
総合評価
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powered by ブクログ主人公の家政婦と同じくらい自分が数字に魅了されていくのが心地よかった。これから何か数字を選ぶとき完全数28を選びそう。 博士とルートと主人公が野球を見に行くシーンと、誕生日会のシーンが情景がありありと思い浮かんで好き。
0投稿日: 2025.11.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
〜永遠に愛するNへ捧ぐ あなたが忘れてはならない者より〜 N(自然数)は、博士の記憶で永遠に実在するもので、事故以降に出会った私(i=虚数)は存在しないようなものだが、息子ルート(√)は私(i=虚数)を存在させてくれるものではないのかと思いました。永遠の真実は、目に見えない。そこにこそ美しさや愛があるのだと感じました。
0投稿日: 2025.11.22
powered by ブクログ家政婦として訪れた先で出会ったのは曲者の老人。私は数学者である彼を「博士」と呼んだ。かつての事故の影響で記憶に障がいを抱える彼と次第に距離を縮めるが… これはそんな博士と私たち親子の心温まる物語 第一回本屋大賞受賞作という事で気になり読み始めました。 数学者が生涯を捧げるほど魅了される数の世界。その中に点在する美しさは自分からは縁遠いかけ離れた世界のもので一回読んで理解できるものではなかったですが、物語を通して博士が人生の中でどれほどまでに数の世界を愛し没頭したのか、そして彼が培ってきた子供への無償の愛の形を知ることができました。 博士と私とルートの3人。互いが互いを思いやる気持ちに心を温められると同時に博士のような先生に算数や数学の面白さを教わりたかったと月並みに思いました。 問題の難易度に関わらずフェルマーの最終定理が証明できた時ほどの賞賛をくれる先生、子供にとっても大人にとっても理想の指導者です!
0投稿日: 2025.11.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
話の展開が急なわけでもなく、なにか特別なことがある訳では無いのに読後の達成感は凄くあって、物語が終わりに近付いて来るとドキドキした。 家政婦である「私」の博士に対する感情が恋愛なのか情なのか、憧れなのか何なのかは最後まで分からなかったが、何かしらの愛の形なんだろうなと思った。
1投稿日: 2025.11.18
powered by ブクログ友愛数 刺激に溢れたコンテンツからは得られない読了感。 ただ刺激まみれの方が好みではある、エクスペンダブルズみーよお。
0投稿日: 2025.11.17
powered by ブクログ10年近く前に読んだものの、内容をすっかり忘れてしまったため再読。 「博士の愛した数式」という美しい題名が表すとおりの優しい物語だった。
2投稿日: 2025.11.16
powered by ブクログ原作も映画も両方好きな数少ない作品 ストーリーがいいのはもちろんだけど、完全数とかの代数の知識が得られて楽しい
1投稿日: 2025.11.14
powered by ブクログ1周目 後半はずっと泣いていた 最後のページは読み終わるのが惜しくて更に泣いた 読み終わったあとは、何故か水彩画のような小説だと感じた 小さい頃母親が好きで家に飾ってあったいわさきちひろの水彩画の少女のことを、急に思い出した この10数年全く覚えていなかったのに 水彩画に感じる温かみを、同じように小説に感じた 純文学は難解なことが多くて苦手に感じていたけど、この作品で少し近づけた気がした (それでも理解が難しい描写も多々あったが) 脳で思考するのではなく、心で小説を読むとはこういう感覚なのだろうか 心は脳の信号だとナブナさんは言ったが、体感的には心で直接温かさを受け取っていた 詳しい事実が語られないことが多い中、こんなにも人の愛が表現されている 解説の、「数学と文学を結婚させた」という表現に言葉を失った 1週間少したち、 軽く2週目 相変わらず温かい愛がそこにある 感想は細分化することが大事だとメモにとっているが、この作品においては、むしろ、 ぼやけたままのほうが良いのではないかとすら思う 言語化の必要性を感じないくらい心が安心している また再読した時に何を考えるのかが楽しみである (悔しくも?)少し思考が浮かんだ部分 派遣家政婦の仕事は行きずりであり、冷たさに過剰に心を使わないようにしていたという描写があることにより、 80分しか記憶されない冷たい事実と 過ごした中身の濃さのギャップがより引きたっている 神様のレース編みの描写、なんと美しい表現をするのかと感嘆 オイラーの公式、2週目で理解度が少し上がったが、 これに気づいた人はものすごい 並の人間には到底見つけられない神のレース編みである 三角数の美しさ、精巧さにも驚いた 数字がこんなに綺麗な法則を持ち合わせているとは 野球は興味が無いから特に理解が難しかったが、ユーモラス要素として効力を発揮していたのだと解説で気づく 今まで28はただの数字であったが、今後は完全数だと言う新たな肩書きが、私の中に出来た
2投稿日: 2025.11.12
powered by ブクログ数学というのがこんなにも情緒あふれる学問だったとは。まさに、「友愛」で結ばれた登場人物たちの奮闘ぶりを見て優しい気持ちになれる。「ルート」が全てを包み込む、そんなお話。 一つ一つのエピソードが何気ないが為に少し読み応えという意味では弱いかも。それぞれの心情も難しく感情移入もし辛い。 でも、博士の奇抜な容姿や言動を想像するのは面白いし、夕方の描写がいい、雷が鳴る夕方がすごく印象的なシーンでした。
0投稿日: 2025.11.11
powered by ブクログこころがじんわりあたたまる優しい話。は読者を泣かせてやろうとする魂胆が見えて嫌いなのであまり読まないが、これは別腹。登場人物達の不思議な関係が、数学の問題が解かれていくように解れて結び付いて綺麗に収まっていくストーリーは、ついつい気持ちが入り込んで一緒に一喜一憂してしまう。本ばかり読んでいる数学が苦手な人にこそ是非、読んでもらいたい。
1投稿日: 2025.11.11
powered by ブクログあたたかいお話。静かだった。数字の美しさに私は共感できないけれど、成長と衰えを描いた人間の本質を捉えた物語。
3投稿日: 2025.11.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読書会での課題本ということで読了! 初めて読んだ小川洋子さんの作品です。 終始、心が暖かくなる物語でした。 何処までも美しく数字が羅列されてるような、幻想的な感覚がありました。 結局、博士が残したあの数式がどうゆう意味で出されたのか…また読んで解釈したいと思いました。
22投稿日: 2025.11.08
powered by ブクログ奇しくもドジャースがワールドシリーズを 歴史に残る試合で連覇した日に読んだら、 作中でドジャースという言葉が出てきて 運命めいたものを感じて、ゾクッとした 野球の話が結構ウェイトを占めてて、 中でも阪神タイガースがよく出る 往年の阪神ファンは、喜ぶかも? 他に類を見ない、唯一無二とも言えるこの小説に 自分なりに敬意を込めて数式で表すなら、 数学✕阪神(江夏)✕博士✕私✕√ =博士の愛した数式 といった感じでしょうか 事故で80分しか記憶が持たない博士に 「私」が関わっていく話 物語は「私」視点で淡々としたリズムで 語られるけど、それが心地良い 解説の数学者さんも、 小川洋子さんが訪ねてこられた経緯などを あたかも野球の延長戦の如く 同じリズムで語られてるのが、 意図してなのかどうなのか、凄い 物語も解説も含めて、凄かったなぁ
38投稿日: 2025.11.04
powered by ブクログ優しくて透明で純粋。綺麗だ。これに尽きる。 物語のなかの「私」が博士を忘れることができないと幾度となく語るように、忘れられない物語となった。
6投稿日: 2025.11.04
powered by ブクログ小学生ぶりに読み直しました。 20代も半ばとなり、昔はルートの気持ちの方を考えていましたが、家政婦の私や博士、未亡人の気持ちもよくわかるようになっていました。 大きなハプニングもなく、ミステリー好きの人には物足りないかもしれませんが、読後にじんわりと心が温かくなるような話です。 自分が80分しか記憶が持たない状況に立たされると、こんなにも穏やかで小さい子に優しく、腰の低く振る舞えるものだろうかと考えてしまいます。 昔より数学の知識も増え、途中で断念することなく読み進められました。中学生以上の方におすすめします。
3投稿日: 2025.11.04
powered by ブクログ初めて小川洋子さんの本を読んだのはこの作品が初めてです。 書店に並んでいるのを暫し見つめ、ついに手を取ってお会計に。 あまりにも綺麗な文章に思わず心惹かれました。 ストーリーもとても良かった。 切なく、胸がきゅっとなってしまうところもありましたが、博士とルートのやり取りもまるで親子のようでこちらまで嬉しくなることもありましたし、「私」が一旦博士のところの家政婦を辞めさせられた時には胸が苦しくなりました。 記憶が80分しかもたないなんて、どれだけ不安な生活を送っているのだろう…。 最後まで綺麗な優しい文章で、とても癒されました。
18投稿日: 2025.11.01
powered by ブクログ私は数学が苦手なので途中で悩んだけど、主人公も数学が苦手で調べたりをするので分からないまま何となくで読める。
0投稿日: 2025.11.01
powered by ブクログ数学の美しさとは、本質が一瞬で見通せる感覚だと言われることが多いそうだ。なるほど、よく分からない。 複雑な現象がたった一つの式で説明できる。一見無関係に見えるものが、ある瞬間にたった一本の糸でつながることがある。無駄のない秩序、必然であること… それらが数学の美しさだと言われても、やっぱりよく分からない。 それが、 「瞬く星を結んで夜空に星座を描くように、博士の書いた数字と、私の書いた数字が、淀みない一つの流れとなって巡っている」 「ああ。行けども行けども素数の姿は見えてこない。見渡すかぎり砂の海なんだ。太陽は容赦なく照りつけ、喉はカラカラ、目はかすんで朦朧としている。あっ、素数だ、と思って駆け寄ってみると、ただの蜃気楼。手をのばしても、つかめるのは熱風だけだ」 といった小川さんの魔法にかかれば、なんとも美しい広大な世界の片鱗に触れることができる。数学そのものの美しさへの理解には及ばずとも、数学と向き合う人間の姿を通して、数学と触れ合うことができる、そういう作品だった。
2投稿日: 2025.11.01
powered by ブクログ星10ぐらいつけたい... 家政婦の「私」とその息子が80分しか記憶がもたない「博士」と数式を通じて絆を深める物語。 数式も野球も全く分からない私が呼んでも面白かった。 もはや野球は嫌いだったんだけど、知ろうかな。知りたいな。とおもえました!! 生きてる世界がこんなにも数式や定理で表せることが出来るということを知って驚きが隠せなかった。何気ない数字ただの数字の羅列が博士にとっては愛するもので、それが人生なんだな。人の人生は当たり前のように過ぎていってるけどその当たり前に人生が詰まってて、どんな人のどんな人生にも意味があったりするんだろうな。と 自分の人生にも温かみを感じれるような。 そんな素敵な作品でした。 本当にありがとうございます。出会えてよかった。
2投稿日: 2025.10.30
powered by ブクログ読むと、他のものに目もくれなくなるような、愛するものが一つある人生に憧れられる。 数学の魅力が丁寧に描かれていて、計り知れない不安の中で生きていく博士が信じるにふさわしいシンプルさと強さを感じた。 数学に魅力を感じるなんてと思ったけど、私が知らない学問を熱心に研究している人ってどこかでそれの放つ魅力を知ったんだろうなと思うと、羨ましいようなかっこよさを感じる。
3投稿日: 2025.10.30
powered by ブクログこの本にもっと早く出会えていれば、学生時代もうちょっと数学を楽しいと思えていたかもしれない。 ただの羅列と思っていた数字、数式が、博士やルートたちにとってどんどん友愛的なものになっていく過程が美しい。 切なさと愛おしさで読み終わりたくなくなってしまった一冊。 移動中とか空き時間に読み進めるのではなくて、1人でゆっくりできる時間にコーヒーを飲みながらまた読み直したい作品
16投稿日: 2025.10.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
事故で止まった記憶の蓄積。新しい記憶は紡げないけど、一生忘れることのない記憶。 切なさと、家族(博士とルートの関係は、祖父と孫かな)の温かさのようなものを感じた物語であった。 ただ今の時代、博士と義姉の関係が憧れなのか、深い関係なのかに寄って評価が変わるかもしれないが…。
0投稿日: 2025.10.28
powered by ブクログ確かに考えたこともなかったな0という数字がどれだけすごいのか。優しい人の周りには優しい人が集まるなと思った。ルートが優しいまま育って良かった。切ないけど温かい気持ちになる。
1投稿日: 2025.10.28
powered by ブクログ『博士の愛した数式』 タイトルを見て、皆さんはどのような印象を受けるだろうか。 ひたすら理知的に感じるかもしれないし、愛という言葉から、優しい温もりを連想するかもしれない。それは人によって変わるだろう。僕は前者のような作品を想像していた。 だがその印象はいい意味で裏切られた。胸のあたりがこう、ほんのり温かくなるような優しい読後感を味わうことができたのである。 私事から入って恐縮だが、僕は大学では理学部に所属していた。 勉強や研究をする傍ら、色々なことを考えたものだが、自然科学や数学を深く探究することの使命にまでは、ついぞ考えが及ぶことはなかった。 だがこの作品を読み進める中で、その "使命" の端緒が掴めた気がする。理知的だが記憶が80分しか持たない博士と、献身的な家政婦である主人公、そしてその愛くるしい息子『ルート』のおかげだ。 この自然の内には、人間が後になって作り出したものではない、秘密の法則が予め隠されている。 それは人間が存在し始める遥か以前から、神の手によってこの宇宙にひっそりと作り出されていたものだ。 そう、文字通り神秘の法則であるわけだ。 その神秘を個人的好奇心と他者貢献のために役立てるという二つの意識の両輪、それらをもって静かに整然と解き明かしていくこと、それこそが、(自然)科学者及び数学者の使命だと、認識できたのだった。 残念ながら僕には年齢的職業的な制約があって、もはやこれらの世界に貢献することはできなくなった。 それでもこの一点が理解できただけでも、この書籍を読む価値は非常に大きかった。 これからもより一層、数学者や科学者への敬意を表明していこうと僕は誓った。 では、本題の感想に移ろう。例のようにネタバレを含んでいるので、未読の方はブラウザバックすることをお勧めする。 この作品で僕の胸を打ったものは、家政婦をしている主人公や、直観力に優れた博士はもちろんだが、とりわけルートと呼ばれる少年の優しさだった。 彼は子どもであるが、というよりむしろ、子どもであるがゆえに、大人には決して気付くことのできない人の心の機微をきわめて鋭敏に観察し、察知できる。 そしてそれを優しさに変換して、他の大人たちにより添うことができるのである。 この他者を優しく包み込むような、かけがえのない美しさを直観できたがゆえに、博士は彼をルートと呼んだのだろう。 また、子どもにこのような愛らしい特長があるからこそ、博士は子どもたちを愛したのではないだろうか。 『博士の愛した数式』とは、実はオイラーの公式でもフェルマーの最終定理でもなかったのではないか。 この美しいルート記号と、その働きを象徴しているかのような少年、ルートの優しさこそが、博士の愛した数式そのものだったのだと、僕は思う。 さて、この作品の鍵となり、彼らの80分しか持たないはずの愛情を永く繋ぎ止める絆となっているものは、実は他にもある。 それは意外かもしれないが、阪神タイガースなのだ。 彼らの居住地、つまり作品の舞台となっている土地は、おそらく岡山県だと思われるが、彼らは熱烈な阪神ファンである。 そして博士の愛した完全数28を背負う、往年のエース江夏豊投手もまた、この作品のシンボルとして、大切な登場人物の一人になっているのだ。 結局阪神は、この作中の年には優勝できなかったし、そのあと当分の間、長い暗黒時代に入ってしまったことも事実だ。 当時も今も阪神間に住んでいる僕は、クラスメイトの阪神ファンの友達が、この暗黒時代を頭を抱えながら嘆いていたことを鮮明に覚えている。 だが現在のタイガースは強チームの代表格を成すほどの実力をつけている。今年もまたリーグ優勝を果たしたことは、誰の記憶にも新しいだろう。 その模様を作者の小川洋子さんは、そしてもう家政婦を引退しているであろう主人公は、あるいは今や一人前の数学の先生をしているであろう息子ルートは、どのような目で見つめているだろうか。 熱烈な喜びだろうか。それとも偉業を達成した子どもを見つめる親のような、温かい眼差しだろうか。 いずれにしてもそれを、すでに天国で数学にひたむきに取り組んでいるであろう博士にも知らせてほしいものだ。 完全数28を持つ江夏のカードを胸に光らせながら、誰にもわからなかった証明を成し遂げたような嬉しさをもって、彼も大喜びしてくれるに違いないだろうから。
30投稿日: 2025.10.28
powered by ブクログ読後の心の充足感は非常に高い。 3人の関係性の変化に引き込まれて、どんどん読み進めてしまう。 解説も、是非読んで欲しい。
0投稿日: 2025.10.27
powered by ブクログ数学者の頭の中はこんな風になってるんだなって感じた。なんでも素数と結びつけられるなんて。 ルート、愛らしいなあ
0投稿日: 2025.10.26
powered by ブクログとても切ない、でも優しくてあたたかいお話。 短くて読みやすいしこれから読書をする人におすすめしたい1冊。
0投稿日: 2025.10.22
powered by ブクログ記憶が80分しかもたないなんて受け入れられない。。それを毎回受け入れている博士、苦しいだろうなと思う。 私は素数を愛おしく思ったことがない。そしてこれからも。。なので理解できない部分が多々あった。好き嫌い分かれそうな物語かなと思う。。ただルートの優しさは嬉しくなる。これは誰が読んでも凄く優しい子!
27投稿日: 2025.10.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『博士の愛した数式』小川洋子 20251018 ①博士が「子供」に対して異常に愛情がある。過去に何かがあったのか? → <小さな子供がこうして立派にお手伝いをしているというのに大の大人が寝そべってなどいられるものか>など子供という存在に対し 異常に敬意を示す場面が多く見られた。 本人が過去に 大人に不遇に扱われた事があるのかな?とも推測した。 もしくは、彼自身か彼の義姉の周りに子供がいて 何かしらの経験を積んだのか? 推測したが作中には特別な事は書かれておらず、推測として今一つの者になった。 なにしろ私がもし博士だとするならば 子供相手にそこまで敬意を払う事はないと思ったからだ。 もし子供関連のトラウマ等が博士にないと言うのであれば、私はINTPだが、博士はINFPあたりの性格になるのだろうか? 数式から妄想的理論を飛ばすのはN型 子供への異常な愛情 F型 JかPかはまあ適当 なんとなくP ②『e^πi+1=0』の意味について → オイラーの等式の登場人物それぞれ全く無関係でバラバラでありながら、それぞれが”数”全体の中でもメインキャラクターだ。 そんな五人がこの数式では一つの目的のために喧嘩もせず協力しあっている。 人間は、全員が全員違う人間だ。数で表すとすれば全く同じ数字というのはこの世界には存在しえないのだ。それでも手を組みながらやっていくしかない。 皆が険悪になった際に無言でこの数式を出したのは、そう言った意味合いがあったんじゃないかと推測している。 ③義姉はなぜ家政婦を雇ったのか。 → 義姉と博士が特別な関係にあるような描写や写真があった。 であるならば、義姉が直接お世話をしてあげた方がどちらにとってもメリットがあると思ったが、それは違うのか? 働いていて日中はお世話できないからか?とも思ったが、マンション収入で金銭面的に問題がなさそうに見えた。 それともかつて恋愛感情があったかもしれない相手にずっとお世話し続ける事は精神的にきつい部分があったのだろうか? 変わり続ける自分と変わることのない博士。 見続けていたいが、触れたくはない。 彼女は未亡人で長らく孤独であり、博士もずっと孤独なのだ。 愛した人であり、家族であり、孤独を共有する仲間でもある。 そんな微細な心境の防波堤代わりに家政婦を雇ったのだろうか。 ④「永遠に愛するNへ捧ぐ あなたが忘れてはならない者より」と博士が書いたメッセージがあるが、これは誰に向けてなのか。忘れてはならないとはどう言った意味なのか?。Nとは数式のnなのか。 → Nとはおそらく同じ写真に写っていた義姉のことではあるのだろうが、それと同時に数式にたびたび出てくるn変数のことも指しているのであろうか? n変数はどの数字を入れてもいいし、変わり続けるものだ。 変わり続けるN。 一生記憶が変わらない博士。 「あなたがいくら変わろうが私はあなたを忘れない。」 そんな意味合いにも取れるメッセージだった。 直線は本当の意味では紙に描く事はできない。 永遠に正しい真実は心の中でだけ見れるものなのだ。 【メモ】 ・登場人物全員の名前を最後まで明記しない手法を初めて見た。 ・「年寄りのわしの方が知恵はずっと多く、価値はずっと少ない」ってダンブルドアが言ってたのを思い出した。 教育者としてすこぶる優しい。 ・メインエピソードに関係のない部分 ファールボールの呪いシリーズで 「札を急にせびってくる女」「墓跡の裏に鹿の死骸」など作者 小川さんのくせが垣間見える ・「220と284」「715と714」「28」 ・「回文 逆から読むのが早い」「一番星を見つけるのが早い」などキャラ設定を作り後々軽く回収するみたいな ・でもやっぱりファールボールからルートを庇ったり、些細な怪我で異常に心配したりなど そう言った面はすごく気になる。 数学を齧って数字がわかれば私も異常に子供に対して愛情を持てるようになるのか? 子供が生まれる確率が天文学的確率だから重要視しないといけない みたいな思考なのか? ・読んだのが地球星人の後だったので刺激は少ないし、私は感情が薄い方の人間なのでこのように事象を並べて人物の感情を解析したり筆者を分析するくらいしかやることがないからまだ、2割もこの小説を理解できていいないと思う。もっと感情系の小説を読み、自身とは違うタイプの人間の思考回路も読み取れたらいいと思った。また小川洋子さんの別の作品も読むべきだ。この小説だけでは自己を投影しているのか他の人物を想像して描いているかは判別不可能。 ・ルートって道だな 子供の道標になろうとしたんだ。博士は。 だから飯もまともな食い方できなかったのに子供がきたからビシッとしたんだ。 「彼はルートを素数と同じように扱った。素数がすべての自然数を成り立たせる素になっているように、子供を自分たち大人にとって必要不可欠な原子と考えた。自分が今ここに存在できるのは、子供達のおかげだと信じていた」 これはそういうことか。自身が存在するのは子供達のおかげ。ホーソン効果的な? いや そんな浅いとこじゃないよなー ・ブクログでみんなのレビュー読んでて、結構みんな共感というかいい話ーって言ってて、やっぱ恋愛感情も友愛も薄い俺に こういう系の小説を全面的に理解すんのは結構厳しいのかなー?とも思って悲しくなったw まあ1万時間の法則が性格にも通ずるかは知らんけど、もうちょっと色々触れてみます はいw
35投稿日: 2025.10.19
powered by ブクログ美しい物語だった…数字の美しさ、数学の美しさ、そして表現の美しさ どれもうっとりしてしまうほどでした それでいてお茶目で、切なくて もともと素数とか完全数って好きだったけれど、より愛おしい存在になった 世界が広がる作品でした
1投稿日: 2025.10.17
powered by ブクログ美しいお話だった。文量はそこまで多くなく読みやすい。ルートと博士の関係がとても良い。博士のような愛を持てる人間になりたい。不器用な人間というものは小説で大いに輝く。ルートと家政婦の気遣いも愛に満ちていてほっこり。泣かせてくるような感じでもなくじんわり染み渡るような話。
1投稿日: 2025.10.17
powered by ブクログ数字を通して3人が愛を注ぎ合っているという心暖まる話。それでいてどこか切ない気持ちにもなる。 とても不思議な話で読んでいて飽きなかった。
1投稿日: 2025.10.16
powered by ブクログ中学生ぶりに読んだ。数学科に進んだ私にとって以前読んだ時よりもかなりスラスラ楽しく物語にも没入して読めた。博士という人物が人として愛おしく感じ、会ってみたいような気持ちになった。
2投稿日: 2025.10.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
夏のある日、テーブルの上にこの本が無造作に置かれていた。聞いてみると次女の読書感想文の課題図書だった。有名な本らしいが、文学小説なんだろーなと興味なさそうにパラパラとページを捲っていたら、次女が『どうせ読まないんでしょ』という挑戦的な冷たい眼差しを向けてきた。 …ふっ、いいだろう。ミステリーしか読んでこなかったが、本を読むことを自体にはだいぶ慣れてきた。そろそろ文学小説のひとつに手を出してみてもいい頃だ。(ページ数も少なそうだし) 数学の美しさに魅了された博士は、事故の後遺症で80分しか記憶を保てない。博士の世話をすることになった家政婦の『私』は、戸惑いながらも根気強く親身になって介助を続ける。そこに家政婦の10歳の息子『ルート』も加わり、3人の静かな絆が育まれていく物語。 正直なところ、数十ページ読んだところで挫折すると思っていた。しかし、ストーリーが魅力的なのももちろんだが、時折でてくる公式や数の持つ美しい性質を教えてくれるところにも自然と興味がひかれていく。そして何よりも小出しに阪神の話題を出してくるところが阪神ファンとしてはたまらない!往年の名スターだけでなく、忘れたくても忘れられないあの阪神暗黒時代、、これが出てくるだけで読み続けたいという気力が湧いてくる。 読み終えて、切なくも愛に溢れた心温まる気持ちになり、やっぱ文学小説だなぁと感じたりする。ただ、結局博士は数ある数式の中で、なぜオイラーの等式をあれほど愛したのか?なぜ激昂していた義姉が等式を見た途端に態度を豹変させたのか?という疑問は最後まで残り、その理由は本文だけでなく解説でも明らかにされなかった。その謎をネット検索してみるが腑に落ちるような解釈は得られなかった… しかーし!ある読者レビューによって、このもやもや感を全て吹き飛ばす解答を発見した!この考察は、この本を読んだ人達に是非知ってもらいたい。 実は謎を解くヒントは本文にも示されていたのだが、それは博士の『声に出して読むんだよ。』という言葉だ。 e^πi+1=0を声に出して読んでみる。 “いーのぱいあいじょう たすいちは ぜろ。” “いー(の)ぱいあいじょう・・・” いっぱいあいじょう、、いっぱいの愛情!? なんということだ!科学的かつ合理的であるべき数学という学問において、“愛”などという感情は対極にあるもので最も不要な要素だ。それなのに数学史の中でも『もっとも美しい数式』と呼ばれているオイラーの等式に“愛”が隠されていたのだ!この究極の矛盾。こじつけでしょと言われれば返す言葉もないが、この解釈に則れば、だからこそ博士は最もこの数式を愛し、だからこそ数式の意味を知っていた義姉は瞬時に冷静さを取り戻したと得心することができる。 …ちょっと待って。なんだ、この高揚感は…これはまさに極上のミステリー小説で大きな謎が解き明かされたときに得られる感覚と同じではないか。文学小説と位置づけられているこの作品は紛れもなくミステリー小説でもあったのだ! ということで迷いなく、このミステリー専用本棚に登録と相成った。 ちなみに、この素晴らしい発見を是非とも感想文に取り入れるよう次女に熱弁を振るったが『はいはい、わかった、わかった。』と冷たくあしらわれたことは言うまでもない。
5投稿日: 2025.10.11
powered by ブクログ国語と算数、現代文と数学、文系と理系、どれも対極で結びつかないものだと捉えがちだけども、小川洋子さんは数学の結び付きの美しさと、言葉が孕んでいる日本語の美しさを以て対極な存在の双方を繋ぎ合わせてくれたんだと感じる一冊だった。わたしは数学に苦手意識を持っている人間なので初めはこの題材にそそられず、ページをめくるまでに5年を要したが、1ページ目を開いてから最後のページを読み終えるのにかかった時間は2日だった。
11投稿日: 2025.10.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
有名だけど読んだことがないので読んでみた。博士と√、家政婦の3人の爽やかでちょい切ないあったかい物語の後半に突如ぶち込まれる博士と未亡人の関係性のあたり、すんなり腑に落ちてくれない「人間」を感じて、これが純文学だよなぁ〜〜〜と言うたまらん気持ちになった。もう一周したときに見え方が変わりそうな作品だった。
3投稿日: 2025.10.09
powered by ブクログ登場人物たちの暖かい関係が素敵だった。記憶が80分しか持たないという天才数学博士と主人公の息子、通称ルートとのやり取りが印象に残っています。数学の知識もたくさん作中に登場してきて、今でも「この数式『博士の愛した数式』で出てきたな」と思い出します。
2投稿日: 2025.10.07
powered by ブクログ第一回本屋大賞受賞作品。 数学嫌いな私、ずっと敬遠しておりました。積読に何年いたかな?秋の夜長に事前情報を一切入れずに読み耽ってみましたよ。 この小説は温かい。とにかく温かい。 博士とルートの掛け合いはお互いの優しさに包まれていて、ほっこりしたなぁ。 切なさもあるけれど、それを越える愛に満ちた小説でした。
188投稿日: 2025.10.07
powered by ブクログ友愛数で繋がった老博士と主人公。江夏の背番号完全数28。登場人物同士の関わりを数字で表すというあまり見た事がなく、面白い。そして暖かかった。
2投稿日: 2025.10.06
powered by ブクログほっこりと温かいお話。 学生の頃は数学の公式をむやみに暗記して問題を解いていたが、博士の話を聞いてからは、公式への向き合い方が変わった気がする。公式が想像より遥か昔に発見されたという驚きや、その誕生の奇跡に感激しながら学べたなら、数学はもっと楽しく、胸を打つものになっただろう。 大人になった今、数学と向き合うことは少ないが、この本のおかげで数の世界館を味わうことができた。
2投稿日: 2025.10.03
powered by ブクログ上手く感想を表現できないけれど、『もう一度、最初から読みたいか?』の答えはNO。けれども『本屋大賞』に輝き、多くの方々が評価された小説なので、作品自体の問題ではなく、あくまでも私の好み、主観ということになる。
0投稿日: 2025.10.02
powered by ブクログ80分しか記憶がもたない数学博士と、そのお世話を通じて温かい交流を持つことになる語り手の家政婦とその息子の話。 博士が愛する数式の美しさを理解・共有することで、記憶に関する障害を超越して友情?を育んでいく流れが、新鮮かつほっこり感あり。印象的な作品でした。 途中、博士の義姉の判断で語り手がピンチになり、それを博士が「オイラーの公式」をメモ書きすることで救う場面があった。なぜそれで理解を得られたのかの解説を待ってたんだけど、私は理解できないままエピローグに。「美しい」公式を書くことで博士の意思を伝えた、、ってことなのかな?その他背景を推測する系の事実がいくつかあり、それがいいところなのかもしれないけど、少しスッキリしないところもあった。
27投稿日: 2025.10.02
powered by ブクログ情景が浮かびやすく、読みやすい本だった。登場人物の感情や表情まで汲み取れる作品。数学は苦手でもスラスラと読めた。
0投稿日: 2025.09.30
powered by ブクログ夏フェア本。数式、難しそう。そう思わずに。数式の小難しい解説は読み飛ばしても、十分に楽しめる。端的に言ったら愛の物語。俗世間から隔離されたシェルターのような博士の家。ぼくの記憶は80分しか持たない。80分ごとにそれを確認する生き方に悲壮感はない。博士にとって最大の友達である「数学」があるから。家政婦さんが博士を面白がって、心配し、気を配るのは仕事の範疇を超えているが、困っている人がいれば手を貸す。当たり前のことを当たり前にできる人で良かった。息子のルートもいい味だしてるんだ。
0投稿日: 2025.09.29
powered by ブクログ2025年17冊目 長い間積読にあった本 明確な転機というよりは、確かにあった日常と親愛に涙が溢れたのだと思う
12投稿日: 2025.09.28
powered by ブクログとても温かい物語だけど切なさもあり...でもその切なさも博士の人生の幸せの一瞬でもある素敵な物語です!
10投稿日: 2025.09.28
powered by ブクログ記憶を積み重ねることができなくても一緒に過ごした時間がなかったことになるわけじゃない。親しみや尊敬がじんわり伝わって心地よかった。
10投稿日: 2025.09.27
powered by ブクログルートくんが優しい子でかわいい。 博士はどんな人なのかなって想像した。 映画を見てみたいな 数学は好きだけど、野球があまり分からないくて野球カードがどんなものか気になった
0投稿日: 2025.09.26
powered by ブクログとても静かな時間が流れるお話で、とても心地良い涙を流す事ができました。状況描写が素晴らしく丁寧かつ上質で、頭の中にそのシーンがクリアに広がりました。私(主人公)と博士とルートとの長い月日を一緒に体感できてとても幸せでした。途中に出てくる数学の説明は何度読んでも難解で、数学を詳しく理解できる頭があれば、もっと深いところにあるものを感じ取れたのかな?とも思いましたが、それを差し引いても素晴らしい作品でした。小川さんの作品は「ことり」に続き2作目。「ことり」とはまた違ったテイストですが、描写の丁寧さが共通しているような、、素人ながら感じました。是非いろんな方に読んでほしい作品です。
0投稿日: 2025.09.26
powered by ブクログ自分には多少難しい表現もあったけど、なんとなく想像することができた。作者の思い描く問題としての数学と、学問としての数学がどちらも綺麗であり、違いがなんとなく理解できた。起きてすぐに自分の病状を認識して涙を流す時もあるのがとても辛かった。ルートが理想の子供像すぎていちいち泣けた。また読み返したいと思う。
0投稿日: 2025.09.24
powered by ブクログ心があたたまる素敵な話だった。 数学は苦手なので博士かっこいいな〜という感想。 家政婦さんと息子と博士の関係性がとても良かった。
1投稿日: 2025.09.24
powered by ブクログ美しく切なく、心が温まる話だった。 今までミステリーみたいな伏線回収系の本ばっかり読んできたから、読み進めてみて、あれは伏線じゃなくてただの出来事だったんだと最初はすかしを喰らった。でもその出来事をどう捉えるかの自由さや現実味があって良いなと思った。 お気に入りは、数学の公式が美しい文字で表現されていたところ。 すごく愛おしく思えたし、その数式が持つ不思議さをより一層感じた。 なんとも言えない、心がキュッとなるような、でも温かくもなる、美しい本だった。
1投稿日: 2025.09.23
powered by ブクログ★★★3.4 記念すべき第一回本屋大賞を受賞した本作。 記憶が80分以下持たない博士、そして家政婦とその子どもの物語。 切なくて温かい、数学好きにはハマるかも! 心温まるお話でした。
0投稿日: 2025.09.22
powered by ブクログ博士の80分の記憶って、どんな日々を過ごしているのか、イメージするの難しい… 数学の懸賞問題に没頭する事で、数学に支えられて生きてきたのかな。 家政婦の主人公とその息子ルートくんと出会い、博士の日々も変化していきます。 子供って、物事にナチュラルに柔軟に対応する力、ありますよね。 ルートくんの存在で博士の素顔もさらに見えてきて、主人公も博士をだんだん理解していきます。 博士は覚えていないけど、3人で過ごした時間は(けっこう事件あり)主人公とルートくんにとって、博士の人柄・あたたかさに触れるものとなって… そんな2人の存在は、2人の事を忘れちゃった博士にも心地よいものだったはず。それがさらに数学によって深いものになっていったのかな。 数学と野球のところはなんとなくで読みました〜
1投稿日: 2025.09.21
powered by ブクログ数学が苦手な人、アニメに出てくるような数学に心酔する学者の心情を覗きたい人は読むことをおすすめする。 学生時代に数学が1番嫌いで公式の意味も理解できないまま、当てはめるだけの勉強をしていた。 そんな私ですら数字って美しいかも……と思わされる内容だった。数多の星の中からまだ見ぬ星座を見つけるようなロマンを感じられる。 そして、博士と私、息子のルートの関係性もとても良い。博士は、事故により80分しか記憶がもたないという後遺症がある。もちろん悲しい事実だし、博士自身がそれに苦しんでいる描写もある。 しかしそこにフルフォーカスするのではなく、あくまで私とルートとの関係性を1番に描くという判断が個人的には好きだった。 博士の事情は悲しいことであるが、だからといって本人の人生が寂しくなるわけではない。 数学や小さき者を愛し、周囲からも愛された人。 そんな温かいお話だった。 以下、印象的な文章 「そう、まさに発見だ。発明じゃない。自分が生まれるずっと以前から、誰にも気づかれずそこに存在している定理を、掘り起こすんだ。」 「分からないのは恥ではなく、新たな真理への道標」 「」
0投稿日: 2025.09.18
powered by ブクログ最初は映画からだけど本当に良い作品。 博士と博士の周りに愛が溢れている、子どもは愛を持って接しなければいけないと博士が教えてくれた。
3投稿日: 2025.09.17
powered by ブクログルートとその母の80分しか記憶がない博士に対する愛情?友情?尊敬?なんともいえない優しさが心に染みる。博士は博士で超優秀な変人なんだろうけど、2人との関係の中で時折見せる人間性がまたいい。未亡人とどんなことがあってどんな関係だったんだろう?そこが気になったけど、終始ほんわかした温かい空気感のある小説でした。
1投稿日: 2025.09.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本当に好き、博士と私とルート(息子)が時間と共に変化していく様子が鮮明に描かれている。数学が好きな人が考えることとか、数学の美しさ?にも少し気付けた気がした。最後は少し悲しいけど本当にいい話
0投稿日: 2025.09.14
powered by ブクログ80分しか記憶がもたない数学老博士。 シングルマザーの家政婦とその息子ルート。 数学と阪神タイガースを通して育まれる3人の愛の物語。でもその愛は、恋愛とも家族愛とも友愛とも違う、なんと呼んだらよいかわからない種類の愛。 温かみはあるけどどこか暗くて翳りもある。でもやっぱり幸せな気分になる愛。 それぞれの人物の(特に博士の)心情を描写しすぎていないことが、良くも悪くもこの物語をぼやけさせている気がする。でもそのぼやけは決して分かりづらいっていうことではなくて、晴れた冬の朝靄みたいな清々しい気持ちになるものだと思う。
2投稿日: 2025.09.13
powered by ブクログ数学のところがわけわからんくて読むのがしんどかった、、、 ただどんな偉い学者であろうと謙虚さを持ち合わせ、決して人を見下したりしたりしない博士。 とくに子供へは無償の愛を注ぐ。 素晴らしい人間性の持ち主でこういう老人になりたいと思いました。
0投稿日: 2025.09.13
powered by ブクログ【2025年読書記録No.8】 少年とその母親と老いた数学者。 その数学者の記憶は80分しか持たない。 そんな3人が生きる日々は、繊細さを感じつつも何とも数式のように美しい。ここまで数学を丁寧に文学的に描くこの作品に一瞬で入り込んでしまった。 ただの数字、ただの数式だと思っていたものの見方を考えさせられた。 3人のあたたかな関係性を感じる素敵な作品だった。
0投稿日: 2025.09.13
powered by ブクログあまり純文学は読まないので、自分自身が慣れてないという意味で星4評価。 記憶が80分しか持たない数学博士と家政婦の主人公、そしてその息子10歳のルートの3人の不思議で温かい関係を描いた作品。 数学というよりは数が持つ不思議な性質や数同士の関係性と、主人公達自身の身近な数(誕生日や足のサイズなど)をリンクさせ、物語の中での不思議な縁を見事に描き切っていた。 泣くということは(自分は滅多に)ないが、読んだ後は温かい気持ちになる、そんな作品だった。
17投稿日: 2025.09.12
powered by ブクログ人生で三冊選ぶなら間違いなく一角を占める殿堂入り。未だかつて、この領域まで美しい物語を読んだことがない。 数学がわからなくても大丈夫。数式の宇宙に優しく抱き止められた先、愛おしい温度が目頭をあたためてくれるだろう。
2投稿日: 2025.09.10
powered by ブクログとても面白かったです。 この本を読むまでは、数学は秩序に縛られて美しいものだとは思いませんでした。 公式を覚えてただその通りに解く 数学はその繰り返しで、数字もあくまでその道具だと考えてました。 ただこの本では色んな数字の美しさを教えてくれます。 そしてその数字が私たちのこと、例えば誕生日や年齢など、と結びつけることで、こじつけにしか思えないことでも、すごく誇らしく素晴らしいものだと感じることができ、自分のこれまでの人生を肯定されているとまで感じます。 この本を表すのにぴったりな表現が最後の解説にありました。 -小川さんはこの作品で、数学と文学を結婚させた- 記憶が80分しか持たない、数学が大好きで他のことに無頓着な博士がとても人間味の溢れる人物に映るのは、いつだって数字が私たちの身近にあり、美しいからなんだと作者は伝えたいのかもしれません。 数学の知識は確かに出てきますが、それだけで忌避してこの本を読まないのは勿体無いと思います。 多くの皆さんに読んでほしいです。
15投稿日: 2025.09.10
powered by ブクログ事故の影響で記憶が80分しかもたない孤独な数学者と、その家政婦と、その息子が“数”を通して心を通わせる物語。博士の純粋すぎるまでの子供への愛情や数学への真摯さに心を打たれ涙が出た。昔数学の先生が言っていた数の美しさという概念を、この小説の中でやっと理解ができた気がする。人類が生まれる前からそれは存在し、定理を発見する様子は宝物を発見したかのような喜びを数学者は体感していたのだろうなと思った。 子供ながらに博士の愛情を真っ直ぐに受け止め感謝を返すことの出来るルートは本当に出来た子だなと感心もした。
19投稿日: 2025.09.09
powered by ブクログ平成十五年七月新潮社より刊行。 数学と文学の両者の美しさが、こんなにも調和の取れた作品には初めて会った。凄く静謐で優しくて、暖かな読了感。心が穏やかになる。 家政婦組合はだいぶいいエッセンス。 具体性の塊で、どこまでも繊細で好きな表現が沢山あった。怖い、バケモノすぎる。小説家の想像力、創造力、言語化能力。 意外と数学と文学って隣り合わせくらいなのかな? ー備考ー 今度から、感想を書く時は後書きを読む前に書こうかな。凄い影響されてる気がする。
0投稿日: 2025.09.09
powered by ブクログ数学の式とか素数とか私には難しかった。あと野球のことも難しかった それでも名作と言われてる理由が分かる。 母子と博士の関係性がとてもよくずっと3人+一人で過ごしていって欲しいって願った。 博士といる空間が好きなる。博士に数学を1から教えてもらいたくなる。
2投稿日: 2025.09.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
記憶とはなんだろうか。 時間の積み重ねが関係性を深め、親しみや思いを募らせてくれる人がいる。 でも、そのことが、わからなくなる。 新しい出会いから、始める事になる。 物事の経緯も分からず突然その状況に至り。 何の準備もできない。 世界を数字で捉え、そのことに興味や理解を示す人に関わりの糸口を見つけ、信頼の可能性を探す。 まるで数学の問題を解くかのように。 自分の記憶はない。 「0」なんだけど。 「私」や「ルート」の記憶がそうはさせない。 自分の記憶は誰かのためにある。 「博士」は、信念を持ち。 自分にウソをつかず、正しく生きようとした。 信頼の糸口を掴んだ、その誰かの記憶が素晴らしいものであるように。
0投稿日: 2025.09.08
powered by ブクログ第一回本屋大賞にふさわしい、とても美しい作品でした。博士と「私」、そしてルートの交流を通して、人と人とのつながりは偶然ではなく、奇跡のように尊いものだと教えてくれます。 「義弟は、あなたを覚えることは一生できません。けれど私のことは、一生忘れません」という言葉が、勝利宣言のようでもあり、憐れみのようでもあり、残酷で胸が締めつけられました。人との関係は必ずしも優しいだけではなく、ときに残酷さを含んでいるのだと感じました。『博士の愛した数式』は、第一回本屋大賞にふさわしい、とても美しい作品でした。博士と「私」、そしてルートの交流を通して、人と人とのつながりは偶然ではなく、奇跡のように尊いものだと教えてくれます。 特に印象に残ったのは、博士の未亡人の「義弟は、あなたを覚えることは一生できません。けれど私のことは、一生忘れません」という言葉です。その響きはどこか勝利宣言のようでもあり、憐れみのようでもあり、読むほどに胸が締めつけられました。 また、さまざまな問題やトラブルに向き合っていく様子から、正解を得ること以上に、諦めずに考え続ける過程の尊さが伝わってきました。その時間を分かち合うことによって、互いの存在をまるごと肯定し、寄り添うことの大切さを学んだように思います。 80分しか記憶がもたない博士との日々は、今という瞬間をいかに大切に生きるかを問いかけてきます。そこに満ちていたのは、間違いなく「いっぱいの愛情」でした。 静けさの中に、美しさと残酷さ、そして温かな希望が同居するこの物語は、読後も長く心に残り続けます。
23投稿日: 2025.09.08
powered by ブクログ映画で見た方が感動出来るかもしれないと思った(何となくだけど)。80分しか記憶がもたない数学博士と家政婦とその子供のルート(博士が付けたアダナ)のお話。 江夏の背番号28が完全数だったりとちょっとした連携もあり良き。
18投稿日: 2025.09.05
powered by ブクログルートってあだ名を子供につけるセンスがすごすぎる。やっぱりあだ名ってその人の体を表すものでもあるけれど、その人の体があだ名を表すように変質していく側面もあるような気がしているから、その意味でもこのあだ名はやっぱりすごい。 数学ほど実際にはできないし実際のところ別に関わりもないけどすごくできたりその才能があったらかっこいいよなと憧れられるものってない気がする。アメリカセレブ女優に相対するのと近い感覚でしょうか。
0投稿日: 2025.09.04
powered by ブクログ中学生ぶりに再読。 柔らかくあたたかな雰囲気が漂うお話で、特にハラハラドキドキする展開があるわけではないけど、起承転結が綺麗でするする引き込まれるように読めた。博士と主人公とルート、3人がお互いのことを思いやって行動している優しさに心が暖まります。優しい気持ちになれる本。
1投稿日: 2025.09.03
powered by ブクログこれまで読んでいなかったことを後悔するほど素敵な本だった。どれほど素敵な思い出ができても博士の記憶は無慈悲に消える。普通の人ならとても困難な博士との付き合いを、家政婦の親子は柔軟に乗りこなしていき、深い友達となっていく。未亡人は複雑な思いでそれを見つめて、やがて女ではなく友達として、受け入れていく。 このあたりの描き出し方が美しくて、小説全体が透き通っているような印象を受ける。ルートと博士のシーンは全体的に微笑ましくて、最後にルートが算数の先生になった時の博士の気持ちを想像すると涙があふれてくる。子どもにもぜひ読んでほしい。
6投稿日: 2025.09.03
powered by ブクログ話し手が何に対しても愛情深い人だと思った。 自分に対して少し卑屈なのが共感できるところだと思った。これは、自分の過去の経歴に対する自信のなさがあるからだと思う。彼女の場合はルートという息子が元気に育っていることが自己肯定感に繋がっているのだなと感じた。 嫌われ者のあいつは実は自分だけが知っている善性の高い人であるというのは他者への愉悦感を感じられる手っ取り早い方法なのかもしれない。 立ち居振る舞いに善性が滲み出るのは、無意識下の考え方が善に近いからで、人は普段から思っていることが普段の行いに出るのだろうなと思った。自分を変えるには、自分を甘やかすのではなく、自分を肯定する方向で自分を見つめ直す必要があると感じた。
0投稿日: 2025.09.01
powered by ブクログ80分しか記憶が持たない数学者とその家政婦、家政婦の息子を描く、温かくも悲しいストーリー。小学生だか中学生の頃に読んで凄くよかった記憶があったので再読。当時とはまた違った感覚で読むことができた。
12投稿日: 2025.09.01
powered by ブクログ博士と家政婦、その息子、未亡人 みんなそれぞれ個々の優しさを数式と共に丁寧に描いたハートフルな本だった
0投稿日: 2025.08.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
博士と家政婦、そしてその息子が織りなす人間ドラマ。 記憶が80分しか保たない博士の変わらない人間性と、その人柄に感銘を受け、数学的に世界が彩りを増していく描写の連続。 切なくも温かい物語であった。セリフは少なく、心理描写が多い。読み終わった後に自分の考えや世界の見方が大きく変わることはなかったが、温かさに癒される本。しかし、記憶が残らない世界はどこか切なさが伴い、どうせ残らない日々にどこまで一生懸命なれるのかは考えものだなと感じた。 映画を一度観たことがあるが、原作を読み終えた後にもう一度観てみようと思った。
0投稿日: 2025.08.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
80分しか記憶がもたない博士と、家政婦、その息子ルートの3人の心温まる物語。 数学の不思議な魅力に溢れた作品。読んでいると、数字って実はとても神秘的で美しいものなのかもと思わせてくれる、博士の魅力ある語りがとても素敵。 その博士とどんどん絆が深まっていく2人だけど、この関係は友情とも家族愛とも名前のつけられないような不思議な関係だなぁ〜と。暖かくて、優しくて。 博士は80分しか記憶がもたない、でもずっとずっとルートのことを大切な守るべき子供だと大きくなってもそう接する姿に、病気を超えた深い愛情を感じ心を動かされた。記憶にはなくても、心に刻まれるものってあるよねと。
0投稿日: 2025.08.31
powered by ブクログ第一回本屋大賞受賞。読者も数学の不思議さに一歩入り込める一冊。数学がキーワードとなっている一冊で、数式がよく出てきますが、ほとんど四則演算の範囲内なので、数学アレルギーの方でも読めるはずです。しかも、わからないところ、読みたくない数式は読み飛ばしても話がわからなくなるところはないでしょう。わたしも考えるのがめんどくさい数式(博士に嫌われますね・・)は飛ばしました。 ■ルートの存在 博士の謎めいた風貌にも臆せず、博士の記憶問題にも配慮できて本当にいい子だなと思いました。博士は子ども好きというか、ルートが好きだったのではと思うくらいです。本書はルートの成長の物語でもあり、その意味でも楽しめます。 ■義姉の存在 なんだ!「私」親子と共存できるんじゃんと後半思いました。それなら、はじめから一緒に過ごせばもっと過ごしやすかったのになと思いました。その心境の変化は突然でしたが、変化の理由は嫉妬だったのか、何かを悟ったのかと思いました。そういうことならもっと早く一緒にいればいいのに・・と思わされました。 ■あらすじがミスマッチな気がした 「あまりに悲しく暖かい・・」と本書の裏に書いてありますが、わたしは「悲しく」は思いませんでした。博士は自分の性質について悲しくは思っていないし、「私」も困ったり、驚いたりはしたけれども、その性質を悲しくは思っていないように感じました。本書には悲壮感は漂っていません。博士の性質に驚き困りながらも、数学を絡めつつ、やり方をお互いに見つけていき、最後まで前向きなお話です。
8投稿日: 2025.08.29
powered by ブクログ第一回本屋大賞受賞作です‼︎ みんなが優しく愛に溢れたストーリー。 どうしていままで読まなかったのか... おすすめの一冊です‼︎
2投稿日: 2025.08.24
powered by ブクログ初めて小川洋子さんの作品を読みました。 アメリカ映画に見るようなスリリングな事件、出来事が起こるわけでもなく、博士と家政婦さん、その息子のルートとの間で繰り広げられる日常が綴られています。 多くが、語られてるいるのでは無いが、その行間に色々な思いや意味が込められており、淡々と語られている日常に心を揺さぶられました。 最後の章は涙があふれました。やはり相変わらず大きな事件が起こったのでは無いのに、長い年月をかけて出来上がった3人の深い絆を感じ、過去となっている事が分かる文体、様々な思いが溢れました。
21投稿日: 2025.08.22
powered by ブクログ博士の過去・死んでしまうとき・博士亡き後・姉との関係 こういった部分について、書けば分かりやすく涙を流しただろう。 しかし、あえてその点は小説の中ではふれず。 (※野暮な私は読みたいけど) 博士との友情や親愛を博士との日常から描く。 優しい明るい物語のように描いているが、この影に博士の苦悩があるから、やっぱり切ない物語でもある。 しかし、お互いが思いやり、今という時間を満たされる時とするように3人が動く姿に何とも言えない優しさがこの本からはあふれている。
13投稿日: 2025.08.22
powered by ブクログとてもいい作品だった。作者は数学に特に造詣の深い人ではないと思うが、登場人物には数学への愛があふれている。数学を「普通の人には縁遠い、取っ付きにくいもの」として扱わず、博士の言葉と語り手の目を通じて数学のコアの部分を伝えられている気がする。奇妙に映る博士の行動もうまく受け止められている。そして静かに物語は進む。この話をゆったりと読むのは豊かな体験である。
2投稿日: 2025.08.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何度目かの再読。本当に好きな本。 素数が好きになったきっかけの本でもあります。 友愛数のくだりとか感動したなぁ… 数学のイメージって、芸術に近いものがある、と聞いたことがある(だから実学の工学部ではなく、理学部にて学ぶ)んだけど、それを体現するような博士の数学に関する説明や表現方法だなと感じた。 作者の小川洋子氏は数学者の藤原正彦氏に取材に行ったとのことだけど、江夏の背番号28が完全数であることとかは完全に小川洋子氏の発見みたい。すごいよね。発想も描写も。鳥肌です。 ラスト付近、博士周りの人間関係について多くを語らないところも好き。それでも滲み出る感情。
1投稿日: 2025.08.20
powered by ブクログ数学と言うテーマに加え、記憶や野球や料理、また登場人物たちを通して、我々は人生を発明したり自ら力強く開拓していくわけではなく、すでにそこに存在している目に見えない大事な何かを発見すると言う事を改めて感じる事が出来ました。 登場人物たちは、お金持ちでもないし、不恰好だし、誰もが羨む様な人生ではないかもしれませんが、大事なものを見つけて確かに自分の人生を生きていました。
0投稿日: 2025.08.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
記憶が80分しか持たない博士と家政婦の私、そしてその息子のルート。全体を通して、3人の人情味あふれる温かな話でした。 いつもの小川洋子作品なら、途中でもっとエグみがあるんだけどなぁと思いながら読みすすめていたら…やっぱりありました、未亡人の謎! なんで家政婦に対してあのような態度をとるのか?と何となく疑問が残り続けていましたが、嫉妬やその背景にあるさまざまな感情の発露からだったのだと。そう思いながらところどころ読み返してみると、博士と未亡人の間にある暖かくも切ない背景の存在にうっすらと気づきました。 そういった登場人物の背景には直接触れることはなくとも、その背景を文章で想像させる事が出来るのは流石だと思いました。 また、小説を読んでいる自分の想像力に物語が大いに委ねられていると感じ、読書って豊かだなぁと再確認しました。もっと自由な読み方をしていきたい。 また何度も読むと思う。
0投稿日: 2025.08.19
powered by ブクログ数学に対する信頼と愛情 博士の日常の切なさ ママとルートと博士の穏やかな時間 過ぎ去った愛情 日々に感謝して穏やかに過ごせる人間でありたい
0投稿日: 2025.08.18
powered by ブクログやっぱり名作だった。何年も前に読んだけれど、もう一度読めて本当に良かった。 一冊の本を何度でも読むことができる永遠の時間があればいいのに。
0投稿日: 2025.08.18
powered by ブクログ最初は理系心をくすぐるタイトルから手に取り、夏の読書として購入した。個人的には起承転結の起伏が少なめの作品に感じたが、読了後の心地の良い余韻が印象に残った。依頼者と家政婦といった関係には収まらない、お互いを気遣う関係が新しい形の「家族」のように感じられ、心が温かくなった。 数学の知識、魅力を専門外の人に寄り添いながら教える「博士」の姿勢はぜひ見習いたい。
0投稿日: 2025.08.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
星4.0 数学は好きでも嫌いでもないが、答えがひとつであることと、途中式がキレイに並んで解答欄にピシッと姿勢よく収まっている気持ちよさ、そんな感覚は悪くないと思っていた。 学生の頃。 ただ、高校数学の一部はマジで難しかったな。 わけわからんのは、ずっとわけわからんまま。 博士と家政婦とその息子の物語。 読み進める道中、ほとんど完璧ではないでしょうか、という面白さでした。 小川洋子さんの作品は初めて。 無駄がなくスラスラ読める中に、美しかったり可愛かったりカッコよかったりする表現が散りばめられている印象。 スラスラと読み進められる。 だからこそ数字を擬人化したような表現もスッと入ってくるし、まるで数字が感情をもってるかのように感じられて、こっちも愛しくなってくる。 物語としても、主な登場人物が 博士、家政婦、息子、未亡人 の四人で、それぞれのキャラクターも立っているし魅力がある。 家政婦が博士のリズムをとらえて数学の魅力を感じ始めてから、そして、博士と家政婦と息子の日常が回転し始めてからとにかくほっこりするし、読んでいて自然と微笑んでしまう。 こういう物語は、起承転結でいう「転」 アクシデントがあって、ほっこり関係が崩れそうなると本当にハラハラする。 ミステリやサスペンスなんかのおどろおどろしいものより、よっぽどハラハラする。 やだー、やめてー、って。 これは登場人物たちが愛しくなってる証拠。 この人たち、愛しくなる人たちです。 ひとつの「転」は、家政婦として担当を外されるところ。ここは、はやく!はやくなんとかしてくれと。 そして、終盤の歯医者の帰り道。 ここは、博士の80分が崩れ始めた予兆だった。 ただ、物語として心揺さぶられるところとして、また誠実だと思えるのは、博士が目覚めてから80分の事実に絶望するシーン。 毎朝、博士は記憶が80分しかもたないことを知り絶望する。毎朝、毎朝。 この絶望は、感情移入せざるをえない。 「博士の愛した数式」 その数式は物語に登場する数学の知識の中で最も難解なものだった。 家政婦が調べてある程度は説明がされるけれど、これはバリバリ現役で数学を学んでいる人しか理解できないものかもしれない。 ただ、まるで繋がりのない者たちが繋がって美しく秩序を保っている、あるいは、美しく成り立っている、そんな解釈をした。 博士の80分が崩壊した後も、すべてが壊れるわけではなく、三人の関係、そして未亡人も含めて関係が保たれていることが、ずっと変わらず矛盾なく存在しつづける数式と重なっていると感じられ、なお、数学の美しさを教えられたような気持ちになった。 そこに大きな答えがあるわけではなくとも、それが間違っていようとも、とにかく読んでる中で登場人物たちが美しく愛しく感じられたのでとても面白かったです。 実写化されてるようだけど、きついんじゃないかな、とも思う。 文体の美しさまで表現できないと、物語として平坦なものになってしまいそう。 そういう意味で、小川洋子さん、すごいです。
4投稿日: 2025.08.17
powered by ブクログ博士は80分ごとに記憶を失っても数式の美しさ、ルートや家政婦さんとの交流を通じて喜びを見いだしている。 この本は「今を生きる」ことの素晴らしさ、繰り返される日常の中にこそ豊かさがあることを教えてくれる。 私も日々の生活の中で新しい発見や喜びを見つけていければより豊かな人生を送ることができるかな。 博士のように、一つ一つの瞬間を大切に、感謝の気持ちを持って過ごすことが、人生をより豊かにする秘訣なのかも。
0投稿日: 2025.08.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
〜1周目〜 2021.09.23 物語を読み進めるにつれて博士の人柄や、数学に対する姿勢などがより顕著になる。 それと博士の思い出の中にはルートたちは出てくることはないということも同時に思い知らされる。
0投稿日: 2025.08.16
powered by ブクログ老人と子どもの交流。「銀の匙」や「夏の庭」を彷彿とさせる。老人との別れを予感させる描写が絶えず心に重く響く。
0投稿日: 2025.08.15
powered by ブクログ素敵なストーリーでした! 広がりが無さそうな無茶な枠組みと思いつつ、読み進める事に、その設定が上手くストーリーを後押ししているような(生意気言いますたまに) 博士の病気が悔しいと思った時には既に小説の中にどっぷりです。 何となくバックトゥザフューチャー好きとしては博士がエメットブラウン感覚で読み進められて、より良かったです。 後書きが協力された数学者なのも素敵。
23投稿日: 2025.08.15
powered by ブクログ文庫は苦手です。数学は好きです。この本は、数学の言葉で描かれているところがあり、最後まで読めました。 数学をしているとちっぽけで役たたずで、生きている価値もないような気持ちになります。 それを美しいとか謙虚とか、肯定的に受け止めてくれている「私」の言葉で、胸が苦しくなりました。 同時に、数学をしていてもいいのだとほっとしました。私は数学が好きで、数学をしていても良いのだと思いました。
1投稿日: 2025.08.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
再読。いくつか小説を読んできたなかでもこの作品は一番好きといっても良い。しかし、なぜ好きなのか説明できない。 この物語は私(家政婦さん)の回想で描かれている。だから現在の状況を初めからある程度推察できてしまうのも惹かれる原因なのだろうか。 登場人物は主に3人、事故で80分しか記憶を保つことができない数学者の博士とシングルマザーの家政婦の私と10歳の息子(頭の形が平らだから√(ルート))。 彼らの名前は明かされず、3人が小さな離れの中で共有したひとときの時間が描かれているだけ。 この物語では殺人や事件、ド派手なアクションも起こらない。 博士は数学者のため数学についての知識は豊富だがそれ以外の所作(食べ物の食べ方が汚いとかにんじんが嫌い、過剰すぎるほど心配性)などの人間味も愛らしい。 毎朝、新しい家政婦さんとして対面する博士や私、ルートの気持ちを考えると悲しくはあるが、博士との数字を通しての日々は博士は忘れてしまっても私やルートには残り続けるのだろう。 数学の美しさについて問われた場面で「なぜ星が美しいか、誰も説明できないように、数学の美を表現するのも困難だ」という博士の言葉が印象に残っている。 授業でめっちゃ良いの書けたから追記 この本を端的に表すと、とても悲しくしかしとても暖かい物語です。 この本は幸せとは何か、愛とは何かを教えてくれる作品だと思います。 設定はとても暗いです。登場人物は主に3人で、80分しか記憶が持たない数学者である博士、シングルマザーの家政婦とその息子です。お金持ちであるとか、社会的地位があるといった描写はありませんし、博士はカビの生えた靴を履いたり、体中には大量のメモがクリップで留めてあるなど、ひと言で言えば変な人です。 しかし、この物語では家政婦である私とその息子は全く嫌がることなく博士を受け入れ、博士もまた、彼らに愛情を注いでおり、私は読んだ後にとても幸せな気持ちになりました。 選んだ理由 この本では事件や殺人はありません。派手なアクションもありません。登場人物の名前も明かされません。 日常が進んでいきます。しかしだからこそ、自分のことのように感じられるのかもしれないし、この物語に惹かれたのだと思います。 この本をおおすめする人は数学が好きな人、数学が嫌いな人、人間関係に疲れた人です。 博士は数学が唯一のコミュニケーションのツールですが、それに美しさを見出せる人であり、私も数学は苦手ですが、この本を読んだ後は素数を探したりしたくなりました。 また女性の書いたとても柔らかく暖かい物語なので読んで疲れたり暗くなったりしないので社会のいざこざから離れて物語の世界に入ってみるのもおすすめします。
0投稿日: 2025.08.14
powered by ブクログ「実生活の役に立たないからこそ、数学の秩序は美しいのだ」 数字を愛おしむ博士のまなざしは、効率や損得では測れない、純粋で揺るがない世界を映していた気がする。わたしは数式をみても「なんやこれσ(^_^;)?」ってなるだけ、、、 息子のルートも優しい子、とっても心温まるお話でした!
29投稿日: 2025.08.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
博士の純粋な数字とルートに対する深い愛情と、数学の面白さに触れられる作品でした。 3人が織りなす相手に寄り添う温かい空気感。博士の記憶障害と向き合わなければならない毎日、メモだらけの姿にどうにかその場に順応しようと言う博士の気遣いの人柄と話の中で見られる人に迷惑をかけることへの恐怖に近い拒否感、博士のテープが壊れていく過程の切なさが重なり合いさらに切なく感じました。 最後は未亡人が博士に寄り添えるようになって良かったですし、博士の数字への愛がルートを通じてたくさんの子供達に伝わるといいなと思いました。
0投稿日: 2025.08.13
powered by ブクログ博士が愛おしく、ルート少年が健気で美しい。 早く続きが読みたくて、電車で読んでいて、え、もうこの駅?となるほど没入してしまった。 家政婦という絶対的な他者である枠組みを超えて、献身的に尽くす動機は家族にも似ている。介護されるべき相手、庇護されるべき相手、名前のつかないそのまとまりは友だち。
0投稿日: 2025.08.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「君はルートだよ。どんな数字でも嫌がらず自分の中にかくまってやる、実に寛大な記号、ルートだ」 カフネ購入時に阿部さんのインタビューでこの作品が話題に上がっており、同時購入。 ずっと気になってはいたが読めていなかった本。こんなにあたたかくて優しくて静かな物語だったなんて。もっと早くに出会ってお守りとしてもっていたかった。 私は数学が不得意ながらも好きなので、そもそも数学を大切に扱いおもしろく伝え、うつくしさを表している本のことが好きです。『浜松渚の計算ノート』とか。こういう本を読んだあとは、新たな素数を見つけてみたくなったり、公式を解いてみたりしたくなる。 また、ルートが誰しもから慈しまれていて、私は大泣き。電車の中で必死に涙を拭く。子どもは愛されるべきであり、尊重されるべきなので。それが徹底されていて本当に嬉しい。 「自分のおかずがルートよりも多いと、博士は顔を曇らせ、私に注意した。魚の切り身でもステーキでも西瓜でも、最上の部位は最年少の者へ、という信念を貫いた。懸賞問題の考察が佳境に入っている時でさえ、ルートのためにはいつでも無制限の時間が用意されていた。何であれ彼から質問されるのを喜んだ。子供は大人よりずっと難しい問題で悩んでいると信じていた。ただ単に正確な答えを示すだけでなく、質問した相手に誇りを与えることができた。ルートは導き出された答えを前に、その答えの見事さだけでなく、ああ、自分は何と立派な質問をしたのだろう、という思いに酔った」 『博士の愛した数式』p200,201より ↑特に大好き文章 また、ルートの賢さが、更に博士と交流を深められている所以でもあるのだろう(もちろん博士はどんな子どもにも敬意をもって穏やかに接し、その子を愛しますが)。博士がルートを大事にしているからこそ、ルートも博士を大事にして、そこのサイクルが何度だって生まれる。ルートは彼の病気について理解を示し、注意深く観察しながらも決して余計な気の使い方はせず、愛情を注いでいる。きっとそれは最期まで変わらなかった。 切なさもあるけれど、やっぱり優しいお話だ。登場人物全員のことが、大好き。
1投稿日: 2025.08.07
