【感想】推定少女

桜庭一樹 / 角川文庫
(200件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
30
56
62
27
4
  • 青さが胸にしみる逃避行小説

    中3女子がヘンテコ美少女と出会い、2人で東京へと逃げる青春逃避行小説。「『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』と対をなす傑作」とありますが、『砂糖菓子~』だけでなく、『少女には向かない職業』にもちょっと似てるかな。著者の描く10代の女の子同士の関係は独特で、個人的にとても好みです。
    久しぶりに再読して思ったのは、始めから終わりまで、とにかく「青い」物語だということ。自分を「ぼく」と呼ぶ主人公・カナも、電波系(?)美少女・白雪も、ミリタリー少年・千晴も、言うことなすこと青臭くて「うわー、中学生だー!」と叫びたくなります。でも、その青さが不思議と心地よく感じられるんですよね。自分も中学生のころ、似たようなことを考えてたなあ、と思ったり……。エンディングはファミ通文庫版でボツになったのも含めて3種類用意されているのですが、私は3番目のがいちばん好きです。
    青春まっただ中の人にはもちろん、すでに大人になってしまった人にもオススメ。大人の読者には、本書に出てくるヒドい大人が反面教師になると思います。
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    投稿日:2015.09.16

  • 思春期の仕業?

    まぁファンタジーですね。思春期特有の”こじらせ”がなせる業か,現実と幻覚の境がわからず話が展開されていきます。少女,少年達の成長がテーマです。
    オリジナルのエンディングに加えて,2つのエンディングが用意されている点もちょっと面白い。
    エンディングによって,良し悪しは変わるんですね。
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    投稿日:2015.08.23

ブクログレビュー

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  • そのこ

    そのこ

    実際のところは思春期に読んでないから評価できない……。でも自分はこんな思春期のもやもやを経験しなかった気がするので、読む時期が変わっても特に感想は変わらないのかもしれない。終始そうなんだ〜という感じではあった。
    物語としてはエンディングが分岐するのが作者の脳内をよりしっかり見れた気がして面白かったし、自分と異なる考え方や感受性をもつ人の世界を垣間見るという点で面白かった。裸の美少女がいかつい銃を振り回す感じがフェチズムを感じてよかった。
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    投稿日:2024.01.06

  • planets13

    planets13

    Ending I は個人的にはありえない。千晴の存在って何だったの? って感じ。アンハッピーエンドはどんなだったのかな? ちょっと気になる。

    投稿日:2023.12.24

  • あさい

    あさい

    この本を初めて読んだのは中学3年生の頃でした。当時は主人公の巣籠カナと同じ学年だと思いながら、カナが言っていることや思っていることに共感したり、そういう考え方もわかる、といった雑駁な印象を抱いていました。
    けれど世間知らずな私は、カナが見ている繁華街や東京の景色がイメージできず、漠然とした読み味だったのを覚えています。
    大人になってから久しぶりに読み直してみましたが、むしろ大人になってからのほうがグサグサに刺さる小説だったことを思い知らされました。
    かつて中学3年生だった私がどんなことに毎日悩み、苛々したり、将来に迷って苦しんでいたか、私はすっかり忘れてしまっていました。
    白雪が渡してくれたドールと「いまの巣籠カナを大事にしてよね」というセリフは、まるでそれを初めて読んだ私より、その先の未来にいる私に向けて言っているかのような気がして、とても印象に残りました。
    当時の自分を忘れないように、この本を大事にしたいと思います。
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    投稿日:2023.08.02

  • ミイ

    ミイ

    とらえどころのない話だなあと思って読み進めた。
    男なのか女なのか、宇宙人なのか、異常者なのか、主要登場人物たちのキャラクターをつかめないまま話が進んでいく。
    挙げ句、結末すら曖昧というか読者に解釈を任せるような感じだ。
    と思ったが、なるほど、このとらえどころのなさは、登場人物たちの思春期の不安定さ、危うさ、自我のゆらぎ、そういったモヤモヤそのものなのだと捉えると、少しスッキリした。
    あっと驚くどんでん返しを期待したり、伏線回収を期待したり、大団円を期待したり、そういう小説の読み方は「大人」なのであって、そういうカッチリした流れのストーリーを期待してしまう読者はこの小説に登場する大人そのものなのだ。
    思春期の雑多な妄想を思い出させるようなお話でした。
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    投稿日:2022.11.01

  • kinu

    kinu

    描写力、表現力はさすが桜庭一樹。
    ただ七竈や私の男を想像して読む作品ではない。
    設定がぶっ飛んでいる……。
    幻覚オチか〜!ってなる。

    オチも含めて、YAの頃に読みたかったな。
    私も荒れていたので……

    カナの「自分に絶望している。ぼくはつまらない大人にしかなれない」という感覚は私もずっと抱いていたので、余計に。

    YAの頃に、と思うのは私も全くなりたくなかった、つまらない大人になった証なのだな。
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    投稿日:2022.07.13

  • 気怠い妻

    気怠い妻

    このレビューはネタバレを含みます

    若い頃特有の(私がこの言葉を使っていいのか?)疑心暗鬼で単純な子供たちが抵抗するんだけど、結局夢オチだったっていう話。

    何も分かってない!と思うことが子供である証拠、みたいなシーンがあったが、大人は本当に分かってるの?!と思った。
    でも、“分かっている”ならあんなこと言わないよねぇ、とどうしても思ってしまう。私は子供。

    もうちょっと歳をとってからまた読みたい本。きっと感じ方がかなり変わるから。

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    投稿日:2022.06.01

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