【感想】贖罪の奏鳴曲

中山七里 / 講談社文庫
(275件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
69
143
43
2
0
  • 読み応えのある1冊

    法廷シーンなどは迫力もあり楽しめましたし、冒頭から弁護士が死体遺棄!?って・・・これで物語に引き込まれてしまったわけですが、最初から最後まで読み応えのある1冊でした。
    特に主人公の御子柴弁護士の過去が面白かったです。あまり詳しく感想を書いてしまうとネタバレになってしまうので中途半端な表記しかできないのが残念ですが・・・
    こういうお話にリアリティを求める方には不満も多いとは思いますが、そうでない方にはとても面白い作品だと思います。
    少々帯が大袈裟かなとは思いますが。
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    投稿日:2016.08.17

  • 弁護士御子柴礼司、紹介編?

    シリーズ1作目です。1作目であるこの作品を最初に読んだ方が主人公の事情がよくわかって良いと思います。
    本作は、悪名高い凄腕弁護士御子柴礼司が弁護する事件が大枠として一つあり、その中で御子柴がどのような人物なのか明かされていきます。
    御子柴の過去がメインとして扱われており、正直、事件が解決するころにはそっちの事件はまあどうでもいいかなと思っていたのですが、前評判通り驚くべきどんでん返しがありました。
    御子柴の過去からしてとても衝撃だったのに、ちょっとした事件も驚きの連続で、とても面白かったです。
    そして、どんでん返しも面白いのですが、トリックよりも犯罪心理などの描写がリアルで感動しました。

    本作を読んで、御子柴が良い奴かどうか一先ず保留という感想を持ちました。
    続編も気になる幕引きになっており、早速2作目も読みたいと思いました。
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    投稿日:2017.02.15

  • 最後にとんでもないどんでん返しが!

    実は本作は2年ほど前に読んでいたのですが、今回次作の『追憶の夜想曲』を読むためにおさらいとして再読しました。

    中山七里氏の本は、『魔女は甦る』、『ヒートアップ』など素晴らしく面白い作品がありますが、本作も例に漏れず、再読でも大変スピード感を持って楽しめました。

    過去にかなり陰惨な少年事件を起こして医療少年院に服役していた御子柴礼司という弁護士は、主人公としてはかなりキャラが立っていて読み手を飽きさせません。御子柴が起こした過去の事件と彼が長きに渡って過ごした医療少年院、そこで出会った同世代の仲間と刑務官。かなりのページ数を割いて描かれていますが、ここで、何故、御子柴が弁護士を志したのかが分かります。

    また、今回御子柴が担当した事件は、とある製材所の社長が事故死をするのですが、事故死のほんの10日前に三億円もの多額の保険金がかけられていました。受取人は妻と重度の障害を持つ息子。

    事件の核心に迫ってThe Endかと思いきや最後にとんでもないどんでん返しが待っています。
    最高に面白いミステリー、ごちそうさまでした。

    ※ 中山七里氏、長年女性かと思っていました…。ググってみたら男性でした。そりゃもう驚いたのなんのって…。
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    投稿日:2016.09.14

  • 注意!中山七里作品中毒性あり

    続編『追憶の夜想曲』のほうを先に読んでしまったが、これでやっと御子柴弁護士の事がわかった。ソナタとの関係もはっきりして音楽が根幹に触れることにも納得。この作家、どんでん返しの帝王は最初から終りまでぐんぐん読ませてくれる。文章もとても巧みだ。渡瀬・古手川コンビも悪徳弁護士もそして事件の当事者たちもくっきりと頭の中に浮かび上がってくるし、場の緊張感も伝わる。リーガサスペンスとしても人間模様としても満足。続きを読む

    投稿日:2015.05.03

  • 法曹界のダークヒーロー

    主人公は法曹界で悪名の高い弁護士の御子柴礼司。
    彼に苦渋を飲まされた検事や依頼人は数多く…

    被告人の弁護をする上で明らかになっていく事件の全容と主人公御子柴の過去。
    なぜ、「贖罪の奏鳴曲」というタイトルかは読んでいけばわかる仕組みになっています。

    それにしても法廷でのシーンは鮮やかであり、結末に至るどんでん返しも圧巻。
    次作の「追憶の夜想曲」も即購入・即読了してしまいました。

    中山七里さんの作品を読むのは本作で初めてでしたが、
    本シリーズのみならず他シリーズも含めて読んでみたいという気にさせる、そんな作品でした。
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    投稿日:2017.04.16

  • やられた~!これは私的に大ヒット!

    おもしろかった。ダークヒーロー御子柴、強烈なインパクトでした。このままでは終われません。さっそく続巻へ!

    投稿日:2016.04.15

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ブクログレビュー

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  • にこ

    にこ

    過去にバラバラ殺人を犯した弁護士って出オチみたいな強烈設定やけど、事件も裏の裏があったり読み応えはあった。でもまあ納得いかんこともちらほら。

    投稿日:2024.04.14

  • 愛ちゃん

    愛ちゃん

    過去に罪を犯した弁護士の主人公が
    再び殺人を犯したのか。しかし、鉄壁のアリバイがある、というミステリー。

    過去の事件、今の事件、主人公が法廷で受け持っている事件、いろいろと交じりあい、物語に厚みがあります。

    読み手の感情もいろんな方面から引き出され、よい作品でした。
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    投稿日:2024.03.21

  • kamiyajin

    kamiyajin

    これです!
    こういうのを読みたかったんです。

    最近、3冊連続で読んだ本がガッカリだったので、ようやく生き返った気持ちになった。
    特に、「名探偵のいけにえ」では、どこのレビューでも傑作!みたいに絶賛が多いので、私のミステリーの読み方が根本的に間違っているような気にさせられてた。(どこが面白いのかさっぱりわからない自分は、ミステリーを読む資格がない…みたいな)

    ここで、気分を変えて、以前「ヒポクラテスの誓い」を読んで面白かったがその後ご無沙汰してた中山七里を選んでみた。この「贖罪の奏鳴曲」はたまたま図書館にあったので借りてみた。

    内容には触れないが、中山七里ってすごい!
    ミステリーっていうか、こういう推理小説が好きなんだよなあ。
    主人公の過去をじっくり描いたことや、犯罪からの更生へピアノがもたらす効果など、物語が単に机上のパズル作品でなく、心に深い余韻を与えてくれたと思う。

    ミステリーは、所詮作り事ではあるけれど、単にトリック、伏線、仕掛けの珍奇さで目立とうとするのではなく、この作品のように、「あ、こんなこと実際にあるかもな」と思わせる状況で、思いもよらない方法で謎を解き、こちらが驚いているところに更にどんでん返しが押し寄せてくる。
    本当に、脱帽です。

    なんで、今まで中山七里を一作品しか読んでなかったんだろう?
    これから、中山作品をたくさん楽しめると思うと、本当にワクワクする。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.15

  • pandaatom1

    pandaatom1

    皆さん書いておられるように、こんな過去があっても弁護士になれる!!これは驚きました。最後にやはりやられました。さすがです七里作品。次、静おばあちゃんにおまかせにいくか、御子柴シリーズ進むか…悩む

    投稿日:2024.03.14

  • まこと

    まこと

    bimakiさんに教えていただいた一冊です。
    bimakiさん、ありがとうございます!
    (この本で、合ってますよね)

    以下、ネタバレ含みますので、これから読まれる方はお気をつけください。




    護士の御子柴礼司は凄腕の悪辣弁護士です。
    最初のシーンは御子柴が死体遺棄をする場面から始まります。
    「えっ、犯人が主人公なの?」と思いました。
    そして御子柴は十四歳の時に幼女バラバラ殺人をやって、少年院に入っているという過去もあります。
    「えーっ、こんな変な主人公に感情移入して読まなきゃいけないの~!bmakiさんなんでこんなの教えてくれたんだろう!」と思いましたよ。


    それで御子柴の扱っている保険金殺人事件の犯人とされる人物を弁護するんですけど、誰も引き受け手のない国選弁護人なんですけど、弁護を引き受けた理由が「世間を騒がせている事件だから宣伝になる」!!
    お金にも汚い!


    これはダークヒーローなのだろうかと、ずっと疑問に思いながら読みました。そしたら少年院時代の御子柴が回想されるんですが、この辺からやっぱりダークヒーローなんだと思わずにはいられなくなります。


    そして弁護人の事件の弁護では勝訴、そしてまた真犯人まで見つけてしまいます。
    御子柴が金に汚い理由も明かされます。


    これは第一話目で続編もありますから御子柴が殺人犯の訳がないと最初から思ってました。(ちょっと疑っていたけど)bmakiさんありがとうございました!
    続きを読む

    投稿日:2024.03.08

  • ゆうちゃん

    ゆうちゃん

    まず弁護士が死体遺棄?という驚きから始まり、先が気になり読む手が止まらなかった、、、さすがの展開だ。

    そしてもっと驚いたのは、弁護士資格は過去に犯罪歴があっても問題なく取得できるということ。今までは弁護士という人は、明朗活発なのは勿論、品行方正であるものと信じて疑わなかったので、、この事実にはかなりの衝撃だった。知らない事ってまだまだ色々あるんだな〜。

    ところでこの作品が、実は「カエル男」と繋がっているらしいと後で知った。カエル男は随分前に読破していて詳細は覚えていないのが残念だが。

    また死体遺棄については納得いかない点があるのだが、これも続編に続くとか、、
    ⁈じゃあ、続編も絶対読まなきゃ!と思わせられる。中山七里作品はこういうところがツウっぽくて面白い!
    続きを読む

    投稿日:2024.02.28

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