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現代思想入門
現代思想入門
千葉雅也/講談社
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総合評価

249件)
4.1
75
104
45
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    哲学は抽象的で形而上学的な議論がメインのイメージがあったが、本書を通して、哲学は地に足の付いた内容で日常生活とも地続きであると気づいた。 例えば、ニュースでも勝ち組/負け組などYES・NOの二項対立で議論されるケースが多いが、これも現代思想の観点で読み解くことができる。著者は、デリダ、ドゥルーズ、フーコーの思想を、概念(二項対立では簡単に語れなくてグレーゾーンが常にあるよね)→存在(自分と他者は完全に区別されるというか双方向に影響受けるよね)→社会(権力構造は上から下だけではなく、被支配者が自分の不安を取り除くために、自己抑制と即物的アプローチで支配を望んでるよね)と論理を展開していく。 二項対立の議論を発展させ、秩序の外部にあるヤバいやつの重要性を取り上げた、ニーチェ、フロイト、マルクスの思想を紐解く。全てが思い通りではなく、予想外のハプニングが起きるからこそ、日常生活は刺戟的になる。ニーチェはこの秩序と混乱の拮抗状態の重要性を指摘し、フロイトは無意識こそが外見的な行動を決定していると主張し、マルクスは偶然に労働階級と資本家階級が決まることで社会構造が固定化されると資本主義を批判する。 3人の思想はバラバラに見えて、根底では「理論的に当然とされたものは、無意識・無秩序・偶然によって生まれている」という観点で共通している。本来は人間が持つヤバさを倫理観・論理で制御していおり、もはや社会の前提を疑うこともできなくなっていると言える。 我々の常識は二項対立から脱しきれていなかったり、無秩序・偶然性を無視してる可能性が高かったりして、そもそも疑うことすら難しい。けど、現代思想をツールとして使うことで、常識が生まれるメカニズムを理解し、自分の考えを持つことができると、本書を通して学ぶことができた。

    0
    投稿日: 2023.10.14
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    わかりやすい言葉でデリダ、ドゥルーズ、フーコーを中心にした哲学を教えてくれてとても面白かった。今の時代を生きるための考え方が学べると思う。 巻末に、本書は「こうでなければならない」という枠から外れていくエネルギーを自分に感じ、それゆえこの世界において孤独を感じている人たちに、それを芸術的に展開してみよう、と励ますために書かれたのでしょう。と書いてあったように、ちゃんとしなくちゃいけない、秩序が強化されていくような現代社会に疑問やしんどさを感じてる人は読んでみると良いと思う。

    2
    投稿日: 2023.10.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    哲学とはそのものが目的でなく、それを用いて社会を分析するツールとなりうる。 デリダ・ドゥルーズ・フーコーの脱構築は、二項対立を留保し、問題をとらえなおすことで、考えをより広げ、深めるツールである。 単純化したら台無しになる複雑なリアリティを単純化せずに考えるために、現代思想を学ぶ意義がある。これにより、秩序化(きちんとする)方向へ進む現代において、現代思想は秩序からずれるもの(差異)に注目する。 近代は市民社会・進歩主義・科学主義などが組み合わさり、みんなが同じように未来を向いている時代であった。これがポストモダンに入り、資本主義の発展の中で価値観が多様化し、共通の理想を喪失、大きな物語が失われ、「目指すべき正しいものなんてない」「相対主義」の時代へ移行した。 仕事の効率化を図り、職場をより良くするということは、剰余価値のピンハネという下部構造の問題から目を背けることである。

    4
    投稿日: 2023.09.23
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    著者の千葉雅也さんはドゥルーズのファンだそうで、ドゥルーズの章では力が入っているように感じました。この本は、物事の対立構造(善悪、良し悪し、勝ち組負け組など)に対して「脱構築」という思考のメスを入れるやり方を教えてくれます。一回読んだだけでは全てを理解するのは難しいですが、感情や時勢に惑わされない思考法を学ぶ第一歩となってくれます。

    1
    投稿日: 2023.09.07
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    私は、「哲学=難しい思想を難しい言葉で綴る、一般人には理解し難い抽象的な学問」と認識していて、どっちかというと宗教とかそっち系に近い印象を持っていた。これまで哲学の本は読んだことがなかったが、この本が話題になって気になったので読んでみた。 意外に面白い 意外にロジック的な学問 というのが率直な感想。 一回読んだだけでは全てを理解しきれていないが、この理論をしっかり理解したら、生きていく上での助けになる思考法みたいなものが見える気がした。 哲学は思いっきりフワッとした抽象度の高い学問だと思っていたので、なんとなく数学的な要素もあるのだと知れたのは驚き。レオナルドダヴィンチが哲学者、数学者、芸術家といった、一見全然関係ない学問に精通していたのを、ただ単に多才な人だと思っていたが(それは本当にそうなんだろうけれど)、全ては繋がっている考え方?みたいな部分をこの本を通じて感じた。 そして1番最後の付録で、哲学書の読み方を解説しているのがとても良かった。カッコつけで書いているから気にするな、全部理解できなくても良い、フランス語は語彙が少ないなどの言葉に結構励まされたし(笑)、シンプルに読み替えることができるんだと知れて哲学を少し身近に感じることができた。(ちょっと大学受験で古典とか現代文をロジックを使って解釈してたのを思い出した) 感想を具体的に述べられるほどちゃんと理解できていないのが悲しいが、あと数回読んでみたいと思える本。哲学って面白いのかも。

    0
    投稿日: 2023.09.06
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    わかりやすいという以上に全体を通して想定読者に対しての優しさみたいなものが通奏低音になっているように感じた。窮屈で生きにくい社会でなんとか生き延びていくための武器、いや身を守る鎧としての現代思想。本書が新書大賞を受賞する程読まれているというのは嬉しいことですね。現代思想の構造をメタ的に捉えた「現代思想のつくり方」がすごいわかりやすかったし、最近の人文書読んでるとよく名前の出てくるメイヤスー、マラブーについて入門の入門ができたのは良かった。あと少し触れられていた『規則と意味のパラドックス』読んでみたい。

    0
    投稿日: 2023.09.05
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     ポスト構造主義の哲学の入門書ということで読んでみた。哲学書らしい衒学的な記述は抑えられ、講演のトークその聞くような印象を受ける内容だ。  内容的なことは敢えて書くまい。ボロが出ること必定だからだ。もっと表層的な感想として、哲学というのは時代の影響を受けるということを再認識したことがある。真理を追究する学問といえども、時代の風潮の強い影響からは逃れられないということだ。  さらに筆者も述べるように記述された言語の性格も思想形成に深く関与している。本書で取り上げられているのはフランスの哲学者だが、フランス語の文法や表現形式が思想の骨組みになっているのは明らかだ。  本書は哲学をライフハックの手段として使うことを提唱する。こういう考え方も現代風なのだろう。

    1
    投稿日: 2023.08.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    フロイト、ラカンは青春だったな……。 いい本。 @以下、コピペ 人生を変える哲学が、ここにある――。 現代思想の真髄をかつてない仕方で書き尽くした、「入門書」の決定版。 デリダ、ドゥルーズ、フーコー、ラカン、メイヤスー…… 複雑な世界の現実を高解像度で捉え、人生をハックする、「現代思想」のパースペクティブ □物事を二項対立で捉えない □人生のリアリティはグレーゾーンに宿る □秩序の強化を警戒し、逸脱する人間の多様性を泳がせておく □権力は「下」からやってくる □搾取されている自分の力を、より自律的に用いる方法を考える □自分の成り立ちを偶然性へと開き、状況を必然的なものと捉えない □人間は過剰なエネルギーの解放と有限化の二重のドラマを生きている □無限の反省から抜け出し、個別の問題に有限に取り組む □大きな謎に悩むよりも、人生の世俗的な深さを生きる 「現代思想は、秩序を強化する動きへの警戒心を持ち、秩序からズレるもの、すなわち「差異」に注目する。それが今、人生の多様性を守るために必要だと思うのです。」 ――「はじめに 今なぜ現代思想か」より [本書の内容] はじめに 今なぜ現代思想か 第一章 デリダーー概念の脱構築 第二章 ドゥルーズーー存在の脱構築 第三章 フーコーーー社会の脱構築 ここまでのまとめ 第四章 現代思想の源流ーーニーチェ、フロイト、マルクス 第五章 精神分析と現代思想ーーラカン、ルジャンドル 第六章 現代思想のつくり方 第七章 ポスト・ポスト構造主義 付録 現代思想の読み方 おわりに 秩序と逸脱

    5
    投稿日: 2023.08.13
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    図書館で借りて読んだので時間が限られている中でしっかり理解しながら読むのは結構難しかった!のですが、とても面白かった。 自分が哲学に触れたのって高校のときの倫理の授業と、大学(心理学部卒)でフロイトとかユングをちょこっとさらったくらい。しかも心理学畑ではこの二者って割と古典扱いなので、この本で哲学的な視点から見ることができて興味深かったです。 哲学って小難しいことを理屈ぽくこねくり回してるのかなと思っていたけど(偏見が過ぎる)、今を生きる人間の考え方にも生かされる部分もあって、現代思想だけでなく哲学全体をもう一度勉強したい気持ちになった。 かなり噛み砕いてざっくりと説明してくれるので本当に入門だし、参考文献めちゃくちゃ出てきます。今まで哲学に触れてこなかった人に哲学への扉をひらく1冊かと。 とはいえ内容はまあ〜難しいです…。1回読んだだけではなかなか。 次は本書を買ってしっかり読み返したい。

    1
    投稿日: 2023.08.06
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    噛み砕いて書いてはあるけど、それでも難しい。 全体を通じて、物事を「二項対立」による良し悪しをやめようという話だと思う。二項対立を当てはめて良い方を選ぼうとするけど、実際には良し悪しをつけられない曖昧なことも多くないか?という。 一方で、「正しい側」と「おかしい側」の二つの括りが共存している状態が社会の本来のデフォルトだとも言っていて、二項対立を肯定してないか?とも思ったり。 ブルーピリオドで「反権威主義組織は権威を証明する存在だからいてもらわなくては困る」と犬飼先生が言ってたけど、存在や概念は対立するもう一方があることによって成り立つ(際立つ)ものなんだとも思う。

    0
    投稿日: 2023.08.06
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    半分くらいで終了。 途中まではなんとかついて行ったものの、マラソンでいう所のキツくなる30キロ地点くらいで脱落。あざした

    1
    投稿日: 2023.08.03
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    何とかかんとか読み終わった感じ。特に最後の方はぐちゃぐちゃ。ただ、コロナ禍でいろいろ悩んでいたなかで、「人間はいい加減でいいのだ、そういうものなのだ」と言う事が分かって(合ってるか?)安心しました。

    0
    投稿日: 2023.07.23
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    面白かったーー何回でも読みたくなる、1回では全然消化不足だ 暇なときにぼんやり考えていたようなことの断片たちが、ものすごい完成度で出来上がっていたような、、哲学者の主張だけでなくて、筆者の解釈やら日常生活への活かし方も面白かった

    3
    投稿日: 2023.07.15
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    序盤から中盤まではかなり噛み砕かれていて非常に読みやすかった。終盤にかけてやや難解になっていったが、入門と謳う本の中でも珍しく本当に「入門」であった。フランス現代思想に興味がある訳ではないが、新書大賞を取ったということで手に取りました。読んで損はないと言える面白い内容でした。

    0
    投稿日: 2023.07.09
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    ラカンの「対象a」の説明がわかりやすかった。人間は心の穴を埋めるために対象a(と言うまやかし)を求め続ける。これが依存症の根源的なシステムかもしれない。

    0
    投稿日: 2023.06.28
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    興味はあるんです、哲学。 しかも新書で、帯には「人生が変わる哲学。」2023新書大賞第1位とある。安易な期待は完全に裏切られた。難しいじゃないか! 巻末の付録にこうあった。「哲学書を一回通読して理解するのは多くの場合無理なことで、薄く重ね塗りするように、「欠け」がある読みを何度も行って理解を厚くしていきます(p215)。 →そうします。

    0
    投稿日: 2023.06.25
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    難しかった…。付箋いっぱいした。 いろいろな考え方があるのだな、と思った。 付録の、哲学書の読み方、は有難かった。

    0
    投稿日: 2023.06.22
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    久しぶりに読み切った。 現代思想をきれいに歯切れよく切り分けて、食べやすく、でもそれは本当の味ではないのよという前置き付きで楽しませてくれるコース料理でした。入門が本当に揃えなれけばならないのは導線である。本書はその役割を十分に果たしている。

    0
    投稿日: 2023.06.19
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    窮屈で生きづらい現代社会。 現代思想は、それをどう解釈しているのか。 ということで読んでみた。 まあ若干知識としてあった内容ではあるが、哲学者は思っていた以上に自己主張が強く、芸術的であった。

    1
    投稿日: 2023.06.15
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    フランス現代思想にあこがれて哲学の研究者となった著者が、フランス現代思想がもはや「現代」の思想ではなくなったこんにちの状況を受けて、その概要をあらためて簡明にえがき出すことを試みた解説書です。 本書では、フランス現代思想において「二項対立の脱構築」がなされていることに注目して、デリダ、ドゥルーズ、フーコーの思想を整理しています。さらにフランス現代思想の源流であるニーチェ、フロイト、マルクスについても簡単に触れ、さらに日本における現代思想の受容において焦点となった「否定神学批判」についても説明がなされています。また、カンタン・メイヤスーやフランソワ・ラリュエルなど、よりあたらしい思想家たちもとりあげています。 著者のドゥルーズ研究である『動きすぎてはいけない―ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』(2017年、河出文庫)は非常に啓発的な内容であり、個人的にもたいへん学ぶことが多かったこともあって本書を手にとったのですが、著者がいま、本書のような本を執筆することに意義があるのだろうかという疑問を感じてしまいました。あるいは著者は、現代の読者が、フランス現代思想のテクストに粘り強く取り組む動機をもたないことを見越して、あえて本書のようなかたちでフランス現代思想のおおまかな「世界観」を示しそうとしたのかもしれません。しかし、本書を通してフランス現代思想とはつまるところこのような考えかただということを理解した読者が、それについて関心を深めることになるとは、なかなか思えません。 もちろん本書を手にとる読者は、もともとフランス現代思想になにほどか関心をもっているひとが多いのだろうと思いますが、そうした読者にとっては、仲正昌樹の講義シリーズのように、じっさいにテクストの一節をとりあげて緻密な読解を実演してみせるような内容のほうが興味深く読めるのではないでしょうか。

    2
    投稿日: 2023.06.14
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    哲学書というよりはエッセイの軽さ。本当に読みやすかった。ただ著者の解釈がかなり入ってそうなので、自分でもう少し踏み込んだ本を読んでみようと思った(著者はこのことも踏まえておすすめの本をたくさん書いてくれていて、助かる)。

    0
    投稿日: 2023.06.05
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    まず、この本は面白いか、面白くないかのどちらかにおいて比較するのもいいけれど、その比較がまた面白いか、面白くないかのどちらかになると言っていいかという無際限な連鎖があることを見つけたとする。そのとき、それをあるところで凍結させて、面白い、面白くない空間を作って統一してみることは可能だろうが、その凍結を決めるタイミングはまた根拠薄弱である。根拠薄弱なものに意味を与えてしまうのも困難だ。故にすべてから解放的になって無となるのが生き方として消去法として残るかというと、そうも言えない。とかくこの世は生きづらい。

    1
    投稿日: 2023.06.04
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    現代哲学を概観する入門書。 冒頭の文章で引き込まれて読み進めるうちに後半でデリダやラカン、レヴィナスなど説明が始まるとだいぶ難しくなる。 しかし本書はなんとなくわかったような気持ちにさせてくれるし、そういう思想なんだとフワッと理解させてくれる。 それでもかなり難解だが、肩肘張らず等身大で語ってくれるのが救いだ。 フーコーのパノプティコンの規律訓練の話しは興味深かったし、 最後の哲学書の読み解きのコツで、二項対立を意識して読めとか、知らない単語は読み飛ばせとか、英語の方を読むとか、飾りは退けて読めとか、も参考になった。

    1
    投稿日: 2023.06.03
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    ドゥルーズの考え方が面白かった。 いかに自分が様々なことを無意識的のうちに「当たり前」だと捉えていたかに気付かされた。 付録の「現代思想の読み方」がとても分かりやすかったので、これから現代思想の本を読むときに参考にしようと思う。

    0
    投稿日: 2023.05.31
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    デリダ、ドゥルーズ、フーコー、現代思想のポスト構造主義の3巨人を中心に、その源流となったニーチェ、フロイト、マルクスなどをわかりやすく解説。脱構築とはそういうことだったのかと腑に落ち、これを起点に更にいろいろと哲学書を読んでみようというモチベーションが湧いた。

    1
    投稿日: 2023.05.21
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    フランスの哲学者デリダ、ドゥルーズ、フーコーの3人を中心にポスト構造主義を学べる良書。 特に二項対立からの脱構築という考え方は我々一般ピーポーの日常生活でも十分使える思考論であり、人生を豊かにする、幸福になるためのヒントが貰えるだろう。(p26のカツカレーの話が例としてとても分かりやすかった) 前半部分のデリダ、ドゥルーズ、フーコーに関しては哲学初心者にも優しい言葉で分かりやすく説明されているが、後半は精神分析学も絡んでくるので最低限フロイトやユングなどの心理学の予備知識がないと厳しくなってくる印象。 それでも筆者が付録でも述べているように何度も読み返して薄く重ね塗りするように理解を厚くしていきたい。 「誰も傷つかず、安心・安全に暮らせるというのが本当にユートピアなのか疑ってもらいたいとぼくは思っている」(千葉雅也) 「確かに客観的事実というものはあるのだが、客観的事実の客観性を突き詰めるならば、客観的事実は根本的に偶然的なものであり、いくらでも変化しうる」(クァンタン・メイヤスー)

    0
    投稿日: 2023.05.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    1章から3章 2項対立からの逸脱 概念、存在、社会にフォーカスを合わせていくと自身が固定された視座にいることを自覚できる。

    0
    投稿日: 2023.05.07
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    現代思想の一端に触れる。 東洋哲学と共通する部分。思想ぼ積み重ね、振り子の中でより深い思想となる。 流し読みでいったん閉じ、いつか塗り重ねるような読書をする。 ◯デルタの概念(二項対立)の脱構築 ・エクリチュール(文字言語)の誤配の可能性 ・転倒による仮固定、未練による少数派への配慮 ◯ドゥルーズの存在の脱構築 ・A v.s. 非Aの対立関係ではなく、多方向に複雑に関係している ・クリエイティブな関係性を広げながら、なおかつ非コミュニケーションが必要。ケースバイケースのバランスの逃走線を持つ ◯フーコーの社会の脱構築 ・権力構造は、支配する者/される者の二項対立ではなく、相互依存的 ・二項対立的構図の抵抗運動は逃走線を引くどころかシステムに囚われたまま。引くためにはシステムの外を考える、一段難しい。 ・自己監視する心を生む「規律訓練」と即物的コントロールの「生政治」の両輪で多数派の秩序化に向かう近代社会 ・人間の多様性を泳がせておく「新たなる古代人」になる

    0
    投稿日: 2023.05.04
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    メイヤスーがよく分からなかったので、そこに繋がる流れがコンパクトにまとめてあって大変勉強になりました。 ----- 身体の根底的な偶然性を肯定すること、それは、無限の反省から抜け出し、個別の問題に有限に取り組むことである。

    0
    投稿日: 2023.05.03
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    私には難しかった。だが、哲学に対するイメージは、大きく変わった。この本を何度も読み返しながら、他の本も読んでいきたいと思った。

    1
    投稿日: 2023.05.03
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    哲学といえば、ソクラテス?、デカルト?、カント?、ヘーゲル?、なんてイメージが強く、知識もそれなりに残しているつもりでした。 しかし、現代思想を少しずつ俯瞰できる本著においては、フランスの思想家が主であったこと、日本の方の活躍ぶりが新鮮で、学ぶべきものが多かったです。 紹介されている現代思想の人たちをはじめ、自分自身が哲学するときに役立つキーワードが散りばめられていました。「否定神学的X」、「去勢・ドグマ・儀礼」、「逆張り」などなど。 『思想入門』とありますが、応用範囲の広い、ためになる本でした。

    2
    投稿日: 2023.04.29
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    現代思想に関わる思想家の考えを、本当に少し、スプーン一杯くらいの量で広く味見させてくれているような一冊。入門書としては良い。ただ私は昔哲学を少し勉強していたので入りやすかったが、初見だと難しそう…というか哲学自体向き不向きがある。この本を読んで次へ行こう。

    1
    投稿日: 2023.04.24
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    んんん?と成りながらもするすると読み進められる。そしてまた、んんん?となる。とても面白いまさに「入門書」。そういうことだったのかと気が付かされる部分も多かった。紹介されている本をいくつか読み、またこの本に戻ってみたい。現代思想を読み解く方法論は、読書の楽しみを再認識させてくれるものでもあった。不完全だから、教養は面白いのだ。

    4
    投稿日: 2023.04.19
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    入門だが、結構難しかった。対する2つの事柄を、どちらの視点から見るか。価値観は球体の上を回ってる気がする。

    0
    投稿日: 2023.04.19
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    なんだかんだで「哲学」とか「現代思想」って小難しいですよね。「入門」って言ってるけど「入門」じゃないとか。 でも、これなら少し距離が近づいた気持ちになれます!(そもそも現代思想って簡単なことではないから何度も何度も噛んで味わうことが大事と著者も書かれてますが。。。笑)

    0
    投稿日: 2023.04.15
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    デリダ、ドゥルーズ、フーコーを中心に、フロイト、ラカン、ニーチェ、マルクスらにも遡り、レヴィナス、メイヤスー、マラブーらにも言及する、できるだけの平易な言葉で語られる現代思想の入門書です。 本書の最後では、現代思想の読み方指南もあります。そこでは、まずデータをダウンロードするように読むことが大事だとされる。中途でいちいちツッコミをいれてはいけない、と。これは話を聞いているときと同じだ、とあります。僕はほんとうによく、読んでいる中途で「待て待て?」とツッコミをいれます。それをメモっておいて、こうして感想・書評を書くときに使うのです。マナー違反なんだよなあ、ということを改めて思い知ってしまいました(それでもやめませんが……)。 どうして読んでいる最中にツッコミをいれてはいけないのか、というと、そうしてしまうとその先をきちんと読めなくなるからです。まず、著者の主張をまるごと受け入れてみることが大切だといいます。僕がツッコミをいれるときは、ツッコミの地平線と著者の地平線の二重線で読んでいるところがあるかもしれません。ふつうに読んでいる時よりも疲れますから。 さて。序盤では、秩序つまり権力の側や規律なんていうのものは、それにそぐわないものを矯正したり排除したりする、ということが述べられます。僕の考えとしてもまったくそのとおりで、そこから脱出するべきベクトルが、現代思想の推進力であるのでしょう。 では簡単に、内容との格闘へと入っていきます。序盤部分の引用から。 __________ 多かれ少なかれ、自分が乱される、あるいは自分が受動的な立場に置かれてしまうということにも人生の魅力はあるのです。(p21) __________ __________ 能動性と受動性が互いを押しあいへしあいしながら、絡み合いながら展開されるグレーゾーンがあって、そこにこそ人生のリアリティがある。(p22) __________ これまで僕が考えてきたのは、他律性を排することで(≒自律的であることで)その人の幸福度や生きているぞという感覚が強まる、ということでした。他律性を支配に重ねて考えてもいる。なんでもお仕着せでさせられているとストレスフルだし寿命だって短くなるらしいことを知ったのも根拠にあります。 本書で言っていることは、他律性を受け入れよ、ということで、僕の考えよりもダイナミックな生を想定している。だとしてもの僕の考えだと、それでもなお、他律性を排すのは大事だとなります。これはたぶん、人間一般がどういうものか、社会一般がどういうものか、という個々の世界観に拠っているのではないか。 他律性を受け入れながらそのグレーゾンーンでやっていけるのは、それなりに高い知性そして理性のある人たちで構成されるグループに限定されるのではないか。いわゆる一般大衆、マジョリティであるだろう層が前提だと、他律性を受け入れるうんぬんでその個人も関係も疲弊するのではないか。 社会的な競争、性的な競争、個人的優越のためなど、そういったものがひしめくマジョリティ層の社会では、他律による「足を引っ張る行為」があったり、誹謗中傷の酷いレベルのがあったりもする。自分を守るため、自己の安定のためには、他律をできるだけ排す方法は有効だと思うのです。 ただ、このあいだ河合隼雄さんの『コンプレックス』を読みながら考えたこと・学んだことに照らすと、そうやって自分を守ったり、自律的にやっていったりすることで、少しずつ自分が成長して、他律(外の社会との関係)に耐えられるようになっていく。それから、他律を受け入れるようなダイナミックな生へ移行するとよい。 『コンプレックス』では、自我が弱い段階ではコンプレックスと対決しても耐えられないことがあることが書いてありました。自我が育ってから、少しずつコンプレックスと相対して対決し、解決してエネルギーとしていく。他律を受けれいることも、似たような感じでやっていくのが最善なんじゃないかと考えるところです。 本書『現代思想入門』では未練をもちながら決定を下すことが大人ではないか、と書かれています。これは後悔もそうだと考えられそうです。また、感情を切り捨てながら技術的なポイントを反省するのはこころの負担にならないのでお勧めなのですが、これも、こころが育ったなら感情も込みで反省するのがよい、と僕は思うし、本書の後半で著者もフーコーを引きながら「無限の反省ではない有限の反省」として同じようなことを述べています。 ということで、デリダやドゥルーズの現代思想の前提をまず考えてみて、そこで一般のマジョリティたちに適用するにはずれがあるのでは、という話でした。他律を受けいれるダイナミックさはわかるのだけど、耐えきれない人たちは多数いると思うので。ただ、本書では、フーコーがその後期に、主体性と言うか自律性というか、そういったものを重視していたらしいこともちらっと述べられています。 ちょっと先走っていて個人的な解説になりました。ここで、デリダ、ドゥルーズ、フーコーの現代思想のキーワードを書いておきます。それは二項対立からの「脱構築」です。 __________ 二項対立は、ある価値観を背景にすることで、一方がプラスで他方がマイナスになる。(p27) __________ 善と悪、健康と不健康、身体と精神、自然と文化などの二項対立のどちらかを取るのではなく、そのどちらの間のグレーゾーンの立場を取ったり、そこからはみ出したりするのが「脱構築」です。ここがまずおいしい匂いのするところで、ここを突破口に他の枝葉末節的な部分や、その根っことなったところを探っていく構成になっています。 ここでまた、秩序による排除や矯正について考えたことを。 たとえば発達障害なんていうカテゴライズこそが、管理社会という秩序による支配からでてくるもので、それってマジョリティの側が強固であることの証拠にもなっています。ですが昨今の、発達障害と言われるような傾向・性質の人つまりマイノリティを、治そうとしたりせず共存していこうというのは近代の見つめ直しで、近代以前への回帰でもあると考えることができます。 一説に、世界中の精神科病床の25%が日本にあり日本の精神医療は50年遅れている、なんて言われるそうですが、これこそ、いまだに管理体制・権力というものへの思慮が欠けていることの現れなんだろうなあ。排除・矯正や差別を副産物として生む、秩序・管理・規律・権力といったものに無批判であり、ゆえに強力だからなのかもしれない。フーコーへの理解度や浸透度がものを言ってる気がします。権力は、被支配者側がそれを支えているという見抜きが大きくひとつあります。管理体制・権力に対する日本人の意識は、もしかするとガラパゴス化しているのかもしれない。また、外国人労働者への冷たい処遇なども、差別・排除など秩序や規律の論理が強力すぎるためゆえのことが表面にでてきているのかもしれない、と思いました。 というか、本書を第三章まで読んだらそこに気づけるのですよ。権力は被支配者が支えている、なんてところからどんどん繋がっていきました。自由が好きで大切だと思うならば、本書は面白く読める本です(少々難しいところはあるにはあるのですが)。 個性だとか多様性だとか、もっと育てようと言いながらも、それらは権力の手のひらの上でならばね、という注釈がこの社会ではついている。権力、マジョリティ、秩序というものはそういうものなのです。いわゆる、「はみださない範囲で」という都合の良い注釈がつきます。鎖国してたのなら通用するのでしょうけども。 国の競争力を上げるならば、国・権力・マジョリティ・秩序の側がもっとリスクをとらないといけなくないでしょうか。堅牢な安心の城であれこれやっても、それが通用するのは鎖国みたいな閉じた世界でだけです。ある程度、泳がせないと、はみ出させないと、何か生まれたりしません。 国・権力・規律・マジョリティ・秩序を重視しすぎたあと、どうなるか。考えてみたら貧しい軍事国家になるんじゃないのか。自然にそういうイメージが湧くのだけれど。権力・規律・マジョリティ・秩序のどんな部分が良くないかって、それらにそぐわないものを排除したり矯正したりするところなんですよね、返す返す言いますが。 最後に。 脱構築といった現代思想の出番って、日本では待望されるべきものなんじゃないでしょうか。現代思想の考え方やそれに促される姿勢、そして自覚的でいられることが、日本人の栄養素として不足しているんじゃないか。日本人としての群れがバージョンアップしてちょっと変わっていくためには、ですね。 でもみんな、自分が生きることに精一杯で、「それどころじゃねーんだ」なんでしょう。生きることに精一杯同士で競争して、足を引っ張ったりし合ってもいますし。そうやって疲弊している民衆は支配しやすそうで、そういう民衆はただ時の流れに乗っかって生きてしまうのかもしれない。自戒を込めて、になりました。

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    投稿日: 2023.04.14
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    「脱構築」にはじまり逃走線の先を追い求める思想の基礎を良く理解できた。哲学書のはじめとしてちょうどいいレベルで、これからの時代の展望には必読の書でした。

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    投稿日: 2023.04.06
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    【琉大OPACリンク】 https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC13481227

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    投稿日: 2023.03.31
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    最後まで目を通したが、内容の半分も理解しないで読了。 現代思想は、学生時代の知識くらいしか無いため、ほぼ初見の名前が多く、そこから読みづらい。 ただ、あとがきにあったデリダの文章と、それに対する作者のコメントが面白く、くすりとした。 分からないなりにも比較的読みやすい本だとは思うため、現代思想について学ぼうと思ったら、もう一度読みたい。

    2
    投稿日: 2023.03.29
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    "現代思想とは差異の哲学である。" 工学でも差異によってエネルギーが生じ、様々な事象が起きる。 単に思想としてだけでなく他分野にも通じるものがあると思った。

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    投稿日: 2023.03.23
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    ・現代思想のレビュー論文という感じ。各研究を総括して、次の課題を提示して。 ・なんなら現代思想の手法まで教えてくれる。「現代思想のつくり方」の部分、特におもしろかったな。 ・抽象的な思想をこんなに分かりやすくまとめてくれてるのありがたい。 ・ただ、どのまとめもこの本の著者の解釈を通ってることは気を付けとかないとな、と思ったり。「現前性」と「再現前」の二項対立みたいに(にわか仕込みデリタみ)。

    0
    投稿日: 2023.03.16
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    2023年新書大賞の第1位受賞作。 新書大賞を受賞したつーことで早速読ませてもらいました。 普段、哲学や思想の本など読まないので、恥ずかしながら自分にとってはかなり難解でした。これで「入門」かよ!?的な感じです。デリダにドゥルーズ、誰やそれって感じですね。 なんとなくわかったことは、一般に現代思想つ〜のは1960年代から90年代にかけてフランスで展開されたポスト構造主義の哲学だということ。ポスト構造主義=ポストモダニズム、ポストモダン思想であり、これがデリダやドゥルーズやフーコーの思想ちゅうことらしいです。 パターン化、単純化されていく社会に警鐘を鳴らすと言ったらいいんでしょうかね。 とにかく一つにおさまったり完璧な秩序だったりすることより「差異」を重視するんですね。 確かに現代は同調圧力がきつくて、出る杭は打たれる的なところありますよね。昭和の時代に比べると大らかさは確かに減少していて、窮屈な感じがするというのが私の実感です。 著者である千葉さんは私とほぼほぼ同世代ですが、以下のように解説してます。 「現代は、いっそうの秩序化、クリーン化に向かっていて、そのときに、必ずしもルールに収まらないケース、ルールの境界線が問題となるような難しいケースが無視されることがしばしばである、と僕は考えています。 何か問題が起きたときに再発防止策を立てるような場合、その問題の例外性や複雑さは無視され、一律に規制を増やす方向に行くのが常です。それが単純化なのです。世界の細かな凹凸が、ブルドーザーで均(なら)されてしまうのです。 物事をちゃんとしようという「良かれ」の意志は、個別具体的なものから目を逸らす方向に動いてはいないでしょうか」 会社組織のなかで長年生きてきた私には耳の痛い話しであると同時に大きな気づきを得られました。 話は変わりますが尾崎豊の大ヒット曲「15の夜」は昔から大好きな曲です。有名な「ぬ~すんだバイクで走り出す〜」という歌詞がありますよね。千葉さんによればですね、あれはかつて、がんじ搦(がら)めの社会秩序の「外」に出ていくという解放的なイメージで捉えられていたとのこと。ところが今日では、「他人に迷惑をかけるなんてありえない」という捉え方がけっこう本気で言われているようなんですね。 ほんまかいなと笑ってしまいました。 秩序維持、安心・安全の確保が主な関心になっていて、以前のように「外」に向かっていく運動があまり受け入れられないんですね〜。 そういう、差異やズレ、変化などを重要視刷るのが現代思想ということがなんとなくわかりました。再読したら理解が深まるような気がしました。 巻末の付録的な感じで、難解な哲学書を読むテクニック的なこと書かれていて、なかなか面白かったです。

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    投稿日: 2023.03.12
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    入門書の入門書といえど哲学の話であるので、文字の上を目が滑る箇所が多かった。他方で滑らずにすらすら読める箇所もあり、読書の新たな感覚を得たように思う。 唯一の正解がない世界でにおいて、「二項対立からの脱構築」が仮固定的でベターな行動へ辿り着く有効策という理解になった。この理解が正しいかは分からない。ただ、そこにフランスの哲学思想に対する興味の源があると自分で認識できた。 読書について述べられた箇所もあり、哲学の本については「いかに読まないか」がポイントだと理解した。 概念の旅へ出たい方におすすめできる1冊。全く簡単なわけではないので、滑る箇所があることも考慮して手に取ってもらいたい。『勉強の哲学』を前後に読むと良いかもしれない。

    1
    投稿日: 2023.03.09
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    現代思想の入門書ということで、挙げられることの多い中から、デリダ、ドゥルーズ、フーコーを1章ずつ割いて紹介されています。そこから現代の思想の根底にあるものを朧げに捉えたうえで、その後の現在に至る(ポスト・ポストの)思想の轍を語られています。哲学のこととなると、解説書でも過去に書かれたものを読むことになってしまうからか、私は現代思想といわれるものの一歩前、せいぜいマルクスあたりまでで止まってしまっていました。デリダという名前は知っているものの、別次元のものというイメージがありました。しかしながら、当然思想上の影響ということではつながっており、過去からの流れのなかに今があるということ、カントまでで止まってしまっていた哲学の知識に、実は現在までのレールが敷かれていることを知ることとなりました。そして現在の私たちの当たり前の思想が、過去から当たり前なのではなく、本書で紹介されている現代思想の方々によってごく最近に提示されたものであったということを知るのです。違う立場について考えるということが必要になってくる時代に、その思考がどのように導き出されたのかを知ることは、コミュニケーションを幸福に導くために必要な思考だと思います。

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    投稿日: 2023.03.04
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    今まで思想とか哲学といった関係の本を手に取ることがほとんど無かったものの、「新書大賞第1位」という宣伝文句を見て購入しました。 数多くの哲学者の名前(知らない人の名前の方が圧倒的に多かった)と思想が平易な文章で書かれてある。しかし、内容は私には難しいものでした。難しいながらも著者の初心者に向けた(これでもかぁという程)親切な説明があったおかげで最後まで読むことができたと思う。 第1章のデリダのところで現代思想の入門の思想として、「人は二項対立の中で生きているが、二つのうちどちらかだけに傾倒するというよりも、差異や他社からの訴えの重要性を認識した上で、決断や同一化はそれはそれでせざるをえないもの。」という文章(の意味)が心に残っています。 そのあとからは難しくて十分に消化しきれていません。ニーチェ、フロイト、マルクスについてはこれまでの認識を新たにすることができました。しかし、他の思想家たちの考え方が消化できておりません。 「付録」の冒頭で語られていた、読書に対するお考えには大きく頷けるものがある。「不完全な読書であっても読書である。というか、読書は全て不完全なのです。」「自分に無理のないスピードで読書の経験を積んでいくことで、読むのは自然と早くなる。」その通りだと思います。「速読=飛ばし読み」では本の内容、作者の意図が読み取れない。 しかし、本書は再読、再々読しても全て理解するのは難しいだろうなぁ。 他の方々の感想を読んでみて、多くの皆さんが「わかりやすい」「よく理解できた」と書いておられる。尊敬するしかありません。

    2
    投稿日: 2023.02.26
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    哲学を学びたいと思った矢先に書店でふらっと購入した新書。哲学の知識は歴代の哲学者をさらっと紹介する本を一冊読んだに過ぎない私だったが、これほど難解な現代哲学の解釈を私でもわかるように解説してくれている千葉雅也さんは素晴らしいと思った。 現代思想の二項対立構造の考え方にはとても共感があった。現代社会を理解するにあたって複雑化は確実に進んでいる。これはこうだとドグマ的に理解するのではいけない。誰が悪いもない、多面性を考える必要がある。デリダ、ドゥルーズ、フーコーの哲学については改めてまた他の本も読んでみたい。

    7
    投稿日: 2023.02.23
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    圧倒的にオススメの一冊。 一言で言うなら、「千葉雅也凄い。」に尽きる。 難しいことをレベルを落とさずにそのまま分かりやすく伝える、という能力において、右に出る者はいないのではないか。。というくらい、力強いのに軽やかでそれでいてただ作品として面白すぎる、という贅沢すぎる一品。 冊というより、品。 読書初心者でも安心して手に取れるし、人文書への手ほどきも最後に丁寧にしてくれている。 新書大賞2023受賞、納得です。

    1
    投稿日: 2023.02.23
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    かみくだいた解説に著者の思想を乗せているので素人でも読みもの的に楽しめました。 とはいえ後半は難解。 世界を肯定するツールとしての哲学という感じがしました。

    0
    投稿日: 2023.02.23
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    デリダ、ドゥルーズ、フーコーらの現代思想については、なんとなく、なんとなくわかった気がします。 じっくりと、何回か読み直さないとわからないのでしょう。ただ、いろいろな事象を考えていく上でのきっかけ、ヒントになりそうな感じですか。

    2
    投稿日: 2023.02.20
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    中公の2023年新書大賞でこの本が1位だったのだ気軽に読んでみた。 付録の「現代思想の読み方」を読み込むだけで価値のある本だと思うし、まずそこから読んで一章…と読んだ方がむしろ良いかも。(付録には哲学本を興味本位で齧って、イミワカラン…な人がなぜ哲学本が難解なのかとじゃあどうすれば初心者として読めるようになれるかが書かれている。) 僕は第ニ章のドゥルーズあたりから頭が混乱してきたので、一〜三辺りは2、3回読んでそれ以降は分からないなりに潔く通読した。 第六章の「現代思想のつくり方」はユニーク。こんなことまで書かれた本は珍しいのでは? そこら辺の自己啓発本みたいに分かりやすい答えが書いてあるわけじゃない。時間を割いて考えなければ納得できない。みんなが思ってるようなシンプルな答えが出ないかも知れない。それが本書を読んでみての感想と筆者の主張。

    1
    投稿日: 2023.02.20
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    哲学について、最初の一歩として読んだ本。 一行一行を丁寧に読んではメモを書き、気付いたら読み終わるのに半年くらいかかっていた。 大学ノート34ページ分のメモと共に。 「複雑なことを単純化しないで考えられるようになります。単純化できない現実の難しさを、以前より高い解像度で捉えられるようになるでしょう。」 はじめに、で語られたこの言葉。熟読してみて、確かにそうだと実感できている。 読んでいる途中、他の本も色々と読んだりしていて、その読解に於いても役立ったというか、捉え方が変わった感が強い。 あらゆることを、二項対立でみてしまいがちな現実世界だけれど、そもそも答えは無く、本当の自分というものも無く、絶対的な正しさはもちろん悪も無い。 ただ「それ自体」として存在している。 そしてその存在(実在)もまた疑い、「存在するとは別の仕方で」(otherwise than being)という言い方で他者を捉える。。 この、言い方の面白さに特に惹かれた。 厳密に論理的に確定された概念を、「言葉に無理をさせて」なんとか言い表すということ。 引用されていたデリダ「哲学の余白」のなかの「差延」も、 差異=difference に対してのエクリチュール(書かれたもの)的差異を示そうとする概念で、 差延=differance ※eがaになっている というデリダ独自の造語!という、、 なんて自由で独創的。またそれを伝えようとする文章も様々なレトリックに満ちていてゾクゾクした。 多分、この本を読んでいなかったら、なんか難しそう、、で終わっていたことが、難しいままで考えることを楽しめる気持ちになれた。 日本現代思想についても知りたくなったので、次は東浩紀の「存在論的、郵便的」を読もうと思う。

    3
    投稿日: 2023.02.02
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    だんだん難しくはなってくるけども、現代思想を理解しやすいように、あの手この手で工夫して書いてくれている楽しい入門書。 著者の千葉さんのワードセンスがとってもいいんだと思う。 まず「はじめに」で、現代思想のメリットを「複雑なことを単純化しないで考えられるように」なる、「単純化できない現実の難しさを、以前より「高い解像度」で捉えられるようになる」と書いてあるのに、ぜひそうなりたい、とワクワクした。哲学書でワクワクするなんて初めて! デリダの世界観を、「炭酸で、泡立ち、ノイジーで、しかしある種の音楽的な魅力も持っているような、ざわめく世界として世界を捉える」と説明している文章もぐっときた。 現代思想の、差異に注目する世界観、全体的にすごく魅力的だと思ったけれど、使いこなせるようにするには、何回か読み直して理解を厚くしなければ。 作者もそれでいい、プロもそうやって読んでるよ、と書いてくれていて、本当に最後まで初心者に優しい本。

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    投稿日: 2023.01.31
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    前半三章までは、「なんとなく」わかった気になったが、後半はちんぷんかんぷんでした… でも、本の読み方について言及されていたり、やっぱり、読書は素晴らしいです。

    1
    投稿日: 2023.01.29
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    現代思想なるほどと思った。わかんないなりに。 相対主義とか、二項対立とかその脱構築とか難しいことたくさんだけど、物事の捉え方をもっと柔軟に考えられるなあと勉強になった。 いろいろここに書いてある入門書読んでみよう。

    2
    投稿日: 2023.01.29
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    入門編だけあって前提知識がなくとも理解できた 歴史を紐解くと昔はそんな概念が存在してなかったのかあとちょっと感慨深い 現代思想ってめんどくさいと思ってたけど、いやまあめんどくさいんだけど、なるほどとは思わされたかな

    1
    投稿日: 2023.01.26
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    面白かった、そして難しかった。書かれている内容を一度読みではそのすべてを理解できなかった。 でも、新しい世界を知ることができ、頭の体操になった。今まで使っていなかった頭の部分が動き、目から鱗が落ちる感じ。 千葉さんの他の著書も読んでみたくなった。

    1
    投稿日: 2023.01.26
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    なかなか全体像も個々の思想も捉えづらい現代思想をしっかり理解しようということで、入門の位置付けである本書を購入。このカテゴリーでベストセラーということにも期待感を持って読み始める。 脱構築という視点で、デリダ、ドゥルーズ、フーコーについて解説されており、非常に理解しやすかった。また、推奨書籍の紹介もあり、今後理解を深めるガイドもされている丁寧な構成。 一方、精神分析と現代思想の章以降は、サラッと解説が書いており、理解が追いつかない部分も多々あり、本書の再読や他の書籍との併読も必要と感じた。(特に、初めて聞く思想家の名前は、すんなり頭に入ってこず…) いずれにしても、入門書としては、とても良い内容で、この本をきっかけに、現代思想について、興味の幅を広げていくには良い書籍だと感じた。 なお、書籍からの学びは、二項対立からの脱構築。 デリダは概念、ドゥルーズは存在、フーコーは社会の脱構築。 安易に二項対立の図式で考えるのではなく、揺さぶり、他者からの視点で捉えてみる。

    1
    投稿日: 2023.01.25
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    話はとても面白い。 そして勉強になる。考えていることとマッチした内容でした。 でも、たまに変な文章があって悩む。意識的に変わった書き方をしているのか癖なのか… 著者の考えなのか、それとも説明している哲学者の考えなのか。 現代哲学をそのまま書かれてもほぼ分からないので、説明するとなるとどうしても自分の意見が混ざり込んでしまうのは致し方ない。 とは言え、もう少し分離して書く方法は無かったのかとつい思ってしまう。 愚痴も書いてしまったが現代フランス哲学をまとめ上げる著者の力量は凄い。 そして哲学が好きになれる一冊であることは間違いない。 また少し時間を置いて再読予定です。

    4
    投稿日: 2023.01.21
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    【読もうと思ったきっかけ】 本書の評価が高く、現代思想を学ぶことで、難しいことを難しいまま、高い解像度でとらえることができるようになると本書に書いてあり、自分の認識力を高めたいと思っていたため。 【読んで感じたこと、自分が認識したこと】 入門の入門であるが、自分には難しい部分が所々あった。 今一つイメージができない部分を、調べようとすると、それを説明がなされた文章の中にイメージがつかない内容があったりで哲学を理解することの深さが印象的であった。ただ、極力分かりやすいように書いてあったと思う。著者も、昔の哲学の本は、ある本を理解していることを前提に書かれている本がほとんどで、順番に読んでいかなければ理解が難しく読者に優しくなかった旨記載していた。 本書では、現代思想の、脱構築に主眼を置いて説明がなされていた。脱構築という考え方によって、どっちか一方の選択肢が全面的に正しいという状況が覆される。資本主義という利潤第一の価値観やネット社会による他者の監視を感じやすくなってしまい閉塞的になってしまう考えを、脱構築により再度思考する余地を生み出すことができる。 何かを決断するということは、選ばれなかった方を切り捨てるということであるが、選択することは常にグレーゾーンの中、優劣白黒つけることができない状況での決断をせざるを得ない。決断は言わずもがな重要であるが、グレーゾーンの背景の中決断をしているという状況を多くの方が理解し、曖昧さを良い意味で残せる、許せる、閉塞感が解消された社会になってほしいと思った。

    2
    投稿日: 2023.01.11
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    この本は、秩序やルールが蔓延る現代社会で生きづらいと感じる人を勇気づける本だと感じました。この本を自分なりに解釈すると、絶対はないということです。そもそも、こうでないといけないと決めつけたり、縛りを設けても逆のことが起きたり、グレーな領域が必ずあります。例えば、暴走族は暴れたり、何らかの逸脱行為をするのに、上下関係はしっかりしている。人間は常に正の面と負の面を両方抱えてどっちつかずに生きてる存在だと捉え直すことができました。そのため、飛躍するのですが、自己啓発本を例えば読んだとして、この本にはこう書いてあるからこうする!とはりきりのではなく、 こういう考えもあるんだと じゃあ自分はこうしてみるかとグレーになったり、ならなかったりを繰り返して生きていきたいと思いました。 また、生きることに真の目標達成はないという、考えも好きです。まとめることができない本なので、読んでみて自分で解釈して、噛み砕いて欲しい本です。

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    投稿日: 2023.01.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    “現代思想を学ぶと、複雑なことを単純化しないで考えられるようになります。単純化できな現実の難しさを、以前より「高い解像度」で捉えられるようになるでしょう” もしかすると初めて哲学や精神分析的な書籍にしっかり触れたかもしれない。なかなか難しい部分もあったけど、それでもとても面白い本だった。 SNSを開けば、AかBかという二項対立の戦争が繰り広げられている。でも、AかBに割り切れないところにこそリアリティがあると著者は言う。それは「AでもBでもない中間を探りましょう」という安易な話ではなない。 僕らは何かを決断するときに常に未練を抱えていたりする。人間の身体は健康そうに見えて多少常に病んでいる。権力は上からの押しつけだけでなく下から支える構造もあって、真の悪玉みたいなものは存在しない。都市という秩序にまもられた環境に暮らしながら、時に自然という無秩序なものを求めたりする。 能動的であり受動的。健康であり不健康。関係があり無関係である。そんな曖昧さと矛盾が入り乱れているのが現実なのだ。その構造を自覚できぬまま過ごすと、社会は「うっかり」秩序化され、僕らは単なるワンオブゼムの動物として生きるようになる。そんなメッセージを自分は受け取った(というかそれ以上は難しくて受け取れ切れなかった) 面白いなと思ったのが、「人間はそもそも過剰な動物」という考え方だ。「人間は生まれながらにエネルギーを余している」と。 “そもそも過剰であり、まとまっていない認知のエネルギーをなんとか制限し、整流していくというのが人間の発達過程なのです” 人間以外の動物は栄養摂取や繁殖のための行動がほぼ単一に決まっているのに対し、人間は料理を非常に複雑に発展させて、そこには栄養摂取を超えた快楽がある。そして人間の性行動も必要以上に楽しみのために行われるし、同性愛やトランスジェンダーを生きる人もいる。人類という個体の反映を考えれば、かなり無駄なことをしているわけだ。 なぜなのか?それは脳が発達したことに由来する「過剰な認知エネルギー」を持って生まれるからだという(あくまでそういう考え方がある、というレベルの話)。 認識の多様性ゆえに、生まれたばかりの子どもは嵐の中にいるような状態になる。そして少しずつ成長と共に事物を一対一で認識できるようになっていく。 “教育とはまず、制限なのです。その最初にして最大の行為が、自分が名前で呼ばれ、そして周りのものの名前を教えられることです。「これは何々である、それ以外ではない」というのはまさしく制限です” “小さい頃はただ好きに線を走らせて、前衛的にも見えるような絵を描いたりしますよね。成長してくると「おうち」とか「パパ」とかを描くようになり、しかも丸を二つと横棒を描いて「顔」だとするような記号的で一対一的な表象に覆い尽くされていきます。象徴界によって想像的エネルギーの爆発が抑圧されてしまうのです。(中略)言語習得というのはある意味世界を貧しくすることなのです。だけれど、言語を習得しなければ、人間は道具をまともに操作することもできません。おそらく体もまともに動かせないでしょう” “人は規律訓練を求める。なぜか。認知エネルギーが溢れてどうしたらいいかわからないような状態は不快であって、そこに制約をかけて自分を安定させることに快があるからです。しかし一方では、ルールから外れてエネルギーを爆発させたいときもある。たとえば暴走族はルールを破って駆け回るわけです。ところが暴走族には厳しい上下関係があったりします。(中略)人間は過剰な存在であり、逸脱へと向かう衝動もあるのだけれど、儀礼的に自分を有限化することで安心して快を得ているという二重性がある。そのジレンマがまさに人間的ドラマだということになるわけです” AかBか、ではない。AでありBである。そのリアリティに気づくことができれば、きっと僕らはもっと社会の仕組みに自覚的になり、主体的に生きることができる。そして他者を思いやることもできる。

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    投稿日: 2023.01.06
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    現代思想の入門書の入門書と謳っているが、けっこう難しく読むのに時間がかかった。正しく理解できていない箇所も多いと思う。それでも、読んでいる中で、「これは面白い視点だな」とか「自分が漠然と感じていた感覚と近いな」と思うような箇所も多々あり、読書メモは増えた。また、単なる思考ではなく、閉塞感のある社会のなかで、もっと自由に生きても良いのではないかと思わせてくれるような、そんな実用性も哲学にはあるんだなと知ることができた。 最後の章のデリダの読み方はなかなかパンチが効いていて、こりゃ、本格的な哲学の本は読み解けないなと知らしめられた。

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    投稿日: 2023.01.05
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    マッチョ/単細胞的に(?)たった1つの大問題だけを見出して、ましてやそれを解決/解消させるためだけに生きる必要などない。それより、眼前に現れるリアルかつ微細な問題の数々と向き合いこなしていくことの方が大事だ……著者の言葉を私はこのように整理/圧縮する。それは意地悪く言えば「刹那的」「その場しのぎ」で生きるということにもなりうる。だが、ならばこの本をタテに「それのどこが悪い」と脱構築するまでだ。コンピュータ用語を使いこなして思想を整理する著者の手付きは鮮やかだが、ベースにあるのはリアリティと向き合う真摯さだ

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    投稿日: 2023.01.04
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    挑戦することに意義があるのだ…。 脱構築ってたまに聞くけど何?と思っていたがなんとなーくわかった…気がする。なんとなーくね。 全体を通じて、海辺のカフカの『よくわからないけど、なんだか励まされる気がする』というホシノちゃんのセリフを思い出した。 「否定神学」とメイヤスーさん(実在自体に深い意味はない)の考えが何となく腑に落ちたので、もう少し読んでみたい。 そして私はやはりカントが好きだな。

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    投稿日: 2023.01.01
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    勉強の哲学からさらに現代思想を学びたくて読んだ。いろんな思想家が紹介されるかつか形而上の考えも多いのでスッと理解はできない。でもなんか面白い気がする! 「存在している/いないという表現では考えられない在り方がある」とか「世界はなんでもなれるからこそ今に意味がある」の考えが特に気になった。

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    投稿日: 2022.12.30
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    入門書にしては内容が難解だと感じました。 何度も読み直せば理解できそうですが、何回も読む気にはなりませんでした。

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    投稿日: 2022.12.19
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    やっぱり哲学は面白いなと思った。 本を読むときに結構流し読みしてしまっていたけれど、じっくりと熟読することも大事で、そういう意味では哲学に関してはより深く勉強してみたいと思った。

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    投稿日: 2022.11.30
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    筆者の主張が多分に盛り込まれているため、千葉氏の哲学書としても読める不思議な入門書となっている。付録の現代思想の読み方は哲学書の文章を例に丁寧に解説してあるので、非常に参考になった。ここで書かれている読み方は、現代思想だけではなく、あらゆる難解な文章を読む際に応用できるだろう。

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    投稿日: 2022.11.29
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    20世紀の現代思想の考え方について基礎的な部分を知ることができた。デリダの脱構築論は、二項対立を否定して第三のものを考えたり、マイナスの方をあえてプラスに考えるものだと理解したが、その考え方は1か100で考えないグレーな部分を許容する考え方とか、ピンチはチャンスとかといった今のある程度広まっている考え方に通じるものを感じた。古典の思想は知っていると武器になると思って勉強したいけど、意外と今言われているような考え方を最初に考えた人の本ということなのかなとも思って、そこまで無理して読み切ろうと思わずにエッセンスを理解すればいいかもと思えた。

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    投稿日: 2022.11.21
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    ■ Before(本の選定理由) どうやら哲学書?がベストセラーになってるらしい。 新進気鋭の若手哲学者が現代を説く、キャッチーだ。 ■ 気づき 斜に構えた人だと感じたけど、共感できる。「フランス現代思想に憧れて、格好付けで始めた研究の、自分なりの最終形。40超えて諦めの含めてアウトプットすることができた。」らしい。 そういう書物を気軽に読めるのはめちゃ贅沢だと思った。 ■ Todo 単純化・抽象化は知性のなせる術だけど、現実はそう簡単でないし、ありのまま絡まった状態で受取るほうが良くない? という趣旨。心から納得。ただ紹介された思想書が同じこと言っているのか?は分からなかった。

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    投稿日: 2022.11.06
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    正直、なに言ってるか分からなかったし、引用で誤魔化してる感じがしたのですが、この本を良いと言ってる人が多いので、再度読んでみようと思います。

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    投稿日: 2022.11.03
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    脱構築から展開されるグレーゾーンに、関係の解像度が上がり、人生のリアリティが深まると感じた。読後の感想が多面的になり、本書を読む体験が現代思想入門になると感じた。 流れで「デッドライン」読み始め、思想がリンクして面白い。

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    投稿日: 2022.10.31
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    ポスト構造主義のフランスを中心とした哲学を現代思想とし、デリダ、ドゥルーズ、フーコーの3名を軸に入門書の入門書としてわかりやすく解説している。 現代思想は秩序から逃れる思想で、差異に着目する。大きな物語が失われた中で、徹底的に既存の秩序を疑ってこそラディカルに共の可能性を考え直す。デリダは二項対立を脱構築した。ドゥルーズは存在を脱構築した。フーコーは社会を脱構築した。現代思想の源流としてニーチェ、フロイト、マルクスにも言及。さらに先の人たちとしてラカンやルジャンドルも紹介している。さらには現代思想の読み方、作り方まで。

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    投稿日: 2022.10.24
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    現代思想の基礎的なところを、身近な具体例とともに分かりやすく解説した良書。 それでも素人なので1回読んだくらいでは忘れてしまうので、何度か繰り返して読んである程度自分で咀嚼できたら、この中で紹介されている本を手にとってみたいと思う。 理解はまだ足りないが、この本を読んで現代思想に興味を持つ事ができた事は大きい。

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    投稿日: 2022.10.21
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    長年、離れていた現代思想に触れられて良かった。 文体は非常にわかりやすい。 哲学という分野にしてはという意味ではあるが。 現代思想って両義的である事に魅力を感じて いたのだと実感。 2項対立するAとBは相容れない要素でありながら、AとB両義的でもある。 ビジネス的には対立なのか共存なのかどっちやねん。 と思わずにいられない。 哲学的にはどっちも有り得るという逆説の思考はある。行きつ戻りつしながら、 思考にどっぷり浸かるが良いように思う。 フーコーに代表される近代の規範と逸脱、逸脱をオーバーライドするポスト近代の考えは参考になった。 上記考えからすると規範を逸脱した事を取り込み極端化し、ポストモダンを構築するらしいが、逸脱から次に時代を構築するのはいかにも二律背反的だ。 今はポストポストモダンらしいが。 大学の時に買った書棚にある分かりやすいあなたのための現代思想を引っ張り出して読んでみる。 思考のバージョンアップを求めていた懐かしい思いが蘇る。 今村仁司の現代思想を読む事典も懐かしいな。

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    投稿日: 2022.10.14
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    感想 現代社会の背後に存在する思想にラベルを貼り区別する。複雑な思想を切り分けそれに名前をつけること自体が構造主義的な営みではないのだろうか。

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    投稿日: 2022.10.14
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    本書を手に取ったのは、 フランスで展開されたポスト構造主義に興味を持って… ではなく、電車に「人生が変わる哲学!」という広告が貼ってあって、Audibleでも聞けるようになっていたからです 現代思想を学ぶと、複雑なことを単純化せずに複雑なまま理解し、高い解像度で捉えることができるようになるとの事 現代は秩序化により、単純化の方向に向かい、具体的個別事象が無視される傾向にあります その秩序化から逃れるための思想が現代思想の一部であるらしいです 「入門」とありますが、私には難解でした。現代思想を代表するデリダ、ドゥルーズ、フーコーの思想は丁寧に説明されており、わかった気にはなったのですが、後半は一回読むだけでは頭に入ってきませんでした

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    投稿日: 2022.10.08
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    タイトルの'現代思想'とは、ポスト構造主義の哲学を指していることを知る。哲学は難解なイメージがあるが、著者は入門書への入門書という位置付けで、要点を整理して、わかりやすく解説している。 そうは言っても、内容がすんなりと頭に入るわけではなく、読後感としても理解したのか不透明感が残る。著者は、こうした読者を想定しており、巻末では哲学書の読み方について、処方箋に触れている。 著者曰く、哲学書を一回通読して理解するのは多くの場合無理なことであり、薄く重ね塗りするように、欠けがある読みを何度も行って理解を厚くしていく。納得。本書では、現代思想の代表者として、デリダ、ドゥルーズ、フーコーを取り上げ、物事を良し悪しで判断する二つの概念の対立=二項対立を留保するところから思考することが出発点にある。この留保=脱構築が、3人によって、概念から、存在から、社会からと論が進められている。 昨今のヘイトスピーチやポピュリズムの流れに対する示唆が感じられる。

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    投稿日: 2022.10.02
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    哲学の本は初めて読んだかも。純文学は言葉を味わいながら、こちらは、かみしめながら読む。哲学というとわけわかんないモノ、という先入観があったが、事のつながり?いや切断なのか? の先達の考え方を知ることによって、今自分の生きている身の回り、世界の動き、などを考える時、新しい見方を教わったような気がする。根底から、あるいは高所から見る、ような。哲学って物事の基本なのかも、なんていうことに気がつきました。 ここで言う現代思想とは1960年代から90年代を中心に、主にフランスで展開された「ポスト構造主義」の哲学、と最初にあり、デリダ、ドゥルーズ、フーコーが代表者だという。さらにラカン、メイヤスーなどという人もおり、さらにそれらを考えるには遡ってニーチェ、フロイト、マルクス、などにも触れ、さらにショーペンハウアー、ハイデガー、さらにプラトン、アリストテレスとさらりと説明してくれる。目の前で千葉氏が語っているような紙面、と思ったら、これは立命館大学文学部の授業「ヨーロッパ現代思想」をベースにしているとのこと。 現代思想を学ぶと、複雑なことを単純化しないで考えられるようになります。単純化できない現実の難しさを、以前より「高い解像度」で捉えられるようになるでしょう。と最初にあるが、う~ん、そこまでは読み込めなかったかな、頭がついていかなかったか・・ メモ 現代思想は、秩序を強化する動きへの警戒心を持ち、秩序からズレるもの、すなわち「差異」に注目する。20世紀の思想の特徴は、排除される余計なものをクリエイティブなものとして肯定したこと。 対立概念、能動と受動とかが絡み合いながら展開されるグレーゾーンがあって、そこにこそ人生のリアリティがある。 2022.3.20第1刷 2022.4.8第3刷 購入

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    投稿日: 2022.10.01
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    人気なので、読んでみました。前提知識ゼロで読み始めましたが読み進めやすく、面白かったです。 「カチッとする」を徹底してきた近代に対して、そこから逸脱することについて考えた、というのがポイントの一つでした。 自分の中にもカチッとすること=善、みたいな感覚は骨の髄まで染みてると思います。 逸脱することを肯定する考え方があると知ったことで、自分の行動が変わってくる場面も出てきそうな気がします。 ものごとやできごとの背景には無数の他者との関わりがあり、それらは偶然に支配されており、因果関係を物語として語ることは難しい、ということも学びでした。 世の中のルールをシンプルに語る、という情報やそれに熱狂する人々の姿は日常目にするところではあるので、自分は偶然に支配されていることも意識して謙虚に冷静に生きていきたいと思います。

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    投稿日: 2022.09.20
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    勉強の哲学、で興味をもち読んでみた。取り上げているテーマは、わかりやすいといわれている本を読んでもさっぱりわからず、本書でなんとなく形が見えたと思う。読み通せたと実感できただけでもすごいと思う。 付録の現代思想の読み方は秀逸で、現代思想に限らず、難解なことに向かい合うヒントになると思う。 用語だけでもわかりやすく知りたいという挫折した人には、哲学用語図鑑が、おすすめ。

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    投稿日: 2022.09.15
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    ・デリダの脱構築  パロール(話し言葉)とエリクチュール(書き言葉)  特にエリクチュールでは解釈という誤解がうまれる。これを誤配と呼ぶ  二項対立を転倒させる(p41)  プラスでもマイナスでもある、二項対立の決定不可能性を担う第3の概念をパルマコンと呼ぶ。パルマコンはギリシア語で毒でもあり薬でもある

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    投稿日: 2022.09.11
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    やさしい文章で書かれているのでスラスラ読めるが、書かれている内容はかなり難解で、私の脳ミソでは理解しきれていないのではと思う。現代思想が言いたいのは、ややこしいことをシンプルに考えるのではなく、ある程度はややこしいままで考えよ、秩序立っているものには常に警戒せよ、という事だと勝手に解釈した。これが現在の多様化やLGBTQに対する考え方の基本となっているとすればすごいことだ。哲学者ではなくとも少しはかじっておく必要があるのかも知れない。

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    投稿日: 2022.09.10
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    デリダ、ドゥルーズ、フーコー、ニーチェ、フロイト、マルクスらの思想が現在の社会と関連づけて考察されています。これらの考え方に触れることは、現代社会の捉え方、またその世界との関わり方について多くの手がかりを与えてくれます。 前知識のない私でも分かりやすく始まりましたが、第五章「精神分析と現代思想ーラカン、ルジャンドル」、第六章「現代思想のつくり方」、第七章「ポスト・ポスト構造主義」あたりから難しくなってきました。哲学的思考は言語も超越してしまい、表現したい概念を表す言葉すらなくなってしまうという展開には驚きました。 デリダの思想は「二項対立の脱構築」。二項とは健康と不健康、勤勉と怠惰など対立する二つの項目。劣った側に味方する論理を考えて優と考えられている価値観に対抗し、対立した両者が共存した状態に持ち込む方法です。必ずしも劣っているものが悪いわけではないということが論理立てて説明されます。 ドゥルーズは「存在の脱構築」。「横に繋がっていく多方向的な関係性」をリゾームと言ってますが、この概念が今一つ理解できませんでした。関わりが監視や支配に転化しないように一定の距離感で他者と関わる。そうすることで互いの自立性が維持できるという理屈は理解できました。何事も按配ですね。 フーコーは大多数の普通の人達と少数の変わった人達が共存した状態が社会の本来の姿と考えています。主流派の価値観が正義という世界で少数派は隔離・矯正されます。権力の構造を理解して、支配、被支配の関係の外側にでて自分の個人的秩序に基づいて人生を楽しむことが「社会の脱構築」でしょうか。

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    投稿日: 2022.09.07
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    現代思想が本当に少しだけ触れられました。分かったとは言えないのが残念です。文章が読みやすいのは助かりました。

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    投稿日: 2022.08.31
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    飲茶氏の『14歳からの哲学入門』を読んで、デカルトから始まる近代哲学からデリダやボードリヤールにおける現代哲学までの流れをおおよそ理解できたものの、結論がいささか飛躍しすぎの感があったので、哲学者による現代思想の解釈を知りたいと思い購入。 著者である千葉雅也氏は、本書について難解な現代思想に関する「入門書のための入門書」を謳っており、「構造主義」「脱構築」「差異と同一性」「ポスト構造主義」などの現代思想特有の用語について、できるだけ平易な論調で解説しながら現代思想へのいわば"向き合い方"を述べている。 21世紀に入って多様性が叫ばれるようになって久しいが、行き過ぎた多様性は、ともすれば"何でもアリ"の相対主義に陥るリスクを孕んでいるのではないかと常々感じてきた自分にとって、著者の「世界は単一の主義で記述できるような謎の塊ではなく、常に複数的に散在する問題の場である。」という簡にして要を得た見解は、斬新かつ腑に落ちるものであった。 そしてそのうえで、「世界を正当化するような無限の反省から抜け出し、身体(=脳)の根底的な偶然性を肯定しながら個別の問題に有限に(=人間の限界を了解しながら)取り組み続ける」ことが21世紀の現代思想(いわばポスト・ポスト構造主義)だとしており、これからの時代を生きるための指針も示している。 また著者は冒頭で、現代思想を学ぶ意義を「複雑なことを単純化しないで考えられるようになる」「単純化できない現実の難しさを、以前より"高い解像度"で捉えられるようになる」と述べている。 その背景には、現代社会がコンプライアンスに象徴されるように、「きちんとする」「クリーンな」方向へ進む秩序化が進行しており、そのような場合に必ずしもルールに収まらないケースやルールの境界線が問題となるようなケースが無視されることがしばしば生じることを挙げている。 つまり現代思想は、秩序を強化する動きへの警戒心を持ち、秩序からズレるもの、すなわち「差異」に注目するため、人生の多様性を守るために必要だと筆者は述べている。 以上のような背景や問題意識から、本書はデリダ、ドゥルーズ、フーコーといった3人の代表的現代思想家それぞれの"脱構築論"を概説することに加え、その思想の源流となったニーチェ、フロイト、マルクスにも言及しながらヨーロッパ思想史的観点からも解説され、さらにはラカンやルジャンドルといった、現代思想の前提となる精神分析についても述べられていることで、現代思想を多面的に捉えることができる構成となっている。 全体を通した本書の特徴として、入門書の入門書らしく、さらなる理解を助けるための参考文献が本文中に紹介されていることや、付録として現代思想の読み方が具体的ケースとともに述べられていることが挙げられる。 これらの付加的情報のおかげで、本書が現代思想をより深く理解したい読者のための羅針盤となるであろう。 個人的には、マルクスを説明する項で「仕事の効率を上げ、職場をよりよくするという(意識の高い)善意は、余剰価値をピンハネされ続けるという下部構造の問題から目を背けることではないか。搾取されていても快適であるために、みずから進んで工夫をしているのではないか。」というくだりにハッとさせられた。 自分はIT業界に四半世紀以上身を置き、ITを利活用することにより業務効率を上げ生産性を向上させることを善としてきたが、この資本主義下における常識は、ややもすると搾取構造を盲目的に是認しているともいえる。 本書では、「意識が高い」と通常言われるような意識の下に抑圧され、無意識レベルに留まっている自分本来の力をいかに取り戻し、それにどうやって搾取構造とは異なる独自の秩序を与えるかを考えなければならないとしており、ここに現代の閉塞感を打開するヒントがあるように思える。 先が不確定な現代だからこそ、定期的に再読しながら自分と社会との関わりを見つめ直したい一冊である。

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    投稿日: 2022.08.31
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    【星:4.0】 正直ほとんど理解できなかった。おそらくちょっとでも現代思想をかじった人でないと難しい内容だと思う。 ただ、理解はほとんどできなかったが読んでいて好感が持てる本でもあった。現代思想という難しい内容をなんとかわかりやすく説明しようという努力が読んでいて常に感じられた。

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    投稿日: 2022.08.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    デリダ、ドゥルーズなどの現代において著名な哲学者の考えをわかりやすく説明しようとしている。 物事を二項対立ではなく、それを超えた見方をしよう。それを超えた生き方を取り入れようという論は分かった。そして、それに即した形で、フーコー、マルクス、ニーチェなどを説明している。 がしかし、後半は正直難しくてわからなかった。簡単にわかるわけないのは百も承知だが、もっと他の本を読まないとさっぱり。でもそのことがわかっただけでもよかったとしよう。 自分も良いか悪いかの二項対立で生きてる節があるので、それを超えた考え方をしていきたいと思った。まずは机に植物を置こう。

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    投稿日: 2022.08.22
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    フーコーの解説が、今まで読んだ入門書のなかで一番腑に落ちて感じられました。 定期的に読み返してみよう。

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    投稿日: 2022.08.07
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    今まで読んだ本の中で1番欲しい知識でしたし、界隈の雰囲気を感じれました。何より文章が綺麗。 大学の雑談とか、知識をほぐすことは読み慣れない分野の本を読む上で大事だと思っているんですが、いきなり原著とか読まなくてよかったと心から思えました。

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    投稿日: 2022.08.05
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    現代思想の入門としてめちゃくちゃベストな本だと思います。途中でステップアップにちょうどいい本も教えてくれますし、巻末の付録で難解な文書の読み解き方なども書いてくれていて、どんどん挑戦してほしいんだろうなあという著者の学問への熱さとビギナーへの優しさが随所に感じられました。

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    投稿日: 2022.07.31
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    朝日新聞の書評欄「売れてる本」のコーナーで紹介されていました。浅田彰の「構造と力」と対比で語られていて、本当に売れているんだな、と。「構造と力」はまさに買っただけの本でしたが、この「現代思想史入門」は無事に読み終えました。ぶっちゃけ冒頭に取り上げられる現代思想三人男、デリダ、ドゥルーズ、フーコーの違いもいまいち理解してない自分でも心地よく感じられるほどの入門書、まるで現代思想をベビーフードみたいに擂り潰してくれる著者の手腕すごいと思いました。実はミチコ・カクタニ「真実の終わり」を読んで、ポストトゥルースはポスト構造主義から始まる、という解説に衝撃を受けたのですが、この本では、現代思想ってそんな簡単なものではないのだ、と身体を張っている著者の表明でもあります。なので、このベビーフード、結構、熱々です。最終章での、研究者としての彼の行き詰まり感の正直なカミングアウトも心打たれます。新聞の書評では、浅田彰は現代思想の地図を鋭利に腑分けする解剖学者であり、千葉雅也は研究室の面倒見のいい頼れる先輩、と対比していましたが、著者のキャラの違いだけではなく、時の流れは現代思想をカッコいいものから、使えるものにしようとしているのかも、と思いました。

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    投稿日: 2022.07.31
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    人は生きていくうえで、常に決断し、選択しなければならない。その時、切り捨てた事への未練、考慮から排除した事への心残りがある。そうした未練こそが、まさに他者への配慮であると。 このような他者性への未練に意識を向けることが、デリダ的な脱構築の倫理である。まさにそうしたことに意識を持つ人には優しさがあると思う。 という説明があった。優しさとは何か、ということについて、一つ示唆をいただくことができた。感じ入った。 全体に渡り、優しさを感じた。悩めるニンゲンへの応援メッセージだと思う。 人が生きる事は、感情の揺らぎを受け続けること、その中でなんとか準安定状態を作り続けることだとつくづく思った。 物を説明尽くすことは、極限としてあると思う。 (ただ、)物は、善でもあり悪でもある、表裏一体であり、陰でも陽でもある。ある意味でということではなく、まさにそのような物であるという意味で。あらためて思った。

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    投稿日: 2022.07.29
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    図書館で借りたけれど、書き込みしながらゆっくり読みたいな。読み易くははあるのだけれど、なかなかムズイ...

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    投稿日: 2022.07.22
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    ・おわりに(弁護術としての哲学)に共感した。  かくあるべしという既成秩序をぶっ壊してくれる哲学は、現実世界でのさえない自分を肯定する手段の一つだ。

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    投稿日: 2022.07.19
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    明快で平易な現代思想の案内書でありながら、世界と人生をどう捉え、どう前に進む(進める)かを深い視点からガイドするアクロバティックな本だ。 「脱構築」をキーワードに、同一性や秩序ではなく、動的でズレて、ノイジーな世界を肯定する現代思想を鮮やかに整理していく。デリダは「概念の脱構築」、ドゥルーズは「存在の脱構築」、フーコーは「社会の脱構築」だという。 その源流であるニーチェ、フロイト、マルクス(ソシュールがいない)の目配りも親切。さらに、ポスト・ポストモダンな人々まで視野に入れる。思想書の読み方まで教えてくれる(カマしに注意!とかね)。 何よりも、あらゆるものがキレイで整っていて、異論を許さない現代社会にたいして闘争(逃走)するための大きな武器を得られる。現代思想とは、生きる哲学なんだ! 著者のようにゼロからしっかりと説明し、語り、前へ進める人こそ、真の知識人だと思う。実に有意義な読書体験。

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    投稿日: 2022.07.19
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    デリダ、フーコー、ドゥルーズ、そしてラカン。 それらの淵源として、ニーチェ、キルケゴール、フロイト。 もちろん、それぞれの思想家のエッセンスを紹介する本なので、一人一人に対する記述量には限りがある。 それを要領よくまとめ、他の入門書(!)につなぐ。 つまり、本書は入門書の前の、ゼロ地点からの入門書というわけだ。 この親しみやすい文体でも、やはりそれなりに難しい。 でも、専門家でさえ一読して理解はできない。 なめるように、何度も読んでわかってくるといわれると、少し勇気がわく。 そうか、もはやドゥルーズも現代思想の「古典」なんだ。 私の中ではこのあたりで止まってしまっている。 メイヤスー、マラブーなど、21世紀の思想家たちの紹介もあって、時代の変化を感じた。 現代思想の考えを自分で適用するのは難しいかも…などと幾分腰が引け気味。 その点、現代思想をライフハックのヒントにしてしまう千葉さんの軽やかさがいいな、と思う。 ドゥルーズから、「始まりはない」というテーゼを引き出し、何事も考えすぎず、とりあえず始めてみるというライフハックにつなげる考え方などは、ちょっと実践してみようという気になる。

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    投稿日: 2022.07.18
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    【感想】 現代思想の入門の入門として編まれた本書。現代思想の骨格部分だけを優しく教えるため、代表的な人物であるデリダ、ドゥルーズ、フーコーらを取り上げながら、そこに筆者独自の視点を付け加えて解説している。 現代思想の前提にあるのは「現代は、単純化に向かっている」という考えだ。単純化は社会に一定の秩序をもたらすが、その反面必ずしもルールに収まらないような難しいケースは無視され、個別具体的なものを蔑ろにする。 筆者はまえがきで「現代思想は、秩序を強化する動きへの警戒心を持ち、秩序からズレるもの、すなわち「差異」に注目する。それが今、人生の多様性を守るために必要だと思うのです」と述べている。こうした「この思想を学ぶ意義はこれですよ」という道筋を示してくれるのは、初学者にとっては嬉しい限りだ。哲学本はえてしてテーマが難解になってしまうが、筆者の心遣いも相まって非常に分かりやすくまとめられている。 私が面白いと思った部分は、本書中盤で、フランス現代思想の「実際の作り方」をレクチャーしてくれるところだ。①他者性の原則②超越論性の原則③極端化の原則④反常識の原則という4つの原則を用いて、ある構造に存在する二項対立を脱構築し、新たな視点を作る。これさえできればあなたも明日から現代思想家というわけだ。 というわけで、筆者のガイドにしたがって私も作ってみた。(即興かつ猿真似なので、だいぶちぐはぐですがお許しください) ①自然生殖の関係性を保護するため異性愛者のみに婚姻の権利を認めることは、人間の個体数を維持し社会を安定させるための構造として妥当なものであるが、そこには同性愛者はもちろん、異性愛者の中でも子孫を作らない選択をする人々の存在を無視している。(他者性の原則) ②「異性愛者のみの婚姻制度」は、実は根本に欠陥を抱えている。それは「人間に生まれたからには子孫を残さなければならない」という価値観、いわば「生殖本能の持続的な保持」が終焉を迎えるという可能性を度外視していたからだ。価値観の変化によって子を残さないという選択ができると、社会構造が崩壊するため、同性愛を排除せざるをえなかったのである。 そもそも恋愛→出産という条件付け自体が時代遅れになっているのではないだろうか。そこで「同性愛」および「異性愛」という括りを取り払い、より普遍的な「友愛・父性愛・母性愛」といった、恋愛感情によらない契約制度の構造を考える。ここにおいてようやく「同性愛」が肯定され、かつ「子どもを作らない異性愛」も肯定されるのだ。(超越論性の原則) ③「異性愛者のみの婚姻制度」の中では、同性愛者は異質だった。だが今や、恋愛感情を超えた「普遍的な愛情」に沿った契約関係こそが原理となる制度を作れば、それが同性愛・異性愛を内包し、本人たちの意思を強く反映できる。この契約関係を定式化するために、財産関係や扶養義務といった制度を、「親族間」から「個と個」に縮小すべきだろう。(極端化の原則) ④「友愛・母性愛・父性愛」にもとづいた契約が行われれば、パートナーと家族関係・血縁関係を結ぶプロセスは消滅する。したがって、契約をより簡単かつ即時的に、そして広範に行う人々が現われ、コミュニティの分離と結合が加速するだろう。(反常識の原則) お粗末ではあるが、なんとなく脱構築的になっている……ような気がする。 筆者によれば「コツは逆張り」だそうな。確かに常識と考えられている二項対立に逆張りし、あえて複雑にすることを意識することで、なんとなく形になった。なにより作っていてとても楽しかったので、是非やってみてほしい。 ―――――――――――――――――――――――――――― 【まとめ】 0 まえがき ●用語解説 ・ポスト構造主義…「複数の物語や思想においても基本のパターンは同じであり、そのパターンを解釈する」という態度が「構造主義」。これに対して、「パターンから外れたり、ダイナミックに変化したりする世界を論じる」という態度がポスト構造主義。 ・脱構築…物事を「二項対立」に捉えて良し悪しを言おうとするのを、いったん留保すること。 ・ポストモダン…資本主義が発展していくなかで、価値観が多様化し、共通の理想が失われたのではないかというのがポストモダンの考え方。「大きな物語が失われた」とも表現する。 「現代思想」とは、1960年代から90年代を中心に、主にフランスで展開された「ポスト構造主義」の哲学を指している。日本ではしばしば、それが「現代思想」と呼ばれてきた。 本書では、その代表者としてジャック・デリダ、ジル・ドゥルーズ、ミシェル・フーコーを取り上げる。 現代思想のスタンスは、いったん徹底的に既成の秩序を疑うからこそ、ラディカルに「共」の可能性を考え直すことができるのだ、というもの。 現代思想を学ぶと、複雑なことを単純化しないで考えられるようになる。単純化できない現実の難しさを、以前より「高い解像度」で捉えられるようになる。 現代は、いっそうの秩序化、クリーン化に向かっていて、そのときに、必ずしもルールに収まらないケース、ルールの境界線が問題となるような難しいケースが無視されることがしばしばある。何か問題が起きたときに再発防止策を立てるような場合、その問題の例外性や複雑さは無視され、一律に規制を増やす方向に行くのが常であり、それが「単純化」である。 人間は歴史的に、社会および自分自身を秩序化し、ノイズを排除して、純粋で正しいものを目指していくという道を歩んできた。そのなかで、20世紀の思想の特徴は、排除される余計なものを「クリエイティブなもの」として肯定した。 現代思想は、秩序を強化する動きへの警戒心を持ち、秩序からズレるもの、すなわち「差異」に注目する。秩序から逃れる思想は今、人生の多様性を守るために必要である。 1 デリダ…概念の脱構築 二項対立において差異のほうを強調し、ひとつの定まった状態を絶対視せず、ズレや変化も大事だと考えるのが現代思想の大方針である。 「脱構築」の手続きは次のように進む。 ①まず、二項対立において一方をマイナスとしている暗黙の価値観を疑い、むしろマイナスの側に味方するような別の論理を考える。 ②対立する項が相互に依存し、どちらが主導権をとるのでもない、勝ち負けが留保された状態を描き出す。 ③そのときに、プラスでもマイナスでもあるような、二項対立の「決定不可能性」を担うような、第三の概念を使うこともある。 デリダによれば、あらゆる二項対立は、話し言葉(パロール)と書かれたもの(エクリチュール)の対立と言い換えることができる。パロールは現前的であり、それに対しエクリチュールは、元のものから離れてしまってい誤解を招く要素だ。 直接的な現前性、本質的なもの:パロール 間接的な再現前、非本質的なもの:エクリチュール このパロールとエリクチュールは、あらゆるものに当てはめられる抽象的な二項対立である。例えば自然はパロール、人工的なものはエリクチュールというように。 二項対立には、必ずプラスの側とマイナスの側が二極化して存在する。マイナスだとされる側は「他者の側」だ。なぜなら「自分の側」では、自らは絶対的な存在として独立し安定していたいという意識があるからだ。これは「同一性」と言い換えられる。 それに対してデリダの脱構築は、透明で安定したものとして自己や世界を捉えるのではなく、他者のいる世界に身を開き、変動的なものとして世界を捉えた。 2 ドゥルーズ…存在の脱構築 ドゥルーズは、「世界は同一性よりも差異のほうが先だ」という考え方をした。 一般的に差異というと、Aというひとつの同一性が固まったものと、Bというまた別の同一性が固まったもののあいだの差異、つまり「二つの同一性のあいだの差異」を意味することが多いと思われるが、ドゥルーズはそうではなく、そもそもA、Bは独立バラバラではなくさまざまな見えない糸で絡み合っていて、いたるところにバランスの変動がある、という微細で多様なダイナミズムのことを「差異」と呼んだのだ。 ドゥルーズは、あらゆる事物は異なる状態に「なる」途中である、つまり一人の人間も一つの建築物も「出来事」である、といった。これが「生成変化」だ。 ドゥルーズの思想は、外から半ば強制的に与えられるモデルに身を預けるのではなく、多様な関係のなかでいろんなチャレンジをして、自分で準安定を作り出していけ、ということだ。安定した「本当の自分」を探求する必要なんてなく、いろんなことをやってみよう、という思想に他ならない。 それと同時に、他者との関わりに深く染まりすぎて監視や支配に転化しないよう、関係性の接続と切断のバランスをケース・バイ・ケースで判断しろという思想でもある。 3 フーコー…社会の脱構築 フーコーは、支配を受けている我々は、実はただ受け身なのではなく、むしろ「支配されることを積極的に望んでしまう」ような構造があるということを明らかにする。つまり、権力は、上から押しつけられるだけではなく、下からそれを支える構造もあって、本当の悪玉を見つけるという発想自体が間違いなのだ。 ●フーコーの「権力の3つのありかた」 1 王権時代 権力自体が人々を直接縛る強大な力を持っていた。 2 17-18世紀 誰に見られていなくても、自分で進んで悪いことをしないように心がける人間を作り出すようになった(パノプティコンの概念)。監視の内面化。これを「規律訓練」という。 3 現代 生政治(大規模な集団に直接的働きかけを及ぼすような統治)と規律訓練が両輪で動いている時代。 権力は、逸脱した存在を排除し、あるいはマジョリティに「適応」させることで社会を安定させる。近代という時代は、そういう権力の作動に気づきにくくなるような仕組みを発達させた。 この歴史的観点が、今の管理社会を批判するために必要である。逸脱を細かく取り締まることに抵抗し、人間の雑多なあり方をゆるやかに「泳がせておく」ような倫理を、フーコーは示唆している。 4 現代思想を作ってみよう フランス現代思想をどう作るかというとき、次の原則を立てられる。 ①他者性の原則 基本的に、現代思想において新しい仕事が登場するときは、まず、その時点で前提となっている前の時代の思想、先行する大きな理論あるいはシステムにおいて何らかの他者性が排除されている、取りこぼされている、ということを発見する。 ②超越論性の原則 広い意味で「超越論的」と言えるような議論のレベルを想定する。先行する理論では、ある他者性Xが排除されている、ゆえに、他者性Xを排除しないようなより根本的な超越論的レベル=前提を提示する、というふうに新たな理論をつくる。 ③極端化の原則 新たな主張をとにかく極端にまで押し進める。 ④反常識の原則 そのようにある種の他者性を極端化することで、常識的な世界観とはぶつかるような、いささか受け入れにくい帰結が出てくる。しかし、それこそが実は常識の世界の背後にある、というかむしろ常識の世界はその反常識によって支えられているのだ、反常識的なものが超越論的な前提としてあるのだ、という転倒に至る。 まとめると… ①先行する議論は、安定的なものとして構造を示しているが、そこからは他者性Xが陰に陽に排除されている。まずこのことに気づく。(他者性の原則) ②そこから、S1は実は根本的な構造ではない、という問題提起へと向かう。S1は根本的でなかったからXを排除せざるをえなかったのである。そこでS2を条件づける構造を考える。S2においてようやくXが肯定される。(超越論性の原則) ③S1にとってXは従属的、付随的だった。だが今や、Xが極端化され、Xこそが原理となるようなS2を考え、それがS1を条件づけると考えるのである。S2を定式化するために、慣例を破って新たな概念をつくることもある。(極端化の原則) ④S2を前面に押し出すと、常識と齟齬をきたすような帰結を生む。(反常識の原則) これを応用することで、何か新たな視点を作ることができるかもしれない。 5 おまけ:現代思想を読むコツ ・細かいところは飛ばす。一冊を最後まで通読しなくてもいい。哲学書を一回通読して理解するのは多くの場合無理なことで、薄く重ね塗りするように、「欠け」がある読みを何度も行って理解を厚くしていく。 ・原文の構造を英語だと思って推測する ・レトリックに振り回されず、必要な情報だけを取り出す(カッコつけている言葉をスルー、格調高くしたいだけの修飾語にまどわされない、二項対立を意識し、お飾りを切り詰めて骨組みだけを取り出す) ・固有名詞や豆知識を無視する ・概念の二項対立を意識する。対立するAの側とBの側にどういう言葉を割り振り、その両側の関係をどう説明しているかを捉える。

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    投稿日: 2022.07.18
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    ポスト構造主義の入門書として最適だと思う。 もちろんすべて理解できたわけではないけど、なんとなくそれぞれの思想の距離感がつかめるそんな本だと思う。 おまけ的についてる現代思想の作り方や、読み方の章はおまけとは思えないし、哲学という難しいのを風刺的に脱構築しているようで絶妙。 年のせいかあとがきにも妙に納得した。 全体として、細部にまで作者の気配りが行き届いた良書だと感じる。

    1
    投稿日: 2022.07.12
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    デリダ、ドゥルーズ、フーコーを中心とした、「差異」や「逸脱」などに着目する現代思想の入門の入門。 「入門の入門」と言うだけあって確かにわかりやすく、紹介されている各思想についてなんとなくではあるがイメージがつかめた。「現代思想のつくり方」や「現代思想の読み方」という項目がユニークで有益だった。 マラブー、メイヤスー、ハーマンなどの「ポスト・ポスト構造主義」というのは、まったくの初耳だったので、勉強になった。ただ、その内容、意義については十分に理解できたとはいえず、まだポスト構造主義のほうが親しみが持てる感じがした。

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    投稿日: 2022.06.29