
総合評価
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powered by ブクログ森見登美彦の霊圧ゼロで読みやすかった。 でも森見登美彦の霊圧ゼロなことに動揺してて内容理解度もほぼゼロ。森見登美彦の文章が好きなのでそれでもよい。沁みた。
0投稿日: 2025.12.31
powered by ブクログなんだかおとぎ話のような感覚だった。 そういうものとしては楽しめた。 なんとなくキツネにつままれたような感じになった。
0投稿日: 2025.12.25
powered by ブクログ少し薄気味悪くて、でもなんだなんだと覗きたくなるようなお話が四つ。 こちらがぞわぞわするような文体がよかった。 それぞれのお話が繋がりそうで繋がらない。それもまたぞわぞわを誘った。 妖なお話。
1投稿日: 2025.12.23
powered by ブクログ森見登美彦さんらしい、ちょっとざわざわするようなヒヤッとするような怪しい短編集です 芳蓮堂やナツメさん、道場や、お寺など、共通の場所や人たちが出てきます そして、いやに胴が長いケモノ、狐面。 最初の きつねのはなし がとても怪しくどきどきしながら読みました。 渡してはいけないもの 取引してはいけないこと が出てくるのはまさに 京都奇譚集ですね
7投稿日: 2025.11.30
powered by ブクログあの四畳半の森見登美彦氏の怪談なのです。 2004年が初出のようですので、初期の作品となると思います。 驚くべきは、その文章文脈がいつもの森見登美彦氏ではないのです。 こういうの書けるのになぜもっと書きませんですの?というところです。 「きつねのはなし」 一乗寺にある古道具屋「芳蓮堂」が登場 (これは度々登場ですね) 怪しげな骨董品が人から人へと何を伝える 吉田神社の節分祭がその怪異の入り口で出口 恒川さんの『夜市』を思い出すようなその 祭りの露天 祭礼の宵の京都はお気をつけやす。 「果実の中の龍」 どこまでが現実でどこまでが幻かを読者に問い続ける作品。序盤にさりげなく『果心居士』の名が出てくることで、小泉八雲の妖術譚と思い出す古典的な空気が漂う。タイトルの「果実」と「龍」が示すもの。結果として実るものと、内に秘められた畏怖すべき力――をどこまで作者が意図しているかで読み方は大きく変わる 私はひとまず「嘘をつく小さな男」を感じ取りつつも、それだけではないんだろうなとは思う。 「魔」 ストレートなタイトルで攻める。〈魔〉そのものの存在を描こうとする短編。 物語を追うほどに、誰が人で誰が魔なのか、境界はどんどん揺らいでいく。 漂うケモノの匂い。 人の顔をした魔など、結局見分けがつかない——そう思い知らされる。 「水神」 祖父の通夜の寝ずの番。 過去と現在、記憶と幻が入り混じる時間の中で、語り手は“水”の記憶に触れていく。 京都という土地には、琵琶湖に通じる水脈の伝承がいくつも残されているとのこと。 その“地下の流れ”を、人の心の流れと重ねたのではないのか? 現実の風景に紛れ込む、古い水神。 目に見えぬ水が動き、掴みきれぬまま流される。 「きつねのはなし」短編4編は、どれも古道具屋〈芳蓮堂〉が姿を見せるとはいえ、連作としての明確なつながりはない。 それでも、どの物語にも共通して、京都の神社や祭り、そして路地という“あわい”が息づいている。 『夜は短し歩けよ乙女』や『四畳半神話大系』が、陽気でエネルギーに満ちた“あわい”を描いたとすれば、『きつねのはなし』はその影の京都——静謐で、どこか寂しげな異界が描かれる。
102投稿日: 2025.11.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「水神」に最も惹かれる。高祖父から続く疏水脇の家の秘密。再読時にこの屋敷の年代記と間取りを書き留めながら読んでみた。この作業も面白かった。建物の間取り(構造)が物語に重要な役割を果たしている作品が、筒井康隆にもあったような記憶があるが、タイトルを失念してしまった。
5投稿日: 2025.10.23
powered by ブクログ森見登美彦作品の中では「夜行」と同じジャンルになると思うが、よりじとっとした雰囲気がある。 短編をまとめた様な話だが、それぞれの話の繋がりを匂わせる場面も多くて面白い。こういうのに弱い。
4投稿日: 2025.10.10
powered by ブクログどこかふざけておちゃらけている森見節が鳴りを潜めている作品。 不気味で不思議な、ホラーとも言える物語。 正直あまり期待してなかったのだけど、思ったよりも面白かった。 全4篇の作品集で、それぞれ語り手は違うのだけど、どこか繋がっているようないないような不可思議さ。 最初の「きつねのはなし」が一番面白かったし怖かった。 どの話も読み終わってなんだかもやもや、疑問の残る感じ。でもそれが不快ではなくて、こういう読み心地は初めてかもしれない。 読み終わってすぐにまた最初のページに戻って読み返すと、また違ったものが見えてきそう。 森見さんはあのおふざけ節が面白いのだけど、たまにこういう雰囲気のものもあって予期せず驚かされる。 この本は「夜行」とか「宵山万華鏡」の部類かも。 読書って予想外に面白いとすごい嬉しいな。 まだまだ森見作品読みたくなった。
13投稿日: 2025.09.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
森見さんの違う一面を見れた作品。 幻想怪奇譚ってやつ(?)。 狐の面 人間の歯を持った胴の長い獣 蓮宝堂の骨董屋 龍の根付 どこか繋がってるけどどこかずれてる。 連作短編集といえないこともないのかな。 個人的には『果実の中の龍』が一番好き。 最後の最後まで狐に騙されたみたい。 気になるけどそれがまたいい感じ。
5投稿日: 2025.09.01
powered by ブクログ森見初期の短編集。 「果実の中の龍」はデビュー作「太陽の塔」より前に書かれたものとのこと。 「夜は短し〜」から森見作品を読み始めたのですが、 森見らしい古風で軽快な文体やユーモアは少なく、じめっとした、少しホラーみのある短編集。 いつもの感じを期待して読み始めると、なんか違う!という気がしてくる。 京都の街で狐に化かされたような4つの物語。 共通して出てくる,胴の長い狐のような生き物。 久しぶりに京都に行きたくなりました。
8投稿日: 2025.08.30
powered by ブクログ京都を舞台にした「ホラー作品集」。古道具屋の芳蓮堂で働く青年と奇妙な屋敷に住む天城さんという不気味な男の得体の知れないものを描く「きつねのはなし」。中学生の家庭教師をする青年と剣道部員たちが 得体の知れない胴の長いケモノに取り込まれていく不思議な感覚の「魔」。 闇に潜む何かきみの悪いものが感じられる。怨念なのか何かわからない不気味さである。 2025年8月5日読了
0投稿日: 2025.08.05
powered by ブクログ結末はよく分からない(読み取る能力が足りない)ものの、最後まで楽しめました。四畳半神話大系などのバカ大学生のドタバタ劇も好きですが、不意打ちで来る『夜行』のようなひんやりとした夏の怪談話系もとっても好きです。 どことなく作品を通して水や龍というものがキーワードな気がします。次読み返すときはそれがどういう意味を持つのか着目しながら読もうと思います。今回は雰囲気だけしか味わえていないのかもしれませんが、それだけでもとっても楽しめる読書体験でした。
1投稿日: 2025.07.01
powered by ブクログ有頂天家族は苦手だと話したらこちらをおすすめされた。 作者独特の表現が少なく、不思議で妖しい雰囲気が非常にはまり、ぞくぞくしながら読むことが出来た。
0投稿日: 2025.06.27
powered by ブクログ全編にわたり静かな不気味さが漂う短編集でした。 「夜は短し歩けよ乙女」から森見さんを知ったので、森見さんのB面を見たような気持ちになりました。 個人的には「魔」という話の後味の悪さが好きです。
0投稿日: 2025.06.22
powered by ブクログなぜか梅雨の時期に読みたくなる一冊。どの短編にも同じ気配が漂っていて、ただの物語として消化できず、その消化不良がホラーとして読了後も読者側に残る独特の雰囲気があります。 個人的にとても好きな感覚です。 森見さん作品の新たな一面を感じられました。
1投稿日: 2025.06.01
powered by ブクログ森見登美彦さんの京都を舞台にした怪談短編集。それぞれがどこかつながるような伏線も散りばめられている。余韻を残した独特の読後感になる佳作。
0投稿日: 2025.06.01
powered by ブクログ毎年、暑くなり始める初夏のタイミングに読みたくなる、そして実際に毎年読んでいる作品です。 実際に四条通りや河原町通りの喧騒から一本裏通りに入っただけで、急に誰もいない、どこかに迷い込んだような錯覚に陥ることがあり、営業しているのかどうか一見して分からないような古い店を見つけると、いつも本作品を思い出します。 京都を舞台にした学生街ならではの青春小説などもたくさんありますが、こっち寄り(どっち?)の話が実は京都の本質なのではないかと思います。
0投稿日: 2025.05.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「きつねのはなし」京都の古道具を舞台に不思議な雰囲気の短編。『xxx HOLiC』の世界観のようだった。願いを叶えるためには対価が必要なことだったり、その対価のための対価が膨れ上がって行ったりと。狐に摘まれているような話だった。 「果実の中の龍」物語の中の物語に沈んでいく先輩の話。他人の物語のはずなのにさも自分の体験であったかのように語っていたことにより、自分の体験であると言う錯覚に陥ってしまった話。想像や妄想と現実の区別がつかなくなってしまうのは苦しいことだろう。その区切りの意味で、先輩は別れを受け入れたのかもしれない。 「魔」魔が刺すとはこのことなのか、と。この人さっきまで相談にも乗ってくれる良い人だったのに。 「水神」水にまつわる不思議な話。水に守られ、水に呪われたようにも読める家族の作品な気がした。古道具屋が持ってきた家宝も不思議を呼び面白かった。
8投稿日: 2025.05.20
powered by ブクログホラーって想像力をとにかく掻き立てられる。 物語全体を通して、ずっと薄暗くて、どことなく気持ちが悪い。
1投稿日: 2025.05.10
powered by ブクログ森見登美彦の難解さとそれに伴う不気味さを煮詰めたような本作。短編であり四作入っているが、特徴的なのはそのどれもがホラーテイストであることだ。 森見登美彦の世界は繋がっている、しかし同じ京都ではない。それぞれが違う世界線の京都でただ筆者のファンである者からすればにくい繋がりが存在するのだ。今作で言えば、樋口直次郎と四畳半シリーズ、夜は短しに登場する樋口師匠の関係性がその代表である。 また四作を通じて登場するナツメさんと狐の面。これも四作それぞれで違う世界のナツメさんなのかなと思うこともあるし、はたまたやっぱり繋がってる?と思うこともある。そのこそばゆさが面白い。 表題作の「きつねのはなし」は、ホラー作品としてかなりの傑作であると思える。その一つだけでもいいからぜひ手に取って欲しい。
1投稿日: 2025.05.08
powered by ブクログこの作者の本は、初めて読む。一話目が表題作。ずっと気味の悪いムードが漂ってる。内容に大きな起伏があるわけでなく、ただ暗い雰囲気がずっとある。
0投稿日: 2025.03.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
正直言うと、情景の想像が難しく、目が滑る作品だったと思う。夜行を読み、不思議な体験をもう1回したいと思い購入した。 読んでいる間ずっと、自分の体が5mmくらい浮いてるんじゃないかっていうくらい、フワフワした話だった。読み終わったあと、自分は今ここにいるのか、読む前と同じ世界にいるのか、今生きている世界で見えているものは本当に存在するのか、色々なことが信じられなくなるような作品だった。
0投稿日: 2025.03.09
powered by ブクログ私の本棚より。 ざっくりとしか読んでいないので、細かいことは書けないのだけれども、本書の場合は、それでちょうど良いのかもしれない。 森見登美彦さんのシリアスなホラー寄りの作品という情報を聞いて、大分前に古書店で購入していたのだが、読んでみると、単純にホラーと位置付けていいのかどうか分からない曖昧さが強く、それが物語の展開の意味合い的にも同様であるところが、好みの分かれるところとは思われるけれども、それ故の面白さも感じられて、特に「果実の中の龍」の先輩の存在感には、物語の生み出される源が、あくまでも人間の心の中にあることを教えてくれながら、その手段が異なるだけで、こうも印象が変わってしまうのかという皮肉も露呈させている点に人間の哀愁も滲ませていることには、森見さんが単に怖いものを描きたいのではなく、人間味を描きたいのだということがよく分かる。 また、その中でも、人間が生まれる前から存在し続けるものに対する(それを『もの』と言ってしまうのは畏れ多い気がするものの)、森見さんの敬意とも捉えられそうな「水神」も印象深く、更にそこに琵琶湖疏水の歴史のエピソードを絡めるのが何ともスリリングでありながら、やはり哀愁的なものも潜まれていて、論理的に説明するのが難しい事象から漂い出す恐怖が、怒りだけではなく悲しみの方がより大きいのは、和の怪談でもお馴染みの構成と感じながらも、そこに一捻りあるのが森見さんならではのホラーなのかもしれない。 それから、上記の琵琶湖疏水からも分かるように、本書は京都が舞台となっていることで、より朧気な印象が強く、それは四つの短編に登場する様々な要素が緩やかに繋がっていることからも感じられたのだが、その中でも二度登場する吉田神社の節分祭は、雪の降る夜の描写とも相俟って何とも情緒豊かでありながら、物語の置き所としては、まるでカレイドスコープを覗いているようなクラクラとした、美とも悪夢ともつかない状況を追体験できたのは、その場から放たれる独特なエネルギーもあるようで、そうした現場ならではの感覚を実際に行って追体験できる、京都に住む人達が羨ましくてならない。
68投稿日: 2025.02.02
powered by ブクログ2025年最初の一冊。京都はやっぱり「怪異」が似合う街だと思う。それは多分、京都という土地が人の思いとともに積み上げてきた歴史がそうさせているのだと思う。その歴史は良いことばかりではなく、歴史の闇に消えていった人々の怨嗟も含んでいる気がする。言霊、ではないけれど、京都の地名に感じる魅力はそういった歴史の積み重ねがあるからだとも思う。だから京都は「ホラー」でも「怪談」でもなく「怪異」が似合う。この作品はそんな怪異を扱った作品だ。 森見登美彦氏は文体がどこかユーモラスで、正直個人的にはそんなに怖さを感じなかった。ホラー小説と思って読むと拍子抜けするかもしれない。しかし前述の通り、私はこれを「怪異小説」と捉えている。京都の街の怪異のお話、と思うと、なんだかゾワっとするのに京都に出かけたくなる、そんな話に感じるんじゃないかな、などと考えた。
13投稿日: 2025.01.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
久しぶりに読んだ!10年ぶりくらいかも……?そのくらい読んでなかったので「怖かった」という印象以外忘れていたのだけど、やっぱり怖かった! 表題の「きつねのはなし」がナツメさんと過ごす静かで優しい日々に段々暗雲が立ち込めていく雰囲気が好きだ。 「果実の中の籠」、先輩の秘密が分かってからの物悲しさがたまらなかった。 「魔」が一番怖かったかも……妙なところで途切れるシーン達に戸惑いながら読み進めていって最後……。 この本に水が勝手に溢れ出していく印象があるのは何故だろうな〜と思ってたら、たぶん「水神」の印象だったんだろう。
2投稿日: 2024.12.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
只今絶賛積読消化中である。この小説もその一つであり、奥付の発行年月日から推測するに購入したのは10年以上も前である。高校生の私がこの小説を手に取ったのは所謂ジャケ買いであり、購入したは良いものの怖い話が苦手な私であったため、今日まで読まれず本棚のスミに積まれていたという訳である。実際読んでみて、怖いというより不気味という言葉が似合う小説であり、かなり私好みだった。この小説は、「きつねのはなし」「果実の中の龍」「魔」「水神」の全四編からなる。はじめは語り手が全て同一人物なのかと思っていたが、「魔」を読み始めたあたりでどうやら違うことに気がついた。全ての話を読んだ上で、異色に感じるのは「果実の中の龍」である。他の三編では語り手自身の体験が描かれているが、「果実の中の龍」では、語り手は勿論、先輩の体験談と思いきや結局は先輩の創作であり、単なる御伽話として描かれる。しかしこの「果実の中の龍」で語られる先輩の創作物語は、全く同じではないものの他三編を想起させるものであり、全ての物語の原案のような印象を受ける。さて、物語に登場する主たる物怪は「雷獣」と「水神」(おそらく龍)であるが、その固有名詞は多少出てくるものの、その実態は始終ぼんやりとしており、一瞬姿が見えたと思ってもすぐ何処かへ消えてしまう。物語全体には生臭いようなケモノくさいような臭いと奇妙な雰囲気が延々漂っており、踏み込まなければ何もしてこないが、一歩でも踏み込んだ途端襲ってくる、そんな雰囲気がある。実際襲われるのだが、明白な解決は一切せず、結局しっぽが掴めないまま物語は終了する。全四編を通して深まる謎や各話の微妙な接点から読者の考察欲は掻き立てられるが、明瞭な解答が得られることはない。謎は謎のまま、奇妙な雰囲気を楽しむのがこの小説の正しい読み方なのかもしれない。
1投稿日: 2024.10.31
powered by ブクログ謎の獣に遭遇する若者たちの話。森見さんの書かれる怪談は語り口がさっぱりしているからするする読めて読み心地がいいね。2番目の話が一番好き
0投稿日: 2024.09.30
powered by ブクログ#43奈良県立図書情報館ビブリオバトル「妖怪」で紹介された本です。 2014.7.19 https://m.facebook.com/photo.php?fbid=903326536348455&id=248452188502563&set=a.268268019854313
0投稿日: 2024.09.26
powered by ブクログ読むのは、たぶん3回目。 単行本が出た時、「これは読みたい!」と、すぐ読んで。 文庫になった時、表紙を見て、「あー、この感じ、この感じ」と、なんだかミョーに嬉しくて、表紙目当てに買って読んだ。 中身は同じなのに2冊も買ってしまって、なんだか狐に化かされたようだw ていうか、新潮社ぎつねに見事たぶらかされたってことなんだろう(爆) そんな『きつねのはなし』を久しぶりに読んだのは、『怪談のテープおこし』を読んだからだ。 『怪談のテープおこし』は、いわゆる“すんごい怖い怪談”wなのだが、自分は“すんごい怖い怪談”って、すんごい怖いからこそ、逆に怖さを感じない。←なに言ってんだかわかんんねーよ(^^ゞ だって、オバケの怖さって、それが存在するってわかった瞬間がマックスなわけじゃない?w つまり、いるの?、いないの?、あるいは、存在するの?、しないの?と不安がどんどんつのっていって。 どうする?、どうする?、どうする?……と、嵐の前の静けさを経て、バーン!とお出ましになったソレに「バカヤロ。やっぱ、いるじゃねーか!」と、心臓が頭のてっぺんに飛び上がっちゃった時の怖さこそが最大なわけじゃん。 その後、いくらオバケがあーでもない、こーでもないしたところで、出た瞬間の怖さは絶対越えられない。 まー、三津田信三は数多の実話怪談の“作り手”と違って、その辺りは心得ているようで。 ソレがいるからいないに変わる前のグレーの段階をちゃんと引っ張ってくれるから、怪談の醍醐味であるゾクゾク感をちゃんと味わえるんだけど。 バーン!の後も引っ張る悪いクセがあるんだよね(^^ゞ ま、ホラー・怪談業界的には、バーン!の後こそ読みたい/聞きたいとする人の方が多いから。 読者サービスという面もあるのかもしれないけどねぇーw つまり、この『きつねのはなし』というのは、バーン!以降がない。 ちゃんとゾクゾクのニーズを満たせて、話がスパッと終わる。 個人的に、怪異な出来事というのはそういうものなんじゃないか?って思うこともあって、 そこがいいわけ。 そんなこの『きつねのはなし』には、4つのお話が入っている。 最初の「きつねのはなし」は、一番ゾクゾクくるお話。 主人公は大学生で、ナツメさんという女性が店主の古道具屋でバイトをしている。 そのお客に天城さんという、長い坂の上にある屋敷に住んでいる人がいて。 主人公は、店主に言付かって、届け物をするところから話が始まる。 店に戻った主人公は、店主のナツメさんに「天城さんはちょっと怖い感じの人ですね」と言う。 すると、ナツメさんは「そうですね」と頷いて。「本当は私が行かなければならなかった。でも、私はあの人のところに行くのが嫌なのです」と言う。 そんなナツメさんを見て、天城さんのところにはなるべく自分が行くようにしようとする主人公はある時、彼女である奈緒子の写真を天城さんに取られてしまう。 すると、奈緒子は…… みたいなお話。 2話目の「果実の中の龍」は、主人公(一話目の主人公とは別の人)と先輩、そしてその彼女をめぐる、ちょっと寂しい、でもどこか素っ惚けている青春譚。 といっても三角関係の話ではないんだけど、最近、村上春樹ばかり読んでいたせいかな? 村上春樹の小説によくある関係のようで、イメージがダブってしまう。 ていうかー、3人の関係って、『ノルウェイの森』のワタナベと永沢、ハツミの関係とほぼ同じだよね。 まぁ、永沢とくらべるとこっちの先輩は虚構を現実として生きている、かなりの変人なんだけどさw ただ、永沢は永沢で、現実を虚構(ゲーム)としてしか生きられない人だからなぁー。 先輩の彼女である瑞穂さんと主人公の会話が意味深で面白い。 「先輩はつまらない人ではないですよ」「僕こそつまらん男ですよ」 「みんな、なぜそんなことにこだわるの。その方がよっぽどつまらない」 また、お話の最後、京都を離れることになった瑞穂さんをおくる京都駅では、タイトルになっている龍の根付けについて、瑞穂さんが、 「彼は本当に忘れてたと思う?(ネタバレになるので以下略)」と言うと。 主人公は「あり得ることです」と。 「ひどいこと、あっさり言うね」 「僕は嘘をつけない男です」 「嘘つき」 それらのシーンの、暖かみがあるユーモアの裏に隠れている寂しさがすごくいいんだよね。 なんだか「なごり雪」を思い出すんだけど、あんがい著者もそれを意識していたのかな? てことで、3話目と4話目はハードカバー版につづく(^^ゞ
6投稿日: 2024.07.02
powered by ブクログ気持ち悪くてジメジメした話だった うっすら話が繋がった怪談?の短篇集 まだ咀嚼できていないのかモヤモヤが残っているけど、咀嚼できたとしてもスッキリしない話のような気がする。 生臭い龍みたいな何かとかキツネみたいな細長い獣とかなんだったんだろ?
0投稿日: 2024.06.27
powered by ブクログ森見登美彦さんの小説で好きな一冊。 怖い話は得意ではないが、たまに無性に読みたくなるきつねのはなし。背筋がゾワっとする瞬間。ほっこりする瞬間。いやな冷や汗をかく瞬間。物語の緩急のつけ具合が絶妙で、心を虜にされる展開。吉田神社の節分の時、どこかできつねのお面を被った着物風情の人がひっそり紛れ込んでいるのかもしれない。対価交換で得る利と不利益。妙なことには口を挟まず、我存ぜぬのスタイルを貫けたらどんなに楽だろう。主人公である大学生の揺れ動く心情と物語の不気味な展開具合は最高に面白い。
1投稿日: 2024.05.07
powered by ブクログ京都と森見ワールドが溶けて一緒になっているみたいで、リアルじゃないのは分かってても妙にリアルに感じた。 最初の2つが特に、面白かった
9投稿日: 2024.04.27
powered by ブクログデビュー当時の作品から読み始めて、これはまた、少し違った魅力ですね。 柳田國男、読み直したくなりました。
0投稿日: 2024.04.18
powered by ブクログ不気味だった。 特に最初のきつねのはなしは、うんと不気味だった。不思議なことも沢山ある。 4つの話全てに繋がりがあるので、そこから考察をすすめるのが良さそうだ。 にしても先輩は、どこまでが現実だったのだろうか。彼の話すことは出鱈目でも話の登場人物は確かに存在していた。 また話は変わるが、この小説の女性は個人的によく頭に残る。ナツメさんと夏尾はいつになったら私の頭から離れるのか。
0投稿日: 2024.03.29
powered by ブクログ日常に沈んでいる見えも触れもしないもの。無味無臭なそれにいつ私たちが交わってしまうのだろうか。もしかしたら全て自分が自分に見せていた信号かもしれないし、感情を共有した人たちとの群集心理かもしれない。しかし、そのような時に私たちは一層自分への異物感を感じ、自分を感じるのかもしれない。
1投稿日: 2024.01.11
powered by ブクログ京都を舞台にしたホラー短編集。森見登美彦氏としては珍しい一冊。ドタバタのコメディ感は全くなく、独特の空気感や湿度を感じる。ホラーといっても、パワー系のコワい!とかジワジワ系とかではなく、嫌な怖さですね。嫌らしさなホラー。
5投稿日: 2024.01.02
powered by ブクログ最上級のもやもや。おそらくこのふわふわした感覚が正しい受けとり方なんだろうけれど、メモをとりながら再読したい。そうしたとて、もっとわからなく気はする笑 そもそも解読できるものではないだろうな。 好き嫌いは分かれると思う。読書初心者にはまずオススメしない。私も得意なジャンルではないけれど、それにしても惹きつける力というのがすんごいな、森見さん。 繋がっているようで、繋がっていないような不思議な世界。 おかげさまでしばらく引きずったわ笑
1投稿日: 2024.01.02
powered by ブクログ《感想》 胸にわだかまりができてすっきりしない、、 なんとも言えない不気味さというか不快感が残る作品 《印象に残ったシーン》 ▼ 骨董品「芳蓮堂」 古びたガラス扉のある骨董品店がありありと思い浮かぶ。 《MVPキャラクター》 ▼ 芳蓮堂のなつめさん 大人っぽくも艶めかしく謎に満ちた魅惑的な女性を連想させる 唯一、白黒なこの小説の中で色を感じた
0投稿日: 2023.12.12
powered by ブクログオチがふんわりしてる 話リンクしてそうだけど矛盾するとこもある気がするので別の世界線なのかも 古道具屋っていいよね
0投稿日: 2023.11.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
湯浅正明監督「夜は短し歩けよ乙女」で触れたり、アンソロジーで数作読んだだけの森見作品を、初めて一冊通して読んだ。 (「水神」は東雅夫・編「平成怪奇小説傑作集2」で既読。) で、どれもよかった。 おそらく森見作品群の中では傍流なのではないかと思われる、怪奇幻想もの。 凄惨な奇妙ともいうべき「きつねのはなし」、茫洋な語りそのものがうら恐ろしくなる「魔」。 個人的に好みなのは創作の魔ともいえる「果実の中の龍」は、読んでいるこちらの腹がぎりぎりするようだった。 全作、解かれる謎があるわけではない、謎放置の味わい。 得体の知れなさこそが一番の恐怖だ。
9投稿日: 2023.11.22
powered by ブクログモヤモヤっとして、なんだったんだ今のは? きつねに化かされたのか?という気分にされる。 小説が現実に侵食していくような感覚になった
0投稿日: 2023.10.27
powered by ブクログいつもの森見登美彦とは別人のような作風の、京都を舞台にしたホラー短編集 ゾワゾワとした得体の知れない怖さがある。特に表題作に登場する旧家の男は夢に出てきそう だが一番怖いのは、前その表題作を読んだ時に僕が酷く熱を出したこと以外、作品の記憶がすっぽりなくなっていることだろう。
2投稿日: 2023.10.05
powered by ブクログ読み終えた後、少し頭を傾げたくなるような、そしてちょっとゾクっとする短編が4つ。独立しているようで、水、ケモノ、芳蓮堂などのキーワードでゆるやかに繋がっている。 短編ということもあり、ずいぶん前に読んだ「宵山万華鏡」を思い出した。 やはり森見登美彦さんは、京都という街を素晴らしい舞台に仕立て上げるなぁ、と思った。この不気味さも「京都」だからこそなんだろうと思う。観光客であふれかえる華やかな表通りから一本入ると何かが起こりそうな、趣があるけれどどこか閉塞感が漂う古い裏路地・・・。京都はもうしばらく訪れていないのに、そんな想像がはっきりとできてしまう。あぁ、京都にまた行きたくなってきた。 この4つの奇譚について、何がどうでどこがどうつながって、時系列は・・・などと考えるといけない。はっきりしない。ジメッとして、ヌメッっとして、ゾクッとして、モヤモヤ。そういう作品なのだ。それでいいのだ、きっと。 好き嫌いが分かれる作品かもしれない。私としては好きではないけれど、読んで良かったと思う作品だった。おもしろかった。 森見さん、黒髪の美女を追いかける阿呆な大学生や、天狗と争う賢い狸だけではなく、こんな物語も書けるんですね。やはり素晴らしい作家さんです。
45投稿日: 2023.07.13
powered by ブクログ夜行をもっと和風にしたかんじ。狐につままれたような、防空壕にゆっくり降りていて次第に体が冷えていくような、気味が悪い話。森見さん独特のあの文体ではないので、広く読みやすい一冊と思う。(森見さんの文体は好きだが、癖が強くて読み終わるまでに一日以上かかるが、本書は普通なので一日で読めた) イットとか貞子みたいなのは怖くて読めないけど、これは読めた。面白かった。
0投稿日: 2023.06.18
powered by ブクログいつもの森見登美彦節は少し鳴りを潜めるがクセはある。怪談も書けるんですね、読者に委ねる部分というか、考えて繋げる部分がある。面白かった。再読するときっと再発見があると思う。二度読み確定。
9投稿日: 2023.04.26
powered by ブクログ前回の夜は短しが読みにくかったので今回この本を読んだ。文章は読みやすかった。4話の中で須永さんと天城さんが死ぬきつねのはなしが少し怖かった。きつねに呪われているのかと思った。京の町の風景やお祭り天候の状態など書かれていて実際京都にワープした気持ちになった。以前晴明神社で金縛りに合いホテルで寝ている時に目を開けたら白い紙が飛んでいたのが自分の京都でのミステリーだ。
1投稿日: 2023.04.17
powered by ブクログいつものごとく京都を舞台にし、現実と幻想の間を行ったり来たりと言う感じなのですが、異なるのは他の作品よりも暗いこと。 ふっと気づくと暗闇が迫ってる感じ。 結局、得体の知れないものはなんだったのか。 芳蓮堂は何者なのか。 4つの話は同じ世界線なのか。 煙に巻かれたようなお話たちでした。
1投稿日: 2023.04.09
powered by ブクログ京都に抱く幻想が詰まってる。 こういう不思議で少しぞっとするような、静かな世界観を京都に求めている。。 古風な世界観をキレイな現代の文章で出せるって本当にすごいなぁと思います。 自分の中であれこれ考察する楽しみもある。とても良い。
1投稿日: 2023.03.19
powered by ブクログ面白かった! それぞれのお話が繋がっているようで繋がっていないような不思議さも良かったし、それぞれのお話が狐に化かされたような話だった。
0投稿日: 2023.02.26
powered by ブクログ読んでなかった森見シリーズ第2弾。 何か得体の知れないものが、ずっと流れてる。胴の長いケモノと芳蓮堂という古道具屋が共通だけど、答えはない。吉田神社、荒神橋を始め、馴染みの土地の風景を思い浮かべながら読んだ。
2投稿日: 2023.02.23
powered by ブクログこの話には、いつもの阿保な大学生は出て来ず、フンッと鼻で笑ってしまうような妄想話ではない。4話からなるが、繋がるようで繋がり切らない。謎のケモノに魅入られ、全編に渡って、ずっと何かに見張られているような薄気味の悪い印象を受ける。結末は全て読み手に委ねられるが、それがまた余韻となる。表題作の「きつなのはなし」が好みです。
0投稿日: 2023.02.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分の恋人を、 出された汁物のお椀の中で見つけたとき、 めっちゃぞっとしました なつめさんが龍の妖怪なんじゃないかっていう、 考察を見て、納得してしまった
0投稿日: 2023.01.14
powered by ブクログ静かでじっとりとしていて、ヒタヒタと得体の知れないモノが染み込んでくるような薄気味悪い怪奇話が4編。京都のイメージにぴったり。読み終わって、はて何を読んでいたのやら、狐につままれたような気分になった。 人が原因不明な妄想や狂いかたをしたとき、昔は狐のせいにしていたんだろうな。 妖しい狐の面の話「きつねのはなし」、不思議な先輩の話「果実の中の龍」が印象的。
0投稿日: 2022.12.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
題名から勝手にゆるゆるファンタジーだと思ってたら(平成狸合戦ぽんぽこみたいな)、不思議ホラー系小説でした。舞台が幼少期住んでた場所ドンピシャだったので場面がまんま見える感じでした。 著者さんの本は、夜は短しと宵山万華鏡しか読んだことなかったので同じノリの話かと思ったのですが、よく考えたら夜は短しも宵山万華鏡もとらえ方によっては不思議怖い話なんだよな~と思った次第です。ま、人死にが出てないので害はないんですが。
0投稿日: 2022.12.05
powered by ブクログ昔、京都に住んでいたことがあり出町柳、今出川、下賀茂神社、高野橋、一乗寺、北白川等ちょうど私が住んでいた生活県内の話で懐かしさがあった。確かに京都と言えば一本、道を入れば摩訶不思議尾なイメージがあり、魑魅魍魎が跋扈する町、怨念や嫉妬、祟りや妖気が渦巻く町とよく形容されるが、こういう話を持ち出されるとまた違った怖さが。話自体も結末はぼやかしているので読み手にある程度ゆだねているし、暗闇の中から何かがこちらを視ているのではという想像を掻き立てられた。万城目学さんの「鴨川ホルモー」とはまた違った切り口で京都の街の怪奇を読まさせていただいた。少し読むのに苦労はしたが、ホラーテイストで面白かった。
3投稿日: 2022.11.19
powered by ブクログ「夜行」では夜に包まれた感覚だったけど、これはそれよりも黒くて深い、闇に包まれた気分になった。怪談苦手な自分にしてはよく読み終わったな… 怖いから深掘りはしないしあまり思いだしたくないけど、もっと深掘りして物語を理解したいとも思えた。
0投稿日: 2022.10.14
powered by ブクログ得体の知れない屋敷とそこに住む住人。 京都を舞台に、京都らしい怪しさ、おどろおどろしさが描かれた、面白い作品であったと思う。
0投稿日: 2022.09.04
powered by ブクログ私の中で森見登美彦さんの作品は、登場人物が腐れ大学生であるものとそうでないものに大きく分けていたけれど、どうやらそうではないらしい。 あからさまなホラーではなくて、ひんやりぬるっとしたホラー。古都が舞台だからか、架空の古道具屋とかにリアリティを感じて怖い。1話目を読んだ日、怖い夢を見て眠れませんでした(笑) 腐れ大学生ものをよく読むので、いつもの森見作品とは雰囲気が違うけれど、この短編集の世界は繋がっているようで同じ古道具屋が出てきたりすること、舞台が京都であることが森見作品を読んでるんだと感じさせてくれます。 同じ京都を舞台にこんなにも雰囲気の違う作品が生み出せる森見登美彦さんに脱帽です!
0投稿日: 2022.08.18
powered by ブクログなにかもやもやした物が心に残る小説。怪談、というには意図的に怖がらせる描写があるわけでもなし、とにかく「奇妙」としか言えない。森見さんもこういう文章を書くんだ。
0投稿日: 2022.08.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
果実の中の龍が一番好きです。 先輩が話していたことが全部嘘だと聞いた時はとても驚いたけど先輩の嘘の話はいつもの森見さんのファンタジー?感があって楽しかったです。有頂天家族に出てくる天満屋さんが出てきて、驚きました。 結城さんはどんな気持ちだったんだろう悲しかったのかな。 また、水神は本当に怖くて夜に読んだことを後悔しました。最初お父さんが三人兄弟だと思わず読んでいたので勘違いしてしまった。 きつねのはなしはきつねのお面で人が死ぬの怖いなぁっと思った。節分祭があるなんてしらなかったからいってみたい! 本の背表紙に触れているところが印象的
0投稿日: 2022.08.12
powered by ブクログすごくおもしろかった。 普段怖い本はそんなに読まないけど、わざとらしさがなくてすごく好みの怖さ。涼しくなって季節にぴったり。 京都の地名が出てくるのが余計に楽しい。
3投稿日: 2022.07.25
powered by ブクログ全体的に抽象的な描写が多く、ぼんやりした感じが強い短編の四作。 四作はしっかり読み込んでいると、少しずつつながっているのがわかる。 ホラーなのか、ファンタジーなのか…..不可思議な話ばかり。場の表現も読解力のなさかもしれないけど、あいまいでわかりづらかったり、だいぶ話が進んで から登場人物の名前が出てくるので、想像がしづらかった。 まさに雲を掴むような文章で、明確な答えが出ない。他のホラー作家の話とを比べると、やや劣りの読み応え。ホラー好きには満足できない内容かも。 伏線も各話で次々に出てきて、その次の 話にかかってくるが、注意していないと気づけなかった… ゆえに感想や、心に残る描写まで深く読み取れなかった。 再読して何度も読みなおす必要がある。
1投稿日: 2022.05.12
powered by ブクログ. #きつねのはなし #森見登美彦 . 「あの暗い屋敷から延びてくる鉤爪のようなものが、奈緒子を掴んで夕闇に引きずり込むように思われたのである。」 . 「彼女の顔からゆっくりと血の気が引いていった。ゆっくりと水の底へ沈んでゆく彫刻のようであった。」 . 「昔はね、僕はうまく喋ることができなかった。人と喋ろうとしてもすぐ言葉に詰まる。それがなぜなのか、よく分からなかった。ただ自分の言葉が、嘘くさいんだ。嘘くさくて白々しくて、耐え難いんだ。」 . 『四畳半神話大系』の後に読んだので、全然ふざけてないことに驚きました。不気味な話は良い。関係ないけど楽天KOBOポチりました。
0投稿日: 2022.04.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
森見登美彦さんのあのハイテンションで格調高い文体のトーンをぐっと落とし、京都の闇を背景に奇譚を書いたらこうなった。 これは、「太陽の塔」のような青春群像とは一味違う、もう一つのもりみーワールドだ。 『きつねのはなし』 森見登美彦 (新潮文庫) 4つの短編から成る奇譚集。 「天城さんは鷺森神社の近くに住んでいた。」 という一行目の出だしだけで、何かゾクゾクしてしまう。 これから異世界へ引きずり込まれるであろう予感がひたひたとやってくる、表題作「きつねのはなし」。 主人公の「私」はある日、アルバイトをしている古道具屋“芳蓮堂”の使いとして、奇妙な屋敷を訪れる。 主である天城さんとの不思議な取り引き。 取り引きが取り引きを生み、深みにはまっていく主人公。 かなり怖いです。 中でも一番怖かったのは、“ぬるぬるしたスウプ”の場面でしょうか。 何なんだろうあれは。 結局よく分からないまま物語の幕は引かれる。 狐に似た胴の長いケモノ。 狐の面。 それらに魅入られたのは、本当は誰だったのか…? 「果実の中の龍」は、ちょっと変わった物語だ。 この一編だけでももちろん成り立っているが、全体の中に置くことで、物語が微妙に色合いを変える。 他の短編との奇妙な符合、虚と実の狭間でゆらゆら浮かんでいるような気持ち悪さ。 “先輩”が“私”に語ったことは、一体何を意味するのだろう。 「魔」では、例のケモノが度々姿を現す。 “憑かれる”瞬間、客観から主観へ移る一瞬が怖い。 ケモノの気配や匂いや質感までもが伝わってくるようだ。 内容は取り立てて面白いというものではない。 だから何なのよ、と問うてみても誰も答えてくれない、一人ぼっちにされたような何ともいえない恐怖感があって、言ってみれば、控えめで曖昧な描写だからこそ、その分不気味で想像力を掻き立てられるのかもしれない。 町の人たちが、わけの分からないものときちんと共存しているのが、いかにも京都である。 「水神」は、なんと主人公の住んでいるところが、私の住んでいる市なのだった。 祖父の通夜に出るため、彼はそこから京阪電車に乗って三条へ行く。(地元感がすごいわ) 祖父の祭壇の前での、親族の男たちだけの酒宴で起こった不思議な出来事とは? 琵琶湖疏水の隧道掘削の真実が、祖父の死と絡めて、何やら人の力では抗えない大きな水の流れとなって迫って来る。 ちょっと悲しい感じのする話である。 この祖父の屋敷(樋口家)は、立地や風景からして、どう見ても「きつねのはなし」の天城さんの屋敷である。 四編の短編どうしが微妙にずれつつリンクしているのがこの物語の面白いところで、胴の長いケモノや怪しげな幻燈や、龍の根付、琵琶湖疏水なんかもそれぞれの話で登場する。 芳蓮堂の主人は「きつねのはなし」ではナツメさんだが、その時のお客だった須永さんが、なぜか「果実の中の龍」では芳蓮堂の主人になっていて、そこではナツメさんはなんとあの奇妙な屋敷の住人なのである。 さらに「水神」で、真夜中にやって来る芳蓮堂の女主人の名は明かされていないが、どうもナツメさんではなさそうなのだ。 あーややこしい。 何がどう繋がっているのかさっぱり分かりません。 時系列が分からんし。 あちこちに時間の断層のような歪みがあって、ガクンと大きくずれているような感じ。 私思うんだけど、ケモノも屋敷も芳蓮堂も、いわゆる時間軸とは違う線上に存在しているのではないだろうか。 昔、そんな映画があったような。 同じ物や人が、時間軸、つまり現在・過去・未来のそれぞれに存在するのではなく、違う空間に同一のものが複数存在する、という。 例えば“私”という人間が違う世界にも存在していて、その私はその世界でそれなりに何かして生きている。 とか。 うわ、なんか深みにはまっていくぞ(笑) 森見さんの書く文章は私はすごく好きだ。 「小糠雨にしっとりと濡れたように落ち着いていた」 “小糠雨”なんて欧陽菲菲の歌でしか聞いたことないし。 オノマトペが多用されているのもいい。 感覚に訴えてくる文章を書く人だなと思う。 お酒を「まるで水のようにすいすいと吞む」という言い方が好きだ。 伏見稲荷大社の長い長い鳥居の列を、狐の面をかぶった人が歩いていたら… ゾクゾクしますね。
0投稿日: 2022.04.06
powered by ブクログ人でも幽霊でもない、”ケモノ”のような存在をモチーフに描かれた4つの短編作品集。 ほかの森見作品にはあまり無いようなゾクっとするような話ばかりで、舞台はすべていつもの京都であるものの、描き方でこんなに違う雰囲気が表現できるんだなぁと興味深かった。
0投稿日: 2022.04.03
powered by ブクログ脅かし要素のないじわじわ来る日本のホラーを感じられます。 読んでいるだけでゾワゾワと鳥肌が立つ感覚がします。 森見さんの作品は他にも読んだことがありますが、随一お気に入りです。
0投稿日: 2022.03.06
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森見登美彦といえば、架空の京都という劇場のオーナー。同じ道具立てのようで、万華鏡のように毎回違う模様を見せてくれる。 今回の趣向は「怪談」。人の悪意や苦しみが、印象的な情景と裏表になっているのがいい。特に前半の雰囲気がすき。 いわば前半が「きつねのはなし」、後半が「××のはなし」。 前にクトゥルフ神話を読んだけど、同じ「人でないもの」がでてくる作品でも全く印象が違う。東洋で「水」が象徴するものについて、扱った本があれば読んでみたい。
0投稿日: 2022.02.04
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読む度ぞくぞくする。 中毒になる。 きつねのはなしの寒く乾いた空気の中の一乗寺と頬が火照る法蓮堂のストーブの熱気と首から背中にかけて寒気をおぼえる細長い和室、果実の中の龍の薄暗がって甘くぼんやりと酔った心地になる先輩の図書館、魔の頭が重くなるような梅雨の荒神口、そして水神のベタつくシャツと顔を伝う汗を想像させる晩夏の通夜と暗く冷ややかな隧道。 全部リアルな感覚に包まれる。
1投稿日: 2021.12.27
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私は森見さんの独特な言い回しやユーモラスなキャラクターたちが大好きで、今回もそれを期待して読んだ。しかし、この本はいつもの雰囲気とは全く違う、シリアスなホラー小説だった。 読み終わった後もなんとも言えない不気味さが残ってなんだかスッキリしなかった。物語の中では不思議なことが次々と起こっていくが、謎が明かされないまま終わってしまうのだ。 4つの短編から構成されている。それぞれの短編は無関係ではなく、狐のお面や水神、雷獣、芳蓮堂など、少し繋がりもあるが、独立した物語としても楽しめる。 森見さんの振り幅の大きさには驚き感心したが、正直私にとっては苦手なジャンルだった。読み終わった後もモヤモヤを引きずってしまうので。ただ、不思議と引き込まれるような中毒性はあったので、読み切ることはできた。
0投稿日: 2021.12.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
目次 ・きつねのはなし ・果実の中の龍 ・魔 ・水神 昨日のうちに読み終わることも可能だったけれど、夜に読むのはちょっとはばかられて、今日の読了となりました。 独立した短編のようであり、ゆるく繋がっているようでもあり、しかし明確な時系列というのもなく、テイストもそれぞれで…。 「きつね」面の男は出て来るが、狐そのものは出てこない。 あくまでも「魔」の「妖」の「物の怪」の話なのである。 表題作は怖かった。 不穏な気配だけは充分漂わせながら、最後まで正体がつかめない。 その正体を知っているのは、主人公のバイト先である古道具屋の主人・ナツメさんと、得体の知れない顧客・天城さんと、もう一人の顧客・須永さんだけだったろう。 天城さんが敵だとしたら、須永さんとナツメさんは主人公の味方に思える。 しかし言葉が足りない。 言葉足らずの説明不足の行き違いのせいでコナンくんは多くの事件を解決するはめになっているではないか。 ちゃんと会話をして、意志の疎通をはかれ!と思って読んでいたら、あれあれ?そういうことですの? ね?怖いでしょう? 悪意すら欠落しているかのような感情の希薄。 そこには確かに、人ではない何かの存在が感じられた。 そういう意味では最後の「水神」もまた、人知を超えた存在の話。 何なら「きつねのはなし」とうっすらリンクしているのかもしれない終焉。 どの作品も、明確な結末というものはなく、「どういうこと?こういうこと?」と読後一人で問答してしまう。 「果実の中の龍」と「魔」は、人の中にある「魔」の話。 ホラーのような怖さではないが、やはりもやもやと怖い。 特に「果実の中の龍」は、重い。 人に語るべき何かを持たないと、ダメなのでしょうか。 周りの人に評価してもらえるよう自分を取り繕っているうちに、本当の自分がどこにもなくなってしまうような、そんな怖さ。 ひとつひとつは独立した話なのに、どういうわけか共通したモチーフが出てきてしまう怖さ。 それは誰がつくりあげた世界なのか。 仄暗いなかに強い意志を感じさせる、そんな存在があるというのか。
0投稿日: 2021.11.12
powered by ブクログふわりと不可思議で、ひっそりと不気味な雰囲気の連作短篇。京都を舞台に繰り広げられる物語はどこか優美にも感じられ、ホラーというにはおとなしい気もしますが。そこはかとなくひそかな恐ろしさはしっかりと潜んでいます。 お気に入りは「魔」。これが一番怖かったかな。謎のケモノも不気味だけれど、知らず知らずのうちに入り込んでくる「魔」の恐ろしさが一番身に迫ったのはこの物語でした。 ラスト「水神」のパワフルさも印象的でした。物語自体はゆったり進むかに思えて、ラストでこれは! 結局謎のまま終わるところが多いのも、この物語の魅力かもしれません。
0投稿日: 2021.10.16
powered by ブクログ京都、歴史を重ねる古い街ほど、物語の陰陽の両面が際立つ場になりますね。 沢山の人々の生業の気や情が集まり、溜まり、澱み、この世のものではない何かの存在をふと感じる瞬間、そして、それは常に身近に存在している感覚。 久々に嫌な怖さを感じれた物語でした。
1投稿日: 2021.09.30
powered by ブクログ京都の町、日常に何かが潜んでいる、じりじりとした不気味さのある話。 ぞっとする怖さではなく、気がついたら日が暮れていて、1人置き去りにされたような心細い気持ちになる。 2021年9月8日
6投稿日: 2021.09.08
powered by ブクログ続きが気になる話だった どれも関連がなさそうで、ありそうで 夜行に次ぐ、ミステリホラー要素のある話 情景が目に浮かぶ森見登美彦さんの素敵でゾッとする物語でした
0投稿日: 2021.09.05
powered by ブクログ京都に住もうとしたことがあります。残念ながら実現はしませんでしたが。 この街が持つ醸造された不可解さ(としか言いようがない)は、古都たる故でしょうか。圧倒的ですね。 でも暗い道(未知でもいいですけど)の言いようのない、どうしようもない怖さは、誰しもが原体験として持っていて…はっきりとしないまま語られるお話にも、何故かすんなり入ってしまう。分かってしまう。 その意味でここにある4篇全てが魔であり、読む人が魅入られちゃうのかもしれませんね。
2投稿日: 2021.08.12
powered by ブクログ3度目の再読にもかかわらず、断片的にしか内容を覚えていなかった。どうも短編は鮮明に覚えていられない傾向がある。『新釈走れメロス』のひとつと混同していた話もあった。 4つの短編はそれぞれ独立しているが、話題にのぼったり、同じ小物やきつねと思しきケモノが全編に登場することでつながっている。怖い、と言うほどではないが、どれも薄気味悪い話ばかり。森見作品はいつも現実と幻の境界の曖昧さ加減が絶妙。最後の『水神』だけケモノの毛色が異なるのが気になる。
1投稿日: 2021.08.05
powered by ブクログファンタジー色の強い森見さんの作品に最近はまっていて手に取った一冊。 その中でもホラー寄りではあるが、怖いというよりも不思議な正体のつかめなさが強く出ていて、そこが好きなところ。 いつも通り京都を舞台にしていて、古道具を扱う芳蓮堂、胴の長い狐のような化け物、狐面の男などの複数の作品に共通する人物や小物が登場する。 しかし少しずつ描写が違ったりしていて、本当に同じものなのか実は違うのか、並行世界にあるのかなどの想像の余地のあるはっきりしない感じがいい。 「きつねのはなし」☆☆☆☆ 指定されたものを差し出せば、それと引き換えに何か願いをかなえてくれる狐面の男の話。 どうやら要求されるものは段々価値が高くなっているようで、最終的に「もう君は私の欲しいものを持っていない」「可哀相に」と言われた時の絶望感たるや。 「果実の中の龍」☆☆☆☆ 主人公の大学の先輩は大学を休学してシルクロードを旅したという男で、ほかにも京都市内のあちこちでバイトをしていたり変わった経歴を持っていて、とにかく経験豊富で話題の尽きない人であった。 しかし、先輩の彼女は彼について「つまらない人」だと評している。 それはどういう意味なのか。 先輩は狂気に飲まれつつも、自らそれを理解している様子だ。 でもそれなら、クリスマスの日の振る舞いは何だったのか。 自分がおかしいとわかっていながらあの振る舞いだったのか、それとも完全に狂気に飲まれてしまったのか。 「魔」☆☆ 狐のような胴の長いケモノに襲われる事件が起き、町内では見回りを強化していた。 しかし、見回りを行う登場人物の誰もが怪しい挙動をしており、また互いに警戒しているようでもある。 その不穏な空気がとてもよかったのだが、最後の最後に「魔王決戦!俺たちの戦いはこれからだ!先生の次回作にご期待ください!-完-」みたいな終わりになったのが残念。 「水神」☆☆☆ 主人公の祖父が亡くなり、その葬式で水にまつわる不思議な出来事が起こる。 古い家屋に歴史のある一族が出てきて、呪いに水神といかにもジャパニーズホラーっぽい作品。 結局どういう理屈の話だったのかはっきりしないが、そこがいい。
6投稿日: 2021.08.03
powered by ブクログ面白かった。現実と非現実の境目をふらふら歩くような気持ち。日常にひと匙の不思議を垂らしたような、ちょうど良いトリップ感。果実の中の龍が好きかも。
3投稿日: 2021.06.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
怖いというより不気味な短編集だった。 嘘で塗り固められた先輩と、家庭教師バイトの大学生の話が好きだった。最後の話は目が滑った。ちょっと不思議すぎてよく分からんな……感も否めない。夢と現が入り交じってる森見登美彦の世界観は相変わらず好き
0投稿日: 2021.05.14
powered by ブクログ他の森見さんの作品とは少し違う感じ。宵山万華鏡の話の中で一部影の部分というのか、その底からくるようなゾッとする恐怖を感じる部分があったが、その感覚の部分だけで構成されたようなお話。何故だかわからないが突然にも静かにやってくる恐怖。しかし一回読んだだけでは理解しにくい。またもう一度読み込めばわかるのだろうか。
0投稿日: 2021.05.08
powered by ブクログ今までに読んできた森見登美彦さんの作風とはかなり異なるように感じた。 同じ京都(あるいはその周辺)を舞台とし、人智を超えた存在を取り上げている点は共通していても、本作は京都の神秘的な雰囲気のうち特に暗い部分を描き出している。 なのでずっと怖い。怖いしモヤモヤする。 しかしこの得体の知れない恐怖になぜか惹かれる。 同氏の他作品のように明るく笑えて愉快痛快!みたいなことは全くないが、ずんずん読み進められてしまうような妖艶な魅力がある。
0投稿日: 2021.05.08
powered by ブクログ「そのケモノは、まだ町をうろついているんですよ」 怖けりゃ、目を伏せりゃ良い? 恐ろしけりゃ、逃げりゃ良い? 京暮らしはそう単純じゃない。 奇縁絡み、暗闇蠢き、狐憑く地。 郷に入りては、だよ。 愉しまなくちゃ… さもなくば、水すら怖いぞ。 ///// 森見ワールドの新たな一面を覗き見た仄昏い怪談集。この絶妙なエキゾチックさを堪能できるのは日本人の特権ですね。気品ありつつ厭な感じ。見事に薄皮一枚で繋がる短編毎の因縁。乙だわ…
6投稿日: 2021.05.01
powered by ブクログ今まで読んできた森見さん作品のように愉快な大学生や狸たちの出てこない、京都の闇の部分を垣間見るような作品集。最後まで妖しいモノの核心が掴めそうで掴めない、不穏な感じがとてもよかった
2投稿日: 2021.04.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
オムニバス形式で話が進むが、どの話にも繋がりがあるようなないような感じであり、しかもどの話もオチがはっきりせず、いかにも続きますと言った感じで終わり、最後までその感じが続くため、きつねにつままれたような感じである。まさに、きつねのはなしである。
0投稿日: 2021.03.08
powered by ブクログもし、ですよ。これら4つの短編にひとつひとつしっかりオチがあって謎が全部明かされて、さらに4つ全部読んだ後に全ての短編が互いに互いの伏線を持ち合いながら繋がっていて最後に最大の謎が明かされる。「きつねのはなし」がそんな作品であったら、私は今読了直後ですが、ここまでこの作品に惹かれることはなかったでしょう。今まさに私は狐につままれたような心境で感想を書いています。 曖昧で、ぼんやりしていて、迷子になったような不安感。それはいつの日かの蒸し暑い夜を思い出させます。そして何の前触れも気配もなく、闇の中に突如として現れる冷たい感触。首筋の汗をすっと撫でるような心地よさの直後、ふいに訪れた恐怖のようなものが首を優しく丁寧に絞めあげている。「きつねのはなし」を読みながら体験したのはそんな感覚。『怖いもの』は常に曖昧であり、脈絡がなく、不条理なのだ。 昨年の11月に森見登美彦作品の聖地巡礼を兼ねて京都へ行きましたが、その経験あってか以前よりも森見登美彦作品の世界観を想像しやすくなりました。琵琶湖疏水とか南禅寺とかあの辺は脚が棒になるくらい歩き回ったし、めちゃくちゃ迷子になりました。特に印象的だったのは、あの辺が異常に涼しく感じたことです。疏水に沿って山を登るうちに、人気や家屋もどんどんなくなっていくんですが、ある地点くらいから急に涼しくなるんですよね。それまでの疲労が和らぐのと同時に、私はその涼しさをちょっと不気味だと思ってしまいました。 今思い返してみると、その不気味さと「きつねのはなし」の不気味さはよく似ているような気がします。
0投稿日: 2021.03.07
powered by ブクログ得体の知れないモノには恐怖するけれど、それと同じくらい興味を持ち知りたいと思ってしまう。だから、得体が知れた途端に恐怖はなくなり、さほど興味もなくなってしまう。 得体の知れないモノは得体の知れないままで、ひっそりと終わる話。 全話通してひんやりとした空気を纏った一冊です。 田舎の古い家屋の暗く湿った納戸の扉を細く開けて静かに覗くような気持ちになる一冊です。
1投稿日: 2021.02.13
powered by ブクログとても繊細な描写で、五感すべてが刺激されるようだった。本を開く度に、ずるずると不気味な渦の中に飲みこまれる感覚があった。面白かったです。京都や滋賀の知っている場所がたくさん出てくるのも個人的に楽しかった。
0投稿日: 2020.12.21
powered by ブクログ京都には「魔」が棲んでいる。「夜行」や「熱帯」に連なる不条理の怖さ。森見登美彦が漱石や百閒の系譜を継ぐ作家だと言うことがよくわかる。
0投稿日: 2020.12.07
powered by ブクログうわ〜!めっちゃ怪しい〜! こんな感じの好きや! 短編集だけど、どれもそんな雰囲気! 長い歴史のある古都 京都の闇のというか、負の部分が溢れ出てる。 地元なんで、地名などなど知ってるとこばっかりなんで、共感した所もあるにはあるが、こういう、凄い怖さではなく、ゾッとする?じわじわ怖い?感じのが良い。 確かに、京都って、人通りの少ない場所歩くと何か怖いと思う時がある。何かに見られているような… 特に夜中…どこでも普通に怖いか…^^; PS: ちなみに、京阪電車が出てるのも嬉しい。(関西では、阪急電車一強なんで)
10投稿日: 2020.09.26
powered by ブクログ森見登美彦は好きだ。どちらかと言えば、クサレ大学生が京都を舞台に卑屈な論理をこねくりまわしたり、天狗や狸がわちゃわちゃする方の、明るい森見先生が好きだ。本作はどちらかと言えば、『宵山万華鏡』『夜行』に寄った(出版順的には、それらがこっちに寄っているというべきだろうが)、ホラーテイストな森見登美彦だ。だが、これは凄く良かった。 挙げた2作よりも、本作が刺さったのはなぜか。上手く言語化できていないのだが、とにかく非常に味わい深かった。京都そのものが恐ろしげに変じるのではなく、侘びしげな京都という舞台の中に、怪奇な存在が入り込んでゆくのが良かったのかも知れない。主人公たちが大学生であるのが良かったのかも知れない。おどけない文体が美しいと感じたのかも知れない。或いは、それらが合わさって、忍び寄る闇をひしひしと感じさせたため、というのが一番近いだろうか。いずれにしても、「暗い方」の森見作品の中では、一番に推したい傑作だと感じた。 ただ、ホラーであるからして、釈然としない部分も残る。結末がぼやけていたり、どうしてそうなるのか、という理屈が曖昧だったりはする。それが味わい深さに繋がっているのやもしれないな、と思いもするが、個人的な好みとしてははっきり書いてもらった方が好きだ。 とりわけ表題作の雰囲気が好みで、読み終えてから読み返してみたが、やはりそれでも読み解けない部分は多い。理解力や想像力不足かもしれないが…。
1投稿日: 2020.08.04
powered by ブクログ夏になったら必ず読みたくなる作品。 京都が舞台ということもありそう感じさせてくれるのかもしれないけど、どれも面白かった。 特にまだ怖さがなかったかなっておもうのが きつねのはなし。これがすきかなー。 どんどん一文一文読むにつれて恐怖が増してくるのはなぜかしら。そんな作品だったと思う。 なんていうか、ただ怖いわけじゃない、文字で書かれてる表現がより恐怖を増している感じでした。
0投稿日: 2020.07.29
powered by ブクログちょっと怖めの短編集。 短編は完結かと思ったが、繋がりがある内容 最後の話は登場人物と時間軸が難しくあまり理解できなかった。
0投稿日: 2020.06.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
森見さん繋がりで購入。不思議で怪奇。1話めが一番好きかも知れない。どきどきする部分もある。 4話ともなんとなく繋がっているようで、時系列が分からないけれど、もしかすれば繋がっていないのかもしれない。 読んでから、「ケモノ」が夢に出てきて怖かった。1話目のナツメさんは最後どうなったのだろう。 森見さんの怪奇もの、結構好きだ。 夜行も読んだのだけれど、そこで岸田サロンに来ていた「一乗寺にある小道具屋の女主人」ってナツメさんのことかなあ。
1投稿日: 2020.06.09
powered by ブクログかなり早く読み終わった。 何故早いかと言うと、比較的分量が少な目であったのもあるが、なにより怖かったからである。 怖い話を途中で止めると、怖い話という存在がずっと傍らに立っているような気がするのだ。 でも決して読み飛ばしたわけではない。 ちゃんと読んだ。 だから怖いのだ。 驚かされる怖さではなく、背筋や空気が冷たくなるタイプの恐さ。 それが、実に淡々と語られるのが余計に恐ろしさと悪寒を際立たさせる。
1投稿日: 2020.03.20
powered by ブクログホラーのようなどこか不気味な話。全四編。 全体的に読み取るのが難しく、モヤモヤするけど不快感はない。
0投稿日: 2020.03.02
powered by ブクログある骨董店が何かしら関わりを持つ4つの短編集。骨董店でバイトする大学生がある配達先とちょっと関わったばかりに彼女を失いそうになる話、親交を重ね慕っていた先輩が姿をくらまし取り残されてしまう話、ある家に家庭教師に通う学生が魔に魅入られてしまう話、祖父の通夜で寝ずの番をしていた息子たちと孫に超常現象が起こる話。 いつものとぼけてふざけてる感じはなく、真面目にキテレツなことを語っている感じ。京都の闇のような部分を伝えたいのか?けっこうおどろおどろしい。 意図というかテーマがイマイチ掴みづらく、あんまり心に残るものはない。
0投稿日: 2020.02.16
powered by ブクログ基本的にカラフルな世界観の森見登美彦が ここまですべての影が墨汁で塗られたかのような空気を出せるとは! 4つの物語はすべて相互作用をしているようで僅かばかりズレている(ように作ってある)そこに再読の趣を残してあるわけですね、、、 引き込まれました
0投稿日: 2020.01.17
powered by ブクログ面白かった。 短編集。 妹にこわいけどおもしろい、と勧められて。 骨董品と、琵琶湖疏水と、モチーフが入り交ざって登場し、イメージを掻き立てる。 なさそうでありそうなリアル感がある。
0投稿日: 2020.01.02
powered by ブクログ完結型の短編集かと思ったら、繋がりのある短編集だった。 終始、静かに物語が流れるため、時々出てくる水などの音に、ハッとさせられた。 森見さんの他の作品も読んでみたい。
0投稿日: 2019.11.23
powered by ブクログ11/18 読了 森見登美彦は、四畳半神話大系や太陽の塔、有頂天家族を読んだ事があり、本書もああいう軽快な話なのかなと思いつつ購入 読みはじめてすぐに、こんな雰囲気の話も書けるんだ!と驚かされた。 普段軽快かつ濃厚な世界観を創り出している森見登美彦が操る言葉遣いや風景描写が、一転してこの物語の暗さや不気味さを引き立てている。 京都という舞台がまた憎く、古都が持つ歴史・伝統が、この物語の骨格をより強固なものとしている。 一方で、登場する人物は皆どこか人間味に溢れており、怖いだけの話ではないあたり、森見登美彦の奥深さを改めて感じた。
1投稿日: 2019.11.20
