
総合評価
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powered by ブクログ話の展開がおもしろいのはもちろん、ふとした言葉づかいが美しい。今とは違った昭和の生活を垣間見れるのもおもしろい。東京から出雲まで電車で22時間…!
0投稿日: 2025.10.29
powered by ブクログ冒頭で事件が起こるが、上巻では全体像はまだ見えない。 でも読みやすく、飽きずにすらすら読める。 偶然要素が強すぎる箇所、刑事の勘が鋭すぎて当てずっぽうを確定事項として話を進めているような箇所が少し気になった。
0投稿日: 2025.10.02
powered by ブクログミステリー小説にはまっていくと、当然その歴史にも興味が湧くようになる。古典的本格ミステリーの時代から社会派ミステリーの台頭、そして本格派が新本格ミステリーと名を変え再び脚光を浴びるようになる。現在はどちらかの派閥に拘ることなく両者のいいところを融合したような作品が溢れるようになってきた。 新本格ミステリーと称される作品を中心に読んでいた自分が、あまり手をつけていなかった社会派ミステリーがいかなるものかということに関心を寄せるようになるのは自然の流れであった。 そこで何度も映像化されている社会派ミステリーの金字塔『砂の器』を読んでみることにした。 … うーん…1970年代に発行された作品だから仕方ないのかもしれないが描写が古めかしい。文章の構成自体も淡白な感じで、ただ単にそういう時代背景だからということだけでなく、読んでいても何となく世界に入り込みづらい。 肝心の内容についての感想は… 『砂の器(下)』に続く。。
0投稿日: 2025.09.18
powered by ブクログ上巻読み終わった!!! 何でこんなにいい人が殺されてしまったのか とっても気になりすぎる!!! 仕事終わりに図書館に走りますよ〜!! 詳しくは下巻を読み終わったら そっちに感想まとめたい!
1投稿日: 2025.09.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
松江文学紀行で紹介された。とても有名な推理小説である。映画にもなっている。上巻では殺人事件で周囲の人が2人シンでしまったが、真犯人はまだ出てこない。
1投稿日: 2025.07.31
powered by ブクログ蒲田駅操車場で発見された身元不明の扼殺死体の捜査をする今西刑事。手がかりを得られないまま捜査本部は解散となるが…。 登場人物の一人が昭和八年生まれと言っているので、昭和三十年代の話だと思います。女性はこんな話し方をしていたのかしら、ズック(おそらく帆布)のスーツケースとは…など想像しながら読みました。若者が古いものを毛嫌いするのはいつの時代も変わらないようですね。 たくさんの謎をかかえて下巻へ。
1投稿日: 2025.07.30
powered by ブクログ松本清張を代表する長編推理小説。 国電蒲田駅付近の車両車庫で事件が起こる。当時の京浜東北線は7両編成で運行されていた時代(現在は10両編成)。そして「カメダ」を追って今西は松江へ向かう。その列車は「急行『出雲』」であり、現在のサンライズ出雲に該当しよう。鉄道ファンにとっても松本清張の物語は十分鉄道の旅を楽しめる。 そして、何よりも上巻下巻の区分が絶妙なのだ。これから事件解決に進もうとするあたりで区切られている。下巻が楽しみでしょうがない。
0投稿日: 2025.03.24
powered by ブクログ誰しも忘れたい過去があるはずだ しかし 振り返って手を伸ばしてみても 掴んで修理することはできないし スマホのデータのように きれいさっぱり消去することもできない 「俺から逃げることはできねぇぜ」 忘れたい過去はそんな風にくっきりと あるいはもやのようにぼんやりと 僕たちにいつまでもまとわりついてくる この小説の主人公である和賀も そんな過去に苦しめられる一人だ 天才音楽家として名声を手にし 彼の目の前には前途有望な将来しかない だが過去は彼を逃がさない どこまでいっても どんな解釈を試みようとも 和賀の過去は和賀を追いつめていく しかし過去と対峙しその過去を糧にして 力強く前向きに生きることができる 人間などいるのだろうか 僕たちは 和賀の犯した罪を責めることができるのか? この小説のラスト一行は、美しい 和賀が奏でる音楽のように どこまでも優しく暖かい。 何度も映像化された名作中の名作。 時代背景の古さなどお構いなしに これからも読者の心を打ち抜いていくだろう
7投稿日: 2024.11.19
powered by ブクログ普通推理小説を読んでいると「理屈ではあり得ても人間の感情ってそんな簡単じゃないだろう」と思ってしまうことが多い。ただ、松本清張作品はあまりそういうことを感じることが少ないように思われる。奇抜なトリックやどんでん返しなどが少ないせいだろうか。どこにでも起こりえそうなそんな話なのに、なぜだか惹きつけられる。 砂の器というタイトルの理由が上巻だけではまだ深くわからない。ただ砂のイメージから、さらさらと流れていってしまう具体的な形を伴わないもの、という予測を立てている。下巻を楽しみに読みたい。、
10投稿日: 2024.11.18
powered by ブクログ上巻読了。昭和30年代の時代背景以外には、古くささの全くない文章。読み易くてくど過ぎない。登場人物が推理する論拠も受け入れ易く、行き詰まっていた捜査が前進する瞬間の心地良さは素晴らしい。
0投稿日: 2024.10.19
powered by ブクログ上下巻の感想です。 ミステリーの名作でググるとでてくる作品の一つ。 約60年前のものなので読めるか心配だったけど時代のギャップも楽しめて面白い。 例えば大阪への移動が夜行だったり、男女の上下関係、個人情報がダダ漏れ、2人で飲んで750円などなど、それに人々の付き合いも密だったんですなと。 内容も前半は刑事と関係者が近所だったり、ちょっと強引だなと思ったりしたけど、これも時代背景かなと。 所々、他の本(当作品より後のもの)を連想させるものがあり、色々な作家に影響を与えてるのかなと思いました。
24投稿日: 2024.09.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
約14~15年振りの再読。だいぶいろいろ忘れていた。 中居くんのドラマは20年前頃だったろうか?『砂の器』と言えばその時の印象が強い。今回の再読中もあの時の《宿命》が頭の中に流れ続けるくらいに。 …というわけで、大まかな話の流れは分かっているんだけど、こんなにも今西刑事の勘頼りだったっけ?(笑) それに関川氏を犯人と思わせようとするミスリードが多いなという印象。 下巻では和賀英良に焦点があたって、いよいよ過去に迫るんだよね。楽しみ!
0投稿日: 2024.07.29
powered by ブクログ【おすすめポイント】映画やドラマにもなった有名な長編推理小説ですが、事件の大きな要素として感染症であるハンセン病が絡んできます。この病気や罹患者がどのように扱われてきたのか、どのような目で見られていたのか、一緒に展示している歴史の本も読んで考えてみてください。 【請求記号】910.26:Ma:1 【配置場所】1階新書庫右 【URL】https://mylibrary.toho-u.ac.jp/webopac/BB28227631
0投稿日: 2024.07.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何度も読み返したくなる松本清張の傑作。カメダの意味とは?アール・ヌーヴォーの若者たちの正体とは?貧富の差や差別が根強く残っていた昭和の様子が伝わってくる。完璧なアリバイも砂の器のように脆く崩れ去る、、、
2投稿日: 2024.04.04
powered by ブクログ社会人一年目は広島勤務でした。 島根県木次町(現雲南市)に出張した際、先輩に議事録を頼まれ必死に記録しようとするも、東北弁のようなズーズー弁で意味が分からず先輩に謝罪した事を思い出した。 他にもこの当時に電子音楽という分野が芽生えつつあった事にも驚きを覚えた。 初読の清張はストーリーの面白さと上記の感情が混ざり合い、一方で都電が日常的に使われていたり亭主関白的な夫婦の掛け合など当時の生活感を想像しながら読み進めるのが楽しかった。
5投稿日: 2024.03.16
powered by ブクログ初めての松本清張。 時代が時代だけに、今の若者の感覚では理解し難い部分もあるだろうな。昭和世代後期に分類させる自分には、まだ理解できるし、何せ面白い。 色々な話しがそれぞれに進行して、何処に落ち着くのか。 まだ誰が怪しいかもわからないまま上巻が終わってしまい、下巻への期待が堪らない。 ヌーボ・グループとかいうやつらのいけすかない感じが凄く良い。
2投稿日: 2023.09.23
powered by ブクログ読みやすかった。するすると文章が入ってきた。 また、方言の分布など、新たな知見が開けた。 ただ、遺族や警察が被害者の身元を特定するところで、直接顔を見せたり遺留品を確認したりというフェーズが無かったので、これ実は全部ミスリードという疑いを捨てきれない。まだ上巻しか読んでないのもあるが…
3投稿日: 2023.06.04
powered by ブクログ初め、思い容れのない人物の殺人事件で、感情がついていかなかったけど、上巻の後半からスルスル読めました。 今西刑事と、日本各地だけでなく、登場人物の心の内も、じっくり旅した気分でした♪ 人間の見栄やドロドロの欲望を描く作家さんかな、と避けてたけど、深くてあたたかささえ感じました
0投稿日: 2023.06.02
powered by ブクログ大昔の本なので時代がかった作品かと思ったら、そんなことなかった。意外とポップな文体で読みやすい。 登場人物たちの人間模様に引き込まれる。 ほんのり旅情を感じる主人公の刑事の出張シーンも楽しい。
1投稿日: 2023.05.20
powered by ブクログ東京蒲田駅で死体が見つかった。カメダを手がかりに今西刑事が東北や出雲の方へ出向くがこの1冊では犯人は見つからず続編へ続く。出雲の奥の方言もズーズーべんだとは知らなかった。方言も知れて良いことを知った。
1投稿日: 2023.05.04
powered by ブクログ場面描写が細かくて、高度成長前の時代の何とも言えないエネルギーや戦後の混乱の残りみたいなものが味わえる。 既成の権力や文化にやたらと反抗する若者グループはこの後無事に大人になったんだろうか。
1投稿日: 2023.03.04
powered by ブクログ国電の蒲田操車場で男の撲殺死体が見つかった。 付近での聞き込みから、被害者の東北弁と、被害者と容疑者が話していた『カメダ』という言葉を手がかりに、捜査を行うが… 容疑者に関する有力な情報はつかめないまま、捜査本部は解散となる。 警視庁捜査一課・今西は、捜査を継続。 今西のひらめきから、新たな事実が… 方言、地名、電車からの紙吹雪… 事件にかかわっているかと思われる人物が、自殺、不審死… 今西のこの殺人事件への執念がすごい。
2投稿日: 2022.10.02
powered by ブクログ松本清張=火曜サスペンス劇場ってイメージで、自分には縁がないジャンルだと思ってずっと読まずにきた。実際読んでみたら、なんて緻密に作り込まれた話だろうって衝撃を受けた。1960年代に出版されたんだって。時代を感じさせない新鮮なおもしろさ。これはほんとの意味で時代を越えて読み継がれるべき名作だと納得しました。最後のシーンが空港ってのも、爽やかでイカしてる。
0投稿日: 2022.09.25
powered by ブクログ有名な作家だけど読んだことなかった。 松本清張はドラマなんかもやっていたから、もっと現代の作家だと思ってたんだけど、読んだ感覚は完全に時代小説だった。 ベレー帽がわからない人に、大黒頭巾みたいな帽子だよと言ってるシーンがあって、逆に大黒頭巾ってなんだと調べたら、めっちゃ可愛かった。 言葉使いも全然違うし、男尊女卑もハンパないし、普段着の着流しってなんだ笑とか、生活の違いやら価値観の違いやら、そういう細かいとこも面白い。 捜査方法も、昔ながらの「刑事のカン」みたいなもんで突拍子もなく閃きながら進む。現代の小説なら、はあ?ってツッコミたくなるけれど、この時代ならありなのかも──と思いながら、下巻に続く
1投稿日: 2022.09.16
powered by ブクログ2022.9.12 急に脈絡もなくヌーボーグループ出てくるとことかは ?? て感じだしそこから推理始まるの偶然ラッキーすぎるだろとは思うけど少しずつ情報を拾い集めていく感じはよかった
0投稿日: 2022.09.14
powered by ブクログ何度も映像化されているし、結末は知っているので、ちょっと敬遠していましたが、一度読み始めるとどんどん引き込まれて、一気に読み切れました。 若干、真相に近づく過程にご都合的な部分を感じなくはないですが…。
2投稿日: 2022.06.25
powered by ブクログ松本清張の名作ミステリー。なのだが、今読むと時代の臭いが濃すぎてなじめなかった。トリックもまあなんだか。テーマ的に読後感もすっきりしない。
0投稿日: 2022.05.18
powered by ブクログ上野21時発急行羽黒 羽後亀田駅、地図で確認した。 ヌーボー・グループはちょっと突然な感じがして読んでいる時は位置付けが分からなかった。 東京発急行出雲、当時は山陰線経由ではなく、大阪まで行って福知山線経由。2等車の旅は堪える。 車内から撒いた紙片 いろんな事実がカギとなってゆく。
3投稿日: 2022.04.09
powered by ブクログ「松本清張」の『砂の器』を読みました。 先日、映画を観て、とても気に入ったので、、、 原作を読んでみたくなったんですよね。 上下巻に分かれていて、なかなかのボリューム感でしたが、どんどん先が読みたくなるような展開で苦痛なく読めました。 -----story------------- <上巻> 東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。 被害者の東北訛りと“カメダ”という言葉を唯一つの手がかりとした必死の捜査も空しく捜査本部は解散するが、老練刑事の「今西」は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。 「今西」の寝食を忘れた捜査によって断片的だが貴重な事実が判明し始める。 だが彼の努力を嘲笑するかのように第二、第三の殺人事件が発生する……。 <下巻> 善良この上ない元巡査を殺害した犯人は誰か? そして前衛劇団の俳優と女事務員殺しの犯人は? 「今西」刑事は東北地方の聞込み先で見かけた“ヌーボー・グループ”なる新進芸術家たちの動静を興味半分で見守るうちに断片的な事実が次第に脈絡を持ち始めたことに気付く…… 新進芸術家として栄光の座につこうとする青年の暗い過去を追う刑事の艱難辛苦を描く本格的推理長編。 ----------------------- 映画版と重なる部分も多いのですが、、、 第二、第三の殺人事件が発生したり、自殺や事故にみせかけた犯行手口が使われていたりと… 映画版とは異なる設定になっている部分も多く、映画版よりもミステリー要素が強かったですね。 比べてみると、映画版は、どちらかというとヒューマンドラマ要素が強く、ミステリー要素は弱い感じです。 とういうか、、、 映画版は小説「砂の器」を素材としているものの、小説ではほんの少ししか触れられていない真犯人の生い立ちや苦しかった流浪(遍路)の日々をクローズアップする等、物語の構成に大きな変更が加えられているし、映画ならではの演出もしてあり、小説版とは別な物語って、印象を受けますね。 「今西」刑事の執念の捜査を丹念に描き、物語や背景に広がりのある小説版も好きですが、どっちかというと、映画版の方に軍配が上がるかなぁ。 音波を使った仕掛け… 黒板を爪でひっかく音が、ムッチャ嫌いな私には、物凄く効きそうです。 想像するだけで、嫌な思いになりますねぇ。
2投稿日: 2022.03.31
powered by ブクログ名作にふれるのはやっぱり良いですね。清張作品独特の、時代を感じながら、すこーしづつ推理の世界に引き込まれていきます。 実直そのものの今西刑事。粘りの捜査がたくさんの謎解きのヒントを与えてくれています。さあ、どういう答えが導きだされるのか?
22投稿日: 2022.03.17
powered by ブクログ迷宮入りの事件を諦めない刑事の粘り強さに、仕事人間の「美学」を感じた。方言の飛び地、類似した駅の名前、紙吹雪を撒く女性の姿から手掛かりの糸を手繰り寄せた展開に鳥肌が立った。全国に広がる捜査のスケールに、地図を広げながら読みたくなった。 個人的には、亭主関白な雰囲気のある昭和の家庭、そして寝床で喫煙する風習に、突っ込みを入れたくなった。
10投稿日: 2021.12.19
powered by ブクログ上巻の終盤から、長く硬直していた物語が動き出した。この先どんな展開が待ち受けているのだろうかと楽しみにしながら、下巻を読む。
3投稿日: 2021.12.08
powered by ブクログ砂の器(上)(新潮文庫) 著作者:松本清張 発行者:新潮社 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 清張作品の金字塔でベテラン刑事と連続殺人犯の対決を描く有名作。
5投稿日: 2021.11.13
powered by ブクログ東北弁と同じような方言・発音が出雲でも使われているとか、面白いところから物語を作っているところが古い話なのに妙に新鮮でした。 既成権力に反発する若者が肩肘張り過ぎているところに時代を感じるけれど、平成がぬるま湯だったってことなのでしょう。 令和は良い時代になるといいな。 松本清張さんの文章は贅肉がなくて読みやすいね。
0投稿日: 2021.09.10
powered by ブクログ丹羽哲郎のリマスター版映画で鑑賞 蒲田から始まること、東北訛りのカメダという言葉から、踊る大捜査線を思い出したのは私だけではないだろう。
2投稿日: 2021.08.02
powered by ブクログ蒲田の操車上で見つかった惨殺された死体。残された手がかりは東北訛りと思われる男二人の目撃情報。そしてちらついているのは前衛芸術の集団。下巻が楽しみ。
0投稿日: 2021.03.12
powered by ブクログそんな偶然が、、って思う部分もある反面、意外と調査が徒労に終わってしまう描写などもあって主人公と一緒に一喜一憂して楽しめた。 東北弁と「カメダ」が鍵になることは知っていましたが、こんな一捻りがあるとは・・!!
0投稿日: 2021.02.06
powered by ブクログ中居さんのドラマで衝撃を受けて原作も。親子の逃避行の原因が、ドラマと原作とでは全く違って驚いた。悲しいけどすごく心に残る作品。ドラマも原作もどちらもそれぞれ素晴らしかった。
0投稿日: 2021.02.05
powered by ブクログ松本清張の名作とのことで今更ながら読んでみる。 主人公今西刑事の身近なところにやたらと手掛かりが転がっているご都合主義はご愛嬌であるが、犯人像と動機を探るために過去のルーツを追っていくくだりは引き込まれる。40年近い昔の作品でも名作であるとの証左か。 面白かったのは、昭和40年前くらいの設定で東京都内がまだまだ未開発であったこと。そして地方への移動は全て夜行列車だし、聞き込みで個人情報もなにもなく刑事にベラベラしゃべる参考人たち、自分が生まれた10年くらい前までは、まだこんな時代だったのだなと思い忍ばれた。 あとは、最近の刑事ミステリーとは違い、今西刑事の勤務形態がどこかのんびりしていて旅情があるところも魅力。
0投稿日: 2021.01.20
powered by ブクログ最後のトリックは少し意外なものでしたが、昭和の時代背景も読み取れる話で、するすると読むことができました。
0投稿日: 2020.11.15
powered by ブクログ昭和の社会問題を背景に描く松本清張ミステリー。「砂の器」は、病気、戦争を背景にした作品。主人公の刑事が真面目に一歩ずつ犯人を追い詰めていく展開に、頁をめくる手が止まりませんでした。
6投稿日: 2020.04.01
powered by ブクログ何度もTVドラマ化された松本清張を代表する作品の一つ。他の清張作品のなかでも文体に優れ、一気に読み手を惹きつけていくという個人的印象。東北弁に近い島根県は出雲地方の訛り。犯人の手がかり「カメダ」が島根県の「亀嵩(カメダケ)」であることに辿り着くまでが上巻。
2投稿日: 2020.02.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
登録上は下巻もまとめて。 久しぶりに読んだ本格ミステリー。 意外でない犯人、やや意外なトリック、犯人を追い詰めるにはちょっと強引なロジック構成。時代もあるのだろうが、たまにはこういうものも良い。
0投稿日: 2019.12.31
powered by ブクログ割と最近、とはいっても10数年前に読んだんです。さすがに名作の誉れ高いし読んでおくべきだろうと。現代とはインテリの扱いが違っていて違和感が有ったのでそんなに入り込めなかったのが残念な気がしました。これは本の問題ではなくて受け取り手(僕)の問題だと思います。
0投稿日: 2019.10.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
1.松本清張といえば、このシリーズという人も多いということで、気になったので購入しました。 2.蒲田駅の操車場で扼殺死体が発見された。手がかりは被害者の述べた「カメダ」だけで、1ヶ月たっても操作は進まずに捜査本部は解散された。諦めきれない今西は、時間を見つけては事件を追っていく。断片的に手がかりを見つけていくも、被害者の手がかりとなる者は次々と殺害されてしまった。 3.なかなか手がかりが見つけられず、もどかしい思いをした前半でした。手がかりにつながったと思いきや殺害されて一からやり直すを繰り返していく中でも、地道に捜査を続ける姿が日本の刑事らしいと思いました。 個人的には、方言分布の節が気になってしまい、話とは関係なく、その分野の本を読みたくなってしまいました。
2投稿日: 2019.07.15
powered by ブクログ一歩進んでは、三歩下がるような、ジリジリした捜査展開。 焦れったくもあるが、その中に罠が仕掛けられていないか、慎重に読み進める。 だが、あっという間だった。 徐々に分かる手掛かり。 下巻で、どのように展開してゆくのだろうか。
0投稿日: 2019.07.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
名作はやはり面白い。 冒頭、有名な「カメダ」の会話。 そして、事件の発生。 羽後亀田、出雲の亀嵩と捜査は全国に及ぶ。 都内も各所が舞台となる。 テンポのいい展開、しかし、事件の核心には迫れるようで迫れない。 警視庁の今西は、あらゆる事象から事件を追いかける。紙吹雪を探し当てるのは執念としか思えない。 犯人はこの人物か、と思いながら読み進めているが、完全には特定できない。 下巻は一気に読んでしまいそうだ。
0投稿日: 2019.06.29
powered by ブクログ先日TVドラマでリメイク版が放映されたが、やはり原作を読み返したくなり再読。本格的な社会派ミステリー、面白い。
1投稿日: 2019.05.29
powered by ブクログ「黒革の手帖」に続き、松本清張2作目。 少ない手掛かりから刑事が靴底をすり減らし地道な捜査で徐々に因果関係を解き明かしていく、派手さはないけど、テンポよく話が進んで、飽きさせず面白い。どこでも煙草をスパスパやってるのも時代を感じていいなぁ。 「砂の器」というタイトルの意味が気になっている。拾っても拾っても崩れていく、みたいな意味だろうか? 下巻でどんな風に物語が収束するのか、楽しみ。
2投稿日: 2019.05.25
powered by ブクログドラマから参戦。 蒲田以外でも人が死んでいるのを初めて知った。 当時の文化、風俗が垣間見られてよい。
0投稿日: 2019.05.11
powered by ブクログ方言研究の先生から教えてもらった。 西日本でもズーズー弁。面白い。 物語は面白いが、今西の勘が良すぎるような。 下巻を読むのが楽しみ。
0投稿日: 2019.05.02
powered by ブクログ★評価は再読了後に。 この間テレビドラマ化の広告看板を見て再読。 時代背景云々を差し置いて松本清張の作品が何度も映像化される理由は、日本人独特の粘質感というか湿っぽさというか、何とも言えない暗さではないか?と思ったりしました。ただ、だんだんとこの感覚は共有されなくなる可能性もあるのでは?と思わなくもなく、日本社会の変化そのものを示す作家かもしれぬ、と考えなくもなく。
0投稿日: 2019.05.02
powered by ブクログ内容(「BOOK」データベースより) 東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。被害者の東北訛りと“カメダ”という言葉を唯一つの手がかりとした必死の捜査も空しく捜査本部は解散するが、老練刑事の今西は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。今西の寝食を忘れた捜査によって断片的だが貴重な事実が判明し始める。だが彼の努力を嘲笑するかのように第二、第三の殺人事件が発生する…。 平成31年4月1日~4月6日
0投稿日: 2019.04.07
powered by ブクログ2019年3月16日、読み始め。 この作品は、新潮文庫として発行されたのが、昭和48年3月27日。 そして、今手にしているのは、新潮文庫の112刷で、平成30年6月15日のもの。 息の長い作品である。 なお、2019年3月28日に6度目のテレビドラマの放送がフジテレビ系列で予定されている、とのこと。 2019年3月20日、読了。 ●2022年9月13日、追記。 内容を忘れてしまったので、確認。 以下、コピペ。 東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。被害者の東北訛りと"カメダ"という言葉を唯一つの手がかりとした必死の捜査も空しく捜査本部は解散するが、老練刑事の今西は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。今西の寝食を忘れた捜査によって断片的だが貴重な事実が判明し始める。だが彼の努力を嘲笑するかのように第二、第三の殺人事件が発生する…。
7投稿日: 2019.03.16
powered by ブクログ読了。 映画が良かったので原作を手に。しかし、これは映画が原作を凌駕した稀有な例だと良く判った。まず事件の数が全然違うし、もうSFとすら言えない荒唐無稽な技術で人が死ぬし、映画で有名なあのシーンがたった数行だし、犯人のキャラクター造形も全然違うし…。でも、松本清張って社会派推理作家と言いながら、結構荒唐無稽なトリック使う傾向ありかも。怪奇作家みたいに言われる横溝正史の方が、実はプロットとトリックは本格的だったり。
0投稿日: 2019.01.22
powered by ブクログ2019年一冊目は、職場の「横溝正史派」の先輩のお話で面白そう!と思ったこちらの作品を。 とても面白いです。ぐいぐい読みました。 蒲田で見付かった他殺体、迷宮入りしかかった事件ですが、思いもよらなかった所から捜査が進んでいきます。 実は先輩から少しネタバレされたのですが、上巻ではその人殆ど関わってこないので、本当にあいつなの…?という思いで読んでいます。でも読み飛ばしてしまいそうなところは、ん?となりました。 下巻も楽しみです。
0投稿日: 2019.01.01
powered by ブクログ最初に読んだのは中学生の時。 何度か映像化もされているけれど、原作の深さは、やはり放浪しなくてはならなくなった原因に尽きる。 大人の事情で、設定を変えなければ映像化はできないようであったけれど、現代においても尚、原作の設定での映像化は無理なのであろうか。 多くの人に知って欲しい作品だと思うのだが。
1投稿日: 2018.12.18
powered by ブクログ50年近く前に書かれた作品っていう、時代背景を考慮すると、今の時代においても十分通読に値う。女性から男性への話し言葉は丁寧語になるっていう、今じゃバッシングされ兼ねん会話文も、50年も前のものとなれば笑って流せるし。ただ、あまりにも出来過ぎの展開が重なって、それに関してはちょっと辟易。その頃の東京では、関係人物に偶然出会うってことがそんな日常茶飯事だったの?とか。マルチ視線で語られる物語が好きなんで、もちろん下巻も読みはしますけど。
0投稿日: 2018.10.19
powered by ブクログ最近マイ・ブームの松本清張再読は続く。中学生の時に、カッパ・ノベルス版で読んで以来。映画は見たけれど、テレビドラマは未見。「点と線」「時間の習俗」の二作に比べると、描写が丁寧。 宿命とはこの世に生まれて来たことと、生きているということである。 東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。被害者の東北訛りと“カメダ”という言葉を唯一つの手がかりとした必死の捜査も空しく捜査本部は解散するが、老練刑事の今西は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。今西の寝食を忘れた捜査によって断片的だが貴重な事実が判明し始める。だが彼の努力を嘲笑するかのように第二、第三の殺人事件が発生する……。
0投稿日: 2018.04.01
powered by ブクログ野村監督の映画(1977年頃の作品)を、Amazond Videoで鑑賞、原作に興味を持ちました。松本作品は、短編を中心に読んでいたので(`張り込み`、旅路`等)、気楽に本を取り寄せましたが、本作、かなりの長編作であることに吃驚。 映画には出てこない、エピソード多数。 読み進めるうちに、作家、松本清張の幅の広さ(現代音楽についての評論の記述等)、その知的好奇心(方言の分布に着目した推理のプロット等)等、作家の`凄み`、を改めて実感。 映画は、丹波哲郎の臭い演技(老練の刑事役)が良いですね、現在の千葉県知事、森田健作(若手の刑事さん役)の`大根役者なセリフ回し`も、味があります。小説も映画も、共に、オススメ、楽しめますです。
1投稿日: 2018.03.02
powered by ブクログあまり時代の古さを感じさせない作品。早い段階から読者には犯人を示し、捜査側、犯人側から物語を展開していく。 下巻でどのように伏線を回収していくのか期待。
1投稿日: 2017.11.09
powered by ブクログゼロの焦点に続く、松本清張。 既にドラマで見たことあるので概要は知っているが、いつの間にかドキドキしながら読んでる自分がいた。 後編へ続く。
0投稿日: 2017.08.02
powered by ブクログ松本清張の代表作。昔読んだことがあり、懐かしくなって再び手にとってみた。清張先生の作品は面白い。この時代にベレー帽を被った革新主義の若者たち、さぞやハイカラだったことだろう。またこの事件を追い続ける刑事さんが渋くて良い。この雰囲気がとても好きだ。
3投稿日: 2017.02.21
powered by ブクログ清張先生さすがの面白さです。今なら携帯電話もあるし血液鑑定なんてすぐ出来るのにまどろっとこしいな〜、と思いつつもそれが逆に新鮮。下巻まで一気に読んでしまった。
0投稿日: 2017.02.12
powered by ブクログずっと松本清張の作品を読んでみようと思っていたので、ドラマも見たことのあるこの作品からにしようと。 犯人を知っているので、謎が解き明かされていく感覚や推理していく行程はないですが、ミスリードや伏線を拾いながら読めるのがいいですね。 平成生まれなので、要所要所に感じる昭和らしさが逆にとても新鮮。でも決して読みにくい文体ではないのもいいですね。下巻も早く読んでしまおう。
0投稿日: 2016.12.27
powered by ブクログ初松本清張。 思ったよりサクサク読めた。 たまたま手に取った雑誌にそんな都合よくヒントが出てくるのかというツッコミと、黒幕が早々に出て徐々に包囲されていく緊張感と。
0投稿日: 2016.09.27
powered by ブクログ刑事が、数少ない手掛かりを頼りに、粘り強く捜査を続け事件の真相を突き止めるお話し。長編だけど、最後まで引き込まれた。
1投稿日: 2016.08.12清張3部作読破にカウントダウン
清張3部作(「点と線」、「ゼロの焦点」とこの「砂の器」)は、映画やテレビドラマで有名であるが、今まで読んだことがなかった。既に、「点と線」と 「ゼロの焦点」は読破しており、この本を読めば、とりあえずは目標達成するが、読み進めると、どうしても他の作品にも目がいってしまいます。 映像では表現出来ない登場人物の描写が秀逸です。また、終戦から高度成長期の埋もれた戦後史を紐解く様で後半に期待します。
0投稿日: 2016.07.29
powered by ブクログ寝る時間も惜しんで、のめりこんで読めた作品。 推理系の小説は最後にドンデン返しがよくくるけど、これも同じく。 おもしろかった~exclamation でも「偶然」が重なって、事件解決に繋がってるようにも見えるねんけど、現在の警察組織もそんな感じなんかな? 本当些細なことへの執着とか、日常生活の気にも留めない様なことから、事件解決へと至るんかな? それとも小説やからかな? 素朴な疑問。
0投稿日: 2016.06.03
powered by ブクログ未明の蒲田操車場で見つかった惨殺死体。手掛かりは、被害者の東北訛りと〝カメダ〟という言葉だけだった。ベテラン刑事の執念の捜査は、社会の光と闇を巡りつつ、父がハンセン病であったがゆえに家も故郷も失い、別人になりすまさねばならなかった一人の新進音楽家へと向かっていく。緻密な構成と意表を突く展開に多彩な人間模様を盛り込みながら、心に空洞を抱える青年の悲運と凶行を通じ、戦後の日本という巨大な〝砂の器〟が逆照射されていく。
1投稿日: 2015.11.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【松本清張作 砂の器】 有名すぎる作品ですが、 音が大きなキーワードになっている作品です。 簡単なストーリーは・・・ ============================ ある夜、蒲田駅の操車場で、一人の男の他殺死体が発見された。 被害者は三木謙一という、誰かの恨みをかうなど考えれない善良な元巡査。 (小説当初では身元判明せず) 手がかりは事件発生直前に、被害者が犯人らしき男と東北弁でしゃべっており、 その会話の中に「カメダ」という地名らしき言葉が聞き取れたということのみ。 なぜ三木は殺されたのか?そして犯人は? ============================ ここから先はネタばれです! 音のキーワードとは何か? ・一つは東北弁と似た方言が、他の地方にもあるということ。 警視庁捜査第一課の今西刑事は被害者が東北弁であったということを手がかりに、東北にある「カメダ」という土地(羽後亀田)を捜査します。 しかし、一向に怪しい人物は出てこない・・・ そんなとき出雲の辺りの方言は、非常に東北弁と似ていることを発見。 カメダは鳥取県の「亀だか」という土地の名前だったという話。 日本の方言は、離れている場所でも、非常に似ている場所があるようです 確かに、福岡と仙台で同じような語尾の方言があったな~「○○っちゃ」と「○○だっちゃ」 ・犯人の和賀英良の仕事は作曲家。 映画・ドラマではクラシックのピアニスト兼作曲家という設定ですが、小説ではミュジーク・コンクレートという現代音楽の作曲家になっています。 そして、驚くことに小説では音を使って2人も人を殺している! 超音波を使うそうです。 人間には聞こえない超音波帯域の波長を長時間、周波数を序序に変化させながら聞かせると、精神状態に一種の昏迷がみられたり、嘔吐、下痢、頭痛を伴う。 最後は心音が異常になり心臓麻痺を起こすらしいです。 本当かな? これを殺人の凶器と発見するまでに、 刑事は大学の音響専門家に音の話を聞きに行くなどしています。 きっと清張も、音についてすごく調べたのだろうと思わせる文章があちらこちらに出てきます。 そして、今西刑事が音があやしいと見込んだあと、 街を歩いたときの文章がこれ そのまま抜粋しました。 ========================= 今西はここで三十分ばかり話を聞いて、外へ出た。 彼は区役所の方へ歩いた。 ゆるやかな勾配を登った。近くに学校があるらしく、子供の騒いでいる声が聞こえてきた。 丹後屋で聞いた話は、今西に一つの確信をつけさせてくれる。 道を歩いていると、朝の澄んだ空気の中に、子供の騒ぎ声が一段と高く聞こえる。 騒々しい声だ。その声を聞いていると、また、音のことに連想が走った。 うるさい音。 不愉快な音。 今西には、一つの記憶がある。 死んだ恵美子が最後にうわごとのように口走ったという言葉である。 (とめてちょうだい。ああ、いや、いや。どうにかなりそうだわ。もうやめて、やめて・・・・・・) 今西は歩く。 考えながら、うつむき加減に歩く。 電車が横を通って走った。 路線がカーブになっていて、電車は車輪をきしませてキーと金属音を立てた。 いやな音だった。 いやな音、いやな音・・・・。 =========================== すごく音を敏感にあらわしている文章です。 清張はいやな音とは何だろうと考え、まわりの音に耳をすませたことがよく分かります。 清張がこれを書いたのは1960年から。 『読売新聞』夕刊に掲載されていたようです。 蛇足ですが、この小説の中で、使われている音の高さの単位はサイクル(c/s) 最初これを見たとき、私は何のことか分かりませんでした。 そう、今使われている単位はヘルツ(Hz) 1970年代にサイクルからヘルツに切り替えられたそうです。 なるほど、1960年代はサイクル表示だったのですね。 最後に、映画、ドラマ版について。 「砂の器」の映画、ドラマは本当に音楽がうまく使われています。 最後にコンサートホールで和賀はピアノ協奏曲「宿命」を作曲・初演する。 その曲をバックに、ハンセン氏病の元患者である父、千代吉と息子の和賀英良(本名は秀夫)が 遍路の格好で放浪するシーンが映し出されます。 その後、ハンセン氏病の父親の存在を隠蔽するために殺人を犯すという場面・・・ それは本当に暗く、悲しく、重い宿命・・・ 壮絶な過去を音楽で乗り超えるべく、一心不乱に演奏する和賀。 しかし、舞台そでには、逮捕状を持った今西刑事が控えていて・・・ というクライマックスです。 加藤剛の映画と、最近の仲居君のドラマを見ましたが、 やはりこのシーンは印象的。 しかし、小説ではほんの数行でしかあらわされてないんですね。しかも淡々とした文章で。 その数行の文章から、ピアノ曲「宿命」を生み出した 映画スタッフ(監督含めシナリオなど)のすばらしさに驚かされます。 小説から映画になると落胆するものも数多くありますが、これだけ、小説にはできないものうまく取り入れた映画もそうそうないと思うし、また、小説も小説ですばらしい。 ということで、松本清張 砂の器について熱く語りました。 読んだことある方も、ぜひとも「音」というキーワードを意識して、 もう一度読んでみてください。 面白いですよ。
0投稿日: 2015.11.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初めて読んだ松本清張の作品。冗長な部分はあるものの、全編に渡る描写と雰囲気の濃さに一気に読んだ。音を用いた殺人という凶器は腑に落ちなかったのだけど、その納得感の薄さを差し引いても面白く読めた。読者が今西と同じ目線に立って読めるようになっているからだろう。 レビューで「ハンセン氏病の差別について書かれていた」とあったが、ラスト近くにあっただけであまりその意図は感じられなかった。ただ、関川が恵美子との関係をひた隠しにするなど、一見華やかな人物の後ろ暗いところの隠し方など、ハンセン氏病に限らず「触れられたくないこと」に対する人間のやましさ、臆病さについてはよく書かれていると思う。
0投稿日: 2015.06.30
powered by ブクログ初めて読む松本清張氏の作品。 島根県に旅に出ることを決めて、島根を舞台にした小説を探して見つけました。 まわりに聞いてみると、意外と読んだことのある人が多くて、遅ればせながらデビューしました。 島根、島根、と思って読み始めたのですが、後半になるまで全く出てこず、心配になったころにやっと到着。 それでも、物語としての面白さがあり、ぐいぐい読めました。 私が生まれる前の作品ですが、この頃の方が、通信手段等がシンプルで、想像しやすいのかもしれません。
0投稿日: 2015.05.09
powered by ブクログいつか読まなきゃと思っていた松本清張の本をようやく手に取った。この日のためにドラマスペシャルも観たいのをずっと我慢してきたこの10年。 無駄のない男臭い文章がよい。私は遅読の方で、文芸作品だったら一時間に30ページくらいしか読めない人間なのに、この作品では80ページくらい読めてしまった。それくらい読みやすいのに重量感のある内容であるのは、清張の「読ませる」力量に尽きると思う。面白い!
0投稿日: 2015.04.25親と子の絆について深く考えさせる作品
地道な捜査に痺れる。老練刑事の今西が鉄道を乗り継ぎ、何度も徒労に終わりながら、ホームで佇むその哀愁を帯びた背中が目に浮かぶ。 清張の作品は、時代の底辺に苦しむ市井の生きざまを視点に置いたものが多いが、本書はここに当時としてはタブー視された「らい病」が重いテーマとなっている。親と子の絆について深く考えさせる作品だ。 丹波哲郎、森田健作、島田陽子らで映画化もされたが、たった数行で書かれた親子の放浪旅(巡礼)は美しく、哀しく、涙を誘う。蛇足ながら「泣ける映画ベスト1」である。
0投稿日: 2015.04.25
powered by ブクログミステリー小説の古典にして名作。上巻では刑事、今西栄太郎が犯人を追い求めるが次々に仮説が崩されてしまう。あきらめづに丹念にコツコツと犯人を追い込んで行く。
0投稿日: 2015.02.18
powered by ブクログ以前、途中まで読んだのだが何故かその続きを読まずに今まできてしまった。このタイミングで再読したが、面白い!蒲田で起きた殺人事件が思わぬきっかけで色々な事を明るみに引きずり出していくのだが、まぁ、騙されましたわね(笑)その先どうなっていくのかは、下巻に続くけれど。松本清張の本は何冊か読んだ事があるけれど、サスペンス系のは本当に読み応えある。
2投稿日: 2015.01.30
powered by ブクログ国電の薄田操車場で、一人の男の死体が発見されるという事件が起こったところから、物語が始まります。 刑事の今西栄太郎は、被害者が事件直前にバーで男といっしょにいたという目撃証言から、2人が東北訛を話していたことを知り、吉村弘という若い刑事とともに、東北へと捜査に向かいます。そこで今西たちは、やはり東京からやってきている、批評家の関川重雄や、音楽家の和賀英良といった若手の文化人サークル「ヌーボー・グループ」のメンバーたちの姿を見かけます。 今西の捜査と、関川や和賀たちの活動を交互に追いながら、物語は進んでいき、やがて被害者が話していたのは東北の言葉ではなく、出雲地方の方言だったことが突き止められます。 社会派のミステリ小説の代表作です。それぞれ野心を抱きつつ文化活動をおこなうヌーボー・グループの若手文化人たちの姿が生き生きと描かれていて、ストーリーとしてもおもしろく読めました。
0投稿日: 2014.09.12現代においても燦然と輝く存在感
昭和40年代に書かれた推理小説で、登場人物もほとんどが戦前生まれ。コピー機もなく、あらゆる情報は手帳に書き写し、大家と店子の関係が密接だったり、と現代とは全く環境が違うが、推理小説の肝のトリックの部分は本当に読ませる。今西巡査部長もスーパー刑事というわけではなく、地道な作業を積み上げて犯人を追い詰めていく。現代においても燦然と輝く傑作です。やっぱり松本清張は凄い
8投稿日: 2014.08.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
早稲田オープンカレッジで、取り上げられた小説 映画の断片が思いだされたが、細かなストーリーは忘れてしまっている 清張の主張が解かる気がする
0投稿日: 2014.08.19
powered by ブクログ初の松本清張。読書嫌いの母に松本清張を勧められたのと玉木宏が出演していた砂の器のドラマで見て、松本清張に興味を持ったので読んでみた。今まで敬遠をしてきた作家だったが読んだら読みやすく、読者を惹きつける要素がふんだんに詰まった作品だった。関川と和賀がかっこいい。下巻に期待。
0投稿日: 2014.05.19
powered by ブクログドラマ版を見てから読み始めました。 ちとご都合主義が入っているが金を気にしながら出張していく刑事の苦労が偲ばれる。
0投稿日: 2014.04.30
powered by ブクログひとつの偶然から、ひとつのピースがはまり そのまわりのピースがどんどんはまってゆくような そんな謎解きの仕事が楽しそうだと思った。 そして長編が苦手なわたしの 大好きな話のひとつです。 それは、上に書いた理由だけではない。 この話にあるものが。 「和賀英良」という名前。女性の品のよい言葉つかい。布切れを電車の窓からまく女。知らない土地。電車やタクシーで煙草を吸うという行為。 すべてが美しい。
0投稿日: 2014.02.19
powered by ブクログ殺された被害者の身元が分からず、、 北へ西へと翻弄される。。 やっと身元が判明したが、手掛かりとされる人物たちが次々と不自然な自然死・自殺していく 下巻への振りだと分かっているがテンポ良く流れに引き込まれてしまう。
2投稿日: 2013.12.07いまさらですが
映画でも有名になった小説ですが、今回初めて読みました。 映画には表現されていない人物や事件を絡めながらの、非常に長い小説ですが、一気に読破しました。 清張は単なるミステリーに終わらせず、著したときの社会描写(若手新鋭音楽家、評論家等の登場等)や、戦争直後の混乱が招いた法の間隙、近代日本社会で公然と行われていた差別など、近代日本の歴史上の「暗部」をシッカリと描いている点でも名作中の名作と思います。
3投稿日: 2013.09.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ストーリーのあらすじをまず読んで…ありがちな、でも疑問の残る殺人事件から始まり今西刑事と日本各地出かけます~ レビューは下巻で。
0投稿日: 2013.09.20
powered by ブクログ初松本清張作品。 自分が生まれるだいぶ前の作品で、主人公の刑事は大正生まれ。古くて読みにくいかと思っていたが、古臭さではなく、いい意味で時代を感じさせてくれ(電車での長距離移動の大変さとか、下宿の在り方とか)、スラスラ読めた。 ただ、色々と偶然が多すぎるし、刑事の決めつけと感も多すぎ。
0投稿日: 2013.07.28
powered by ブクログ上巻読了。 長い話なので間延びするかと思ったけれど、退屈にならないように断片的な情報が定期的に入ってくるので安心。 でも途中で中断したら全体像を見失い、読み直しになること必至。
0投稿日: 2013.07.25
powered by ブクログ砂の器上巻読了。点と線は背景はサラっとした話でしたが、こっちは事件背景を徹底的に書き込んでる、というか推理要素よりそっちがメインに感じるくらいの重厚さですね。単に新進気鋭の芸術家たちの話にさえ見える。でもどんな解決なのかどきどきするな〜、下巻へ続く
0投稿日: 2013.05.05
powered by ブクログ今西はある殺人事件を追うが、 追えば追うほど事件は迷宮入りしていく そして彼の努力を嘲笑うかのように次々と不審死が増えていく・・・。 はじめてーの松本清張 最初は難しいかな? とか文体が古くさいかな? と、思ったが 読んでいくうちに自分の読むペースが いつもより早いことに気付く。 つまり読みやすく、面白い。 前半は今西がついに手がかりを得たところで終わる。 しかし刑事の執念は凄いものですね。
0投稿日: 2013.03.01
powered by ブクログ面白い。 古い小説ではあるけど、気付けばのめり込んでいた。 そして、土地土地の描き方がよかった。別に特別な表現を使っているわけではないけど、行ってみたいと思わせる。 思わず地図で羽後亀田や亀嵩駅を調べてしまったほどに。 ただ、今西刑事の勘が冴えすぎているような気がする。
2投稿日: 2013.02.12
powered by ブクログ自分の生い立ちと悲しく向き合う主人公が胸を打つ。 だけど追い詰めなくてはならない刑事の姿もまた胸を打つ。
0投稿日: 2013.02.09
powered by ブクログ上下巻の上のほう。 列車の車庫で見つかった遺体が誰なのか?というとこから話が始まる。 なぜこの人は殺されてしまったのか、犯人はだれなのかー?? 担当刑事が全国を飛び回る
0投稿日: 2013.02.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
こちらも東西ベストから。 蒲田で起こった殺人事件。手掛かりは東北弁と「カメダ」という言葉。 人名か土地名か?東北を中心に、捜査が行われるも、空振り。 実は出雲地方の限られた地域で、東北弁に似た方言が使われているというオチ。 土地や生まれなど、この時代ならではの動機に、現代ミステリでは起こり得ないかもなあと、しみじみ。
0投稿日: 2013.01.14
powered by ブクログ検索しても(下)の表示が見つからん。 まぁ良いか。 時代を感じられるサスペンス。ただストーリー自体に古臭ささは感じない。
0投稿日: 2012.10.24
powered by ブクログ映画やドラマ等で簡単な内容を知っていましたが 実際に読んだことがなかったので、思い切って読んでみることにしました。 最初はちょっと読みにくいのかなと思っていましたが だんだんと話の内容にのめり込んでいきました。 今西刑事の動向と共に、自分の中でも犯人探しをできる部分が 余計に面白みを感じました。 登場人物が、どんどん増えていき 怪しいな?っと思う人物が数名固まってきます。 犯人らしき人物の特徴を念頭に置きながら 今西刑事と共に電車に揺られながら走るのが面白いです。 そして、あれ?っと思った瞬間に・・・再び殺人事件が発生です。 松本清張に勝てるかどうかは・・・『砂の器(下)』で! 初めて松本清張の作品を読んだのですが 文章や構成だけでなく 人と人とのつながりによる問題、人と金、地位と金という問題 から起こる心の動きを 非常に興味深く感じる部分が多いと思いました。 いつの時代にもあるこれらのつながりによる問題だからこそ 社会派ミステリー、傑作と呼ばれるのでしょう。
2投稿日: 2012.10.14
powered by ブクログ旅行で木次線に乗ることになったので、旅のお供としてゆかりの本作を持参した。 名作と呼ばれる所以は、まだ新幹線もない時代に、既に警察という「組織」を登場させており、今日の警察小説の形を確立していたということに尽きると思う。非常に先見性が高い。 内容はやはり今読むと時代を感じさせる部分も多いが、それでも謎が謎を呼び、最後まで一気に読ませる力は素晴らしいと思う。
0投稿日: 2012.09.08
powered by ブクログ名作なので、以前から読んでみたかった。 1960年代の作品ということで、語り草や、今は使用しないであろう言葉回しが、時代を感じさせる。 ストーリーそのものよりも、今の日本にはない感性や人間同士の関わりが面白かった。 その時代にタイムスリップしたような感覚が、とても新鮮で、どんどん読み進められた。 まだミステリーの部分は解明されていないので、下巻が楽しみ!
2投稿日: 2012.08.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
夫婦や上司と部下の関係性が今と全く違っていて とても興味深かった。 話のスピード感が今の小説と全く違う感じを受けたが なぜか読んでいて心地よい空気感に包まれていた。 ネットも携帯も新幹線もない時代のもどかしさを感じたが じわりじわりと犯人に近づいていく様は最近のミステリー小説 にはないものを感じた。
0投稿日: 2012.07.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
絶妙に考えさせてくれるストーリーというか、途中でこっちがさきに閃いたり、ちょっとずつ全貌が分かってくる感じが面白かった!
0投稿日: 2012.06.16
