【感想】マグマ

真山仁 / 角川文庫
(131件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
32
61
23
3
0
  • 震災後だからこそ、なるほどと思う

    震災以降にエネルギーや電力問題に興味を持って読んでみた一冊。内容はフィクションだが、中で取り上げられている地熱の技術や利点、日本の風土に適している部分などは綿密な取材をベースしていて勉強にもなる。本書が書かれた時点では東日本大震災は起きておらず、原発と比べて地熱や風力、太陽光などは今ほど注目されてなかったが、今読むと原子力を取り巻く環境との対比など、なるほどと思わせる部分もある。続きを読む

    投稿日:2013.09.26

  • 地熱への愛、想いがあふれた小説でした。

    ハゲタカから入って真山さんのファンになりました。

    善悪両面を持った、魅力的な登場人物たちと、その登場人物たちの知能戦のやりとりにいつも引き込まれます。

    ハゲタカと比べると、マグマは、そこまでディープな小説ではなく、あっさりした印象を持ちました。

    登場人物のエゴやコンプレックス、それぞれの策略の絡み具合や深さも、ハゲタカと比べるとちょっと浅いかな、と。

    すごく地熱発電を知ってもらいたい、地熱の素晴らしさを伝えたい、そんな気持ちが溢れている小説と感じました。

    とはいえそこは真山さん。主人公と、地熱に関わる人たちは十分魅力的。
    一つの物語として十分に楽しめました!
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    投稿日:2015.12.19

  • 日本のエネルギーは・・・

    エネルギー資源のない国が進むべき道が標されています。ただ、そこには政治の力学も・・・。

    投稿日:2013.10.30

  • 胸が熱くなりました。

    地熱発電、テーマが重いからどうかと思いながら読みはじめましたが、結構わかり易い内容でした。エネルギー問題を改めて熱く意識させられます。そして何よりも、それぞれの人間模様が熱い。エピローグでは目頭も熱くなりました。
    マグマなだけに、とにかく熱い作品です。
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    投稿日:2017.02.26

ブクログレビュー

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  • 1213430番目の読書家

    1213430番目の読書家

    真山仁さんの初めて本。経済小説がメインであり敬遠しておりましたが傑作でした。

        主人公が休み明けに会社に行ったら、自分のデスクどころか部署自体がなくなっていたという、衝撃的な場面からストーリーは始まります。そして主人公は支店長に呼ばれ、九州の山奥の会社の立て直しを命じられ… 

    2006年に書かれた本。今まで知らなかった地熱発電ですが、わかりやすい説明で読ませてもらいます。その後2011年の東日本大震災で、まさか日本の原発がすべて止まる日が来るとは。そして夢の発電方式でありながら、進まないのは、なぜなのでしょうか?


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    投稿日:2024.02.24

  • Miku Kawakami

    Miku Kawakami

    面白かった。政治と金とリアルな感じが楽しい。政治と金とパワー合戦はドロドロとヘビーでハードでも、清々しく美しい九州の景色や品のある光景が挟まっていて気持ちが良い。
    ラストは感動どころも多く涙、涙でよかったけれど、その祖父でそんな性格の孫には育たないでしょう、という現実味のなさが少し残念でした。続きを読む

    投稿日:2023.09.14

  • honno-遊民

    honno-遊民

    この小説が、3.11原発事故よりも前に書かれていたことに、著者の先見性の確かさを見る。
    『ハゲタカ』シリーズの著者が、火山大国である日本で地熱発電がなぜ発達してこなかったのかを明かし、原発という禁断の火を手に入れてしまった我々は後戻りできないのだろうか、そんな問いかけを迫る経済情報小説。
    ファンド会社の上司から地熱発電会社の再生を指示された主人公野上妙子。
    彼女が、地熱発電研究の第一人者者や日本地熱開発社長とともに、再建を果たすまでを描く。
    小説内で、地熱発電の問題点として3つあげられている。一つは、コスト的ハンディが大きく、事業として魅力がないこと。二つ目は、政府の温暖化対策である助成措置の対象外であること。三つ目は、国立公園の制約。
    一方、原発については、利権構造と権力構造が生んだ悪魔の選択だとし、莫大な国の補助金がつぎ込まれながら、使用済みの核燃料の処理方法も確定せず、老朽化した原発の処理問題も未定のまま、地球温暖化対策の切り札としてベースロード電源に位置づけている現状を、小説内の人物に告発させている。
    ロシアによるウクライナ侵略での資源危機から、原発推進に拍車がかかるいま、気象に左右される太陽光発電や風力発電より、気象の影響を受けない地熱発電に再度注目する必要があるのでは。
    利権が絡み、電力業界の負け犬とされる地熱発電を、抵抗勢力などの様々な障害を乗り越えながら、事業として軌道に乗せようとする主人公たちの活躍に、称賛しながら読み終える。
    「大枚をドブに捨ててでも、子孫のため、地球のために便利さに背を向ける選択をする勇気を持つ人間がどれくらいいるか」、そんな問いかけに「自分たちが果たすべき責任」を意識しなければならないだろう。
    続きを読む

    投稿日:2023.02.15

  • ゅう

    ゅう

    2006年時点の電力に対する一般的なイメージを理解するのに役立った。
    原子力が環境に悪いという考えを抱く理由が分からなかった。環境に良い地熱、との対比のために仕方無いとは思うものの。
    産業が政治にコロコロ転がされる様子が、現実の通りで、うっ、という気持ちになった。
    ストーリーとしては、謎をほとんど解決してくれるのでスッキリしていて良い。
    続きを読む

    投稿日:2023.01.17

  • takuyasato0

    takuyasato0

    再生可能エネルギーの一つとしての地熱発電について学ぶために八丈原地熱発電所に見学に行った際に、この本を知りました。この作品が書かれたのは2006年。2023年の現在は、原発の全停止を経て、電力自由化、再生可能エネルギーへのシフトが進む一方で、脱炭素と資源高への切札として政府と電力会社が原発再稼働を進めている。そして地熱発電の発電能力は2006年当時と変わっていない‥。地熱発電や原発のあるべき位置付けはどこなのか……。いろいろ考えました。
    物語的には、ラストに向けて展開を少し急ぎ過ぎた感じが。
    電力業界の10数年の環境変化を踏まえて、続編が出ないかな。
    続きを読む

    投稿日:2023.01.03

  • にしど

    にしど

    ハゲタカシリーズの真山仁さんの著書。
    地熱発電を運営する会社の再建を任される外資系ファンドの女性が主人公。
    電力、原発問題や地熱発電という至極興味深いテーマが素人にも分かりやすく書かれており、
    この本を通して地熱発電に興味を持った。
    好きなシーンは御室と千歳の後半のシーン。
    2人と一緒に涙が出ました。
    続きを読む

    投稿日:2022.06.25

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