【感想】ユダの覚醒 上

ジェームズ・ロリンズ, 桑田健 / 竹書房文庫
(14件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
3
6
4
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0
  • 題名のユダ(裏切り者)の意味が意味深・・・・

    一時期立て続けに読んでしまい私の中でインフレーションを起こしていたロリンズ作品ですが、一年ぶりに再開しました。久しぶりのシグマフォースでしたがやはり面白い。アクション物って最初の掴みが大事だと思うのですがギルドのセイチャンがいきなりグレイに助けを求めてくる冒頭から思わず引き込まれます。またインドネシアのクリスマス島で発生した奇病の調査に乗り出したモンクとリサにも海賊が襲いかかり、あれよあれよという間に戦いの渦中へ。

    今回はマルコポーロが当方見聞録で書き残さなかった失われた旅行記を追ってワシントン、イスタンブール、インドネシア、カンボジアと各地をめぐりながら天使の言葉、ジャンクDNA、レトロウイルスなどのキーワードを元に話が進みます。また本作でもグレイの両親が人質に取られギルドに従わざるを得ない状況に陥ったり、世界規模で拡散し出した奇病を止める必要に迫られたりと相変わらずタイムリミット感を煽る展開になるのですが、一番の見所は何と言ってもグレイとセイチャンの関係でしょう。信頼と裏切りの間を行ったり来たりする二人の関係から目が離せません。

    そして本作から登場するコワルスキーという隊員が作者の別作品「アイス・ハント」に出ていたあのコワルスキーだったとあとがきを読んでビックリ!似てるけど別人だと思っていただけにニンマリしてしまいました。どうやら作者の作品世界はいろいろと繋がっているようで他の単発モノの登場人物が本シリーズでも今後出てくるようですね。また一つ楽しみが増えました。
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    投稿日:2016.06.30

  • ジェームズ・ロリンズによるシグマフォースシリーズ第3弾!

    マルコ・ポーロの冒険が現代の疫病に大きく関わるという、発想自体がとんでもないスケールで驚く。全2作以上に冒頭からスピーディに物語が展開し、例によってギルドと裏をかいたりかかれたりしながらも謎の行方を追ってグレイほか登場人物が活躍する。
    前作「ナチの亡霊」はペインターの物語かと思うほどグレイの印象が薄かったが、本作はセイチャンとともに主人公らしい活躍を見せる。一方、インドネシア沖では例によってモンクがリサとともにギルドに包囲され、片腕をなくしたときと同じようなピンチに陥る。
    病気がキーワードになっていたり、モンクがとらわれの身になったりと全2作と同様な展開もあるが、「マギ」の時のような遺物を元に謎を追いかけていく展開はダン・ブラウンのラングドンシリーズやインディ・ジョーンズなどに共通して知的好奇心をくすぐられ、先が気になる。それにしても、なぜ「ユダ」なのか。
    例によって、どこまで事実でどこからがフィクションなのか上巻を読んだ時点では全く不明だが、これまでもフィクションかと思ったら現実に存在するものだったりと、その科学技術や歴史的遺物に精通していることでは定評のある作者だけに、これがもし現実だったらと空恐ろしくなってしまう。
    物語は佳境に入ったところで下巻へと受け渡されるので、かじりつくように下巻を手に取ってしまった。
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    投稿日:2015.05.02

ブクログレビュー

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  • shigezoh

    shigezoh

    シリーズ第3弾。北米、ヨーロッパ、アジアの各地域でトラブルに巻きこまれるシグマフォースの面々。それぞれの事件が1つにつながっていくといった感じ。

    超電導、量子エネルギーときて今回はアジアで発生した謎のウイルス。マルコ・ポーロの「東方見聞録」が解明の鍵らしい。

    歴史的な事件や人物、建築物なんかに関わるうんちくやミステリーは好きなんだけど、上巻を読む限りそういったテイストは薄い。基本的にずっとドンパチやっていて、ときどきマルコ・ポーロの話題に戻る。

    登場人物たちはキャラが固まってきて愛着あるし、展開もスピーディでスリリング。事件の真相も気になる。ただ、続けて読むとやっぱり飽きる。1年に1冊ぐらい新刊が出て、待ってましたと楽しむのがいいんだろうな。
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    投稿日:2023.04.01

  • 名無し

    名無し

    このレビューはネタバレを含みます

    ウィルスとマルコポーロで最後はアンコールワット
    テンポが速い
    相変わらずのページターナーぶり

    主人公の両親が巻き込まれるのが
    緊迫度を高める

    絶妙な場面でのカットバックとか
    このまま映画に出来そう。

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    投稿日:2019.04.27

  • ykikuchi

    ykikuchi

    "今回の科学的なテーマは菌にまつわる話。そして歴史のテーマはマルコ・ポーロさんの「東方見聞録」に秘められた謎。
    人間の体は、多くの菌と同居している。ヨーグルトを食べると身体に良いといわれているのはビフィズス菌が腸の働きを良い方向に整えるから。
    そのほかにも数千の単位で聞いたことのないような菌と同居している。そのほとんどが無害のままで共存している。
    それらが、急に反旗を翻したらどうなる?科学的にあり得る話なのだろうか?
    好奇心を刺激されさらに先を読みたくなる。"
    続きを読む

    投稿日:2018.10.28

  • 出雲一寸

    出雲一寸

    読書録「ユダの覚醒(上)」3

    著者 ジェームズ・ロリンズ
    訳 桑田健
    出版 竹書房文庫

    p137より引用
    “ テキサス生まれの母は、父と同じ油田労
    働者の家庭で育った。銃規制法案には賛成だ
    と常日頃から主張しているものの、いざとい
    う時には銃の仕様をためらわない。”

    目次から抜粋引用
    “黒い聖母マリア
     待ち伏せ
     遺失物
     疫病
     第一号患者”

     機密部隊・シグマフォースの活躍を描いた、
    長編アクション小説。シリーズ第三弾上巻。
     東方への長い旅の帰り、マルコ・ポーロと
    その父・叔父一行は、東南アジアのスマトラ
    島に立ち寄っていた。彼らの目の前では、旅
    を共にした仲間たちが炎に包まれている…。

     上記の引用は、主人公・グレイの父母につ
    いての一節。
    普段から身近にあれば、私たちの身の回りの
    道具とそれほど変わらない感覚で、銃も使え
    るようになるのかもしれませんね。毎年のよ
    うに銃乱射事件が起こっているのに、規制が
    進まないのは、人は銃を向けてくるのが当然
    だと思っている人ばかりだからでしょうか?
     歴史と科学を上手く混ぜたミステリーが、
    先を読む楽しみを加速させます。けれど、上
    巻だけで400ページ超というのは、少々長く
    感じる人もいるのではないでしょうか。その
    分丁寧にかかれているので、場面場面を思い
    浮かべやすくはあります。

    ーーーーー
    続きを読む

    投稿日:2017.07.09

  • yaokuma

    yaokuma

    シリーズ3作目にもなると、登場人物にも愛着が湧いてくる。考古物から発したパンデミックをめぐる知識の獲得争いに惹きこまれる。グレイの両親まで巻き込まれたり、セイチャンが仲間になったりと、シリーズ中の伏線を使い切る作者の覚悟も伺えます。続きを読む

    投稿日:2017.04.01

  • tomoyafujine

    tomoyafujine

    このレビューはネタバレを含みます

    科学、歴史をモチーフにした小説家のジェームズロリンズの著書。
    今回のテーマは疫病。
    インドネシアの孤島で全身が膿み、血まみれで死ぬという奇病が発生したため、アメリカ軍の科学知識のある特殊部隊 シグマフォースが派遣される。

    一方、その頃アメリカにてマルコ・ポーロに関する秘密を巡って攻防が繰り広げられる。


    テーマとしては面白い!
    特に病気を引き起こすのが、ウィルスではなくて、人と共存しているはずのバクテリアが突然変異し、猛毒を発生させるようなところなど。

    ただ内輪感と心理描写が多すぎたので星は三つ

    レビューの続きを読む

    投稿日:2014.11.15

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