
総合評価
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powered by ブクログ不正に関連した仕事をしているので気になって読んでみた本。 自分が当初思っていたことと全く違う結論が、実証実験によって示されており、各章いずれも非常に興味深かかった。 行動経済学って面白いなあ。なんか仕事にも活かせそうな気がする。
0投稿日: 2025.11.06
powered by ブクログ表紙の「ずる」に惹かれて読みました。 内容は、人間のシンプルな合理的犯罪についての多くの実験結果に基づき進められます。 シンプルな合理的犯罪とは、誰もいない車もこない深夜の赤信号渡るなど日常で人間がやってしまう「ずる」が、どどのような要因で起こり、どのように「ずる」を回避できるのかを説明されており、人間の意思の弱さを感じました。 割れた窓ガラス効果ように職場の人数が、多いほど「ずる」が起きやすくなる。 名前のない仕事(コピー用紙補充、書類整理など)を一部の職員がやって困っていたのでこの本を参考に少しでも「ずる」の少ない職場になってほしいと願います。
8投稿日: 2025.11.03
powered by ブクログ人は、ズルをすることによって出来るだけ利益を得たいが、同時に自らのことを道徳的な素晴らしい人間だと思いたい。そこで、この二つの動機づけの折り合いがつく(自分で折り合いがつけられると判断する)範囲、つまり、肯定的なセルフイメージを壊さない範囲でズルをし利益を求めることになる。これが、不正が行われる原理として筆者が唱える「つじつま合わせ仮説」である。本書ではこの仮説が実験により得られた結果を用いて様々な面から考察されており、非常に説得力があると感じた。 署名や監視、(呼び起こされた)道徳心は不正を減らす方向に働き、自制心の消耗や他人のズルを目撃すること、また他人が自らのズルによって得る利益への考慮は不正を促進する。その一方で、ズルから得られる金額や捕まる確率は不正の度合いに影響を及ぼさないことが実験から確かめられたが、この一見不思議な結果も「つじつま合わせ仮説」によって容易に説明できる。すなわち、不正から得られる金額が多くなるほど自己正当化が難しくなり、捕まる確率の大小は自己正当化の容易さに関係しないからだ。 自分が如何に日常的にズルをし、しかもずる賢くその行為を正当化しているかに気づかされた。
2投稿日: 2020.08.30
powered by ブクログほんと一握りの人以外、人は多かれ少なかれ何かのズルをしてしまう。それにはパーソナリティや環境が複雑に関わっている。人のずるは汚いなぁと思うけど、自分も自分が許せる、正当化できる範囲内でずるをしてる。どうしたらずるをしないか、ちょっとだけしれた気がする。
0投稿日: 2020.02.09
powered by ブクログ人はなぜ不正をするか。「シンプルな合理的犯罪モデル(SMORC)」すなわち費用便益分析をもとにした意思決定ではないことを様々な行動経済学的実験から導く著者は「予想通りに不合理」のダン・アリエリー。SMORCが真理であれば世の中はもっと不正だらけである。では不正を促す要因は何か?曰く、 『正当化の能力、利益相反、創造性、一つの反道徳的行為、消耗、他人が自分の不正から利益を得る、他人の不正を目撃する、不正の例を示す文化。』 これを知れば不正を防ぐ対策が出来ると。至極納得腹落ちの一冊。仕組み作りを考える上で貴重な知見を得た。
0投稿日: 2018.10.09
powered by ブクログ「予想どおりに不合理」の著者が不正と意思決定について著したもの。不正といっても、エンロンの不祥事のような大きなものだけでなく、ゴルフのスコア申告のように、そのほとんどが多くの人に関わりのあるありふれた不正である。 不正が起きるしくみについて、合理的経済学では、人は自分の置かれたそれぞれの状況を合理的に分析し、それをもとに犯罪を行うかどうか決めるというもの(シンプルな合理的犯罪モデル「SMORC」)らしい。しかし、少し考えればわかることだが、あらゆる決定について費用便益分析を覆ない、最も合理的に思われることをするとするなら、たぶん職場を一分離れるときも、財布を引き出しにしまいこむだろうし、どんな取引にも法的契約が必要になり、そのせいで法的闘争や訴訟に時間をとられるようになる。本書は、SMORCでは説明のつかない、「人を不正に向かわせる本当の力」を明らかにしている。 多くの事例に共通するのは、人の行為はちょっとした契機で変わってしまうものだということ。確定申告などの申告の不正を試す実験では、署名の位置を、(道徳心を呼び起こすため)一番上にするか一番下にするかで不正の数が減ったという。こういう工夫は、ビジネスでも十分考えるべきテーマであると思う。 一番興味深かったのは、「創造性が高い人ほど、ごまかしが多い」ということ。 「だれもがごまかしをする能力をもっている。またごまかしをする自分がなぜ不正直でも不道徳でもないのか、その理由を説明する物語を自分に語るのがとてもうまい。さらに始末の悪いことに、わたしたちは他人のごまかし菌に『感染』しやすく、またいったん不正なことをし始めると、同じ方法で不品行を続ける可能性が高い。」
0投稿日: 2018.10.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人は、どのような時にずるをするのか、ずるに焦点を当てた本。耳がいたい。 「そこの解答だけ見るつもりで見えてしまった隣の問題を、自分で解けたことにして、なんとなく出来ている気になる」よくあることだ。この導入部分からすでに引き込まれた。 本書では様々な実験について記述されているのだが、その中でも「偽物を身につけるとずるをしやすくなる」という実験が興味深い。 クロエのサングラスを 本物・偽物(偽物と伝えていても本物を使用)・なにも伝えない という3つのグループに分けて、サングラスをかけたままテストを行う。 すると、偽物だと伝えていた人がずるを多くしたという結果になった。偽物で他人は騙せても自分は騙す事が出来ないのだ。 また、偽物のサングラスを掛けた人は、他の人に対しての疑心も強くなるという実験もある。 他人を疑い深くなるということ。「自分がそうなんだから、他人もそうに違いない」という心理なのだろうか。 他人は自分を映す鏡という言葉がとても良く当てはまる。 反対に、サングラスが本物だと伝えられたグループは、なにも伝えていないグループよりも、ずるをしないという結果になった。 奮発して買ったバッグや靴を身につけていつときはシャンとした気持ちになるもの。 女性は、下着にお金を掛けなさいと言いますが、気持ちの問題というものは行動に現れるから、そういう風に言われるのかもしれないと思った。 日常生活に使えそうだと思ったのが、コイントス決定法。ただのコイントスで決めるわけでない。 まずは、どちらか迷ったときにコイントスを普通に行う。ここまでは、普通のコイントスと同じだ。 大切なことはその結果に対して自分がどう思うか。 少しでも「もう一回やり直したい」と思ったのなら、もう一方を選ぶ。コイントスの意味がない!と思ってしまうが、真理を突いている方法だ。コイントスをどちらか決定する手段としてではなく、自分でも分からない自分のの気持ちを知るための道具として使う。 選択に迷ったときは、試してみようと思う。
0投稿日: 2017.12.22
powered by ブクログ署名の位置で不正が減る。 利益相反。スポンサーの絵を良いと評価する。本人は気付いていない。 疲れると誘惑に勝てない。不正しやすい。 偽物を身に付けると不正をしやすい。 不正は感染する。同じグループの人が不正をするとその人も不正しやすくなる。
0投稿日: 2015.10.06
powered by ブクログ実験の結果が意外なものもあり面白かった! 人間は経済学からすれば意外と不正はしていないが、すぐちょっとした不正をしたがる生き物である。 そこにちょっとした要因を加えれば更に不正を働くし、また働かなくなる。 不正をする要因に様々なものがある。 他人の不正の目撃や、利他性、正当化、消耗など。 不正を抑止するのは誓約、道徳性、監視など。
0投稿日: 2015.09.03
powered by ブクログ「予想どおりに不合理」が面白かったのでこれも読んでみました。タイトル通り人はなぜ「ずる」をするのか。興味深い研究内容が沢山ですが、このテの本も随分読んだので知っている事も多く、内容の新鮮さはちょっと薄れてきたかな。でも内容的には面白かったです。
0投稿日: 2015.07.23
powered by ブクログ人は[そこそこ正直で誠実な自分]でいられる範囲でズルをする。 人間がいかに都合よく考えてるかがよく分かる一冊。 テストが終わったら、自己採点した後にシュレッダーに答案用紙を入れてから自己申告した点に応じて報酬がもらえる実験。シュレッダーに入れる場合と入れない場合で「ずる」の度合いが変わる。 また、周りにずるをするサクラを用意すると他の人も「ずる」が増える。ただ、あまりに極端な場合は罪悪感からそこまでずるの度合いは変わらないなど。 その一方で、自分は立派な人間でありたいという欲求もあるから、自分にとって良い「つじつま合わせ」をする。
0投稿日: 2015.05.28
powered by ブクログ人々の行動の不合理性を行動経済学の視点から考察してベストセラーとなった『予想どおりに不合理』『不合理だからすべてがうまくいく』に続く著者の第3弾。本書ではさらに突っ込んで不正行為について述べている。不正と言っても紙面を賑わすような汚職や粉飾決算などの話ばかりではなく、身の回りのちょっとした「ずる」について、人はどんな時に不正を働くのかを検証したものだ。人々を不正行為に駆り立てるものは何なのだろう。 簡単な問題を解き自己申告した正解の数によって報酬が支払われるという実験を行い、様々に条件を変えて正解数のごまかし(報酬金額の不正な上積み)がどれくらいの割合で起こるかを調べると実に興味深い結果になる。ごまかしが露見する恐れが有る場合と無い場合、他人のごまかしを目撃した場合、その人が自分の仲間内だった場合とライバル集団に属する人だった場合、見知らぬ同士がペアになってお互いを監視した場合、親しくなった同士がペアになった場合、ごまかしをすると自分ではなくペアの相手が得をするという場合、偽物のブランド品を身につけた場合等、様々な実験を行うと、設定した条件によってごまかしの数も変わってくるのだ。 実験により、不正を作る要因は、自分の不正を正当化する能力(自分に対して言い訳上手)、利益相反(経済的な利益関係により公正な判断が損なわれる)、きっかけになる小さな1回の不正、自分が大切に思う他人の得になる、他人の不正を目撃する、疲れて自制力が消耗した脳、文化的背景などであり、不正を減らすものは道徳心を呼び起こすもの、宣誓や署名、監視などであった。そして予想外の事に不正によって手に入る金額や露見する確率などはあまり影響しないことがわかった。 「ずる」を引き起こすものは何なのかを理解すれば行動を自制することもできるし、不正に対する対策を取ることもできるだろう。それが社会科学の真の目的だと著者は述べている。「自分はずるなんてしない」と思っている人、小さな「ずる」を無意識に正当化してしまっていないだろうか。人々の行動には様々な要因が影響を及ぼすことがよく分かり大変興味深い一冊だ。
0投稿日: 2014.07.21
powered by ブクログこの本は怖いです。全部あたっている。ホントすいません。私はずるい人間です。「人を動かす」がオモテだとすると、この本はダークサイドから人の行動を説明している。人(私も)は正直でありたいと思いながら、その一方でずるをして得をしたいと考える。そんなとき、「つじつま合わせ係数」を柔軟に変化させることで、矛盾を解消しようとする。ばれない程度に、そこそこ正直者を維持しながら。その係数はどんなときに大きくなる(ずるをしやすくなる)のか、小さくなる(ずるをしにくくなる)のか、面白くかつショッキングな実験を通して分析解説されている。
0投稿日: 2014.03.11
powered by ブクログヒトは、一方では自分は正直で立派な人物と思いたいが、もう一方ではごまかして金もうけをしたいと思うものです。 ですからちょとしたズルをします。 そしてズルしたことを正当化する言い訳を自分の中で作り上げます。 ダン・アリエリーは、実験を通してどのような時にヒトはズルな行動をとるのか調べています。 面白い実験です。 小さなズルをして自分をごまかしてないか常に振り返ることって大事なことですね。
0投稿日: 2014.02.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【読み易さ】 やや易しい 【気付き】 ★★★・・ 【ハマり】 ★★★・・ 【共感度】 ★★★★・ 人がずるをするのはときはどんな時か? ずるを減らすにはどうすればよいか、 実験を元に、人のずるを誘発する条件を検証していく。 ・ごまかしによって獲得するものが現金から遠ざかるとごまかしが増える ・偽物を身に付けると、ごまかしへのハードルが低くなり、他人を疑い易くなる ・創造性がごまかしを生む ・他人のごまかしを目撃するとごまかしへのハードルが下がる ・不正行為の基準が文化等によって異なる 仮説を証明する実験結果が平均値のみであり、 被験者の数も明らかになっていない為、データの信憑性に疑問が残る。 ユーモアが取り入れられていて読み易い。
0投稿日: 2014.01.02ずるをする際に最初にすることは自分をだますこと
ダニエル・カーネマンのファスト&スローが認知、判断など広く扱っているのに対しこの本で扱うのは「ずる」の心理学、そうは言っても重なる部分はかなり有ります。 どういうときに人はずるをするのか、アメリカのゴルファー1万2千人の調査ではライの改善について「平均的なゴルファーがボールを10センチ動かすと非常に有利になる場合動かす可能性はどのくらいか?」聞いた所、クラブを使って動かす場合23%、ボールを蹴る場合14%、手で動かす10%と言う回答だった。(日本のプライベートコンペだとそもそもリプレースOKとしている場合が多いので質問自体が成り立たないかも・・・)手を使うと心理的抵抗が大きいというわけである。また、マリガンルール(打ち直しOK、一説によるとマリガン大統領からきている)の場合平均的なゴルファーがスタートホールでのマリガンは40%、9番ホールでのマリガンは15%が打つと言う回答だった。そもそもわざわざ平均的な・・・と質問するのも意味がある、あなたはどうしますかだと自分はフェアだと信じたがる人はライの改善はしないし、マリガンもしない。平均的な他人は自分より不誠実だというのは本当だろうか? ずるをする際に最初にすることは自分をだますことなのだ。例えばダイエット中なのに少し食べ過ぎた際どうせ今日はだめだから自分を許して食べよう。朝からがんばればいいとか。自分が受け入れやすい言い訳を作り自分を納得させるのと同じ心理が働いているのだ。例えばニセモノブランド品を身につけるだけで不正行為(ちいさなずる)に対する抵抗は大きく下がる。みんなで渡れば怖くないというのもある。心理的な抵抗のハードルを下げるとずるに抵抗する力が弱まるのでずるは感染するものらしい。 ではずるを無くすためにいい方法はあるのか?これも以外と簡単な答えで例えば宣誓をする、署名をする、見張られていると思わせるなど。いろいろな申告書で署名を取るのはエビデンスを残すためだと思ってたが、署名すること自体に抑止効果がある。ただし、できれば申告前に正直に申告しますと署名をさせる方が効果が高い(心理的な抑制効果が働く)と言うのが著者の実験結果であった。この話は保険会社に進めたがどこにも採用されなかったらしい。道徳心を定期的にリセットする仕組みは宗教などにも取り込まれている。行動心理学関係の本はお勧めできるものが多い。
0投稿日: 2014.01.01
powered by ブクログ社会で周りを見ると、本書で指摘されている「ずる」な人が沢山… でも本当にずるいのは自分かもしれない。 組織マネジメントで、よく覚えておきたい。
0投稿日: 2013.12.13自らの嘘やごまかしを見つめ直すきっかけ
この本を読んでると、知らず知らずに行なってるちょっとした嘘やごまかしを見つめ直すよいきっかけになった。 ただ、前作で紹介されたようなアイデアあふれる実験が、講演で多忙なためか、今回は少ない気がする。不正の判定に使われる実験がいつも同じもの(数字探し実験)なので、新鮮味に乏しい。しかもこの実験では、シュレッダーでテスト用紙を実験者が自分で破棄するのだが、事前に答えた別のテストの正当数と比較して、「4問ほど水増しして申告した」、いわゆるズルをしたと認定されるのだが、何か釈然としない違和感を感じて仕方なかった。 不正を防止する、より効果的で実際的な方法をもっと紹介して欲しかったが、最後のメイドの盗み癖に対抗して冷蔵庫に鍵をかけるという例のように、不正をへらすための秘策が、結局は単に複雑で不便な一手間を加えることに過ぎないとなれば、少し拍子抜けしてしまうな。 歯医者と患者の例も面白かった。普通、つきあいが長くなればなるほど、医者は患者の身になって次の治療方針を立ててくれそうに思えるが、実際はその逆で、患者がどんどん信頼を寄せるのをいいことに、医者は自分の利益となる治療を押し付けてくるというのは、何か思い当たることが多すぎて考えさせられた。 それと、不正の典型例である浮気を取り上げたコラムでは、読んでいて「浮気は文化だ」という迷言を吐いた某氏の顔が浮かんでしょうがなかった。
0投稿日: 2013.12.12
powered by ブクログ誰でも、「ずる」不正行為をする。しかし、自分が悪い人間だとは思いたくない。そこで「自分は正直でまっとうな人間だ」と思うための物語を紡ぎ出す。 人間はどういうときに、ずるをすることが多いのかということを、さまざまな心理学の実験をすることで、解き明かしていく。このさまざまな実験を考え出すということがすごい。「なるほどなぁ。でも、どうやってこんな実験を考えついたのだろう」と思ってしまう。 これこそ創造性だろう。 忘れるといけないのでメモしておこう。 「ずるを助長する要素」 正当化の能力 利益相反(サービス提供者がふたつの方向に引き裂かれる状況):歯科医のCAD/CAM機器の例 創造性(知能は無関係) 一つの反道徳的行為 消耗(ダイエットの例) 利他的不正(自分に利益にならないと、より正当化しやすい) 他者の不正を目撃する(同じ仲間が重要) 不正の例を示す文化(いろいろな実験では調べられない文化というものが重要) ずるを減らす要因: 誓約 署名(最初にまず署名) 道徳心を呼び起こすもの 監視(見知らぬ他人による。ただ、目の写真だけでも効果あり) ずるには影響なし: つかまる確率 不正から得られる金額(SMORC: シンプルな合理的犯罪モデル) 「ずるを減らしたい」ずるの横行に悩んでいる人には良い本だ。
0投稿日: 2013.11.15
powered by ブクログわたしたちは、「正直でありたい」と思いながら、その一方で「ずるをして得/楽をしたい」とも考える。そのせいで、「正直な人間」という自己イメージと実際の行動との間にズレが生じることがある。わたしたちはそんな時、柔軟性を発揮し、「つじつま合わせ係数」の大きさを自在に変える(行動を正当化する)ことで、ズレを解消しようとする。誰もが、要件が揃えばいとも簡単にずるをする。しかし、ずるは新たなずるを生み、また伝染して巨悪へつながることがある。ずるを減らすためには、宣誓/署名/道徳心を呼び起こす仕掛け/監視、など。
0投稿日: 2013.11.09
powered by ブクログ嘘とごまかしの行動経済学。 「ばれる確率が低くなっても、ごまかしは増えない」「共同で仕事をすると、不正が増える」「偽ブランドを身につけると、ずるしやすくなる」など、なるほどと思った。
0投稿日: 2013.10.27
powered by ブクログ大きな犯罪ばかりでなく、日常自分も良くやっているような小さな【ずる】がどういう行動理論から起きているのか解き明かす事で、大きな犯罪の抑制に繋がる可能性があるか。 小さなズルをしてしまう、その条件、環境や心理特性、歴史など、多くの実験例を通して解説する。 医療従事者としてはMRの作戦は見抜いているつもりだが、それでも想定以上の危険がある事を意識すべきだろう。
0投稿日: 2013.10.24ずるってほんとにずる?
行動経済学の神髄ですね。 「予想どおりに不合理」も合わせて読みたい。
0投稿日: 2013.10.23
powered by ブクログ大きな“ずる”をする人は少ないが、殆どの人が小さな“ずる”をする。 “ずる”を抑止するためには道徳心に訴えたり、宣誓をさせるべし。との事。 人間って弱い生き物だよな。 2013.10.12読了
0投稿日: 2013.10.12
powered by ブクログズルは皆、出来るところでは少しずつやってしまう。後押しする要素と止める要素。 ネタを知られると追試がし難いと思うが、他の研究者で検証されているのだろうか。 インパクトの大きい実験結果が多いが、その結果の綺麗さも相まって、鵜呑みにするにはまだまだという印象。 他国でやっても結果が同様というのも何かおかしい。学生だから、ということか。
0投稿日: 2013.10.11
powered by ブクログ今少々流行りの行動経済学関連の本。 「ずる」は、悪意を持っただましというよりも、悪意も意図もなく自身をごまかしてしまうことを言う。 人は容易に、かつ自らも意識することなく自らを欺いてしまうことが心理学的実験から示される。これは、意識が後付けで自らの行動を正当化するものであるとする近年の認知心理学の知見にも合致する。 これらを利用して「ナッジ」するというのもひとつの方法だが、少なくとも人は弱いもので、かつ強いものであることを意識すべきだということだ。
0投稿日: 2013.09.24
powered by ブクログ人はどうして、ずるをするのか、それを防ぐにはどうしたらいいのか。 最も効果の薄い、誓約書へのサインのようなものが、意外と効果があることに驚いた。誰もが不正(ちょっとしたずる)をするのだから、不正ができない仕組み作りが大切。
0投稿日: 2013.09.21こういう人は「ずる」するんです
騙してやろうだなんて悪意はなくても、反射的に嘘をついてしまったり、失敗をごまかして隠そうとしたことはありませんか?日常で経験するかもしれないシーンを、アメリカのデューク大学の行動経済学者ダン・アリエリーが分析しました。咄嗟に口を衝いて出てしまったちいさな嘘も重ねると、ごまかしのきかない不祥事に発展してしまうことも…。人が物事を選択するときの心理や、集団行動の中で不正が生まれる瞬間を、検証的に解析。ついズルしちゃう人の脳内思考がわかります。(スタッフO)
1投稿日: 2013.09.20
powered by ブクログ不正がなぜおこるのかを追求した行動経済学の本 いろいろな実験が記載されてありその実験手法と そこから導きだされる。考え方が非常に面白かった。 なぜ不正が行われるのかという部分については、 なるほどと思われる部分が多かったが、なんとなく 感覚的にわかっていた内容が多かったかと。 その分、それらが実験であらわになる部分が 逆に面白いと思った。
0投稿日: 2013.08.30
powered by ブクログへええ。2桁の数字を覚えさせられた被験者は果物を選び、7桁の数字を覚えさせられた被験者はチョコレートを選ぶ。ストレスが大きいほど高カロリーな食べ物を選ぶ傾向にあるというのは言われてみれば確かによくある話だ。 ここを読んで思ったのが、普段の生活にストレスがあるから高カロリーの食事を自分に許すというよりも、そもそもストレスの無い状況に持っていく改善こそが人間にとっては必要であるはずなのに(というようなことはこの本には書いていない)。
0投稿日: 2013.08.22
powered by ブクログ○シリーズ3作目。過去のシリーズの中で一番面白い。 ○過去の著作で触れられた実験について詳細に述べつつ、人間の「ずる」さについて特化しているため、内容を理解しやすい。
0投稿日: 2013.08.12
powered by ブクログダン・アリエリー氏の本は、以前「予想どおりに不合理」を読んだことがあります。行動経済学の入門書としてはなかなか面白かったですね。 本書は「不正と意思決定」をテーマにした同じ流れのものです。とても平易な語り口で読みやすく、どういう場合に人間は不正(ごまかし)をするのか」、数々のシンプルな実験によって明らかにしていくプロセスがテンポよく進んでいきます。 「偽ブランド」の影響、「創造性」の功罪等々、興味深い結果が紹介されていて、とてもいい気づきになりました。
0投稿日: 2013.08.06
powered by ブクログネタバレあり。 |なぜ疲れているとしくじるのか・・・ ストレスの多い日は誘惑に屈して健康を害すると分かっている食べ物を選んでしまう。 引越しで疲れ果てた夜は、ジャンクフードを取ることが多い。 |自我消耗・・・ 論理的な思考力が占有されてしまうと、衝動システムが行動を支配してしまうことがある。 誘惑に抵抗するには、大変な努力とエネルギーが必要という考え方。 意志力を筋肉に置き換えると分かりやすい。 フライドチキンやチョコレートを見ると、食べたい!という欲求が湧き上がる。この欲求を克服して、回避する時にはエネルギーを消費する。(重量挙げを1度するようなもの) これを繰り返しているうちに、欲求に抵抗することが出来なくなり、いつしか意志力が消耗していく。 何しろ、私たちは、常に何かを決定することを求められる。 決定を下すたびに、エネルギーは消費されている為、1日働いた後の夜に、自制を失い、欲求に負けてしまうことが多いのも、説明することが出来る。 <判事の例> 釈放の可否を決める判決を行う時、殆どの場合は、拘留延長の判断が下される時、釈放を判断されるのはどういう時か、という傾向を調べたデータがある。 勇気を要する"釈放"を判決されたのは、朝一の判決、もしくは、昼食直後の判決だったことがデータで示されている。 これはまさに、朝一、ランチ後の自我消耗が最も少ない時間帯だからこそ、勇気ある決断を下すだけの意志力が残されていた。 他の時間帯では、重大な決断を下す意志力が残されていない為、安易な拘留延長を選択してしまっていた。
0投稿日: 2013.07.07
powered by ブクログ家庭や社会において、我々はどのようなメカニズムで不正に手を染めてしまうのか―――人間の業とも言える「嘘」や「ごまかし」を行動経済学の視点から考察し、効果的な予防方法を様々な実験により検証した貴重なレポート。 罪を罪と認識させる、嘘をつかないことを宣誓させる、前例を作らない、大義名分を与えない、罰則の強化はあまり効果がないなど、興味深い実験データ満載だ。 誰かが自分に向けた不正を見極めるため、あるいは社会に対して無意識に不正を行いたくなる自分を律するため、役立つ書籍になるかもしれない。 ただこの本を読んで最も困難だと感じたのは、自分が自分に対して行う不正についてである。 例えば・・・ダイエット中なんだけど、超人気スイーツが半額で売り出してる・・・とか。 例えば・・・今日は酒飲まないと決心したが、冷蔵庫にお刺身と吟醸酒を見つけた・・・とか。 あなたは誘惑に耐えられますか? 固い決心に対するちょっとした不正を、拒み続けることができますか?
1投稿日: 2013.06.12
powered by ブクログ人はなぜズルをするのか? それは、ズルをした場合と、ズルしない場合の効果の経済的合理性のみを考えて行われる事なのか? ズルをし易くする環境とは?また、ズルをし辛くするには、どんな環境を整えたらよいかなどを行動経済学分野から検証する。コンプライアンス関係、教育関係の仕事をしてる方には参考になるとおもいます。 でも、この本を読みながら、西沢和也さんの「うそ」を思い出していた事は内緒です。 http://bit.ly/11sg136
0投稿日: 2013.06.06
powered by ブクログ不正は費用便益分析の結果行われる。極端に言えば、強盗しても捕まらないなら、やっちゃう人は結構いるはず。しかしそれよりも、不正というのが、悪事というよりも、創造性から生まれる場合もある。 不正を増やすファクターと、不正を減らすファクターは、全然別の出来事が作用している。不正を増やす側の重みを減らすために、ある種の宗教的道徳心リセット儀式っぽいという話。しかし日本にはそういうものがさっぱりない。せいぜい初詣、ぐらいか。こうした傾向により、ますます無自覚な不正ブームが加速する、きっと。多分本書の意図はそういう読み方じゃないけどね。自分に置き換えるか客観的に見るかで、爽快感が随分違うと思う。
0投稿日: 2013.05.25
powered by ブクログ世の中には不正をなくすために考えられた仕組みがたくさんある。 多くは、罰則を厳しくするとか、ばれる確率を上げるような、 費用便益的なリスクを増やすことで、不正を抑制しようとするものである。 でも人はそんなに合理的じゃない、 いつもメリットとデメリットを天秤にかけて行動しているわけじゃない、 ということを、面白い実験を通して明らかにしていく。 本書全体を通して論証している仮説は、 人は自分で正当化しやすいほど悪いことをしやすい、 というもの。 だから、 ちょっとした不正はだんだんエスカレートし、 誰のお金か分かりにくくなるほど、金融のモラルハザードは大きくなり、 会社の金庫から1円を持って帰るのはできないけど私用コピーはでき、 世の中を良くするために、政治家は平気で賄賂をもらう。 読むとどれも、ちょっと意外だが、納得するものばかり。 そして、不正についての人の行動心理を知ることは、 不正の防止、抑制に役立つ。 従来の規制、罰則ではなく、行動心理を知らない人には 信じられないほど単純だが、本当に効果のある対策を 講じることができる。 多くの人が、こういう行動傾向を知れば、 不正が起きにくい楽しい世の中になるのに、と思う。
0投稿日: 2013.05.24
powered by ブクログなかなか刺激的だった。 単純な実験で母数に関する記述がないため、非常に少ないようであることが気になるところ。 不正は金額が少ないとか多いとか、ばれる確率が高いとか低いとかがその量を変えるわけではない。 不正を防ぐものは直前に倫理的なものを呼び起こすこと、倫理条項への署名、誓約、意思疎通の持てない監視者がある。 不正を促すのは社会的要員の不正を目撃すること、他人が自分の不正から利益を得ること、前頭前野が消耗した状態であること、ちょっとした不道徳から道を外していくこと、創造的な思考で正当化する能力、利益相反、クライアントとの付き合いの長さ、否定的なイデオロギーなどがある。 一旦不正をすると不正に酔い、実力を過信する。 最後のまとめを見るまでは、内容が多くて思い出せないものも。 時間はかかったし、いまいち今後の役には立ちそうにないが面白かった。
0投稿日: 2013.05.20
powered by ブクログダニエル・カーネマンのファスト&スローが認知、判断など広く扱っているのに対しこの本で扱うのは「ずる」の心理学、そうは言っても重なる部分はかなり有ります。 どういうときに人はずるをするのか、アメリカのゴルファー1万2千人の調査ではライの改善について「平均的なゴルファーがボールを10センチ動かすと非常に有利になる場合動かす可能性はどのくらいか?」聞いた所、クラブを使って動かす場合23%、ボールを蹴る場合14%、手で動かす10%と言う回答だった。(日本のプライベートコンペだとそもそもリプレースOKとしている場合が多いので質問自体が成り立たないかも・・・)手を使うと心理的抵抗が大きいというわけである。また、マリガンルール(打ち直しOK、一説によるとマリガン大統領からきている)の場合平均的なゴルファーがスタートホールでのマリガンは40%、9番ホールでのマリガンは15%が打つと言う回答だった。そもそもわざわざ平均的な・・・と質問するのも意味がある、あなたはどうしますかだと自分はフェアだと信じたがる人はライの改善はしないし、マリガンもしない。平均的な他人は自分より不誠実だというのは本当だろうか? ずるをする際に最初にすることは自分をだますことなのだ。例えばダイエット中なのに少し食べ過ぎた際どうせ今日はだめだから自分を許して食べよう。朝からがんばればいいとか。自分が受け入れやすい言い訳を作り自分を納得させるのと同じ心理が働いているのだ。例えばニセモノブランド品を身につけるだけで不正行為(ちいさなずる)に対する抵抗は大きく下がる。みんなで渡れば怖くないというのもある。心理的な抵抗のハードルを下げるとずるに抵抗する力が弱まるのでずるは感染するものらしい。 ではずるを無くすためにいい方法はあるのか?これも以外と簡単な答えで例えば宣誓をする、署名をする、見張られていると思わせるなど。いろいろな申告書で署名を取るのはエビデンスを残すためだと思ってたが、署名すること自体に抑止効果がある。ただし、できれば申告前に正直に申告しますと署名をさせる方が効果が高い(心理的な抑制効果が働く)と言うのが著者の実験結果であった。この話は保険会社に進めたがどこにも採用されなかったらしい。道徳心を定期的にリセットする仕組みは宗教などにも取り込まれている。行動心理学関係の本はお勧めできるものが多い。
0投稿日: 2013.05.02
powered by ブクログ『予想通りに不合理』の作者の新著、おもしろくて当然。 まず著者は、ノーベル経済学賞受賞者・ベッカーの「シンプルな合理犯罪モデル(SMORC)」=「人は誰でも、費用と便益をはかりにかけて、得な場合に犯罪をする」という仮説を実験で確かめようとする。盲人と一目でわかる人と、健常者を市場に買い物に行かせると、盲人のほうが見栄えのいい野菜を売ってもらえる、盲人をタクシーに乗せると遠回りどころか安く上げてくれるという結果になった。実験の結果を受けて著者は、SMORCを一蹴。<わたしたちは「そこそこ正直な人間」という自己イメージを保てる水準まで、ごまかしをする>という法則と、さらにその自己イメージを保つためにときに「つじつま合わせ」までするということを述べる。 他にも、「疲れていると不正をしやすくなる」「自分の動機で目が曇る」「偽物を身につけていると、自己評価が下がって、不正をしやすくなる」「創造性が高い職業(デザイナー・コピーライター)の人は、経理担当者に比べ、“道徳的柔軟性”が高い(要するにズルをしても自己評価が傷つきにくい)」といった法則をつぎつぎに発見していく。 人はだれでも、ずるをする。そしてそのことに対して自己正当化をはかる。ずるは感染し、いったん手を染めると次はもっと簡単にずるをするようになる。これを防ぐには、たんに監視を増やし、罰則を強化するだけでは足りない。なぜ人が不正な行為をするのか理解し、ずる・ごまかしから遠ざける「しくみ」が必要になる、というのが著者の結論である。
0投稿日: 2013.04.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
行動経済学を通して、人はなぜずるをするのか?またどの程度水増しをするのか?身に着けるものが、本物か偽物かというだけで、ずるをする割合は変わるのか?などを、正直直接経済に関係ないことまで実験を通して検証できるのかと感じた。 しかし、「予想通り不合理」と比べて、わかりずらい感じがした。
0投稿日: 2013.04.28
powered by ブクログ人は小さな不正(ずる)を行い、時には自分をも欺く。こうした思考のクセを理解しておくことは、意思決定や判断を適切に補正することに役立つ。
0投稿日: 2013.04.20
powered by ブクログ「創造力のある人たちは、なぜそういう行動をしてもかまわないのか、むしろ望ましくさえあるのかを説明する物語を紡ぎだすのに長けている」というのが笑えました(^^;)
0投稿日: 2013.04.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ダン・アリエリーの本は、「予想どおりに不合理」「不合理だからすべてがうまくいく」に続いて三冊目。「ずる」ってテーマはどうかなと思ったけど、相変わらずの面白さであった。 自分自身は正直で立派な人間だと思いたい心理と、ごまかしから利益を得て得したいという心理のせめぎあいに常にさらされる。 それを左右するのは、現金との距離であったり、倫理基準を思い出す仕組み(署名とか)であったり、他の作業での意志力の消耗であったり、ニセモノを身に付けているか否かであったりと、実験に裏付けられた解釈を次から次へと見せてくれる。 終章の「宗教や宗教的儀式は、道徳的義務を守ることを何かにつけて思い出させてくれる」との指摘は、宗教と文化という私の個人的関心事項とも関係深く、面白く読ませてもらった。
0投稿日: 2013.04.07
powered by ブクログ誰もがごまかしをする能力を持っている。その自分が不正直でも不道徳でもない理由を説明づけるのがうまい。他人のごまかしに感染しやすく継続しやすい。 人間としての根源的なもの。みんなが、ちょっとづつの効果。
0投稿日: 2013.03.12
powered by ブクログレビューはブログにて http://ameblo.jp/w92-3/entry-11480870459.html
0投稿日: 2013.03.09
powered by ブクログまたもややってますねー、学生をこれでもかというくらいダシにした行動経済学の社会実験の数々。「ドッキリ」の看板を持って インタビューするシーンがないのが、逆に不思議。 人はどういう環境下で「ずる」を働くのか、また、不正による被害が最大化されるのはどういう時かという研究を通じ、人と不正の不合理な関係者に迫る。 「ずる」は人の「創造性」の負の側面であるという提言が、腹に落ちました。
0投稿日: 2013.03.08
powered by ブクログなぜ不正はこんなにおもしろいのか シンプルな合理的犯罪モデル(SMORC)を検証する つじつま合わせ仮説 ゴルフ 自分の動機で目が曇る なぜ疲れているとしくじるのか なぜにせものを身につけるとごまかしをしたくなるのか 自分自身を欺く 創造性と不正―わたしたちはみな物語を語る 感染症としての不正行為―不正菌に感染するしくみ 協働して行う不正行為―なぜ一人よりみんなの方がずるをしやすいのか 半・楽観的なエンディング―人はそれほどごまかしをしない!
0投稿日: 2013.02.28
powered by ブクログ『予想どおりに不合理』に続き、今回も言われてみれば『そういう時、そう考えるなぁ』と思うような人間の行動心理について。 前作ほどのインパクトはないが、ユニークな実験をもとにした理論で楽しく読めた。
0投稿日: 2013.02.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
行動経済学者の第一人者の三作目。合理的な費用便益の力よりも不合理な力によって不正行為が促されることを様々な実験とデータから明らかにしている。 わたしたちは、自分を正直な人間であると思いたい。一方、できるだけ得をしたい。そこで「認知的柔軟性」の出番となる。ちょっとしたごまかしをしながら、自分を素晴らしい人間と思い続けられる自己正当化、「つじつま合わせ」をする。 不正を促す要因: 正当化の能力、利益相反、創造性、一つの反道徳的行為、消耗、他人が自分の不正から利益を得る、他人の不正を目撃する、不正の例を示す文化 自分の望ましいとは言えない行動が、本当は何によって引き起こされているのかを明らかにしてくれるのが行動経済学の面白いところ。理解することで、自分の行動をコントロールして結果を改善できる方法を見つけることができる。
0投稿日: 2013.02.10
powered by ブクログまたあのハーバード大学で、不正事件が起こった。去年に、自宅で資料を見ることが許されるリポート形式の試験で、答案の表現が同じあるいは似ていたので、他の学生と相談したり、答案のコピペを行っていたのではないかという疑いが出てきたとある。 停学になってまで行うことなのかどうか疑問に思う。ちょっとぐらいと間がさしたのかもしれないが、あまりに似た内容の解答があれば、よほど頭のネジが緩んでいない限り異変に気が付く。 これはずるの一例だ。嘘とごまかしの殿堂で浮かんでくるのがあの東京電力だ。あれからもう2年を迎えようとしてが、反省の色が見られない。むしろ、電気料金値上げを図太い神経で行う。相当なものだな。 ほかのずると言えば、メジャーリーグの薬物疑惑だ。現役選手や引退した選手で、薬物賞が疑われる人、使用を認めた人さまざまだ。ばれずに良い成績を上げれば、年俸が上がっていいかもしれないが、長い目で見ると殿堂入りするほどの成績を収めたとしても薬使用が発覚すれば、殿堂入りの夢が消える。さらに、健康をむしばむ可能性が大になる。 とは言っても、不正は人間が地球上からいる限りなくなることは永遠にないだろう。大なり小なりの不正は、毎日起こる。この本ではいろいろな視点からずるに焦点を当てている。ずるがしこいとは何かを考える良い機会になる。 ハーバード大学の不正について http://sankei.jp.msn.com/world/news/130203/amr13020316580003-n1.htm
0投稿日: 2013.02.07
powered by ブクログこれは実験倫理学ですな。 非常に味が悪くて読むとうっとなるが非常に重要。注は原書にもない。
0投稿日: 2012.12.25
