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家族八景(新潮文庫)
家族八景(新潮文庫)
筒井康隆/新潮社
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総合評価

393件)
3.8
85
141
112
25
5
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    1972年『家族八景』その後シリーズは『七瀬ふたたび』『七瀬 時をのぼる』『七瀬 森を走る』と続き、2010年『七瀬ふたたび』が映画化された。因みに1965年『時をかける少女』は1983年映画化、2006年アニメーション映画化、そして2010年リメークで映画化された。筒井康隆と言えば、七瀬シリーズより圧倒的に『時をかける少女』が有名である。 精神感応能力者/テレパスという異能力を持って生まれた七瀬は、自身の力を隠すために住居を転々とするお手伝いさんとして働いている。小説では8つの各章ごとにトラブルを抱えた家族のお話が展開される。七瀬の父がESPで高得点を出してはいるが能力者ではない件や、七瀬が異能力を隠すのに必死になる理由、過去のトラウマなど説明があった方がよかったよね。

    2
    投稿日: 2025.10.28
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    男がエロいことばっか考えてるなと思ったけど、男が女に対して無意識で考えてることって案外エグいことなのかもしれない。

    1
    投稿日: 2025.10.09
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    巨匠、筒井康隆の七瀬シリーズ。 ずっと読みたいと思っていました。 家政婦として8軒の家を転々としている彼女は、実はテレパスという心を読める能力をもっている。 本当にどうしようもない家族達で、家族を罵り合い、自分の欲求を満たすためのどす黒い感情を持つ人達の心を読み取る。 だが彼女はその家族たちで実験したり、関係を壊したり楽しんでいるところがすごく面白い! だが時に男たちからの性的対象になり危険を伴うところや、これ程までに人間の汚らしさの表現に始終顔が引き攣りながら読書しました。 そして何話か背筋の凍るような話もあったが、最後の【亡母渇仰】は怖すぎる!! 人間の恐さを集めた本だと震えました! 筒井康隆先生、すごい!

    17
    投稿日: 2025.10.05
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    人の心を読める、特殊な能力を生まれ持った19歳の家政婦の七瀬について考える。 家政婦を雇うだけの財ある家庭から別の家庭へと住み込みで働く火田七瀬。 彼女はそこで暮らす一家のひっそりとした混沌する人間模様へ冷徹な視線を向けるが、読者(神の視点)として場面を観ると、七瀬自体も混沌とした人間だと思った。 精神感応能力者【テレパス】であることを可能性ですら悟られたくない、でもそれはそれとして心は読むし能力を使って故意に人と人とを衝突させる。 能力を使って特に誰かを救おうとはしない。 自分自身神にはなり得ないし、七瀬は火の粉も刺激も要らないけれど、他者へは刺激と発展を求める。 ここまで考えたところで彼女にはトリックスター的なキャラクター像が見えて来た。 それまで家族間でうっすらと滞留していた何かを七瀬の介入により、良くも悪くも次の展開へと強制移行させる舞台装置のような存在。 最終的に七瀬は20歳を目前に控えることで家政婦業を辞める決意を下すが、彼女はきっとこれからも人間関係の破壊と可能性を引き出すことは辞められないだろうと思った。 追記 続編の存在を知り、 あらすじをAmazonでサラッと読んでみた。 どういうことなの

    3
    投稿日: 2025.09.28
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    文庫版の初版が1975年で、手元にある本は 2025年版 96刷 50年前からのロングセラー 七瀬3部作の1冊目 火田七瀬は生まれながらの超能力者 テレパシーで目前の人の心を読む事ができる テレパスで有る事を隠し通すため、会社に勤めたりせず、住み込みのお手伝いさんとして、いろいろな家庭を渡り歩く七瀬 8つの家庭で働くなか、その家族たちの関係性や心理状態が明らかになっていく この8家族、外見はふつうだが皆がみな、もう笑えるくらいドロドロでみにくい 若くて美しい七瀬の魅力のため、男性たちが好色の目を向け、分かっている事を相手に悟られない様に 切り抜けて行くのはハラハラしながらもおもしろい。 七瀬ふたたび に続く

    21
    投稿日: 2025.08.30
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    誰もが一度はこんな力あったらいいな!と思ったことがあるのではなかろうか。 本書の主人公火田七瀬は他人の心が読めてしまうテレパス。 最初はワクワクした気持ちだったが、読み進めていくうちに他人の心が読めるのも辛いなと感じた。 例えば相手にプレゼントや何かしてあげた時に、「もしかして喜んでくれるかな?」と思う楽しさや不安がなくなってしまう。 その「もしかして」がなくなってしまうとつまらない。 きっと結婚や恋愛も難しいだろう。 これでは人間不信になってしまう。 人の心が分かるのも難儀だな。 タイトルの家族八景とは七瀬が家政婦として8組の家族の心に忍び寄って観察した様が描かれている。 家政婦というと中年くらいのイメージがあるけれど、七瀬はピチピチの19才、訳あって家政婦をしている。 そんな若くて美人な七瀬はどこの家に行ってもエロい目で見られてしまう。本当に男って生き物はどうしようもない。 本書の面白いというか怖いところは、やはり他人の心を読むところ。 家族でもこんなにお互いを悪く思ってたり、七瀬自体が力を制御できているようで、力に溺れ楽しんでいる風もある。 人間の深層心理にある闇が浮き彫りされ、読み手も一緒に心理戦に参加している気にもさせられる。 超能力という非現実だけど、もしかしてあの人もこんな風に思っているのではと現実でもありそうで怖い。 特に「紅蓮菩薩」と「亡母渇仰」は身震いしてしまった。 本書はシリーズ化されているので続きを読んでみたい。 今後、七瀬がどう変わっていくのか、超能力者同士の戦いとかありそうで楽しみだ。

    52
    投稿日: 2025.08.26
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     筒井康隆版、家政婦は見た!  主人公、年若い美女の火田七瀬は超能力者。  他人の心の中を覗くことができるテレパシストだった。  その彼女が、お手伝いさんをする家での物語。  自分から嫌になってやめたり、首になったりで八件の家を彼女は巡っていく。  8つの短編からなる小説だが、この中では「澱の呪縛」は最もショッキングだった。  夫婦と子供が11人の、神波家という大家族の家政婦をすることになった七瀬。  その家に入った途端、七瀬は異様な臭気、不潔さに悩まされる。  歯ブラシの共用とか、部屋のあちこちのゴミとかカビに、この家のものは全く無頓着で、不潔の自覚がないのだ。  ところどころ身につまされるところのあった、中学生時代の私は、「え? オナニーしたあとのティッシュはゴミ箱に捨てたらまずいの?」「別に匂いなんかしないけど、自分が感じないだけなの?」  とか、カルチャーショックを覚えたのだ。  その頃の私はすっかり神波家の一員だったのだ。  今にして思えば、七瀬の態度も大人気ない(実際まだその七瀬は大人じゃないのだが)。性格の悪さが出てると思う。  別にいいじゃないの、お尻に指を入れてその匂いをかぐのが好きでも。  おっと、こんな描写はなかったかな。  

    0
    投稿日: 2025.08.11
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    「100分で名著」を見て、面白そうなので読んだ。 家族って、裏ではこんなに牽制し合っているんだなぁ、と空恐ろしくなった。そこまで敵意を持たなくても、と思いつつ、どこか思い当たるところがあり身につまされる。自分にテレパスがなくて良かった。 SPY×FAMILYのアーニャみたいに心が読める能力に少し羨望していたが、七瀬のように、人間に冷め、不信になり、達観してしまうのだな。と変に納得した。 七瀬は単なる観測者ではなく、時にいたずらをし、時に彼女ならではの苦悩をしながら、かえって人間味を感じさせられる。七瀬の魅力は評判どおりだった。 続編は、全く違ったテイストになるらしい。読んでみたい。

    0
    投稿日: 2025.08.09
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    人の思っていることや考えていることが 全て手に取るように分かってしまう 特殊な能力(テレパシー)を持った 七瀬。 そんな七瀬は8つの家庭へ それぞれ女中(お手伝い)としてお仕事するお話。 七瀬のテレパシーや その家族がそれぞれ思っている事や 抱えているものが細かく書かれているため 怖いけど面白かったです! そんな能力が現実にあったらと思うと 少し怖いなとも思ったりしました…!

    10
    投稿日: 2025.07.26
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    テレパスの少女・七瀬が住み込みのお手伝いとして働く家庭が、七瀬の影響で崩壊する話。『笑ゥせぇるすまん』みたいな感じ。 どの家庭も人間関係がいちいちグロテスクで、旦那は基本的に浮気し、奥さんは旦那を馬鹿にしくさっている。 七瀬もそこそこ酷い目に遭うけど、別に同情とかする気にもならない。そこも喪黒福造。 シリーズものだが、純粋な短編集としても8本全部ハズレがない。

    0
    投稿日: 2025.06.05
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    「七瀬ふたたび」という題名だけは どこかしらで聞いていたから 知っているつもりになっていた 七瀬はシリーズものだと知って 初めて読んでみた 読み始めはなんでもないまるで 「家政婦は見た」みたいな 家政婦が心を読めたなら‥ みたいな感覚で読んでいたが、 じわじわと七瀬の可愛らしさと怖さと なんとも言えない感じが やめられなくなった 最後の「亡母渇仰」で そうきたかあーとなって もう止まらない状態になった すぐに次読みますとも

    72
    投稿日: 2025.05.11
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    少し前に筒井康隆作品について語るテレビ番組で紹介されていて、そういえばタイトルは知ってるけど読んだことないな、と思って読んでみた。 人の心が読めてしまうヒロインの周りには、なぜかろくでもない人ばかり。そりゃあ、辛かろう。

    0
    投稿日: 2025.04.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    かつて中学生の頃に読んだ本だったが30代になり改めて家族感を考え直そうとしたとき、ふと思い出して手に取って見直した本。テレパス能力を持つお手伝いさん、主人公・七瀬が様々な家を渡り歩き、生活を営みながら内心何を考えてるのかを包み隠さず表現したような短編小説集である。 登場人物たちは漏れなく不倫をしていて、初手一作目の「無風地帯」からうわべだけの家族を保ちながら、裏ではこそこそしている様が良く表現されている。 また、七瀬がテレパス能力を持っていることから登場人物たちのそれぞれの結末(穢れた妄想・死亡・発狂・死にながら焼かれる)という思考をこれでもかというほど見せつけられるので、テレパス能力をフルに使い、読んでいて飽きない所が魅力だ。 この作品は1970年代に書かれたというのがまた古い作品ながら今に通じる部分が多分に盛り込まれていて、人間や家族を考えるうえでの普遍性を感じられて文学の面白さを味わうことができた。 続編はSF能力バトルっぽいものになっているらしいが、解説にあった「七瀬ふたたび」「七瀬森を走る」も読んでみたいものである。

    0
    投稿日: 2025.04.10
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    ◇家族八景/ 筒井康隆 (2025/03/02 読了 桑名市立図書館) 人の心の中を覗き見られる特殊能力の主人公「七瀬」チャンの、お手伝いさんとして住み込みで雇われる先々の家庭でのエピソード。八景と言うからには8つの短編。 SFだけどタッチは重く、七瀬のゆく先々の家庭は問題だらけで、大抵の場合がエロチックだったり猟奇的だったり陰湿、…。昭和の暗〜い文学作品の香りです。昭和47年の作品。読んでいて重ーい気分になるのでちょっと苦手なんです。 続編は「七瀬ふたたび」「エディプスの恋人」。

    0
    投稿日: 2025.03.02
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    テレパスの七瀬がお手伝いさんとして家庭を転々と渡り歩く物語。 手塚治虫の漫画を読んでるような、ミステリーと人間の黒さが面白かった。

    0
    投稿日: 2025.02.28
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    父のおすすめ。 なかなかに毒がたっぷりの気持ち悪い作品だった。 もちろん褒め言葉です。 物語としての構成や文章が他には見たことのない作りで面白かった。 私がお気に入りなのは青春讃歌。 陽子が私の未来の姿に見えてしまって、うっすら背中が寒くなりました。 続編も読みたい。

    0
    投稿日: 2025.01.30
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     人が、目に見える形では表さない、内に秘めているちっぽけなプライドや他人を見下す優越感、思い込み、それらを主人公のテレパシー能力を通して視覚化した作品だった。  内に秘めているものがその人の性格なのか、内に秘めようと努力する姿勢がその人の性格なのか。

    0
    投稿日: 2025.01.17
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    男性が幾つになっても性的な目線があるところが気持ち悪く、七瀬のような能力があるのはとても気の毒に感じた。 見なくても良い汚い物は見たくない。綺麗事と言われようとも美しいお花畑の世の中を生きていきたい。 世界が言葉でできているのなら、他人の言葉が頭にどんどん入ってくる世界は恐ろしい。 そんなふうに考えている私に現実を突きつける小説でした。

    0
    投稿日: 2025.01.13
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    知り合いに薦められて筒井康隆さん初読。 全然関係ないのに、なぜか俳優の筒井道隆さんが浮かんでしまい今まで未読だったけど、かなり毒が効いていて面白かった。 個人的には初期の乙一さんを思い出したけど、全然違うかも。 ちなみに筒井道隆さんも好き。あすなろ。

    0
    投稿日: 2025.01.04
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    3.8 あの「七瀬ふたたび」の第一作目。 テレパスである七瀬は、深い人間関係などに警戒して、社会を生きていくために家政婦(女中)の仕事を始めていく。そして、本作は七瀬の職場となる8つの家族の闇の話である。 以下、各章の感想。 無風地帯 家族同士、心では馬鹿ににしながら表面は穏やかに装う無風地帯。こんな家族はきっと、ざらにあるだろう。 澱の呪縛 ザ・ゴミ屋敷。そして、その家族も環境に汚染されているのか、精神も不安定。しかし、この状況を恥と感じているだけまだ救いがある。現実世界のゴミ屋敷の住人はまったく気にしない人が多く感じる。 青春讃歌 青春を。若さを。取り戻せないその輝かしさに執着した妻の哀れな末路。人の死が脳に入り込んでくる七瀬の描写が秀逸 水蜜桃 とにかく、嫌われて蔑まれる父親。多少、権威的な部分はあったと思うが、そこまで嫌われる馬鹿にされる理由はなんだろう?そして、七瀬が貞操の危機に晒されしまうのだが。。。。七瀬、何故全てを知っておきながら対策しない。なぜ、その場のしのぎの対応になる。若いから、見通しが甘いという言葉かな? 紅蓮菩薩 なぜ、心理学が下に見られるのだろう。 そういう風潮だったのだろうか? ここで、七瀬の父親がちょろっと登場。 芝生は緑 この話が一番好き。七瀬が実験的にある二組の夫婦を浮気させようと企むが、最終的に予想外の展開に。数少ないハッピーエンド? 日曜画家 天才芸術家。出会った当初はその精神性に七瀬の心は乱されるのだが、蓋を開けてみたら。。。 一皮剥けば男なんてみんな同じという話。 亡母渇仰 極度のマザコンの話。 しかし、最後は。。。。 七瀬くん見損なったぞ!!

    29
    投稿日: 2024.10.03
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     家政婦が超能力者なのである。主人公、火田七瀬は、高校を卒業したばかりの十八歳。精神感応能力者(読みは「テレパス」)で、他人の心のうちを読み取ることができる。この能力を人に知られないようにするため、ひとところに長くいることなく働ける仕事ということで、父の勧めに従い家政婦をしている。行く先々のお宅で、家族が互いに、あるいは七瀬に対して何を思い暮らしているのかが、詳らかにされる。  …という設定を生かして描かれる、八つの家庭の裏の顔だけでもじゅうぶん面白いのに、七瀬十八から十九、そして二十歳の年へと時が流れるにつれ、心も体も変化していく様をしっかり捉えているところがまた興味深い。主人公は超能力を持ついわばスーパーヒーロー的な特別な人物ではあるが、家族八景を描くという小説上必要な装置としてだけ存在させられているのではなく、この娘がどんなことに悩みどう変化していくのかを、作者は語る気のようだと感じられる。  このあと『七瀬ふたたび』『エディプスの恋人』と続く三部作であることはネットで読んで知っている。その昔、中学生か高校生のころ、なぜか『エディプスの恋人』だけ読んで、本当に意味不明で投げ捨てたのが私の初めての筒井康隆だった。ちなみに二回目の筒井康隆は先週読んだ『わたしのグランパ』だから、二十数年遠ざけていたことになる。七瀬の行く末に興味がわいてきた今なら読めるかもしれない。

    19
    投稿日: 2024.05.27
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    家族ってなんだろう。主人公が心の内を読めるという能力故、人の狂気的な面が強烈に描かれていて胸焼けがしそうなくらい。 意外と家族ってこんなもんなんかなって感じ。

    0
    投稿日: 2024.05.15
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    テレパシーで他人の心のうちを読み取ってしまう火田七瀬はお手伝いさん。彼女は、人の心が読めるので上品を装おう夫婦や仲のよい家族の真実の心のうちを見てぞっとする。 20年ぶりに読んだが、家族のそれぞれの心情をえげつなく生々しく炙り出すところは面白いけど、所詮人間って自分本位 自分が大事なのだと思ってしまう。 8つの短編集だが、「青春讃歌」「水蜜桃」「亡母渇仰」が特に面白かったです。 テレパシー能力は持ちたくないとおもう。 2024年5月9日読了。

    0
    投稿日: 2024.05.09
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    著者の卓越したというか達観したというか、その人間観が現れた描写に舌を巻いた。テレパスによっていかにまありそうな家族模様が如実に表現されていて、とても面白かった。

    0
    投稿日: 2024.03.14
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    人の心が読める能力を持っている人が もしかしたら私の身の回りにもいるのだろうか…、もし あの人がそうだったら…もしかするとあの人なんかはそうなのかも…など想像を膨らませながら読んだけれど、想像でなく現実だとしたら…。 無心になる術を取得しなければなぁ、とそんなところへ意識が及んだものの、ストーリーも十分に楽しめた。

    8
    投稿日: 2024.03.04
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    人の心理状態を細部まで描写していて面白かった。芝生は緑が一番好き。滑稽だけど、なんだかんだ愛がある感じが◎。無風地帯のオチも好き。人の行動原理や精神分析について興味があったけど、知りすぎた結果あれこれ当てはめて考えるのってしんどそうと七瀬を見ていて感じた。頭の片隅に知識として置いといて、あくまで自分が受けた印象で相手を判断して、人として見ることに注力した方が良さそう。時には深入りせず表面だけの印象に留めたりとか。なんて事を考えるくらいには、テレパスにまつわる暗めな話が多かった。あと、会話って大事だなと思った。普通の人はまずテレパスなんか使えないから、話し合わないと他者との溝は埋まらないという、反面教師的な学びも得ることができた。

    0
    投稿日: 2024.02.08
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    女中として働く10代の若者七瀬は、人の心を読むテレパス。彼女が渡り歩いた8つの家族の風景は、彼女にどう映るのか。 誰も相手の気持ちを完全に理解することはできないし、自分自身にだってそうだ。一軒には、あまりにも多くの抑圧された感情が渦巻いている。そこに、七瀬という異物が混入することで、家族の関係がゆっくりと歪んでいく。 若くて経験のない七瀬がテレパスという能力に苦悩し、混乱してしまうが、それを活用して家族を変えていく過程(意識的にも、物理的にも)はなんとも爽快なものだ。それが悲劇になったとしても。

    0
    投稿日: 2023.12.07
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    「七瀬シリーズ」の第1弾。 18歳の火田七瀬は、生まれたときから他人の心のなかを読みとることのできるテレパスの少女です。彼女が、さまざまな家でお手伝いの仕事をすることになり、一見したところごくふつうの家庭生活を送っているような人びとのかくされた心理が彼女の能力によって読者の前にさらされていきます。 SF的な設定を駆使して、人間心理の奥底にひそむどす黒い感情をあらわにしている作品で、著者らしいブラック・ユーモアが効いています。同シリーズ第2弾の『七瀬ふたたび』(新潮文庫)の「解説」を執筆している平岡正明は、本作を「逆ホーム・ドラマ」と呼んでいるように、昭和時代のホームドラマの裏面をえがいた作品となっています。 ホームドラマが昭和という時代状況から離れて鑑賞することがむずかしいのに対して、「逆ホームドラマ」である本作にえがかれている人間心理は、むしろ通時代的な普遍性をもっているように感じられることが、一番の皮肉であるようにも思います。

    1
    投稿日: 2023.11.12
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    ほぼ10年ぶり三読目。気づけば10年に1回読んでいる。今さら言うまでもないことだけど、文章がうますぎる。変化をもたせた最小限の文の連なりで、正確に内容が伝わるように書かれている。{}を使った、同時複数の感情表現方法は、50年後の現在も見かけないような斬新な表現。内容的には、ヒヤヒヤはするものの、いずれの家庭も七瀬の力の範囲に収まっているので、一安心。

    0
    投稿日: 2023.11.07
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    『鮮やかさはほとんど皆無』 題名からしてなんとなく鮮やかそうな場面も あるのか…?と思いきや全く反する 全体的に何だかどんよりというか洞窟の中を ひたすらゆっくり進んでいるような感覚 決してそれが居心地が悪いという訳では無いが、 思考がポジティブになるような場面はほとんど無 人間の醜さが小気味良く表現されている場面が 多い印象のため、好みはあるが面白みは沢山ある

    2
    投稿日: 2023.11.02
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    なかなか暗い話だなーっと思った。 わが身を守るために人の心を読める女性が、8家族の家政婦をするお話。 人のここを読めると、人が考えている悪いところ本音があばかれる。 心の内容があまりにくさっていて、自身暗鬼になる。 人ってこんなにくだらないことを考えているのだろうか。 心の中の本音は暗いことが多いのだろうけど、それを知ってどうするの? って感じで人の本音はくだらないってことを教えてくれるだけで、 いい印象をもてる小説ではなかった。

    0
    投稿日: 2023.08.25
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    黒い。 グロいとか暗いのではなく、黒い、という印象。 人の心は様々なジレンマによって成り立っているんだなぁ。 特に1話目の奥さんの気持ちは、まるで私の心を透かしているようでどきっとした。 深いことを考えたくないが故に、周りのことを狭い範囲でしか考えない。思考が浅い。もっと外の世界に興味をもたなければ。

    2
    投稿日: 2023.08.05
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    筒井康隆の作品はナンセンス加減で割と個人的な評価が分かれてしまう。 本作はとても面白い。 今でこそテレパシーモノに新鮮みはないが、作者のブラックなアイデアと表題通りの面白い構造でページが進んだ。 テレパシーを持つ人間から浮き彫りにされる人間の汚さ、誇張こそあれ真実味のある内容だった。

    4
    投稿日: 2023.07.28
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    テレパスを持つ少女がお手伝いとして、8つの家族を渡り歩く話。 人間の生々しい感情、肉欲、恨み、嫉妬を主人公を通してべったりと張り付くような感情を体験できる良本。 主人公も決して善人ではなく、主人公の行動によって次々と家族は崩壊していくが、悪人にも見えない不思議。

    2
    投稿日: 2023.06.26
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    表と裏の顔を他人に見透かされてたとしたら。 ぞっとするシチュレーションである。 登場する家族はそれぞれ問題を抱えているが、倫理に反すると建前では言ってしまえるが、ある程度想像に難くない範囲にあるとも言える。 それぞれ個人的な秘密をして抱えるべきものが七瀬の視点によって白日のもとに晒されているだけで、また七瀬の介入によって紛糾に陥るだけでこんな家族は身近な存在ではないだろうか。 テーマは現代に通ずるところが多分にある。仕事人間の定年、妄想嫉妬狂いの妻、完全を装う家族等々。人間の業がつぶさに描かれていて、著者の力量と他作品との振り幅に脱帽。

    4
    投稿日: 2023.06.24
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    人の心を読める能力の本ってのは結構ありそうだけど、生々しさがあって面白かった。 ただ毎回毎回セックスセックスで、リアリティを強調し過ぎというか、、、 美人で若い女の子が自分のお手伝いさんに来たらそうなるのは必然なんだろうけど、もうちょい何かやりよう無いのかなあと思った 紅蓮菩薩の回で、七瀬のファイルカードがちぎれてるのに怪しまないのは不自然な気がした。

    1
    投稿日: 2023.04.13
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    主人公の特殊能力である読心術で、女中として様々な家族と関わり合う。表面上には出ない人間の心理模様が描かれていて興味深かった。

    1
    投稿日: 2023.03.14
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    煩悩というか、欲まみれの人が多すぎて、七瀬さんに同情してしまう。自分はテレパスでなくてよかったとさえ思う。取り敢えず七瀬シリーズの残り2冊も読みます。

    0
    投稿日: 2023.03.13
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    今までタイミングがなく、初筒井康隆。超能力ものとは言え、バレないように家事手伝いとして暮らすため、あまり派手な描写はないのが興味深い。他人の思っていることが流れてくる描写も、はっきり文章にはならず、断片的だったり分離していたり、上手いなと思った。平凡そうに見えても裏は下衆い人も多く描かれ、改めて人を信じられなくなりそう。

    4
    投稿日: 2023.01.15
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    心を読む能力を持った少女がお手伝いさんとして働きながら色々な家を転々とする話。 殆どの登場人物の性格が歪んでて面白い、家族は大抵憎み合ってるし、夫婦は不倫していて、出てくる男はすぐに主人公を犯す事を考える。 主人公も結構いい性格してるから話が暗くならない所がいい。

    1
    投稿日: 2022.12.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    テレパスのお手伝いさんとは何と恐ろしい設定でしょう。紹介される家々へと渡り歩いて家庭の事情を知るくらいなら普通のお手伝いさんにも出来るけれど、主人公の七瀬はその一歩先、心まで読み取ってしまうのだから何もかも筒抜けだ。 ある程度人間は「目は口ほどに物を言う」けれど、ここまでダイレクトに思考が読み取れてしまうとメリットよりもデメリットが上回る。能力を隠しているのは正解だと思う。絶対に問題が起きるし、働ける場所がなくなるだろうし、常に身の危険に晒される。 表面上は良い夫婦良い家族でも、心の中ではバカにしていたり呪詛を振り撒いていたりする。それが全て頭の中になだれ込んできたら正気じゃいられないかもしれないな。 「紅蓮菩薩」この話は燃えたぎる人の心が目に見えるようで、読み応えがあったけれど気の毒だった。一方で七瀬の父にも読み取る能力があったと分かり、七瀬の家族に興味が湧いた。他人の家庭はどんどん暴いていくけれど、七瀬本人や家族のことはまだ不明な点が多い。

    0
    投稿日: 2022.12.13
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    読心術、という本当にあるかどうかわからないものが世の中には存在しているが、それが本当にできるのが、この物語の主人公である、七瀬である。 「掛け金」という彼女独特の捉え方で、自分に流れてくる相手の感情をコントロールして、なるべく影響されないようにしながら生きてはいるが、そうはいってもどうしても影響されてしまう。人の心が読める、とは外から見たら羨むほどの能力だが、当の本人からしたら、迷惑な部分もあるらしい。 自分の能力が他人に知られないようにするため、ひっそりと暮らし、仕事も、住み込み家政婦として過ごす日々。 まるで本当に七瀬がいるように、細やかに設定が散りばめられていて、読んでいて非常に楽しい。 タイムトラベル、だとかAIだとか、そういったものに関する想像は人それぞれ異なっているが、存在するかのように書いてある作品は、思わずうっとりとしてしまう。 読書というものは、文字の情報から可能な限り想像力を膨らませることができるので、映画のように、イメージが固定されにくい(それはそれで楽しいのだけれども)。だから、特にSFだとかは、没入感が、作品によっては映画より勝ることも。 先日の「パプリカ」以降、すっかり筒井(さん)ワールドに迷い込んだ私は、迷わず七瀬三部作の予約をしました笑

    12
    投稿日: 2022.11.27
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    2022.11.4 読了。 目の前の人の心の中を読み取ってしまうというテレパシー能力を持ってしまった住み込みお手伝いの火田七瀬が様々な家庭を転々として働く8編の短編小説集。 心を読む能力を持つ少女のSF作品かと思って読み始めたら、SF?ミステリー?深層心理学?ホラー?と色々な要素てんこ盛りという感じだった。逆にSF感は少なめに感じたし、この作品が約50年前に執筆されたのは凄いと思う。家庭内における男女の立場や社会背景は少々違えども人間の内的思想を包み隠さず表現しているのは現代でも充分面白いのではないかと思えた。 自分にはちょっと性的(心理)描写が多めでその辺りは少しばかり読んでいて疲れた。 ちなみに有名だという「七瀬ふたたび」のことは全然知らずに読んでいました。

    2
    投稿日: 2022.11.04
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    生まれながら、人の心を読むことができてしまう七瀬さん、その能力をひた隠しながら、家政婦として働いている。雇われた家庭の悲喜交々を受け取ることになる。心が健全な家庭には雇われることはあまりない。人間の、できれば人に知られたくない心の動きが七瀬を通して詳らかになる。 続編もあるようだ。是非読んでみたい。

    3
    投稿日: 2022.10.23
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    七瀬ふたたびを先に読んでしまったけど、まあいいかって感じ こっちは超能力についての話はあまりなかったから残念 次は最終話を読む

    0
    投稿日: 2022.09.04
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    図書館で筒井康隆全集を借りて、読んだ。文庫や単行本は置いていなかった。 氷室冴子の小説で、里佳子再びという章があり、七瀬再びを読んでみたいと思い、調べたら、ファーストシリーズがこれだったので読んでみた。 古い本で、今だと女性蔑視など人権的に問題がありそうな描写もあるが、他人の考えていることが分かる人の苦悩などが描かれていて、面白かった。 少し前に読んだマンガのサトラレは、逆の発想だと思うが、この本も参考にしたのかなぁと想像した。

    0
    投稿日: 2022.09.04
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    テレパシー能力を持ち、それをひた隠ししながら、 バレないための暮らしとして、住み込みの女中になり、 短期間で家を転々と変えていくという物語。 読み込めば面白いとは思いますが、 読み込みが足りなかったのか、淡々と進む感じが、 エンタメ小説であり、SFのはずなのに、少し評価を下げる結果になりました。 読み込んだり、シリーズ作品を読んでいけば、評価は変わる可能性は、 大いにあるとは思いますが、初回では星3を付けました。 ちなみに、超能力をSFとするかどうか曖昧のようですが、 超能力を科学で研究しているというのがあるし、 この物語にも出てくるので、一応SFだと思ってます。

    0
    投稿日: 2022.08.10
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    最初は家族のいろいろな形を現している内容かと思った。 ほのぼのした内容や、感動的な内容、など。 短編ではあるがしっかりミステリーでホラーな内容。 先読みできたのは置いといて、心を読める能力で人の不幸ばかりを書く筒井康隆さんのセンス。 ただ、古い本(70年代?)なので少し読みにくい。 純文学っぽい読みにくいではなく、ヴェランダとか。

    0
    投稿日: 2022.07.07
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    18歳の火田七瀬は、テレパスと言われる目の前の人の心を読み取る超能力を持っている。彼女は、その能力を隠して、各家庭に住み込みのお手伝いさんとして、生活を始める。 当時の中流家庭八軒、八家族の、八景。 もう50年前の、SF小説。久しぶりに読んだら、記憶よりも、大人のドラマだった。NHK少年ドラマシリーズで扱われていた印象があったので、子供向け作品のイメージとなっていた。 七瀬を巻き込んで、怪しげな、多少猥雑な心理戦が、日々繰り広げられる。七瀬の目線での、夫婦や親子の深層心理が、面白い。そして、二十歳となり、自分の女性としての成長を自覚して、お手伝いの仕事はやめて、次作の「七瀬ふたたび」へ。 身近なSFとして、日常の中の斬新な設定でした。

    39
    投稿日: 2022.06.29
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    40年以上前に書かれたとは思えないほどの斬新さ。関係性の中に現れる人の心の歪さ、醜悪さ、そしてそれ故の動物的な美しさは、今の時代も差程変わっていないように思う。 普遍的であるが故の真新しさをここに見た。面白い。

    2
    投稿日: 2022.06.10
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    面白かった。エンターテインメント作品。これはかなり個人的な見解なのだが、一編ずつのページ数が非常に丁度よかった。さて、文章。筒井氏の文章が好きだ。骨組みがしっかりとした文章構造、どこまでも客観的な文章は淡々と物語を展開していく。そして、家族八景、登場人物のモノローグはすべからく主観的なものである。しかし、七瀬を通すことでそれらはどこまでも客観的なものに近くなる。いやらしい登場人物の心情に近づかず、俯瞰するように物語を眺められる。凄い手法だと思った。ただ、流石に登場人物にはとことんうんざりさせられた。

    0
    投稿日: 2022.06.02
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    家族八景は多分中学生のころ、夏休みの読書で何を読むか迷っているところに、友達の誰かが面白いからと勧められた記憶があります。天邪鬼な私は勧められると従わないタイプなので他の推理小説(横溝正史?)を読んだ気がする。 そんなこともあり、筒井康隆氏を嫌っていたわけでもないのに、時が経ちこの歳まで読まずに来てしまいました。 七瀬は住み込みのお手伝いさんとして、いろいろな家族と接することになるが、テレパス能力があり、人の内面の感情や思ってることが理解できてしまうので、あるときは自身の防衛のために役立てられるが、能力を知られると異端とみなされ危険が伴うので悟られないように気を付けて生きていかねばならない。 章が進むにつれて、七瀬の怖さが際立ってくる気がした、最後の「忘母渇仰」は怖い。「七瀬ふたたび」につながっていくのだろうか。 また、性的な表現も割と多く出てくるのが少し驚いたが、当時のウブな中学生には刺激が強く友達はこの辺りが面白いと言っていたのかもしれない。 「七瀬ふたたび」に続く。

    18
    投稿日: 2022.04.24
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    もっと爽やかなイメージの話、かと思っていた。( ̄0 ̄)残念―――。 主人公は人の心を読んでしまう。そんな力(テレパシー)を持った家政婦。 その力を使い、住み込みで働く家の家族を助けたり、仲良くしたりしないのかと 思う。でも・・・・・暗い・・・家族が考えていることを、分析とでもいうのか、様々なことを思っている。 人によって感じ方があるけれど、私と この本の相性が悪かったのか、読み方がいけなかったのか、それはわからない。 /\/\/\/\/\/\/\/\/\ ただでさえ遲読の私、最近体調を崩して いる。図書館マイページを開くと、予約本の嵐がやって来るかも知れない!

    36
    投稿日: 2022.04.23
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    19歳で住み込みのお手伝いとして いろんな家を渡り歩く七瀬のお話 七瀬には人の心を読む能力があり その能力を通じて家庭の裏側が描かれている ずいぶんと前に書かれた小説なのに 現代家庭にもありそうな心理ばかり 色褪せない名作ってこういった小説だろうな と思いながら読んだ

    0
    投稿日: 2022.04.20
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    家族に関するドロドロリアルな短編集だった。 実は浮気してるとか、相手のことけなしまくってるとか、読んでてリアルだったけど、あんまり刺さらなかったかな

    0
    投稿日: 2022.04.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    200331 恐怖。結婚が怖くなる本。 前に、お母さんが七瀬シリーズが好きと言っていて、 絶対に読んだことがあるんだけど、 こんな怖い本だったっけ?って思うほど怖かった。 リーダーがなぜか二作目の『七瀬ふたたび』を買ってきたから 一作目から読みたくなって買った。 テレパスは絶対欲しくない能力だなと思った。 人の心を覗いて、自分の不利にならないように人を動かしてしまえるのも恐ろしい。 でも、ただ、人が思ってることって、 いくらその思い強くても、思ってるという事実と、 そこから行動に移すまでの距離って、 だいぶ離れてるんじゃないかな、とは思うんだよね。 七瀬さんが、「この人はこう思ってるからそろそろ危険だ」って思う判断基準が合ってるのかどうかはわからないな、と。 わたしは割と通常時はその距離が離れてる人な気がする。 てか人それぞれその距離って違うよなぁ…

    0
    投稿日: 2022.03.27
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    人の心理のリアルでドロドロとした表現が印象的な作品だった。 外に出す表情や雰囲気と、内に秘めた心理には乖離があって、他人には見えない事情が誰しもある。 外と内のギャップで苦しむことが、人間にはあることを学べた。 また、家族にもいろんな形があって、外からは分からないことがあるんだなと思った。 総じて、普段除けない人の心理や家族関係を覗くことができ、面白い作品だった。

    0
    投稿日: 2022.03.21
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    筒井康隆好きの友達に「筒井作品を初めて読むなら、これがオススメ」と教えてもらって読み始めた。 超能力(テレパシー)を持った七瀬という女の子が主人公。 「人の気持ちを読み取る才能があったらいいな」とか、 超能力=すごい、とボンヤリ思った事はあるが、いやいや、そんな能力要らない!!と、考えを改めた。 だって、聞きたくもない、知りたくもない事が、否応なく自分の意識に入ってきたら、シンドイし、たまらない、精神を病みそう。でも、小説の中では主人公と一緒に人の心の闇を覗いているようで、面白くもあった。 続きの「七瀬三部作」も読んでみたい。

    0
    投稿日: 2022.03.09
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    ブクログさんのお薦め本です。 幸か不幸か生まれながらのテレパシーを持って、目の前の人の心をすべて読みとってしまう可愛いお手伝いさんの七瀬ー彼女は転々として移り住む八軒の住人の心にふと忍び寄ってマイホームの虚偽を快り出す。人間の心理の深層に容赦なく光りを当て、平凡な日常生活を営む小市民の猥雑な心の裏面を、コミカルな筆致で、ペーソスにまで昇華させた、恐ろしくも哀しい本である。ー文庫うらすじより 文庫うらすじを引用しましたが、非常によくまとまっていて、この本のことを「コミカルな筆致で、ペーソスにまで昇華させた、恐ろしくも哀しい本である」の「哀しい」というところに撃たれました。 私事で恐縮ですが、この本はずいぶん昔、私が高校の時から今でも交際している親友が、高校の時に「読書は苦手だけどこの七瀬の本だけは好きなの」と教えてくれた本です。 私は父親がかなりの読書好きで家に日本文学全集と世界文学全集がおいてあり、それらの近代文学はつまみ読みしていましたが(趣味は音楽と映画とピアノで全部読むほどの文学少女ではなかったです)当時、高校生の間で流行っていた本にはあまり興味も縁もなく、昔なのでネットの情報もなく(コバルト文庫とかだと思いますが)現代作家の本は、大学生になってから読みだしました。 それで、親友のAちゃんが好きな本ということで、筒井康隆さんのこのシリーズ買ったような気が確かにするのですが、読んだ記憶が全くなく(高校生の頃から積読してたのか!と思いました)今回、初読みのような気がしました。 それで、本題ですが、それにしても七瀬の派遣される家は酷い家族ばかりで、七瀬に手を出そうとするエロ親父の妄想ばかり次から次へと出てきてかなりどぎついので、私と同じ昔の高校生で奥手のAちゃんがこんな凄い、前衛的な本を好きだったとは信じられない気がしました。 続刊もあるのでまた全然違う展開になるのかもしれませんが。 そして、うらすじにある「哀しい」ということば。 人の心が読めるということは「哀しい」ことなんですね。私は、自分のことをそれ程、人に知られて恥ずかしいことを考えている人間とは思わないけれど、人の心を読める能力はない方がいいと思いました。 神さまが人間に読心術を与えなかったのは、幸いなことだと思います。 よい采配だと思います。

    82
    投稿日: 2022.02.21
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    七瀬3部作。 高校生の時に読んで、忘れられない作品。 大人になって読んでもやっぱり面白かった。 こういうのは本当にすごい。

    3
    投稿日: 2021.12.20
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    本当に面白かった。 七瀬三部作を友人に勧められ、その一作目であるこの本を手に取りました。 想像の何倍も面白かったです。 八つの家族それぞれが持つ不安定さと人間味に、ぐいぐい引き込まれて行く感覚でした。 また、八つの家族だけでなく七瀬自身も不安定な存在であり、この後どのように話が展開して行くのか楽しみです。

    1
    投稿日: 2021.10.12
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    生まれながらにして人の心を読みとる能力を持った七瀬は、高校卒業後、自身の特殊性がバレないようにとあえて住み込みのお手伝いをしている。しかし同じ家庭で働くのは中々難しく働き先を転々としている。その働き先におけるエピソードの連作短編集。 夫々の家族は表向きはどこにでもありがちな家族構成だが、心の中を覗き込むと彼ら彼女らの赤裸々な感情が七瀬に飛び込んでくる。 筒井康隆ならではのシニカルでコミカルな文体で、ぐくっとストーリーに引き込まれるのだか、ラストにくるのはカウンターパンチ。 七瀬シリーズの一作目で、何度も映像化された不朽の名作だが通して読んだのは初めて。 初出は昭和47年なのでほぼ半世紀前の作品で昭和の香りだが、所詮、人間の営みにおける悲哀や欲望は変わらない。 個人的には、J・J、植草甚一の解説がボーナス的で嬉しかった。

    12
    投稿日: 2021.10.01
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    人の心が読める能力を持つ主人公が、家政婦として行く家の先々で人間の醜悪な本音を知っていく話。 本音と建前の描写が上手くどれも「あぁ〜、こういう人いるよね〜」とイメージができた。 一方で全体的に暗く陰鬱で短編が独立してあるため、もっと続きが気になる。という感情にはならなかった。

    0
    投稿日: 2021.06.29
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    1人のお手伝いさんの目線を通じた短編集のようですが、全然ピンとけぇへんかった。 強いて言えば「亡母渇仰」が「オリヴィエ・ベカイユの死」っぽいテーマやけどそこまで洗練されていない。 筒井康隆は初めて読んだけど違うのを読むのを少し躊躇う。

    0
    投稿日: 2021.06.18
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    相手の心が見える系だと、”高台家”みたく、ギャグにしてしまってくれた方が面白く感じちゃう。もちろん、先駆けとしての本作があったんだろうし、同時代的に読んでこそ味わえる素晴らしさもあるんだろうけど。そういう意味では、筒井作品はリアルタイムで味わうべきだな、きっと。

    0
    投稿日: 2021.04.28
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    何だか期待外れだった。 人の心の中が読める能力を持つ主人公が不幸ということなのか、人間の心の闇の部分をただ描きたいだけなのか。 誰だって人に言えないような事を考えてるものだし、主人公のしてることはそれを自身の能力を使って心の闇を行動又は言動として外に排出させようと少し背中を押してる行為だ。 その行為を否定することがこの小説の核なら、共感できるが...。 もう少し奥深く、人間の心情心理を追及してほしかった。 続編もあるが今の時点では、読む気があまり起こらない。

    0
    投稿日: 2020.10.22
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    すごかった…すごい好きだった 連作八編、八者八様な家族の構図と、テレパスを持つ少女七瀬の、家族模様と人間ドラマ、欲や情を、人間の意識を描く文章力はさすが。 七瀬が成長するにつれ美人になってしまい、それによっても周りの人間の反応が変わったり、各話は短いけど濃厚な話ばかりだった。 七瀬シリーズ、気になります。

    0
    投稿日: 2020.10.12
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    読心術に長けた火田七瀬がお手伝いさんとして様々な家庭で勤める中で、個々の家庭の内情を見ていく非常に楽しめる短編集だ.心理学者の根岸新三・菊子宅での「紅蓮菩薩」が面白かった.新三が七瀬の苗字を聞いて何か思い出した感じだったことを受けて七瀬が書斎を探ることで、彼女の父のことが浮かび上がる.どの家庭でも主人や妻の浮気が出てくるところも面白い.昭和の時代のやや裕福な家庭の状況が、克明に描写されているのも楽しめた.続編がある由なので、早速当たってみよう.

    0
    投稿日: 2020.08.08
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    面白かった。 筒井康隆は読んだことがなかったみたい。 文体は淡々としているのに、発想とストーリーが面白い。

    0
    投稿日: 2020.07.12
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     二回目。  タイトルからは想像つかない。いい意味で裏切られた。  昭和な時代の話ではあるが、なぜ憎み合いながら家族を維持しなければいけないのだろう。程度の差かな。

    1
    投稿日: 2020.02.20
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    ・テレパシーを持つ18歳の女性が、8つの家族をお手伝いさんとして渡り歩くという設定が面白い。 ・中学生の頃に読んで面白いと感じ、3部作全て読みました。 ・約40年ぶりに再読しましたが、内容は全く覚えていませんでした。 ・どの家族ももともと問題を抱えていて、主人公がお手伝いさんとしてその家庭に入るタイミングで表面化し、いろんな事件となるところに遭遇し関わる。 ・今読んでみると、子どもには勧め難い内容もあるし、どの話もハッピーエンドではないため(勧善懲悪のようではありますが)大人にもあんまりお勧めしにくい。 ・テレパスの女の子という設定は、爽やかな家族とは相性が悪いのかも。 ・昔の作品なので、少し今とは常識が違うことを感じました。男尊女卑的なところ。 ・亡くなる瞬間の人の意識を感応する2つのシーンは壮絶でした。 ・誰もが遭遇しうる心の闇が描かれていて、ある意味面白かったです。 ・登場人物の心の声が全て文字化されているので、普通は言動から心の中を推測しながら読みますが、それをしなくてもいいところも面白かったです。

    5
    投稿日: 2019.11.23
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    日常がSFになっていて、とても興味深いものであった。テレパシーというのは近代的自己という閉鎖空間をつきやぶる「約束」でなかなか文学的な意味も深いと思う。「お手伝いさん」という設定は、昭和初期の文学のもので、現代ではなかなか成立しづらいだろう。

    0
    投稿日: 2019.08.04
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    七瀬ふたたびよりも、クールなSFという感じ。互いの心が分かってしまったら、大抵の家族はきっと破綻する。我が家も然り。

    1
    投稿日: 2019.07.13
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    再読。といっても前回は十代だったので、「人間(特に男性)は汚い!汚らわしい!!」と思いました。折り返しも過ぎた今読むと七瀬もなかなかなものだと思います。若いけど経験値がすごいものね、無理もない。

    3
    投稿日: 2019.04.10
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    思いの外時代を感じた。数十年前の話とはいえこんなにも考え方が違うとは。当時の世相がわかって面白かった。

    2
    投稿日: 2019.01.27
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    旅のラゴスよりは簡単に読むことが出来ましたが、本の内容がマイナス思考って言うのか、人の汚い部分がすごく多く書かれててげんなりしました。人によっては面白いと思うかもしれませんが、残念ながら私には合いませんでした。もっと大人になってからもう一度読むかな....

    0
    投稿日: 2019.01.19
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    人間のことを刺激的に表現するので、爽快でもあり、自分のことを言われているようでこっぱずかしい。 18〜20歳のくせに精神的に成熟しすぎてて、自分を省みて恥ずかしくなった。テレパシーは使えないけど、もっと大人になろうと思った。 みんな七瀬のことナナちゃんって呼んでたけど、ナナちゃんって呼びたくなるような外見なんだろうか。自分も欲混じりの声でナナちゃんって呼んで、侮蔑の目でみられるんだろうな。それもまた一興。

    2
    投稿日: 2018.12.09
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    人の心のなかに隠されている部分が、テレパスの七瀬から伝わってくる。 それは、憎しみであり、性欲であり、依存であり、世間体であり、エゴである。 SFという形式は、深層心理を描くための単なる手段であって、それを忘れてしまうぐらい恐ろしい小説であった。 [more] (目次) ・無風地帯 ・澱の呪縛 ・青春讃歌 ・水蜜桃 ・紅蓮菩薩 ・芝生は緑 ・日曜画家 ・亡母渇仰

    0
    投稿日: 2018.10.12
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    なかなかにスリルもあるし楽しめた。テレパシーがあるといいなって思うけど、実際にあったら、なかなかにつらいもんなんだな。人が悪いことばかり考えているのでがっかりした。

    1
    投稿日: 2018.07.29
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    筒井康隆初体験。選択が良かったのか悪かったのか… 登場人物の多くの内声にセックス・ドライブが表現されているのに何となく違和感。 お手伝い七瀬がシリーズ化されている様だが、正直言って理解不能…

    1
    投稿日: 2018.07.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人の心を読める家政婦、七瀬が、色んな家庭を転々としてそれぞれの家族の問題を目の当たりにする。 フロイト的な心的構造を心理描写に自然に持ち込んでいて面白い。 心理描写は、小説の登場人物か第三者的な語り手の視点で描かれることが多いけど、「心を読める」七瀬が主人公になることで、その両方がミックスされた視点が構成されている。 さらに七瀬が自分の能力の出自を明らかにせんとして心理学を学んだ過去を持つことが、心理描写に心理学的な知見を当てはめることの根拠になっている。 おそらく、第三者的な視点のまま心理学用語を用いていたら、よりスノブな香りのする文章になっていたのではないか。 そういう意味で、心的構造を心理描写に自然に持ち込めているように思う。

    4
    投稿日: 2018.07.01
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    『「もっと、おつゆを召し上がる」(殺してやりたいわ) 「うん。貰おう」(なんだ。その声色は) 「ナナちゃん。おつゆ、もう一度温めてきてね」(殺してやろうかしら)(破綻)』 『やはり自分にはこの相手しかいないのだということをなんとかして自分に納得させようとする倦怠期の中年夫婦の、一夫一妻制という社会道徳への無意識的な心的規制と都合のいいすり替え、そして何よりも繁栄と平穏と余暇と満ち足りた栄養の中で育まれた中年男女の、そのはげしい情欲のはけぐちを求めようとする心理に彼女は負けたのだった。』 『ことばでの争いが、互いを果てしなく低次元へひきずり落としあい、底知れぬ憎悪の坩堝で責め苛みあうことになるのを、天洲は何度かの経験でよく知っているにちがいなかった。』

    1
    投稿日: 2018.06.16
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    所持/お手伝いさんとして様々な家庭を渡り歩く、エスパーの七瀬。読み進めるにつれて七瀬自身の感情の振り幅が大きくなってきて、面白さがぎゅーんと増していくかんじがした。〝はやく続きが読みたい〟と感じた本。 人の心は見えないようにできているのは、そのほうが幸せだからかなと思ったりして。

    1
    投稿日: 2018.06.14
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    2017年12月30日読了。読心能力者(テレパス)の七瀬が住み込みのお手伝いとして転々とする8家庭それぞれが見せかけの下に隠した真の顔と、七瀬の関りにより発生する変化の結末は。筒井康隆の「七瀬三部作」の第1弾。超能力版家政婦は見た、という感じで、いちいち悲喜劇的な結末を迎えるそれぞれの家庭が悲惨。考えていることと行動が違うのは誰でもそうではあるが、このお話の8家庭はどれも極端…。もし七瀬が読心能力を持たなかったとしても、どの家庭での仕事も結局はうまくいかなかったのではないか?とはいえ精神感応能力の描写など、よくまあ想像力だけでここまで迫真のストーリーが書けるものだと感心する。面白い。

    2
    投稿日: 2017.12.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    テレパスの能力を持つ七瀬は自らの力を隠しながら住み込みの家政婦として様々な家庭で働くものの、期せずしてその家庭の偽りや歪みを浮かび上がらせてしまう…という短編集。 お互いを憎み、軽蔑し合いながら偽りの平和な家庭を演じる家族「無風地帯」 不潔さを暴かれた家族の暴走「澱の呪縛」 年齢を気にせず人生を謳歌しようとする妻とそれを苦々しく思う夫を襲う悲劇「青春謳歌」 エロ親父に七瀬が襲われる「水蜜桃」 研究に没頭したい夫と嫉妬心の強い妻による「紅蓮菩薩」 お互いに隣の家族の配偶者が気になっている「芝生は緑」 家族から厄介者扱いされながらも絵画に没頭する画家に七瀬が好意を抱く「日曜画家」 強権的だった母親の葬儀がやがて壮絶な結末を迎える「亡母渇仰」 の八編収録。

    1
    投稿日: 2017.12.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    変わった小説だった。普通ではない8家族、謎が多くどこか人間味がない変な主人公。この小説を読んで残ったものは性は人生とは切り離せないものなのかなーと。 ドロドロしていてあまり好きないが続きがあるので読んでみようとは思う。

    1
    投稿日: 2017.12.15
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    やっぱり筒井康隆は面白いし、凄い。 これが40年以上も前の作品だなんて。文体にも感心しちゃうけど、何より人間の醜さをこんなに分かりやすく描ききれれるなんて。

    1
    投稿日: 2017.10.24
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    読心術の能力をもった女子の話。確かに目の前に立ってるひとが自分を見てどう思ってるか吹き出しのように見えたら気持ち悪いわな。

    1
    投稿日: 2017.10.12
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    人の心が読める能力があるからといって、どんな場面でもうまく立ち回れるわけではなく、醜い感情をリアルに見せつけられてしまったり、知らないほうが幸せだった事実を知ってしまって苦しんだり、主人公・七瀬の苦労は尽きない。 七瀬が無事にピンチを切り抜けられるか、どきどきしながら8編を読み終えた。

    1
    投稿日: 2017.09.28
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    表面上は穏やかに暮らす家族。 しかし激しく迸る心の声は互いに罵倒し合う。 ときに老いを直視せず ときに不貞を働き ときに馴れ合い 見下し 無関心で 奪うことだけ考え与えようともしない その哀しいほど独りよがりな心の声を、テレパス少女はずっと聴いていた。

    1
    投稿日: 2017.09.11
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    精神感応能力者・七瀬を主役にしたサイキックSF短編シリーズは、初読から時日が経っているにも関わらず、強く印象に残った作品。初めは自分の能力をひた隠しにするだけなのだが、壊れた家族関係の家々を渡り歩くうちに、攻撃的、実験的に能力を使うようになっていく七瀬。各編とも不幸な結末が用意されているが、中でも「亡母渇仰」の最後は戦慄を覚える。心理ホラーとしても成り立ってしまいそうな構成で、時代を超えた面白さを感じる。

    1
    投稿日: 2017.08.16
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    登場人物がほぼ例外なくゲスいなぁと思ったけど、現実に身の回りにいる人たちも同じような思考をしているもんなのかもしれない。

    1
    投稿日: 2017.07.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    登場人物の死に際の描写が生々しくてゾクッとしながら読んだ。恐怖を感じながらも夢中で読んでしまった。 ほかの話も、悲しかったり恐ろしかったりと昼ドラを見ているようなドロドロ感があったけど、不思議と続きが読みたくてページをめくってしまう。

    1
    投稿日: 2017.07.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とにかく読みやすい。途中で飽きない。 人の心が読める女性が、家政婦として働く先の家族を見てどのように感じ立ち回っていくのか。 働く先はコロコロ変わり、それぞれに色が濃い。

    4
    投稿日: 2017.04.18
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    筒井康隆の本を読むのは初めてな気がする。 読み始めて暫くしても、 全然違和感はなかったのだが、なんと1975年の作品のよう。 自分が生まれる前の作品とは感じさせないのはさすが著名なSF作家だからか。 内容は皮肉が効いていて中々、面白かった。 筒井康隆の代表作は時をかける少女だと、 wikiを調べて知ったので、これも今後当たってみよう。 本のあらすじは、人の心を読むことが出来る超能力を持った少女が、家政婦(お手伝いさん?)をしながら、色んな家庭を渡り歩き、 各家それぞれのねじ曲がった醜悪な人間模様を見て回るというもの。 超能力をもった面白い主人公の物語なのだが、 とにかく主人公の性格はとても褒められたものではない。 まぁ一言でいうと度を超したのぞき趣味というか。 わざわざ他人の心の醜い部分を読み取っては悦に浸っているようにしか見えない。 人の心を読めるんなら、わざわざそんな疲れることをしなくても、 楽に生きていけるのにと思う。 タイトルのとおり、 この小説は主人公の超能力を通して、 家族の崩壊、いかに好き勝手なことを考えているかを描いている。 大抵が相互の不信、不倫、金の問題などなど。 エゲツない描写が面白い。 多分30年前の筆者の問題意識なんかが反映されているんだろうけど、 昔の家族も今の家族も考えていることは大して変わんないんだろう。

    2
    投稿日: 2017.04.03
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    十数年ぶりの再読。8つの短編連作集。1972年…… テレパシー能力者の七瀬はお手伝いとして派遣されて働くのだが…… 8つの家庭の様相を描く。人の内面がわかる彼女は神視点ですべてをお見通しなのだが、やはり人間であり神にはなりきれない。人間の内面の醜さと悪意をシニックに描く。軽くであるがフロイト理論などが使われている。何よりも、母性というものの恐ろしさよ…… 全部で200ページの短い作品で、筒井作品の中でも一般にわかりやすい題材でこの著者入門としておすすめする作品。何度か漫画化やドラマ化されている。同じヒロインの続刊あり。著者三度目で最後の直木賞候補作。

    1
    投稿日: 2017.02.23
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    テレパスの能力で他人の心の中が 見えてしまう七瀬が、 お手伝いさんとして 様々な家庭の内部を覗き見る話。 テレパス能力があったら便利だなぁ なんて思っていたが、 七瀬の身に降りかかる 人間の汚い内なる心を これでもかと見せつけられると、 超能力なんて持ってなくて 良かったと安堵した。 8編全ての家庭で、 七瀬は幸せな女中生活を 送ることが出来なかったが、 それでも筒井さんの紡ぎ出すストーリーは 時にコミカルで、 きちんと読者の溜飲を下げてくれ、 時間を忘れて読み耽った。

    2
    投稿日: 2016.12.22
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    ひとの心が読めてしまう少女・七瀬は自らの力を知り、試すためにもお手伝いを職として様々な家で住み込みながら働いていた。 その中の8軒の人々のエピソードをまとめた1冊。 元々ドラマを昔に観て、とても好きだったので手に取った本。 ドラマはかなり原作に忠実だったんだな〜。 人の心が読めてしまう七瀬にとって、住み込みで働くというのは興味深い反面とてもリスキーで、読みながら自分だったら?を常に頭の片隅に置いていた。恐らくもっと人をけしかけたり、コントロールしようとしてしまうだろうなあ。 最後の亡母渇仰のラストが壮絶すぎて、もし自分なら狂ってしまいそう。 生活の中で、相手の気持ちが分かればなあと思うことはままあれど、人の心が読めるのは幸せなのかね、不幸せなのかね。

    3
    投稿日: 2016.12.09
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    生まれつき相手の心をすべて読める能力を持った家政婦の女性。そんな彼女を通して見た8家族の人間模様を描いた小説。 昭和47年の作品だけあって描かれている場面、場面は古さを感じますが、それだけに人間心理(恨み・妬み・ひがみ・虚栄心……)は時代が変わってもそう変わらないんだなということが哀しいほど分かりました。

    1
    投稿日: 2016.11.15
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    大昔に読んだことがあるのか無いのか記憶が定かでないので初読状態と言って差し支えなし。 住み込みお手伝いとかフロイト的設定とか確かに時代を感じさせるものはありますが、当方の生まれ年より前の作品とは正直思えない。今でも十分に読めます。 結局七瀬が一番の悪人って気がする、心を覗かれる登場人物はやはり小市民でしょ。主人公を傍観者的立場に設定して良い意味で上手く誤魔化しているが、結構毒ありますよ。 ちょっと筒井康隆に立ち戻ろうかな?

    2
    投稿日: 2016.11.11