
総合評価
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芥川賞の候補にもなった作品です
いとうせいこうさんはきびしい人だと思います。でも、とても優しい。
0投稿日: 2013.11.25僕も 内容を知らないまま「想像」しながら読んでほしい。
ネタバレしないように、人に勧めるのは非常に難しいけれど、 多くの視点、意見が、混ざっていて、その多く混ざった中から自分たちの意見を出そう。 とする、そんな内容なのかもしれない。 意見を言い切りにくい、議論をしても答えがなかなかみつからない事なんだけど、ホントはなるべく先送りにしてはいけない、そんな内容のこと。自分なりに考えて、自分なりに意見をいえるようになる本です。 皆に読んでもらいたい大事な本です。
2投稿日: 2013.10.05いとうせいこうのまなざし
その昔、いとうせいこうが『ノーライフキング』という小説を書いた時、そしてその小説を読んだ時の衝撃は今も色褪せず僕の中に残っている。 めったに再読などしない僕が再読した小説のひとつだったが、そのいとうせいこうも小説を書かなくなって久しい。ちょっと残念な気もしつつも、小説を書くということだけが本業の人ではないので、小説を書かないのもしかたないなあと思っていた。 そしたら、この本がいきなり出た。 僕は3.11という風に書くのが嫌いなので日付で書くけれども、2011年3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震に触発されたらしい。 五章で構成された物語で、最初は想像を通して聞こえるラジオ放送という形でDJの語りから始まる。 放送局があるわけでもなく、DJ自身もいきなり想像を通して伝わるラジオ放送を始めるうえに、彼自身も身動きがとれない状況にあるらしい。そんな状況が徐々に判明し始めるのだが、何が起こったのかは早い段階で想像がつくし、またその答えも早い段階で明らかにされる。 DJアークは地震によって起こった津波に巻き込まれ亡くなり、そして彼の遺体は高い高い杉の木の上に引っかかったまま。そして彼が放送する想像ラジオを聴くことのできる人たちもまた、すでに亡くなった人たちなのだ。もちろんわずかな例外もあるのだけれども、これは死者の死者による死者のためのラジオ放送だ。 『ノーライフキング』でいとうせいこうが見せた先進性というものはここには無いのだけれども、でも、いとうせいこうのまなざしはあの時と全然変わっていない。 満足できたかといえば、満足できなかったのだけれども、それでもあの時と変わっていなかった部分に対しては満足することができた。
1投稿日: 2013.09.27事前に内容を聞かずに読んでください
想像するだけで聴こえてくるラジオ、このシチュエーションを理解できないまま、どこかユーモラスなDJアークに引き込まれ、少しずつ全体像が見えてき、最後は見事な着地を見せる。 帰結の部分で共感できるかどうかは意見の分かれるところ。 作中出てくるアントニオ・カルロス・ジョビンの「三月の水」を想像で聞きながら読んでみては?
0投稿日: 2013.09.25
