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博士の愛した数式
博士の愛した数式
小川洋子/新潮社
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総合評価

2471件)
4.1
913
874
501
53
4
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    読み終えて、まず心に浮かんだのは 「凄い」という言葉だった。 物語としての完成度はもちろんだが、 小川洋子さんの数学への深い理解と、それを文学として昇華させる力に、 ただただ圧倒された。 物語の中心にいるのは、 不慮の事故によって、ある時期以降の記憶が80分しかもたない数学博士。 博士のもとにやって来る家政婦と、その息子・ルート。 この三人が、数学を通じて少しずつ関係を結んでいく様子は、 どこか不思議で、けれどとても静かで美しい。 読み進めていくうちに、 博士の人間像が少しずつ浮かび上がってくる。 数字や数式に対する純粋なまなざし、 誠実で、子どものように無垢な心。 最初は風変わりな人物として描かれていた博士が、 いつの間にか愛すべき存在に変わっていることに気づかされる。 その感覚は、家政婦やルートが抱いていく思いと、 きっと重なっているのだと思う。 この作品は、数学の美しさや奥深さを語る物語でもある。 けれどそれ以上に心に残ったのは、 数学を媒介として描かれる、人と人との関係性だった。 血のつながりがなくても、 記憶が続かなくても、 人は誰かを思い、慈しみ、 確かな絆を育んでいけるのだということ。 劇的な展開があるわけではない。 大きな感情の起伏を煽る物語でもない。 それでも、読み終えたあとには、 胸の奥に静かなあたたかさが残る。 数学の厳密さと、人の心のやわらかさ。 その両方を、これほど美しく同じ物語の中に描いた作品は、なかなかないのではないだろうか。 「凄い」という言葉の中に、感動と敬意と、やさしい余韻がすべて含まれている。 そんな一冊だった。

    11
    投稿日: 2026.01.17
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    解説や考察を読んで、この本に秘められた魅力を感じることができた。 最近はミステリーとかどんでん返しとか、そういった分かりやすい面白さがある小説を読んでいたので、純文学を楽しむにはもう少し時間をかけて本を読み解く必要があるのだと感じた。 読み返してみると、たくさんの伏線があって、よくできた構成だと感心する。 正直読み終えた直後の感動はそこまでだったけど、これは時間をおいて後から色々考えると、とんでもなく面白い小説だったのだということが分かった。第一回本屋大賞受賞というのは納得である。 また違うタイミングで読みたいと思える小説だった。

    2
    投稿日: 2026.01.17
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    音が聞こえてくる小説だと思った ひとつひとつの所作が丁寧に丹念に描かれていて リズムがそこにはあると感じた 無駄がないことも美しさ

    2
    投稿日: 2026.01.17
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    80分しか持たない記憶、家庭環境、過去の叶わぬ恋など一見すると悲しい側面ばかりだが、3人の関係が美しく描かれていて、優しさに溢れた本。とても良い本に出会えた

    2
    投稿日: 2026.01.16
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    第1回本屋大賞受賞作でしかも 自分の生まれ年2004年に受賞してるから、 絶対に読みたかった本をやっと読了! すごいほんわかした 最近ミステリーばかり読んでるから、 久しぶりに綺麗な感情に包まれて幸せでした そして、物語に登場する博士がだんだん 夏目漱石「こころ」の先生に見えてきてた笑 どっちも純文学だからか同じ雰囲気を感じた笑 ルートくん大人だったなあ、、 大人より大人だったなあ、 空気を読むのが得意なんだね 数学がテーマの小説をあまり読んだことがないから、少し新鮮でそれも楽しかった! 自分もこれから色んな数字を見つけて、それが 素数かどうかをすぐ調べずに計算で正解を見つけて 見たいと思いました笑

    2
    投稿日: 2026.01.15
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    博士と家政婦とルートの、家族とも友達ともまた違う温かい関係性がとても良かった! 登場人物全員良い人だった。 数学の美しさがちょっとわかったような、、、全然理解できてないような、、、

    1
    投稿日: 2026.01.14
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    純文学はオチが無いので自分にはあまり楽しめなかったが終始スラスラ読めた。いちいちドキドキして次の展開はどうなるだろうと気になってページを進めるも特に大きな展開はやってこないという期待外れの連続だったのだが、何故かページを捲る手は止まらず読了。博士は頭が良いはずなのでルートと私がする色んな配慮に気づいてた!みたいなオチを期待していた。187ページでオイラーの公式が出たときに未亡人が黙った意味がわからなかった。

    1
    投稿日: 2026.01.12
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    小川洋子の書くお話は決まってぴったりと終わる。果てしなく連綿と続いていくようで、しっかりとその1行前でも後でもない位置で、確かに終了の合図が打たれる。決まってじんわりと胸が温かくなる。 小川洋子の文体は時に私たちや博士やルートたちを抱き寄せるようで、と思うと時に突き放すようで、そのバランスが美しい。それらを足し合わせると必ずイコールゼロになるようになっている。美しい。 「本当に正しい証明は、一分の隙もない完全な強固さとしなやかさが、矛盾せず調和しているものなのだ」。彼女自身が書いたこの1文が、奇しくも彼女の書く文章のすべてを見事に言い表している。

    1
    投稿日: 2026.01.12
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    「ぼくの記憶は80分しかもたない」博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた―――記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。 ⋯⋯⋯久々に泣いた。

    2
    投稿日: 2026.01.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読みやすかった。 博士と、博士の家に来た家政婦、家政婦の息子の3人の登場人物。博士のお家を中心に進行するお話。 感動する本として紹介されていたため読んでみたが、あまり刺さらなかった。

    0
    投稿日: 2026.01.11
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    記憶障害の老数学者とシングルマザーの家政婦親子との交流を描いたストーリー。話の展開が適度に予想を外していて、展開のスピードもちょうど良い。さらっと読めるが、ある程度の充実感がある。

    0
    投稿日: 2026.01.09
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    数学は理系に分類されるが、突き詰めればそれは文学と言えるのではないかと思わされた。 記憶が正常な頃の博士の人間性も知りたかった。

    0
    投稿日: 2026.01.08
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    eのπℹ︎乗+1=0 「無関係にしか見えない数の間に、自然な結び付きを発見した」と表現されていたオイラーの定理。どうやら美しいらしい、この定理。 最初は博士の言う、数字は「気が付いた時には、もう既にそこにあった」に懐疑心を抱いていたけど、確かにそうかも。循環しない無理数を、同じく循環しない無理数のπと虚数で累乗し、1を足したら=0になるこの数式が、ただの偶然には思えない。もしかして世界の在り方そのものを表しているんじゃないか…?とさえ思えてくる。そして、些細で周知の気づきを素晴らしい発見だと感嘆できる博士の数学観。何かに魅せられている、を体現した人物だった

    0
    投稿日: 2026.01.07
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    博士を博士と呼ぶことの愛情みたいなものがよかった。 博士みたいな、あんまり人を受け入れることを簡単には出来なさそうな人が人と触れ合うことの奥ゆかしさがいい。

    0
    投稿日: 2026.01.07
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    再読 一度目よりも物語を楽しめた。数字や数学が得意でないのだが、それでも何とか理解しようと努めた。結局数学についてはよくわからなかったけれど、物語の世界観は伝わってきた。

    14
    投稿日: 2026.01.07
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    優しさを考えた本でした。 文章から、先を想像させる箇所がいくつかありましたが、予測とは違うことが心地よく、余韻があったり、とてもよかったです。

    2
    投稿日: 2026.01.06
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    なかなかにクセのつよい博士に対して、勝手にイライラしてしまう心の狭い自分が消えていった。へんてこな視点だが、そう感じた。 そして三人をつなぐものたちがスパイスを与え、リアルを添えていた。 読み終えた今、タイトルにある愛という言葉が深く胸に響いている。 とにかくこの物語は、あたたかい。

    1
    投稿日: 2026.01.05
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    確か面白かった その2人と博士でないと送れない日常がそこにはあった。考えを変える様子やここに至った経緯、お互いを尊重し合う関係など、見ていて癒された。同時に涙ほろりの瞬間も訪れた。必ず再読する

    1
    投稿日: 2026.01.05
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    人によって恋愛話に持っていく人もいるが、断じて違うと思う。恋愛でも情けでもない、あたたかな関係性の話である。数学の部分はわからなければ正直飛ばしても良いと思った。あくまでスパイスであり、理解すればより面白いだろうし理解しなくてもそう言った世界もある、で読むと良い。

    0
    投稿日: 2026.01.03
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    数式を美しいと思える感性が、読む前の自分には信じられなかった。しかし、博士の言葉一つ一つに触れるうちに、次第に数字の魅力や数式の捉え方に心を打たれ、数式の美しさにわずかながらも気づくことができたように思う。 このような小説を数学者でもない著者が書いていることにも驚きを隠せない。数学に限らず、身近なさまざまな出来事や物事に対しても、著者は独自の感性で美しさを見出しているのだろう。その感性がとても羨ましく感じられた。

    0
    投稿日: 2026.01.02
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    最初は博士は冷酷て無愛想な人間かと思ったが、人に迷惑をかけないための博士なりの行動だったと知った時は心が温まった。子供思いなところも良いなと思った。

    0
    投稿日: 2026.01.02
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    主な登場人物がことごとく愛情深い。そして切ない。 数字がこんなに愛おしい日が来てしまうとは思わなかった。

    0
    投稿日: 2026.01.02
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    博士の優しさがわかった後は読むのをやめられなかった。 彼の運命に切なくて涙しながらも、 彼のひたむきな純粋な強さ、それでも好きなものに打ち込む姿から目が話せなかった。 全てに意味を見つけようとする過程こそが生きる事でもあるような。 他者(主人公と特にその息子)との好意、親密の深さは、思い出の数だけではなく、 美しいもの発見したり、好きなものを共有したり大事にしあったときの喜び一瞬一瞬が輝く素敵なものだった。 どんなバラバラな関係でも弱者(子供)には いっぱいの愛を与えるは無条件であり当然の事だ。時計の針を逆転するようにスタートに戻る。 なるほど eπi+1=0 博士自身の存在証明みたいだ そしてそれはそのまま主人公と重なる 美しいね 音と物語と数式が調和している 凄いな 主人公が11個目の星を与えられたのもあとから思えば素敵だしいろんなギミックがあった 読了後に私にも 汚されたくない美と静けさがあった。 博士は男女の愛や、彼の数学への挑戦は制限されてしまう人生になったけれど、どんなものも個性的な素数も包み込むルートらとの出会いは何にも変えがたいものとなる 数学の真理を体現するもので救いがあった。 思いやりにあふれ、心温まるよく考えられた良い物語だった。 頭のいい人には、人を愛するとかできず、他人を見下すような冷たいイメージをもってるのですが、博士のような天才もいるのでしょうか 初読みでした。 昔テレビでやっていた映画を途中から見た気がしていたのと、数学が苦手なのでずっと読んでなかった本。 やっぱり名著。

    14
    投稿日: 2026.01.01
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    80分間しか記憶の保持ができない老数学者・博士と、彼の家にら家政婦として派遣された私と、その一人息子である11歳のルートの話。 とても心温まるストーリーだった。 博士の数字と子どもと江夏への想い、私とルートの博士への想い、そのどれもが温かすぎて、この本一冊が慈しみに溢れている感覚になる。 博士と義姉との関係性であったり、私が博士に抱いている気持ちだったり、想像力を掻き立てられる。全てを語らず、文章の片隅に読者の想像力を刺激する仕掛けがしてある。結構好きかも。 小川さんの文章、もっと読みたくなる。

    2
    投稿日: 2025.12.31
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    心温まる素敵な小説でした。 80分しか記憶がもたない博士は、読んでいて辛くて切なくなる場面もあります。 男女の恋愛でもなく、家族愛でもない。 それでも10歳の男の子(ルート)を中心にまわる生活は優しくて、幸せな気持ちになりました。

    1
    投稿日: 2025.12.26
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    数学の美しさ、面白さが詰まった作品。 数学は発明とは違って、発見できる喜びである。 世の中はこんなに数学で溢れているのか。 完全数28 しばらくロッカーの番号になりそうだ。

    13
    投稿日: 2025.12.26
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    心が温かくなる不思議な読後感。 大きな盛り上がりや緊迫感はない。 大きな感動?とも言えない。 ただただ優しい言葉が並び、心が癒される。 そんな小説。

    0
    投稿日: 2025.12.26
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    記憶が80分しかもたない博士と、家政婦である私、その息子との静かな日々を描いた物語。 数式が人と人をつなぐという設定は穏やかで、どこか距離を保った優しさがある。 なかでも、江夏の28という数字に意味が重なっていく場面が強く印象に残った。 私自身、江夏の大ファンということもあり、その数字がただの記号ではなく、記憶や敬意として扱われていることに感謝と共に大きな喜びを感じた。 そうした後にいつまでもこの柔らかな記憶が残りますようにと願いながら、大切なものを置いていくよう気持ちで静かにページを閉じた。

    3
    投稿日: 2025.12.22
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    「博士の愛した数式」と過去形になっているように、また"私"が時々回想するように語るのでどこかの時点で博士なる人物がいなくなることは予想していた。でもその消失は心に重く刺さるものではなく、流れの中の必然と受け止めることができた。 日々の彩りをこんなに鮮やかに描けるものかと感嘆してしまう。数字を通したつながりは彩りに満ちたものだった。残念ながら私は数字に弱く、計算なんてもってのほかな人間であるので計算式や数字の関係性について、美しさを見出すことが出来なかった。そしてまた野球に対しての情熱も数字と同じような熱量である。それでも博士と私、ルートのと間にあった偶然の数字達はかけがえのないものだった。

    1
    投稿日: 2025.12.21
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    第1回本屋大賞を獲得した有名すぎる小説。 ようやく手に取りました。 事故で80分しか記憶が続かなくなってしまった老数学者、そこへ派遣されてきた家政婦、さらにその10歳の息子、3人の単純でない関係が始まった・・・ 日常生活を送ることさえ困難な老人を中心に据えていることでハプニングの予感しかしないですが、その通りに何やかんや事故・事件が起きる中でここにしかない3人の繋がりが育まれていく様子は、悲しくも温かい純文学でした。 老人と親子との関係は、人情、友情、家族愛、尊敬、様々な感情が融合した単純な言語化が難しいもので、読者に複雑な思いを抱かせ、独特の余韻が残ります。 私がひねくれているのか、良くできたストーリーの流れにやや出来すぎ感はありましたが、真っ直ぐに向き合って面白い小説ということだと思います。 ★4.5

    14
    投稿日: 2025.12.21
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    数学や算数が苦手だった方も楽しめる一冊です。おもわず、一緒に計算をしたくなる、その数式本当か??と気づいたら手元にあった紙で数字を書いてします! 私は感動というより、心が温かなる話しでした。

    2
    投稿日: 2025.12.20
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    数学と小説、どちらも対照的であるコンテンツをうまく掛け合わせていて本当に面白かった。何よりも設定がページをめくる意欲を掻き立てた。

    0
    投稿日: 2025.12.19
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    数字に対する知的好奇心を刺激される素晴らしい作品でした。 日常の中で扱う何気ない数字を調べてみたくなりました。 本誌の発売日である2005年11月27日を構成する数字を考えてみた。 2005=401×5、11は素数、27=3×3×3 あれ、401は素数だろうか?それとも約数があるのだろうか?いや、素数だった。 この本を読むと、こういう遊びが楽しくなる。 文学を読みながら、知らなかった世界を知れたことに感動した作品でした。

    12
    投稿日: 2025.12.18
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    「数字は世界共通言語」ということを思い出しました。 3人の心温まるヒューマンドラマの種として、数学が輝きます。 数式はたくさん出てきますが、数学に明るくなくても読めます。 ただ、数学に興味がある人の方がより面白い作品であると感じられるかと思います。

    0
    投稿日: 2025.12.18
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    愛と一言で言っても、いくつも種類があると思う、ではこの優しい世界に生まれた愛は――博士、未亡人、「私」、ルート、素数、数学、すべてを取り巻く愛は—―果たしてなんと形容すべきものか。それに正解はない。正解なくとも、博士のよく使う言葉、”真実”であると思う。 解説で数学者の方が述べられた、こんな言葉がある。「数学と文学を結婚させた」。私は数学が大嫌いだ。苦手なんてものではない。数学と、数学が好きな人間ろも、一生分かり合えないと思っていた。反対に、文学は昔から好きだった。だからその一言は、この物語を読む前ならありえない言葉のはずだった。しかし私がその言葉に触れたのはすべて読み終えたあとだったので、私は「ああ、正にそうだ。よく言ってくれた」と手のひら返しのように感嘆した。 よく数学に秩序があるというが、私はこじつけのように思っていた。無理数の存在がある時点で、秩序などないだろうと。そんな頑固な私の心は、わりと序盤のうちに博士にあっけなくこじ開けられ、ほぐされてしまった。それは、ただ数学的センスがあるだけでも、知識があるだけでも、そして数学への愛があるだけでも無理だったはずだ。それを可能にするのはただひとつ、温かな優しさだ。博士にはそれがあった。 私は嬉しかった。博士の数学についての話が理解できるときが。「こんな知識使わないのに」といやいやでも数学をやった日が、喜びへかわることが。そしてそうさせたのは、私が大好きな文学の力で、それはきっと、奇跡のように希望に満ちたことだ。 いとおしいと思った。博士や未亡人や「私」やルートや素数や数学が。私の心にも、名前こそ付けられないが、たしかに彼らと同じ種類の愛が、宿った気がした。

    0
    投稿日: 2025.12.18
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    記憶が80分しか持たない、数学を愛した博士と、家政婦として働く女性、その息子であるルートの物語。 特に博士とルートの関係性に心が暖かくなりました。 そして、博士が純粋に、数式が大好きなんだなという気持ちがひしひしと伝わってきて、人生でこんなに愛するものがあるって、すごく幸せだなと感じました。

    0
    投稿日: 2025.12.15
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    あまりに悲しくもあたたかく、尊い愛の物語。 数字と愛情がたくさん散りばめられていて 読んでいてずっと、切なくも幸せでした。 博士の繰り広げる数式が レース模様と比喩されるように、 登場人物間の愛と数学が絡み合わされ 博士の記憶が80分しかもたないという儚さや 愛する存在を想う繊細な優しさから、 物語自体が、レースの編み模様。 読み終えたその瞬間は、一旦涙を拭って なんとなくまたページをパラパラと戻って 読んでみたり、ぼーっとしてみたり… じんわりとただただ浸りたくなるような心地。 読書感想文を原稿用紙に、さあ書いてくださいと 言われたとしても、わたしには言葉にするのが難しいかもしれない…

    4
    投稿日: 2025.12.15
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    期待をし過ぎたかな。 数の世界をそこまで楽しめなかったのが理由か。 ストーリーもほとんど登場人物も多くないので意外性がないように感じる。 みんなはどこを読んで高評価だったのか気になる。 どこか僕の理解できていない部分で興味深い部分が他にあったのだろうか。 決して面白くなくはないのだが、世紀の傑作と呼ばれるほどではなかった。 理系の人ならもっと楽しめたのかも。

    0
    投稿日: 2025.12.14
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    80分しか記憶が保たない博士とその家政婦・子供との奇妙な物語。 数学の軸にしたコミュニケーションに最初は戸惑いながらも、時間をかけてその美しさを知っていく様や記憶が引き継げないはずなのに、確かに存在する博士の変化を感じられる部分がとても良い。 美しく、暖かい気持ちと差し込まれる切なさに惹き込まれる作品でした。

    0
    投稿日: 2025.12.14
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    物事の本質の重要性に気づかされ、 数式の魅力に惹きつけられた。 オイラーの公式:複雑なことは、+1で静寂になる。自分も扱ってきた数式だが、とても納得する表現であった。大人になりつつある今だからこそ、疑問を抱く気持ちを忘れずに生活していきたい。

    1
    投稿日: 2025.12.11
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    80分しか記憶がもたない数学者と、家政婦とその息子の絆を描いた物語。派手さはないけど、3人がそれぞれを自分の方法で愛し思いやる姿は心うつものがありました。数の話も面白かったけど、オイラーの公式だけ何を伝えたかったのか読み取れず。。読み飛ばしたかしら。。笑

    12
    投稿日: 2025.12.11
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    博士と女性とその息子の関係はきっと宝物で、お互いにとってよかったと思える出会いはうらやましく思います。

    0
    投稿日: 2025.12.11
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    派手な出来事はないのに、静かに心を掴まれる物語。 忘れてしまう記憶より、失われない優しさや敬意のほうが強いのかもしれない…。 数字がまるで人の心を持っているように語られて 読み終えたあと、心に余白ができた感覚になりました。

    0
    投稿日: 2025.12.10
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    80分しか記憶が持たない数学者の博士と家政婦の私とその息子の話。 記憶が続かないながらも、数字の意味を教えてもらう度に友人として距離が縮まる3人にとても温かな気持ちになった。 ところどころで説明される数字や式に、学生時代の懐かしさを覚えながら読みつつも、当時はそんなに深い意味を考えてなかったなと少し後悔。 読めば読むほど深みが増す良い作品。

    18
    投稿日: 2025.12.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    博士と少年の純粋な愛を描いたヒューマンドラマ___ 博士は数学以外のことには無関心かと思いきや、特に血の繋がっているわけでもない子ども(ルート)に対して、大きな愛情を持って接してくれる。 博士は学校の先生をしていたから、元々子供が好きだったことが窺える。 博士は数式でメッセージを伝える。 今までの家政婦からは、星が10近く(10回)ほども面倒が見れないと突き放されてしまったのに、新しい家政婦(ルートの母)はめげずに博士の数式を解こうとし、寄り添おうとする。 ルートも計算を諦めたと思ったら、違うアプローチで博士を喜ばせようとしているのだ。 私はこのシーンに強く胸を打たれた。 記憶を失くす度に、博士に対して切なさを感じたが、それでも自分の好きなことに全力を注ぐ博士には小さな希望をもらった。 終盤、時が過ぎてルートも大人になったとき、博士に数学の楽しさを教えてもらったルートが、数学の先生になるのも感動的だった。

    2
    投稿日: 2025.12.09
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    80分の記憶しか保てない博士と家政婦の私、その息子「ルート」が織りなす日常が静謐に描かれていた。会うたび0からリスタートする関係性に毎回胸を締め付けられるけれど、「永遠の真実」である数式が見えない何かを証明し痛みを温かく照らしてくれる。忙しない現実世界でもこういうゆっくりとした繋がりや今この瞬間を大切にしていきたいなと思えた。

    1
    投稿日: 2025.12.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    図書館で借りた本。現住所の最寄りの図書館は絶妙にアクセスしにくい場所にあり、今まで利用していなかったのだが、いざ行ってみるとやはりよかった。あの充実した本の山は読書好きにはたまらない。 本書中にも図書館で数式について調べる場面がある。まだインターネットが本格的に普及する前に書かれた本だから、調べ物は図書館でするのだ。今ならAIに聞くだろう。 最近は古典、というよりもっと広く「名前は聞いたことがあるが読んだことがない本」を中心に読もうと思っており、本書もその一冊。『博士の愛した数式』というタイトルは読書をしない人でもなんとなく聞き覚えがある人が多いのではないだろうか。実際読んでみると、凄くよかった。聞けば第1回本屋大賞であり、発売2ヶ月で100万部を超えたのだとか。文庫版のブクログの登録数も、これを書いている時点で4000件を超えている。それだけ広く知れ渡った本がちゃんと面白いのは、なんだか嬉しい。 語り部である「私」と息子のルート、そして博士。3人の交流には何とも言えない優しい雰囲気があって、ずっと浸っていたかった。博士がルートに示す無条件の愛情は本当に素晴らしい。 「私」と博士の関係もまたよかった。巻末の解説の言葉を借りると、「いつの間にか「私」の心に芽生えた、恋愛とも友情とも違う、家族愛とも敬愛とも少し違う、博士へのほのかな慕情」が、文章の間に漂っている。この小説はこういう感情に名前をつけない。そのままにしておく。それが素晴らしいと思う。漂っているものを切り取って名前を付けると、形が決まって別物になってしまう。 未亡人と義弟である博士との関係もはっきりとは描かれない。読者にも「私」にもなんとなく関係性が想像されるが、これ以上は野暮というものだろう。 しかしそれにしても、数学者というのはこんな風に数字にロマンを感じるものなのだろうか。博士のようにではなくても、数字や数式に心が躍ったりするのだろうな。なんだかちょっと羨ましい。

    6
    投稿日: 2025.12.08
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    記憶が80分しか持たない数学者とその家政婦とその息子のお話。 博士とルートの関係がとても好き。優しさで溢れている。 記憶が80分しか持たない博士の人生は辛いものがあるかもしれないが、ルートとの出会いは忘れてもなおまた築ける関係性がとてもいい。 数学は苦手なので、定理とか数式の話はよくわからない。数式を見てもそれが美しいとはどういう意味なのか、やっぱりわからない。 でもこのお話は終始優しさでできていて、美しいお話だったなと思える。 第一回本屋大賞受賞作。

    50
    投稿日: 2025.12.05
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    家政婦をなりわいとしながら、シングルマザーとして10歳の子供を育てている。派遣された先で出会ったのは、80分しか記憶がもたない数学の博士。だから、毎日の挨拶は初めましてで、博士はきまって、数字のことを訊ねる。「君の靴のサイズはいくつかね」「電話番号は」「誕生日は」「生まれた時の体重は」そして、返ってきた数字の秘密を語る。「4の階乗だ」「一億までの間に存在する素数の数に等しい」「友愛数」「完全数」……。80分ごとに記憶がリセットされる博士と、博士にルート(どんな数字でも嫌がらず自分の中にかくまってやる。実に寛大な記号)という愛称で呼ばれる子供とともに、博士の家で過ごす日々。野球観戦にゆき、病気の看病をし、誕生日を祝う。困難なことの多い日々の中、ささやかな幸せを感じている間に、博士の病気は進行する。 博士は、47歳の時の事故がなければ、数学者として栄誉ある地位についていたかもしれず、また、母屋に住む義姉への恋も成就させていたかもしれない。家政婦もまた、かつて自分を捨てた男(息子の父親)が、なんらかの賞を取ったことを知るところから、たとえばノーベル賞受賞者の妻という地位になった未来も、あったのかもしれない。が、現在の二人は、ぼろぼろの離れで暮らす、ふけだらけの、数学の懸賞に応募することぐらいしかしていない非生産者であり、子供を育てるために、派遣され、雇い主の気分をそこねぬよう働く家政婦である。そんなところで、博士は目をキラキラさせて数字のことを語り、そんな博士を母子は尊敬し、大切に思っている。人を思いやるというとても崇高で、美しい気持ち。博士にプレゼントするため、野球カードを探す母子と、それを受け取ったときの博士の様子。今さらだが、この世でもっとも尊いものを、見せていただいた。そして、映画は見ていないけれど、寺尾聰の博士が目に浮かんだ(はまり役!)。

    7
    投稿日: 2025.12.01
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    本屋大賞をとり、SNSでも高評価で口を揃えて号泣ものだと書かれていましたが私は全くでした。 私が数学が苦手でも物語の素材の一つだろうと読み始めたのですが、野球にも興味がない私にはマイナスからの出発で感動までには行きつきませんでした。

    1
    投稿日: 2025.11.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    博士の数学に対する愛とルートに対する愛情がいいですね(笑)『猫を抱いて象と泳ぐ』もそうでしたが数学や数字、数式がとても美しく感じてしまういい先品でした。友愛数など数学の言葉も良かった。博士のような人に教われば数学好きな人が増えますね。最後は自然に涙が。いい物語でした(笑)色々感じすぎて書きたいけどうまく表現できない事がたくさん(笑)とりあえず映画を借りてこよう(笑)

    1
    投稿日: 2025.11.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    泣きたいとき、誰かの優しさに触れたいときにおすすめの本です。 主人公の女性(母親)とその息子と、記憶が80分しかもたない数学に愛情のあるおじいさんのお話。 心がほっこり温まりますし、最後息子が数学の教員になったというのは、穏やかで幸せな(小説としての)結末だなと思いました。

    0
    投稿日: 2025.11.29
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    博士と義理の姉がどういう関係だったのかや「ルート」がどういう人間だったのかなど、引っかかったままの部分もあるが、そこは本筋ではなかったのだと思う。 博士が見ていた数字という真理の世界の一端を垣間見ることができて面白かった。

    0
    投稿日: 2025.11.29
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    本屋大賞受賞作。全体を通して、博士の魅力に溢れた一冊でした。80分しか記憶が持たない博士と数学やタイガース(江夏)の話題を通じて交流を深めていくさまが、微笑ましかったです。博士とルートがタイガースファンであり、過去の名選手たちの名前が登場する中で時代を感じました。

    4
    投稿日: 2025.11.28
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    数学。大嫌いだった。学生時代それはもう、本当にひどい成績。 それでもこの小説を読んでいて、数学の美しさに触れた気がする。 しかもそれだけではない。鬱陶しくも愛らしい80分しか記憶を持てない「博士」と、家政婦の「私」、その息子「ルート」が紡ぐ友愛が心の中にジワジワと染み入ってきて、気づけば心がフワフワ軽く柔らかくなったような、そんな感覚になっていた。 とはいえ、数学がテーマ。ドキドキもハラハラも、号泣するようなシーンもない。 それでも読み進める度に静かに、疲れた心が癒えていく。 そんな、とても素晴らしい物語だった。

    10
    投稿日: 2025.11.25
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    帯に、「270万人が泣きました。伝説の第1回本屋大賞受賞作」とある。本屋大賞の最初の受賞作であり、映画化もされ、270万部を売り上げている作品ということは、傑作と言ってもよい。私は映画を観ていないが、博士は寺尾聰、家政婦は深津絵里が演じた。   家政婦はシングルマザーで、博士は、子供の名前に、頭の形が数式の√に似ているからルート君と名付ける。博士は数学博士だが、交通事故で記憶が80分しかもたない。この記憶障害があることから、家政婦は色々と難しい対応を迫られる。しかし、この家政婦がとても優しいので博士は幸せに生活できる。この作品の特徴として、博士の専門分野である数学が物語を引き締めている。博士は家政婦の子供ともプロ野球の阪神タイガースを通じて仲良くなる。 物語に馴染むのが難しそうな数学という博士の専門分野が、物語を豊かにしている。数学と文学という相容れなさそうな分野を融合し、博士の記憶障害という大きな特徴が、作者小川洋子という優しい文学者の筆致で表現されて初めて、物語として素晴らしい出来栄えになっている。

    30
    投稿日: 2025.11.25
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    小川洋子さんらしい、静かで少し哀しくて、優しい物語。 ページ数が少ない本なんだけど、博士との温かい交流が細やかに描かれていてとても良かった。 ラストシーンにジーンとくる。

    10
    投稿日: 2025.11.25
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    短時間しか記憶を留めることができない老いた数学者(博士)と、彼の身辺のお手伝いとして雇われた女性、そしてその子供の交流を描いた小説。お手伝いの女性を語り手として話が綴られている。 過度に伏線を張ったり、ドラマチックな演出をすることなく、淡々と物語が進行する。印象に残ったのは、博士がオイラーの等式が書かれたメモで、語り手の女性と博士の義姉の口論を収めるシーンである。この解釈は読者に委ねられているが、様々な分野の数学が一つの式の中に調和していることを示して、互いを尊重するように諭したのだろうか。我ながら、ちょっと安易すぎる解釈な気もする。。 数学者の岡潔氏は、「春宵十話」という本で、数学には情緒が重要と説いていたが、その情緒を描こうとした作品なのだと思う。

    2
    投稿日: 2025.11.24
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    主人公の家政婦と同じくらい自分が数字に魅了されていくのが心地よかった。これから何か数字を選ぶとき完全数28を選びそう。 博士とルートと主人公が野球を見に行くシーンと、誕生日会のシーンが情景がありありと思い浮かんで好き。

    1
    投稿日: 2025.11.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    〜永遠に愛するNへ捧ぐ あなたが忘れてはならない者より〜 N(自然数)は、博士の記憶で永遠に実在するもので、事故以降に出会った私(i=虚数)は存在しないようなものだが、息子ルート(√)は私(i=虚数)を存在させてくれるものではないのかと思いました。永遠の真実は、目に見えない。そこにこそ美しさや愛があるのだと感じました。

    0
    投稿日: 2025.11.22
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    家政婦として訪れた先で出会ったのは曲者の老人。私は数学者である彼を「博士」と呼んだ。かつての事故の影響で記憶に障がいを抱える彼と次第に距離を縮めるが… これはそんな博士と私たち親子の心温まる物語 第一回本屋大賞受賞作という事で気になり読み始めました。 数学者が生涯を捧げるほど魅了される数の世界。その中に点在する美しさは自分からは縁遠いかけ離れた世界のもので一回読んで理解できるものではなかったですが、物語を通して博士が人生の中でどれほどまでに数の世界を愛し没頭したのか、そして彼が培ってきた子供への無償の愛の形を知ることができました。 博士と私とルートの3人。互いが互いを思いやる気持ちに心を温められると同時に博士のような先生に算数や数学の面白さを教わりたかったと月並みに思いました。 問題の難易度に関わらずフェルマーの最終定理が証明できた時ほどの賞賛をくれる先生、子供にとっても大人にとっても理想の指導者です!

    0
    投稿日: 2025.11.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    話の展開が急なわけでもなく、なにか特別なことがある訳では無いのに読後の達成感は凄くあって、物語が終わりに近付いて来るとドキドキした。 家政婦である「私」の博士に対する感情が恋愛なのか情なのか、憧れなのか何なのかは最後まで分からなかったが、何かしらの愛の形なんだろうなと思った。

    2
    投稿日: 2025.11.18
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    友愛数 刺激に溢れたコンテンツからは得られない読了感。 ただ刺激まみれの方が好みではある、エクスペンダブルズみーよお。

    0
    投稿日: 2025.11.17
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    10年近く前に読んだものの、内容をすっかり忘れてしまったため再読。 「博士の愛した数式」という美しい題名が表すとおりの優しい物語だった。

    3
    投稿日: 2025.11.16
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    原作も映画も両方好きな数少ない作品 ストーリーがいいのはもちろんだけど、完全数とかの代数の知識が得られて楽しい

    1
    投稿日: 2025.11.14
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    1周目 後半はずっと泣いていた 最後のページは読み終わるのが惜しくて更に泣いた 読み終わったあとは、何故か水彩画のような小説だと感じた 小さい頃母親が好きで家に飾ってあったいわさきちひろの水彩画の少女のことを、急に思い出した この10数年全く覚えていなかったのに 水彩画に感じる温かみを、同じように小説に感じた 純文学は難解なことが多くて苦手に感じていたけど、この作品で少し近づけた気がした (それでも理解が難しい描写も多々あったが) 脳で思考するのではなく、心で小説を読むとはこういう感覚なのだろうか 心は脳の信号だとナブナさんは言ったが、体感的には心で直接温かさを受け取っていた 詳しい事実が語られないことが多い中、こんなにも人の愛が表現されている 解説の、「数学と文学を結婚させた」という表現に言葉を失った 1週間少したち、 軽く2週目 相変わらず温かい愛がそこにある 感想は細分化することが大事だとメモにとっているが、この作品においては、むしろ、 ぼやけたままのほうが良いのではないかとすら思う 言語化の必要性を感じないくらい心が安心している また再読した時に何を考えるのかが楽しみである (悔しくも?)少し思考が浮かんだ部分 派遣家政婦の仕事は行きずりであり、冷たさに過剰に心を使わないようにしていたという描写があることにより、 80分しか記憶されない冷たい事実と 過ごした中身の濃さのギャップがより引きたっている 神様のレース編みの描写、なんと美しい表現をするのかと感嘆 オイラーの公式、2週目で理解度が少し上がったが、 これに気づいた人はものすごい 並の人間には到底見つけられない神のレース編みである 三角数の美しさ、精巧さにも驚いた 数字がこんなに綺麗な法則を持ち合わせているとは 野球は興味が無いから特に理解が難しかったが、ユーモラス要素として効力を発揮していたのだと解説で気づく 今まで28はただの数字であったが、今後は完全数だと言う新たな肩書きが、私の中に出来た

    3
    投稿日: 2025.11.12
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    数学というのがこんなにも情緒あふれる学問だったとは。まさに、「友愛」で結ばれた登場人物たちの奮闘ぶりを見て優しい気持ちになれる。「ルート」が全てを包み込む、そんなお話。 一つ一つのエピソードが何気ないが為に少し読み応えという意味では弱いかも。それぞれの心情も難しく感情移入もし辛い。 でも、博士の奇抜な容姿や言動を想像するのは面白いし、夕方の描写がいい、雷が鳴る夕方がすごく印象的なシーンでした。

    0
    投稿日: 2025.11.11
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    こころがじんわりあたたまる優しい話。は読者を泣かせてやろうとする魂胆が見えて嫌いなのであまり読まないが、これは別腹。登場人物達の不思議な関係が、数学の問題が解かれていくように解れて結び付いて綺麗に収まっていくストーリーは、ついつい気持ちが入り込んで一緒に一喜一憂してしまう。本ばかり読んでいる数学が苦手な人にこそ是非、読んでもらいたい。

    1
    投稿日: 2025.11.11
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    あたたかいお話。静かだった。数字の美しさに私は共感できないけれど、成長と衰えを描いた人間の本質を捉えた物語。

    4
    投稿日: 2025.11.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読書会での課題本ということで読了! 初めて読んだ小川洋子さんの作品です。 終始、心が暖かくなる物語でした。 何処までも美しく数字が羅列されてるような、幻想的な感覚がありました。 結局、博士が残したあの数式がどうゆう意味で出されたのか…また読んで解釈したいと思いました。

    27
    投稿日: 2025.11.08
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    奇しくもドジャースがワールドシリーズを 歴史に残る試合で連覇した日に読んだら、 作中でドジャースという言葉が出てきて 運命めいたものを感じて、ゾクッとした 野球の話が結構ウェイトを占めてて、 中でも阪神タイガースがよく出る 往年の阪神ファンは、喜ぶかも? 他に類を見ない、唯一無二とも言えるこの小説に 自分なりに敬意を込めて数式で表すなら、 数学✕阪神(江夏)✕博士✕私✕√ =博士の愛した数式 といった感じでしょうか 事故で80分しか記憶が持たない博士に 「私」が関わっていく話 物語は「私」視点で淡々としたリズムで 語られるけど、それが心地良い 解説の数学者さんも、 小川洋子さんが訪ねてこられた経緯などを あたかも野球の延長戦の如く 同じリズムで語られてるのが、 意図してなのかどうなのか、凄い 物語も解説も含めて、凄かったなぁ

    46
    投稿日: 2025.11.04
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    優しくて透明で純粋。綺麗だ。これに尽きる。 物語のなかの「私」が博士を忘れることができないと幾度となく語るように、忘れられない物語となった。

    7
    投稿日: 2025.11.04
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    小学生ぶりに読み直しました。 20代も半ばとなり、昔はルートの気持ちの方を考えていましたが、家政婦の私や博士、未亡人の気持ちもよくわかるようになっていました。 大きなハプニングもなく、ミステリー好きの人には物足りないかもしれませんが、読後にじんわりと心が温かくなるような話です。 自分が80分しか記憶が持たない状況に立たされると、こんなにも穏やかで小さい子に優しく、腰の低く振る舞えるものだろうかと考えてしまいます。 昔より数学の知識も増え、途中で断念することなく読み進められました。中学生以上の方におすすめします。

    4
    投稿日: 2025.11.04
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    初めて小川洋子さんの本を読んだのはこの作品が初めてです。 書店に並んでいるのを暫し見つめ、ついに手を取ってお会計に。 あまりにも綺麗な文章に思わず心惹かれました。 ストーリーもとても良かった。 切なく、胸がきゅっとなってしまうところもありましたが、博士とルートのやり取りもまるで親子のようでこちらまで嬉しくなることもありましたし、「私」が一旦博士のところの家政婦を辞めさせられた時には胸が苦しくなりました。 記憶が80分しかもたないなんて、どれだけ不安な生活を送っているのだろう…。 最後まで綺麗な優しい文章で、とても癒されました。

    21
    投稿日: 2025.11.01
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    私は数学が苦手なので途中で悩んだけど、主人公も数学が苦手で調べたりをするので分からないまま何となくで読める。

    0
    投稿日: 2025.11.01
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    数学の美しさとは、本質が一瞬で見通せる感覚だと言われることが多いそうだ。なるほど、よく分からない。 複雑な現象がたった一つの式で説明できる。一見無関係に見えるものが、ある瞬間にたった一本の糸でつながることがある。無駄のない秩序、必然であること… それらが数学の美しさだと言われても、やっぱりよく分からない。 それが、 「瞬く星を結んで夜空に星座を描くように、博士の書いた数字と、私の書いた数字が、淀みない一つの流れとなって巡っている」 「ああ。行けども行けども素数の姿は見えてこない。見渡すかぎり砂の海なんだ。太陽は容赦なく照りつけ、喉はカラカラ、目はかすんで朦朧としている。あっ、素数だ、と思って駆け寄ってみると、ただの蜃気楼。手をのばしても、つかめるのは熱風だけだ」 といった小川さんの魔法にかかれば、なんとも美しい広大な世界の片鱗に触れることができる。数学そのものの美しさへの理解には及ばずとも、数学と向き合う人間の姿を通して、数学と触れ合うことができる、そういう作品だった。

    2
    投稿日: 2025.11.01
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    星10ぐらいつけたい... 家政婦の「私」とその息子が80分しか記憶がもたない「博士」と数式を通じて絆を深める物語。 数式も野球も全く分からない私が呼んでも面白かった。 もはや野球は嫌いだったんだけど、知ろうかな。知りたいな。とおもえました!! 生きてる世界がこんなにも数式や定理で表せることが出来るということを知って驚きが隠せなかった。何気ない数字ただの数字の羅列が博士にとっては愛するもので、それが人生なんだな。人の人生は当たり前のように過ぎていってるけどその当たり前に人生が詰まってて、どんな人のどんな人生にも意味があったりするんだろうな。と 自分の人生にも温かみを感じれるような。 そんな素敵な作品でした。 本当にありがとうございます。出会えてよかった。

    2
    投稿日: 2025.10.30
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    読むと、他のものに目もくれなくなるような、愛するものが一つある人生に憧れられる。 数学の魅力が丁寧に描かれていて、計り知れない不安の中で生きていく博士が信じるにふさわしいシンプルさと強さを感じた。 数学に魅力を感じるなんてと思ったけど、私が知らない学問を熱心に研究している人ってどこかでそれの放つ魅力を知ったんだろうなと思うと、羨ましいようなかっこよさを感じる。

    4
    投稿日: 2025.10.30
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    この本にもっと早く出会えていれば、学生時代もうちょっと数学を楽しいと思えていたかもしれない。 ただの羅列と思っていた数字、数式が、博士やルートたちにとってどんどん友愛的なものになっていく過程が美しい。 切なさと愛おしさで読み終わりたくなくなってしまった一冊。 移動中とか空き時間に読み進めるのではなくて、1人でゆっくりできる時間にコーヒーを飲みながらまた読み直したい作品

    16
    投稿日: 2025.10.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    事故で止まった記憶の蓄積。新しい記憶は紡げないけど、一生忘れることのない記憶。 切なさと、家族(博士とルートの関係は、祖父と孫かな)の温かさのようなものを感じた物語であった。 ただ今の時代、博士と義姉の関係が憧れなのか、深い関係なのかに寄って評価が変わるかもしれないが…。

    0
    投稿日: 2025.10.28
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    確かに考えたこともなかったな0という数字がどれだけすごいのか。優しい人の周りには優しい人が集まるなと思った。ルートが優しいまま育って良かった。切ないけど温かい気持ちになる。

    1
    投稿日: 2025.10.28
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    『博士の愛した数式』 タイトルを見て、皆さんはどのような印象を受けるだろうか。 ひたすら理知的に感じるかもしれないし、愛という言葉から、優しい温もりを連想するかもしれない。それは人によって変わるだろう。僕は前者のような作品を想像していた。 だがその印象はいい意味で裏切られた。胸のあたりがこう、ほんのり温かくなるような優しい読後感を味わうことができたのである。 私事から入って恐縮だが、僕は大学では理学部に所属していた。 勉強や研究をする傍ら、色々なことを考えたものだが、自然科学や数学を深く探究することの使命にまでは、ついぞ考えが及ぶことはなかった。 だがこの作品を読み進める中で、その "使命" の端緒が掴めた気がする。理知的だが記憶が80分しか持たない博士と、献身的な家政婦である主人公、そしてその愛くるしい息子『ルート』のおかげだ。 この自然の内には、人間が後になって作り出したものではない、秘密の法則が予め隠されている。 それは人間が存在し始める遥か以前から、神の手によってこの宇宙にひっそりと作り出されていたものだ。 そう、文字通り神秘の法則であるわけだ。 その神秘を個人的好奇心と他者貢献のために役立てるという二つの意識の両輪、それらをもって静かに整然と解き明かしていくこと、それこそが、(自然)科学者及び数学者の使命だと、認識できたのだった。 残念ながら僕には年齢的職業的な制約があって、もはやこれらの世界に貢献することはできなくなった。 それでもこの一点が理解できただけでも、この書籍を読む価値は非常に大きかった。 これからもより一層、数学者や科学者への敬意を表明していこうと僕は誓った。 では、本題の感想に移ろう。例のようにネタバレを含んでいるので、未読の方はブラウザバックすることをお勧めする。 この作品で僕の胸を打ったものは、家政婦をしている主人公や、直観力に優れた博士はもちろんだが、とりわけルートと呼ばれる少年の優しさだった。 彼は子どもであるが、というよりむしろ、子どもであるがゆえに、大人には決して気付くことのできない人の心の機微をきわめて鋭敏に観察し、察知できる。 そしてそれを優しさに変換して、他の大人たちにより添うことができるのである。 この他者を優しく包み込むような、かけがえのない美しさを直観できたがゆえに、博士は彼をルートと呼んだのだろう。 また、子どもにこのような愛らしい特長があるからこそ、博士は子どもたちを愛したのではないだろうか。 『博士の愛した数式』とは、実はオイラーの公式でもフェルマーの最終定理でもなかったのではないか。 この美しいルート記号と、その働きを象徴しているかのような少年、ルートの優しさこそが、博士の愛した数式そのものだったのだと、僕は思う。 さて、この作品の鍵となり、彼らの80分しか持たないはずの愛情を永く繋ぎ止める絆となっているものは、実は他にもある。 それは意外かもしれないが、阪神タイガースなのだ。 彼らの居住地、つまり作品の舞台となっている土地は、おそらく岡山県だと思われるが、彼らは熱烈な阪神ファンである。 そして博士の愛した完全数28を背負う、往年のエース江夏豊投手もまた、この作品のシンボルとして、大切な登場人物の一人になっているのだ。 結局阪神は、この作中の年には優勝できなかったし、そのあと当分の間、長い暗黒時代に入ってしまったことも事実だ。 当時も今も阪神間に住んでいる僕は、クラスメイトの阪神ファンの友達が、この暗黒時代を頭を抱えながら嘆いていたことを鮮明に覚えている。 だが現在のタイガースは強チームの代表格を成すほどの実力をつけている。今年もまたリーグ優勝を果たしたことは、誰の記憶にも新しいだろう。 その模様を作者の小川洋子さんは、そしてもう家政婦を引退しているであろう主人公は、あるいは今や一人前の数学の先生をしているであろう息子ルートは、どのような目で見つめているだろうか。 熱烈な喜びだろうか。それとも偉業を達成した子どもを見つめる親のような、温かい眼差しだろうか。 いずれにしてもそれを、すでに天国で数学にひたむきに取り組んでいるであろう博士にも知らせてほしいものだ。 完全数28を持つ江夏のカードを胸に光らせながら、誰にもわからなかった証明を成し遂げたような嬉しさをもって、彼も大喜びしてくれるに違いないだろうから。

    41
    投稿日: 2025.10.28
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    読後の心の充足感は非常に高い。 3人の関係性の変化に引き込まれて、どんどん読み進めてしまう。 解説も、是非読んで欲しい。

    1
    投稿日: 2025.10.27
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    数学者の頭の中はこんな風になってるんだなって感じた。なんでも素数と結びつけられるなんて。 ルート、愛らしいなあ

    0
    投稿日: 2025.10.26
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    とても切ない、でも優しくてあたたかいお話。 短くて読みやすいしこれから読書をする人におすすめしたい1冊。

    0
    投稿日: 2025.10.22
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    記憶が80分しかもたないなんて受け入れられない。。それを毎回受け入れている博士、苦しいだろうなと思う。 私は素数を愛おしく思ったことがない。そしてこれからも。。なので理解できない部分が多々あった。好き嫌い分かれそうな物語かなと思う。。ただルートの優しさは嬉しくなる。これは誰が読んでも凄く優しい子!

    28
    投稿日: 2025.10.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『博士の愛した数式』小川洋子 20251018 ①博士が「子供」に対して異常に愛情がある。過去に何かがあったのか? → <小さな子供がこうして立派にお手伝いをしているというのに大の大人が寝そべってなどいられるものか>など子供という存在に対し 異常に敬意を示す場面が多く見られた。
本人が過去に 大人に不遇に扱われた事があるのかな?とも推測した。 もしくは、彼自身か彼の義姉の周りに子供がいて 何かしらの経験を積んだのか?
推測したが作中には特別な事は書かれておらず、推測として今一つの者になった。 なにしろ私がもし博士だとするならば 子供相手にそこまで敬意を払う事はないと思ったからだ。 もし子供関連のトラウマ等が博士にないと言うのであれば、私はINTPだが、博士はINFPあたりの性格になるのだろうか? 数式から妄想的理論を飛ばすのはN型
子供への異常な愛情 F型
JかPかはまあ適当 なんとなくP ②『e^πi+1=0』の意味について → オイラーの等式の登場人物それぞれ全く無関係でバラバラでありながら、それぞれが”数”全体の中でもメインキャラクターだ。
そんな五人がこの数式では一つの目的のために喧嘩もせず協力しあっている。 人間は、全員が全員違う人間だ。数で表すとすれば全く同じ数字というのはこの世界には存在しえないのだ。それでも手を組みながらやっていくしかない。 皆が険悪になった際に無言でこの数式を出したのは、そう言った意味合いがあったんじゃないかと推測している。 ③義姉はなぜ家政婦を雇ったのか。 → 義姉と博士が特別な関係にあるような描写や写真があった。 であるならば、義姉が直接お世話をしてあげた方がどちらにとってもメリットがあると思ったが、それは違うのか? 働いていて日中はお世話できないからか?とも思ったが、マンション収入で金銭面的に問題がなさそうに見えた。 それともかつて恋愛感情があったかもしれない相手にずっとお世話し続ける事は精神的にきつい部分があったのだろうか? 変わり続ける自分と変わることのない博士。 見続けていたいが、触れたくはない。 彼女は未亡人で長らく孤独であり、博士もずっと孤独なのだ。 愛した人であり、家族であり、孤独を共有する仲間でもある。 そんな微細な心境の防波堤代わりに家政婦を雇ったのだろうか。 ④「永遠に愛するNへ捧ぐ あなたが忘れてはならない者より」と博士が書いたメッセージがあるが、これは誰に向けてなのか。忘れてはならないとはどう言った意味なのか?。Nとは数式のnなのか。 → Nとはおそらく同じ写真に写っていた義姉のことではあるのだろうが、それと同時に数式にたびたび出てくるn変数のことも指しているのであろうか?
n変数はどの数字を入れてもいいし、変わり続けるものだ。

変わり続けるN。 一生記憶が変わらない博士。 「あなたがいくら変わろうが私はあなたを忘れない。」 そんな意味合いにも取れるメッセージだった。 直線は本当の意味では紙に描く事はできない。 永遠に正しい真実は心の中でだけ見れるものなのだ。 【メモ】 ・登場人物全員の名前を最後まで明記しない手法を初めて見た。 ・「年寄りのわしの方が知恵はずっと多く、価値はずっと少ない」ってダンブルドアが言ってたのを思い出した。 教育者としてすこぶる優しい。 ・メインエピソードに関係のない部分 ファールボールの呪いシリーズで 「札を急にせびってくる女」「墓跡の裏に鹿の死骸」など作者 小川さんのくせが垣間見える ・「220と284」「715と714」「28」 ・「回文 逆から読むのが早い」「一番星を見つけるのが早い」などキャラ設定を作り後々軽く回収するみたいな ・でもやっぱりファールボールからルートを庇ったり、些細な怪我で異常に心配したりなど そう言った面はすごく気になる。 数学を齧って数字がわかれば私も異常に子供に対して愛情を持てるようになるのか?
子供が生まれる確率が天文学的確率だから重要視しないといけない みたいな思考なのか? 
・読んだのが地球星人の後だったので刺激は少ないし、私は感情が薄い方の人間なのでこのように事象を並べて人物の感情を解析したり筆者を分析するくらいしかやることがないからまだ、2割もこの小説を理解できていいないと思う。もっと感情系の小説を読み、自身とは違うタイプの人間の思考回路も読み取れたらいいと思った。また小川洋子さんの別の作品も読むべきだ。この小説だけでは自己を投影しているのか他の人物を想像して描いているかは判別不可能。 ・ルートって道だな 子供の道標になろうとしたんだ。博士は。 だから飯もまともな食い方できなかったのに子供がきたからビシッとしたんだ。 「彼はルートを素数と同じように扱った。素数がすべての自然数を成り立たせる素になっているように、子供を自分たち大人にとって必要不可欠な原子と考えた。自分が今ここに存在できるのは、子供達のおかげだと信じていた」 これはそういうことか。自身が存在するのは子供達のおかげ。ホーソン効果的な? いや そんな浅いとこじゃないよなー ・ブクログでみんなのレビュー読んでて、結構みんな共感というかいい話ーって言ってて、やっぱ恋愛感情も友愛も薄い俺に こういう系の小説を全面的に理解すんのは結構厳しいのかなー?とも思って悲しくなったw まあ1万時間の法則が性格にも通ずるかは知らんけど、もうちょっと色々触れてみます はいw

    38
    投稿日: 2025.10.19
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    美しい物語だった…数字の美しさ、数学の美しさ、そして表現の美しさ どれもうっとりしてしまうほどでした それでいてお茶目で、切なくて もともと素数とか完全数って好きだったけれど、より愛おしい存在になった 世界が広がる作品でした

    2
    投稿日: 2025.10.17
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    美しいお話だった。文量はそこまで多くなく読みやすい。ルートと博士の関係がとても良い。博士のような愛を持てる人間になりたい。不器用な人間というものは小説で大いに輝く。ルートと家政婦の気遣いも愛に満ちていてほっこり。泣かせてくるような感じでもなくじんわり染み渡るような話。

    2
    投稿日: 2025.10.17
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    数字を通して3人が愛を注ぎ合っているという心暖まる話。それでいてどこか切ない気持ちにもなる。 とても不思議な話で読んでいて飽きなかった。

    1
    投稿日: 2025.10.16
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    中学生ぶりに読んだ。数学科に進んだ私にとって以前読んだ時よりもかなりスラスラ楽しく物語にも没入して読めた。博士という人物が人として愛おしく感じ、会ってみたいような気持ちになった。

    2
    投稿日: 2025.10.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    夏のある日、テーブルの上にこの本が無造作に置かれていた。聞いてみると次女の読書感想文の課題図書だった。有名な本らしいが、文学小説なんだろーなと興味なさそうにパラパラとページを捲っていたら、次女が『どうせ読まないんでしょ』という挑戦的な冷たい眼差しを向けてきた。 …ふっ、いいだろう。ミステリーしか読んでこなかったが、本を読むことを自体にはだいぶ慣れてきた。そろそろ文学小説のひとつに手を出してみてもいい頃だ。(ページ数も少なそうだし) 数学の美しさに魅了された博士は、事故の後遺症で80分しか記憶を保てない。博士の世話をすることになった家政婦の『私』は、戸惑いながらも根気強く親身になって介助を続ける。そこに家政婦の10歳の息子『ルート』も加わり、3人の静かな絆が育まれていく物語。 正直なところ、数十ページ読んだところで挫折すると思っていた。しかし、ストーリーが魅力的なのももちろんだが、時折でてくる公式や数の持つ美しい性質を教えてくれるところにも自然と興味がひかれていく。そして何よりも小出しに阪神の話題を出してくるところが阪神ファンとしてはたまらない!往年の名スターだけでなく、忘れたくても忘れられないあの阪神暗黒時代、、これが出てくるだけで読み続けたいという気力が湧いてくる。 読み終えて、切なくも愛に溢れた心温まる気持ちになり、やっぱ文学小説だなぁと感じたりする。ただ、結局博士は数ある数式の中で、なぜオイラーの等式をあれほど愛したのか?なぜ激昂していた義姉が等式を見た途端に態度を豹変させたのか?という疑問は最後まで残り、その理由は本文だけでなく解説でも明らかにされなかった。その謎をネット検索してみるが腑に落ちるような解釈は得られなかった… しかーし!ある読者レビューによって、このもやもや感を全て吹き飛ばす解答を発見した!この考察は、この本を読んだ人達に是非知ってもらいたい。 実は謎を解くヒントは本文にも示されていたのだが、それは博士の『声に出して読むんだよ。』という言葉だ。 e^πi+1=0を声に出して読んでみる。 “いーのぱいあいじょう たすいちは ぜろ。” “いー(の)ぱいあいじょう・・・” いっぱいあいじょう、、いっぱいの愛情!? なんということだ!科学的かつ合理的であるべき数学という学問において、“愛”などという感情は対極にあるもので最も不要な要素だ。それなのに数学史の中でも『もっとも美しい数式』と呼ばれているオイラーの等式に“愛”が隠されていたのだ!この究極の矛盾。こじつけでしょと言われれば返す言葉もないが、この解釈に則れば、だからこそ博士は最もこの数式を愛し、だからこそ数式の意味を知っていた義姉は瞬時に冷静さを取り戻したと得心することができる。 …ちょっと待って。なんだ、この高揚感は…これはまさに極上のミステリー小説で大きな謎が解き明かされたときに得られる感覚と同じではないか。文学小説と位置づけられているこの作品は紛れもなくミステリー小説でもあったのだ! ということで迷いなく、このミステリー専用本棚に登録と相成った。 ちなみに、この素晴らしい発見を是非とも感想文に取り入れるよう次女に熱弁を振るったが『はいはい、わかった、わかった。』と冷たくあしらわれたことは言うまでもない。

    6
    投稿日: 2025.10.11
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    国語と算数、現代文と数学、文系と理系、どれも対極で結びつかないものだと捉えがちだけども、小川洋子さんは数学の結び付きの美しさと、言葉が孕んでいる日本語の美しさを以て対極な存在の双方を繋ぎ合わせてくれたんだと感じる一冊だった。わたしは数学に苦手意識を持っている人間なので初めはこの題材にそそられず、ページをめくるまでに5年を要したが、1ページ目を開いてから最後のページを読み終えるのにかかった時間は2日だった。

    12
    投稿日: 2025.10.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    有名だけど読んだことがないので読んでみた。博士と√、家政婦の3人の爽やかでちょい切ないあったかい物語の後半に突如ぶち込まれる博士と未亡人の関係性のあたり、すんなり腑に落ちてくれない「人間」を感じて、これが純文学だよなぁ〜〜〜と言うたまらん気持ちになった。もう一周したときに見え方が変わりそうな作品だった。

    3
    投稿日: 2025.10.09
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    登場人物たちの暖かい関係が素敵だった。記憶が80分しか持たないという天才数学博士と主人公の息子、通称ルートとのやり取りが印象に残っています。数学の知識もたくさん作中に登場してきて、今でも「この数式『博士の愛した数式』で出てきたな」と思い出します。

    3
    投稿日: 2025.10.07
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    第一回本屋大賞受賞作品。 数学嫌いな私、ずっと敬遠しておりました。積読に何年いたかな?秋の夜長に事前情報を一切入れずに読み耽ってみましたよ。 この小説は温かい。とにかく温かい。 博士とルートの掛け合いはお互いの優しさに包まれていて、ほっこりしたなぁ。 切なさもあるけれど、それを越える愛に満ちた小説でした。

    210
    投稿日: 2025.10.07
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    友愛数で繋がった老博士と主人公。江夏の背番号完全数28。登場人物同士の関わりを数字で表すというあまり見た事がなく、面白い。そして暖かかった。

    2
    投稿日: 2025.10.06
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    ほっこりと温かいお話。 学生の頃は数学の公式をむやみに暗記して問題を解いていたが、博士の話を聞いてからは、公式への向き合い方が変わった気がする。公式が想像より遥か昔に発見されたという驚きや、その誕生の奇跡に感激しながら学べたなら、数学はもっと楽しく、胸を打つものになっただろう。 大人になった今、数学と向き合うことは少ないが、この本のおかげで数の世界館を味わうことができた。

    2
    投稿日: 2025.10.03
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    上手く感想を表現できないけれど、『もう一度、最初から読みたいか?』の答えはNO。けれども『本屋大賞』に輝き、多くの方々が評価された小説なので、作品自体の問題ではなく、あくまでも私の好み、主観ということになる。

    0
    投稿日: 2025.10.02
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    80分しか記憶がもたない数学博士と、そのお世話を通じて温かい交流を持つことになる語り手の家政婦とその息子の話。 博士が愛する数式の美しさを理解・共有することで、記憶に関する障害を超越して友情?を育んでいく流れが、新鮮かつほっこり感あり。印象的な作品でした。 途中、博士の義姉の判断で語り手がピンチになり、それを博士が「オイラーの公式」をメモ書きすることで救う場面があった。なぜそれで理解を得られたのかの解説を待ってたんだけど、私は理解できないままエピローグに。「美しい」公式を書くことで博士の意思を伝えた、、ってことなのかな?その他背景を推測する系の事実がいくつかあり、それがいいところなのかもしれないけど、少しスッキリしないところもあった。

    30
    投稿日: 2025.10.02