
総合評価
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powered by ブクログ歴史ファンムックのような小説 関ヶ原以降の左近の活躍が見れるのはここだけ 噂に高い隆慶一郎 楽しい話を描く
0投稿日: 2025.08.23
powered by ブクログ家康は影武者だったという書きっぷりが素晴らしい。島左近も生きていた。どこまでが史実かというのはどうでもよくなった。それほど面白い。抜群に。読んでいて、世良田二郎三郎がどんどん成長していく過程(というか本領発揮)が楽しみになってきた。彼が六郎と会って懐柔するくだりは笑える。あと2巻もある。まだまだ楽しめそう。 ところで、武将たちのセリフはとても短いが、それでいて相手の真意を深く読んでいる。腹の探り合い。瞬時の決断。これができないと生き残れない。位が上がるほどこれが顕著である。歴史小説の醍醐味の一つではある。
0投稿日: 2025.06.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
●影武者 テレビドラマを見たことがあり、面白かったので、読んでみた。徳川家康が影武者だったらという仮定ですべての物語が進んでいく。それが、矛盾のないように書かれており、本当なのではないかと思ってしまう。 バラしてもいいのか、と脅そうとするが、逆にバラしたら大変だぞという逆の脅しの構図が傑作である。都市伝説を、そのまま物語にしてみたというふうに感じるが、想像力を掻き立てられ、興味深い。 歴史物語としても、しっかりと作られており、それによってさらに物語に厚みが出て、面白くなっている。「貧が裕になると弱くなる」一番響いた言葉である。
0投稿日: 2024.08.27
powered by ブクログ家康yearにふさわしい 関ヶ原で替玉家康になった二郎三郎の話なんだけど妙に説得力があって面白かった。 ほとんど忍者小説な気もする。そして秀忠が嫌な奴すぎる。その秀忠の先手をいく二郎三郎が痛快。
0投稿日: 2023.11.28
powered by ブクログ面白い! 厚い本なのに引き込まれてどんどん読めました。現代での例えがあったり、著者の考えが書かれていたり人物に感情移入しやすくて読みやすかった。中巻、下巻も楽しみです。
1投稿日: 2023.01.27
powered by ブクログ関ヶ原から、征夷大将軍拝命まで。 今もって私にとって、隆慶一郎を超える小説家はいない。 史実をもとに、新たな解釈を加え、圧倒的な筆致でぐいぐい迫る。 他の作家の、似たような小説もいくつか読んだが、いかんせん物足りないのだ。 何度読み直したかわからない。 分量といい、完結したことも含めて、代表作の筆頭にあげて良いと思う。
0投稿日: 2022.07.22
powered by ブクログ歴史小説は気になるけど、難しそうというイメージがありなかなか読めずにいましたが、満を持して読んだのがこの作品で良かったです。
0投稿日: 2022.07.09
powered by ブクログもし家康が関ケ原の緒戦に暗殺されていたら? タイトルを受けた設定かと思って読み始めたが、途中から史料を引用して著者の考察を示す書きぶりに、単なる時代小説ではない雰囲気を感じた。二郎三郎が「道々の者」として一向一揆に従軍した回想も面白かった。上巻を読むと、織田信長も徳川秀忠も悪人に見えてくる。徳川家存続のため、家康の影武者であることをひた隠しにしなければならない立場を生かした二郎三郎の生き残り戦略が、だんだんはまっていく様が痛快!
1投稿日: 2021.11.26
powered by ブクログ関ヶ原の合戦にて、忍によって暗殺されてしまった家康、家康の死が広まると軍全体の指揮が下がり戦の勝敗に影響する。 徳川陣営は苦肉の策として影武者・世良田二郎三郎を"家康"として扱うことに決める…(ここまで書くと三谷幸喜さん脚本ならコメディでもいけるかもと思いたくなるような内容ですが) この二郎三郎、ただの影武者では無かった…家康の兵法、思考法を身につけたとてつもない兵(つわもの)だった… 戦況の先をよみ武将達の更に上をゆく姿に血が湧きました。 この男は何者か?という二郎三郎の放浪時代の振り返り(色々普通じゃない事件を起こしてる)つつ、家康として生きることになってからの数々の危機を掻い潜る様が描かれる。 また"本物の家康を討ち取った忍"の六郎のパートも面白い。忍者の闘い方が描かれて最後まで飽きさせない。 全くのフィクションかと思いきや、不可解な史実につなげてくるあたりが素晴らしくワクワクさせてくれる。 物語は二郎三郎たい本物の家康の実子・秀忠との攻防へ 話を進める上で別の目的があるのかわからないけど、「え、それで斬っちゃうのならこれまでの作戦なんだったの!?」みたいなツッコミどころもあった。この先の展開でその理由がわかるのかどうかも楽しみ。 久しぶりの時代モノで、かなり家臣の名前や地名が馴染まず苦労しましたが、だいたいキャラ立ちしてるヤツを追ってけばなんとか読めるようになってきます。
14投稿日: 2021.05.31
powered by ブクログ2021年5月23日読了。 関ケ原の戦い直前、甲斐の忍び六郎の手により徳川家康が殺される。 天下分け目の戦い直前とあって、家康の死は伏され、影武者の世良田二郎三郎が家康となって、合戦を指揮し、史実通り勝つ。 まったくのフィクションかと思っていたら、作者は史実文書を文献として適所に参考として紹介し、影武者説が全くのフィクションではないことを示す。 上巻は関ケ原の合戦から家康征夷大将軍就任まで。 史実に沿って、影武者二郎三郎と秀忠、忍びのもの、大奥、西軍家臣が紡いでいく。
0投稿日: 2021.05.23
powered by ブクログここ1年で読んだ本の中で一番良かった。感動して、余韻がジンジンと響いている。 本書は、徳川家康の影武者を務めた次郎三郎が主人公の歴史小説である。影武者は本人に似せるべく、何年も本人と一緒に暮らし、外見だけでなく、話し方、声、考え方、筆跡まで本人になり切れるよう訓練するのだ。 関ヶ原の戦いで不運にも戦死してしまった家康に替わり、影武者の次郎三郎が本人に成りすまして世の中を治めていく。家康の実子で親孝行を演じる秀忠との裏の戦いが十年以上も続く。早く将軍の地位を得たい秀忠にとって、大阪城に居る秀吉の息子の秀頼とその母淀君も邪魔な存在である。次郎三郎は、箱根山を根拠とする風魔という忍者一族、関ヶ原で敵方のブレーンを務めた島左近、左近に雇われる忍者の六郎、家康の側室の梶の方とともに、秀忠と戦う。が、こう書くほど単純な展開ではない。著者の隆氏は徹底的に文献を調べ上げており、とにかく有無を言わせぬリアリティで迫力がすごい。 私の稚拙な書評では本書の魅力は全く伝えきれず歯がゆい。冒頭から引き込まれ、駆け引きに緊張しながら読み進める過程は興奮の連続であった。最後は感極まって泣けて仕方なかった。 司馬遼太郎氏の「関ヶ原」も忘れることが出来ない名著である。本書はその関ヶ原の戦い以降、徳川家による江戸時代がどう始まったか、という部分である。 こういう本を書ける人がいたことがありがたい。未読の人には、是非勧めたい歴史小説である。
2投稿日: 2021.04.11
powered by ブクログ読んだのは漫画が先だった。その後、本書を手に取って読み始めましたが、睡眠時間を削って読み進めてました。天下人を演じ続ける羽目になった二郎三郎。影武者としての究極の務めを果たすうちに、いつしか本物の天下人となりつつも、最後のその時まで二郎三郎だった。もしこれが史実であれば、家康人気は今の比ではないだろうね。 流石です、隆慶一郎氏。
3投稿日: 2021.03.24
powered by ブクログ上中下巻の上巻をやっと読了。ページ数640。家康が実は殺され、影武者が家康を取り巻く武士達の権力抗争を逆手に取って、自らの体制を固めていく。そこに本来なら敵の武将島左近が絡んだりと引き込まれる筋書たが、なにせ登場人物が多く、また、半端ないページ数。緻密な歴史考証にも感嘆するが、残り二巻を読みきれるか不安。
0投稿日: 2021.01.18
powered by ブクログ江戸幕府を開いた徳川家康は、実は影武者であり、本物の家康は関ヶ原で殺されたのではないか。こんな大胆な発想から歴史を紐解いた意欲的な作品。読んでいくと「なるほど。こういう解釈もできるか」と思ってしまう場面が多々ある。総ページ数は約1600ページに渡る長編歴史エンタメ。本書はその上巻。関ヶ原合戦から徳川家康の征夷大将軍任命までを描く。 内容は非常に興味深く面白いのだが、歴史ものであるがゆえに登場人物が多く、話題も数年の時を行ったり来たりするので、ある程度の予備知識は必要かもしれない。それだけに読むには体力がいる作品。ただ、それぞれの人物の思惑や考え方、駆け引きなどは読んでいて引き込まれるものがある。
0投稿日: 2021.01.11
powered by ブクログ読み返したいと思う本って、今まであんまりなかったけど。これはまたいつか読む!と思うぐらい面白かった。
2投稿日: 2019.06.09
powered by ブクログ<上中下3巻を通してのレビュー> 家康の意思を継ぎ、そして自分の目指すものを打ち立てるために、島左近を軍師に風魔一族との連携プレーで対:秀忠/裏柳生との権力闘争。その中で次郎三郎が目指したものは何だったのか。15年間もの間、家康として颯爽と生き抜いた影武者の苦闘を描く。 関が原の合戦中に東軍の総大将、徳川家康が暗殺され、かねてより家康の影武者だった世良田次郎三郎が代わりに指揮をとる。 が、この影武者が只者ではない「いくさ人」であり、見事に関が原の戦いを勝利に導き、その後の徳川政権樹立のために並外れた知力を発揮する。 細かな複線がはりめぐらせており、「ありうるかも・・・」と思わせ、ワクワクさせてくれる歴史小説。 忍同士の凄惨な陰の戦いにおいても、その他の登場人物設定においても無理がない作品。 久しぶりにワクワクしながら堪能した1作です。
1投稿日: 2019.03.29
powered by ブクログ徳川家康が関ヶ原の緒戦で暗殺され、影武者が家康に成り代わって軍を率い、ついに泰平の世を実現してしまう、という設定の時代小説。 影武者である世良田二郎三郎が家康の死をほぼ誰にも知らせずに関ケ原を戦い抜いた(戦い抜けた)理由と根拠、その後も家康本人として振る舞っていかざるを得なかった理由、家康の周りの人物たちがその事実を知ってもなお世良田二郎三郎を家康として扱い続けた理由、そのどれもがちゃんと現実味をもって描かれているため、史実でも実はこのタイミングで家康と影武者とが入れ替わっているのではないか?と疑ってしまうほど、よくできた作品。作者の文献調査が綿密にされているからこそ、このストーリーに説得力が増しているのだと感じられる。 ついでながら、側室との閨事(セックス事情)についてもうまく創作をしている。女性たちの心理を細やかに描くことで、家康ではない影武者を受け入れてセックスをするという、普通では土台無理だと思われることをそれなりに納得できる形に仕立てている。これもまた、小説家としての著者の空想力とそれを文字に起こす技量によるものである。 上巻は関ヶ原から家康(影武者)が征夷大将軍になるまで。上・中・下巻合わせて1,600ページ近くの大著だが、読むのがやめられないぐらい面白い。 歴史小説が好きなら、ぜひ手に取ってみることをお勧めする。
2投稿日: 2019.03.22
powered by ブクログ面白い。 設定が良い。本当にあったんじゃないかと思ってしまう。影武者の次郎三郎、忍びの六郎が魅力的。 忍びの場面が素晴らしい。 時代劇ドラマで観たい。
1投稿日: 2019.02.03
powered by ブクログ★影武者二郎三郎は「道々の者」である。誰とでも飾らずにオープンに話すことができる。それでいて大胆な知略家である。 ★島左近も甲斐の六郎も、男たちが爽やかでカッコいい。
1投稿日: 2019.01.13
powered by ブクログ私に歴史小説の面白さを教えてくれた本です。 タイトルの通り、家康の影武者が主人公です。 本物の家康は冒頭でいきなり死んでしまい、家康として生きることになった影武者が大活躍する話です。 どちらかというとトンデモ本の類かもしれませんが、登場人物がとにかく皆格好いい。 上中下3冊と決して短くはありませんが、ページをめくる手が止まらなくなります。 歴史を知らない人でも絶対楽しめるオススメ本です。(hiroyukiさん)
3投稿日: 2018.04.27
powered by ブクログうーん、凄い。唸らされる名作でした。 「実は、関が原の戦いで家康は殺されていて、そこから先の家康は影武者が成り代わっていた」という、(トンデモ)設定。それを、これでもかとリアルっぽさを出して見事に納得させる描き方をしているのは、著者の文献に当たる苦労と構成力が花開いたもの。 かつ、登場人物も展開も意表をつくもので面白く、加えて、自分自身の行動様式を何とはなしに振り返させられる(特に対秀忠のくだり/こういう要素、意外と大事だと思うのです)というプラスアルファもあり、自分が読んでいなかった名作がまだある喜びと、早く読んでおきたかった悔恨がないまぜになりました。 時の権力者、もし影武者が成り代わるとなったとしたら…という仮定が綿密にストーリーに盛り込まれ、かつそれを史実とも織り交ぜることで「史実でも家康は影武者だったのでは…?」と読者を錯覚させる筆力。 それだけではなく、駆け引きや戦いの先の先まで読む力や、時折登場人物が魅せる義侠心。読んでいてとにかくグッと来るというか、ため息が出る素晴らしさでした。 上中下巻の超大作ですが、読む価値は間違いなくあると思います。
3投稿日: 2018.01.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
評価は5. 内容(BOOKデーターベース) 慶長五年関ヶ原。家康は島左近配下の武田忍びに暗殺された!家康の死が洩れると士気に影響する。このいくさに敗れては徳川家による天下統一もない。徳川陣営は苦肉の策として、影武者・世良田二郎三郎を家康に仕立てた。しかし、この影武者、只者ではなかった。かつて一向一揆で信長を射った「いくさ人」であり、十年の影武者生活で家康の兵法や思考法まで身につけていたのだ…。
1投稿日: 2017.12.08
powered by ブクログ前半は時代考証等が多く、なかなか読み進めなかったが、後半は一気に加速! 読みごたえが凄い! 中巻が楽しみ!
0投稿日: 2017.10.15
powered by ブクログ著者の名前とこの本の噂は、発表当時から聞いていた。 面白いとは聞いていたが、文句なしに面白い。 先の展開がまったく読めない。 こういう本は久しぶりだ。
1投稿日: 2017.09.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
関ケ原合戦で家康は暗殺された。跡を継ぐのは影武者。 荒唐無稽とも思える題材を見事に料理し、手に汗握る権謀術数の限り、血沸き肉踊る忍び合戦など歴史小説の醍醐味を存分に味わわせてくれる。 特に、「お梶の方」「おふう」等女性陣も素敵な描かれ方をしている。また、所々にある文献引用が、フィクションなのに、さも史実であるかのように見せるのも巧み。 中・下巻が楽しみ。
1投稿日: 2017.01.14
powered by ブクログ正直、家康の正史をまともに読んだことが無いんで、入り口間違えちゃった感はありつつ。でも、家康を影武者扱いしていること以外、概ね史実に則った物語ぽいし、そういう設定にすることで良い具合に緊張感も生まれているから、楽しく読み進めることが出来ます。考え始めたらキリがないけど、写真も無くて本人確認の仕様もない時代、入れ替わりなんて結構出来ちゃいそうですよね。いかにバレないようにするかとか、戦略とは違ったところで知恵をめぐらさないといけなかったり、そういう面白さもあって、ここからの展開も興味深いです。
1投稿日: 2016.08.29
powered by ブクログ読んでから原哲夫先生の漫画の原作になった本かと気付く。もちろん面白く、原作が読めて嬉しい気持ちも。 読了。レビューは最終巻で。
0投稿日: 2016.02.08影武者の人物像に興味を覚える
数年前に地上波テレビでお正月に放映していた時代劇ドラマの原作本と知って購入しました。全三巻と、ボリュームがあり、全て読了できるか不安でしたが大変内容が面白く、意外な記述などもあってか、すらすらと上巻を読み終えることが出来ました。 お話は慶長五年の関ヶ原の戦で、何と本陣の徳川家康が石田三成方重鎮、島左近勝猛が放った刺客、甲斐の六郎に殺されるという、大変ショッキングなところから始まっています。戦場では家康に影の如く寄り添うような影武者がいたとは驚きです。彼の名は世良田二郎三郎元信。この戦の最中での突然の惨事にも関わらず、この影武者が采配を取って東軍を勝利に導くとはそれなりの御仁だということが後々分かってきます。 作者は影武者が存在していたのではないかという根拠を2点挙げていますので、満更の思い付きで本作を書いたのではないと知り、益々興味が湧きました。本多平八郎忠勝や井伊直政ら側近の下した判断は徳川家を守らんが為の苦渋の選択だったことが感じ取れます。後の二代将軍徳川秀忠。彼の政権時代が非常に短くまた、関ヶ原遅参の咎を受けていない点は私も以前から疑問があって、本作では大変楽しく勉強させて頂きました。
1投稿日: 2015.10.31
powered by ブクログ物語は関ヶ原の戦いの真っ最中から始まり、関ヶ原の戦いの主役とも言える「徳川家康」が、石田三成の第一の家臣である、島左近が放った忍者により暗殺されてしまうところから始まります。 大坂夏の陣が終わってから死亡したとされる家康がそれ以前に死んでいたのでは、という仮説が多くある中で、この本では、関ヶ原の戦いの最中に死んだという設定になっています。 家康が殺された後、それまで影武者であった、この本の主人公である「世良田次郎三郎元信」が活躍するというストーリーです。 秀忠は関ヶ原の戦いに遅れてきたというイメージしかありませんでしたが、この本では、秀忠もいい味を出しています。こういう歴史小説も楽しいですね。また、歴史では関ヶ原の戦いで死亡したことになっている、島左近が生きているのも面白い設定です。 また、この本は小説の形をとりながら、当時の歴史の解説を随所にしてくれている点が嬉しいです。長年、関ヶ原の戦後に、なぜ豊臣家の領地が65万石にまで減ってしまったか(p310)が分かり嬉しかったです。 以下は気になったポイントです。 ・年齢の差があると、つまり老人の男性から見ると、同じ悪女が「可愛い悪女」に変わる。女性が変わるではなく、そうした性のすべてを見抜いた老人の目には、それが可愛く見える(p107) ・関ヶ原に進撃を開始する以前の手紙は93通、9月1日から岐阜赤坂に到着するまでは34通、関ヶ原から大阪城到着は16通、さらにこの時期の手紙は感情を押し殺した形式的なもの(p117) ・無縁寺とは、現代風にいえば一種の治外法権、どんな大罪を犯した者も俗世間との縁を切られ、世間の法や復讐を免れることができる(p121) ・中世から関ヶ原の戦いのころまで、農民の国主・大名に対する最も有力な抵抗手段は、逃散(土地を捨てる)であった(p127) ・長嶋の戦い(第一戦)は織田軍団の惨敗、このとき氏家卜全は死亡、柴田勝家も手傷を負った。信長の怒りは恐怖に変わり、一向一揆は根絶やしにするしかないと考えるようになった(p169) ・もし家康が関ヶ原合戦に生き延びていたら、あるいは二代将軍秀忠は存在しなかったかもしれない。秀忠に対する家康の失望と怒りは容易にわかる(p231) ・イエズス会の宣教師による貿易は、日本人男女の奴隷の売買も入っていて、日本の植民地化を狙っていたといわれても仕方ない部分がある(p258) ・家康は、左右大臣や関白では天皇を中心とする貴族政権に権力はもてても、武家階級を統率する権限を持たないことを知っていた。征夷大将軍として武家の棟梁となり、天皇から政権を委任される形をとるのが一番よい(p268) ・西軍に属した武将は88人が改易(領地没収)で総額は416万石、5人の厳封分を合わせると、632万石で全国の34%に相当する(p307) ・移動となった武将のあとには徳川一門や譜代大名が引き継いでいる、68家でこれに1万石以下の旗本を入れると260万石超、直轄地は250から400万石(p308) ・豊臣家は膨大な領地を所有していたが、代官を派遣せずに、各地の大名に預けて領民支配と年貢徴収を行っていた。その大名が潰されると、豊臣家の土地がなくなった。そのため200万石と言われた領地は65万石となった(p310) ・東洋航路は長い間、スペインとポルトガルに独占されていた。スペインの無敵艦隊が制圧していたので。オランダとイギリスが東洋に乗り出せるのは、1588年に勝利してから。それでもまだ戦争は続いていた(p356) ・1600年ころのユリウス暦は、現在のグレゴリオ暦と比較して10日遅い(p357) ・オランダは、シベリア北海岸を伝って東洋の海上に出る航路(北東航路)を、イギリスは北極圏からアメリカ大陸の北を巡る北西航路の探検をしていた(p379) ・筒井順慶は日和見主義者の代表のように言われるが、本当は、光秀側の情報情報をいち早く掴んだから。(p457) ・男は途方もない夢を見るから不完全、女は現実的な可能な夢しかみないから完全と言われる(p479) ・家康は、足利義満以来、将軍兼職の伝統を持つ、源治長者、淳和・奨学両院別当への補任、牛車・兵仗の許可、右大臣転任の宣旨を同時に得た(p638) 2015年6月30日作成
0投稿日: 2015.07.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
<上>1999.3.18〜4.6 読了 <中>1999.4.6〜19 読了 <下>1999.4.19〜5.5 読了
0投稿日: 2015.05.06
powered by ブクログ無念… 最後まで読み切れなかった… 決して面白くないわけではなく、これを読むための予備知識が私には残念ながら足りなかったということだろう。 だが、いつか再挑戦したい作品。 2015/04
0投稿日: 2015.04.28
powered by ブクログ高校生のときくらいに読みました。徳川家康が関ヶ原で暗殺されていた、という仮説にもとづくストーリーです。暗殺された本物の家康にかわって、影武者が関ヶ原の戦いを勝利に導き、その後も本物顔負けの立ち回りをしていくという上巻です。中巻に続きます。感想は下巻に書きます。
0投稿日: 2015.01.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「大河ドラマより面白かった」と評判だった今年の正月のテレビ東京の12時間ドラマに触発されて読んだ.12時間もぶっ続けで見ているわけに行かなかったので,飛び飛びで見たことを反省.いや,これはおもしろいわ. 家康の影武者を務める「信長を撃った男」二郎三郎,および本多正信が,関ヶ原合戦中の家康の不慮の死を隠し通し,秀忠と柳生の暗躍と対峙しつつ,世の中の平和を目指して,ついには征夷大将軍となるまでが上巻.
0投稿日: 2014.11.09
powered by ブクログ隆作品を読み始めるならこの本からが入りやすい。題名の通りの話ですが、構築された世界に引きずり込まれます。人間臭さと裏の駆け引きの話がとても深く、家康嫌いにも読んでもらいたい本です。
0投稿日: 2014.09.03
powered by ブクログ歴史小説は情報量が多くて読むのに時間がかるけど、相当面白い。影武者二郎三郎が征夷大将軍になるまで。秀忠との闘いはまだまだ続く、島左近風魔小太郎らのサポートを得てどうなる二郎三郎。中巻へ続く。
0投稿日: 2014.07.13
powered by ブクログぞくぞくする内容だった。文句なく星五つ。 物語は関ヶ原の戦いで三成配下の島左近の忍び六郎が、見事家康を打ち倒すところから始まる。徳川家康の影武者、二郎三郎の活躍によって戦いは勝利するが、徳川家(の一部)は大混乱に。それ以後はなんと、家康の子、秀忠対二郎三郎と彼を守るかつての敵、島左近らの政治闘争に・・・。 豊臣秀頼を守りたいがための三成の戦いは、島左近と二郎座ブロウに引き継がれた形で物語は進む。三成が捕まり家康と対面する場面は、いままでの(私の)三成像を塗り替える、漢として武人として、シビレルほどのかっこ良さだった。 上巻では影武者の家康(二郎三郎)が征夷大将軍を朝廷から受けるまでを描く。中巻も期待できそうだ。
0投稿日: 2014.06.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何度目かの再読。 何度読んでも爽快感、熱い読後感を得られる安定本。 どのキャラクターにも魅力がある。 何度も凹まされる秀忠&柳生コンビも例外でない。 この作者の描く女性像はまさに理想中の理想。
1投稿日: 2014.06.19フィクション? or ノンフィクション?
2014年の正月にドラマ化された作品。 緻密で論理的な時代考証に圧倒されっぱなしで、「実はそうだったのかも・・・」「言われてみれば・・・」と思い始めたら、覚えていた史実が置き換わるような錯覚すら覚えます。 上巻は影武者や周辺人物の過去の物語が大半なこと、登場人物の多さと展開にややこしさを覚えることなどで少々難しく思えますが、その分読み応えは十分あります。
1投稿日: 2014.02.08
powered by ブクログすごい解釈ですわ なかなか興味そそられます 徳川家康が関が原の戦いから どうなっていったのか この歴史的背景も細かく描かれていて わかりやすい描写ながらも わたしにとっては難しい(笑)
0投稿日: 2014.01.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
これって勿論フィクションですよね? もしかして本当に影武者だったのかも… と思わせるほどのリアルさです。 面白いのだけれど、なかなか進まないページ。人名、地名、歴史検証など、漢字や字数が多いです。それでも読ませてしまうとは、評判通りの面白さ。人物も魅力的でワクワクします。影武者家康と秀忠の闘い、続きが楽しみです。
1投稿日: 2014.01.03
powered by ブクログ関ヶ原の闘いの序盤、徳川家康が武田の忍びに暗殺される。家康に代わり采配を揮った影武者・世良田二郎三郎は闘いに勝利を収めるが… 家康は影武者だったという奇抜な発想を上手く史実の中で生かしながら、数奇な運命に翻弄されつつ逞しく生きる世良田二郎三郎が非常に魅力的に映る。武田忍、柳生、風魔忍の闘いも面白い。
2投稿日: 2013.12.22代表作
隆慶一郎の代表作と言えば「一夢庵風流記」とこの作品で原哲夫によりコミカライズもされています。関ヶ原で徳川家康が暗殺されたという設定の元に家康とその仲間(島左近、甲斐の六郎など)と徳川秀忠一派との暗闘を描いています。が、読み味が実にさわやかなので陰惨な感じはせず、読後感が良いのがこの作者の特徴でしょう。 隆慶一郎の作品はどれを読んでも外れがありません。
5投稿日: 2013.09.24
powered by ブクログ徳川家康が実は関ヶ原の戦で、島左近(豊臣方)配下の武田忍びに暗殺されていた! この死が漏れる事は東軍の士気低下に繋がり、即ち徳川家による天下統一もない。徳川陣営は苦肉の策として影武者・世良田二郎三郎を家康に仕立てた… 元の筋が分からないと人間関係が複雑ですぐに置いてけぼりにされます。 でも、戦国武将や武田、伊賀甲賀などの忍び集団、柳生一族の駆け引きが面白く目が離せません
0投稿日: 2013.07.14
powered by ブクログ上中下読み終わりました。 非常に面白かった。 歴史的に起きた事件などがこれまでとは違う方面からみると全く印象が異なることがよくわかりました。それだけでも楽しいのですが、忍者大活躍というのもアクション映画的な面白さがあってよかったです
0投稿日: 2013.05.08
powered by ブクログ関ケ原の合戦を前にして、まさかの事件が・・・ 完全なる架空の話ではなく、丹念に史書にあたった結果の物語。 ついつい、読み進めるペースが速くなってしまった。
1投稿日: 2013.05.05
powered by ブクログ『ナウシカ読解』という本において、ナウシカとこの本が日本の戦後最大のユートピア文学だ、といったようなことを述べていたことと、信頼するブロガーが薦めていたこともあって、読んでみた。 面白いのは関ヶ原合戦が終わった後のやりとり…や、せいぜい六郎と会うまで…ぐらいで、残りは読む気が失せた。敵を似たような理由と似たような表現でとことんだらしなく描き、味方を似たような理由と似たような表現でとことん褒め称えるだけの展開が続くばかりで、失笑もの。同世代以下、最近の映画やマンガ、小説に親しむ者が読むには堪えないと思う。 けれどもそれより前の部分(それだけで十分なボリュームがある)は実に惚れ惚れする。特に二郎三郎が信長を撃たんとする一連の部分は、ノートに書き写したほど。著者の人物を造形する文筆のやり方は素晴らしい。
0投稿日: 2013.04.09
powered by ブクログ歴史に疎いため難しい・・・・・が、面白い。 はや十ウン年前、週刊少年ジャンプで連載していた漫画版が好きだったので、当時の記憶と比べながら読み進めた。 さすがの原作。漫画版とは比べものにならないほどの、ディテールの書き込み、より“史実かも?”と思わせられるようなリアリティある語り口。 さすが。 こうして原作を読んでみると、漫画版がやはり「“第一部完”という名の連載打ち切り」であったのが、勿体ない限り・・・。 さて、教科書で習った史実と、作品世界の江戸黎明期・・・この先、どう進んで、どういう決着をみるのか、下巻が楽しみ。 ★4つ、7ポイント半。 2013.04.05.了。 甲斐の六郎が、いい。
0投稿日: 2013.04.08
powered by ブクログ徹夜必須本だということで3冊まとめて、年度の初めにふさわしいがっつり読書。途切れることのない展開で、たしかにこれはやめ時が見つからない。名前のふりがながないものは不親切な気はしたが、自分で調べる楽しみといえばこれもありかも。中巻の展開が楽しみ。
0投稿日: 2013.04.08
powered by ブクログ関ヶ原の戦いにて本物の徳川家康が殺され、以後家康の影武者が家康として生きていく…というお話。 上巻は関ヶ原から征夷大将軍就任まで。 影武者家康側には人材が揃っているのに、秀忠側は本人も含めて小物ばかりで対比が面白い。 中巻、下巻まであるので楽しみ。
0投稿日: 2013.03.19
powered by ブクログ先日読んだ「家康、死す」の皆さんのレビューで知った本。 家康の影武者論ではこちらが元祖だったみたい。 で、面白かった~! 文庫本三冊の長編で、読みごたえもたっぷり。 ただ、最後は二郎三郎も老い、当たり前だけど物語の結末もわかっているだけに、中だるみというか、ちょっとストーリー展開が鈍ったな、と。 最後の最後でまた大逆転だったら(例えば秀頼さんも影武者とか・笑)びっくりだけど、そうすると奇想天外の極みになっちゃうもんね。 それにしても、秀忠と柳生がおマヌケさんでしようがない(笑)。 今度は秀忠や柳生の話も読んでみたくなりました。 あ、島左近も。 それにしても、六郎がかっこよすぎる、渋すぎる!
0投稿日: 2013.02.16
powered by ブクログ家康は関ヶ原の戦いで影武者と入れ替わっていた!! という衝撃な設定。史実をフィクションに巧みにとりこんでいて、上、中、下巻を一気に」読みくりました。 この本を読んで、家康(影武者)が大好きになりました。 影の存在の風魔一族の活躍もいい!!
0投稿日: 2013.01.15
powered by ブクログ歴史の考証についての記載も多々あり、これが本当の歴史なのではないかと感じられる 真実は藪の中という感じではあるし、明らかにならないからこそロマンがあるという事もあるので、そこはそれで良い訳だが、とにかく面白い作品
1投稿日: 2012.12.30
powered by ブクログ徳川家康は、とかく古狸とか悪いイメージだったが、少しイメージが変わりました。 とにかく面白い。ストーリーにぐんぐん引き込まれます。秀忠の後継争いと上手い具合に関連つけてます。悪者秀忠がよく描かれてる。
0投稿日: 2012.12.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
上巻は原哲夫の漫画のちょうど終わりまで。 オチをどうするかが気になって仕方ない。 今後に期待。 あと、隆慶一郎は民俗学好きなんだなーと。 道々の者と帝の関係なんかは網野善彦を思い出した。
0投稿日: 2012.10.06
powered by ブクログ最終回の“桜”のシーンを“桜”の季節に読んだのを思い出す。そのときに窓から入ってきた何とも心地よい風を覚えている。「生き抜こう」と思わされた本。
0投稿日: 2012.07.26
powered by ブクログ乗っけから家康が殺されるという大胆なオープニング。島左近は生きていたという伝説に根付いた、周到なる、ストーリー展開。今まで、読んだことがない、徳川家康がここにある。
0投稿日: 2012.07.14
powered by ブクログ詳しくは下巻に書くけど、面白かった…! もうどきどきわくわくの連続だ! 腹芸に騙し合い、謀略に権謀術数! 家康の影武者である二郎三郎が始末されないために、つまり生きながらえるために取った策はもう見事! 人間としての魅力によって仲間を増やし、夢をかなえようとしていく様がとても楽しかった。 弥八郎、島左近、六郎のキャラもいい! 歴史をしっかりと追っていて、「ほう、それは不思議」と思うところも家康が死んで影武者がとってかわっていたら、と説明されるとしっくりくる。歴史好きとしてとても有意義な読書ができた。
0投稿日: 2012.07.08
powered by ブクログ『花の慶次』の原作『一夢庵風流記』の作者として知られる隆慶一郎の最高傑作。 登場人物たちの魅力は無論、練り込まれたプロットに巻を措く能わず。
0投稿日: 2012.07.03
powered by ブクログ凄く好きなんですけど、一方で、隆慶一郎の漢の世界観に少しお腹いっぱいになっている自分にも気づかされる作品でした。
0投稿日: 2012.05.04
powered by ブクログ隆慶一郎の作品の中でもかなりの長編。でも,全然飽きることなく,時間があればエンドレスで読んでいたかった。私の中では「こうだったかも」と半分,真剣に思っちゃっている。
0投稿日: 2012.05.02
powered by ブクログ自由平和な世を願い、15年間を家康として颯爽と生き抜いた影武者の苦闘を描く渾身の時代長編。(上・中・下巻) *** ものすごく面白かった! 歴史には詳しくないけど、漠然と徳川家康ってあまり好きじゃなかったんだけど、徳川家康が好きになった。 徳川家康というよりも、二郎三郎が好きになったんだろうけど・・・(笑)
1投稿日: 2012.03.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
慶長五年関ヶ原。家康は島左近配下の武田忍びに暗殺された!家康の死が洩れると士気に影響する。このいくさに敗れては徳川家による天下統一もない。徳川陣営は苦肉の策として、影武者・世良田二郎三郎を家康に仕立てた。しかし、この影武者、只者ではなかった。かつて一向一揆で信長を射った「いくさ人」であり、十年の影武者生活で家康の兵法や思考法まで身につけていたのだ…。
0投稿日: 2011.11.29
powered by ブクログメチャクチャ面白かった! いやもう、私はすっかり「家康=影武者」説信じてしまってますもん(^_^; 事実はわからないけれど、これもありかも。・・・というか、こうだったら面白いのにな、と真面目に思ってしまう。 一人一人が渋すぎる。特に島左近。秀忠が憎らしすぎる(笑) これが地元の新聞で連載されていたとは・・・もったいないことをした。当時は中学とか高校生だった。確かにそんな感じのものが連載されていたような気がするのではあるが、ただの時代エロ小説だと思ってたので読んでなかった(^_^;)多感な年頃でしたので。 晩年の家康が過ごした地に住んでいますが、確かに強固な都市を建設しようとしていた跡があちらこちらにみられます。 隠居の地だったらここまでする必要はないはずだ、ということで小説の設定には十分納得してしまうのです。
0投稿日: 2011.11.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
あまり歴史小説は読まないですが、評判がいいので手に取りました。納得の内容。全3巻ですが、ぐいぐい読まされます。
0投稿日: 2011.10.03
powered by ブクログ発想に脱帽。そして仮にその通りだったとしても歴史に破綻はない。なにより読むのが楽しくわくわくさせられた。
0投稿日: 2011.09.26
powered by ブクログ読了後の感動は筆舌に難い。 お勝の「幸せでしたわ」の台詞に激しく同感。 魅力的な人物が多いですが、その中でも抜きん出て好きなのが秀忠。残念な意味で魅力的な秀忠に目が離せない。
0投稿日: 2011.08.21
powered by ブクログ「もしもこうだったら」という荒唐無稽な歴史モノかと思い、存在は知っていたものの何年も読まずにいたが、とんでもない誤解だった。これほど面白い歴史小説は他に知らない。
0投稿日: 2011.08.07
powered by ブクログ隆慶一郎先生の作品。 とても前の作品だけど さすが隆先生、素晴らしいです。 物語は江戸幕府を開く前の 関ヶ原の戦いから 征夷大将軍になるまでの話が上巻です。 ものすごく分厚くて読み応えはあります ただ時間がものすごくかかった… 徳川家康として生きる影武者二郎三郎の運命やいかに。。 ということで 歴史小説好きな方 ぜひお薦め!
0投稿日: 2011.06.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
あああ。 つい1冊ずつ読みながらレビューを書こうと思ったのに、一気に読みきってしまった。 タイトルの通り「徳川家康と呼ばれているものが実は影武者だったら?」というお話である。完璧な出落ちなのに、上巻は影武者の闊達さに心が浮き立ち、中巻は忍びの厳しさに動揺し、下巻は夕暮れ時のような悲しさに満ちた本。 あああああ。面白かった。 久しぶりに読み終えるのが勿体ないと思った。 上中下とボリュームが大きいので、活字をよむのが苦でなければオススメ!
0投稿日: 2011.06.09
powered by ブクログ・外交、内政で執られる戦略、謀略 ・生死に絡む価値観、人間関係 この辺りに戦国時代の面白さがあると分かってきた。 トレーダーは歴史好きが多いというが、 「情勢を分析して、先を読む」 この辺りに戦国時代とトレーディングの相似性があるのだろう。
0投稿日: 2011.05.29
powered by ブクログ全3巻。 花の慶次と同じく、 昔ジャンプでやってたあれの原作。 伝奇ものが好きくないのと、 ジャンプの印象が強いのとで、 敬遠してた本作。 慶次でよい意味で想像を裏切られ、 やっとこさ読む気に。 や。 びっくりした。 びっくりした。 読み物として面白いのは想像できてたんよ。 慶次読んだから。 びっくりしたのは史実とのハマりぶり。 伝奇ものって色眼鏡でみてたけどとんでもない。 フィクションに納得させられる裏付けがある。 読み進めていくほど、 もしかしたら事実かもって思わせる。 そしてもちろん読み物としてもすばらしい。 爽やかな、漢らしい小説。 これはいい。 伝奇ものはって人も、 読んでみた方がよいと思う。 伝奇もの、時代ものじゃなく、 あえて歴史小説ってジャンル分けしたい。 自分の中では。 なにより、 単純におもしろい。
0投稿日: 2011.04.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
P24〜P25 家康の死神、甲斐の六郎は、この時、百メートルもはなれぬ近さに迫っていた。だが、家康のまわりにはきちんと折り敷いた近習の武士たちの壁がある。馬蹄にかけて蹴散らすことも出来る壁だったし、事実六郎もその手だてをとろうかと一瞬決意しかけたものだ。だが思い返して踏みとどまった。三河武士の愚直さを知っていたからである。それは東をむいていろ、と主君にいわれれば、三日でも東を向いているという恐るべき愚直さである。彼等は馬の前に立ちはだかって平然と蹴殺されるだろう。 ●兵が愚直であるのは愚かだからではない。将を信じているからだ。将の判断の正しさを、兵卒は疑ってはならないことを知っているからだ。かつての仲間の姿を彷彿とさせるシーンだ。 P107 ある意味では、お梶の方はいやな女だ。 抽象的にものごとを考えるというのは理が勝っているしるしであり、理の勝っている女性は、一般的にいって独善的であり利己的である。そして奇妙なことに非常に感情的である。自分の感情には極めて忠実で、それに理の裏うちをし、絶対的に正しいと思いこむやりきれなさがある。本来、理屈というものはどうにでもつくものだということを、この種の女性は知らないか、或は知っていても知らないふりをする。同年代の男性にとって、この手の女性は、男を疲れさせ、時に破滅させる、悪女になる。だが年齢の差があると、つまり老人の男性から見ると、同じ悪女が『可愛い悪女』に変る。女性の方が変るのではなく、そうした性のすべてを見抜いた老人の目には、それがそのまま可愛くて仕様がなくなるのである。やんちゃな孫が可愛いというのと同質の感情といえようか。家康とお梶の方との年齢には、三十六歳の開きがある。この辺に、お梶の方を寵愛第一とした理由が求められるように思われる。 P295〜P296 憔悴しきっているが、ひどく静かな顔だった。左近はこんな表情の三成を、久しく見たことがない。いつもいらだっている主君だった。特に近年はそうだった。義が省みられず、欲がすべてを蔽ってゆく世の成り行きに、たった一人さからっている。そのために生ずるいらだちだった。左近はよく云ったものである。 「人の世は、義だけで動くものではございません。少しお心を寛くお持ち下さい」 「そんなことは百も承知だ」 ますますいらだって三成が応える。 「義などといえば人は小馬鹿にしたような顔をする。大人げないことを云う、というような顔をな。だがそんな時代だからこそ余計、義について申すべきではないか。己れ一人だけでも、滑稽と見られることを恐れず、義を主張すべきではないか。後世、ああ、あの時代にもこんな男がいたか、と人が感じれくれれば、わしの思いは達する」 そんな主従のやりとりが、今、左近の脳裏を走馬灯のようにかけめぐっている。 ●正しい行いを成すことの憧れはいつも胸の中にある。現実にそうなれないことの苛立ちもまたあると思う。三成のように志しがあればあるいは正しく生きられるのだろうか。 P556〜P557 二郎三郎は左近の顔を見て瞠目した。家康の影武者として常時身近に仕えていたから、左近の顔は何度か見たことがあった。 「生きていられたか」 思わずその言葉が口をついて出た。 「生き恥をさらして居り申す」 真実羞かしそうに左近はいった。 「そんなことがあるわけがない」 二郎三郎はほとんど叫ぶようにいった。 「御貴殿が生きていられたお蔭で、豊臣家は何年か生き延びられる筈だ。それがどうして恥になりますか」 恐ろしく直截な言葉に、左近が困惑したような表情になった。 「また、たとえそのようなことがなかったにしても、あの合戦を十分に闘って、尚且つ生き延びているとは、素晴らしいことではないか。戦国のもののふはかくあるべきではないか」 二郎三郎の言葉が熱を帯びた。そして二郎三郎の云う通りなのである。栄光に包まれた死などに一文の値打ちもありはしない。それは関わりのない他人を喜ばすだけのものだ。どんなに汚辱に満ちた生き方であろうと、まず生き延びることを、何物よりも優先させるべきである。どんな形であれ、生きてさえいれば、なにがしか出来ることがあるかもしれない。死人は何の役にも立ちはしない。 ●断定はできない意見だ。死人が生者の支えになることは起こり得る。いずれ死にゆく身なれば、いかに死ぬべきかをおろそかにしてはいけない。ただし、死は己れのためでも関わりのない他人のためでもなく、大切な人のためであるべきだ。 ☆きっかけは八方美人な書評 読了日:2011/01/22
0投稿日: 2011.01.20
powered by ブクログ同じ作者の“吉原御免状”を読み終わったら、これも押さえておきたい、何しろ面白いから。道々の輩が、家康の影武者となり、そして本人の死によって家康と入れ替わる。そんな奇想天外な話をするっと納得させて読ませてしまう。う〜ん、うまいね。甲斐の六郎、島左近、風魔小太郎、徳川秀忠、柳生宗矩と味方、敵とも登場人物が魅力的。上・中・下巻と分量は多いですが、楽しく読めます。
0投稿日: 2011.01.20
powered by ブクログ厚めの本ではあるけど、グイグイ引きつけられて読んでいる。 家康が影武者と入れ替わっていたというのは、突拍子もないフィクションじゃないからまた面白い。 この後も楽しみ。
0投稿日: 2010.12.19
powered by ブクログこの徳川家康死亡説はなかなか面白い! 上までがだいたい、漫画と同じくらいまでなのかな?ここから島左近の活躍が増すのだろうか・・・?これが、吉原御免状にもつながっていくのが非常に楽しみ。
0投稿日: 2010.12.17
powered by ブクログ痛快で最高に面白かった。家康関が原死亡説がなかなかもっともらしい。上中下と三巻ある長さが全く苦にならない。基本ひたすら痛快なんだけど、途中年齢について言及するところなど、一抹の哀しさもある。味わい深い。
0投稿日: 2010.11.05
powered by ブクログ何はさておき捕縛~最期に至るまでの石田三成に痺れた一冊。左近が輝いていた一冊。主役は家康(影武者)だというのに、西軍の二人の描写がすさまじく良かった。 中・後編が楽しみで仕方がない、
0投稿日: 2010.11.03
powered by ブクログ関ヶ原で暗殺された家康に代わり、影武者が指揮を取っていくお話。 やたらと分厚い分内容もかなり濃く、ひとつの事柄に関して更に広がっていくのでもう何がなにやら(笑) それでも読み始めると止まらないのが不思議。
0投稿日: 2010.11.01
powered by ブクログO先輩推薦。関ヶ原の戦いで、徳川家康が石田三成配下の武田の忍者に暗殺されるシーンからスタート。しかし、徳川家康の影武者がそのまま家康に成り代わり采配をふるい、徳川幕府を盤石なものとしていく物語。事実かどうかはともかく、小説として面白い。時代考証、当時の社会情勢など、緻密な取材に裏付けられたエンターテイメント。当時の日本では、社会統治のために徴税や身分制度を作った武士(もののふ)と、一向一揆衆や石山本願寺信徒や堺の町民のような自由を求める人々や定住を好まない「みちみちの人」との間に社会対立があったとする記述が繰り返し出てくる。後半も楽しみ。
0投稿日: 2010.06.22
powered by ブクログ実は家康さんは関ヶ原で亡くなっていた!って設定で 影武者がなり替わってから亡くなるまで のお話 と同時に 忍者かちょよし!のお話(笑。 厚いし、長いし、キツいかな?と思いつつ読み始めまシタ。 だけど 2代目将軍『The陰険』秀忠さんVS 影武者『フリーダム』二郎三郎さん(と、その仲間達)の 駆け引きにつぐ駆け引きの連続で、飽きることはなかったデス。 いつの間にか『小説』でなく脳内で『映画化』して読み、非常に楽しめまシタ。 地の文章がたまに「小説」逸脱して作者の意見とか入ったりするのと 手に持ったときに重いのだけが難点でシタ。
0投稿日: 2010.06.09
powered by ブクログあまりにもシビアでこれを読んだ人の多くは家康は途中から影武者だったに違いない・・・と思うのでは? 影武者としての運命も波瀾万丈だったに違いない。何年も前に読んだけどもう一度読みたい一冊です。
0投稿日: 2010.01.27
powered by ブクログ文献の引用が多々あるので、フィクションとは思えないリアルさ。 上巻を読み終わった時点で、わたしの中では「今まで徳川家康だと思っていた人は偽者」だと思いこんでます(笑) 長編ですが、すらすらと読める!
0投稿日: 2009.12.10
powered by ブクログ高1の頃ほぼ初めてまともに読了した歴史小説。上・中・下3冊のボリュームはかなりのものだが、綿密に史料にあたり緻密に練り上げられたストーリーが饒舌な文章と相まって、ページ数を感じさせない。次郎三郎の運命や如何に。必読。
0投稿日: 2009.12.07
powered by ブクログおもしろかった。 いろいろな状況証拠から、本当に関ヶ原以降の家康は影武者だったんじゃないかと思えてくる。 まだ上しか読んでません。中と下、本屋で探せません。 早く探して続きが読みたい。
0投稿日: 2009.11.30
powered by ブクログ隆慶一郎さんとジェイムス・P・ホーガンは似ていると思うのです。 はじめは「んなこと、ありえない」という状況を筆致の巧みさで「いや、もしかしたらそういうこともあるかもしれない」と思わせる手腕が。 かねがね時代小説とSF小説は時間軸が異なるだけで、根底は同じなのではないかと思っていましたが、この作品はもしかしたら思いっきりSFなのかもしれません。 なにはともあれ、登場人物が生き生きと踊る楽しいお話です。
0投稿日: 2009.11.21
powered by ブクログ漫画を合わせたら何回読んだことか。。。 隆慶一郎の小説は時代背景がしっかりしながらも、斬新な切り口が魅力です。 この作品も、「家康は関ヶ原で死んでいた」と言う説に立って、非常に緻密に描かれています。 これまた、上中下巻と長編ですが、スイスイ読めます。
0投稿日: 2009.10.14
powered by ブクログ300年近くにわたる太平の世を築いた徳川家康は関ヶ原で暗殺されていた!衝撃的な仮定の基に影武者二郎三郎が本物の徳川家康に成り代わり天下を定めていく様を描いた壮大な歴史小説。 いやぁおもしろい。入れ替わってから、二郎三郎の過去を綴った記述が多くちょっと疲れてしまったが、それは後半の二郎三郎の聡明さにつながるために必要な記述だったのだ!と、思わずうなずいてしまった。 島左近、甲斐の六郎、本多弥八郎、秀忠、小太郎、お梶、もちろん二郎三郎といった登場人物が生き生きと権謀渦巻くAfter関ヶ原を活躍し、読んでて非常にわくわくする。 家康は影武者だったという大胆な仮説のように見えて、史実と照らし合わせると意外とすんなり理由付けられ、フィクションなのかノンフィクションなのか分からなくなってしまうくらいのリアリティだ。武士(もののふ)かくあるべし!
0投稿日: 2009.08.06
powered by ブクログ徳川家康好きになるキッカケを与えられた小説。 隆慶一郎先生の書く男たちは本当にほれぼれするくらいに格好いいなぁもう! 私は後年の家康は影武者だった説を支持します。
0投稿日: 2009.03.28
powered by ブクログなぜだか無性に読みたくなって購入。 隆慶一郎さんの作品は松平忠輝が一番お気に入りで、それに変更はなかったけれど、これも面白かったです。 しっかし長い。 そしてやはり秀忠はワルかった…。
0投稿日: 2009.03.25
powered by ブクログ上中下巻。まさかの面白さ♪隆慶一郎にハマったきっかけの本です。昔から忍び系は好きだったのですが、火が付きました。
0投稿日: 2009.01.26
powered by ブクログ1月8日読了。「このミステリーがすごい!」1989年の第9位の作品。関ヶ原の戦いで本物の家康は死亡しており、その後の家康は影武者たる世良田二郎三郎が務めた、という設定は今では各種マンガや小説のベースとなっているとは思うが、この小説発表当時は学説など先例があったとはいえ相当破天荒なもの、として衝撃をもって受け止められたのだと思う。いきなり関ヶ原・合戦のクライマックスから始まり、各登場人物の過去を語っていく構成や、歴史・定説に対して随時挟み込まれる筆者の見解など、単なる歴史ファンタジーものに終わらせない筆力を感じる。上中下3巻、このテンションがもつのか?先を読むのが楽しみ。
0投稿日: 2009.01.08
powered by ブクログ徳川家康は暗殺され、実は影武者だった。 それを知りつつ協力する側室達及び関ヶ原で生き残った島左近とその忍達が2代目秀忠とその側近の忍達と戦う。 奇想天外と言うほどの設定じゃないけど、キャラクター描写が秀逸なので面白い。 この人はキャラクター描写が本当にうまいね。 徳川秀忠がものすごい陰湿な悪役です。 柳生宗矩の悪役っぷりも凄いです。 原作がマンガになってます。 小説ほどじゃないけど、よくできてるので小説が読めない人はマンガでどうぞ。 『影武者徳川家康』と『SAKON-戦国風雲録-』 隆慶一郎作品は、道々の者を軸に他作品にも微妙にリンクしているので読み繋ぐと面白いです。
0投稿日: 2008.10.06
powered by ブクログ史実からの引用が多くて、そちらの本も読んでみたくなる。 そして左近が只管カッコイイ。 三成と左近の手話(?)のシーンの前後は泣ける。 今まで興味を持ってなかった徳川家にも、興味が持てた。 二代将軍秀忠のイメージが変わった(笑)
0投稿日: 2008.08.20
powered by ブクログ時代小説の中でも伝奇小説に近いような作者の大ベストセラー。道々のものについて俄然興味がわきました。そして読み始めたらやめられない・・
0投稿日: 2008.06.05
powered by ブクログフィクションだけど1つ1つの場面が実際にあった出来事のように思えるからすごい。 読んでて退屈しない場面展開の運びも良いです。
0投稿日: 2008.05.04
powered by ブクログ関ヶ原の戦いで家康は暗殺されていた!! 「我が死を隠せ――・・・」 死の間際、家康は自分に瓜二つの影武者・世良田二郎三郎に今後の天下と徳川家を託す。 家康の望み通り、徳川家康として生きる二郎三郎と、偽者である二郎三郎を葬ろうと企む家康の長男・秀忠の熾烈な戦いを描く超大作。
0投稿日: 2007.04.07
powered by ブクログ過去に読んだ作品から面白かったモノ、感動・感心したモノ、好きなモノをピックアップ!・・・と言いながら、こんな面白い本を登録し忘れていた・・・。とにかくオモロイ!
0投稿日: 2006.12.18
powered by ブクログ家康は関ヶ原で刺客に殺され、影武者が指揮を取っていた。合戦の後も影武者の次郎三郎が死ぬまで家康として生きていた、という話。大学で教鞭をとっていたこともあるようで、説明がくどい。予備知識の少ないわたしは、都合のいい証拠だけ見せてるんじゃないかと勘ぐってしまう。ノンフィクションではなくあくまで小説なのだからそれでもいいのかもしれないが、じれったくなってしまう。影武者説については著者はかなり本気なのだろう。
0投稿日: 2006.12.06
powered by ブクログ歴史小説ってぜんぜん読んだことなかったんだけど、これ読んで飛びました。おもしろすぎて目充血で徹夜で読み切りました。とまんなくなる。隆慶一郎ってすごいことかんがえる人だナ。
0投稿日: 2006.07.25
powered by ブクログ原哲夫によるコミカライズ版が「これから」というところで終わっており、その先が読みたくて原作にも手を出してみた。これは非常に面白い。史実の裏を読むリアリズムと史実に捉われないダイナミズムのバランスが絶妙。続きを読みたいです。
0投稿日: 2006.07.03
