【感想】帰ってきたヒトラー 下

ティムール・ヴェルメシュ, 森内薫 / 河出文庫
(68件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
16
26
15
2
2
  • "ソウトー"は、最後まで全くブレ無し

    下巻になっても批判の鋭さはとどまることを知らず、ドイツ国内の現役・元政治家を含め実名で次々と切り捨てる。

    その矛先はついにはダックスフントまで及び「犬の世界のユダ」呼ばわり。

    あげくは、カメラを連れて極右ネオナチ本部に乗り込み「恥を知れ」と説教を垂れる始末。

    まさに、毒をもって毒を制す。

    物語の展開上、第二の人生を送る彼も少しは現代と折り合いをつけて、主張を弱めたり反省の弁を口にするのかなと思いきや、最後まで全くブレ無し。

    一人称で語られているため、気づかないと危うく共感を寄せてしまいそうになる怖さをはらんでいる。

    この一人称もそうだし、結末も含め彼を洗いざらい現代に再現しきった、著者の徹底した手法は、この物語でしか味わえぬ相当に痛烈な現代風刺に満ちている。
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    投稿日:2016.06.11

  • 勘違いコントで現代社会をバッサバッサと斬りまくる

    要するにこれはアンジャッシュの勘違いネタのコントと同じなんだね。
    たとえば「オペレーション」をヒトラーは「作戦」と解釈し、相手は「整形手術」のつもりで話を進める。
    かみ合っているような、いないようなやり取りが笑いを誘う。
    歩きスマホの問題もヒトラーにかかれば「むしろ劣等民族に義務化すれば数日のうちに車に轢かれたやつらの遺体がごろごろと転がり好都合だ」となる。
    過激な思想だけども、意外と優しい面を見せるヒトラーさん。
    まだまだこれから活躍しそうな期待感を持たせて終わってしまった。
    ぜひ続編を書いてほしい。
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    投稿日:2017.02.15

ブクログレビュー

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  • qy

    qy

     結末に賛否両論だろうな、と思いましたが・・・。個人的には、ヒトラーに対して、どこか人間味を感じました。いくら総統といえども、やはり人間、とでもいいましょうか・・・。

    投稿日:2024.02.19

  • Dull_hours

    Dull_hours

    ピンチを乗り越え先行きは明るい、総統たちの戦いはこれからだ!
    なんて凄く前向きな終わり方…なのに、と言うかだからこそ、と言うか後味は悪い…!
    ドイツ史をちゃんと分かってたらもっと面白く読めるんだろうな

    投稿日:2024.02.12

  • 竹馬

    竹馬

    面白ければ面白いと感じるほど恐ろしい本ってすごいなと思った。
    ドイツ史にそんな詳しくないからもっと勉強してから読めばもっと面白いきっと

    投稿日:2023.07.23

  • ツカチヨ

    ツカチヨ

    このレビューはネタバレを含みます

    笑っていいのかどうなのか。
    どうせフィクションならもっとバズっていくところを強調して面白くしてほしかったのが本音。

    大衆扇動が始まるかもしれない可能性を残して物語は終わる。

    ヒトラーとはドイツにとって何だったんだろう。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.03.30

  • kumapooooo

    kumapooooo

    ともかく第二次大戦のほとんど全ての問題をヒトラー及びナチスに負わせているわけだ。ムッソリーニ及びイタリアは、途中で降伏して、内部告発で減免されたかのようで。
    そんなこんなだから、まぁナチスのネタとヒトラーのネタはざっくりおいしいネタということで、いくら悪事を働かせても大丈夫。従軍慰安婦問題とかにも通じるものがあるねぇ。
    でも今回はヒトラーのちょっといいところも探してみようネタなんであって、そりゃアンチとして再評価があっても良い頃だよね。もはや戦後ではないというか。
    まぁ多分に美化されてるところもあるんだろうけど、この自信というか、引っ張っていく力は参考になる面もあるんではないか。ヒトラーが成り上がるまでをドラマ化したらええがな。
    続きを読む

    投稿日:2022.07.18

  • hosinotuki

    hosinotuki

    上巻の面白さはそのままラストまで続く。
    主義主張はヒトラーと同じなのに、現代の今に置き換えてみればそれなりの説得力を持って行為的に受け止められ、本人にも魅力が感じられもして、恐いことだと思った。

    投稿日:2022.05.18

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