【感想】千年鬼

西條奈加 / 徳間文庫
(54件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
15
16
16
0
0
  • 希望があればどんな苦労も

    不条理な人の世で、心に鬼の芽を持つ人に手をさしのべ、人が人鬼に成らぬよう鬼の芽を摘み取っていく小鬼のお話。前半はオムニバスで色々な物語が語られていきますが、第五章にしてそもそもの事の起こりが明らかになります。そして最終章はその起こりから千年後の最後のお話に。
    壮大なスケールに圧倒されながらも一気に読める、上質な大人のファンタジーでした。
    続きを読む

    投稿日:2015.12.14

  • 表紙のようなコミカルさはなし

    ライトで時代物で伝奇系
    でも予想以上にダークでした
    鬼が過去を見せてくれるのですが、死んで見つかった子供にその時なにがあったのか
    見れても、過去のことなので助けることはできなかったり
    この鬼自体が業に縛られていて、なんとも悲しい話でした
    重い話だからなのかちょっとライト過ぎる書き方なのが大人には読みずらいかも
    続きを読む

    投稿日:2017.03.26

  • 絶望こそが地獄、希望があればこそ

     普通の鬼と人が鬼になってしまう人鬼(ひとおに)。人が恐れるのは人鬼の方。普通の鬼は自然と生きる天の人に近い存在、という設定。
     とある因果から人鬼となる”芽”を負ってしまった少女”民”を追って千年の旅をする小鬼と黒鬼。時代時代に生まれ変わった民の悲しみは彼女(彼)を人鬼に変えてしまうのか・・・。 一話一話は優しい感じの構成で、人の悲しみや苦しみ、そして心の再生を語ります。そして時代を経た旅の終わりには何が待つものは・・・。
     最初の方は今ひとつ小鬼や黒鬼の立場や天女様の関係性がつかめませんでしたが、最後までしっかり読めば納得できました。思いのほかハード。
    続きを読む

    投稿日:2017.08.08

ブクログレビュー

"powered by"

  • ultraman719

    ultraman719

    「無垢な心のままに罪を犯すと、ときに鬼の芽を生じる」

    あかん!
    鬼の芽ができるかも?
    私!無垢な心持ってるし〜♡

    その鬼の芽を摘むのに、現在、過去を奔走する小鬼たち、それには、
     悲しい
     悲しい
     悲しい
    出来事が…

    しかし、鬼の芽を持った人が、人鬼になる時って、そら鬼にでも何にでもなってまうやろ!って状況やん!
    最愛の人を殺されたり、何か無残な状況で鬼なる。
    我を忘れるみたいな。

    何か「大魔神」みたい。
    (こんな古い映画、誰も知らん(^^;;)

    鬼の芽を摘む小鬼がかわいそうで…
    あんなに頑張ったのに、遂に力が…

    でも、微かやけど光見えて良かったかな。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.22

  • 栞

    可愛らしい赤鬼と子供の表紙からは想像できない切なくなるお話。でも読み終わった後に温かな気持ちになれる。今は苦しくても前を向いて生きていこうと思えるいい本。小鬼と民が愛おしい。
    いつか2人がまた会えますように。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.08

  • ひろ

    ひろ

    おとぎ話かなと。

    読み始めの感想はそんな感じ。

    主な登場人物は小鬼・黒鬼・天女・そして民。

    人間は、無垢な心のままに罪を犯すと「鬼の芽」を内に秘めてしまう。

    それがいずれ人鬼にさせ身を滅ぼし災いのもとになってしまう。

    過去を見せられる小鬼が力を使い、そんな人々に希望が持てるきっかけをあたえ芽を摘み取ってゆく。

    前半の各章わかりやすいお話で章の最後に少しずつ全貌が明かされて、千年にも及ぶ小鬼と一人の童女「民」の物語が浮かびあがってくる。

    このあたりから小鬼と民の切ない話になり救いがないような境遇に心を痛めてしまった。


    最後、まだまだ長い旅になりそうではあったが、一縷の希望があるとはなんと強いことかと。

    改めて人を想う気持ちに期限なんてないとおもわされた。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.21

  • coco

    coco

    最初の方の物語は普通に昔話的な感じだなぁと思っていた。人の中にある暗い感情というものが人鬼となるというのは理解出来る。
    ところが、最後の方になって全部が繋がった。
    無垢な子鬼がたまたま出会った民の事を想い千年の時をかけて民を守ろうとした。その民も民を守った子鬼を見つけようと気の遠くなる年月をかけていると知ったら涙が止まらなくなった。続きを読む

    投稿日:2023.12.11

  • ひな

    ひな

    全てが小鬼と民の物語に繋がっていた。
    「無垢な心のままに罪を犯すと、ときに鬼の芽を生じる」
    無垢な心を持つものがなぜ罪を犯す?どうやって罪を?と考えながら読んでいたけれど、それがわかった後、小鬼と民の純粋でお互いを想う気持ちに、じんとくる。
    小鬼の千年にも及ぶ旅の後、民の千年が始まり、最後はとても切ないけれど、希望もあり、温かい気持ちになれた。
    続きを読む

    投稿日:2023.08.15

  • may

    may

    鬼の芽は鬼ではなく、人に巣食う。その鬼の芽が弾けてしまえば、それはもう人ではなく人鬼となる……鬼の芽を摘み取る小鬼の永い永い旅。
    ただひたすらにひたむきに、ただひとつのために。
    タイトルの意味がわかったとき、ラストの情景を思い浮かべたとき、胸が苦しくなる。それでもきっと民は永遠と変わらぬ時間を、小鬼が自分のためにしてくれたように、希望を捨てずに過ごしていくのだろうね。続きを読む

    投稿日:2023.05.31

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。