【感想】リクルートの すごい構“創”力 アイデアを事業に仕上げる9メソッド

杉田浩章 / 日本経済新聞出版
(59件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
8
29
18
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0
  • リクルートの強さの秘密。「リクルートのすごい構創力」

    いや~、やっぱりリクルートって会社はすごいです。
    元リク、リクルートOBという経営者や、フリーランスの方には、
    本当によくお会いします。

    これを読むと、だからリクルートの人は、独立したり経営者になっても活躍できるのか、
    という部分だったり、この環境にいれば、それは成長できそう、と納得できる点ばかり。

    ではいきましょう。


    ■リクルートのすごい構創力 のあらすじ
    BCGの日本代表の方が書いたということもあって、すごく論理だてて、
    体系的に書かれています。

    加えて、それぞれを証明するエピソードとして、実際にリクルートで起こったことが、
    随所に載っています。

    リクルートのモデルを、事業の成長フェーズに合わせて、

    0→1
    1→10 パート1
    1→10 パート2
    10を超えて

    という流れで説明されます。
    そしてその前後で、一般的な企業との違いや、リクルートの経営陣がやっていることが、
    記されています。

    ポイントは、「リボンモデル」「価値KPI」「価値マネ」「型化とナレッジ共有」など
    9つのステップに分けて書いてあるので、すごくわかりやすいです。

    そもそも、顧客のニーズではなく、「不」からビジネスを構想しているので、
    目先ではなく、本質的に世の中に求められるサービスが生まれやすいことに起因し、
    それを、うまく試し、兆しをつかみ、成長させるためのノウハウが詰まっています。


    特に経営陣や、マネジメントラインが、何を見て、何に注意してメンバーと
    コミュニケーションをとっているかは、すごくリクルートらしいポイントだと思います。


    ■刺さりポイント
    ・リボンモデル。このモデルの優れたところは、そもそもの事業の目的を、単に自社の売上や利益を追求するためのものにとどめないところにある。

    自社の売上、利益を追求しない結果が、自社の売上・利益につながるという、
    何とも禅問答みたいな結果なのですが、それを社員一人一人はもちろん、
    マネジメントラインや、経営層が認めていることが大きいのではないかと思います。

    普通、現場が自社の利益につながらなそうなことをしていたら、
    「いや、お前変なことすんなって。」と思うところを、一定許容できるところがすごい。


    ・ニーズは言葉通り、お客様が求めているもの。一方の「不」には、それだけでなくリクルートが考える、あるべき社会の姿が反映されている。


    この「不」の考え方に、リクルートらしさが詰まっている。

    ・多くの企業では、この企業の何が本質的な顧客への提供価値なのかですら、意識合わせができていない。どうしても、売上にばかり目が行き、「顧客への提供価値についての意識合わせすること」は後回しにしてしまう。

    前述の「不」の考え方や、自社の利益を超えた目的設定ができるところが、リクルートの強みだとすると、
    常にその目線に戻す、または、伝えていく経営層や、マネジメント層の役割が極めて大きい。
    ここもリクルートの強さの秘密。


    ■これからやること
    この本から学んだことは以下です。

    仕事の目的をどのレベルで置けるか
    身の回りにある「不」。仕事のまわりにある「不」に目を向ける。
    それを自分の生業として、育てていく。

    別にどの会社にいても、本質は一緒。リクルートのやり方がすべて正解というわけではないでしょうし、
    リクルート自体もこれからまた進化していくのだと思いますが、
    ある種マネすることで、アウトプットの質や量が上がる部分があるはずです。
    すごく勉強になる本でした!
    あきばのBlog →http://akibadokuritu.blog.jp/
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    投稿日:2019.02.17

ブクログレビュー

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  • はる

    はる

    2024/02/02読破 

    一言:「型」を作り、成功した要素を抽出し組織に広げていくノウハウが学べる

    感想:リクルートの精鋭部隊の業務の「型」を学べます。エリートたちが集まって、洗練された「型」で業務を行なっていく姿を想像すると、他を追随させない圧倒的なパフォーマンスがイメージできました。

    下記は印象に残ったページ 
    p157
    「型」はあくまで組織全体のパフォーマンスを上げる基礎力を付けるもの。新入社員や中途が入ってきても組織に馴染み、馴染んだ後に発展しやすいような基礎のこと。

    p221
    WCMシート
    will,can,mustで自分の未来や可能なこと、やらなければいけないことを言語化しやすいシート
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    投稿日:2024.02.02

  • Sohei

    Sohei

    ・感想
    リクルートの成功モデルをわかりやすく書籍化した本。
    BCGの方がわかりやすく書いていて理解早く楽しく読み終わりました。
    ・Todo

    社会実現の不を探す。
    →これによって世の中、業界構造が変わるほどのインパクトがあるのな。収益をどこから得るのか。
    人の心を動かす事業なのか検証。
    →人、お金をいつまでに達成すれば次に進むかを具体的に。
    ボトムアップ。
    →アイデア出しを称賛すること。
    ・KPIの設定は勝ちに繋がるものの検証し続け、オペレーションにしっかり落とし込めるか。
     撤退時はキッパリと撤退する。
    ・KPIは愚直に高速に検証しながら回し続ける。
    ・どんなビジネスモデルも衰退するので次のビジネスモデルを考える。
    ・変革のためにスピードを意識。
    ・市場の不を見つめ直し、スピードで圧倒する。マネタイズポイントを変える。周辺領域に拡大する。他社のビジネスプロセスに入りこんで進化させる。
    ・人を活かすために共通理念を徹底的に刷り込み、個人を追い込むことで潜在力を発揮させる。
    ・成功者を称え、全員がそこから学べる仕組みを埋め込んでおく
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    投稿日:2023.02.11

  • NAMI

    NAMI

    1.自分に足りないアイデアを出す力が何なのかを知るために読みました。

    2.リクルートという会社がなぜここまで成長を遂げたのか、それには社内で9つのメソッドが確立しているからです。このメソッドを基に、社員達は「自分はどうしたいのか?」を常に自問自答し、様々なフレームワーク、現場検証を徹底的に行っていきます。そのような文化が醸成されることで、挑戦することが文化として根付いていき、新規事業を多く生み出しています。
    現代企業の象徴とも言えるリクルートの内面が見える一冊になってます。

    3.コンサルの方が書いたので、ビジネス用語を用いながらも整理されておりました。しかし、フレームワークを使いこなすことではなく、社員の方達が持ってる情熱や継続力の方が大事だと思いました。この本の書き方だと、バリバリ綺麗に仕事をこなしてるイメージが先行してしまいます。現場はもっと泥くさいことをやってると思いますし、本当にフレームワークを使用しているかは悩ましいところだと思いました。
    ですので、大切なことは、いかに社会の不満を見つけるか、そのために自分がどれだけ体験を重ねていき、感性を磨いていくかが大切だと改めて実感しました。なので、これまで以上に外に出てもっと人間らしさを追求していきたいと思いました。
    続きを読む

    投稿日:2022.01.20

  • shootsu

    shootsu

    リクルートは本当に偉大な会社だと思うし、そんな、リクルートのすごいポイントの要点がきれいに整理されてる書籍。なんだけれども、きれいに整理されすぎていて、表層的で、本日がみえてこない。リクルートの中の人間ではなく、外から見た、リクルートの要点が書かれているので、リクルートの実態、なにが、原動力になってるのか、どうやって人が動いているのかがみえづらい。個人的には、リクルートには、常に入れ替わり立ち替わりの新陳代謝があって、若くして定年みたいな、お尻に常に火がついてる文化がいちばん大きいのではないかと思う。これによって、マンネリもなくなり、既得権益もなくなり、自分ごと化、責任感、リーダーシップが生まれてるのではないだろうか。逆に言うと、辞める人が少なくなった時、定年まで居座る人が多くなった時、リクルートとはいえ、危なくなるのではないだろうかと感じた。続きを読む

    投稿日:2021.09.09

  • so---1

    so---1

    このレビューはネタバレを含みます

    日本一を目指すベンチャーを体験した身として、書かれている事は全て実体験から理解できた。

    ただし、既存事業を行う会社のマネージャーや店長がこの本を読み、耳障りの良い部分だけ取り込もうとしても無駄だと断言できる。

    なぜなら、会社本来の目的がリクルートやスタートアップと既存会社では全く違う。
    既存の会社がそれまでの事業・成功体験を全て捨てる覚悟で会社ごと変革しないと根付かない。(これも転職する前の既存会社で実践・失敗済み)

    「誰かにやられるなら、自らが自らのディスラプター(破壊者)になってやろう」

    この言葉は本当に凄い。実践は個人では非常に難しく、組織的な仕組み/風土が必要。
    (受験勉強を苦労して、青春を犠牲にしてやっと入れた有名大学の資格を捨てるようなもの。)


    ■新規事業が出来ない企業
    ・PLANに時間をかけすぎ
    ・量とスピード不足
    ・失敗を避ける
    ・本気ではない
    ・柔軟な発想がない
    ・撤退が出来ない

    ■スタートアップによる老舗の破壊
    ・既存ビジネスのしがらみからの脱却できない
    ・成功体験からしか発想しない
    ・既存事業への配慮(イノベーションジレンマ)
    ・リソース/アセットの活用不十分
    ・関連プレイヤー―とWINWINでない

    ■リクルートの強み
    ・「リボンモデル」 カスタマー⇔クライアントの結び目になる
    例:ユーザー⇔ネットショップ(楽天・Amazon)
     :ユーザー⇔文具メーカー(アスクル)
     :ユーザー⇔コンテンツ(iPhone)

    ■「不」の発見(0→1を生み出す)
    ・「不」とは不便/不満/不安 
    ・ただしニーズではない(×安い×早い)

    ①誰も見つけていない「不」かどうか
    ②世の中が解決を求めているか
    ③それが収益に繋がるか

    ■テストマーケティング(ビジネスへ育てる)
    ・段階的なステージゲートを設定し、届かなければ撤退
     (いつまでにどこまでの結果か、そのために何が必要か)

    ■インキュベーション
    ・アイディアをサポートする風土

    ■トップダウンではなくボトムアップ
    (サポートの仕組み、アイディアを出すのを称賛する)

    ■勝ち筋を見つける
    ・誰の財布からどの分の支出を代替するか
    ・KPIの設定が「勝ち」につながるものか
    ・ロジックは徹がオペレーションまで落とし、実行段階まで考える
    ・基準に達しない物は潔く見切る

    ■「あなたのKPIは?」との問いに応えられるか
    ・KPI=重要業績評価指標:業務の進捗/効果を測る指標
    つまり、「具体的な行動が目標となる効果へつながるか」
    ①整合性:最終目標へロジックが通っているか
    ②安定性:検証しやすいか
    ③単純化:覚えやすいか

    ■価値マネジメント(価値最大化)
    ・ヨミ会 営業会議 
     ×いつ契約決まるか?×なぜ進んでいないのか?
     〇なぜ契約になったのか?〇それで「不」は解消できたのか
     〇何が足りればうまく行くのか〇どうすればもっと価値を高められるのか

    ■型化
    ・誰もが出来る型にして突き詰める
    ・当たり前を誰もが身に着け、レベルを上げて受け継ぐ

    ■変化・減衰を乗り越え、新たな成果へ 絶えず変化する。
    ・スピードで圧倒する
    ・周辺領域に拡大する
    ・他者のビジネスに入り込む

    ■ディスラプター(破壊者)を取り込む
    ・誰かにやられるなら、自らが自らディスプラスターになってやる。

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    投稿日:2021.04.29

  • える

    える

    当たり前のことを理解し、その通り実行することの難しさ。
    会社の文化としてそのことが染み付いているのはすごいと思う。
    リクルートという会社の社会貢献がどうかとはまた別の話だと思うが。

    投稿日:2021.04.17

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