【感想】鳥籠荘の今日も眠たい住人たち(1)

壁井ユカコ, テクノサマタ / 電撃文庫
(55件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
18
22
9
2
0
  • 不完全な人々による不思議な日常

    〈鳥籠荘〉は一風変わったたたずまいのアパートで、住人連中もどこか欠けたような、奇妙な人たちばかりです。〈鳥籠荘〉での日常は不思議な事件にあふれていますが、それも当然といえば当然でしょう。
    それでも、このアパートでの暮らしが楽しそうに思えてなりません。〈鳥籠荘〉はまるでシェルターのように、事情を抱えた人々をやさしく包んでくれている気がします。
    日常と非日常が交錯する不思議な読み心地でした。
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    投稿日:2013.10.14

  • 突き詰めた方がよかったかも

    この小説には魔法もスーパーマンも登場しません。主人公のキズナはドロップアウトした少女で、売春スレスレで客から金を奪って逃げるという<ゲーム>をやったりします。実際には売春してないところは、ラノベというフォーマットに会わていますが、この小説では枷は無い方がいいんじゃないかとおもいました。一般小説で出した方がよかったんじゃないかなあ。そうすれば、「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」みたいな優れた文学になったかもしれません

    浅井は画家ですが、全体的には少女マンガの主人公ですね。高身長、無愛想、男前、そしてふと見せる優しさみたいな。本巻では、鳥籠荘の住人の起こすトラブルと、キズナが浅井に出会って、浅井がどんな人間か知っていく過程が描かれています。

    少女マンガっぽいですねえ。でも面白いね。少年向けにこういう本を書いてる女性作家は大体面白いですね。

    あと、住人に頭の変な人物がでてくるんですが、こんな人いませんよ。ぶっちゃけ、重度心身障害者の親御さんとかから訴えられてもおかしく無いと思います。そんなこんなを、もうちょっと練り込めれば、というところでした
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    投稿日:2014.01.26

ブクログレビュー

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  • 大吉堂

    大吉堂

    ほんわかファンタジーと思いきや、障がいを持った青年、夜の街で「ゲーム」する少女たち、みんなと違う父親、失った恋人の幻影に囚われる、となかなかのハードぶり。
    電撃文庫での刊行ということに、ラノベジャンルの奥深さを思い知る。読み応えあり。続きを読む

    投稿日:2021.08.14

  • toko

    toko

    イギリスかぶれた雰囲気。90年代の日本。
    夢のようなうつつのような。不思議が日常に溶け込んで普通になる。登場人物みんなかわいい。
    電撃文庫のイメージが変わった。

    投稿日:2020.06.12

  • まさみ

    まさみ

    文明開化の雰囲気ただよう鳥篭荘ことホテルウィリアムチャイルズバードというアパートを舞台にした連作集。
    ヌードモデルをつとめる天涯孤独の十七歳・キズナ(ひきこもり気味)の視点で話が進みます。壁井ユカコさんは文章が上手いと聞いてたんですが、本当に上手いです。読点少なめで割りとセンテンスが長い文体なんですが、心理描写が繊細で、描写もすごく丁寧で好感もてます。

    永遠に泥沼に浸かってはいられない。
    湖に水が溜まるみたいに、いつかは泥は浄化されて澄んだ水で埋められていく。
    時間という決して澱まない水が少しずつ泥を薄めて、はまり込んだ足をいつかは解放する。
    たとえ浅井自身がそれを望んではいなくても。

    この部分は「上手いことたとえるなあ」と溜め息がでました。感嘆。
    キャラ造形も上手い。睡眠障害の画家、きぐるみのパパをもつゴスロリ小学生、女装癖のある学生。屋内に突如響く金切り声や幽霊に「掃除人」など、人外の住人も含めたら結構な大所帯です。
    舞台はおそらく日本なんですが、アメリカの下町といわれても不思議と納得してしまう無国籍風の空気が、現実から3センチほど浮いてるような独特の読み心地を約束します。
    テクノサマタさんの挿絵も雰囲気にあっていてとても可愛らしい!
    浅井とキズナの煮え切らないやりとりにやきもきしたり、掃除人の思い込みの激しさに笑ったり(色ごとってなんだよ色ごとって)、女装だけど男前な由起にどきっとしたり……
    日常の延長線上に非日常があるのではなく、日常の中に非日常が組み込まれて境が曖昧になってる感じですね。

    若い女性に人気があるのが凄くよくわかります。
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    投稿日:2017.08.24

  • Makoto

    Makoto

    このレビューはネタバレを含みます

    衛藤キズナという少女が中心になって、鳥籠荘と呼ばれるアパートでの日常風景というところでしょうか。
    一応はラブロマンス的な話なんでしょうかね。
    衛藤キズナと浅井有生との。
    基本的にまともな人物は出てきません。
    レギュラーである主人公衛藤キズナは元不良少女のヌードモデル、浅井有生は偏屈の画家、井上由起は女装家だったりするし、1話のジョナサンは脳障害、2話のサチはキズナの仲間だった不良少女、3話の山田華乃子はうそつき少女に、そのパパは年中着ぐるみ、4話のミナコは空間恐怖症と、登場人物のことごとくがクセモノばかりです。
    基本的にしんみりした話ばかりですね。
    ハッピーエンドは無いですが、いいお話ばかりです。

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    投稿日:2015.08.20

  • ハル

    ハル

    高校時代に読んで好きだった作家さんの本を再読。
    やっと見つけました。
    そうそう、こういう不思議な人たちがいっぱい出てたよなあ、ってにやけてしまった。
    相変わらず、登場人物が生き生きしてて、大好きな作品。特に、有生先生のファンです。ステキ。
    高校時代に出会った作品は良いのが多いから、いっぱい読み返したいな。
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    投稿日:2014.04.28

  • sakeharami

    sakeharami

    作風は今まで通り、少女漫画のライトな小説版、といった感じ。

    主人公が、こてこてに、少女少女してるので、購入前にさらっと主人公の言動をチェックした方がいいです。

    一巻では完結しないので、それもまた考慮してください。

    著者のファンならば、即時購入を勧めます。
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    投稿日:2013.09.25

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