【感想】六枚のとんかつ

蘇部健一 / 講談社文庫
(131件のレビュー)

総合評価:

平均 2.9
9
19
50
28
12
  • 「謎を解かない」前半の方が俄然面白かったなぁ…

    所謂バカミス。
    ただトリックやギミックが突拍子もないものという類のでは無く、単にキャラクターがおまぬけというタイプのバカミスでした。
    すると納得できないのが、後半の「普通に謎解きをする展開」です。
    半はまだ、謎を解いた!と思ったら全然違った!とか作風にあった展開が面白かったのですが、謎解き自体は驚きのないものなので後半は一転して面白みに欠ける展開に。
    中盤に読者への挑戦が出たときは、おおと思ったんですけどね。
    これを出してきて、実はトリックを見破れませんでしたなんて最高の展開になると期待したのですが…
    何とも残念。
    続きを読む

    投稿日:2014.12.03

  • ニヤ!いやニタ!そんな感じの謎解きゲーム?

     たまたまなのですが、これを読む前に読んでいたのが、蘇部健一の「黒い家」。その物語と同様、主人公は保険会社に勤めています。でも、話の雰囲気はまったく異なりますので、比較すると面白いかもしれません。
     さて、この「六枚のとんかつ」。短編集です。本の体裁というか、ページの構成は、大上段に構えたまじめな小説風です。そして、それぞれの話の導入部分も、普通の推理小説風です。でも、それにダマされてしまうと、作者の術中にはまってしまいます。正直、それはないワ!と突っ込みを入れたくなる部分もあります。オーストラリアの地図のシルエットを四国の地図には、絶対に間違えないと断言してもいいでしょ?それでも、読み進めて行ってしまうのは、読書好きの哀しい性なのでしょうかねぇ。ま、大まじめなトリックあり、そんなバカなと思わせる話ありで、片意地張らないで、楽しむにはもってこいです。短編集なので、通勤の電車の中で読むにはちょうど良いと思いますが、読みながら一人でニタニタしていると怪しいヒトに間違われるのでご注意を!続きを読む

    投稿日:2015.01.03

ブクログレビュー

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  • manndanana

    manndanana

    まあ…はい…。
    最初の話で駄目な人は全部駄目だろうから諦めさせる為にあの話を最初にしたんだろうな。
    ストーリーは、まあ…はい…。

    投稿日:2023.09.06

  • マタン

    マタン

    このレビューはネタバレを含みます

    一応ミステリーだけれども総じて
    とほほ系というか残念というかお下品…
    うん、実にベースケだと思う!!

    その最たるものはノベルズ版はYA向けも混じっているので
    ことごとく消されたタイトルもあれな作品。
    真相もことごとくあれです。
    あればかりですがあ・れなのです。

    まじめに読んじゃだめだかんね。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.08.04

  • みず

    みず

    ☆3
    気持ちとしては☆2だがある意味こんな気持ちにさせられたのは作者の術中にハマってる気持ちもするのでそいう意味では☆5

    投稿日:2023.02.08

  • カツ

    カツ

    保険調査員である主人公が関わった事件の数々を描いた連作短編集だが、主人公たちの言動が、もうチョー下品。
    大好きすぎる。
    こういう作品を、ふざけているととるか、遊び心があるととるかで作品の印象は変わると思う。
    個人的には大歓迎。
    もっとやれって感じ。
    続きを読む

    投稿日:2022.11.06

  • じゅう

    じゅう

    「蘇部健一(そぶけんいち)」の超絶アホバカ・ミステリ作品『六枚のとんかつ』を読みました。

    「蘇部健一」作品は初めて読みましたが、馬鹿馬鹿しいけど、軽く読めるミステリー(バカミス)で愉しめました。

    -----story-------------
    『メフィスト賞』第三回受賞作。
    大笑いか激怒かっ!?
    決して読む者の妥協を許さぬ超絶アホバカ・ミステリの決定版、遂に登場!流麗にしてクレバー。
    この“難問”を自力で解いた時には感動すらおぼえる表題作『六枚のとんかつ』。
    思わず“ナルホド”とヒザを打つ『音の気がかり』。
    “ウゲッ”と絶句する『しおかぜ17号四十九分の壁』 。
    新作『五枚のとんかつ』も併録。
    またノベルス版ではあまりに下品だという理由でカットされた『オナニー連盟』もあえて収録した、お得なディレクターズ・カット版。

    トリックがバレないように、必ず順番にお読みください。
    -----------------------

    保険調査員「小野由一(おのよしかず)」が、保険金支払いの調査で手掛けた数多くの事件の中から奇妙で不可思議な事件を集めた… という趣向の作品で、以下の15話が収録されています。

     ■はじめに
     ■FILE No.1 音の気がかり
     ■FILE No.2 桂男爵の舞踏会
     ■FILE No.3 黄金
     ■FILE No.4 エースの誇り
     ■FILE No.5 見えない証拠
     ■FILE No.6 しおかぜ17号四十九分の壁
     ■FILE No.7 オナニー連盟
     ■FILE No.8 丸ノ内線七十秒の壁
     ■FILE No.9 欠けているもの
     ■FILE No.10 鏡の向こう側
     ■FILE No.11 消えた黒いドレスの女
     ■FILE No.12 五枚のトンカツ
     ■FILE No.13 六枚のトンカツ
     ■FILE No.14 「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」を読んだ男
     ■最後のエピローグ
     ■ボーナストラック 保険調査員の長い一日
     ■文庫版あとがき

     ■解説 葉山響 with 海路友


    『音の気がかり』は、十歳になる富豪の息子が誘拐された事件、、、

    身代金を保険から支払うことになったため、「小野」は推理作家「古藤」と調査を始め、誘拐犯からの脅迫電話から聞こえた音をもとに犯人を推理します… "バックします≠ガッツ石松"、"スピークラーク≠月いくら?"、"あさり・しじみー≠あっさり死んじめえー"、"スズキさん≠ツヅキさん"等の聞き間違いから誤った推理を進め、罪のない人々に迷惑をかけます。

    なかなか笑える狂言誘拐事件("誘拐犯≠愉快犯")でした。


    『桂男爵の舞踏会』は、「桂男爵」の愛娘「桂麗子」が保有する時価数億円のブルー・サファイアのブローチ「人魚姫の涙」が舞踏会の会場から消える事件、、、

    「人魚姫の涙」に莫大な保険がかかっていたことから、「小野」は推理作家「古藤」と調査を始め、会場にいた人々を調査します。

    舞踏会場に落ちていた「人魚姫の涙」を拾った女性が、たまたま壁の柄と同じひまわり柄のワンピースを着用しており、誰もその存在に気付かず、その女性は来日したばかりの外国人で日本語がわからず、捜査内容にも気付かなかったという、ハチャメチャな事件でした。


    『黄金』は、宝石店から金の延べ棒が盗まれた事件、、、

    金の延べ棒に保険がかかっていたことから、「小野」は推理作家「古藤」と隠し場所の調査を始め、金が別なカタチに加工され目と鼻の先にあるのでは… という推理したところまでは良かったのですが、その先の推理が甘かったですね。

    警察署から出ようとした際、台風による強風の影響で、偶然、「小野」の頭に落下してきた警察の桜のマーク… これがなければ事件は解決していませんでしたね。


    『エースの誇り』は、ある男の自宅金庫から時価一千万円の外国の切手が盗まれた事件、、、

    切手に保険がかかっていたことから、「小野」は体重120kg超の新入社員「早乙女」と愛人のマンション宅を調査… 隅々まで捜索するが切手はみつからず、150kgまで測定できる体重計を見つけた「早乙女」が体重を量ってみたところ。

    まさか体重計の125kgのところに切手を貼り付けて隠すとは… 体重120kg超の「早乙女」がいないと発見できませんでしたね。


    『見えない証拠』は、湘南の海岸で砲丸投げの練習をしていた17歳の少女が全身を殴打されて死体で発見され、少女が身につけていた時価数百万円の十字架のペンダントが盗まれた事件、、、

    ペンダントに保険がかかっていたことから、「小野」は推理作家「古藤」と殺人犯の調査を始め、砂浜に残されていた「ハンニンハ」というダイイングメッセージから真相を推理する。

    警察では、「犯人は●●(←名前?)」というメッセージが書かれていたのだが、名前の部分だけが満潮で洗い流されてしまったと推理するが、「古藤」はそれを否定、、、

    被害者が左利きだったことと、「ハンニンハ」という言葉が左右対称だったことから「古藤」はユニークな推理を展開する… というところまでは良かったのですが、相変わらず、その先の推理が甘かったですね。


    『しおかぜ17号四十九分の壁』は、ある女性が殺され、容疑者の夫にはアリバイがあるという殺人事件、、、

    その女性には夫により1億円の生命保険がかけられていたことから、「小野」は推理作家「古藤」と夫のアリバイ崩しを始める… 列車での移動可否を推理するトラベルミステリーでしたね。

    この事件は新入社員「早乙女」が担当していたことから、「早乙女」から事件概要を確認した「小野」だったが、そこで大きな勘違いが、、、

    オーストラリアと四国って、似ているといえば似ているかな… このオチは事前に読めましたね。


    『オナニー連盟』は、52歳の男性が自宅で腹を刺されて殺された事件と五つの高価な真珠が盗まれた事件、「古藤」の知り合いの女性の猥褻な写真を元カレから取り戻そうとする事件の三つの事件を解決する物語、、、

    下ネタ満載なので詳しくは書きません(書けません)が、それなりに愉しめました。

    オナニーの語源って、「オナン」って男性の名前だったんですね。


    『丸ノ内線七十秒の壁』は、ある女性が地下鉄丸ノ内線の新宿駅~西新宿駅間の電車の中で殺された事件、、、

    その女性には夫により1億円の生命保険がかけられていたことから、「小野」は新入社員「早乙女」と夫のアリバイ崩しを始める… 新宿駅手前の新宿三丁目駅で妻を見送った夫は、同じ電車に乗り込み新宿駅~西新宿駅間で妻を殺すことができたのかを推理するトラベルミステリーでしたね。

    土地勘のある方ならわかるのですが、新宿三丁目駅と新宿駅って、意外と近いんですよねぇ… 面白いトリックでした。

    著者は実際に走って確かめたそうです。


    『欠けているもの』は、ミロのヴィーナス盗難を未然に防止した物語、、、

    美術館での展覧会用に海外から持ち込まれた美術品に保険がかけられていたことから、「小野」は新入社員「早乙女」と美術品の事前のチェックに行くが、美術館から四体の彫像が持ち出されようとしているところに遭遇… 二人は、その彫像は保険がかかっている彫像ではないことを確認するが、巨漢の「早乙女」が転んだ振動でカモフラージュが取れてしまい悪事が暴かれます。

    全く推理はなく、偶然が事件を未然防止してくれましたね。


    『鏡の向こう側』は、生命保険をかけられた女性が殺され、生命保険の受取人である愛人の男が容疑者として浮上する事件、、、

    「小野」は新入社員「早乙女」と捜査を進めるが、決定的な証拠をみつけることができない… 男は殺人があった時間、自室で近隣ビルのウィンドウ・アートを見ていたという証言からアリバイを崩す。

    そこに至るヒントが銭湯の鏡に写ったイチモツだった… というところが「蘇部健一」作品らしいですね。


    『消えた黒いドレスの女』は、「小野」の叔父が八ヶ岳の山荘で亡くなった密室殺人事件、、、

    「小野」と「古藤」は避暑を兼ねて山荘を訪ねていたことから、事件の真相を探ろうとする… 直前に叔父の部屋に居たと思われる黒いドレスの女が容疑者として浮上するが、彼女は下着やドレス、カツラを残して部屋から消えていた。

    最後はダッチワイフまで登場して、下ネタ満載の真相でしたね。


    『五枚のトンカツ』と『六枚のトンカツ』は、事件が起きた状況や容疑者が五人と六人の違いはあるものの、基本は同じトリックを扱った作品、、、

    五人の劇団員は五匹の動物のぬいぐるみを着て演技をしながら殺人を犯すことができたのか… 六人の兄弟は五台のスノーモビルで移動することができたのか… 五枚又は六枚のトンカツがヒントとなり、「小野」がトリックを暴きます。

    珍しく真面目なミステリーに仕上がっていましたね。


    『「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」を読んだ男』は、静岡県の山奥の人里離れた小さな児童公園の建物で起きた、ほぼ密室での殺人事件、、、

    殺された男性には義弟が受取人となった5千万円の生命保険がかけられていたことから、「小野」は新入社員「早乙女」と密室殺人の謎を解く… 謎解きというよりは、「小野」と「早乙女」のハチャメチャな現地捜査を愉しむ作品でしたね。


    『最後のエピローグ』は、『しおかぜ17号四十九分の壁』と同じネタ、、、

    でも… 九州とアフリカは間違えないだろうなぁ。


    『保険調査員の長い一日』は、服飾メーカーの女性社長が絞殺された事件、、、

    いつものパターンで、女性社長には生命保険がかけられていたことから、「小野」は新入社員「早乙女」と殺人事件の謎を解く… 保険金の受取人である夫に嫌疑がかかるが、夫は車で1時間半ほど離れた公園で時計と一緒に写真を撮影しており、それが鉄壁なアリバイとなっていた。

    二人はアリバイ崩しに挑戦し、見事トリックを見破る… まさか鏡を使ったうえに、上下逆さになっていたとは、、、

    デジタル時計だと、工夫しだいでは考えられるトリックですね。



    ちょっと下ネタが多かったのが気になりましたが、、、

    気楽に愉しめるバカミスの連続で、これはこれで良かったです。
    続きを読む

    投稿日:2022.08.08

  • 大村実

    大村実

    六枚のとんかつ 蘇部健一
    短編集になります。
    発表同時、話題があったとかなかっとか。
    メフィスト賞受賞作
    島田荘司の占星術殺人事件を下敷にした作品

    投稿日:2022.05.14

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