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乾石智子 / 東京創元社 (44件のレビュー)
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総合評価:
sabachthani?
10
直感と理論、大地と書物。二人の魔導師の物語。
『夜の写本師』の第2弾であり、前日譚です。 前作で主人公が用いた「ギデスディン魔法」の創始者キアルスと、大地の魔導師レイサンダーの物語。 富と繁栄をもたらすが、その後破滅を呼び込む邪悪な円筒〈暗樹〉を…巡って、逃げたりあるいは封印の方法を求め旅する二人の視点で展開していきます。 黒髪に緑の瞳という外見が共通する他は真逆な性格で、何事にも執着心が薄く直感的なレイサンダーも理屈っぽいキアルスもそれぞれ魅力的に描写されていて、キャラクターに引っ張られつつ読み進んでいけます。キアルスが失い、復元しようとする「タージ(タゼン)の歌謡集」の展開も作中作と言える内容で、物語に厚みを持たせています。 二人が出会い、〈暗樹〉への対抗策を求めて別れ、再会して共闘する。邪悪な存在を打ち破るというファンタジーの王道なストーリーで今回も面白いのですが、復讐をテーマにした前作よりは軽い気分で読めるかと思います。前作と逆順でこちらを先に読んでも楽しめるかもしれません。続きを読む
投稿日:2014.12.05
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rams
7
独特な世界観を持つ乾石さんのハイファンタジー
独特な世界観を持つ乾石さんのハイファンタジー 上橋さんとはまた一つ違ったワールドを堪能できます 前作、「夜の写本師」にも登場した魔道師の青年時代が描かれています 前作が人の恨みや執念をテーマとしたも…のだったのに比べ こちらは悪意の象徴との戦いを描いていて いくぶんか読みやすく感じられますので 順番通り読むのも良いと思いますが こちらを先に読むのもアリかと思います続きを読む
投稿日:2015.08.20
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2
魔法ファンタジー
前作「夜の写本師」は、読了済み。前作とは時代と主人公が違うだけで、同じ世界観でのお話です。 この著者の魅力は、文章の表現力で、言葉の一つ一つがとても幻想的なことです。それでいて、イメージしにくいという…事は無く自然と頭に浮かびます。 ちなみに過去話が結構なページ数でありますが、これが面白くもっと読みたい!と思いました。 続きを読む
投稿日:2015.03.06
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tomojuju
前作の続きなんだけど時代はかなり遡っている。 連続して読めばすぐにつながりそうだが間がかなり空いてしまったので入り込めないままほぼ終わりまで来てしまった。 登場人物に馴染まないまま読み進めたので、シ…ーンの切り替えのたびに置いて行かれてしまう。私の読み方に問題があるのだろうが、途中何度か断念しそうになった。 2023.1.22 10 続きを読む
投稿日:2024.01.22
たなか
このレビューはネタバレを含みます
なかなか壮大な物語だった。キアルスがメインの物語ではあるけれど、テイバドールの枠が想像以上に多かった。レイサンダーはどう絡むのかと思ったら大変重要な役割を担っていて、視点がいろんなところに飛んで大変だった。世界観が壮大。作り込まれている。自分の理解がまだ足りてないなと思った。この世界の物語をさらに読んでみたい。
投稿日:2023.07.27
ニセ人事課長
時折思い出したように読むこの作者の本、ずーっと昔に読んだ「夜の写本師」に続く長編第二弾とのこと。8年も前のことなので前作の内容は全く覚えていないのだなぁ…。 前作の感想にも似たようなことを書いてるのだ…けれど、今回もまた作者が作り出した世界観や魔導師の在りようなどを十分に感じ取れたかと言われれば、頭の中はいささか混沌としているところはあり。 それでも、人の心に巣食う「闇」に対し戦いを挑む二人の魔導師レイサンダーとキアルスの姿には打たれるところはあって、レイサンダーと<暗樹>の二度の闘い、とりわけ<暗樹>とまみえてレイサンダーが光の奔流にのみこまれていく場面や一連托生とばかりに自らの闇の裂け目に<暗樹>を縫い込んでいく場面にはなかなか震えた。 前段で語られるタペストリーの中の世界もとても印象的で、テイバドールの半生がここでじっくり語られたことが、後半の二人の魔導士の行く末とつながって、混沌とした頭でも一定の興味を持って読み進むことが出来た。続きを読む
投稿日:2022.06.16
Hanna
夜の写本師に続く第二弾。息つく間もなく読みきった感じです。二人の主人公がどう絡むのか全然予想もつかず、ドキドキしながら読み進めるのがとても楽しかった❗次作品も食いぎみに(笑)購入しました。このシリーズ…楽しいです!続きを読む
投稿日:2022.02.24
佐藤健志
本棚を整理した際、未読本として出てきました。 タイトルと表紙に惹かれて(本との出会いは一期一会だったりしますので)購入したものでした。それからおよそ7年を経てようやく頁をひらくこととなりました。 まず、とても読みやすいことがあげられます。翻訳ものにありがちなどことなく存在する違和感がない。最初から日本語で書かれたからであろう、異国の名称もぎこちなさを感じない。しかし日本で書かれた洋風ファンタジーのような「なんちゃって」な空気もない。遠い国で編まれた物語が長い旅路を経て届けられた重厚感がそこにある。それは筆者の圧倒的な「魔力」というなの言語力に基づくものでしょう。 本編でわたしたちは幾人もの人生をなぞる。 「暗樹」との戦いの軌跡を、痛みを、苦しみを経験する。太古の昔から繰り返される「闇」の眠りと台頭に巻き込まれる。 人間に与えられた永遠の命題は、一筋の光とともに物語の環を閉じる。それはつかの間のことなのか、永久のものなのか、誰にもわかりはしない。 前作も続編もぜひ読んでみたくなる、大きな大きな物語でした。
投稿日:2021.09.21
ちびっこ
前作の『夜の写本師』から続けて読みました。 前作にも登場したキアルスが主人公(レイサンダーも主人公かな)。 タペストリーの中のテイバドールの人生を経験することでキアルスが精神的に成長していく姿が良かった。 ファンタジーが好きな割には私の脳はファンタジーへの適応力が低いのか、レイサンダーが巻き込まれた不思議で大変な体験の情景がなかなか頭に浮かばなかったので(私の読み方がまだまだ浅いのかも)、星は4個にしました。 闇に喰われたガウザス皇帝を討ち取った近衛隊長のムラカン、とても信頼できる上司ですね。この人が新しい世を支えることが出来なくて残念です。 カーランはひょっとすると『夜の魔道師』に登場したエイリャの前世の姿かな?と思っています。 次の作品『太陽の石』も読んでみたいと思います。
投稿日:2021.05.08
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