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落日
落日
湊かなえ/角川春樹事務所
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総合評価

348件)
3.7
60
152
106
16
3
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    登場人物が多く物語が繋がるまでに時間がかかったが、最後全ての糸が繋がりスッキリした。「今誰の話?」となることもあったが展開が気になってすぐ読むことができた。

    2
    投稿日: 2024.07.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私はさーっと読んでしまうので うっかり誰の話だっけなっと冷静に考えなければ関係図がごちゃごちゃになってしまうけど あーここからこういう繋がりになるのか、と考えたら予想できそうな感じ しかし。兄が美しいからといってサラの性格はあそこまで捻くれるものだろうか?両親からも愛されていたようだし。そこのところが気になったり、ならなかったり

    1
    投稿日: 2024.06.09
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    イヤミスではないということを知って手に取った。 読んでいてしんどくなる部分も結構あったけど、終わり方がとても良かった(泣) 脚本のプロット0号で描かれる事件の全貌とラストの指先の描写。大満足の一冊。 お気に入りの一文 p139「ボストンまで連れてかえるぞ」 正隆のおかげで、しんどい中にもニヤニヤできるところがあったのも良かった。

    15
    投稿日: 2024.05.25
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    想像よりも温かいお話で余韻が残る小説だった。 途中途中辛い部分もたくさんあり、ある伏線が回収されたときにはとても沈んだ気持ちになった。 イヤミスの王道ではないが、そういった要素もきちんとあり、ちゃんとダメージは受けると思う。 個人的に主人公の片一方に感情移入しにくくやきもきしてしまい、読むのに結構時間がかかってしまった。夢中で読むという感覚にはなれなかった。

    1
    投稿日: 2024.05.16
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    話の進め方と登場人物の心理描写はとても良かったけど、話のオチはそこまでインパクトがなく中盤から察していた要素+αくらいだったのが少し残念だった。

    1
    投稿日: 2024.05.08
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    この作家の作品を読んだのは初めてで、最後の解説を読みながら「イヤミス」の作家だと言われてると知る。意味は読んだ後に嫌な気持ちになるとの事らしい。なるほど、読み終わった次の日、1日モヤっとした気分を引きずって過ごしたのも頷ける。でも読みながら、ここまで感情を揺さぶられる作品にはなかなか出会ったことがない。読書を世界に引き込む力を持っている作家なんだろう。ストーリー編成も2人の主人公を行き来したり、過去の話と今を行き来したりと面白い。全体を通してすごい作品だと思った。この作家さんの他の作品もぜひ読んでみたい。

    2
    投稿日: 2024.04.15
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    「ずっと、そうだと思ってた。でも、そうじゃなかったことが、水の中に落ちてわかった。水面すれすれのところにわずかに頭を出している石の上に立っていたんだって。わたしは今どこにいる?何故ここにいる?次はどこへ向かえばいい?どうすれば、誰も傷つけずにこの川を渡りきることができる?それには、知るしかなかった。知れば、目の前に一つ石が見えてくる。…」292ページ

    1
    投稿日: 2024.04.15
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    大好きな作家の一人、湊かなえさんの本です。 「イヤミス(読後、イヤな気持ちになるミステリー)の女王」と呼ばれている湊さんですが、この話は最後、生きる希望を与えてくれます。 文章もストーリーテンポもよくて、読みやすいと思います。 見る角度で真実は変わっていく。 自分の知っている事実は本当に真実なのか、真実を知ることで救われるのか……主人公の二人の女性の視点を通して、私たちも考えさせられます。 ぜひ読んで欲しい一冊です。 【本紹介より】 わたしがまだ時折、自殺願望に取り付かれていた頃、サラちゃんは殺された――新人脚本家の甲斐千尋は、新進気鋭の映画監督長谷部香から、新作の相談を受けた。15年前、引きこもりの男性が高校生の妹を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた『笹塚町一家殺害事件』。笹塚町は千尋の生まれ故郷でもあった。香はこの事件を何故撮りたいのか。千尋はどう向き合うのか。そこには隠された驚愕の「真実」があった……令和最高の衝撃&感動の長篇ミステリー。

    2
    投稿日: 2024.04.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    脚本家の真尋と映画監督の香、二人の視点で交互に物語が進んでいく構成。 冒頭からいきなり重く、しかも次々と深刻な出来事が描かれていく。 身勝手な親による虐待、同級生の自殺、身内の死と遺族の葛藤…。 読んでいて胸が痛くなる場面が多かった。 特に、下山の自殺にまつわる母親と教師の言動には強い嫌悪感を抱いた。 それでも物語後半には、人の優しさや許し、救いのような要素も描かれていて、 読後に後味の悪さは残らなかったと思う。 『母性』を読んだときにも感じたけれど、湊かなえさんは「母親の嫌な部分」を描くのが本当に上手い。 共感できるわけではないのに、「もしかしたら私も何かのきっかけでこうなるかもしれない」と ゾッとするようなリアリティがある。 ただ、読み終えて少し引っかかっている点もある。 力輝斗はなぜ虐待されていたのか? 下山の母はなぜ映画の公開を承諾したのか? 沙良はなぜあのような性格になったのか? そのあたりの背景がもう少し描かれていたら、より深く物語に入り込めたかもしれない

    1
    投稿日: 2024.03.25
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    児童虐待、引きこもり、いじめ、殺人。 新人脚本家と新鋭映画監督、2人の共通の故郷で起きた殺人事件とそれぞれの生い立ち、複雑に絡み合う事件の真実は‥。 どんな真実があったとしても、虐待やいじめ、それらが人格に及ぼす影響はつらく苦しく、読んでいて心が重かったな‥。

    1
    投稿日: 2024.03.20
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    面白かった。 登場人物それぞれが、あたたかな希望を迎えて終わるのがすごく良かった。 やはり湊かなえは裏切らない...!

    4
    投稿日: 2024.03.20
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    湊かなえさんの作品は割とモヤっとする感じが残るイメージでしたが、今回のはすっきり 現実で真実をどこまで追い求めれるのか。深い話でした。

    6
    投稿日: 2024.03.19
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    すらすら読めた。面白かったです。 湊かなえさんの被害者の心理描写が好き。 最後の終わり方が爽快というよりバラバラだったものが一つにまとまった感じで少し物足りないなと思ってたところに少しの救いのようなものがあったのがよかった。 各々感じ方や目線が違えば見え方も当たり前に変わるところ。悪い話を聞けば悪く、いい話を聞けばよく思い込んでしまうところが人間だなと思って好きでした。

    3
    投稿日: 2024.03.14
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    さすがの湊かなえさん すごーい面白かった。 最後の方は続きが気になって止まらなかった。 一気読み必須です!

    0
    投稿日: 2024.03.10
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    ✼••┈┈┈••✼••┈┈┈••✼••┈┈┈••✼••┈┈┈••✼ わたしがまだ時折、自殺願望に取り付かれていた頃、サラちゃんは殺された──新人脚本家の甲斐千尋は、新進気鋭の映画監督長谷部香から、新作の相談を受けた。十五年前、引きこもりの男性が高校生の妹を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた『笹塚町一家殺害事件』。笹塚町は千尋の生まれ故郷でもあった。香はこの事件を何故撮りたいのか。千尋はどう向き合うのか。そこには隠された驚愕の「真実」があった……令和最高の衝撃&感動の長篇ミステリー。 ✼••┈┈┈••✼••┈┈┈••✼••┈┈┈••✼••┈┈┈••✼ そことそこが繋がるのね お前のせいだったのかと 最後は真相が分かってよかった

    0
    投稿日: 2024.03.07
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    後悔先に立たず 冒頭の言葉の意味が最後にわかった。それぞれの思いが錯綜するなか、至った悲しい結末、残された人間の苦しみ。時間はかかったけど、光が差した。 湊かなえさんの物語の進め方は本当に素晴らしいと思う。

    1
    投稿日: 2024.03.03
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    久しぶりの湊かなえ作品。 香と真尋、二人の過去と現在の物語が交互に進み、やがて交わりある驚愕の真実に辿り着く。イヤミス度はやや薄めだが解説を読み「落日」というタイトルに納得した。 「想像力において大切なことは、まず、自分の想像を疑うことではないのか。」

    1
    投稿日: 2024.02.26
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    イヤミスの代表格でもある湊かなえさんの作品に、感動してこんなに綺麗に終わる作品があるんや!と思わされました!

    2
    投稿日: 2024.02.26
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    語られるエピソードの時系列が混在しているので途中で振り返りながら読んだ。登場人物の関連が分かった時には「なるほど!」と。

    1
    投稿日: 2024.02.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    直木賞候補作。 十五年前、引きこもりの男性が高校生の妹を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた『笹塚町一家殺害事件』を映画化しようと、真相に迫っていく物語。 監督、脚本家、それぞれの過去と向き合いながら、どう繋がっていくのか、、どの背景も興味深く、必死に頭を整理しながら読むも、結末を読む前に早々と真相に辿り着いてしまう事が多いのに、今回は全く勘が働かず、主人公の真尋と同じ場面で、嘘、嘘、まさか、、と驚愕。 香の父親に関して、これ以上の掘り下げはないと思っていたので、ラストに当時の姿を知れたのは、これまた香と共に感動。 でも、他の方の感想で、娘が虐待に近い扱いを受けていた時に1人呑気に映画を楽しんで、喫茶店に居場所を作って、、と書かれてて、そこまでの考えに至らず、あのラストでそこまで深読みしての感情はスゴイと感心した、、 ただただ、香の父親が幸せな時間過ごせててよかったーと思ってしまった単純な思考回路との差を感じた(^_^;)

    2
    投稿日: 2024.02.22
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    いつ、嫌なことが起きるんだろうか。 湊かなえの作品をいくつか体験した私はそう思いながら読み進めていた。もちろん悪は存在し、生きていく中で不条理なことはたくさん起こる。いじめ、虐待、責任転嫁…この作品の中で一番の悪役は誰だったろうか。思いつくのは沙良という少女。 上手くいかない人生の中でそれぞれがなんとかしようともがく様は苦しさや愛しさを感じてしまう。心の支えになっていた人の喪失。自殺や殺人、人と繋がることは必要だけど危ういことを教えてくれる。 沙良も直接手を下した訳ではなく、自分の境遇をなんとかしようともがいた結果、他人を酷く傷つけてしまった。エピソード7を沙良が主人公で描いてみたらどうだろう。兄を見下した幼少期、どんどん周囲の才能ある人に置いていかれる不安、一人歩きする周りの評価、そんな時見下していたはずの兄に否定され…。 エピソード7は姉の千穂の主観を妹の千尋が曲解した話なのでこれが真実とは限らないが、残された人たちが救われる結末は、いつものじんわり不快さが残る湊かなえ作品としては少し意外な読了感だった。

    2
    投稿日: 2024.02.18
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    またミステリーが読みたくて。 真実を知るという事。 事件の真相は何なのか。 そして登場人物の繋がり。 最後の方は一気読みでした! 最初の方に出て来た内容が、最後でそういう事かと 納得。

    19
    投稿日: 2024.02.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本当のことって 本人にしかわからないし。 香りは想像でしかないから ウワサとかそういうのに 左右されたくないなと思った 事実は変えられない 真実はそれぞれにある いつか、整くんが言ってたの 思い出した。 まさにそう。 最後はみんな前向きになったのは よかった。

    5
    投稿日: 2024.02.09
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    なんか…すごく読みづらかった… 港先生の他の作品はサクサク読めるのに…この本はなかなか読み進めることができなかった。相性が悪かったのかな。主人公(真尋の方)が好きになれなかったのも原因の一つかと。 2人の主人公、それぞれの視点から話は進んでいき、最後は1つの事件の真実がわかる経緯はサスガだった。 再読はないかなぁ。

    1
    投稿日: 2024.02.04
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    二人の登場人物の視点でストーリーは進み、やがて1つの事件の真相に行き着く。 巧妙に絡まった謎が少しずつ解けていき、最後には脚本のプロットで明らかになる真実。 長編の小説でしたが、また違った湊かなえさんの作風を感じられました。

    3
    投稿日: 2024.01.28
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    最初の数ページ読んで3ヶ月以上放置。 やっと読み始めたら、読みたくないのに止まらない。ひたすら重かった。 余談 今、国語の授業で扱ってる「想像力のスイッチ」がやたら頭を掠める。

    1
    投稿日: 2024.01.24
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    2024年1冊目 湊かなえ先生大好きなのに個人的にはそこまで刺さらなかった、、一気読みしなかったために勢いに乗れなかったせいだろうか、、

    0
    投稿日: 2024.01.17
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    感動するんだよ。物語が事実から真実に変わっていくときのドキドキ感。予期していた展開が明らかになったときのうれしさとやるせなさ。とりあえず心が動かされました!

    3
    投稿日: 2024.01.16
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    2人の主人公それぞれの過去と現在を辿りながら進む物語。 過去に大切な人を失った事により大人になった今でもずっとその事に囚われている2人。 そんな2人の過去がラストで繋がった瞬間に分かる事件の真相がなんとも切なくて悲しい。 けれど、それぞれ心に抱えていたモノが軽くなった2人に微かな希望の光も感じられるラストだった。

    2
    投稿日: 2024.01.16
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    湊かなえ特有の、今は誰の一人称なんだ?と思いながら話が進んでいく。(1回で理解するのが難しい) 終盤の怒涛の展開(種明かし)では鳥肌連発。ヤバい作品。

    1
    投稿日: 2024.01.15
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    落日は明日の生き方を始めるための転換スイッチ 私たちが毎日目にする色んな事件事故 誰が何を思って、何で起きたのか 当事者でなければそれは想像でしかない 2人の登場人物の目線である事件事故について知っていき、最後1つのストーリーへ結びつくのが気持ち良かった イヤミスで無かったのが個人的には好きな作品 人は自分の見たいものを見たいように見られるけど、事実を知ることで良くも悪くも見えるものやストーリーが変わってくる 敢えて見ない、知らない方が幸せなこともあるし、知ることで救いになることもあるよね

    38
    投稿日: 2024.01.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    リキトがふたりの人間の支えとなってくれていた事実を、張本人が自分の傷口に塩塗り込みながら、痛みと闘いながら掴み取った物語。

    2
    投稿日: 2024.01.07
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    とても良かった。9割ぐらい読み進めたところから、一気にぐわぁんと伏線を回収していくのがすごい。重厚感もあるし複雑な話なのに消化不良にはならない。色んなエピソードが絡まりあっているのがとても面白く、サスペンスとしても面白く、最後まで飽きずに読み切れる作品でした。読後感も、決して悪くない。

    4
    投稿日: 2024.01.06
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    それぞれの事情で、かつて地元で起きた『笹塚町一家殺害事件』を映画化するために事件を調べていく映画監督と脚本家のお話。 視点が何度も切り替わり、それぞれの事情が見えてくる。 その中で得た事実を元に脚本家が描いた『笹塚町一家殺害事件』がどのような映画になるのかがとても気になる。 面白かった! 裁判の傍聴場面でのセリフが印象的。 「実際に起きた事柄が事実、そこに感情が加わったものが真実だと、わたしは認識している。裁判で公表されるのは事実 のみでいいと思う」 映画監督と脚本家の二人のそれぞれの「真実」が混ざり合った映画、どんなものであったのか気になる。

    1
    投稿日: 2024.01.06
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    読み進めるにつれて登場人物の過去や繋がりが明らかになっていくため、どんどん読み進められた。 知るという行為は目の前の事実から憶測せず、突き詰めること? 知ることで救われることもあるし、その逆もある。

    1
    投稿日: 2024.01.04
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    真実とは何か。見る方向によって変わるし、立場によって解釈も変わる。何が正しくて何が間違っているかを明らかにすることでもない。ただ知ろうとすること。SNSの時代に響く物語だと感じた。後半の展開は一気読み。

    1
    投稿日: 2024.01.03
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    湊かなえのほうはリバースに続いて2冊目です。登場人物も多く、各章で中心になる人物が変わるので、少し戸惑いましたが、続きが気になる展開で面白かったです。最後に各パーツが組み合わさるのですが、もう一押し欲しかったです。人物が多くて誰に感情移入していいかわからなかったというのもあります。

    9
    投稿日: 2023.12.31
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    最初は人物関係がわかりにくかったが、読んでいくうちに整理されていきました。 何気ない場面があとから回収されていくので、何度か戻って読み直しました。 それぞれの立場から見えていたことが少しずつつながって、真実に辿り着く展開は気持ちよかったし、そうくるのか、と予測できないところに連れて行ってもらうような感触でした。 最後まで読み終えてから、また最初から読みたくなるような作品でした。

    2
    投稿日: 2023.12.29
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    中学生のときにユートピア読んで以来の湊かなえ作品。中学時代すごい好きだったんだけど久しぶりに読んだらあの頃感じてた、ザ・湊かなえって感じの本ではなかった。大学生として、中学時代読んだ湊かなえ作品もう一度読みたいなあと思った。

    0
    投稿日: 2023.12.27
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    色んなことが結びついて最後は面白かった! 映画監督と依頼を受けた脚本家、2人の主人公が本人ですら分からなかった追い求めるものが段々明らかになっていき、そして真実と向かい合うことで強くなっていく2人に強く惹かれた。 きっと身近な人の「死」と向き合うことは簡単なことではない。だけど、もし時間はかかってでも向き合おうと思えたなら、ひとつの悲しみを乗り越えたことでもあるし、お互いが報われる気がする。 「人は二度死ぬ」という言葉をみて、改めて忘れない気持ち、楽しいかった思い出を大事にしたいと思った。

    1
    投稿日: 2023.12.15
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    少しずつ真実が明らかになっていって、読んでて気持ちのいい話。 最後希望に繋がるところもよかった。 真尋が変わっていく感じ、真実と向き合っていく感じがすき。

    5
    投稿日: 2023.12.05
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    物語の主人公は2人 脚本家の卵 甲斐千尋(本名 真尋)と 新進気鋭の映画監督 長谷部香 香は幼少期のある時期、真尋の故郷である笹塚町に住んでいた。次作の題材としてこの町で15年前に実際に起きた笹塚町一家殺害事件を取り上げようと、真尋に連絡して来たのだが、過去の事件を掘り下げていくうちに2人が辿り着いた事件の真実とは・・・ その「真実」は彼女達に何をもたらすのか・・・ 2人の主人公の幼少期や思春期の思い出や回想シーンを交互に繰り返しながら物語は進行する。 途中、真尋のパートでの姉への呼び掛けへの違和感が蓄積し、モヤモヤし過ぎて脱落しそうになった。明らかなミスリードだが答え合わせのお預け感が半端無く展開がゆっくりなので、中盤は少し中弛みしてしまった。 「事実」と「真実」は何が違うのか・・・ 本作は物語の最初と最後とで全く違った景色がみえる構成となっていた。ここに複雑な人間模様を交錯させながらも細やかな伏線が張り巡らされている。2人の主人公の、創作者としての物の見方や見え方、物語を通じて成長していく様子も、実に丁寧な筆致で描かれていた。 それにしても、女性の描き方に定評のある湊かなえさんだが、その一方で今回はあまりに不幸な男性陣が多過ぎだった。また女性陣と違い、あまり深掘りされていないように感じた。 ネタバレになるので詳細は避けるが、せめて生き残っている面子に対してだけでも、明るい兆しが見えるような場面を垣間見せて欲しいと思ってしまった。 終盤に近づき伏線が回収される度に、私の予想を丸呑みしつつ確実にそこを超えてくる様子には、ゾワゾワと鳥肌が立った。思いがけずプラスアルファの計らいにもジーンと来た。 ラストは救いがあり、鳥肌がおさまる頃には温かな読後感に浸ることが出来た。 いやぁ〜解説を読んで更に納得。お見事だった。 これは読むのはもちろん映画で観ると面白そうだなぁと思ったら、映像化されたようなので是非こちらも見てみたいと思う。 イヤミス要素は控えめだが、湊かなえさん要素はしっかりと盛り込まれている作品だった。

    23
    投稿日: 2023.12.03
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    母から勧められて読んでみた。 湊かなえの作品は、『告白』しか読んだことがなかったので、覚悟して読み始めたのだが、希望のあるストーリーでいい意味で裏切られた。飽きないように徐々に真相が明かされていくのも、なんとなく推理が繋がっていく感覚もさすがだなと思う。こんなにキレイにつながるかとつっこみたくもなるが、とてもエンタメ性が高く最後まで楽しめる一冊でした。

    1
    投稿日: 2023.11.26
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    おもしろかった。 板の先の人物を、 どのような人生を歩んだか探る物語かと思いきや、 その人物に関わるいろんな人の人生や 葛藤がどんどん出てきて 大きな渦になってどんどん進んでいった。 こういう没頭する時間ができるからこそ読書はやめられないと思った作品。

    1
    投稿日: 2023.11.25
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    小説や映画好きはあくまでも物語である事を心に留めながら楽しまないといけないなぁと。真実はいつもひとつ…とは限らない。それぞれの女性の描き方が面白い。腹の括り方がちょいゆるい新人脚本家とか言い訳しながら生きてた自分を棚に上げて、もっと踏ん張れ!とか思ったり…。

    11
    投稿日: 2023.11.24
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    知らぬが仏。 この言葉を考える。それでも「知る」を求めてしまうのは、その先の「救い」が欲しいから。でももし待ち受けたものが「絶望」だったら?還らぬ者と残された者の後悔。表面上を浅く切り取り、それが全てかのように拡散するマスコミや、周囲の人間。果たして希望はあるのか。

    2
    投稿日: 2023.11.21
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    意外と読みやすい。 湊かなえ作品には慣れてきた! タイトルから暗い話をイメージしていたものの、最後が明るくまとめられてるストーリーで、読み終わった後は比較的スッキリする話だった。

    0
    投稿日: 2023.11.12
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    後半の二転三転する展開から目が離せなくて、一気に読んでしまった。 ラストが希望を持てる終わり方だったのも自分には合っていたんだと思う。悲しくて寂しいけど、前を向ける。そんな話だった。

    1
    投稿日: 2023.11.06
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    主人公の姉へのメールでのメッセージが物語の中で異質で、いい味が出ていると思った。 ミステリーものは終盤だと結末が予想ついてしまうが、今作は最後までどうなるかわからなかった。し、無理やりこじつけた感じがなくて良かった。

    1
    投稿日: 2023.11.05
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    一気に読んだ。という事は面白かったからか結末が気になったからか。 ラストはほとんど回収されてお見事。 でもこんなに何年も分からないものなの?一つ一つ丁寧に見ていかないとと見えないという事だろうか。母がもっと自殺に疑問を感じたら?両親でもいいけど。見つかったはずのところで見つからず不幸が積み重なる。知ろうと思うことが大事という教訓だろうか。 クラッシャーの妹の気持ち悪さが残ってどうにもやるせない。 あんな女に自分の将来を潰されてたまるか、と頑張った子は偉い。その考えには賛成だ。でも潰された人たちは?いくら妹の最後が最悪だとしても胸に重しが残る。だって打ち勝てる人の方がきっと少ないでしょう。いや、多いから世の中まだ回ってるのだとしたらそれはそれで悲しいやね。

    1
    投稿日: 2023.11.05
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    新人脚本家千尋と映画監督香が笹塚町一家殺人事件を調べ過去と向き合う話。 ネタバレトークの課題本だったんやけど、他の方々の考察が深くて1人で読んで消化するより更に読み込めて良かった。 殺された沙良は優しい良い子だったのか、力輝斗は何故親と妹を殺したのか、関係者に話を聞くたび印象が二転三転していく。思わず読み返す伏線、そしてタイトルの意味、この物語は何処へ辿り着くのか。 想像力において大切なことは、まず、自分の想像を疑うことではないか。まさしくその通りだった。知ることは救いになる、それともならないのか、リアルさが胸を打った。

    7
    投稿日: 2023.11.05
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    「事実」と「真実」 「裁判」と「映画」 そして「夕日(落日)」がこの物語のキーワード 主人公は2人 新人脚本家の真尋と新鋭映画監督の香 香が真尋に新作映画の相談を持ちかける 「笹塚町一家殺害事件」を映画にしたいと 何故香は真尋に相談したのか 起こった「事実」の中にある「真実」とは… イヤミス度は低め 振り返れば伏線があちこちに散りばめられていた 読み応えたっぷり 点と点が繋がり始めたと思ったら想像してなかったところに着地した タイトルの「落日」の意味とは 光さすラストだが「真実」はあまりにも悲しい

    4
    投稿日: 2023.11.04
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    裁判に関する描写が多く、普段は縁のない世界に 触れることができて面白かった。 「実際に起きた事柄が事実で、感情が加わると真実」「公表されるのは事実のみでいい」はずなのに、裁判に有利になる感情が後付けされているから、法廷で語られることは本当の真実ではないかもしれない、という部分が印象に残った。 裁判の傍聴に行ってみたくなった。

    1
    投稿日: 2023.11.01
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    「見たい」と「知りたい」の先にある真実の話。 若手脚本家の話と、若手映画監督の過去から現在に至るエピソードとが交互に展開されていく構成。 書店で本書のサイン本を見つけたことと、以前観たドラマ「リバース」が面白かったことから、初めて湊かなえさんの作品を読みました。事件の謎が明らかになっていく過程が面白く、夢中で読めました。 スターウォーズ にも、印象的な「落日」の場面があります。この映画が好きな香の父親の思いを考えると泣けてきます。

    4
    投稿日: 2023.10.29
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    湊かなえだからものすごい結末を用意しているんだろうなという心持ちで読んでしまったので、とても物足りない感じがした。あと一捻り、ニ捻りは欲しかったなーという気持ち。けれど久しぶりに小説を一気読みできたのは、やっぱり引き込む文章を書くのがうまいからなのだろうなと思った。

    1
    投稿日: 2023.10.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    湊かなえさんの作品を読むのはこれが初めて。 有名どころを責めるべきだったのかもしれないけど 映画のCMなども見ているのもあり、 先入観が働くかなあと思って あまり聞いたことのない作品を選んでみた。 主人公の千尋は最初の方はなんか 性根がはいらないというかうだうだした性格で あまり共感できず物語が進む。 だんだんと明らかになる事件の真相は読んでいて とても面白かったけど、 登場人物にあまり入り込めなかったなあという印象。 最後の終わり方は思わず笑みが零れました。

    0
    投稿日: 2023.10.25
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    中盤まで登場人物が頭の中でごちゃごちゃして、読み進めるのに時間がかかった。 後半になるにつれ物語の糸が繋がっていくのが分かり、ページをめくる手がとまらなかった。 私も夕日見てみたいな。

    1
    投稿日: 2023.10.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前半はスピード感が良くて、とても面白かったんですけど、後半に行くほど落ちていくな〜って感じでした 湊かなえにしてはすっきりした終わり方でビックリしました。 そんなにギスギスしていなくて、心の温まる(?)ミステリという感じでしょうか。 私、イヤミス好きなので、もっと後味の悪さ残ってた方が湊かなえらしくて好きですね...

    2
    投稿日: 2023.10.23
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    湊かなえさん原作の映画は観たことありましたが本を手に取り読んだのは今回が初めてです。文章は作家さんによって個性が出ますので初めて読む作家さんの作品ではそれに慣れることも意識しつつ読むのですが、正直この作品は中盤まで物語に入っていけませんでした。 句読点の多い文体が無意識に読んでいて疲れさせるのは感じましたが、主人公のひとりである真尋の人物像が子供じみた感じに思えてそれが受け付けなかったのだと思います。また序盤に出てきた人物が意外な展開でその後の物語に散りばめられるのは面白かったですが奇をてらい過ぎている感じもします。 とはいえ、第二章および後半の展開は面白く特に後半は一気に読んでしまいました。ただ物語に散りばめられた人達の関係を結び付け合い過ぎてご都合主義感が強く感じられたことと、終盤は事故の真相についても何故そう断言出来るのかという情報がなく強引さを感じました。むしろそうであればもっと早くに証言得られていたのではと思います。 テレビドラマ化されることを書いた表紙が元の表紙の上に重ねられた本でしたが、これをドラマ化か〜と思ってしまいました。

    0
    投稿日: 2023.10.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    きっと伏線が回収されるんだろうなと思って読み進めていたが、案の定見事に回収された。予想通りのところも、予想してなかったところも。 裁判と映画から着想を得たというが、裁判に対してあまり良い印象を持ってないことがうかがえた。 もっと掘り下げられる裁判もあるだろうしあるべきかとは思う。あと、精神鑑定担当医師の他の事件における鑑定への疑問から、当該事件の助手をした医師のもとを訪れてるけど、そこが全体に影響した様子はあまり感じられなかった。

    0
    投稿日: 2023.10.20
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    さすが湊かなえと言ったところか。 中盤からラストにかけてページをめくる手が止まらず一気に読了。 すべてがつながるラストには鳥肌が立った。

    1
    投稿日: 2023.10.19
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    湊かなえらしい事実と真実のかき分けが面白かった。中盤からラストまでテンポよく進むので、一気に読める。序盤はローテンポ。 湊かなえの描く主人公にあまり自己投影できない事が多いけれど、今回の主人公はどちらも感情移入しながら読むことが出来た。特に脚本家の方。

    4
    投稿日: 2023.10.18
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    脚本家と映画監督の女性2人が主人公。 章ごとに主人公が入れ替わり、どっちかどっちだったか一瞬戸惑いつつ読み進めました。 序盤は少し話が長く感じてしまいましたが、中盤の脚本家の姉が突然登場?する辺りから一気に面白くなって読む手が止まりませんでした。 流石に終盤の展開は予想できてしまうのですが、それでも面白かった!

    27
    投稿日: 2023.10.17
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    表面上からは見えない本質や事実は人の数だけあるんだと思い知る それが他人と関わることで、想像や憶測で一人歩きしていってしまう また、それを知ることは自分にとってどうなのか 知ることで自身が救われることも然りショックを受けることも然り とても深い内容だった 湊かなえさん作品にしてもは、珍しくイヤミスの少ない作品で、ラストは心が温まった

    2
    投稿日: 2023.10.13
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    安心安全の湊かなえ 「事実と真実の違いとは?」 どちらを信じたいかで情景がガラリと変わる お得意の主観錯誤ミステリー 登場人物が点から徐々に線に繋がり、見事に回収されるのは流石 「実際に起きた事柄が事実、そこに感情が加わったものが真実だと、わたしは認識している。裁判で公表されるのは事実のみでいいと思う」 結局、どちらが正解かは第三者はどぉでもよい。 それよりも楽で面白いほうに傾くのがマスコミ・世論・私達でしょうか? 物語フィクションだが、昨今のメディア報道がそのとおりだなと自己完結。

    65
    投稿日: 2023.10.12
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    湊かなえさんらしい話だった。 目を背けて表面だけを見ていると全く違う真実になってしまう。事実を知らなかったからこそ、人を苦しめることになったり、憎むことになったりすることもあるんだなと思った。 賢い従兄弟のドライさが、物語にすごくいい味出してた。

    7
    投稿日: 2023.10.11
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    ドラマ1話を観て、続きが気になり読んでみた。湊かなえ作はいつも読みやすくていい、すぐ読めた。 ただ、帯や宣伝の「令和最高ミステリー」とは少し大袈裟では⁈令和はまだ5年だし、、 かなり期待しすぎてハードル上げたかな。 面白くない事はないんだけど、普通に面白い、、という、、うーん、、。

    0
    投稿日: 2023.10.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映像化されていて話題になっていたので手に取った。湊かなえさんの作品の中でも救われる最後になっているのもよかった。 章ごとに読み手が交互に代わるのも、「これはどっちの話だ…?」と最初は混乱するものの読み進めていくうちに登場人物たちの経歴が馴染んできて自然とわかるようになっていく過程も面白く、楽しく読み進められた。

    1
    投稿日: 2023.10.09
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    読みやすく面白かった! 湊かなえさんの作品らしく人間の嫌なところを 描いているけれど、思いの外さくさく読めました。 最後もバッドエンドではなく、個人的には 希望のある終わり方で良かったと思います。

    2
    投稿日: 2023.10.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今回、湊かなえさんは『裁判』と『映画』というキーワードから今回の小説を書いたんだそう。 また、タイトルの落日という言葉も最後まで読むとすっと入ってくる。 主人公が2人おり、それぞれ章立て及びエピソードとして書かれている。 話自体はそこまで難しいことでもなく、どんでん返しがあるわけではないが非常にそれぞれの話が絡み合っており読んでいて面白かった。

    2
    投稿日: 2023.10.08
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    昔に起こった事件の真相に迫る物語。 死んでしまった家族について、同級生や近所の人がその人達の性格や行動について憶測で語ったりする。でも実際は合っていることもあるし全然違うこともある。所詮他人から聞いた誰かの情報は半分合ってて半分間違ってるぐらいに思うのがいいんじゃないって思った。

    9
    投稿日: 2023.10.06
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    「令和最高の衝撃&感動のミステリー長編」 帯が大袈裟 バラバラなカケラが 最後に繋がるのは見事ですが、 あまり心が動かされなかった。 上手いけどねー それほど引き込まれなかったです。

    12
    投稿日: 2023.09.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    イヤミスではない湊かなえさん 夢中で先を読み進めました 千尋と香が出会い、笹塚町で起こった事故や殺人、自殺、自身の過去、様々な事件と向き合い、一つの作品を生み出した。様々な事件、事故、人間模様の回収が素晴らしかった。スッキリした気持ちで読み終えました。

    9
    投稿日: 2023.09.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    実際に起きた事柄が事実。そこに感情が乗ったものが真実。 点と点が繋がって線になる手法はさすが湊かなえ作品だと感心しました。 最後は希望も感じられる終わり方で私は好きだった。伏線回収も見事。 証言を通じて描かれていくサラ像。 死人に口なしというけれど、必ずしも全員が正しく語っているとはかぎらないんだよな。

    5
    投稿日: 2023.09.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    新人脚本家・甲斐千尋と映画監督・長谷部香の2人の女性が主人公。 地元で起きた一家殺人事件を題材に映画を撮ろうとしている香に声をかけられた千尋が、なぜこの事件を撮りたいのか疑問を持ちながらも捜索を進め、事件の真相が明らかになっていく。 “知りたい”という衝動の行き着く先に、救いがあることを教えてくれる作品。 すぐ近くに伏線があることを気づかせないように読み進めさせてくれるので、最後までワクワクしながら読めました。 あと湊先生の作品で登場人物の男性を魅力的に感じる描写は久しぶりでした!! さらちゃんという登場人物を非人道的に書きすぎでは?と思う部分もあったけど、そこが逆に物語らしさを引き立てていて面白かったです

    3
    投稿日: 2023.09.22
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    見たいものしか見ようとしない脚本家 見えないものを知りたい監督 二人が出会い ある事件を探るうちに 見えてきた真実。 事実に感情が加わったものが 真実。 そう本の中にもあるように 新聞にのる1つの事件は 被害者、加害者 2つに分けられ事実として知る しかし、そこには どんな感情の交錯があったんだろう。 どんな環境があったんだろう。 真実を知ることは 胸を刳られるような痛みを伴う。 それが知るということ。 向きあうということなのか。 最後の数ページまで 真実を知りたいという思いが止まらなくなった。 読み終えた後には 海に沈む夕日が残像となり 余韻を残した。

    6
    投稿日: 2023.09.20
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    事実を突き詰めていくと、そこには思いもかけない真実が待っていた…。 悲しい、苦しい過去があっても、人は生きていかなくてはならないのだな…。 にしても…。 この真実は、関わったすべての人たちにとって辛すぎた。

    12
    投稿日: 2023.09.18
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    新人脚本家と新鋭映画監督が15年前に起きた「笹塚町一家殺害事件」を題材にした映画を作るための取材を通して、事件の隠された真実に辿り着いていく物語。無関係だろうと思っていた人物や出来事が複雑に絡み合いながら繋がっていくところが面白く読み応えがあった。 心に残った言葉 ・自分で事実を確認することなく、自分で深く考えることもなく、賛成も反対もあったもんじゃない。(甲斐真尋) ・この認識が合っているかどうかわからないけど、実際に起きた事柄が事実、そこに感情が加わったものが真実だと、私は認識している。裁判で公表されるのは事実のみでいいと思う。そうしなきゃ公平と言えない。だけど、人間の行動には必ず感情が伴っている。そこを配慮する必要があるから、裁判で問われることも真実のほうでなければならないのだろうけど、果たしてそれは本当の真実なのかな。(長谷部香) ・想像力において大切なことは、まず、自分の想像を疑うことではないのか。(甲斐真尋) ・ここに来なければ知ることができなかった真実は、はるかな希望をわたしに与えてくれる。父が最後に見た景色は、わたしをその向こう側、次の世界へと導いてくれるに違いない。そして、いつか、わたしの描いた景色で、次の世界に行くことができる人が、それを希望と感じる人が、1人でも多く現れてくれればいい。(長谷部香)

    25
    投稿日: 2023.09.12
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    イヤミスじゃないの!? 読後1番の感想。 一年の積読を経て、ドラマ放送前に。 湊かなえさんの本は自然とかけ足で読んじゃう。 リアルに追いつき、想像力で追い越す。 帯にも書いてある、作中の大畠先生の台詞。 小説読む人は多分これをインプットしながらするのが好き。 小説書く人はアウトプットしながらできるのだろう。 すごいなぁ。 湊かなえさん好きを再確認した。 長谷部香は自分のルーツを深掘りする。 甲斐真尋はもう一度すくいあげて再構成して抱きしめる。 事件は背景も含めて胸糞なんだけど、エンディングで涙。 そして冒頭の感想となる。 落日というタイトルは物語の中のモチーフとしてはぴったりだけど、ちょっとネガティブなイメージだったからギャップにやられた。

    3
    投稿日: 2023.09.10
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    これはすごい すごいとしか言いようの無い作品 やっぱり湊かなえはすごい 面白いなあ。ストーリー、人の繋がりが絶妙。 後半戦は読むのを止められなかった。

    6
    投稿日: 2023.09.09
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    面白かった。悲しい終わりじゃなくてよかった。 予想つかない展開で好きだった。 知らなくて良い事実もある。 人の感情が入ったものが真実。

    5
    投稿日: 2023.09.07
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    点と点だと思っていたものが実は繋がっていて、自分が見た・聞いたものが全てじゃないというメッセージを強く感じた 物語の序盤から出てくる夕日はストーリーを繋ぎ合わせる鍵のように感じた

    7
    投稿日: 2023.09.06
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    切なかった。少しずつ真実が見えてくる面白さがあった。人の本当の気持ちなんてその人にしか分からないし、事実は決めつけてはならないと思った。

    5
    投稿日: 2023.09.05
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    シンプルに面白かった じわっとくるよくできたお話、ここがここに繋がるのかあという感じ タイトルもよかった 日が落ちてまた昇る、落ちるところをスタートと考えることもできる 想像力において大切なことは、まず、自分の想像を疑うことではないのか、 そうです本当に

    4
    投稿日: 2023.09.05
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    現在と、二人の過去が章ごとに交互に描かれていて、結びつけるのに少し混乱した。 「知ること」が救いになるかもしれないし、傷つくことになるかもしれない。 それでも真実と向き合いたい覚悟があるならば、自分は知りたいと思う。

    4
    投稿日: 2023.08.31
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    やはり湊かなえさんが好きだ。 ミステリー好きと自称しているものの、ミステリーにもどんどん読み進められる本と、そうでない本があるが、湊さんの本は間違いなく前者だ。 きっとこの部分とこの部分が後から繋がってくるのだろうと思いつつ、どのように繋がってくるのかなかなか見えないでいたが、最後まで読んで腹落ちした。 あぁ、そうか。 それも若さだよね。 それとも家庭環境によるものかな。 湊かなえさんは、イヤミスの女王と言われますが、悲しい結末でも、悲しいだけではなく心に何かを残してくれる作家さんだと思います。 私は親の立場なので、読了後に自分の娘を抱きしめたくなりました。

    5
    投稿日: 2023.08.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「実際に起きた事柄が事実、そこに感情が加わったものが真実」という言葉が韻書に残った。 事実の一部分を齧っただけで全てをわかった気になって勝手に考察して想像して、肯定・否定が繰り広げられてるそんな世の中だけど、そしてそれは自分も例外ではないけれど、だからこそ、自身の意見を持ちたいのならもっと真剣に一つ一つと向き合って、事実・真実を知ることが必要だと思った。知って後悔することも沢山あるけど、その覚悟がないと自分の意見は軽くなってしまう。

    3
    投稿日: 2023.08.15
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    読むのに時間かかった。 前半に散りばめられてたものが後半になって繋がってきてから一気に読んだ。 真実が明らかになって、苦しい気持ちになったりもしたけど、最後は明るい気持ちで終われた。

    5
    投稿日: 2023.08.15
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    すっげぇ。 言葉が悪いですが、読み終わっての素直な感想です。 主人公1人目の香の幼少期から追っていくepisode、主人公2人目の真尋(脚本家としては千尋)の章があります。これが交互にやってくるので、時系列が頭の中でこんがらがりました。私の頭が耐えられず、気づけば自分で関係図を書き出していました。でもその大変さが楽しすぎたーー! それぞれの私情が、個々で起こっているかと思いきや、少しずつ絡み合っていきどんどん複雑に見えてきて、最後にバチンと全てが顔を揃えたのが、圧巻で気持ち良かったです。 それで、すっげぇ って訳です。笑 読み応え抜群。

    6
    投稿日: 2023.08.13
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    脚本家のアシスタントから独立を目指す、 甲斐真尋は、初監督作品で海外映画祭の特別賞を受賞して名の売れ始めた、長谷部香から脚本オファーのメールを受け取る。 二人には幼少期同じ町に住んでいたという共通点がある。 最後、伏線回収が完璧でスッキリ。 ただ、あまりに都合よくパズルがはまったような感じ。 帯にあった、令和最高の衝撃&感動のミステリー? 単に私には向いていないという事かもしれない。

    19
    投稿日: 2023.08.08
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    知らなかった方が幸せなこともあるし 知っておかなければいけないこともある どこで線を引くのか 自分が「知りたい」と思ったら 覚悟を持って飛び込めばいいんだ 余談 沙良を久保史緒里が演じるの、楽しみすぎる

    1
    投稿日: 2023.07.30
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    脚本家としてデビューしたものの、親のスネかじりならぬ恩師のスネかじりになっている主人公と、気鋭の映画監督・長谷部香が昔の殺人事件を映画化するに辺り、調べて行くうち、お互いの幼少期の闇に触れ接点が見つかる。 湊かなえには珍しく、最後に希望を見せられているが、一番興味の持った紗良の心情、力輝斗の死刑問題、彼と会えたのか。 まとまっているようで抜け落ちてる部分が多すぎた。

    2
    投稿日: 2023.07.18
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    『思い出すのは、あの子の白い手。忘れられないのは、その指先の温度、感触、交わした心 ー』  幼い頃の記憶に何を思い浮かべるかは人それぞれです。個人差はあるものの記憶というものはおおよそ三歳から四歳くらいから人の中に残り続けるのだそうです。私、さてさてと言えば、何歳と断定できないのですが、雪が降り積もった道を祖母におんぶしてもらった、そんな記憶が残っています。真っ白な雪景色の中に包まれる寒々とした光景。しかし、私の中に残るのは祖母のあたたかい背中です。そんな祖母も亡くなってかなりの時間が経ちました。しかし、私の中には記憶としていつまでも残り続けている祖母の背中。人によって幼き日の記憶は異なるとは言え、やはりそれは人と人との繋がりの中にあるものではないか、そんな風に思います。 さて、ここに、『出ていって』という言葉の先に『ベランダに閉め出された』幼き日の記憶を語る主人公が登場する物語があります。『雪がちらついて』という寒空の下の『ベランダ』で、『隣の部屋との仕切り板』の向こうに『自分と同じくらいの大きさの手』の存在を感じた主人公の思いを見るこの作品。閉め出される度に、そんな存在と『モールス信号』を交わす主人公が描かれるこの作品。そしてそれは、そんな経験のその先に、『思い出すのは、あの子の白い手…』と幼き日の記憶を大切に思う大人になった主人公がそんな記憶に隠されたまさかの真実を見る物語です。 『あれが虐待だったとは、今でも思っていない。あれはしつけだった』と幼稚園時代のことを振り返るのは主人公の長谷部香。『夕飯後に「勉強の時間」というものがあった』という香は、『年長組に上がる前には小学二年生用のドリルを終えてい』ました。そんなある日、『一〇問中、初めて、三問以上にバツがついてしまった』香の前で『母は赤ペンをテーブルに叩きつけるように置』くと、『出ていって』と『ポツリと言』います。それが『ベランダに閉め出された最初』だったという香は、『とにかく母にきらわれたくな』いという思いの中に、それに従いました。しかし、『初日に抵抗しなかったため、それ以降、正解率が七割未満になると、ベランダに出されるのが習慣』となっていきます。そんなある夜、布団の中で『今からそんなに勉強させなくても…』と言う父親に、『文句があるなら、こんな暮らしから解放してくれたあとにしてほしいわ』と返す母親のやりとりを聞く香。そして季節が進んでいく中に、『あの日が訪れ』ます。『雪がちらついていた』という日に『またベランダに出される』ことになった香は、あまりの寒さに『風を避けられる場所を探』すと、隣家との境目に『稼働中の室外機から温風がもれて』いるのに気づき『体育座りをし』ます。そんな時、『ベランダの底面と板の隙間』から『手が覗いてい』ました。『板を挟んで誰かいる』と思う香は『指先でトントントン』とする中に触れ合いを持ちます。そして別の日、また別の日と、『モールス信号のような』繋がりを持つ香。そして、ある日スーパーで『お隣のタテイシさんよ』とサラちゃんと対面した香は、『ベランダに出なくても、サラちゃんに会える』ことを喜びます。しかし、『父の遺体が海で見つか』るという急展開の中に『母の実家である祖母の家に引っ越す』ことになった香は、『また会いたいね』と手紙を『サラちゃんの家のポストに入れ』ました。場面は変わり、『神池のおじいさんの十七回忌に帰ってこい』という父親からのメールを受け取ったのはもう一人の主人公・甲斐真尋。有名な脚本家・大畠凛子の下で脚本家の助手をしている真尋でしたが、大畠の勢いがなくなる中に先行きが見えない日々を送っていました。そんなある日、『見憶えのないアドレスから、メールが一通届いてい』るのに気づきます。『わたしは映画監督をしているのですが、新作の脚本について相談させていただけないかと思い…』というメールは初監督作品で『世界的に有名になった映画監督』である長谷川香からのものでした。『まったくの無名の脚本家に』、『何の接点もないのに…』と訝しがる真尋でしたが、『ぜひお会いしたい、とメールを送』ります。そして、香と真尋の二人の過去に繋がる接点に、まさかの真実が明らかになる衝撃的な物語が描かれていきます。 “新人脚本家の甲斐千尋(本名: 真尋)は、新進気鋭の映画監督長谷部香から、新作の相談を受けた。十五年前、引きこもりの男性が高校生の妹を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた『笹塚町一家殺害事件』”と、内容紹介に挙げられたこの『事件』が湊かなえさんらしい物語を作り出していくこの作品。第162回直木賞の候補作にも選ばれた近年の代表作の一つだと思います。 そんな物語には、「落日」という書名を意識してか、海へと沈もうとする太陽の写真がとても印象的に表紙を彩っていきます。それは、作品中でも同様で、「落日」を描く見事な表現が作品内に登場します。せっかくなので、まずはそんな表現を追ってみたいと思います。 ・『あと二時間くらいで、海に太陽が沈むんだ。ジュワって音が聞こえてきそうなほど大きくて真っ赤な太陽が』。 → 亡くなった父に『一度だけ』『町のシネコンで映画を見た帰りに、海に連れていってもらったことがある』という香が、海を見つめて彼女に語りかける父親を思い出す場面に登場する「落日」です。なんとも雄大な情景が浮かんできます。 ・『高台にあるおばあちゃんの家からは、これから沈もうとしている夕日をまっすぐ眺めることができた。太陽ってこんなに赤くて、丸くて、大きかったっけ?と目を奪われてしまうような夕日を』。 → 真尋の従兄弟の『元カノ』・橘イツカが、友人に呼び出されて赴いた『おばあちゃんの家から』見る「落日」です。高校生だったイツカの新鮮な感覚が上手く表された表現だと思いますが、物語では、このあとイツカに衝撃的な運命が待ち受けています。 ・『海の上にかかっていた雲が少しずつ上がっていき、雲と海のあいだに隙間ができる。ちょうど太陽がはまるくらい』という中に、『線香花火の赤く丸い玉が、早々に地面に落下したのをなげいていると、そこから最後の火花が上がり、ゆっくりと消えていく。そんな日の落ち方だった』。 → これも見事な表現です。真尋が先生である大畠凛子と見る「落日」の場面です。まさしく絵に描いたような「落日」の場面。ここからは「落日」という表現にどこか付き纏うマイナスイメージが払拭されていくように思います。これから、読まれる方には是非、書名の「落日」の視覚的イメージも意識いただければと思います。 “新作に取り掛かる際、よく編集者から投げてもらった一言から話を考えていく” と執筆の起点を説明される湊かなえさん。そんな湊さんはこの作品の起点をこんな風に説明されます。 “今回、版元の社長から’裁判’、担当編集者から’映画’という言葉をいただき、なら裁判シーンのある映画を作る話にしようと思いました” 二つのキーワードから単行本380ページという物語を編み出す湊さんの恐るべき筆の力にも驚きますが、そこに深く斬り込まれていくテーマもなかなかに絶妙だと思います。では、そんなキーワードを順に見ていきましょう。まずは、『裁判』です。この作品では、ダブルキャストとなる香と真尋の双方に縁のある『山と海に挟まれた細長く小さな町、笹塚町』が一つの舞台となって展開していきます。そんな町で十五年前に起こった『笹塚町一家殺害事件』。そんな事件の真相を求めて主人公の真尋が、ある時は香と、またある時は大畠凛子と事件の現場を訪れ、さまざまな人物に話を訊いていきます。そんな中でこの作品では、『法学部の学生であったにもかかわらず、裁判所を見学するのは初めて』という真尋が、香と東京地方裁判所へ『傍聴』に訪れる様子が描かれていきます。このレビューを読んでくださっているみなさんの『裁判』への距離感はマチマチだと思います。私、さてさては『傍聴』の経験がありませんので、『裁判』というとテレビドラマに描かれる場面しか思い浮かびません。そんな私のような者にとても気になる表現が登場します。それが、『なんか、ゆるゆるですね』という真尋の言葉の先に描かれていく『裁判』のリアルです。 『裁判って、どれも、あんなに軽いものなんですかね』 そんな風にも語られる『裁判』の場面は、『サスペンスドラマの法廷シーンと実際の法廷はまるで違う』という言葉通りドラマのあの劇的な場面からは程遠い世界として描写されていきます。作品では、『裁判所を見学するのは初めて』という真尋視点で、『違うなら、どうして現実に寄せないんだろうって疑問に思っ』ていたのが、『傍聴』によって『そのままやると退屈だからですよね』と納得感を得る先に、だからこそ『裁判』とはどうあるべきものかと香と意見を交わしていく姿が描かれていきます。 また、刑事裁判でよく登場する『精神鑑定』にも光を当てていきます。『弁護側は「心神喪失状態にあった」と主張したが、検察側は「完全な責任能力があった」と主張』するというような展開は、現実の『裁判』でもよく聞く話です。しかし、その実際がどういうものかの詳細についてつい詳しい方も少ないのではないかと思います。この作品では、『精神鑑定』という名前は聞くもののイメージでしか知らないという方にも分かりやすくその裏にあるものが描かれていきます。『裁判』というキーワードからとても興味深い視点を見せていただきました。 そして、もう一つが『映画』です。この作品は〈第一章〉から〈第六章〉で構成されていますが、一方で〈エピソード1〉から〈エピソード7〉という言葉が目次には記されています。〈第一章〉に〈エピソード1〉が起こるのか?と一瞬思いますがそうではなく、〈エピソード1〉、〈第一章〉、〈エピソード2〉、〈第二章〉…という順序で物語は進みます。これは実は、〈エピソードX〉が香視点の物語、〈第X章〉が真尋視点の物語となって構成されています。つまり、実際には香と真尋という二人の主人公に交互に視点が切り替わる十三章から構成された物語というのが実際の内容です。そして、そんな二人の主人公は、香が映画監督、真尋が脚本家という位置づけです。とはいえ二人には大きな落差があり、香が初監督作品がが海外で賞をとったことで『世界的に有名になった映画監督』である一方、真尋は大畠凛子の元で『アシスタントであり、事務員でもある』という光の当たらない身です。物語では、そんな二人が香が真尋宛に出した一通のメールによって繋がっていきます。それこそが、香が自らかつて一時期暮らした町で発生した『笹塚町一家殺害事件』を題材にオリジナル映画を撮るという思いを固めたことから始まります。そんな香視点となる〈エピソードX〉は監督になる以前の香の人生が描かれています。 『あれが虐待だったとは、今でも思っていない。あれはしつけだった』という幼稚園時代の記憶 香は、そんな記憶の中で、ベランダで心を交わし合った隣室のベランダの主のことがいつまでも記憶に刻まれ続けています。 『わたしだって、あの子がいなければ心が折れていたかもしれない。そう考えると、彼女は命の恩人のように思えた』。 物語は、そんな『あの子』が重要な位置づけにあります。そして、主に現在の姿が描写されていくのが〈第X章〉で描写される真尋の物語です。脚本家としての将来が全く見通せない中にもがき苦しむ真尋に一つの転機が訪れます。それこそが映画監督の香からのメールですが、真尋の脚本が『採用してもらえるか、決まったわけじゃない』という中に『笹塚町一家殺害事件』に深く足を踏み入れていきます。そこには次から次へと新たな事実が浮かび上がり、まさかの関係性の中に人と人が繋がっていきます。そんな中に真尋の心の内が細やかに描かれていきます。 ・『この町は、監督がただ通過しただけの場所ではなさそうだ』。 ・『マスコミが報じなかった彼女のエピソードを知ることはできたけど、どういうわけか、それは長谷部監督が求めているものではないような気がした』。 そして、 ・『まるでつかめない。形が見えない。事件の概要、ではなく、監督が何を撮りたいのか。監督を信頼できるのか。監督が知りたいことを、果たして自分は見たいのか』。 といったように香がどうして『笹塚町一家殺害事件』に深い関心を持つのか、そんな香の思いに向き合っていく真尋。そんな真尋が、『企画が通る通らないは関係ありません。ただ、わたしは「笹塚町一家殺害事件」を元にした映画の脚本を書きます』という強い思いの先に進んでいく物語は、真尋自身の中に眠る事ごとに決着をつけていく過程を描くものでもあります。「落日」という書名から”イヤミス”な結末を想像させる物語は、そうではなく、「落日」したからこそ訪れるであろう次に続く新しい未来、輝ける未来を予感させる中に終わりを告げました。 『思い出すのは、あの子の白い手。忘れられないのは、その指先の温度、感触、交わした心 ー』 『裁判』と『映画』をキーワードに書き上げたというこの作品。そこには、”再生に繫がる一日の終わりもあるんじゃないかと思ってこのタイトルにしました”とおっしゃる湊さんの思いを感じるあたたかい読後感の物語が描かれていました。湊さんらしく真摯な物語の紡ぎ方に上質な読書を楽しめるこの作品。視覚的な「落日」の描き方に映像を強く意識させるこの作品。 湊さんらしく細やかに張り巡らされた伏線が、結末に向かって鮮やかに回収されていく物語作りの上手さの中に、さまざまな思いが去来した作品でした。

    198
    投稿日: 2023.07.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    長いです。 面白かったし、最後希望的終わり方でよかった!!!! イヤミス要素はそんなになかったので読みやすかった… 【以下ネタバレと主観入ります】 けど、だんだん長谷部香のやってることに不快感を覚えたり。 まず彼女が【知りたい】派になったのって下山のことがあったからではという個人的大前提。 父親の件は自殺で納得してたし。 『自分のせいで自殺したと思ってた人が、実は彼の母のせいだった』→『私だけのせいじゃなかった、よかった』→『事実を知ることは大切』的な。 下山の姉の手紙で知ったからだよね 姉は「母には言えないけど、あなただけには」って手紙をよこしたのに。 自分が映画監督になって、 『知ることは大切』という大義名分の元、下山家に映画化の許可得るために何度も凸する理由がわからん。 これが『誰かを無差別に殺した』とかならわかるけど自ら命を絶っただけ。 私は親の最大の不幸は子供に先に逝かれることだと思ってる人間なので 香が【私は自殺の原因かと思われたけど違った】立場 下山母は【本当は自分が息子の自殺の原因だった】立場 香が『ほら、知ることはいいことでしょ?』なんて下山母に伝えること自体が自己中心的でおこがましいと思ってしまう。 なんのために下山姉はこっそり香だけに伝えたと思ってるのか。 【知ること】が正しいかどうかは個人の立場、関係によると思う。 もし【一時間前】を下山家の誰かが観たら? もし【一時間前】を当時の学校関係者が観たら? 裏に隠されたメッセージなど容易に世の中に出てしまう。 それを『知ることは大切』という名のもと行う香には理解ができないなと… まぁこんなこと言ってたら報道の云々や公共の福祉など色々あるから自分でもどちらが正しいかなんてわからなくなったんだけどね。 人間って難しい。

    4
    投稿日: 2023.07.12
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    一気読み。限りなく5に近い星4つ。 途中で何となく全体像は見えたような気がしてたけど、物語はもっともっと深かった。。 解説にあったように、イヤミスで終わらずに、再生に向かう終わり方だったのもとてもよかった。 湊かなえさん、やはりすごいわ。。

    7
    投稿日: 2023.07.08
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    WOWOWで吉岡里帆が出演すると知って、読んでみた。 しっかりと伏線回収もされて、ドラマ化したら面白い作品だと思う。

    2
    投稿日: 2023.07.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    見ていたものが全てとは限らなくて、知ることをしなければと本当のことは分からないなと思った。香の父と千尋の姉の真相が知れた時、希望をもらったような感覚。最初は落日っていう題名と本のデザインでイヤミス系かなと思ってたけど違くてよかった

    4
    投稿日: 2023.06.30
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    淡い恋と犯罪と幼少期の記憶。 知ることが正しいとは思わない! 知らなくても生きている♪ 健康でいる! だけど、知りたい♪ 物語が繋がることがおもしろかった。

    1
    投稿日: 2023.06.25
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    全てが最後に辻褄が合ってスッキリする。 この本も親が子供に与える影響はかなり重要だと感じるさせる。 昔より親が大人になりきれてないからか… 世の中の環境が物があふれ 大切な物を無くしてもまたすぐ手に入る。不平不満を陰で吐き出すから 表でいい顔ができる。裏表を作り易い世の中。 なにをどうすればいいかわからないが 裏表がなく 単純な世の中がいいと思う。 みんな生まれた時は真っ白。

    3
    投稿日: 2023.06.21
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    真実はどうなのか、物語がどう進んでいくの先が気になりながらも、どこか文章の理解が難しく、なかなか入り込めない部分もありましたが、最後まで読むと、あーそういうことだったのかと。 途中で挫折せず、最後まで読み切ることができて良かったです。

    1
    投稿日: 2023.06.14