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なれのはて
なれのはて
加藤シゲアキ/講談社
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総合評価

388件)
4.2
150
150
58
9
2
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    トピックが多くてびっくりした。 著作権やパブドメ、秋田の油田開発、土崎空襲、自閉症、報道の責任…… …著者の幅広い知識に二度びっくり。 そしてこれらのトピックと伏線を重層的に絡み合わせる構成力。 読みごたえあるのに、読みやすい。 おもしろかった。

    6
    投稿日: 2025.11.09
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    すみません。作家のイメージだけで読んでませんでした。本当にすみません。 それほどまで人の業や、血のつながり、運命というものを考えさせられる作品。 この人の頭の中もどうなっているんだろう、どうやってこんな作品を生み出せるんだろう。

    0
    投稿日: 2025.11.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久々の星五つ。 とても読み応えのある作品でした。 秋田の油の話、まったく知らなかった。作者は何がきっかけでここに着目したんだろう。 まだ頭がぼーっとしてる。 秋田に、その時代にいるかんじ。

    1
    投稿日: 2025.10.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いや〜、もうお腹いっぱいになるほど いろいろなトピックが詰め込まれた一冊。 「あえのがたり」を手にして以来、この作者の本を読んでみたい、そして読むならこの作品だなと思っていた。 正直言うと、ちょっと詰め込みすぎでは?とも思う。 一枚の絵から始まる物語の中に 殺人事件、戦争、戦災孤児、油田、発達障害、妖怪、禁断の地、地消地産、マスコミ、果てはパンデミックまで。(他にももっとある) それに加えて多めの登場人物、 過去と現在が行き来し、間にトリビア的なものまで挟まれて。。 クライマックスにたどり着くまでの道のりがものすごく長く感じられた。 きっと書きたいこと、伝えたいことがたくさんあったんだろうな。 読むのにかなりパワーが必要な本だけど… ラストシーン、ベタやけど泣けました!

    33
    投稿日: 2025.10.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    奥行きのある大作で、これがあの『オルタネート』と同じ作者の作品だと思うと、加藤さんの振り幅に驚いた。 戦時中のこと、石油産業のことが読みやすくわかりやすく書いてあり、特に8月15日前日に秋田であった空襲ののとを君衣さんの物語として知ることができだことがありがたかった。「あと一日早く戦争が終わっていれば」、これが君衣さんの物語を通りてわたしのなかに深く刻まれた。 今を戦前にしないために必要なのはこういう物語だと心から思う。 そして結末の輝さんと道生さんが再会できるシーンに加藤さんの優しさを感じた。 このあと、守谷さんは幼い頃自分を森で助けてくれたのが道生さんだと気がつくのかな。

    1
    投稿日: 2025.10.27
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    登場人物の多い複雑なお話でした。 地方と戦後。 いろいろなことが重なり合い、交錯する。 縁とは不思議だ

    0
    投稿日: 2025.10.23
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    1つの無名の絵の著者にまつわるミステリー。 これが一体誰が描いたものなのか、そこから広がる謎が楽しい物語。 最後の100ページだけでもう1冊作れるんじゃないの位の怒涛の伏線回収がまっています。 ハードカバーで表紙も凝っており、そのカバーを外した表紙も最後までみると伏線が入っていたりして読んで、見て楽しい本でした。 1つ言うなら少し登場人物が多い上、少し難解な読み方をする方がいるので期間を空けると違う名前で読みだします。半分位あだ名付けて読んでしまっていました。 そして戦争時の生々しい描写もあるため、戦争に対しとても理解が深まったので自身は良かったとしつつ、そういった話題が苦手な方は注意しておいた方が良さそうです⚠️

    0
    投稿日: 2025.10.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    たった1つの絵を展覧会に出すために調査し、いつのまにかその謎を解き明かす内容。 すこしずつ解き明かされていく謎だが、どれがどれにつながっていくのか本当にわからなかった。最後に一つに話がまとまったときにはすごいと思った。 秋田に油田があるのを知らなかったので勉強になった。 単純に、謎解きというだけではなく、母と子の関係、恋人との関係、家族の関係、いろいろな関係が盛り込まれていて読み応えがあった。 ハルを生んだ子を見て、道生が、「テル」と呼んだことから、照美と名づけられた。 その一文で、道夫と輝の絆がぶわっと心に響いてきた。いろいろな人の気持ちが丁寧にえがかれていて、本当に最後まで気持ちを込めて読むことができた。 タイトルもいい。 読了後の余韻がすごかった。

    0
    投稿日: 2025.10.07
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    前半は都合の良いタイミングで警察が動いたり、都合よく話が進み登場人物も型通りのように思えてしまった。人の相関関係がちょっと複雑で、慎重に読んで最後の50ページくらいは面白かった。

    6
    投稿日: 2025.09.30
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    図書館でタイトルと装丁が気になって手に取りました。 色々な要素を入れつつ、ストーリーは最後まで面白く読めました。 ストーリーだけなら星5、場所や空間の描写少なく小説の世界に入り込めない時があったのが少し残念でした。

    0
    投稿日: 2025.09.16
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    読後の優しくスッキリする感じが良かったです。闇の部分をもう少し深くすると光の部分がより映えたのではと思いました。

    0
    投稿日: 2025.09.13
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    正直「驚いた」の一言。 作者の加藤シゲアキさんに対して「芸能人」というフィルターがかかっていたのは事実ですが、途中からそのフィルターが消え去った。 仕事、美術、戦争、家族など様々な要素が描かれているけど、見事な構成力と筆力で話に引き込まれる。 ただ人物の関係性が頭の中で整理出来なくなり、 相関図を書きましたけど(笑)

    1
    投稿日: 2025.09.09
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    話の構成も時代背景も、作品を作り上げるまでに相当な時間と労力をかけたんだろうなと思った 確からしさがあったからこそこの長さの小説も一気に読みたくなったんだと思う

    1
    投稿日: 2025.09.07
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    ある一枚の絵を調べていく内に明かされる、ある一族の業。 一つのドラマや映画を見たような読後感で、 加藤シゲアキさんを初めて読んだのですが、 筆力のすごさに圧倒されました。

    1
    投稿日: 2025.09.04
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    謎に包まれた一枚の絵画が照らし出す、100年にもわたる秋田の石油一族の業。報道とはいったいなんなのか、悲惨な戦争はなにを残したのか。社会問題や家族愛、罪と罰と救いを重厚な文体で描いた傑作でした。たった一枚の絵が、誰かの人生を大きく変えてしまう。それと同じように、この本を読んだ人の人生も読む前とは大きく変わってしまう。それこそが、この本の生まれた意味なのかもしれませんね。

    1
    投稿日: 2025.08.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    過去と現在が交錯し繋がっていく展開が大好きなので、面白くて一気に読み切った。ちょうど8月14日の少し前に読み終わったのだけど、戦争で狂わされた人生を目の当たりにして、こんなこと2度と繰り返してはいけないと思った。 緻密に構築された物語の中で最後までわからなかったのが、傑が焼死した場面。道生はすっと彼を抱きしめた、という描写から殺意は感じられない。彼は何を思って火のついた両手で抱きしめたんだろうということが、ずっと気になっている。

    1
    投稿日: 2025.08.30
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    久しぶりに夢中になって読みました、面白かった。 現代と70年前を行ったり来たり。そんなに昔のことを鮮明に覚えてるもんかなぁ?と思いつつも、ちょっとずつ当時を知る人が見つかり、真実が明らかになっていく展開に引き込まれました。 作者もわからないのに展覧会を開きたいと思わせる絵って実際に見るとどんな感じなんだろう。 事件が絡んだ一族の話だったけど人と人との関わりで作られたストーリーで読み応え充分!登場人物が多くて、相関図必須でした。 ずっとタイトル「なれのはて」につながるもの、ことが出てこなくて。登場のさせ方は粋でした。

    13
    投稿日: 2025.08.28
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    圧巻の一言。一枚の絵に秘められた深い深い物語。猪俣家の謎。傑と勇。輝と道生。何かに導かれ巻き込まれて行く主人公。人の業と戦争がもたらした哀しき運命。匂い立つ秋田の森の緑と漆黒の油。内容も構成も素晴らしく、息が詰まるような思いで読み終えた。直木賞候補に上がっていたが、芥川賞を取ってもおかしくないと思った。他の作品にも興味が湧いた。大好き度❤️❤️❤️❤️❤️

    11
    投稿日: 2025.08.15
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    真相が気になって夢中で読んだ。 ときどき前に戻って読み返し、確かめながら。 それぞれの人生のままならなさに苦しくもなりながら、純粋に生きていることへの眩しさも感じたり。 冒頭(零)の詩のような文章がずっと気になって 何度も戻って読み返し、でも違和感がなくならず、最後に戻って読んだとき、ようやく全てが繋がった。 主役になり得る人物が何人もいて、濃い。 戦前戦中戦後が語られていて、時代情勢が入ってくるからとても読み応えがあった。 こういう歴史を学べる小説とても好き。 時代を行き来するところもとても好き。 色んな人の色んな人生が繋がって影響しあって生きている。 装丁のこだわりも素敵。 石油が流れるような字体、きらめき。 ミステリ的要素にまんまと騙されて衝撃が走るときの感覚。 加藤シゲアキは天才か…!(NEWS加藤シゲアキの方を先に長く知っているためそう思う) * 余韻が凄くて翌日に最初から斜め読み。 道生くんの物語として読むとき、心揺さぶられる瞬間がいくつもある。 道生くん…道生さんに会いたいな。

    2
    投稿日: 2025.08.10
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    2023年の直木賞候補作 相続された一枚の絵を起点に、そこに関わる人々の焼死や画家の失踪といった複数の事件が絡み合う、ミステリー作品となっていました 今まで加藤さんの作品を2作読んでいます 今回の作品での著者の飛躍ぶりに驚きました よく調べて、よく資料を読み込み、真摯な姿勢で ただのフィクションにはとどまらない、実在の記憶を辿るような確かさがありました 物語は、秋田に根ざす一族の歴史を軸にした“地方の大河”的な骨格を持ち、その中で各人物が複雑に絡み合う群像劇として展開します アクリル絵の具の製造販売という事業にまで焦点を当てている点は、地方史と産業史と 小説の幅を広げます ただ、本作では登場人物一人ひとりの輪郭がやや希薄に感じられました 正直に言えば、読んでいて誰の話か混乱してしまう時がありますし、心情は読めない おそらく作者は、人物よりも“時代の秋田”を描きたかったのかなと思う 目次を見ても構成の複雑さがわかる 作者もそこはわかっていて、しっかりと明示して 理解を促したのかなと思っています とはいえ、これまでにないスケール感があり、次の作品を期待してしまいます

    113
    投稿日: 2025.08.05
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    一枚の絵の著作権を巡り、作者を調べていくうちに明らかになっていく家族の過去。戦前戦後を通して秋田に起こった戦争の爪痕。それは油田があったからだった。  油田が引き起こした狂気の確執。そして、最終章に向かって一気に解決するかに見える。  しかし、物語が終わった所から、一人の画家の生き様がどうなっていくのかを考えざるを得ない。 場面展開で読みにくい部分もあったが、繋がっていくと、一気に読み込んでしまう。その筆力に感動せざるを得ない。

    9
    投稿日: 2025.08.03
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    加藤シゲアキさんが本を書いた 最初はアイドルが書いた本なんて、と思っていたけれど時は過ぎ、そんな私の思いを覆す本を書かれた それがこの本 なれのはてってそういうことか…! たった一枚の絵画から巡る物語 思っていた通り、いやそれ以上だったかもしれません 戦争も絡んできたのでそこは予想外だったけれど、素晴らしい本を読ませていただきました

    2
    投稿日: 2025.07.16
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    やっと読み終わった。 初め、アイドルが書いた小説という視点から 読んでいたのだが、なかなかどうして、 本当に失礼だがそう思えない程の内容の濃さ、 圧巻だった。 「ISAMU INOMATA」とサインのある一枚の 不思議な絵の謎を追いながら、秋田で石油で財を成した一族、猪俣家とその関係者たちの複雑な関係を軸に現在と過去が交錯しながら話は進んでいく。 決して明るい話ではないが惹き込まれ、 終盤、タイトルの「なれのはて」とは、そのような 意味だったのかと気付かされる。 恥ずかしながら、秋田に油田があることも知らなかったし、日本最後の空襲が秋田の土岐地区で、製油所の破壊を目的とした大規模な空襲があり、甚大な被害があったことも全く知らなかった。 著者の加藤シゲアキ氏は、どれほど膨大な資料を読み込み、物語としたのだろうか。 登場人物が多く、関係性が複雑なため「この人誰だっけ?」と思い、前に戻る事が度々あり、読む際には自分で簡単に登場人物の相関図を作ることをお勧めする。

    23
    投稿日: 2025.07.13
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    人物関係が複雑で読むのに少し混乱してしまった。 ボリュームはあるけど、ちょっと詰め込み過ぎな気もする。 輝と道生が心を通わせるシーンがもっとあったら良かった。

    2
    投稿日: 2025.07.10
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    全体を通して、とても丁寧に取材、研究をしめ練られま作品だと思った。 2足のわらじを履いた作家さんは他にも沢山いると思うが、彼もその1人、アイドルという仕事の傍ら、この昨日を書き上げた。アイドル作家とは言いたくない、作家加藤シゲアキ。 過去と現在を上手く組み合わせ、展開していく物語。なれのはて、というタイトルの意味、謎の絵に隠された意味、とてもドキドキ、ワクワクして読みすすめることが出来た。

    13
    投稿日: 2025.07.08
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    重い、しっかりとした話だったけど、私好みの話ではなかった…。 読後、重さを引きずる本だった。 加藤シゲアキはすごく真面目な人なんだろうなと本を読んでそう感じた。

    6
    投稿日: 2025.06.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    シゲくんすごい!直木賞ノミネート作なので期待してましたが、思っていた以上に面白いミステリでした。 1枚の絵の謎を追って現代と過去が交錯しますが、猪俣家の歴史がなかなか壮絶。猪俣家の過去パートと、それを調べる守谷の現代パートのバランスが巧妙でした。 時間を置いてまた読み直したいです。

    6
    投稿日: 2025.06.26
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    本書は、アイドルが書いた割には評価が高い、と言うたぐいのものではありません。 むしろ多忙の中、よくこれだけのものを書ききったな、と驚愕しました。 スケールが大きく、秋田の戦時中の歴史や美術品の著作権のこと、自閉症のことなんかまでものすごくよく調べてあって、それがリアリティにつながり、どっぷり物語の中に入っていけました。重い話ですがラストは爽やかな気持ちになれたところもよかったです。 とても面白かったのだけど、ちょっとだけ。 登場人物が多く関係性も複雑、また、現代と過去を行き来する構成の為、わかりづらくて慣れるまで迷子になりそうになりました。 この登場人物の多さが重厚感なんかにもつながるのだけど、複雑すぎて軽い気持ちで人に勧められない。。

    10
    投稿日: 2025.06.24
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    アイドルが書いたと軽く見るなかれ。本当にクオリティ高いと思ってる。読み応えのあるストーリーと読みやすい文章。ミステリアスで話の先が気になるストーリーテリング。ありがちな私小説なんかじゃなく、なんなら割と地味な設定で硬派なエンタメ作品ですごく好み。そういった発見があって驚きとともに満足の読了。他の作品も読みたい。 お話は、左遷された元報道のテレビ局マンが、飛ばされた先のイベント部署である無名の画家の絵画展を開こうとするもの。許可を取るべくその画家の作品の著作権保持者を探すうちに、画家を取り巻く地方の一族の謎に足を踏み入れ、画家の生死や親族の死の真相に迫る。

    14
    投稿日: 2025.06.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かったです。 無名の画家の過去をさぐるなんて、こんなに簡単に話を聞かせてくれないだろう、などと思いはしましたが。そこでリアリティーを追求したら話は進んでいかないですからね。 方言を使用したり、戦争や空襲の話、石油に発達障害、著作権についてと色々盛り沢山で興味深く読めました。 勇と傑が揉めているシーンは原油まみれで絶望感強めで印象深いです。ラストはこれしかない感のある光さす良いシーンでした。 どうしても「あの加藤シゲアキ」の作品として読んでしまうため、よく取材をしているなぁと思ってしまいました。単語もなんか難しい語彙使っちゃって、とか思ってしまう。芸能人の兼業作家という先入観があるので、どうしても単純に話だけを追えなかった。ごめんなさい。 でも、傑作だー!とまではいかずとも、普通に小説として面白かったです。

    2
    投稿日: 2025.06.20
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    一枚の絵の謎。その先にある人と人の関係。幸せが崩れる悲しみも、温かみに触れる喜びも全てをぶつけられる感じ。 読了後にストンと腑に落ちる題名と表紙のデザインが素敵。

    1
    投稿日: 2025.06.17
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    登場人物も多く、時代も行ったり来たり。 でもひとつずつがつながっていく、壮大なストーリーでした。 後半はおもしろくて一気読み。 とてもよかったです。

    4
    投稿日: 2025.06.11
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    猪俣家という謎多き複雑怪奇な一家に魅了されて、食らいつくように読んだ。 暗く苦しいけれど、かっこよくて美しくもあり、つくづく読んで正解だったと感じる。

    29
    投稿日: 2025.06.03
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    芸能人の作品ということで今まで読んでこなかったが、直木賞候補とのことでついに手を出してみた。完成度の高い骨太のエンタメで、かなり面白かった。タイトルだけあまりしっくりこない気がする

    2
    投稿日: 2025.06.03
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    カトウシゲアキさんの作品を初読み。 久々にじっくり本を読んだ感覚になりました(笑)途中時代や登場人物を整理したくなりましたが、後半一気に読みきってしまいました。 おもしろかったです

    9
    投稿日: 2025.05.25
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    序盤、中盤とやや人間関係を整理する時間が長かったが、最後100ページはかなり面白かった。頑張って最後まで読んでほしい。

    2
    投稿日: 2025.05.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いやぁー久々に想像を遥かに超えて、めちゃくちゃ良かったと言える読後感を味わえました。 職場の人に加藤シゲアキさんのファンの方が居て、元々読みたかった作品だったので借りて読ませて頂きました。 初めは登場人物も多いし、昔と今を交互に読むので、読み進めるのに時間がかかりましたが、半分を過ぎた辺りからこれからどうなるの?!とゆう思いで一気に読めましたね。 上記でも書いたように人がたくさん出てくるし、関係性が複雑なので「え、どことどこが繋がってるの?」となりましたが、最後までそういった人間関係にも、ストーリ的にも疑問を持つことなく、むしろ共感しやすい感情の動かし方をされ、最後の最後までワクワク、ドキドキしながらとっても楽しく面白く読ませていただきました。しかも、最後は本っ当に「良かったぁ(T^T)」ってなりましたね(笑) 読み終わってから「零」という最初の章の文を読むと感慨深いものがありました。あと、カバー外した時の…。あれはズルい。いや、上手い! 文中に「そういうものに出会えた自分はとても幸福だと思いました」という言葉を、この本を読めたことに重ねて言いたくなりました。貸してくださった先輩には感謝感謝ですね。 あとは最後の方に「正しさは振りかざすだけの矛ではない。他者を守るための盾である」って言う言葉があるのですが、主人公の成長を感じながら読んでいるからこそ、すんなりと受け入れられる言葉だなぁ、と思いました。 余談ですが、私は秋田の出身ですが、油田のことも空襲のことも、恥ずかしながら全く知らず、よくここまで調べあげたものだなぁとと関心しつつ、訛りに懐かしさと、やや違和感(笑)感じつつ、秋田県を題材にしていただいて正直嬉しかったです( *´꒳`*) 加藤シゲアキさん、アイドルとしてしか知らなかったですが、こんなに素晴らしいストーリーと、上手な文章と表現力に驚かされました。また他のもぜひ読みたいですね。

    8
    投稿日: 2025.05.24
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    すごい作品だった。最近はあんまり読んでませんでしたが加藤シゲアキ氏、デビュー作品を読んだ時からこの人の文学性はとても高いと感じていました。 いつか大きな賞を取るだろうと思っていましたがこんな骨太の作品を著すほどの作家になられていたのですね。直木賞候補、大納得でした。 (この時の受賞作品が河﨑氏と万城目氏だったのもしかし納得。この時の選考レベル高かったですね) いやしかし、読むのに時間がかかった。面白いし、グイグイ読ませる力は感じさせられたけれど、登場人物の人間関係が複雑なのと多いのと時代が行き来することになかなかアタマの年表と人物相関図がついて行かず、時々こんがらがったり「この人誰だっけ?」を確認したりしてすんなり進まなかった。 戦争の話、それに絡む複雑な家族と一族の歴史、障害者の処遇、著作権問題や、会社の隠蔽体質、最後はコロナ禍もちょっと登場し、時代をまたぐ社会問題も「これでもか」というほど盛り込まれていて「よくぞこんなに盛り込んだものよ」と圧巻としか言えない構成力、確かにこれを書き上げたら一度空っぽになってしまうだろうと思うほどの著者の熱量を感じました。すごいもの読んだなぁ。でも読了して良かった。 土崎空襲という地域では知られていても国内一般ではほぼ知られていなかったであろう歴史を知らしめたという点でもとても価値がある一作だと思います。 あと数ページでもう紙が尽きそうという時、この話はどのように終着するのだろうと思いつつ読んでいたラスト1ページ、胸が震えました。 物語としては作り過ぎと言えばそうかもだけども、これまでの話の流れを読んでいたら、もうラストはこれしか無かっただろうと。 納得させられてしまう、場面が目に浮かんてくるような感動を呼ぶラストでした。 加藤シゲアキ氏、もういくつかの賞を獲られていますがいつか本屋大賞とか直木賞も獲ってほしい作家さんです。

    16
    投稿日: 2025.05.24
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    ベテラン作家かと思うほどの重い作品でした。 芸能活動をしながらこれほどの物語を書き上げるとは!正直ナメてました。すみません。 登場人物が多いのでメモしながら読めばよかったです。

    4
    投稿日: 2025.05.22
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    なれのはてと言うタイトルが 小説の内容を興みのないものへと 変えてしまっている感がし、残念に思えた。

    1
    投稿日: 2025.05.18
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    直木賞候補作。 一枚の絵をめぐり、その絵に関係する人の目線で作者について紐解いて行く。 似てる名前が多いのと、登場人物が多くて追いきれずにラスト2/3あたりで一度放り投げてしまった。展開も早くないしつまんないわ、と。 その後、時間ができたのでまた読み進めてみた。 後半は一気に謎が解けて目線が戻るので読みやすくなった。 物語的には3世代ほど行き来戻りつするのですが、話を膨らませているだけでそんなに面白くなく、流し読みで良い感じ。 ドラマ化しても分かりにくいと思う。。

    2
    投稿日: 2025.05.16
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    発端は守谷の異動。異動先で燻っていた吾妻の提案「作者不詳の絵の展覧会を開きたい」という話から、調査が始まった。作者は誰なのか?著作権は誰のものなのか?その疑問の先に、猪俣家という秋田で石油化学株式会社を経営する一族がたちはだかる。一族の歴史を探る壮大な物語だ。 秋田で多くの石油が発掘されたこと、終戦の前日に空襲がありたくさんの戦死者が出たこと、あまり知られてない歴史の事実が、家族の決定的な溝となった。重厚なテーマを取り上げていて驚いたし、読み応えがあった。どんな秘密が隠れてるのかと、ワクワクもしたし、なるほどなぁと面白く読み終えた。難を言えば(重厚なだけに仕方ないけど)家族関係が複雑、登場する人間関係もややこしくて、はじめ整理が追いつかない感じだった。現代と過去を行き来する構成も、ちょっとわかりにくい気がした。まぁ、私の知識不足と言われればそれまでだけど。 加藤シゲアキという作家を見直したのは事実。どれだけの資料読み込んでこの物語を書き上げたのか、すごいなと思った。 なれのはてとは、原油を指し、それに魅せられて人生を狂わされた人々のことなんだろうな。

    1
    投稿日: 2025.05.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    凄い練り上げた作品だとは思うけど単純に好みではなかった。 過去の人物の関係性が複雑であまり入り込めなかったのと、兼通の性暴力が必要だとは思えなかった。 道生と輝の友情も美しいとは思うけど、二人が何十年もお互いを思いやるほどの友情を抱いたという説得力はないように感じた。 ただテーマや展開が苦手だったけれど、作品の完成度は流石だったので、これからも読んでいきたい作家さん。

    1
    投稿日: 2025.05.11
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    あっぱれ!!の一言に尽きる。 最初はその難しい文になかなか乗れず、さらに読んでも読んでも進まない分厚さに何度も心が折れかけ諦めかけたのですが… 皆さんの感想が良い事に背中を押され、気力を奮い立たせて読み続ける事数日、気がつけばいつしかグイグイ引き込まれて一気に読み終わりました! もう、アイドルの加藤シゲアキという肩書きで読み初めてごめんなさいという気持ちです。 むしろ、アイドルでも作家でも才能を開花させ  られるなんてあっぱれとしか言いようがない! それだけすごい世界観を持つ1冊でした。 もし、私のように途中で挫折しそうな人がいたら、もうちょっとだけ頑張って読み続けてみて欲しい。 そして、アイドル加藤シゲアキが書いてるんだなぁと思って読まず嫌いの人もぜひ!

    1
    投稿日: 2025.05.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    直木賞候補作となった時点で読みたいとは思っていました。 偶然テレビでご本人が創作について話されていたのを聞いて、改めて手に取りました。 とにかく、取材力・語彙力・構成力には感服しました。 かなりの長編にもかかわらず、大きな破綻なく書き上げておられるのは、お見事です。ミステリーとしてもまず破綻はなく書かれています。歴史ものともいえるので、その点でもこれだけの長編をまとめたことは圧巻です。 物語は面白く、どんどん読み進められました。ストーリーテラーとしても実力があると思いました。 しかし、あまりにも周到に計画して書かれているのだとは思いますが、最後にすべての伏線を一気に回収して、八方丸く収めすぎてしまって、ちょっと残念でした。 特に、主人公の守谷が報道局に戻るあたりは、リアリティに欠けていると感じました。大きな組織では、そんなに簡単に人事は覆らないと思うからです。 それにしてもまだ、作家デビューから日が浅いのに、これだけの物語を書けるのは、この先本当に楽しみな作家さんだと思いました。

    5
    投稿日: 2025.04.28
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    とても良かった。凄い調べられて、勉強されて書かれているんだろうなと感じた。登場人物や時代が行き来するので、覚えるの、思い出すのが大変だったが、その作業も含めてすごく読み応えがあった。あまり触れてこなかったような内容の作品だったが、面白くてぐーっと引き込まれていった。

    2
    投稿日: 2025.04.27
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    今まで読んだこの著者の本で一番よかった。重厚感があり、過去と現在を上手に行き来して、物語の着地も軽快感があり感動した。 やるな、加藤シゲアキ!

    2
    投稿日: 2025.04.26
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    重厚で読みやすく、一日で一気に読んだ。空襲の話だと思っていたが、空襲メインではなく、油田や謎の画家、メディアの仕事の話。おもしろかったー!

    1
    投稿日: 2025.04.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    物語の厚みがすごくて一気読みしたい衝動を何度も堪えながら毎日少しずつ読み進めた。めっちゃ面白い。一枚の絵とその著作権の在り処を探すだけだったはずが、たくさんの人の人生を巡って出会うべきふたりがようやく出会える話。イサムイノマタの絵を見つけたとき、絵の具を見つけたとき 輝と道生は出会えていて、ラスト2人が本当の意味で再会を果たしたとき、人生二つ分、もしくはそれ以上の人間の人生の重みを知ったが故にその再会が一際グッときた。 家族構成とかかなりごちゃごちゃしやすかったし方言とか歴史とか難しい〜って思ったけど話が面白すぎる。 最近になって自閉症の子が生まれたわけではなくてきっと道生のように戦前にもいたこと、今でこそ名前がついてるような障がいをもつ人は何年も前からずっといたんだってことをもう一回改めて教えてもらった。 めちゃくちゃ面白かった〜!

    2
    投稿日: 2025.04.19
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    ずっと読みたかった作品。 今年の1月には「あの本、読みました?」で特別賞の保奈美イッキ読み賞を受賞し、ますます読みたくなり、思いがけず手に入ったので早速手に取った。 報道局からイベント事業部に異動したテレビ局員・守谷は、異動先で出会った吾妻から、祖母から譲り受けた作者不明の絵を使って「たった一枚の展覧会」を企画したいと相談を受けるが、画家の素性は一切分からない。展覧会の実現に向け二人は謎の画家の正体を探り始める。 序盤からいくつかの謎の提示があり、とにかく先が気になった。 現在と過去が交互に語られる構成、謎が解決する度に浮かび上がる更なる謎に引き込まれた。 これは、イッキ読み賞だわ…! 隙間時間でしか読めないのが悔しい…! 知らなかった戦争の歴史や石油産業について知れたのがよかった。 特に、戦争の歴史については本書を通して多くの方に知られてほしいと感じた。 報道のあり方についても考えさせられた。 正義が人を傷つけ、希望を奪う。それは果たして正しいことなのか。 SNSの使い方にも通ずるのではないか、と感じた。 物語全体を通しての守谷の心の動きが印象的だった。 画家の思いが心に触れ、一枚の絵がひとりの人間の世界を変える。 行き詰まっている時こそ芸術に触れるチャンスなのかもしれない。 ラストがとってもよかった。 芸能活動をしながら、こんな骨太で壮大な作品を執筆されたなんて、すごすぎる…! 他作品も読みたくなった。 ✎︎____________ 芸術というものは見えるものを表現するのではなく、見えるものにすることである(p.35) 使用料を払わなくて済むからってだけで、みんなその日が来ることを願ってる。それはつまり、人の死亡日が早いことを願ってるってことじゃないですか。早く死んでいてほしいと願ってる。誰にだって長生きしてほしいと願う人がいるはずなのに(p.46) ‪”‬問題がない‪”‬ことを証明するのは、‪”‬問題がある‪”‬ことを証明するより遥かに難しい(p.49) 善人だって悪人だって、結局は人だからね。人を辿れば、その人に行き着くはずなの。(p.61) 知ってしまった以上、私たちは正しく伝えるべきです。それがメディアの責任です(p.73) 客観的に見たら恐ろしい行為も、当事者にとっては優しさだったりする。骨を砕くのって大変で、軽くコツンってするくらいじゃ砕けなかったりするんですよ。だから思い切り叩く。すり鉢で砂のようになるまで延々とすり続ける。奇妙だけど、どこまでいっても全部愛でした(p.139) 家族ってわかりやすいかたちのようで、ひとつとして同じものはないから、自分たちで常に考えなくちゃいけない。でもそういうときに参考になるのは、結局別の家族だったりするんだよな(p.141) 幸福の真っ只中において幸福を実感することは、とても難しいことだ。(p.208) 全部自分でやると、失敗しても誰かのせいにしないでしょう。それがいいんだよ。自分で責任を取るというのは、実はすごく楽なことなんだ(p.304) 誰しもが、初めから人ならざるものを秘めているのだ。それはいつだって虎視眈々と機を待っていて、情念に駆られた途端その姿を露にする。(pp.403~404) たった一枚の絵が、ひとりの人間の世界を変えちゃうんですよ。(p.434)

    64
    投稿日: 2025.04.18
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    図書館にて借りる、第683弾。 (京都市図書館にて借りる、第148弾。) 一枚の絵画から始まる、物語。謎の作家イノマタ・イサムを調べるうちに明らかになっていく真実。 アイドルが書いたとは到底思えない力のある作品。 加藤シゲアキ、もうあんたはアイドルじゃなくて作家だよ。 キラキラするアイドルがこんなドス黒い物語書いちゃ駄目だよ。面白かったけど。 最早、私のなかで加藤シゲアキは一作家なので、新作は結構楽しみだったりする。 星は3つだが、満足度は高い。3.8とかある。

    1
    投稿日: 2025.04.10
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    一枚だけの絵で展覧会をする!ってキャッチ―な展開、面白そう!って期待して読んだんだけど、ちょっと思ってたのと違う方向の話でした。「一枚だけ」の展覧会も結局なかったし。。。 でも展覧会開くのに権利関係はっきりさせなきゃいけないから謎の作家の調査が始まるところは、説得力十分の自然なストーリー展開で上手いなぁと思った。 謎の作家、方々で色んな人と触れ合い沢山の作品を残していたんでしょうね。 人事異動で全部好転しちゃうの、何かつまんない。

    0
    投稿日: 2025.04.05
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    情報量も含めとにかく内容が濃い。登場人物も多く前半はなかなかページが進まず正直断念しそうになりました。レビューがとてもよかったことやお気に入りのTV「あの本、読みました?」でも紹介されていたので手に取っては見たけれど私にはわからんなどとシュンとなってました。 ところが、後半からはぐっと引き込まれて読むペースが上がった。読みずらいと思っていたのが嘘のよう。 謎の一枚の絵がいろんな人、ことに繋がり絡まった糸が解けてゆく。 重い話ではありましたが、最後はハッピーエンドで心が一気に軽くなった。

    15
    投稿日: 2025.04.05
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    初めての加藤シゲアキ作品。 すごく壮大だった。 現代と過去が交互に描かれていて、どんどん真相が明らかになっていく感じが良かったです。 まああんまり記憶には残らないかなあ…

    4
    投稿日: 2025.04.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    加藤シゲアキの作品、好きでずっと読んでるけど、正直これはわたしには合わなかった。 頭の良い人が読んでて楽しい本だなって思った。 六章後半と七章はめちゃくちゃ読みやすくて 内容的にも盛り上がるからそこは好き。 でも、ここまでの長ーい前半部分いる?? ってなりました(笑) とにかく情報量が多い。 その時々の情景描写が細かく入ってるけど 聞きなれない単語が多くて(わたしの学不足もあるけど)情景がなかなか思い浮かばない。 登場人物多い作品っていろいろあるけど ごちゃごちゃにならず最後まで読める作品と、そうでない作品がある。 これは後者。 登場人物にこれと言った特徴がなくて誰が誰だかわからなくなるし、 この人登場する必要あったのだろうか?って人もいる。 前半が後半に繋がる伏線になっているんだけど これ必要??って部分がたくさんあった。 最後に全て繋がればすごいなぁと思って読み進めていったけど 読み終わってみると、無くても別に大丈夫かな?ってところが多い。 とにかく伏線部分が複雑すぎて 伏線回収時に、そんなことあった?ってなる。 説明文的なところも多々あって、爆弾の種類とか、絵の具の種類とか、性質とか。 ぶっちゃけ、そこまで詳細じゃなくても本編には影響ない。 自閉症に関しても注意書きがあるほど過激な表現があるわけでもなく。 ただ、情報量が多くて長いだけの作品って思っちゃいました。 もちろん、この情報量を上手くまとめて詰め込むのはすごい技量なんですけど。 一般人向けの作品ではないな。 と感じました。 わたしはどこまでも一般人なので(笑)

    3
    投稿日: 2025.03.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一枚の絵画から波及するさまざまな物語には、綺麗な情愛だけでなく汚い欲望も詰まっていて、それらがより複雑なミステリーを作り上げているような。。 純粋な信念の果てにある執着は、どこか心に刺さるような美しさがあるのだと、この作品は言っているのだと感じました。

    3
    投稿日: 2025.03.29
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    よくできている。構成が緻密で本当にたくさん勉強してたくさん本を読んだ人が書いたものなんだなあとよくわかる。 不可解だったことがどんどん明かされていき登場人物の人間性がどんどん晒されていくワクワク感。 「絵」に込められたメッセージが誰かに伝わるってすごく素敵なことだなあ。一目見ただけで分からなくていい、その人の歴史と共に理解したいと思った。言語、絵、表情、SNS、さまざまな手段でメッセージを伝えられてそれぞれが美しいものなのに私もサイレントマジョリティの1人。もっと考えられる人間になりたい。

    6
    投稿日: 2025.03.29
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    たった一枚の 作者も分からない絵で 企画通そうって無茶じゃない? っていう始めからつまづいて 登場人物の多さと 時代の行き来の多さと 似てる名前の多さと 詰め込みすぎてる情報量と その割に文章がそんなによくないのと 小さい字と本の重さで 途中で2度ほどあきらめかけましたが なんとか読み終えました 私の頭が悪いせいと中年なせいなので お好きな方には申し訳ない でも 同じ重量級の本でも そんなこと感じないものもあるので やはりこれは相性なんでしょうかね〜

    1
    投稿日: 2025.03.26
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     読み終えたあとの余韻が尾を引きますね。そして、作者の並々ならぬ熱量を感じました。とても読み応えのあるものでした。  身震いするような場面もありながら、人の温もり、体の芯から火照るような、温まる感覚を覚えました。読書をしていると、表現しがたいのですが、たびたび訪れる感覚なのです。  1枚の絵から、どんどん広がりをみせる人間模様、それぞれが生きる時代をも繋げていくミステリに、ただただ感銘を受けました。

    19
    投稿日: 2025.03.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なかなか重いぞ!と思いながら読み進める。 加藤シゲアキさんの小説は最初から真ん中あたりまでがなかなか読み進められないけど後半になればするするとすすんで、面白くなっていく気がする。 テレビ局報道Dだった守谷は、とある事でイベント事業部に異動となる。いっそやめてもよかった。でも残った。 イベント事業部で出会った吾妻は、自身が持つ絵画でいつか展覧会がしたいと言う。ただ、無名のその人のその作品は、著作権を誰が持ってるか分からない。 亡くなってるなら、その年がいつなのか、それによってパブリックドメイン、つまり著作権解放となっているかもしれない。 そこで、その作者を探す。絵画には「ISAMU INOMATA」と署名されている。 調べていくと秋田の猪俣石油化学株式会社の関係者だとわかる。どうやら、1961年正月に,猪俣傑が焼死体で発見され,弟の勇が行方不明になっている。この猪俣勇がイサムイノマタなのか?行方不明となったのち、何年に亡くなっているのか?いやまだ生きている?(生きてたら90歳オーバー) ってな話。 日本のどっかに油田があるらしいってのは小学校で習った気がする。 こんな風にちゃんと意識したことはなかった。 そして、油田があったことによる悲劇も。 「なれのはて」っていう題名の意味がなかなか重い。 油田の油って、昔生きていた生物が死んでイロイロあった果てにできたものというのも小学校で習った。つまり生きていたものの「なれのはて」が今燃料としてもやされていると考えると、ちょっとすごい。 そして、 その「なれのはて」が・・・ それから、この絵画の顛末もちょっと鳥肌。そして泣いた。 最初に登場してきたときの、輝(てる・猪俣石油化学株式会社の社長)がとても嫌なやつだっただけに、最後がやばかった。 間に合ってよかった・・・ これは直木賞候補になるわ!! そして、加藤シゲアキって、アイドルやってるのによくこんな難しく、いろいろ調べないと書けない小説書く時間あったね!!

    2
    投稿日: 2025.03.24
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    秋田に旅行に行くことが決まり、秋田を題材にした作品を読もうと思い、購入しました。方言や歴史の勉強にもなり、旅行の楽しみが倍増しました。 一見ミステリーなのですが、その中に家族、恋愛、友情といったものが織り込まれていて、盛りだくさんな内容になっていると思います(特に、輝と道生の友情が、最高に良かったです。)。 自分と同年代の方が書いたとは思えないほど、語彙が豊富で、作者の表現力に驚かされました。登場人物も多く、相関図も複雑なのですが、一つ一つが丁寧に描かれているので、頭の中で人物像を描きやすかったです。 読み終わったあと、道生や、道生の作品に会いたくなるそんな一冊でした。 壮大なストーリーなので、仕方がないことなのですが、やや長すぎた印象はあるので、星は4です。

    4
    投稿日: 2025.03.23
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    星ふたつとみっつ、どっちにするかでえらく迷ってしまった。 一生懸命自分の中にあるものを自分の言葉で書こうとしている人の作品には辛い点はつけたくないから3つかな・・・でもちょっとグデグデだったしおもしろさは2つかなぁ・・・ けど本業が珍しい兼業作家には絶対頑張って書き続けてほしいからやっぱ最低でも星3つかな・・・ ・・・などと、作品と関係ないところでいろいろ忖度してしまうワタシ。 ま、とにかくグデグデな感じの作品でした。登場人物みんなの行動がぜんぜんしっくりこない。 でも、ユニークな表現が多くてそこはおもしろかったな。(といいつつ違和感ある比喩もかなり多かったけど) ふと思ったけど、加藤シゲアキさんのタイトルセンス、すごく好きだなぁ。「なれのはて」。このタイトルに惹かれて手にとったのだった。 「ピンクとグレー」も好き。こんな風に日常でよく使う言葉の組み合わせが新鮮な印象のフレーズになる、って詩人の才能だと思うなぁ。 昨今、私の好みと真逆のタイトルが多い気がするから余計好みのタイトルを見つけると、それだけでその作家の印象がアップします。 そして、他に私好みのタイトルをつける作家は・・・と考えたけど、いないなぁ・・・とっさに思いつかない。 強いて探すと、最近気に入ってよく聞いているポッドキャスト「This American Life」のタイトルがどれもすごく好きかも。新作が出るたびに「おや?どういう意味?」って好奇心を刺激されます。そして内容にすごく合ってる。

    2
    投稿日: 2025.03.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    文章として、とても分かりやすいし、読みやすい! 色んな人の視点が出てくることでそのキャラの背景も分かりやすいし… ただ、途中で訛りが入ったり標準語になったりはなにが違うんだろう…同じ人なのに…ね。

    1
    投稿日: 2025.03.20
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    加藤シゲアキの作品は『オルタネート』以来だったが格段にこちらの方が良かった。着眼点と取材量は兼業作家ゆえに素直に感心する。 1枚の絵から始まる物語だが、作者の謎、家族のあり方、戦前戦後の悲劇、報道の在り方等少してんこ盛り過ぎるきらいが無くはないが、これだけの事柄を取りこぼす事なくまとめ上げて読み応えもあった。 ちょっとご都合主義的なエンディングではあるが、物語全体が救いのない空気だったからこれくらいでよかったかも。

    1
    投稿日: 2025.03.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    壮大な話で、でも分かりやすくて面白かった。 報道局もイベント局も私には馴染みがなかったけれど、エピソードに本当に働いている人を見ているようなリアルさがあった。 まさか1枚の絵にこんなスケールの大きい話があるなんて驚いた。でも一人ひとりの人生色々あるもんで、そのスケールのでかさもリアルだった。

    6
    投稿日: 2025.03.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前々から読みたいと思っていた、加藤シゲアキさんの作品『なれのはて』を読みました。さすがは直木賞候補作品。家族(ここだけでもかなり深い!)、仕事、恋愛、戦争、障害、生き方といった複数のテーマを、さまざまな登場人物の精緻なストーリーで描いています。そして、それらが1枚の絵でつながっているという仕掛け。構成力にも驚きました。特に心に響いたのが、守谷が実家に帰り家族とやり取りするシーン。勇と恋人との胸キュンかつ、悲しい結末。道生が登場し、山男の正体であったことがわかるラストなど。かなりボリュームのある作品なので数週間かけて読んだこともあり、登場人物の相関関係の理解がなかなか難しく。。何度も前のページに戻って確認しながら読み進めました。改めて相関関係を図にでもして、もう一度一気読みしたい。さらには、加藤シゲアキさんの他の作品も読んでみたい。そんな気持ちでいっぱいです。

    3
    投稿日: 2025.03.09
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    人にはそれらを読み取る力がある。 思いを馳せる力がある。(引用) 一枚の絵が人の人生を変える事がある。 最後に2人が再開できたシーンはたまりませんでした。

    1
    投稿日: 2025.03.07
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    ある一枚の作者不明の絵をキッカケに物語が始まる。 作者探しをしていくうちに辿り着いたある一家の物語かと思いきや... 最後には温かいものに包まれる。 登場人物がとても多く、相関図がとても難しかったので メモをしながら読み進めていきました。 デビュー作の「ピンクとグレー」はあまり刺さらなかったが、今回の作品は深く大変感銘を受けた。

    1
    投稿日: 2025.03.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    展覧会を開催するために必要な著作権をめぐって、無名の画家「イサム・イノマタ」と彼の実家である猪俣家についての謎を追っていく中で明らかになった真実…。 旧家を巡るドロドロしたミステリーだったのに、最終的に辿り着いたものはとても綺麗なものだったという展開に驚いた。 輝と道生の生涯をかけての友情に心打たれたし、もしかしてこれは友情というか愛情だったのかなとも思った。2人はお互いをずっと求めていたんだなと。 ミステリーとしてもドキドキの展開で全く退屈せずに読めたしとても面白かった。

    1
    投稿日: 2025.03.03
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    ここ最近読んだ本の中で一番と思えるほど面白かった。一枚の絵をめぐって。石油と報道局がテーマかな。相関図が結構複雑なので一気に読むのをおすすめ。最後もいい。

    1
    投稿日: 2025.03.02
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    長かった。解けない謎というか、深い深い闇。 なれのはて。私の想像がどれくらい合ってるかわからないけど、まっっっ黒だった。 イサム・イノマタの絵で展覧会を開くまでの話。 守谷、吾妻、長谷川、小笠原。猪俣傑、勇、輝、兼通、八重、真喜夫、寅一郎、君衣、道生。 登場人物がすごい多いな。 絵の話を読んだら、原田マハさんの本を久しぶりに読みたくなった。絵画の本は深くて長くて読むのが大変だけどそれだけ満腹感が強い。

    11
    投稿日: 2025.03.02
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    直木賞候補作として選ばれたことでぐっと興味が湧き、加藤シゲアキさんの作品を初めて読みました。 1つの絵を使った個展を開くという目的でその絵のパブドメを追求するべく動いていくはずが予想できない角度へ物語が展開していき、物語の深さにはすごい、と思わざるをえません。 本を手に取った時には厚さに驚き、どんな内容が書かれているんだろうとワクワクし、読んでみるとどうしてこの発想を閃けるのか、物語の複雑さと深さとに圧倒され続けました。 物語の後、参考文献がいくつも記載されていてこの物語が緻密である理由に納得しました。 星を1つ減らした理由は登場人物が多い上にそれぞれの人間関係も複雑すぎるかな、と感じたためです。私の理解力が欠けていることで評価を落とすのは申し訳なくも思うのですが、1読者として率直な感想を述べることも必要なのかなと星4の評価をつけます。

    4
    投稿日: 2025.03.01
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    どう展開されるのか全く予想できず、最後まで楽しめた。どんどんいろんな登場人物が出てきて、人間関係を整理しながら読むのに苦戦したのと、難しい言葉が多かったから国語力乏しい自分には少し読み進めるのに時間がかかった。けどタイトルが何を意味するのか、ここはわかりやすく最後に回収してくれたのが気持ち良かった。家族、戦争、恋愛、ミステリー、人権、芸術、仕事、工業、等々、いろんな要素が詰まってまとめられてたので、とても面白かった。一人一人、どんな人であっても、壮大な人生の歴史ってあるよな。

    1
    投稿日: 2025.03.01
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    評判がよかったので頑張って読みましたが何度も読むのをやめたくなった。暗いし文章も好きではないし、何より誰にも共感できない。なんかみんな反応とか行動とか変。こんな企画通る?違和感。全体的に納得できない。キレイに終わらせてる感じもいやだ。 よさがわかりませんでした。 この人の作品はこれしか読んでないけど、元アイドル?だからの評価なのかな?と思ってしまった

    0
    投稿日: 2025.02.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    圧巻の一言。 『ピンクとグレー』を読んだ際、アイドル・加藤シゲアキだから書けた作品だと感じたが、この作品は「加藤シゲアキにしか書けない作品」だと思った。両者の違いがどこにあるかと言われると、読んでみたらわかると思う…としか言えないが、どちらも違う凄さがある。 この作品は執念すら感じる凄さだった。

    2
    投稿日: 2025.02.24
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    もう勢いがすごかった 要素がこれでもかと詰め込まれていてその全てを回収して、最後もこんなにもハッピーエンドに…!?と驚いた 個人的には最後のハッピーエンド加減はもう少しリアリティのあるラインが好みなのですが、ちょっと精神の落ち込んでいる時期に読んだのもあり、この大団円さに救われた気分もありました。こういう終わりもいいですね。

    2
    投稿日: 2025.02.24
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    鈴木保奈美さんの番組で話題に出たので、図書館で借りて読了。筆者の作品は初めてだったし、途中少しダレた気もしたけれど 最後はスッキリ。映像化するともっとエピソードが絞れて物語がわかりやすくなるかも

    2
    投稿日: 2025.02.23
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    とても壮大だった。 アイドルだし話題作りで感想も盛ってるのかと、ちょっと思ってたけど、取材量の幅広さや深さにまず驚いた。方言もいい! 誰かを想い焦がれるジリジリとした切なさや苦しさの表現力、いろんな立場や時代が入れ替わり描かれるなか話のテンポや焦点の当て方、土地それぞれの色や匂いの違い、細かい伏線回収など、お見事。 一つの家族の過去を探りながら、自分の過去や家族との関係を紐解いていく作業が並行して、話の深さが増している。心の動きや動作の表現がとても丁寧で、すぐ目の前で動いてるのを観てるようだった。長編を飽きずに一気読みできた。 「なれのはて」も、作中の解説だけでなく、読者が意味を考えられる、深い題名だと思う。 この人が犯人かと思わせといて、違います〜…とはぐらかし感がとてもドラマ仕立てなのは、読者だけでなく視聴者目線も意識できるTV業界で生きてきた技でしょうか。

    1
    投稿日: 2025.02.23
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    もう圧巻… すごすぎて、感想を自分の拙筆で 伝えることすらおこがましい。 ぜひ本作は実際に読むことを強くおすすめする!! 主人公守谷は理不尽な異動で報道局からイベント事業部に配属されることに…そこで出会った指導係の吾妻は無名作家のとある絵に影響を受けて今の部署にいるといい、実際にその絵を見て守谷も感じるものがあった。そして吾妻はそのたった1枚の絵で展覧会を開きたいという。守谷もその意見に賛同し立案をするも、部長谷口に重箱の隅をつつかれるような質問をされ続けたが、その質問も的を射ているものであり、2人はその問題を解決するため行動をおこしていくのだった。 その第一の問題が「著作権関係」だった。というのも2018年12月30日に著作権法が改定され、1968年以降の作品は50年の保存期間となり2人が展覧会を開催することを検討している時期にはパブドメになる。しかし1967年以前の作品だと70年の保存期間が課されるため著作権の所在を明らかにし承諾を得なくては、展覧会を開催できない。そこで2人は作家と思われる「ISAMU INOMATA」を調査していくと、おかしな新聞記事を目にする。それは1960年大晦日猪俣勇と思われる男が兄傑が焼死体で発見されたと同時に、行方不明になったというものだった。そして失踪宣告は行方不明の捜索願が提出されてから7年ということで、勇は1968年元旦死亡ということになりパブドメ認定されないとのことだった。 守谷と吾妻は事の真意を確かめるべく奔走していくと、真実は2人の想像しなかった壮大で哀しい物語に向き合うことに… 果たして2人は著作権関係を 解決して展覧会を開催できるのかー。 そして猪俣勇とは一体?事件の真相は? 戦争と社会経済と人の心が織り成す 見事なストーリー展開に言葉が出ない。 特に好きなシーンはラスト。 気づいたら泣いていた。 ずっと辛くて救いようのない話だったけれど、 最後やっと報われた気がした。 加藤シゲアキ、恐ろしすぎる! 次の作品も目が離せない

    9
    投稿日: 2025.02.22
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    作者のことは知らずに読んだ。 戦争、報道、発達障害等様々な問題が散りばめられている割には読みやすく、一気に読んでしまった。 最後が完全なるハッピーエンドで終わり気持ち的には晴れやかだが、少し含みを持たせた方が心に残る作品になったのではないかと思った。

    1
    投稿日: 2025.02.22
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    守谷は報道局にいたが、とある理由でイベント事業部に異動。そこで守谷の指導役になった吾妻が所有していた作者不詳ながらも人をひきつける絵で展覧会をおこないたいと二人は考える。その絵はどこのだれが書いたものなのか?サインから少しずつひもといていき、絵がかかれた過去の話と現在の守谷の世界が交互に展開され、絵の謎、絵にまつわる複雑なエピソードが語られていく。 構成はとても重厚でおもしろかったが、心の琴線に触れる部分で好みと異なっていて★4。でも、評判通り読み応えありの一冊でした。良質なドラマや映画をみたような読後感を得ました。絵画が主軸だったせいか、読んでいて映像がうかび上がるような印象を受ける内容でした。 激しくはないけれど性的表現もあるので、中学校以上。内容的に高校以上向け。

    3
    投稿日: 2025.02.13
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    すごく良かった。胸が熱くなって泣けた。 報道局やイベント事業部の仕事、石油、絵画、著作権問題、発達障害など内容は幅広く、時代は終戦前日の空襲からコロナ禍まで。 ジャニーズ事務所以外に職歴はないだろうに、ここまでの内容を文章に落とし込めるものなのかと驚かされた。 しかも窮屈な感じも浅い感じもなく、ストーリーも壮大で満足な長編小説だった。

    38
    投稿日: 2025.02.12
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    これはオモロイぞ!! 止まらん。 一気読み。 作家先生、お見事!! ここにも二刀流出現とは… 天は二物をたまに与える。

    3
    投稿日: 2025.02.12
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    もう加藤シゲアキさんは作家です 正直なめてかかってました なれのはて?なんぞやと思って読みすすめて行きました 辿り着いたなれのはて そして思いが人との縁を繋ぐ 信じてよかった 最後に全てが回収され温かい気持ちになりました

    1
    投稿日: 2025.02.12
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    元ジャニーズ事務所所属のNEWSのメンバーである加藤シゲアキ(成亮)の2回目の直木賞候補になった作品。アイドルでここまでの作品を書けるという、この著者の才能は凄いと思う。 テレビ局の報道局からイベント事業部に左遷された主人公守屋京斗とコンビを組むことになった吾妻李久美が持つ1枚の「イサム・イノマタ」の絵に絡む様々の人々の人生を描いていく。 「なれのはて」の意味は何なのか、「イサム・イノマタ」は誰なのか、このミステリーの凄い展開に目が回りそうだった。最後は感動で涙が出る。

    1
    投稿日: 2025.02.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    圧倒的な濃さ!!登場人物みんなの人生がしっかり描かれていて読み応え抜群。人と人との関係性や想いの描写もリアルで、映像作品を見たかのよう。久々の加藤シゲアキさん作品、やっぱり良いなぁ、、 大切な人に対して、仕事に対して、こんなに熱量高く向き合えるのは素敵だなと思う。輝と道生の、共依存のような信頼のような、ずっと会っていなくても互いが支えになって生きている関係、どこか少し羨ましい

    1
    投稿日: 2025.02.08
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    圧倒的情報量と苦しみから解放される感覚!これを待ってた!これを欲していた! 昨今のみならず常に問われる報道の意義や人間性…これらの問題に向き合う度にこの本が脳裏を掠めていく この1冊から得たものは絶対この先の人生にいい影響をもたらしてくれると信じている

    1
    投稿日: 2025.02.08
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    読まず嫌いで避けていたが、あまりの評判の良さに読んでみた。ちゃんとした推理小説となっていて、その骨太の内容に驚いてしまう。 報道局からイベント事業部に左遷された守谷は、1枚の絵に出会い、その展覧会を開催すべく奔走する。放送局の内部がタレントということもあり、詳細に明かされて行く。著作権と作家を訪ねて秋田に何度も訪問するが、ここで出てくるのが秋田の空襲。終戦前日に行われた空襲が意外な展開に結んで行く。秋田の油田は知ってはいたが、たった一人で掘れるものだろうか? 行方不明者や、殺人者を追う警察官も出て来て、ミステリーに拍車が掛かる。 粗削りな展開ではあるが、最後までハラハラドキドキしながら読み進め出来た。

    64
    投稿日: 2025.02.03
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    は〜〜〜凄かった 長さもさることながら、内容の濃いこと! どうなるのか・・・と思ってたけど いい終わり方でした

    1
    投稿日: 2025.02.01
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    すごく読み応えのある、骨太な作品でした。さすが、直木賞候補!時代背景も幅広く、サイドストーリーも全て伏線回収されて余韻のある作品でした。

    1
    投稿日: 2025.01.30
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    読み応え抜群!!何日もの間、『なれのはて』と共に過ごした。自分の推理は追いつかず、予想を超える結果が次々と押し寄せてくる。映画になったら3部作くらいになりそう。傑作!でした!!

    2
    投稿日: 2025.01.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    加藤シゲアキ作品は初めてだったが、重量のある作品に感動した。ふたりの男のあいだにあるなんともいえない湿った関係性を書くのがこんなに上手いとは。 猪俣家メンバーのそれぞれのエピソードが濃密。表向きは余裕ある金持ちである傑が秘めた、勇への羨望と嫉妬とプライドの描写は感服。 そしてなにより輝と道夫の過去(思い出)と、輝がずっと道夫を追っているなか、道夫はずっと輝を描いている対比が素晴らしい。 最後の展開は賛否両論あるだろうが、ここまでに深く織られた作品をハッピーエンドで終わらせてくれたことに感謝である。ほかの加藤シゲアキ作品も気になるところ。

    2
    投稿日: 2025.01.25
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    「天は二物を与えず」なんて、大嘘なのになんで格言として残っているのか以前から不思議で仕方なかったんですが、加藤さんはまさにこれを体現してますね。 凄すぎる…。この一言。 お忙しい筈なのに、どうやってこんな大作を執筆する時間を取っているのか。かなり綿密な取材もされていると思いますし、加藤さんだけ1日48時間あるのですか? 分けてくれませんか? (これは毒島に言わせればハンサムにだけ許された地球時間なのか?!) 人気本の予約割り当てラッシュで返却日管理にパニックを起こし、呑気に『禁忌の子』を読んでいたらこっちの方が期日がやばかった。 と言うわけで先にこちらの感想をば。 この表紙、初めは髪の毛かと思っていたのでちょっとホラーミステリー?と思っていたら全然違った。 シンさまのレビューのコメント欄で仰ってた意味が漸く分かり、素晴らしい装丁だなと読み終えた後に再認識。 (でも髪の毛に見えるよね) 報道局で正義の報道をすると言う熱い情熱を胸に秘めて奔走していた守谷。ところがとあるネタに手を出した事によりイベント事業部に異動へ。 尊敬していた先輩とも別れ、全てのやる気を失った彼の指導役として着いたのが奇抜なファッションに身を包む吾妻。 祖母の形見である一枚の絵に心酔した彼女は、多くの人の目に触れさせたいと、一枚のみの展示会を企画したいと守谷に持ちかける。 ISAMU INOMATAという署名以外はなんの手掛かりもない無名の画家。 勿論、企画は通る筈もなく、説得するためにはどうしても作者を突き止めて生死も確認し、著作権問題も解決しなくてはならない。 守谷の報道局時代のツテを使い、画家の足跡を辿って行く内に、一つの不審な焼死体の事件に辿り着く。守谷と吾妻は石油で財を成した猪俣家の光と闇に踏み込んで行く事に。 もう、これ以上は凄すぎてまとめる事ができません。 『箱の中』に続いて感想を放棄したい位です。 守谷視点の現在と、戦前、戦中、戦後の時代が行き来して描かれます。 ミステリー要素が強いので、少しずつ猪俣家に何があったのかが紐解かれて行く構成にそりゃあもうページを捲る手が止まりませんでしたね。(返却日を失念していたせいで急いでいたという事も付け加えておきます。自業自得) 過去の話の壮絶さに気を取られていたら、現代でも絵を巡って事件が起きる。全く油断がならない。 シン様も書かれていましたが、この構成力の凄さは説明ができないので是非とも読んで体感して頂きたい所です。 猪俣家、本当に存在していたのじゃない?と思わせる程の凄み。 特に石油で一代を築いた兼通の執念が凄すぎて、彼の章を読んでいる間はずっと口が空いていましたし、息子である優が戦時中に味わった苦しみと悲しみには盛大な溜息が出る。 終戦があと1日早ければ…。 恐らく優のように終戦前日に苦しい思いをした方も数え切れない程におられた事でしょう。 ずしんと来ます。 来るんですが、守谷と吾妻の変化と成長も含めて最後には… 目からジュース!!(シン様すみません、パブドメじゃないのにパクりました。) なんじゃこりゃぁあ!!なんじゃこの素敵なエンディングはぁ!! 長かった、長い旅だったけど辿り着けて良かった…。 とにかく、加藤シゲアキさんの渾身の一作にどっぷりと浸らせて頂きました。 結果ですね、天は二物も三物も与えるのです。 さて、凡人の私はチャリを飛ばして返却に行くぞー!

    56
    投稿日: 2025.01.21
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    ストーリーは面白かった。直木賞候補作品! ただ、猪俣家の面々のキャラクターが凄すぎて、自分の許容範囲を越えてしまった感じ。関係者みなに重い人生の後悔があり、強すぎる思い入れがあり、怒りや悲しみがあって、ついていくのに少し息切れが、、、。 読みが浅いのかもしれないが、タイトルの『なれのはて』の意味するところも、私自身は辛さが先立ってしまった。 私にとっては、道生の存在が光に見えた。だから、展覧会でのラストシーンは予想通りだったけれど、物語の中で唯一ほっとした場面でした。

    1
    投稿日: 2025.01.18
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    素晴らしい作品でした。加藤シゲアキ作品初読みでしたが、ここまでとは正直驚きました。かなり綿密な調査、多くの文献等資料をもとに苦労して書き上げた作品なのだろうと読み取れます。その為、ひとつひとつの事象、時代背景、戦時下、石油、人物像など、読者にちゃんと理解を得てもらえるよう、とても丁寧に描かれているなと感じました。とにかく、たったひとつの絵からここまで物語を展開させていこうとした事が凄いですね。個人的には、ちょっと山下清がよぎりましたが、作品としては素晴らしく400頁をゆっくりじっくり楽しんで読ませていただきました。また次回作に期待したいと思います。

    37
    投稿日: 2025.01.17
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    絵にまつわる謎が気になり、戦前から戦後にかけての過去と現在を行き来しながら、一気に読み進めたくなるうまい話だった。登場人物は男性が主体で、きらびやかさもないのだけど、輝の真実の部分は熱くなった。

    1
    投稿日: 2025.01.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    芸能活動をしながら書いたとは思えない 一度は読むべき作品 土崎空襲や石油についての話が土台にあったが、その情報や表現の細かさに驚いた。 また前作同様表現の綺麗さが好みで、それでいて文章が格段に上手くなっている印象。 守谷、吾妻はもちろん、登場人物全員が主人公だった。一人一人の物語を深くまで追及しているため文章量は比較的多いが、集中して1日で読み終えられるほど面白かった。 また、思わず涙するほど戦争の残酷さが丁寧な描写でありありと語られている。 道生視点の話がないのが気になったが、読了後にもう一度「澪」を読み納得した。 全てを理解した上でまた読みたくなった。

    1
    投稿日: 2025.01.12
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    重厚な謎が謎を呼んで複雑に絡み合って、でも最後はちゃんと綺麗に解けて真っ直ぐな1本の線になった作品だった... 久々にめちゃくちゃ良い作品を摂取した。 結末を知ってからもう一度改めて読み直したくなる!

    1
    投稿日: 2025.01.06
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    以外と複雑な内容で読むのに時間がかかった しかし話題になっただけあって読み応え十分 これは下手なことを言うより実際読んでもらったほうがいい ラストは納得できるハッピーエンド

    2
    投稿日: 2025.01.01
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    なれのはてに、どこへいくのか。絵画をもとに、過去と現代がつながっていく、なかなかの重みのあるストーリー展開。どっしりとしたアートのセンスがないと描けないであろう描写がいくつもあり、読者を引きずりこむ魅力がある。戦争、殺人、親子の愛、など様々な角度から、また時代を超えてリンクさせていくプロットは見事。  直木賞の候補作となった本作は、高村薫さんの作品を読んだ時のような、しっかりした文章、読者と一緒に進みつつも、蠢く背後の展開に驚かされるプロット、構成に、じっくりじっくりと読み進めた。おばあさんからの形見としてもらった1枚の絵に魅せられた同僚の女性の吾妻さん、報道から飛ばされイベントの部署に行ったテレビ局社員の守谷、そしてアナウンサーとして活躍し始める彼女。1枚の絵の作者と思われるのは、ISAMU INOMATAという絵の裏のサインを頼りにたどり着いた秋田の石油財閥の一族の名前。開けてはいけない箱を開けていくような感覚と、緊張感が漂う中で、過去と現在とを交互に読み進めていく形でストーリーが進む。この構成は、現代と過去から、背後のストーリーを明らかにしていく効果を狙っているもので、プロットの妙という感じだ。  絵をめぐる旅は、道夫という男の過去に関連していく。少しずつ明らかになる事実、たった1枚の絵、この絵が人生を変えてくれる。時代を超えた物語をじっくりと、味わっていけるこれぞ小説を読む幸せだ。

    1
    投稿日: 2025.01.01