
総合評価
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powered by ブクログうわわわ 就活の話だった。 推理ものと思い込んでずっと聴いてた。 どこで事件が起きるのか、ずっと待ってた。 なんかごめん。
1投稿日: 2023.04.22
powered by ブクログ社会に欠け始めたこと 人は誰でも「格好悪い」ところは見せたく無い。就職のエントリーシートではなおさら欠点があからさまに表に出ない記述をする。一方、SNSでは、もう一人の影の自分を演出させるアカウントを設けて、自分とは違う視点、観点であからさまにものを言う存在「何者」(観察者)になりたいと思っている、のではないだろうか。例えば「言ったもん勝ち」もある現社会では、「言葉の武器」で誰かを無責任に犠牲にする風潮があるのは嫌なものだ。本書を読んで浮かんだのは人間社会に欠け始めた「思いやり」と言う言葉だ。
13投稿日: 2023.04.21
powered by ブクログ解説にも書かれているように、「読者」は前半、主人公の立場に立ち安全に物語を進めるが、後半で一気に当事者として立場が変わる。この構造によって、「読者」自身も「何者」かについて考えなくてならなくなる。正直読了後は苦しい。私は主人公とSNSの使い方について考え方が同じだったが、物語後半で「主人公も他の登場人物と同じではないか!」と感じた。私はsnsをやらない、という「何者」になりたいだけなのかも。 加えて、就活とか受験とかプライド交る戦いを団体戦にするのはきついものがあると思う。
3投稿日: 2023.04.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「就活生は読まない方がいい」と聞いていましたが、確かにこれを就活中に読んだらメンタル持たないなと思いました。 過去の活動を並べて「意識高い自分」を作ろうとする姿、どこか自分より下の人を見下したように、「NNT」「就活 やってない」「○○卒 辞めたい/辞めた」検索してしまう自分が理香さんや拓人君と重なって、読んでいてのたうち回ってしまいました。(最後の理香さんの言葉で彼女の印象がガラッと変わりましたが。) 本来就活は誰かと比べてやるものでは無いし、誰かのやっていることにケチをつけたり見下したりするものでも無いんだよなということをあらためて突きつけられました。 「10でも良いから外に出してみる」 「カッコ悪くても良いからやる」 鋭くも温かく刺さりました。
12投稿日: 2023.04.15
powered by ブクログ就活が怖くなった、の一言。 世の中には色んな人がいて、いい人そうに見えても結局はそのひとも自分のための行動だったりする。 リアルな人間関係が描かれていた。 就活の際、私はどの人にあたるのだろう。
2投稿日: 2023.04.15
powered by ブクログ就活時代は、遠い昔のこと、就職氷河期、あの時はたくさん傷ついたなーとか懐かしんで読み進めると、最終的には、私、何者やん、って、コイツと同じだなー、って思った。
4投稿日: 2023.04.15
powered by ブクログ5人の大学生の就活とSNSと人間関係。 なんてエグい小説、「いっちょ直木賞作品を評価してやりますか……」ってスタンスで読み始めていったら、あの終盤の容赦無い展開で心がズタズタになった。主人公に少しでも共感する部分があると読んでて死にそうになる。 2013年頃の作品だから古さを感じる部分も結構あるんだけど、その古さは当時の雰囲気を捉えてるってことでもあって、そりゃ賞取るわなって思った。 面白かったけど、作者はマジで性格悪いと思う。
3投稿日: 2023.04.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
みんな何者にもなれない。 SNSと就活をめぐり人間の生々しい部分を描いている。 就活生に限った話じゃない
3投稿日: 2023.04.14
powered by ブクログ就活いやになった。 就活ででてくる典型的な人間の例を見た感じ。 朝井リョウさんのは主人公に感情輸入して読んでたらいきなり当事者にさせてくる物語らしい。確かに。
3投稿日: 2023.04.14
powered by ブクログ物語の主人公たちとは年齢的にギャップがあるので、内容についていけるか心配だったけれど、最後は気になって、どんどん読みすすめられた。 自分の就活時代とはだいぶ変化しているけれど、自分と他人を比べて卑屈になってしまったり、そんな自分を偽って平気なフリをしてみたり、ということは自分にも経験があって、そんな気持ちを吐き出す手段にTwitterというものを使うんだとい発見があった。 その中身は本当に拓人の黒い部分が出ていた。それを人にしられたことの恥ずかしさは耐え難いことだろうと思う。 でも、その恥ずかしさやじぶんの黒い部分を自分で受け入れて初めて、自己受容ができるんだろうなと思った。
5投稿日: 2023.04.07
powered by ブクログ・どういう結論になるか楽しみでスムーズに読み進むことができた。 ・主人公が挫ける場面で終わりではなく、スッキリとした読み終わりになった。 ・他の朝井先生の本も気になるので、今後読みたいと思った。 ・最後の長所「自分がカッコ悪いと認めれたこと」が凄く響いた。
4投稿日: 2023.04.06
powered by ブクログ自分が就活していた学生の頃を思い出した。 みんな焦っていた。 受ける会社も被っていたり、内定出たとか、受ける会社聞いてないとか、相談してくれてもいいのにって思ったりしてた。 何者って自分がsnsをやっているからハッとさせられる事や共感出来る部分がある。 Twitterは何者かになる必要がある。 自分を大きく見せる必要ないけど、等身大でいくのか、仮面被ってやるのか、わけわからなくなる。 snsに正解はないのに。 何者として本音をツイートする気持ちもわかるけど、紙に書いて捨てるにすれば良かったのに…それじゃあ駄目なんだね。 承認欲求が欲しい…?! 人が自分を馬鹿にしている事に気づきながら頑張る姿を見せるのは悔しくて辛い。 最後に彼女は爆発してスッキリしたのかな。 何も言わずに去って行く事も出来ただろうに。 言うを選択したのは何故だろう。 わかっていた事ではあるけど、時々人が怖くなる小説だった。人間不信。 でも考え過ぎたらキリないから、悪い方には考えたくない。 どんな時も、受け取った言葉も、良い意味で深く考えずに前向きな捉え方を出来る人になりたい。
5投稿日: 2023.04.06
powered by ブクログ面白かったー。 朝井先生の人の裏側を引きずり出す作品性は本当に素晴らしいです。 手前は学生でもなければSNSも多用しない民ですが、今の時代だからこその駆け引きというか、自己主張というか、生きづらさとでもいえば良いのかわかりませんが、ネットの繋がりはやっぱり面倒だと感じてしまうのは歳のせいでしょうか。
53投稿日: 2023.04.03
powered by ブクログ誰しもが抱いているだろう、自分だけが特別なのだという俯瞰した気持ちをはっきりと意識させられた作品だった。
0投稿日: 2023.04.03
powered by ブクログなんでもっと早く読まなかったんだろう。 登場人物のかっこ悪いところがそれぞれ自分に重なって、苦しくて苦しくて、堪らなかった。 自分の嫌なところを客観的に見せられた感じ。
3投稿日: 2023.04.02
powered by ブクログ浅井リョウの本は、「桐島、部活やめるってよ」を読んでいた。 私にはあまり合わないな、と思ってたんだけど、直木賞なんて採っちゃってたし、これまた映画にもなる。 その配役が、なかなか良いので映画は見ないけど(配役がイイなら見ろよ)読んでみた。 ああ、これは「桐嶋・・・」よりも、共感できるなと。 桐嶋の時は、舞台が高校生だったけど、この「何者」は大学生だからかもしれない。 ただ、この物語の重要な要素にTwitterが使われている。 私もTwitterのアカウントは有るし、たまに見る事があるけど、あまり興味が無い。 物語では、登場人物毎に、心の裏側としてTwitterのつぶやきが書かれている。 本音がつぶやかれるんだね。 それが、小説の最後になかなかの展開が用意されている。 後味の悪い読了感なんだけど、さすがに直木賞作品だけあって、読みごたえは有ります。(長編小説という意味ではない) 映画は見ようとは思わないけどね。
1投稿日: 2023.03.30
powered by ブクログ年齢的に読むにはジェネレーションギャップだらけでした でも若者たちの世界を少し覗けた気分になった SNSで繋がりすぎの世界観は怖さを感じた
1投稿日: 2023.03.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
瑞月との電車内でのやり取りにはドキッとさせられた。会話と行動と視線の説明が合わさり、空気感がまるまる伝わって、まるで自分がそこにいるようだ。 ギンジとの過去の演劇のセリフの合間に回想が挟み込まれているのも面白かった。 後半はグリグリと傷を抉るように言葉をぶつけてきて、読んでいて大変疲れてしまった。みんなの本音をここまで聞かされると、ひとつひとつの攻撃をかわすので精一杯だ。 主人公もなかなかの裏表を持っていて、終盤にネタバラシされるのはキツかったなぁ。共感しながら、羞恥心と居た堪れなさとで素早く読み終えてしまいたくなる。 輪の中にいるとみんな何かの役割を演じている。本当の自分を置き去りにしてみんな疲れているんだと思ったら心底溜め息が出た。大学生や就活生だけじゃなく、どの世代でもあることではないかなと思う。 嫌いな自分を受け入れること。簡単に出来ることではないけれど、みんなそれをやって生きていくしかない。
4投稿日: 2023.03.22
powered by ブクログ記憶の底をえぐられて、あったかも定かでない傷のカサブタがこそばゆい。 何者かに見せたいのか 何者かになりたいのか。 人と係わりをもって生きている以上、何者かに見られなければならないし、何者かにならないといけない。そこで生まれる理想と現実。SNSというツールを通し、描かれる繊細な人間関係。 「何者」を求めるならば、自分は「何者だったのか」ということに向き合うことから始まるのかも。そして、いつか「何者」を求めなくなる。 漱石の『こころ』の先生が、ツイッターやってたら、あれ、どんな結末になったのかなぁ。
5投稿日: 2023.03.22
powered by ブクログ久しぶりに一気に読んだ。でも別に面白かったわけではない。 高校生や大学生の頃に読んでいたら大いに影響を受けたかもしれないけど、37歳の今となっては痛々しく感じる内容だった。 最後に主人公の秘密(?)が明かされる展開も謎だった。 秘密というか、主人公の性格の悪さはなんとなくわかってたし、それを最後にバラす目的はなに?そんなことのために書いた小説なの?「かっこ悪い自分と向き合いましょう」というテーマを伝えたかったのかもしれないけど、登場人物たちがそのかっこ悪さと葛藤しているような描写はほとんどなかったから、全然感じるものがなかった。
3投稿日: 2023.03.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
就活をする大学生の話。スマホ、インターネットは手放せないものになったが、それを使って巧みに描いていた。文字一つ打てば最近打った言葉が出てくるし、インターネットの検索履歴がパッと出てきてしまう。そしてなかなか消えない。それってすごく嫌だし人になんか見せられない。 主人公目線で描かれているが、観察力が鋭くて俯瞰しているような感じ。もちろん観察して思った事を人に言ってしまえば嫌な奴なんだけど、私も同感する所がたくさんあった。そんな、人には言えない毒付いた感情が上手く描かれていて…って裏アカでつぶやいてたんかい!口から出かけてやめた言葉もすべて裏アカにつぶやかれていた。そして理香ちゃんにバレてた…いや、理香ちゃんだけか?端月さんの言葉は拓人にも向けられていたのか? 最終章読むまでは洞察力のあるクールな主人公だったけど、本性バレてたガタガタと崩れていく感じが怖かった。他人の評価を下げることで自分の立ち位置を得ているだけで、本当は何者にもなれていない。格好悪い自分に気づかないフリをして、薄々わかってはいても認められない。いやーな部分を露わにさせられたような感覚になったけれど、私も同じです。読んでいる自分に突き刺さってきました。何物かになりたいが何者にもなれない"何物"。だけどそれを認められたのって凄いよね。 理香ちゃんも最終章までは拓人と同じ感情、あまり好きになれない人だったけど、実はバカにされていると分かっていてもそんな自分しかいないと分かって必死だった理香が好きになりました。
4投稿日: 2023.03.17
powered by ブクログとても面白かった。 朝井リョウさんの文は 映像としてすぐに思い浮かべる事ができて そして自分にも身に覚えがある嫌なところをうまく突いてくる感じで、それがとても好きです。 主人公と一緒に傍観者として イタイ人たちを眺めていたつもりが 最後にまさかのどんでん返し。 やられました。
5投稿日: 2023.03.14
powered by ブクログ社会人5年目が終わる今、大学四年生のあの頃、なんとなく避けていた『何者』を読んでみた。そろそろ読んでもいいかな??と思った。「何者かになる」 誰だって求めていることな気がする。だからこそ苦しい。カッコ悪い自分を受け入れて、認めることは簡単ではないし、いつだって理想の自分を探している。生きづらさをありのまま描いた作品で、希望も見える。ここで終らない作品。
4投稿日: 2023.03.08
powered by ブクログ大学生って高校生より自由だけど、社会人より守られていて。 何でもできるようで、だからこそ不安定な気がします。 就活になった途端、みんなが髪の毛黒くして、同じようなスーツ着て、不思議な空気感がありますね。 一緒にがんばろうと言いつつも、心の底からそうは思ってないとか。 誰かが一歩先へ進むと、喜びよりも焦りが勝ってしまったりとか。 SNSに書くのは本音だったり綺麗事だったり、使い方は人それぞれ。 普段見て見ぬふりをしてるような、人間の、自分の嫌なところを突きつけられるような感覚。 小説だからと客観的に見ていたのに、急にぐっと追い詰められるような。 タイトルに納得でした。
6投稿日: 2023.03.07
powered by ブクログ就活が終わったので読んでみたが、思った以上に面白い。自分が仲間と就活したらこのようなことがあっただろうなと考えられる内容で当事者目線で物語を読むことができた。人は他人が成功した時表面上おめでとうとは言うが内心はその粗を探そうとしているところが人間の闇っぽさを感じて良かった。
1投稿日: 2023.03.06
powered by ブクログ映画鑑賞済 主人公とその視点で物語を追う読者が、ずっと傍観しているところから一気に舞台上に上げられてしまう構成が鮮烈だった 現実にいそうだけど自分の周りにはいないタイプの登場人物たちのやりとりが面白かった
4投稿日: 2023.03.01
powered by ブクログ朝井リョウさんらしさがあって、面白かった。 欲を言えばもっとTwitter全盛期に読みたかった。 昔映画を見たことがあり、小説はその数年後に読んだ。 小説を読んでいて映画の完成度に驚かされる形となった。 小説→映画の順の方が良かったなぁと。。。
1投稿日: 2023.02.28
powered by ブクログ作中に多く出てくる登場人物たちのどこかダサかったりイタいようなツイートに滲み出ている自意識に見覚えがあった。恥ずかしいけどそれは自分がSNSを利用して何かを発信するときの文に近しいものを感じたからだと思う。そして毎日目にする誰かがSNSで発信するものにも似ていた。 自分が今この文を打ってる今も自意識にがんじがらめにされてるし、自分は何者かになりたいって思いはあるのにひよって行動にも起こせず、やるせない気持ちをSNSにぶつけちゃってる気がする。 これからもそのままでいいのか、自分が何者でもないってことに気づき始めてしまった16歳の今、なにか行動を起こさなきゃいけないと思った。 いやーーー!けどこの文章も恥ずかしいしもうなんかインスタのストーリーとか日々の会話もぜーんぶ恥ずかしいーーー!ってなった。 えげつない程羞恥心を煽られる。
7投稿日: 2023.02.28
powered by ブクログ主人公に共感しながら読んでてラストで「おいお前もか」ってなった。 負の感情は書いたらあかんよな。何にしても。
3投稿日: 2023.02.20
powered by ブクログ今の自分とは違う何者にはなれはしない、それに近づこうと格好悪くても足掻いてみようということなのかなと感じた。
6投稿日: 2023.02.19
powered by ブクログ主人公目線で話を読み進めていると最後はギクリとする感じが面白い。就活氷河期を経験したので共感できる。
1投稿日: 2023.02.19
powered by ブクログ自宅の本棚を整理してたら、読んでないなと手に取る。 就活って大変。。大きなストレスだろうなと。自分をアピールする言葉を、相手に好印象を与えるように、自分らしい表現で伝える。そこには誇張があって当たり前。そこまで頑張っても内定の連絡が来ることは稀。内定者に対する羨み、妬み、劣等感、虚しさ、いろいろな感情をもちながら、仲間たちで情報共有しながら活動を続ける。 これは大変だ。 それぞれのメンバーに、共感する部分と、んーーーと思う部分あったな。 高校卒業後すぐ地元に就職し、何十年経ってもそこにいる私とは縁遠い話だけど、もしかしたらそんな思いで就職した彼らが、現実を知ってがっかりしてるんじゃないかと不安になる。。 SNS ってムズカシイのね。 がんばれワカモノたち!
2投稿日: 2023.02.18
powered by ブクログ観察者である主人公の目線で周囲の人が表現されているが、じゃあ自分はどうなんだ、と。 色々な想いを抱きながら行動し続けている周囲の人たちに対して、主人公の行動は何かあったのか。 就活前に読んだら参考になる点が多そうだが、就活後でも色々と考えさせられる。 朝井リョウの作品は初めて読んだが、例えの表現方法が独特な印象。
1投稿日: 2023.02.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み進めているうちに、自分も拓斗と同じような感性を植えつけられた。そして最後に全否定。 一人でいるのにある種の気まずさと、痛烈に批判される気持ちよさからにやけてた。笑 [何者]のツイート内容は読者に明かされてなかった胸中も語られ、戸惑いも覚える。 こういう、世界が嫌いな主人公の独白って新しい視点に会うし、自分は好きです。
1投稿日: 2023.02.16
powered by ブクログ『読者から当事者に引きずり込まれる魅惑の一冊…』 男性作家では史上最年少での直木賞受賞作。5人の大学生たちを中心に、就職活動を通じて自分が何者かを模索していくストーリー。就活を経験された方なら誰もが共感できる一冊です。 朝井リョウさんの作品は、自覚はしているけれど面と向かって言われたくないところを突いてくるような嫌らしさ(笑)がありますが、本作もまさにそれ。「他とは違う自分を誰かに想像して欲しくてたまらない」というセリフに代表されるように、人間誰しもが抱く承認欲求を否定とも肯定ともとれる表現で書かれているので、自分にもそういう面があるかも…とドキリとさせられます。 特に読者という一歩引いた立場から物語に参加していたはずなのに、読み進めるうちに自分が当事者の立場に置き換わって物語に引きずり込まれるような感覚を覚える執筆力は、さすが直木賞作家。SNSで自分を少し大きく見せたり、暗に否定するような言葉を使ってみたりするのは控えようという気持ちが芽生えます。 自分が"何者"かになりたいなら、観察者や分析者ではなく、カッコ悪くても失敗しようとも実際に挑戦するしかない。いまインフルエンサーとして活躍している人も最初は何者でもなかったのだから。 メッセージ性があり、青春要素もあり、キャラクターに愛着も沸く。非常に作品としての完成度が高い自分好みの一冊でした。
7投稿日: 2023.02.14
powered by ブクログ気づいたら私も拓人だった。終盤で鳥肌。人間誰しもどこかに持っている醜い感情を炙り出すのがうますぎる。舌を巻いた。圧巻。
0投稿日: 2023.02.11
powered by ブクログ自分をよく見せたいんだなあ。人より優れていると信じたいんだなあ。自分を肯定したいんだなあ。 SNSの台頭により、大したことのない実績や立場の誰であっても、何者かに見えるようになってしまった。 そうであるから自分も何者かにならねば、彼等の生きる世界で生きていけないと思ってしまう。だからこそ、大したことのない実績や立場を、あたかも輝かしいもののように見せて何者かになろうとする。(あ、想像力が足りないと指摘されちゃうな。) もしくは、輝かしく見える者を批判することで自分の優位を保つ。 わかるけど、わからんなあ。 思ってもいいけど、出すなよなあ。 そういうことをする人は、何かにすがらないとならないほど不安定な状況の人ではないか。 やだ、観察者っぽい!
1投稿日: 2023.02.10
powered by ブクログたくとの思う感情は、自分をふくめ誰にでもあることだと思ったし、とても共感することがある分、心が痛かった(笑) 就活うまく行かなかったとき、同じ気持ち、いだきました……
2投稿日: 2023.02.08
powered by ブクログsns社会を生きる現代の若者、誰しも少なからず、登場人物たちのような鬱屈とした部分を持っているのではないかと思います。描く内容は鋭利だし、考えさせられる言葉も多いです。個人的に、最後の三浦さんの解説がとても面白くて、くすくす笑いながら読みました。
1投稿日: 2023.02.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何者かになりたくて、それぞれの方法でもがく話。 ある人は海外ボランティアなどの経験をアピールしたり、ある人は創作活動のため人脈を広げたり、ある人はそれを客観的に俯瞰したり。 そうしないと立っていられないんだ。 それぞれのやり方を痛いとか批判するんじゃなくて、自分の弱さと真っ向から向き合って生きていくんだ。
3投稿日: 2023.02.07
powered by ブクログ拓人の気持ち分かるし、昔の自分見てるようだった。自分は何もしないくせに他人の評価してディスって、自分が正しいって思い込ませてないと心がグチャグチャになってしまいそうになるあの感じ。 地に足がついて初めて動き出せるんだよな。
3投稿日: 2023.02.05
powered by ブクログ多くの人が一度は経験するであろう就活をテーマに人のいやーな部分を炙りだした作品。 中盤までの一種の青春小説のようでありながら、危ういバランスで成立しているグループの人間関係はハラハラとした面白さがある。 クライマックスには中盤までのモヤモヤを色んな意味でぶち壊してくれる仕掛けもあり、最後まで楽しめる作品。 露悪的になりすぎない作者のバランス感覚の為せる技か、読後感は不思議と少しの爽やかさが駆け巡る。
5投稿日: 2023.02.04
powered by ブクログ「何者」を二日で読み終えてしまった。 読み終わったのは夜中の1時で、考えすぎて眠気が吹っ飛んだ。 内容は、就活中の(してない人もいる)5人の話。 痛い就活女子や、いちいちカッコつける演劇部の人を、主人公と一緒に冷たい目で観察していた。 こんな人いたよな〜とか思ってた。 それなのに、最後の最後に、矛先は主人公と自分に跳ね返ってきた。 ずっと、俯瞰して観察することで、自分が何者かになったように思ってるんじゃないか? 痛くても、かっこ悪くても、そんな自分を認めて、理想の自分に向かっていく方が良くない? 自分は何者にもなれない 自分は自分だ。 あーーえぐられたーーー 頑張ってる人をどこか冷めた目で見たり、客観的に見ることで、なんか余裕がある人やと思われたいと かあるよな〜。周りはすごく困ってても、自分には全然大したことないですよ感とか出してるなぁ。それで大人な自分を演出してる。SNSとかでも、よく見られたい。弱さを見せて可愛く見せようとするけど、ほんとのダサいところや汚いところは見せない。そうやって自分じゃない誰かを演じ続けてるよなぁ。 でも!!でも!!、 面接での、主人公の最後の言葉 「私の短所はカッコ悪いところです。 長所は、カッコ悪い自分を認めてあげられたことです。」 これにはちょっと救われた!!! まだ間に合う。そう思えた。
7投稿日: 2023.02.02
powered by ブクログ朝井リョウさんのエッセイが面白かったので、小説も読んでみたくて読みました。 学生たちの就活がリアルに描かれているなぁと思いましたが、私にとって就活は遠い昔の話で、イマイチ入り込めませんでした。 それにしても、日本の就活は、内定を取ることが目的になってしまっていて残念。今は少し変わっているのかな?
1投稿日: 2023.02.02
powered by ブクログ人間誰しもが心に忍ばせている、矮小な自我を容赦なく暴き、「ほら、みんなもこいつらと一緒だろ」と、読者の襟首を掴むかのように突きつけてくる。(解説) 朝井さんの作品は面白いけど読んでて胸が痛いです・・・。 就活がメインテーマというわけでなく、そこにもろに描かれる人間性にぐさぐさとやられました。 「もう、立っていられないんだよね」
14投稿日: 2023.01.29
powered by ブクログ映画は観ていたが、正欲を読んで、一度朝井リョウさんの代表作的な所は読んでおかないと、と思い読んだ。 人の気持ち良くない部分を色んな人物像から滲み出し、それが自分の中にもチラつく物だから、心がギュッとなる。 これをストーリーとしてまとめ上げるのがすごい。現代SNSを交えた展開で、自分のアカウント設定を確認した笑 観察者である内は何者にもなれない。結局ダサくても痛くても頑張り続けている人の方がカッコよく見えるな。
2投稿日: 2023.01.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
就活を描きながらも、就活という姿に形を借りた人間の真の姿を描いた物語だと思いました! 就活の面接で表現される偽った自分と、Twitterに投稿される自信たっぷりな自分が重なるようで、彼らの本当の「自分」の姿はどこにあるのだろうと少し怖くなりました。自分の本音を裏アカウントという隠された場でしか表現出来ない拓人の姿がとても哀れに思えました。
1投稿日: 2023.01.28
powered by ブクログ痛い。 触れられたくないところ、弱くて脆いところを、遠慮なく握り潰してくる。 自分も観察者的な面あるので、分かったし、痛かった。 さすが直木賞、納得の一冊。
2投稿日: 2023.01.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
拓人って就活浪人だったのね。5年生なんだ。 喫煙所でサワ先輩が「まだいるんだなキャンパスに。後輩みんないなくなった」と言ったのが 違和感だったけど、そういうことだったのか。 卒業したら働いて食べていかなくちゃ、そのためには仕事を探さないと。それは全員が同じ。 なりたいものが決まっていて、それに向けて学んできた人は探し方も努力の方向ももっとシンプルだと思う。(看護師や薬剤師や教師や美容師など。) 就職=会社に入る となると、それらとは全然違ってくる。 瑞月さんが言ったように、自分と同じ場所から見てくれる人は、もういない。 テストで何点だったから不合格、これはわかりやすい。納得できる。試合の勝ち負けもわかりやすい。 落ちても、負けても、それまでの努力を見ていてくれた周囲は、ちゃんと認めてくれる。 でも、就活となると、相手は自分を知らない。 知らない相手に、私は価値ある人間です、能力のある人間です、御社の役に立ちます、とアピールしなくてはならない。 決められた字数。性格判断みたいな設問。 適性テスト。知らない相手との会話や面接。 何百人の中から目にとまるようなESの書き方、 好印象になる面接の受け答え、話し方、そりゃあ練習するよ。経験者に聞くよ。コネもほしいよ。 話すのがうまい人がいる。笑いも混じえられる。 ルックスのいい人がいる。すでに好印象。 自分には何もない。。 解禁日から一斉にスタートしたはずなのに、 内定もらった人、もらえてない自分。 内定者=社会から認められた人のように感じる。 そりゃ焦る。自分よりあの人が優れているのか。 なんで?あの人なんてこうじゃない。 あの程度の会社か。総合職じゃないんだ。 ホッとする。自分はもっといいところに。。。と 思っても、おかしくない。 「内定おめでとう」思ってるよ。ほんとだよ。 でも、自分が決まるまでは。。。。 演劇や音楽、文筆や美術などの芸術分野の人達は、 それで食べていけるとは限らない。 食べていけないほうが多いと思う。 それでも、それを選ぶって、すごい覚悟がいる。 毎月公演する!とか、何かを自分に課さないと崩れそうに思う。頑張る目標が近くにないと心がもたないように思う。 誰かが見てくれて、スカウトしてくれたらいいのに。。 キミは素晴らしいって、誰か言ってくれないか。。 拓人は演劇をやめて、就活している。 ギンジは演劇を続けている。批判を受けても。 バカだよな就職すればいいのに。大人になれよ。 俺は就活頑張ってるのにさ。 イラッとして、でも気になるんだよね? 会ってなくても話してなくてもSNSで動向がわかる。 批判されても、愛のある★ひとつをもらったら、 次に生かせると言うギンジの姿勢は立派だ。 ギンジの劇団の名前は【毒とビスケット】 拓人とギンジ二人でやるはずの名前だよね。 いつか二人だけで何かをするときがきたら、 この名前で活動しようって約束したんだよね。 遠ざかってるのは拓人の方。 愛のあるダメ出しが出来るのは拓人じゃないの。 拓人がスーパーで買い物して、その歩いたところを線で結んだら「一人暮らし」って星座になるって 表現がすてきだと思った。 光太郎がタクシーで話したこと。同期のやつらがしっかりした考えを持っていて、自分はただ就活が得意だっただけという言葉。その通りだと思った。 拓人をなぐさめているだけではない。光太郎自身が知ったんだと思う。今後の自分がすべきことを。 光太郎とサワ先輩が、真っ直ぐでいい人。 こういう友達がいるなら拓人は大丈夫。 理香さんにこっぴどく言われてから、 本音で面接に挑むときまで(ギンジの公演を観に行く予定まで出来てる!)に、 拓人に何があったのか、それが書かれてなくて。 あえて書いてないんだろうけど。 「もう二度と会えないかもしれない人たちに勇気を持って連絡した」って拓人が言ってて、「たち」というからには、おそらくギンジと、理香さんと隆良くんだろうなと。 そして、瑞月さんと光太郎とサワ先輩も来るんだろうなと思った。 今後、拓人は就職するだろう。してからの努力や、出会う人達によって何者にもなれるよと思う。 ツイッターの文面があちこちに出てくるのが、 すごい効果的だと思って、読みました。
4投稿日: 2023.01.23
powered by ブクログ就活の話。社会に放り出されて、評価されることに抵抗を覚えた時期。読後は、そんな抵抗感も受け入れられるような寛容さを持てた。矛盾しているがスッキリとモヤモヤが混ざった感じ。かっこ悪くても等身大の自分を表現しよう。
1投稿日: 2023.01.22
powered by ブクログ就活を題材に、人間のプライドや嫉妬が生々しく描かれています。相手の悪い部分を見て安心したり、自分は違うんだと思い込んだり…。特にSNSはその傾向を助長している様に感じます。 作中の拓人についても、他人事とは思えませんでした。私も自身のその様な弱さにしっかり向き合っていきたい。
1投稿日: 2023.01.22
powered by ブクログ2023.01.20読了。52歳にもなって、すれてしまったおっさんになってから読むといろいろ良い意味で考えさせられる。 人間、そのときでないと描けないものがあるということですね
0投稿日: 2023.01.20
powered by ブクログ'23年1月20日、Amazon audibleで、聴き終えました。朝井リョウさん、二作目。 うーん…前回聴いた「正欲」と同様、本作も僕にとってキツい小説でした。この方、基本的にこういう路線? ずっと以前に観た朝井さん原作の映画、「桐島部活辞めるってよ」(←こんな題名だったかな?)も、確かこんなテイストの映画だったなぁ…と、思い出しました。なんというか、ラストのあの、「寄る辺なさ」が…堪らなく切なく、苦しくなったなぁ、と。 本作も登場人物たちの、裏っかわ…重く、黒い部分を突きつけられて、どうしょうもなく辛かったです。なんとか黒い部分を、消しゴムで消そうとしているような、彼らの自己との、他者との戦いが、僕のココロをえぐりました。 僕も、真黒なんだろうな…諦めず、もう少し戦ってみようかなぁ( ⚈̥̥̥̥̥́⌢⚈̥̥̥̥̥̀)
10投稿日: 2023.01.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
メモ ちょうど就活中で初めてのお祈りメールをもらった今日読み終わった。 拓人に感情移入して、安全なところから一緒に登場人物を「観察」してたけど、ラストでハシゴを外された感覚。 プライドだけ高くて中身がない自分、説教された気分。「何者」でもない自分を認めるところから始めなきゃ。 自分と同じところから自分の過程を見てくれてる人はもういない。 何点でも評価してもらうことをやめないのは勇敢。 瑞月さんと理香さんのディスが私にも刺さった。
3投稿日: 2023.01.12
powered by ブクログツイッターのことが解らないと、面白さが解らないと思う。私のようなお年寄りには読みにくいかな。 内容は面白かったけど、読者によっては意見が分かれると思う。
2投稿日: 2023.01.11
powered by ブクログ同著『正欲』にグッと来たので直木賞受賞作であるここの『何者』を早速手に取る、のですが、ちょっと待ってくれ、これ就活と恋愛(片想い)の糞みたいな話じゃないですか、まあ、殆どまともな就活もせずに超就職氷河期に何だかんだで中小企業に受かった私としては、この熱い就職活動にはあまり実感も無いと言うか、後悔と言うか、当時の私は何と言う糞野郎だったのかとか、結局就活が少し羨ましくもありつつ、これは最後まで読み続ける事が出来るのかと不安のまま発車する俺(体言止め) ラストでやられました。 SNSによる自己顕示欲、自己承認欲、これはある、いや、あるあるですよ。カッコつけても何者にもなれないんですよね。ほんと大人になると分かります。(49歳男性) それに主人公である拓人の斜に構えた気持ちは十分理解できます。正に当時の私かも、えー、やだー。 この点をうまくラストに絡めて、全て回収する著者様はさすがですね。 って、そう言えばこの筆者様、『桐島、部活やめるってよ』も書かれた方だったんですねー。映画面白かったんで、ああ、何かこんな空気感でしたわ。 とは言え、ドロドロ感の無い話なんで私として星3つにて。
2投稿日: 2023.01.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
思い出す2010年代初期の就活あるあるをこれでもかと詰め込んだ一冊。今まで義務教育、高校、大学と誰かに見てもらっていた側の人間が自らを売り込み、値踏みされる側になり自分で道を切り開く時の辛さ、不安、迷いがありありと描かれている。社会人10年近くなる今となっては新卒採用の時点で何者になれるかどうかなんてほとんどの人はすぐには何者にもなれないだろうとなれるとしても時間がかかるだろうと分かるのだけどあの頃の焦りもよく分かる。 結局かっこ悪くても自分をさらけ出して開き直れた人が強いんじゃないかなと思った一冊だった。それにしてもグループディスカッション…あれ?意味あるんですかね?
1投稿日: 2023.01.05
powered by ブクログ就活をテーマにしているものの、普遍的な人間関係が描かれていて読みやすいですね。 途中で読み口が変わるのですがその転換がとてもなめらかかつ丁寧で、楽しく読んでいたのにどうしてこんなったのかと戸惑うほど。 10年ほど前のSNSの痛々しさ・瑞々しさが表現されていてこそばゆい気分になりました。
2投稿日: 2023.01.04
powered by ブクログ映画化もされ、話題になったので読んでみたが面白かった。題材も就活という自分に身近なものであったし、なんでも検索しちゃったり、プライドを気にするところとか、共感できる点もあった。SNSやライン、ツイッターなど現代を代表するツールが登場するほか、スマホを扱う表現は確実にiPhoneだとわかる。この一文いる?みたいな表現もたくさんあったが、それらのおかげでそのシーンを想像しやすいのかもしれない。結末でみんな(特に拓人)のおかれている状況が明らかになり驚く(就活2年目)。
1投稿日: 2023.01.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ほんとに読み進めるに連れて暗雲が立ち込めて来るというか、心臓がキュッと締まっていくというか…お見事です。。。笑 就活とSNSの裏アカを題材に綴られていて、本当に人間の嫌な部分というか、、、平和だからこそ出てくるタイプの嫌な部分だと思うけど、えぐい。笑 (ラストは救いがあるので朝井リョウさんあざぁす!ってなる) ある程度大人になればどのキャラクターにも「いるいる」「あるある」という共感を良くも悪くも覚えるんじゃなかろうかと。 ※自分もすません、思ったことあります。。。ってならない人は尊い存在! 大体身に覚えのある感情で。 嫌な方の。笑 うわ〜嫌なやつ〜自分ほんと嫌〜 ってなるけど、おかげさまで個人的にはそういうものに折り合いを付けられるぐらいには大人になってるじゃん!自分! と気付けもしました。 (たぶん) 最後の理香さんのお言葉はもうジャックナイフもいいとこというか、日本刀で真正面からバッサバッサと斬りつけるような感じなんだけど、あれは若い人の方がブッ刺さるかもしれない。 個人的には途中で瑞希ちゃんがブチ切れる所が一番刺さった。 人生の線路を一緒に見つめてくれる人はもういない@高校卒業・就活以降〜例えば結婚するまでとかは という… ほぉ!! その発想なかった! 逆にそこまでも自分の人生の線路、親とか先生とか一緒に見つめてもらってた意識なかったというか割とバトルしながら思うようにやらせてもらって今この先どうするぅぅ!?ってなってるぅ!! 親のことなんか知らんし(親不孝者と言われようがまじで背負う気はないし、親も各々スタイルだからどっちにしろ全く期待されてない)あと自分がどうなるかはわからんけどなるようにしかならないし最悪死ねば良いわ!って厨二病みたいなこと言っちゃう情けないタイプの大人ぁ! いやでもリアルに結果より過程が大事とか励まされたことあった記憶がない。 からちょっと共感はしかねるけど、なるほど、となった次第。 個人的には小学生の時から結果求められておかんにブチ切れられてた記憶しかねぇので。 2位じゃ意味ねぇ。1位にしか価値はねぇと言われて育ったので。。。 おかげで自己肯定感ゼロで勝ちたい気持ちうざいぐらい強く持って戦って来れたし、ほんでも勝てないこともある事に気が付いた後は、勝ちにトライはするけど、過程に如何に自分が納得できるか、って所で出来得る努力をする。そうすることで勝てなくても自分はよくやった!っつって自分を納得させるっていう己の救済措置に頼るようになったという経緯があるタイプの人間。 でもそれだと自分追い込まれてすぎてキェェェってなるから、頑張れば自分に何でも出来るなんて思い上がらず、他人を信用して頼ったり、肩の力を抜こうという意識を持てるようになった。 というフェーズにいる人間が読んだので、なんか目から鱗でした。 つい先日も上司に褒められたのに結果出てねぇからっつって褒めを一蹴したんだった。なんて可愛くない部下!!(ほんとは過程も見て欲しいけどね…) 個人的にはこういう思考になるまでに就活してから10年以上は優に経ってて。 就活生ぐらいの時はめっちゃあるあるだし、就活生じゃなくてもまじであるある。 未だにあるあるしちゃってる大人もいっぱいいると思うし、大なり小なり、ありますがな。 (可愛くなろうとかモテテクみたいなのを頑張って追求したり発信してるインフルエンサーとかを馬鹿にする女、みたいなのとちょっと似てる) だから(ようやく本筋に帰ってきた)、 読んでいて嫌な気持ちになるし、最終的には己を改めたくなるよく出来た本です。 (この言い方嫌な感じにも捉えられるかもだが本心) ほんでラストの救済よ。 主人公の拓人が面接で、 短所はカッコ悪いところ 長所はカッコ悪いところを認めることができたところ て、、、 はい。 This is it!!!!! これに尽きますねほんとに。 カッコ悪いところを認められるようになってからはほんとに人生楽になる。 就活の段階でそれに気付けたなんてこのキャラたちまじ立派すぎる。 カッコつけたって何も変わらん。 語ってそれらしい言い訳しても現実はなんも変わらんし何者にもなれん。 その場にみっともなく留まって醜く老いていく自分が残るだけ。 何者になれるかどうかより、自分が自分を認めてあげられるかどうかの方がよっぽど幸福感に繋がるという意味で大事だし、なんでも良いしどんだけでも良いから足掻いて、前に向かって行きたさはあるのよやっぱり。人生。 ほんでそれはカッコ悪い自分に真正面から向き合わないと無理なことだと思うっすね。 より、自分が好きになれる何者かになりたいです! 朝井先生!! 以上!
1投稿日: 2023.01.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
社会人1年目で読んだが、就活前に読んでおきたかった。 同時に、転職を考えている今だから読んでて刺さるものがあった。 結局、自分も何者かになりたいのにその気持ちを素直に認められず、素直に認めて頑張っている人たちを俯瞰で見て、リスクを取っている人たちのリスクの部分だけを見て批評し、自分はただ何も行動していないということを突きつけられた感じがする。 ただ、最後に主人公がどのように心境変化をしたのか、そこをもう少し掘り下げて書いてほしかった。 「あー、これ自分だわー」と共感はするものの、認めるという最も簡単で難しい行為を少しずつでも出来るようになりつつある主人公の心理を読んでみたかった。 共感はものすごくしたし、考えさせられることもあった。 (これを書いてること自体がそういうことなのかな。。。)
0投稿日: 2023.01.03
powered by ブクログ15歳くらいの時に読んだ 就活ってこんなもんかーって思った気がする なんかわかんないけどよかったからもう一回読む
0投稿日: 2023.01.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公がリカの検索履歴を見てしまったシーンから鳥肌が止まらなかった。 それまで遠回しに語られることのなかった主人公の素性がリカに暴かれ、リカやその恋人に偏屈な目を向けていた読者にも矛先が向けられた気がした。 結局、泥臭くとも自分らしく生きる方が良いなと思える衝撃作だった。
0投稿日: 2023.01.02
powered by ブクログ就活時代の話。 「桐島、部活辞めるってよ」に続き、 自分のもがき苦しんだ就活時代を思い出した。 あー、いたいたっていう人の映像が鮮明に思い出される。 でも、そんな人のことが、心のどこかで羨ましかったりもする。 自分が憧れる会社に就職できたら、確かに今までの自分とは違う「何者」かになれるのではないか、そんな感覚ありました。 でも、蓋を開けると、ただただ、自分をアップデートしていくのが人生なんですよね。
0投稿日: 2022.12.27
powered by ブクログ「就活」をテーマにした朝井リョウの長編小説。直木賞受賞。 朝井リョウの小説を読むのは『正欲』に次いで2作目だが、これと同様に心を揺さぶれる小説だった。 詳細のあらすじは割愛するが、この小説の面白いところは傍観者である主人公(拓人)が最終盤でいきなり当事者にされるところだろう。 それまで拓人は俯瞰して周りの出来事や友人たちの行動を冷静に眺めているという立ち位置にあり、これは極めて読者の視点の近い。 さらに彼はかなり捻くれた目線で友人の言動を見下していて、そのサディスティックな分析が読者の強い共感を誘う。 これが最終盤に最も馬鹿にしていた友人のひとりから、彼の「本質」を見抜かれ、痛烈に批判される。これにより拓人に感情移入していた読者も、自らの自尊心を否定されたような体験に陥る。 ここに至るまでの朝井リョウの伏線、話の運び方がさすが「上手い」と感じた。 次に本小説の主要テーマである「就活」について。 主人公を含む登場人物が三者三様に「イタい」のは、「就活」によるプレッシャーが彼らの価値観や生き方を歪ませているからだろう。 自分自身も経験があるが、就活というものには明確な「正解」がなく、これは凡ゆる試験とも受験とも異質なものである。 大学生活の次のステップにある未知なる「社会」というものへの不安、その関門である正解のわからないままに自己否定をされる「就活」。 この時期にもたらされる不安、焦燥は計り知れない。 故に就活生は自分が今持っている武器を確認して、それで最大限自分を守ろうとする。 結果、「イタい」就活生が生まれる。彼らは分厚い壁を前に自分らしく足掻いているだけなのだ。 こうした現行の日本の就職制度を批判する声も多いが、個人的にはこれは必要な通過儀礼だと思っている。それまで保護者や先生の言う通りにレールの上を進んできた学生たちが、初めて答えのない試練にぶつかることで自分を見つめ直す。 その機会を就活は与えていると思う。この経験は唯一解を持たない、社会に出てからの仕事を乗り越えていく上での貴重な財産となりえる。 (ただし企業側に立てば、より良い人材の採用方法はあると考える。多くの企業の多くの人事は人を審査できるほど有能ではない。) また本作品のもう一つのテーマとして「SNSの持つ二面性」がある。著者はこの小説でSNSを、キャラを立たせるための小道具として、人が持つ二面性を暴くための舞台装置として使っている。 現代のSNSはこうした機能を持っているのは間違いなく(ここまで顕著ではないにしても)、朝井リョウの現実社会を観察してそれを作品に落とし込むスキルは随一だと思う。 それでいて、彼の作品の教訓は押し付けがましくない。読者に良質な比喩による「気づき」を与えるが、行動のピポットを強制することはない。 この小説も「気づき」を得ることができる読書体験だと言えるだろう。
2投稿日: 2022.12.25
powered by ブクログ就活している学生をリアルに描いた作品といわれ、なんとなく読み進めた。リアルな感情と若者のSNSの利用方法を知った。するどい指摘なんだけど、お互いのリアルなやり取りを痛々しく感じてしまった…。「何様」も読んでみてすっきりしたい。
0投稿日: 2022.12.23
powered by ブクログ就活前に読めてよかった。映画も本も変わりなくよかった。人間って見栄を張りたくなるし、それを止めるのは難しいこと。たとえ、仲のいい友人でさえ。でも、それをしなくても自分がいれて、認めてるれるのが本当の友達であり、ライバルなんじゃないかって思った。
0投稿日: 2022.12.21
powered by ブクログ就活を題材に、モラトリアム期の若者達に渦巻く感情を綿密に描いた傑作。 自分にも身に覚えのある感情が、見事に言語化されていて、胸に突き刺さる。 流石、直木賞受賞作。「何様」も読んでみたい!
3投稿日: 2022.12.18
powered by ブクログずっと気になってた本買った! 面白くて一気読み。就活時代を思い出す… 拓人にすごく私を感じた。私も就活内定もらえなかったし、その理由もこの本読んで納得した。でもカッコつけたいし、人とは違う何者かだと思いたいんよね。これはほんと面白い作品だった。
1投稿日: 2022.12.14
powered by ブクログ主人公・二宮拓人は御山大学社会学部の大学生。 拓人は大学で演劇サークル「劇団プラネット」の脚本家として活動していたが、就職活動を機に演劇とは決別した。 そして、今は就活を通して仲間になった同じ大学の4人と一緒に、内定を狙って活動している。 ・神谷光太郎は拓人とルームシェアしている元・バンドマン。就活を機に金髪を黒髪短髪へと変えた。 ・田名部瑞月はアメリカ留学していた光太郎の元カノで、拓人が片思いしている相手でもある。 ・小早川理香は瑞月の友達で、意識が高い就活生。エントリーシートやOB訪問などの活動にも余念がない。 ・宮本隆良は理香と同棲している彼氏で、就活にはあまり興味がなくクリエイティブな活動で生きていきたいと思っている。 拓人たち5人は表現上は仲良くやっているものの、本音はそれぞれ。 特に観察者気質の拓人は、メンバーのTwitterなどを逐一チェックし、内心では他のメンバーの事を見下していた。 しかし、かといって拓人の就活自体も難航している。 拓人は同じ演劇サークル出身で、今は自分の劇団を立ち上げて活動しているギンジの生き様を見ては複雑な心境になるのであった。 拓人の就職活動仲間の瑞月に内定が出て、就職活動仲間で祝勝会を開くことになるが、就職活動仲間同士の嫉妬や焦りや見栄が仲間同士の友情を狂わせる。 「桐島、部活やめるってよ」で高校生の赤裸々な心情を描いた朝井リョウが、就職活動を通して「何者」かになろうともがく大学生の友情、嫉妬、見栄、裏切りを描いた直木賞授賞作。エントリーシートを書き、面接において自分のアピールポイントがインターンシップや留学など分かりやすいものが無くても、自分が大したもののようにアピールしなければならない苦労、Web試験を通っていないのに面接を受けまくっているとか小さな嘘をついたり、仲間内に内定もらった奴がいたら表向きは内定を祝っても仲間に内定をやった会社の悪い噂を検索して自分を慰めたりする嫉妬や見栄、拓人の自分と似たり寄ったりのクリエイター気取りのイタサを持つ隆良とギンジに対する嫉妬と近親憎悪(Twitterに、ただのアルバイトのくせに「仕事に行ってくる」、自分の努力が足りなくて流れた企画を「なくなった」、本当は自分がなりたくて仕方ないのに「周りからアーティストや編集者に向いていると言われた」と書き込み自分のプライドを守っている、演劇を辞めたのに演劇を扱う企業の就職試験を受ける、Twitterの裏アカウントで自分が所属していた劇団の悪口を書く)、そして就職活動仲間同士の友情が壊れるきっかけになるTwitterの裏アカウントと検索履歴そして見られていないと思っていた自分の本音と建前の使い分けが仲間に駄々漏れになっていた恐怖、就職活動だけでなく自分が今の自分よりもマシな自分になるために足掻く青春模様を赤裸々に描いた傑作青春小説です。
2投稿日: 2022.12.13
powered by ブクログ何者かになりたい、そんな気持ちは誰の中にもあるのだと思う。 肩書きこそがステータスだと思ってるやつ。 結果より過程を重視して、いつまでも行動を起こさないやつ。 それを俯瞰で見てバカにしてるやつ。 普段どこか冷めた気でいる自分にとっては、嫌な本性が剥がされる、ハッとされる内容だった。 就活前に読むことができて良かった。
1投稿日: 2022.12.10
powered by ブクログ秀作。 詩のような文が散りばめられている。心に響く。 誰もが経験する、社会人になると言うこと。その葛藤。SNS時代を上手く描写。 朝井リョウさんは天才肌。直木賞より芥川賞ぽい作品と思った。
1投稿日: 2022.12.10
powered by ブクログ正直最初は主人公の言うことに納得しながら読んでたし他の登場人物にイライラしてたけど最後主人公が散々に言われるところで全部崩された。うわーーーなんか難しいな
2投稿日: 2022.12.06
powered by ブクログ私は就活してない人間なので十分に理解することはできなかったが、就活は本当に辛いと思う。 作中にもあったが就活が得意な人と苦手な人がおり、苦手な人は全てが否定された気になるだろうと思うとつらい気持ちになった
2投稿日: 2022.12.05
powered by ブクログ【十点でも二十点でもいいから、自分の中から出しなよ。自分の中から出さないと点数さえつかないんだから。】 理香の言葉が刺さった。 本当に大事なことはSNSになんて書かない。 その限られたスペースに反映されなかった言葉や文章に思いを馳せるってことなのかな。
3投稿日: 2022.12.03
powered by ブクログ自分が就活の時に嫌に感じていた思い出が蘇り、少しだけ疲れるが気になってどんどん読み進めてしまう。最後にはどんでん返し。これは面白い。
2投稿日: 2022.12.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
とんでもない作品だと思いました。読みやすくて最初は引っ掛かりのない文章だなあと思っていたんですが、後半は本当に読んでいる人の胸が痛くなるようなパワーワードの数々。 私は学生で就活をしたことがありませんが、それが纏う嫌な雰囲気もなりふり構ってられない泥臭さも感じました。作中何度か「何者」という言葉が出てきますがみんな何者になれなくて苦しんでいるとばかりに思っていました。しかし、皆自分が何者かになれないことは百も承知で、足掻いていたんです。 拓人目線の話で拓人の思想に寄ってしまい、りかの言ってることを最初は腹立たしく思っていましたが、1番核心を着いていた気がします。 すごく心に残る作品でした。就活する時が来たらもう一度読みたいと思います。
1投稿日: 2022.12.01
powered by ブクログダサいとか痛いとか思われてる中で踠くことができるのは最高にかっこいいし難しいし大切ということを再確認させられた一冊です 他人の目が怖くない、気にならない人なんていないけど、その中でも自分はダサいって言われても踠ける人間になりたいです
3投稿日: 2022.11.29
powered by ブクログ何者かであろうとする試みは、第三者から見ると痛々しく見えがち。その様子を安全圏から揶揄することは、自分が何者かである証左ではなく、痛々しく見える努力すらできないことの証左である。 それを認めて一歩踏み出した時、初めて成長できる。
2投稿日: 2022.11.26
powered by ブクログ就活という舞台にあまり惹かれず、夫から映画の感想も聞いていたのでなんとなく手が出なかった作品。最近朝井リョウ氏のラジオを再び聴いていて、これは読まねばと。 主人公と一緒に相手をこき下ろしてみていたので、終盤一気に自分の立っている場所が分からなくなる衝撃が。相手に向けていた銃口がぐるりと自分の方に向かう感じ。 モノローグで語っているときはそうでもないのにTwitterの裏垢で発信しているのを読むと一気に悪意が強くなる。それを知人に、しかも対象者に見られてたなんて想像したらぞわっとする。リスクは承知だったのに、自己顕示欲が勝つのかー。 自分ができないことをやれてしまう人を斜めからみて批判する、って身に覚えがなくはない。 何者かになりたいという夢を見る時期は過ぎたけど、こうやってなにかを記録に残すことで何者かになろうとしているのかもしれないのかな…とうすら寒くなりながら感じた。
5投稿日: 2022.11.23
powered by ブクログ「何者」にもなりきれない自分でも、社会人になるためには、就活に挑まなければならない。学生の肩書きで守られてきた今までから、自分のことは自分で決めなければならないこれからに挑む、若者たちの言葉や態度を中心にストーリーが進んでいく。うまくいかないながらになんとかやっていかないといけない、という苦しさがリアルに感じられた。 が、自分自身が就活の過酷さをあまり身に受けずに、逆に就活に突入するまでの大学生のモラトリアムという感じもなく、ある程度決まった進路のために授業を詰め込まれながらとんとん拍子に社会に出たので、就活に対する苦しさは想像でしか分からない。就活の経験があればもっと響く作品なのかもしれない。
2投稿日: 2022.11.23
powered by ブクログあーこういう人いるよねー。意識高い系?って人?拓人に共感できるわー。なんて読んでいたら、最後の最後里香の言葉がグサリと胸に突き刺さりました。 里香は拓人に向けて言っているのですが、お前も私のこと笑って馬鹿にしていただろう!と言われている気分になるほどでした。 こんなに共感できるというかのめり込める小説ははじめてです。 直木賞すげぇ笑 改めて自分はどうなんだと省みようと思わせてくれる作品です。
5投稿日: 2022.11.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「Kindle Unlimitedで人気作家・朝井リョウの本が読めるんだなー、どれどれ」と思ってDLしてみました。そういえば映画化もされていましたね。 リクルートスーツの就活生たちの姿に『何者』というタイトル。香ばしさを放って存在感がある表紙です。だいたい内容は想像できるので、DLしてしばらく放置していましたが、たまたま美容院でパーマしている時に全部読みました。時間がある時でよかったです。隙間時間に読む本ではありません。 実際、内容は想像した通りで、就活にうまくいかない就活生が他人と比べて僻んだり自分の存在価値を問うような雰囲気の話ではあったのですが、最後に主人公の拓人が一番やばい奴だったというのが「意識高い系」の理香に一気に明かされます。この辺はちょっとしたホラーでぞわぞわしました。 そこまで知ってしまったら確かに伏線はあったのですが全然伏線なんて思わなかったです。「やられた系」です。 ラストでコテンパンにやられたわけですが、読後もじわじわと私の胸をえぐってくるのは、そのラストまで「私、拓人寄りだなー」なんて思いながら読んでいたからです。 「いやいや、私裏アカなんかないし、そこまでやばくない!」とこころの中で言い訳しました。 いずれにせよ他人の行動を分析して下に見ることで自分を安心させたり、やたら「人脈」を使いたがる人が嫌いだったり、私も拓人に似ていることは間違いない。Twitterでこそ呟きませんが、飲み会で他人の文句言ったり馬鹿にしているのは同じことでしょう。そんな私も「ダサい」と思われていたんだろうな...つら。 >「カッコ悪い姿のままあがくことができないあんたの本当の姿は、誰にだって伝わってるよ。そんな人、どの会社だって欲しいと思うわけないじゃん」 この理香のセリフが辛い。 この本を読んで一番驚いたのは、理香が自身の行動を「ダサい」と認識していたということ。彼女は自分が笑われているのをわかっていて名刺を配ったり、努力をツイートしていると言います。それはそうやってあがくしか自分には残っていないから。私は拓人の気持ちはわかりますが、理香側の気持ちなんて人間のタイプが違いすぎてわからないし、正直信じられないです。でも作者の小説内の真理描写のリアルさを考えると、、、理香の気持ちに共感できる読者もいるのでしょうか。 理香のような人がコミュニティ内にいるのですが、ちょっとその人の捉え方を変えてみようと思いました。そしてそんな人たちのことを「いけすかない奴」と揶揄するのはやめようと思いました。 えっ続編あるの?『何様』だって、絶対読もうっと。
3投稿日: 2022.11.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最後の方の拓人に対してのあの女の子のセリフが今まで拓人の目線で見ていた自分にも向けられるように感じ鳥肌がたった。多くの人が感じる意識高い系と揶揄したくなるような人たちへの嫌悪感みたいなものを丁寧に共有させた後に、何者かになりたくてもなれない自分を諦めず、かといって何かするわけでもなく、少しでももがいている人に対して嘲笑的な態度を取ることのカッコ悪さに気づかせる構成が気持ちいいし本当にそうだと思わされた。
1投稿日: 2022.11.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
就活を思い出した。上手くいっている時ほど、他人の状況に探りを入れるものって確かにそうだったなぁ〜と笑 刺さるよね。ギンジと隆良の大きな違いは、どれだけ無様でカッコ悪くても挑戦出来るところ。やると決めたらそれをしっかり実行して守るところ。 プライドは守りたいし、他人と違うと思いたくて一歩引いたところで人を見ちゃう時あるよなと……。 自分で決めて区切らないと変わらないという光太郎のセリフが印象的。
1投稿日: 2022.11.15
powered by ブクログ就活ってそうゆうものなの? 採用側であるため、学生の対策、想いを学べた? 気負うことないのになぁ〜 「たとえ理解はできなくても、話してみることは大切」本当にそう。 SNSで配信することのない私には、ツイッターを通した表現が少々違和感であったが、後半、えっ、えっ、えっと読了。 解説で、三浦氏は朝井さんは「凡人」だからというが、凡人じゃないでしょう!と思った。
0投稿日: 2022.11.13
powered by ブクログ就活生の主人公とその周りの友人たちとの人間関係について書いた本。 他人のTwitterをみて、その人を上から目線で評価をするタイプの主人公。特別な人間になりたいと思いながらも、何者にもなれずに就活で失敗を続けている。 昔の友人がチャレンジしている演劇の悪評をみて安心したり、Twitterでアピールしている友人を蔑むことで上になった気でいる。 結局は友人の友人にキツく指摘されて、自分のそういったカッコ悪い部分を認めることができたように思う。 読みながら湊かなえの本を思い出した。湊かなえのように実際の社会に溢れる違和感を描写するのがとても上手い。 言い回しや言葉の使い方、思考を言語化することが綺麗なため、読んでいて具体的なイメージがしやすい。 多くのひとが持っている「自分は他の人とは違う」と言った気持ちに上手に焦点をあてている。 その気持ちを完全に否定している訳ではなく、そのために他人を上から観察するだけで特別になれる訳がない、ということが伝わった。 結局、自分も他人の失敗をみて安心したり、自分にできないことの言い訳ばかり探してしまう。そんな自分を見つめ直すことができた。 日ごろ、考えているようなことを言語化できているのが単純にすごい。途中、登場人物が就活批判をしている描写に気持ち悪さを感じたが、どんな風に気持ち悪いのか言語化できないのが残念。
2投稿日: 2022.11.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
例のことが判明するシーンで目が覚めるような思いがした。 SNSに依存して自分のことから目を逸らしてきた主人公 しっかりと未来を見据えている友人達
1投稿日: 2022.11.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2021.10 図書館借本 * 就活前に読みたかった。 マンションが同じ・友人の友人から繋がった5人。空気が悪い瞬間は初めの方から多々あったのに長らく集まり続けてたのがすごいと思ったし、大人だと思った。私だったらはじめに嫌悪感を抱いたらその後何度も集まる気にはなれない。 私は誰タイプ何だろうと思いながら読んでいた。拓人目線で書かれる話だから、ギンジと隆良と理香は苦手だと思った。だけど終盤、全貌が見えると拓人がいちばん苦手なタイプだったし、おそらく私は理香タイプだなと思った(あんなに性格悪いとは思いたくないが)。 みんな自分の選択が正だと思って生きているはずだから、それぞれが主人公の話も読んでみたい。 . この本を読んでる間にTwitterのメアド検索機能をOFFにした笑(裏アカというよりオタアカだけど) Twitterの本アカは自分を曝け出しているようでどこか自分を偽る場所、もうひとつのアカウントが自分の本音を出す場所だからこそ知人に見られたくないというのはとてもわかる。 . 一言発する間に情景描写が描かれる書き方は時間の流れがリアルで面白かった。
1投稿日: 2022.11.04
powered by ブクログ就職活動時期の大学生特有の空気感と感情の表現がとても上手で、感覚があの頃に引き戻された。どんなに表面を偽って、かっこつけて、意地とプライドで固めても結局何者にもなれやしない。今ある自分がダサくても、コレで勝負して生きていく他ない。胸に刻みました。
3投稿日: 2022.11.01
powered by ブクログ人間のリアルすぎる、、、どの人物もこういうタイプ現実にいるよねーって感じ。人間の生々しい感情がリアルに書かれている。途中自分もこういう所確かにあるってなってうわーってなりながらも一気に読んじゃった。 特別になろうと努力する人も、ただその過程を見せびらかすだけの人も、それを小馬鹿にする人も、現実思考の人も結局みんな何者かになりたいっていう希望とか不安の中で生きている様な気がした。
1投稿日: 2022.11.01
powered by ブクログ最高でした。 「だけどこの姿であがくしかないじゃん」 胸に刻みます。 瑞月ちゃんの線路の話 瑞月ちゃんはよくこれに気付いたな。本当にすごい。“構ってもらえる”のは、きっと若いときだけな気がする。それが過ぎたら、もう自分から出していかないと。自分を開いていかないと。それから、よく分からなくても、とりあえずやってみて出すということは大切だな、と再度思った。 想像力の話 想像力ってなんだろう?サワ先輩とのやりとりを読んでよく分からなくなった。 相手の立場を考えることが想像力だと思うけど、そもそもよく思っていない相手に想像力は働くのか?想像力を働かせようという気も起きないんじゃないか?きっと拓人くんはこれ以上自分が傷つかないように、ギンジと隆良を同じカテゴリーに入れてしまったんだね。 相手を悪く言うときって、自分の自尊心がゴリゴリ削られてるときなのかも。気をつけよう。
2投稿日: 2022.10.27
powered by ブクログニーチェの格言ではないですが、こちらが見ている相手への見方というのは、常に自分にも向けられているものであると、つい忘れてしまいがちなことを思い出させられました。 登場人物が皆人間臭く、純粋すぎないところがリアルで面白かったです。きっと誰もがこういう人間関係に思い当たるフシがあるのではないでしょうか。
1投稿日: 2022.10.26
powered by ブクログ面白かった。 最後には笑われてもいいから頑張るしかないんだと背中を押してくれる。 バンドマンの男の子、菅田将暉くんのイメージじゃないなあ。もっと骨太そうな男子のイメージで読み進めてた。でも映画も気になる。 就活前読んでたらめちゃくちゃ怖かったと思う、、、。社会人で良かった笑
1投稿日: 2022.10.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
朝井リョウ作品はお初でした。 直木賞受賞作。 就活真っ最中の若者たちとSNS、ライトな感じかと思いきやとんでもない… 途中から感じる不穏な空気、後半に入りどんどん出てくる棘と痛み… みんな理想の何者かになろうと必死で、それぞれの理想の何者を認めずにお互いを攻撃しているように見えてたけど、結局最後は妬みや卑屈さから自分で吐き出した言葉で自分が追い詰められていく… 若者に限らずどこの世界にも転がっているような、読んでいる私も他人事じゃないなとドキドキさせられるような、とにかく終始痛みを感じるお話でした。 自分も相手も傷め合って本音で話したからこそのその先があって欲しいなと最後を読んで思いました。
3投稿日: 2022.10.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何者、は憧れや侮蔑を表す。主人公視点では侮蔑カラーで、その他の人物や一般的には憧れを指す。 SNSの世代からギリギリ外れているから、特有の焦りや虚しさは実感は湧かないが共感できる気がする。 就活もしてないから共感はできないが、恐ろしさは伝わる。 生理的嫌悪感のある相手のやることなすことに、穿った見方をしてしまうのは、鋭さなのか弱さなのか。 と、記録していたが、ラストの展開は解説にあるように「突然当事者に」モノローグがアウトプットされていたという構成がおもしろく、また背筋が凍る。
1投稿日: 2022.10.16
powered by ブクログ今年大学生になって読んだ本で1番心に響いたかもしれない。私に当てはまるような言葉がとても多かった。特に心に残っている場面は、りかさん「自分たちは何者にもなれない。・・・理想の自分に近づけるためには痛くてカッコ悪くても頑張るしかない」のところ。私は人にかっこ悪い姿を見せることがとても嫌いで恥ずかしい。周りからどう見られているのかとても気になってしまう。失敗したくない、変なプライドがある。だがらリスクを恐れ、私は何もせず、挑戦している周りの人を観察して、心の中で色々考えていた。本当に主人公と同じ。でもこれは意外と周りに気づかていて隠そうとしてもかくしきるてない。高校時代、少しレベルの高い志望大学を友達に伝えたときも笑われていたのかもしれない、逆に笑っていたかもしれない。この本を手に取ったことて、理想の自分に近づくには、カッコ悪くても頑張るしかない、努力しないといけないことに気づくことが出来た。 今出会えて良かった本だと思う。
4投稿日: 2022.10.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
就職活動を通して5人の登場人物の関係性が変わっていく物語。 SNSでの書き込みが文章の中で多く登場し、登場人物の心情や本音が綴られている。 主人公の拓人は、自分のことを他者を冷静に分析できる観察者だと思っている。物語は終盤まで、拓人の目線から語られる。拓人はいわゆる意識高い系の人々を、何者にもなることが出来ないのに足掻いている寒い奴らだと内心嘲笑っている。しかし、終盤でその嘲笑っていた者から、自分も何者にもなれないくせに足掻くことができないから足掻ける人のことをカッコ悪いと見下している、可哀想な人だと思っていることを伝えられる。 最終場面での拓人の面接での受け答えは、理香から言われたことを受け止め、一歩前に進んだことが表されていると思った。今まで拓人は、自分が何者にもなれないから何者かになろうと足掻いている人を見下すことで自分のプライドを守ってきただけだったということ。自分のなりたい姿に向かって足掻くことは、決して見下すべきことではないこと。 面接の受け答えとしては全く良くなかったが、そのことに気づいて足掻いている人を認めて自分も足掻いてみようと思い本音で話したからこそ、面接後に後悔をしなかったのだと思う。 自分ができないことをやっている人へ自分も気づかないうちに嫉妬や僻みをもち、見下すことで自分を正当化させようとする拓人の気持ちには共感できた。 ただそこで止まっていると、現実は何も変わらない。時には周りを気にせず足掻ける人間でいることが大事だと感じた。
3投稿日: 2022.10.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
就活とはほど遠い年齢だけど、刺さった。途中まで、拓人や理香を性格悪いなーと思いながら読んでた。でも、自分も拓人側の人間だった
2投稿日: 2022.10.10
powered by ブクログ私は掘り下げたりできない浅い人間なので、こんなあるある話、わざわざ小説で読みたくないわ...と思ってしまった。笑 でも「こんなあるある話」と思ってしまうくらい本当にあるあるすぎる。 SNS、就活を通した人間関係をうまいこと書いてるなと思った。 周りを俯瞰して、自分はみんなとは違うと思ってる主人公の痛々しさ。自分ではないか、と思い当たる人は多いかもしれない。 かくいう私もそう感じた一人。
1投稿日: 2022.10.09
