
総合評価
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powered by ブクログいやもう、単純に成田さんが好きです(//∇//) 話し方、声音、言葉の選択、知識の量… 政治家がネコになる、はあまりに勢いが過ぎる、 と首を傾げながら読み始めましたが、 最後には、うっすらと理解しました。 民主主義ってなんだろう。 疑いもしなかったことに一石投じられた本でした。
0投稿日: 2022.08.09
powered by ブクログ前半は現代の民主主義と資本主義についての考察で、なるほどと思うところはあった。 後半のアルゴリズムになるのところでは、どうもなっとくのある説明や論拠を感じることができなかった。アルゴリズム、機械学習ってそんな万能だっけと最後まで違和感が残った。。筆者がその道のエキスパートだから違う未来がみえるのかな? 未来にこの感想が、「こんなこと書いてたんだハズかしっ」てなるのかどうなのかは楽しみではある。 (Amazonの評価が高くて自分は老害なのかと少し心配しながら投稿)
4投稿日: 2022.08.08
powered by ブクログ【感想】 「自分ひとりが投票しても何も変わらないと思う」 選挙終了後に若者がよく口にするフレーズだ。選挙に行かない理由にはならないが、クレームの意味は理解できる。結局、自分ひとりが投票行動を変えたところで、日本の政治自体が高齢者の既得権益と化している。そもそも誰に票を入れたところで、自分の暮らしが劇的に改善されるような政策なんて生まれるわけがない。政治は亀のように歩みが遅く、自分の望む国ができるよりも前に、自身が高齢者となって既得権益層に吸収されていく。 本書もそうした「選挙なんて意味ない」という諦めからスタートしている。筆者の成田氏は政治家でも政治学者でもなければ、法学者や歴史学者でもない。政治の分野では完全に素人である。政治にも、政治家にも、選挙にもまるで興味が持てない筆者の、「そんなド素人でも政治を考え直す楽しさや面白さを作り出し、未来への戦略を練れないだろうか?」という考えのもと書かれた一冊である。 そうした「政治のドン詰まり」に対して、成田氏が提案する改善策は常軌を逸している。それは「民主主義との闘争」「民主主義からの逃走」「新しい民主主義の構想」の3つに分かれる。各セクションでそれぞれ既存政治の問題点を解決するような提案を打ち出しているが、どの解決策も「結局政治は変わらない」という問題を孕んでおり、根本治療を目指してよりラディカルな方策へとシフトしていく。 例えば、第一段階の「民主主義との闘争」。これは民主主義の原状と愚直に向き合い、現代の仕組みや考え方をそこそこ前提としながら調整や改良を施していくものだ。「有権者の脳内同期や極論化を作る(ソーシャル)メディアに介入して除染する」や「有権者が政治家を選ぶ選挙のルールを未来と外部・他者に向かうよう修正する」というような、現状と折り合いをつけつつ民主主義の劣化を食い止めようとする方法である。バランスの取れた方策だが、結局のところ「民主主義の既得権者は、既得権の源を自ら壊すわけがない」として諦めている。 次の方法は「民主主義からの逃走」だ。これは今の国家を諦め、政治制度を一からデザインし直す独立国家・都市群が、より良い政治・行政サービスを提供すべく、企業や国民を誘致したり選抜したりする世界を目指すものである。既得権益にまみれた国家から逃走し、自らの手で政治を作り出す世界だ。 だがこれも筆者にとっては上手く行かない。当たり前だが、逃げ込んだ先が新たな既得権益の温床になるからだ。 そして最後は、「新しい民主主義の構想」である。これはインターネットや監視カメラ、生体モニターによって人々の意識と無意識の欲望・意思を掴み、様々な政策論点やイシューを「意思決定アルゴリズム」によって自動決定してしまおうという試みだ。政治家はただのマスコット、つまり「ネコ」のようなものと化し、民衆に対してガス抜きをするだけの存在になる。ここまで来るともはやディストピアの世界だ。 だが、無意識民主主義はある意味「今までの民主主義を融合させた最終形態」とも言えるのではないだろうか?そこには大衆の民意による意思決定(選挙民主主義)、少数のエリート選民(アルゴリズムの製作者)による意思決定(知的専制主義)、そして情報・データによる意思決定(客観的最適化)が含まれているからだ。 ――――――――――――――――――――――――― 以上が本書のまとめである。 感想だが、やはり「無茶苦茶なこと言うなぁ……」という意見が一番初めに来てしまう。その大部分は「無意識民主主義」に対してだが、それ以前に筆者の分析が合っているのか疑問に感じる部分が少なくない。 例えば、「故障」の章では民主主義の劣化に連動して経済停滞が起こったとしているが、データの面からは、2つが相互に影響を及ぼしあっているのか、独立した変数なのかがイマイチ見えてこない。(政治が大企業の利益になるよう動いているため、政治の劣化によって経済が非効率に歪んでいる、ということならまだ理解できるが) また、「政治家に定年を設ける」ことで若者のイシューを政治に反映させると述べているが、現在の政治分野で深刻なのは「若者のなり手不足」だ。平成31年の統一地方選挙においては、41の都道府県議選において無投票当選が39%にもおよんでいる。町・村の選挙では更に深刻で、なり手がいないため、引退を表明しているおじいさん政治家を「続けてくれ」と説得する始末だ。つまり、「若者に立候補してほしいけど、誰も手を挙げてくれない」状態である。高齢政治家を締め上げるよりも、「若者をいかに立候補させるか」に焦点を合わせなければ効果が生まれないだろう。 その他、「構想」の章における無意識データ民主主義についても、「人々の意識しない欲求や目的をどうやってデータから吸い上げるのか?」という懸念を払しょくできない。価値判断基準はアルゴリズムを使う人間に委ねられており、そのアルゴリズムも選好が不透明なため、実現には相当な反発があるだろう。 ただ、本書の中で筆者も「こうした選挙制度の調整・改良が民主主義の呪いの根治になるかどうか、そもそも怪しい」と述べているとおり、実現可能性とその効果を検証するのは本当に難しい。政治学であればなおさらだ。そのため、読む際には、「こんなもの現実的ではないよね」という否定的な視点ではなく、「こういう選択もありか」「既存の政治を変えるには、このぐらいの無茶をしないとダメか」という視点のもと、あくまでも可能性の一つとして捉えるのがよいと感じた。 ―――――――――――――――――――――――― 【まとめ】 0 まえがき 若者が選挙に行って「政治参加」したくらいでは何も変わらない。今の日本人の平均年齢は48歳くらいで、30歳未満の人口は全体の26%。全有権者に占める30歳未満の有権者の割合は13.1%。若者の投票率が上がっても、選挙で負けるマイノリティであることは変わらない。今の日本の政治や社会は、若者の政治参加や選挙に行くといった生ぬるい行動で変わるような状況にないのだ。 もはや、選挙や政治、そして民主主義というゲームのルール自体を作り変えるしかない。 1 資本主義と民主主義の故障 資本主義と民主主義は相反するものだ。前者は成長と格差、後者は分配(成長の鈍化)と平等。 しかし、近年この2つのバランスが崩れ、資本主義が加速する一方、民主主義が重症に陥っている。ネットを通じた民衆動員で夢を実現するはずだった中東民主化運動「アラブの春」は、一瞬だけ火花を散らして挫折し逆流した。むしろネットが拡散するフェイクニュースや陰謀論やヘイトスピーチが選挙を侵食し、北南米や欧州でポピュリスト政治家が増殖したと広く信じられている。 実際、民主主義は後退している。今世紀に入ってから非民主化・専制化する方向に政治制度を変える国が増え、専制国・非民主国に住む人の方が多数派になっている。この傾向はこの5〜10年さらに加速している。 データを見ても、今世紀に入ってから民主主義的な国ほど経済成長が低迷し続けている。もともと同じぐらい豊かな国々の間でも、専制国家の経済成長率のほうが高いことから、「民主主義国家が先に成熟しただけだ」とも言えない。これが「民主主義の失われた20年」である。 この停滞を「民主主義はバカな有権者の意思も反映しなければならないからだ」とする意見もあるが、衆愚論だけでは説明にならない。 20世紀の後半までは、民主国家の方が早く豊かになり、豊かになったあとも高い経済成長率を誇っていた。実際、中世から20世紀までの数百年間の経済成長には民主主義的な政治制度がいい影響を与えたことを示す様々な研究がある。乳幼児死亡率などの公衆衛生指標に対しても、民主主義的な政治制度(特に公正な選挙の導入)が歴史的にいい影響を与えてきたことが示されている。いったい今世紀に何が起きたのか? それは、インターネットやSNSの浸透に伴って民主主義の劣化が起きたからだ。民主主義の中で起きる情報流通や議論・コミュニケーションが大きく変わり、人々を扇動、分断する傾向が強まったからだ。 これは印象論ではない。データ上でも、政治家のポピュリスト的言動やヘイトスピーチ、イデオロギーの分断などの「民主主義への脅威」の高まりが、もともと民主主義的だった国で特に高まっていることが分かっている。 民主主義の劣化は、民主国家に閉鎖的で近視眼的な空気を植え付けている。そのような状態では、政治家は遠くの成果よりも近くの世論に目を向けざるを得ない。また、民主主義の劣化と同時並行で、経済に関しても、輸出、輸入、投資が減少し生産性が落ちてきている。 21世紀は、常人の直感を超えた速度と大きさで、解決すべき話題が降ってきては爆発している。情報通信環境が激変したにもかかわらず、選挙の設計と運用の仕方は数百年前から変わっていないのが現実だ。 では、重症の民主主義が今世紀を生き延びるためには何が必要なのか?それは「民主主義との闘争」「民主主義からの逃走」「新しい民主主義の構想」だ。 2 民主主義との闘争 第一の「闘争」は、民主主義の原状と愚直に向き合い、現代の仕組みや考え方をそこそこ前提としながら調整や改良を施していく方向だ。 その方法は、大まかに3つに分けられる。 ①有権者の脳内同期や極論化を作る(ソーシャル)メディアに介入して除染する ②有権者が政治家を選ぶ選挙のルールを未来と外部・他者に向かうよう修正する ③選ばれた政治家が未来と外部・他者に向かって政策を行うインセンティブを作る ①について: ・SNSなどでの同期コミュニケーションの速度、規模を規制する。また、内容に応じた規制、課税を検討する。 ②について; ・政治家に定年や年齢上限といった制限を組み込む。また、ある世代だけが投票できる「世代別選挙区」を作り出すなどして、若年層へのインセンティブを作る。 ・医療費控除、子育て支援、性的マイノリティ保護といった全く異なる政策を一人の政治家にパッケージしない。有権者に複数票を持たせ、政治家や政党ごとに投票するのではなく、個別の政策ごとに投票する仕組みをつくる。 ③について: ・政治家の目を世論より成果へと振り向けるため、政策成果指標に紐づけた政治家への再選保証や成果報酬を導入する。政策の効果が出るまでには長くかかるため、政治家が退任した後の未来の成果指標に応じて引退後の年金を出す。もちろん成果報酬となじまない政策も多いため、現実的な時間軸で計測可能な政策領域に対してのみ実施する。また、特定の短期成果戦略に引っ張られないよう複数の成果指標を組み合わせる。 3 民主主義からの逃走 そうは言っても、民主主義との闘争ははじめから詰んでいるのかもしれない。選挙や政治や民主主義を内側から変えようと闘争したところで、変えるためには選挙に勝ち、政治を動かす必要がある。しかし、選挙の勝者は今の民主主義の既得権者である。既得権者がなぜ自らの既得権の源を壊そうという気になれるだろう? では、別の道は?民主主義を内側から変えようとするのではなく、民主主義を見捨てて外部へと逃げ出してしまうのはどうだろう?タックス・ヘイブンがあるように政治的「デモクラシー・ヘイブン」もありえるのではないか? 非効率や不合理を押しつけてくる既存の民主国家を諦める。政治制度を一からデザインし直す独立国家・都市群が、より良い政治・行政サービスを提供すべく、企業や国民を誘致したり選抜したりする世界。新国家群が企業のように競争し、政治制度を資本主義化した世界を目指す。資本主義と民主主義の壊れた二人三脚を超え、すべてを資本主義にする企てと言ってもいい。 実際、どの国も支配していない公海に新国家群を作る「海上自治都市」という構想が企画されている。また、既存自治体を乗っ取って私立都市として独立させるといった荒々しい手法も例がある。 とはいえ、逃走にも落とし穴がある。既存の民主主義から逃亡を果たしても、それは臭いものに蓋をしただけで、新国家の中でも同様に民主主義の問題が発生するということだ。 4 新しい民主主義の構想 民主主義からの逃走と闘争し、民主主義の再生をはかりたい。どうすればできるだろうか。 必要なのは、民主主義を瀕死に追いやった今日の世界環境を踏まえた民主主義の再発明である。民主主義の理念をより正確に余すところなく具現化する制度の発明と言ってもいい。特に、世界と民主主義を食い尽くすようになったアルゴリズム技術環境を逆手に取った選挙の更新だ。それは選挙なしの民主主義、「無意識民主主義」だ。 インターネットや監視カメラが捉える日常の中での言葉や表情や体反応、安眠度合いや心拍数や脇汗量、ドーパミンやセロトニン、オキシトシンなどの神経伝達物質やホルモンの分泌量……人々の意識と無意識の欲望・意思を掴むあらゆるデータ源から、様々な政策論点やイシューに対する人々の意見を汲み取る。これまで民意データを汲み取るための唯一無二のチャンネルだった選挙は、数あるチャンネルの一つに格下げされ、一つのデータ源として相対化される。 従来の選挙の問題点は、立候補した政治家の誰に投票しようとも、投票者の意志のほんの一部しか反映してないことにあった。ならばまずやるべきは、私たちの意志や価値観、声(政策への賞賛や嘲笑など)を幅広い民意データとして大量に集め、「民意」の解像度を上げることだ。その際はインターフェースによる歪みを打ち消すため、一つのチャンネルではなく複数のチャンネルを融合させ平均を取ることが大切になってくる。 集めたデータから意思決定を導き出すのは、自動化・機械化された意思決定アルゴリズムであり、様々な政策成果指標を組み合わせて最適な政策選択を行う。その選択がおかしい場合に異議を唱えるのが、もっぱら人間の役割になる。 意思決定アルゴリズムのデザインは次の二段階で行われる。 ①各論点・イシューごとに、まず価値判断の基準や目的関数を民意データから読み取る。たとえば経済政策に欠かせない「どれくらいの平均的成長のためにどれくらいの格差であれば許せるのか」といった価値判断への答えを民意データから読み取る。エビデンスに基づく目的発見だ。 ②次に、その価値判断・目的関数にしたがって最適な政策的意思決定を選ぶ。この段階は、過去の様々な政策がどのような成果指標に繋がったのか、過去データを使って効果検証することで実行される。エビデンスに基づく政策立案だ。 現状と対比した無意識データ民主主義は、民意を読みながら政策パッケージをまとめ上げる前の段階をもっとはっきり可視化し、明示化し、ルール化する試みだとも言える。そして、ソフトウェアやアルゴリズムに体を委ねることで、パッケージ化しすぎずに無数の争点にそのまま対峙する試みとも言える。 無意識民主主義は大衆の民意による意思決定(選挙民主主義)、少数のエリート選民による意思決定(知的専制主義)、そして情報・データによる意思決定(客観的最適化)の融合であるのだ。
27投稿日: 2022.08.07
powered by ブクログ今時代の寵児となっている成田氏の著者。 だいぶ読み応えがある。 全体的に、理論が難しく、斬新すぎるアイデアもありつつ、文章量もそこまで多くなく読み切れる。全部読むと、著者の言いたいことの大筋を把握することができる。要約は、読了後に見るとだいたい言いたいことがわかった。 文章に爽快さも兼ね備わっていた。断定された文章が多く、斬新なアイデアが多いからかもしれない。 やはり頭がいいのだろう。時々何を言ってるかわからない部分が、他の著書より発生した。 この本はかなり面白い。まず著者はこの分野のプロフェッショナルじゃないことがある。 でも、この本には論理が飛躍してる部分があるにしろ、一つの答えを出していてそれは読んでいると納得できる。 この本の前提として、わたしも政治に全く興味ない。基本的な一般人なので、政治への意思表示と参加は『投票』のみしか行っていないとのの、こちらはほぼ100%行なってきた。投票しているってことは今の政治に不満があるし、わたしは政治への文句を言える権利を持っているとおもっている。 もはや投票という仕組み自体もいつの時代のやり方だと閉口せざるをえないのは間違いないが。せめていつか来るオンライン投票に向けてボタンやタブレットでの入力にすれば開示なんか一瞬で終わるのに。←これについても言及されていた。納得、というか面白い。 最初から軽快で断定的な文から始まる。解決の方針を言うのに留まらず、斬新なアイデアを出していて非常に参考になる 自分の思いついた斬新なアイデア、それを根拠あるものにするための方法論かもしれない。逆に、斬新なアイデアの発想方法を紐解く指南書であるかも知れない。 それでいて、本書に出てくるアイデアは、斬新性の他に、(思惑や制約をなしにして)技術的には可能なことが多いなと感じる。これは令和のこの時代ならではかもしれない、10年前にこれが書かれていたら誰も読んでないだろう。 分析はしているものの、文章にある通り、政治への興味のなさを感じた。ただ、この本の説得力がある程度あるということは、興味がないが能力がある人の分析は斬新性が高いか、的を射てる可能性があることが示唆されているのかも。嫌いな人の言っていることが、実は図星だったりもするから、、。 いずれにしても面白い人が出てきたものだ。今までどこに隠れてたのだろう
0投稿日: 2022.08.07
powered by ブクログ冒頭で「なぜ選挙結果が変わらないか」が端的に示されていてめちゃくちゃ納得してしまった。超超マイノリティの若者が選挙に行っても(しかも若者の選択は老人と似ている)、既存のルールで進めている限り、選挙によって変革は起こらない。唸ってしまうな… アルゴリズムに変わっていく話の流れで「政治 as a Service(政aaS)」とあって上手すぎて笑った。 それにしても、民主主義ってほんまにもう終わってるんだな…
0投稿日: 2022.08.07
powered by ブクログデータとして見た時に選挙でとる民意データの粗さは、指摘の通りだと思う。 さまざまな論点がある中で、ざっくりと一つの政治家や政党を選ぶという行為。インターフェースや環境・気分に大きく左右される一時的な意思を元に、投票という1回の行為で決定する雑さ。 本質的には、選挙制度は、データ(投票)・アルゴリズム(選挙)・アウトプット(政治的な意思決定)であると考えたときに、データの粗さが非常に問題。 資本主義と民主主義でやってきたが、民主主義が機能不全に陥っている。 資本主義は異常値駆動、民主主義は平均値・中央値駆動(凡人駆動)など、言語化や整理が上手いと思った。
0投稿日: 2022.08.07
powered by ブクログ筆者が、素人という前提から論を展開していて、それ故に軽く読める。こんな考えも面白いなと思える娯楽本だ。専門書を読みたい人は少し物足りないかも知れない。
0投稿日: 2022.08.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
コロナの陽性者となり、普段、あまり観ないYouTubeを観ていたところ、日経テレ東大学の「Re:Hack」を見つけた。 そこから成田氏に興味を持ち、高齢化の解決策として高齢者の集団自決を大真面目に語っている姿を見てとても興味深い人物だと感じた。自分自身も心の中で同じことを感じたことがあり、単純かつ唯一だと思われるが、言葉にする勇気はない。 そんな成田氏が綴る民主主義はどのようなものか見てみたく本を手に取った。膨大なデータに基づいて民主主義を語っているところが、成田氏らしいと感じた。 本の中で特に印象的だったのが「無意識データ民主主義」だ。これはインターネットや監視カメラの情報から人々の自然で本音な意見や価値観、民意をデータ化し、アルゴリズムで目的発見、政策立案をするというものである。 現状の選挙では政党や政治家に投票する仕組みとなっているが、政策がパッケージ化されているため、政策ごとに全て合致する政治家が現れることはほぼない。しかし、「無意識データ民主主義」では政治家は人である必要もなく、ネコでもできるというところがこの本のタイトルにもなっている。ネコが政治家になるなんてそんなバカなと思ったが、他国では動物に立候補させている事実が既にあるというデータに基づき結論づけているところも成田氏らしい。
0投稿日: 2022.08.06
powered by ブクログ成田さんの考えの一端が見えただけでも満足です。様々な対談を見ると、本に書かれた内容をそのまま述べたような場面も多々見受けられました。 国単位で実行に移すには難しいかもしれません。しかし、成田さんが行っている戸田市の教育改革など、さらに小さな規模の地域社会に対して、実行した結果としてどのような作用が生まれるのかは見てみたいと思いました。
0投稿日: 2022.07.30
powered by ブクログ『断言する。若者が選挙に行って「政治参加」したくらいでは何も変わらない。』 この帯の一節だけで惹きつけられるものがあり読んでみました。 自分が現行の選挙制度というものに薄々と感じていた違和感を、見事に言語化された感じがします。 政治に疎い自分でも「なるほど」ととても学びになるところが多かった一冊ですが、文体というか語り口は読む人によって好みが分かれるところかな、と感じました。
4投稿日: 2022.07.30
powered by ブクログ感想 仁の心性も高潔な人格も大数の法則も。現代の絡み合う社会をほぐすことは困難。シンギュラリティは政治も変革できるか。我々はAIの決定に従えるか。
0投稿日: 2022.07.30
powered by ブクログいろんな思い込みを剥がしてくれて面白かった。 内容にはまったくもって同意する。地球環境のデータも含めて、未来予測も入れてすべきことを政策や法律にして欲しい。複雑でバランス取らないといけないことが多すぎる。しがらみとかの人間特有の課題構造もあるし、独裁だろうがテクノクラートだろうが人が意識的に決めるのには限界がある。
0投稿日: 2022.07.30
powered by ブクログ民主主義の「故障」を打開していくか描いた本 ①現代の民主主義が機能していない→闘争・逃避→「無意識民主主義」の可能性という流れ。全体として合理的で、魅力的な提案。 ②「無意識」の分析は、事実上の超監視社会。果たしてこれを受け入れられるか? ③そもそも「民主主義」とは何かという哲学が行方不明。著者は民主主義の「変え方」は教えてくれるが、民主主義とは何かを教えてくれない。P232「それは民主主義なのか?と疑問に思う人も多いだろう……しかし、「民主主義」という理念や思想の具体化は、これまでも歴史を通じて大きく変わってきた」という記述にあるように、「それは民主主義なのか?」「民主主義とは何か?」と問い続ける必要性を感じた。 全体として、民主主義のあり方に一石を投じる面白い本。
0投稿日: 2022.07.30
powered by ブクログ民主主義と闘争する、逃走する、つくりかえる 3つのアプローチについてよく学べる本。 個人的には、熟議民主主義や参加多元民主主義、主権者教育についても触れてほしかった。
0投稿日: 2022.07.29
powered by ブクログp38 民主主義は最悪の政治形態である。これまでに試みられてきた民主主義以外のあらゆる政治形態を除けば p46 民主主義的な国ほど、今世紀に入ってから圭The成長が低迷しつづけている p56 クロードユンケル 何をすべきか政治家はわかっているんだ。すべきことをしたら再選せきないこともね p72 酒が人間をだめにするんじゃない。人間はもともとだめだとうことが教えてくれるものだ 酒→民主主義 p78 民主主義の呪いの原因として出てきた「世論に監視された政治家は張るべきところに張れない。その傾向がネットとSNSで悪化している問題である p78 アリストテレス 極端な民主制から独裁制は生じる p78 民主制導入を後押しした指導者ペリクレスが亡くなって以降、デマゴーゴスとよばれる扇動政治家たちが増殖した。デマという言葉の由来になった人々だ。デマゴーゴスの登場でアテネは衆愚政治に陥り、アリストテレスの師の師であったソクラテスを死に追いやった。扇動政治家によるポピュリズムという現在まで続く持病が発症し、アテネのポリス民主政治は崩壊した p82 本当に問題なのは、情報通信環境が激変したにもかかわらず、選挙の設計運用がほとんど変化できていないということだ p91 歴史を塗り替えるのはいつも無名で貧乏なひよっこだ(毛沢東) 老害への怒りと蔑みを胸に革命を起こした若者は、しかし、やがて自ら老害化し、次の世代に葬り去られる。私たちは、「葬式のたびに進化する」(マックス・プランク)というわけだ p96 シンガポールの大臣の給料はヘッジファンドマネジャーのように成果報酬型 官僚の給料も p99 成果報酬と相性がいいのは、大事な政策成果が誰の目にも明らかで、現実的な時間軸で計測可能な政策領域だろう。その場合にも、特定の短期成果指標に引っ張られすぎないよう、複数の成果指標を組み合わせてこそ複雑で長期にわたる成果指標を合成する必要がある p136 デモクラシーヘイブン 海上自治都市協会 ピーター・ティール 「自由と民主主義が両立可能だとはもう信じられない」 p142 netflix オリジナル映画 ローズ島共和国 自自体乗っ取り wild wild country p184 アルゴリズムで民主主義を自動化する エビデンスに基づく目的発見、エビデンスに基づく価値判断 無意識民主主義 p2189 無意識民主主義は、生身の人間の政治家を不要にする構想である
1投稿日: 2022.07.27
powered by ブクログ面白かった。挑戦的で小馬鹿にした感があるが、結局こうでもいけるんちゃうんということだね。 代議制民主主義の構造を捉えると置き換えても大丈夫。なるほど 民主主義と資本主義の役割が分かりやすい。 口だけの私が実践者に見下され、嘲笑され現実に追い越されるのを楽しみにしている このメンタリティは見習いたい。
1投稿日: 2022.07.27
powered by ブクログ参院選で,元おニャン子クラブの人やYouTuberが当選するという民主主義の劣化,選挙のお祭り化にうんざりし,自民党とカルト宗教の癒着に怒りを覚える。 これは,成田さんが言う「間接代議民主主義」というシステムが現代でエラーを起こしているとしか思えない。席を譲りたくない与党は国の未来よりも目の前の得票数を優先し,いくつかの野党は選挙をビジネスチャンスと捉えてゲームのように参加する。 現状のシステムでは,自然な流れなのだろう。でもきっと誰もがこのままでよいと思っているわけではない。 成田さんは,この点にメスを入れつつ,どのように変えていけばよいかという可能性について,闘争,逃走,構想という3つの視点から述べられている。 これを読み,否定する人はどのような代案を立てるのだろうと思うくらいに興味深く,構想に関してはこうなっていくのではないだろうかという現実味さえ感じた。 このような政治家が現れたら進んで1票を投じるのになあと思う内容であった。
1投稿日: 2022.07.26
powered by ブクログ恥ずかしながら著者のことをこの本で初めて知った。 考えたこともないような内容が多くありそんな選択肢があるのかと驚愕した。 まずは政治に参加することを重要視していて、その仕組み自体に全く頭が言ってなかった。 よくよく考えれば経済、グローバル、多様性、教育…など様々な分野の最適な方向性を考えるのに、1つの政党を選べば良いとなぜ思えていたのか不思議である。 年齢によって一票の格差をつける、選挙権を持っていない子供の親にはプラスで選挙権を与えるなど、選挙権がある人の1人一票では無く、未来の声を反映させる対応が必要と知った。 そしてそのそのような選択肢を取らない理由が見つからないためそのようにしていく必要があると感じる。 とは言え今の地位に固執する政治家がそのような対応へシフトすることもないだろうし、シルバー民主主義にしか目がいっていない政治家が蔓延している日本でそのような体制にいつの話なんだろうか… (かなり他責なアウトプット…) ==== ジャンル:政治・経済 リベラルアーツ 出版社:SBクリエイティブ 出版社ページへ 定価:990円(税込) 出版日:2022年07月15日 ==== 成田悠輔(なりた ゆうすけ) 夜はアメリカでイェール大学助教授、昼は日本で半熟仮想株式会社代表 専門は、データ・アルゴリズム・ポエムを使ったビジネスと公共政策の想像とデザイン ウェブビジネスから教育・医療政策まで幅広い社会課題解決に取り組み、企業や自治体と共同研究・事業を行う 混沌とした表現スタイルを求めて、報道・討論・バラエティ・お笑いなど多様なテレビ・YouTube番組の企画や出演にも関わる 東京大学卒業(最優等卒業論文に与えられる大内兵衛賞受賞)、マサチューセッツ工科大学(MIT)にてPh.D.取得 一橋大学客員准教授、スタンフォード大学客員助教授、東京大学招聘研究員、独立行政法人経済産業研究所客員研究員などを兼歴任 内閣総理大臣賞・オープンイノベーション大賞・MITテクノロジーレビューInnovators under 35 Japan・KDDI Foundation Award貢献賞など受賞 ==== flier要約 https://www.flierinc.com/summary/3083
4投稿日: 2022.07.25
powered by ブクログ無意識データ民主主義。最後に向かって引用で畳み掛け、ぎゅっと締めてくれる。無意識とデータ。無意識とデータ。民主主義。ケルゼンの引用。
0投稿日: 2022.07.19
powered by ブクログラディカルに物事を捉えるのは凄い。唸るほど。 でもこの本にあるように判断基準から人間の意識を省きアルゴリズムに過度に依存させ過ぎたその先には、もはや人間には解決できない問題が残るはず それなら僕は、欠陥だらけの今の方がいい
1投稿日: 2022.07.17
powered by ブクログ参議院選挙に投票しにいったあと、もやもや感を抱えながら本屋に行ったら出会った本書。この本の前半に書かれている通り、民主主義はほとんど瀕死だと思う。 資本主義はテクノロジーの進化を取り入れて、ますます高度に(良い悪いは別として)全力駆動しているのに、本来資本主義の暴走に釘を刺すべく民主主義がほぼ死んでいる。このご時世で、自民党の候補者や公明党やらがたくさん議席を確保するのって何がどう正当化されてるのだろうか?参議院でいうなら、過去6年間でどれだけ日本が良くなったというのか、、?? 本書の後半で紹介されている無意識民主主義は壮大なビジョンでしかないし、アルゴリズムに支配される世の中はハラリがディストピアとして憂慮している世界そのままだが、個人的には政治に関してはアルゴリズム化するほうが全然マシだと思った。なので大賛成だが、いまの政治家、その政治家たちに票を入れる日本人が多くいる世の中では、当分は変わらないのだろうなと、、黒船が現れて、危機感が煽られて変わっていくことを切に望む。
1投稿日: 2022.07.17
powered by ブクログ最後の構想のところは、東浩紀さんの『一般意志2.0』で展開される話を思い出しました。結局民主主義から逃亡を目指す、あるいは現実的に逃亡ができそうなのは、一部の超富裕層・エリート、つまりエスタブリッシュメントのみで、それが端的に表れているのは、本書でも書かれているピーター・ティールの「もはや自由と民主主義が両立しうるとは思わない」という言葉。この辺の議論は、『ニック・ランドと新反動主義 現代世界を覆う〈ダーク〉な思想』が大変参考になる。
1投稿日: 2022.07.10
powered by ブクログYouTubeの日経テレ東大学やabeama関連の経済番組などで見かけることの多い、その筋では多分現在一番人気の成田悠輔さん初の著書。現在(2022年7月9日)ちょうどタイムリーな選挙や政治、民主主義のルールを変える(つまり革命)成田流の未来が描かれた作品。現在の民主主義がいかに危機に瀕しているかがデータを基に語られ、選挙やその周辺の仕組みをどう変えればいいか? そしてその解決法までが詳細に語られる。なぜか誰も傷つけない成田流ディスり節は健在、成田さん好きにはオススメの一冊。
0投稿日: 2022.07.10
