Reader Store
想像ラジオ
想像ラジオ
いとうせいこう/河出書房新社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

209件)
3.5
35
67
57
21
10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    深夜2時46分、「想像」という電波を使ってラジオのOAを始めたDJアーク。その理由は…。東日本大震災を背景に生者と死者の新たな関係を描きベストセラーとなった著者代表作。野間文芸新人賞受賞。

    0
    投稿日: 2015.02.06
  • 想像することは、人にやさしくなること

    「ストーリー311」でも引用した、北野武の“この震災を「2万人が死んだ一つの事件」と考える”のではなく、“「1人が死んだ事件が2万件あった」ってこと”ということばは、この本にも当てはまる。 いとう自身が南三陸町を訪れ、聞いた「杉の木に引っかかって亡くなった人がいた」という話し。どうしようもなく頭に残ったそのイメージは、本書の主人公、海沿いの高い杉の木に引っかかったDJアークとして登場している。 アークは、亡くなった人々の声を憑代のように伝えていく。ただ自分だけが感じた紛れも無い事実、現実しか書いてはいけない、なんてことはないのだ。事実しか書けなければ、誰にも悼まれることなく忘れさられてしまう人も、こともある。 小説家というより、亡くなった人たちの声を集め、まとめた編集者のような気持ちでいるといとうは語ってもいる。先に引用した北野武も、大切なのは“想像力”だと言った。想像しなければ、誰かの悲しみも、喜びもわからない。想像力はやさしさでもあるのだ。

    0
    投稿日: 2014.03.12
  • 彼岸とのコミュニケーション

    電波じゃなく想像力で搬送されるラジオDJが、東日本大震災を体験した人々の声を伝える、という物語。 生者と死者のコミュニケーションという、ちょっとおおげさに言えば平安時代以来の日本文学の最重要テーマを、軽妙にかつ実感を込めて語る。佳作である。

    0
    投稿日: 2014.03.03
  • 語りかける言葉

    想像ラジオ、それは誰もが聞ける放送ではない。 DJアークはあの日から想像ラジオのDJとして、たくさんの人たちに語りかけている。 このストーリーを読むと、自分が日々過ごしている毎日や家族や周りの人とのつながりというものがどれだけ貴重なものなのか、再認識させられる。

    0
    投稿日: 2014.02.11
  • 固くなった心をじんわり溶かしてくれるような感覚

    「想ー像ーラジオー」と始めは軽快な気持ちで読み進めていたが、 章を追うごとに胸の奥が締め付けられることに気が付いた。 震災のことをどこか遠くに感じていた自分、逆に震災があったからこそ神経質になっていた自分、そういう自分の気持ちをじんわりと和らげてくれるような作品だった。 いろんな人の代弁作品であることは間違いない。忘れてはならない。

    2
    投稿日: 2014.02.03
  • 芥川賞の候補にもなった作品です

    いとうせいこうさんはきびしい人だと思います。でも、とても優しい。

    0
    投稿日: 2013.11.25
  • 僕も 内容を知らないまま「想像」しながら読んでほしい。

     ネタバレしないように、人に勧めるのは非常に難しいけれど、 多くの視点、意見が、混ざっていて、その多く混ざった中から自分たちの意見を出そう。 とする、そんな内容なのかもしれない。 意見を言い切りにくい、議論をしても答えがなかなかみつからない事なんだけど、ホントはなるべく先送りにしてはいけない、そんな内容のこと。自分なりに考えて、自分なりに意見をいえるようになる本です。 皆に読んでもらいたい大事な本です。

    2
    投稿日: 2013.10.05
  • いとうせいこうのまなざし

    その昔、いとうせいこうが『ノーライフキング』という小説を書いた時、そしてその小説を読んだ時の衝撃は今も色褪せず僕の中に残っている。 めったに再読などしない僕が再読した小説のひとつだったが、そのいとうせいこうも小説を書かなくなって久しい。ちょっと残念な気もしつつも、小説を書くということだけが本業の人ではないので、小説を書かないのもしかたないなあと思っていた。 そしたら、この本がいきなり出た。 僕は3.11という風に書くのが嫌いなので日付で書くけれども、2011年3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震に触発されたらしい。 五章で構成された物語で、最初は想像を通して聞こえるラジオ放送という形でDJの語りから始まる。 放送局があるわけでもなく、DJ自身もいきなり想像を通して伝わるラジオ放送を始めるうえに、彼自身も身動きがとれない状況にあるらしい。そんな状況が徐々に判明し始めるのだが、何が起こったのかは早い段階で想像がつくし、またその答えも早い段階で明らかにされる。 DJアークは地震によって起こった津波に巻き込まれ亡くなり、そして彼の遺体は高い高い杉の木の上に引っかかったまま。そして彼が放送する想像ラジオを聴くことのできる人たちもまた、すでに亡くなった人たちなのだ。もちろんわずかな例外もあるのだけれども、これは死者の死者による死者のためのラジオ放送だ。 『ノーライフキング』でいとうせいこうが見せた先進性というものはここには無いのだけれども、でも、いとうせいこうのまなざしはあの時と全然変わっていない。 満足できたかといえば、満足できなかったのだけれども、それでもあの時と変わっていなかった部分に対しては満足することができた。

    1
    投稿日: 2013.09.27
  • 事前に内容を聞かずに読んでください

    想像するだけで聴こえてくるラジオ、このシチュエーションを理解できないまま、どこかユーモラスなDJアークに引き込まれ、少しずつ全体像が見えてき、最後は見事な着地を見せる。 帰結の部分で共感できるかどうかは意見の分かれるところ。 作中出てくるアントニオ・カルロス・ジョビンの「三月の水」を想像で聞きながら読んでみては?

    0
    投稿日: 2013.09.25