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東京プリズン
東京プリズン
赤坂真理/河出書房新社
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総合評価

81件)
3.0
5
21
24
10
9
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    本屋で『ある晴れた夏の朝』を見かけ、その内容が“アメリカの学生が原爆投下の是非をディベートするお話”と知り、じゃぁ『東京プリズン』と合わせて読んでみようかなと。 『東京プリズン』は、このなんともホラーな表紙wのせいもあり、出た直後から知っていた。 日本の女子学生が、“第二次大戦において天皇に戦争責任はあったのか?”を米国の学生とディベートするお話と知って、読んでみたいなーとは思ったものの。 ただ、ま、他に面白いミステリー小説があったんだろうね(^^ゞ 結局、読まなかったw ていうかー、こういうお話だとわかっていたら、当時は絶対読まなかっただろう。 それこそ、本屋で『ある晴れた夏の朝』を見て。どちらも第二次大戦について学生がディベートするお話だから、「合わせて読んでみるか」と酔狂起こさなきゃw、絶対読まない本だと思う(^^ゞ というのも、これって、そのディベートの部分も含めて、著者のインナースペース(内的宇宙)を巡るインナートリップ(今は「マインドトリップ」の方がわかりやすい?)のお話なのだ。 簡単に言えば、陰鬱な「ファンタジー?」みたいな。 そーいえば、『ある晴れた夏の朝』は、ミョーにキレイな、カラッと明るいお話だったけど、だからって、これは『裏・ある晴れた夏の朝』なんだと言うには陰鬱すぎる。 もしかしたら、著者自身、これは他の人に読んでもらう小説というより、自らのインナースペースを旅することで、日本とはなにか?、日本人とはなにか?、日本語とは何か?といった自らの疑問と向き合う…、みたいなことの方が目的だったような気がするかな? とはいえ、著者って、結構エキセントリックな作家らしいから。 もしかしたら、そもそもこういう作風なのかもしれない。 そこはわからない。 『ある晴れた夏の朝』も日本語の特性(特異性?)が一つの主題になっていたけど、これは、そのことがもっと内容に関わっている。 ストーリー的には、その辺りが語られる、真ん中よりちょっと前くらいから面白くなった。 といっても、すぐにまた、インナートリップしちゃうし。 ニッポン人からするとゲンナリしちゃうw、アメリカのティーンエイジャー特有の価値観や、アメリカの保守的な価値観に染まった人たちと主人公の陰鬱なコミュニケーションにウンザリって感じ(^^ゞ 「最終章」で、やっとそのディベートが始まるので、ストーリが進むこともあり、面白くなるのだが、でも、また途中でインナートリップ┐(´д`)┌ そういえば、この小説にあるインナートリップの描写を「村上春樹を思わせる」みたいな感想を書いている方が何人かいたけど、そこは全然気がつかなかったこともあり、「なるほど!」と。 「そうか。村上春樹の小説にあるファンタジー要素って、たんにインナートリップとして読めばいいんだな」って、そこは大いに気づかされた。 でー、肝心の「天皇の戦争責任」をめぐるディベートだけど。 『ある晴れた夏の朝』を読んだ時は、このディベートの内容って、第二次大戦が歴史の教科書の出来事になっちゃった今、高校生はともかくも、小学高学年〜中学生くらいだとどこまで理解出来るんだろうか?と思ったけど。 ここで語られる歴史認識や歴史解釈は、一般的な大人ですら、どこまで理解が追いつくんだろう?という感じ。 自分は、第二次大戦のことを系統だててわかっているわけではないタイプ…、つまり、大人になってから中途半端にいろいろな本を読んで、中途半端にいろいろ知っているというタイプだから、このディベートの内容になんとかついていけている……、のかな?wという感じだ(^^ゞ ここで語られていることは、たんなる世界史だけじゃなくて、「その世界史」が書かれた政治的な背景(国の思惑)にも触れている。 そうなってくると、高校で「世界史」を選択したくらいじゃ、ちょっとキツイんじゃないのかな?と思うんだけどどうなんだろう? だって、それなりに近代史に興味を持っている日本人でも、「東京裁判」の詳細となると結構盲点だと思うのだ。 ただ、自分は「世界史」を選択していないので、その辺はなんともだ。 ていうか、ここでは歴史だけでなく、(今も昔も変わらない)一般的アメリカ人が信仰するキリスト教の当たり前(その非論理性による自らの欺瞞を正義とするために、合理的に利用する)までもディベートの内容に入ってくるので。 その辺となると、普通の日本人だと全く想像の外だと思うのだ。 例の「トランプ現象」があったことで、億万長者のトランプ氏を「中間層」とは名ばかりの中西部の貧乏白人層が支持するその背景の意味不明さを知りたいがために色々本を読んでいく内に、どうやらそこには、キリスト教を盲信する「アメリカの伝統的価値観」が大いに関わっているらしいとわかるけど。 でも、(この本にも出てきたけど)アメリカといったら、NYと西海岸、テイラー・スウィフトはファッションアイコン、今日も大谷翔平がホームラン!というのがアメリカだと思っているのもニッポン人だ(^^ゞ もっとも、「天皇の戦争責任を学生がディベートする」なんて内容の本を読むのはそういう一般的ニッポン人じゃなくて、ちょっとエキセントリックな人なのかもしれないけどね(爆) 著者の史観? 著者がこの本で書いている(ディベートとして出てくる)、大日本帝国を戦争に暴走させてしまった原因は、うろ覚えだけど渡部昇一の史観と似ているように思った。 そういえば、石破さんも「戦後80年の談話」として、あの戦争の原因として最初に大日本帝国憲法を挙げていたけど。 渡部昇一は、大日本帝国憲法の不備を元老がカバーしていたんだけど、最後の元老である西園寺公望という“重し”がいなくなったことで、軍部による統帥権干犯が発生。それによって、軍部の暴走したことであの戦争に突っ走っていいってしまった…、みたいなことを書いていて。 渡部昇一というと、「左がかった目で物事を見ることが正しいこと!」になっちゃった今のニッポン人からすると「右」の人になっちゃうのか(某日本の首相と比べたら全然ニュートラルなのにね)、最近はあまり語られなくなっちゃった人だけど。 (ていうか、2017年に亡くなっていたんだなぁ…) 決して、極端な国粋主義者というわけではなく、ある意味合理的な視点で歴史を見ていた人だと思う。 もちろん、合理的に視点で歴史を見ることで戦前戦中の日本を擁護しすぎた面もあるのだろう。 でも、たんに耳障りがよさだけで、左がかった「今の正しい」を盲目的に信仰する人たち、あるいは、その逆の「過剰に日本正しい!」に陥っている人たちに溢れている今のニッポンの論理と比べたら、渡部昇一の合理的な歴史の見方というのは全然公正だし。 なにより、中道だ(^^ゞ ただ、中道というのは、当たり前のことだから退屈で。 左がかった「今の正しい」や「過剰に日本正しい」みたいなデタラメの極論の方が面白いから、そっちを信じて、お祭り騒ぎしたいのはわからなくもないんだけどね。 でもさ。 いつの時代も、どんな国でも、国がおかしくなるのは国民の極論好きから始まるんだよ。 ディベートの中で、天皇の仕事は「恋をすること」というのが出てくるが。 確か、渡部昇一も『日本史から見た日本人』で、その辺りのことも書いてなかったかな? (違うか? それは『逆説の日本史』だったか? 忘れたw) ていうか、これは日本人である著者が書いたフィクションだから、アメリカの学生が「天皇の仕事が恋をすること」と言っても不思議はないのだけれど。 もし、アメリカ人のフツーの学生が本当にそれを理解出来ているのだとしたら、かなりビックリだ(^_^;) たぶん、著者は自らの知識でそれをアメリカ人の学生に言わせているんだとは思うけど、いずれにしてもニッポン人はもっとアメリカ人のことを知ったほうがいいのは確かだろう。 この『東京プリズン』と『ある晴れた夏の朝』、どちらも★3つにしたのは、それぞれ帯に短し襷に長しなんだよなぁーと思ったから(^^ゞ 誰か、今っぽく左寄りでもなく、今っぽい右寄りでもない、ちゃんとモノの見える人が、これらの中間くらいのものを書いて欲しいかなぁーと思う。

    14
    投稿日: 2025.11.08
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    「天皇の戦争責任」「東京裁判」と題材はよかったのだけど、話が行ったり来たりして、追いついていけないというか、理解ができない部分も多くて‥。 「人はどんなに長く生きても人生に時間が足りたと思うことはないのだろう」 カリキュラムは卑弥呼から始めて明治維新あたりで時間切れになるようになっている。確かに‥正直、卑弥呼だの縄文だのってこれから生きていく上で必要だろうか?ならば近代日本史をもっと学ぶべきだし、戦争のあり方について、過ちについて学ぶべきだと思う。 それと終戦記念日について。なぜ「敗戦」ではなく「終戦」なのか?なぜ負けたのに「記念」するのか?考えたこともなかった。でも言われてみれば、そうだよな!って。

    13
    投稿日: 2025.11.07
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    なかなか難解であった。突然、人の夢の中入っていくよう。文章は上手いので読んじゃうけど、意味が追えなくて文字見てるだけみたい。 実際の裁判について一度調べてみたくなった。かも。

    0
    投稿日: 2025.03.16
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    毎日出版文化賞、司馬遼太郎賞、紫式部文学賞受賞作品! 「天皇の戦争責任」について語られれる物語ということで、意気込んで手に取りましたが、全くダメ! 自分には合わない。これやダメです。酷評です! 理解できませんでした。 読解力がないのかもしれないけど、これはダメダメです。ついていけません。 「天皇の戦争責任」について直球で、ディベートして、あれこれ考えさせられる物語かと思っていたのですが、主人公のマリという高校生の空想や夢のシーンがふんだんに盛り込まれ、スピリチュアルな経験、ファンタジックな経験含めて、話についていけません。 っていうか、ほとんどがその内容です。 どこまでが現実で、何が妄想なのかの読んでてわけわかんなくなって、混乱しています。 そういう夢落ちや空想経験は大嫌いなのよ。 本書のページのほとんどをその空想に費やし、最後の最後でようやく戦争責任についてのディベートにたどり着きます。 しかし、ここでも、空想と現実でいったりきたり。 やめてほしい!!! 前半のスピチュアルな経験をベースに、天皇、神、キリストといったところに行きついて、マリがスピーチするのですが、話をそっちに持って行っちゃうの?って思う次第。それが真相なのかな... 結局、理解できませんでした。 とても、不思議な小説でした。

    76
    投稿日: 2024.10.19
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    正直、半分くらい、意味わからなかった。 ただ言えることは、アメリカでは、ハイスクールの頃から、日本の国会でもありえないレベルの討論が行われていて、そんな教育環境下で抜きんでてきた、いずれ国の代表となるような方と、平等な会話ができるぐらいの、この国の代表いるわけないよねーという結論しか出てこなかった。

    2
    投稿日: 2024.07.31
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    赤坂真理は現代の巫女だ。 過去の自分の声だけでなく、太平洋側戦争で亡くなっていった人々の声も、そして元帥として戦争を指揮した天皇の声まで聞き取ってしまう。 細部までの生々しい描写から描かれる過去の声達もまだ生々しい。 我々は、過去の、死者の声に囲まれて生きている。 そのことを赤裸々に描き、過去が現在に通底していることを実感させる恐ろしい作品。 三島由紀夫の「英霊の聲」の再来。

    2
    投稿日: 2024.06.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    テーマに興味があり購入しました 出だしは面白くて土地勘もあり面白かったのですが幻想的なところやエピソードは苦手な部類で最後までたどり着けづ辞めました 後半だけ読もうかとも思いましたが、それも断念

    3
    投稿日: 2023.11.23
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    アメリカの地で、『日本の天皇には第二次世界大戦の戦争責任がある』という議題でディベートすることになったら、どう議論を展開させていきますか。 天皇制や東京裁判、アメリカの歴史など、もっといろんなことを勉強し、もっとちゃんと考えておかなくちゃと痛切に思いました。 こんなにスピリチュアルな作品だとは思ってなかったので面食らいましたが、日本人としてのアイデンティティを改めて考えるきっかけを与えてくれました。 私は日本人で良かったと、心から思うのでありました。

    2
    投稿日: 2023.11.16
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    若い娘にこういう事を聞くのはかなりむちゃだなあ…と思いました。 私も同じ年頃に聞かれたらわからなかったと思う…。

    4
    投稿日: 2023.07.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    R5.4.19~5.23 (きっかけ) ・ブックオフで100円 ・「天皇の戦争責任」がテーマの小説って面白そう (感想) ・抽象的な表現が多すぎて少し苦手でした。 ・主人公とそれを構成する登場人物たちが、戦争責任や天皇の立ち位置などについて学び成長していくのだが、ここに描かれるほど、日本人は分かっていないものだろうか。と疑問。 ・「ゴーマニズム宣言 戦争論」が流行る以前の日本はもしかするとこういう人が多かったのかなという印象はあるが、それにしても戦争について深掘りした名作は数々あり、多くの日本人はもっと理解しているように思う。

    3
    投稿日: 2023.05.23
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    いやぁ、難しい本だった。 なもんだから、すごく時間がかかってしまった。 いわゆる文藝作品であり、物語小説ではないので書いてある事がちんぷんかんぷんなのだ。 内容はアメリカに留学した16歳の少女が、授業の一環で「天皇の戦争責任」を題材にしたディベートに参加するするという内容。 そもそも日本の社会科教育では、昭和史はほとんど勉強していない。 私自信もそうだし、今でもそうでしょ。 そんな少女がアメリカに留学してきた訳だから、日本人はそこんとこどう考えてるんだ?と興味が沸くのも解る。 しかし、日本人は知らないんだなぁ。。。。 で、必死に勉強する訳ですが、まあ解らない。 日本人の誰もがわからない事なんですから。 東京裁判とか日本国憲法とか。 それらはすべて英語。 英語を訳して、日本国憲法が出来てるわけだから、そんなの成立する訳ないのであって・・・ 例えば天皇は「Emperor」と訳されてるけど、外人が感じるヨーロッパの君主としての「Emperor」と天皇は本来違うでしょ。 また、天皇に関しては、例えば「人間宣言」のくだりでは日本人さえわからない日本語が使われてて、それを英語に訳してアメリカ人(すなわち戦勝国)が理解しようとしてるし。 わかりやすい所で言えば、A級戦犯。 ほとんどの人が「rankA」と思ってるけど、元々は「classA」が訳されて「A級戦犯」になっちゃって、それが誤解を招いてるし、そういう事がいっぱいある訳ですよ。 私もまだまだ解らない事だらけで、その辺の事を少しでも知りたいなぁと思ってこの本を手にしたわけだが、ますます解らなくなってしまった。 ただし、解らない事さえ解らない人達は日本の事を論じてはいけないと感じます。 憲法守れ!とか言ってる連中・・・ それちょっと違うでしょ。 平和を守れ!なら百歩譲って理解しても良いけどね。 日本国憲法はもともと英語なんだから、英語で理解した上で「憲法守れ!」って言ってる? その辺の事を考えさせられる本でした。 ただし、最初にも書きましたが、文章が凄く難しいです。 覚悟してください。 この本の後では、村上春樹だって簡単な文章に感じると思います。

    0
    投稿日: 2023.03.30
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    米メイン州の高校で行われたディベートのテーマは「天皇ヒロヒトに戦争責任はあったか」。 日本人女子高生の幻想めいたエピソードは正直読み進めるのがしんどいが、それぞれが結末にしっかりと繋がっている。 神でないなら人間か、男でないなら女か、個人とpeopleは別物か、という問いが面白い。

    0
    投稿日: 2022.01.12
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    すごい、すごいよ!この小説は。 よくこれだけのものを書き切れたと思う。 メインは「天皇の戦争責任」に関してのディベートなのだが、それまでの狩やスピリチュアルが全て意味を持ちマリのスピーチに繋がっていく。 アメリカ人の横暴な考えや日本人の卑屈な事なかれ主義、真珠湾、原爆、東京大空襲、はては人間キリストなど目から鱗が落ちた気がした。 今、若い世代にぜひ読んで欲しい。そして現在の日本政府の在り方を考えて欲しい。

    29
    投稿日: 2021.06.27
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    やっと読み終えたって感じです 正直あまり面白くはなかったです 現在の女と彼女の30年前の話が行ったり来たり 30年前はまだ学生で、日本の学校になじめず なぜか留学しアメリカの学校へ 進級試験に「天皇の戦争責任」のディベートを 指示される 夢の中の話や架空の話が多く 展開はだらだらした感じでした いろんな記述がなにか回りくどいというか そんな印象でした

    0
    投稿日: 2020.11.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    赤坂真理の自伝的な小説? 初めは、様々な時空をいったりきたりしながら「我が家の秘密」にたどり着くお話なのだろう、と思っていたら、「天皇の戦争責任」というテーマに真正面からポジションをとった話だった。 めくるめく表現のメリーゴーランド。抽象的文章やありきたりの日常の後に、具体的・非日常的文章に浸るのは心地よい。と同時に、最後の章までは、辻褄がどうあってくるのがわからず、若干つらい思いもする。 東京裁判、平成最後、天皇、日本の戦後、1964年東京都生まれ、高円寺、落合、ハンティング、ビートル、ハロウィン、インディアン、ヘラジカ、大君、ベトナムといったあたりがキーワード。 最後の章になって、見えてくるのが「罪の次元の違い」といった視点である。国が組織的に相手の国を焼き尽くすような罪と戦争に送り込まれた人間が狂気にかられて虐殺を行うような罪とでは罪の次元が異なるということだ。前者は、国や集団としてどのような宗教を信じるかということに連動した罪であり、後者は個人としてどのような信念にもとづき行動するか(あるいはしないか)という罪としてとらえられていると理解できる。 その前提で、天皇の戦争責任は「英霊」に対して「はしごをはずした罪」「軍部に利用されるがままになっていた罪」といったことが指摘される。これが、国の罪なのか個人の罪なのか、というあたりの二重性を起点にした議論につながるかがテーマの困難さにつながっているような気がするがそういう理解でよいのかどうか。

    3
    投稿日: 2020.10.03
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    評価が低いのは、わかる。たしかに読みづらい。パラレルワールド的な展開で進むから追いにくい。高校で読んだ時は離脱してしまった。 ただ、内容は本当に面白いです。 もしダメそうだったら後半三分の一だけ読むっていう御法度を犯してもいいのではないでしょうか。核になることが書かれてます。そこだけでも読む価値あると思います。 輔弼というのがどこまでの責任を負う行為なのか。宗教とはなんなのか。私が学習した歴史と削ぎ落とされた歴史はどう混在しながら存在するのか。完全に思想に依存する話ではありますが、自分自身でこれら説明できる範疇になかったので、再考する良い機会になりました。

    0
    投稿日: 2020.08.15
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    読み切らなかった…。途中でギブアップ。とにかくクセが強すぎる。すごく面白いテーマなのに、途中途中で頻繁に登場してくる、純文学を模したような思考の散文が本当にしんどかった。何度も飛ばしては読み、諦め、でもこの物語の中心である東京裁判についてのディベートまで読みたくって、でも結局だめ。生理的に受け付けられない類の散文。嫌いでした。これを読めない性分の自分にもがっかり。

    0
    投稿日: 2020.06.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

     前半は天皇と日本国民の関係などを夢や幻想で比喩として表している部分が多く、読み進めるのがとても辛かったです。  後半は三島由紀夫の小説が引用されていることに象徴されるように、右翼的な(親米ではない)目線で物語は展開されていきます。東京裁判であまりにも不当に日本を裁いたアメリカへの批判はもちろん、戦後そのアメリカに何の反発も持たずに憧れすら抱いている日本人を痛烈に批判している様は見事です。  しかし総合すると、前半や後半にもたびたび出てくる夢や幻想の部分が私にはどうしても合わず、このような評価となりました。それがなければ星4つでした。

    0
    投稿日: 2020.05.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    某薬局の名前が出てくるので読もうと思ったんだが、さっぱり意味不明。なんとか読み終えたけどなにも理解出来なかった。残念。

    0
    投稿日: 2020.05.14
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    天皇とはどういう存在か。 日本人目線と、アメリカ目線で考えさせられる。 是非日本の学校でもこの題材でディベートしたら面白いと思う。 なぜなら現代の日本人はあまり天皇について深く考えることを避けているように思います。

    0
    投稿日: 2020.03.18
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    著者初読み。 ブクログでのレビューが気になって、読んでみた。 レビューの評価もいまいちだったが、題材が東京裁判だったので、どうしても読みたくなった。 結果… とてつもなく、がっかり。 哲学的な表現を意識しているのかもしれないが、9割が妄想。270ページにして、やっと東京裁判の話になったかと思えば、また妄想シーンに戻る。 最終章でディベートの形で、戦争責任が天皇陛下にあるか?と言うところに切り込むが、いかんせん話が中途半端。 何故、アメリカに留学して、その先で日本人が天皇陛下の戦争責任を問われる設定が必要だったのか?日本の文化では決して議論する場がないから、そのような設定をしたのであれば、もっと突っ込むべき。 平成が終わり、戦争も遠ざかり、戦争の真実を語れる人がいなくなる一方、天皇自らが戦争を語る時代になった。 今でもおめでたい場で「天皇陛下、万歳」と言う風潮は、戦争経験者にはどう映るのだろうか? わざわざ東日本大震災を盛り込むぐらいならば、もっと戦争に対する日本人の本音を盛り込んで欲しかった。 最後まで読んでも、全く理解出来なかったのが、本当に残念。

    4
    投稿日: 2019.12.21
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    物語の途中に唐突に入ってくる空想なのか夢のシーンにまったくついていけない。結果、物語の構造が理解出来ず、途中挫折。無念。

    4
    投稿日: 2019.11.23
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    戦後に生まれ、戦争のことを知らないまま、アメリカに留学した、高校生のマリの物語。 アメリカン・ガヴァメントという授業で、天皇の戦争責任について、進級をかけディベートすることになる…という話は、この本が話題になった頃に知った。 複雑な物語で、どう言っていいかわからない。 たった一人で、カルチャーショックの中、母を国際電話で呼ぶ。 その回路が、2010年前後の、現在のマリに繋がり、二人は母子を演じながら会話する。 二人のマリは、両親の戦中、戦後を追い、バブル前後の自分たちも振り返る。 こういう、日本の近代史を見返していく部分がある。 その一方で、マリが留学中に地雷を踏むような形でアメリカ人の禁忌に触れていくところも描かれる。 ベトナム戦争と、神のこと。 もはやアメリカ人の思考停止に、マリと一緒に、フラストレーションをためてしまう。 ベトナムの二重双生児や、ヘラジカの姿にもなる「大君」の幻が、マリを揺り動かす。 母親と現代のマリが交錯することで、既に私たるものが何だかわからなくなるカオスが生まれていく。 そこに、これらの幻影だ。 もう、この小説がどんな結末を迎えるのか、さっぱりわからず、迷走するかのような気分。 しかし、このカオスの中、ディベートをしながら、マリはほとんどシャーマンのように、生身の体を持ちながら神でもある、大君にして人々そのものでもある、矛盾に満ちた「天皇」というものを理解する。 なるほど、カオスは周到に用意されたものであったか、と遅ればせながら気づく。 不思議なことに、読者として、大君を語るマリにカタルシスを感じてしまうのだ。 二度とは読めない、読まない小説だと思うが、衝撃的だった。

    3
    投稿日: 2019.11.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    複雑。 いろいろ思うところはあるし、考えるネタは提供されるが、夢のような部分が長く、そこが個人的には共感し難く、読むことも苦痛に近かった。 そこを越えて、天皇の戦争責任に関するディベートのところは示唆に富み、なるほど、と思わされるところも多く、あらためて考えてみたいと思わせられた。戦後の日本人が「女」になったとの分析は、特になるほどと思わされた。妙に納得できた。媚びなのだな、と。 母親とのくだりや、幻想の場面よりも、ここに集中してくれれば良いのにと思ったが、作者にはこだわりの部分なのだろうな。

    0
    投稿日: 2019.08.11
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    どこからが現実部分なのかわからない、ふわふわとした作品。この小説を読むまで、A級戦犯の意味も知らなかったことに気がついた。

    0
    投稿日: 2019.08.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

     『愛と暴力の戦後とその後』が素晴らしくて、それを読んで以来憲法改正には慎重な立場となった。それからずっとこちらの小説も気になっていて参院選の機会に読んでみたのだけど、けっこうしんどくて投票までに読み終わらなかった。  高校生なのに頭が良すぎる。外国語でディベートをするのもすごいし、それ以前に知識と知能がめちゃくちゃしっかりしていて、そんな子を落第させるなんて、アメリカの先生どうかしている。今50歳のオレの人生のどこを区切っても16歳の彼女より頭がよかったことなんかない。そういう意味ではあまり現実味を感じないほどだった。  時空と人格を超えて通信する場面は面白かったけど、ほかの幻想的な描写は頭に入って来なくて読むのに苦労した。そして何より長くてつらかった。

    0
    投稿日: 2019.07.24
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    天皇の戦争責任のことを 日本人の少女が アメリカで弁明する というあらすじに惹かれて手に取ってみた。 これまで深く考えようと思ったことはなかったけど、確かに天皇って、世界に類を見ない不思議な存在だ。 生と死、男と女、戦争と平和、傀儡と主体、人民と統治。 色々な概念を総合して考えても、答えの出せない人?神? だから、この小説は正直とてもわかりづらい。 色々なところへ飛んでいき、これはあれだと思った。 難解な演劇によくあるやつ。 ひとつの空間を色んなものにみせてくかんじ。 演劇みたいな読書体験。 でもこれはそうしないと、伝えられないからなんだ。 それくらい、私たちは複雑に屈折したものを抱えている。 それは天皇という範囲を超えて、太古の日本から、第二次世界大戦以降まで、私たち日本人が抱えているもの。 もっと広く、世界中の「国民」と呼ばれる人たちが、かかえているものなのかもしれない。 その国に生まれただけだけど、その国の国民となって、生きていく。 その国のルールの中で、考え方の中で。 これまで戦争ものって、人としての生死の尊厳を主題として感じることが多かった。 でもこの本が私に提示してくれたのは、人として生き、行動し、意思を持つことに対する尊厳の根源のようなものだ。 それを揺るがされてしまうものが、戦争ということそれ自体に内包されている。 こんなことしていいのかっていう畏怖みたいなもの。 それを抱えきれない、人は。 そんなストレスフルなこと、絶対やめようよ。

    4
    投稿日: 2019.07.08
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    村上春樹の小説みたいに現実味のない世界が描かれる。米国メイン州と東京が舞台であっちへ行ったり戻ったり。天皇の戦争責任のディベートが中心に置かれるが、何となく勉強になった感じはする。

    0
    投稿日: 2019.06.29
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    東京裁判における天皇の責任という問題を、アメリカ留学中の高校生マリがディベートで追訴する。自分の土壌でない場所で、相手のルールで物事が進めらていく極度のストレスは経験からかなり共感するところがあった。母娘関係、第二次世界大戦の振り返り、戦後の日本人の思考方法など様々な重い問題が何層にも書かれていて、正直読んでて気が重かった。だがそれらを束ね、振り分けて小説にうまく取り込み、主人公の30年の虚無感に救いを見出して示してくれた作者には拍手を送りたい。

    0
    投稿日: 2019.06.26
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    アメリカの高校に単身留学したマリ。課題として出された「天皇の戦争責任」に関するディベートのため、準備を進めるうち、日本とは、自分とは、戦争とは、そして天皇とは、いったいどういう存在なのか、全くわかっていなかったことに気づく。マリが出した答えとは。 ディベート部分や、天皇に関する考察には傾聴すべき点もないではないのだが、とにかく読みづらすぎる。詰め込みすぎで、何がテーマなのか、今なんの話をしているのかわからない。マリは何かの病気なのかと思ってしまう。眼が滑るし、少し時間を開けると内容が思い出せなくなるので、何度も戻って読み直すはめになった。

    0
    投稿日: 2019.05.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    刊行されるや否や各方面から激賞を受け、いくつかの文学賞を受賞し、最近では『朝日新聞』紙上で「平成の30冊」にも選ばれた、赤坂真理の代表作。しかしわたしはそこまで良いとは感じなかった。その理由として第一に挙げられることが、主人公「マリ」と読者であるわたし自身との間に智識量においてギャップがありすぎること。マリは戦争のことについてまるで無智で、仏印進駐も満洲国のことも知らない。それはもしかしたら平均的な日本人像なのかもしれないが、わたしにとってはあまりにも自明であって、そういった感想をもつような主人公には共感できないのである。また、作品の構成にも馴染めなかった。本作では目次を見るだけでもわかるように、1980年~1981年にかけてのアメリカを物語のおもな舞台としつつ、途中でいきなり現代の日本に舞台が変わるなど、過去と現在、アメリカと日本を行ったり来たりする、まるでSFのような特異な構成をとっている。しかし、なぜこのような構成にしたかがまったくわからない。単に場面が変わるだけならともかく、電話越しに過去と未来で会話をするという、ほとんど『ドラえもん』とでもいうべき描写すらある。あるセリフを物語のなかで言わせる/聞かせる必要が生じたが、うまくそのセリフに繫がるような展開がつくれないために、無理矢理このような設定をつくりあげたのではないかと疑ってしまう。さらに、作中には「東日本大震災」にまつわる描写も登場するが、個人的にはこの点がいちばんよくないと感じた。べつにフィクションのなかに震災の描写を登場させることは構わない。不謹慎だなどと言い立てるつもりもない。しかし、あまりにも無意味にそして無遠慮にその描写が登場したら、それは批判されて当然であろう。2011年、大人になったマリは本人が「アメリカ島」と呼ぶ東京湾沿いの地域に住んでいて「その日」を迎える。震災時には東北3県を中心に各地で津波による甚大な被害がもたらされた一方で、当該地域でも液状化現象が甚だしく、相当な混乱状態になったと報じられていたことが記憶にある。実際、わたしも数箇月後に場所は異なるが幕張方面を訪れ、あちこちに液状化の痕跡が見られたことをよく憶えている。本作においてもやはり液状化の様子は描かれており、そのことはとくに問題ないのだが、その直後、先述したようなSF的な手法によって、急に津波に襲われ高台に逃げようとするくだりに移行してしまう。これはどうしてもいただけない。浦安市には被害が出るような津波は来ていないはずである。そんなに津波から逃げる描写が書きたければ、最初からマリを東北に住まわせれば良いし、そもそもそんなに作者に都合良く自在にいろいろな現象を体験させられるなら、それこそ東條英機や昭和天皇をマリと対面させ、直接言質をとれば良いのである。「小説にはこんなこともできるのか」とは池澤夏樹による本作の「解説」のタイトルであるが、小説にはなんでもできる一方で、安易に小説になんでもさせてしまうのは、逆に冒瀆になりやしないか。必要性の感じられない津波に関する描写で、読んでいて一気に萎えてしまった。「天皇の戦争責任」についてはいまだに完全に解決したとはいえないテーマで、作中には示唆的な記述も少なくないが、それだって専門書を読めば済む内容で、とにかく本作にそれほどの価値を感じないことだけはたしかである。

    0
    投稿日: 2019.04.22
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    「シン・ゴジラ」評がとてもおもしろかったので、著者の小説をしっかり読みたいと思っていた。 イデオロギーにまみれて日本ではまともな議論の成り立たない「天皇の戦争責任」。著者は、アメリカの高校でのディベートという舞台設定と、さながらシャーマンのように過去の人びとやときには野生動物と心を通わせられる主人公の組み合わせで読者を土俵にとどまらせる。 ベトナム、ネイティブアメリカンの人びと(あるいはその精霊)との対話は、ともすれば「米国だってお互い様」という主張の準備のようにも受け取れる。が、それはとりもなおさず日本もまた加害者である、という歴史から目を背けられないことも意味する。 主人公のマリが東京裁判的正義を振りかざす教師に立ち向かうシーンは、実際にはそれができない日本人のささやかな幻想かもしれない。だが、そのセリフには胸を打たれる。 「『私たちは負けてもいい』とは言いません。負けるのならそれはしかたがない。でも、どう負けるかは自分たちで定義したいのです。それをしなかったことこそが、私たちの本当の負けでした。・・・自分たちの過ちを見たくないあまりに、他人の過ちにまで目をつぶってしまったことこそ、私たちの負けだったと、今は思います」(P526)。 安藤礼二、三島由紀夫(「英霊の聲」)といった参考文献はまさにゴジラとも響きあう。他の著作も読みたい。

    0
    投稿日: 2019.04.07
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    2019/3/7の朝日新聞朝刊に平成の30冊という記事が掲載されていました。その中の20位にランキングされていたのがこの本。天皇の存在について考えさせられました。時代が行き来し、理解し難く、読み進めるのが難しい本でした。

    0
    投稿日: 2019.03.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小説の面白さは素材選択の時点であらかた決まるようです。 「天皇の戦争責任」という重いテーマを、戦勝国の米国で、そして理詰めだけの議論競技「ディベート」という場で、さらに日本人一人という孤立無援の状況で展開されるストーリーの着想は秀逸です。 とはいえ、付随して展開されるサブストーリーは私には意味不明で、この小説の素晴らしさを減じたように感じました。 そして私がこの小説から気づかされた点が2箇所ありましたので、紹介します。 キリスト像はなぜ磔の図であるのか、なぜ拷問の果てに死んだ救世主の図を崇め、その後に復活した彼の方に興味を持たないのか? それは、イエスを教会が神の一人子として独占するために、子孫のない絶対唯一の存在とした方が都合がよかったからなのでは?という指摘が1つ。(P516) もう1点は、議論相手から真珠湾攻撃というだまし討ちを非難されたときに、これはあくまでも手違いの事故であってそもそも軍事施設を攻撃したもので民間人を狙ったものではないと主張すると、では南京大虐殺や731部隊が犯した残虐行為は?と問われたときの答えです。 この時、当時の天皇が彼女に乗り移ったかのようにこう答えます。 「彼らの過ちはすべて私にある。子供たちの非道を詫びるように、私は詫びなければならない。しかし、私の子供たちに対する気持ちを吐露する人の親であることをつかの間許していただけるなら、やはり、前線の兵士の狂気やはねっかえり行動と、民間人を消し去る周到な計画とはまた別次元であると言おう。そしてこの意味において、あなた方の東京大空襲や原爆投下は、ナチスのホロコーストと同次元だと言おう。だからといって何もわが方を正当化はしない。が、前線で極限状態の者は狂気に襲われうる。彼らが狂気の方へと身をゆだねてしまったときの拠り所が、私であり、私の名であったことを、私は恥じ、悔い、私の名においてそれを止められなかったことを罪だと感じるのだ。私はその罪を負いたい。」(P521) この小説を読んでよかったと心底思えた箇所でもありました。 解説の池澤夏樹は「小説にはこんなこともできるのか」という言葉で締めくくっていましたが、間違いなく小説の可能性を味わうことができる1冊です。

    3
    投稿日: 2018.11.15
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    「東京プリズン」赤坂真理著、河出文庫、2014.07.20 534p¥994C0193(2018.09.21読了)(2018.01.11購入)(2015.08.30/11刷) 【目次】 第一章 十五歳、アメリカ最果ての町にて 第二章 謎のザ・ロッジ 第三章 マッジ・ホールに潜入せよ 第四章 ピーブルの秘密 第五章 米軍の谷、贄の大君 第六章 十六歳、敗北を抱きしめて 第七章 世界曼荼羅に死の歌を 最終章 十六歳、私の東京裁判 解説 小説にはこんなこともできるのか  池澤夏樹 ☆関連図書(既読) 「秘録 東京裁判」清瀬一郎著、読売新聞社、1967.. 「東京裁判(上)」児島襄著、中公新書、1971.03.25 「東京裁判(下)」児島襄著、中公新書、1971.04.25 「パール判事の日本無罪論」田中正明著、小学館文庫、2001.11.01 「日本無罪論 真理の裁き」パール著・田中正明訳、太平洋出版社、1952.05.03 「パル判事」中里成章著、岩波新書、2011.02.18 「落日燃ゆ」城山三郎著、新潮文庫、1986.11.25 (「BOOK」データベースより)amazon 日本の学校になじめずアメリカの高校に留学したマリ。だが今度は文化の違いに悩まされ、落ちこぼれる。そんなマリに、進級をかけたディベートが課される。それは日本人を代表して「天皇の戦争責任」について弁明するというものだった。16歳の少女がたった一人で挑んだ現代の「東京裁判」を描き、今なお続く日本の「戦後」に迫る、毎日出版文化賞、司馬遼太郎賞、紫式部文学賞受賞作!

    0
    投稿日: 2018.09.17
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    自分には合わない。現実と妄想あるいは夢の中を行き来しているのだと思うが、区別が全くつかず話が理解できなかった。クライマックはディベートの場面でそこに向かって話が進んでいるのだろうが、作者が何を訴えたかったのも理解できなかった。 多くの人は「東京裁判」を描いている作品と捉えているようだが、本作の主題は、自分には日本人のイメージにはないアメリカを描いているように感じた。その歴史的な経緯も含め。 本書は沢山の賞を受け絶賛されている。確かに、私も作中のマリと同じで、意識的にか無自覚かも分からないが、天皇の戦争責任などということは深く考えたこともなかった。そう言う意味では、一石を投じた作品ではあるのだろう。

    3
    投稿日: 2018.07.07
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    こんな面白くない、酔っ払いの夢みたいな作品は全くもって初めてです。毎日出版も司馬遼太郎も紫式部も、なんでこんな空っぽのぐちゃぐちゃの作品に賞をあげたのか?それがいちばんの謎です。 賞がいっぱいついていて、いつかそのうちに面白くなるんだ!と信じながらダラダラ最後まで読んでしまった⤵︎せっかくの楽しい読書時間、ダメだと思ったら途中でやめるのも一法ですねぇ。

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    投稿日: 2018.06.14
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    ― 途中放棄。東京裁判などに関して事実メインで書かれているのかと思ったら、かなりの部分が文学的で、自分には合わず、読み進められなかった。

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    投稿日: 2017.06.15
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    思っていたより難解な文章。読みすすむと作者の妄想に付き合わされている感じがしてくる。挫折せず読みきったが、東京裁判などに興味ある人にとってみればあまり新鮮味がない、ちょっと期待はずれであった。小説としては斬新さを感じた。

    0
    投稿日: 2016.10.26
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    ちょうど1Q84を読んでる時にリトルピープルが出てきたので、腰を抜かすほど驚いた。有名なのか、リトルピープル。東京裁判の話なのだがちょっとファンタジー仕立て。こんなにページ数はいらないような。

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    投稿日: 2016.03.31
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    昨今、戦後70年というフレーズをよく耳にしますが、そのような年月を経ても正面切って取り上げられない日本人にとってタブーとも言えるテーマ、「天皇の戦争責任」をこの小説は取り上げています。この小説は、作者の赤坂さんの体験を下地にして書かれたものだろうと思うのですが、15歳でアメリカに留学して受けたディベートの授業を軸にした私の天皇論がダイナミックに展開されています。読む前は、史実に基づいた家の系譜だろうと見当をつけていたのですが、様相は違ってファンタジックな雰囲気もまとった物語に仕上がっています。期待は外れたものの、これはこれで、読ませる内容でした。 A級戦犯を裁いたという東京裁判で母が通訳していたと言う秘密は少女を虜にして過去と現在を行き来します。 殆どの日本人が知らない近代の歴史、第二次世界大戦開始の経緯や敗戦後のこの国の成り立ちは確かに計ったかのように、社会科の授業で習わずに尻切れとんぼのように終わり、それを意識下に置いたまま見ないふりをして過ごしています。15歳だったマリも東京裁判を取り上げたディベートで自国では知り得なかった敗戦国の辿った経緯を知ることになります。少女時代に経験した異国の地での歴史と文化の違いからくる戸惑い、そこでの血生臭い狩猟体験。捕らえたヘラジカの生命が紡ぐもの。そして直面した天皇と言う存在に対する問いは、太古から連綿と紡いできたであろう民族の血脈を意識することになったのでした。 戦争とは何か。敗戦国であった日本が辿った道、アメリカと日本の関係にしても従属的な関係のままで、原子爆弾を落としたことなどのアメリカの責任はどうなっているのだろうか‥と漠然と思ってもそのままになっていました。蓋をして置き去りにされてきた戦争の責任問題。その時の両国の関係性が今だに続くのだろうと思うこともしばしばでした。

    0
    投稿日: 2016.01.09
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    母事情で一人アメリカのホストファミリーの元で暮らすこととなった主人公の少女。学校の課題で日本のことを発表する事になり「東京裁判」を調べる話。 過去と現在、現実と空想が行ったり来たりしてふわふわした話。私のための意味を見いだせない文章が続き、題材は興味が合ったのだが、全部読めなかったな。何故こんなに長い文章が必要だったのだろうか?

    0
    投稿日: 2015.12.03
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    なかなか理解が難しい作品であったが、終盤のディベート最終弁論が良かった。天皇の想いが活字になって蘇ってきたように感じた。 キリストと天皇の対比も面白い視点だった。アメリカという国の不合理さもわかる気がした。 作品中でも指摘があるように太平洋戦争とそこに至る歴史を本当に教えられていない。歴史認識が叫ばれる昨今、他国も含めて理解しなければならないと思う。

    0
    投稿日: 2015.11.06
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     留学先のアメリカメイン州の小さな町で、日本人を代表してマリは「天皇の戦争責任」について弁明することになる。アメリカ国民がイメージしている天皇ヒロヒトとドイツの独裁者ヒトラーの違いが分からない。日本国民にしてもまた、天皇を語ることを良しとしない風があり、その起源は神話に頼らざる負えない。    終戦後、天皇ヒロヒトの責任を日本国民が問わなかったことを奇異に感じているアメリカ国民と、戦後の被災地を巡る天皇ヒロヒトを歓迎した日本人の感情に大きな開きがある。韓国の前大統領が天皇に戦争責任ありとし、日本に謝罪を求めたとニュースに流れたときに、日本人として憤慨を覚えた方は多かったはずである。

    0
    投稿日: 2015.11.02
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    「天皇の戦争責任」をテーマに16歳の少女が進級をかけたディベートを課される。大人でも問われたら窮するテーマ。何より戦争についてあまりに無知で考えを述べる材料が全くないのに茫然としてしまった。戦後70年、知らないことが多すぎる。

    0
    投稿日: 2015.10.30
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    はじめて読む作家さん。 書店で見て、タイトルで購入を決めた。 アメリカの高校に通うマリ。 進級をかけたディベートのテーマは、天皇の戦争責任についてだった。 正直言って、想像したものとは違う展開だった。 マリが幻覚とも言える夢のような世界に度々引き込まれるのだが、そこの部分がわかりにくい。 幻覚に現れるものが、リトル・ピープルだったりしたときは、村上春樹みたいだなと思ったりした。 それ以外に、第二次世界大戦の英霊や、ベトナム戦争の枯葉剤による奇形児、マリの暗い記憶としてのヘラジカなど、物語に必要で象徴となるものも出てくるので、この幻覚のシーンは必要だということはわかる。 それでも、今のマリが現実なのか何なのかが判然としないため、読んでいて落ち着かない。 最終章のディベートの部分などは、是非読んでおきたいと感じた。 日本人がいかに近代日本史を知らないでいるか。 明治維新の頃までは深く学ぶ日本史は、以後ささっと終了してしまう。今の教育がどうかは知らないが、わたしはそうだった。 ハッキリ言って聖徳太子がどうしたとか、織田信長が本能寺でとか、そんなことよりももっとずっと大切で学ぶべき部分だったんじゃないかと思う。 マリは自分の国の憲法である日本国憲法が、戦後アメリカによって押し付けられたものであることや、天皇という曖昧でわかりにくい存在を説明出来ないなどといったことを、時にアメリカ人から教えられながら知り衝撃を受ける。 自分も高校生の頃に憲法の正しい認識は無かったし、今でも天皇を説明出来るかと言われたら自信がない。しかも英語でアメリカ人に対してならお手上げかもしれない。 幻覚世界の描写がモヤモヤとしながらも長いため、読んでいくのは辛いこともあった。 でも本書は、読んでおいて無駄ではないと思う。 日本人はもっと自国の歴史を知るべきだ。そして、反省だけでなく誇りも併せて持ちたい。

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    投稿日: 2015.09.02
  • 日本の近代史の身体感覚としての理解

    著者自身の体験をベースにした物語。日本の中学を卒業して米国の高校に進学した彼女は、高校の進級のために与えられた課題として日本の近代史に取り組むうち、日本ではずっと曖昧にされてきた日本という国のあり方、戦後の日米関係、そして天皇という存在について、否応なく対峙することになる。 キーとなる母親との会話が物語を進める。現実世界をベースにしているようでありながら、しばしば彼女の意識は夢の中にあり、時間、空間、さらには個体をも超えてさまよう。その描写は精緻にして幻想的。時に懐かしく、時に痛々しい。その懐かしさ、痛々しさが、日本の近代史、もっとはっきり言えば天皇のあり方の身体感覚としての理解に収斂して行く。その過程に震撼した。

    1
    投稿日: 2015.09.01
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     始まりの死者や動物の声、未来を行き来する表現に戸惑う。進むにつれ、それが小説の重要な舞台装置であることが分かる。それは道標であり語り部となり当時のことを伝えてくれる。そのような存在がいなければあの戦争を教えてくれる語り部がどこにもいないことに気づかされる。語らないことで変わる機会を失ってしまった。残ったのは「恥」という気持ちで、故にタブーとなり語ることができなくなる。タブーは理由など考えず、ただそうあれと要求する。だから、語ることができず語り部が不在となった。故に反省しろと言われても反省できない。なぜならば、なぜそうなってしまったかを知らないから。罪を知らないのに何故詫びることなどできるだろう。  この小説のキーワードとなっている「天皇の戦争責任」は問えないと思う。なんとなく得た知識からそう思っていた。しかし、なんでだろうと考えさせられた。読み終わっても「天皇の戦争責任」は問えないと結論づけた。ただし、現時点の。日本は暗黙にそういうシステムだから。ただ、それは実行犯を罰するが責任者は問わないということになって裁判の結果としては後味が悪い。    「天皇」の「戦争責任」という主題が物語を牽引し、日米の文化や戦争感の差を浮き彫りにしていくのが興味深かった。知っている事柄がつながり、知らないことが間を埋めていった。  キリストという人神を崇めながら天皇という人神を認めない不合理に、合理とはいったい何かという疑問を投げかける。この「神」の対比によって日米の差が浮き彫りにされていく過程で日本人は、少なくとも私自身が「天皇」を他者に伝えられないことに気づく。大事だからこそ曖昧にすることもあるのだが、それは合理性に欠け、合理で納得する人には理解しがたい。でも合理性の人は自分の都合で合理を形成しているのだが。    この小説では語り部として霊のようなものが出てくるが、後半で英霊も出てくる。彼らの想いが語られるとき鎮魂を続ける必要があると感じた。他国の干渉に対して「遠慮」したりする必要はないし、遠慮せずに説明を繰り返しながら鎮魂を続けて欲しい。行為をどう受け取るかは人それぞれであり「都合」で意味を決めることは小説にも繰り返し書かれている通りだろう。おそらく鎮魂の意味は日本人のタブー故にねじれて理解され、さらに他国に対しては意味を伝える労を惜しんではならない。  世界は多様な人の集まりであり、そのため他者に意味を説明すること、他者の考えを知ろうとすることが必要だろう。違いを知らなければ認めることも否定することもできないだろう。    結局、「日本」に「日本」の語り部がいない。タブーこそ解体して再評価する必要があるのではないか。理由がわからないタブーは閉塞感を作り、それに対する不安と不満を解消していかないと最悪の方向に爆発してしまうのではないかと怖くなる。この小説のタイトルにあるプリズンは閉塞感と呼び変えることができるのではないだろうか。昨今のニュースからは時代の閉塞感と語り部の不在による捩れのようなものを感じる。  今までの疑問の一つを紐解き、考え続けることのきっかけとなる小説だった。「東京裁判」の翻訳をしていたお母さんのことが気になる。なので、この著者の「愛と暴力の戦後とその後」を続けて読む予定です。

    0
    投稿日: 2015.08.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「16歳の少女マリがたった一人で挑む「東京裁判」」という帯など諸々の情報から、地道に東京裁判について調べる、という小説かと思っていたので、(その側面は確かにあるのだけれども)それ以外のある種妄想的要素を含む部分についていけませんでした。それ全部いらなくね?と言ってしまうのは簡単なのだけれども、天皇とは日本人にとってなんなのかというテーマを作者が扱うにあたって、それこそが重要なんだろうなと。なんだろうなとは思うのだけれど、もう少し読者に“媚びて”いただけるとありがたい。ちょっと自分ワールドが広がりすぎていて、消化不全です。 ラストのディベートはなかなか圧巻ですが、それまでの主人公マリの英語のつたなさと、突然のペラペラぶりに面食らったのも事実。(”誰か”にのっとられてしゃべっているという解釈もできるんだけれども) たぶん、優れた作品なんだろうけれども、腹を決めて読まないと、なかなか厳しい一冊でした。

    0
    投稿日: 2015.08.30
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    ”16歳の少女マリがたった一人で挑む現代の「東京裁判」”という帯に惹かれて購入。 ディベートの場面には興奮したけど、そこに行き着くまでが私には長すぎた。

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    投稿日: 2015.07.18
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    天皇の戦争責任を題材にしている。 そのため、難解であった。 というよりも、あまり考えてこなかったことだけに私自身、主人公(であり著者でもある)マリと同じように混乱した。 天皇の存在とは何であろうか。 言われてみれば、それは曖昧模糊としている。 それは、私だけでなく、多くの日本人がそうだと思う。 何故今まで、そのような状態だったのか。 天皇の存在、置き去りにされた過去の人々。 彼らは、役割を演じただけなのだろうか? その答えは、情緒的判断に捉われず、日本、日本国民の来し方を見つめてからでなければ得られないだろう。

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    投稿日: 2015.06.10
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    ディベートのシーンまでがあまりに冗長に感じた。戦争責任の解釈のところは非常に読みやすく興味深かっただけに、残念。

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    投稿日: 2015.05.20
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    面白かった、けど難しかった。「天皇の戦争責任」「東京裁判に15歳の少女が挑む」、すごく興味を惹かれるテーマだったので買ってみたんだけど、たくさんの概念的なエピソードが盛り込まれていて、そっちを追いかける、というか咀嚼して飲み込むのに必死になった。 もっとリアルな部分のお話ばかり追ってほしいと思ってしまったけど、それだと作者の書きたかったものと違ってくるのかなあ。 表現がお上手でした。引用してあるところ以外にも、描写が素敵だなあって思うところがたくさんあった。 アニミズム、やら天皇制、やらいろいろな要素を使ってはいるけれど、つまるところ日本人の本質に迫っていて、わたしはやはり日本人の本質を決して嘆きたくはないなと思う。

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    投稿日: 2015.05.07
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    さまざまな賞を受賞しているだけあって、読み応えのある作品。16歳の少女に「天皇の戦争責任」を語らせるそれも肯定側の立場で。極東国際軍事裁判、東京裁判を学生時代のゼミで調べ、熱く語った当時を思い出しました。

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    投稿日: 2015.04.30
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    夢?現実?妄想? 解説に「読者はこの原理を受け入れなければならない。」とある。残念ながら受け入れられなかったので☆1つ

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    投稿日: 2015.04.07
  • K-1小説

    大きく、容易には規定しがたいようなテーマに正面からぶつかり、とにもかくにもガチでテーマと戦っている。途中から戦い方がスピリチュアルになってきて読んでいて辛くなるが、しかし逃げも隠れもせず死力を尽くす感じには、知性以外に並々ならぬ根性を感じる。 生きかたが半端な人間は是非襟を正して読むべき作品。ただ、ちょっとわかりにくい。

    0
    投稿日: 2015.03.23
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    天皇と戦争責任。今でも連綿と続くこの問題に挑んだテクスト。何故、タブーとされるのか。そして誰しもが天皇はひとなのか神なのか、あるいは、戦争を始めた主体が誰なのか議論し、責任問題を清算できていない背景には何があるのか。そのルサンチマンを徹底的に抉り出した作品だ。必読の一つ。

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    投稿日: 2015.03.18
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    何を、 何を言わんとしているのだろうか。 沢山の声が自分に流れ混んできて混乱する。 あらゆる場面に飛ばされて自分の今を見失う。 私とは何なのか、何からきたのか、誰から産み出されたのか、産み出したものもまた誰なのか。 人は動けない。過去は変えられない。出来事は出来事だ。 しかし意識は飛ばせる。想像すること。 想像するには、材料が必要だ。 その材料から目をそらし、考えることから逃げていた。 知ることをやめない人は、 常に向き合っている人なのだろう。 無知を心から恥じられるようになりたい。

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    投稿日: 2015.02.13
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    難解! いくつか文学賞を受賞しているのだけど。何度かあきらめつつ、それでも何とか理解しようと最後まで。でも結局理解できなかった。時を経て読めば、何かわかるのだろうか。。。むむう。

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    投稿日: 2015.02.08
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    半年ぐらいかけてようやく読了。 戦後70年。戦争を語る人がいなくなり、もはや地続きの記憶ではなくなった戦争、そして戦後を、自分とほぼ同世代の作者が小説という型で再定義していく。小説のなかでも触れらるが、この国で近現代史がどれほど蓋をされているかということにはたと気づかされ、今一度戦争から地続きの記憶として、再構築されなければならないと感じさせられた。読みにくいけど、読む価値はある作品。

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    投稿日: 2015.01.03
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    わけわかめな本。 東京裁判についてディペートするところだけでいいのでは? よくわからない妄想話が多すぎて混乱する

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    投稿日: 2014.12.31
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    赤坂真理『東京プリズン』 ムムム。解説の池澤夏樹の言葉を借りれば「小説にはこんなこともできる」。姉妹書の『愛と暴力の戦後とその後』と併せて読むと、小説の本書の方が解説的で新書の姉妹書の方が情緒的描写的ですらある。それなのに、やはり、本書はすごくパーソナルな視点と感情から時代を描いた"小説"。内容と形式の両方を味わえる。 とはいえ、ディベートという形式を通じて天皇の戦争責任を問うという主題と、私/母/祖母の過去/現在/未来を通じて見えないものを見る、見なかったものを見るという副題と、物事を突き詰めるために抽象度を上げていくと彼我の境が溶けて責任を負うべき「私という主体」が危うくなるという難題は、どうしても調和を奏でているとは言いがたく、論理と感情と精神を行ったり来たりしながらの読書は疲れる。 この疲れは、気持ちのよい疲れではあって、体を動かすのが好きな人は好き好んで疲れるために体をいじめるけれど、運動嫌いの人にはその感覚がわからないように、変態読書人しか楽しめない疲れのような気がする。傑作ではあるけれど、誰にでもおすすめできないというのがつらいところ。 また、天皇という依り代は空虚であり、空虚であるがゆえに天皇制の良き果実も悪しき結果も周りの祈願次第だ、というトーンは、私も今だから受け入れることができる。30代だと微妙で、20代であれば拒絶しただろうと思う。そういう意味で何重にも読む人を選ぶ。 小説が「小さい説」であることをはみ出つつ、著者の極めて個人的な体験を下敷きにした私小説的な狭さをアクロバティックに接続した物語。その難しさに喜びたい。

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    投稿日: 2014.12.23
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    ラストまでの導線が読みづらく、入ってこないなぁ、という感じ。しかし、ラストは良いです。 結構考えたい人には良いのかも。

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    投稿日: 2014.12.20
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    複数の文学賞を受賞した作品であり、キャッチに興味もあって読んでみたが、ちょっと自分には面白さが分からなかったと言うのが実感だ。 何点か納得させられる事も書かれていたが、その事とこの小説を包む雰囲気やストーリーと絡ませる所が違和感を感じた。 第二次世界大戦と呼ばれる先の戦争の犠牲者や体験者、また戦前、戦後の天皇制に思うところのある人々がこの小説を読んだ場合にも違和感を感じる人々が多いのではないかと思う。 確かに敗戦後、一部で思考を停止してしまった日本国民の問題と現在に至るまで何らこの事が改善されていない事に憂うという思いは感じることは出来たが。

    0
    投稿日: 2014.12.16
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    私が戦争のことを考えるとき、思っていました。 天皇は象徴となり、戦争責任について話し合う場もなかったと・・ 憲法についても、占領軍の手でしかも英語で書かれたことについて、教育されてはいない・・ 何も知らずに育ってきたのだと・・ この本に接し、時代を超えて戦争に対することが出来たことが・・今後の考えにどう影響するのか・・ 自身への興味へとつながっていきます。

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    投稿日: 2014.10.28
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    読者の世代によって、評価は分かれるのかもしれません。私は作者とほぼ同世代ですが、非常に刺激的で、大事なことを伝えようとしている作品だと感じました。 私たちは、日本人として大きな歴史の流れの中に身を置くのと同時に、個人としての歴史の中にも身を置いています。 あの頃の母と同じ年になったのだ、と立ち止まる瞬間が誰にでもあるのではないでしょうか? 作中、母と娘の関係については、若干あいまいなまま終わってしまいますが、あのとき母に聞きたかったことを大人になった主人公は懸命に聞き出そうとします。 そして、子に伝えたいことをあのときの自分へ向けて発信しようとします。 現実には、自分の両親や子と向き合うって、なかなか難しいことですが、この部分はとても大事だと感じました。 それにしても、私たち日本人は、自分の国のことを(他国についてはもっと!)知らないですね。 敗戦後の日本の表現、憲法作成のプロセスに関する記述は、ちょっと偏っているのかな、と思いました。 読者は『池上彰の憲法入門』などを片手に多方面からの認識をされるといいと思います。 完成された条文や歴史の事象の表面からは、それに至ったプロセスや背景がそぎ落とされてしまいます。 過去の日本人たちが戦争を超えて、何を後世に残し、伝えたかったのか、読み取ろうとする姿勢を私たち一人一人が持てるといいですね。 多くの方が書いてらっしゃるように、中盤、この話をどう受け止めていいのかわからなくなりましたが、文庫版の池澤夏樹氏の解説に導かれて、読み進めることができました。ナイス解説です!

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    投稿日: 2014.10.20
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    天皇の戦争責任、つまり第二次世界対戦における日本軍の行動に昭和天皇は責任を有しているのか否か。そうした社会的な問いに対して、小説という枠組みで思考の一端を示した意欲作。 16歳の少女が1人留学したアメリカの高校で天皇の戦争責任を問うディベート大会に臨む、その少女は著者と思しき作家に成長するがはアメリカへと自身を送り込んだは母の意図がわからず、複雑な親子関係の中で思い悩む。2つの時代がパラレルに描き出されつつ、神を巡るアニミズムの議論などが重なり合い、読者も混乱させられつつ、最後のディベートにおいて、現人神とされていた天皇の神性にまで議論は広がり、天皇の戦争責任というナイーブな問題に答えが出される。 万人にお勧めできる作品ではないし、感覚的な描写も多いので意図がよくわからない場面も正直あったが、いずらにせよ文学でしかできない形での思考実験として捉えると面白い作品。

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    投稿日: 2014.10.11
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    戦後の日本の時代背景だけでなく、家族の関係など様々なテーマが盛り込まれている。小説のかたちをした戦後史。ここにベトナムの枯葉剤による双生児に例えられた母と娘の関係を掘り下げてるところが、とくにすごい。ウチの母は戦後生まれだから全く同じではないけれど、母が望んだことって、これに近いんじゃないかと思う。ひとつわからないことがある。何故主人公は母親の望みを二つ返事で請け負うのか。何故自分には自分の人生があるといわないのか。

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    投稿日: 2014.09.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「東京裁判」「天皇の戦争責任」という、ある意味語るのが難しい問題について、アメリカへ留学中のマリの視点を通して描かれる。ただし、主人公のマリが、記憶を介在して時空を移動出来る?といった不思議な能力を持つ為、時間と空間、人物の視点が次々と入れ替わり、ある種、幻想譚の様な内容でもある。肝心の戦争問題に関しては、ところどころ新しい”気づき”を与えてくれる箇所もあったが、個人的にはもう少し踏み込んで欲しかった。終盤の山場である公開ディベートにおいても、結局幻想シーンになってしまった為、せめて最後は論理的なカタルシスを与えて欲しかった。

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    投稿日: 2014.09.08
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    本屋で平積みになってベストセラーとあったのと、タイトルが気になって購入。評価に迷う作品。最後のディベートシーンや狩りのシーンは面白かったけど、全体としては長くって、この半分のページでまとめてくれれば良かったのに…という感じかな。作者はこの小説をきっかけに昭和天皇の戦争責任を考えようなどという発想はなく、ただ30年以上前のアメリカ留学中に、そんなディベートをしたのが少女の人格形成に影響を与えた…ってそれだけの話。

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    投稿日: 2014.09.04
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    あまりにも幻想的で形而上的な前半は戸惑いを覚えたが、後半からディベートが始まると本作は忽ち熱を帯びる。天皇の戦争責任、東京裁判の不合理性、さらには神の概念に対する疑問など、欲張りに盛り込まれた問題点は読む者を混沌とした黙示録的世界へと誘う。

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    投稿日: 2014.08.31
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    かつて日本が戦った戦争、その戦争責任を裁いた「東京裁判」を扱った小説。ストーリーのなかの主人公マリのいる時間と空間を追いかけるのに少し苦労、一読ではなかなか追いつけない。 しかしながら、作中後半ににおいてマリが参加するディベートという切り口で裁判の本質を上手く捉え核心に迫る、そして不快感を与えない。 スピリチュアルな表現がデリケートな点を薄めている気がする。

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    投稿日: 2014.08.29
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    うまく言えないが、感じる のではなく 理解する 本を好んでいるため、 赤坂さんの、感覚的、な文体(皮膚感覚的な?)になかなか馴染めずに今まではきた。 東京プリズンは、感覚的な部分がありながら も、物語として肉厚で、最後のディベートの カタルシスは、爽快だった。 それにしても、戦犯の等級が、罪の重さでは なかったとは・・・ 敗者には敗者の物語があって、それは天皇を 透過させなければ浮き彫りにできなかった、 ということなのか。

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    投稿日: 2014.08.27
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    バブル期の頃に多感な時期を迎えた少女が、アメリカ留学先の学校の授業で、天皇の戦争責任についてディベートを行う。その準備の際に、今まで考えたことのなかった敗戦国日本;天皇、戦勝国アメリカ;キリスト教等の対比について考え、感じ取っていく。 バブル期に父親の事業不振で、「電気の川(送電線)」の流れる高井戸から、醜悪に開発された本当の郊外への転居し、環境適応の端緒を失いかけた少女。母親の意思でアメリカ留学、それも環境厳しいメーン州の田舎へ遣られる。風土やカルチャーが全く異なる中でマイノリティ、エスニック、さらに敗戦国の人間として彼女はますます疎外を感じる。その様子は、ハンティングでヘラジカを殺し食す描写、結合双生児をモチーフとしたベトナム戦争や殺戮されたネイティブ・アメリカンや終戦直後に自分と同じような年齢であった母と戦勝国の関係などのイメージが夢や空想の中に登場する様などで執拗に語られる。 日本における天皇と、彼らの唯一神の対比、戦勝国と敗戦国、アングロサクソンとアジア/ネイティブアメリカンの対照などについてがテーマとなる。彼らアメリカは自分たち自身の絶対性を刷り込まれているが、ベトナム戦争が陰をおとしている。そして日本人は、彼らが自分たちの絶対性に依る前で、その相対性をわからしめたい、と苦闘する。 そして、物語全体は、母と娘の輪廻のイメージで包まれている。 多彩なテーマを、女性作家特有の心象風景独白のコラージュでまとめあげるのは相当な力技だと思うし、全体を、ごく読みやすい小説というパッケージに仕上げることができるのも実力の証か。ただ、細部はライトノベル風のあっさりしたタッチを感じる。

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    投稿日: 2014.08.22
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    戦後日本国民のアンタッチャブルともいえる「天皇の戦争責任」を女子校生に正面から追いかけさせるという異色の小説。アプローチおもしろい。 まっとうな日本人分析が、夢と現実との往復や、東京裁判を模したディベートに乗せて繰り広げられる。 ひとり繰り返す語り口というか、女性一人称の文体がなんかウザくて終始イライラするのだが、そのせいかかえって冷静に内容追うことができた気がする。 いいんじゃないでしょうか。イライラしちゃうけど。

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    投稿日: 2014.08.16
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    ハードカバー発売時から気にはなりつつ文庫待ち。序盤のいくつかの時代と現実と夢だか妄想だかを行ったり来たりするパートは正直ちょいしんどい。ただ、それがあってこその後半の圧巻のディベートシーンであって、まぁガマンせにゃしゃあないし、ガマンする値打ちのあるディベートシーンの勢い、雲が晴れるような爽快感、それでも残るザラっとした違和感、読後感は決して悪くない。この時期だからこそ、かどうかはともかく。

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    投稿日: 2014.07.29
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    16歳のマリの目を通して、東京裁判、天皇の戦争責任を見つめなおす。テーマに惹かれて買ってみたものの、あまり入り込めなかった。

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    投稿日: 2014.07.15
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    母と娘の問題に、娘が中年になって向き合った物語。二人が同じ16歳ごろにそれぞれの形で係わった東京裁判を接点にして、関係を作り直していく。読んでいてすぐ、時空を超える手法だったりテーマが似ていたりするので、村上春樹のねじまき鳥を思いだした。けれど印象はまったく違う。私はこの小説の方によりリアリティを感じた。 ただ、天皇制の問題を「母」≒「親」の問題に回収することで、主人公の母娘問題の解決の見通しも暗示してしまおうとするのには多少の違和感を覚える。確かに、作者の力量はすごい。人は母や肉親、多くの人々の思いによって形作られているのだということを、主人公が彼らの声なき声を表現していく過程を通じて描き出し、「個」が持つ責任の意味にまで言及してしまった!けれども、母を知ることで主人公の娘の葛藤も解消に向かうなら、娘だけの「個」はどこにあるのだろうか。語ることができた時点で、娘の「個」は確立したのだろうか。それでは、「個」を減価しすぎてはいないだろうか。 それとも、これは次の物語なのだろうか。次の作品が待ち遠しい。  

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    投稿日: 2014.07.12
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    16歳のマリが挑む現代の「東京裁判」とは? 少女の目から今もなおこの国に続く『戦後』の正体に迫り、毎日出版文化賞、司馬遼太郎賞受賞。読書界の話題を独占し“文学史的事件”とまで呼ばれた名作!

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    投稿日: 2014.07.09
  • 小説らしい小説

    日本にとって戦後とは何だったのか、また天皇は日本人にとってどういった存在なのかといった微妙なテーマを正面から取り上げた小説。 中盤以降、現実と夢、過去と現在が渾然と入り乱れて描かれるため、かなり読み辛かったが、ラスト近くの東京裁判を模したディベートの場面は緊迫感に溢れ、なかなか面白かった。 登場する様々なキャラクターは結局何のメタファーだったのか等々、読後も気になる点が多く、久しぶりに小説らしい小説を読んだ気がする。

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    投稿日: 2013.10.05
  • ヘビーでした

    女子高生がホームステイ先のアメリカの高校で「東京裁判」をテーマにしたディベートをさせられるという、リアルでもファンタジーでも辛かろうストーリー。それに、現実だか夢だかSFだか分からんあれこれが重層し、村上春樹的なリトルピープルまでが登場し、311の津波と原発事故にまで言及する。時空を超越した大作でした。

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    投稿日: 2013.09.26