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powered by ブクログロボット工学の三原則のルールに従って行動するロボット達だが、三原則が絡み合って時に不可解で奇妙な行動をする。 ロボットの知能が上がるにつれて三原則からなる思考も深くなりどんどん謎も深くなっていく。 色んな種類のロボットが出てくるが、なんだかんだ愛くるしい。 それと同じぐらい色々な災難に遭遇する「ドノヴァンとパウエル」コンビも愛くるしくて好き。 ちなみに現在、三原則の様なルールが有るのかAIに聞いたら… EU(欧州委員会)が出した “AI倫理の7原則” が存在するらしい。 内容は、身近なAIに聞いてみる事をお勧めする。
0投稿日: 2025.11.05
powered by ブクログSFと謎解きが混ざったようなお話だった。自我を持ったロボットと人間の間で起こるさまざまな問題をまとめた短編集。 自分がロボットで感情を持っていたら、自分より遥かに劣る人間に奉仕する訳ないなと思っていたから、ロボット工学の三原則はすごく簡潔で合理的だなと感じた
0投稿日: 2025.10.03
powered by ブクログテープとかフィルムとか真空管とか…レトロSFにありがちな、「未来ならあり得ない物」も多々登場しますが、そこで白けて読むのをやめてしまうのは勿体無い! 本作のテーマは、一貫して「ロボット三原則」というロボット(人工知能含む)が持つべき倫理観となっており、まさにこれからのAI社会を考える上で非常に多くの示唆を与えてくれるものとなっています。ストーリーの語り手も「ロボット心理学者」というところがユニークですね。まあ、読んでみてください。面白いですよ。
1投稿日: 2025.09.28
powered by ブクログロボット三原則を提唱した著者が書いたSF小説。昨今台頭しているAIに、どう向き合うべきかを考える際に参考となる。科学技術と倫理観をいかに調合して、人間社会に適用していくべきかをこの作品から学べる。
0投稿日: 2025.06.28
powered by ブクログアシモフのロボット3原則の話!あちこちに書かれた短編を、晩年のロボ心理学者スーザン・キャルヴィンが過去のエピソードを振り返る形でまとめ上げていて、それがめっちゃエモいです!!!ロボット技術を育て上げた者の持つ、愛情と信頼が溢れた導入からグイグイ引き込まれました。 現在のLLM進展の立役者のひとり、Metaのヤン・ルカンが、AGIを創るんだ!今のTransformベースのアプローチじゃだめなんだ!と主張している気持ちがちょっとだけわかったような気がします。 短編ひとつひとつも面白くて、とくに、現場のエンジニアのコンビの話が超お気に入り!初めての本番環境での稼働、ちゃんと仕様どおりなのに、思いもよらない挙動をするロボットに振り回されて毎回死にかけてて、窮地を脱するたびに「現場の一流の人材」扱いされて、もっとヤバい現場に送り込まれるって...人間社会だなぁ...て感じ(笑)。アシモフの小説の登場人物や、ロボットを取り巻く人間社会って、すごい人間味溢れてるんですよね。(アシモフの長編の『鋼鉄都市』の主人公も全然スマートじゃなくて好きでした。)このままシリーズ通読してしまいそうです。(でもエンジニアコンビがもう出てこなそうなので迷い中) ちなみにAI3原則…正確にはアライメントHHH(役立つこと、正直であること、無害であること)の話を読んだのがきっかけで読みました。言われてみれば、HHHにも優先順位があっていいよな...と気づきました(あるのかな?)。
13投稿日: 2025.06.28
powered by ブクログ短編がいくつかあり、いろんなロボットが出てきて読みやすくて面白かった。ロボット工学三原則というシンプルな原則があり、ロボットがなぜそのような行動するのかを人間が悩んで解明していく。 初アシモフだったが、他の作品も読みたい。
11投稿日: 2025.05.26
powered by ブクログロボット工学三原則という言葉とその条項は知っていたけど、大元のこの小説の中身は全然知らなかったし、ウィル・スミスの映画も粗筋すら知らない。 なんとなく完全に制御できて人に危害を加えない安心安全なロボットを作る基本中の基本のプログラミンングで、人がロボットを意のままに操れるみたいな印象だったけど、見事に覆された。作中でも多くの登場人物が盲目的にそう信じて疑わなかったけど、実際にはロボットがロボット工学三原則を守るがゆえのジレンマや不都合が沢山生じる。 どんどん高度化するロボットの知能にロボット心理学者(ジレンマを解決する人)の能力も追いつかなくって、最終的には三原則を守りながらロボットが(尊厳を傷つけないようにこっそりと)人を統治する世界がやってくる。 人工知能が一般人の手元にも普及した2025年の今、この本は未来を予知するものから、今現在の問題に警鐘を鳴らす作品に変貌したと思う。
1投稿日: 2025.04.27
powered by ブクログロボット工学の三原則 第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。 第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。 ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りではない。 第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。 『ロボット工学ハンドブック』、第五十六版、西暦二〇五八年 はい、というわけでSFファン必読の名作、アイザック・アシモフの『われはロボット』でありんす そして出ましたロボット工学の三原則!もう暗記しましょう ここ試験に出ます アシモフが考え出したこの三原則なんですが、正しいSFオタクは現実世界にも侵食されています ASIMOとかこの三原則に照らし合わせたりします ちゃんと三原則守ってるのかなASIMOは?とか真顔で言います 一周回って殺戮ロボットとか出てくるフィクションに三原則が守られてないじゃないか!っていちゃもんつけます ん?ASIMOとアシモフって似てるな そうか!そういうことか!(見当違い) そして、この三原則を逆手に取ったような短編が続くんだけど、全部おもろい このちょっと切ない感じのロボットたちがちょっと切ない(だろうね) あ!見当違いと拳法使いって似てるね
57投稿日: 2025.02.08
powered by ブクログインタビューと短編が重なり、歴史書的な構成となっていてとても面白かった。 ロボットの勃興から浸透、人類の救世主となるまでが描かれており、ロボットの可能性やロボット社会の希望を感じさせた。 どの短編も面白く、〈ロボット三原則〉についてあらゆる角度から深掘りされていてとても面白かった。 ロボットのこと大好きになってしまう。 個人的には最後の厄災のときが壮大な世界観で面白かった。
0投稿日: 2025.02.07
powered by ブクログ短編集で、連作短編まではいかないですが、同じ世界の違う年代の物語が展開します。 それぞれにおもしろさが異なり、個人的にはロボットが自我に目覚める『われ思う、ゆえに』が好きでした。 ミステリー的な仕掛けのあるものもあって、最後のオチにハッとさせられるものもあります。
0投稿日: 2024.12.28
powered by ブクログあの有名な「ロボット工学三原則」をベースに、ロボットや人間の在り方に迫っていくSFミステリ短編集。いつか読まなければなと思いつつ、古典なのでなかなか手が伸びなかったんですが、いざ読み始めたらこれが面白い。特にハートフルな作風の「ロビィ」、心を読みながらも原則とのジレンマに悩むロボットの葛藤を描く「うそつき」はかなりよくできていると感じました。また短編集でありながら、1人の心理学者を主人公に置くことで、ロボット発展の歴史を追える構成になっているので、歴史ものとしての面白さも味わえるのが新鮮でした。
6投稿日: 2024.10.30
powered by ブクログ・ロボット工学の三原則 ・ミステリー ・短編 この三つの相性は抜群ですねv@ 9章「災厄のとき」より印象的な部分 ロボットの台頭は人間の発言権を失うことになるという主張に対して、いまだかつて人間に発言権があったことはないと。いつだって人間にははかりしれない経済的、社会的、自然的な力に左右されてきたのだから。
37投稿日: 2024.08.01
powered by ブクログロボット三原則を中心に据えた、ロボットSF短編の連作集。ロボット三原則を逸脱したかのようなロボットたちの不可思議な行動を解明する点では、歴としたハイスペックなミステリになっている。アシモフの思想や人生観なんかも織り込まれているようだが、アシモフ初読のためそこまではピンと来ず。本作の中心人物、キャルヴィン博士が登場する作品は他にもあるようなので、続けて読みたい。ベストは寛容な人間らしさが滲み出る「われ思う、ゆえに……」
1投稿日: 2024.07.08
powered by ブクログ最近AI市場が発展してきたので、元祖人工知能の書として読んでみた。まだ読み終わっていない。 ロボット三原則について知りたかった。 それはいいけど、翻訳が非常に読みづらい。この本の日本語訳自体をそろそろAIにやらせてみては。 訳が原因でストーリーが頭に入って来ない。 アシモフは名の知れた素晴らしい作家だし、いい加減に新訳出したらどうですかね。 読みたいけど、とにかく言葉がいちいちおかしくて時間の無駄になってしまい疲れます。半分くらいで積読行き。 ※星の数は、訳に対するもの。
4投稿日: 2024.04.02
powered by ブクログ今さらながらですが 読もうと思いつつ読めてなかったので SF超入門の本をきっかけに 思わず購入してしまいました。 たった3つの原則 それが これほど深く人間性を炙り出していくのかー と衝撃でした さすがの名著ですねーー 何年も経ってるし 今ではもっとロボット工学や心理学も進んでると思うけど 古臭さはかんじません。 訳がたまに、日頃使わないような 意味わからない言葉があるけど、、、 読みにくいことはありません。 はじめの方から最後の方にいくにつれ 話は、難しくというか 単純ではなくなってきます。 が、面白く最後まで読むことができました。 最近読んだ チクタク✖️10を思い出しました。 チクタクよりも、読みやすく ロボットのこれからも 人間の今、これからも考えさせられます。 これから今以上にロボットが普及していく時 この本を再読してみたいと思います。 また、他のロボットに関しての本も 読んでみたいなーと思います。 ロボット工学とか、専門的な本を 手にすることはないと思いますが、 こうしたSF小説などで 素人でも未来を想像する力を 養えることは嬉しいなと感じます。 SF小説がどんどん現実的な話に近づく中で 物理や数学、いわゆる理数系のものは 苦手でしたが、興味が持てて嬉しいです。 調子に乗って、物理の本とか手にとっても 正直???なのですがー とりあえず、わかりやすい説明のものとか 小説から楽しんでいきたいと思います!
12投稿日: 2024.03.14
powered by ブクログ「ロボット工学の三原則」にまつわる短編集。 スッと入って来ない言い回しが多くて、ちょっと読みづらかった。 以下、お気に入り ・うそつき ・証拠
0投稿日: 2023.12.16
powered by ブクログアイザック・アシモフ「われはロボット」読了。生成AIが発展してドラえもんのようなロボットができるといいなと思う。そんな事を思いながらロボット工学の三原則で知られる本短編集を読んだ。キャルヴィン博士の回顧録として展開されロボットの進歩に応じ人間との関わりが深まっていく流れからこれからの未来に想像が膨らんだ。特に最後の“災厄のとき”が強く印象に残った。
3投稿日: 2023.11.18
powered by ブクログいつか読もうと思っていた本。 短編集だった。 読みやすい。 ファウンデーションに出てたダニール・オリバーが出てくるかと思っていたけど、まだそこまで行かないロボットたちの話。 ロボットシリーズたくさんあるみたいだ、これ全部死ぬまでに読めるかな… アシモフさんの主要なキャラクターは、三人ぽい。 スーザン・キャルヴィン イライジャ・ベイリ ダニール・オリヴァー イライジャ・ベイリとダニール・ベイリって同じだっけ? robotics、ロボット工学という言葉を作ったのがアシモフさんなのは凄い。普通にいま現実に使われている言葉。 ロボット三原則を物語の主な道具にしてるとは思はなかった。3つのルールからあんなに話を膨らませられるのは感嘆する。作家凄い。
0投稿日: 2023.08.26
powered by ブクログロボット三原則の適応がギクシャクしてあらぬ事件に…2010~20年代「もっと厄介なケース」を扱ってきたUSロボット社のマイク・ドノヴァンとグレゴリイ・パウエルの会話がギャグぽくてはまる。人間に淡泊スーザン・キャルヴィン博士(2021年時点で38歳)が人間に淡泊になったきっかけかなと思う事件もあった。この三人はファウンデーションシリーズを含めてキーマン。 陽電子頭脳を搭載したマシンが計算して陽電子頭脳を作り、その頭脳でさらに頭脳を作り…10段階目で完成した頭脳は誰の手にも負えなくなった。どうする!? 「きみの仕事だぞ。きみはずっと泣き言の言いつづけじゃないか、ぼくの記憶によれば、UDロボット社と終業契約を交わしたその五分後から。そんなに不満ならなぜ辞職しないんだ?」
0投稿日: 2023.06.25
powered by ブクログChatGPTが出てきた今、一章に出てきたロビイくらいはできるのかもしれない。シンギュラリティが現実味を帯びてきた。そこに生活している人類や自分はどうなるのか、読みながら考えさせられた。ロボットや人工知能から、人間の本質について考えるきっかけになるのは面白い。幸せとはなんだろうか。幻想なのだろうか。
0投稿日: 2023.03.30
powered by ブクログ単語だけは知っていたロボット工学三原則。お話を読みたくて、この古典を手にとりました。 ロボット工学三原則を大前提として、それでも起こる様々な可能性が例示されていておもしろい。 「ロビイ」人はロボットに愛情を抱くか 「堂々めぐり」ロボットが人間の指示に従わないことがあるか 「われ思う、ゆえに」並列処理が妨げられる要因 「災厄のとき」人間に危害を及ぼすものは何か などなど。
0投稿日: 2023.01.23
powered by ブクログアメリカの作家「アイザック・アシモフ」のSF(ロボットモノ)連作『われはロボット 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集(原題:I, Robot)』を読みました。 久しぶりにSF作品が読みたくなったんですよね… SF作品は7月に読んだ『ドゥームズデイ・ブック』以来、、、 「アイザック・アシモフ」作品は、3年前に読んだ『黒後家蜘蛛の会 1』以来なので久しぶりですね。 -----story------------- ロボットは人間に危害を加えてはならない。 人間の命令に服従しなければならない…これらロボット工学三原則には、すべてのロボットがかならず従うはずだった。 この三原則の第一条を改変した事件にロボット心理学者「キャルヴィン」が挑む『迷子のロボット』をはじめ、少女「グローリア」の最愛の友である子守り用ロボットの「ロビイ」、ひとの心を読むロボットの「ハービイ」など、ロボット工学三原則を創案した巨匠が描くロボット開発史。 ----------------------- 1950年(昭和25年)に刊行されたロボットSFの古典的名作9篇が収録されています… 有名なロボット工学三原則(Three Laws of Robotics)が示され、「アイザック・アシモフ」がロボットSFの第一人者としての地位を確立することになった記念碑的な作品です、、、 USロボット&機械人間株式会社の主任ロボ心理学者「スーザン・キャルヴィン」の回顧録という体裁を取っており、彼女もしくは同社の新型ロボット実地テスト担当員の「マイク・ドノヴァン」と「グレゴリイ・パウエル」のコンビが各エピソードの主役を務めていいます… ロボットが一見してロボット工学三原則に反する様な行為を行う事件が起こり、その謎を「スーザン」達が解明していくという展開の作品が中心となっていますが、単なる空想科学ではなく、AI導入等の進展が予想される実社会の問題として読むことのできる作品でした。 ■序章(原題:Introduction) ■ロビイ(原題:Robbie) ■堂々めぐり(原題:Runaround) ■われ思う、ゆえに…(原題:Reason) ■野うさぎを追って(原題:Catch that Rabbit) ■うそつき(原題:Liar!) ■迷子のロボット(原題:Little Lost Robot) ■逃避(原題:Escape!) ■証拠(原題:Evidence) ■災厄のとき(原題:The Evitable Conflict) ■解説 ~「ロボット学」の新たな世紀へ アシモフ<ロボット工学の三原則>の受容と発展~ 瀬名秀明 <ロボット工学の三原則(Three Laws of Robotics)> 第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。 また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。 第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。 ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。 第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。 『ロボット工学ハンドブック』 第五十六版、西暦二〇五八年 『ロビイ』は、言葉を話せない子守ロボット「ロビイ」の物語、、、 「ロビイ」は金属のボディでできた、喋ることのできないロボット… けれど、幼い「グローリア」にとって、「ロビイ」は家族以上の存在でした。 しかし、「グローリア」が「ロビイ」としか付き合わず、人間の友達を作らなかったことを危惧した母親によって「ロビイ」は追放されます… しかし、「ロビイ」が「グローリア」の命を救い、家に戻ってくることに、、、 一見、ハッピーエンドに思えますが、このまま「グローリア」が人間関係が築けず、社会の一員になれないのでは、という不安が残る作品でした。 『堂々めぐり』は、水星鉱山を舞台にした「マイク・ドノヴァン」と「グレゴリイ・パウエル」の物語、、、 二人は水星でトラブルに見舞われる… 太陽電池層の補修のためにはセレンが必要なことから、新型ロボット「SPD13号(スピーディ)」にセレンの採取を命じますが、なぜか「スピーディ」はセレンを採取せず、セレンプールの周囲を回り続けます。 ロボット工学の三原則の原則間に生じる葛藤で、その様な行動をとっていたことが判明… 第一条をより強く意識させるために、「ドノヴァン」と「パウエル」は意図的に自らの命の危険に晒すことで解決を試みます。 『われ思う、ゆえに…』は、宇宙ステーションを舞台にした「マイク・ドノヴァン」と「グレゴリイ・パウエル」の物語、、、 水星での事件から半年後、地球からやや離れた位置にある宇宙ステーション上で、またも二人は難題に直面する… 宇宙ステーションを無人で運用するために製造された高性能「ロボットQT1号(キューティ)」が正常に動作するか確認することが任務だったが、組み立てられて目覚めた「キューティ」は、自分より下等な人間がロボットの創造主だと信じられず、ステーションの要であるエネルギー転換器こそが自分を生み出した創造主だと信じてしまう。 「キューティ」は、「ドノヴァン」と「パウエル」の指示には従わず、「主」として崇める宇宙ステーションのエネルギー転換器の御心に従った結果、素晴らしく安定した作業を行います… 結果オーライなんですが、何とも言えない複雑な思いの残る作品でした。 『野うさぎを追って』は、小惑星を舞台にした「マイク・ドノヴァン」と「グレゴリイ・パウエル」の物語、、、 ソーラー・ステーションの事件から半年後、小惑星で二人はまたまた苦境に陥る… 採鉱用の新型ロボット「DV5号(デイブ)」のテストを行うことが目的だったが、6台のサブロボットを制御する機能を持った「デイブ」が、一斉に6台全ての制御を行おうとした際に奇妙な行進を繰り返す等、本来の機能を発揮しないことが判明。 しかも、「ドノヴァン」と「パウエル」が監視しているときは正常なのに、目を離すと作業がはかどらなくなる… 5台までならきちんと制御できることに気付いたことから、発想の転換で解決策が見出せましたね、、、 「ドノヴァン」と「パウエル」は、しょっちゅうトラブルに見舞われ、命の危機に晒されているせいか、随分、機転が利くようになりましたね。 『うそつき』は、人の心を読むロボット「RB34号ハービイ」の物語、、、 ごく普通のロボットとして制作されたはずの「ハービイ」が、何故か読心能力を持っていた… 驚くべきことのはずですが、ロボット排斥運動の盛んなご時世のため、USロボット&機械人間株式会社にとってはあまり歓迎できぬ事態だった。 「ハービイ」の存在はロボ心理学者「スーザン・キャルヴィン」、研究所所長「アルフレッド・ラニング」、数学者「ピーター・ボガート」、技術主任「ミルトン・アッシュ」の四人だけの秘密とされ、原因の追及が行われるが… ロボットが読心能力を持つことにより、想像しない結果がもたらされていた、、、 「ハービイ」は、人間の心を読んでいたのですが、人間の心がわかっているだけに、正直に結果を伝えることが人間の心を傷つける(=ロボット工学の三原則の第一条に違反する)ことから、「ハービイ」は、真実ではなく、その人が言って欲しいこと、希望する答えを話していた… 人間関係にも言えることかな、人間を守るための優しさゆえに嘘をつき、結果人間関係に亀裂が生じてしまうという哀しい結末でした。 『迷子のロボット』は、第二十七小惑星群にあるハイパー基地で発生した「NS2型ロボット」のうちの一体(「ネスター10号」)が行方をくらました事件を描いた物語、、、 1台のロボットが姿をくらましたことだけであれば、大きな事件ではなかったが、実は「ネスター10号」には絶対的なルールであるはずのロボット工学の三原則の第一条に手が加えられていた(第一条のうち、「危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない」が削除されている)ことから、外部に発覚させるわけにはいかず、事件の収拾のためにUSロボット&機械人間株式会社の「スーザン・キャルヴィン」及び「ピーター・ボガート」両博士が基地に向かいます。 「ネスター10号」は同型の63台のロボットの中に紛れ込んでいることが判明するが、外見上は全く区別がつかなかった… 「ネスター10号」を特定できない場合、63台全てを処分せざるを得ない状況に追い込まれるが、、、 ロボットにとって有害なガンマ線と無害な赤外線を区別できたのは、人間から教育を受けた、「ネスター10号」だったことに気付いた「キャルヴィン博士」は一芝居をうつことに… 他のロボも自分と同じ行動をするだろうと判断した痛恨のミスにより、「ネスター10号」は特定されてしまいます。 ロボットが優越感を持ってしまったが故のミス… ロボットも高度になると、心を持ち、それ故に人間と同じミスを犯してしまうんですよね。 『逃避』は、非常に高度な計算能力を有す特殊な陽電子頭脳「ブレーン」により、「マイク・ドノヴァン」と「グレゴリイ・パウエル」が宇宙に放たれる物語、、、 USロボット&機械人間株式会社のライバルである合同ロボット社からスペース=ワープ・エンジンを開発するために必要な方程式の解決について依頼が届く… 合同ロボット社にもUSロボット&機械人間株式会社と同じく思考マシンが存在したのですが、この方程式を解かせようとしたことにより、ジレンマが発生し、その陽電子頭脳がスクラップになってしまったらしく、問題の解決を依頼してきたのだった。 USロボット&機械人間株式会社では、人類初の恒星間エンジンが開発できれば、大きなアドバンテージとなることから、「ブレーン」に問題を与えることに… 「キャルヴィン博士」は、「ブレーン」が壊れてしまわないようにあらかじめ指示を与えた上、問題を解かせようとしますが、、、 「ブレーン」により簡単に問題は解決され、「ブレーン」は星間ジャンプが可能な宇宙船まで製造してしまい、試験的に乗り込んだ「ドノヴァン」と「パウエル」を、実験台として宇宙に放つ… この二人、またまた死にかけましたね。 というか、今回は、一度、死んだのかな… 結果的には、その死は一時的なものであることも証明されたようですが、ここまでロボットに暴走されると怖いですね。 『証拠』は、市長選に立候補した有能な検察官スティーヴン・バイアリイに、人間ではなくロボットではないかという疑惑が持ち上がる物語、、、 スティーヴン・バイアリイは人前で食事はおろか、飲み物する口にしたことがないことや、睡眠時間が短いことから、政敵であるフランシス・クインから、ロボットではないかと指摘される… X線を照射すれば、人間かロボットかは判明するのですが、彼が頑なに拒否したことから疑惑は深まる。 しかし、ある日スティーブンは、公衆の面前で、「自分を殴れ」と挑発する男を殴った場面を目撃される… 人間に危害を加えることは、ロボットには不可能なため、スティーブンは、人間であることが証明された、、、 しかし、ロボットが人間を殴れる可能性はゼロではなかったんです… それは、殴られた側もまた、ロボットであった場合… スティーブンが人間なのかロボットなのかは、今になっては藪の中というオチでした。 実際はロボットだったんでしょうね… きっと。 『災厄のとき』は、ブレーンの発展形であるマシンが、世界経済の管理を人間に成り代わって行うようになった時代の物語、、、 この時代、地球は四つの地区に分けられ、それぞれの経済は超陽電子頭脳マシンによって管理されていた… 四台のマシンはあらゆる要素を考慮し、最も適した経済政策を実施するはずだったが。 ロボット工学の三原則をどう解釈するかなんですけどね… 第一条の「人類に危害を加えてはならない」を守ろうとすると、経済的混乱を惹き起さないようにしないといけない、そのためにはマシンの破壊が最大の脅威、よって、マシン(自ら)を守る必要があり、自分を脅かす要因を取り除く必要がある、、、 マシンの思考回路は、そうなってしまったようですね… 必要な経済政策の実行よりも、自分を守ることが優先になってしまっているということは、人類がロボットに支配されているとも言えるような。 でも、ロボット工学の三原則がある限り、マクロ的には人類を幸せに導いてくれるのかな… 最後は哲学的な問題に突き当たっちゃいましたね、、、 単純に愉しむというよりも、現実問題として、AI導入等によるメリット/デメリット、利便性と脅威について考えさせられる作品でした… 深いですね。
0投稿日: 2022.11.12
powered by ブクログ初めてのアシモフ。アシモフといえば漫画「バーナード嬢曰く。」で、「トリビアの泉で『アシモフによると人間は無用な知識が増えることで快感を感じることができる唯一の動物である』って言ってるけどアシモフそんなこと言ってない!」って町田さわ子に言われてたな、という印象。あと正確にはアシモフではなくアジモフと発音するらしい。つい最近もジャンプ+の読切で見かけた“ロボット三原則”で有名になった一作。 一人のロボット心理学者がインタビュー形式で過去を振り返る構造になっていて、短編集のように“ロボットと人間”というテーマをもとに各々独立した話をしている...かと思いきや、先に出ていたキャラクターが違う話で再登場することもある。最近読んだ本の中ではめちゃめちゃおもしろかった。書かれたのが70年前ということもあって、ロボット三原則に対して「それあり得るかねえ???」と突っ込みたくなる部分もありつつも、ロボットを中心に巻き起こる事件を三原則から推理していく謎解き要素があるので、読んでいて先が気になる。テクノロジーの発想に多少の古さは感じつつもそこまで色あせて見えない。 もしロボットが酔っぱらったら...もしロボットが人の心を読むことが出来たら...もしロボットが市長に出馬したら...と藤子F不二雄の某ドラえもんを思わせるIfストーリーとそれに巻き込まれ右往左往する人間たちがおもしろおかしい。「完全にロボットの方が一枚上手やんけ」って話が多くて、自分で頑張って作ったはずのものが自分の手を出て行ってしまう、みたいな感覚がジョジョ6部の『引力と運命』の話みたいで痛快。 個人的には一番最初の話の、少女と言葉を話さない子守ロボット(まさに喋らないドラえもん)の話がかわいらしくて好きだったのと、人の心を読むことが出来るロボット、ハーヴィーに翻弄される博士たちの話が切ないし笑えるし残酷で、短いながらもとても濃厚で面白かった。
3投稿日: 2022.08.03
powered by ブクログ原題 I, ROBOT 人が創造し、 人と同じように考え行動する、 人型の機械。 …見分けられなければ、それはもう人、ですよね。 いや、人より優れてます。 データを蓄積し難解な問題の最適解を瞬時に出し、 環境を選ばず活動できる。 人に危害を加えることを除いて。 スーザン・キャルヴィンの回想の形をとった短篇集ですが、そのまま、時系列の開発史になってます。 安全、服従、防衛の三原則のジレンマがもたらす、合理的なはずの機械の不合理。…おもしろいなぁ。 人の葛藤と同じ。得てして人は感情で答えを出しますが、…それが人の人たる所以かもしれませんね。 現在ではA.I.上のフレーム問題があるので、三原則のプログラミングは不可能、とされてるようです。 それにしても、人はなぜ人型に固執するのかな…?
5投稿日: 2022.07.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
めちゃ面白かった〜 導入が若干脳に入らなくて焦りだったけどロボ出てから楽しいこと楽しいこと パウエルとドノヴァンのあれやそれや楽しいわ スピーディ可愛いわ… 指6本の子も良かった 我に帰って頭抱えるシーン好き 陽電子回路が異常をきたしたんや…ウッ 夜明けのロボットで履修してたうそつき!はロボが傷付くシーン見たくなさすぎてもうやめて下さい…と思ったけど見れたね 一条無視ロボも良かった 1人だけ立ちあがっちゃうシーン 全部おもろかった
2投稿日: 2022.06.17
powered by ブクログ言わずと知れたSFの古典作品。短編連作形式。 かろうじて文字が読めるようになった幼少期に、祖父母の家の書斎で読んで以来の再読。よくわからないが面白かった、ロボットが好きだという記憶だけあり、このたび実際に再読したところ一作目の「ロビィ」以外全くなにも覚えていなかったため、改めてこんな作品だったかと新鮮な気持ちになった。 簡素で装飾が少ない骨のような文体だが、その骨組みがこの上なく面白い傑作である。 本書は1950年に刊行された作品であり、解説(瀬名秀明)によると既に発表済みの短編いくつかを単行本化にあたって編纂した経緯があるとのことで、執筆年はさらに古い。よって作中に見られる技術内容にはさすがに時代を感じる。同SFジャンルの名作であるジェイムズ・P・ホーガンの「星を継ぐもの」などは半世紀近く経った今でも陳腐化しない学問の描写が見事な作品であり、そういったものと比べるとフワフワ感は否めない(星を継ぐものは本書の30年後に刊行されているため執筆当時の科学技術を取り巻く環境がそもそも異なるが)。 しかし本書の主題は科学技術ではなく人間そのものである。そこが不朽の名作たる所以だろうなと思う。ロボットと人間はどう違うのか、ロボットは「人間」といえるのか等、思考実験をペロ舐めするのが好きなタイプなので登場キャラクターの見解を追うのは本当に楽しかった。 わくわくする読み物でありロボットに好意を抱くようになったきっかけである「ロビィ」は自分にとって今でも特別な作品だが、「迷子のロボット」や「証拠」は大人になった今だからこそ面白さがわかる気がする。本書におけるロボットはピュアで真面目で傲慢でユーモラスでよく気が狂う。この描き方も幼少期の自分にはよくわからなかっただろうなと思うと、再読して本当によかった。解説にある「(読み手と)共に育ってゆく小説」とは言い得て妙である。
2投稿日: 2022.03.25
powered by ブクログかの有名なロボット三原則はこの小説から始まったと聞き、大変驚いた。てっきりかなりの古典からの引用だと思っていたが、比較的新しい本であったからだ。 とはいえ、ロボットの概念が生まれた直後からこのような三原則を思いつき、またそれを題材に名作と呼ばれる作品を作り上げられる作者の力量には感服。 ロボットの黎明期からその発展を支えたロボット心理学者の目線で語られる、三原則が与える人間とロボット、またロボット同士におけるジレンマの中での苦しみが、現実世界ではないのに妙にリアルに描かれており、必読の一冊。
1投稿日: 2022.02.26
powered by ブクログ個性的なロボットたちの短編集。 キャルヴィン女史が各話を語るという形式で 進みました。 「うそつき」はロボットが好きでロボットのよう なと例えられるキャルヴィン女史の、若いときは まだ人間味あったんだなって分かる話で好きです。 恒例キャラのパウエルとドノヴァン両技師が 宗教つくっちゃったロボットに振り回される 「われ思う、ゆえに...」も好きな話です。 この2人がでてる話は冒険的なものが多かった。 ほとんどの話に〈ロボット工学の三原則〉が深く絡んでいて、それを軸にどれもミステリチックでした。 「証拠」と「迷子のロボット」は特にそんな感じなので、1番お気に入りです。 この短編集の最後の話は 「フランケンシュタイン・コンプレックス - 人間のロボットへの無意識の恐怖」 というこの本にあるアシモフが生み出した言葉を読者に与えるような終わり方をしていてそれがとても良かったです。
0投稿日: 2021.12.09
powered by ブクログ名作中の名作ですが、非常に親しみやすい内容でした。 こんな話だとは思いませんでした。もっと文学性に寄った堅い話だとばかり。 翻訳者の手腕なのか大昔の小説とは思えないくらい古臭さがないです。 良かった点 ・ロボット工学の三原則について知れること ・SFでありながら実質ミステリーなところ ・短編の連作で毎回、違う切口を見せてくれる 悪かった点 ・誰が喋ってるのが分からなくなるところ ・世界の全貌がイマイチ見えなかったところ 正直、大筋では理解できたものの、本作の魅力を十分受け取れた気がしません。 「ロビイ」、「われ思う、ゆえに」が特にお気に入りですが、それぞれロボや三原則に対するアプローチが違い、よく一つの概念をこれだけ捏ねくり回せるものだと関心しました。 女史の追憶で連作が繋がれているのもいいですね。いつ誰が読んでも、遠い未来の話を懐かしむ、という不思議な擬似体験が出来るのではないでしょうか。
0投稿日: 2021.08.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ロボットと人間の共生における葛藤を描いている。 ロボットは人間によって発明され、人間の暮らしをよくするために改良されてきた。 しかし、それとともに新たな課題に直面することとなる。ロボット工学三原則の第一条に"ロボットは人類にいかなる危険を及ぼしてはならない"というものがある。 最初のうちは、殺す殺さないとか直接的な危害を与えるか否かの単純な話から始まり、最終的には性能も格段に向上し、ロボットは人間の理解を超える思考の中で、人間を気づかれないように、幸福に向けて誘導していく。 つまり、ロボットを創造していた人間が、逆にロボットに支配されていく様子を描いていく。 人間は幸せであれば、ロボットに支配されても良いのか、それとも人間が主導権を握り、この世界を発展していくのがよいのかはわからない。 人間とは何か、ロボットとは何か、両者にどのような境界線を引くべきか、考えさせられる本だった。
0投稿日: 2021.04.08
powered by ブクログ初期のロボットは、しばしば〈三原則〉の矛盾により緊急事態を引き起こした/衛星軌道発電所のロボットは地球霊が本尊でニンゲンは電子ビームを司る祭司であるとの宗教を始めたが/U.S.ロボット社はポジトロンロボットを独占していたが、やがてヒューマノイド・ロボットは時代遅れとなった/ニンゲン(民主主義)の経済的利益優先の政治の危険に気づき、ついには人類の運命を握った (別の作品系列である未来史銀河帝国シリーズでは)他の恒星系に去った人類はロボットを置き去りにした/ダニールは精神感応能力をもち銀河帝国の立役者であったが、陽電子頭脳の寿命の限界、10万年に近づいて…
0投稿日: 2021.04.01
powered by ブクログロボット三原則と、それにまつわるあれこれ。法律の解釈のような、三原則の解釈を巡って対立、発生する問題について。面白かった。特に「うそつき」「証拠」の二篇が好きだったなあ
0投稿日: 2020.12.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ロボ心理学者のスーザン・キャルヴィン、ロボット技師のドノヴァンとパウエルが主人公の連作短編集。 すべて、ロボット工学三原則にまつわる話になっている。以下簡略した三原則。 第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない 第二条 ロボットは人間の命令に服従しなければならない 第三条 ロボットは第一条あるいは第二条に反する恐れのない限り、自己を守らねばならない。 本書では子守ロボットを探したり、嘘をつくロボットを看破したり、掘削ロボットの故障を直したり、ロボット疑惑のある市長を調査したりする。なにか強大な敵がいてそれを倒すといったような話ではない。どれもロボット工学三原則が生み出してしまう些細なイレギュラーを想定して書かれている。アシモフは自らの作った設定の上で、さらに想像を広げて話を書いている印象を受けた。1950年に書かれたものらしいけど、今読んでも真新しいと思う。 例えば嘘をつくロボットは、脳の周波数をキャッチして人の意識を読み取ることができてしまう。彼は人の気持ちが理解できるから、第一条の「ロボットは人間に危害を加えてはならない」を優先した結果、嘘をついてでも人の気持ちを害しないようになってしまう。 「われはロボット」の世界では汎用人工知能を搭載した人型ロボットは民間には普及していない。おそらく反ロボット分子の反対に遭うという設定のためだと思うが、子守ロボットのように機能が限定されたものくらいしか民間では使われていない。反面、軍事的には様々な場面でロボットが活用されている。アシモフはきっと設定を細かく作っているんだろうと思った。未来の描き方ひとつとっても、「デトロイトビカムヒューマン」とかとの違いがあって面白いなぁと思った。
2投稿日: 2020.08.12
powered by ブクログ1950年に出版された本とは思えないほど新しい。ヒトの心を読むロボットは、AI技術で人の表情を読めば今でもできそうだが、本書の最後では、あたかも人間であるかのような姿でロボットが為政者として世を治める世界が描かれる。このような世界は、はたして人間にとって幸福なのかどうか。本書では、宇宙時代の地球が4つのブロック経済圏となっている世界が描かれてもいる。現在の世界情勢を見ていると、そんな方向に向かっているようにも思われたりと、いろいろと考えさせられる一冊であった。
1投稿日: 2020.07.23
powered by ブクログずっと読みたいと思っていたけどようやく読めた。 少々難解であることを想像していたが、ふつうにおもしろい。 数話に登場するドノヴァンとパウエルを好きになってしまう。
0投稿日: 2020.06.08
powered by ブクログアシモフと言えば、現役で活躍する最先端の科学者が子供の頃に読んで影響を与えたロボットSFの古典小説のイメージだったが、戦後間もない頃にここまで未来をリアルに描いた想像性は未だに色褪せない内容で非常に面白かった。意識や思考を備えたAIを実現できるのかはまだまだ不明だが、実現可能だったシナリオを考えるのは非常に興味深い。その時代ですでにバイオ食品の着想を考え出していたのもすごい
0投稿日: 2020.05.17
powered by ブクログ人類の辿った未来を、ロボットと工学の進化という視点から描く。形式は連作短篇集で、翻訳がごくごく自然。読みにくさはなく、さくさく読めてしまう。 本書の前半は、良質なSF小説として楽しく読める。それぞれの物語で登場するロボットはとても愛くるく、登場する人間もまたハートフルで魅力的。読みながら、ロボットと人間への愛が溢れていることに気づく。 しかし後半に進むにつれて、アシモフの突きつけた課題が迫ってくる。ロボットとマシンが優位となる未来において、人間はどうあるべきか。どう向き合っていくべきなのか。 ロボット文学の金字塔であり、SF小説の必読本。すべてのSF好きに、自信を持ってオススメできる傑作だった。 (長くなってしまうので省略。ネタバレを含む書評の全文は、書評ブログの方でどうぞ) https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E3%83%AD%E3%83%9C%E3%83%83%E3%83%88SF%E3%81%AE%E9%87%91%E5%AD%97%E5%A1%94_%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%81%AF%E3%83%AD%E3%83%9C%E3%83%83%E3%83%88_%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%82%B6%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%A2
11投稿日: 2020.01.09
powered by ブクログAIのトピックが声高に語られるようになり、それと同時にこの本の冒頭にある、ロボット工学三原則もAI時代にふさわしい原則として頻繁に取り上げられることが多くなってきた。この原則は小説家アイザック・アシモフが考えたものであるが、彼のロボット傑作集が本作品である。三原則も作品の中で取り上げられている。下記にあらすじを記す。その前に、作中でも登場する三原則を記しておく。 作品のテーマとしては、人間とロボットの共存やロボットの脆弱性。また、近未来ロボットが現在よりも開発が進んだ時に起こるであろうことである。言うまでもなくフィクションであるが、楽しめる作品ばかりだ。 ロボット工学の三原則 第一条ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。 第二条ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りではない。 第三条ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。 あらすじ 1「ロビィRobbie」 女の子グローリアから愛するロボットであるロビィを取り上げた両親だが、ニューヨークでグローリアとロビィは感動の再会をする。 2「堂々めぐり Runaround」 水星で人間パウエルとドノヴァンがロボットのスピーディーにセレンの採取を命令し遂行させたところ、ロボット工学の三原則の第二条と第三条を同時に守るという矛盾のために命令を実行できないでループにはまっているという話。 3「われ思う、ゆえに Reason」 宇宙ステーションで人間パウエルとドノヴァンの命令を聞かなくなったロボットキューティ。 4「野うさぎをおって CATCH THAT RABIT」 新型ロボットの実地テスト。デイブをテストしても異常は見つからず、デイブが複数のロボットをひとりで監督せねばならず、自律性が大きく必要とされると推測される。親ロボットのデイブが6台のサブロボットを監督・指揮し、作業にあたる。そのためデイブの自律性が大いに必要となり、サブロボットを6台緊急時に対処する際に、デイブの陽電子頭脳に混乱が生じてしまう。 5「うそつき LIAR」 人の心を読む力をもったロボットのハービィをつくった。ロボット工学三原則の第一条は、人間に危害を加えてはならないこと。ハービィに、傷つけることと教えることとの無限ループに陥れることで破壊してしまう。 6「迷子のロボット Little Lost Robot」 63台目のロボットが行方不明に。ハイパー基地ではたまたま、ロボット工学三原則第一条が完全には刻みつけられていない頭脳をもったロボットを使用。そのロボットネクター10号を見つけ出すために様々な判別法を考える。 7「逃避 ESCAPE!」 USロボット社は競合相手に当たる合同ロボット社に<解なし>のデータを与え、その代わりに十万ドルを手に入れる。合同ロボット社はこわれたコンピューターをかかえ、USロボット社は完全無欠なブレーンと1,2年後にスペース=ワープ・エンジンを完成させ世界最大の発明をなす。 8「証拠 EVIDENCE」 政治家バリアリイはものを食べたことも飲んだこともないので、ロボットではないかと嫌疑がかかる。 9「災厄のとき The Evitable Conflict」 ロボットによる地球の統率が上手く機能しなくなってきているという話。
2投稿日: 2019.12.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『ロビィ』と『うそつき』がすごく好き ロボット三原則が最初に出てきて、うまい具合に各所でその三原則がキーとなり物語が展開していく 最後の『災厄〜』が微妙で、三原則についての疑問を自分で投じていくのは勇気がいる行為だけど、固い話でなおかつ普通に面白くなかった。 初のアシモフの作品。他のも読みたくなった。
0投稿日: 2019.05.25
powered by ブクログ初アシモフ作品を読了。「ロボット工学三原則」をベースに考えられる可能性を論理的にストーリー展開した感じの短編集。 USロボット社が知能(心)を持ったロボットを開発し、人間社会で使用されていく過程を社員の目を通して語らせるという体裁で、初期段階から最終段階(?)まで数十年の歴史の流れがあり、短編集ながら一貫性があり長編の読後感も味わえる。 論理的展開を基本としつつ、人間の感情的な部分に関する洞察やユーモアや皮肉もあり、現代では古い表現等もあるものの、さすがにSF小説の金字塔といわれる内容だと思う。
1投稿日: 2019.03.20
powered by ブクログなかなか面白かった。 ロボット工学の黎明期に書かれたような作品。それでも、行き着く先は、ロボットが調和させた世界で人間が生きる、という未來観。争いもなく、おだやかだろうけど、予定調和の世界で人間が生きる意味って何だろう?
0投稿日: 2019.01.08
powered by ブクログロボット工学三原則初出の本で、SFミステリー。一番古いのは80年前に作られた話らしいが、AI社会が迫ってきている今読む価値もあるんじゃないかと思う。内容はロボット心理学者のスーザンが、人間とロボットの違いを探求していくような話。ロボット社会になったことで人間社会がどう変わったかなどの世界観の説明も多く、興味をそそられる。 文中の人物が、ロボットは判定などによる人間の負荷を軽減することで進歩を早めるもので、分析するデータを発見すること、検査する新しい概念を考え出すことは人間の仕事と発言しているシーンが印象に残った。我々の世界では、さてどうなるのだろうか。
0投稿日: 2019.01.08
powered by ブクログ最初のロビィの話が好き。 ロボット三原則が裏目に出て探索が続行できない話も。 途中で本を閉じてしまったので、また読み直したい。
0投稿日: 2019.01.06
powered by ブクログ有名作をようやく初めて。SFの、この未来を見通している感、すごいな。だって、アシモフ先生、これ、1950年の作品ですよ。最近書かれたのかなというくらい現実味があって、面白かった。訳が読みやすかったおかげもあるのかな。 印象的だったのは「ロビイ」。後半の「証拠」「災厄のとき」も、今の政治や世界情勢を思うと、本当、もう、ね! と。AIがようやく表舞台でもてはやされるようになってきたけど、それが、良い方向へ進むと、良いけれど。
0投稿日: 2018.10.28
powered by ブクログロボット3原則って科学者の規定した元リ原則だと思いこんでいました。 現代ではロボットはロジックを組み込むことで人間の命令をトレースするもので、本書は人口知能であるAIのことてしょうね。 それにしても執筆時点においては当時の読者がついていけるか心配になる程の先進性です。 ただ、最初の作品「ロビィ」についてはロボット3原則とは関係のない展開で異色ですが、最も感情移入出来る作品と感じました。ロビィがグローリアに読み聞かせをせがむ所がなんとも愛らしい。ロボットを尊重できる前提で人は頼られることに喜びを感じるだろうし、そんな機能を持ったロボットが出現出来れば、とも思う。 他の作品はロボット3原則をヒントとしたミステリー的な要素が強いが、3原則以外の原則や禁則事項、ロジックか当然なからたくさん組み込まれてロボットは作られるべきであり、3原則に絞った展開には少し無理を感じながらもフィクションとしてはありかとも思う。人と見分けがつかなくなるロボットや、経済を支えるAIなど、近い将来に到来すると予感される題材を仕立てた作者の先進性に脱帽する。
0投稿日: 2018.07.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
完璧のように思われるロボット3原則の隙をついたようなお話でした。 なんとなく、ロボットに支配されつつある現在はロボットに対して恐ろしいと思ってたけど、読んでたらどんどん親しみが持てて怖いだけではないと思いました。 最後の、人間そっくりのロボットがもし政治家となって気づかれることもなく、人間を支配していたらと思ったときに、これを読む前は絶対怖いと思ってたと思うけど、三原則があるのならば寧ろ人間よりいいのではないかと思うように
0投稿日: 2018.06.07
powered by ブクログSFの中で有名な『ロボット三原則』。 それを最初に示した本です。 『ロボット三原則』 第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。 第二条 ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない。ただし、与えられた命令が、第一条に反する場合は、この限りではない。 第三条 ロボットは前掲第一条および第二条に反する恐れのない限り、自己を守らなければならない。 パッと見だと、これで完璧じゃん?と思うけども、人間より優秀な頭脳を持つロボットたちはあらゆる可能性を瞬時に演算して、ジレンマに陥り奇行に走る。 そして、それに毎回巻き込まれる哀れなパウエルとドノヴァン… SF好きを自称するなら読んどかないとね!ということで読了。
0投稿日: 2018.06.02
powered by ブクログ遂行してもしなくても、命令に反する事態に陥ったとき、ジレンマによりロボットは壊れる。 人間も同じように何かを選択してもしなくても、どちらにしても不利益が生じるとき、思考が停止して、何も行動に移せなくなることがある。 ただ、過去のデータに著しく反する事態が起きたとき、「そういうこともある」と自然を受け入れてきた柔軟性が人間にはあった。しかし今の人間はデータを偏重するあまり、それがなくなってきたように思う。ロボットが人間が近づいているのか、それとも人間がロボットに近づいているのか。
0投稿日: 2018.04.28
powered by ブクログロボット三原則を作り出した、あまりにも有名なロボットSFの古典。 ロボットは人間に危害を加えてはいけない。 ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない。 ロボットは前記第一条、第二条に反さない限り自己を守らなければならない。 この三つのロボット三原則に反さない範囲で、ロボットが人間の命令を聞かなくなった。 そのパラドックスとは。 高度に発達した科学は魔術と見分けがつかない。 ならば、高度に発達したロボットは人間と見分けがつかないのだろうか。 その見分け方すらわからなくなる。 と、古典読んでみたけど、あんま面白くなかったという感想。
0投稿日: 2018.02.11
powered by ブクログロボットにまつわる様々な話を、老いた女性ロボット心理学者の回想という形で描いている。 人の心を読んだり、自分の存在に疑問を持ったり、人間の少女と心を通わせたり、いろんなロボットがいて、楽しかった!
0投稿日: 2017.04.05
powered by ブクログ「アルジャーノンに花束を」のレビューを読んでいたら、訳者の小尾芙佐を評価する人がいてその人が「われはロボット」の訳もよかったと書いていたので手にしてみた。アシモフはもちろんだけど、小尾芙佐の訳だからこその読み心地よさなのかな。「ロビイ」は特にお気に入りだ。カバーのRey.horiのロボットで誰か映画にしてくれないかなぁ、映像で観てみたい。 ロボット工学の三原則が、よくできているって感心した。現実に使えそうだしロボット以外にも通用しそうだ、人にも。
0投稿日: 2017.02.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
アシモフの提唱したロボット三原則を題材にした短編小説集。三原則は現代社会では積極的に採用するべきものだとして取り上げられることも多いが、本作では三原則から引き起こされるトラブルを中心に話が構成されている。どの話も短く読みやすかった。原タイトルで映画化もしたが、映画とは全然内容がちがう。
0投稿日: 2017.02.09
powered by ブクログアシモもアトムもR2D2とC3POも全てここから来てるとわかるほどの古典であり、それでいて今もって新しい。 アシモフさん、2017年だけどまだまだロボットは小説のようにはいかないよ。
0投稿日: 2017.01.29
powered by ブクログ有名なロボット三原則の元になった作品を読んでみたかったので、普段あまりSFを読まないが読んでみた。結果とてもおもしろかった。仮定した理論に基づいて謎が解き明かされていくという点では、ミステリー的な側面も備えているかもしれない。
0投稿日: 2016.12.23
powered by ブクログ今までSFはほとんど読んだことがなかった。 これ、かなり、お気に入り。 物語の展開がスピーディで、会話文も比較的多く、何よりめっちゃ面白いので、駆け抜けるように読了。 論理的に問題を解決していくあたりがミステリのようで好き。 男二人が主役の話は、アメリカンな言い回しにピンとこない時もあったが、ピンチからの脱出などエンタメ的で楽しかった。
0投稿日: 2016.11.22読み終えました。
面白かったが、どうも、うまく感想を書けない。作者はロシア人だ。私には難しかったのだろうか。どこがどう、面白いのか、それすらうまく書けない。近未来小説です。只今進行中です。他の人にも読んでほしい。
0投稿日: 2016.10.081950年に刊行されたことに驚き
ロボット工学の三原則 第1条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。またその危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。 第2条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第1条に反する場合は、この限りではない。 第3条 ロボットは、前掲第1条および第2条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。 このロボット工学の三原則を基に、初期の言葉を話せない子守ロボットから、惑星での作業をこなすもの、果ては人間の仕事をも肩代わりし、人間の心をも読んでしまうロボットのお話に発展していく。 1950年に刊行されたこの本が、いかに現在のロボットに影響を与えているか。 全然古くない。ロボットの今と未来を垣間見ているようだ。
2投稿日: 2016.09.17
powered by ブクログアシモフの『われはロボット』、時代を感じる部分もあるけど喋る機能のないロボットのロビィがグローリアを間に築いていた感情の糸の表現とか、十二分に切ない。くどくど書いてないとこが更にいい。やっぱ人工知能もの、好きだわー。
0投稿日: 2016.07.24
powered by ブクログSF。連作短編集。 作品のなかで時代の流れがあり、少しずつロボットが高性能化されていく過程が楽しめる。 個人的には、一話目の「ロビイ」くらいの性能で充分だと感じる。 「うそつき」は、ロボット工学の三原則を守るために自分なりに思考するロボットの話。嘘をつく理由が優しい。好き。 思考能力を持つくらいまで高性能になると、もはや人間には制御できなくなってしまうのか…科学の発展が必ずしも良い事ではないのかも、とか思ってしまう。
0投稿日: 2016.07.09
powered by ブクログまさに、これから我々が直面してくるであろう現実。 ハヤカワ文庫のSFではもはやない、「今」を示唆する小説といえるだろう。
0投稿日: 2016.06.21
powered by ブクログ『ロボット工学三原則』の出典として知られている不朽の名作。ロボット工学(robotics)という言葉もこの小説から生まれたそうです。律儀なロボットと人間が織り成すドラマが面白い。なかでも『災厄のとき』という一篇は今流行の「技術的特異点(シンギュラリティ)」が起こった後の世界が描かれていて興味深い。
0投稿日: 2016.06.03
powered by ブクログロボット三原則。 「人に危害を加えない」という原則をどう解釈し、どう運用していくのか。ロボットが進化していくと、それは人間にどう影響していくのか。 こんなにロボットが行動も判断も高度になるなんてありえない話だと思うけど、突き詰めていくと人間とロボットの関係がどうなるのか、想像がふくらんでくる。
0投稿日: 2016.05.10
powered by ブクログおもしろい! SFなんて興味ないとか、ロボットなんて難しそうだなんて思っていたけれど、読んで本当によかった! ・短編集だけれど、博士の話をインタビューしていくという体で書かれていて、まるで映画を見ているみたいに感じた。一話一話は短くてストレスがないのに、そういう仕組みになっていることで、すごくドラマチック。 ・登場するロボットの謎についても、ロボット三原則の制約の中でどういう展開になるのかワクワク読めた。 ・翻訳の古さを心配していたけど、一文が簡潔で、むしろ日本作品より読みやすい。
1投稿日: 2016.04.23
powered by ブクログアシモフの中後記の名作群をいくつか知ってしまった今となっては、ちょっと「若い」という感じがしてしまう。 巻の最初の方に出てきたドノバン&パウエルのいくつかの話は、超絶的におもしろいんだけど。
0投稿日: 2015.11.12
powered by ブクログ数十年前の人たちは、2015年には、人間が太陽系内のさまざまな惑星に行っていると思っていたんだなあ、というのが不思議だった。 やっぱり宇宙へ行くのは、想像より難しいことだったんだと思う。 難しい理論がなくて、どちらかというとロボットたちの心に重きが置かれていたのが、おもしろかった。 ロボットも人間も、どっちでもいいかな、と思ってしまった。
1投稿日: 2015.09.29
powered by ブクログロボットがなくてはならなくなった未来の時代について、バグや問題点、人々の葛藤を、こんなに描写できる天才。面白かった。
0投稿日: 2015.09.26
powered by ブクログ面白い!!!説明書のような分かりやすさと、小説ならではの情緒があるので、アシモフダイスキです。三原則とそれにまつわるエトセトラ。本棚に入れておきたいマストな一冊
0投稿日: 2015.08.25
powered by ブクログ昔、読んだ気がしたのだけれど、気のせいだったらしい。 ……でも、ロボット三原則の絡む事件もの的な話、読んだ覚えがあるんだけどなあ。あれは何だったんだろう。別なアシモフものだろうか? 短編集だけど、ゆるやかにつながっている。読めば読むほど世界が広がっていって、想像がいろんなところに向かっていく。アシモフの他の作品も読みたくなった。 古典文学的なイメージがあったので、もっととっつきにくい本かと思ったんだけど、すごい平易で、わかりやすかった。話自体もシンプルで、オチもついてきれいにまとまっているスタイル。小学校高学年とかでもこのまま読めそう。ていうか、その頃読んでもよかったな。 ロボットの個性が割と共通してて、キャラクター性を確立してる。どの短編に出てくるロボットも、基本的に物腰が丁寧で、従順で、頑固で、繊細。 スターウォーズに序盤から出てくる、細身の金ピカのロボット、あれを彷彿とする。 皆かわいく見えてきて、手のかかるところもいとしくて、博士の目線で見てしまう。 人も、ロボットも、優しくて穏やかな人達の多い、穏やかな作品でした。 SF特有の硬質な雰囲気の薄い、ふんわりとしたお話群。 まったりしたい時に、何となく手に取って和みたい作品。
0投稿日: 2015.08.05
powered by ブクログロボット三原則を基に推理していく様が面白い。現代、人型ロボットが市販されているのを思うと、この話が現実味を帯びてきて考えさせる。
0投稿日: 2015.07.10
powered by ブクログロボットSFの金字塔的作品。USロボット社の主任ロボ心理学者スーザン・キャルヴィンの回顧録として展開する、未来の地球を描いた連作短編集。 ロボットがロボットとして作られる際に、必ず設定される『ロボット工学三原則』。「人間への安全性」「命令への服従」「自己防衛」を目的として、ロボットと人間に一線を引いている。そんな中、人間にとって不本意な動きをするロボット。しかしロボットにとっては、三原則を守ろうとするゆえの動作だった。 SFは現実感がなく読んでいる先から置いてけぼりを喰うことも多いのですが、あくまでも原因は人間の作ったロボット三原則にあるため、ミステリとしてその世界観に没頭できます。 人型ロボットの実用化が目前に迫っている昨今、ロボットが人間の生活に深く関わっているこの作品の世界にさほど距離を感じません。作品中でも、少しづつロボットが人間に近付き、技術の進歩が伺えます。それと同時に人間らしく、さらには人間より優れたロボットを前に、人間らしさとは何か、ロボットとの違いは何かという問題を私たちに提示します。 この小説で生まれたロボット三原則が現在のロボット技術分野に大きく影響していると思うと、今後も長く脚光を浴びる作品になるのだろうと思います。 2004年「アイ・ロボット」として映画化され、映像としても楽しかったのを覚えています。こちらもまた観たくなりました。
7投稿日: 2015.05.29ロボット教育
人はモーゼの十戒があるけど、ロボットはプ3つですむ。むしろロボット3原則を法律にすれば戦争は起きないのではないかな?でも、モーゼの十戒で「殺す無かれ」ってあるけど戦争しているということは人は原則を作っても破るから駄目ですね。 前置きが長くなりましたが、この本はロボットのお話なので例外なく原則を守る前提で物語は作られていますが、それでも不都合は起きるというお話です。教育の難しさを痛感できます。 先生には、特におすすめな本ではないかと思いますので一度是非読んで感想を聞かせてください。
3投稿日: 2015.04.03
powered by ブクログ長い歴史を持つロボット製造会社につとめあげたロボット心理学者にインタビューし、都度都度エピソードとして短編が織り込まれるという書かれ方。ロボットと暮らす日常がまったく遠い未来ではなくなった今読むと、まったくありそうな話ばかり。1950年より前に書かれているのに、だ。アシモフが編み出したロボットの三原則は以降のSF作品に多大な影響をあたえたとあるが、映画やアニメ作品で自然に目にしてきているロボットもたしかにこの三原則にそったマインドで作られてるかも、と思った。基本人間に従うし、従わない場合は問題になっているし。『アイ、ロボット』をあわせて観ると二倍楽しめます。
0投稿日: 2015.03.08
powered by ブクログ有名なロボット三原則を生み出したアイザック・アシモフ先生の超有名な本。 人間とロボットが寄り添いつつ、時に裏切られつつ語られる方法に、作者の愛を感じます。 1話1話、読むたびになるほどと感じられます。 この手のSFには珍しく、難しい理論がほとんどないのでさらりと読み流せるのも驚きました。子どもに読ませたい。
0投稿日: 2015.02.10ロボットと僕たちの未来
ロボットSFの古典的名作、『われはロボット』。 本作は、「ロボットは人間に危害を加えてはならず、与えられた命令に服従し、これらの条件を守った範囲で自分自身を守らなければならない」という、今でも様々な小説や映画で引用される、ロボット三原則が登場することでも知られています。 ロボットと人間の共生が一般的になった未来社会で、この三原則をもとにした様々な事件が起こっていきます。人間のために嘘をつくロボットが現れたり、時には三原則に則った解答を出せず自壊してしまったり… 人間にとってロボットは、どういった存在になっていくのか? 古典ではありますが、今なお私たちの”未来”を考えさせる内容になっています。
8投稿日: 2015.01.13
powered by ブクログロボット開発において多大なる功績を残してきたスーザン・キャルヴィン博士の勇退が決まった。ライターのわたしはキャルヴィン博士にインタビューを試みる。キャルヴィン博士はわたしにロボットの歴史について語り始める。 各短編ロボットが出てくるものの、同じ見た目で作り出されたロボットから一体だけ紛れ込んだ異種のロボットを探す「迷子のロボット」市長選に出馬した男はロボットか人間かを探る「証拠」 他にもロボット三原則(ロボットは人間に危害を加えてはならない、ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない、ロボットは自己を守らなければならないなど) を巧みに使ったミステリ的な仕掛けやロジックなども読んでいて面白く、SFファンだけでなくミステリファンにもおススメの作品です。 子守ロボットと女の子の絆という話から始まり、博士の話が進むごとに徐々にロボットたちが複雑な思考を手に入れていく様子が分かります。 そして毎回人間たちがロボットが発展するとともにそれに戸惑いバタバタしている様子も印象的。ロボットたちは確実に成長していってるのに、人類は相変わらず、といった感じでしょうか。 山本弘さんや小川一水さん、藤間千歳さんなど日本のSF作家さんの作品も最近は少しずつ読んでいるのですが、そうした作品を読んでいると、この作品で提唱されたロボットの概念がいかに後世に影響を与えたかが分かります。 それでいてこの作品のアイディアや各短編の展開が読んでいて使い古された、という印象を受けないのもまたすごいです。 キャルヴィン博士の話から浮かび上がってくるのは、ロボットへの信頼と可能性への期待、そして未来の技術への希望だと思います。 ちなみにキャルヴィン博士が勇退したのは作品の記述からすると2058・59年あたり、そのころにはこの本通りロボットやアンドロイドたちが社会に存在しているのか、とても楽しみです。
1投稿日: 2014.10.24
powered by ブクログ最近ロボット関連に関わっているので、昔を思い出して読んでみました。最初に読んだのは高校の頃かと思います。有名な「ロボット工学三原則」をベースにした短編集です。人間に危害を加えない・見過ごさない、人間の命令に従う、自分を守る。SF小説の形態を借りた思考実験です。三原則を忠実に守る高度に知的なロボットがいるなら、政治家や官僚に向いてるかもしれません。
0投稿日: 2014.10.19
powered by ブクログ「鋼鉄都市」以来のアシモフ作品。 ロボット工学三原則と、 いろいろなタイプのロボットと 人間との関わりの連作短篇集。 個性的なロボットの登場が面白い。 「ロビイ」「われ思う、ゆえに……」 「うそつき」「証拠」が特に好き。
0投稿日: 2014.06.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「ロボットは人間に危害を加えてはならない」を始めとするロボット三原則が有名。 連作短編のような形式になっているけれど、どれもこの三原則に深く関わる物語となっており、話数が重なりロボットが進化複雑化していく中で、不変的三原則に基づくはずの彼らの行動規定が少しずつ変わっていくところが面白い。 「危害」という大雑把な括りに、肉体的な損傷のみならず精神的な苦痛も含まれていることで、ロボットの行動に不可解な影響を及ぼしたりするのもまたサスペンス的な味わいを出していた。 特に5番目の「うそつき」の展開には惹きつけられた。冷徹なキャルビン女史が唯一うろたえ、そしてロボットに対する友好的な態度を崩した話だけに、そのインパクトは大きい。 ロボットは人間に危害を加えられない。しかし、当の人間がロボットをどれだけ信用できるのか。ロボットを何のために使おうとするのか。結局それが問題なのだと考えさせられる。 正しき善きしもべ…我々はその主人たりうるだろうか。
0投稿日: 2014.06.11
powered by ブクログかの有名なロボット三原則の原点。ついに読んだ。 ロボットが主題の作品と聞くとどうしても鉄腕アトムとかスーパーなロボットが活躍する話を想像するけど、この小説はちょっと違った。あくまでロボット三原則から生まれるロボットの心理に特化した小説。ある意味で状況設定からその理由を読み解く推理物のような趣も。いや脳みそ使ったなぁー! それだけに「証拠」の話はなかなか深い。「堂々巡り」で間接的に示されているけど、ロボットは人間が命を賭せば必ず応える。のだから、「証拠」の最適解は「この致死性の毒物を飲め。さもないと私が飲む。」のはず。でもそれを誰もやらないってのは示唆的だ。人間はどんだけ騒いでも、命を賭す気はなかったし、心のどこかで証拠なんて本気で望んでなかったのかもね。なんて。解説でいう「人間らしさ」はいとも簡単に失われるのかもしれない。 そんな中で「うそつき」は人間らしさと人間のすごさを感じられてとても好き。
0投稿日: 2014.05.28
powered by ブクログ映画のアイ、ロボットがとても好きなのでついに読んでみた。 非常におもしろかったなー。もういちど映画の方もみたい。
0投稿日: 2014.04.03
powered by ブクログ○ロボット工学三原則――(1) 人間に危害を与えず、人間を守ること、(2) 人間の命令に従うこと、(3) 以上2点を踏まえて自分を守ること――という印象的な三つの原則を軸としたさまざまな物語からなる一連の物語。 ○ロボットが一大産業となる始終を見守り続けてきたロボ心理学者、スーザン・キャルヴィンの口から語られる物語の数々は、どれをとっても人間とロボットの関係を考えさせられます。つまり、より優れたロボットの登場によって便利な社会になると安易に考えているのではなく、その存在がかえって人間自身の存在を問うことになるのです。この視点がぼくには非常に面白いものでした(ぼくが談話室に投稿したテーマをまさしく貫くものです:http://booklog.jp/q/5581)。 ○はるか未来の出来事のはずなのに紙のノートに計算していたり、真空管やブラウン管が登場するというところは時代を思わせるものがありますが、優れた技術が人間に問いかけるものというのは、広い時代(普遍的とまでは言いませんが)に共通するもので、そこにこの本の面白さがあるように思います。 ……以下、自分用メモ…… ○たとえば最初の「ロビイ」では、少女の育児であり遊び相手でもあったロボット「ロビイ」を母親が取り上げてしまいます。喋らない金属製のロボットには心がないし、そんなものには子育てを任せられないというのです。喋れないから心がないというのはかなりの暴論のような気もしますが、人間の仕事がロボットによって代替されるということは、人間にとって強い抵抗を生むものだという問題をはっきり示しているように思います。 ○そのあとの話ではロボットがより高度になり、人間そっくりなのに人間よりも高度な能力を備えたロボットが登場します。そんなロボットを束ねる唯一の原則は、最初に書いた三原則だけです。そこで、人間のために働くために人間の命令に逆らうなどといった、人間の思惑をはるかに超えた(高度な)行動をとるという状況が生まれます。スーザン・キャルヴィンをはじめ、本書で登場する人物は、謎解きという形をとりながら人間の思惑を超えたロボットの行動を見抜いてゆきます。 ○個人的には、ロボットが人間から人間性を奪うという人間原理主義者とでもいうべき人々の主張、今まさに、こういう人間とロボットの関係に対する危機感を人々が持ち始める時代が来るのではないかと感じて、著者の先見の明に恐れ入るばかりでした。
0投稿日: 2013.12.19
powered by ブクログ黎明期からロボットの発展を見つめ続けてきた一人の女性科学者によって語られる9短編によるオムニバスストーリー。 ロボット工学の三原則で有名なSF作品。時代を追ってロボットに関するエピソードを追っていく構成で、特にロボットのソフトウェアである人工頭脳の発達に重きを置いている。一見不可解に見えるロボットの言動を三原則に基づいて論理的に探っていくミステリ然とした話が多い。 個人的にそれぞれの短編だけでは強い魅力を感じなかったが、それらを読み進めていくからこそ最後の一編「災厄のとき」で提示される未来世界の姿に作品中の時間経過が感じられ、また世界観に深みが増しているように感じた。 独立した短編としてみると読心力をもったロボットがジレンマに陥る「うそつき」と、同型ロボットの中に紛れ込んだ行方不明の個体を探す「迷子のロボット」のエピソードがお気に入り。ロジカルな思考回路を持ちながら言動の節々にどこか人間臭さを感じさせるロボットたちの姿は魅力的だった。
0投稿日: 2013.11.27
powered by ブクログ「ロボットは人間に危害を加えてはならない」から始まる有名なロボット三原則の出典元として有名だが、読み進めてみるとそうした三原則を前提としてミステリ連作風味、といった感じ。ロボットの造詣や振る舞いがアナログで人間臭く、作品全体として未来に対する楽天的な姿勢に溢れているのが印象的。もはや半世紀以上も前に書かれた作品だが、現実の21世紀はアシモフが思い描いていたのより少しばかり非理性的で、半倫理的であるのかもしれない。個人的には『火の鳥』に出てくる家政婦ロボット、ロビタの原型が本作にあったのだと知れて感動。
0投稿日: 2013.11.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
西尾維新『鬼物語』の新聞全面広告小説から。西尾維新は『めだかボックス』でもロボット三原則を引用していたから実際に読んでるのかなと想像。 ロボットという言葉を普及させた人としてアイザック・アシモフの名前は知っていたが作品を読むのは今回が初めて。第二次世界大戦前後の作品なので古い未来観みたいなものが現代からみると違和感があるのではないかと思っていた。読んでみると確かに現代から見ると未来としておかしいと思う所はある(エーテル、ブラウン管テレビ、管理体制、原子力エンジンなど)。しかし1950年代にこれだけの未来を想像していたという驚きのほうが大きかった。特に最後の「災厄の時」は今だからこそ考えさせられる。 作中にはロボットとマシーンが出てくるがその大きな違いはパーソナリティーがあるかどうか。作中のロボットは三原則に縛られているが自我があって性格と呼べるものもある。作中のロボットはとにかく人間的だ。そこが現代のロボット産業との一番の隔たりだろう。高性能なロボットは次々開発されているが性格を持たせることは当分できそうにない。技術的に可能になったとしても持たせて大丈夫なのか、という論争も起こりそうだ。そうなったときにアシモフの「ロボット三原則」が再び注目されるときが来るかもしれない。 物語の特徴としてSF的な要素の他に三原則の論理的なパズルという側面もある。
0投稿日: 2013.11.14
powered by ブクログ日本の「えらい人」は日経新聞を捨ててSF小説を読んでください - デマこいてんじゃねえ! http://d.hatena.ne.jp/Rootport/20120905/1346856312?utm_source=API&utm_medium=twitter
0投稿日: 2013.05.23
powered by ブクログ「ロボット工学の三原則」というプログラムを元に、倫理・政治・経済・哲学などのさまざまな状況に照らし合わせて答えを探す、問題集のような形式の短編集。まるで自分がロボットのメンテナンスに携わっているような気持ちになっていくのが楽しい。またロボットの心理や行動を組み立てるように考えているつもりが、同時に人間自身の倫理・社会・哲学を解体して考えさせられている。現状に対する批評と未来に対する前向きな提案の両方を兼ね備えた、まさにSFのクラシックとよべる作品。
1投稿日: 2013.03.29
powered by ブクログロボット三原則を基軸にしたライトノベル短編集。SFのご多分に漏れず翻訳の日本語の語彙量が少なめなのでさくさく読める。近未来においてロボットに対してどのように対処してくかがメイン。ロボット自体が抱える機構的限界等は出てこない。短編としては、アイデアですっきり完結させる問題解決型。どれもハッピーエンドに近い形を取っている。いい話だな―。あと表紙がださい。 以下、読了後まとめ。 ロビイ 地球上でのアンドロイド使用を禁止するロボット法施行以前の話。ロボット黎明期におけるロボットと人の関わりを示す。三原則の第一条の有効性について。 堂々巡り 水星での鉱山開発でのロボット使用について。三原則は互いに拮抗し合い、ロボットが判断を下すことが出来なくなるというエピソード。毒性ガスが満ちている鉱山に鉱石を発掘しにいけという命令を下された場合、第二条で近づき、第三条で離れるので、陽電子頭脳での揺らぎの均衡点で「酔っ払う」。その問題を第一条で解決する。パウエル&ドノヴァンという二人の馬鹿型主人公が登場。 我思う、ゆえに……Reason 時系列としては堂々巡りの直後。主人公も変わらず。人間に従わない哲学パカのロボットが登場。彼は一見第二条に反しているが、それは第一条を遵守するためだったという話。 野ウサギを追ってCatch That Rabbit この章では、三原則が記載されている『ロボット工学ハンドブック』がパンツよりも貴いことが判明する。緊急時にパニクるロボットを二人の馬鹿が直す活劇短編。三原則は関係ない。 うそつきLiar! キャルビン博士が主人公。そして、心が読めるロボットが焦点になる。心が読めてしまうことで、第一条のために人間を傷つけないような発言しかできなくなってしまったロボット・ハービイ。つまり彼女は優しい嘘をつくロボットなのだ。博士が真実を知りたいとハービイに迫ることで、言っても言わなくても人間を傷つけてしまうジレンマに陥り崩壊した。 迷子のロボット 人の危険を看過しないという第一条補足が刻まれていないロボットとの心理戦。ロボ心理学者キャルビン博士の名推理が光る! 逃避 USロボット社の大黒柱、メインコンピュータである『ブレーン』の話。柔軟なロボットであれば、人間に危害を加える演算に耐えられる。星間ワープ時の一時的な死とリンクしていたというのがオチ。パウエル&ドノヴァン再登場。 証拠 市長選に出馬した品性高潔なバイアリイ氏はロボットか? プライバシーの保護が行き届いた市民社会において、一人の人間にロボットの嫌疑が掛けられる。三原則を遵守するロボットと聖人君子では判別のしようがない。 厄災のとき 国家主義を越え、地球が地区で分けられ、善性を持った『マシン』が人間に指示を与えるようになった時代。完全無欠の『マシン』の経済社会政策が所々で綻びているのはなぜなのか? 地球総監となったバイアリイ氏がその真相を究明していく。『マシン』を推察することしかできない人間たちは、そのミスも彼の手のうちにあるのではないかと解釈する。『幼年期のおわり』に見られるような世界俯瞰的な短編。
0投稿日: 2013.01.18
powered by ブクログロボット工学の3原則の縛りから発生する様々な問題はそのまま、人間社会における倫理・哲学などに投影される。月並みな言い方になるが、SFの域を超えている作品。今では哲学的で小難しいSFアニメが沢山あるが、結局はアシモフの二番煎じだ。
0投稿日: 2012.12.07
powered by ブクログアシモフを随分昔の作家だと思っていた。手塚治虫や石ノ森章太郎の漫画で再三、ロボットの命名者と紹介され、また三原則への言及に触れ、つまり元祖なのだと思った訳。 当然、心優しいロボット達の物語を予想していたが、大外れ。思っていた通りなのは第1話のロビィぐらいかな。 三原則は所詮ロジックの命題であって、ロボット達は人間の命令と三原則のジレンマの中で予測不能の行動を度々起こし、人間達を悩ませる。人間側は数学者やロボット心理学者が登場するが、御茶ノ水博士のようにロボットと人間のような交流があるわけではない。ロボット達も人間よりも優秀と自覚するのもいて、人間コンプレックスの強い鉄腕アトムとは大違い。 しかし、終盤は人格高潔な人間とロボットの見分けがつかない言う言及や、地球規模で政治経済をマシンが人間に気付かれずうまく制御するに至り、三原則の倫理が改めて読者に付きつけられる。 瀬名英明さんの後書きが良かった。ロボット社会の到来は人間が人間らしくあることを問うてくると云う。もう少しアシモフを読んでみようと思う。
1投稿日: 2012.11.15
powered by ブクログやはりフィンクションに興味が持てない!なんで状況描写が苦手なんだろうというぐらい言葉が進まない。。。。科学はリアルにかぎる!
0投稿日: 2012.10.27
powered by ブクログ特に子守ロボットの話が好き。純粋な気持ちの子供にはロボットも人間もヌイグルミも犬猫も関係ないはず。 大人はロボットを支配し利用しようとする。だがバグが生じる。しかしそれはバグなのかロボットに芽生えた自我、意識なのか。 登場するロボットそれぞれの運命、意識、試練は、著者アシモフの自身への探求であり、私たちが常々、無意識の内に、答えを求めているのではなかろうか。 そしてそれは巡り巡って「屍者の帝国」の命題ともなる。 「屍者の帝国」にロボット三原則の改変がでてきたので、再読したくなった。 子供の時ワクワクしながらよんだアシモフ。 もういちどアシモフを一通り読み直したい衝動にかられる。
0投稿日: 2012.09.04
powered by ブクログロボット3原則…深いなぁ 読みやすい文章でよかったです。 人間より賢いロボットが人間に従うのは第一条があるからっていう表現は、目からウロコでした。
1投稿日: 2012.07.04
powered by ブクログ太田光さんがおすすめしてた本ということで読んでみました。 この本はロボットSFの元祖だそうです。 浦沢直樹さんの「PLUTO(プルートウ)」のような、ロボットに対する優しさと悲しさが漂ってくるストーリーでした。 このストーリーのロボットたちが現実に登場するならば、誰だって愛さずにはいられないんじゃないでしょうか。 SFというジャンルの話は世界の歴史や科学を持ち寄って、未来を細かく想像している。 思考が何千年単位。 ふと我に返って思うことは人生でできることの少なさ。
0投稿日: 2012.06.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
SF小説はあまり読んだことがなかったが、初心者にとっても比較的読みやすかった。特にロボット三原則の「ロボットは人間に危害を加えてはならない」という項目を身体的だけでなく精神的な面からも鑑みる点はとても興味深かった。
0投稿日: 2012.05.14
powered by ブクログ人間のために存在するロボットが、徐々に進化していく模様を、トラブルの解決にあたった研究者の経験談で描いてく。 子守役→危険な仕事を人間の代わりにやる→人類が永久に平和でいられるように統制する。 原則を破らずに人間の命令に従うロボットは、時には人間の感情的な命令や簡易すぎる命令のために、人間が意図したこととは違うことをしてしまう...っていうトラブルの解決が、理屈っぽくて面白い。 法律解釈が裁判の争点になるように原則解釈や命令解釈、その優先度合の決定打とかをぺちゃくちゃしゃべってる物語。 哲学っぽくて科学っぽくて好き。 嘘をつくロボットが可哀想。
0投稿日: 2012.04.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「ろぼっとさ」と入力すると「ロボット三原則」が予測変換で出てくる。アシモフの「われはロボット」は、そのくらいの古典だ。 物語は老齢のロボット心理学者スーザン・キャルヴィンが回顧するロボット開発史という体裁を取る。ロボットという存在は時と共にどんどん進歩し複雑化していく。同時にロボットと人間の関わり方も劇的に変化していく。書かれた当時の技術水準から見ればそれこそ想像もつかないような遙かなる未来を相手にしているわけで、アシモフの卓越した想像力が遺憾なく発揮されている。 なんといっても、物語のベースとなるロボット三原則が実に上手くできている。 『第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。 第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。 第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。』 たったこれだけで、ロボットという存在の全てを尽くしている。必要にして十分、美しささえ感じさせるほどだ。これら3カ条にあくまで忠実に、しっかりとしたロジックに基づいてストーリーが展開される。巨匠アシモフの鮮やかな手際を楽しんで。 工学、エンジニアリングについても考えさせる一冊。
1投稿日: 2012.04.05
powered by ブクログかの有名なロボット三原則をはじめて記述した初期作を、再度アンソロジーにした作品。この作品の斬新さは、まず三原則の定義を決め、そこを破るか破らないかの境目で起こりうるケーススタディである点。こういう技術書のような、しかも臨場感あふれる記載ができる作家はほとんどいない。最後には三原則を破らず破滅する哲学的な内容に。前提、展開、描写などすべてが新鮮で、戦前の作とは思えない。
0投稿日: 2012.04.01
powered by ブクログ有名な「ロボット工学三原則」を生み出したアシモフの代表作。SFの古典です。最初の「ロビイ」が書かれてから、もう70年以上経っているんですね。実はいままで、ちゃんと読んだことがありませんでした。 "ロボット工学の三原則 第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。 第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りではない。 第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。 ――『ロボット工学ハンドブック』 第五十六版 西暦2058年" この作品に登場するロボットは、この三原則を行動規範としています。DNAのように刻まれた、ロボットのアイデンティティとなる原則です。ロボットの本能と言ってもいいでしょう。 その原則(すなわちロボット)を人間が信用しないために発生する悲喜劇や、原則に逆らえないロボットが原則とは矛盾する命令に対しおかしな行動をとってしまう様などを描いた短編集です。 [続き] http://wildhawkfield.blogspot.com/2012/03/blog-post_06.html
0投稿日: 2012.03.09
powered by ブクログ『ロボット三原則』を発明した著者自ら『三原則』の抜け穴を使って謎解きを行う。 自分で作って自分で遊ぶ。最高の循環ですね。
0投稿日: 2012.02.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
SF好きというからには名作ものは読んでおかないといけないだろうということで読みました。 以下、本文の目次です ロボット三原則 概要 目次 ロジックゲーム われ思う、ゆえに 災厄のとき 最後に ロボット三原則 この作品は、タイトルにもあるようにあの有名なロボット三原則を生みだした元の作品です。 作中ではこのように示されています。 ロボット工学の三原則 第一条 ロボットは人間に危害を加えてはいけない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。 第二条 ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一城に反する場合は、この限りでない。 第三条 ロボットは全掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。 ―ロボット工学ハンドブック―、第五十六版、西暦ニ○五六年 この三原則は他作品にも多く使われ、現実に今行われているロボット工学における常識にもなっています。 (映画「アイ、ロボット」が有名です。) 本作はそのロボット三原則を前提としたロジックゲームと言える作品です。SFではありますが、人間ドラマやミステリーの要素もあり、見ていて飽きない作りとなっていました。 概要 本作は2000年はじめから2058年までが舞台となっています。なぜ2058年と言いきれるかというと、本作はロボット普及に置いて大きな役目を果たしたロボット心理学者スーザン・キャルビンの懐古譚という形式をとっているからです。 USロボット社という会社の研究所で長年働いてきた彼女は職務の性質上、ロボットにまつわるたくさんのエピソードを知っています。しかも彼女は変わり者で、人間よりもロボットに愛情を注ぐ人間でした。 しかし、そういったパーソナリティーに設定したお陰で、ロボットを異物とするような忌々しい話ではなく、おばあちゃんの懐かしい昔話といった雰囲気を醸し出せているのが特徴です。 本来は遠い未来の筈なのに(ハヤカワSFの本書は1983年が初版です。)、どこかセピア色の古き良き日といったような空気感を出している。 このことは本作が広く読まれたこととも無関係ではないでしょう。 未来の妄想ではなく個人的な昔話の方が共感を得られやすいからです。 目次 では、彼女が話したエピソードがそのまま目次となっていますので、説明と共に挙げましょう。 ロビイ:ロボットが家庭に浸透する初期の頃の話 堂々めぐり:ロボットのお陰で太陽系開発が飛躍的に進んだ時の話1 われ思う、ゆえに:優秀すぎるがために独自のロジックを築き上げてしまったロボットの話 野うさぎを追って:ロボットのお陰で太陽系開発が飛躍的に進んだ時の話2 うそつき:テレパシーが出来るロボットの話 迷子のロボット:三原則の第一条を意図的に弱めたために問題が起きた話 逃避:ワープが完成した時のトラブルの話 証拠:ロボットに疑われた政治家の話 災厄のとき:人間世界がコンピューターによって統治される話 まさに、ロボットが生まれてから進化し完全に普及するまでをカバーしています。それもこれもロボットの開発社であるUSロボット社の研究所に勤めていたからという設定あってこそのものでしょう。 ロジックゲーム さて、そんな本書ですが、セピア色の雰囲気とは別に内容はというと「ロボット三原則」を前提とした完全なロジックゲームとなっています。 人間がある信念を前提に様々な一見矛盾したような行動をとるのと同じように、ロボットもこの三原則を信念として行動します。 もちろん通常でしたら問題なく動くのでしょうが、これもまた人間と同じように緊急事態になるとこの三原則と一見矛盾したような行動をとることがあります。 そんなときに呼ばれるのが彼女。ロボット心理学者なのです。まさに人間と同じように心理学者に寄って分析され、行動が解明されていく。 先に挙げたエピソードはすべてそういった緊急事態に起きた出来事です。 その中でロボットたちは、なぜか命令を聞かなかったり、人間に敵対しているかのような行動を取ったりします。 その原因を究明し、解決策を講じていく。あくまでもロジカルにです。 本書は子のロジックを解こうとすれば頭の運動としても楽しめるでしょう。 われ思う、ゆえに 本書で印象的だった章は2つです。 優秀すぎるがために独自のロジックを築き上げてしまったロボットの話である「われ思う、ゆえに」と人間世界がコンピューターによって統治される話である「災厄のとき」の2つです。 前者については、閉鎖空間において自分より劣った存在である人間の存在を考えた結果、独自の神を作り出してしまったという話なのですが、これは「閉鎖空間において」という点が印象的でした。 神を作りだすというのは極端ですが、閉鎖空間に置いては人間社会も同じようなものだと思うからです。例えば家族、学校、社内、地域、国家などなど年を取り他の共同体の経験を得ていけば自分が属する共同体のロジックがローカルなものであることは誰しもが理解できることでしょうが、まだ経験が少ない子どもは自分が属する共同体のロジックが全てであると考えてしまうことがあるでしょう。 また、大人でも海外に出たことのない僕の様な人間は、無意識のうちに自分の属する日本という国のロジックが当たり前だと思っているはずです。 この話をウェーバーのいう理念型(あるロジックの究極型)として考えれば、僕もこの「われ思う、ゆえに」のロボットと同じようなものなのかもしれません。 災厄のとき もう一つ印象的だった話である「災厄のとき」ですが、これは当時の大統領がコンピューターによって完璧に管理されている筈だった公共の仕事が少しずつ少しずつ狂っていることを発見し、それが将来の異変の兆候ではないかと解決に乗り出す話です。 大統領はコンピューターのどこかが狂い始めていると言うように推測していたのですが、実はおかしいのは人間の方で…というオチです。 この話の何が印象的だったかというと、コンピューターによる管理の方が適切かもしれないという主張だからです。 実はこれには僕も同意見で、思いやりとか常識とかそういった共通の認識を持つことが難しい国際社会においては利益・不利益とロジック、そして宗教が相互理解のツールです。 しかし、部分最適と全体最適の話を考えると、利益に直接関与しない第三者の厳密なロジックによって人類の最大幸福が求められるべきだと思います。 そこで、ロボット三原則の「第一条 ロボットは人間に危害を加えてはいけない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。」があれば、全体のために個人を犠牲にするという行為が最小限に留められるだろうと考えるからです。 まあ結果的に人類全体が出来る限りで最高に幸福な状況になることが証明されたとしても、人間的でないとか言って大反対が起きるでしょうし、コンピューターウイルス対策などそれ以外のセキュリティ面でも懸念は残るでしょうから実現はあり得ないと思いますが。 最後に 最後に、本書はSFの名作ですが、名作だからと言って肩ひじ張って読む必要は全くなくて、単純にミステリーとしても人間ドラマとしても楽しめる良作だと思いますので、是非ご一読をお勧めします。 それと余談ですが、あとがきの本作の誕生譚も面白いのでそこから読むのもアリかもです。
0投稿日: 2012.02.11
