【感想】ネアンデルタール人は私たちと交配した

スヴァンテ・ペーボ, 野中香方子 / 文藝春秋
(26件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
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  • ディープな科学論から伝わってくる熱量が半端ない一冊でした

    ジュラシック・パーク以来、古代の遺伝子をめぐるファンタジーに慣れっこになっている感があるけれど、ここに記されているのはゲノム解析技術を黎明期から現在まで真面目に牽引してきた科学者の控えめな自叙伝です。アイデアからストーリーを作るのでなく、ファクトからストーリーを構築するアイデアと技術と蓄積のスパイラルが、結果としてドラマチックで素晴らしい。
    汚染され変成し欠損しているDNAが、どんなチームで解読されてきたか、という観点でも興味深い一冊でした。
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    投稿日:2015.07.25

  • 面白い! 知的な興奮をもたらしてくれます。

    考えようによっては、ゴシップのような事象を、根気よく、科学の段階を追って、綿密に証明していく。
    一時の名声を目標とし、科学の段階を無視し、花火をあげればよい、という科学的ではない"科学者"、には耳が痛いかも。
    読み物としても、最先端の科学をかいま見る窓としても、Jurassic Parkのアンチテーゼとしても、激しい競争の場に身を置く賢人の心の葛藤の記述としても、楽しめます。
    ほんのちょっぴり、LGBTの風味もついています。
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    投稿日:2016.01.21

ブクログレビュー

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  • mina4102

    mina4102

    ノーベル賞も受賞されたスワンテぺーボ博士の自伝である。
    古代DNAの解析に取り組み、進化のミステリーに挑み続けた歴史がわかる。
    最新のDNAシーケンスの技術は常に取り入れているものの、科学的に難しいアプローチはほとんどなく、ただひたすらに内在性のピュアなDNAを抽出しシーケンスし、私たちの祖先とネアンデルタール人との関係を紐解く情熱には心打たれる。
    真摯さ、謙虚さ、大胆さ、ユニークさ、超一流の科学者の心の動きや思考力などを垣間見える素晴らしい一冊だった。
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    投稿日:2023.11.29

  • JRJR

    JRJR

    ネアンデルタールが現世人類と交配した。少し前なら、ジュラシックパークなみの眉唾ものでした。
    この本は、読みやすく分かりやすかったです。訳文もこなれて良いです。面白かったです。

    投稿日:2023.10.18

  • あおやま

    あおやま

    分子遺伝学、古人類学。
    2022年にノーベル生理学・医学賞を受賞したSvante Paaboの著作。

    現生人類の遺伝子の中にはネアンデルタール人由来の領域が含まれていることを発見した。
    極めて緻密な実験設計、衛生管理により実現。
    バイセクシャルらしい。
    なんとも興味深い本だった。
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    投稿日:2023.02.20

  • kouhei0210

    kouhei0210

    なかなか専門的な内容が多く、難しいところもありましたが
    面白いと思いました。科学者という人の思考パターンや
    気質がよくわかった感じがします。

    そういえば、日本の恐竜学において、恐竜のDNAを
    抽出(有機物?)できるかもといった
    記事を見たことを覚えているのですが(多分NHKかな)
    あれは、結局どうなったんだろうと思いました。
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    投稿日:2023.01.15

  • 藤原ライラ

    藤原ライラ

    ノーベル生理学・医学賞を受賞されたということで拝読しました。

    そこまでDNAに詳しいわけではありませんが、高校生物に毛が生えた程度の知識でもとても楽しく読み進めることができました。DNA分析のカギを握るPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)はここ最近よく聞いた言葉の一つではないかなと思います。
    興味深かったのは、ペーポ博士が元々はエジプトのミイラの研究をしたいと思っていた点です。同じく研究していた医学とそれを組み合わせたことから、このDNAをめぐる大きな研究が始まったともいえます。
    多分野に興味を持つと、往々にして「どれか一つにしておきなさい」と言われることがあります(本文中のペーボ博士もそうです)。けれど、この本を読んで好きなものはいくつあってもいいのかなと思いました。

    好きなものはいくつあってもいい。
    いつかそれらは複雑に絡み合って、あなたを見たことも想像したことさえもないところへ連れて行ってくれる。

    研究についての内容もとても興味深かったですが、時々差し込まれるプライベートな出来事(恋人がヨーロッパに居るからヨーロッパの研究所のポストを探すとか、友達の研究者とうっかり三角関係?になるとか)も面白かった。立派な博士と自分たちの間に地続きの人間味を感じるエピソードでした。

    この分野はこれからも物凄いスピードで発展していく分野だと思うので、今後の発見にも期待です。
    続きを読む

    投稿日:2022.10.12

  • bookrouge1010

    bookrouge1010

    DNA解析の歴史でもある。
    むずかしいことははぶいてある。
    一気によんだ。

    日本の考古学が他の学問、大学同様、権威主義で、さらに捏造事件で地に落ちたことと対象的に、科学的に進められている。

    科学、医学、工学を目指す中学生に読んで貰いたい。続きを読む

    投稿日:2022.02.08

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