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スローカーブを、もう一球
スローカーブを、もう一球
山際淳司/KADOKAWA
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総合評価

42件)
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    なんとなく手に取る。 インタビュー中心に、スポーツ選手の生涯からワンプレーまでを丹念に追う。 冒頭の高校球児の章は、揺らぐメンタルと限界寸前の身体でグラウンドに立つ心理を精密に描き、ページを進める手が止まらなかった。 スポーツものは、プレーの描写が難しいと思うが、素晴らしい文章力だった。

    0
    投稿日: 2025.11.15
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    #86奈良県立図書情報館ビブリオバトル「真」で紹介された本です。 2018.1.20 https://m.facebook.com/events/312799515791278?view=permalink&id=317879898616573

    0
    投稿日: 2024.10.02
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    読み始めると止まらない。実に傑作。スポーツはあまり興味がないところなのだが、ISISでもあったので読んだら当たりだった。

    0
    投稿日: 2024.09.28
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    「江夏の21球」目当てに読んだ本だったが、さすが、スポーツノンフィクションの金字塔と呼ばれるだけの事はある。 あまり知らないマイナースポーツでも魅せるチカラが宿っている。 強いて言えば、ある一定の古い年代に偏っている事だけが難点。

    0
    投稿日: 2023.09.13
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    「山際淳司」の、スポーツノンフィクション作品集『スローカーブを、もう一球』を読みました。 「山際淳司」作品は、昨年12月に読んだ『みんな山が大好きだった』以来ですね… スポーツ関係の作品が続いています。 -----story------------- たったの一球が、一瞬が、人生を変えてしまうことはあるのだろうか。 一度だけ打ったホームラン、九回裏の封じ込め。 「ゲーム」―なんと面白い言葉だろう。 人生がゲームのようなものなのか、ゲームが人生の縮図なのか。 駆け引きと疲労の中、ドラマは突然始まり、時間は濃密に急回転する。勝つ者がいれば、負ける者がいる。 競技だけに邁進し、限界を超えようとするアスリートたちを活写した、不朽のスポーツ・ノンフィクション。 ----------------------- 野球(高校野球とプロ野球)、ボート、ボクシング、スカッシュ、棒高跳び… 多彩なスポーツノンフィクション作品6篇が収録されています  ■八月のカクテル光線(原題:465球目の奇跡)  ■江夏の21球  ■たった一人のオリンピック  ■背番号94  ■ザ・シティ・ボクサー  ■ジムナジウムのスーパーマン(原題:壁に向かって打て)  ■スローカーブを、もう一球  ■ポール・ヴォルター スカッシュや棒高跳び等、普段、馴染みの薄い競技も含まれており興味深かったのですが、、、 たったひとつの落球… ホームランを打ったことのない選手が、延長戦までもつれた試合で放った一球… 1979年(昭和54年)夏の甲子園の3回戦、延長18回で決着した「箕島」対「星陵」戦で両軍に訪れた勝機とピンチ… 人生を変えてしまった一球、一瞬を描いた『八月のカクテル光線』、 日本シリーズ最終戦、日本一が決まる試合の9回裏… 「近鉄バファローズ」最後の攻撃で「広島カープ」の抑えの切り札「江夏豊」が投じた21球を描いた『江夏の21球』、 「長嶋監督」が直々に高校を訪問して「読売ジャイアンツ」にスカウトした一人の少年… 投手としては大成することなく、バッテイングピッチャーとして過ごすことになった「黒田真治」の生き方を描いた『背番号94』、 野球経験の乏しい監督のもと、熱心さに欠けるエースがスローカーブを武器に快進撃を続け、ついには春の甲子園の切符まで手にしてしまう… クレバーな「高崎高校(タカタカ)」のエース投手「川端俊介」の活躍を描く『スローカーブを、もう一球』、 個人的に好きな競技だということもあり、野球を熱かった、この4篇が印象に残りましたね。 「広島カープ」ということもあり、『江夏の21球』は以前から大好きな作品なのですが、、、 面白かったのは表題作でもある『スローカーブを、もう一球』ですね… 予想外の連勝に、ミスまで作戦と思い込み、相手チームが慌てる様子がコミカルに描かれ、良い味を出していましたね。 何度でも読み返せる(実際に私も今回は20年振りくらいの再読です)、スポーツノンフィクションの名著… スポーツファンなら必見の書ですね。

    2
    投稿日: 2023.03.22
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    「江夏の21球」目当てで手にとりました。 日本シリーズ最終戦、9回裏1点リードもノーアウト満塁の大ピンチ。 広島のストッパー江夏、相手バッター、監督、野手、それぞれの1球ごとの心の動きをインタビューでふりかえることで、緊張感あるドラマが紙上に再現されています。 その他の短編も秀作揃いです。

    0
    投稿日: 2022.07.03
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    様々なスポーツを題材にしたルポ集。簡潔でありながらカッコ良い言い回しが多い。たった1人のオリンピック、スローカーブをもう1球が好き。

    0
    投稿日: 2021.09.24
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    ノンフィクション短編集です。 この中の たった一人のオリンピックに かなり衝撃を受けた 大学へ行き、落ちぶれてしまった 男性が突然オリンピック選手を目指す話 スポーツがすきな方は、ぜひ。 ノンフィクションは読むのが苦手

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    投稿日: 2021.03.02
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    無名選手から江夏まで、様々なスポーツ選手の一筋縄では行かないスポーツ人生を描く。 千葉県佐倉市のクロダは、得意な野球を武器に、農業高校へ進学する。それほど強豪校でもなかった高校で、才能あるピッチャーとして活躍するも、大事な試合の直前に飲酒をしてしまう…。 なんというか、スカスカの文章で、NHKのプロジェクトX風のナレーションを延々読まされているような気になる一冊である。ひどい人生だろう。どうだ感動するだろう。そういう畳み掛けが続くため、あまり野球にも興味のない読者としては、くどいと言わざるを得ない。 野球以外の、ボートやスカッシュという変わった題材もあり、そういうほうが行き場がなくなって就職するなど、読みどころはある。 スポーツ雑誌のコラム的に書かれている、記者の文章なのかもしれないが、無名選手がうまく行かなくて挫折して就職、その後にもう一度試みるが…という話を、実話をベースに小説化するなどしたほうが良かったのではないかと思われるところが多々ある。 ま、あと「くどい」と言わせしめるのが、変なカッコ使いが多いところ。なんで会話にそのカッコ?強調もカッコ?という部分が多く、読むペースが最後までつかめなかった。これは自戒も込めて。

    0
    投稿日: 2021.02.10
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    山際淳司を知ったのはNumberの「江夏の21球」。ノンフィクションの再録だったかなぁ。いずれ、他の作品も読んでみたいと思っていました。店頭で見かけて購入。 「背番号94」「ザ・シティ・ボクサー」が心に残りました。 どちらも、王道をゆく物語ではないので、読んでいる最中はもやもやしていました。爽快感や悲劇性があるわけでなく、雑に言ってしまえば御涙頂戴ではないんです。 ただ、全ての物語が、わかりやすい栄光と挫折であるわけではない。自分の好みの物語があるわけではない。「江夏の21球」がドラマティックなだけに、そう決めつけて読んでいたのかもしれません。期待が決めつけになってしまっていて、先入観が多分にあったんでしょう。 収録されている8作は、どれも1980年のもの。昭和の臭いも感じることができます。体罰・しごきという言葉が普通に出てくる場面もありますから。 それが当たり前だった時代は、確かにあったという事実。語り手も聞き手も読み手も、そこに疑問を感じていないというところが、遠い遠い過去の感覚になってしまうのだけど。40年前の出来事に、心動かされることがあるのは、スポーツに期待しているものは、変わらないのでしょう。この先もきっと。自分はね。 体罰・しごきの是非を問う作品でもないですしね。ふと思ったのは、いつか将来には、現代の表現にそぐわないと言う理由で、注意書きされちゃうのかなぁ。 差別的な表現とされて使われなくなった言葉には、巻末や巻頭に注意書きあったりしますからね。風俗のことをトルコと言っていた時代なので、表現そのまま収録で、それについてのコメントがありました。 かつて、使われていた言葉は、そのまま収録して欲しいと思います。作者が変更するのであれば別かと思いますが、グインの1巻のように。 勝手に改竄されて無かったことにしてしまうのが、一番良くないことと思います。 過ちをただした過去があるのなら、それを提示することが大事だと思うので。 難しいことで、一朝一夕にどうにかなるものではないですけども。自分も無意識にあ過ちを犯しているとも思うし。 成長、進歩するには、大事なことと思うのです。過ちを振り返ることは。とらわれてはいけないですが。

    0
    投稿日: 2021.02.10
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    スポーツ・ノンフィクション。叙情的でリズミカルな文体がくせになる。 「八月のカクテル光線」(高校野球) 「江夏の21球」(プロ野球) 「たった一人のオリンピック」(シングルスカル※ボート) 「背番号94」(高校・プロ野球) 「ザ・シティ・ボクサー」(ボクシング) 「ジナジウムのスーパーマン」(スカッシュ) 「スローカーブを、もう一球」(高校野球) 「ポール・ヴォルター」(棒高跳び)

    1
    投稿日: 2020.10.28
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    【概略】  自負心が脈打っている。13年間のプロ野球生活を支えてきた「マウンドを守る」という自負心、その自負心、ブルペンで肩をつくる投手を見て傷つけられた。「なにしとんかい!」と江夏は心の中でつぶやいた。そんな江夏を救ったのは「オレもお前と同じ気持ちだ。ベンチやブルペンのことなんて気にするな」と江夏に声をかけた衣笠だった。1079年11月4日(日)小雨降る大阪スタヂアムでの日本シリーズ第7戦広島初の日本一を導いた「江夏の21球」をはじめとする日本のスポーツノンフィクション。 2020年09月09日 読了 【書評】  ちょっと野球関連の書籍、それもピッチャーを中心としたゲームの機微がどんな形で描かれているかを知りたくて手にとってみた。自分の野球経験は、小学校で友人とゴムボールとプラスチックバットでやった程度。プロ野球鑑賞をちょっとするぐらい。強烈に印象に残っているのは伊藤智仁選手かな。  恥ずかしい話、山際淳司さんの作品を読んだのはじめてなのだけど、凄いね。野球選手に限らないスポーツ選手の光と影を見事に描いてる。だからといって影(?)というか、一線を退いた(または退かざるをえなかった)選手についても、魅力的に描いてる。  モスクワオリンピックへの日本を含めた西側諸国不参加という政治的な要素に振り回されたスポーツ選手不遇の時代というのもあって、現代のアスリートとはまた違った「匂い」を行間から感じさせる。  個人的には棒高跳びの高橋卓巳選手にスポットライトをあてた「ポールヴォルター」のトーンが好きだったなぁ。高橋選手ご自身が、平凡な中学生から棒高跳びの選手として、まさしくポールの高さがあがるかのような選手としての成長をとげていく様子がよかった。決して恵まれた体格ではなく、でもその体格と置かれた状況を理解し、本当に1センチずつあがっていく様子がわかるような、そんな光景が目に浮かぶような描き方だった。ちなみに棒高跳びって「pole vault」っていうのだね。だから棒高跳びの選手は「pole vaulter」なんだね。  タイトルとなっている「スローカーブを、もう一球」も、リズムがよくて、イイ。読後感がまるで美味しい紅茶を飲み終わったスッキリ感がある。ここでも「ポールヴォルター」と共通するのが、取り上げられている投手が速球派ではないこと。アスリートだから体格や筋力などの先天的な要素に恵まれてたりするのは良いことだけど、そうじゃなくても戦えるんだよってところにまた凡人としては惹かれるよね。  将棋の駒のように、色々な動き方があって、色々な局面でその存在意義は示されるのだよってのを感じた一冊だった。

    3
    投稿日: 2020.09.10
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    「二度読む本を三度読む」に取り上げられていて読みたくなった.1980年代初出のスポーツノンフィクションの草分け的な本.野球,ボート,ボクシング,棒高跳びと取り上げられる競技は多彩. 少年の頃のわたしが同世代の人たちと一緒に見ていた野球の話が一番心に染みる.「江夏の21球」はあの頃のプロ野球を熱心に見ていた人ならば,そのときめきを思い出すことができるだろう.

    0
    投稿日: 2020.08.15
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    1980年前後の取材からおこされた、それぞれのスタンスで孤独と向かいあう男たちを描く、八つのスポーツノンフィクション作品集。著者の思いが多分に投影されるフィクション寄りの作風でもあります。「江夏の21球」が有名ですが、久々の通読でも表題作が抜きん出ていると感じました。以下は各作品の概要、印象に残った一節の引用などです。 -------------- 『八月のカクテル光線』 1979年夏の甲子園、星稜高校と箕島高校の試合。 延長16回裏の落球からはじまり、試合に臨んだ選手と監督たちを描く。 本書中ではもっとも全体になじまない作品に感じる。 『江夏の21球』 本書のなかで、そしておそらく筆者の著作として、最も知られた作品。1979年11月4日、近鉄と広島の日本シリーズ最終戦。9回裏のマウンドに上がった江夏豊の心中に沸き起こる葛藤を中心に投じられた21球を振り返る。。 「誰も、江夏の自尊心にナイフを向けようとしているわけではない。にもかかわらず、マウンドの上の投手は心に傷を作っている。」 『たった一人のオリンピック』 「ある日、彼は突然、思いついてしまう。オリンピックに出よう、と。」 ごく普通の学生だった津田正男は突然の思い付きからシングル・スカルのボート選手としての人生を歩みだし、5年の歳月をボート競技に注ぎ込む。思惑どおり日本一になった彼を待っていたのはオリンピックボイコットの不運だった。 「≪結局は≫と、彼はいった。≪自分のためにやってきたんです。(中略)自分のため、ただそれだけです。≫」 『背番号94』 高卒からジャイアンツへの入団後の5年目、バッティング・ピッチャーを務めるクロダ投手が見たプロ野球の世界とそこでの挫折を描き出す。 「ほんの数年前の夏にはたしかに自分のものだった夢や希望は、夏という季節をとおりすぎるたびに、その暑さに負けて溶けてしまったように思えた」 『ザ・シティ・ボクサー』 自分を限りなくカッコよく見せようと努める、ナルシスティックなボクサー、春日井健。四年のブランクがありながらも彼はプロボクシングの世界に挑む。 「≪ぼくは何者かになろうと思っていた。サラリーマンをやっていると、それがだんだん見えなくなるんだ。子どもが大きくなる。家庭ができてくる。あ、このままいったらヤバイな、と思った。何の刺激もない。面白くもない≫」 『ジムナジウムのスーパーマン』 日本のスカッシュ競技世界で10連覇を達成した坂本聖二は、自動車メーカーの優秀な営業マンでもあった。 「おそらく、彼の心の中には、誰もがそうであるように仕事だけでは埋められない空洞があるのだ。彼の場合、その空洞はスカッシュのボールの形をしている」 『スローカーブをもう一球』 甲子園常連の強豪校などとはほど遠い、ほぼ野球経験がない飯野監督率いる高崎高校野球部は、なぜか春の甲子園出場を目前にしていた。 ≪それにしても、なぜ、ここまできてしまったんだろう≫ 高高(タカタカ)が擁するのは、これまた本格派エースのイメージからは程遠い、努力が嫌いな丸顔の川端投手。そんな彼の得意とする球種は「ゆらゆらと本塁に向かっていくボールがまるで自分のように思え」るスローカーブだった。 「≪ピンチになれば…≫と川端俊介はいった。≪逃げればいいんです≫」 『ポール・ヴォルター』 恵まれない体格ながらも日本記録を更新した棒高跳び選手である高橋卓己は、体育教師として赴任した高校の放課後の誰もいないグラウンドで、ひとりポールをにぎる。 「≪むなしさ≫という言葉を見つけてしまったのだと彼はいった。」

    2
    投稿日: 2020.07.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    山際さんのスポーツに対する切り取り方が画期的だったと思う。 スポーツ、とくに頂点を目指す人間をいかにもスポーツマンというキラキラした世界に閉じ込めず、もっと人間らしいというか痛い部分を描き出している。 もちろん皆と違う頂に登る人間は、それはストイックでいろいろなものを犠牲にしている。だけどこの本の登場人物はそれがその人間のあたりまえだった(よくも悪くも)のだなぁと思い当たらせる。その人たちはその人たちのあたりまえを生きてそこに立った。それしかないというか。 最後の「スポーツはすべてのことを、つまり、人生ってやつを教えてくれるんだ」っていうヘミングウェイの言葉がすとんと腑に落ちる。 普通のスポーツ・ルポでは切り込まないようなどうしようもなく人間臭いところをみせる山際さんの本はほんと好き。 第八回日本ノンフィクション賞受賞作。

    0
    投稿日: 2020.03.09
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    「スポーツはすべてのことを、つまり、人生ってやつを教えてくれるんだ」 この最後のページに集約されているが、メジャースポーツ、有名人に限らず、あらゆるジャンルの選手やその周辺の人物に光を当て、丹念に人生模様や思想を描く筆者の姿勢と文筆に引き込まれる。約20年ぶりに再読。その都度新鮮。

    0
    投稿日: 2019.12.01
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    人の生活、人生とスポーツの絡め方が絶妙です(^^)人間模様が織り成すドラマに、読み耽ってしまいました

    0
    投稿日: 2019.07.21
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    山際淳司は、1948年神奈川県生まれのノンフィクション作家。 1980年に、本作品集に収められた『江夏の21球』を、文藝春秋の『Sports Graphic Number』の創刊号に発表して注目され、以後、さまざまなスポーツをテーマにした作品などを発表。本作品集は、1981年に角川書店日本ノンフィクション賞を受賞した。 その後、NHKの「サンデースポーツ」のメインキャスターなども務めたが、1995年に46歳で急逝。 私は、ノンフィクションやエッセイが好きで、沢木耕太郎はじめ、多数のノンフィクション作家、エッセイストの作品を読んできたが、遅ればせながら手にしたこの作品集は、山際氏の比類ない、主題を見つける鋭い選球眼、それを安打にする高い技術力、そして、相手への徹底した取材という豊富な練習量の存在を改めて知らしめてくれる。 デビュー作にして代表作の『江夏の21球』は、1979年の日本シリーズ・広島カープ対近鉄バッファローズ第7戦の9回裏という、プロ野球史でも有名なシーンを取り上げた作品であるが(尤も、この作品があったために、よりドラマ性を増して有名になったと言えるのかもしれないが)、その他の7作品は、必ずしも一般の人々の記憶に強く残っている選手、シーンを取り上げたものではない。それでも、それぞれのストーリーには間違いなく必然と偶然が絡み合った綾があり、結果としての成功と失敗があり、それはまさに人生を凝縮したものであることを、山際氏は淡々としたタッチでさりげなく描いているのだ。 最後の作品『ポール・ヴォルター』はこうして結ばれている。 「ふと思い出した台詞がある。ヘミングウェイが、ある短編小説のなかでこんな風にいっているのだ。「スポーツは公明正大に勝つことを教えてくれるし、またスポーツは威厳をもって負けることも教えてくれるのだ。要するに・・・」といって、彼は続けていう。「スポーツはすべてのことを、つまり、人生ってやつを教えてくれるんだ」悪くはない台詞だ。」 (2018年8月了)

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    投稿日: 2018.09.01
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    スポーツに人生の一部をささげてしまった人たちを、ユーモアや皮肉も交えながら、冷静に綴っている短編集。夏の文庫フェアでよく紹介されていて、ずっと気になっていた本だ。わかりやすい輝かしい瞬間だけではない、彼らの人生がこれからも続いていくと思わせる構成が好きだった。

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    投稿日: 2018.05.11
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    この本を手にしたのは、『「考える人」は本を読む』(河野通和)のなかで紹介されていたのが直接のきっかけだったけど、この本のなかに収めらている『江夏の21球』で話題になってテレビでも盛んにとりあげられていた大学生時代、読んでみたいと思いながら、そのまま忘れていた作品でもある。 この本のカバーの裏にある山際淳司さんの写真をじっと見つめていると、かつてNHKのサンデースポーツのキャスターをしていた姿が思い出されてくる。この眼鏡の下の鋭い眼差しが、ゲストにきたスポーツ選手から微熱を帯びた秘話を引き出していたのを思い出す。そして、その眼差しが、スポーツをする特定の人物を徹底的に掘り下げて、描写してくれたものを収録したのがこの一冊。 山際淳司の言葉は、スポーツを観る者の勝手な想像や、感傷で語られていない。それは、彼のその人物が身につけてきたすべてを見透してやろうという視線で、徹底的に取材した材料が勝手に語りかけてくるものを、拾い上げているような作業に感じられる。 だから、今語られてるシーンを軸に、いくつもの回想シーンが重なってその人物をより立体的なものとして、よりリアルなものとして感じてもらおうとして、語られる。 ドラマを観ているように読むことができる。 この短編の集まりのなかで、個人的にわたしが一番気に入ったのは『ザ・シティー・ボクサー』。この中でのいくつかの言葉を引用しながら、山際淳司の眼差しを感じてもらいたい 〜〜「いつものパンチとどこが違ったのか。スローモーション・フィルムを見るように思い返した。あのときはひらめきがあった。今、打てばいいと思うようより先に吸い込まれるようにパンチが炸裂した。インスピレーション。パンチを出した。手ごたえがあった。そして倒れた」〜〜 スポーツをした経験を振り返ると誰にでもあるこの感覚。“脳の反応を身体の反応が追い越してしまう”瞬間、でも、それってこうやって言葉にされてみて始めてその存在を確認できる。こういった掬い取りは随所にある。だから、キャスターとして、ルポライターとして、選手は山際の言葉に誘われて、奥へ奥へ、深く自分との葛藤の記憶を語りはじめてしまうのだろう。 〜〜「ものごとや世間が見えすぎてしまうことは、結局のところ、遠回りすることになってしまうのかもしれない。」〜〜 これも、山際の特徴的なところで、瞬間的に人生を語る言葉を挟んでくる。 〜〜「ぼくは何者かになろうと思っていた。サラリーマンをやっていると、それがだんだん見えなくなるんだ。子供が大きくなる。家庭ができてくる。あ、このままいったらヤバイな、と思ったり。何の刺激もない。面白くもない。」〜〜 こうやって、男たちの誰もが時折紛れ込む迷路の風景を差し込む。 〜〜自分は、格好をつけていないと生きてる気がしないんだなと納得した。いつもそうだった。あれはまだ小学校に通っていたときだろうか。新しくできた友達に、オレ、ボクシングやってんだというと、友達は目を輝かせた。その瞬間、友達の目が春日井にとっての鏡になった。鏡の中の自分は完璧でありたいと思った。人はいる、他者との関係のなかでしか、自分を支えられないときがあるし、たいていの人間はそんな風に生きている。 四年間のブランクと同じようにして残りの20分を費やしてしまうのが、彼にしてみれば不愉快だった。〜〜 ここはもう山際は主人公のボクサー春日井健の人生を一緒に歩んでいて見えている世界を描いている。 この本のなかに、誰でもお気に入りのドラマはきっと見つけられる。

    1
    投稿日: 2018.05.03
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    登場人物が愛おしくてたまらない。スポーツ=スター選手はもちろん大事だし、期待しちゃうが、だって人間だもの。選手一人一人に人生があり、物語がある。著者の暖かい眼差しがいい。

    1
    投稿日: 2017.10.07
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    再読。 なぜか、表題作、すごくよかった。正面から菖蒲できなくても搦め手から攻めて勝つことができる、という勇気を出しもらった。 自分も、スローカーブを投げるような生き方をしたい。速いストレートを持っていないので。 シティー・ボクサーもよかった。 天才が一旦は挫折するもののまたリングへと戻ってくるという大枠が劇的だし。 ポスター、音楽、ヘアスタイルにこだわるというのは、自分と少し似ている。 ボクシングというスポーツの崇高さを感じた。

    0
    投稿日: 2017.05.28
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    甲子園球児の夏、江夏の21球、バッティングピッチャーの悲哀など スポーツ感動シーンのノンフィクション短編集。この本の命題は「スポーツは 勝つことも 負けることも 含めた人生を教えてくれる」 特に バッティングピッチャーの悲哀を取り上げた「背番号94」の言葉に 心打たれた 「(自分の)部屋は〜ひそかに練習をするトレーニングルーム〜そんなこと誰も教えてくれない」 「シラけた人間から敗れていく」 学生時代に経験した 緊張感、高揚感、挫折感、倦怠感など、いろいろな感情を思い出した。それらを経験して、今があるので、確かに スポーツは 人生を教えてくれるかもしれない

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    投稿日: 2017.05.17
  • リアル

    スポーツをテーマにしたノンフィクションを初めて読んだ。 無駄な説明を削ぎ落とし、淡々と緊張感に溢れたスポーツ選手の内面を描き出している。 「江夏の21球」は当時を思い出しながら、何度も読み返してしまった。 まさにドラマを超えている。

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    投稿日: 2016.07.27
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    2013年9月16日に開催された番外編01ビブリオバトル対抗戦テーマ「スポーツ」で発表された本です。

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    投稿日: 2016.06.25
  • スポーツは人生ってやつを教えてくれるんだ

    1995年に急逝したスポーツ・ノンフィクションライター山際淳司氏の最初の単行本、1981年に出版されたものでスポーツをテーマにした8編が収録されています。モスクワオリンピックの開催が1980年で日本はボイコットし目標を失った多くの選手が涙しましたが、その頃に書かれたのがこの作品集です。 高校野球史に残る箕島×星稜戦延長18回の激闘、プロ野球日本シリーズ近鉄×広島戦「江夏の21球」、共に1979年の出来事なんですね。当時中学生だった私はどちらもリアルタイムでテレビ観戦していました。刻々と変化する局面、一球ごとの間合い、山際氏の文章を読んでいると野球というスポーツが日本に根付いている理由がわかるような気がします。 丁寧な取材で当事者達の心境を私たちに伝えてくれた山際氏、当時のスポーツ観戦の思い出と共に山際氏の文章も私の青春の一コマです。

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    投稿日: 2015.10.09
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    スポーツと人の関わりを描いた話たち。 表題の他にも野球の話が多めだけど、高飛びやスカッシュ、ご存知ボートの話もある。どちらかというとスポットライトを浴びる人達よりも、陰日向で、また花開かないようばひとの話が多い。活き活きしていなくても、生きていくことの大切さだったり、スポーツの魅力を教えてくれる。 新宿紀伊国屋で購入したはず。一階感想も書いたはず?

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    投稿日: 2015.09.10
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    大学時代にもっとも何度も読み返した本だとおもう。山際淳司の初期作品。江夏の21球を含む名作。沢木ー山際と続いたスポーツルポライターの系譜はいまはどこにうけつがれるのだろうか? 江夏以外は、これといって有名なスポーツアスリートがでてくるわけではない。むしろ仕事と競技の狭間でもがいてる姿、周囲からするとたぶん滑稽にがんばってる姿を描く。 《ぼくは何者かになろうと思っていた。サラリーマンをやっていると、それがだんだん見えなくなるんだ。子供が大きくなる。家庭ができてくる。あ、このままいったらヤバイな、と思った。何の刺激もない。面白くもない》 肉体を投げ出した奴は肉体に復讐される。そういうものなんだ スカッシュというゲームに淫しつつあった。  恐らく、彼の心の中には、誰もがそうであるように仕事だけでは埋められない空洞があるのだ。 最後に山際さんによるあとがき・・・ ぼく自身のことを、ここで語っておけば、ぼくは一度たりとその種の限界に遭遇したことのない、いわば、日常生活者である。肉体の限界に遭遇したいと夢見ながら、目がさめるとぼくは、哀しいかないつも観客席の立場にいるわけだった。

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    投稿日: 2014.11.14
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     山際淳司さんも「パック・イン・ミュージック」を聞いていたのかもしれない。本書に収録された「たった一人のオリンピック」を読んでそう思った。野沢那智&白石冬美の深夜放送「パック・イン・ミュージック」で「ボートの津田」が話題を呼んでいた頃、よく聞いていた。津田選手はある日突然、「オリンピック選手になろう」と決意して実際にボートのシングル・スカル日本代表になってしまった。恐らく津田選手の友人の投書が発端だったのだろうが、津田選手の話題は断続的に続いた。よほど運と才能に恵まれた人なのだろうな、と当時は思っていた。  本書を読んで、それが誤解であったことが分かった。いくら競技人口の少ないボートでも、いくら体格に恵まれていても、それだけでオリンピック選手になれるはずはないのだ。津田選手はアルバイトをしながら20代の後半をボートの練習に捧げる。念願のオリンピックの代表になるが、モスクワオリンピックへの参加を日本政府はボイコットしてしまう。  有名な「江夏の21球」をはじめ8編のスポーツノンフィクションを収録してある。表題作の「スローカーブを、もう一球」は進学校の群馬県立高崎高校が関東大会を勝ち進んで、センバツ甲子園大会に出場する話。甲子園出場なんて予算も考えもなかった高校の奮闘は高橋秀実「弱くても勝てます」を彷彿させる。いや、「弱くても勝てます」にはこの作品の影響があるのではないかと思えてくる。バッティング投手を取り上げた「背番号94」、小柄な棒高跳び選手を描く「ポール・ヴォルター」もしみじみと心に残る。  「ポール・ヴォルター」の中で山際さんはこう書いている。 ----------以下引用-------------------------------  ふと思い出した台詞がある。  ヘミングウェイが、ある短編小説の中でこんな風にいっているのだ。  「スポーツは公明正大に勝つことを教えてくれるし、またスポーツは威厳をもって負けることも教えてくれるのだ。  要するに……」  といって、彼は続けていう。  「スポーツはすべてのことを、つまり、人生ってやつを教えてくれるんだ」  悪くはない台詞だ。 ---------引用ここまで------------------------------  「競馬は人生の比喩だ」と言った人がいる(寺山修司だったかなと思って調べたら、正確には「競馬が人生の比喩なのではない。人生が競馬の比喩なのだ」だった)。競馬に限らず、スポーツは人生の比喩なのだろう。山際さんのノンフィクションはそれに加えて選手の人生の断面を鮮やかに切り取っている。30年以上前の作品だが、まったく古びていない。それどころか、今も輝きを放っている。当然のことながら、社会風俗は古びても人の考え方は古びないのだ。

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    投稿日: 2014.10.11
  • スポーツは人間ドラマだ。

    スポーツは人間ドラマだ、と改めて思わされるノンフィクションでした。取材も結構深くなされており、有名な(と言うより、山際淳司氏を有名にした)「江夏の21球」など、一球ごとに刻々と変わる状況を忠実(かどうかは本人しかわからないが)に活写しています。感動すること請け合い。ただ、ちょっと内容が古いので、若い人は読んでもちんぷんかんぷんかも。

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    投稿日: 2014.10.04
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    大学生以来2回目。前回読んだ時にはなかった味わい深さを感じた。 ステージの高さとか、才能の多寡とか、享楽的とか、献身的とか、主人公たちの境遇とスタンスの違いを超えて、『ああ、スポーツって全部最高だな』って思った。 今の自分は誰のスタンスに近いんだろう?

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    投稿日: 2014.09.06
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    【本の内容】 たったの一球が、一瞬が、人生を変えてしまうことはあるのだろうか。 一度だけ打ったホームラン、九回裏の封じ込め。「ゲーム」―なんと面白い言葉だろう。 人生がゲームのようなものなのか、ゲームが人生の縮図なのか。 駆け引きと疲労の中、ドラマは突然始まり、時間は濃密に急回転する。勝つ者がいれば、負ける者がいる。 競技だけに邁進し、限界を超えようとするアスリートたちを活写した、不朽のスポーツ・ノンフィクション。 [ 目次 ] 八月のカクテル光線 江夏の21球 たった一人のオリンピック 背番号94 ザ・シティ・ボクサー ジムナジウムのスーパーマン スローカーブを、もう一球 ポール・ヴォルター [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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    投稿日: 2014.08.24
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    ノンフィクション作家山際淳司を有名にした、 デビュー作の江夏の21球を読んでみたかった。 本書は、江夏の21球を含む、8作品が収められている。 江夏の21球、しびれた。 スポーツのノンフィクションにはドラマがある。 現実はドラマに満ちている。 勝負をめぐる攻防。 それは、見方のベンチも、エースも、相手も、 真剣なわけで、 その中で心理はめまぐるしく変わり、交錯していく。 どの作品も、どこかに人間の哀しみを含んでいるように感じた。 勝者もまた、哀しみとは無縁ではないのだ。 読めてよかったなぁ、という作品ばかりで、 江夏の21球はよかったが、 それ以上に、本書のタイトルにもなっている、スローカーブを、もう一球もよかった。 高校野球という一瞬のドラマの中にある、悲哀のようなものを感じて、 涙が出そうな、哀しい清々しさを感じた。 投げろよ、スローカーブを、さ。 “キャッチャーの宮下がサインを送ったわけだった。 川端はその指先を見た。その指の形はこういっている-《スローカーブを、もう一球》 川端俊介は、微笑んだ。”

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    投稿日: 2014.03.19
  • スポーツに情熱を注いだ8人の物語

    野球を中心とした8つの物語が収録されています。それぞれ大変興味深く読むことができましたが、野球ファンの自分としては「江夏の21球」はやはり格別。伝説的な試合であることは知っていたものの、今までその具体的な内容までは知りませんでした。本作ではその一球一球が丁寧に描写されており、21球の裏で展開されていた凄まじいドラマが当時の興奮と共に伝わってきました。その他の作品も、アスリートの思い・心情を見事に捕らえた素晴らしいスポーツドキュメントとなっています。モスクワオリンピックボイコットなどやや古い話も出てくるのですが、アスリートたちがスポーツの向き合う姿は、決して色あせることのない普遍的なものだと再確認することができました。

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    投稿日: 2013.11.27
  • たった一人のオリンピックを読みたくて買いました。

    「たった一人のオリンピック」をもう一度読みたくて電子版を買いました。生活がマンネリ化してきたときに読むと、何かに挑戦してやろう!と気力がわいてくるエピソードです。短編集ですが、これだけでも、一読の価値があると思います。

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    投稿日: 2013.10.26
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    夏の甲子園を見て、思い出して再読。 何度読んでも感動できる珠玉のスポーツノンフィクション 早くに亡くなってしまったのが残念・・・ 『江夏の21球』 何度読んでも感動する。思い出しただけで泣きそう。 江夏がベンチに戻って涙した理由がなんとなくわかる。 ・・・上手く言えないけど 素晴らしい作品は僕を夢中にさせて癒やしてくれる。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ かなり前(たぶん学生のときに)初めて読んだ本。 以来、読み返すと、なぜか8月の夕方に昔の広島球場のスタンドに座って、始まったばかりのナイター(ナイトゲーム?今でもナイターって言うのかな??)を見ているような気分になる。 スポーツの素晴らしさだけではなくて、いろんなものが詰まった本。 kindle版を見つけたのを機会に、再読。カバーが変わってる?

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    投稿日: 2013.10.18
  • スポーツというドラマを読みたい方へ

    メジャーなスポーツ選手だけに限らず、マイナーな選手にも目を向け、選手がスポーツというドラマの中で輝いた瞬間、あるいは輝きを失った瞬間、勝負を分けた瞬間を山際淳司さんが取材し、活写した作品です。 30年以上前の作品なので、若い方は知らない選手のことが書かれてると思いますが、例え知らなくても臨場感たっぷりで分かりやすい文章に引き込まれていくと思います。 40才以上でこの作品を読んでない方は、懐かしい場面が甦ってくると思います。 読んで損をしないお勧めの一冊です!

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    投稿日: 2013.09.28
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    スローカーブを、もう一球 読み終わりました 全て野球関係の作品なのかと思ったらそういうわけではなく。 スポ根に重きを置いているのかなという感じ。 面白かったですが、絶賛されている割に、僕には合わなかったように感じます。

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    投稿日: 2013.04.19
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    ・1/6 読了.面白い.ジャーナリストとは思えない情緒の表現で、取材した事実を記述しているにもかかわらず、なんとも文学的に語られているのが、劇的というのとは違ってじわじわと迫ってくる.

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    投稿日: 2013.01.07
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    高校生のときに、毎月1冊国語教師指定の本を読んで 感想を書くという課題?のようなものがあって その中に含まれていた一冊。 読んだときに強烈な印象を受けたので ずっとこの本のことは頭に残っていたけど 最近野球に目覚めたことをもあり、 今回再読してみることにした。 スポーツルポルタージュというかスポーツノンフィクションというか そういったもので好きな作家は山際淳司と沢木耕太郎だけど、 スポーツノンフィクションを読むと 選手に対しての感情のやり場に困ることが多い。 一瞬の輝きを放ち名勝負を作り上げても そこには必ず勝者と敗者がいて、 敗者の人生、勝者の人生をある意味決定づけてしまう。 そのたまらなさ、やりきらなさが スポーツノンフィクションの魅力なのかもしれない。

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    投稿日: 2012.12.02
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    タイトルは随分前から知っていたのだが。 80年当初に発表されたスポーツ選手を取材した作品。著者は物故しているらしい。 高校野球の甲子園の延長戦や落球だとか、日本シリーズでの江夏のリリーフとか、何度も似た話を聞いた気がして、食傷気味。まあ、このノンフィクションがテレビや雑誌のルポのお手本になっているかもしれない。 実話なんだろうけれど、こういう文章にした途端、事実と微妙に違ってしまう気がする。 ランニング練習をやらず、リーゼントの乱れを気にするボクサーの話が面白い。 棒高跳びの日本記録選手。記録が伸びることが、限界に近づいていくことに繋がる。厳しい孤独な生活。 表題作。ラストのスローカーブは、くっきり絵が見えるよう。この作品が一番良かった。

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    投稿日: 2012.10.02
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     私は角川文庫が苦手である。  決して社風が苦手とか、「あそこのレーベルはろくな本がない!」というわけではない。そうではなくて、なんだか、読みにくいのだ。それが文字の大きさなのか、フォントなのか、レイアウトの仕方なのかは、わからない。深く研究したことはないが、これはもう、相性、としかいえない。  少なく見積もって200冊はある私の本棚に、角川文庫は本書が3冊目である。そのうち「最初から最後まで読んだ本」は、一冊もない。つまり、本書の中のいくつかのエピソードは、最後まで読んでいない。  すべて読まずにレビューを書く、ということに抵抗感を抱かずにはいられないし、これを読んでいる方にはそう思われる方もいると思う。  しかし、本書について「面白かった」といわずにはいられない。それほど「面白かった」。  最後まで読みきったのは「八月のカクテル光線」「江夏の21球」「背番号94」「ザ・シティ・ボクサー」「スローカーブを、もう一球」。「シティボクサー」以外はすべて野球がテーマである。  一番面白かったのは、「江夏の21球」だった。有名なだけある。  読みにくかったのもあるかもしれないが、登場人物のバチバチとした心理戦に引き込まれ、読む速度をあげるにはもったいなかった。食い入るように一文字一文字確かめながら読んだ。  世の中には、才能というものがある。  それだけで闘えたら素晴らしいが、そういうわけにもいかない。プロ野球にいる時点で既に多くの凡人に比べて多大な才能を持ち合わせているはずなのだが、それだけではプロ野球では勝てない。  だから、プロはできるだけ、理詰めの努力をする。練習方法を厳選し、トレーナーの指示を仰ぐ。体を痛めるフォームを修正する。  しかし、そこから先は才能や感覚で判断する。できるだけ理詰めで成功確率を上げたところで、そこから先は、成功するかもしれないし、失敗するかもしれない。果ては「どこまで理詰めを守るか」といったところまで、感覚で判断する。そういった過程を含めたのちに結果を残せる人が、リスペクトに値するのである。  本書にでてくるスポーツマン(すべて読んでないですが)は、理詰めと追求している。著者の山際さんは読み物として敢えてそうしていると思うが、その理詰めの先の確率の部分を、必然であるかのように書いている。だからこそ面白く、スポ根マンガの「限界超えてやりますおおおおおお!!」といった気合と根性一本調子とは違った見方を知ることができる。  そして忘れてはいけないのが、今やっている甲子園も、出場者それぞれがドラマを持っているはずだ。「甲子園より、熱闘甲子園の方が面白い」という人の気持ちがわかった気がする。  本書を購入したのは、文化系トークラジオLifeの「夏の一冊」の回でオススメされていたからである。すごく面白かった。

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    投稿日: 2012.08.15