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イノセント・デイズ(新潮文庫)
イノセント・デイズ(新潮文庫)
早見和真/新潮社
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総合評価

851件)
4.0
241
359
172
22
6
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    相手を想う気持ちは、上っ面だけの言葉や自己満足な行動ではなくて、想いの乗ったものでないと伝わらないのだと改めて思う。誰か1人でも人生の中に自分を必要と思ってくれる人がいる事は、それ自体が人として生きる事の意味のなのかなと思う。

    9
    投稿日: 2019.01.24
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    何度も何度も読み返す好きな本のひとつです。生き方が下手。 でも、あの事件を人生を終わらせる為にチャンスに使う勇気。 怯まない……最期まで死ぬ為に生きる。その場所に行くまでは生きる。 雪乃という人間に引き込まれたけど、周りの遅すぎる手助けには『人って、そんなもんか』みたいな気持ちになった。

    6
    投稿日: 2019.01.20
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    生きるとは何か。 信じるとは何か。 内容は特にラストは儚いが、ページをめくる手は止まらなかった。 重い感情をしばらく引きずりそう。。。

    6
    投稿日: 2019.01.20
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    色々な人目線の田中幸乃のエピソードが繋がっていき、続きがどんどん気になりページをめくる手が止まらなかったです。読み終わった後は、全てを知ったスッキリ感と、言葉にできないような複雑な気持ちになりました。

    6
    投稿日: 2019.01.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2019.1.13 はじめてこの作家さんの作品を読んだ。 慟哭のミステリーと書いてあり本の帯が辻村深月さんのコメントだったので手に取ったのですが、正解でした。 死刑判決が下されるところからスタート。幼い頃の印象からどうやったらその結末になるのかとドロドロ展開を想定していたのに、はじめ主人公に抱いた印象はずっと変わらず。衝撃のラストというわけではなく、かなしいけれどすとんと腑に落ちる感じ。

    4
    投稿日: 2019.01.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み始めてすぐは、裁判を傍聴するのが趣味の 女性が主人公かと思った が、読み進めていくと ここで死刑判決を受けた女性の話なのだと気づく そしていろいろな人が彼女について語るうち そのイメージが全く変わっていく 終盤、これはもしかしてもしかするのか? とずっと期待していたのに 結局何事も無く終わるのか どうせあそこまでやるならなんとか救って欲しかった 読後感がもや〜っとする

    4
    投稿日: 2019.01.12
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    事件前夜 判決以後 第68回日本推理作家協会賞受賞 著者:早見和真(1977-、横浜市、小説家) 解説:辻村深月(1980-、笛吹市、小説家)

    0
    投稿日: 2019.01.07
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    読みやすいだけの作品。人物描写、主人公の言動の理由、すべてが薄い。後味が良い悪いとかストーリーとか、そのような要素以前に小説家としての構想力、文章力に欠けている。

    1
    投稿日: 2019.01.05
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    章ごとに主人公(?)を取り巻く人のエピソードと、主人公本人のモノローグで進む。 ドラマ化記念の帯に、 「読後、あまりの衝撃で3日ほど寝込みました…」 って書いてあったけど、納得。 もしあのとき○○だったら……と何度も考えさせられる作品。

    2
    投稿日: 2019.01.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    会社の先輩にお勧めしてもらって読んだ。 元恋人の家に火をつけて、母子3人の命を奪った死刑囚の話。 冒頭で言われる判決理由が目次となっていて、その真相が周りの人や本人の目線で語られる。 マスコミの情報や判決理由で知る幸乃の人柄と、実際の幸乃が違いすぎた。真相がしりたくてどんどん読んでしまった。 これを読んで、人からきいた話だけで誰かの人間性を決めつけるのはやめよう!と思った。

    4
    投稿日: 2018.12.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    p445 もし本当にわたしを必要としてくれる人がいるんだとしたら、もうその人に見捨てられるのが恐いんです。 それは何年もここで堪え忍ぶことより、死ぬことよりずっと恐いことなんです 女が男に振られた腹いせに、男の住むマンションに放火。男の妻と、妻のお腹の子どもと、2人の幼い命を奪うーそんな凄惨な事件の報道から物語は始まる。裁判で出た判決は死刑だった。 女がこの世に生まれた時から、事件当日に至るまで、それぞれの時代にもっとも関わりが深い人物を主人公として、女の過去を辿る。次第に凶悪な女は「無垢な女の子」に姿を変えてゆく。 読み進めていくうちに、女の子は本当に犯罪を犯したのだろうかという疑念すら湧いてきて、終盤にその疑念は確信に変わる。しかし、時刻はすでに刑の執行後を指しており、間に合わない。無実の罪で、1人の命が奪われた。 いままで小説を読んできた経験では、無罪の発覚が先か、死刑の執行が先か、分からないように工夫されそうだが、もう救いがないことがはっきりと分かってしまうのは初めてだった。慎ちゃんが彼女がすでに亡くなっていたと知ったら、どう思うだろう。彼女の無実を知ったとき、皆はどう思うだろう。 彼女は、最期を迎えるときに、何を思っただろう。

    6
    投稿日: 2018.12.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    長く読み進めることによって、最後に各人物の行動とか言動とか考え方とかの意味がわかるんだろうと、期待していたのが間違っていたかも。いろんな人物が出てくるのだから、それぞれの背景とかがもう少しわかればよかったのに、と少し残念。読み進めるには、結構面白かっただけに、残念。刑務官が一番なぞ。

    1
    投稿日: 2018.12.23
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    有吉佐和子の『悪女について』を思い起こさせるが、中心にいる女がまるで違う。 なんだろうもう。辛い。辛いとか、じゃないけど辛い。 慎ちゃんのモチベもいまいち読めないし、翔のはしゃぎっぷりも謎だし。もう一歩踏み込んで欲しかった。なんか、こう、もう一枚。

    2
    投稿日: 2018.12.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    幸乃が四つん這いになって、死ぬために意識を途切れさせないよう生きる姿が、読んでいてつらかった。 死ぬことを望んできた幸乃が、この一瞬を生きようと抗う姿の先にあるものが死なんて、心が痛くなるなんて表現じゃ足りないくらい切なかった。 しかし田中幸乃という1人の女性の物語を読んできたから分かることだけど、彼女は死ぬことを強く望んでいた。 読者からすれば、彼女に生きていてほしいと、救われてほしいと思うけど(慎一間に合って!)、それこそ押し付けがましい傲慢なのかもしれない。 幸乃だけが死ぬことを望んでいて、その願いが叶う瞬間の笑みは、言葉では表せない美しさがあったんだと思う。 新しい何かを見た気がした。

    6
    投稿日: 2018.12.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ズッシリきた。人それぞれ自分の生き方があるんだよな、と思う。 早見和真 他の作品も読んでみたいです。

    3
    投稿日: 2018.12.02
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    とにかく重くて暗い。 でもページをめくる手が止まらない。 あぁ…そうだったのか…という鈍い衝撃。 読後の余韻がすごかった。 おもしろいという表現は正しくない気がするけど、人に勧めたい一冊でした。

    6
    投稿日: 2018.11.22
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    一言で言えば、救われない話でもあるし救われた話。 ハッピーエンドが好きな私は結末だけ聞いたらきっと読まなかったかもしれない。 だけど不思議と、読み終わった後の結末に不満や憤りはなかった。 被害者の行動が公にならずに裁かれないのはムカついたけど、これが現実なんだよな。 この理不尽さ、実際にニュース見てても感じることがある。 今後の生き方を考えさせられる話だった。 自分の中での正義を人に押し付けちゃいけないし(たまには立ち向かうことも必要だけど)、決めつけちゃいけない。 1つの事で他人の人生を狂わせるかも知れないし、逆に狂わされるかもしれない。 人に誠実に、真摯に生きること。

    2
    投稿日: 2018.11.19
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    淡々と重い。 死ぬために生きているような、そんな女性の話。 こんな生き方を選ばざるを得ない人もいる。 ただ、そんな雪乃を救おうと思う人、 雪乃を想って涙を流す人もいるって事が、救いだった。 途中でインターバルを挟んでしまったが故 次読み始めてから読み終わるまでが、 とっても体力のいる本だった。

    1
    投稿日: 2018.11.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    元恋人の家に放火し、妻と双子の子供を殺害した罪で死刑判決を受ける田中幸乃。彼女を知る知人や友人達から語られる女死刑囚の本当の姿とは…。 “重い”や“暗い”、“救いがない”という感想では言い尽くせない“何か”が本書にはある。もちろん、“重”くて“暗”くて“救いがない”ストーリーなのだが、不思議と駆け抜けた感動というか、心が打たれてしまう。田中幸乃は、そういう人物で、彼女が選んだ生き方は、人にそう思わせるものだった。 彼女の友人達が尽力し、掲げた「正義は一つじゃないかもしれないけど、真実は一つしかないはず」(421頁)の気持ちは、決して幸乃に届かなかったわけではなく、届いているからこその彼女の決断だったと思えば、佐渡山刑務官の「私は見届けなければいけないのだ。彼女が死ぬために生きようとする姿を、この目に焼きつけなければならなかった」(444頁)覚悟が理解できる気がする。「生きたいというかすかな衝動を、死にたいという強い願いで封じ込めた」(449頁)彼女は、これまでの人生の全てと引き換えに、自分に残された最後の権利=死ぬ権利を自らに課したと思うと、田中幸乃という人物の死が神々しく見えた。 彼女の死を見届けた佐渡山刑務官は、彼女の亡骸に「おめでとう」という言葉が相応しいと言うが、とても共感できる。田中幸乃という生き方を貫いた一人の死刑囚を、きっと我々は忘れない。

    6
    投稿日: 2018.11.13
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    何なんだこの本…冒頭から引き込まるけど、感情がザラザラするし、怒りなのか、悲しさなのか?複雑になる。読み終わるまで続いた。 人に必要とされたいという思いは、誰でもある。そして人が生きていた過程の中で何を求めるかも違うだろう。 主人公は、あまりに無垢で、身体も弱く表現力がない。周りの人々の環境も良くない。そんな中でも大人になり、やっと見つけた、たった一つの小さな希望を奪われたら…と思うとこんな風になってしまうのだろうか… 人の幸せって何なんだろ…本を読むと本人でしかわからない事が分かる… 他人の物差しで測れない境地が確かに全ての人に当てはまると思った。 私達からみたら主人公は不幸だが、所々で主人公が、それに対して怒りを見せる事が私も分からなかったけど読み終わると理解ができる…しかし悲しい…と思ってしまう。 この本は、落ち込んでる時には読まない方が良いと思います。私の中でかなり印象的な本になった… 最後に、色んな本を読んだけど、この本でマスコミの報道は表面上の事だけと思うようになった。

    12
    投稿日: 2018.11.03
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    最初と最後では幸乃の印象が全然違くなる。悲しい人生だ。もっと幸乃の人生にかかわった人が声をあげていれば結果は変わったのに。 とにかくやりきれないお話。

    4
    投稿日: 2018.11.02
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     ある若い女性死刑囚のことを振り返ってゆく物語。なぜに彼女はそんなに残酷な犯罪をすることになってしまったのか、ということを振り返ってゆく筋立て。そのあたりは「悪人」にも似ているような気がした。一気に読んでしまい、読後もいつまでもこの本の存在感が続く感じ。

    6
    投稿日: 2018.10.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人の心はこんなにカサカサになってしまうのだろうか。 人間関係の希薄な幼少期を過ごした主人公、時に自分を慕ってくれる人に出会うが、結局それも長くは続かない。 それがゆえに、人に必要とされることを渇望し、けれどそれとは裏腹に裏切られることを恐れ、人との関係を持つことをしない。 なんとも切ない。 けれど、この切なさは客観的にしかわからなかった。 ほとんどの登場人物に感情移入できなかったからだ。 特に中学時代の友人に対する依存は、よくある話なのだろうが、読んでいて気分が悪くなった。 自分がどう見られているかに過敏になり、自分の価値は付き合う友達で決まると思っている。 くだらない。 けれど、本書が文学賞を取ったことも、多くの人に読まれることも、その理由はこの辺にあるのではないかとも思う。 皆、同じような経験をしているのかもしれない。 イノセント(無垢)であることは、時に害悪になりうることもある。 最後まで切ない内容だった。

    3
    投稿日: 2018.10.18
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    双子の姉妹とその母親を放火で殺した罪、主文から始まるエピローグ 彼女の何がそう行動させたのか?周りの人はなぜ違和感なく受け入れるのか?そんな心の引っ掛かりを持ちつつ、彼女の歴史を一つずつ、紐解いていく。伏線も多く、登場人物のワンエピソードに隠れる仕掛けがミステリーに相応しい。読了感は人それぞれあると思うが、私は良かったっと素直に感じた(^^)

    0
    投稿日: 2018.10.15
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    「生きる」とは? そんなことをずっと考えさせられる作品でした。 終盤は涙目で読んでたんですが、その涙はなんの感情なのか説明できません。いろんな感情が入り混じっていました。 賛否両論の作品かなと。読者の感覚にマッチすれば、ものすごくココロを揺さぶられると思います。

    1
    投稿日: 2018.09.28
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    育った環境によって徐々に転落していく主人公とそれを救おうとする旧友たちの話。 帯に書かれたコメントほどの衝撃はなかつた。

    0
    投稿日: 2018.09.28
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    重い話。 一人の女性の人生。 死にたかった女性。 彼女は最後の瞬間何を思ったのか。。 生まれ変わったら、、今度こそ幸せになってほしい。 小説上の人物だけど、そう思ってしまうほどのめりこんでしまった。

    4
    投稿日: 2018.09.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本を買った時の帯を捨ててしまったのだけど。確かに、最後の書評で辻村さんに書かれているように、救いがない、とか、数日寝込む、とか、そういうことが書かれていたような記憶がある。でも、正直な感想は、そうか?という感じだった。 確かに最終的には、慎ちゃんの望む結果にはならなかったかもしれないけど、読んでいる私自身、幸乃を信じ続けることができた清々しさがある。 そりゃ慎ちゃんが間に合って、世の中的に事実が開けっぴろげになったらスッキリはするのかもしれないけれど…これもまたエゴなのか、と。そういう意味では確かに、何が正義かわからなくなる、切なさはあるよなぁ。 よい本でした。

    1
    投稿日: 2018.09.22
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    ハッピーエンドになるようなどんでん返しがあるわけじゃない ただ淡々とある女の人の人生を垣間見ているそんな本 たしかに、正義とは法は、警察とはってことも重要なのかもしれない 私たちにとっては死刑囚、冤罪そうゆうラベルをはって見てしまう でもその本人にとって人生はこうゆうことがあってってゆうのが大事で、その結果、この話はわたしにとってはこうなるべき終わりであったし、これは不幸なんかじゃない 彼女が決めたことなんだから

    1
    投稿日: 2018.09.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    暗い本だった。 何がいいたい本のかな…。 人は必要とされることで、 生きられるってことなのかな。 だとしたら、やり直せる話にもできたのに、どこまでも暗くしてるから、もっと違うことが言いたかったのかな。

    0
    投稿日: 2018.09.17
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    田中幸乃を取り巻く、様々な人間模様。 後味がなぁ…あんま良くないんだよなぁ。。 ここまで生きることを諦めている、本当はそんな事もなかったけれど、、それなのに気にかけてくれる、まあ、慎一の場合は自分の罪を被せてしまった罪の意識もあるだろうけれど監視役の彼女とか、聡とか…無罪を主張するために動く人がここまでいることに…。最後だけ彼女は生きることをあきらめないでいようとしたみたいだけど。。

    0
    投稿日: 2018.09.17
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    突然見知らぬ誰かが現れて「さあ、どうぞ」と勝手にトビラを開き、暗闇のなかをひたすら掻い潜るハメになってしまった、そんなザラザラとした錯覚に陥る。 精神的に滅入っている時は読まない方が良いし、 平常な時に読んでも「うう……」と唸りたくなる、でもそうしてひとの情緒を振り回しながらも、続きを読み進めたくなる洗脳的小説を「1人の人間」が書ききれる事に感動した。

    3
    投稿日: 2018.09.16
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    濃密かつ重厚。 ミステリーとしては驚きはない。 「そうだったのか!」ではなく「そうだったのか・・・」。 自分が希望する結末ではなかったが、これが正しい結末だとねじふせてくる著者の筆力は凄まじい。 きっとこれが幸せな結末なんだろう・・・

    6
    投稿日: 2018.09.13
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    オススメされたので読んでみたけど、私にはこの本の良さが分からなかった。けど、特につまらないって訳でもない。

    0
    投稿日: 2018.09.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    イノセントの意味は、純粋、そして無実…。被害者と加害者は密接な関係にあり、かつて被害者だった人が加害者になってしまう負のサイクルは珍しくない。しかし幸乃は、(傍から見たら)不幸であり多くの被害を受けつつも、最期まで無実だった。私はなんとか死刑から逃れてほしいと願うが、幸乃は死を望んでおり、しかし自分では死ねず、死刑という形で死ねることを望んでいる。幸乃にとってそれが幸せなら、それが最善の最期だったのだと、自分に言い聞かせるが、なんとも葛藤が残る。しかし、死ぬためとはいえ、幸乃が最後に見せた生きるために抗う姿はとても美しく、心に響いた。生きるためには誰かを信じなくてはならない。信じられる人がいることに感謝しながら、日々を過ごしたいと思った。

    5
    投稿日: 2018.09.11
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    生まれてきてすいませんと言い、死にたいと幸乃は願っていたけど、周りには、一時的でも確かに彼女を必要とした人がいた。 でも、人が人を必要とする時、そこには自己満足やエゴがある。子供の頃は純粋に楽しく過ごしていたのに、大人になると純粋な関係ではいれない。 幸乃は、大人になっても純粋無垢なままでいたばかりに、そんな周りの大人に振り回されていく。 正直言って、登場人物にはほとんど共感できなかった。 みんな誰かに依存し、みんな自分勝手すぎる。 でもこれは誰もが持ちあわせるところで、こういう環境にいたら誰もが同じ状況を招いてしまうかもしれない。 読みおわってすぐの今は、どんな感想が正しいのかわからない。この結末がよかったのか悪かったのか。 この後、ゆっくりと幸乃の人生の物語を反芻してみようと思う。

    2
    投稿日: 2018.09.09
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    主人公のキャラクターがとても興味深く、どんどん惹かれるものがありました。 切ない感情を揺さぶられる反面、最後この子はどうなってしまうのか?という結末がとても気になり、また、文中に出てくる様々な布石がその結末のヒントなのか?!と夢中で読み進めました。 個人的には、もっと布石が絡み合った末の波乱万丈の結末を期待していましたが、想像よりもシンプルだったところに少しだけ物足りなさを感じました。 ただ、読んでいるときのわくわく感はすごく味わうことができました。

    2
    投稿日: 2018.09.05
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    幸乃が不憫で不憫で。。 幸乃の人生は悲しいまま幕を閉じたけど、それぞれの視点で語ってた全員が間違いなく幸乃を必要としてたことに気付いて欲しかったな。。 このストーリーの結末としては完璧なラストでした! 早見作品、好きかもー。

    5
    投稿日: 2018.09.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すごく悲しい気持ちになった。 最初はどんどん堕ちていく幸乃の人生が悲しく応援したくなる。読みおわって何日も経ったけど今でも心がキュッとなる。 最後の慎ちゃんが頑張るところは長く少し退屈に感じた。

    4
    投稿日: 2018.09.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    非常に切ない物語 死刑囚への刑執行という冒頭から、なぜそこに至ったのか? 関係者の視点で様々な角度から主人公幸乃の人生を紡いでいく。 こんなに不幸な人生ってあるんだっけ? でもそれは他人から見たらという事かもしれない。 本人にとってどうか?ということは本人にしかわからない。 人から必要とされたいという思いは誰しもが有するものすごく大事で自然なことだと思う。 ただ必要とされるのであれば、暴力を振るわれても一緒にいることを厭わず、一緒にいてくれることに感謝までするなんて事が自然とできるのか? 私には理解できないのだが、その人の過ごしてきた人生の中で培われてくるものなのかもしれない。 また主人公を取り巻く人々においても、気持ちを伝えることがうまくできないもどかしさを持っており、それが重なって表現されることでどんどん切なくなる。 勝手な第三者の何気ない一言がものすごく人を傷つけるし、マスコミのセンセーショナルな報道が世の中を捻じ曲げる部分もあるんだ。 それにより傷つく人もいるし、逆に守られる人もいる。 本当の真実を伝えられる人はいるのだろうか?

    1
    投稿日: 2018.08.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人の嫌な弱い部分をつきつけられて追い詰められる内容なのに書き手の技量かとても読みやすく、引き込まれる本でした。ただ読み終わっても救いはなかったなー。どこかにもっていきようはなかったのか 不幸という言葉で片付けるにはあまりにも薄っぺらいけどやっぱり不幸な話でした。

    1
    投稿日: 2018.08.22
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     知り合いからのおすすめ本。自分の守備範囲の本屋大賞にもこのミスにもランクインされてないのでノーマークだったけど土漠の花とともに2015年の日本推理作家協会賞を受賞してるし、今年WOWOWの連続ドラマW でもやってたらしい売れてる本のもよう。  死刑執行目前の死刑囚の幼少の頃から事件が発生するまで、そして逮捕、裁判から拘置所の生活をそれぞれの時代で関連した人とのドラマを丹念に追っていき、何故犯罪を犯すに至ったのかや、本当に犯罪を犯したのかを追求していく話。  過酷な生活環境に身をおく主人公の過去の話はキツいけど、冤罪かどうかを調べていくところはミステリーっぽい。 登場人物の人物描写が緻密でリアル、心の動きにのめりこんでしまうのと、話の展開が読めなくて次が気になって一気読みする小説。同一人物が違う人物の視点で語られたとき、キャラが変わってしまう違和感が若干あるのと、いまいち、登場人物の心の動きに納得できなかったり共感できない部分はあるけど、全編興味が持続し最後は圧倒的な迫力で心が揺さぶられる。  基本的に読みやすいので、落ち着いてじっくり読めるし、ほんと久しぶりに途中で前のページを読み返して登場人物を確認したりして丁寧に読めた。

    5
    投稿日: 2018.08.21
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    元恋人をストーカーし、放火殺人を犯した女が死刑判決を受け、女の恵まれない境遇や元恋人つながりの人間模様や元親友達や、義母の生い立ちや義祖母らの人間模様から過去が掘り下げられていく。女が整形を受けていた事実や、慎一の過去なども掘り下げられ、事件の全容解明へと向かい、反省の弁を見せず、死刑判決は当然だと感じる女の様子が伺える。女の孤独の境地と人柄が災いして救いの手を差し伸べることがなかったという恵まれない境遇や悲しい人生を思うと切なさとやるせなさが残る読後感。慎一は新たな人生を踏み出し、今後が気になる。

    2
    投稿日: 2018.08.19
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    2018.08.14 元交際相手の妻と双子の子供を放火殺人の罪で死刑判決となった女性の半生 幼少期の友人 義姉 中学時代の友人 元カレの友人 判決文に沿ってこれらの視点で彼女生涯が描かれる 最後は死ぬために生きた?やっぱり救いがないと感じるのは浅いのかな。

    4
    投稿日: 2018.08.14
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    ある程度連続で読んでしまわないとダメですね またやってしまた 読み終わるまでに1ヶ月くらい費やしちゃったからね 最初の状況とか登場人物とか全部忘れちゃうんだな、コレが… なので、後半読んでて、この人誰だっけ? みたいな… 時系列も行ったり来たりするので更に困惑しました。 最後、よくわからんかったのが、何故、真犯人が分かったのに 死刑が執行になったのかという疑問もあるけど たぶん自分がぜんぜん分かってない気がする… ともかく時間がある時に読むのをお勧めします。 チョビチョビ読みはダメ、ぜったいっ!

    0
    投稿日: 2018.08.13
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    目の前で見えること聞こえることはどこまで真実なのか。したしい人の本当の気持ちってどこまで気づいてかるのだろうか。 あと数日違えば、彼女は幸せになれたのかな。それは周りの自己満足にはならなかったのかな。互いの想いが合致するって難しい。

    3
    投稿日: 2018.08.06
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    最初は幸乃が怖かったです。ですが読み進めていくうちに、幸乃が心配で、目が離せなくて、必ず幸せになって欲しくてページを捲る手が止まりませんでした。最後に幸乃は自分の願いを叶えるために自分と向き合い自分に勝ちました。その願いはとても悲しいもので、読んでいた私自身も幸乃の周りの人も誰も救われませんでした。幸乃の事を信じて待っている人の思いは彼女に届いたと思います。こんな結末の本もあるのだなと思いました。

    6
    投稿日: 2018.07.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どの登場人物たちも皆、何かしら共感できない点を抱えてる。 そういった中でも、それそれの最後の行動は納得はできた。幸之が最後に自分の病に打ち勝つシーンは、短いながら何かを成し遂げたのだということをわからされる描写だった。

    2
    投稿日: 2018.07.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    店頭でなんとなく見つけて購入した本。 あまりの内容に2日かからず一気に読み終えてしまった。 なんだろう。読後感はさほど悪くない。 最後の最後、また倒れてくれと私も読みながら思ったけど、その瞬間を読んだときにこれで良かったのかなとも思ったり。 ただ、慎一や老婆のことを思うとやりきれないなと思ったり。 ちゃんと慎一に伝えてくれよと思ったり。 それにしても、警察小説が大好きな私としては、いくら犯人がするすると認めたからと言って、ほんとにやったのでなければ供述におかしな点が出るものではないのか?という点が不満。 目撃証人が出たことが決め手かなとも思うけど。 まあそんなことはこの話にはさほど重要なことではないか。。 でもおかげで、慎一が彼女はやっていないと最初に言ったときは、そう信じたいのはわかるけど、なんて思ってしまった。 本人の記憶をたどった時に初めてあれ?何もしてないの?と疑問が湧き始めた感じ。 しかししばらくは軽めの作品を読みたいなと思ったのは確かです。

    6
    投稿日: 2018.07.17
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    人はこんなにも孤独になれるものなのか・・・ 読み終わったとき、あまりの恐ろしさに鳥肌が立ちました。 人が生きようと思う力の源が 『人から必要とされること』ならば、 彼女を必要としていた人たちは いつも必ずいたはずなのに。 『必要な存在』と、便利な存在 利用できる存在は違うのだということを なぜ彼女はわからないのだろうと 読みながらイライラを感じていたのだけれど 最後まで読んで気付いたのです。 そんなことをわかった上で、それでも彼女は誰かに必要とされることを望んでいたのだと。 そのあまりの孤独感に私は身震いしたのです。 今の世の中は、マスコミが白いものを黒く見せようと思えば 簡単に黒い虚像をを作り出せてしまう世の中です。 こんなにも情報が溢れる世の中で、 私たちは何を信じ何を白だと判断すればいいのか・・・ 途方に暮れてしまうのでした。

    3
    投稿日: 2018.07.16
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    「イノセント・デイズ」 早見和真 やっと読みきった。。 終始暗いテンションで読んでる私まで気分が落ちてくるので、なかなか進まず。。 最後で何か衝撃を期待していたけれど、。 結果が想像ついてしまい、そのまま後半20ページ程残し放置してしまってた。。 何度も何度も人が離れていく辛さを経験すると、期待なんてできなくなるのだろうか。。。 闇の中に閉じこもってしまったら、救いの手が出されても、何も響かなくなるのかな。 とても悲しい。。(ノД`)

    3
    投稿日: 2018.07.14
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    ”本の雑誌年間ベスト”から。読ませるミステリかなと思って手に取ったけど、期待以上でした。アンハッピーエンドも含め、かなり自分のストライクゾーンど真ん中な感じ。なぜ、死刑受刑にこだわり抜くのか。それを突き詰めていく物語だけど、常軌を逸しているとも思える頑なな態度とか、それでも無罪を信じる想いとか、とても読まされます。チラッと頭を掠めたのは”永遠の仔”。でもこちらは一冊完結。凄いです。

    6
    投稿日: 2018.07.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    誰もが逆転劇を望む中、解説でも書かているように救いがないと感じるのは読者の心であり、幸乃にとってはこれが救いなんだという決定的な分岐を生み出していることが本書の核心なのだろう。

    4
    投稿日: 2018.07.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    愛に飢えて、裏切られることが耐えられないからあえて自分を捨てる、そして他人からのいいなりの人生を歩むことを良しとし、自分には守るものがないという理由だけで他人の罪をかばう薄幸な幸乃を中心に物語は展開します。 彼女の幼馴染たちは、小学生のころ「丘の探検隊」をつくりお互いを大切に守り抜くことを誓う。 でも、小学生のころの約束なんて、多くの人間にとってさほど重要ではなかった、幸乃を除いては・・ 幸乃は人との争いが嫌いで、自分が悪者になることでその場が収まるのならあえて反論もせず従容と受け入れる、そして、周りからすればそんな都合のいい女を利用しようとする人間の方が多くて、彼女のガラス細工の心はズタズタにされていく。 しかし、彼女はそうした自分を利用する人間を恨むのではなく、とことん信じようとする・・別れがつらいから。 そして、関係のない罪で死刑宣告された彼女を知ったかつての幼馴染たちは、遅まきながら彼女の力になろうとするが・・ この小説を読み終えて、思ったことがあります。 心優しい人間の方が損をする社会って何だろう? 現実には、要領の良くて自己主張の強い人間の方が社会では重宝されています。 他人の痛みや悲しみに心を痛め、争いを好まない人は、往々にしてその存在感すら消されてしまいます。 弱肉強食が野生動物世界の掟だとすれば、霊長類最強の人間は、力ではないもう少し違った評価尺度を持つべきなのでは? 心優しい人たちだけが住める純粋培養的集落は無理だとしても、そうした人たちだけが繋がるコミュニティみたいなものがあればいいのに。 でも、子羊を食い物にする悪い狼たちはどんな手段を使っても近づいて来ようとするのでしょうね。

    10
    投稿日: 2018.07.05
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    田中幸乃が死刑宣告をされた。彼女は元恋人の家に放火し、妻と双子の子供を殺した罪に問われていた。凶行の裏に何があったのか、捜査で浮かび上がる事実と世論に揺れる作品。 田中の人生に関わった人物の証言と、世論の中でゆらゆらと揺れる彼女像がなんとも歪で、その違和感が後半にかけて加速していきます。その中で、彼女の選択があまりに真に迫っており、強烈な印象がありました。 体が弱くよく倒れてしまう彼女が最後に見せた姿、仄暗いながら印象深い作品です。

    1
    投稿日: 2018.06.30
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    星5つじゃ足りない! と、思います。 最後まで読んでしまいたくない、と思わせるんです。 でも、受け入れなきゃ、とか、想像していることは起きず違う結末なのか、とか、気になって、見届けたくて、ページをめくる。 読み終えたあともしばらく苦しさを引きずりました。 胸が痛い。 そして、愛おしい。

    3
    投稿日: 2018.06.24
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    救いのない物語なのに、死刑囚・田中幸乃は確かに救われた。第一部はありがちな展開だが、慎一と翔の正義を対比する第二部、そして神々しさすら感じさせるエピローグには魅了された。幸乃・慎一・翔・刑務官の瞳が各々の正義をぶつけ合う終盤の熱量は筆舌に尽くし難い。幸乃の選択は恐らく「人として」正しくない。だが「田中幸乃個人」の選択を責める権利は誰も持ち合わせていない。生への恐怖が死への恐怖を上回る作品世界も、それが誰かの身に起こり得そうな現代の閉塞感も酷く歪だ。やるせない読後感だが、このやるせなさを忘れないでおきたい。

    3
    投稿日: 2018.06.20
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    田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。凶行の背景に何があったのか。産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官ら彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がる世論の虚妄、そしてあまりにも哀しい真実。幼なじみの弁護士たちが再審を求めて奔走するが、彼女は…

    3
    投稿日: 2018.06.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『イノセントデイズ』早見和真 読了です。ついにです。読了です。あー、穏やかな春の桜の景色の温かい風の中に居るみたーい。ものすごくここち良い読了です。 田中幸乃という女の子が、純粋で、無抵抗で、無垢な故に周りに流され、うまく使われ、裏切られていく。田中幸乃は、死ぬことよりも、裏切られる恐怖の方が強かった。また裏切られるのなら、いっそ死んでしまいたい。 でも死ぬことなんて出来ない。そんな時、幸乃に冤罪で死刑判決が下された。それは幸乃にとって、チャンスだと思ったんだと思う。自分が誰かの罪を被って、死ぬまで刑務所で耐え忍んで居れば、誰にも迷惑をかけずに逝ける。 ここでも幸乃は人に迷惑をかけないことに徹している。 真犯人発覚から、幸乃が死刑台に立つまで、その情報が世間に知らされるのが間に合わなかった。 最期に幸乃がみせた、初めて抗おうとするのは、死刑台から逃れることじゃなくて、死刑台を拒む自分から逃れることだった。法律では、死刑囚が執行の時に意識喪失など起こした時は、執行が一旦遅れる。幸乃は死刑台を目にした時に気を失いそうになる。そこから幸乃は自分の力を振り絞って生きる。死刑台に上るために。 これはバッドエンドなのか、ハッピーエンドなのか、そんな言葉では計れない物語だった。 ただ、今読み終えて感じるのは、前述した、穏やかな気持ちだ。

    4
    投稿日: 2018.06.16
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    ただ、哀しみだけが残る作品だと思いました。 世界から見た彼女と彼女を近くで見ていた数少ない人たちと彼女と。 彼女を取り囲む冷たい世界に憤りすら覚えます。 ただ、これが目を逸らしてはいけない、一つの現実として存在するのでしょうね。 緩やかに熱を与えてくるストーリーと一人の女の子の人生を読み通して受ける深く重い衝撃にただ呆然としながら、春の香りを思い出しました。

    1
    投稿日: 2018.06.15
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    帯の内容がすごくて購入。 「読後、あまりの衝撃で3日ほど寝込みました」 不幸に不幸を重ねる人生。 不幸を望んでいないけど、不幸を受け入れ、それが自分だと納得していく人生。 なぜか、不幸な場面にいつも居合わせてしまう人生。 人が幸せなら、自分は不幸でもいい人生。 自分を必要とし助けてくれる仲間がいても、見捨てられるのが怖くて死を選ぶ人生。 真犯人が暴露されたその日に刑が執行される人生。 冤罪だが、田中雪乃にとっては、救いだったのかな? 田中雪乃が天国で少しでも楽に生きてもらえればいいなと、切に願った本でした。

    3
    投稿日: 2018.06.14
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    レビューの多さや、文庫帯の誇大?文句に釣られ、つい手に取ってしまった(笑)。 宣伝文ほどではないにしろ、確かに読者をして、いろいろ考えさせる作品といえる。 プロローグ「主文、被告人を」から、一気にその世界に引き込まれる。内容もさることながら、センテンスの短い文章構成も、その要因ではないか。 ともかく、主人公田中幸乃に共感する読者も、批判的な読者も、提示された彼女の人生とその生き方に対する思いに、心を揺さぶられるのは間違いない。

    6
    投稿日: 2018.06.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    幸乃にとっては「死」は、救いだったと思う。 けど周りの人の事を考えると決してそうは思わないしとても残念やと思う。

    1
    投稿日: 2018.06.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み終えてため息が出た。 この結末に行きつくとは思わなかった。 疑惑のままならともかく 無実だって知ってしまったのに。 幸乃ちゃんは 最後は思うまま逝けてある意味報われたのかもしれない。でも慎ちゃんはこれからどうやって生きていくんだろ。せっかく前を向いて生きていけるようになったのに どんな思いをかかえて生きていくんだろ。 間に合わなかった 届かなかった思い。 いや間に合わなかったけど 思いは届いていたんだと思う。 そのことを慎ちゃんが知る日は来ないかもしれないケド。 幸乃ちゃんと慎ちゃんの2人でサクラを見て欲しかった。 この本が好きか嫌いかと言われたら 好きではないな。 わたしの中でこの結末はやっぱり 無い…。

    3
    投稿日: 2018.06.10
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    暗くて、重くて、哀しく、切ないストーリ 一人の女性の物語 ストーリとしては、元恋人の家に放火して、妻と1歳の双子を殺害した罪で死刑判決を受けた女性の物語。 彼女は、判決文で語られたような女性だったのか? そんなに極悪非道な女だったのか? そして、マスコミの虚妄。 判決文で語られた文言に対して、産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官がそれぞれ独白する形で彼女の真の姿を語っていきます。 あまりにも哀しく、重い真実、そして孤独 途中、なんでこの人がそこまでかかわるの?とか、いろいろ疑問、違和感があって、さらに、暗い過去、暗い事案が多くて、げんなり。 いやな気分になる物語です(笑) 最後の最後で真実が明らかになり、ひょっとして救われるのか?っと期待して読み進めましたが、その期待も裏切られ、後味悪く終わっていきます。 死ぬために生きる それを描き切った物語でした。

    6
    投稿日: 2018.06.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「イノセント・デイズ」 田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪により、彼女は死刑を宣告された。凶行の背景に何があったのか。 第1部「事件前夜」第2部「判決以降」の2部構成。各章のタイトルは、裁判長が読み上げた田中幸乃への判決理由の一文となっています。各章は、産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人など彼女の人生に関わった人々の視点で、彼らが知る田中幸乃とその家族が語られていきます。本当に「覚悟のない母親の下で育ち」「強盗致傷罪を起こし」、死刑に値する女だったのか。彼女への判決理由は、田中幸乃という女性を正しく写したものか。 まず、彼らの追想から浮かび上がるのはマスコミ報道の虚妄と”お前(あなた)を必要としている”という言葉の安易さが印象に残りました。前者で言えば、産科医が知る幸乃の母親は、決して覚悟のない母親では無かったのに、マスコミはその点を無視して幻想を作り上げる。中学時代の親友は、罪を償う為に幸乃の本当の姿を語るも、犯罪者としては好ましくないとの視点から発言をカットする。マスコミとは、常に空想を作り上げる。決してフィクションだけの話ではないのです。 そして、”お前(あなた)を必要としている”という言葉。人は誰しも一人で生きてはいけない。人の儚さ・弱さを表現した言葉のようであるが、これは常に価値あるものとは限らない。祖母は、幸乃を必要だと良い、母から引き離し、そして邪険にする。中学時代の親友は、幸乃を必要としているという言葉でカモフラージュを施し、向き合うべきものから逃げる。罪を幸乃に被って欲しいと言う。小学生時代、幸乃の元恋人・敬介は、死のうとしていた八田(敬介の友人)に対して「俺がお前を必要とする。だからお前も俺を必要としろ」と言い放つ。そして月日が流れ、その言葉に果たして価値はあったのか。私はそれを疑わざるを得ない。 他人に必要とされることが他人を愛する理由とはなり得ない。しかし、他人に必要とされることが生きる理由であり、愛する動機になるという人も少なからずいるのかも知れない。幸乃は、その少ない人の一人であり、必要とされて生きることから抜け出すことが出来ず、あの事件に繋がってしまう。 「死ぬ為に生きる。死ぬために抗う」という幸乃の思考と言えば良いのでしょうか。周りを気にして、周りに合わす性格を持ちながらも、この1点には強い意志を持つ幸乃にも強烈な印象が残りました。”誰かがあなたを必要としているのにも関わらず、死のうとするのは傲慢だ”という刑務官の言葉がありますが、多くの読者は彼女の言葉に共感すると思います。 ”ここまで死ぬことに拘る”ことに腹落ちせずに、真実に従うべきだと思います。ただ、そう思い、彼女には生きて欲しいと願うこともある面では傲慢とも言えるかも知れない。彼女の人生は、はたから見れば転落人生かも知れない。しかし、その見方が正しいとは限らない。メディアや関係者の目が正しいとは限らないのだ。その人が考えること・言いたいことを想像して初めて見えてくるものもあるかも知れない。 読了後に残るのは、決して良いものではないです。幸乃を必要とすると言っていた慎一が、彼女の死刑執行後、何を思ったのか。弁護士として翔は何を思ったのか。祖母は何を思ったのか。色々、悔いや哀しみが残る幕引きとなります。 しかし、彼女だけは、満足で逝って行ったかと思うと、遣り切れない以上に”おめでとう”になるのかも知れない。でも、私は生きるべきだったと思います。

    6
    投稿日: 2018.06.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    無垢と悪意をどう見分ける? 本当に悪いのは誰? 「死刑になりたくて殺しました。」という犯罪者。死刑廃止論を唱えるために犯罪者に便乗する弁護士。イメージ先行で都合よく人物像を作り上げていくマスコミ。 そんな違和感が作り上げた物語だと思います。

    3
    投稿日: 2018.06.02
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    過去の交際相手の妻と子ども達を怨恨による放火で殺害したとして、24歳の田中幸乃は死刑判決を受けた。彼女を身近に知っているものたちはその判決に驚き、何人かは事実を確認しようと動き始めるが、彼女自身は犯行を否定せず反省も口にせず、再審請求もしなかった。 裁判長が読み上げる彼女の判決理由‐彼女の生い立ちや犯行の経緯-とともに、彼女の人生の一部を知るものがそれを回想していく形で物語は進められる。 日本推理作家協会賞受賞作品らしく、最後まで気を抜けず目を離せない作品だった。 判決理由で短く切り捨てられた彼女の人生に、どんな真実があったのか明らかになっていく過程は、温かく悲しい。 *******ここからはネタバレ******* 作品の構成としては優れていると思うが、そのためなのか不自然な展開ではないかと思われるは多々見受けられた。 私の読解力では解けない疑問だ。 例えば、 幸乃の祖母は、引き取っても得るところのない彼女をどうして手元に置きたがったのか。 幸乃の父は、どうして突然彼女の養育を放棄したのか。酔って暴力をふるったのはあの1回だけだったのであれば、姉である実子の陽子のためにも引き続き養育した方がよかったのではないか。 執行への時間が差し迫った中で、翔が冤罪の可能性を追求しようと協力を求めた敏腕弁護士を慎一が断ったのはなぜなのか? そもそもなぜ慎一は幸乃と特別に親密であったのか?それは彼女が彼の窃盗を身代わりしたためなのか?彼女はそれを知っていたのか? 9歳までは普通の温かい家庭で育った彼女が、自己肯定感が極端に低いのはなぜなのか? 男性の著者だからか、ミステリ気分を上げるためなのか、性暴力があっさりと描かれ過ぎの点も気にかかる。 いくら意中の男の子からであっても、中学生が心の準備もないままに半ば暴力的に行為に至られては、平静を装うことも困難ではないか。 この辺りはエンターテイメントと考えられるのか。 普段子どものために書かれた本を読むことが多いだけに、人物の扱われ方にひどく違和感を感じる。 あとがきで辻村深月さんが「田中幸乃を見守り、味方であり続けたのは、誰よりも、著者の早見和真その人だと」書かれているが、私は彼女が「死ぬために生きたこと」を肯定できない。 死ねば、自分の存在さえ消せば、何かが収まるものでもないし、彼女のその死への執着から自死を選んだ若者もいたのだから。

    44
    投稿日: 2018.05.29
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    自分は自分だ。 そうやって思うことができたら、随分と楽だったろうに。 この本の中で色んなことを感じて考えたけど、その中でも強く感じたのが[依存]についてだった。 この本の登場人物は、誰しも他者に強く依存している。 この人がいるから私はいる、といったように。 小さい頃は家庭の中で無条件に守られ、親を見ながら、間違いながら自分というものを確立していくんだと思う。 形や環境は様々だし、理想型は分からないけど、子どもが間違っても帰ってこれる場所があれば、子どもは大きくなっても1人で歩けるようになるんじゃないのかな。 それが田中幸乃は幼い時に安心できる場所を奪われた。 それは、近しい子ども達にも大きな影響を与えていった。 結果として、他者に自分を委ねることしか生き方が分からなくなってしまった。その方が楽だし、問題がないから。 終盤に、生き方が傲慢だとか、幽霊だとかの記述があったが正にそうだろうと思う。 今は文字が溢れていて、すぐ子どもは一丁前に言葉を覚えていく。でも、それは知っているだけで借り物の言葉のようで軽い。どんな言葉を喋っても薄っぺらい。 だからこそ、子ども達には体験して感じた事を自分の言葉で話せるようになってほしい。熱量を伝えてほしい。 そして、その中で少しずつ自分との付き合い方を知っていってほしい。 6歳の娘を持つ父親として、この本を見て強く思った。 それにしても、こういったストーリーを考えられるなんて、魔女なんだろうか。

    9
    投稿日: 2018.05.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    重い。 きっと来るであろう結末がわかっていながら 最後まで望みを捨てきれずに どんどん先を読み進めていた自分がいた。 でも、その望みってなんだったんだろう? どんどん読み進めながら、 自分が望んでいることがどっちなのか わからなくなった。。 死を心から望んでいた幸乃。 大切な人と一緒になる喜びより、 その先ある孤独を誰よりも何よりも恐れていた。 きっと幸乃の最期は美しかったに違いない。 そう願わずにはいられなかった。

    6
    投稿日: 2018.05.22
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    主人公は死刑囚の田中雪乃になるのだろうか。 登場人物を章でフューチャーし、物語を繋げていくのは色んな視点から物語を観れるのでわかりやすく面白かった。 真相については残念な気持ちになったが、ラストは良かったと思う。 自分的にこの作品を観てダンサーインザダークと言う映画を少し思い出した。

    3
    投稿日: 2018.05.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んでよかった。ハッピーエンドではないが、読んでいる間久々に夢中になれた。真実って何だろうとずっと考えさせられる。

    3
    投稿日: 2018.05.18
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    初読みの作家さん。 言い知れない悲しさがこみ上げてきて、様々な違いについて考えされられた。 心の拠り所や価値観、死に対する考え方、頑なだった幸乃の心を支えていたものはなんだったのだろう。正義をふりかざしてもがく姿はどこか空回りしているようで、誰のための行動なのかわからなくなっているようだったし、冤罪という展開があったのにも関わらず結末との矛盾に混乱したのもたしか。 負の連鎖とも言うべき人生を背負ってきた幸乃自身、慎一と過ごした日々が救いだったのだろうか。読後感はもやもやが残る。

    3
    投稿日: 2018.05.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この本に絶対必要な要素は雪乃の死刑執行であって彼女が生き残ってしまうと陳腐な話で終わってしまう。 そう考えると中途半端に読者に期待を持たせる「冤罪」という要素は必要あったのだろうか? 冤罪であろうがなかろうが彼女の純粋なイノセントは読者に充分伝わっているのだから。 冤罪のおかげで色々スッキリしない読後感を抱いてしまった

    1
    投稿日: 2018.05.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「僕だけは、ずっと味方だからね!」というシーンがとても印象的だったかなあ。 でも、死にたい幸乃と死なせたくない慎ちゃんの心のすれ違いが、とてもいい切なかった…

    2
    投稿日: 2018.05.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いつも読んでいる作家とは違った作家さんを久しぶりに読んだ。前半は、かなり厳しいもので、失敗したかと思ったが、 後半からはのめりこむ様に読んでしまった。自分も、作品の中にいるような感覚に陥り、慎ちゃんががそこまでいうなら、やっていないんだろうとあたかも遊び仲間だった感覚にさせるこの作品。 ちょっと、東野圭吾の「流星の絆」や横山秀夫の「第三の時効」を思い出すような流れもあったが、この作品オリジナルとして完成していると思う。 浮かばれない、救いがないといった評価もあるだろうが、この作品には、それ以外のものがあったと思う。 自分が過去に何べんもいっているが、「文庫本の本当にいい作品には、必ず本当にいい解説がついている。」 辻村深月さんの解説も秀逸である。 やはり、この作品には、辻村深月さんがいうように「熱さ」という熱を帯びていたと思う。

    6
    投稿日: 2018.05.12
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    ラストは車内で読んでいてワナワナ手が震える感じでした。ドキドキというか胸が苦しい感じ…。 なんともいい難い本でした。

    1
    投稿日: 2018.05.10
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    構成もすばらしくてじっくり読み入った。 みじめな結末のはずなのに「きっとこれでよかったんだ」とも思うし「もしこうだったら…」とか余韻に浸りながら思いを巡らせた。

    4
    投稿日: 2018.05.08
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    2018.05.07読了 悲しすぎてどうか幸せになって欲しいとずっーと願いながら読んでました。 主人公の田中幸乃の犯した放火殺人事件の判決から物語は始まります。 そして幸乃の誕生、幼少期、思春期、青年期を振り返り現在の彼女にたどり着きます。 読了後にも彼女の幸せを願わずにいられない。 忘れられない1冊に出会いました。 ネタバレというほどではないのですが、、、 金持ちの坊っちゃま 丹下翔が意外にもクズのまま終わったのが唯一の(笑)

    3
    投稿日: 2018.05.07
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    こんなにもひとりで背負わなくちゃいけなかったのかなぁ でもこんなにも幸乃を思ってくれていた人達がいたことにとてもうれしかった もう少し前にそこに気がつけていればあそこまでひとりの男に執着しなくてすんだのに ひとりなんかじゃなかったのに ハッピーエンドが好きなわけではないけれど今回だけはあそこで意識を無くして慎ちゃんに間に合ってほしかったなぁ

    3
    投稿日: 2018.05.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ミーハーがゆえにドラマ原作を読んだだけだったのに、まさかこんなに重いとは。「幸せ」とか、人が求めるものについて考えさせられた。それは人それぞれなんだけど、雪乃にとってこれで良かったのか。。 確かに、読後に読者が葛藤する本だった。たぶん、雪乃以上に。

    4
    投稿日: 2018.04.24
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    ストーカー女が放火をして3人を死なせた。 そうまとめるには痛くて悲しすぎる幸乃の生い立ち。 本当に必要としてくれる人がいるんだとしたら…『頑張れる』でも『強くなれる』でも無く『もうその人に見捨てられるのが怖い』となる幸乃。 最後に救われてほしいと願うも 叶わず。 でも 叶っているのかな。と思ったりもして。

    1
    投稿日: 2018.04.23
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    死刑執行通達のシーンから始まり、幸乃の人生に関わった人々のエピソードで綴られる半生、そして「死刑に処するー」のエピローグ。 最後、刑執行に至るまでの刑務官とのやりとりは、読んでいて動悸が。。 幸乃という人間の人物像は、見る人によって、関わり方によって、またそれぞれのフィルターを通して伝えられた情報によって、実像は虚像へと塗り替えられていく。 翔に語った祖父の言葉、 「人間というのは(〜中略〜)思っていることをなんでも口にできるというわけじゃない。でも、いつかお前が向き合う誰かさんは、お前の言葉に期待している。なのにうまく説明することができず、思ってもみないことを言ったりする。だからお前はその誰かさんと真摯に向き合い、何を求めるのか想像してあげなければいけないんだ。」は胸に刺さった。

    3
    投稿日: 2018.04.22
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    佐渡山さんが最後の最後に雪乃にぶつけた感情。 それに対して雪乃がくれた「もし本当に私を必要としてくれる人がいるんだとしたら…」って言う優しい言葉。 とても優しい人間像が心に染み込んできました(TT) そんな気持ちや想いを伝えることができない人もいっぱいいると思う… もしかしたら、佐渡山さんも雪乃も幸せだったのかもしれないね(TT) よく頑張ったね!雪乃。

    3
    投稿日: 2018.04.14
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    登場人物の心情、心のすれ違いがよく現れていた。 極端なキャラクターであるようだが、それぞれの気持ちはよくわかった。

    3
    投稿日: 2018.04.11
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    ストーカー殺人、死刑判決文。覚悟のない17歳の母のもと、養父からの激しい暴力にさらされて、中学時代には強盗致傷事件、罪なき過去の交際相手を、その計画性と深い殺意を考えれば、反省の様子はほとんど見られず、証拠の信頼性は極めて高く… 判決文の文言、それぞれについて、事実はそうではなかったことを語っていく。結果、残っている記録との落差の大きさ。

    0
    投稿日: 2018.04.09
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    途中何度も…あれ?待てよ?と行ったり来たりしながら読んでいたけど、1/3を過ぎたあたりから自分の疑問が徐々に確信に変わり、ページをめくる手を止められず週末に一気読み。せっかくの週末に暗い重いなんとも言えない読後感…決してハッピーエンドでないけれど、田中雪乃にとってこれが望んでいた未来だったのか。そう思うと自ら殺められない彼女にとっての救いだったのか。 未来が想像出来なかった彼女にとって、手紙を読んだ時の想いを必死に抑え、それでも手のひらに握りしめた花びらは救いではなかったのか… ひとりの女性の壮絶な一生に寄り添った疲労感…人に勧めにくいけど一気読みの入り込める威力は素晴らしかった。 唯一気になったのは田中雪乃が自殺できなかったのは八田の言葉でもあったのにそれを忘れて妻と娘の出産を言い訳に逃げた八田はなんだか中途半端だったかな。まぁそれもありそうなリアル。 2018.4.8

    3
    投稿日: 2018.04.08
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    WOWWOWでドラマ化 女死刑囚の悲しい半生を描く作品。 報道と現実のギャップは恐ろしい。 何が本当なのか 見破る目を持ちたい。

    3
    投稿日: 2018.04.07
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    登場人物の誰にも共感できない 帯に「衝撃で三日寝込みました」とあるけど、これで三日も寝込む意味が分からない

    1
    投稿日: 2018.04.06
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    必要としてくれる人にまた見捨てられることが、死刑よりも怖い。この一言が一番心に刺さった。嬉しかったのに、必要とされて。ただ無垢な気持ちで向き合っただけなのに。こんな終わり方しかなかったのかなぁ。もう手遅れだったんだろうなぁ。

    1
    投稿日: 2018.04.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    幸乃を救いたい一人の男の手は届かず、彼女は死に至る。周りからすれば冤罪で死んだのは不幸な出来事なのだろうが、彼女からすれば冤罪だろうが死ねるなら幸福な出来事なのかな。

    3
    投稿日: 2018.04.04
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    読了後のなんとも言えないこの感じ。 切ないのかな? それともまた違うような。 本人が望んでいたら、良いのかな? 田中幸乃本人は、それで良かったんだとして 慎ちゃんはこの後、どんな想いに苛まれるのだろうか。 と、そればかり考えてしまいました。 必要とされなくなることは、死ぬよりも辛い。 この言葉が切なすぎた。

    3
    投稿日: 2018.04.01
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    放火殺人事件を起こした女性死刑囚の半生です。 主人公である死刑囚はいっさい何も語りません。 彼女に関わった事のある登場人物たちの言葉によって、 彼女がどういう人間であったのかが浮かび上がってきます。 リアリティがあるようなないような・・・と思いましたが、 死刑になりたいと通り魔的な凶悪事件を起こす人間が実在する昨今、 こういう人間もいるのかもしれませんね。 〝イノセント〟 には、〝純粋〟という意味と、 〝無実の〟という意味があるそうです。 まさにタイトルが全てを物語っているのですが、 純粋と無実をよくもここまで暗く救いようのない話に したもんだとある意味感心させられます。 しかしながら読後感は多くの方がおっしゃるほど悪くは なかったんですよね。 なぜなら私は主人公は救われたような印象をもったので。 逆に救われなかったのは、 彼女と関わったまわりの全ての人たちのように思いました。 まぁどちらにしても暗いことには変わりはありませんけどね。 この前に「殺人鬼フジコの衝動」を読んだのですが、 重く暗い話にも関わらず読み易いのはもちろん、 あれよりよほど文章が上手く、なんというか・・・ 文章から彼らが生きている街の空気感のようなものが感じられて、 そういうところが話に入り込めたところでしょうか、 よかったと思いました。 これも話は面白いけど・・・って、程度かと思って読んだのですが、 少なくとも機会があればまた読んでみてもいいかなと 思えました。 作家さんの評価はもう数冊よんでからですかね(笑)

    1
    投稿日: 2018.04.01
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    切ないわ、 田中幸乃の結末はずっと読み進めてる中で死刑免れますようにと願ってた分すごくショックなものだったけど、ちゃんと最後発作に抗って死ぬために生きてた田中幸乃に感動した

    3
    投稿日: 2018.04.01
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    佐渡山さんが最後の最後に雪乃にぶつけた感情。 それに対して雪乃がくれた「もし本当に私を必要としてくれる人がいるんだとしたら…」って言う優しい言葉。 とても優しい人間像が心に染み込んできました(TT) そんな気持ちや想いを伝えることができない人もいっぱいいると思う… もしかしたら、佐渡山さんも雪乃も幸せだったのかもしれないね(TT) よく頑張ったね。雪乃!

    6
    投稿日: 2018.03.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読みかけで本を閉じている時も様々な思いが胸を巡って、なかなか静まらなかった。ヒカルの覚悟と願いが叶わなかったこと、幸乃が差し出していた誰も最後まで掴めなかった手を思うとひどく悲しい。 彼女の最期の選び方を肯定するのは難しいな。でも一方で、もしヒカルの立場だったら「ここまでよく耐えて生きたね」と声をかけてあげたいと切実に思う。 幸乃に関わった人間たちの身勝手さへの怒りは燻るばかり。「あなたが必要だ」誰しもそう言われる役割を無意識の内に求めているのだ。人一人の人生の重みが心にのしかかる一冊だった。

    1
    投稿日: 2018.03.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「読み終わった後、3日は眠れない」というような煽り(?)につられて買ったような気がする。3日は言い過ぎだけど、たしかになんともいえないショックを受けた。 WOWOWでドラマ化されるのを機に、娘が読みたいと言って、再度ぺらぺらとめくってみたが、私はすっかり詳細は忘れていて、ただただラストがショックだったことだけしか覚えていないという…。まぁ、ドラマも楽しめそうでよかったけど(笑)

    1
    投稿日: 2018.03.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    作品を通じて、人は自分の内面にある考え方でしか、その人を捉えられない、つまり固有の先入観が生じてしまうものなのではないかと感じた。 主人公は、深い絶望の中とある選択をした。しかし私にとっては納得のいく選択ではない。ただ主人公がもう絶望したくないという気持ちもわかる。だからこそ、主人公が絶望から這い上がる物語が読みたかった。

    3
    投稿日: 2018.03.25
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    放火殺人事件を起こして死刑を宣告された田中幸乃がなぜそのような犯行に至ったのかを、彼女の人生を振り返りながら追っていく一冊。 真相が結局どのようなものだったのか気になってページをめくる手が止まらなくなる。 田中幸乃本人の視点から書かれた部分は実は少なく、幼少期の友達や義理の姉、中学時代の親友、元恋人の友達など様々な人物の視点から描かれていくことで、田中幸乃という人間の姿が浮き彫りになっていく。その構成が見事だった。 ただラストシーンについては、辻村深月の解説によって納得することができたが、読み終えた瞬間は救いのない終わり方に感じてしまったのでそこだけちょっと残念、、WOWOWでドラマ化されるみたいなのでそれも見てみたい!

    6
    投稿日: 2018.03.23
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    子どもの頃に読んでいたら、自分自身や周りの友人と重ねていたかもしれないが、今はいつか生まれてくるかもしれない自分の子や回りの子と重ねてしまう。どんなにわが子を大切に、真っ当に育てたとしても、外の世界で関わる人間によって未来はどんどん代わっていく。母親に嘘をつくのが一番つらいのは子ども自身で、でも本当のことを言ってしまったら現実を認めなくてはいけないから言えない。 皐月の言葉に従えば間違いないとか、幸乃がそう言ってくれるのなら逃げなくちゃ、とかむかつく。 優越感なんてものが人間に備わっていなければ、平和に幸せになれる人はたくさんいるのではないだろうか。

    6
    投稿日: 2018.03.12