
総合評価
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powered by ブクログタイトルが示す通り、まさに人間の心が持つ多面性を残酷なまでに描いた、天才夏目漱石の傑作です。 高校生の頃、現代文の授業で教わりましたが、正直ほとんど内容は理解していませんでした。今、改めて最初から最後まで全部読んでみると、なるほど、国語の教科書に教材として選定される理由が分かりました。 友情、恋愛、嫉妬、憎悪等、人間の感情が持つ複雑さを、この本から学べます。下手な心理学本を読むより、良いかもしれません。 10代、20代、30代と年齢を重ねる毎にまた違った印象を得られる作品だと思います。それくらい、普遍的テーマを扱った作品であることは間違いありません! 私はいま24歳なので、もう少し歳を重ねたら、また読もうと思います!
0投稿日: 2022.03.21
powered by ブクログ人間のエゴが如実に現れた作品。 歳を重ねるに連れて、それまで経験してきた物事が人の思想を形成する。それらの経験は人に語れるもの、墓まで持っていく物あると思うが、人としての厚みはやはりその経験の数かなと。 ただ人と関わる経験を積む以上、無責任なエゴを振りかざして良い訳がないと言うこと。 人と関わる以上、相手に対する敬意や気遣いを無くさないようにしないといけないなと感じる。 当たり前だと感じても自分の欲求や利益を省みてしまうことが多いと思う。それは対峙する相手にも容易に伝わること。なので、「自分のために」という浅はかな考えは一度封印して、「相手のために」と真底思うことができるにはどうすれば良いのかを考えていきたい。
0投稿日: 2022.03.20
powered by ブクログ小学生の頃漫画版で読んで、当時の自分なりにかなりの衝撃を受けたことを覚えています。高校生になって小説で読む時その内容の記憶がある程度あったので比較的スムーズに読み進めることができました。 読書力がまだまだ稚拙な私にとって読みにくい文章ではありましたが、人間くさい汚い心情や葛藤を見て色々と考える機会を与えてくれました。 先生のKに対する焦りと罪悪感。ふと思い返してはモヤモヤ( ´~` )。自分が先生と同じ状況におかれたら…自分の汚い面に心底嫌気がさすでしょうねー。 大人になってもう一度読みたいです。また今とは違った感想も、持てることを期待して(^^)
0投稿日: 2022.03.18
powered by ブクログ高校の国語の授業で読み、大学1年で読みたくなってもう一度読んだ。 二、三年しか経っていないのに理解できるところが増えていて嬉しい
0投稿日: 2022.03.15
powered by ブクログ友を出し抜いた男の苦悩を鮮明に読み取れる、なんと赤裸々にあけすけに人の心を表現したんだ ただ少し読んですぐ、漱石??え???ってなる いやあ、完全に男色ストーカーじゃん……ええ…
0投稿日: 2022.03.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
教科書に載っていたあの名作。 一冊丸々読むとまた違った味わい深さがある。 よくよく読んでみると、そこにはたくさんの謎が散りばめられていることに思い至る。 先生の自殺を知り、故郷を飛び出した「私」のその後は描かれない。 また、先生が自らの死をもって授けようとした教訓が「私」にどのように受け止められたのかについても、一切描かれない。 さらに、先生が妻には決して知らせないでほしいと断ったにも関わず、「私」は先生の秘密を『こゝろ』の中で暴露してしまっているという矛盾。 もっといえば、時代の終わりと共に自らの過去を葬り去ろうとしている先生が、わざわざそれを遺書に書き記して「私」に継承しようとしているという矛盾。
0投稿日: 2022.03.05
powered by ブクログ夏目漱石の代表作。 上「先生と私」中「両親と私」下「先生と遺書」 この3編からなる長編小説。 人間の深いところにあるエゴイズムと、人間としての倫理観との葛藤が表現されている。 この作品は何と言っても先生の「遺書」 「先生と私」で私が感じている先生の影の正体が一体何だったのか。 「先生」そして「K」が感じている孤独感に共感できた時、ぎゅっと胸が締め付けられる、そんな心を掴んでくる文章たるや、さすが文豪 夏目漱石といったところだろう。 <オススメ動画> 「中田敦彦のYouTube大学」夏目漱石「こころ」編 前編:https://youtu.be/6mqsvpAoGAE 後編: https://youtu.be/F3qK-Ox0pI0
0投稿日: 2022.03.05
powered by ブクログ人間という生物の皮が、言葉により少しずつ剥がされていく感覚、でしょうか。 真理とまでは言わずとも、人間には少なからずそういう側面はあるだろうという共感。 先生の感ずる所は、一人の人間として、理解出来ることがあるのは確かです。 言葉は少しだけ難しいかもしれません。 しかし、この「こころ」という物語に存在する人間のこと。そして起きた物事。それに関して、登場人物はどう思ったのか。どう生きていくのか。 日本のベストセラー小説の一つとして、知っておくのは良いことだと思います。
0投稿日: 2022.03.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
先生は、自分が叔父のように人を騙したこと、それによって取り返しのつかない結果を招いたことから、厭世的な生き方を送り、やがて自殺を選択する。 冷静に考えれば、”こうなった以上、妻の幸せのために生きよう”とか、自殺をしない理由を適当に作り上げて生きていくこともできただろうに、そうはならないところに、先生の不器用さや純粋さがあって、親しみを感じるのかもしれない。手紙の中に出てくる、「何もする資格のない男」と先生を縛り付ける力は、Kではなく先生自身なんだろう。
0投稿日: 2022.02.27
powered by ブクログ夏目漱石の「こころ」再読しました。 再読の前に「愛と裏切りと悔恨の物語」と投稿したのですが、違いました。これはエゴイズムの物語です。若い心に芽生えた自我が成長し、増長し、煩悶する物語。愛についても語られてはいるが、自分の気持ちの話ばかりで相手の気持ちに触れることはない。この物語を愛というなら、現代語の恋愛や愛情という意味合いではなく、仏教用語における自己愛に近いでしょう。 そして、若く未熟だった自分は、登場人物の未熟さにシンクロしていたのだと理解しました。その意味では、若く未熟な頃でも、未熟さを懐かしむ年頃になっても、それぞれの新鮮さで読むことができる。夏目漱石という文豪、やはり只者ではありません。100年経っても熱意をもって読まれるだけあって、そのストーリーの多義性とか巧妙さに、改めて舌を巻くことができました。
0投稿日: 2022.02.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
再読2022.3.12完了 感想、考察、おおすぎるので箇条書き ・この100年ぐらいで死生観や人々の価値観が変わってきている ・家長制度の名残、天皇やその側近、国に対する信心深さ、命の比重をどこにおいたらいいのか現代の私には全然わからん ・女の人は学なんぞつけなくて良い、という時代背景がすごくわかる。特に「私」の母。女は家を守れという風潮の権化。人が死にゆくにあたっての変化や病気に対する無知さ、父親を柱とした世間体を守りたいという行動や言動に、この時代の多くの女性の生き方がみえる。 ・逆に「先生」の妻は、そういった点では時代の中で新しい受け止めができていたのか?世間体と言うよりは「先生」そのものを守りたいように見えた ・明治の終わりと共に明治を生きてきた命を終わらせた先生、最後に「私」を信じて自分の罪を全て託せたことは先生なりのこの時代の美学だったのかな ・この時代の死生観、人間としての美しさや醜さがつまってる ・そんで時代が変わろうとも人は色恋に振り回されるし、言葉は自分も他人も殺せるし、自分が信用できなければ他人もそもそも人間なぞ信用出来ない(先生がこれ言うところ本当に好き) ・100年経てば変わることもあるけど人間の本当の本当の本質は変わらん ・先生が私に全てを打ち明けたのは、若き日の自分を私に投影して、現在の自分をKに投影した部分もあったのか ・正直でまじめな私を信用して全て打ち明けたとしたら、Kにとっての先生もそういった存在だったのかもしれない ・だとしたら今後私もどうなるのか、時代の移り変わりと共にこの人は人間関係や死に対する考えをどう受け止めていくのか ・Kは先生と妻が元から恋仲だったと思っていたのでは、とか、1番近くで信用している人間の恋人を好きだと打ち明けてしまったことに悩んで自殺したのではないか、とか、めっちゃ邪推しちゃう ・結局自ら命を絶つ時の理由ってきっとひとつではなくて、何がきっかけかわからないけどもうあかんと思うことが引き金でふとした時に死んじゃう気がする ・死ぬことを決めてから10日間手紙書いた先生の精神力は一体、、、 ・というあたりにやっぱり死に対する考え方は時代でかなり異なるなと思う ・でも人間が悩むこと、人間同士駆け引きすること、人間同士が信じ合うことの脆さと危うさ、これは多分何千年レベルで変わってない気がする ・大切な人や場所、大切な感情が増えていくほど人はなりふり構わなくなるし傷つけることも増えていくよね。人間は脆いし醜くて美しくて尊い。 ・結果何回読んでも色々考えてまとまらないしよくわからない← 総じてやっぱりこころはすごい、 文豪作品でやっぱり1番好きだなー でも何回読んでもわかんないとこは本当にわかんなくてほんとすき
4投稿日: 2022.02.22
powered by ブクログ圧巻の文章力。 書物で城壁を築いてその中に立て籠っていたようなKの心。 事実を蒸留して拵えた理論。 人間らしい言葉のうちに、私が自分の弱点のすべてを隠していると言う。 精神的に向上心のないものは、馬鹿だ。 おれは策略で勝っても人間としては負けたのだ。 技巧で愉快を買った後には、きっと沈鬱な反動がある。 読んでいて心に刺さったフレーズ。 こういう文章に出会えるのが夏目漱石か!
1投稿日: 2022.02.14
powered by ブクログ読んだことあったということを半分過ぎて御嬢さん出てくるまで思い出せんかった。。 スピンが第1ページ前にあったことから、前に読んだ時も一気に読んだと思われる。
1投稿日: 2022.02.14
powered by ブクログこの時代、生きにくそう。てくらい一人一人が考えすぎてるんだと感じた。それだけコンテンツがなかったのかなとも思う。
0投稿日: 2022.02.13
powered by ブクログ先生という人物のその質素な暮らしぶり、世間や自身に対して期待というものが抜け落ちているどこか寂しげで厭世的な雰囲気が、彼をそうさせてしまった過去の出来事に読者の注意を向けさせ読み進めさせる。自己矛盾と罪悪という重荷を一人抱え込んできた長い年月を経て最期に、人間的な弱さと共感を他者のうちにも見出し、また己の内を話す事が出来る友をも見つける事が出来た彼の心は少し救われたのだろうか…。過去の名作を踏襲した作品が溢れる現代において、かつて目新しかった作品も手垢の着いた物となってしまう事があります。現代においても未だ面白いと思える所にこの小説の凄みを感じます。
1投稿日: 2022.02.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
高校の国語の授業(夏休みの宿題かなにか)で1冊渡された時は面白さが分からず流し読みで「Kが自殺する」ってことしか覚えてなかった。 でも10年近く経って、しっかり最初から最後まで読んだらページを捲る手が止まらなかった。 高校の時にこの本の面白さに気づいていれば、もっと多くの夏目漱石や純文学の作品に出会えてたのかなという悔しさもあるが、今この年齢になったからこそ面白さがわかるようになったんだろう、わかるようになって嬉しいという思いもある。
2投稿日: 2022.02.05
powered by ブクログ人間はズルい生き物であり、ズルさからたまに卑怯なことや嘘をついたりするが、結局罪悪感から自らをがんじからめにし追い詰められていく。罪の意識を持って生きる不器用な先生。その先生を慕っていた私(主人公)。このとんでもなく長い遺書を読んでどう思っただろう。 現代人が読んでも、なんでそこで今言わないの?それ早く言ってれば。なんで言わなかったの?と言いたくなるが常々日常的に誰にでも有りがちな、後々たらればで後悔しがちなことに、「分かる分かる…」と思い当たって複雑な思いを感じた。読むタイミングによって感想も変わりそうだ。 あと、明治から大正にかけての男、女の力関係を感じずにいられない。現代でよかった…。こんなに尽くせない(*_*;。
1投稿日: 2022.01.31
powered by ブクログいつ読んでも、時に言葉は人を殺すほどの力を持ってしまうのだなと思わされます。読み継がれていくべき名著。 「理解させる手段があるのに、理解させる勇気が出せないのだと思うとますます悲しかったのです。」
2投稿日: 2022.01.23
powered by ブクログあらすじ 私が先生と初めて会ったのは、鎌倉の海岸だった。先生にひかれた私は、東京へ帰ってからも、頻繁に先生の家をたずねるようになる。先生は、特に仕事をするわけでもなく、人付き合いもほとんどない。美しい奥さんと二人暮らしだ。ただ、毎月決まった日に雑司ヶ谷の墓地に墓参りに行く。だれの墓かたずねてみるが、「友人の墓」ということしか教えてくれない。先生のちょうど留守のときに訪ねていってしまった私は、奥さんから「書生の頃はこんな性格ではなかった」という話を聞く。それが次第に人付き合いもなく、今のような性格になってしまったのだが、その理由は奥さんにも分からない。奥さんは、先生のその変化が自分のせいではないかと悩んでいる。私が先生が変わったことになにか思い当たりはないかと聞いてみると、大学生のときに仲の良かった友人が亡くなったことくらいだという。私は先生の過去に興味を持つが、先生は「時期が来たら残らず話す」というだけだった。大学を卒業した私は一度帰郷することにする。帰郷する私に向かって、先生は「君のうちに財産があるのなら、今のうち能く始末をつけてもらっておかないと不可いと思うがね、余計なお世話だけれども。君の御父さんが達者なうちに、貰うものはちゃんと貰って置くようにしたらどうですか。万一の事があったあとで、一番面倒の起きるのは財産の問題だから」と、念を押す。帰郷すると、病床にある父は比較的元気だったが、明治天皇崩御の知らせを聞いて再び病状を悪化させてしまった。やがて、そのまま危篤状態になり、親戚縁者が呼び寄せられることになる。そんな最中に、先生から分厚い手紙が私のところに届く。そこには自殺をほのめかす一文があり、私は急いで列車に乗り、車中で手紙を読んだ。手紙は先生の遺書だった。そこには先生の過去が明かされていた。 20歳前に両親を亡くした私(これ以降の「私」は先生のことである)は、信頼する親族に裏切られて人間不信になった。その後上京して住むところを探していた私はある下宿に落ち着くことになる。そこは軍人の未亡人の家で、お嬢さんが一人いた。いつの間にか私はお嬢さんに「神聖な愛」を抱くようになった。その頃、同郷であり親友のKも下宿に住むことになる。Kは親から勘当されて困っていた。しかし、次第にお嬢さんと打ち解けていくようになる。私はKに嫉妬を感じるようになった。あるとき、Kからお嬢さんに対する恋心を打ち明けられた私は、Kの恋愛をあきらめさせるために「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」と言い放つ。他方、自分は未亡人を見方にして、」お嬢さんとの結婚の約束をしてしまう。それを知ったKは自殺した。私宛にも遺書は残されていたが、そこには恨み言一つ書かれていなかった。ただ「自分は薄志弱行で、とうてい行く先の望みはない」と書かれ、今までいろいろと世話になったということが、淡々と綴られていた。その後、お嬢さんと結婚した私は、真相をお嬢さん(妻)に打ち明けられないまま、自責の念に苦しんで来た。そんな私は死んだつもりで生きていこうと決心した。そして、明治天皇崩御の知らせを聞き、「明治の精神に殉死」すべく自殺を決意する。 手紙の最後は「私が死んだあとでも、妻が生きている以上は、あなたに限り打ち明けられた私の秘密として、凡てを腹の中にしまって置いて下さい」と結ばれていた。 先生の手紙は、便箋で書くと厚さが11ミリ、重さ320グラム 松田さんの話
2投稿日: 2022.01.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
個人的にはページ数が308ページとそこそこあって初めて文庫本を買って読んだ時は、読了まで結構大変だった記憶があるので、これから純文学に触れようという方の最初の1冊としてはちょっと覚悟がいるかもしれない が、しかし内容の半分も過ぎていよいよこの作品の真骨頂「先生」の独白と言う名の遺書に内容が入って行くと一気に引き込まれてついつい読み進めてしまう 「先生」に自分を重ねてモヤモヤしたり、「K」は何故自ら死を選んだのかその心情を考えてみたり、「奥さん」や「お嬢さん」はあの時なぜあの時あんな反応をしたのだろうと疑ってみたり、現実でも思い当たる自分や他人への「こころ」の疑心暗鬼とも言える移り変わりを改めて堪能させられました
3投稿日: 2022.01.13
powered by ブクログ字を追う目が進む進む。 「私」パートと言う名のフリからの、先生の遺書の重み面白み学び、、 また読みます。
1投稿日: 2022.01.12
powered by ブクログ人間の心というのは複雑なものであるのだと思った。先生の手紙では、特に心が丁寧に描かれている印象を受けた。 また、先生の自殺は明治の精神への殉死というかたちになっているが、この点はよく理解出来なかった。 読み通して、孤独、罪の意識について考えさせられた。 ●心に残ったシーン p97 7行目 「私は過去の因果で、人を疑っている。然しどうもあなただけは疑りたくない。あなたは疑るには余りに単純すぎる様だ。私は死ぬ前にたった一人で好いから、他を信用して死にたいと思っている。あなたはそのたった一人になれますか。なってくれますか。あなたは腹の底から真面目ですか」 p173 10行目 「私は今自分で自分の心臓を破って、その血をあなたの顔に浴せかけようとしているのです。私の鼓動が停った時、あなたの胸に新しい命は宿る事が出来るなら満足です。」
2投稿日: 2022.01.09
powered by ブクログ毎回読む度に先生(わたし)に共感するかKに共感するか、または両方かが変わる 清廉にも醜悪にも成りきれない自分にクリティカルヒットを打ってくる作品
1投稿日: 2022.01.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
引き込まれた…。 ずるずると引っ張られて気付いたらどっぷり浸かってた。あぁ、凄いわー。読み継がれる名作ってやっぱりそれだけの力があるんだな。 厭世的なのにどこか優しくて近づけそうで近づけない先生の過去が思わせぶりな感じで書かれてて、先生の魅力と相まって興味をそそるわけ。先生の過去が知りたい一心で続きを読んでいくと、先生が言うのよ。 「あなたは本当に真面目なんですか。」って。 先生の経験をちゃんと受け止めて自分のこころで考える覚悟はあるのか?先生の過去をあばいて、その人生から生きた教訓を得る力と決意があるのか? 「私は死ぬ前にたった一人で好いいから、ひとを信用して死にたいと思っている。あなたはそのたった一人になれますか。なってくれますか。あなたは、はらの底から真面目ですか」 先生の遺書を読んで、[先生と私]でいかにも核心かのように描かれていた財産を横取りされた叔父との件は前置きで、触れることすら許されなかった雑司ヶ谷に眠るKとの過去が先生にとっての秘密というかあばかれたくない過去だったんだって分かった。実際叔父を憎んでたとは思うよ。でも、何よりも先生を打ちのめしたのは、自分自身も、ずっと憎んで軽蔑してたあの叔父と同じ人間だったという事実。それを知られたくないと思う自己保身。恋や愛は免罪符じゃない。道から外れてるだろうと自分が1番分かってる。罪を背負って自分を許さずに生きてきた、といえば聞こえは良いけど、実際は愛する人に一点の曇りもあってほしくないとか言い訳しつつ自分の殻に閉じこもって淋しい思いさせたよね。挙句、自殺…。 あー。でも、誰かに言いたかったし理解してほしかったのは痛い程分かるな。自分の全てを受け入れて理解してほしいっていうのは人間の欲求の一つだ。 先生の遺書は矛盾ばかりで。 感情ってひとつずつじゃないのよね。 複雑なのよ。自分で持て余すくらいに。 「そうなの。こころって重いの!」 (↑ハウルの動く城)笑 この本のタイトルを「こころ」にした夏目漱石のセンスよー! 感動して感想が長くなってしまった。しかも全然まとまらなかった!
2投稿日: 2021.12.28
powered by ブクログ文体というか言葉の使い方がストーリーと合わさってとても好きでした!!! なんか読んだ気するなぁ、結末知っとるなぁと思っとったらなんと高校3年の時に読んだことを思い出した、あん時ゃこころの良さなんて理解できる自分も余裕もなく…今だったら先生に質問攻めするのになぁ笑 こころ
3投稿日: 2021.12.08
powered by ブクログ二部が高校の教科書にのっていて、 授業でその考察に衝撃を受けて思わず全文読んでしまった作品 また読み直したいな、国語の授業楽しかったな
2投稿日: 2021.11.17
powered by ブクログ過去に信頼していた人に裏切られた経験のある先生が同じように自分のことを信じてくれたKを裏切ってしまい、結果的にずっと自責の念に苛まれている様子から、人は裏切っても裏切られても「こころ」が傷つくのだということが分かった。しかし、先生が最後自殺という道を選んだことについては少し違和感を覚えた。もちろん親友を死に追いやってしまったことは罪であるが、その罪を自殺という形で償うのは違うのではないかと思った。その罪に苦しめられながらも自分の寿命を全うすることが、残された先生ができる唯一の償いなのではないかと私は思う。
1投稿日: 2021.11.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
途中までつまらないと思って読んでいましたが、「下 先生と遺書」に入ってからページをめくる手が止まりませんでした。恋と親友Kの自殺により揺れ動く先生の心情が、細部まで描かれています。ここまで感情移入して読んだ本は今までに無かったです。
2投稿日: 2021.11.10
powered by ブクログ【あらすじ】 親友を裏切って恋人を得たが、親友が自殺したために罪悪感に苦しみ、自らも死を選ぶ孤独な明治の知識人の内面を描いた作品。鎌倉の海岸で出会った"先生"という主人公の不思議な魅力にとりつかれた学生の眼から間接的に主人公が描かれる前半と、後半の主人公の告白体との対照が効果的で、"我執"の主題を抑制された透明な文体で展開した後期三部作の終局をなす秀作である。 ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆ 後悔の念というのは、自分自身の軽率な欲求から生まれ、その後生涯にわたって暗い影を残すものだと思います。歳を取ればとるほど、その重荷は増えていき、人生がどんどん汚いものになっていく…。そのプレッシャーに耐えられず、ついには自ら命を絶つことを選択した先生と、まだ若く無垢で、罪悪感というものを真に理解できていない存在である「私」の対比が見事です。理想的な心の在り方とは何なのかを真剣に考えさせられる作品でした。
9投稿日: 2021.11.01
powered by ブクログ高2の現代文の授業で先生と遺書の一部を学習し、全てを読みたくなったため図書館で借りて読みました。最初から最後までずっと考えさせられるものが多く、高校生の時に出会えてよかったと思った1冊でした。
0投稿日: 2021.10.16
powered by ブクログ出来事を記す歴史書は山ほどあるが、人の考え方や価値観を残せたのは小説だけ。きっと教科書に載り続ける。高校生が日本人の「こころ」に触れる。
3投稿日: 2021.10.15
powered by ブクログ100年以上前の文章だということに感動を覚える。人間の心の動き、弱さ、葛藤は、どんなに文明が進歩しても普遍的なものなのだなと。
1投稿日: 2021.10.13
powered by ブクログ100年以上前の大ベストセラー。宛字が多く読みにくいのと私が先生の何に惹かれたのか、先生がそこまでして得たお嬢さん(妻)を捨てる葛藤がよくわからなかった。
0投稿日: 2021.10.11
powered by ブクログ先生は「いいですか、恋は罪悪ですよ」という。恋は突き詰めるとやはりエゴであるが、止めることができない。読んでいて、アダムとイヴが禁断の果実を食べたから人間は皆生まれながらに罪を背負っているという「原罪」という言葉が浮かんでいた。 Kは潔癖すぎたために死に、先生は原罪を受け入れられずに死んだと思う。つまり、2人とも真面目で善人すぎて自分不信になり、人間不信になり、孤独で自死した。 好きなフレーズ:p.233「つまり私は極めて高尚な愛の理論家だったのです。同時にもっとも迂遠な愛の実際家だったのです。」
3投稿日: 2021.10.07
powered by ブクログ高校の時の原文で食い入るように読んで、教科書のは省略版だったからその後単行本で。ずっと影のある先生。誰にも救えなさそうな先生。 昔、母親から「停滞は後退と同じだよ」ってよく言われて、その通りなんだけどプレッシャーだなあと思ってモヤってたから、「向上心のないものはばか」はこれに少し似てるなと思った。人を追い詰める言葉でもあるのだな。ずるさ、自分を守って、自分は幸せになりたい気持ち、一生背後にある拭えない闇。
0投稿日: 2021.10.06
powered by ブクログ読みやすい文章でスラスラと読めました。 先生に対する思いが自身の高校時代の恋心に似ていて、終始共感していました。 高校生の時読んでいたかったなぁー。
2投稿日: 2021.09.30
powered by ブクログ10代の頃、序盤のみ読んでそのままにしていたものを再読したところ沼だった。自身の過去を振り返れば本作と同様、エゴに塗れた言動も多々想起され胸が締め付けられた。そうあってはならないという思いと、それが人間だという思いが交錯する中、人間とはつくづく罪深いものだと思った。そうあってはならないと思うこと自体、既に自分を鎧でまとい他人に良く見せようとしているのか自問自答している。淡々とした文体ながら心理描写がとても丁寧で引き込まれた。これを読んで先生を軽蔑するような人間はいないはず。誰しもある心の闇を描いた名作。
1投稿日: 2021.09.28
powered by ブクログ高校で1番の盛り上がりの場面を読んでからその前後がずっと気になっていて、やっと全部読めました。客観的に自分を見ることは大切だな
0投稿日: 2021.09.27
powered by ブクログ日本文学として真剣に読むと私には理解できない世界観。現代に置き換えると「つまりニート?」とか「ありえない!」とか突っ込みどころ満載で、笑わずには読めない本です。あまり期待せず、誰も居ないところで読んだ方がいいです。笑うかもしれないので。一度ツボにはまるとかなり辛いです。
1投稿日: 2021.09.26
powered by ブクログやはり、文豪と呼ばれるだけあって、文章がとても美しかった。登場人物の考え方や行動が感情がわかるように繊細に書かれているので、ゆっくり時間をかけて何度も読み返すことができる。
0投稿日: 2021.09.15
powered by ブクログ細かく評価するなら☆3.8くらい。 中学生か高校生の頃に国語の教科書で一部分を読んで、結構好きだったよなぁとう思いから一冊読もうと思った。 内容は暗くて重いけれど、誰にでもある感情や人間性がリアルに描かれていることで、最後まで飽きずに読むことができた。 いくら理解していると思っていても、結局人の心というのはその人にしかわからない。 罪の意識を背負って生きていく悲しさ苦しさ、その周りにいる人たち自体で感じてしまう無力さなどがとても伝わった。 時たま、なんでこんな物語が書けるのだろう、こんな表現ができるんだろうと、文豪夏目漱石に想いを馳せていた。笑
1投稿日: 2021.09.14
powered by ブクログやっぱり死なないと気づかないんだ全部 先生みたいになりたくない。 だけど多分みんなの心にいる、から苦しい どこまでもずるくてイライラする
0投稿日: 2021.09.13
powered by ブクログ高校生の息子の夏の課題本だったのを読んだ。 私も高校の授業で一部分習っただけで読むの初めて。 映画も見たがほぼ覚えていない…多分これでしょう。 https://www.nikkatsu.com/movie/20056.html 『上 先生と私』 <私はその人を常に先生と呼んでいた。だからここでもただ先生と書くだけで本名は打ち明けない。P6> 学生の”私”は、海水浴の鎌倉で見かけた男性と知り合いになり、東京に戻ってからも交流を続ける。 私が年上という理由で”先生”と呼ぶその男性は、仕事は持たず本を読み散歩をしながら妻のお静さんと女中と静かに暮らしていた。まだ若くて将来を気にする必要もない私にとって、学校の教授の講義より先生の談話のほうが有意義に感じられて、月に何度も訪ねるようになる。 この物語で、私が先生の何を気に入って家に通うようになるかは明確にされていないので、読者としては感じるしかない。 思春期で、友情も親子の情も恋愛も超えた関係を求めたのかもしれない。 先生は「若いうちは寂しい。きみはいずれ女性に恋をするが、その前に同性のおれのところにその寂しさを埋めに来ているんだろう。だがきみはおれに失望するだろう。おれはそんな人間なのだから」などという。 先生は話をすればするほど不思議な人だった。家で本を読み一人で勉学をしているようだがそれを発表することはしない。厭世的で感情を表さない。先生、先生と言って慕ってくる私を迎え入れつつも「自分は人間全体を信用していないんです」という態度を崩さない。 どうやら過去に何かがあったらしい。親族に財産を騙し取られたこと、そして学生時代の大事な友人が亡くなったことが関係しているようだ。 「自分で自分が信用できないから、人も信用できない」 「人間は誰でもいざという間際に悪人になる」 <しかし私はまだ復讐をしずにいる。考えると私は個人に対する復讐以上の事を元にやっているんだ。私は彼らを憎むばかりじゃない、彼らが代表している人間というものを一般に憎む事を覚えたのだ。私はそれでたくさんだと思う。P84> そんな先生の側にいる奥さんは、先生を人間として幸せにしているのは間違いなく自分(奥さん)だというが、しかし先生は人間が嫌いなので自分(奥さん)のことも嫌いにならざるを得ないのだと言う。 この奥さんの考えは、現代からすると不思議でもある。 先生が人偏すべてを嫌うことに対して自分の無気力さを感じるが、同時にそんな夫と互いに幸せな生活を送れるというのは、ただ流される女というよりある意味肝が座っているというのか。 さて、先生はそうやって世間を自分を嫌いながらも、まだ若くて将来があり赤の他人である自分を慕ってくる私には心のすべてを出したいという態度を見せることもある。 <「あなたは本当に真面目なんですか」と先生が年を押した。「私は過去の因果で、人を疑りつけている。だから実はあなたも疑っている、しかしどうもあなただけは疑りたくない。(…中略…)」私は死ぬ前にたった一人で好い(※よい)から、他(※ひと)を信用して死にたいと思っている、あなたはそのたった一人になれますか。なってくれますか(…中略…)。よろしい私の過去を残らず、あなたに話して上げましょう。P87> そのころ故郷の父が倒れたという連絡が入り実家に戻る。 幸い父は床を離れた。 田舎の人々と日々を過ごすうちに、私は心のうちで父と先生とを比較した。 両方とも世間から見れば生きているか死んでいるかも分からないおとなしい男だ。 他に認められるものもない。 故郷の父はすでに私には物足りない。 だが赤の他人である先生との交流は、私に愉しみをもたらせていた。 <肉のなかに先生の力が喰い込んでいるといっても、血の中に先生の命が流れているといっても、その時の私には少しも誇張でないように思われた。私は父が本当の父であり、先生はまたいうまでもなく、あかの他人であるという明白な事実をことらわ目の前に並べてみて、初めて大きな心理でも発見したかのごとく驚いた。P64> 東京に戻った私は先生への元を訪れる。 相変わらず厭世的だ。 そして私は卒業し、田舎の両親のもとに一時帰宅することになる。 『中 両親と私』 ここからは故郷での話。 私には、両親と、他の地方で仕事を持った兄と、嫁に出て妊娠中の妹がいる。 この故郷がどことは書かれていないけれど、兄の勤務地が九州ということなので、まあ西の方でなのでしょう。」 両親は田舎の考えで、東大を卒業したのだからそれなりの職業に付き収入を得て欲しいと思っている。 そして仕事をその”先生”に紹介してもらという。 家族にとって、”先生”というからには何かをしているべき存在だ。先生が本当は何者なのか、ただ交流が愉しいのだということは理解してもらうことはできない。 いや、現代読者としてもそれは不思議ですよ。この小説に限らないが、仕事をしなくても特に困った感じもなく日々を過ごせる国や時代というのはどうなっているんだと考えてしまう。 そうしているうちに父がまた倒れる。今度こそ死が近いようだ。 明治天皇のご病気と崩御、そして乃木大将の殉死のニュースも故郷で知った。 ちょうど先生から「会いたいから東京に戻れないか」という電報が来たが、折も折で断るしかなかった。 数日後、先生から大変な長文の手紙が来る。 パラパラとめくる私の目に飛び込んできた言葉。 <この手紙があなたの手に落ちる頃には、私はもうこの世にいないでしょう、とくに死んでいるでしょう。P148> 父の容態の安定を確認した私は東京への電車に飛び乗った。 『下 先生と遺書』 この章は先生の昔語りであり、人生の告白である。三部構成だが、この章が全体の半分を占める。 先生が私に長い手紙を書いた理由は、私に過去を問われた時に、それを打ち明ける相手は私にだけだと思ったからだ。 先生は、田舎の裕福な家の一人息子で鷹揚に育てられていた。 両親が亡くなった時も、東京で学生生活を謳歌して家は叔父に任せっきりだった。 だがその叔父に両親の財産を取られていたらしい。 これが先生の第一の人間不信の原因だった。 このあたりの親族間の財産争いは、たしかにひどくはあるんだが、のんきな甥っ子が都会で好き勝手してたら、田舎で生きる身としては何をのんきな!と感じる気持ちもわからなくもない。 先生が叔父さん一家の詐欺行為や見せかけの親切や付かれた嘘に傷つくのは当然ではあるが、何も気が付かず気がついても何もしない先生も相当甘く育っているんだよね。 そして先生は叔父と争うこともなく(気力もないしやり方も分からないし、東京に出てきたのんきな田舎のお坊ちゃんに太刀打ちできる相手でもない)、自分が受け取れるだけの財産を受け取り、残りの家と財産とは叔父に明け渡し故郷を完全に離れて東京で暮らすことにした。 財産を掠め取られたとはいっても、受け取ったお金は学生にしてはそれなりの大金であったようだ。 先生はせせこましい寮を出て素人下宿に移った。 このあたりもなんとも呑気。 この下宿は、日清戦争でなくなった軍人の未亡人(以後”奥さん”)と、その娘さん(以後”お嬢さん”)と、女中とで暮らす静かな世帯だった。 こんな女所帯に、娘と同じ年頃の学生さんを住まわせるのだから、それなりの思惑が会っただろうとは、読者としても想像がつく。呑気な先生もそれは感じたようだ。奥さんはどうやら自分とお嬢さんとを近づけようとしているかのようだ。だがそうかと思えば決して二人きりにはさせないような、どっちとも取れない素振りを見せる。 奥さんの思惑はどうであれ、先生はお嬢さんに惹かれていった。 <私はその人(※お嬢さんのこと)に対して、ほとんど信仰に近い愛を持っていたのです。(…中略…)本当の愛は宗教心とそう違ったものでないとういうことを固く信じているのです。私はお嬢さんの顔を見るたびに、自分が美しくなるような心持ちがしました。お嬢さんを考えると、気高い気分がすぐ自分に乗り移って来るように思いました。P186> しかし人間不信のある先生は、奥さんのどちらとも取れない態度に対して、自分からも踏み出せないでいる。 その頃、先生は友人の”K”を下宿に招き入れる。 Kはもともとお寺の家の次男だったけれど、跡継ぎのいない医者の家に養子に出されていた。 当然医者になることを期待されていたのだけれど、頑固者のK本人は、人生を修行鍛錬で過ごしたいと思っていた。それは実家である本願寺派浄土真宗に進むというのではなく、人生そのものを哲学的な思想を持ち、常に精進して生きてゆこうとするというK独自の信念を持っていたのだ。無口で偏屈で意地っぱりのKは、人付き合い、ましてや恋愛などは人間の精神精進に対しての無駄だと軽蔑している。 先生は、若干上から目線的な思惑で、そんな意固地なKを解きほぐしてやろうという思っていたのだ。 Kは、人間らしさや人との交流などは、自分の弱点を隠すためのごまかしだとまで言う。 そして言い放つ。 「精神的に向上心のないものは、馬鹿だ」 そんなKの様子が最近おかしい。神経衰弱気味で顔色も悪く集中力にも欠けている。 理由を聞く先生に対して、Kはお嬢さんへの切ない恋を打ち明ける。 もともとお嬢さんに対して高貴な精神愛を持っていた先生は、先を越された、という思いを持つ。 自分のお嬢さんへの想いを打ち明けるにはタイミングを逸した。だがKとお嬢さんがもし接近するようなことがあったらと嫉妬に苛まされる。 先生はKを出し抜く事を考えるのだった。 先生はKにその恋心をどうするつもりかと尋ねた。 そしてその恋を砕こうとする。 こんなことになり、一体どういう覚悟を持ってこの先生きるのか。そしてかつて自分が言われた言葉、「精神的に向上心のないものは、馬鹿だ」を浴びせ返す。 するとKは言う。 「覚悟、ー覚悟ならない事もない。(P256)」 先生は先回りすることにした。 奥さんにお嬢さんとの結婚を申し出る。 この求婚に関しては、もう奥さんもお嬢さんも最初からそのつもりだったのだろう、すんなり受け入れられる。何しろ奥さんが「あなたから娘に直接言う必要もありませんよ。あの子が嫌なら私が承諾するはずないじゃありませんか」とまでいう。 見事婚約が相成った先生の新たな悩みは、Kが知っているのか知らないのか、Kの恋心を潰そうとした自分が抜け駆けしたことをどう思うのか、自分の行った卑怯な行為を言いふらされたりするだろうか。 そんなKに対して妙な感触を持つ。夜中に隣の部屋から「まだ起きているか?」「最近よく眠れるか?」などと聞いてくる。 どうやらKは、先生とお嬢さんの結婚を奥さんから聞いて知っていた。だがまったく変わった様子を見せなかった。 そして数日後、布団で動脈を一気に切り裂いて自殺していた。 遺体の第一発見者である先生が真っ先にしたことは、自分が不利になるような遺書があるかを確認することだった。 Kの恋心は誰も知らなかったので、現状や将来を悲観しての自殺と片付けられた。 先生はお嬢さんと結婚する。 最初の章に先生の奥さんとしてでてきたお静さんがこのお嬢さんの今の姿。 しかし先生の結婚生活はだんだん先生の精神を追い詰める。 どうしても自分の妻の向こうにKを見てしまうのだ。それは叔父に騙されて傷ついた自分が、Kを騙した事を突きつけられる、自分が嫌っていた人間の汚さを自分自身に見せつけられるのだ。 こんな精神状態ではありながら、元々が生々しい恋愛というより精神的な愛情であった二人は、夫婦として不満もなく穏やかに過ごしていたようだ。 それでもお静さんは、自分と結婚してからの先生がどんどん無気力になってしまうことに対して負い目のようなものを持ち続ける。 自分と結婚したのが悪いのか、自分が嫌いで引きこもるようになったのか。 そんな生活をしばらく送ったところで”私”が先生夫婦の家を尋ねるようになったのだ。 そして私が田舎に返っている時に明治天皇崩御のニュースが報じられる。 先生は、自分が明治という古い時代と共に取り残されたような、先に進めないような心持ちになる。 そして乃木大将の殉死。 それは先生の前に”答え”を示した。 この小説は、自殺を決めたことと、その前に私には真実を話したいということと、だが妻には自分の醜さを知らせたくないという先生の手紙で終わっている。 私が先生の家に駆けつけてどうなったか、私と故郷の両親のことはどうなったのかは書かれていない。 昔見た映画では、ラスト場面は、私が先生の家に到着し、夫の急死に泣き濡れるお静さんに迎えられる場面で終わっていた。 なお、映画でもう一つだけ覚えているのはKが眉毛釣り上げ口をへの字にして「精神的に向上心のないものは、馬鹿だ」の台詞だけなんですけどね。 先生が奥さんとお嬢さんの下宿に入ってからはほぼ思春期小説。恋に悩み人生を語りたくなり、自分は精神により高みを目指したがるこの頭がぐるぐるしている様子がずっと書かれている。今の私の年齢にとってはなんというか、若い人の恋愛の悩みを聞いたような(実際に聞いたことはありませんが)、振り返るような思いだった。そのため、高校の時に読んだよりずっと読みやすかった。 高校の授業ではKの自殺と先生の自殺の理由を考えるものがあった。 Kの自殺は友人である先生に裏切られたことと、お嬢さんへの失恋だと読めるのだが、だが失恋や裏切りがなくても自殺したのだというような読み取り方を教わった。 Kにとっては、恋をして堕落した事自体が自分の道に外れたのであり、失恋も裏切りも関係ない。それが現れるのが「覚悟ならなくもない」という台詞と、先生に向かって「夜眠れるか」ときいた事(隣の部屋の先生が起きてたら自殺を気が付かれるから)だという。 今回私はそれを踏まえて読んでいるのだが、やはり失恋や裏切りは関係ないのだろうと思った。 殉死という言葉や概念は現在では遠くなり特異に感じる。だからKや先生の死に”殉死”という言葉があるとなにか特別な感じがする。 だが、自分にはそれに殉じるだけの信念なのだと思えば分からない気持ちではない。 Kは、自分の信念に殉じた。 先生は、自分が人からされて嫌悪したことを自分がして気持ちは死んでいたが、肉体も死んでも良い理由が提示されたから死んだ。この先生が心を閉じてゆくことに関しては、奥さんのお静さんに自分の裏切りを告白したって受け入れてもらえたと思うんだが、先生は受け入れてほしいのではなくて罰してほしかったのだろう。ああ、このへんが人間の面倒臭さ。夫婦でKの墓参りに行く人生も送れただろうにそれじゃだめなんだ。それなら先生は、自分のすべてを告白できる相手である私に出会えて心は開放されたのかもしれない。 夏目漱石は改めて読むとやっぱり良いですね。 私としては、夢十夜とか蛇みたいにちょっと神経に直接触れられるような短編が好きなんですけどね。なんの説明もなく何かが起きて、なんか怖い、みたいな。
15投稿日: 2021.09.11
powered by ブクログ重かった… 1人の女性をめぐるどろどろとした三角関係を描いた作品。 現代の甘酸っぱい三角関係じゃないから面白かった 主人公についてはほとんど全く触れられなかったことに驚いた。そんな小説を読んだのは初めて。 先生のことについてそれも遺書として。 まだ理解できていない場面も多くある また時間を見つけ次第読んでみたい 最後は圧巻だったけど途中かなり眠くなった まだまだ鍛えなきゃ
0投稿日: 2021.09.07
powered by ブクログ《本屋》【再読】何度目かな、読むたび新たな発見をする。先生の印象が変わる。学生時代、20代、30代、全く違う。
1投稿日: 2021.08.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
課題でさらっと読んだ時の感想を↓ 『こころ』は有名ながら今まで読んだことが無く、これが名作なんだな、と思いながら読んでいました。 今まで夏目漱石の作品は『坊ちゃん』しか読んだことがなかったのですが、主人公の少し無鉄砲な感じや、兄が九州に行っているところなど、似通った点がいくつかあり、漱石自身の要素が少し入っているのかと思いました。特に、漱石は神経衰弱に陥っていたこともあるので、それが悶々と一人苦悩を抱える描写に現れていると思いました。 特に疑問に思ったのは、いつ亡くなるか分からない父親の看病をするからと言って、敬愛する先生からの誘いを「私」は断ったくせに、先生の遺書を受け取った時には我を忘れて汽車に飛び乗ったところです。今か特に疑問に思ったのは、いつ亡くなるか分からない父親の看病特に疑問に思ったのは、いつ亡くなるか分からない父親の看病をするからと言って、敬愛する先生からの誘いををするからと言って、敬愛する先生からの誘いをら大急ぎで帰ったとて会えるわけでもないのに、不思議だなと思いました。 最後の先生の告白の畳みかける感じが、今まで誰にも言うことのできなかった苦悩の大きさを物語っているような気がしました。特に、自分の妻には、自分に関する記憶を純白に保存して置きたいと最後に言うところから、最後の最後まで自分を取り繕わなければならないのが哀しいなと思いました。両親を亡くし、親類に裏切られて、人から裏切られる痛みというものを知っているのに大事な親友のことを裏切って自分のエゴのために動いて、結果間接的に親友を殺してしまったということは先生にとって本当に深い後悔となったのだろうけれど、それは先生の中の良心が残っている証拠だと思いました。 でも、もし私がKならば命の限りまで娘さんと幸せになって欲しいと思うし、もし娘さんの立場ならば、二人が恋心を抱いていたことは薄々気が付いているだろうと思うので、苦悩を話して欲しかったのではないか、と思いました。
0投稿日: 2021.08.29
powered by ブクログ生きてるだけで感じる苦しさみたいなものをこんなにも真っ直ぐに文字にしてしまうことで救われる人もいるだろうし、恐怖に感じる人もいるだろうな。 100年以上前に書かれたにも関わらず、読みやすかった。長いけど。 100年経っても人間が感じる苦しみは変わらないのも面白いね。
3投稿日: 2021.08.25
powered by ブクログ昭和55年5月25日 88刷 再読 数十年ぶりの再読。日本で一番増刷され、読まれた小説とのこと。 古き良き時代の学生達の様子、其々の孤独なこころを明確に表現する美しい日本語。 今回、ようやく、項目毎のきっちりした文字数に気付き、新聞連載小説だった事を知りました。 長く読み続けられると良いな。
14投稿日: 2021.08.22
powered by ブクログすらすらと読めた。太宰治を読んでいたからかもしれないけどそうでなくても読みやすかった。流石に国語の教科書になってるだけあるのだなと。 ちょうどよく婉曲的で、苦しくて。視点が誰で誰に向かって話しているということは考えられないけど。私の弱さに苛つくこともあったが、結局哀れな人なのだとも思ったし免ない結末だと思った。しかしやはり置いて行かれる人の気持ちにもなってしまうと苦しくて仕方ない。かといって真実を知って共に生きるのも、自分が苦しめている気になるのだろうなと思うのでやはり「もう取り返しが付かないという黒い光が、私の未来を貫いて、一瞬間に私の前に横たわる全障害をものすごく照らしました。」となるのだな。
3投稿日: 2021.08.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
先生にとって、友人を裏切ってしまった罪悪感は数年という月日を経て、死んで罪を償わなければならないという執着に変わっていたような気もする。
0投稿日: 2021.08.18
powered by ブクログ義父が最期に読んだ本、ということで手にしました。 その一部は幾度となく目にした物語でしたが、全部を目にしたのは初めてでした。 注解があり、時代背景もわかりやすかったといことと、自分の母校が雑司ヶ谷と近いこともあり、脳裏に風景が浮かびます。 最後まで読み、また初めから読みなおさずにはいられない、先生と妻と主人公の内面をもう一度確認したくなる、そんな名作です。
0投稿日: 2021.08.17
powered by ブクログ近代日本の小説家である夏目漱石(1867-1916)の後期の長編小説、1914年。 恋愛において、人を恋い初める瞬間、その恋を自覚するかしないか未だ不分明である時期には、何物にも代えがたい幸福がある。自我が世界へ向けて新たな回路を見出し、世界そのものが更新され、以て自我そのものが更新されていく。自我が変容へ開かれてあるということ、恋において自我は自我に対して未知であり得るということ、これは恋が希望そのものであるということだと思う。 「本当の愛は宗教心とそう違ったものでないということを固く信じているのです。私は御嬢さんの顔を見るたびに、自分が美しくなるような心持がしました。御嬢さんのことを考えると、気高い気分がすぐ自分に乗り移ってくるように思いました。もし愛という不可思議なものに両端があって、その高い端には神聖な感じが働いて、低い端には性慾が動いているとすれば、私の愛はたしかにその高い極点を捕まえたものです」(p170)。 しかし同時に恋は、自分の中の暗く醜い感情と向き合うことを否応なく強いてくる。不安、焦燥、嫉妬、僻み、劣等感、自己嫌悪、傲慢、優越欲求、独占欲、支配欲、疑心暗鬼、裏切り、自己保身、自己欺瞞、肉欲。こうして、その初めには希望への道筋であったかに見えた恋が、場合によっては当の相手への憎しみにさえ転化してしまうこともある。 「私はいまでも決してその時の私の嫉妬心を打ち消す気はありません。私はたびたび繰り返した通り、愛の裏面にこの感情の働きを明らかに意識していたのですから。しかも傍のものから見ると、殆ど取るに足りない瑣事に、この感情がきっと首を持ち上げたがるのでしたから。これは余事ですが、こういう嫉妬は愛の半面じゃないでしょうか」(p216)。 恋愛には、他者を自己の専有物にしようとする欲求とその必然的な挫折、則ちエゴイズムと孤独とが、最も先鋭的なしかたで現れる。さらにその上、そうした悪感情とその不体裁を自他に対してごまかそうとする欺瞞が加わる。そこでは、先に見た希望への回路などというのは、甘い幻影でしかないように思われてくる。一部の文芸や音楽には、一時そうした醜い感情を雪ぎ落としてくれるかのように錯覚させてくれるものもあるが、エゴイズムと孤独というのは、現代人にとって自他関係の在り方の根本に組込まれてしまっているものであって、容易に逃れられそうにない。自他の透明でそれゆえに調和的な関係を理想としながら、自他という機制のゆえに、予めその可能性が閉ざされてしまっている。以下のようなミクロな言葉遣いひとつのうちにさえ自他に対する欺瞞が入り込んでしまうことからも、その根深さが察せられるように思う。 「私は人間らしいという抽象的な言葉を用いる代わりに、もっと直截で簡単な話をKに打ち明けてしまえば好かったと思い出したのです。実を云うと、私がそんな言葉を創造したのも、御嬢さんに対する私の感情が土台になっていたのですから、事実を蒸溜して拵えた理論などをKの耳に吹き込むよりも、原の形そのままを彼の眼の前に露出した方が、私にはたしかに利益だったでしょう。私にそれが出来なかったのは、学問の交際が基調を構成している二人の親しみに、自から一種の惰性があったため、思い切ってそれを突き破るだけの勇気が私に欠けていたのだという事をここに自白します。気取り過ぎたと云っても、虚栄心が祟ったと云っても同じでしょうが、私のいう気取るとか虚栄とかいう意味は、普通のとは少し違います」(p209)。 エゴイズムによる他者との関係の破綻が、ついには自己自身の存立根拠をも食い破ってしまう。なぜなら、自己は、自己自身の信念に拠ってのみ成立するのではなく、他者の存在とその関係性に本質的に依存することで存立可能であるのに、エゴイズムは他者という基盤を掘り崩してしまうから。 「叔父に欺かれた当時の私は、他の頼みにならない事をつくづく感じたには相違ありませんが、他を悪く取るだけであって、自分はまだ確な気がしていました。世間はどうあろうともこの己は立派な人間だという信念が何処かにあったのです。それがKのために美事に破壊されてしまって、自分もあの叔父と同じ人間だと意識した時、私は急にふらふらしました。他に愛想を尽かした私は、自分にも愛想を尽かして動けなくなったのです」(p258-259)。 恋愛における幸福がもし可能であるとして、はたしてそれはなにかの錯覚以上であり得るのか。
17投稿日: 2021.08.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
高校生か大学生ぶりに読みました。「こころ」という題名のとおり、人のこころの描写が素晴らしい。私のこころ、先生のこころがとても伝わってきます。私が実家に帰ったときの描写はとてもあるある。先生の衝撃的な遺書も、こころが伝わってきます。感情の描写だけでなく情景描写も読みやすく美しい。自由な時代に生きた孤独な人たち。自由は孤独に似ている。
0投稿日: 2021.08.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「こころ」は先生が親友Kを出し抜いて彼が好意を寄せていた女性と結婚してしまうが、Kは自殺してしまい、先生は罪悪感を抱えながら夫婦生活を送る。そして先生も明治時代の終わりとともに自殺する。 こんなストーリーだけれど、結局先生はKのことの方が好きだったのではないだろうか という誤読をしました 親友Kを静さんに取られたくない心理のほうが強い気がしてしまう そもそも「私」も「先生」に興味持ちすぎるし、ちょっとBLなのでしょう ひらがなで書く「こころ」とは人間心理を広くとらえたいときに使うから、単なる嫉妬、裏切り、利己心みたいなところでもないのかもしれません
0投稿日: 2021.08.04
powered by ブクログ教科書にも載っている名作で、夏目漱石の後期作品の中での代表作でもあるこの作品は、夏目漱石のイメージを覆すほどで、初期の代表作品である「坊ちゃん」「吾輩は猫である」とは全く違った夏目漱石のダークの部分が表現されていると感じました。ぜひ1回は読んでみてください。
14投稿日: 2021.08.03
powered by ブクログ「先生の人間に対するこの覚悟は何処から来るのだろうか」と鎌倉の海岸で出会った先生に興味を持つ私は地方から上京してきた学生。私は常に自然体で先生に接するが、なぜか先生は心を開いてくれない。父の病気を気遣っての帰省中に私は先生から突然、遺書ともいうべき手紙を受け取る。そこには昔から抱え続けてきた心の傷を生んだ過去が告白されていた。一人の女性を巡った裏切りにより、結果的に先生の親友であったKを自殺へ追いやったのだ。一人の女性、下宿先のお嬢さんに恋ごごろを寄せる先生とKに何があったがが詳細に綴られていた。先生は上京してきた同郷のKに良かれと思い同じ下宿での生活を薦めた。「お嬢さんの母からそう云う風に扱われた結果、段々快活になって来たのです。それを自覚していたから、同じものを今度はKの上に応用しようと試みたのです。」 先生の遺書に記された人間の弱さには悲しいかな普遍的な生きる悩みを感じることができる。昭和52年9月5日75刷(200円、安い!)、数年に一度読む永久保存蔵書。 小説とは言えいつもお嬢さんが気の毒で仕方ない。
1投稿日: 2021.07.31
powered by ブクログ素直に、正直に、包み隠さず生きることができたらどんなに素敵でしょうか。 後悔しない生き方、過去に縛られない生き方を考えさせられる。 弱いのが人間だよね。
0投稿日: 2021.07.17
powered by ブクログ文章力をあげるには漱石を読め、というのをとある本で読み、他にも「日本人にとって「こころ」と「坊っちゃん」は必読書」というのも別の方の著書で読み、ちゃんと読んだ事なかったなぁと思って読んでみました。
0投稿日: 2021.07.17
powered by ブクログ大学3年の頃のゼミ、人生かけて漱石を研究してきた教授に寄せられた「一番好きな漱石の作品は」という浅薄な質問に対しての答えがこの作品だった。 なるほど、なるほど。 そう思いながら読み切った。 読み終わった後、読む前とガラッと世界が変わってしまったかのような錯覚に陥らせる作品だけが本物であり特別だ。こころはまさにそうであった。
0投稿日: 2021.07.03
powered by ブクログ勝手に堅いイメージを持っていた夏目漱石の小説だったが、時代背景が違うだけで人間の感情(恋心や嫉妬、罪悪感など)は何も変わっていないんだなと感じた。 ところどころ漢字の読み方や意味など調べたところはあったが、 内容が面白いことはもちろん、大学生の「私」と同じように、先生の陰のある人物に惹かれていた。 後半明かされる先生の過去に一気に引き込まれる。 先生の手紙を読んで「私」は一体何を想ったんだろう??? 物語は先生からの手紙で終わる。
2投稿日: 2021.07.02
powered by ブクログ高校生のとき、教科書には一部のみ載っていてこれは全部読まなければと図書館で借りて読んだ。 恋心と友情と嫉妬心、様々な感情が描かれていて完全に入り込める。文豪すごい。
0投稿日: 2021.06.29
powered by ブクログ読む前は、中学校の国語でやったかな?という程度の認識だった。 それと、好きな漫画「前科者」に出てくる主人公たちが「こころ」について話していたことがあり、それが印象に残っていた(こころだけではなく、他の文学作品も多く出てくる)。 慣れない言葉使いに少し苦労したが時間をかけて読了。 国語の教科書に載っていたのがどの部分だったのか思い出せない。Kが出ていたような気はする。 言い方は悪いけれども、昔の作品の登場人物にこんなに感情移入するとは思っていなかった。 「私」も「先生」も自分に似ているところがあると感じる場面が多々あった。 読了後、もう一度読み返したいと思った作品だった。 夏目漱石の他の作品も読もうと思う。
0投稿日: 2021.06.24
powered by ブクログ高校の現代文で1回よみ、もう一度大学の授業のために読み直しました。漱石の人物の心情の描き方はどうしたらそんな表現が思いつくのだろうかと毎回思います。一回目より文章の深みが分かってきたのでまたいつか読み返す時が楽しみです。
0投稿日: 2021.06.20
powered by ブクログ「精神的に向上心のないものはばかだ」 先生がKに言い放ったこの言葉が、Kにとってどれだけ重みのある言葉であったか。 先生が望んで自らの暮らす下宿にKを連れてきたにもかかわらず、Kが下宿先のお嬢さんと関わりをもっていくうちに段々と心に余裕がなくなってゆく先生。 「平生はみんな善人、それがいざというまぎわに、急に悪人に変わる」 これは先生が学生の「私」に言った言葉だが、それは先生自身のことを意味していた。 先生は、自身を守るために人を傷つけ、その事実を隠しながら生きてきた。 事実を誰にも打ち明けず、長年苦しみながら生き続けることこそが、先生自身の罰であり、彼に出来るKへの唯一の償いだったのかもしれない。
0投稿日: 2021.06.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
先生は、お嬢さんのことが好きだった。ちょっと嫉妬する面はあったけど、Kのことも好きだったんだろう。先生からの長い手紙、遺書がそれを物語る。 Kに、お嬢さんのことを好いていると言おう言おうと思っているうちに、Kから打ち明けられ。自分も言えば良かったと思っているうちに、奥さんに「お嬢さんをください」と言った先生。好きな人と結ばれたにも関わらず、その時点からどうしようもない程に損なわれていった先生の"何か"が、やがて先生の命をも損なった。 恋とは何なのだろう。先生は"罪悪だ"と言っていたが。 先生に憑き纏う黒い影が、やがてその罪悪の向こうに先生を連れて行ってしまったのだろう。 お嬢さんへの好意と、Kへの嫉妬も混じった複雑な友情が、漱石の美しい日本語で綴られるこの作品は、間違いなく日本が世界に誇る名作なのだろう。
0投稿日: 2021.06.13
powered by ブクログ高校生の時ぶりに読みました。 当時は全く面白さが分からず、無理矢理感想文を書きました。 今回久しぶりに読み、夢中になって一気読みしてしまいました。 徒然なるままにメモ Kへの劣等感、Kへの嫉妬、Kに先を越されたくないという思いから正攻法ではない方法でなんとかお嬢様を手に入れようとするシーンや、多くの善人がいざという場合に突然悪人になり、それはえてして金に関わる時と先生が即答するシーンは、人間の強い欲望を前にした時の誠実さがなくなってしまうこころをリアルに表していると思いました。 正攻法をとらなかったことに罪悪感を感じること、 後でちゃんと伝えよう…と思いつつ後回しにしたこと、後回しにした結果、Kが死んでしまい、罪の自白ができなくなってしまったこと、 罪の償いができず、一生呪いとしてつきまとうことになってしまったこと……この辺りは読んでいて心が苦しかったです。殉死だとか、妻を純なままでとか言って、大層な理由付けをしていますが、そこは結局、最後死ぬ前に赤の他人である私に自白をすることで、先生は救われたかったのだと思います。そこも、人間のこころの弱さみたいなものを感じました。
0投稿日: 2021.06.12
powered by ブクログ目に見えない、得体の知れない「こころ」というものを、どうにか証明したいような気持ちで、この作品は書かれたのではないかと感じました。 結局は「こころ」に、命まで奪われてしまったというこの物語を通して、見事に「こころ」が描き切られているんだと思いました。 時間が経っても忘れない記憶に残る作品でした。
1投稿日: 2021.06.07
powered by ブクログ命の扱いの儚さに時代の死生観を見た。他者と付き合うことを疎み自らのこころとばかり付き合い、なまじ肥えた意識があったばかりに自家中毒から自死に至る。憐れには思うがいまひとつ同情出来ず。父(なる存在)を2人同時に喪う「私」にこそ哀しみが募る。
1投稿日: 2021.05.26
powered by ブクログめちゃ楽しい 天才過ぎる もう一回読んで伏線を探したいと思った この歳まで知らずにいたのが惜しい けど今だから感じられる文学の面白みとか死生観とか人間の感受性があるのかもしれない
0投稿日: 2021.05.14
powered by ブクログ高校時代に授業で読まされた。 この手の文学作品は全然好きじゃないので全く面白くなくて読むのが苦痛だったが、最近の学生さんは私とKをBL視点で読むと聞いてもう一度読んでみたくなった。
0投稿日: 2021.05.11
powered by ブクログ自由であるが故に、人は孤独である 「自由と孤独と己れとに充ちた現代に生れた我々は、その犠牲としてみんなこの淋しみを味わわなくてはならないのでしょう」
0投稿日: 2021.05.08
powered by ブクログ上章で散りばめられている「先生」の暗い人生の影の断片が下章で見事に繋がり、読み終わった後に読了感とともに、これほどにまで人間ははかないものなのかという余韻が残った。 上中章では「私」を通して見てきた先生と両親の姿、下章では「先生」から見た人生が回想され、私の目から見た世界と、先生の目から見た世界の対比がより結末を差し迫ったものにしていた。 先生は、自分の過去と常に向き合いながら私の真面目さに眩しさを感じていたのではないか。私に対して自分の経験したことを語ることで世の中を広く見てほしかったのだろうか。 誰にでも心の中にあるであろう人間の嫉妬心や虚栄心に、自分も当てはまるものが多くてドキッとした。 友人であり畏敬の念を払っていたKに対する先生の感情が、御嬢さんへの恋心からだんだんと歪んでいき、最後には恐怖の念にかられる心の移り変わりがとても鋭く描写されていて面白かった。 先生の利己的で卑怯な一面も、それによって他人を傷つけてしまい陥る負の感情も、時代が変わっても人間の心というものはさほど変わらないのかもしれない。正直で善良で孤独なKが気の毒でならなかった。 人の生死や人間愛、欲望、運命について深く考えさせられ、かつて世の中を猜疑的に見たことのある自分の経験と重なった。
0投稿日: 2021.04.21
powered by ブクログ夏目漱石の文学が現代にも広く受け入れられている理由がよく理解できた。作中の「先生」の遺書及び「私」に対する態度による厭世主義に同情しかない。
0投稿日: 2021.04.12
powered by ブクログ信頼していた叔父に、亡父の財産を横取りされた先生。 その体験から人間不信になってしまう。 先生は不幸な体験をされたと思うが、先生の根底にある人間不信、これがその後の先生の人生にずっと影を落とし続ける。 もしKに正直に、自分も下宿先のお嬢さんが好きなのだと打ち明けられていたら。 もしK亡き後、お嬢さんに実はKとこんなことがあったのだと打ち明けられていたら。 遺書というかたちではなく、先生が生きているうちに私にKとお嬢さんとの顛末を話せていたら。 傷つくかもしれないけど、みんな受け入れて、Kも先生も死ぬことはなかったんじゃないか。 なぜならみんな先生のことが好きなのだから。 先生のその頑なな態度が不幸を引き寄せている。 私は実父の死に目に立ち会えたのだろうか。 先生もわかっていたのに何もあんなタイミングで手紙をよこさなくてもと思った。 どうしようもないけどとても美しい物語でした。
0投稿日: 2021.04.12
powered by ブクログ読書を始めるきっかけとなった本。 15年ぶりくらいの読み直し。 一文が短い。短いから読むリズムが生まれる。リズムがあるから、どんどん進む。とてつもなく読みやすい。読み返してみて初めて気づく。
0投稿日: 2021.04.11
powered by ブクログこころについて、ここまで詳らかに描き出せるのはすごいと思った。 漱石は少年の心をいつまでも持ち続けられる人だからこそ、100年経っても読まれる普遍的な人間のこころを描きだせたのだろう。
0投稿日: 2021.04.04
powered by ブクログ初めて読んだのは中学生の時だった。 自分でも説明できない、心の奥底にひっそりと、でも間違いなく潜んでいる感情を、どこまで自分に向き合えばこれほどまでに意識の表に・文字として表せるものだろうか。漱石はどれほどまで人の心情に向き合い、それをこれほどきれいな日本語で、言葉で表し綴るのか。その驚きと、同時に安心感が、私の心に深く染み渡った。 人間の中にある、他者には言えない心情が、もしくは他者には分かってもらえないだろうと考えてきた心情が、主人公の胸に溢れていた。 良かった、私だけではなかった。自分がずっと抱えてきた、自分の中で消化しきれなかった感情、自分では言葉にできなかった感情が、この本の中で恐ろしいほどまでに適切に、端的に、表されていた。 先生が言った「私は未来の侮辱を受けないために、今の尊敬を退けたいと思うのです。私は今よりいっそう寂しい未来の私を我慢する代りに、寂しい今の私を我慢したいのです。自由と孤独と己とにみちた現代に生まれた我々は、その犠牲としてみんなこの寂しみを味わわなくてはならないでしょう」 自分を信じないでほしい、自分を好きにならないで欲しい、いつか離れていってしまうのが怖いから。いつかそんな価値のある人間じゃなかったと、気づかれることが怖いから。だから、自分から遠ざける。本当は好きになって欲しい、一緒にいて欲しいのに、それがなくなる時の寂しさに耐えられる自信がない。 人間のこころにあるどこまでも深い感情と、日本語の美しさ、文字が綴る美しさをこの本は教えてくれる。言葉が広げる果てのない世界を知った。文章を読んで心を揺さぶられる、本物の傑作。
1投稿日: 2021.04.01
powered by ブクログ「友情をとるか恋愛をとるか」 現代でもよく言われる問題であるが、先生は恋愛をとった。その結果、親友Kが自殺。 最終的に先生自身も「私」宛に書いた遺書で過去を告白して自殺するのだか、自分の過去を晒しても良いと思える相手と出会えることができて先生は安心して自殺を決意することができたのではないだろうか。 「先生」と「K」。それぞれの性格が違えば結末も違ったのだろうが不器用な二人だからこそ親友になることができ、不器用な二人だからこそこの結末だったのだと思う。 物語の展開は、前半に描かれた「先生」の不思議な部分を後半の先生からの手紙(遺書)の内容によって回収。 仮名遣いや語彙など現代とは違う部分もあり調べながら読むという点で多少の読みづらさはあるもののおもしろい作品だった。
0投稿日: 2021.03.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み終わってから、先生の「恋は罪悪」という言葉が反芻された 先生とKもあまりに真面目で不器用な人、もう少し適当さがある人達だったらどんな結末になっただろう...と考えてしまう
0投稿日: 2021.03.24
powered by ブクログ親友を裏切って自分の恋を成就させた「先生」が、親友の自殺の責任を感じ、明治天皇の崩御も重なった結果、"殉死"を選択するという、明治時代の"孤独な知識人"を描いた長編ストーリー。前半では「私」が不思議な雰囲気をした「先生」に鎌倉で出会い、本当の先生のように「先生」を尊敬しながら日々を過ごしていく。後半では語り手が「先生」に代わり、地元に帰省していた「私」に送った"遺書"の内容がそのまま述べられている。「親友の恋を横取りした結果、親友が自殺したから自分も自殺する」「天皇が崩御し、当時の大将(乃木希典)が殉死したから自分も死ぬ」といった、現代では到底考えられないような自殺要因のため、「先生」に共感することはなかったが、"時代"を感じられる非常に学びのある小説だと感じた。昔の日本語の読みづらさ・理解しづらさが若干のマイナスポイントだが、ストーリー構成自体は非常に面白かった。本だけでなく、マンガや動画など様々なツールで『こころ』を"読む"機会はあると思うので、日本人なら全員におすすめしたい、日本を代表する超ベストセラー小説。
0投稿日: 2021.03.23
powered by ブクログ再再読。初めて読んだのは高校生の時。難しい作品ながら物語の私(先生)に共感を覚えたのを覚えています。友情か恋愛か?その究極の2択で恋愛をとったわたしは、今思い出しても身悶えするような地獄の高校生活を送ることになりました。そして今でも友情を取るべきだったと後悔しています。でも、本作を読んで多感な時期において恋愛とは自分の力ではどうしようもなく理性の効かないものなのだとわたしは再認識しました。 次に読んだのが今から3年前、30歳を目前に控えたわたしの感想を読み返すと、先生を「悪」だと罵ったあと、やはり高校時代の自分を思い出し悄然としている様子が伺えました。 そして本日……同じ作品を3回も読んだのは初めてです。 シンプルに難し過ぎて理解に苦しむ自分がいました。それでも以前より見えてきたものがありました。 まずはKの自死について。今まで何故Kが自殺してしまったのかわたしにはわかりませんでした。別に命までも絶たなくともと。 でも、今回丁寧に読んでみて、Kの家族模様(医者になることを条件に大学に行かせてもらっていたのにも関わらず、養家を欺き全く違うことを勉強していたことから、実家とも養家とも気まずく疎遠になっている)を踏まえた上で、Kにとって私(先生)は親友でもありたった一人の自分の考えを打ち明けられる家族だったんだと認識しました。そんな唯一の存在に裏切られたことはKにとって相当なこころの傷となったことだと思いました。そして天涯孤独に陥ったKには誰も自分の気持ちを打ち明け相談できる人がいないのです。わたしはもし自分がKならと想像しました。その結果わたしもKと同じ行動をとるに違いないとの結論に至りました。 次に私(先生)について。私(先生)に対し、「何故正直にお嬢さんを好きになったと打ち明けないのか?」と責めている自分がいました。打明けておけばあのような悲劇は起きず、他に道はあったかもしれないと。そしてその言葉は紛れもなく高校時代の自分にも向けられていたものだとはたと気づきました。しかし、当時のことを思い出すと「打ち明けることがいかに困難なことなのかを知っているのは紛れもなく自分ではないのか?そんなお前に私(先生)を責める権利などあるのか?」と高校時代のわたしがわたしを叱咤するのです。わたしは途方に暮れました。わたしのはKが悪だなどと罵る資格すらなかったのです。 今回の疑問は奥さん(お嬢さん)に過去のことを打ち明けず秘密にしておくことです。本当のことを打ち明けても妻(お嬢さん)は許してくれると本人が作中で述べていますし、その方が私(自分)も楽になれる。なにも必要以上に自分を苦しめ、殉死などする必要があるのかと。そこまでして妻(お嬢さん)を純白のままでいさせてやりたい気持ちがわたしにはあまり分かりませんでした。 でも、それもわたしがいつか誰かを愛し結婚した時にわかるのかもしれません。その時はまた再読できればと思います。 芸術的観点から見て。Kの自死なくしてこの作品は輝かず、そこに至るまでのエゴイズムと心の煩悶が見事に描かれている作品だと思いました。 どこまでも奥の深い『こころ』……。 次に読み返すのはいつになるやら。
0投稿日: 2021.03.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
1週間かけてやっと読み終わった。夏目漱石の本は初めて読んだが、昔の小説だからか、読みにくく、全然進まなかった。 最初、「私」は女性だと思っていたから、少し混乱した。 自分が好きになった人を相手も好きで、先に打ち明けられ、わかっていながらも先に女性に想いを伝え、恋愛で苦しい思いをするのは今も昔も変わってないと感じた。 自分がKを自殺に追い込んでしまったという苦悩を抱え、妻にも打ち明けられないまま、「死んでいるように生きている」のはどういう気持ちで生きていたのだろうか。
0投稿日: 2021.03.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
現代文の授業では下の一部分のみを扱うのが定説だが、良い先生のもとに巡りあえたので、冬休みにまるまる一冊読むという課題が出され、それに準じてすぐに読み切った。日本で一番売れた本だというのも青空文庫ランキングで不動の一位を飾っているのも漱石の脳がいまだ保存されているのもすべて納得が行くくらいの傑作であった。高校一年生という多感な時期、この作品に出会えて本当によかった。 自分の道を進むことができず恋(肉欲的でなくても)をしてしまい、進むことができていた過去すら自身に否定され自殺という手段を取ったKも、罪悪感を生涯抱え『明治の精神への殉死』という反エゴイズムな逃げ道を見つけた先生も、血のつながっていた父を元来重視するべきなのに血潮を啜ってしまった先生のことを選びとる「私」も、全てが愛おしい。最後先生がじぶんの死ぬ理由をとくとく語っているシーンを読み泣いていた瞬間は、間違いなく人生のうちで日本語を学んでいてよかったと思える最高の瞬間だった。
1投稿日: 2021.03.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
こころー人間とは罪深い生き物である。 「私」が「先生」と出会うところから物語は始まり、父の容体の急変、先生から届いた手紙が遺書だと知る私、Kの自殺と先生の自殺の関係。。とても深い作品なんだと途中で気が付きました。 Kは失恋や先生の裏切り、喪失による寂しさなんかで自殺したのではなく、自らの「道」を極める上で「恋」が妨げであった。 「道」の為には全てを犠牲にしなければならなかったのに、たった1人の女性に狂わされてしまった。Kは「断罪」の為に自殺したのだと思います。人間の意思では変えようのない本性と罪深さがこの作品には集約されていると思いました。 印象に残った文 「私はその新しい墓と、新しい私の妻と、それから地面の下に埋められたKの新しい白骨とを思い比べて、運命の冷罵を感ぜずにはいられなかったのです。」
0投稿日: 2021.03.14
powered by ブクログ高校2年の授業で習ってから改めて全文を読んだ。 「先生と私」「両親と私」はほぼ初読だったが、主人公である"私"が先生と比べて無邪気なため、かなり読みやすかった。 "御嬢さん"がとった行動の一つ一つにも暗い結果に繋がる原因が少なからずあるように感じられ、何とも言えない気持ちになる。 この作品に『こころ』と名付けた夏目漱石の意図を考えると、1歩深く読み解ける気がする。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ あなたはそのたった一人になれますか。 親友を裏切って恋人を得た。しかし、親友は自殺した。増殖する罪悪感、そして焦燥……。知識人の孤独な内面を抉る近代文学を代表する名作。 鎌倉の海岸で、学生だった私は一人の男性と出会った。不思議な魅力を持つその人は、“先生"と呼んで慕う私になかなか心を開いてくれず、謎のような言葉で惑わせる。やがてある日、私のもとに分厚い手紙が届いたとき、先生はもはやこの世の人ではなかった。遺された手紙から明らかになる先生の人生の悲劇――それは親友とともに一人の女性に恋をしたときから始まったのだった。
0投稿日: 2021.03.02
powered by ブクログ2回目であるが、前半の私と先生のやりとりの中で、先生の過去の伏線が随所に見られた。先生の手紙の中で、Kと御嬢さんをめぐる葛藤の描き方が非常に視覚的で、素晴らしい。教科書に載っている小説であるが、是非全編通して読んでほしい。
0投稿日: 2021.02.26
powered by ブクログ私の場合、夏目漱石の本の好きなところは、読み終わって少し経つと内容を何も思い出せないところ。読んでる時はすごく読みやすいし楽しいけど、何も思い出せない。
1投稿日: 2021.02.26
powered by ブクログ他人を出し抜いてやりたい。自分を認めさせたい。そういった欲求は誰にでもあるので純粋な悪とは思わないけれど、その先にあったのは自分の人生の墓穴では辛い。 どうして、「わたし」にこころを打ち明けたのかが、私には上手く掴めませんでした。
1投稿日: 2021.02.25
powered by ブクログ高校時代の現文で、先生の解説が面白かったというだけの感想を持ち続けて今に至る。 なんとなくふと読みたくなって、改めて本を開いた。 夏目漱石は昔から文体が苦手で、吾輩は猫であるを未だに完読できていないが、後期で文体が変わっているからか、これはとても読みやすかった。 言い回しが古くて難解な部分もあったが、先生遺書は軽快に読み進められた。先生の恋心がKの言動によって揺さぶられたり、Kが自殺したあとに良心の呵責に苛まれながら生き続け、結局時代の変わり目を好機と自死を選択する心の動きは、現代でもありそうな状況だなと感じる。 だからこの時代でも、飽かず読まれ続けるのかもしれない。
0投稿日: 2021.02.13
powered by ブクログ内面世界の描写は理解が難しいが率直な感想。まあこの複雑さがあるからこそ、現代でも高く評価させるのだろうけど。もう少し年を重ねればいまよりは理解できるかも
1投稿日: 2021.02.09
powered by ブクログ◎精神的に向上心のないものは馬鹿だ 高校時代に読んで以来、はじめてフルバージョン(?)を読みました 長々とした先生の手紙の吐露の中に織り交ぜられたロジックだったり伏線だったりが印象的。 Kへの呵責に苛まれ先生の厭世的な性格が表れてどことなく無気力な感じがするのに重たすぎなくて読みやすかった
0投稿日: 2021.02.03
powered by ブクログ先生から二通目の手紙が来たところからの展開が面白かった 遺書内で人間味がどんどん現れていき最初の知識人という印象から最後には親近感を抱くまでに変わった
0投稿日: 2021.02.02
powered by ブクログ人間誰しも先生みたいに取り返しのつかないことをして、罪悪感で一生を終えるみたいなことが起こり得る。 だから、全ての人に言えるのが、変にプライドや意地をもたず、友人や家族に恥ずかしいところも含めてオープンすることだと思った。どんな感情も、言語化できたらそこまで邪悪なものじゃないのだから。どんな邪悪な感情も根本にはきっと細やかな可愛らしさが、あるはず。 こころ、という題名は、こころを相手に見せれば平穏が何れ訪れる、と言うことなのかな、と勝手に解釈。
0投稿日: 2021.01.24
powered by ブクログ前半の私からみた先生と、先生が語る先生が全く異なっており、かなりギャップを感じた。世の中を冷静に捉え、落ち着いた雰囲気として目に映る先生だが、実際は常に過去にとらわれ、何か不思議な力、暗い影に引っ張られ行動を起こすことが困難であった、このギャップが衝撃的である。先生はどうしたらよかったのか。K君に当時の自分の心のうちを早い時点で明かしていれば、、と思うが、先生のなかでは恐怖心が勝ってしまい完全に言うタイミングを逃してしまう。どんどん後戻りできない状況に陥ってしまう。この感じ、私も経験したことがあるなぁ、 先生がK君を裏切ってからK君が自殺するまでの展開が、それまでのもどかしい展開とうってかわって、かなりあっさりとしているのも印象的である。 明治天皇の崩御、乃木の殉死。他人の死に影響される彼らの気持ちは自由な時代を生きる私にはなかなか理解できないが、明治を生きる人の雰囲気がここらへんの表現に表れているなと感じた。
0投稿日: 2021.01.21
powered by ブクログKにも先生にも、主人公の青年にもシンパシー抱く。まじで名作なんですけど。『こころ』を理解できないわー て名言する人とは 私はお友達になれない、好きになることは決してない。
4投稿日: 2021.01.19
powered by ブクログ高校の頃に現国でやったな〜と思い手を伸ばした。奥さんを想っているはずなのに、空回りしている感じにアラアラと気の毒に思ったり、理解できなかったり、共感したり。
0投稿日: 2021.01.17
powered by ブクログ一年程前に高校の授業で下の抜粋部分のみを読んだため、休校期間中に全文を読破。 抜粋されているだけあって、ほかの部分は下の伏線に過ぎないような気はしたが、先生や「僕」の人間性を深く理解できた。
0投稿日: 2021.01.10
powered by ブクログ先生から私宛に送られたとてもずっしりとして重い1通の手紙。 そこに、書いてあったのは先生の過去。 自分のせいで、友が自殺したという。 国語の授業の課題として読んだ作品。 表現の仕方や、文の書き方が難しく、最初は読むのに苦戦したが、さすが夏目漱石。 それなのにも関わらず、気づけば、のめりこんで読んでいたくらい引き込まれた。 先生からの手紙を読んでいると、私の心はドキドキしっぱなしだった。いや、ハラハラだろうか。 そして、読み進めていくうちに、辛い、苦しい、先生の感情がとても伝わってきた。 この本は、一生大切にしていきたい。 素晴らしかった。
0投稿日: 2021.01.09
powered by ブクログ久しぶりに読み返してみて「私」と「妻君」と「読者」が置いてきぼりなのが少し寂しく感じた。でもやはり好きな本ではあります。
1投稿日: 2021.01.05
powered by ブクログ高校の教科書で読んだ時にはなぜ名作なのか分からなかった。若さもあったのかな。 改めて全部読んで、暫く経ってもいつまでも覚えてる、それだけですごい。 ずーっとウジウジしているのにヤキモキしたり、 共感したり。
1投稿日: 2021.01.04
