睦月さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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虹の刺客(上) 小説・伊達騒動
森村誠一 / 講談社文庫
地獄の縁から魑魅魍魎の宴を見ることができたら、こんな感じだろうか
3
歴史に有名な「伊達騒動」を描いた長編小説です。
読み始めて数ページ目から、幕府を専横する酒井と伊達藩一族のドロドロ劇が始まっています。
若くして伊達藩藩主となった綱宗のことを本気で諫め、伊達藩の行く末…を本気で憂慮している人物がこの中にいるのだろうかと思うくらいに、ほぼ全員が私利私欲に走っています。
尤も綱宗も典型的な三代目&剛毅な性格が災いしているので、己が騒動の根本であることを自覚していたのかもアヤシイのですが・・・(苦笑)
まだ上巻なので、各の思惑などが明らかになる下巻の展開が楽しみです。 続きを読む投稿日:2015.04.18
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人生はニャンとかなる!-明日に幸福をまねく68の方法
水野敬也, 長沼直樹 / ミズノオフィス
猫好き&格言好きな方へ
3
掲載されている格言や逸話は、聞いたことがあるものから初めて聞いたものまで様々。
そんな格言書の堅苦しさを、愛らしい仕草や表情をみせる猫たちが和らげてくれています。
少し気分が下向きの時に開いてみると、…上向きになれるヒントが何気なく見つかるかもしれません。 続きを読む投稿日:2014.07.06
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風塵の剣(一)
稲葉稔 / 角川文庫
宮仕えの悲哀
3
幼いころに両親を殺され、身寄りがなく放浪する彦蔵を拾ってくれた育ての親は不慮の事故で死んでしまう。
普通なら運命を呪って自暴自棄になるか、何処かで人知れず死んでいてもおかしくないのに、そうならないのは…持ち前の純真さが己を助けているのか、若者ゆえの無鉄砲さが周りを放っておけない気分にさせるのか。もしかしたら両方なのかもしれません。
この先、「小早川」という姓が彦蔵の運命に関わってくるのか、過酷な運命ゆえに転機がどのように訪れるのか等、そっと見守りたくなりました。 続きを読む投稿日:2014.08.10
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蜩ノ記
葉室麟 / 祥伝社文庫
人の欲望という汚泥の中に咲く蓮の花
3
残された時間は三年。もし自分が同じ立場になったら、どう過ごしただろうか。
自分が死ぬ日にちまで決まっているのに、決して取り乱さず淡々とやるべきことをこなす事は出来ただろうか。
武士らしく人間らしく生き…る秋谷や、いつも真正直な源吉らに尊敬の念すら覚えました。 続きを読む投稿日:2014.08.23
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密封 奥右筆秘帳(一)
上田秀人 / 講談社文庫
魑魅魍魎
3
時は天明、第十一代将軍家斉の治世。
策略には策略で返す、明暗の駆け引きが日常な江戸城中で、権力を巡って欲望のぶつかり合う様に、いつの間にか目が離せなくなっている作品です。
立花親子と柊衛悟の信頼関係が…築かれる様子が、一服の清涼剤になっています。 続きを読む投稿日:2013.10.19
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文豪ストレイドッグス 太宰治の入社試験
朝霧カフカ, 春河35 / 角川ビーンズ文庫
こういう楽しみ方もアリ
2
コミックでは描かれていない、太宰が探偵社に入社し国木田の相棒となった頃のお話。
もしこれがコミックになっていたら…と身悶えしそうになりますが、小説は小説で想像力が脹らむので面白かったです。
謎多き探偵…社の一端が知れたようで、今後のシリーズが楽しみです。 続きを読む投稿日:2014.08.23