアキの作品はこれが初読み。 他の作品はわからないけれど、アイドルが書いた小説とは言わせない、小説家の書いた小説でした。 ミステリの要素も取り込みながら、戦中戦後の時代も盛り込み、さらには人間の業をも描いて飽きさせない。謎が謎を呼ぶ展開は、込み入りすぎて途中でちょっと分かりづらくなったけれど、文章も決して稚拙ではなく、じっくりと描かれる大河小説ともいえる。 終盤で傑と勇が対峙するシーンは圧巻だし、道生の存在が哀しくも作品に深みを増す。 二人の再会で終わるラストシーンは想像されたけれど胸が熱くなったし、読後もすこぶる良かった。 直木賞候補作品納得の満足のいく作品でした。
17投稿日: 2024.01.25
powered by ブクログさて、前作『オルタネート』ではモチーフがひど過ぎて酷評したけれど、今回、すっかり前作の作者名だというのを忘れて読んだ笑 その分へんなバイアスをかけずに素直に読んで、たった一枚の絵画展を催すという話からすっかりここまで話を展開させる技術はなかなか唸らせてくれた。 章ごとの数字が鬼滅の刃かよってかぶれた雰囲気があったものの、人物の設定をかなり深くまで盛り込んでおり、話が大きくなりはしないかとハラハラしながらもちゃーんと起点に戻ってくる流れとなり作品を重ねるごとに成長度が上がってるなぁと感心した。 タイトルの”なれのはて”の意味が分かったものの、焦点はそこじゃないって思ったけど、まぁ良しとします。星1個減点は、たった一点しかなかったはずの作品がかなりたくさんあり、しかも身近なところにも飾ってあって知名度もそれなりにありそうなのに序盤まったく手掛かりなしというのはどうなの?って腑におちないところでした。まぁ概ね小説とは作者都合の物語ばかりなのでそんなものかな。
9投稿日: 2024.01.25
powered by ブクログ巧みな情景描写に操られて異世界へ。闇を覗いた罰で這い上がれず、数奇な運命に共鳴、心が傷む。なのに、埋め合わせのように癒しを求めてるのナンデダロウ?自分の成れの果てはウスバカゲロウでアリたい。
37投稿日: 2024.01.24
powered by ブクログ初読みの加藤シゲアキさん。 自分の生きた時代ではないときのことを調べて書くのは大変だっただろうなあ、と思いながら読んだ。 でも、この話は、この時代だからこそ生きた設定だと思う。 一枚の絵に絡む何人もの人生。 そのそれぞれの人生が紐解かれ、広げられた謎が回収されていく。 最後まできれいにまとまって安心する終り方だったと思う。
20投稿日: 2024.01.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一つの絵にまつわる物語。 無名作家の絵に感銘を受けたメディア会社員が個展を開くために作者の正体を紐解いていく。 時代背景は戦前まで遡り、場所は秋田。 実際油田があることすら知らなかった。 話自体軽くなく面白かった。 でも途中なぜかまのべしたかんがあり読みが遅く読了まで時間がかかりました。
5投稿日: 2024.01.21
powered by ブクログ会話の所々が古臭く感じられたけど、それ以外はとても面白かった。 物語も絵の謎もいい方向に二転三転して、ラストは読了感が素晴らしい。 ちょっと泣きそうになってしまった。 こんな作品でも直木賞取れないのかぁ。 万城目さんの受賞作品も読んであの作品も良かったけど、自分が審査員だったらこちらに票を入れるなぁ。
14投稿日: 2024.01.20
powered by ブクログ報道とは何か、イベント企画とは何かがテーマかと最初思ったが、1枚の絵、イサムイノマタの少年の絵から広がっていく秋田の猪俣家の闇にまた深い愛に、あるいは無垢なる魂に心震えた。最後の場面感動ものです。 直木賞、これで取れなかったのが残念です。
10投稿日: 2024.01.20
powered by ブクログ2024年 6作目 第170回直木賞候補作。 戦争前後の過去と現在を交差しながら、主要キャラの個性や人生背景が詳細に描き上げられており、起承転結もありつつ最後はしっかり余韻も得られ、満足感のある1冊であった。 ただ個人的に少し文章ボリュームが多い点、こいつ登場必要か?と思えるキャラクターが何人かいた点が気になったので、星4つとしている。
5投稿日: 2024.01.20
powered by ブクログ作品のスケールの大きさや、歴史、あらゆる点ですごく細かく情報収集されて書いたんだろうなと推測できた。アイドルなのに、いつ書く時間があったんだろって。 ただ登場人物が多くて、混乱した。
15投稿日: 2024.01.19
powered by ブクログ1枚の絵から繰り広げられるストーリーに唖然としました。 初めて加藤シゲアキさんの本を読みましたが、本当にアイドルなのかと思ってしまった。 色々な時代風景を旅している気分でワクワクしながら読めました。 また、複数の登場人物が出てきって困惑する部分がありました。 ただし、全ての話がつながった時、納得感が興奮しました。 最後のシーンはとても感動的でした。 かなり長編だったので読むのに時間がかかりましたが、とても良い本でした。
8投稿日: 2024.01.19
powered by ブクログたった一枚の絵から始まった旅に引き込まれ面白かった。一作目よりスケールアップ。ただ「弥次馬のような陽光が照りつける」凝りすぎの表現や序盤の複雑すぎる人間関係、あまりに都合良すぎる偶然は…。「すべて明らかにすることを報道と言えるのだろうか。何かを守ることも報道の役割ではないか。正しさは振りかざすだけの矛ではない。他者を守るための盾でもある」その通りだけど誰が恣意的でなく公正なジャッジできるのか…難しい。「誰しもが、初めから人ならざるものを秘めているのだ。それはいつだって虎視眈々と機を待っていて、情念に駆られた途端その姿を露わにする」ひゃー。
13投稿日: 2024.01.18
powered by ブクログ惹きつけられる力のある一枚の絵。 その絵をめぐり、壮大なストーリーが展開する。 加藤シゲアキ天才。 伏線の回収もお見事。力作。 本の世界に入り込めた。面白かった。 日本で原油が取れること知らなかった。 覗き込むと黒い液体が。 「なれのはてです。」 これを作ったのが輝の父。たった1人で。 輝が自分の親について真喜夫さんから教えてもらった時の言葉。それがタイトルに。 絵を描いたのは、イサム・イノマタではなく、 勇と一緒に生活をしていた及位道生。 スピンオフで道生さんの話をもっと知りたい。 吾妻のお母さんは、道生さんのこと、絶対に知っていると思った。やっぱりと思った。 守谷さんも、小学3年生の時に道生さんに助けてもらっていたこと、思い出せたのは奇跡。 ラストの感動は大きかった。 素晴らしい話だった。 直木賞は受賞できなかったけれど、加藤シゲアキさんの話はどれも面白い。 次作も必ず読む。
33投稿日: 2024.01.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
猪俣家一族が誰も幸せにならなくて、読んでいてしんどいところが多い作品でした。 守谷や吾妻が事件を追う"現代"と、現代で分かったことが回想される"過去"を行き来するような構成で、読んでいて引きがありました。 亡者を描く勇と、生者を描く道生の対比もよかったし、時折見える辛い中のささやかな幸せを感じる描写がなんとも言えない感情になりました。 「正しさは振りかざすだけの矛ではない。他者を守るための盾でもある。」 この言葉で、守谷の成長を感じられたいい言葉だなと感じました。
11投稿日: 2024.01.18
