エディプスの恋人

筒井康隆 / 新潮社
(133件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
30
43
32
15
2
  • 七瀬シリーズ、最高の傑作にして唯一の非映像化作品

    七瀬シリーズ「衝撃の最終巻」というのが相応しい作品です。
    「家族八景」「七瀬ふたたび」まで読んだのであれば、当然読むべきです。

    「家族八景」を読んだ後に、七瀬シリーズの次作として「七瀬ふたたび」を読まれた方は、ある程度面食らったかと思いますが、更に面を食らうハメになるのがこの最終巻です。
    最後まで読んだ時「え、こんなオチ、アリなの?」と思うか「流石筒井!これは参った!」となるかは、人に寄るでしょう。
    ただ、その最後のオチ以外は、人を選ばず楽しめると思います。

    是非読んで頂き、「家族八景」と「七瀬ふたたび」は何度も映像化されても決して「エディプスの恋人」が映像化されない理由を知ってください。それは決して「エディプスの恋人」が詰まらないからではなく、別の理由なのです。
    続きを読む

    投稿日:2013.10.16

  • 七瀬三部作の最終巻

    前作の終わりから何の説明もないまま平穏な日常に戻っている七瀬の周りで起こる不可解な現象。それがある人間と係わり合いがあると知ったときから彼女の超常現象の元である「意志」探しが始まる。前半は、ミステリー風の誰がその超常現象をおこなっているのか?を探す旅が面白い。その過程でわかってくる不可解な謎。ただその正体が徐々に明らかになってくるにしたがって日常世界から神話世界へ移行していく後半はなに~と思った。初見の時には、この展開、特に前作での状況が置いて行かれたような本作にいまいち納得できなかった。ただ今回読み直してみていろいろと気づいた点も多い。
    神によって「彼」同様、七瀬自身も守られていたと気づいた時、小説という舞台で演じているうんぬんのくだりが出てくるのだが、これは作者=神という意味に読み取れた。。。この最終巻に登場する「神」は、日本的ではなく西洋、特にギリシャ神話に登場する独善的な「神」であり、実はこの「神」、作者自身にかぶって見える。なんせ小説世界では、作者は絶対的な神であるからだ。これってメタ小説?まあ神を登場させるということは夢オチと同じで小説では諸刃の剣。使い方によっては作品そのものを壊してしまうが、ここではうまくいっている。小松左京の「こちらニッポン・・・」よりは、小説としての納まりは良い。
    ここまでの物語の飛躍を生んだのは、続編を書かなくても良いようにこのシリーズを終わらせるという意志が作者にあったということらしいが、主人公を小説舞台から消す(つまり殺す)という安易な話に持っていくのではなく、物語自体を(神を登場させることで)ドンつきまで持っていくことで終わらせてしまうというこの作者の力量には脱帽してしまう。やはり筒井康隆はすごい作家だ。
    続きを読む

    投稿日:2013.09.24

ブクログレビュー

"powered by"

  • サイトム

    サイトム

    このレビューはネタバレを含みます

    後半、七瀬が「神」(太極存在)になるところは、なかなか壮大だと思った。しかし、とくにセクシャルなもんをいれる意味があるんかいなとも思った。ここが日本ぽいと言えば日本ぽい「神」だなと思う。

    「神」のことを「太極存在」とかいっていて、西洋的な人格神とは異なるという点を強調しているようにようだが、息子を見まもるところなど、なんとも日本的な「女神」である。自由意志の問題も作品の最後で解決をみておらず、なんとも放り出されたような終わり方である。

    「宇宙ということばの字義通り、空間としての宇宙と時間としての宇宙の両方をつかさどっている」(220頁)云々は「宇」が「軒」(空間)を指し、「宙」が「水時計」(時)を指すことを言っているのであろう。作者は東洋風をいれようとしているんだなと思った。

    もしかすると、「なぜ超能力者が生まれたのか」という『七瀬ふたたび』にみえる問いも、「彼女」のせいかもしれないと思う。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2019.08.07

  • コジコジ

    コジコジ

    このレビューはネタバレを含みます

    筒井康隆的な跳躍したぶっ飛んだ発想は楽しめるが「七瀬」という優れたモチーフをこのような形で描くのはどうなのだろうと思ってしまう。「意志」なる者を描くこの物語は、確かに三部作完結編として「七瀬」である必要があったかもしれないし、「七瀬」である必要もない。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2019.03.03

  • largeaslife

    largeaslife

    七瀬三部作の完結編。

    それぞれ全く異なる作品であり、
    本作は、「宇宙意志」の下にある人間がテーマ。
    そして、「彼女」の下にあることを知ってしまう七瀬。

    人間は実在する存在なのか?
    この世界は実在しているのか?
    哲学的な話である。

    『マリス博士』の中にあった「人間機械論」にもどこか通じるものを感じた。つまり、自分というものが存在するのか、という点で。

    ただ、三部とも、救いがある話ではないので、
    それによって、好き嫌いが分かれるだろう。
    続きを読む

    投稿日:2018.10.12

  • nightmare5296

    nightmare5296

    何者かの巨大な「意志」によって護られた少年と
    自身の恋に引きずられ苦しむ七瀬。
    戦いを経て、仮初めの恋愛劇を繰り広げた七瀬の驚愕のラスト。
    赤い言葉に語りかけられ七瀬は宇宙と一体化する。
    全ての現実感を無にする自身を超えた存在に慄然する。‬続きを読む

    投稿日:2017.12.06

  • hiro1548

    hiro1548

    ほとほと感心してしまった。同じ素材でテーマの異なる3題を作り上げる巧みさ、何より2作目と本作とのつながり方には驚いた。死んだはずの七瀬がしれっと登場するのはどうして? これ初出の時は驚愕だったろうなぁ。3部作と知っていてこれだけ驚かされたわけだから。
    それにしても神様が代替わりするっていうアイデアには爆笑してしまったぞ。
    続きを読む

    投稿日:2017.11.08

  • 和芥子(わからし)

    和芥子(わからし)

    「七瀬ふたたび」の続きが気になって頑張って読んだのだけれど、ピンとこなかった。タイトルから恋愛小説をイメージしていたのに、全然恋愛小説ではなかった。

    投稿日:2017.10.04

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

本棚の開き方(スマートフォン表示の場合)

画面左上にある「三」ボタンをクリック

サイドメニューが開いたら「(本棚アイコンの絵)」ボタンをクリック

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。