【感想】世界は密室でできている。

舞城王太郎 / 講談社文庫
(146件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
37
46
44
4
1
  • もう一つ入り込めず

    作者の作品は初めて。
    新聞のコラムで推薦されていたのを読んで、興味を持って購入。
    奇想天外な展開で、それはそれで面白いのだけど、少年を主人公にしたためと思われる文体が今一しっくりこなくて、なかなか入り込めなかった。
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    投稿日:2023.04.24

  • たんたんと猟奇

    ときどき描写で気持ち悪くなりました。
    あ、褒め言葉です。
    登場人物たちがぶっとんでいるので、
    ミステリーと言うより青春小説?
    なんだろうこれ?と戸惑いつつ一気に読めたので
    読みやすいのだろうなぁ。
    後感は良かったです。続きを読む

    投稿日:2014.04.06

  • さかさまのビルドゥングロマンス

     「新青春エンタ」のキャッチのとおり、ミステリというよりは、ある種のビルドゥングロマンスだと思います。とは言え、主人公は最初から成熟していてその表現が年代とともに変わっていくだけ。寧ろ、主人公の周りの人間が成長していく小説、という気がしました。
     きっと、本格の人には受けが悪いだろうな、と思いながら....本格の人は舞城王太郎氏の作品はよまないか。

     あまり褒めてないみたいですが、個人的にはとても好きです。舞城王太郎氏の作品の中では読みやすい方だし、おすすめです。
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    投稿日:2013.10.12

ブクログレビュー

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  • ミド

    ミド

    舞城王太郎作品をおすすめしてもらったので読んでみました。

    序盤からどぎつくグロテスクな表現が続き、顔をしかめながら読み進めると、軽快な一人称の語り口に気づけば引き込まれています。
    ぶっ飛んでいながらも友情、恋愛、青春の機微が切なく描かれています。
    中毒性が高いと思います。
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    投稿日:2024.03.05

  • 裏竹秋

    裏竹秋

    また大江健三郎かもしれません
     冒頭の、肌を搔きむしって全身が乳首のやうになるシーンは、なかなか想像するとグロテスクです。下品でくだらなくて気色悪いのですが、最後まで読むと、まあめちゃくちゃでヘンテコリンな小説だけど、アリかなといふ気がしてくる。
     登場人物はみんなどこかをかしいけれど、まあツバキエノキ魅力的だしアリかな。連続殺人もバカミスすぎてアホらしいけど、ここまで飛ばしてると、全体と調和してるしまあアリかな。で、最後もよく書けてると思ふ。

     たとへばツバキさんが屍体を使ってしてしまったことが、たいへん狂ってゐる。度肝を抜きました。しかしそのイメージがいつまでも頭から離れない。鮮烈なイメージです。

     笠井潔氏は、かつて日本推理作家協会賞の短篇部門に舞城氏の「ピコーン!」が候補になった時(2003年)、かう評しました。《ミステリとしての歪みや撞着にかんして作者は確信犯であ》る。つまり、わざとこのやうなバカバカしい書き方をしてゐるといふことです。舞城氏の作品が一貫してこの傾向にあることは、作品を読めば明らかです。

     さて、氏は小説にモチーフやパロディを用ゐる人です。たとへば、デビュー作の『煙か土か食い物』は、尾崎真理子氏の指摘の通り、大江健三郎の『万延元年のフットボール』でした。また、短篇「熊の場所」と『阿修羅ガール』は、神戸連続児童殺傷事件がモチーフです。『ディスコ探偵水曜日』はさまざまなパロディが仕込まれてをり、西尾維新やそのほかに留まりません。

     さう考へると、この『世界は密室でできている。』もなにかしらのものが根底にありさうな気がするのです。
     どうも私はまた大江健三郎の『万延元年のフットボール』なんぢゃないかと、根拠薄弱ながら思ひました。なんたって『万延元年のフットボール』は、《この夏の終りに僕の友人は朱色の塗料で頭と顔をぬりつぶし、素裸で肛門に胡瓜をさしこみ、縊死したのである。》といふ、度肝を抜くある種のミステリですから。
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    投稿日:2023.06.05

  • ゆうすい

    ゆうすい

    このレビューはネタバレを含みます

    舞城王太郎スタイル健在。
    破綻しそうな危うさを常にちらつかせつつ、勢いに乗ってなんとか崩れることなく最後まで突っ走った感じ。それでいてクライマックスの盛り上がりにはすっかり心を持っていかれ、終わればやっぱり☆5つ付けてしまう。
    人生はこんなふうに、キレイにまとまらずに疾風怒濤と流れていくものかもしれない。

    ルンババこと番場潤二郎とユキオこと西村友紀夫の12歳から19歳までの物語。基本、ユキオ目線でルンババが観察される。
    ユキオが暴力的な子じゃないおかげで、今回の話はいくぶん暴力に怯えることなく読めた。まぁ、周囲の人間にぶっ飛んだヤツが多すぎるけど。

    それなりにミステリ調の事件はいくつか起きて、名探偵に成長したルンババが惜しげもなく謎解きするけど、総括すると本作品はミステリじゃない。
    死体にカツラを被せて着替えさせて変なポーズ取らせた連続殺人は実は絵画作品の見立てだったとか、死体が執拗に動かされた跡が実は死体を出演者にコマ撮り動画を制作したからとか、トリック(?)のアイデアはめちゃ秀逸(?)だけど、ミステリに仕立てるにはストーリーの組み立てのセンスも大事なんだな、と、多分舞城王太郎はそこを目指してないのにミステリ脳な自分は勝手にそんなふうに考察した。

    大切な人を不慮の事故で失った人は、多かれ少なかれ自分を責めるんだろう。何故あの時自分は助けられなかったのかと。ずっと苦しんでたルンババにずっと寄り添ってきたユキオは、ルンババが弾けてしまった時に諦めずに勇気を出して救えて良かった。ルンババは救われたし、ユキオも、責める側になりかけてた自分を救ったのだ。
    友達って、イイね。(←陳腐な表現にしかならない語彙力を呪いたい)

    ハーケンクロイツの回転箱家で、菅原悠のオリジナル作品の見立てを4コマ漫画に仕立てて菅原を閉じ込めたのは奈津川家の誰なんだろう。センス的には明らかに二郎だけど、ルンババは多分三郎と同じ歳だから(うろ覚え)、もう二郎は蒸発した後だし、一郎や三郎や四郎の仕業とも思えないし、丸雄なのかな。
    で、ルンババが三郎と懇意になるのは、もしかしたらこの事件の未解決の部分を明らかにしたかったからなのかな。
    で、で、『煙か土か食い物』のルンババの壮絶な最期を思うと、ちょっとやるせないよね。

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    投稿日:2021.05.22

  • tomosaku

    tomosaku

    これは青春小説、なのか?それにしては死体が多すぎないか(ざっと30人くらい)?でもきっと、主題は青春小説なんだろう、たぶん。何しろ殺人事件が起こり密室が解かれるごとに、主人公たちは成長し仲を深めていくのだから。

    とにかく殺人事件にリアリティがないし動機も解せない。事件のための事件と言える。そして、だいたい密室で、その解法も突飛すぎる。なのに何故か面白い。これはキャラ造作と文体の妙を感じる。

    ある種の荒唐無稽さを受け入れた上で、この密室だらけの世界を楽しむのがこの本の面白さだな、と思う。
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    投稿日:2020.10.26

  • 夜食・中七七三/特殊物書き稼業

    夜食・中七七三/特殊物書き稼業

    このレビューはネタバレを含みます

    ミステリのン謎解きよりも、キャラが面白い。
    特に、狂ったねーちゃんの存在感が半端なく、クソ笑った。

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    投稿日:2020.07.17

  • kurodamanabu

    kurodamanabu

    メフィスト系がラノベと呼ばれるのはセリフの多さと感じるけど、改行せず言葉の応酬に驚かされました。ミステリーなんて言うから敬遠してたけど良い意味でサラッと読めた。

    投稿日:2019.09.06

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