
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
現代思想は脱構築がテーマとしてあり、それは二項対立からいかに抜け出すかということ。デリダの脱構築は「自分の内部を守る同一性ではなく他者に開いていく」という考えであり、簡単に言えば「自分で責任を持って考え決断する」という当たり前のように言われることは、他者を排し自分の声にだけ耳を傾けることでもあり、果たしてそれは本当にいいことなのだろうか?ということ。 フーコーは正常と異常の脱構築であり、例えば発達障害は昔であれば風変わりな子と思われていたものが現代ではコミュニケーション障害と区別され、ケアを受けられるようになった。しかし、それは正常という主流派の中で主流派のやり方に合わせて生きていくことが前提となっている。果たしてそれは本当にいいことなのだろうか?こういったクリーン化こそが近代化であり、人に優しいように見えて実はより厳しくなっている。これはLGBT擁護にも言えて、昔であれば曖昧に片付けられていた同性愛がアイデンティティという形で定義づけられてしまった(かつては同性愛行動はあっても同性愛「者」はいなかった) 現代の精神分析は「人間は過剰な動物」という定義を与えた。本来が過剰なのであるから脱構築というのは、より人間に近づくための方法論とも言える。ラカンは欠如の哲学で、人間は生まれてすぐに母を失い、その代替えを求めて決して満たされない欠如を埋めようとする生き物である。 今の自分に理解できたのはこれくらい。総じて興味深い内容が多かった。現代思想自体はすでに行き詰まり感があるようだけど、決して高尚で小難しいだけの中身がない思想ではないことがわかった。
1投稿日: 2026.10.21
powered by ブクログ# 思想は時代とともに生まれる――千葉雅也『現代思想入門』 千葉雅也の『現代思想入門』を読了。 以前読んだ内田樹の『寝ながら学べる構造主義』と共通する部分も多く、まったく新しい考え方に出会ったというより、これまでさまざまなところで触れてきた考え方を、改めて整理するような読書体験だった。 本書の中心となるのは、デリダ、ドゥルーズ、フーコーの三人である。 デリダは二項対立を問い直し、ドゥルーズは固定された区別を超えた差異や変化を考え、フーコーは社会に浸透した権力の働きを分析する。 それぞれ異なる思想を展開しているのだが、いざ自分の言葉で説明しようとすると、なかなかうまく区別できない。物事を単純に割り切らず、当然と思われている枠組みを疑うという点では、共通しているようにも感じられた。 個人的に興味深かったのは、その源流として紹介されるニーチェ、フロイト、マルクスの三人だった。 人間の理性では捉えきれない生命の力、無意識の欲望、そして人間を規定する社会や経済の仕組み。アプローチは異なるが、いずれも人間が自分自身や社会を完全に理解し、自由に動かしているわけではないことを浮き彫りにしている。 衣食住がある程度満たされた現代においても、人間の悩みは尽きない。そうした悩みがどこから生じるのかを考え、問題を解きほぐすための道具として、現代思想には可能性があるのではないだろうか。 そして、思想というものは、その時代の現実と向き合うなかで生まれてくるということも印象に残った。 だとすれば、現代の思想は何と向き合っているのだろうか。そんな新たな問いも浮かんでくる。 試しにChatGPTに尋ねてみたところ、「共通の価値観がなくても、共通の未来は目指せるのか」という答えが返ってきた。 なるほど、そういう捉え方もあるのかもしれない。 哲学を、時代を超えた普遍的な真理を探す営みとしてだけではなく、それぞれの時代に生きた人々が直面した問題への応答として考える。この視点から思想史を眺めると、哲学者たちの議論が少し身近に感じられる。 本書の後半では、さらに新しい世代の思想家たちも紹介される。正直なところ、こちらは十分に理解できたとは言い難い。しかし、現代思想が過去の思想を受け継ぎながら、別の問題へと展開してきたことは感じ取れた。 ところで、本書のあとがきで紹介されていた『現代思想を読む事典』が、実は自宅にある。 ずいぶん昔、高崎の書店で購入した本だ。当時から哲学に興味があり、ニーチェなどを読んでみたいと思っていた。今から考えると、難解な思想への憧れという、少々厨二病めいた動機だった気もする。 結局、買ったもののほとんど読まずに現在に至っている。 しかし、『現代思想入門』を読み終えた今なら、あの分厚い事典も以前とは違った読み方ができるかもしれない。 長いこと本棚で眠っていた一冊に、ようやく出番が来たようである。
1投稿日: 2026.10.20
powered by ブクログ新書5冊目。やはりこちらも難しかったが、何となく理解できる箇所が多かったように思う。 現代思想ということで、理系の私には馴染みのないデリダやフーコー達が登場することは言わずもがなであり、どういう意味なのか、何がどう繋がっているのかチンプンカンプンなところは変わらず。ただ、本書は初心者にわかりやすくかなり簡単に丁寧に噛み砕いて書かれているため、何となくイメージしやすくなっているのがとても良かった。面白いと思える視点や日常に応用できそうな考え方が発見できたので、難しいながらも比較的楽しく読了できた新書だった。
10投稿日: 2026.10.04
powered by ブクログ推しのジャック・ラカンの名前があったので購入。 思ってたより難しい用語はあまりなかったので読みやすかったし、めちゃくちゃ面白かった!! 今まで千葉さんの著作を読んでなかったけど、文章がうまくて読んでて疲れない!これは是非他作品も読んでみようと思う。 一番印象に残っている章はデリダの章。多分割と普通のことを言ってる感じはあるけど、個人的には衝撃的だった。他者性の有無という概念に気付けた。
0投稿日: 2026.09.10
powered by ブクログ極めて分りやすい書き方でポモの概観が説明されている、にも拘らず著者個人の主張や創意がしっかりと表出していて良い。読み物としても楽しめる。
0投稿日: 2026.08.21
powered by ブクログ丁寧に書いてくれている。がんばってついていこうとしているが、むつかしー! 後ろの方には、これから哲学本を読む人のために、翻訳だからこその読みにくさ、意識するポイント、初心者と上級者の読み取り方の違いを書いてくれています。 自分と他者って常にテーマだと思う。 著者が最初の方に言っているけど、〈程よい距離感で適度な気遣い〉っていうのが1番うまくいくように思う。関わりすぎると監視や管理になるから。 「白黒思想、辞めやー!」 「なんでも単純に考えるなー!」
1投稿日: 2026.07.28
powered by ブクログ現代思想を代表するデリダ、ドゥルーズ、フーコーに共通するのは、「二項対立の脱構築」これは、物事を善と悪などの二項対立で捉えて良し悪しを判断することを、「いったん留保する」こと。思考も多様化している現代おいて現代思想は大切な視点。 複雑なものを単純化せずに理解する。 生活秩序をきちんとすることは、いいことだろうか。生活を窮屈にしたり、余裕がもてなくなっている。正しさは、ルールを単純化させ、多様性を切り捨てているかもしれない。
1投稿日: 2026.07.24
powered by ブクログ勝手な解釈だけど、一貫してなくても良いんだなと思った。昨日は昨日、今日は今日で別々のものを大事にしていたって、その揺らぎさえも愛せたら良いのかも。 難しい理屈や理論を無理やり単純化して自分に落とし込むより、わからないなりの向き合い方にも魅力があるのかもしれない。
2投稿日: 2026.07.20
powered by ブクログデリダ、ドゥルーズ、フーコーなどの現代思想やフロイト、ラカンなどの心理学などの思想を日常生活で例え、分かりやすく解説した良著。 -2026/07/07再読- いくつかの哲学書を経た今、この本の凄さがより分かるようになった。専門用語を多用せず読み手のハードルを可能な限り落として現代思想の考え方を解説した本である。 人間という生き物が他の動物と比べいかに逸脱、倒錯した状態を「正常」として扱っているかを問い直し、そもそも人間にはみな差異があり二項対立(善と悪など)で物事を区切る危険性を読者に考え直してもらえるよう可能な限り読みやすく作られている。 「アイデンティティがない」ことがある種の罪深さと結びつけられがちな昨今を打破する一冊にもなり得るのではないか。
12投稿日: 2026.07.07
powered by ブクログ物事の二項対立を考える考え方を知った。逸脱されたものの価値を見いだすのが現代思想か?脱構築されたものを見つけ出す。
0投稿日: 2026.06.28
powered by ブクログ「現代思想というものをざっくり理解しよう」という気持ちに対して「ざっくり理解できるわけないだろ」と突きつけられる本、そういう意味で良い本
0投稿日: 2026.06.07
powered by ブクログ「現代思想」とは思ったより具体的なアクティビティを指す用語で、1900年代以降に流行した哲学(主にフランス?)と言って良さそうである。そもそもそんなことはよく知らなかった。 加えてここで述べられている思想は、千葉さんの解説によると「脱構築」がテーマのようで、権力と非権力のような二項対立では語れない世界を述べたものであるようだ。デリダ、トゥルーズ、フーコーの理論は少しずつ語るスコープが詳細化しながら、方向性としては似たことを語っている。
1投稿日: 2026.05.31
powered by ブクログ脱構築とは、物事を「二項対立(二つの概念の対立)」によって捉えて、善し悪しを言おうとするのをいったん保留する、ということ。 代表者3人、デリダ「概念の脱構築」、ドゥルーズ「存在の脱構築」、フーコー「社会の脱構築」。 第一章 デリダ-概念の脱構築 二項対立の脱構築、マイナスとされる側の捉え方を疑うことを階位序列を転倒させるという。 直接的な現前性、本質的なもの:パロール 間接的な再現前、非本質的なもの:エクリチュール あらゆるものに当てはめられる抽象的な二項対立 何かを得るためには何かを失わなければならない、だがそこへの未練、忸怩たる思いを持った上で行動することが大切 透明ではなく泡立つ炭酸水のようなざわめく世界として世界を捉えるのがデリダ的ビジョン 第二章 ドゥルーズ-存在の脱構築 世界は差異でできている。通常はA,B,Cという独立したものが現働的に存在している(アクチュアル)と認識してるが実はあらゆる方向に、すべてのものが複雑に絡まりあっているヴァーチャルな次元があって、それこそが世界の本当のあり方、という世界観。これこそ「存在の脱構築」の核心。 あらゆる事物は異なる状態に「なる」途中である。全ては途中だし、本当の始まりも終わりもない。 精神分析の主流である家族を中心とした物語、トラウマ等のことから心理を考えることに対し、変化し続ける人間は、家族という狭いコミュニティの中だけで分析できるものではないという批判。 リゾーム、多方向に広がっていく中心のない関係性。全ての物事は繋がり合うと同時に、全てが無関係でもありうる。 第三章 フーコー-社会の脱構築 支配を受けている側は支配を望んでいるという要素もある。権力は上から押さえつけるだけでなく下から支える構造もあり、明確な悪を見つけることは間違い。 第四章 現代思想の源流-ニーチェ、フロイト、マルクス ニーチェは、哲学とは長らく世界に秩序を見出そうとすることだった中で秩序と混乱の二元論の拮抗状態が世の中の真の姿だと示した。混乱、ディオニュソス的エネルギーが大事であって、それだけでは成り立たないためアポロン的形式の拮抗において何かが成立する。 フロイトは、自分がはっきり意識できない、よく分からない理由で何かをやってしまう無意識という存在を見出した。また、その無意識には何か性的なエネルギーのわだかまりがあり、それが性的には見えない行動を動機づけたと考える。 マルクスは、資本家と労働者の役割から多くの労働者は自分の力を十分に発揮できない(搾取が発生するため)と考え、全員が自分自身に力を取り戻す「共産主義」を提唱したが未だ成功例は無い。 第五章 精神分析と現代思想-ラカン、ルジャンドル 死の偶然性と隣合わせであるような快をラカンは「享楽」と呼んだ。(赤ん坊の元に母がずっと居ない感じ、ランダムにいたり離れたりするような)そこへ現れる第三者(父)により、二人の世界に外部があることを知る、母が奪われこれを取り戻そうとする「父殺し」の物語、これをエディプスコンプレックスという。客観世界は思いどおりにはならず、母子一体には戻れないと引き受けさせることが去勢。 根本的な欠如を埋めようとすることがラカンにおける「欲望」、手に入れなければと思うような特別な対象や社会的地位を「対象a」という。しかし、これはある種の見せかけであって手に入れて幻滅してを繰り返して生きていくことになる。(この構造をメタ的に見て制御することが仏教的な悟り) ラカンは第一の「想像界」(イメージの領域)、第二の「象徴界」(言語、あるいは記号の領域)、第三の「現実界」(イメージや言語で捉えられない認識から逃れる領域)の三つの領域で精神を捉えている。 現実界こそ成長する前の原初の享楽であり、これを求めて対象aという仮のものを求めて転々としていく、原初的な満足を喪失したことが常に世界の影として残り続ける。 ドゥルーズは一つの現実界をめぐる人生ではなく、人生の在り方をもっと複数的にして、それぞれに自律的な喜びを認めようという、気楽な人生を推奨していると筆者は考えている。無限の謎に向かっていくのではなく、有限な行為を一つ一つこなしていくという方向性。 第六章 現代思想のつくり方 フランス現代思想を作る上での原則。 ①他者性の原則 先行する理論、システムにおいて他者性が排除されているということを発見する ②超越論性の原則 1で示した他者性を排除しないような超越的な原則を提示する必要がある ③極端化の原則 排除されていたものを極端化して設定する ④反常識の原則 前提が覆されたため、反常識的であるものが超越論的な前提としてあるという転倒 第七章 ポスト・ポスト構造主義 今ここで、身体=脳が、どう動くか。 身体の根底的な偶然性を肯定すること、それは、無限の反省から抜け出し、個別の問題に有限に取り組むことである。 世界は謎の塊ではない。散在する問題の場である。 付録 現代思想の読み方 どんな本だと言われて思い出して言えるのは大きな骨組みであり、あるいは印象に残った細部というのプロでも同じ。不完全な読書であっても読書である、というか、読書はすべて不完全。 それを踏まえた現代思想の読むポイント ①概念の二項対立を意識する。 ②固有名詞や豆知識的なものは無視して読み、必要なら後で調べる。 ③「格調高い」レトリックに振り回されない。 ④原点はフランス語、西洋の言語だということで、英語と似たものだとして文法構造を多少意識する。
1投稿日: 2026.05.24
powered by ブクログ仏教が「執着を手放して、楽になろう」と、いわば「悩みからの出口」を教えてくれるのに対し、現代思想がなぜドロドロしたモヤモヤの言語化にこだわるのかを考えました。 仏教と現代思想では、悩みの解決のアプローチが異なると思いました。
0投稿日: 2026.05.20
powered by ブクログ新書を読みたくなり購入。 これまで、2項対立的にばかり物事を考えてきたがそれを見直させられるような内容であった。 二項対立的に見るのではなく、もっと多角的に、決めつけるのではなく、一時的な状態として物事を見ようと思った。
0投稿日: 2026.05.18
powered by ブクログ#ヨンデルホン #現代思想入門 / #千葉雅也(#講談社現代新書) #ドクリョウ #ヨミオワリ 初めて目にする哲学者の名前が並ぶ。それぞれの思想が、飽きないボリュームで書かれいて、それもわかりやすく。さらに、おもしろい。素敵。「付録」では哲学書の読み方も書かれていて、それを踏まえた上で再読、再々読したい1冊。 本の内容と直接の関係はないけれど、ドッグイヤー、赤青鉛筆で線引き、さらに書き込み、と、この本を読みながら、読み方も変わったかもしれない。
0投稿日: 2026.05.06
powered by ブクログ現代思想(フランス哲学)入門である。もしドイツ語がバックにあるフランクフルト学派が題材となっていたら(作者のメジャーからしてあり得ないが、物の例えとして)、そのフランス語的な英語との類似性と比較して、理解が難しく、内容に入っていくのが困難だっただろう。 まあそんな事はいいとして、自分にとっての哲学の大切にしたい点は、いかに理解できたか云々ではなく、共感できたかに尽きると思っている。無論現時点の自分の場合であって、これから哲学に対しての意見がコペルニクス的転回に及ぶかもしれない。 もしかすると理解を超えた場所に、実世界とのつながりの証拠を表している「共感」が登場してくるのかもしれない。私にはこの本で論じられた哲学者の思想が、実際どれだけその当時の時代性を反映しているのか、あまり認識できてない。 どうでもいいが同一性の仮固定という表現は、遷移状態に似ている様な。
1投稿日: 2026.05.02
powered by ブクログ現代人が悩み、囚われる自己の一貫性(アイデンティティ)からの逸脱を肯定してくれて、人生を楽しませてくれるような思想だった。自分らしさとかそう言うのって、どうしても若い頃は悩んじゃうし、自分はこういう人間だからこういうことはできないとか、自分はこういう人間だからダメなんだとか、そういう自分らしさ(自己の一貫性=自己の秩序)を追い求めるからこそ生まれる悩みに対して、そこから逸脱することを肯定してくれる。そういった秩序からの逸脱(本書では脱構築)をしてからこそ見えてくるアイデンティティ像もあるし、そう言った意味で自分らしさ(とは何か)を考えるのにも示唆深かった。オヌヌメです。
0投稿日: 2026.05.01
powered by ブクログ現代思想は難しそうだからなと手に取るのを辞めていた自分にとってはこれしかないというような入門書だった。とにかく、わかりやすい。難しい概念もあるけれど、付録で書かれているように読書は不完全で良いというのが凄く良い。理解できなくても後で理解できる時が来るかもしれないし、繋がってくることがあるかもしれない。また、再度読み返すことで理解できるかもしれない。本の全て、思想の全てを理解する必要性とそれに伴うハードルを下げてくれる。 ☑️二項対立で捉えない美学、偶然性、同一性は仮固定的、あらゆる事物は異なる状態に「なる」途中である
6投稿日: 2026.04.13
powered by ブクログ・一回通読。脱構築、リゾーム、パノプティコン等の断片的な理解を、思想史的な背景に基づく解説を通じて、立体的に捉える手掛りを与えてくれる ・有限性の、思想史における変遷に対して、複数性を通じた偶然性の発見が、現代の方向付けの一つであると理解した。否定神学批判、有限的喜劇、思弁的実在論、非哲学 ・カントやラカンが表立てされてたけど、個人的にはヒュームやスピノザ、ルーマンやギデンズが想起される場面もあったのが面白かった
11投稿日: 2026.03.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
哲学の網羅的な本を読んでるので、ついでに入門書も並行して読み解像度をあげようと購入 全部理解出来てるとは思わないけどわかりやすかった ただ特に自分が考えてることに直接関わっている訳でもないと、哲学ってあまり興味がそそられず右から左の情報処理でしかないんだな でも精神分析は面白かった 自分は改めて、特別関心を持っている話題以外は、論理は興味がなくて、仮定や空想の画期的な社会や人間の心理の探求が好きなんだと確認した 第1章では脱構築主義 デリダの二項対立からの脱構築 善悪(プラスマイナス)の二項対立からの離脱 ドゥルーズの存在からの脱構築 プラスマイナスでは無い根のように張り巡らされる全ての相関関係というリゾーム フーコーの社会からの脱構築 上から下への支配ではなく人間が自由から逃亡することにより自ら権力を求めに行く下から上への支配を提起することにより二項対立に新たな視点を投げる 第2章では現代思想の源流 ニーチェ 理性と非理性的なものとの拮抗に価値があるとの脱構築的思想 アリストテレスの質量と形相は形相が質量を支配していたのに対してニーチェはここで言う質量の側からの反乱を示した フロイト 精神分析で、ニーチェでいう非理性的なものを無意識や本能として示す 人間のクセである物語化を行うことによって固定されたトラウマを源流に遡って解体する自由連想法 マルクス 剰余価値の搾取構造で社会の偶然性による不平等を提起する 3人に共通するのは構造主義や近代的な理性を批判あるいは非理性的なものの肯定を行ったこと それが後年のドゥルーズ デリダ フーコーの脱構築主義の源流になっているらしい 3章では現代思想の前提になっている精神分析 ラカン 人間は動物とは違い本能やから発する欲動とそれを達成する手段が多様。 人間は生まれ母により最初は満たされていたが、そこで母が徐々に自分から離れていくことにより"偶然性"という快との離別を経験する、これが安心としての快ではなく死の恐怖とそれからの解放という快に値する(フロイトと通ずる) 最初の母が与えてくれた安心的快楽(対象a)を求めて人は生き、期待と獲得と失望を永遠と繰り返していく。 想像界(イメージ)、象徴界(言語)、現実界(認識の外)というレイヤーに分けて捉える認識論的な話 現実界は産まれたてのなんの文節化や社会からの鏡像による自己形成も行われてない無秩序の状態が最も近しい。二つの意味で人間は対象aたる乳児期の現実界のタナトス的快楽の獲得を目指す この後急に難しくなってわからなくなった
0投稿日: 2026.03.22
powered by ブクログアマゾンaudibleで聞き出して全然聞くだけでも理解できていたのだが、専門用語や人物名が度々確認する必要が出て、結局新書も買ってしまった。語りかけるような文体がとても頭に入ってくるのでオーディブル向きでもある。
0投稿日: 2026.03.17
powered by ブクログ難解な文章を平易にしつつも誤解の無いように読者へと伝える筆者の凄みが際立った文章であると感じた。そこに、第六章「現代思想のつくり方」で説明されたような、今まで排除されていた他者性=「現代思想を平易な言葉で一回書いてしまう」ことを超越論化した姿勢を感じ、本書は「現代思想の入門書」としてだけでなく一種の「現代思想書」的な要素も含んでいるのではないかと感じた。 また筆者は第7章で、メイヤスー(ポスト・ポスト構造主義)の近代的有限性の後で見られる新たな無限性と、フーコー(ポスト構造主義)の「古代人」に見られる有限性を掛け合わせ、現代での新たな有限性(問題をダマで見ずに、一つ一つ対処する)を提示している。この主張内容は、「何でも繋がっているから結局全部やらなきゃ」となりがちな現代人、特に私に、「それでいいんだ」と思わせてくれるような新鮮な主張で、感銘を受けた。
0投稿日: 2026.02.27
powered by ブクログ哲学前提知識無しでトライしてみましたが、理解できる瞬間がありました。それでもほぼほぼ咀嚼できていません。 一通り流し読みして付録部分を読んでください。 その上でもう一周すると受け取り方が変わりそうです。
0投稿日: 2026.02.24
powered by ブクログ【感想要約】 複雑な現実を単純化せず捉える視点に強く共感し、自身の歴史学的関心とも通じると感じた。入門書としての整理の巧みさにも感銘を受けた。今後は批判的議論も含めより現代思想への理解を深めたい。 【内容】 近代哲学(理性・主体・普遍的真理を重視する思考枠組み)に対する批判的再検討として20世紀にフランスで発展した「現代思想」を、デリダ、ドゥルーズ、フーコーの思想を中心に解説する。その後現代思想誕生の理論的基盤となったニーチェ、フロイト、マルクスの思想を紹介し、その後精神分析を言語構造の観点から再解釈したラカンの思想やポスト現代思想の動向についても解説する。主要な3人の思想は以下の通り整理される。 1.デリダは、言語や概念が固定的意味を持つという前提を批判し、意味が差異の連鎖の中で絶えず遅延し続けることを示すことで、二項対立的思考の不安定さを明らかにした(構造の脱構築)。 2.ドゥルーズは、同一性や体系性を基準とする存在理解を退け、差異や生成変化そのものを肯定する存在論を提示し、既存の秩序から逸脱する創造的運動を「逃走線」として捉えた(存在の脱構築)。 3.フーコーは、知識と権力が相互に結びつきながら主体や社会制度を形成する過程を分析し、近代社会が人間をどのように「作り上げてきたか」を歴史的に明らかにした(社会の脱構築)。 上述の思想に共通する現代思想の根幹は、絶対的な「真理」や「本質」の存在を疑い、「世の中には単純化したら台無しになってしまうリアリティがあり、それを尊重する必要がある」という価値観である。 【感想】 「この世界の複雑さをありのままに受け入れることが重要」という私の以前からの個人的信条を、より膨らませ精緻化した上で言語化してくれた様な思いがあり、大変納得性のある内容だった(この歳まで現代思想を知らずにいたことが不勉強であり恥ずかしいことだが…)。今思えば、歴史学における単純化された従来説から脱却しより複雑な過程をありのままに受け入れることで新説を発見する取り組みは、現代思想的なアプローチに由来するものである様に思われた。 本書が私にとって非常にすんなりと受け入れられたのは、もちろんその内容への共感もあるが、本書が入門書として優れていることにもあると思う。このように過度に単純化せずにエッセンスを吸い上げ再構成するには、これらの思想への深い理解と初学者目線の理解が不可欠である。この難題を見事に一冊に仕上げた著者には脱帽するばかりである。 本書の意図は入門にあるため、興味を持った私としてはこれを機に現代思想への理解を深めるため読書を深めたいと思った。一方で私としては納得性のあった現代思想の脱構造主義だが、世間を見ると反発する意見も多くあるように思われたため、そのような意見も読んでみたいと思った。
1投稿日: 2026.02.16
powered by ブクログ前半は読みやすかったのだが、後半に向けて追いつけなくなってきた。ただ、付録の言葉にある「読書は全て不完全」、で良いのかも、と思った。時折り、読み返してみたい。
0投稿日: 2026.02.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
店頭で比較的読みやすそうだなと思い購入。 まさか、センスの哲学の千葉雅也さんの著書とは知らず。 以下学習メモ [導入] ・ポスト構造主義は1960年代のフランスで流行った構造主義のあとの思想。構造主義は物事を枠として捉える(コンテンツのストーリーを大局的にみる)ことに対して、そこの根底にある二項対立の枠を一旦留保する(=脱構築)ことが構造主義に対抗する考え方。 →二項対立は暗にどちらかが優れているというポジショントークに近い部分があるが、自然⇔文化のように物事のコンテクストで評価が変わるものもあるから、一概に白黒つけなくていいんじゃない?ということ。秩序への逸脱でもあり、それはモダニズムとも通じる。 ✅白黒ハッキリしないことへの美学 [デリダ] 話し言葉(パロール)と書き言葉(エクリチュール)の対比 ・エクリチュールは仮固定的なもので、コンテクストで捉え方が変わる、パロールは一義的。そしてパロールが直接的、エクリチュールは間接的。 [ドゥルーズ] 差異とは比較対象であるA,Bがそれぞれの同一性の距離を指すと思われるが、彼は凝り固まった同一性がA,Bにあるのではなく、互いに軸を持って左右に揺れ動いている(仮固定的、準安定状態)と説いた。 →人の心も軸はあるが、その時々で感受が異なるのも、この揺れ動く同一性と同じ考えでは? ✅人の同一性は揺れ動くものであり、あまり「私は〜というもの」と自身の同一性について定義しすぎないことが大事。 [フーコー] 脱構築の思想を社会に適用。支配者と非支配者の関係は一見支配者優位に見えるが実際は下の権力者が上のものを支えるという循環構造があるて指摘。 社会のカテゴライズには二項対立的な考えが潜み、その時マジョリティな優位者によって劣位者を定義している。 →むかしは「変な子」だったものが、発達障害というラベルを貼られ、マイノリティとして枠付けされたこととか。元々の曖昧な秩序機構でも良かったのでは?という指摘
1投稿日: 2026.02.06
powered by ブクログ硬派で厳かで格式高い文章ではなく、フラットで温和でフランクな文章。読者への向き合い方、難解な内容を平易に読みやすく下ろすという姿勢が良かった。あとがきにある著者の思いを読み、内容の広範さ、重厚さ、軽妙さに納得した。
0投稿日: 2026.02.05
powered by ブクログ千葉雅也のすごさが思い知らされた。 なんて読みやすいのだろう。なんて頭に入ってきやすいのだろう。それだけ噛み砕いて平易な言葉で説明できるということのすごさが素人にもわかるくらい。 まさに良質な「入門」。
0投稿日: 2026.02.04
powered by ブクログデリダの「二項対立からの脱構築」や、ドゥルーズの「世界は同一性ではなく、差異で捉える」など非常に興味深読くめた。 ありとあらゆる学問の基礎や土台にあるものが哲学なのかもしれない。
0投稿日: 2026.01.24
powered by ブクログ現代思想における入門書のための入門書という位置付けだが、マジの初心者にとっては少し難しい内容も含まれる。 それでも、おそらくこれ以上に現代思想を分かりやすく解説してくれる本はないんだろうなと感じたし、全部を理解できなくても読み応えがあり、満足感のある書籍だった。 もし本書を前から順に読んでいてくじけそうになった人は、P215 付録 現代思想の読み方 を先に読んでみることをおすすめする。難しい文章を読むコツが書いてあるし、何より千葉雅也さん自身もデリダとかの文章は難しいとおっしゃっていて、自分だけじゃなかったんだと安心しますし、わからなくても読んでみようという気になります。 さて、本書の内容ですが、前述のとおり現代思想の入門書である。 現代思想=ポスト構造主義と位置付けられ、構造主義の後に出てくるそれに対抗した思想です。 情報の構造化、などと言われますが、構造主義とは色々な物事を単純化し、整理されたことをよしとする世界観だと理解しました。 本書ではこれを秩序と表現されています。 そして現代思想とは、それに対抗する思想なので、秩序に対抗する考え方、逸脱、を扱っています。 本書の文章を引用すると、 "現代思想とは、秩序を仮固定的なものと見なし、たえず逸脱が起きながらも諸要素がなんとか共存する状態を考察しているもの"とされています。 要するに、秩序は絶対的なものではなく、ある種の仮の状態であること。 そこから逸脱することもあるし、またその秩序内に戻ってくることもある。 そういった行ったり来たりのバランスの中で生きているんだよ、みたいなことが書かれています。 この"仮固定"という考え方は確かにと思いました。 少し飛躍するかもしれないですが、人は時々自分探しの旅に出かけると思います。 自分はどういう人間なんだろうか、好きなものはなんなんだろうか、自分に合う仕事って何なんだろう...など。そうして一生懸命探して見つけた自分。自分の好きに従って決めた仕事だったはずなのになんだかしんどくなってくる。 それは、本質的に理解できてなかったからだ、と言われる方もいるかもしれないですが、本書を読んでそれってもしかしたら仮固定的なものだったからなのかもと思いました。 過去に見つけた自分は間違っていたわけではないけれども、それはあくまで仮固定的なものであり、絶対ではない。 そうやってすべてを仮固定的に考えると、なんだか変化に対して寛容になってくる気がしました。
1投稿日: 2026.01.24
powered by ブクログ過去に読んだものの流し読みに近いため、改めて再読。哲学の入門書としては非常に取りかかりやすい印象を受けた。 ただの哲学を歴史を追って説明するわけではなく、重要となる「脱構築」を中心に説明を展開、最後には難解な文章の読み方まで解説しており、考えること、文章を読むこて、実践的な内容を学べる一冊。
0投稿日: 2026.01.21
powered by ブクログデリダ、ドゥルーズ、フーコーをとりあえずわかった気になれた、というのがまず正直な感想。 じぶんは「こうでなければならない」「ちゃんと理解しなければ意味がない」と考えがちで、いつもがんじがらめになっているのだが、そうした「べき」や「固定された枠」から少し距離を取る視点を教えてくれた。
1投稿日: 2026.01.15
powered by ブクログこんなにわかりやすくデリダ、ドゥルーズ、フーコー、ラカンを書けるのかと感嘆した。「現代思想のつくり方」も未来への橋渡しであるとともに、何かを生み出そうとするすべての人文科学系の論者(研究者から学生まで)に力を与える枠組みだ。
0投稿日: 2026.01.12
powered by ブクログ入門とはいえ精神分析やポスト・ポスト構造主義、思弁的実在論など、後半難しいところもありましたが、なんとかついていけたかな? 「優柔不断なのはいけない。責任をもって決断しなければならない。どっちつかずの態度でいると、人に振り回されることになる。大人になるというのは、決断の重さを引き受けることだ。」 SNS上でこのようなコメントに対して、どう捉えるかを二項対立として考える。本当に優柔不断はいけないことなのか。決断力は大人の証なのか。 メディアリテラシーが試される今現在、必要な考え方を教えてもらえた気がします。 自分が生きていく中で、たくさんの悩みに直面したときの対処法としてドゥールーズ+ガタリ的思考は参考になります。 次にフーコーの権力論の三段階では、みんなが良かれと思ってやっている心がけや社会政策が、何か変、おかしなと気づかせる大事なヒントがあります。 中盤から非理性的なものを取り扱ったニーチェ、フロイト、マルクスときて、精神分析のラカン、ルジャンドルがきます。その辺りから頭が混乱してきます。 しかし最後に哲学書の読み方として、「欠け」がある読みを何度もしたり「読書はすべて不完全」と言ってもらい安心してしまいます。 世の中はすべて進行形で変化していく。ここで終わりという区切りは存在しない。いいですね! あと、無駄だと思われる創作や芸術などモノをつくることの大事さもわかってきます。 生きていくことは、枠から逸脱して変化していくことかもしれませんね。 ここだけわかっただけでもスッキリします。 小説ばかりではなく、たまには小難しい読書も必要だと思いました。ありがとうございます。
13投稿日: 2026.01.08
powered by ブクログ結果的に2度読んだ。デリダのデの字も知らずに読み始めたが、読みやすい文章で概略は掴めた。入門書のおすすめが章ごとにあり、今後の読書の指針となるのが助かる。1度目からマーカーで気になるところに線を引きながら読み、2度目は色を変えて線を引いたら1度目に読み落としていたことが結構あるのがわかった。今後も部分的に読み返すと思う。次はおすすめのデリダ入門書を読んでみようと思う。
0投稿日: 2026.01.07
powered by ブクログおもしろかった!易しい文体で内容が入ってきやすかった。内容としては特に、精神分析的な家族関係の解きほぐしを行うことに加え、自分が幼少期に何を見てきたか、どんな人間関係が家族外に広がっていったかといった人生の棚卸しをすることで、心のトラブルを考えるときによい示唆を与えてくれることがとても興味深かった。理解が難しいところもあったので繰り返し読んで理解を深めていきたい。
1投稿日: 2026.01.02
powered by ブクログ現代思想入門といいつつ、果てしない奥行きが見えるような本だった。形而上学の小難しい概念を日常のシーンまで落とし込む、そういった橋渡しができるのは千葉さんならでは。最後の補足の思想家に対してある程度斜に構えて、パターンと捉えて構造化するところは、思想といっても必要以上に恐れ慄く必要はないと勇気づけられた。
2投稿日: 2025.12.28
powered by ブクログ難しかった。 後の方に、付録でこの本の読み方が載っていて、先に気づいて読めばよかった。 やっぱり、目次ははじめにちゃんと見ないといけないな。 こういう本を、もう少し読める自分になりたい。 結局、何のためにこの本を読むのか。 難しい社会で、自分なりの解釈で生きやすくするため、な気がした。 多少、ズレてもいい。 ゆるさ加減が大事なのかもしれない。 それについてもっと知るために、再読にチェレンジしたい本。
1投稿日: 2025.12.23
powered by ブクログ思考の論理は「二項対立」で組み立てられ、その一方をプラス、他方をマイナスとする価値観があり、通常はプラス側を支持するように何かが主張される。その時に、二項対立のむしろマイナスの側、劣位の側に味方出来るようなロジックを考え、主張されている価値観に対抗する。そして対立の両側が、互いに依存し合う、言わば「宙づり」の状態に持ち込む。そういう論法がデリダの「二項対立の脱構築」である。
19投稿日: 2025.12.12
powered by ブクログ無駄なことを書いていない、読み応えのある本。二項対立を考える上で、具体と抽象の横断力が求められると感じる。以前から気になっていた「具体⇄抽象トレーニング(細谷功)」を読みたくなった。 ゼミでのディベートの総決算をしてる気持ちになる内容だった。本書は明確に哲学に寄せて考えるものだが、思考鍛錬として発想を広げられるよい機会になった。 ーーーーーーーーーーー 哲学用語は、日本語訳の仕方に問題があるように思う。脱構築論とかではなく、対立論や二分論などと表した方が幾分か理解されやすいように思う。現代はともかく、当時は排他的だなあと感じる。 同時に、筆者は哲学者は格調が求められた、としており、そもそも哲学書は文学として接するのが正解かもしれない。 123.子どもの生育から見るに、人は根源的にはマゾヒスティックということ?スリルに快を覚えているから、ホラーなどを見てしまうのかもしれない。
1投稿日: 2025.12.12
powered by ブクログ思想について何の予備知識もない自分には「入門のための入門」としてとても分かりやすく、けど新鮮なことが多くて良い。読み返したい。 構造主義(二項対立/物事には構造=パタン) → ポスト構造主義(デリダ/ドゥルーズ/フーコー) = フランス現代思想 → ポスト・ポスト構造主義(マラブー/メイヤスー)。ちょと遡って現代思想の源流(ニーチェ/フロイト/フーコー)の紹介。からの横道で精神分析のラカンとルシャンドル。最後は行き詰まってる(?)思想の作り方まで。 メインはポスト構造主義の話だが、横道の精神分析(世間ではちょっとオカルト扱い)の章が興味深かった。人間は過剰な生物で自由度がとても高い。一方で動物は単純に/本能の赴くまま/かなり自由度は低い。そこが境界がある(グラデーションはある)。人間は脳の発達により言語習得も相まって認知エネルギーが"過剰に"高い(余している)。本能に対して流動性の高い欲動に影響を受けながら、それを整流していく(教育とかで制限していく)のが成長の過程だと。その配線が変わり人間性が無意識に形成される...。その根本に近づける(かもしれない?)精神分析、受けてみたくなる。子と母と父の関係の話も面白い。 最後の付録で著者のような研究者がいかに原著(=著者曰く暗号文)を一般人向けに読みやすくしてくれているのが分かる。どんだけ人の思考と言語の解像度にgapがあるかを感じる。やっぱり訓練された人は凄い。
3投稿日: 2025.12.06
powered by ブクログとてつもなく読み手(学び手)に配慮された書きぶり。文体は誠実そのもの。 筆者は今まで知性を壁として提示してきた「哲学者」とは異なる。近年、永井玲衣など、哲学を開く人々が活動しているが、そういう使うための哲学を伝わることを大前提として綴っておられる。パリで実際に学ばれたことも書かれている。あたまがスッキリします。
10投稿日: 2025.12.03
powered by ブクログ先月の「勉強の哲学」に続き、千葉雅也さんの本を読む。日本の現代哲学の本を読んでいると何かと登場するデリダやドゥルーズ、フーコーの面々。フランス現代思想の偉人たちを丁寧に解説してくれるこのような本があることは本当にありがたい。感謝。後半は少々難解で何度か読まないとわからない気がする。逸脱や差異を大切にするポスト構造主義の考え方は、ただ人と違っていれば良いということではなく、むしろ他者は自分と違うという意味で「差異」なのだから、他者に開いていく必要があるんだという視点は納得感がある。贈与論を当てはめると、受け取った後に差し出すということにも繋がる気がする。おすすめ。
0投稿日: 2025.11.24
powered by ブクログ私は本書の著者の千葉雅也さんと完全に同世代の人間である。哲学こそ専攻しなかったが、文化人類学の流れで相対主義や構造主義を学んだ。それ以前の時代ほどではないにせよ、ポスト・モダニズムについての議論は、当時まだとても盛んに交わされていたように思う。私は考古学で大学院に進んだが、文化人類学の院生から相対主義がいかにマズイかという議論を吹っかけられて閉口した記憶がある。 そんなわけで、少し懐かしく思いつつ、本書を読んだ。あらためて、現代思想の大まかなところが整理できて有用だった。とはいえ、わかりやすい語り口だが、やはり私が専門に学んだことがないので、所々理解できない箇所が出てくる。後半部分のフーコー以降の哲学者やその思想については、斜め読みである。 著者がちょいちょい本書で紹介する哲学的な概念を実生活に反映させたり、自身の在り方の根拠にしようとしているのを興味深く読んだ。哲学は実学なのだ。
12投稿日: 2025.11.16
powered by ブクログ(一回目読了 2025.11.5) 非常に丁寧に説明されているのは分かるのですが、私の理解が追いつかなく、感想を書けるレベルでは無いのでもう一周してきます。 ほんの少しでも頭の中に「?」が出てしまうとそこから先が全く理解できなくなる。。。
15投稿日: 2025.11.05
powered by ブクログhttps://paz-library.opac.jp/opac/Holding_list?rgtn=00060969
0投稿日: 2025.10.20
powered by ブクログ著者は書き出しで、大胆にも「現代思想とはポスト構造主義である」と言い切っている。まさに私が一番に知りたかったことをズバリ最初に言ってしまう。 さらに、著者は「真面目な話の部分」と「雑談のような部分」を「飴とムチ」のように繰り返すので、難解なジャンルの本なのに不思議とページがスラスラ進んでしまう。他の哲学書のような「君たちに私の知恵を授けよう」感が無いのだ。 さらに、おまけとして国語の読解力の強化問題集のような付録まで設けてある、自分の読解手法を一般に公開したくなるほど、著者は語学エネルギーを余していると思った。 読み終わって、著者の言わんとする「現代思想」の全体像はわかった。しかし、これは「思想」という高尚なものなのだろうか?高尚な「人生訓」だったのではないだろうか。 この本で得た人生訓は「人生に正解などない、こだわりをすてて、思うまま生きよ」というものだった。 以上
1投稿日: 2025.10.10
powered by ブクログ現代思想をわかりやすく概観してくれている一方で、その難しさも仄めかす本だと思った。 デリダやドゥルーズ、フーコーといった現代思想を代表する3人が書いた難解な文章が引用によりたびたび出てくるが、これを咀嚼し、読者にわかりやすく伝えていることを思うと、すごいとしか言いようがない(もちろん、千葉先生なりの理解の仕方・言い回しで、ではあるが)。 哲学書を読む際には、読む対象を定めて、それに向けた準備を程々に行い、挑むのが良いのだろうと思う。その際には、本書で紹介された現代思想の読み方も参考にしたい。
9投稿日: 2025.10.09
powered by ブクログJacques Derridaから始まり,秩序からの逸脱に通じる現代思想への源流が時系列に,体系的に描かれる.思想やそこに通底する哲学は,決して浮世離れした学問ではなく,知的生命体が生きていく上で思索懊悩する内容の不可欠な道標であることがよく理解できる.
0投稿日: 2025.10.05
powered by ブクログ脱構築的に物事を見ることで、偏った決断をしなくて済むようになるのではなく、我々は偏った決断をつねにせざるをえないのだけれど、そこにヴァーチャルなオーラのように他者性への未練が伴っているのだということに意識を向けよう、ということになる。(第一章デリダ、p52)
5投稿日: 2025.10.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
勉強になった。 特に、脱構築、相対主義、仮固定、近代的有限性、メイヤスーによる世界の偶然性などは、日頃の考え方にまで影響を与え、僕が(稚拙ながらも)書いているエッセイにも影響を与えたと思う。 また千葉雅也の本を読もうと思う。 しかし、難しかったのは事実であり、哲学を専攻することは難しそうだと感じた。
1投稿日: 2025.10.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今年は読書と決めていて本を読んでいる。最近だと新書にも挑戦。哲学系の本も読んだりしてる。 時々もう一人の自分が「なぜ本を読むの?哲学なんて学んで何のためになるの?」と聞いてくる。 今のところの答えが2つ見つかった。 1つ目。俺は自分探しというか自問自答というかよく何かを考えている。何かを考えている自分に酔っているところもある。たまに「考えて、考えて、もうわけわかんなくなってんじゃないの?」という俺の中のGENが出てくることもある。でも俺は考えることが好き。 考えに答えを出すことはそう簡単ではないけど、本や哲学を学んでその悩みのヒントになることがある。だから俺は本を読んだり哲学を学びたいと思うのだろう。 すると「そんなことを認識して何が変わるんだ?」ともう一人の自分がまた聞いてくる。 考えて、考えて、本とかたくさんの引き出しからヒントを引っ張り出して答えを出そうとするうちに自分自身がいい方に変わっていくのだろう。 2つ目。俺はエンタメが好き。最近はいいなと思ったエンタメに対して自分の感想を残そうと決めている。でもその時にうまく自分の気持ちを言語化できないことがある。そんな時本や新書を読むと引き出しが増え、自分の気持ちを言語化しやすくなる。それが楽しくて気持ちいい。時間が経って作品と作品が繋がる時も気持ちいい。 例えば、2日前に映画「国宝」を見た。その感想として、歌舞伎界の異様な血筋文化、妻や娘など周りの人間よりも歌舞伎にすべてを捧げた喜久雄。一見異常に見え、気持ちが理解できないと感じるがそんな人やその世界にいる人たちだからこそできる表現があり、見るものを魅了させる。ということを感じた。 そして、さっき「現代思想入門」という本を読んでいた。そこに、ニーチェの話が出てきた。ニーチェは秩序的・合理的なのもの(アポロン的)よりも混沌的・非合理的なもの(ディオニュソス的)に注目した。簡単にいうと「ヤバいものこそクリエイティブ」という考え。でも、ディオニュソス的なものばかりではダメでアポロン的なものも必要。この2つの拮抗の中において何かが成立するとした。 そんな時さっき読んでいた「現代思想入門」がヒントを与えてくれる。フロイトの精神分析について、「精神分析の本当のところは、記憶の繋がりを何かの枠組みに当てはめることではなく、ありとあらゆることを芋づる式に引きずり出して、時間をかけて喋っていく過程を経て、徐々に、自分が総体として変わっていくことです。」と書いてあった。 そこで、「国宝」を振り返る。歌舞伎には理性や美、いわゆるアポロン的がある。そこに、血筋文化や喜久雄の狂気、いわゆるディオニュソス的なものが拮抗することで見るものを感動させた。 あとニーチェは「狂気なくして偉大な芸術は生まれない」とも言ってるんだって。 今の世の中、コンプラコンプラとクリーンなもの効率的なものへという流れがあるけどそういったアポロン的なものだけでは誰もが感動するものは生まれない。ディオニュソス的なものがなければ壮大なものは生まれない。「国宝」はそれを体現していた。自分も今後何かに打ち込む時このディオニュソス的を忘れないようにしたい。
1投稿日: 2025.09.19
powered by ブクログ主にフランスの現代思想、デリダ、ドゥルーズ、フーコーの「脱構築」について記された本。他にもラカン、フロイト、カント、ニーチェ、メイヤスーなども出てくる。 話し言葉のような平易な文体で、誰にでもわかるようなやさしい文章で説明することを心がけているのがよく伝わった。本書でも述べていたが、これは「入門書を読むための入門書」であり、ざっくりとそうした思想家の一部分的な理解をしようとする人にとってはちょうどいい。 しかし、付録の「現代思想の読み方」は少々蛇足的なものを感じた。いわゆる「本を読むための本」に近い胡散臭さを感じた。 また、この本で出てくる哲学者に興味を持った方に向けて、読書案内を丁寧にしており、非常に参考になる部分だと思った。
1投稿日: 2025.09.17
powered by ブクログ## 主なテーマ ### 1. 二項対立の脱構築 現代思想の核心は、物事を**「二項対立」**で捉える思考法を揺さぶることにあります。善悪、能動と受動、正常と異常といった対立構造の、**「マイナスの側」**に注目し、その価値観を問い直します。著者は、能動性だけでも受動性だけでもない、その間にある**「グレーゾーン」**にこそ人生のリアリティがあるとしています。この「脱構築」によって、物事を単純化せずに、より**「高い解像度」**で捉えることができるようになると説いています。 --- ### 2. リゾーム的思考と存在の生成変化 現代思想は、物事が階層的な秩序ではなく、横に広がる**「リゾーム(根茎)」**のように多方向につながり合っていると捉えます。インターネット社会は、このリゾーム的関係性を物理的に実現していると指摘しています。また、すべてのものは固定された**「同一性」**を持つのではなく、常に**「生成変化(ドゥヴニール)」**の途中にある**「出来事」**であると考えます。この発想は、仕事のプロセスにおいても、明確な始まりや終わりを定めず、**「ついでにやる」**ことで創造性が生まれるという新しい働き方を提唱しています。 --- ### 3. 権力と多様性 ミシェル・フーコーの思想を援用し、近現代社会における**「規律訓練」**や**「生政治」**といった権力のあり方を分析しています。これらの権力は、個人を「正常」な状態に管理し、逸脱を問題視する傾向があります。しかし、現代思想は、**「ちょっと変わっている」**「なんか個性的だ」といった曖昧な状態をそのまま**「泳がせておく」**ような倫理を尊重すべきだと訴えています。これは、人間が本来持つ「過剰さ」や**「逸脱」**を抑圧し、人間を**「再動物化」**させることへの警鐘でもあります。 これらのテーマを通じて、著者は、現代社会に蔓延する「きちんとする」ことを求める窮屈な風潮に対し、**秩序から逃れる**思考の重要性を説き、**「他者」**を尊重する**「多様でバラバラな生き方」**の可能性を探っています。
0投稿日: 2025.09.09
powered by ブクログこの本を手がかりに 障害について思考を巡らすの楽しい 付録の 読書の仕方考察が一番面白かったっていう…w
0投稿日: 2025.09.02
powered by ブクログ脱構築論と時代や思想家の変遷の歴史を分かりやすい流れで教えてくれる入門に相応しい本。 この本を起点に様々な哲学書を読むことをおすすめします。
1投稿日: 2025.08.29
powered by ブクログ内容ほんの少ししか理解できなかったけど、、、各まとめの章でなんとなく理解した気になってとりあえず通読はしてみた でも、最後の1ページを読んでこの本を購入した当時の自分の助けを思い出せたから、読んでよかったということにする 『身内の根底的な偶然性を肯定すること、それは、無限の反省から抜け出し、個別の問題に有限に取り組むことである。』
0投稿日: 2025.08.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
実生活で支えになるような学びが多く、入門書として読みやすい。人間は過剰な動物であること。そして、ただそこに存在するだけ。何か意味があるわけではない。無限な謎に向かうのではなく、有限な行為をひとつひとつこなしていく。 いつも小難しく考えてしまう自分にとってハッとさせられる内容が多かった、良書。
0投稿日: 2025.08.07
powered by ブクログ「この本は現代思想に入門する本です。」 現代思想に入門してみようと軽い気持ちで手に取ったのが、間違いだった。 平易な言葉の文章なのだが、行きつ戻りつ読む。 分かったよう分からないような。 予備知識のない者が、読むとこうなってしまうのか。と打ちのめされてしまった。 二項対立、脱構築… この本の帯に東大、京大1位 10万部突破のあるけど、みんなこのレベルの本をスイスイ読んでいるなんてほんと凄いね。 付録に、現代思想的な文章の読み方のコツが記載さらている。 「細かいところは読み飛ばす。一冊を最後まで通読しなくてもいい。」を読んで少し救われた気分になる。
2投稿日: 2025.07.27
powered by ブクログ図書館の本を選びに本屋さんに行こう! 2025年6月19日(木)15:30-17:00 西沢書店大町店 学生が選んだ本 ーーーーーーーーーーー 福島駅前キャンパス ーーーーーーーーーーー 現代思想入門 https://fclib.opac.jp/opac/Holding_list?rgtn=3019723
0投稿日: 2025.07.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「現代思想」とは、1960年代〜90年代を中心に主にフランスで展開された「ポスト構造主義」哲学の別名である。本書は、主にジャック・デリダ、ジル・ドゥルーズ、ミシェル・フーコーという3人の哲学者が打ち出した概念を振り返ることを通して、現代思想の潮流をざっくりと掴むことに主眼を置いている。全体的に読みやすい構成で、著者自身が本書を「入門のための入門」と位置付けている通り、この本を出発点として現代思想に関する様々な書籍に接続できる、そんな良書である。本文中におすすめの入門書を記載してくれている点も親切だ。 さて、少しだけ内容に触れておく。本書によると、現代思想を捉えるうえで最も重要なキーワードは「差異(difference)」である。これに対立する言葉は「同一性(identity)」だが、現代思想では、"差異を強調し、一つの定まった状態ではなく、ズレや変化が大事だと考える"。ここで押さえておくべき点は、現代思想は決して同一性を否定しているわけではないということだ。我々はつい物事を二項対立的に捉え、どちらか一方が"正しい"と結論付けがちだが、現代思想は差異と同一性という対立概念を"脱構築"することによって、我々の思考を次のステージへ連れて行ってくれる。私は本書を初めて読んだとき、現代思想は東洋的な思考の仕方に近いという印象を持った。東洋には古来より、二項対立に還元されない思考法がずっと根付いている。それを編集工学者の松岡正剛は、「別用の可能性(contingency)」や「デュアル・スタンダード」という概念で表現した。あるいは、西田幾多郎の「絶対矛盾的自己同一」も近いニュアンスを持っているだろう。 このように、本書は我々自身について考えるうえでも重要な示唆をもたらしてくれる。今世界には、解決すべき重要な問題が山積しているが、現代思想的な思考法は、有効な解決策を見出す鍵になるのではないかと感じた。
17投稿日: 2025.07.06
powered by ブクログデリダ、ドゥルーズ、フーコーのそれぞれの脱構築、その源流となっているニーチェ、フロイト、マルクスに触れ、ラカンの難解な精神分析、ポスト・ポスト構造主義の解説。付録の「現代思想の読み方」がありそうでなかったもので面白い。
0投稿日: 2025.07.01
powered by ブクログこの人の文はすごくわかりやすい。理解できるレベルまで書き下された内容だけでなく、何度もその話題を出して復習せよ圧をかけてくる構成に、現代思想の作り方・読み方まで書かれ、まさしく現代思想入門。内容はしっかりまとめ、何度も本を読み返し血肉にしていこうと思う。
1投稿日: 2025.06.24
powered by ブクログ啓光図書室の貸出状況が確認できます 図書館OPACへ⇒https://opac.lib.setsunan.ac.jp/iwjs0021op2/BB50279561 他校地の本の取り寄せも可能です
0投稿日: 2025.06.11
powered by ブクログ現代思想の代表格デリダ、ドゥルーズ、フーコーの概要と彼らの思想につながるニーチェ、フロイト、マルクス、また精神分析に密接なラカンとルシャンドル、さらに現在の構造主義のあとの思想について著者が解説する。加えて巻末では、現代思想の哲学書を挫折せずに読み切るコツ、たとえば二項対立を念頭に置く、固有名詞や豆知識もいったんは無視するなどを語る。
0投稿日: 2025.05.18
powered by ブクログ青春時代にフランス現代思想に憧れた著者の、現代思想観を語り尽くした入門書。 大学の授業やシンポジウムでの講義内容が基になっており、現代思想のおおまかな掴み方がわかる。 新書として世に出されているためか、 「現代思想を学ぶメリットは、複雑なことを単純化しないで考えられるようになること!」 というように書かれているが、 「私達が普段使っている二項対立の思考方法に対して、 その思考の前提条件から取りこぼされている存在を探し出し、 その取りこぼされた存在を含めた前提を基に新たな思考を掲示する、 という現代思想的な方法を学べば、複雑なことを単純化しないで考えられる!」 …という風に私的に読み込めた。 いや、新書一冊でそこまで読み込めんよ!と思う。 なので、これは新書としての建前で、 本書の主眼は、一現代思想ファンとしての著者による、現代思想の読み方の解説だろう。 実際、ポスト構造主義の本とかもっと読んでみたい!と思ったので、著者の術中にまんまとハマってしまったといえる。 各思想家の入門書の紹介もあるため、とりあえず最初に読むにはうってつけ。 難しいことを、難しく考えることが好きな方にお勧めしたい。
11投稿日: 2025.05.18
powered by ブクログジャック・デリダ、ジル・ドゥルーズ、ミシェル・フーコーなどの現代思想(ポスト構造主義の哲学)を、毎日の仕事や私生活などの日常生活に取り入れるとどういった態度や実践になるのか?をとても分かりやすく説明してくれてすごいと思った。 すべての決断は何の未練もなく完了だということではなく、つねに未練を伴っている。そうした未練こそが、まさに他者性への配慮である。我々は決断を繰り返しながら、未練の泡立ちに別の機会にどう応えるかということを考え続ける必要があるのです。まさにそうした意識を持つ人には優しさがあるということ。 外から半ば強制的に与えられるモデルに身を預けるのではなく、多様な関係のなかでいろんなチャレンジをして自分で純安定状態を作り出していけというのがドゥルーズ+ガタリの思想。絵を描くのでもいいし、観葉植物を育てるのでもいいし、社会活動に取り組むのでもいい。新しい活動をさまざまに組織化することで人生を純安定化していけばよいのであって、「本当に自分のあり方」を探求する必要なんてない、だからいろんなことをやろうじゃないか。
4投稿日: 2025.05.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
難しかった〜。もう少し分かりやすいかと思いきや、なかなか手強くてあまりよく分からなかった。 とりあえず デリダは概念の脱構築化、二項対立だけでなく、グレーゾーン、第三の視点がある。二項対立は常に他者を排除する。それを意識して、未練込みで倫理を諦めない判断をする。 ドゥルーズは存在の脱構築 固定された本当の私、というものはなく、関係性のなかで常にかわりゆくもの。気にせず色々やればいい。 フーコーは社会の脱構築 権力は下からくる。弱いものがむしろ支配されることを無意識に望んでしまうメカニズム(パノプティコン)を分析、権力の開始点は明確どなく、多方向の関係性から権力が展開している可能性。 だそう。
0投稿日: 2025.05.01
powered by ブクログこれが聴き放題はすごい!自分的にはニーチェのデュオニソス的なものとフロイトのリビドーの対比で哲学と精神分析学のつながりを示したところ面白った。もちろん、デリダとかドゥルーズ+ガタリとかの言ってることの雰囲気も伝わってきた。
0投稿日: 2025.04.30
powered by ブクログこれは私みたいな哲学初心者に一気読みさせる凄さ。もちろん表面的にしか辿れていないけど表面的に辿ることができている時点で画期的だと思う。
0投稿日: 2025.04.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
第4章あたりまでは、めちゃくちゃおもしろい!分かりやすく噛み砕いて説明してくれているんだろうなと感じたし、共感できる思想にも出会えた。ただ、5章以降は、正直難しくてついていけなかった。なぜ難しいと思うのだろう。なぜピンとこないのだろう。抽象的過ぎるから?概念の話で、自身の想像力が及ばないからなのか…。 個人的には、フロイトの汎性欲論や、デリダの二項対立の脱構築が特に好きだし、共感出来たし、自身の人生に取り入れたい思考だと感じた。 ドゥルーズの章で述べられていた、自己啓発的なアドバイスには、人間にある種の決めつけを提供する情報ことで安心させるものが多いのではないでしょうか。という、自己啓発の捉え方も好きだ。 実際、自身が社会に対してどこか正常を強いられている中で、非理性的なものを取り扱ったり、悪とされていることを排除するのでは無く、脱構築することで宙ぶらりんの状態に持っていく。という思考法も重要だと思う。生きにくい世の中ですが、哲学に浸りたいと思うきっかけをくれた本だ。
2投稿日: 2025.04.17
powered by ブクログ現代思想=20世紀フランスのポストモダン思想の入門書。デリダ。フーコー、ドゥルーズ+ガダリの思想を中心に精神分析との関連を含めて極めて平易に判り易く解説した入門書。 自分はデリダやドゥルーズを背伸びして読んでいた30年前にこういう本があればなぁという印象。 昔読んだ、デリダやドゥルーズの内容はもうすっかり忘れてしまっていたけど、今、改めてポストモダン思想に触れてみると、意外にも今の自分の考え方、物の見方、認識などその多くの部分が「ポストモダン思想」の影響を強く受けていることに今更ながら気づく。 ポストモダンもとうの昔に過ぎ去りそれなりの批判もある現在において、改めて意識したその影響が良いものなのかそうでないのか自分では判らないが、そういう時代を過ごした自分にはそのようなものの捉え方や考えが身に染みついているし、気にも入っている。 それこそが老害であるという気もするが、実際、老人に近づいているのは事実であるから仕方なし。 付録の「現代思想の読み方」ぶっちゃけまくってて面白い。
2投稿日: 2025.04.15
powered by ブクログうーん、大変おもしろい 自分の中でも、秩序と逸脱の関係はひとつ大きなテーマで、ポストモダンの「大きな物語」を秩序と捉え、そこからの逸脱の文学表現をとてもリアルな、身近なものとして楽しんできた そのテーマについて、聞いたことがあるデカ哲学者の考えをなぞって解説してくれるのでとてもおもしろい 以前履修した、英語文化各論のいい復習&発展になった
0投稿日: 2025.04.08
powered by ブクログこの書籍の内容とはほぼ関係がないが、自由エネルギー原理が脳神経科学で最近注目されている事を知れたのがよかった。
0投稿日: 2025.03.30
powered by ブクログ哲学は大学生のときに一般教養でかじっただけ。 わからないことをカッコいい言い回しを使って、言葉をこねこねしている感じが結構好きで、いざ図書館でそれっぽい本を借りると、ちんぷんかんぷん過ぎて、撃沈した思い出がある。 哲学とは、世の中から外れて達観しているような人がする学問だと思っていたけど、実は社会のありかたに即して考えているものなのだなと、この本でわかった。 そして、学生の頃の憲法の先生が、よくフーコーとかの名前を出して、カタカナの謎用語を使っていたけれど、哲学に関係していたことなのかと、今さら理解。法哲学って分野だったのかな。なんにせよ、彼の言葉は宇宙語だった。
0投稿日: 2025.03.28
powered by ブクログ「思想」などろというと、オタカクトマッてる感じがするのだろうけれど、要するに「みんなこんなことを考えてたんだね」ということであって、現代思想と呼ばれるもののうち、特に広範な影響を与えているデリダ、ドゥルーズ、フーコーの考え方を平易な言葉で紹介してくれ、必要に応じて関連書籍も紹介してくれるので、入門書としてはとても親切。
0投稿日: 2025.03.13
powered by ブクログとても読みやすかったしコンパクト。今まで抱いていた「難しい本ちゃんと読まなきゃ」みたいなハードルをちょっと下げて後押ししてくれるような本でした
0投稿日: 2025.03.09
powered by ブクログ私的な存在論が、新しい展開をするインスピレーションになった。ありがたい。 あまりにも簡単に読めて、理解できる内容と文体なので、拍子抜けする。 高名な学者が、飲茶の哲学解説書と同レベルまで、難解な現代思想を噛み砕いてくれた、ということに価値があるというのが、新書大賞&14万部という高い世評を生んだのだろうか。 ⚫︎はじめに 現代思想の特徴・キーワード 複雑なことを単純化せず考える 二項対立の脱構築 秩序からズレるもの、差異に注目 秩序を仮固定とみなし、たえず逸脱が起きながらも諸要素が共存する状態を考察している ただの相対主義に陥らない 私的例え ロシア・ウクライナ戦争において、当然、プーチンを批判するが、問題は複雑なので、戦争終結のためには、ロシアの立場になって考えてみたりする。現在、テレビ報道などでもやっているスタンスであり、ポスト構造主義的な考え方が、一般にも広がった、ということか? ⚫︎第一章、デリダ、概念の脱構築 ⚫︎第二章、ドゥルーズ、存在の脱構築 あたりまえの事を言っているように感じる。 p64「すべてが絡み合っているというのは、仏教の縁起説にも似ている…」 だから、東アジア人にはあたりまえに思えるのか? このポスト構造主義の広がりによって、西洋は東洋思想を再発見し、驚き、憧れるようになったのか? ⚫︎第三章 フーコー 社会の脱構築 フーコーおもしろい。自分の関心の領域。 昔は同性愛行動はいくらでもあったが、同性愛「者」はいなかった。性の逸脱を排除する動きによって、同性愛「者」が区分された。良いアイデンティティと悪いアイデンティティという概念形成により、アイデンティティそのものが意識されるようになり、自己を自己として規定し、束縛するものが生まれた。 p85「むしろ、支配されることを積極的に望んでしまう」 熊代亨「人間はどこまで家畜か」とつながる。 ⚫︎ここまでのまとめ 「二項対立ではなく、複雑に絡み合った関係性と無関係性」が、ポスト構造主義の主題だろう。 それは、自民党がなぜ勝つのかを例に挙げるとイメージをつかみやすいのではないか。 経団連と地方団体、日本会議・ネトウヨと統一教会、相反するはずのものがなぜか支援する「もつれ」が自民党であり、投票棄権者や無関心層こそが政権安定の支えになっている。 自民党が腐敗している!議員が悪い!と批判しても、それはほんの一面でしかなく、この構造を生んでいるのは、我々自身の社会の複雑さなのだ。その複雑さを認識し分析する試みが、ポスト構造主義なのではないか。 かつてのような、支配層vs非支配層のような牧歌的な構図では、現実をとらえられない。 ⚫︎第四章 現代思想の源流 ニーチェ フロイト マルクス ショーペンハウアーが気になる。欧州で初の仏教思想を念頭に置いた哲学者。厭世主義、ペシミスト。 世界は秩序だった表象に見えるが、本当は盲目的な意思。我々はそれに振り回される。 フロイトの項 p128 我々には意識の表側で必ず意味づけをし、物語化することで生きているわけですが、その裏側には、それ自体でしかない出来事の連鎖があるのです。 これ、カミュ「異邦人」のテーマにつながる。
1投稿日: 2025.03.04
powered by ブクログ哲学ど素人なので薄っぺらい感想しか書けないのが悲しいが、この本を読んでの感想としては、自分の中の常識がアップデートされたという印象。 本書で紹介される哲学者たちは、現代において常識とされていることについて、善悪を判断する考え方自体を疑った。世の中の「こっちが正しいVSこれは間違っている」という対立構造になっている「二項対立」状態から、それぞれの視点で「脱構築」する考え方を示してくれている。どれも難解であるが、本書では入門者向けに分かりやすく解説してくれていて、哲学ど素人の自分にもなんとか読めた。 この本からの自分なりの学びとしては、以下の考え方が人生において役立つと思った。 ①何でもかんでも白黒つける必要はなく曖昧な状態でもOKという考え方。 ②ある事象において物事を考えるときは、まず異常(少数派)とされている側の意見から考えること。 ③自分の中に芽生える、自分を律することが素晴らしいという考え方自体が、社会のコマとして使えるように、規律を重んじる教育をされてきたから生まれるということを自覚すること。(だからといって怠惰に暮らそうということではない)
2投稿日: 2025.02.24
powered by ブクログ正直なところ、よくわからない。二度、三度と読めば理解深まるかもしれない。 生きるための知恵として参考になるかな、と淡い期待を持って読んだけど、二項対立、脱構築、などカッコイイ言葉が残っただけだった。 時間を空けて、また読んでみたい。
1投稿日: 2025.02.23
powered by ブクログ私には難しくて理解できないところが多かったですが、楽しめました。基本的な哲学史の知識がないのかもしれません。勉強したいです。
6投稿日: 2025.02.19
powered by ブクログ入門とはあるがなかなかに難解。中盤からは理解が追いつかず。。。序盤の脱構築などの考え方はある程度ピンときた部分もあるが、哲学の難しさを改めて感じた一冊。何度も読んで言葉や表現に慣れる必要がありそう。
1投稿日: 2025.02.18
powered by ブクログ哲学は奥が深く難しい。ただ、時間をかけて学ぶ価値はある。本著の最後に書かれていた「哲学者を一回通読して理解するのは多くの場合無理なことで、薄く重ね塗りするように、「欠け」がある読みを何度も行って理解を厚くしていきます。プロもそうやって読んできました」の言葉どおり時間をかけて学んでいきたい。
18投稿日: 2025.02.14
powered by ブクログこの本を読んで、現代思想の歴史的な流れや背景を学ぶことはできたが、実践的な面ではあまり役に立たないように思う。(もちろんそれはそうだが)。 例えば、グラフ理論的な神経回路をイメージすると、複雑な相互関係を持つシステムを単純な二項対立で捉えるのは不適切だとわかるが、本書はその説明を文系的にしているに過ぎないように思え(これは6割くらい読んで思ってただけで要素としては3つくらい)、それ以上の示唆を与えてくれるわけではない。(当然、日常生活に取り込むための本ではないだろうが(2)) また、随所で「この本を読めば分かる」といった参考文献が挙げられるものの、それらを逐一読んでいくわけは当然なく、そこに分量を割くためスカスカの感じが漂う。引用も含めてそうだ。後の説明以外忘れてしまうに違いないから。加えて、物理学の枠組みを援用して現実に落とし込もうとする姿勢にはやはり違和感を覚える(無限回言っている)。スピリチュアルな話を冷笑しているものの、その態度自体がスピリチュアルなものと大差ないように思え(これはただ、量子もつれの話だけなのでここまでいう必要はない)、結局のところ著者の主観的な考えを読んだだけのような印象が残った。そして、本書を思い返すとしても、結局筆者の「お気持ち」以外思い返せないだろう。残念! やはり、哲学は謎の学問としか思えない。論証という概念がないから適当でしかないと思っちゃうし、章で語られる新規性の無理矢理の創造文脈からも学問体系自体に反吐が出てしまうかもしれない?
6投稿日: 2025.02.03
powered by ブクログうおおお、難しかった。でも8箇所くらいピンとくる部分もあった。常識を疑う、排除されているものに目を向ける、正直哲学ってボーッと生きてんなよって言われてる気がする時がある。笑持ってる知性を活かせよって言われてる気がしました。人生が変わるとは思わない。これを面白い、、って言ってた本屋の人すげぇー。
0投稿日: 2025.02.02
powered by ブクログ一部難しかったが、現代思想とその前後で活躍した哲学者たちの考えについて概観を知ることができた。特に個人的にはフーコー回が面白く、パノプティコンについて、規律訓練と生政治について、古代の「反省」と近代の「個人」成立について、フーコーの考えに基づくLGBTQ支持の姿勢について、など良い話を読むことができた。フーコーについて別の本を読んでみよう、と私が思ったように、この著書を読むとお気に入りの哲学者や考え方に出会うことができるはずです。
0投稿日: 2025.01.19
powered by ブクログ現代の哲学者を中心に哲学思想の流れと位置づけをわかりやすく、かつ深い解説によって説明する書。二項対立の脱構築における現代への適用には著者独自の思想が滲み出る。
0投稿日: 2025.01.07
powered by ブクログ面白くて一気に2回読んでしまった。 それでも薄ら理解でしかないけれど。 塩梅、バランス、グラデーション、中庸みたいな事を哲学者が難しく言ってんだろうなぁと思いながら読んだ。 そのくらい、いい加減な私の理解。 私は、哲学者が言っている事を全て真に受けて、盲信しないようにしている。でも、哲学者の言ってることは、面白い。 こんなこと考えてる人がいるんやなぁ。同じ人間とは思えんなぁ。こんなことばっかり考え楽しいのか?大丈夫か、この哲学者? なんて、たまに上から目線で読んでみたりなんかして。 それでも、哲学は、自分の思考の薄っぺらさに気づく事ができて、学びが多い。 デリダの本を読み解く事ができるのなら、面白そうだけど、まぁ、そうとうレベル高いに違いない。 「盗んだバイクで走り出す〜」 私が若い頃は、それを歌ってカッコいい時代だった。 私の子供にいたっては「その歌、知らん。悪い奴やね」となっている。 時代の雰囲気って、構造主義につながってるんだろうな。 著者の現代が現代じゃなくなっていく感覚に共感する。
30投稿日: 2024.12.15
powered by ブクログ他者が自分の管理欲望を攪乱することに、むしろ人は安らぎを見出す。……すべてを管理しようとすればするほど、わずかな逸脱可能性が気になって不安に駆られるのです。 構造とは、おおよそ「パターン」と同じ意味だと思ってください。 パロールvsエクリチュール(声vs書かれたもの)p48 自分が偽物になる。つまり、自分がエクリチュールになる…… パルマコン……薬でも毒でもあるもの フーコー 「支配されることを積極的に望んでしまう」ような構造がある 支配-被支配の関係もまた応答性の原理がある。 生政治と規律訓練 前者はルールで、後者はマナーといったような…… パノプティコンの構造……他者の視線の内在化が「個人的な心の発生」?p97 個人は自己監視の結果として生まれた……ピンとこないです。 「個人」というあり方は、歴史のなかでつくられた結果……p102(現実は言語によって形作られていると。) ディオニュソス的なもの=無意識 思考(表象)と現実(事物)がズレているかも、という疑問は現代人にとっては当たり前ではないでしょうか。昔はそのズレがなかったのです。p133 搾取されていても快適であるために、みずから進んで工夫をしているのではないか、ということです。p138 ラカン 自由に流動する認知エネルギーのことを、精神分析では、本能と区別して「欲動」と呼びます。 欲動のレベルで成立するすべての対象との接続を、精神分析では「倒錯」と呼びます。p152 理想的な状態から弾き出されることを「疎外」と言います。 死の偶然性と隣り合わせであるような快を、ラカンは「享楽」と呼びました。 快/不快に邪魔が入ること……「去勢」 これを手に入れなければと思うような特別な対象や社会的地位などのことをラカンの用語で「対象a」と言います。 「想像界」イメージ 「象徴界」言語 「現実界」イデア界 「鏡像段階」鏡による自己イメージの生成 自己イメージはつねに外から与えられる。……自己イメージとは他者なのです。(自己とはイメージ、言語の外側にいるのか?) 人間は言語習得との関係で世界を分節化し直すという「第二の自然」を作り出さなければ、そのなかで目的的な行動をすることができないのです。p161 人は規律訓練を求める。なぜか。認知エネルギーが溢れてどうしたらいいかわからない ような状態は不快であって、そこに制約をかけて自分を安定させることに快があるからで す。しかし一方では、ルールから外れてエネルギーを爆発させたいときもある。p167 サントーム……その人だけが持つ「特異性としての症状」 断片的に知識は集められるが、全体像はあまり見えてこない……かな? アドホック
0投稿日: 2024.12.14
powered by ブクログ人生における考え方の基礎を築くことができた。哲学を生活に実装する上での下準備という感覚。後半は少し難しく感じる箇所もあったが、本書の終盤にて「本は一度で完璧に理解する必要はないしできるはずもない」という趣旨のことが書かれていて救われた。 内容もさることながら、千葉さんの軽快な文章が実に心地よかった。
0投稿日: 2024.11.28
powered by ブクログこの本が新書大賞グランプリだった事実に、希望を持たざるを得ない。作中で著者はフーコーの難解な本がフランスのベストセラーだったことをすごいと伝えているが、令和の日本だってまだ捨てたもんじゃない。 これは現代思想の入門書なのだ。入門書とはいえ難解な表現が出てくる。しかし、なんだ、読みやすい。というか平気ですっ飛ばせる。そして平気ですっ飛ばして読んで良いのだ、読書とは不完全なのだとラストに持ってきてくれるから心が救われる。 白か黒かのような二項対立がはびこるSNS。 カラーだって透明だっていいじゃない。 「こうでなきゃいけない」にしばられなくていいと、こんなに遠回しに説得力をもって伝えてくれる本はなかなかない。そして、「こうでなきゃいけない」を外れて生きる道が苦しい理由も伝えてくれる。 難解なものも、本質じゃないものも、みんなみんな大事なんだよね。
6投稿日: 2024.10.17
powered by ブクログこれを読めば現代思想が分かるなどということはもちろんないのだけど、読んでみたいな、なんとなくこんなことを議論してるんだなというところに触れられる本。特に付録のところから読むといいと思います。いろんな大学の教養言論や、高校の倫理の授業で持ちいると良さそう。 まさに著者の狙いがきちんとしている本。
1投稿日: 2024.10.05
powered by ブクログ哲学を学ぶ意味は、自分や他人の人生を良くするとこだと思っており、現代にあてはめた事例を紹介してくれるところが良いです。日常で、二頂対立に気づくことが出来るようになりました。
0投稿日: 2024.09.29
powered by ブクログ現代思想入門 著:千葉 雅也 講談社現代新書 2653 本書は、現代思想の入門書です。 現代思想とは、1960~1990 の、「ポスト構造主義」をいう その代表者は ジャック・デリタ ジル・ドゥルーズ ミシェル・フーコー 現代哲学とは数学と同様で、これまでの基礎の上に積み重ねられ、組み立てられたものとおもっていました。本書は逆です。現代から、19世紀にもどり、そして、21世紀へという流れです。詳細は不明、雰囲気を味わったというところです。 3人の考え方は、二項対立とそこから抜け出すこと(脱構造)から始まります 気になったことは以下です。 ■デリダー デリダの著書は非常に複雑 二項対立からどっちつかずになるので、難しい 現代思想とは、「差異の哲学」である ひとつの定まった状態ではなく、ズレや差異が非常に大事、それもその状態は絶対ではなく、仮固定的である 脱構築とはすべてを破壊することではない 二項対立においては一方が優位、他方が不利であるが、逆転する場合もある 優柔不断=受動的=子供 責任ある決断=能動的=大人 マイナスにあるものを、マイナスととらえることが絶対なのか 本質的・非本質的 本質的なことは大事だというのを取り崩すのが脱構築 パロール:直接的な現前性、本質的なもの エクリチュール:間接的な再現前、非本質的なもの 脱構築の発想は、余計な他者を排除して、自分が揺さぶられず安定していたい 大人は、責任をもって決断をする ■ドゥルーズ ドゥルーズの哲学のキーワードは、差異 世界は差異でできているというのが世界観 同一性より、差異の方が先であるという考え方 A,Bという同一的なものが並んでいる次元:アクチュアル(現働的) 背後にあってうごめいている関係性:ヴァーチャル(潜在的) と呼ぶ 認識は、A,B,Cと独立的なものが、現働的に存在していると認識しているが、ありとあらゆる方向に、すべてのものが複雑に絡まっているヴァーチャルな次元があって、それこそが世界の本当のあり方である、がドゥルーズの世界観 すべての同一は仮固定である A,Bが同一性であるよりも、さまざまな方向に多種多様なシーソーが揺れ動いている、いたるところにバランスの変動がある、一時的にそのかたちをとっている ものごとは絶えずに変化している 世界は、時間的であって、運動のただなかにある ドゥルーズ+ガタリの思想 外から強制的に与えられるモデルに身をあずけるのではなく、多様な関係のなかでいろんなチャレンジをして自分で順安定状態をつくっていけ 自分を多様な活動に開いていく リゾーム 多方向に広がっていく中心のない関係性のこと、重要なのは、広がっていくと同時に途切れることもある(非意味切断) すべてが関係しているという発想と、無関係性を肯定することで、無責任をも意味している 無関係性がなければ、互いの自律性を維持できないので、無関係性こそが、存在の自律性を可能にしている ようは、関わる必要があって、関わるすぎないという按配が問われる 千のプラトー:求心的な全体性は国家に対応し、その外部には、ノマド(遊牧民)の世界がひろがっている ノマドは、戦争機械といわれる ノマドは、自由にほおっておかれたいからこそ、それを取り組もうとする国家に対しては、激烈な攻撃性で対抗する:戦争機械論 管理社会批判 言論トコミュニケーションはすみずみまで金銭に侵食されている、だから言論の方向転換が必要 ■フーコー 社会の脱構築、権力の分析 権力者・支配者に対する、抑圧されている人民という二項対立 支配されているのではなく、むしろ、支配されていることを積極的に望んでしまうという、構造がある 権力とは、無数の力関係 重要なのは、抵抗運動が実は大きな権力構造のてのひらで踊らされているという構図もありうる 重要なのは、いったいどのような権力の回路が作動しているかをクールに分析すること 統治のシステムの外を考える 正常と、以上の脱構築 正常なものは、マジョリティのことで、邪魔なものが異常だととりまとめられている その存在が取り扱いにくいと、社会的にマイナスのラベルが張られて差別される 権力の3つのあり方 ①王様の時代、②近代、③現代 規律訓練、自己監視する心、やわらいことばではしつけ 生政治 内面の問題ではなく、即物的なレベルで機能するもの 規律訓練に対する抵抗 近現代は、規律訓練と生政治の両輪で動いている よかれとおもってやっていることが 長いものにはまかれろになり 即物的に解決すればいいので、強制 との3段階になっていく 新たなる古代人 自己との終わりなき戦いをするのではなく、都度注意をするもの。自己への配慮を行う ■現代思想の源流 19世紀の思想家 ニーチェ、フロイト、マルクス 秩序の外部、非理性的なものを取り扱った人物 ニーチェ:混乱つまり非理性をことほぐことは哲学史において、最初にはっきり打ち出したのはニーチェだった フロイト:精神分析と哲学の関係 無意識の発明者、精神分析の実践と作用、自由連想法 マルクス:力と経済 資本と労働の二項対立 人間には本来、好きに使えるはずの力があるのに、偶然的な立場の違いにより、搾取されている ■精神分析と現代思想 ラカン、ルジャンドル 難解な哲学者ラカン 人間は過剰な動物である、そして秩序からの逸脱性 人間はエネルギーを余らせている 本能:第一の自然 制度:第二の自然 主体化と享楽 欠如の哲学 ルジャンドル ドグマ人類学 人間のOSを研究しよう、独断的形而上学 行きどまりのこうだからこうだという命題につきあたることになる 人間をリベラルに説明しようとしてもキリがない 人間とは、外からの構築が必要、それが第二の自然である 儀礼:ルーティン ■現代思想の作り方 4つの原則 ①他者性の原則:他者探しをする ②超越性の原則:根本的前提のレベル:人間のOS ③極端化の原則:主張を極端にまで推し進める ④反常識の原則:受け入れにくい帰結それこそが常識の背後にあるという概念 ■ポスト・ポスト構造主義 21世紀における現代思想 数学の哲学と、マルクス主義の見直し 思弁的実在論:人間の意味付けとは関係なく、それ自体として存在している事物の方へ向かう オブジェクト指向存在論:あらゆる存在者は、絶対的に無関係に存在していて、関係は二次的なもの 相対主義 内在性の徹底:ハーマン、ラリュエル 目次 はじめに 今なぜ現代思想か 今なぜ現代思想を学ぶのか 入門のための入門 ポスト構造主義とポストモダン 構造主義 二項対立の脱構造 グレーゾーンにこそ人生のリアリティがある 第一章 デリダ――概念の脱構築 独特なデリタのスタイル 二項対立からズレていく差異 パロールとエクリチュール 二項対立の分析 非本質的なものの重要性 近いか遠いか 脱構造の倫理 未練込みでの決断をなす者こそ「大人」 第二章 ドゥルーズ――存在の脱構築 ドゥルーズの時代 差異は同一性に先立つ ヴァーチャルな関係の絡まり合い すべての同一性は仮固定である プロセスはつねに途中である 家族の物語ではなく、多様な実践へ ダブルで考える 「すぎない」ことの必要性 ノマドのデタッチメント 管理社会批判 接続と切断のバランス 第三章 フーコー――社会の脱構築 権力の二項対立的図式を揺さぶる 「正常」と「異常」の脱構築 権力の三つのあり方 規律訓練-自己監視する心の誕生 生政治ー即物的コントロールの強まり 人間の多様性を泳がせておく 「新たなる古代人」になること ここまでのまとめ 第四章 現代思想の源流――ニーチェ、フロイト、マルクス 秩序の外部、非理性的なものへ ニーチェ―ディオニューソスとアポロンの拮抗 下部構造の方へ フロントー無意識 精神分析の実践と作用 無意識と偶然性 物語的意味の下でうごめくリズミカルな構造 近代的有限性 マルクスー力と継続 すべての人が自分自身の力を取り戻すには 第五章 精神分析と現代思想――ラカン、ルジャンドル 現代思想の前提としての精神分析 人間は過剰な動物である 本能と制度 欲動の可塑性 ラカンー主体化と享楽 去勢とは何か 欠如の哲学 つながるイメージの世界と言語による区分 現実界、捉えられない「本当のもの」 ルジャンドルードグマ人類学 儀礼による有限化 否定神学批判 第六章 現代思想のつくり方 新たな現代思想家になるために 現代思想をつくる四つの原則 デリター原エクリチュール ドゥールズー差異それ自体へ レヴィナスー存在するとは別の仕方で 四原則の連携 ポスト・ポスト構造主義への展開 ラマブーー携帯の可塑性 メイヤスー絶対的な実在とその変化可能性 第七章 ポスト・ポスト構造主義 21世紀における現代思想 思弁的実存論の登場 意味付けの外にある客観性 実在それ自体の相対主義 内在性の徹底-ハーマン、ラリュエル 複数性の問題と日本現代思想 有限性の後での新たな有限性 複数的な問題に有限に組み込む 世俗性の新たな深さ 付録 現代思想の読み方 読書はすべて不完全である 現代思想を読むための四つのポイント 原文の構造を英語だと思って推測する レトリックに振り回されず、必要な情報だけを取り出す 固有名詞や豆知識を無視する 概念の二項対立を意識する ケース1:「なんかカッコつけてるな」 ケース2:「カマし」のレトリックにツッコまない ケース3:お飾りを切り詰めて骨組みだけを取り出す ケース4:言い訳の高度な不良性 おわりに 秩序と逸脱 ISBN:9784065274859 出版社:講談社 判型:新書 ページ数:248ページ 定価:900円(本体) 2022年04月01日発行
17投稿日: 2024.09.21
powered by ブクログこの本を読もうと思ったキッカケは、以前読んだ「過剰可視化社会」の著者と、本書の著者である千葉雅也さんの対談内容が面白かったから。 何でもかんでも物事を単純化して考えようとするこのご時世にあって、複雑なことを単純化せずに考え、答えを見つけていくのはとても難しい。 読み進むにつれ内容も難しくなっていきましたが、読み終わった後には、自分自身を外部から俯瞰して見ることが出来るような気がして、ちょっとした哲学者気分が味わえました(笑) 哲学ってなんか仏教と似てるかも。
1投稿日: 2024.09.18
powered by ブクログ読みやすい。とても頭の中が整理される。 ドゥルーズなど、現代の哲学を読もうとするとどうしても前提となる知識が膨大でわからなくなってしまう。その課題をこの一冊で解決できるくらいのポテンシャルがあるなと思う。 しかし一回読んだだけではわからないので、こまったらどういうこと?と、人に照準を合わせて読み直してみるのがよいなと思う。
5投稿日: 2024.09.03
powered by ブクログはい、千葉雅也さん『現代思想入門』です やばいウルトラ分かりやすい それにしても、こういう本がベストセラーになる日本てなんかすごいなって思うんですよね もちろん素晴らしい本なんですが、新書大賞だから、とか売れてるからって理由で手に取る人がほんとにたくさんいて、ベストセラーがベストセラーを呼ぶっていうのかな それ、ありますよね まぁ、日本に限らずなのかもしれんけど、特に日本人はそういう傾向が強いのでは?って思います わいは違うからね ちゃんと哲学って奴に興味があって勉強したくて手に取りましたからね はい、出ました!「二項対立」! 哲学方面から興味を持って本書を読むことを「ちゃんとしてる」って捉えると、それ以外のアプローチは「ちゃんとしてない」ってことになるよね つまりは「うわ、めっちゃ売れてるやん。ちょっと読んでみるか」は「ちゃんとしてない」って言ってるわけ で、この「現代思想」ってのはめちゃめちゃざっくり言うと、「そんなことないよ!ありだよ!」として、じゃあどのへんが「あり」なのかを考えてみよう!って話なんよね そして、「あり」ってすることで生まれるものもたくさんあるんじゃね?あるいは、別にそんなかっちりものごと決めなくてもいいじゃん!的な もちろん、そんな数行で言えるようなことでもなく、もっと色々あるんだけど、ここでは一旦そういうことにしときますね で、じゃあこの思考方法、論理を実際の生活に当てはめて問題解決に役立てよう!ってのが「哲学」を勉強する意味だと思うわけね 「二項対立」を意識したときにこっちは良いから、あっちはダメーじゃなくてねってことを意識することで見えてくる何かがあって、それはきっと人生を前に進めるのに役に立つ!かもよ
66投稿日: 2024.08.26
powered by ブクログメンタルを病んだ後、回復期から白黒思考やべき思考を手放しながら、社会や自分を知る旅を続けてきた。 環境も変えたし、仕事もパイプを増やし、ちょっとずつ自分を開いてきた。 自らドゥルーズ+ガタリ的なことをやってたのかもしれないと思うと、にやっとしてしまった。 「身体の根底的な偶然性を肯定すること、それは、無限の反省から抜け出し、個別の問題に有限に取り組むことである。」
0投稿日: 2024.08.19
powered by ブクログデリダ、ドゥルーズ、フーコーというフランス現代哲学の3人の哲学の入門の入門ということで、脱構築という考え方をとてもわかりやすく解説してくれている。3人の哲学の土台となっているという、ニーチェ、フロイト、マルクスの解説もある。 何事もきちんとしようとする、やや窮屈な方向に進みがちな現代社会似合って、物事を二項対立で捉えないという考え方は、心にゆとりを与えてくれるのではないか。学生時代に学んだフーコーの哲学における位置づけがよくわかったのもスッキリした。 最後に、最新の哲学者たちの思想についても紹介されていたが、短い記載なのもあって、そちらは難解だった。。
4投稿日: 2024.08.14
