
総合評価
(71件)| 12 | ||
| 27 | ||
| 23 | ||
| 4 | ||
| 1 |
powered by ブクログ▼特捜部Qのシリーズ第2弾。デンマークの警察小説。第1作はオモシロかった。何といっても、これはバディものなんです。 〇デンマーク警察の腕利き現場たたき上げ中年刑事・カールさん (妻に逃げられ仕事中毒、腕っぷしが強く昔気質、、、という昔ながらの男っぽい刑事) 〇デンマーク警察に雇われている、助手(雑用係)の、アサドさん。 (アラビア系の人。デンマーク語はしゃべれるけれど、不法移民なんじゃないかという疑惑。ところどこに能力が高いが、いろいろが不明) という奇妙な男ふたり(刑事と、助手)のバディもの、というのがいちばんの魅力です。 ▼ということはこのバディがオモシロければ、ひとつひとつの事件はそれほどでもなくても愉しめてしまうわけですが、今回は個別事件としては、「変態エリートたちの長年の殺人趣味を暴く」ということになります。そして、きらり輝くのが、キミーという名の、40台?くらいかの女性です。 <悪者たち(男性たち)の昔からの被害者でもあり> <同時に共犯者として加害も繰り返してきた> という存在で、キミーは変態エリートたちがまぎれもなく殺人に何件も加担してきたということを証明できる動かぬ証拠を握っている。そして、とある理由から、変態エリートたちを皆殺しにしようとしている。 ▼よくある手法ですが、 A 主人公たちの動き B 悪者たちの動き C キミーの動き この三つが交錯して語られながら、「過去になにがあって、この人たちはこーなってるんだろうか」ということが読者に暴かれて行きます。 ▼落ちのありかたは、それほど斬新でも衝撃でもなかったんですが、結局はするすると読めてしまったのでそこはありがたく満足。 あと、物語内で変態殺人嗜好エリートたちが、映画「時計仕掛けのオレンジ」に多大な影響を受ける、ということが描かれるんですが、やっぱりあの映画はすごいインパクトがあるよなあ、とあらためて。さすがキューブリック。そして、「時計仕掛けのオレンジ」と「if…もしも」の2本でしか見たこと無いんですが、その2本で強烈な存在感を放ったマルコム・マクダウェルさんってすごかったなあ、と久々に思い出しました。
7投稿日: 2025.08.11
powered by ブクログ読んだ本 特捜部Qーキジ殺しー ユッシ・エーズラ・オールスン 20250504 「檻の中の女」の次のシリーズ。特に謎解きもなく、過去の未解決事件をきっかけに、現在進行している事件を追うってシリーズなんだけど、主人公のカールがなんともひねくれていて、ヒーロー感がなく、成り行きを眺めているだけの読書も結構面白い。 確かに映画にすると面白いのかもしれないけど、字幕でこのひねくれ感が伝わるのかちょっと疑問です。とは言え、今度観てみようかな。
0投稿日: 2025.05.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
デンマークの警察小説、特捜部Qシリーズ第二弾。 いつの間にか置かれていた資料には、数十年前に解決し、犯人も収監中の兄妹殺しのことが。調査を開始するカールとアサドだったが、捕まらなかった者たちの存在を知る。 うーん、疾走感とハラハラ感は前作の方が上か。カールたちの捜査パート、ホームレスの女性のパート、逃げ切り社会的に成功した三人のパートの視点があるが、逃げ切った三人のパートが胸糞すぎて…捜査パートも、前回ほど犯人をじわじわ追い詰めるものでもなく。 更には、ラストもそこまで爽快感のあるエンディングではないので、総じて一作目が良かったなと。次作はガラスの鍵を受賞したとのことで、楽しみにしている。
14投稿日: 2025.04.29
powered by ブクログ途中で空いた時期がありましたが、読了しました。 警察側以外の登場人物は、ほぼ胸糞悪いひとばかりで、早く捕まるか、痛い目に合わないかなぁと思いながら、読み進めていました。 しかし、キミーだけは、同情してしまう背景があり、読んでいて辛かったです。 海外ミステリのシリーズ物は大好きですが、このシリーズは一旦ここで保留にしようかなと思います。
13投稿日: 2025.02.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読んでいる間、ずっと眉間にしわを寄せていたと思う。 そのくらい嫌な事件。 最初から最後まで暴力的な、救いのない話だった。 寄宿学校時代の友人グループ。 男子5人女子1人といういびつなバランスで、学友や教師たちを性や暴力で蹂躙していく。 しかしそのバランスが崩れたとき…。 まず男同士のつながりが気持ち悪い。 深い友情とは無縁の自己中同士なのに、互いの欲望を満足させるためにつるみ、学校を卒業して20年たった今も、その容赦ない暴力への嗜好を満足するためにつるんでいる。 金持ちだから、そして暴力に関しても容赦ないから、敵はいない。 ただ一人、仲間の前から姿を消した唯一の少女・キミーを除いては。 男たちは探偵を雇ってキミーを追いかける。 キミーは見つからないように姿を隠しながら、男たちの動向を探る。 ところが、いつの間にか追う者と追われる者が逆転して、キミーが男たちを追い詰める。 キミーの抱える心の闇と、哀しい事件、喪失については同情を禁じ得ない。 けれど、たった一人の信じられる友であったティーネに対して行ったことは、許されることではない。 たとえ自分の命と、命より大切なものを守るためであったとしても。 そして、カールの絶体絶命の時にキミーが現れてすべてがひっくり返るのだけど、どうしてそううまくいくのかがちょっとわからなかった。 だって相手は武器を持っていて、だからカールは絶体絶命だったはずなのに、狩の武器を携帯している男3人に対してキミーの登場だけで逆転できるもの? 何か読み落としたかな。 特捜部Qという組織は、一名増員もしたことだし、しばらくは安泰だろうけれど、アサドの秘密が明らかにはなっていない。 カールは、別居中の妻や同居している義理の息子との関係は直接ストーリーに影響を与えないのなら、退場願っていいのでは。 無駄に煩雑。 それよりも、捜査中の大けがの後遺症で肢体不自由になった元部下をうまくストーリーに絡めて事件を解決に導いていくほうがスマート。 どうせ捜査中の大けがの真相もそのうち解明しなければならないのだから。 で、主人公のカール・マークの上司がマークス・ヤコプスンなの、混乱するって前作の感想で書いたのに、今度は同じ警察の中にマーク・ヤコプスンとは無関係のヨハン・ヤコプスンが出てくるの、やめて~。 最後にキミーについて。 彼女は誰からも本気で愛されたことがない人生だったけれども、愛することはできた。 それが唯一の救いだと思った。
0投稿日: 2024.08.27
powered by ブクログ北欧ミステリーの代表といえばスウェーデンの「ミレニアムシリーズ」とこのデンマークの「特捜部Qシリーズ。 「ミレニアム」のリスペットほどの強烈な個性ではないが、主人公カールやアサドといい、初登場のローセといい、なんだか少しマンガチックな人たちがいっしょうけんめいに奮闘するミステリードラマ。 テーマは重くテンポは軽く、シリアスとコミカルが絶妙なバランス。 うん、このシリーズ、きっとハズレは無いね。
4投稿日: 2024.07.04
powered by ブクログ不器用で親の愛に恵まれなかった少年少女たちの常識を逸脱した、ゲームのような犯罪。 ここまでに至る前に、周囲の人が気付けなかったのか。止められなかったのか。 救われないので、読んでいて苦しい。
0投稿日: 2024.03.05
powered by ブクログ『特捜部Q』シリーズ第2巻。今回は20年前に起こって既に解決してしまった事件を、再捜査する話し。 前作に比べると、少し面白味に欠ける感はありましたが、ラストは息つく暇も無い位展開で、楽しく読むことが出来ました❗ 今回から新たにローセ・クヌスンという女性アシスタントが加わり、ますます目が離せないシリーズとなっています♫秋の夜長にオススメのデンマーク産ミステリーです❗
9投稿日: 2024.01.09
powered by ブクログ未解決事件を調査するはずの特捜部Qのデスクに解決済みの兄妹惨殺事件の書類が置かれていた。犯人は自首して服役中なのだが……。カールとアサドは新メンバーローセとともに再調査を始めるが。→ シリーズ2作目。前作とは違い冒頭からわかりやすい展開。そして出てくる事件の関係者たちが全体的にクソオブクソ(お下品な言い回しで失礼します) 暴力描写がすごくて眉間の皺が濃くなりそうな感じなんだけど、特捜部Q側が逆に明るくて救われる。変人だけど仕事ができるアサドとローセ、最高→ 正直前作に比べたら物足りなさはありつつも、特捜部Qメンバー(+α)が魅力的なんで、次も読んでいく! 個人的にはマークス・ヤコプスンとカールの絡みが大好きなんで、マークスにはずーっと課長でいてほしい(笑)
2投稿日: 2023.06.23
powered by ブクログ2023.05.21 デンマークのように日本人は単純にだと思っている国にも、当たり前だが資本主義である以上、格差があり、階層があるということ。 デンマークには王室もあるのだし。
0投稿日: 2023.05.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今回も陰惨な事件でございます。 しょっぱなから誰かが必死で逃げているんですが、誰なのかわかんないんです。 でも、これが事件に関わっている事はわかっているので、どういう風に絡んでくるんだろう?と 常に頭の片隅に不穏な感覚を覚えたまま読み進んで行く事になる訳だ。 特捜部Qには、多くの未解決事件があるが、今回は、解決済みになっているはずのものを再捜査させようと誰かに誘い込まれる形で始まる。 上からの圧力もかかり、中止に追いやられるが、それがカールに火をつけた。 カールの性格、分かる分かるw 私もそういうとこあるわwww やるな!って言われるとやりたくなる。やれ!って言われるとやりたくないw カール達が追い詰めて行く対象者は、社会的地位を確率している人物達で、人々を見下し、何をしても良いと思っている、とにもかくにも嫌な奴らなのであるが、頭もいいだけに、綺麗に事後処理をしているので、証拠が足りない。 やることは山ほどあるのに、人手は足りない。 まぁ、でも、あの人がそういう事であんなことしてくれたお陰で、あの人の部隊を使えるようになるんだけれども。 いやぁ、寄宿学校って、そういう世界なんですね。まぁ、全てがそうとは言わないのは分かっているけれども、「特別階級」を重視する人々がいるのは分かってる。 今作からカールチームに加わったローセも、これまたいい味出してまして、 カール・アサド・ローセの3人のやりとりが、陰惨な事件を追いかけていく中での、ホッとできる所。 ローセのカールの人相の伝え方とか、それは笑うしかないwww カールごめん! この事件とは別件で、カール達が襲われ、アンカーが亡くなり、ハーディが寝たきりになった事件に関して、ハーディが気付いた事については、シリーズ通して謎解きをしていく形になるんだろう。今は、まだ、そちらについては問題提起されただけ。 別々と思われていた事件の共通性をみつけ、証拠固めて、追い詰めたと思ったら、 冒頭のあのシーンが やってきた。 やーん。逃げられるの!?でも、このシリーズ続いてんだから、逃げられるんだよね!?という、おおよそ物語とは関係のない理由で助かると信じながら読み進める。 これ、リアルタイムだったら(続きがまだ出てない時だったら)もっと心臓に悪かっただろうなぁと・・・。ある意味、読む時期が今で良かったなぁと思いました。小心者なんで。 結局、過去の事件で、殺害を犯したのは彼女だったわけだけれども、彼女をそうさせたのは彼らだった。とにかくとんでもない奴ら。奴らを破滅させる事が出来るのは彼女だけで、彼らはそれを恐れていた。そして・・・ いっきに過去の事件がまとめて解決しましたよね・・・ そして、この先、彼らによる事件はなくなった。それだけが救いなのかしら・・・
0投稿日: 2023.03.08
powered by ブクログ一作目ほど楽しめなかったなあ。これくらいのレベルだと、シリーズを読み続けるのは辛いが、しかし! 3作目から面白くなるとのことなので、今後に期待。
0投稿日: 2023.02.25
powered by ブクログ【全欧ベストセラー 警察小説第2弾】 北欧ミステリーの人気シリーズ、『特捜部Q』の第2弾。 今回は犯人がわかっている中、どう追い詰めて行くのかハラハラしながら読んだ。 この作品の映画は読む前に観ていたのだが、映画と原作では内容が結構違っていたので驚いた。 感想としては、事件の内容と犯人にとにかく胸糞悪くなった。 動機に共感できることが何一つなく、犯人にとって自分の周りの人間全てが狩りの獲物だということ。 そこにはただ快楽しかないのだ。 そんな人物の表の顔は有力者なのだからゾッとする。 イヤミスではあるものの、主人公カールと仲間の掛け合いとカールのツッコミが面白くいいバランスになっている。 今回から新メンバーも登場し、何ともいいキャラなので今後の活躍に注目していきたい。 人間の恐ろしさをあらためて感じる1冊だ。 こんな人におすすめ .ᐟ.ᐟ ・北欧ミステリーが好きな人 ・イヤミスが好きな人 ・海外ミステリーが好きな人 ・刑事ものが好きな人 ・倒叙ミステリーが好きな人
5投稿日: 2023.01.21
powered by ブクログ特捜部Qシリーズの第二弾、新たな個性的なメンバーも加わり、埋もれていた政財界の大物御曹司グループの凶悪犯罪事件に切り込んでいく。終わり方も見事。
0投稿日: 2022.12.10
powered by ブクログ特捜部Qシリーズ2作目。解決済みの事件の資料が、再捜査してくれといわんばかりにカールの机の上に。今回の事件もまた胸糞すぎる。言葉は悪いが、本当にクソ野郎ども!だよ。 明るみになる過去と現在が交差し、カールとアサドが真実を暴く。 その真実も結末も酷くやるせないけど、キミーは多分きっと救われたんだろう。キミーはね。
0投稿日: 2022.10.21
powered by ブクログ「ユッシ・エーズラ・オールスン」の長篇ミステリー作品『特捜部Q ―キジ殺し― (原題:Fasandraberne)』を読みました。 「ユッシ・エーズラ・オールスン」の作品は、今年の2月に読んだ「特捜部Q」シリーズの第1作『特捜部Q ―檻の中の女―』以来ですね。 -----story------------- 【人気シリーズ第2弾、文庫化! 解説:恩田陸】 いったいこの書類はどこから送られてきたんだ? いつのまにか特捜部Qのデスクに置かれていた20年も前の事件の書類。 18歳と17歳の兄妹が惨殺された事件だが、その後犯人は自首して服役中。 つまり未解決ではない。 なのになぜ未解決事件を調査する特捜部Qに? 興味を抱いた「カール」と「アサド」、それに新メンバーの「ローセ」は再調査に取り組むが、当時の容疑者たちはいまや有力者になっていた。 度重なる妨害に耐えながらも事件のカギを握る女を追うが… ----------------------- ここのところ、スウェーデン作家の作品が続いていましたが、久しぶりにデンマーク作家の作品… 北欧ミステリが続いています。 未解決の重大事件を専門に扱うコペンハーゲン警察「特捜部Q」シリーズの第2作、、、 前作が面白かったので期待して読んだのですが、本作品は期待を超える面白さ… 「特捜部Q」に新たな仲間(助手)「ローセ・クヌスン」が加わり、面白さがパワーアップ!600ページを超えるボリュームでしたが、テンポが良くて愉しく読めたので、長いなんて感じなかったですね。 責任者の「カール・マーク警部補」(正規な警察官は彼だけ)、助手の「ハーフェズ・エル・アサド」と「ローセ」の三人が、強烈な個性を活かしつつ、協力して過去の未解決事件を解決に導く展開が愉しめました… 署内で厄介者の三人、ちょっとヘンで職場にうまく適応できない「アサド」と「ローセ」が意外な活躍を見せるところがイイんですよね、、、 虐待や暴力、惨殺のシーンは目を覆うほどの残忍さなのですが、物語全体に醸し出されるコミカルな雰囲気… 現実離れした雰囲気が、それを中和して和らげている感じがします。 前作で「ミレーデ・ルンゴー」事件を解決し、一躍知名度をあげた「特捜部Q」が、今回扱うのは何故か事件ファイルに紛れ込んでいた20年前に無残に殺害された10代の兄妹の事件… でも、この事件は、既に犯人「ビャーネ・トゥーヤスン」が自首しており解決済みの事件のはず、、、 「特捜部Q」が扱う未解決事件のファイルに何で解決済みの事件のファイルが紛れ込んでいたのか… 「カール」たちは資料を調べるだけでなく、当時の関係者を訪ねたり、現場となった廃屋に出向いて調査を進めるうちに、兄妹の殺人が一人ではなく複数人による犯罪であったことや、その犯人と思われる人物たちがエリート階級の子弟で、現在は、それぞれ事業で成功し、親から譲られた以上の名声を得て、社会の上層部に大きな影響力を持つような存在になっている事が判明。 しかし、さらに事件捜査を進めようとしたところ、上層部から捜査を取りやめるように圧力がかかる… 「カール」は、ノルウェーから視察団が「特捜部Q」を訪ねてきた際に機転を利かせ、この事件に取り組んでいることを公にして、既成事実を作り、後に引けない状況を作り出す、、、 当時の事件に関わったメンバで現在も付き合いが続いている「ディトリウ・プラム」、「トーステン・フローリン」、「ウルレク・デュブル・イェンスン」を追う「カール」と「アサド」… そして、当時の事件に関わったメンバだが、仲間に犯されて妊娠し、その後、仲間に暴行を受け流産した恨みから、ホームレスとなり身を隠し、仲間を狙っている「キアステン・マリーイ・ラスン(キミー)」の、それぞれの視点から物語が展開し、終盤で世界規模で集めた猛獣や鳥などを放して狩りを行う「ウルレク」の屋敷に集結し、クライマックスを迎えます。 本昨も、前作に続き終盤はドキドキハラハラが続き、テンポの良い展開で一気読みになりましたね… 「カール」と「アサド」は危機一髪の状況でしたが、「ディトリウ」、「トーステン」、「ウルレク」への復讐を実行した「キミー」に助けられた感じですね、、、 まさか、冒頭のシーンで追手から逃げていた人物が「カール」だったとは… 衝撃でしたね。 エンディングは切ないけど、過去の「キミー」の悪事のことを考えると妥当な結末かな。 やはり、このシリーズの魅力のひとつは、個性的な脇役たちですねぇ、、、 新たに「ローセ」が加わりパワーアップした感じです… 早く次作以降も読みたいな。 以下、主な登場人物です。 「カール・マーク」 コペンハーゲン警察殺人捜査課警部補。特捜部Qの責任者 「ハーフェズ・エル・アサド」 カールのアシスタント 「ヴィガ」 カールの妻 「イェスパ」 カールの義理の息子 「モーデン・ホラン」 カールの同居人 「ローセ・クヌスン」 カールの新人アシスタント 「ハーディ・ヘニングスン」 カールの元部下 「アンカー・ホイア」 カールの元部下 「マークス・ヤコプスン」 コペンハーゲン警察殺人捜査課課長 「ラース・ビャアン」 コペンハーゲン警察殺人捜査課副課長 「モーナ・イプスン」 心理学者 「ヨハン・ヤコブスン」 カールの同僚 「キアステン・マリーイ・ラスン(キミー)」 ホームレスの女性。寄宿学校の元生徒 「ディトリウ・プラム」 病院経営者。寄宿学校の元生徒 「トーステン・フローリン」 人気ファッション・デザイナー。寄宿学校の元生徒 「ウルレク・デュブル・イェンスン」 株取引会社の経営者。寄宿学校の元生徒 「クレスチャン・ヴォルフ」 船舶会社の元経営者。寄宿学校の元生徒 「ビャーネ・トゥーヤスン」 「ラアヴィー殺人事件」犯人。服役中。寄宿学校の元生徒 「フィン・オールベク」 私立探偵 「ティーネ・カールスン」 麻薬中毒者。キミーの友人 「カサンドラ・ラスン」 キミーの継母 「コーオ・ブルーノ」 寄宿学校の元生徒。キミーの元ボーイフレンド 「カイル・バセット」 寄宿学校の元生徒 「クラウス・イェスベン」 寄宿学校の元教師
0投稿日: 2022.09.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
映画4作観ていて『キジ殺し』が過去の犯行も現在の犯行も1番理解できなかったのだけれど、原作を読んで評価が変わったのでまた観たくなりました。面白かったです。 こちらも復讐になるのだけれど、復讐者も過去には一緒になってやらかしてるのでうーんというのは拭えず。でもキミーの心情が丁寧に描かれるので映画よりは良いです。 特捜部Qの新メンバー・ローセはアサドと同じくらい突拍子もない。でもアサドもローセもかなり有能だし、これくらい濃いキャラでないとカールには対抗できないので良いです。カール、飛行機恐怖症だったのか…。 ラストの大立ち回り凄い、映画こんなんだったっけ?カールが物凄く病んで次作まで引きずってるのは覚えてるけど。 ハーディとアンカーとカールの事件、いつか解決するのかな。メインの事件の後ろで少しずつ捜査が進められるといいです。 恩田陸さんの解説、一ファンの熱もあり、アンデルセン童話の国デンマークの分析も面白かったです。確かにアンデルセン童話は痛い。一瞬混同していたけど、検索したら「赤い靴」「スズの兵隊」「パンを踏んだ娘」もアンデルセンでした。幼心に、赤い靴に心を痛めていました。スズの兵隊は切ない。
2投稿日: 2022.09.12
powered by ブクログ映画とここまで違うとは知らなかった。 しかし、映画よりもはるかに悪質で複雑で 大した読書経験になった。 この話を映画は、なぜあんなに安直な恋愛で終わらせたのか疑問に思えるほどだ。 キミーの抱えた本物の闇は誰にも救えなかった。 北欧ミステリーの凄みを感じた
0投稿日: 2022.09.04
powered by ブクログ特捜部Qを率いるカール警部補がどんどんまともに見えてくるアサドと新しい秘書ローセ はみ出し者の警部補のはずが二人のペースに巻き込まれていく様がすごく楽しい 今回気になった(実は前作から)のはカールと襲撃事件により半身不随となったカールの元同僚ハーディのカウンセラーの心理学者モーナです 彼女無能すぎません? 彼女に絶賛片思い中のカール目線では彼女の魅力的な唇について語られることが多いので気付きにくいかもしれませんがカウンセラーとしては相当役立たずだと思うんですがこれってゆくゆくは何かの伏線になるんでしょうか? ラストは新しい展開も迎えて次作への期待も増し増し! それにしてもカールって人が良すぎると思うんですが… クールでタフで他人を寄せ付けない組織のはみ出し者と思ってるのは本人だけかもw
38投稿日: 2022.08.02
powered by ブクログ未解決事件を掘り返すデンマーク警察の活躍。シリーズの2作目。 未解決事件を扱うはずが、なぜか犯人が服役中の解決済み事件がデスクの上に。 調査を始めてみると。 うん。今回は正直いまひとつでした。 大きな展開や謎やドキドキもなく600ページはキツい。 次作に期待しとこう。
27投稿日: 2022.04.02
powered by ブクログシリーズ第2弾。 快楽のためだけに他者を傷つけ、 命をも奪ってしまう邪悪な者たち。 しかも彼らには 社会的地位と財力があるからより一層タチが悪い。 でもそれだけに社会の敵としては申し分ないわけで、 冒頭から彼らの悪行三昧が語られます。 スピード感のある展開で、 最後まで緩むところがありませんでした。 エンターテイメント小説だとわかって読むから とても面白かったけど、 でもこういう人たちとは、 絶対に関わりたくないものです。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
0投稿日: 2022.02.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
残酷すぎる。 特捜部のカールやアサド、ローセの軽妙なやりとり、そして活躍に救われるけど、それにしても悪魔のようなキミーも、不幸な生い立ちに少し可哀想と思ってしまった。最後が酷すぎる。
0投稿日: 2021.12.01
powered by ブクログコペンハーゲン警察が舞台のミステリー。20年前の殺人事件を再捜査することになったカールとアサド。経済界のエリートたちと、仲間だった女にたどり着く。残酷な展開ではあるが、ストーリーに引き込まれる。ローセ登場の回。
0投稿日: 2021.09.12
powered by ブクログローセ登場 嫌々受け入れたけど、絶対必要だからね これでQの体制が整った 本より先に映画見ていて・・・ 読んだ後再度見てしまった やっぱり本だわ!!!
0投稿日: 2021.08.04
powered by ブクログ特捜部に新しいメンバーの女性が入り、コンビからトリオに変わったチームで国の大物達のはんざいに挑む。途中で妨害に合うもより闘志を燃やすカール。そしてかつて大物達の仲間だった女性。3つの視点で事件で物語が進む。 事件は最後は後味悪く終わるが、それを受けてカールは ある決断する。最後は元嫁が全て持っていった
0投稿日: 2021.07.09
powered by ブクログ順を考えないで読んでいるが、2作目ですでにきつい衝撃。前作スポットライトで出ていた「癒し系❓ローセ」が採用され、驚くまでに活躍している。カールとアサド、2人の刑事のコンビ感・・浅田は辟易しつつもカールをサポートしているものの、カールの場当たり・衝動的破滅キャラでお互い 絶体絶命的危機に会わせられる⇒読み手を引っ張る狙いか?! ギミーの破壊性もそう。。小説とは言え、こういった人格っているのかと思いつつ、全く共感感ぜずに筋を追うが吐き気すら。 警察の上層部・・課長らの無能というか放置ぶりに呆れると言うよりこれが小説だと思うほどに閉塞孤独なカール達。デンマークの警察ってなんだ! 人類の歴史からすると日本よりはるかに文明が早く進んで行った欧州‥そこは金の文明哲学・も成熟しているからだろうか・・こういった犯罪が萌芽して行くのは・・なんて感じた。
0投稿日: 2021.01.12
powered by ブクログあっと言う間に読み終わった。全編通してとにかく胸糞悪い案件。事件関係者が全員クズ。真相に近づくにつれて出てくるクソなエピソードの数々。ラストもとてもスッキリ、とは言い難いし、結局キーになってる登場人物もクズの極みなんだけど、何でこんなにも感情を揺さぶられるのか。ラストで主人公がある重大な決断をするんだけど、「どういうことかわかってるの?」という問いに「イヤ全然」て…。主要キャラの設定も常軌を逸してるし、そういうある種無茶苦茶なとこがツボ。
3投稿日: 2019.11.26
powered by ブクログ犯人たちの行動がとにかく嫌でした。 キミーはなんとも言えない。キミーがやってきたことを肯定する気にはならないけど、完全に否定する気にもなれず。なんだか微妙な気持ちになりました。 全体的に暗いし重い感じですが(北欧ミステリーは最近読み始めましたが全部こんな感じ?)カールとアサド、ローセの3人がどうなっていくのか、ハーディのことも気になるので、続きも読みます。
1投稿日: 2019.11.25
powered by ブクログ未解決事件を掘り起こし解決する正義の組織「特捜部Q」とは名ばかりな 厄介者刑事を地下に閉じ込めるために即席で、上司の予算目当てで作られた。 そして変人助手しかいない部署のメンバーが活躍する シリーズの二作目 シリーズ全体の中でも、評価が低いらしい (平均点は高い) 読んでみて、解説にもあったが、すぐに話の全体像がわかる。 一作目は過去と現在が入り組み、徐々に絡み合っていく構造だったこと。 社会的に地位のある人物たちが裏で結成した凶悪なグループと、それに復讐しようとする人物、そして主人公たちという構図が他の本でも出てくるパターンだったことでかなり困惑した。 前作のように期待してた劇的な展開はなく、本当に地道に真相を追うカール。 変人アサドくんの、暴走にツッコミを入れる。入れてるうちにもう一人の新人(こちらも変人)に悪態をつかれると行った具合。 楽しめたんだけど、真相がわかる分長く感じてしまった。 それでも主人公が重要な決断をしていた。 最後の一文が、全てを語ってる
6投稿日: 2019.08.29
powered by ブクログ2019.05.03.読了 特捜部Qにはすっかりハマってしまい期待の2作目。 全体的評価の高い特捜部Qにあってほんのすこーし評価が低いキジ殺し。 低いといっても3.8なので十分なのだが。。。 しかしシリーズ物なので穴を開けたくなくて購入した。 読了してみて、、、 おもしろい!とにかく読者を飽きさせないエピソードの配分や盛り上げ方がうまくて先へ先へと読みたくなる。 ただキジ殺しの欠点は、結末があまりに突然あっけなく着いてしまったことにあるのでは?ないか カールがヤツラを追い詰めていく中で、ヤツラのくそ人間ぶりがどんどん浮き彫りになっていく。わたしはカールにヤツラを生け捕りにして世間の晒し者にして徹底的に苦しめて欲しかった。 結末はあっけなく。○○だった。 そもそもいくらキミーが拳銃を持っていたからといって、大の大人で男である3人がすごすごとハイエナの檻に入るというのも納得できない。あと一捻りどうにかならなかったものか?残念。 また最後までキミーの性質、過去の犯罪の動機、性癖がイマイチ理解できなかった。キミーの生い立ちが悲しく惨めなもので全てを歪めてしまったという設定なのか?それともキミーの性癖として、事後に凶暴になるということなのか? またキミーが本当に愛していたのはだれなのか?誰も愛せずに彼らのオモチャになっていたのか?それとも同意のもとであったのか? わたしの読書力は、まだまだだ!
1投稿日: 2019.05.03
powered by ブクログ読み始めてすぐ結末が想像できる。そういう書きぶりなのだろうけど、600ページも長編である意味がわからない。登場人物の心理描写が主体に書くからこそだろうが、相性の問題か興味を引かなかったか。翻訳の問題かもしれないが。読み疲れた。
1投稿日: 2018.09.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
特捜部Qシリーズ第二作。 時々読書の神様は意地悪なことをする。 閉鎖的な学校での暴力がエスカレートし、殺人に至る。 そして復讐、という似通った主題の作品を立て続けに読むことになってしまった。 とはいえ、主人公の刑事のタイプが全く違うし、 学校と行っても子供の学校と大人に近い学校と舞台も異なっていたので、 とくに混乱したりすることはなかった。 簡単に言えば、こちらの作品の方が暴力的で、しかも唾棄すべき加害者たちということかな。 とりあえず、自分が気に入っているアサドがアシスタントを続けていたのが良かった。 あいかわらず資料集めでも、聞き取りでも活躍してたし。 さらにもう一人特捜部のメンバーが増えたものの、 もてあましているカール警部補。 新しい特捜部はまだまだ大変だ。 美人の精神科医との関係も進まないし。 それと、 カール警部補の仲間を死亡と重傷にいたらしめた事件の解決はあるのだろうか。
2投稿日: 2018.08.06
powered by ブクログシリーズ第二弾。前作は物語の全容が中々判明しない謎解き要素の強い作品だったが、本作は序盤から各々の立ち位置が明確な為、今一つ精彩に欠けるのだが、後半は追う者・追われる者・特捜部Q、三つ巴の攻防戦が楽しめる。可能性を片っ端から当たる捜査や、近づく度に手から零れ落ちる真実など、警察小説の醍醐味は充分あるものの、犯人チームが模範的なサイコパスゆえに深みがなく、それを追う側のキミーも所謂同じ穴の狢でゲストキャラクターに魅力が全くない。散々引っ張りに引っ張った挙句に力技で畳んだ結末といい、不完全燃焼感ばかりが残る。
1投稿日: 2018.06.20
powered by ブクログ11月-8。4.0点。 特捜部Q第二弾。犯人が服役している、暴力殺人。 なぜかカール達の捜査に。昔の事件、容疑者達は 社会的に成功している。 また、特徴的なホームレス女性。 次々と明らかになる過去の事件、真犯人は。 面白い。主人公のキャラも確立され、助手も。 600頁一気読み。
1投稿日: 2017.11.22
powered by ブクログ裕福な特権階級の子女が通う寄宿学校時代に端を発しその後も資金と人脈を好き勝手に使い傍若無人な振る舞いを続けている悪辣な旧友たちを、かつては自身もそのグループの中心に居た女性が個人的に追いつめてゆく様が描かれるシリーズ2作目。身勝手な動機で暴力がふるわれるのや被害者が加害者でもあったりというのは尼崎の事件を思い出したりして気味が悪くなり、フィクションとしても楽しめなかった。とは言えシリーズとしての展開は相変わらず興味深く、とりわけハーディーとアサドとモーナとカールが今後どういう風になっていくのかは追い続けたい。
1投稿日: 2016.12.24
powered by ブクログ特捜部Qシリーズ第2作目。 面白いが、犯人グループの人数が多くて、憶えきれない。裏表紙の登場人物名を何度照会したことか。 良いとこの坊達がスリルを求めて悪さを繰り返し、エスカレートしていくストーリーは新しいものではないが、グループからはじき出された女性を中心に、特捜部Qが迫っていく展開は飽きることなく、600ページ余を引っ張っていく。 助手アサドの背景を匂わせる場面あり、ローサ女史の登場ありで、次回作へ向けたスマッシュといった印象。
1投稿日: 2016.11.19
powered by ブクログシリーズの第一弾を読んでいないせいか、この「キジ殺し」が良いのか不明。特捜部Qの事件の取っ掛かりも不自然だしこの復讐劇のヒロインの動機も弱いなぁ(犯人は始めから分かっています)
1投稿日: 2016.08.18
powered by ブクログ最近読んだ北欧ミステリは、映像化が織り込み済みのような事件がド派手なものが多いなあという印象。終盤の展開が二作めにしてすでにお決まりっぽいのが気になるが、主人公の面々のキャラは立っているので、息の長いシリーズになりそうな気もする。
1投稿日: 2016.08.03
powered by ブクログ今回の作品では、犯人は最初から提示されているので、カールが犯人を追い詰めていくところと、犯人グループの追われる心理状態を描いている。寄宿学校って物語の中でしか知らないけど、やはり独特な雰囲気があるんでしょうねえ。犯人達は本当にゲスの極み。動物や人間に対する虐待描写が若干つらいものがあるけど、そこまで詳細な記述でもなかったのと、天誅が下るのを信じて読み進めた。前作と同様、ミステリアスなアサド。まだ彼の秘密も、カールが巻き込まれ同僚を失った事件の謎についても、殆ど判らず……新入りのローセもキャラがたっているし、カールのモーナに対する片思いも進行中で、おまけにハーディを引き取ることになったので、シリーズとしてまだまだ楽しめそう。
1投稿日: 2016.06.10
powered by ブクログここ数年ブームになっている北欧ミステリ。数年前からこの「特捜部Q」シリーズは気になってきたが、どれも結構ボリュームがあるので、面白くなかったらどうしよう…と尻込みしてました。 既に一作目「檻の中の女」は読み終え、二作目。 結論から言うと一作目の方が面白い。一作目の方がストーリーが複雑で次が読めないという点が強い。 これももちろん一定の水準は満たしているが、ちょっと結末に意外性が無い。結局そこかと。そこに行くならここまで引っ張らなくても…という感じ。 しかし、面白い事は面白かったので、三作目買いました。
0投稿日: 2016.03.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
難事件を解く、という観点からは一件落着なのかもしれませんが、仲間割れした犯人が他の犯人たちを皆殺しして、おまけに自殺してしまうラストは、刑事物の主人公の矜持としてどうなんだろう?と思ってしまいました。
0投稿日: 2016.01.29
powered by ブクログ最後が、せつない…。 途中まで読んでて、このシリーズはもういいかな、と思っていたが、次作を読もうと思う結末でした。
0投稿日: 2015.11.28
powered by ブクログシリーズ第2作。デンマーク警察の「特捜部Q 」責任者で主人公のカール・マーク警部補、助手でアラブ人のアサド、さらに本作からアシスタントとなるローセ。未解決となった不可解な事件を個性豊かな刑事らが地道に再調査し解決していくという骨子は良く出来ているのだが、刺激的だった1作目に比べてトーンダウンした感じだ。 金持ちの子どもらが通う名門校同期生男5人と女1人のグループは、かつて殺人も厭わないサディストだった。今はそれぞれが病院や株取引会社の経営で財を成しているが、途中で男一人が事故で死に、さらに一人が殺人の罪を自白して服役中、女はグループから抜けホームレスとなっていた。この連中が過去に起こした事件の関係者に刑事がおり、特捜部Qに再捜査の依頼をするのが発端。やがてホームレスの女が主犯格であったことが発覚するが、依然として男たちの快楽的で暴力的な嗜好も治まってはいなかった。 テンポ良く物語は展開するが、最後まで大きな盛り上がりをみせない。謎解きといえる程の仕掛けもなく、地味な警察小説に終始している。サディストらの行動も場当たり的で心理面での掘り下げも充分とはいえない。最大の欠点は長すぎることで、この内容ならばもっと削って引き締めることも出来ただろう。次作に期待する。
0投稿日: 2015.11.01
powered by ブクログ厳格な寄宿舎の同級生の1人の女性と5人の男達。 凶暴で狡猾で金があり、権力にコネもある。 特捜部Qのデスクにいつの間にか置かれた20年前の兄妹殺しで当初容疑者とされた彼らのうち3人は国内でもトップクラスの成功者となっていた。 このシリーズは残酷な内容であっても、なぜか重苦しくなりすぎないのが良いところ。 アシスタントが増えてドタバタ具合もほどよい。 主人公のカールは苦労してるので、少しは良い目をみさせてあげたいと、ちょっと思う。
0投稿日: 2015.10.10
powered by ブクログあぁ、いいなぁ。とにやにや。 映像を観ているような緻密な描写。 わくわくする展開。 遅ればせながら読み始めたシリーズだけど、まだ読める既刊がある! と嬉しく思っている。
0投稿日: 2015.07.28
powered by ブクログ『檻の中の女』と『キジ殺し』は読者に与えられる情報が全く異なる。前者は何が起きたのかを掘り起こす、被害者は見えても犯人は見えない手法、後者は被害者は語らずに加害者はのさばっている、しかも権力を持っている、こういう場合はマークがどうアプローチしていくのかと言う楽しみがある!! 「キジ殺し」は「檻の中の女」と違い、裕福な身分を悪用してゲーム感覚で暴行・殺人・狩りをする元寄宿学校生の悪事に迫る、と言う女子高生コンクリート殺人事件に対する憤りが蘇ってくるような内容に、特捜部Qに新しく加わったローセとアサドとカールの噛みあわなさのユーモア感のギャップが… カールだったらかつての相棒ハーディーに対してこうするんじゃないかな、これは俺がBL好きだからだろうか…って部分が叶っちまったよオイ!だったので、速攻今夜から3作目を読む。別に「ホモ的」な展開ではない、ただ一作目でカール・ファンになった私にはツボる!!っちが上かと単純に言ってしまえば『檻の中の女』の方だだけどね、ファースト・インパクトと言うポイントの高さ差っ引いても『檻の中の女』の方が面白い。それはしょうがない。萌えをぶちまけてしまいたいが、なんせ警察小説なので、ネタバレは厳禁だし、読書傾向が似ている人は絶対私と同じ悶々とした気持ちになると思うから、それを何も考えずに味わって欲しいからぶちまけてはいけないわけだよ、道徳的に(笑)友達がいるとしよう、その人間に対して自分に問う訳だ、「この友達とルームシェア出来るか」と。友達=出来るが100%になるだろうか、否!!私の場合は整理整頓下手&汚部屋の住人とは絶対に一緒に居られない。が、カール・マークはきっと受け入れるんだろう、と言う「萌え」なんだよ!!ぼやかし過ぎて例えも例えになってない気がするが…あと、ひさ~しぶりに「萌え」と言う単語を使った気がするよ(笑)SHOOWAさん、朝田ねむいさん、黒娜さかきさんにカール・マークのイラストを描いて欲しい。 同居人(おでぶでオタクっぽい)が面倒見てくれるから(介護に手を貸してくれるから)って…寝たきりの友人を居間に置いてあげるなんて早々出来るもんじゃないよ!!この同居人がどうも隠れゲイらしく、絶対主人公に対して何らかの気持ちがある筈…だがそう言う描写は一切ない。友人(同僚で部下)がそう言う身体になってしまった責任と後悔と抱えているとして、その友人が主人公の罪悪感につけ込んでいるか、と言う事でもなく、妻にも頼めない事を主人公にだけは頼むわけだよ。精神的ホモと言わずしてなんとする!!とやはり考えちまうわけだよ。そう言う描写も一切ない(笑)匂い系でさえないが、それが余計に、主人公の性格に対しての、読者(私)の親近感がいや増しする要素になっているのは間違いない。髙村薫作品の様に『特捜部Q』で深読みしている人いないんかなぁ。本編を真っ当に楽しみつつ、作者にはそう言う意図が全くないとしても、深読みする楽しみもある作品だ!半身不随で自分では出来ないから代わりに殺してくれないかと言われ、それでも根拠はないけど生きていれば治るかもしれないじゃないか、と思うか、そんなに苦しんでいるなら…と友の願いを聞いてしまうか、ここの決断の差異。倫理的に無理だろう、と片付けるのではなく考え続けるカールが好きなんだよ… カールん家に下宿しているモーデンがやっぱ一作目読んだ時になんか匂いがする!!と思った通り、隠れゲイ…しかもマーク気付いてるし。カール・マークは男にモテると思ったんだよ…一作目作中でもモーデンがゲイっぽいと言う具体的な描写はないが、大事なおもちゃを捜査の為に勝手に持ち出したカールに当然怒る訳だし、カールも下宿から出て行ってもおかしくないと観念して白状し謝ったわけだが、なのに出て行かなかったのはなんだかんだ住み心地がいいからと結論付ける事も出来る… ローセもアサドもマークがボスって意識があんまりない、いい意味で、あんまり、ない。そこがいい(笑)殺伐とした殺人事件を扱うからと言ってユーモアを無くした人間しか出てこない作品は…読んでいてしんどい。
0投稿日: 2015.04.02
powered by ブクログ★3.5。 第一作目『特捜部Q ―檻の中の女―(http://booklog.jp/item/1/4151794514)』よりも、事件としては“だいぶ普通”の事件。それでも、その奥深くに隠れている事の真相は、第一作目と負けず劣らず複雑怪奇ではありますが。 いやぁ、寄宿学校というのはヨーロッパの上流階級ではごく普通の子弟の教育機関なのですが、それが良いこともあり、そしてこの物語の様に悪いことにもなると。ちょっと思ったんですが、日本が欧米との交渉において中々勝てないのは、この寄宿学校ネットワークの埒外に日本がいるからでしょうね。 この第二作目から登場人物が増えますが、中々とらえどころのないキャラクター。それがこの先どのように化学反応を起こすのかが楽しみです。
0投稿日: 2015.01.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
前作と同じく事件が起こってる側とカールの視点が交互になっていたけど、被害者の視点ではないから種明かし的な意味ではちょっとインパクト小さめ。 でもどうやって追い詰めるの!?と頁をめくる手が止まらない。 残忍な犯行が美化せずがっつり描かれるからグロ耐性が無いと読み進められないかな。 導入部の軽妙さはほんと文句なし。するする入り込める。 プロローグがそこに繋がるかー、と驚いた。 メインもサブもキャラクターのパンチ強くて覚えやすい。
0投稿日: 2014.12.10
powered by ブクログ自分の現在とは異なる時間が流れているなぁと思うとともに、読んでいて胸が痛む。しかしそれをおもしろいと思う気持ちもある。
0投稿日: 2014.11.29
powered by ブクログシリーズものの2作目。新たな同僚の追加があったり、元同僚とのサブストーリーの伏線を張ったりと楽しみな要素も多いが、肝心の話の筋は良くあるパターンというか、結末の意外性が薄く及第点。それでもハラハラさせる読み応えは筆者の卓越した筆力か。
0投稿日: 2014.11.24
powered by ブクログこのシリーズ、目を覆いたくなるような残酷な描写が多くて、そういうのは苦手なはずなのに、どんどん時引き込まれる。次、早く読みたい。
0投稿日: 2014.10.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
前作ほどのインパクトはなく、どっかで読んだことのあるようなバイオレンススリラーものになってしまっているが、それでも面白く読めたのだからこのシリーズ掘り出し物だと思う。 今回、特捜部側に魅力はあまり感じられなかったのは残念。特に前作で絶好調だったアサドは中途半端な狂言回しを演じるだけだし、新しい部下のローセにいたっては物語の中で妙に空転してて残念。もっともそういう不思議ちゃんを狙っているのかも知れないし、北欧ジョークなのかも知れないが。 その分、敵役の連中が良い味を出してて良い、今回主人公はこっち側の小説だな。特にダークヒロインのキミーはいいぞ。実際におったら絶対そばに寄りたくないタイプだけど、傍から見てるぶんにはこういう究極に自立してる女性ってほんま魅力的。 3作目は評判良いみたいだし、もう少し追いかけます。
0投稿日: 2014.09.02
powered by ブクログ前作よりボリューム増だが、質が高くなったとは言えない。冗長でミステリ的な面白味は皆無。今後もこの水準ならもう読まないかも。5.0
0投稿日: 2014.08.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ユッシ・エーズラ・オールスンによる特捜部Qシリーズ第2弾。 本作では社会的に上位に位置する階級の人々の裏側に潜む狂気を描ききっている。前作同様、ミステリとしての要素は薄く、本作もサスペンスの色彩が強い。 今回の特捜部Qの追う事件は、すでに解決したとして真犯人を名乗る被疑者は刑務所に服役しており、警察上部もなぜカールら特捜部Qがその事件を掘り返しているのかと捜査に協力的ではない。協力的ではなかった理由は他にもあり、それは後に明かされることになるが、すでに解決した事件を掘り返すほどデンマーク警察に余裕がないことは前作でも語られており、そこはすんなりと納得がいく。しかし、この事件を追っていけば追っていくほど、きな臭さが広がっていく。一方で、真犯人と言えるグループの面々の動向もほぼ同じ時間軸で語られ、やがて来るカタルシスに向けて物語が進んでいく。 結末からすれば、カールたちが捜査を進めなくても、キミーやディトリウらの運命はかわらなかったのではないかという気がするが、カールたちの捜査にあわせて読者は彼らの運命の歯車を回していく。結果的には行き着くところは避けられなかったのだろうが、何ともやるせない気持ちにさせられる。 本作では単なる暴力や殺人といった事柄だけでなく、虐待や麻薬、人種差別的な側面も盛り込まれ、社会の複合的な問題を提示している。フィクションであるが故に強調されているところもあるだろうが、一面の真実ではあるだろう。 こうした重い主題をいくつも抱えながらも、決して読み進めるのが苦にならないのは、前作で有能な右腕の地位を得たアサドと、本作から秘書としての役割を与えられたローセの強烈な個性にカールがある意味振り回され、それが作品に穏やかな笑いを添えているからだろう。
0投稿日: 2014.06.01ユッシ・エーズラ・オールスンによる特捜部Qシリーズ第2弾!
本作では社会的に上位に位置する階級の人々の裏側に潜む狂気を描ききっている。前作同様、ミステリとしての要素は薄く、本作もサスペンスの色彩が強い。 今回の特捜部Qの追う事件は、すでに解決したとして真犯人を名乗る被疑者は刑務所に服役しており、警察上部もなぜカールら特捜部Qがその事件を掘り返しているのかと捜査に協力的ではない。協力的ではなかった理由は他にもあり、それは後に明かされることになるが、すでに解決した事件を掘り返すほどデンマーク警察に余裕がないことは前作でも語られており、そこはすんなりと納得がいく。しかし、この事件を追っていけば追っていくほど、きな臭さが広がっていく。一方で、真犯人と言えるグループの面々の動向もほぼ同じ時間軸で語られ、やがて来るカタルシスに向けて物語が進んでいく。 結末からすれば、カールたちが捜査を進めなくても、キミーやディトリウらの運命はかわらなかったのではないかという気がするが、カールたちの捜査にあわせて読者は彼らの運命の歯車を回していく。結果的には行き着くところは避けられなかったのだろうが、何ともやるせない気持ちにさせられる。 本作では単なる暴力や殺人といった事柄だけでなく、虐待や麻薬、人種差別的な側面も盛り込まれ、社会の複合的な問題を提示している。フィクションであるが故に強調されているところもあるだろうが、一面の真実ではあるだろう。 こうした重い主題をいくつも抱えながらも、決して読み進めるのが苦にならないのは、前作で有能な右腕の地位を得たアサドと、本作から秘書としての役割を与えられたローセの強烈な個性にカールがある意味振り回され、それが作品に穏やかな笑いを添えているからだろう。
0投稿日: 2014.06.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
犯罪の描写はきつくて、私にはちょっとしんどい。犯罪の意図も全く共感できない。北欧はこんなに病んでるのかしらといぶかってしまう。 でもカール、アサドのキャラクターが描かれていくほどに魅力的になる。
0投稿日: 2014.05.30
powered by ブクログお知り合いになれたばかりの特捜部Qの面々に早くも再会。 カール、アサドに加えローセというこりゃまた魅力的な女性が登場して署内上層部の「なんだこれは!」も発覚しての二作目。 ページが残り少なくなっているというのに盛り上がり方が半端ない。いったいこの特捜部Qはどこまで私を虜にさせる気なんだ! キミーという心と体に痛みを持った女性の報復の記。 暴力的で共感できない部分も確かにあったけれど、いつしかキミーのひたむきさに揺すぶられてしまって応援してしまう。 デンマークという美しい国にも血は流れ憎しみがカオスとなっている。ところどころ風景を眺めるため,立ち止まってしまうほど描写は繊細で美しい。暴力シーンはあんなにも陰惨なのに。しかも社会的地位の高い人間が。 登場人物たちも愛すべきキャラですぐまた再会したくなる。 三作目以降楽しみに取っておかなくては。
3投稿日: 2014.03.16
powered by ブクログ特捜部Qシリーズ第2弾。 暴力的で胸が悪くなるシーンも多いのだが、読む手が止まらない。 相変わらずの特捜部Qメンバーに、また変人の新メンバーが加入。 しっちゃかめっちゃか感たっぷりでありながら、意外に地道に事件の核心へ迫っていくそのギャップもいい。 読み続けていきたいシリーズ作品。
0投稿日: 2014.01.21
powered by ブクログシリーズ2作目。新キャラ登場。なかなか先が読めない展開でスリルがある。悪い奴の描写がそれっぽくおぞましい。メインキャラといい人物描写がなかなか。ラストは哀しいけど胸がすく。
0投稿日: 2014.01.05重いけれど…」
未解決の重大事件を扱う特捜部Qの今回のターゲットは20年前に殴り殺された10代の兄妹の事件。 すでに自首してきた犯人が服役しているが、そこに納得できないものを感じたカールは上層部の妨害をものともせず捜査を続けるが…。 2作目も非常に面白かった。 暴力的な事件とそれにまつわる悲惨なエピソードをQのメンバーのやり取りが巧く緩和してくれている。 テーマは重いのに、ページを捲るのが嫌にならない。 作者の力量なんだろうなあと思う。 前作もそうだったけれど、今作にも非常に魅力的な女性が登場している。 暴力に身を委ねた果てにわが身に降りかかった厄災を、なお暴力で購おうとするキミーはやるせなくも惹きつけられてしまう。 そして彼女の復讐が果たされることをいつしか願っている自分に気づく。 一片の救いがあるのも前作と同じではあるけれど、内容が内容だけにそれがまた胸に突き刺さる。 いいなあ。 ああ、早く3作目が読みたい。
1投稿日: 2013.12.23後味は悪い。。
デンマーク恐るべし。これが現代の話ならフィクションとはいえこのような事件が起こる国なのか?話は今回も女性がキーマンに。カールもアザドも良いところなしでおいしい所は新キャラのローセが全部持っていってしまった。しかし警察側以外の登場人物がみんな悪人というのもすごい。最後は因果応報ってことでキッチリ片はつくのですが、、、後味は悪いね。
0投稿日: 2013.11.29
powered by ブクログお伽噺という評がありましたが、この現実にリアリティを感じるべきなのかもしれません。 リアレテも様々です。
0投稿日: 2013.10.16
powered by ブクログシリーズ2作目。 これもおもしろかった。1作目もそうだったけど、犯人が常軌を逸した、かなり狂った人たちなのよね…。 3作目はカールのプライベートもかなり動きそうだし、デンマークで賞を獲ったというし、楽しみ(^^)
0投稿日: 2013.10.01
powered by ブクログ特捜部Q第二弾!今回はもう最初から犯人は誰なのか判明していて(少なくと読者には)どうやってそれを立証していくかという形の捜査が進められていきます。コールドケースを扱う部署の話なので捜査過程の描写は地味めですが、犯人サイドの動きと双方を描写することで緊迫感を高めています。それにしても犯人グループの異常な嗜虐性と彼らが育った環境の「冷たさ」には慄然とするものが。猟奇的かつ哀しい主筋に対して、カールをめぐる家族や部下との関係、過去の事件など様々なサイドストーリーが良いスパイスとなり、また救いにもなっています。
0投稿日: 2013.08.07
powered by ブクログこれまた一気読み。新しい登場人物がまた、個性的で。結構残忍で暴力的なシーンも多いけど、ところどころ笑わせてくれるので飽きずに投げ出さずに読める。
0投稿日: 2013.07.21
powered by ブクログ前作は池上冬樹解説をベタ褒めしたが、本書の解説を見て首を傾げた。恩田陸という作家(ぼくは一冊も読んでいない)が、劇画のように面白い、と褒めているのだが、ぼくは劇画のようにと言われれば、けなされているかのように感じてしまった。今どきの作家は、劇画のように面白かったと言われて嬉しく思うのだろうか? 劇画をどうのこうの言うつもりはないが、荒唐無稽とか、誇張がすぎるとか、展開が派手だとか、活劇アクションが楽しい、という意味で、恩田陸氏はこの表現を使ったのだろうか。それであれば、いろいろな小説が、劇画のように見えると言われても仕方がないことなのだろうな。でも確実に言えることは、小説は劇画ではなく、劇画は小説ではない。似て非なるものは、あくまで非なのである。小説を褒めるときには、誤解を招くような幼児的メタファーではなく、ましてや作家を生業としている人ならば、小説家としてのプライドを持って小説評論というべき文章にて作品を取り扱って頂きたかった。何だか、とても残念な解説であった。 さて、本書が劇画のようにと評されたのは、多分二つの要素にあると思う。狩猟趣味が嵩じて人間狩りを楽しむようになったサディスティックなグループ。しかもそれらがエスタブリッシュメントの人間たちであったらというケース。さらにはそこから絞り出されたたった一人の女性メンバーが、獲物を求め藪の中に潜伏する獣のように、都会の闇の中に身を潜めて牙を研いでいたら。 実際、本書ではそうした二種類の無法側の陰の世界が、関連性を明確にせぬままにストーリー世界の幅を広げてゆく。一方で、陽の部分は、相変わらずカール・マークというくたびれた冴えない中年男と怪しげなシリア人がホンキートンクで噛み合わない交流を繰り返しながら請け負ってゆく。いや、本書ではさらに黒づくめの女性秘書ローセが登場する。一年中喪に服したような根暗女で、社会性に乏しいというあたりが伺え、特捜部Qはさらにネガティブ要因を抱えたままであくまで人間的に陽の部分を引き受けてゆくのである。 この作品の犯罪要素を構成するいわゆる特権階級のマン・ハントであるが、この手の物語の原型と言えば、ギャビン・ライアルの名作『もっとも危険なゲーム』である。殺しをゲームとして遂行する、というバイオレンスの極地のような犯人像。その亜流となった物語は、小説でも映画でもたっぷり存在する。人間の暗闇に向かったネガティブなエネルギーがこうした方向に向く物語は、まるで神話と同じようにあるべきストーリーとしてもはや社会的に認可されているようなものではないか。外人部隊や傭兵などの戦争なくしては生きられなくなった人間の存在が実際にあることも、残念ながら人間として受け入れざるを得ない真実ですらあるのだ。 しかし、なぜ女性ハンターであるキミーが組織を抜けねばならなかったかの物語は、また別の女性特有の悲劇にある。女性の場合恋と青春を奪われた男によってその後の人生の選択が影響されることが、物語においても実際の人生においても多いのではないかと想像される。パートナーがどんな人間であったかは男女別なく重要な人生の要素ではあるけれど、どちらかと言えば劇的被害を受ける確率は女性の方が遥かに多いように見える。かくして生まれた悪魔のような女性キミーは、一面において天使のようでもある。女性の母性を抱え込み、失われた愛情への一念で彼女の生命エネルギーは彼女の失われた未来を生かしているかのように見える。 特捜部Qの人間模様と、それを上回るほどの犯罪者、あるいは被害者を取り巻くドラマとが交錯したときに、白熱する物語エネルギーを、このシリーズはどうやら売りにしているようだ。追われる者も隠れる者葛藤する地獄を抱え込んでおり、それらが北欧の国を舞台にぶつかり合う様子を、今回も素晴らしい力技で活写してみせた作者の変わらぬ力量に、今、ふたたびの拍手を!
3投稿日: 2013.07.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
前作「檻の中の女」に続いて、今作も面白すぎて一気読み。 カールの扱う事件は残虐だし、家庭環境も、病院にいる 同僚との関係も決して明るくないのに、なぜかカールは ちょいちょい抜けててクスっと笑わせてくれる。 今後、アサドのどんな過去が見えてくるんだろうか。 ローセは最後のほうで突然 話のクライマックスで不要になったのか 旅行に出るかたちで出番がぷつっと終わったのがあっけなかった。 次回はもっと活躍してくれるといいな。 ともあれ、映画の完成が待ち遠しいかぎり。 http://www.imdb.com/title/tt2438644/?ref_=sr_2
0投稿日: 2013.06.23
powered by ブクログちょっと期待し過ぎたかも。もちょっと相棒の活躍を読みたかった。 本書だけではなく陰惨な犯罪描写のあるミステリーやサスペンスが辛くなってるかな。
0投稿日: 2013.04.30
powered by ブクログ非常に面白いデンマークのミステリー・シリーズの第二弾。未解決事件を捜査する特捜部Qのカールとアサドがまたまた困難な事件に巻き込まれる。 描かれている事件はかなりハードなのだが、コミカルな描写もあり、バランスの良いストーリーになっている。 今回はアサドの過去にも少しだけ触れる描写があり、次作以降でアサドの経歴が少しづつ明らかになるのではないかと思う。今回、大活躍する非常に優秀な新メンバーのローセも、なかなかの曲者で、今後の活躍が気になる。 デンマーク版の『相棒』といったところか。面白い!
0投稿日: 2013.04.27
powered by ブクログカール・マーク警部補が対峙することになるのは「酷い連中だな…」という感じの人物達だ…少し陰惨な感じもするのだが、決して暗い訳でもない…隠蔽されてしまっている真実を必死に追うカール・マーク警部補の姿が好い!!
0投稿日: 2013.04.26
powered by ブクログ『檻の中の女』に続くシリーズ第2作。 前作に引き続き読み応えのある内容で楽しめた。ちょっと疑問が残るラストではあるのだが……。
0投稿日: 2013.04.14
