
総合評価
(1731件)| 895 | ||
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powered by ブクログあっという間に読み終わった。それほどに面白い。いや、「興味深い」かな。 アート、特に絵画は描くも見るもからっきし不得手だが、この本を読むと見てみたくなる、アンリ・ルソーの作品を。もちろん、美術館で。 見える人には見えるんだろうな。目に見える絵の向こうにある、作者の姿、作者の思想、作者の思いが。 もちろん、私にはそこまで見えない。この本から教えてもらう程度にしか。
6投稿日: 2023.04.12
powered by ブクログ1年ほど前に購入したにもかかわらずずっと放置していた。読んだのは先月。(感想も遅っ!)なぜもっと早く読まなかったのだろう。原田マハさんのアート小説の味を知ってしまった。美術や絵画のことは全然詳しくないけどすっかり魅了され、大原美術館のホームページを覗いてみたらオンラインツアーが開催されていて迷わず参加した。マハさんが新しい世界へ誘ってくれたようだ。
8投稿日: 2023.04.09
powered by ブクログ美術とは縁遠いわたしが、それでもアートの表面を触らせてもらえるような、心踊る作品。 文字だけで表される絵画の、絵の具のでこぼこに触れながら、気づくと絵画の中の世界に落ちていく。 一瞬にして、そこに描かれる青々とした緑や、風の感触、花のむせ返るような匂い、獣たちの声に取り巻かれ、気づく。これが、アートの情熱というものなのかと。
4投稿日: 2023.04.06
powered by ブクログとてもおもしろい本に出会えて嬉しい! 一気に読んで、あ〜読み終わっちゃった〜〜という名残惜しい感じ。 美術には全然詳しくないけど、 織絵とティム、時を超えてルソーを取り巻く人々のストーリーに心奪われる。 もっと知りたい、と好奇心が湧く感覚。 早くももう一度読み返したいと思っている。 そういう欲求が出るのは珍しい。 夢中になれる物語に出会えて幸せ。
4投稿日: 2023.04.03
powered by ブクログアンリ・ルソーの知られざる作品の真贋を問うミステリ風の小説です。美術の世界の奥深さに圧倒されます。美術館で作品を見るだけでなく、美術研究書にも興味が湧いてきました。読めるかどうかわからないけれど。
6投稿日: 2023.04.02
powered by ブクログ原田マハさんの本は、これで3冊目。 他の2冊に比べて、これはミステリータッチ。 ん~、やっぱり私はミステリーは好きじゃないなぁ。 中身が絵画の話で、ルソーやピカソやその当時のパリの文化とか現代の美術館とかその辺の基本的な事を知らないとピンとこない内容。 名前ぐらいは知ってるけど・・・ぐらいじゃダメで、作品名からどんな絵が描かれているかぐらい解らないと楽しめないと思う。 私も途中でググりましたもん。 なるほど、こういう絵を描いているから、こういう話なのね・・・と、まあそんな感じ。 原田マハさん、先に読んだ2冊が大変面白かったので、評判の良いこの本にも期待してたんだけどなぁ。 美術、絵画が好きな方にはお勧めです。
0投稿日: 2023.03.30
powered by ブクログミステリーでもあって、ラブロマンスでもあって、ちょっとだけ冒険してるような気分にもさせてくれる本作。 読んでいる最中は淡々と話しが進んで、「あれれ、期待はずれ?」と思いました。 そんな方こそ、ぜひ最後まで読んでください! 読了後、不思議な清涼感に包まれ、同時に何とも言えない切なさがこみあげました。 これは、最後まで読まないと味わえないんじゃないかな。 暗幕のゲルニカも読んでみます。
4投稿日: 2023.03.27
powered by ブクログ初めて原田マハさんの本を読んだ。 絵画に全く詳しくないけれど、すごく引き込まれて、携帯でどんな絵なのか調べながら読んだ。図書館で借りた本だったけど、ハードカバーの本を買ってまた読み返したい。
2投稿日: 2023.03.26
powered by ブクログ美術館は心が落ち着く場所で、長くいるのが好きな私。 今回原田マハさんの楽園のカンヴァスを読んで、絵の世界に入っていく、取り込まれていく感覚を全身で感じた。とても面白かった。なるほどと納得しながら読み進めていく感覚が最高だった。
2投稿日: 2023.03.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ずっと読みたいと思っていた原田マハさんの作品。 アートミステリーとの評判そのとおりで、ビジネス絡みの陰謀やロマンスなんかも織り混ざり軽快に読めた。 絵画一枚にこんなにもドラマがあるのか? もしそうならば絵画一枚一枚をもっと深く知る努力をする事でより見方が変わるのは間違いないと感じた。 絵画の持つ細かい技術や技巧等はほぼわからないけれども、見た時のそのパッションはドラマを知ることでさらに熱を感じると思う。 今後機会があればそうしたいと思った。 ティムも織絵もバトラーも最愛の人がもう一つのテーマになる。 そして時間の経過と共にテーマは家族になる。 一枚の絵を通して内側と外側でおきる人間ドラマ。 真贋の審判に関わり、ティムも織絵もバトラーも「夢をみた」の前で今まで自分達にのせていた色をリセットする。まるで今までが「夢」だったみたいに。 洗われて自分と向き合い、そこから新たな色味を重ねていく決意。まさに「夢をみた」だ。素敵だ。 最後に織絵の娘、彼女は「ヤドヴィカ」になぞられているのかな? どことなくフワフワとしているのだが、最後に「生きてる」っていう事がリンクする。 意識の外側で当初のヤドヴィカがそうだったように、娘も作品に触れて徐々に感じる物があるのだろうと感じた。 同じ栗色の髪色、彼女も今後誰かの作品の中で永遠に生きる事もあるのか?なんて思った。
49投稿日: 2023.03.21
powered by ブクログアンリ・ルソーの絵は知っていてたけれど、来歴は知らなかったので、とても興味を持って読みました。繊細なやり取りが流れるように読みやすい文章で綴られており、どんどん引き込まれました。そして、また美術館に足を運びたくなりました。
5投稿日: 2023.03.19
powered by ブクログ原田マハさんのアートを題材にした作品を読んだのは今作で2作目でしたが、やはり最高です。 物語としても面白いですし、アートを作品そのものとしてだけでなく、どういう時代にどんな思いで作られた作品なのか、そしてどうやって今まで守られて来たのか、など、ともすれば当たり前な作品鑑賞の仕方ですが、その基本の大切さを教えてくれるものだなと感じました。 こちらの作品の読了後は、暗幕のゲルニカを読まれることをお勧めします。
5投稿日: 2023.03.10
powered by ブクログ原田マハさんの本は初めてですがとても読みやすく楽しかった‼︎美術に対する興味、知識が全くないから最初読み始めた時は理解できるかな?と心配になったがむしろ興味が湧いた。ルソーの絵を素敵と思ったことがなかったのに。。この本を読んでからはなぜか少し愛おしい。揶揄されようが好きな人に冷たくされようが真っ直ぐ自分の好きな絵を描き続けた彼は素敵だなと思う。
13投稿日: 2023.03.10
powered by ブクログ評価が高かったので読んだ。美術にはまるで詳しくない私がその辺りをすっ飛ばしつつ読んでも、伏線が散りばめられていて面白い本だった。アートの世界に没入する感覚が、描き手の物語を通して生き生きと伝わってくる。敢えて残念なところを挙げるとするならば、冒頭主人公の態度である程度、対決の勝敗が読めてしまうところ。それでも登場人物の感覚を追体験出来るかのような読後感で終わり方が美しい。ここまで魅了させるルソーの絵を見に行きたい。
2投稿日: 2023.03.09
powered by ブクログすごく入り込みやすい話だった。 文字で説明されてもどの絵画か分かるというのも少し不思議な感じ。 憧れの街、バーゼルが舞台というのも魅力的だったのかも。 ーアートが好きならば、君が生きている世界をみつめ、感じて、愛することが大切なんだよ。- なんとなく生きることに思いを馳せるような話だったと思う。 読んだ後は良い余韻に浸れた。
1投稿日: 2023.03.08
powered by ブクログ美術をテーマにした人の死なないミステリーです。 一点の絵画がルソーの未発表の作品ではないか? そしてこの絵画は本物か否か?というのがメインだがその絵に隠された人々のやり取りがまるでその場に居るような臨場感のある表現で書かれておりとても読みやすかったです。 もしもこうだったら?と絵を見る視点が少し変わるかなと思う美術が詳しく無い人でも魅力にハマる作品でとても面白かったです。
1投稿日: 2023.03.08
powered by ブクログ初めて絵の面白さを知った これは史実をまじえたフィクションだったけど、どんな絵にもストーリーがあって、どんな画家にもストーリーがあることを改めて理解した 美術館行きたいな〜
1投稿日: 2023.03.08
powered by ブクログ一気読みでした。 なぜこんなにも惹きつけられるのか、あとがきまで全て読んで、これは絵画を相手にしたミステリだからだと納得。 私も美術館に行って、絵画と友達になりたい…
5投稿日: 2023.03.06
powered by ブクログルソー愛を感じるめちゃくちゃいい本! 全然美術の知識はないけど、作品が出てくる度に調べながら読むのが楽しかったし、今なら美術館に行っても楽しめそう!! 全部が事実だとしても不思議ではないような どこまでが事実でどこがフィクションなのかわからなくて、それがまた面白かった 読み終わってから他のルソー作品をネットで調べたり(笑)調べれば調べるほどルソーが好きになる!
9投稿日: 2023.03.05
powered by ブクログ美術ミステリー 知識がなくても充分楽しめる。 むしろその分、どこまでがリアルで、どこからがフィクションなのかわからないからこそ、いろいろ想像できて楽しかった。 個人的にこの手の“作中作”が好き。 ミステリーって、最後にスカッとしたいけれど、この作品については、まさしく“夢”の残るこのラストがふさわしい。 美術っておもしろいのかも、そう思える一冊。 他の作品も読んでみたい。
4投稿日: 2023.02.26
powered by ブクログもし、美術とかアートとか興味がなくてもミステリーとして恋愛小説として読める。 終盤は一気読み。 構成や絵画への愛を感じる1冊
15投稿日: 2023.02.26
powered by ブクログ最近は原田マハがマイブーム。 本日はお日柄もよくに続けて、初めての美術にまつわる小説。 絵画のことは全く分からないが素直に楽しめた。
2投稿日: 2023.02.21
powered by ブクログ織絵とティムの腹の探り合いやライバル心むき出しのやり取りが面白い。対立する2人を描いているものの実はハートフルなストーリーで、アンリ・ルソーとピカソの友情にも心温かくなる。 読後が爽やかな作品。
2投稿日: 2023.02.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
原田マハ8冊目。 ティムの視点がほぼを占めているのに、主人公は織絵。こう繋がるとは……圧巻。 ティムと織絵の出した結論にすごく共感したし、そんな絵を観てみたいと思った。「永遠を生きる」という言葉がすごく印象的だった。 はっきりとは書いていないけど、ヤドヴィガが身籠っていたのは夫との子供じゃなくてルソーの子供ってこと!?
3投稿日: 2023.02.18
powered by ブクログ楽園のカンヴァスの前に、『マグダラ屋のマリア』と『サロメ』という重いのを立て続けに読んでいたために、あっさりすっきり流れるように読めました。 原田マハさんは、絵画作品の持つ雰囲気に合わせて小説の重さ軽さを操っているのだと思いますが、それがまたぴったり。 ルソーは今まで、何となく好きではあったけれど、これを読んではっきり好きになりました。ああ、本物のルソーを観てみたい!味わいたい!
32投稿日: 2023.02.16
powered by ブクログ浜田マハを初めて読んだのですが、面白くてあっという間に読み終わりました。他の作品も読んでみたいです。
2投稿日: 2023.02.16
powered by ブクログ美術館に行ってみたくなる。こういう知らない世界への没入体験。内容もワクワクして凄く面白かった。こんな作品をもっと読んでみたい。
3投稿日: 2023.02.15
powered by ブクログ絵画には明るくないので、出てくる作品を一つ一つ検索しながら読みました。 まず冒頭の大原美術館から始まるシーン。偶然にも近々岡山県を訪ねる予定だったのでビックリ!大原美術館に行くのが楽しみになりました。 画家ルソーへの深い愛と情熱を持った2人のキュレーターの話が中心。それぞれが本当にルソーの作品を愛しているのが分かり、ルソーの人となりの描写も相俟って、ルソーの作品を生で見たくなりました。 これまで、ルソーという画家の存在は知っていても、恥ずかしながら「なんかバランス悪いような?」という漠然とした感想しか持っていませんでした。 やはり実物はスマホの画面で見るのとは訳が違うのでしょう。私も「夢」と対峙して、森の息吹や果実の香りを感じてみたいです。 バーゼルでの最後にはまさかのまさかという展開もあり、引き込まれる作品でした。 絵画や、登場人物、またその人たちの交流、時代背景について知っている人はもっと楽しめる作品だと思います。
2投稿日: 2023.02.13
powered by ブクログ原田マハ作品の中で1番好きな作品。 ノンフィクションかフィクションか… 美術館へ行きたくなり、芸術家についてもっと知りたくなります。 アート小説には欠かせない一冊です。
2投稿日: 2023.02.11
powered by ブクログアンリ・ルソーの「夢」を題材にした美術絵画ミステリー。 名画をめぐり、事実に忠実に基づいたフィクション(現実にあってもおかしくないストーリー)で、未だかつてこんな作品には出会ったことないかも。 とにかく、元キュレーター(学芸員)原田マハさんの重んじている、美術愛・ルソー愛、その情熱をいっぱい感じる作品。 画家ルソーだけでなく、ピカソが重要人物として登場してきて、それがかなり私的にツボ刺激ポイントでした。 「天才画家ピカソ」は私も大好きで、怒涛の全生を描いた「ジーニアス・ピカソ」も夢中になって観ており、ピカソの人物像、パブロ・ピカソと関わった人達や、数々の作品、その背景や影響を受けた特徴など、予備知識もあったので、その上で読むともう。まさにリアルなフィクション。 性格的にも、技術的にも、情熱的にも、ピカソが「夢を見た」を最終的に仕上げた可能性もゼロではない。 ルソーの情熱を忠実に永遠のものとして残すために。 名画と呼ばれるものは、時間を忘れて思わず魅入ってしまう不思議な魔力のようなものがあって。 遠近法とか技術とか、そういうものとはまた違う「何か」がある。 その「何か」は、もしかしたら画家の「情熱」であり「魂」なのかもしれない。 "PASSION"と"PICASSO"一文字違いを上手に暗号にして、その答えを読者に委ねているのも粋で素敵。 ヤドヴィガと織絵の宿した命も、何かしらどこかでリンクしている。 原田マハさんにしか描けない作品。
3投稿日: 2023.02.08
powered by ブクログ原田マハさんの美術小説2冊目を読み終わりました。やっぱり全然美術に詳しくなくても面白かった! 今回の話はミステリーっぽい雰囲気もありつつ、色んな形の愛の話だなと思いました。ピカソは知ってたけれど、ルソーは名前も知らなかったです。あのピカソが認めた画家がいたんですね。 それにしても、アートを愛する人たちの気持ちが凄かったです。コレクターや監視員、キュレーターなど美術を愛する人たちの職業がたくさんあるということを知りました。そしてその方達の絵や画家に対する愛が凄い。 最後も予測できないあっと驚かされる展開があって良かったです。
25投稿日: 2023.02.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
美術が好きなので面白く読めました。ピカソとルソーの会話など、本当にあったかのように書かれていてその光景が浮かんだ。 ミステリーだけでなく、ラストシーンで再会する2人のラブ要素が入ってて良かったです。2人が良い仲になったとして、思春期の娘ちゃんともうまくいくといいなと妄想しました。難しそう。笑
0投稿日: 2023.02.03
powered by ブクログ小説を読みたい、 そして今年はアートに近づきたい、と言う気持ちに満を持して手を出したコチラ。読書会からお借りした本その2。 結論から言うと、これ最高でした。 こういうのが読みたかった! 3冊目にしてようやく全開で原田マハさんの素晴らしさを知れた。 いや、以前から文章力の素晴らしさや物語の展開には心を掴まれていたんだけど読んだのが短編だったからかなー、 いまいち乗り切れなかったんだよな。 今作品は長編、 しかも美術品をめぐるミステリー。 むしろ何故これから読まなかったんだ、わたし、と読了後、感動の涙を流しながら自分につっこんだわ笑 アンリ・ルソーの「夢」という作品を巡るミステリー。 以前読んだ作品のセザンヌ然り、こちらに出てくる他の美術作品然り、絵画に対する描写が素晴らしくてついどんな作品なんだろうとネットで実物を調べては、またその描写の素晴らしさに感動する…なんて読み方をしてしまう。そんな読み方しても衰えない物語のもつ引力。物語に対して集中力が途切れないのが自分でも不思議。 現在から過去へ、その過去でキャラクターが読まされるルソーにまつわる物語へと、入れ子になっていて、 こういう構造の物語も集中力を削がれやすいんだけど、作中作の熱量も本筋の物語に比べてまったく遜色がないので勿体なくも1日で一気に読んでしまった。 それにしても誰も殺されないのに、スリリングでとてつもなくエキサイティングな気持ちにさせるのがすごい。 そしてラストは、その興奮冷めやらぬ中で、なんだかめちゃくちゃ泣けてしょうがなかったな。 わたしは誰かの「情熱」というのに弱いのだと、改めて自己認識した。 心揺さぶられて、最後はじんわり温かい気持ちになれる。読み終わるのが惜しいとさえ感じました。 もうとりあえず今年は、 美術館に行く機会を絶対に作ろう。 友人を見つけるのに、遅くはないはず。
4投稿日: 2023.02.02
powered by ブクログ「史実に基づいたフィクション」ということで ルソー、ピカソ、ブーグロー、アポリネール 出てくる登場人物を検索しながら読み進める。 七章ある物語 ルソーが絵に目覚めた事や 「夢」に描かれた人物 ピカソとルソー 徐々にルソーに惹かれていく人達 知れば知るほど面白い!
14投稿日: 2023.02.01
powered by ブクログ歴史上の人でしかなかった画家達が生き生きと動き、考え、話している姿に感動した。 今、私達が観ることのできる絵画は、実際に人生を精一杯生きた画家達の、思いが込められたものなのですね。 絵画を観て、なぜ心が動かされるのかが、分かりました。
1投稿日: 2023.01.31
powered by ブクログ美術の知識が無くてもさらりと読めた。 知識があればもっと夢中になれたのかもしれない。 熱中して読書とまではいかなかったかなぁ。 ルソーに対して同じくらい熱い気持ちを持つ2人が謎解きを通じて心を通わして行く姿はなんだか嬉しい気持ちになる。 ライバルであり1番の理解者であり。議論が禁止されるのでジャブ程度しか2人の対決が見れなかったのは残念。(議論していても間違いなくついていて無かっただろうけど) 織絵と真絵がバチバチで修復不可能なのではというところから、少しだけ2人を繋ぐ希望が現れたきっかけが絵だったというのがこの2人親子なんだなと思いほっこりした。
1投稿日: 2023.01.30
powered by ブクログ美術館の監視員をするどこにでもいる主婦を思わせる始まりから、夢のような過去の7日間、そしてすべての謎がとける最後と再開。毎日読むのが楽しかった。 たゆたえども沈まず、に続いて、ルソーにとても興味がわいた。物語のなかで読まれるルソーの物語という構造もおもしろく、描かれる情景がバーセルに自分も滞在している、パリではヤドヴィガと一緒にルソーの絵に魅せられていく。そんな感覚にさせられどっぷり読めました。
1投稿日: 2023.01.29
powered by ブクログ美術の知識はあまりないので置いてきぼりにならないか不安だったけど、とっても面白い!!ルソーの作品が出てくる度に調べて、織絵やティムと一緒に眺めながらどんどん読み進めました。この世界に没入しすぎて、読み終わった後は充実感で涙が出そうになりました。 美術館には著名な人の催しをやっていると観に行くけど、分かったような分からないような気持ちになることもしばしば。今回「楽園のカンヴァス」を読んで、なんだか絵画の楽しみ方を教えてもらったような気分!美術館にまた行きたくなりました。
3投稿日: 2023.01.29
powered by ブクログ全然興味なかった絵画だけど、読んで知ったことで興味が湧いた 最初はルソーってきいて真っ先に思想家の方が浮かんでました笑 こういったミステリーも素敵だなって思いました
1投稿日: 2023.01.26
powered by ブクログ美術ミステリー作品を読むのは初めてで情景や人物の背景を理解しながらゆっくり読み進めていった。段々とストーリーの中に入り込んでいく感覚が面白かった。原田マハさんの他の作品も読んでみたいなと思える一冊。
2投稿日: 2023.01.16
powered by ブクログ絵画好きだからワクワクした。 バーゼル美術館行く前に読みたかった。 読みながら出てくる絵画調べる度に、わたしもアンリ・ルソーの絵好きだ!と思ったし、作品から純朴な人間的魅力が伝わってきて、アンリ・ルソーという人間がわたしも好きになった。
3投稿日: 2023.01.15
powered by ブクログ今のところ読んだ原田マハの作品のなかで一番好きです。原田マハの小説は序盤の盛り立てがいつも面白いので、一気に読みました。
5投稿日: 2023.01.12
powered by ブクログ最後にどんどん繋がる面白さ。美術史を知らなくても読み進められるし何より勉強にもなる。ルソーへの興味が湧いた。
2投稿日: 2023.01.10
powered by ブクログアンリ・ルソー、ピカソの絵画を巡る美術ミステリー。フェルメール展鑑賞後、西洋美術に興味を持ち始めて出会った作品。 ミステリーと言っても他のミステリーものと違い、事件が起きたり、警察や探偵が登場したりすることはない。アンリ・ルソー、ピカソが生きた時代、生活、絵画誕生の背景に迫る。 絵画の描写が美しく、アンリ・ルソーの絵画も見てみたいと思われされた。 西洋美術の知識がなくても大丈夫。丁寧な描写で作者がめくるめくる美術の世界へ誘ってくれるから。
3投稿日: 2023.01.07
powered by ブクログ本当に、この人の書く美術に関する小説の奥深さと言ったら。とてつもなく面白かった、読めてよかったというのが直後の感想です。もっと出てくるべきなんだろうけど、それくらいのめり込んで読んでしまいました。 織絵と、そしてミスターブラウンと一緒に、ルソーの時代を見てきたような気持ちになりました。 ルソーという人となり、人生、そして描かれた作品たち、どれも何も知らなかったことだけど、今では友達のように感じます。 あんまり美術に知識がない僕でも、パッと見て好きになる作品はある。そういった作品は原田マハの作中人物が言うように「友達」なんだと思う。けど、友達ってじわりじわりと時間をかけることで、出来ていくものでもあるなとふんわりと思った。今回、この楽園のカンヴァスを読んで、ルソーという人を知って、彼の人生を知って、ルソーの作品に会いたくなった。 それは、インターネットの世界で仲良くなった友人に会うような気持ちに近いのだろうか、顔はよく知らないけど、中身は結構知ってるよって感じ。だからこれから顔を見て、実際に会うのがすごい楽しみ。そういう気持ち。 美術を知らない僕からすると、原田マハさんの作品はそういう美術への楽しみ方を与えてくれる。 東京にもルソーの作品は沢山ある。あと、ピカソの青の時代の展覧会は、箱根のポーラ美術館でやっていた。それらに、会いに行きたいなと思った。 どんな顔をするだろう? ワクワクした気持ちで、今います。
13投稿日: 2023.01.04
powered by ブクログ終始魅力的な物語に引き込まれながら、ルソーやピカソいう画家、学芸員の仕事、そして絵画についてたくさんのことを学べて良かった。 美術館が好きだが、特に勉強はしてこなかった私がこれを読んだ意義はとても大きいと思う。 今後、ルソーの絵をもっと真摯に鑑賞できるんじゃないかと思うと、楽しみだ。 原田マハさんの作品が初めてだったが、今後他の美術を学べるものも読んでみたい。
2投稿日: 2023.01.03
powered by ブクログ物語の中で物語を読むという体験が新鮮で 原田マハさんの本はいつでも時を、国境を超えた世界へ連れて行ってくれるなと毎度思う 実物の夢、見に行きたいな
3投稿日: 2023.01.02
powered by ブクログ最初は中々ハマれなかったけど読み続けていくうちに面白くてページをめくるのが止まらなかった 綺麗に伏線回収されているところもいい アンリ・ルソーの作品をこの目で見てみたくなったな
3投稿日: 2023.01.02
powered by ブクログ原田マハさん、天才だあ、、、 多分2022年最後の読了となるのが本作で、 なんだか良かった!という気持ちです。
7投稿日: 2022.12.31
powered by ブクログどこまでが史実でどこからかがフィクションなのか分からないくらい、全てが本当にあったかのように楽しく読み進めました。 特に、作品中の物語、ルソーとピカソの物語に惹き込まれました。
2投稿日: 2022.12.30
powered by ブクログ読みやすく、興味深く、とても良かった。出てくる人が温かく、そして縛られていない。 ルソーについて、調べてしまったぐらい、文字で描かれている情景が視覚に現れるようだった。
2投稿日: 2022.12.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ツッコミ所が多すぎる。それを物語の面白さが超えてくれないのでモヤモヤした読後感。 ・短編を読ませて、科学的な根拠もなく絵画の真贋を判断するキュレーター(実際はそんなもの?) ・その短編も「書き手が複数いる?」とミスリードさせるだけさせてなんの解答もなし ・短編に登場人物が感動するほどの共感も感じられなかった ・極めつけは実在も定かでないはずの伝説のコレクターが、普通にホテルのVIPとして認識されている フィクションに振り切っている割には、スケールが小さいのも肩透かし感が凄い。 ただルソーの絵画の下にピカソの絵画が眠っているかもしれないとする展開は面白かった。 それでも多くのツッコミ所と物足りなさを感じた。
1投稿日: 2022.12.25
powered by ブクログアートミステリー。 アートって聞くと難しそうと思って不安だったけど、全然大丈夫で、めっちゃ面白かった。 絵画を解説した本も勿論面白いけど、 こういうアートな小説もなんか良い。 芸術家達の情熱は受け継がれてこれからも永遠に生き続けてほしい。
2投稿日: 2022.12.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
原田マハの美術ミステリは初めて読んだ。面白かった。史実と想像を合わせる感じは大河ドラマにも似てる。美術のことは全然分かんないから美術ミステリからも距離置いてたけど、他も読んでみたくなった。
0投稿日: 2022.12.23
powered by ブクログ全くもって個人的な感想なのであるが、マハさんのイメージが変わった。 なんだろう、全て読んでいるわけではないが、マハさんの作品を読ませてもらって重くなる事は今までなかったんだけれどなぁ。 粛々とした美術館を絶えず想像していたからだろうか? すぐにその気になる私は 「そうだ!美術館に行こう‼︎」 と思ったのであるが、よく考えればルソー、はたまたピカソの絵画なんて、行こう!と思い立って行ける美術館にあるのだろうか? そっから調べないと…
0投稿日: 2022.12.21
powered by ブクログ『一枚の絵に隠された真実を暴いていく美術史ミステリー』 ルソーの名作「夢」に酷似した幻の絵画。持ち主は本物か偽物か見破った者に、この絵を譲ると言う。史実なのか、フィクションなのか…。作品の世界観に引き込まれました。読み終わったあとはきっと美術館に行きたくなるはず。 ルソー、ピカソといった有名画家の名前は知っているけれど、どんな人物でどんな絵を描いたのか知る人は意外と少ないのでは。作中に実在する人物が登場することで真実味が増し、絵画×ミステリーの掛け合わせにロマンを感じます。 美術への深い知識がないとこの作品は書けません。よく練られた素晴らしい作品で、著者・原田マハさんの絵画への情熱を感じました。この作品をおもしろいと感じた方は、ぜひ『たゆたえども沈まず』も手に取ってほしいと思います。
5投稿日: 2022.12.20
powered by ブクログ名画の事を「お友達のところに遊びに行く」と 言う感性に共感した。 ストーリーが創作だとしても本当にそんな事が あったのではないか?と錯覚しそうになる。 メタバースの世界に入り込んだかのような 作品だった。
2投稿日: 2022.12.19
powered by ブクログ一部フィクションであることが、悔やまれるような素晴らしい作品だった。「実在しない名画だから、一生見ることは叶わないのか。」「名画誕生の秘話はマハさんの創作なんだ。」と残念な気持ちになったのは、それだけ自分自身が作品に引き込まれていた証拠なんだと思う。 『夢を見た』やその下に隠されているかもしれないブルーピカソは実在しないかもしれないけれど、この世にはまだ日の目をあびていない名画があることはたしかな事実だと思うと、なんだかワクワクさせられる。
2投稿日: 2022.12.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
マハ氏の絵画ミステリーを読んだあとは、決まって美術館へ足を運びたくなる。ウズウズ…。 この物語が史実では、フィクションということに驚くし残念に思う。それぐらいに「夢」がある物語。
1投稿日: 2022.12.12
powered by ブクログ美術ミステリーを初めて読んだが、かなり面白かった。碓かにアートとミステリーは相性が良い。 ただ美術知識無しで読むと、どこまでが史実でどこからが創作なのか判断できない…笑
1投稿日: 2022.12.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ピカソの絵に塗られたルソーの絵を巡ってピカソ派?とルソー派?で巻き起こる戦い。めちゃくちゃ有名なコレクターに主人公が招かれて、同じく招かれたルソー研究者と、未公開のルソーの絵の真贋鑑定を対決するというもの。
0投稿日: 2022.12.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み進めていく中で何度か、うわっ!そうきたかー。どうなるのかなー!と先が気になりました。 美術や絵はまったくわからず、何か史実に基づいていて、何がフィクションなのかはわかりません。 でもそこを含めて画家たちの背景や絵に込められて思いなどを感じられて引き込まれました。 そして私も実際に絵を見たら何か感じられるかな?織絵やティムのように絵を見ていろいろな事を感じてみたいなー そして2人の未来が素敵なものになっているといいなー
0投稿日: 2022.12.01
powered by ブクログ美術や芸術にとっても疎く、ましてや絵心の欠片も無い私でも楽しめた作品でした。 中盤までは知識が無いとつくづく思いながら、何とか読み進めましたが、それ以降はアッという間に読み進むことができます。 それだけ、こんな私でも興味をそそられる文章を描く原田マハさんに脱帽です。 少しはルソーやピカソを勉強して、美術館にでも足を運ぼうと思わされる作品でした。そうしてから再読してみたいです。
26投稿日: 2022.11.29
powered by ブクログ絵画には全然興味がなかったし、初めの方はなかなか進まず…でも途中からどんどんおもしろくなってきて一気に読んだ。美術館に行きたくなるってのに納得!ルソーとかピカソとか全然詳しくないけどその人の背景を知ると絵画もより楽しめそうだなと思った。ティムとオリエの交流もだんだん心許していく感じがよかった。
3投稿日: 2022.11.25
powered by ブクログ情熱!「自分を貫く」をこういった観点からも描けるのか!圧巻だった。アートの面白さを知った。お日柄に続く、原田マハ2冊目だったが好きになった。他の本も急いで買いに行った。
1投稿日: 2022.11.22
powered by ブクログ美術に関する知識がほとんどなく、読むのにかなり時間がかかったけど面白かった。映画化してほしい。 アートミステリーっていうジャンル自体あまり読んだことがなかったから逆に新鮮だった。
2投稿日: 2022.11.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
原田マハさん2冊目。絵画の世界がこんなにも奥深くて面白いと自分が思う日が来ると思ってもいなかった。アートを通して芸術家が伝えたいその対象が放つ情熱をそして芸術家自身の情熱を感じ取れたら時、アートの面白さがわかってその絵を理解する事ができるのだと思った。その背景を観て想像して感じることがアートの面白さだと思った。 今こそ美術館に行ってみたい! 〜 美術館とは、芸術家たちが表現し生み出してきた「奇跡」が集積する場所。動物園や植物園は、太古の昔から芸術家たちが表現の対象としてみつめ続けた動物や花々、この世界の「奇跡」が集まるところ。 アートを理解する、ということは、この世界を理解する、ということ。アートを愛する、ということは、この世界を愛する、ということ。 〜
1投稿日: 2022.11.17
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先に、タブローを読んでいるので、マハさんの美術小説は二冊目になる。 なんだか、この美術小説に惹かれてしまい、このままあらゆる作品を読み尽くしたいと思っている。 当たり前だが、同じ人の作品なので、台詞の言い回しのようなものが、前に読んだものと被った感じがして、時に飽きたかな、、と思いつつも、先が気になって読み進めてしまうという矛盾を感じながらの読書であった。もちろん、話の内容は全然違っているし、マハさんの美術小説に出会って、西洋美術にハマってしまい、各画家の作品、生い立ち共に興味を持つようになった。 田舎の美術館から始まり、近くにもいるような美術館の監視員の話のように思われた織絵の隠された過去。このような知的な美人って、本当にいそうだなと思って、勉強した内容や、生い立ちに憧れを抱いた。 学芸員やキュレーターって、おとなしそうな真面目な人がする仕事と思っていたが、本当はかなりみんな情熱的だし、お金とは無縁に見えたけれど、庶民の生活とは桁違いの作品を取り扱っているのだとわかって、世の中を見る視点が変わって来た。子どもたちにも、こんな仕事があるよ!と話したい気分になる。 picassoとpassion。 こんなことに気がつくのも流石だ。 あの本の書き手と、夢に描かれた女性。まさか、こんな展開になろうとは。どこまでがフィクションなのか、どこからがノンフィクションなのか、文献を追いかけたくなる。 ルソーは日曜画家だと言う言葉を今後どこかで聞いたなら、全力で否定したくなる。 マハさんが小説に描く画家は、文章により息を吹き込まれ、生き生きと、その人が生きた足跡を思い描かされる。私達の人生が毎日一生懸命で、かけがえのないものと同様に、彼らも過去には生きていて、必死にその時代を生きたのだなと思わされる。そこがいつも素晴らしいなと思う。 それにしても、画家と言う人たちは、いつも産みの苦しみに満ちているように思う。お金に困り、困窮して、結局生涯報われず、死後に認められる画家も多いと聞くが、なぜ、絵を描くと言う手段で自分自身の感情を表現しようとするのだろうか。それは本能からなのか、それこそまさしく、その人のパッションなんだろうか。
5投稿日: 2022.11.16
powered by ブクログ絵画には詳しく無いですが、まさにそこに作品があるかのような不思議な感覚でした。これを機会に美術館に足を運んで、アートに触れてみたいと思いました。
2投稿日: 2022.11.15
powered by ブクログ印象に残った文・セリフ 「目を覚ませよ、アンリ!」 「そんなふうだから、あんたはなかなか認められないんだ。いいか、アンリ。おれたちの時代の芸術は、そんな生ぬるいもんじゃない。他人の絵なんざ、蹴散らすためにあるのさ。既成の価値観なんて、くそくらえだ」 いいか。もしも、あんたがいまから描こうとしている絵が、生涯でいちばん描きたい絵だとしたら─このカンヴァスに描いてある青白くてみじめったらしい母子像の上に、そいつを全部ぶちまけろ。 悲しみ一色、どん底の人生の絵の上に、極彩色の楽園を描いて、あんたのありったけの情熱を注ぎこんでやれ。 あんたが、おれたちの時代の芸術家を名乗るつもりなら。いいか、せめてそれくらいのことをやり遂げてから死んでくれ。 一気にまくしたてて、ピカソはルソーを見据えました。炎が燃え上がる目で。 ルソーの喉が、ごくりと音を立てました。肩も、腕も、足も、全部が震えていました。全身にみなぎる情熱を、もう止めることはできそうにありません。ルソーは、足もかばわずに、力を振り絞って立ち上がりました。 「情熱を…私の情熱の、すべてを」 うわごとのように、ルソーがつぶやきました。 ヤドヴィガは、瞬きもせずに、精霊が降り立ったかのごとき画家の姿を、一心にみつめていました。
2投稿日: 2022.11.13
powered by ブクログ原田マハはエッセイ?新書?だけ読んだことあるけど小説は初めて。良かったです。 読んでてハラハラして、(あんまり共感してもらえない癖な気がしますが)借りてた本なのにちょっとずつしか読めなかった。 最後の伏線回収も好み。
2投稿日: 2022.11.13
powered by ブクログ2012年山本周五郎賞受賞作品 原田マハさんの作品を初めて読みましたぜ。 以前から気になっていた作家でしたがきっかけがなく読まずじまいだったんです。が、職場の読書好き後輩同僚にマハ作品「めちゃ面白いですよ」と勧められて読むことにしました。 ちなみに本作と「暗幕のゲルニカ」の2作品をその彼から借りました。両作品を立て続けに読んだわけですが、これがまた両方とも大変面白く大満足できたんです。マハワールドに没入し魅力されました。 有名作家なので以前から名前は知っていましたが作風はいっさい知りませんでした。 有名画家の特別展が開催されると美術館に足を運んだりする私にとっては、アート系もっと言えば絵画系小説とは題材としては実に実に興味深かかったですな。 少し作品について触れておくと、本作は異才の画家アンリ・ルソーと彼の作品を巡る物語です。ニューヨークにあるモマの若手キュレーター、ティムブ・ラウンと主人公でルソー研究者、早川織絵のルソー作品の真贋鑑定判定対決のお話しですが、対決相手でありながらにしての二人の関係性の微妙な変化がこの作品の妙味ですね。 また小説内小説でアンリ・ルソーその人の時代が語られていますが、これがまた良い! ルソーの純朴さ、朴訥さ、天然キャラ大好きっす。 詳しく書くとネタバレしてしまうのでこのあたりにしておきます。 ともあれ本作を読み終えたときの満足感、爽快感、余韻…こんな感覚をもてた小説はけっこう久々かもしれません。圧巻と言っていいでしょう。 本作の表紙に使われているのが、作品のテーマでもあるアンリ・ルソーの「夢」という作品ですが、読む前に見た「夢」と読んだ後に見た「夢」は同じ絵なのに全く違うように見えるんです。 本作未読の皆さん、読んだ後に見る「夢」をぜひぜひご堪能ください(笑)
130投稿日: 2022.11.13
powered by ブクログ芸術作品には詳しくないが、作品を調べながら楽しく読み進めた。 読了後は現代アートに親しみを覚え、ピカソやルソーを身近に感じることができた。 織絵やティムのように、何時間でも1枚の絵を見つめて、友となり、風や音や香りや声を感じる体験をしてみたいと強く感じた。
3投稿日: 2022.11.10
powered by ブクログ凄かった…(*´-`) 久々の読書でしたが、のめり込んで一気に読んでしまいました 原田マハさんいいなぁ アート×ミステリーが面白い✨
6投稿日: 2022.11.07
powered by ブクログ初めて原田マハ作品読んだが、いやー面白かった! これまで積読していたのが勿体ない。 美術館巡りは好きだし、もちろんルソーは知っていたし、ティムや織絵以上に、作者からもルソー愛を感じた。ルソーの作品を直に見てみたくなった。
2投稿日: 2022.11.06
powered by ブクログニューヨーク旅行に合わせて読んだ。コナンっぽいゲーム性の仕込まれたストーリーで楽しく読めた。実はちょうどポーラ美術館でブルーピカソを見てきたばかりだったので驚く。去年ミュージカルのゴヤで聴いた「一瞬を永遠に」が浮かび、永遠に絵画の中で待っていてくれる、よく知る友人たちにまたすぐ顔を見せに行こうと思った(羽田に帰る便を待つ空港にて)
2投稿日: 2022.11.02
powered by ブクログ原田マハさんの代表作といえる小説。 倉敷の大原美術館で監視員として働く早川織絵とMoMAのチーフ・キュレーターのティム・ブラウン。 アンリ・ルソーを愛する2人が、伝説のコレクターであるコンラート・バイラーから「夢を見た」という作品の真贋を見極めてほしいという依頼を受け、七章の物語が書かれた一冊の古書を読み、七日間で真贋を判断していく美術ミステリー。 美術や芸術にはあまり詳しくない私でも最後まで飽きずに楽しく読めました。 アンリ・ルソー、最晩年の代表作「夢」 「夢」にそっくりな作品「夢を見た」は真作なのか、贋作なのか。 「夢を見た」の下に、ピカソの「青の時代」の大作は本当に眠っているのか。 絵の中のヤドヴィガが指し示す左手に大文字が隠されているのか。 もし、大文字が「C」なら、PICASSO(ピカソ)となる。 大文字が「N」なら、PASSION(情熱)となる。 織絵が講評で言った、「この作品には、情熱がある。画家の情熱のすべてが。……それだけです。」 ティムが考えたように、大文字が「N」だったらいいなと思いました。 アートは友達。美術館は友達のうち。 自分だけの友達が見つかるという考えになるほどっ!と思いました。 本当に面白かった。オススメです! 「甘き夢の中 ヤドヴィガは やすらかに眠りに落ちてゆく 聴こえてくるのは 思慮深き蛇使いの笛の音 花や緑が生い茂るまにまに 月の光はさんざめき あでやかな調べに聴き入っている 赤き蛇たちも」 ルソーって誰のことだろう。わたしは知らなかったのです。けれど祝宴があってみんながそれに行ってわたしたちも招ばれてるとあれば、ルソーが誰だってそんなこと構ったことはありません。 ガートルード・スタイン 「アリス・B・トクラスの自伝」
6投稿日: 2022.11.01
powered by ブクログ#読了 めちゃくちゃ面白かったー!周りからオススメされることも多かったんだけど、美術がテーマになっていると聞いて少し尻込みしていたのが勿体無いと今なら思う。素直に読めば良かった! 倉敷の美術館で監視員として働く織絵が、突然ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンからルソーの「夢」を借受けるための窓口になるよう指名されるという話から始まる。その後この交渉がストーリーのメインに据えられるのかと思いきや、突然十数年前のティムが謎の手紙を受け取り、現実離れした出来事に巻き込まれていく話に。若かりし頃の織絵も登場し、ルソーが夢を描いた前後が舞台の小説を読み進めていく。 ルソーの「夢」という作品が実は二つあったのではないかというアプローチや、ピカソという天才画家との関わりなどのおかげで、詳しくない自分でも十分楽しめたし、織絵とティムのラブストーリーもグッときた。とにかく面白かった。 美術館や企画展に行ったりというのは好きでしていたんだけど、こうして小説として読んでみると、登場した作品や作者への感じ方が変わってくるから面白いよね。 次にルソーの作品を見るときは、もっと興味をもって鑑賞できそうです。
1投稿日: 2022.10.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かった。ずっと読みたいと思っていた原田マハさん。たまに美術館に行く程度で、特に絵画について深い知識もない自分でも楽しめた。 ただ。そもそもどこまでが史実でどこからが著者の創作なのかが素人にはわからずモヤモヤした。終盤でそれまでの伏線が次々に回収されるので、一応すっきりするものの、真贋判定や絵の下にもう1枚、別の絵があるかどうかとか、すぐにX線鑑定すればいいのにどうしてこんな回りくどいことをしてるのかなど、詳しい人なら疑問には思わないのかしら。 また、ヒロインの織絵について、研究者として優秀という説明があるだけで、例の7日間は特にいいところがなかったし、上司との不倫と妊娠、なぜ研究から身を引いてしまったのか、など多くは語られず、いまひとつ感情移入できなくて残念だった。 でもまあ、気になる点は多々あるけど、名前だけは知っていた画家ルソーの晩年の生活や芸術への情熱について触れることができ、改めて彼の作品を見に行きたくなった。それだけでも読む価値は十分あったと思わせる。
2投稿日: 2022.10.30
powered by ブクログ誰もが知る原田マハさんの代表作。アートを題材としたジャンルが確立したのは原田さんの功績が大きい。アートに詳しくなくとも読めるのは原田さんの言語化能力の高さと解像度によるもの。本作はアートを根底としてとにかくお洒落で、謎あり、恋ありで最高のエンタメとなっていた。
2投稿日: 2022.10.30
powered by ブクログ私自身、美術に関する知識や感性が劣っており、物語に入り込むことは難しかった。絵を検索して見てみても、織絵やティムのような感想は持てなかった。共感できなかった。 しかし、美術ミステリーの中にあるロマンスはとても良かった。ルソーに魅せられ、振り回された人々がいた。ルソーがどれだけ素晴らしい人物なのか、少しわかった。 生命力を感じる絵、新しい絵、うっとりしてしまう絵、馬鹿にされる絵、、 見る人によって感じ方は異なる。でも1人でも心に響いてくれれば、情熱を感じてくれれば、後世に伝えることができ、そこからまた何かを感じてくれる人が増える。 そんなプラスのサイクルによって、現在の美術は出来上がっているのではないか。
2投稿日: 2022.10.30
powered by ブクログMoMAのアシスタント・キュレーターであるティム・ブラウンの元にある日、一通の封書が届く。 それは伝説のコレクター、コンラート・バイラーの代理人からで、未公開のアンリ・ルソーの作品を調査するように依頼するものだった。 現地に到着すると、そこには新進気鋭のルソー研究者、オリエ・ハヤカワがいた。ティムとオリエは、ルソー作品の「夢」に酷似した作品を前に二人で競ってその作品の真贋を判定するように言われ、勝者にはその絵を譲ると告げられる── ※※※ 原田マハさんの珠玉のアートミステリー。 今回も出てくる作品すべてや、史実っぽいエピソードを検索しながら読み込んでいたので時間はすごくかかりましたが、めちゃくちゃ楽しかったです! そう、原田さんのアート小説を読むのは「面白い」というよりむしろ「楽しい」体験なのです。 作品に没頭すればするほど、実際に美術館で作品に対峙しているような、さらにはティ厶やオリエのいるスイスのバーゼルにいるような、そしてさらにはルソーやピカソが生きた当時のフランスにいるような… そんな贅沢な感覚に陥るような不思議な作品でした。 また、この作品はミステリーとしての側面も面白い。 作品の真贋に関して、また勝者への作品の譲渡に関して、ティムたち以外にもさらにいろんな人の思惑が絡み、一体どういった結末になるのか目が離せない展開が続きます。 ルソーを友達のように愛してやまないティムとオリエ、二人の出した結論は、この二人だからこそ出せるもの。 そして明らかになった一つの事実にめっちゃビックリしました。なるほどここがこう繋がってくるのね…! にしても、本当にアート欲というか、実際に絵画に触れたくなる気持ちをかきたてる作品。 いつかルソーの「夢」を直接見てみたい、という「夢」ができました。(うまくまとまった!)
28投稿日: 2022.10.27
powered by ブクログジャケ買い。 アートの知識がないと、作中に出てくる文字すべてが呪文のように感じてしまって眠くなる。 きっと、知識があればとても楽しく読める作品だと思う。 綺麗な言い回しで想像が容易い。 知識があればね。 いちいちググるのも面倒臭くなってしまって途中からは斜め読みだった。 この作品の評価がこんなにも高くてビックリした。 私には合わないだけなのか。悔しい。 あと、これは例え話なんだが ドラえもんを知らない人が読んだ時に ・彼 ・丸々とした青いたぬきのようなもの ・のび太の友達である彼 ・ネコ型ロボット など、呼び方がコロコロ変わると頭がこんがらがるのではないだろうか。 私が馬鹿なだけなのか、お話の中でコロコロと変わる三人称に疲れてしまった。 余裕がある時、そしてアートの知識が増えたらまた再読してみようと思う。
0投稿日: 2022.10.18
powered by ブクログこの本を読んでいる途中から美術館へ行きたくなり、国立西洋美術館へ足を運びました。それまで特に美術館へ行こうなどとは思わない私がこのような行動に出る気持ちになりました。 美術へ対しての見方や考え方が自分の中で新たに生まれました。こんな風に考えるのか。好きなものを考える、表現する、感じる事は美術以外でも一緒なんだと思えました。それまでは何か格式高い、近寄りがたい物として認識していました。 美術がすごく身近な存在になった気がしました。
7投稿日: 2022.10.16
powered by ブクログ意図した訳ではないが芸術の秋にぴったりの作品。美術系はダン・ブラウン以外初めて読んだが、こちらも面白い。現代美術は明るくないが調べてみたくなった。アンリ・ルソーは知らなかったが、なるほど心がぞわぞわする絵だった。ルソーの「夢」を日本の美術展に借り受けるための話が大筋と思っていたら、メインは過去の話。密林の描写は、まるで自分も今その絵を目にしている感覚に陥るほど。決して地味でなく色彩豊かな物語だった。 大学でも一般教養にあった美術史の授業が1番楽しかったし、じっくり勉強してみたい。MoMAにも行ってみたいな。
2投稿日: 2022.10.14
powered by ブクログアンリ・ルソーを題材に、過去と現在が交互に出てくる。先にゲルニカを読んでいたおかげで、ゲルニカで知った原田さんのピカソが、自然と楽園のカンヴァスでも投影できた。史実に基づきながらも、もしかしたら本当にそういう事実なのかもと思わせるミステリー要素も魅力のひとつかな。なんども表紙を見ながら読みました。
1投稿日: 2022.10.12
powered by ブクログ美術史とか全くの素人ですが、美術とは、芸術とは何かをほんの片鱗だけでも理解できた気になれる作品でした。 伏線回収もあって物語としても非常に満足感がありました。 オススメです。
1投稿日: 2022.10.10
powered by ブクログ読み進めていく度に物語の世界に引き込まれました。原田マハさんの美術関連の作品は本当に圧巻です。原田マハさんの作品がますます大好きになった作品でした。
2投稿日: 2022.10.09
powered by ブクログアンリルソーの作品を美術館に見にいきたくなる作品。原田マハさんはアンリルソーの絵をみて流石に下手すぎると思って調べていったらどんどんルソーの魅力にハマっていつか本を書きたいと思ったとのこと。この話はフィクションだけど、アートって物語があるとより深く作品を楽しめるんじゃないかなと思った
1投稿日: 2022.10.08
powered by ブクログ『本日は、お日柄もよく』を読み、原田マハさんの本に興味を持ち、本書を取った。 アンリル ルソーの研究者である主人公と日本人が、未発表のルソー作品を7日間通して調査する。ルソーの作品の描写がとても細く、登場人物の心情が的確に伝えられていたと思う。この本を読めば、誰もが絵画に興味を持つと思う。
1投稿日: 2022.10.05
powered by ブクログ原田マハさんの美術に関する造詣の深さには毎回驚きます。とても専門的なのに、美術に明るくない私のような人にでも戸口が開かれている、とても貴重な作品を書かれる方だと常々感じます。 例に漏れず、恥ずかしながらアンリルソーという人物を知らなかったわけですが、彼に関する前知識がなくとも彼という人がどんな人だったか、周りからどんな評価を受けていたのか、彼の信者や研究者たちが彼に注ぐ情熱たるやどんなものだったのか、、、本作を読めば自分もまるでそこにいるかのように感じ、文字通り体感できるのです。 おそらく史実とは異なる面も多々あるのでしょうが、それでもこの物語の中でティムやオリエ、バイラー、ヤドヴィカ、ピカソがルソーに抱いた情熱は私の中で本物で、事実そうであってほしいと願わずにはいられないものでした。
1投稿日: 2022.10.03
powered by ブクログ登場人物の素性、7篇の物語、ピカソとルソーの二重作品なのか、「夢を見た」の真贋の行方、真絵の父親、謎を知りたくて次々ページを捲った。 原田マハさんの文章は引っ掛かりが1つもなく、とても読みやすい。 だからどんどん物語に引き込まれる。 創作なのか、事実なのかわからないが、1つ言えることはアンリ・ルソーの『夢』という作品、アンリ・ルソーという画家を深く知ることができたこと。 一気に沢山ではなく、ピンポイントで作品が語られることもアート作品に造詣が深くない者にハードルが低くありがたい。 ティムと織絵、2人の誠実な研究者は今も尚アンリ・ルソーの作品と共に生きているのだろう。
1投稿日: 2022.10.03
powered by ブクログ原田マハさんの作品は出てくる絵画をググりながら読む。そしていつか本物を見に行きたくなる! このライトサスペンスで作品の背景、作者のことを知ることができ、最終章一つ前のひねりもまた、全ての伏線を回収。面白い!
1投稿日: 2022.09.30
powered by ブクログーアートを理解する、ということは、この世界を理解する、ということ。アートを愛する、ということは、この世界を愛するということ。ー 原田マハ作品を読むと、名前だけ知っていた画家が一気に身近になる。アンリ・ルソーに会いにヤドヴィガに会いに、MOMAに行きたいな。
0投稿日: 2022.09.30
powered by ブクログ読み進めるにつれ、深く深く深緑色の深淵に取り込まれていく。ただの美術史ミステリーでなく、叙情的なところがまた深みを持たせていると思った。いわゆる"推し"のいる人生の豊かさと素晴らしさ、突き詰め者にしか辿り着けない楽園を見せてもらった。歴史は面白い♪
0投稿日: 2022.09.26
powered by ブクログこの人のアート長編はおもしろいなぁ。個人的にダヴィンチコードとかと同じように、作品を見たくなる。 そしてフィクションと知りつつも、本当にそうであるかのようにも思ってしまう。 大原もMoMAも行ったことないけど、いつかは行きたいなぁ。
1投稿日: 2022.09.25
powered by ブクログ原田マハ2作目 前作読んだたゆたえどもでは、ゴッホを 今回の作品では、アンリルソーを描いた作品。 アートミステリーとして、先の読めない展開が続き、ラストシーンは感動、圧巻の一言。 この物語を通して、美術に対するハードルがまた下がりました。(良い意味で) 次はゲルニカを読みたい。
0投稿日: 2022.09.24
powered by ブクログ原田マハさんの作品は、アート好きの心をくすぐる仕掛けがたくさん散りばめられている。物語を読みながら同時に作品や美術館を検索して読むと世界観にどっぷり浸れます。今回の舞台は、大原美術館とMoMA 、そしてバーゼル。焦点があたる画家はアンリ・ルソー。 「情熱と冷静のあいだ」のように男女それぞれを主軸にしてストーリーが2つ別個にあっても、ティムと織絵両サイドからのさらに深い絵の解釈やストーリー背景が見えて面白い作品かもしれない、なんて思ったりもしてます。
0投稿日: 2022.09.24
powered by ブクログ何年か前にアンリ・ルソー展を観たことがあります。 この作品を読んでから改めて観てよかった、と思いました。 MOMAのアシスタント・キュレーター、ティム・ブラウン宛に届いた一通の封書。 それは、伝説のコレクターから自己の所有するルソー作品の真贋を見極めてほしいとの依頼だった。 自分と一字違いのボスである、チーフキュレーター、トム・ブラウン宛のものだと即座に察するも少年時代からルソーに魅せられてきたティムはトムに成り済まし依頼主の元へと赴くが、同じ依頼を受けた人物がもう一人いたー。 アート、殊に絵画への知識が皆無な私でも、非常に興味深く、引き込まれるようにして読みました。 アートミステリーであり、ラブストーリーであり、文芸書でもある、素晴らしい作品です。 純粋で真っ直ぐな心は、他の人間の心を激しく、そして心地よくゆさぶりますね。 また、読書の素晴らしさも本作によって、改めて感じることができました。 私の人生では決して経験できないこと、見ることのできないこと、触れることのできないこと、それらに心を重ねることで、心が豊かになる。 私一人分以上の人生を味わうために、やはり読書は大切だと思いました。 2014年24冊目。
2投稿日: 2022.09.22
powered by ブクログ元キュレイター原田マハのお家芸、アート・ミステリー。しかし、その代表作をこれまで読んでいなかったので、今更ながらチャレンジ。アート・ミステリーとは言うものの、本作は殺人や犯罪を扱うミステリーではなく、画家と絵画にまつわる歴史的真実を、物語という手法によって敢えて紐解こうとする仕掛けの多い作品である。 絵画の向こうにかつて実在した画家という人間。そして、画家に関わる様々な時代の人間たちの真実を探る物語。現代、そして過去。二人の時代も国籍も異なる主人公により紡がれる作品。まずは本作の構成が素晴らしい。二つの時代の二人の男女を主人公としていながら、二人を隔てる壁や距離を徐々に取り除いて、かつて生きた独りの画家、アンリ・ルソーという人の真実を求めるストーリーである。 本作の見かけ上の主人公は、過去においてはニューヨークの美術館MoMAのキュレイター、ティム・ブラウン。現代においては美術館監視員の早川織絵。しかし本当の主人公は作品『夢』を描いた画家であるアンリ・ルソー。ましてやその絵の向こうには、パブロ・ピカソの影も見え隠れする。 作中、様々な美術作品が登場するので、本書は文学であるのだが、ぼくは今という便利な時代に感謝しつつ、ネットで検索してはそれぞれの作品を確認し、かつ楽しみながら、ふたたび小説世界に没頭する。 本書の主役である『夢』というルソーの作品は、カバーにも描かれているが、より精緻に見るなら、ネットで拡大してみるのも読書の副産物的楽しみとなるのだ。 こうして、小説と絵画の合わせ技という、楽しさ倍増の味わいができるのもアート・ミステリーならではの長所。そして、ただ美術館員の説明を聴いたり、何の説明もなく絵を見つめるというだけのリアルと異なり、小説としての楽しみと絵画の奥に潜む物語ということも本書からは得ることができる。 作品『夢』関わる画家ルソーと、蒐集家たちの時代の作中作とも言えるある物語を、二人の主人公は一日一章ずつ七日間読むことになる。本書の中に潜んでいる重層的構成である。謎の書物を二人が交互に読む七日間の物語。その進め方も奇妙であるのだが、つい読者は引き込まれると思う。 アンリ・ルソーを知らなくても、作品『夢』を知らなくても、本書が楽しめる上に、読後、この作品の意味や由来やその向こうに潜む古い時代の人々の躍動や吐息のような温もりさえも感じることができる。絵画が保ち、観る者に放つ生の感覚を小説というかたちでもう一度再生する。そんな試みのように思えるのが、本書であり、その独創性をもたらすのが、あまりに個性的で特殊な経験を持つ美術界出身の作家・原田マハという作家なのだ。 何よりも彼女が語りたいことが何であるのかを読み解いて頂くと良いだろう。距離を置かなくて大丈夫。難しくはなく平易な言葉で語られる作品だから。心地よい物語という言葉で。
11投稿日: 2022.09.22
