Reader Store

総合評価

(466件)
4.2
157
195
74
3
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    被害が起きるまではクマを甘く見ている。応援に来た者たちも最初は同じ。でも眼前にすると何もできなくなる理不尽さがリアル。クマ撃ち達が毎度不発に終わるとことか、銃の手入れもせず平和ボケしている感じが無力さを募らせて怖い。クマに襲われないためにすでに殺された人をエサにするところとか極限状況で選択肢が無くなる感じも好き。頼れるものが嫌われ者の銀四郎だけ。銀四郎が出てきた時の頼れるやつ感も半端ない。

    0
    投稿日: 2026.10.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ー「腹、破らんでくれ」ー 獰猛さ、野生の獣には慈悲などない。 なかなか、トラウマになりそうな一文。 ー銀四郎ー 酒癖も悪く、粗暴で忌み嫌われるが 羆撃ちとしては抜群である人物。 羆の習性を分析して、単独で羆を狩る。 ー必要なのは実力ー 肩書きの良い警察、軍人を村民は頼ろうとするが 到着までの遅さで被害が拡大してしまった。 脅威が訪れたときに頼れるのは 社会に不適合でも、圧倒的な実力を持った人 綺麗事ではなく、本当にそう思わされました。

    6
    投稿日: 2026.09.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読み易い文体で、引き込まれて一気読みした。 羆と対峙するシーンは全体の一部だけれど、 そこに居るのか居ないのかわからないことで生じる恐怖にずっと包まれていて、 読んでる側も消耗するような凄みがあった。

    0
    投稿日: 2026.08.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    おじいちゃんに貰って、なんだかなぁと積読していた。気まぐれで読んでみると意外と面白く、1日で読んでしまった。 熊の恐ろしさが脳にこびりついた。

    0
    投稿日: 2026.08.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    熊の痕跡だけでこれでもかというほどに恐怖心を煽られる文章。 ただ銀四郎のキャラ付けをあんな風にする必要があったか疑問。あの性格のせいで気持ちのいい終わり方じゃないように感じた。

    0
    投稿日: 2026.08.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    羆、恐ろしい 熊による事件の報道が増えているように感じるが、猟友会に対する「クマがかわいそう」という意見もあると聞く この本を読むと熊…滅びてしまえと思うが、クマかわいそう派の本もあるのならば読んでみたい この前小岩井農場に伺った時に熊はとても賢いが小心者、と説明があった あれは羆の説明ではなかったと思うので、羆も小心者なんだろうか…? 九州には熊がいないと聞く 安心していいはずなのに、トイレに行くのが怖かった

    0
    投稿日: 2026.08.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    身長2.7m/体重384kgの羆。 もはや怪獣である。 人間界のルールなんて通用しない弱肉強食な野生の世界を、淡々と生々しく描写した文章に鳥肌。 羆の息遣い、骨を噛み砕く音、断末魔…怖過ぎる。 そして終盤の息を呑む緊張感。 デキる男、銀四郎は田中泯で脳内再生された。 人間も自然の一部であった事を再確認する。 吉田昭、これからディグります。名作。

    9
    投稿日: 2026.08.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2.7メートル、384キロの羆と実際に対峙したら、恐怖でまったく動けなくなるんじゃないかと思った。 人間が起こす殺人事件とは違って、そこに悪意や感情を読み取る余地がない。ただ生き物として、人間の都合とは関係なく襲ってくる。その非情さがすごく恐ろしかった。 そして銀四郎が男くさくてかっこいい。羆の恐ろしさが際立つほど、それに向き合う姿が印象に残った。 10段階評価: 7点

    0
    投稿日: 2026.08.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かった。 この作品だけではなく、他の作品も読んでみたいと思った。 そういう作家との出会いは久しぶりだ。 20年以上読み続けられている作品には、まずハズレがないなぁと実感。

    0
    投稿日: 2026.08.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    【2026年96冊目】 北海道の開拓民を襲った悲劇の実話を小説化。1915年、北海道苫前郡苫前村三毛別六線沢に住む開拓民を襲った一頭の羆。体長2mを越えたそれは、延べ6名の開拓民を死に至らしめ、3名に重症を負わせた。わずか二夜にして起こった悲劇に、開拓民たちは恐れ慄き、一人の熊撃ちに命運を託すことになるが…。 友人に勧められていたので、読もう読もうと思いつつ先延ばしして、ようやく手に取った一冊でした。熊騒動、最近は収まってきたように思いますが、こっわいですねぇ。羆の生態についても書かれてるんですが、想像しているよりもずっと知能が高いことがわかります。「戻り足」なんか使われたら勝てないでしょ。そして女の味を知った羆は…のところの恐ろしさ。実話なんですから、本当に震え上がりそうなほどの怖さです。 熊からしてみれば、餌が縄張りに入ってきていたようなものですから、100%熊が悪いとは言えないのかもしれませんが、言葉の通じない獣と対峙する怖さをまざまざと感じさせる一冊であることは間違いありません。 そういえば熊園から脱走した熊も、土を集めて壁をよじ登れるようにしたとかじゃなかったでしたっけ。獣だって、侮ってはいけない存在です。また今後も熊の話題は出てくるでしょうから、一度は読んでみるのが良い一冊なんじゃないでしょうか。 余談ですが、先日北海道の猟師の方からもらった熊肉を食べる機会がありました。鉄板で焼いて塩コショウでいただいたんですが、めちゃくちゃ美味しかった。また食べたいと思ったほどなので、食に対する欲求は獣も人間も変わりゃしないですね。

    2
    投稿日: 2026.08.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本日は、吉村昭文学忌、悠遠忌(ゆうえんき)。 “はるか遠く果てしない”そんな壮大な言葉は、吉村氏が自ら選び、墓石に刻まれたものだそうです。 『羆嵐』は1976年、『小説新潮』に一年間連載され、翌年単行本として刊行されました。 舞台は大正4年、北海道・天塩山地の麓にある開拓村。実際に起きた熊による村人殺傷事件をもとに、吉村昭が取材を重ねて描き上げた記録文学です。 日本各地で熊による被害が相次いだ昨今。人と自然が衝突したその時を、再び読もうという選書でしょうか。 貧しい開拓村へ、冬眠をし損ねた一頭の羆が突然現れました。 子どもと女性が襲われ、女の味を覚えた羆は、その匂いを求めるように村々を渡り歩きます。残された遺体はあまりにも凄惨で、村人だけの力では太刀打ちできません。区長は報奨金を用意し、熊を撃てる男を探します。一方、警察の呼びかけで二百名もの討伐隊が組織されますが、その多くは熊の習性を知らず、統率も十分ではありませんでした。 物語の視線は、この開拓村を預かる区長に置かれています。住民の命を守らなければならないという責任感が、作品全体に緊張感を与えています。そして、最後に羆を仕留めた猟師は、熊の習性を熟知しているだけでなく、討ち取った後の山の仕来たりまでをも厳格に守ります。その姿には、自然への畏敬を思います。 現在も各地で熊による被害が報じられていますが、本作を読むと、その報道の向こう側にある現実を思わずにはいられません。実際にその地で暮らし、命を脅かされなければ理解できない恐怖があり、そこには「共存」という言葉だけでは語れない現実があります。 吉村昭の文章は終始感情を抑制しています。しかし、その静かな筆致に 自然の脅威と、それに対する人間の畏れや敬意が、かえって鮮明に伝わってきました。

    124
    投稿日: 2026.07.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    実際にあった事件ゆえ、リアルなヒグマに対して引き起こされる恐怖心やその凶暴性・残忍性がひしひしと伝わってきた。 2.7m、約340kgの羆って生で見たらどんだけ圧倒的な存在感なんだろう…立った時の高さが下手な成人男性2人分って… 国が新地開拓したところだったらしいから、どちらかというとヒグマの生活圏に突如として人間がやってきた、ってのが正しいよう。 「腹、破らんでくれ」ってところが生々しくて1番印象に残った。人間にとっての一般論とかルールなんて羆には関係ないから、尚更想像し得ない襲いかかり方で鳥肌が立った。

    1
    投稿日: 2026.07.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「シャトゥーン ヒグマの森」の中で引用されていて、気になったので手に取りました。 読んでいて思い出したのですが、この作品は新井英樹が「The World Is Mine」を書くきっかけの一つとしてあげていたモノですね。 通夜会場まで自分の「エサ」を取り返しに来るヒグマ。 これが「事実」というのがたまらなく怖かったです。

    1
    投稿日: 2026.07.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この本には、その当時の人々の暮らしぶりをはじめ、 自然の怖さ、極限状態に陥った人間の脆さ、 そして人間の愚かさや強さ、悲哀 といったものがすべて詰め込まれている。 グロテスクな表現も多々あるけど そこは本分じゃなくって バトルジャンキーな爺さんの悲しみも 責任感のある爺さんの強さも 羆をペチペチ叩いたばあ様の痛みも 浮かれた隣村の人達も 組織の歯車の分署長も どれもこれも鮮烈に焼き付いて離れないんだから この本は凄いんだろうと思う。

    3
    投稿日: 2026.07.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    北海道天塩山麓の開拓村を突然恐怖の渦に巻込んだ一頭の羆の出現!日本獣害史上最大の惨事は大正4年12月に起った。冬眠の時期を逸した羆が、わずか2日間に6人の男女を殺害したのである。鮮血に染まる雪、羆を潜める闇、人骨を齧る不気味な音…。自然の猛威の前で、なす術のない人間たちと、ただ一人沈着に羆と対決する老練な猟師の姿を浮彫りにする、ドキュメンタリー長編。(e-hon)

    1
    投稿日: 2026.07.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    昨今の熊被害・駆除対策を軽視または疑問視している人は必読。熊の種類こそ違うが大いに教訓を得ること間違い無し。実話ベース(人名、被害状況を変更)で、慰霊碑的な場所(三毛別羆事件復元地)が存在するが、人里から離れている為現在でもヒグマに遭遇する可能性が高いとのこと…

    1
    投稿日: 2026.07.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    実際にあった事件の場所とわりと近い所に住んでいるので、一度見に行った事があります。 実物大の大きなクマの作り物がありました。 デカかったですね。 作家の吉村昭さんは初読み。これだけだと、良さが分からないので別な作品も読んでみたい。 倉本聰さんが書いたラジオドラマが有名ですね。 26/07/07 33冊目

    6
    投稿日: 2026.07.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ただただ羆の圧倒的な力を思い知った。 描写が現実的で淡々としているのが、却って恐ろしさを感じさせられる。

    1
    投稿日: 2026.07.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    5よりの星4!! と思ったけど5に変更です!! 内容は今年一番没頭できたので5に変更です。 今までは事件の事の説明で史実を調べたりしましたが、小説として討伐隊の状況や区長の心境など表現して、後半になるにつれ没頭して読めました。 再読もしたい本です。 事件ももう一度調べたい。

    1
    投稿日: 2026.07.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    事実に基づいた小説で、最初はノンフィクションだと思って読んでいた。 熊の襲撃は恐ろしく、人間を食べる様子も残酷を極めるが、襲撃回数は意外に少なかった。 それにしても、あのように生活に難儀する場所にまで集落を作らなくてもいいのではないかと思う。他に場所はなかったのか。 あそこは完全に熊の領域だったと思う。

    1
    投稿日: 2026.07.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『三毛別羆事件』については情報としては知っていたが詳細は不明瞭だったため、夏の文庫フェアを機に手に取ってみた。 数日間の出来事が、まるで一瞬のように感じた。 心理描写や情景描写が巧みで、呼んでいる私までヒヤッとしたり、恐怖を覚えるシーンがあった。 この事件が本当に起こったと思うと…

    1
    投稿日: 2026.06.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    北海道の苫前三毛別六線沢で起こった獣害史最大の惨劇羆事件。「クマ嵐だ。クマを仕とめた後には強い風が吹き荒れるという」。とても凄惨な話だった。

    23
    投稿日: 2026.06.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    羆嵐 吉村昭 ∞----------------------∞ 日本三大ノンフィクションのひとつと言われる「羆嵐」。 ヒグマは日本では北海道にしか生息していないけど、最近では本州でもツキノワグマによる被害が多くなってきてるという。ツキノワグマですら怖いのにヒグマなんて、遭遇したらイコール死だろうなと思いながら読んだ。 一頭のクマに6人が食い殺されるという事態。今とは家の造りももちろん違うだろうし、車で逃げるなんてこともできない。逃げるのは徒歩のみ。しかも雪深い地で。応援を頼みに行くにも1日2日以上かかってしまう。 そして来てくれたのは、当初は威勢が良かったものの、自分たちと同じくヒグマの恐怖に怯える人たちだった。 そんな中、気性が荒く酒癖も悪いがヒグマを何度も仕留めたことのある銀四郎に頼ることになった。もうカッコよすぎて。ヒグマのことを知り尽くしているのは、その知識が自分の命を救うものだから。本当は彼もヒグマと対峙している時は顔面蒼白になるくらい恐怖だったと区長さんが気づいて、彼に相応の礼をしてくれて良かった。死ぬ直前までヒグマを撃ってたそうな。 実際彼らの言う通り、人間がどんどん土地を侵食していって、動物たちの居場所を無くしてるんだよなぁ。 2026/05/17 読了

    4
    投稿日: 2026.05.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ヒグマの被害に対する「人間の心の動き」の本である。 個人的にはヒグマもクマも似たようなものだと思っていたが、圧倒的に違うことが この書を読むことでわかる。 もっと恐ろしいヒグマに対して、人間がどのように挑み立ち向かうのか?ということを期待していたが、予想に反して、ヒグマの記述はそれほど多くはない。 圧倒的力を示す残虐性と、それを餌として処理するヒグマの動きに、人間性の醜さや、 今まで口だけで大きな態度をしていた男が小さくなっていくところも、実に深みがある。 昔はすごかったと威張っていた猟師が、圧倒的暴力の前に何の役にも立たず、女子供から信頼を失い、軽蔑の目で見られるところも実に描写がうまい。 恐怖にかられて「家ごと火をつけて燃やしてしまおう!」という指示に対し、万が一 誰かが生きているかもしれないし、夫が戻ってきた際に、黒焦げになった家を見せられても恨みを買うだけ、というところで押しとどまった心の描写も絶対絶命状態において、人間がどのような行動をしていくか?ということがよくわかる。 自分たちの身を守るためには、遺体は餌であり、そこに日常のモラルが存在しない。 1ミリもチート能力のないリアルな異世界転生というのは、本来こうしたものであろう。 村人にとっては、恐怖の象徴であるが、外部からやってきた警察や医者にとっては 他人ごとであり、命令を遂行するだけに過ぎないという、淡々とした冷静さが、また、その人間性をうまく表している。 結局は他人事なのだ。 人数が多くなるほどに、ヒグマを想像で軽く見て、酒を飲み強気でいられる人々と、実際にヒグマの暴力を目の当たりにした村人のの萎縮としている姿の対比なども、実にうまく描かれている。 私も含めてだが、ヒグマというものをクマの延長ぐらいに考えているため、そのような誤解が起こるのであろう。 知らぬが仏という境地と、数の力で相手を飲んでいるという世の中の男によくありがちな姿だ。 「妊婦の身体からは胎児が掻き出され、クマの排泄物からは頭髪と人肉が混ざって」という記述が、非日常的な残虐性をリアルなものにしている。 ゲームのように、倒せば消えていったり、アイテムが落ちたりするような世界ではない。また異世界転生ものの小説にあるような、収納ボックスにしまうようなものでもない。 サバイバルというものには常に危険が伴い 人間にとって快適な場所はヒグマにとっても快適だということを示しているだけに過ぎないということを示唆している。 フィクションの小説であれば、だいたい生意気なことを言ったり、大げさだと高を括るような強気の命令をするものは、死ぬことになっている。 しかしこの小説はフィクションではない。 想像上で殺されることなどないのだ。 それゆえに緊張しながら読み進めることになる。 2/3 ほど読み進めると、この本の要となるであろう銀四郎が現れる。 平和な世の中にあっては、調和を生み出す 暴れ者であり、手のつけられない暴力者ではあるが、ヒグマに対しては警察よりも誰よりも信頼できる存在に変わる。 このあたりで視点は区長に移る。 誰が主人公というでもなく、書かれてい小説は、 いつのまにか区長が主体となった「見方」 によって進められていく。 いつのまにか自分がそうさせられていることに気がつかない この表現は実にうまいと言える それによって 銀四郎とともに 熊を退治するシーンがリアリティのあるものとなっていく。 ただ面白いことに、大盛り上げに、盛り上げるはずのクマ退治のシーンが意外にもあっさりとしている。 一瞬の出来事であるがゆえに、実際もその通りなのであろう。 区長が腰を抜かしている間に重要な事件が 終わっている。 「まさかまだ生きているってことは、ないだろうね?」 という村人の発言がフィクションであれば、だいたい生き返る前振りになるが、事実小説ゆえにそうしたことは起きない。 普通であれば ヒグマを退治した時点で 小説 は終わるが、この真骨頂はクマの解体にある。 ヒグマの胃袋から出てくる、かつて人間であったであろう物質がリアルに描かれている。 この辺りのうまさは絶妙というしかない。 恐怖映画といえば、恐怖心を煽るようなものが多く、いつ命を奪われるか、いつ襲われるか、というハラハラした緊張感の後に退治した安心感が訪れるものである。 しかしこの小説は違う。 退治した故に安心感があるはずである。 しかしそこにあるのは、生きているよりも 強い緊張感である。 そして死者を弔うためのビグマを食べる 宴会が行われる。 それがアイヌから伝わる「しきたり」らしい。 あるきっかけから銀次郎は元の粗野で野蛮な暴力的な男へと戻っていく。 彼はヒグマ退治のお礼としてありったけの金をせびるのだ。 そして、あれだけ苦労した村が、やがて人々が去り、無人村となってしまう。 最後は、銀四郎の生涯で締めくくられる。 最後の最後になって『熊嵐』というタイトルの意味が明かされる。 その意味については、読んでいただく方が良いであろう。 危機迫るようなヒグマとのやり取りではなく、淡々とした事実の報告のような現象がリアルに語れることで、そのヒグマの恐ろしさのようなものが浮かび上がってくる。 ただし『漂流』を読んだ後であると、人間的内部考察のような動きの描写が弱く、 淡々とした事件性のある事実の連続のため、ちょっと残念な感じがなくもなかった。 そのため、死ぬまでに絶対に読んでおいた方が良いというほどでもないので、少し評価を下げておく。

    3
    投稿日: 2026.05.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『破船』の後、2冊目。吉村昭は本当に巧い。 獰猛な熊に食い殺された6人もの村人。熊の息づかいや気配すら感じられるようなリアルな文章に怖さが一層増した。何って熊撃ちの銀四郎がカッコいい!プロの仕事に惚れ惚れする。

    1
    投稿日: 2026.05.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    私は熊が怖い… この話を読んでみてより熊が怖くなった… 僅かな灯りの中に浮かぶ羆のシルエット… 暗闇から聞こえる骨を砕く音… 羆には羆の生活があり、そこに人間が踏み入れたのだろう。 それでも熊には会いたくない。

    2
    投稿日: 2026.04.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    Wikipediaに事件の詳細が載っている。以前、事前情報まったくなく読んでしまい…とても衝撃を受けたことがある。 事件を元にした小説ではあるけれど、こちらには人の心情なども書かれているので…重い気持ちになりつつも、読み進める。女の肉、という表現が怖すぎる。

    1
    投稿日: 2026.04.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「野生動物に喰われる」という恐怖をリアルに感じたいなら、この作品をおすすめする。 淡々と事実だけが綴られた文章なのに、ものすごい臨場感と迫力がある。 特に実際に羆に襲われるシーンの描写は、吉村昭さん特有の頭に映像を浮かばせる文章のせいで、そこらのホラー映画なんかよりずっと恐ろしい。 そして北海道の開拓がどれだけ過酷だったか思い知らされる。

    6
    投稿日: 2026.04.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    昔の作品のため、少々文章が難しい。 銃をもって意気揚々に熊を仕留めようと集まる大勢の大人たちが、実際の熊の恐ろしさを間近にして絶望するのがリアルだった。

    11
    投稿日: 2026.04.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    昨年の熊被害が近所でもあったため熊の小説で有名なこちらを手に取ってみました。 テレビで内容は知っていたがグイグイと引き込まれてすぐに読み終わってしまった。 熊の恐ろしさを改めて思い知ったので山に軽々と行けなくなりました。

    35
    投稿日: 2026.04.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     三毛別羆事件の全貌が語られています。人を襲うとは思いもしなかった羆が人間を食み襲う!しかも女性と子供の味を覚え、其ればかりを狙う。胎児を掻き出して襲撃する羆の描写は何度見てもきついです。  最終的には伝説のマタギにより、その羆は狩られることで人間側に軍配が上がることになります。

    1
    投稿日: 2026.04.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    実際に会った三毛別羆事件の話しで、去年も熊のニュースが多い中で気になって読んでみた、実際にこんなに怖いことが起きて、こんなに大きい羆がいたのかと驚いた、元はといえば熊がいるところに人間が住んでしまったから事件が起きてしまったって言うのもあると思うけど、やっぱり熊は駆除していかないと本当に怖いなと思った

    1
    投稿日: 2026.04.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    (息子へ) 部長おすすめの本。 くまが集落をおそう話。 マンガ「銀牙」の実写版といったところ。 おそらくは「銀牙」がこの本を参考にしている。。。 実話をもとにしているため、くまに襲われた人は、6名。 くまを倒すその場面も、壮絶に戦い争うという訳ではない。 下手な脚色がない分、その生々しさから、実際の感じただろう恐怖が伝わってくる。 生身の人間は貧弱で、生きるか死ぬかの場面というのは、本当に恐怖を感じるのだ。ということを、この本は痛烈に教えてくれた。 かなり古い本だが、この本は、未来永劫、色あせることはないだろう。 いろんな意味で「生」なところを感じる本。 ぜひ、読んでおいて欲しい。 ちなみに、マンガ「銀牙」は、お母さんの本棚にあるので、いつでも読める。 (お父さんの本の買い方) BOOK・OFF \108円 (読め、もしくは、読むな) 読め! (君が・・・歳のころに) 高校生か大学生かには、読め。

    8
    投稿日: 2026.03.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「破船」がおもしろかったので、吉村昭2冊目。本作もおもしろかったー。 読みやすい文章なのに、圧倒的にわかりやすい。自然の厳しさと恐ろしさ、官憲と村民、熊撃ちの心境や人間関係がありありと浮かんでくる。 藁葺きみたいな粗末作りの家に居て、熊がくるかもしれないという状況…本当に怖すぎる。 Wikipediaで後日談を読むと、本件を目の当たりにした村の子どもがその後熊撃ちになったとか。

    15
    投稿日: 2026.03.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    これは今年入って読んだ中で、ぶっちぎりナンバーワンの名作。 とにかくいろんな人に読んでほしくて、身の回りの人に勧めまくっている。 寒さが怖い!飢えが怖い!羆が怖い! 怖いのに淡々としていて、よけいに恐怖! そしてクライマックスの緊張感といったら… 読んでいる間は、自分の息まで白くなっている気がしてしまう。

    14
    投稿日: 2026.02.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    満足な明かりがない中、一瞬だけ見えた羆の姿…恐怖でしかないですね。 衣食住の問題を乗り越えた後に、羆と邂逅したというのも辛い。 為す術もなく身近な人が食べられる瞬間に立ち会うだなんて、想像出来ません。 知識がない中避難するため、村民がひたすら雪の上を裸足で歩いていた描写に、当時のなりふり構っていられなさが伝わります。 羆という脅威とは別に、夜や物音への恐怖や集団に対して失望していくリアルな人間模様も印象的でした。 今でこそ熊は危険という意識が広まっていますが、いざ遭遇したら絶対恐怖で動けないだろうな…。

    1
    投稿日: 2026.02.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    羆の恐ろしさを再認識するため読了。 辺境の地での暮らしは過酷そのもの。 銀四郎は登場までの前評判に比して、英雄的活躍を魅せるが、狩終わってからの本来の姿が残念。 羆も狩る時は意外と呆気なく、実は他にいるみたいな展開を考えてしまったが、ノンフィクションに物語性を望むのは禁物であった。

    0
    投稿日: 2026.02.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    大正4年12月に北海道天塩山麓の開拓村で発生した羆襲撃事件の実録小説。昭和52年に出版された。 2日に亘り2家族が襲われ、7名の死者、3名の負傷者を出した惨劇。 作者らしく、実直な筆致で事実を淡々と記しているのが、事態の凄惨さ、人間たちの愚かさ、傲慢さを余計に浮き彫りにしている。 会話文は必要最小限で最近の小説に比べると極端に少ないが、現場の寒くて暗い冬の光景や、人々の重苦しい、半ば諦めに近い暗い雰囲気を描写するのに相応しい。 犠牲になった入植者たちからすれば、村落は家族の生活を成り立たせるために必死で開拓し、維持してきた財産だったが、羆にとっては自らの縄張りの中の餌狩り場に過ぎない。 集落の男たちが作った救援隊についての「五丁の銃を中心に屈強な五十名ほどの男たちで構成した集団は、羆に対抗する力はなく、むしろそれは羆の食欲を満たす餌の群れに過ぎなかった」という記述が、事態の本質を端的に物語っている。 その後に結成された、警察分署長が指揮するより大規模な数十丁の銃と数百人の男たちからなる救援隊も、本質的には何も変わらない。 最終的に羆を退治したのが、救援隊とは別行動をとった一人の老熊猟師だったというのは象徴的。 体長2.7m、体重300kg超の怪物に立ち向かえるのは、中途半端な物量ではなく、獲物の習性を熟知したプロだということか。 昨今の熊被害については自衛隊の投入も噂されるが、より小型のツキノワグマはまだしも、武器を扱うプロの実力部隊だとは言っても、羆と対峙するのに安直な議論は慎むべきだろう。

    1
    投稿日: 2026.01.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2015年に初めて読んだが、いまだにその時の衝撃と恐怖が忘れられない。 熊の本はいろいろ読んでるが、吉村昭さんの文章は迫力と臨場感が違う。 熊をより深く知るために、全ての人に読んでもらいたい一冊。

    1
    投稿日: 2026.01.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本当に背筋が凍る描写が続く、、人間の里に羆が出たのではなく、羆の巣に人間が放り込まれた感覚、人間が羆を狩にいくところから、羆の餌になった瞬間が克明に描写され、静けさが逆に恐ろしさを増幅する、そんな恐怖を味わえる

    0
    投稿日: 2026.01.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    令和現在、クマ被害が深刻な社会問題になっている。東北に住む身としては切迫した危機で、マジでまったく人ごとではない。ネット上では「日本三大Wikipedia文学」の題材の一つとしても有名な、大正時代に実際にあった熊害事件「三毛別羆事件」を扱う本書を手に取る。 語り口は小説というよりもドキュメンタリーに近く、過度に恐怖を煽る演出やパニックホラー的な脚色がない。淡々と事実を積み重ねていく構成により恐怖や緊張感、残酷さがより際立ち、引き込まれる。弱く愚かな人間に立ちはだかる大自然へ畏敬の念を抱く。

    26
    投稿日: 2026.01.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    1915年.三毛別ヒグマ事件を基にした小説。開拓時代の貧困村を襲った巨大なヒグマと駆除しようとする人々との1週間。人間を餌とみなす熊の執着心が淡々と描かれ恐ろしすぎた。人間を餮る音が耳元で聞こえてくるようだった。なす術のない人間達の切実な思い。リアルで凄い。

    27
    投稿日: 2026.01.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初めてですね、こういうドキュメンタルもの?読むのは。 何で読んだかと言うと、私は現在北海道に住んでおりまして、親戚からヒグマの話をされた上に読みなよってもらったからですね。 別に読みたかったわけでもなく、なんか聞かれた時用に読んでみるか、くらいのノリです。200ページくらいやし、そんな頭使わんやろうしすぐ読めるか的な。 それなのにあいつ渡したこと忘れてやがった。 果たして読んだ意味とは。 まぁ、おもろいかおもろくないかと言われたらおもろかった。感覚としてはジュラシックパーク見とるような気分だね。 一応人間的な部分の描写も色々あったし、時代を感じさせるような描写もあったしで、そんな楽しみ方もできた。 実感に引きつけて読むようなことがないから、そういう意味でも良い読み方ができたねって感じ。 ちなみに私は熊に出会いたくなさすぎて山道ほぼ出ません。 だから親戚よ、熊の恐怖を抱かせるためにこの本を渡したのだとしたら余計なお世話である。

    1
    投稿日: 2026.01.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    熊による被害が多く猟師によって射殺する、熊が可哀想、などと言う人がいる。これを読んでもそんな事が言えますか。人を喰う熊は害でしかないでしょう。人間を守るためには殺すしかないでしょう。闇雲に撃つ訳ではなく、熊の賢さ、強さへの敬意は忘れてはいけない。

    1
    投稿日: 2025.12.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    好きすぎて読み終わりたくなくて、何年もかけて読み終えた。 北海道の凄まじく厳しい自然環境にしがみつくように生きている村の描写からすでに面白い。 作中に描かれる熊を前にした恐怖と無力感は、令和の今も変わらないな。

    2
    投稿日: 2025.12.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    大好きな作品。何度も読み返しています。 かなり残虐な描写もありますが。。 最近の熊被害もあり、昔の話だと思わずに 今の人にも読んで頂きたい小説です。

    3
    投稿日: 2025.12.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    熊の恐怖感が凄いな~。そして銃を持っている集団でもその恐怖には勝てないんですね。前半は熊にやられっぱなしの村人。被害者の描写が辛い。妊婦さんとか辛い。後半銀四郎の登場から雰囲気が変わって迫力が増した気がする。熊を撃つ場面は良かったな。明治、大正やそれ以前の時代は自然は今より身近で怖い存在だったんだな~。昔みた『リメインズ』って映画はこれがモデルだったのかな。

    2
    投稿日: 2025.12.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    各地で熊害が頻繁に出てる、というニュースを見て、そういえば読んでいなかったなと思い。大正時代に起きた三毛別の熊害事件についてはネットで見たりして知っていたし、矢口高雄の漫画も読んでいたので、既視感はあった。 乾いた筆致のドキュメンタリーで、淡々と事件の推移を追う感じ。最終的に羆を倒す猟師の銀四郎を除いては登場人物の描写が少なく、感情移入はできない。それが逆に羆に対抗する手段のない、事件の恐ろしさを際立たせる。人を食うことを覚えた羆は、音や火も恐れない。これはもうどうしようもない。動物愛護論の出る幕のない事件だった。

    4
    投稿日: 2025.12.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    え、もう大惨事はじまったん… 思いの外、事件が起きるのが早い! 展開のテンポ良さと主人公の存在の曖昧さが余計不安を作りだす、短編ながらも濃厚な作りで吉村先生さすが…と舌を巻く。 熊の恐ろしさから浮き上がってきたのは、北海道の自然の奥行き、そして立ち向かう人の営みのタフさと脆弱性。 過疎化地帯が熊の出没を期に森と雪に飲み込まれていく…そんな大いなる自然の流れの一幕のようにも見えた。

    2
    投稿日: 2025.12.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ゴールデンカムイを観てからだと銀四郎のほうが羆に対しての恐怖やリスペクトをよっぽど持っているなと感じた。そういうものへの無知な村の人への対応は銀四郎にも問題はあるが、分からなくもないとは思った。未開の地を切り開き、肥沃な土地に当たるかどうかも分からない。そんなギャンブルのような生活をしている中で村や部落というものが生まれていくんだなということを感じた。 羆はいつも人間にとっての脅威であり、そしてカムイなんだと思った。太刀打ちできない圧倒的な存在として荘厳な存在ですらあると感じる。熊が全国各地で出没してアレコレ騒がれているが、難しい問題だと思うと同時に、共生していく在り方をこの本を通して改めて考えさせられた。

    18
    投稿日: 2025.11.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    今も昔も熊への対処方法は変わらず、恐怖感も変わらないと思った。熊にとって人間はあまりにも非力!熊を可哀想、と言う人もいるけれど、人間はそんな立ち位置にはないと思った。

    1
    投稿日: 2025.11.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    羆の脅威が詳細に書かれた記録文学。 入植、開拓の厳しさ、土壌の善し悪しに裏付けされる自然の脅威。 猟師とマタギの違いというか、そういったものがよく分かりました。

    15
    投稿日: 2025.11.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    試される大地、、人は無力、、 常に羆の幻影に怯える緊張感がすごい 羆はその痕跡だけで土地を放棄させるだけの威力がある

    3
    投稿日: 2025.11.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ニュースでは「羆に人が殺された」と報道されるが、羆に襲われた人間はどういう姿になってしまうのか、電気もない北海道の寒村時代とはいえ熊の狙撃に慣れていない人間がいかに空疎で無力か、他方、後半で登場した近隣の村でタダ1人の銃撃ちの名人銀四郎のかっこよさ、ところが羆を退治したあとは村人にとって邪魔でしかない、あたかも戦時の英雄は平時の厄介者、映画ランボーを地でいく展開が一筋縄でなくてよかったです。ぜひ邦画をとってほしい、銀四郎は浅野忠信、誠実は区長は小林薫、空っぽの分署長は西村雅彦とかね

    13
    投稿日: 2025.11.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

     大正4年12月に北海道、天塩山脈の麓苫前村六線沢で起こった史実。丹念な取材に基づく臨場感溢れる記述。  寒村を巨大なヒグマが襲う。2日間で6人が食い殺された。ヒグマが人間を喰う、その描写が凄まじい。数十人の村人は恐怖に耐えられず村を出る。近くの村の男たち、警察官が徒党を組んで狩りに向かうが、その巨大なヒグマの気配の前になす術がない。人間が対峙できるものではなかった。  2025年11月、いま毎日ヒグマ、ツキノワグマが里山から街中にまで出没し、人間の生活圏と交わり、多くの被害が発生している。一度人間を襲ったクマがどうなるのか、この本に詳しい。  恐怖でしかない。

    23
    投稿日: 2025.11.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    破船でハマってしまった吉村昭 たまたま先輩に勧められた羆嵐 この緻密さはクセになるほどで、想像力の嵐に揉みくちゃにされそうになった、 まるで自分が極寒の中粗末なボロ小屋の中で羆に怯えている、飢えと寒さを凌いでいる非力な三毛別の民なのではないかと錯覚してしまうほど、緊迫した状況が想像できた お腹の大きな方を見ると、腹ちぎらんでくれが出てきてしまうようになり、このセリフだけはわたしの頭の中から消したいフレーズになった、、、

    1
    投稿日: 2025.11.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    熊の被害が多発していることもあり、この小説を読んでみた。 恐ろしい。沈着冷静な老練猟師がいなければどうなっていたのか。

    1
    投稿日: 2025.11.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    大正4年、北海道の開拓村を襲った国内史上最悪の獣害事件――「三毛別羆事件」。 『羆嵐』は、その凄惨な実話をもとに描かれたドキュメンタリーホラー小説です。 まず圧倒されるのは、熊の存在感と忍び寄る恐怖です。3メートルに迫る巨体でありながら、闇に紛れ、気づいたときにはすでに家の中に侵入している。雪の白に、血の赤がじわじわと広がっていく描写は、ただの獣害を超えた自然の猛威として読者に迫ります。 特に、「寝ていると思っていた家族が、すでに喉を食い破られていた」という場面は、虚を突かれたような衝撃と絶望感がありました。 物語は、登場人物の感情に過度に踏み込むことなく、冷徹な三人称視点で進みます。その怜悧さが、かえって恐怖を際立たせます。 どれほど多くの人が集まっても、熊の射程に入らなければ殺せない…自然が支配する縄張りの前に、人間はあまりにも無力であることが、淡々と描かれます。 終盤、村を襲った熊を仕留め、その肉を喰らうという決着が印象的でした。 土地を開墾し、家を建て、死者を埋葬することで「自然の一部になろう」としていた村民たち。しかし熊の襲撃により、その努力が打ち砕かれる。 結果として、亡くなった者の遺体を囮とし、自然の代弁者である熊を殺し、その肉を喰らう。 それは野蛮に見える一方で、自然の中で生きるために不可避な選択だったのかもしれません。悲しくも、腹の底に落ちてくるラストです。 余計な要素を排し、事件の流れを淡々と綴ることで、逆に読む者の心に深い恐怖と余韻を残す。「ドキュメンタリーホラー」と呼ぶにふさわしい一冊です。

    1
    投稿日: 2025.11.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    今年は熊の被害が異常なので、前から気になっていた三毛別事件について書かれているこちらを読んでみた。ただただ恐ろしい。。 時代背景も相まって人間の無力さを痛感した。

    17
    投稿日: 2025.11.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    今読むべき本。1915年の三毛別熊事件を題材にした小説。熊が火を怖がらないこと、足跡を意図的に戻って人を後ろから襲おうとするなど、頭の良さがわかる。

    1
    投稿日: 2025.10.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    昨今のクマ被害から興味を惹かれ、読書開始。 北海道の開拓民が、大型のヒグマの侵食に晒されるストーリー。 ひたすらヒグマが怖い。 序盤から中盤は、人間の無力さと野生の破壊力にひれ伏すばかりで、熊の生息地には近づかないでおこうと心に誓った。 そんな中で現れる“救世主”の見せ場が、本当に痺れる。良い小説だった。

    15
    投稿日: 2025.10.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ここ数年熊と隣り合わせの生活をしているので、一層臨場感を味わいながら読むことができたのが、嬉しいような悲しいような 漢字とひらがなの使い分けが独特に感じられて、読み慣れるまで少し時間がかかった

    2
    投稿日: 2025.10.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    淡々とした語り口で、描写も決してくどくないのに、羆による被害の凄惨さ・残酷さや、それと対峙した人々の凍りつくような恐怖が伝わってくる。本当に恐ろしい。 人間社会は自然の世界に地続きで、そこには人間なんて相手にもならない存在がたくさん生きていることを思い出した。この意識は本当はもっとみんなが持っているべきで、適切に恐怖すること、その上で「棲み分け」という形で共生することがクマにとっても人にとっても必要なんだと思った。 大正時代の出来事のノンフィクションドキュメンタリーということで、ちょっと読みづらさを警戒していたけど、すごく読みやすくて驚いた。

    2
    投稿日: 2025.10.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    熊の被害が毎日のようにニュースで流れていますが、過去(大正時代)にこんな凄惨な事件があったことも知らなかったです。だいたい知り合いに、ツキノワグマと羆では大きさがぜんぜん違うというのを教わりました。知らない事ってたくさんあります。 羆に村の者たち6人も殺され、特に女の人の人肉がうまいと知るや、女の人だけ狙い男は殺されるだけ。村の者たちが集まっても、銃は5丁しかない。羆を見つけても、銃からは弾が出ず不整備が露見。 もう、逃げるしかなく、警察に依頼さそ、他の村の者たちも羆刈りに参加する。 しかし、囮の遺体を見て戦意喪失する者も多く、軍隊への救援要請をすることに。 薪が崩れ落ちただけでも、皆先を競って逃げ惑う中、村出身の銀じいが最後には羆を撃ち殺す。 供養とは、言っても人を食べた熊肉はなかなか食べたくはないな〜と思いました。 熊が大変怖いという話でした。

    17
    投稿日: 2025.10.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    羆こわ 人間 無力 銃があって人数があっても熊一匹にこんなにもうろたえる 熊との共生は難しい…お互い今あるテリトリーを守れるようにしなきゃねえ 銀爺めっちゃかっこいい 最後の狩りのエピソードもめちゃかっこいい

    1
    投稿日: 2025.10.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    まず、羆の登場が思っている以上に早い。読んで数ページでもう羆が人を襲う。ここで読みたいものが読める!と安心した。 情緒的でドラマチックな描写が多くなくとても良かった。感傷的なシーンよりも状況説明が簡潔で、情景がわかりやすかった。 最後の最後に出てくる銀四郎の登場により脳内で作画がいきなりゴールデンカムイになった。 吉村昭の小説がこんなに出ていることも初めて知った。色々読んでいきたい。

    4
    投稿日: 2025.09.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    実話に基づく吉村昭の小説。 大正4年12月、北海道苫前郡三毛別六線沢。 開拓民の家に押し入り、女子どもを襲った一頭の羆。人間は食べないと思い込んでいた村人達を震撼とさせる。 羆と人間の闘い。当初は簡単に仕留められると甘い考えだった人々が、犠牲者を見てその威力にビビり始める。数でかかっても無駄。銃すらも技術が無ければ意味を為さない。そんな中、羆は次の獲物を狙いに来る…。 羆が家に押し入り人間を貪り食う場面が生々しい。文字から音や匂いが感じられ恐ろしさが増す。女はほとんど何も残らず全て持ち去られ、食べられてしまっている。(ヤメテ〜。酷すぎる)一度、人間の味を知ってしまったら、後戻りできない。この羆を仕留めるまでは、村人全員の命が危険に晒されるという事なのだ。 人間の住む所には来ないで欲しい、と願うのは無理な事なのか?羆の住む縄張りを侵し開発した報いなのか?昨今は羆の習性にも変化が表れ、人間を怖がらないと言う。木の実やハチミツを食べる熊なんて絵本だけのお話になってしまった。 この物語には結末があるが、現代の熊問題には今のところ答えは無い。毎日のように報道される熊のニュースに憂慮している。

    38
    投稿日: 2025.09.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    第七師団、ニシン漁、穴持たず、村田銃、アイヌ、山岡銀次郎(二瓶鉄造のモデル)、、、これ全部聞いたことある!!ゴールデンカムイじゃん!!! ヒグマと第一次世界大戦頃の過酷な北海道の知識をゴールデンカムイである程度知っていたので、凄くわかり易かった 大正に起こった三毛別羆事件 こんなにも恐ろしい羆がいたなんて 吉村昭先生の文章がまた凄すぎる 日本語だけで綴られているから一つ一つの描写が細かく映像化して読めるんだよね こんなに凄い本を読み終えると、次に読む本が陳腐になりそうで困る

    4
    投稿日: 2025.09.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    自然の摂理の中に当然人間もいる 当たり前のことだが、生まれてこの方というのか、年々「自然」との距離が広がってきている。なんなら「自然」には自然に辿り着けず、最早アクティビティとして求める者にしか訪れない1つの場所となっているようにすら思う。 この羆嵐での出来事は当然のこと、だからこそ変に急転直下なことが起きたりしない。ただ、結末は必ずしも今回のように未来永劫続く訳ではないと思う。人間が何かに屈し、その土地を離れていく、そんな未来もいつか。

    5
    投稿日: 2025.09.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「腹、破らんでくれ」 大正時代、北海道開拓村で起こった羆事件、事実を元にしたドキュメンタリー小説。人の肉の味を覚えた羆はまた人を襲う、淡々とした描写だが村民の絶望感と無力感が痛いほど伝わってきた。 現代日本でも熊生息地に住む人々にとっては紛れもない現実であることを感じる作品。

    15
    投稿日: 2025.09.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    wikiを読んだだけでも背筋が凍る国内最悪の獣害事件・三毛別羆事件を題材にした小説。羆が無慈悲に村人を襲うシーン、凄惨な死体の状態を示す文面も生々しく恐ろしいけど、熊許すまじ!と息巻く村人や警察隊がどんどん顔面蒼白になり自信を無くしてゆく、集団の恐怖心の描写が秀逸でした。

    1
    投稿日: 2025.09.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ★★★★★作り物では味わえない圧倒的なリアルが恐怖を増し、読む手が止まらず一気にページをめくった。あぁ怖い。しばらく田舎の山間部の実家、おそらく熊の生息はない地域ではあるが、怖くて夜は外に出られなさそう。北海道の羆怖い

    1
    投稿日: 2025.08.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    北海道開墾時代の命をかけた日々の厳しい生活が丁寧な筆致で描写されている。大正時代より熊と日本人がどのように対峙してきたか、自然に犠牲を払いながら、厳しい日常を送る人々の生き様に多くの気付きがあった。

    1
    投稿日: 2025.08.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最近クマのニュースをよく聞くが、Xのコメントで三毛別羆事件を知り本作品を購入。 羆の恐ろしさとこのような事件が起きたのだという事実、その際の被害者の恐怖など色々考えながら読みました。 小説のように描かれており、とても読みやすかったです。事実を描いているのでラストは小説としては少し物足りない感じですが、だからこそ脚色のない、全て実際にあったこととして見ることができ、場面を想像するとかなり恐ろしいです。 八甲田山も読みましたが、本作品と死の貝でWikipedia三大文学と呼ばれているとは知りませんでした。 ぜひ死の貝も読んでみたいと思います。

    2
    投稿日: 2025.08.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    淡々と短い文で書かれた文章は、読みやすく臨場感があった。 最終章で人々が去って行く記述は、人間がひとつの弱々しい種であり、過酷な自然にも羆にも敗れたのだということをじんわりと思わせられた。

    1
    投稿日: 2025.08.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    八甲田山は面白かった、死の貝も勉強になった。Wikipedia三大文学の最後の一冊の本書を読む。 北海道の開拓中の村で起きたヒグマによる村民惨殺事件のドキュメンタリー。吉村昭氏に書かれているのでストーリー構築もしっかりされ、興味深くページをめくる。 私も山に登るので、ヒグマの脅威と他の熊との修正の違いも認識。今の時代とは違い、ヒグマ戦う時の装備の違い、夜の闇の深さ、よりヒグマへの恐怖が強まる。ヒグマへ立ち向かおうとする人々の反応の違い、(当事者、警官、ボランティア、熊猟師)も興味深い。

    9
    投稿日: 2025.07.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最近羆のニュースをよく目にするので、読んでみた。 一言で言うと、恐怖。 人が死ぬ原因は、老衰、病気、事故、はたまた戦争などであると漠然と思っていた。 けれど、この本に書いてあるのは、人が羆に餌として喰われるということ。 北海道に生息する羆は、本州にいる熊とは全くの別物で、最恐獣の名を冠するほどの、凶暴さと賢さとしぶとさ。 この本は、大正四年に発生した三毛別羆事件を題材としたドキュメンタリーであるが、あまりの惨事の状況に、真夏の読書であったにもかかわらず、鳥肌が立った。 人と羆はどうやって生きていくべきなのだろうか。

    0
    投稿日: 2025.07.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最近熊がよく出没するニュースを聞くので、手に取ってみた。 父親は北海道の開拓民の末裔で、札幌に親戚も多く住んでいる。 羆も恐ろしいが、わずか数世代前に先祖がこんなに過酷な自然の中を生き抜いてこられたなんて信じられないような気がする。 それにしても銀四郎がかっこ良すぎるのだ。 荒くれ者だが、死と隣り合わせでヒグマに対峙して戦っているとき、きっと一番生きている感覚があったのだろう。どんな顔をしていたんだろう? 現代人とはきっと全く違う顔つきをしていただろうなと思う。

    0
    投稿日: 2025.07.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人は得体のしれないものに恐怖を抱く。妄想が、さらなる妄想を生み、肥大化した妄想から化け物が生まれる。恐れは抱くべきであるが、それに飲まれれてはいけない。恐怖の中で、その相手を見極める目。

    0
    投稿日: 2025.07.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2025.6.20(金) Wikipediaで事件の内容は知ってたから、衝撃は最初ほどではなかった。でも初めてこの事件を知ったときはめちゃくちゃ怖いと思った記憶がある。たった一匹の羆相手でも人間では太刀打ちできないんだな。

    0
    投稿日: 2025.06.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    怖いよ!!と聞いて心して読みました。 体感としてはホラーみたいな怖さではなく、たんたんと語られていくので、嫌な感じではなかったです。 ただリアルなのでそれは怖い。 40人くらい男性がいても、銃をいくつ持っていても、羆を仕留めるとは別の問題なんだと知りました。 羆はとても頭が良く、とても速くて、人を罠にかけることもある。 実際によく知る熟練した人でないと仕留められず、そんな人でさえも顔色を失うほどに怖い思いをすること。 仕留めた羆を食べることで、亡くなった方の供養をする、ということにも驚きました。 熊嵐も本当にあるんだろうなと感じます。

    9
    投稿日: 2025.06.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    流石、ノンフィクションの緊迫感が凄まじい。 昨今の、ヒグマ被害ではoso18の事件が記憶に新しいが、大正時代にはもっと恐ろしい事件があったとは驚いた。数年前に知床のネイチャーツアーで熊の足跡を辿ったりしたが、その際は遭遇することもなく、ちょい残念な気持ちだったけど、本作を読んでいたらもっとビビってたかもしれない。

    1
    投稿日: 2025.05.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     史上最大のヒグマによる獣害事件のドキュメンタリー風小説。  ヒグマやヒグマに直接襲われた被害者の視点ではなく、獣害を知った住民の恐怖とそれによる微妙な心理状態が丹念に描かれる。行政も警察も役に立たない過程もリアル。  酒乱で嫌われ者のヒグマ撃ち名人の猟師が登場してからの終盤が読みどころ(というかヒグマがはっきり出てくるのはこの終盤)。この猟師がはっきりいうと好人物ではないのだが、その微妙な心理の機微も描かれている。  倉本聰氏のあとがきでは、幼少期にこの獣害事件を経験し被害者の復讐を誓ってヒグマの名猟師となった老人との会話が掲載されている。こちらも味わい深い。

    16
    投稿日: 2025.04.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    三毛別の獣害を描いたドキュメンタリー。名前を除いては概ね史実に沿うものなのだろうか。久し振りにかなり恐ろしい小説を読んだ。実生活において学ぶところはないのかもしれないが、知識として持っていても良い。

    0
    投稿日: 2025.04.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    道北・日本海側の留萌地方、山間の小さな農村を襲ったヒグマ事件。昔話には聞いていたがこれほど悲惨な内容だったとは・・・。

    0
    投稿日: 2025.04.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    北海道の冬をこんな壁の家で過ごしたのかと想像すると身体の芯から凍りつく。ヒグマから身を守る家としても頼りなくて恐ろしい。

    1
    投稿日: 2025.04.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    今から110年前北海道の山村でおきた日本史上最悪の熊害とも呼ばれる三毛別羆事件を題材にとった、ほぼほぼドキュメンタリーといって差し支えない緻密な取材に基づいて書かれた小説。度重なる水害から故郷を捨て北海道への入植を決意した東北の一村落が、苦心しながら荒地を開墾しようやく収穫を得られるようになったら今度はイナゴの襲来を受けすべてを失い、より山奥の未開の地に辿りつく。六線沢と呼ばれたここでも苦難の末やっとささやかな日々の暮らしを手に入れることができたのだが、数年たったある冬に冬眠しそこなった身の丈約3メートル体重約300キロの巨大羆の襲撃を受け7人が殺害(うち1名は胎児)され3人が重傷を受けてしまう。真っ暗闇の山奥の羆のテリトリーに村落を開いた村人たちの、想像を超えるような恐怖の感情に絶句し、自然の猛威に為す術もなかったわれわれの先人たちの苦闘に頭があがらない。六線沢と隣村の三毛別村の人々は集落を放棄し、警察署の指揮する200名からの救援隊の動員を経ながら退治されるまでの一部始終が描かれる。文章は情緒を排し時々刻々の人々の行動とその際のそこにいた人々の様々な波打つ感情の起伏を淡々と簡潔に記していくだけだが、それがリアルで迫真に迫ってくる。救援隊に向ける期待と失望の末、すべてを託されたのが酒乱で粗暴で忌み嫌われた一人の老猟師で、彼と羆が対決する終盤は盛り上げようというような筆致はまったくなく淡々としたものなのだが、緊張感が半端なくまったく目が離せなかった。書籍の装丁は文庫化や新装すると変更されることが多々あるけど、現在の装丁はこれを超えるものは恐らくできないように思うほどパーフェクト。

    22
    投稿日: 2025.02.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    一つ前に読んだ、アイヌの熊討ち猟師との対談をまとめた「クマにあったらどうするか」(ちくま文庫)の内容と符合する点が多く(羆の習性、猟の仕方など。やはり他の作品同様、作者はよく調べていますね)、納得しながら読み進められました。もっとも、「クマにあったらどうするか」では、羆は本来、草食で臆病、好んで人を襲ったりはしないが、一度人や家畜を襲った羆はその後も続ける、とされていて、後者の例外による惨劇が本著ではありますが。 過度に戦慄を煽ったり、ドラマチックな筋立てにしたりすることなく、事実に沿って淡々と描かれていながらもリアルな恐怖感や人々の思いが伝わってくるところに好感が持てました。

    0
    投稿日: 2025.02.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    小学3年生の時総合の授業ではありましたが、 先生がこの本を読みその時間でこの話しをしてくれました。 先生は劇団経験者で迫真の演技や語りで身一つで表現しました。休み時間に入りましたが生徒みんながその起こった出来事に引き込まれて話しを続けて欲しいと先生に訴え続けて貰いました。 今は28歳でずっと覚えております。 当時の友人もその事を覚えております。 この本を読み 道民であるため北海道一周も兼ねその跡地に行かなねばと感じます。

    0
    投稿日: 2025.02.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    羆こわ。 人間食べる音が聞こえてきそうよ。 シーンとした雪の降る超山間部。 電気もない… 食われる側になる恐ろしさが、たまらなくこわい。

    0
    投稿日: 2025.01.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ヒグマによって、2日間で6名もの方が殺害された実話を元にした話。自然に生きるヒグマにとって、我々人間は単なる『餌』でしかない。 『人間と自然の共存』この言葉は、自然の厳しさを知った上で語られるべきである。

    0
    投稿日: 2024.12.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    内容は怖くハラハラしたが、吉村昭の文章が自分には合わず、読み進めるのに時間がかかってしまったため途中で諦めた。

    0
    投稿日: 2024.12.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    舞台は真冬の北海道、山奥の民家でメリメリと人骨を貪る音が響く。 人間、それも女の味を覚えた巨大熊。 捕縛に向かった軍隊ですら一目見ることなく食い荒らされる始末。 ただ1人老猟師が静かに迎え撃つ。視覚、嗅覚、聴覚、経験をフルに使った銃弾一発に込める緊張感がたまらない。 これがノンフェクションだから恐ろしい。 読み進めると、吐く息が白く、本を読む手が冷たくなってくる、、現実と区別ができなくなるほど入り込めるリアルな背景描写。

    0
    投稿日: 2024.12.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    これが実際に起きた事件だと思うと身震いする。 熊は好きな動物だけど、リアルで出会いたくない。 ヒグマをあなどってはいけない。もちろん、他の野生動物も同じ。 近所に熊が出没しませんように。

    0
    投稿日: 2024.11.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    第38回ビブリオバトル〜明石の陣〜テーマ「熊」で紹介された本です。オンライン開催。 2021.11.11

    0
    投稿日: 2024.10.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    あまりの恐怖に動悸が止まらなかった。警察の助けを呼ぶ手前まで読み、眠ろうとしたものの心臓がドキドキして落ち着かず、なかなか寝付けなかった。ノンフィクションと分かっているからこそ、寝る前に読むのはおすすめしないほどに恐ろしい…。これは住む土地を拡大して自然に翻弄される侵略者(人間)と、元からその場所を縄張りとしていた熊との争いである。区長を通して自分がその場にいるかのような緊張感が伝わってくる。凶暴な熊を前にした時の己の無力さに絶望しながら、生きることへの執着が恐怖感をより一層強くする。その土地で亡くなった遺体を埋めて供養してはじめて、その土地に根を下ろすことになるという風習は興味深かった。

    11
    投稿日: 2024.10.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    小説でここまで恐怖を味わえるかと衝撃を受けました。どのパニック映画よりもよっぽど恐い。展開だけでなく、集団になった時に強くなったと錯覚する人間の心理なども無駄なく描写されていて面白かったです。

    0
    投稿日: 2024.09.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    羆がヒグマと読むことを知った。 この事件については、ドキュメンタリーなんかで知っていたけど、映像を遥かに超える迫力が文章から伝わってきた。 一頭の熊に二百人もの人間がなす術もなく、一人の熊撃ちに託す、その辺の件は熱くさせられるものがあった。

    0
    投稿日: 2024.08.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『慟哭の谷』を先に読んでおいて正解だった。『慟哭の谷』を下敷きにして淡々と事実を書き連ねながらも、小説としての脚色が非常に品良く施されているのが解る。銀四郎という超魅力的なキャラクターを最後までドライに、一人のクマ撃ちとして描き切っているのがめちゃくちゃ渋い。

    0
    投稿日: 2024.08.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    小説『羆』を読了後に読み進めた。本書は苫前羆事件を再現したドキュメンタリー。明治から大正にかけて北海道は開拓のため、多くの入植者が原野を伐開し、それはヒグマをはじめ野生生物や、アイヌの生活圏を脅かすことになった。その代償がこのような事件になったのだろう。住居も猟銃も粗末な土地で起こった事件で、被害者である妊婦の「腹、破らんでくれ」という悲鳴は痛ましい。羆猟師の銀四郎がヒグマ駆除要請で三毛別に来たのは感動的。ヒグマ駆除前後の彼の粗暴・飲酒が、貧弱な銃器での命懸けの生業であることも共感できた。

    2
    投稿日: 2024.07.06